説明

磁界発生装置、加熱装置、及び画像形成装置

【課題】電流路同士を接続する複数の端子を有する接続部のいずれかの端子において接触不良などの異常が生じた際に、電流路を流れる電流が他の端子に集中することを防ぐことができる磁界発生装置、この磁界発生装置が用いられた加熱装置、及び、この加熱装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】絶縁材で被覆された複数の電線の各々が配置されたケーブルが巻き回されて形成された複数の第2の励磁コイル30を備える第1の励磁コイル3と、複数の電線の各々に対応して設けられた複数のスイッチング素子2と、複数のスイッチング素子2の各々に対応して設けられた複数の第1電流路4と、複数の電線の各々に対応して設けられた複数の第2電流路5と、複数の第1電流路4の一端がそれぞれ接続された複数の第1端子700と、複数の第2電流路5の一端がそれぞれ接続された複数の第2端子710とを導通させる第1接続部7とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁界発生装置、加熱装置、及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されている加熱装置は、スイッチング素子によって生成されたパルス状の電流を、コンデンサ及び励磁コイルからなる共振回路に供給することによって共振回路に共振動作をさせる。これにより、励磁コイルにおいて、電流値及び方向が共振周波数に応じて変化する磁界が生じるので、被加熱体において渦電流が生じる。そして、被加熱体において生じた渦電流によって、被加熱体においてジュール熱が生じる。これにより、被加熱体が加熱される。
【0003】
この加熱装置は、被加熱体の温度調整を、共振回路に供給するパルス状電流のONduty幅の大きさを調整することによって行っている。そして、この加熱装置は、パルス状電流のONduty幅が大きくなりすぎると、共振回路へのパルス状電流の供給を停止することにより、被加熱体が加熱されすぎることを防止している。
【0004】
図9は、特許文献1に示される加熱装置で使用されている磁界発生装置を示した図である。図9に示される磁界発生装置100では、パルス状電流を生成するスイッチング素子2と、コンデンサ21及び励磁コイル300からなるLC共振回路とからなる直列回路が、電力ラインLに接続されている。また、コンデンサ21と励磁コイル300との間には電流路200が設けられている。コネクタ400は、コンデンサ21側の電流路200と、励磁コイル300側の電流路200とを接続する。
【0005】
磁界発生装置100において、スイッチング素子2は、トランジスタ20を備える。図中、ダイオード22は、トランジスタ20のオフ期間に回生電流が流れるダイオードである。
【0006】
スイッチング素子2は、トランジスタ20のオンオフ制御によってパルス状電流を生成する。コンデンサ21と励磁コイル300とからなるLC共振回路は、トランジスタ20によって生成されたパルス状電流を受け付けて共振動作を行う。これにより、励磁コイル300において、方向及び大きさが効率的に変化する磁界が生じる。
【0007】
ところで、この種の磁界発生装置には、以下の問題が存在する。一般に、共振回路に供給されるパルス状電流のONduty幅が大きくなると、電流路200を流れる電流値が大きくなる。この場合、電流路200上に存在するコネクタ200を通過する電流の電流値が、コネクタ200の端子の定格電流値を超えることがある。その場合に、コネクタ200の端子において発火や発煙が生じることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−190765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような問題に対処した磁界発生装置の一例を、図10に示す。図10に示される磁界発生装置1000では、電流路200の各々の端部において、一対の分岐電流路201が設けられている。また、各々の分岐電流路201に対応する複数の端子を備えるコネクタ500が設けられている。そして、コンデンサ21側の一対の分岐電流路201と、励磁コイル300側の一対の分岐電流路201とが、コネクタ500によって接続されている。
【0010】
このような構成によれば、電流路200を流れる電流が、一対の分岐電流路201によって分岐されるため、コネクタ500の端子1つあたりを通過する電流の電流値が半分になる。これにより、コネクタ500の端子にその端子の定格電流を超える電流値の電流が流れにくくなるため、コネクタ500の端子において発火や発煙が生じることを抑制できる。
【0011】
しかしながら、図10に示される磁界発生装置1000によっても、以下に示される問題が残る。例えば、コネクタ500から分岐電流路201が何度も抜き差しされるなどして、コネクタ500の端子と分岐電流路201との間において接触不良が生じることがある。
【0012】
その際、一対の分岐電流路201のうち、コネクタ500の端子との間で接触不良が生じている分岐電流路201では電流が流れにくくなっているので、他方の分岐電流路201に対して電流が集中する。その場合、集中した電流の電流値が、コネクタ500の端子の定格電流値を超えていれば、その端子において発火や発煙が生じることが考えられる。
【0013】
このような問題は、共振回路に供給されるパルス状電流のONduty幅を判断する方法(特許文献1参照)だけでは、解決することができない。その理由は以下に示される通りである。
【0014】
つまり、特許文献1の方法は、コネクタ500と分岐電流路201との間の接触不良を判断していないため、パルス状電流のONduty幅が大きくなりすぎていない場合でも、一方の分岐電流路とコネクタ500の端子との間に接触不良が生じることで、他方の端子に電流が流入することがある。この場合、他方の端子に流入した電流の電流値が、端子の定格電流を超えてしまう。このような理由により、共振回路に供給されるパルス状電流のONduty幅を判断するだけでは、この問題を解決することができない。
【0015】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、電流路同士を接続するための複数の端子を有する接続部において、いずれかの端子において接触不良などの異常が生じた際に、電流路を流れる電流が他の端子に集中することを防ぐことができる磁界発生装置、この磁界発生装置が用いられた加熱装置、及び、この加熱装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一局面に係る磁界発生装置は、絶縁材で被覆された複数の電線が並列に配置されたケーブルが巻き回されることにより構成され、前記複数の電線の各々が、前記ケーブルの巻数及び巻き方向と同じ巻数及び巻き方向で巻き回されて第2の励磁コイルとされている第1の励磁コイルと、前記複数の電線の各々に対応して設けられ、前記複数の電線の各々へ供給される電流を生成する複数のスイッチング素子と、前記複数のスイッチング素子の各々に対応して設けられ、前記複数のスイッチング素子によって生成された電流が流れる複数の第1電流路と、前記複数の電線の各々に対応して設けられ、前記複数の電線の各々に向かって電流が流れる複数の第2電流路と、前記複数の第1電流路の一端がそれぞれ接続された複数の第1端子と、前記複数の第2電流路の一端がそれぞれ接続された複数の第2端子とが設けられ、前記複数の第1端子の各々と、前記複数の第2端子の各々とを導通させることによって、前記複数の第1電流路の各々と前記複数の第2電流路の各々とを接続する第1接続部と、を備えており、前記複数のスイッチング素子の各々は、他のスイッチング素子との間で絶縁されており、前記複数の第1電流路の各々は、他の第1電流路との間で絶縁されており、前記複数の第2電流路の各々は、他の第2電流路との間で絶縁されており、前記複数の第1端子の各々は、他の第1端子との間で絶縁されており、前記複数の第2端子の各々は、他の第2端子との間で絶縁されていることを特徴とする(請求項1)。
【0017】
この構成によれば、ケーブルが巻き回されて構成された第1の励磁コイルでは、複数の電線の各々が、ケーブルの巻数及び巻き方向と同じ巻数及び巻き方向で巻き回されている。これにより、複数の電線の各々は、それぞれ巻き回された状態で、励磁コイル(第2の励磁コイル)を構成する。結果として、第1の励磁コイルは、複数の電線の各々からなる複数の第2の励磁コイルを備える。
【0018】
また、複数の第1電流路の各々が接続された複数の第1端子と、複数の第2電流路の各々が接続された複数の第2端子とが導通すると、複数の第1電流路の各々と複数の第2電流路の各々とが電気的に接続される。
【0019】
ここにおいて、複数の第1電流路の各々は、複数のスイッチング素子の各々に対応して設けられて、複数のスイッチング素子によって生成された電流が流れる一方で、複数の第2電流路の各々は、複数の電線の各々に対応して設けられ、複数の電線の各々に向かって電流が流れる。
【0020】
したがって、複数の第1電流路の各々と複数の第2電流路の各々とが電気的に接続されると、スイッチング素子から第1端子及び第2端子を経て第2の励磁コイルに至る、複数の電流経路が形成される。
【0021】
さらに、この構成によれば、複数のスイッチング素子の各々は、他のスイッチング素子との間で絶縁されており、複数の第1電流路の各々は、他の第1電流路との間で絶縁されており、複数の第2電流路の各々は、他の第2電流路との間で絶縁されており、複数の第1端子の各々は、他の第1端子との間で絶縁されており、複数の第2端子の各々は、他の第2端子との間で絶縁されている。
【0022】
したがって、複数の電流経路は、他の電流経路との間で絶縁されることになる。これにより、複数の第1電流路の各々と複数の第2電流路の各々とが電気的に接続されると、スイッチング素子から第1端子及び第2端子を経て第2の励磁コイルに至る、電気的に独立した複数の電流経路が形成される。
【0023】
また、この構成によれば、1つの第1の励磁コイルにおいて、複数の電線の各々からなる第2の励磁コイルを設け、複数の第2の励磁コイルに対応する数のスイッチング素子を設けている。このことから、スイッチング素子の数は、第2の励磁コイルの数と同じであることが判る。また、複数のスイッチング素子によって生成された電流が流れる複数の第1電流路が複数のスイッチング素子に対応して設けられているため、第1電流路の数も、第2の励磁コイルの数と同じであることが判る。さらに、複数の第2電流路は、複数の電線の各々に対応して設けられ、複数の電線の各々に向かって電流が流れるため、複数の第2電流路の数も、第2の励磁コイルの数と同じであることが判る。
【0024】
つまり、第2の励磁コイル、スイッチング素子、第1及び第2の電流路の数は、全て第2の励磁コイルの数と同じであることが判る。
