説明

磁気ディスク装置

【課題】 起動安定性の高い磁気ディスク装置を提供する。
【解決手段】 電源投入後、スピンドルモータの回転速度を測定し(ステップ21)、スピンドルモータが停止しているか否かを判断する(ステップ22)。モータが停止している場合には、オープンループ制御による強制回転によりスピンドルモータを加速させ(ステップ23)、逆起電圧が検出できるようになれば(ステップ24)、クローズドループによる加速に移行する(ステップ25)。回転速度測定時にモータが回転していれば、強制回転を行わずに、クローズドループによる加速を行う(ステップ25)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスク装置における磁気ディスクの回転には、一般にスピンドルモータと呼ばれる3相直流モータが用いられており、スピンドルモータで磁気ディスクを回転させ、この回転している磁気ディスクにリード/ライト用の磁気ヘッドを磁気ディスクの表面に近接させて径方向へ移動させながら情報の書き込みまたは読み取りを行っている。
【0003】
一般に磁気ディスク装置には、センサレスのスピンドルモータが使用される。センサレスであれば、センサのスペースが不要であるためモータの小型化、低価格化が図れ、また、配線スペースの削減が可能となる。一方、センサがあればロータの位置を検出可能であるが、センサレス・スピンドルモータを使用した場合には、モータ停止時のロータの位置がわからない。この問題を解決すべく、まずは強制的にスピンドルモータを回転させた後に、クローズドループへと移行する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。その流れを示したフローチャートが図6である。まず、起動を開始すると、まずオープンループ制御による強制回転を行う(ステップ61)。その後、コイルに生じる逆起電圧を測定し(ステップ62)、逆起電圧が測定できなければそのままオープンループ制御による加速を続け(ステップ61)、逆起電圧が測定できるようになれば、ロータ位置に基づいてフィードバックをかけながら加速制御を行うクローズドループ制御による加速へと移行する(ステップ63)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−189674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の手法は、スピンドルモータが停止、或いは十分遅い状況から起動させることを前提としており、例えば再起動直後等の、スピンドルモータが回転している状態からの起動は想定していない。よって、スピンドルモータがある程度回転している場合にも、通常起動時のように遅い回転であるオープンループ制御による強制回転を行うこととなる。このような場合、実際の回転数と、スピンドルモータの相切り替えタイミングとがずれることになるため、スピンドルモータの回転が不安定となり、場合によっては逆回転が生じ、起動が不安定となる。
【0006】
そこで本発明は、起動安定性の高い磁気ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の磁気ディスク装置は、磁気ディスクを回転させるためのセンサレス・スピンドルモータと、前記センサレス・スピンドルモータをオープンループ制御で回転させる強制回転手段と、前記センサレス・スピンドルモータに発生する逆起電圧に基づいて前記センサレス・スピンドルモータを回転させるクローズドループ制御回転手段と、前記強制回転手段及び前記クローズドループ制御回転手段による前記センサレス・スピンドルモータの回転制御開始前に、前記強制回転手段及び前記クローズドループ制御回転手段のいずれの回転手段を用いて前記センサレス・スピンドルモータを起動させるかを決定する判断手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項8記載の磁気ディスク装置は、磁気ディスクを回転させるためのセンサレス・スピンドルモータと、前記センサレス・スピンドルモータに発生する逆起電圧を測定する逆起電圧測定手段と、前記逆起電圧の測定の可否を判断する測定可否判断手段と、前記センサレス・スピンドルモータをオープンループ制御で回転させる強制回転手段と、前記逆起電圧測定手段により測定された前記逆起電圧に基づいて前記センサレス・スピンドルモータを回転させるクローズドループ制御回転手段と、前記強制回転手段及び前記クローズドループ制御回転手段による前記センサレス・スピンドルモータの回転制御開始前に、前記測定可否判断手段により前記逆起電圧が測定できると判断された場合に前記クローズドループ制御回転手段を用いて前記センサレス・スピンドルモータを起動させ、前記測定可否判断手段により前記逆起電圧が測定できないと判断された場合に前記強制回転手段を用いて前記センサレス・スピンドルモータを起動させる駆動方式決定手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項9記載の磁気ディスク装置は、磁気ディスクを回転させるためのセンサレス・スピンドルモータと、前記センサレス・スピンドルモータに発生する逆起電圧の測定の可否を予測する測定可否予測手段と、前記逆起電圧を測定する逆起電圧測定手段と、前記センサレス・スピンドルモータをオープンループ制御で回転させる強制回転手段と、前記逆起電圧測定手段により測定された前記逆起電圧に基づいて前記センサレス・スピンドルモータを回転させるクローズドループ制御回転手段と、前記強制回転手段及び前記クローズドループ制御回転手段による前記センサレス・スピンドルモータの回転制御開始前に、前記測定可否予測手段により前記逆起電圧が測定できると予測された場合に前記クローズドループ制御回転手段を用いて前記センサレス・スピンドルモータを起動させ、前記測定可否予測手段により前記逆起電圧が測定できないと予測された場合に前記強制回転手段を用いて前記センサレス・スピンドルモータを起動させる駆動方式決定手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、起動安定性の高い磁気ディスク装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の磁気ディスク装置について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は、本実施例に係る磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。磁気ディスク装置10は、駆動制御を行うCPU(Central Processing Unit)11及びスピンドルモータドライバ12と、それらの制御を受けるスピンドルモータ13とから構成される。
【0013】
CPU11は、磁気ディスク装置10のメイン制御装置であり、モータ制御以外の各種制御処理も行う。
スピンドルモータドライバ12は、スピンドルモータ13のU相、V相、W相の各相のコイルに駆動電流を供給するための電流ドライバや、スピンドルモータ13の各相のコイルに発生する逆起電圧を元にスピンドルモータ13の回転数を検出するための回転数検出回路、CPU11からの制御データを保持するレジスタ等も含む。
【0014】
スピンドルモータ13は、U相、V相、W相の3相9スロット12極モータである。
次に、電源投入後の磁気ディスク装置10の動作の流れについて説明する。図2は、磁気ディスク装置10の電源投入後の起動動作の流れを示すフローチャートである。
【0015】
電源を投入すると、まず、スピンドルモータ13の回転速度を測定する(ステップ21)。このスピンドルモータ13の回転速度は、スピンドルモータドライバ12の持つ回転数検出回路によって検出することができる。スピンドルモータドライバ12は、各相のコイルに発生する逆起電圧(U−COM間、V−COM間、W−COM間)を測定し、例えばU相の逆起電圧が0Vとなる時刻からV相の逆起電圧が0Vとなる時刻までの時間がわかれば、スピンドルモータ13の回転速度を知ることができる。また、逆起電圧が微小でノイズとほぼ同程度の場合など、ある一定時間逆起電圧を測定しても回転速度がわからなかった場合には、スピンドルモータ13は停止している、若しくは回転速度が十分低いと判断される。尚、測定する回転速度は文字通りの正確な回転速度である必要は必ずしも無く、停止している(もしくは十分回転速度が遅い)か、若しくは逆起電圧が測定できるほど回転速度があるかさえ判断できれば良い。
【0016】
次に、測定したスピンドルモータ13の回転速度を元に、スピンドルモータ13が停止している(若しくは回転速度が十分低い)かどうかを判断する(ステップ22)。スピンドルモータ13が停止している場合には、図6に示した従来の駆動方法と同様に、オープンループ制御による加速(強制回転)を開始する(ステップ23)。強制回転では、CPU11の制御の下、U相、V相、W相の各相を所定の時間毎に切り替えることで、スピンドルモータ13の回転を行う。強制回転を開始すると、スピンドルモータドライバ12で逆起電圧を測定し(ステップ24)、逆起電圧が検出できなければさらにオープンループ制御による強制回転を続け(ステップ23)、逆起電圧が検出できるようになれば、クローズドループ制御による加速に移行する(ステップ25)。スピンドルモータ13の各相に発生する逆起電圧が検出できれば、これを元にロータの位置が判断できるので、クローズドループ制御による加速では、例えばロータがU相の位置に来ればV相のコイルを励磁し、ロータがV相に来ればW相のコイルを励磁する、といった制御を行いながら、所定の回転速度に達するまで加速を行う。
【0017】
ステップ22で、スピンドルモータ13が停止していなければ(即ち回転していれば)、スピンドルモータ13の逆起電圧が検出できるということなので、オープンループ制御による加速を行わずに、クローズドループ制御による加速を行う(ステップ25)。
【0018】
以上説明したように、本実施例に係る磁気ディスク装置10は、電源投入後、スピンドルモータ13が回転しているか否か(逆起電圧が検出できるか否か)を判断し、逆起電圧が検出できる場合には、オープンループ制御による強制回転を飛ばして、クローズドループ制御での駆動を行う。これにより、たとえば再起動時などのスピンドルモータ13がまだ回転している状態からの起動の場合においても、スピンドルモータ13の起動安定性を向上させることができる。
【0019】
本実施例では、実際に測定することで、スピンドルモータ13が回転しているかどうかを判断している。これにより、回転の有無をより確実に判断することができる。
【0020】
尚、使用するスピンドルモータ13は、9スロット12極モータに限られるものではなく、例えば6スロット8極モータ等でもよい。
【実施例2】
【0021】
図3は、本発明に係る磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。磁気ディスク装置30は、温度センサ31と、温度センサ31の信号をディジタル信号に変換するADコンバータ32と、磁気ディスク装置30の電源遮断からの経過時間を測定する電源遮断タイマ33と、電源遮断時にも電源遮断タイマ33へ電源を供給するためのコンデンサ34と、駆動制御を行うCPU35及びスピンドルモータドライバ36と、それらの制御の下で駆動するスピンドルモータ37とから構成される。
【0022】
温度センサ31は、磁気ディスク装置30の筐体内の温度を測定する。ADコンバータ32は、温度センサ31から出力される温度の信号をディジタル信号に変換し、CPU35へ温度情報を供給する。
【0023】
電源遮断タイマ33は、磁気ディスク装置30の電源遮断後の経過時間を測定する。尚、磁気ディスク装置30の電源遮断後は、コンデンサ34から電源が供給される。
【0024】
CPU35は、磁気ディスク装置30のメイン制御装置であり、モータ制御以外の各種制御も行う。スピンドルモータ37の制御の際には、温度センサ31からの温度情報及び電源遮断タイマ33からの電源遮断後の経過時間のデータを利用する。
【0025】
スピンドルモータドライバ36は、スピンドルモータ37のU相、V相、W相の各相のコイルに駆動電流を供給するための電流ドライバや、スピンドルモータ37の各相のコイルに発生する逆起電圧を元にスピンドルモータ37の回転数を検出するための回転数検出回路、CPU35からの制御データを保持するレジスタ等も含む。
【0026】
スピンドルモータ37は、U相、V相、W相の3相9スロット12極モータである。尚、このスピンドルモータ37は、流体軸受を有している。
次に、電源投入後の磁気ディスク装置30の動作の流れについて説明する。図4は、磁気ディスク装置30の電源投入後の起動動作の流れを示すフローチャートである。
【0027】
電源を投入すると、まず、スピンドルモータ37の回転数を予測する。尚、予測する回転速度は、厳密なものである必要はなく、スピンドルモータ37が停止している(若しくは十分回転速度が遅い)か、逆起電圧が測定できるくらいスピンドルモータ37が回転しているかさえわかればよい。この予測に際して、電源遮断タイマ33から得られる、磁気ディスク装置30の電源遮断からの経過時間及び温度センサ31から得られる温度情報を利用する。先述の通り、磁気ディスク装置30のスピンドルモータ37は、流体軸受を有している。流体軸受に使用するオイルは、粘性が温度により変動し、低温になるほど粘性度が高くなることが知られている。図5は、電源遮断後の経過時間と、モータの回転数との関係を、―10℃、−5℃、0℃、25℃の各温度について示した例である。電源遮断後、どの温度であってもモータの回転数は当然減少するが、その減少の幅が、温度が低いほど大きいことがわかる。これは先述の通り、温度が低いほど流体の粘度が高く、モータの回転に対する回転負荷が大きいためである。例えば、温度が25℃の場合には、電源遮断後15秒以上経過すれば、温度が0℃の場合には、電源遮断後5秒以上経過すればスピンドルモータ37の回転がほぼ停止していると判断することができる。言うまでもなく、ここで示した経過時間の数値はあくまでも例に過ぎず、装置の種類等に応じて設計する必要がある。
【0028】
再び図4の説明に戻ると、スピンドルモータ37の回転数予測により、スピンドルモータ37が停止している(若しくは十分回転速度が遅い)か否かを判断する(ステップ42)。スピンドルモータ37が停止している場合には、図6に示した従来の駆動方法と同様に、オープンループ制御による加速(強制回転)を開始する(ステップ43)。強制回転では、CPU35の制御の下、U相、V相、W相の各相を所定の時間毎に切り替えることで、スピンドルモータ37の回転を行う。強制回転を開始すると、スピンドルモータドライバ36で逆起電圧を測定し(ステップ)、逆起電圧が検出できなければさらにオープンループ制御による強制回転を続け(ステップ43)、逆起電圧が検出できるようになれば、クローズドループ制御による加速に移行する(ステップ44)。スピンドルモータ37の各相に発生する逆起電圧が検出できれば、これをに基づいてロータの位置が判断できるので、クローズドループに制御による加速では、例えばロータがU相の位置に来ればV相を励磁し、ロータがV相に来ればW相を励磁する、といった制御を行いながら、所定の回転速度に達するまで加速を行う(ステップ45)。
【0029】
以上説明したように、本実施例に係る磁気ディスク装置30は、電源投入後、スピンドルモータ37が回転しているか否かを予測し、即ち逆起電圧が検出できるか否かを予測し、逆起電圧が検出できると判断した場合には、オープンループ制御による強制回転を飛ばして、クローズドループ制御での駆動を行う。これにより、たとえば再起動時などのスピンドルモータ37がまだ回転している状態からの起動の場合においても、スピンドルモータ37の起動安定性を向上させることができる。
【0030】
本実施例では、電源投入後を例に説明を行ったが、スピンドルモータ37の駆動が開始するときであればよく、例えば磁気ディスク装置30への電源供給は行われているが、スピンドルモータ37の駆動制御はしていない状態から、スピンドルモータ37の駆動を開始するような場合であってもよい。この場合、タイマ33で計測するのは、スピンドルモータ37への駆動制御を停止した時刻からの経過時間である。
【0031】
本実施例によれば、回転数を実際に測定するのではなく、電源遮断後の経過時間及び温度に基づいて回転数を予測している。回転数を実際に測定する方式では、回転数が遅くなればなるほど測定に必要な時間が長くなり、例えば9スロット12極モータで1Hzの回転数を検出するには少なくとも28ms必要であり、その分起動時間が増加してしまう。しかし、本実施例のように予測する場合には、このような測定時間を省略することにより起動時間を短縮させることが可能となる。
【0032】
本実施例では、電源遮断後の経過時間のみならず、温度をも使用して、スピンドルモータ37の回転速度を予測している。これにより、評価尺度が1つしかない場合と比して、より予測精度を高めることができる。特に、流体軸受のスピンドルモータ37を有する磁気ディスク装置30においては、図5に示した通り、温度により回転速度の減少幅が大きく異なるので、温度を評価尺度に入れることは大変有効である。尚、温度により磁気ディスクへの書き込み能力が異なるため、一般的な磁気ディスク装置は温度センサを有していることが多い。よって、予め温度センサ31を有している場合には、本実施例の磁気ディスク装置30の温度センサ31を新たに設けずに、予測精度を高めることができる。
【0033】
スピンドルモータ37は流体軸受を有しているが、流体軸受で無い場合や、若しくは温度変化を考慮しなくて良い場合等には、温度による回転数の変化を考慮せずに、例えば電源遮断後の経過時間のみに基づいて回転速度を予測しても良い。この場合は、評価尺度が少ないので、予測にかかる負荷が小さくて済む。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例1に係る磁気ディスク装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例1に係る磁気ディスク装置を起動させたときの処理の流れを示すフローチャート。
【図3】本発明の実施例2に係る磁気ディスク装置の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施例2に係る磁気ディスク装置を起動させたときの処理の流れを示すフローチャート。
【図5】流体軸受の磁気ディスク装置における、電源遮断時からの経過時間とディスクの回転数との関係を、温度毎に示した例。
【図6】従来の磁気ディスク装置を起動させたときの処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0035】
10、30・・・磁気ディスク装置
11、35・・・CPU
12、36・・・スピンドルモータドライバ
13、37・・・スピンドルモータ
31・・・温度センサ
32・・・ADコンバータ
33・・・電源遮断タイマ
34・・・コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ディスクを回転させるためのセンサレス・スピンドルモータと、
前記センサレス・スピンドルモータをオープンループ制御で回転させる強制回転手段と、
前記センサレス・スピンドルモータに発生する逆起電圧に基づいて前記センサレス・スピンドルモータを回転させるクローズドループ制御回転手段と、
前記強制回転手段及び前記クローズドループ制御回転手段による前記センサレス・スピンドルモータの回転制御開始前に、前記強制回転手段及び前記クローズドループ制御回転手段のいずれの回転手段を用いて前記センサレス・スピンドルモータを起動させるかを決定する判断手段と
を備えることを特徴とする磁気ディスク装置。
【請求項2】
請求項1記載の磁気ディスク装置において、
前記センサレス・スピンドルモータの回転速度を測定する回転速度測定手段をさらに備え、
前記判断手段は、前記回転速度測定手段が測定するセンサレス・スピンドルモータの回転速度に基づいて、前記強制回転手段及び前記クローズドループ制御回転手段のいずれの回転手段を用いて前記センサレス・スピンドルモータを起動させるかを決定することを特徴とする磁気ディスク装置。
【請求項3】
前記判断手段は、前記回転速度測定手段により前記センサレス・スピンドルモータがほぼ停止していると判断された場合に、前記強制回転手段を用いた後に前記クローズドループ制御回転手段を用いて前記センサレス・スピンドルモータを起動させ、
前記回転速度測定手段により前記センサレス・スピンドルモータが回転していると判断された場合に、前記クローズドループ制御回転手段を用いて前記センサレス・スピンドルモータを起動させる
ことを特徴とする請求項2記載の磁気ディスク装置。
【請求項4】
請求項1記載の磁気ディスク装置において、
前記センサレス・スピンドルモータの回転速度を予測する回転速度予測手段をさらに備え、
前記判断手段は、前記回転速度予測手段が予測するセンサレス・スピンドルモータの回転速度に基づいて、前記強制回転手段及び前記クローズドループ制御回転手段のいずれの回転手段を用いて前記センサレス・スピンドルモータを起動させるかを決定することを特徴とする磁気ディスク装置。
【請求項5】
請求項4記載の磁気ディスク装置において、
前記センサレス・スピンドルモータへの回転制御停止後の経過時間を測定するタイマをさらに備え、
前記回転速度予測手段は、前記タイマが測定する前記経過時間に基づいて前記回転速度を予測することを特徴とする磁気ディスク装置。
【請求項6】
請求項5記載の磁気ディスク装置において、
前記磁気ディスク及び前記センサレス・スピンドルモータを収容する筐体と、
前記筐体内の温度を測定するための温度センサと
をさらに備え、
前記回転速度予測手段は、前記温度センサの測定する前記温度及び前記タイマの測定する前記経過時間に基づいて前記回転速度を予測することを特徴とする磁気ディスク装置。
【請求項7】
前記判断手段は、前記回転速度予測手段により前記センサレス・スピンドルモータがほぼ停止していると予測された場合に、前記強制回転手段を用いた後に前記クローズドループ制御回転手段を用いて前記センサレス・スピンドルモータを起動させ、
前記回転速度予測手段により前記センサレス・スピンドルモータが回転していると予測された場合に、前記クローズドループ制御回転手段を用いて前記センサレス・スピンドルモータを起動させること
を特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
【請求項8】
磁気ディスクを回転させるためのセンサレス・スピンドルモータと、
前記センサレス・スピンドルモータに発生する逆起電圧を測定する逆起電圧測定手段と、
前記逆起電圧の測定の可否を判断する測定可否判断手段と、
前記センサレス・スピンドルモータをオープンループ制御で回転させる強制回転手段と、
前記逆起電圧測定手段により測定された前記逆起電圧に基づいて前記センサレス・スピンドルモータを回転させるクローズドループ制御回転手段と、
前記強制回転手段及び前記クローズドループ制御回転手段による前記センサレス・スピンドルモータの回転制御開始前に、前記測定可否判断手段により前記逆起電圧が測定できると判断された場合に前記クローズドループ制御回転手段を用いて前記センサレス・スピンドルモータを起動させ、前記測定可否判断手段により前記逆起電圧が測定できないと判断された場合に前記強制回転手段を用いて前記センサレス・スピンドルモータを起動させる駆動方式決定手段と
を備えることを特徴とする磁気ディスク装置。
【請求項9】
磁気ディスクを回転させるためのセンサレス・スピンドルモータと、
前記センサレス・スピンドルモータに発生する逆起電圧の測定の可否を予測する測定可否予測手段と、
前記逆起電圧を測定する逆起電圧測定手段と、
前記センサレス・スピンドルモータをオープンループ制御で回転させる強制回転手段と、
前記逆起電圧測定手段により測定された前記逆起電圧に基づいて前記センサレス・スピンドルモータを回転させるクローズドループ制御回転手段と、
前記強制回転手段及び前記クローズドループ制御回転手段による前記センサレス・スピンドルモータの回転制御開始前に、前記測定可否予測手段により前記逆起電圧が測定できると予測された場合に前記クローズドループ制御回転手段を用いて前記センサレス・スピンドルモータを起動させ、前記測定可否予測手段により前記逆起電圧が測定できないと予測された場合に前記強制回転手段を用いて前記センサレス・スピンドルモータを起動させる駆動方式決定手段と
を備えることを特徴とする磁気ディスク装置。
【請求項10】
請求項9記載の磁気ディスク装置において、
前記センサレス・スピンドルモータへの回転制御停止後の経過時間を測定するタイマと、
前記磁気ディスク及び前記センサレス・スピンドルモータを収容する筐体と、
前記筐体内の温度を測定するための温度センサと
をさらに備え、
前記測定可否予測手段は、前記タイマの測定する前記経過時間及び前記温度センサの測定する前記温度に基づいて前記逆起電圧の測定の可否を予測することを特徴とする磁気ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−147026(P2006−147026A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−334489(P2004−334489)
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】