【0025】
先述されたように、この構成によれば、スイッチング素子から第1端子及び第2端子を経て第2の励磁コイルに至る、電気的に独立した複数の電流経路が形成される。各電流経路を構成するスイッチング素子、第1及び第2端子、及び第2の励磁コイルは1つであるため、電気的に独立した複数の電流形路として、第2の励磁コイルの数に応じた数の電流経路が形成される。
【0026】
言い換えれば、この構成は、スイッチング素子から第1端子及び第2端子を経て第2の励磁コイルに至る電流経路が1つであった従来構成を、当該電流経路を第2の励磁コイルの数だけ分岐した構成である。
【0027】
したがって、複数の電流経路のうち、いずれかの電流経路に含まれる第1端子及び第2端子のいずれかで接触不良などの異常が生じて電流が流れにくくなっても、他の第1端子及び第2端子を含む他の電流経路が、電流が流れにくくなった電流供給路とは電気的に独立しているので、異常が生じた電流経路において流れるはずであった電流が、他の電流経路に流入しない。
【0028】
これにより、各々の電流経路を流れる電流の電流値が、第1端子及び第2端子の定格電流値を超える電流値でない限り、いずれかの電流経路に含まれる第1端子及び第2端子のいずれかで異常が生じても、他の電流経路を流れる電流の電流値は変わらない。これにより、他の電流経路に含まれる第1及び第2端子には、第1及び第2端子の定格電流値を超える電流値の電流が流れ込まないので、その電流経路に含まれる第1及び第2端子において発火や発煙が生じない。
【0029】
従って、電流路同士を接続するための複数の端子を有する接続部において、いずれかの端子において接触不良などの異常が生じた際に、電流路を流れる電流が他の端子に集中することを防ぐことができる。そのため、いずれかの端子において接触不良などの異常が生じても、他の端子において発火や発煙が生じない。
【0030】
このように、複数の端子の各々を含み、電気的に独立した状態の電流経路が形成されていることによって、以上の効果が奏されるため、端子に流入する電流の電流値を検出する検出部や、端子に流入する電流の電流値を制御する制御部を設ける必要がない。結果として、コストが抑制される。
【0031】
本発明の他の局面に係る磁界発生装置は、電流を受け付けて磁界を発生する複数の第2の励磁コイルと、前記第2の励磁コイルの各々に対応して設けられ、前記第2の励磁コイルの各々へ供給される電流を生成する複数のスイッチング素子と、前記複数のスイッチング素子の各々に対応して設けられ、前記スイッチング素子の各々によって生成された電流が流れる複数の第1電流路と、前記複数の第2の励磁コイルの各々に対応して設けられ、前記第2の励磁コイルの各々に向かって電流が流れる複数の第2電流路と、前記複数の第1電流路の一端がそれぞれ接続された複数の第1端子と、前記複数の第2電流路の一端がそれぞれ接続された複数の第2端子とが設けられ、前記複数の第1端子の各々と、前記複数の第2端子の各々とを導通させることによって、前記複数の第1電流路と前記複数の第2電流路とを接続する第1接続部と、を備えており、前記複数の第2の励磁コイルの各々は、他の第2の励磁コイルとの間で絶縁されており、前記複数のスイッチング素子の各々は、他のスイッチング素子との間で絶縁されており、前記複数の第1電流路の各々は、他の第1電流路との間で絶縁されており、前記複数の第2電流路の各々は、他の第2電流路との間で絶縁されており、前記複数の第1端子の各々は、他の第1端子との間で絶縁されており、前記複数の第2端子の各々は、他の第2端子との間で絶縁されていることを特徴とする(請求項2)。
【0032】
この構成によれば、複数の第1電流路の各々が接続された複数の第1端子と、複数の第2電流路の各々が接続された複数の第2端子とが導通すると、複数の第1電流路の各々と複数の第2電流路の各々とが電気的に接続される。
【0033】
ここにおいて、複数の第1電流路の各々は、複数のスイッチング素子の各々に対応して設けられて、複数のスイッチング素子によって生成された電流が流れる一方で、複数の第2電流路の各々は、複数の第2の励磁コイルの各々に対応して設けられ、複数の第2の励磁コイルの各々に向かって電流が流れる。
【0034】
したがって、複数の第1電流路の各々と複数の第2電流路の各々とが電気的に接続されると、スイッチング素子から第1端子及び第2端子を経て第2の励磁コイルに至る、複数の電流経路が形成される。
【0035】
さらに、この構成によれば、複数の第2の励磁コイルの各々は、他の第2の励磁コイルとの間で絶縁されており、複数のスイッチング素子の各々は、他のスイッチング素子との間で絶縁されており、複数の第1電流路の各々は、他の第1電流路との間で絶縁されており、複数の第2電流路の各々は、他の第2電流路との間で絶縁されており、複数の第1端子の各々は、他の第1端子との間で絶縁されており、複数の第2端子の各々は、他の第2端子との間で絶縁されている。
【0036】
したがって、複数の電流経路は、他の電流経路との間で絶縁されることになる。これにより、複数の第1電流路の各々と複数の第2電流路の各々とが電気的に接続されると、スイッチング素子から第1端子及び第2端子を経て第2の励磁コイルに至る、電気的に独立した複数の電流経路が形成される。
【0037】
また、この構成によれば、1つの第1の励磁コイルにおいて、複数の電線の各々からなる第2の励磁コイルを設け、複数の第2の励磁コイルに対応する数のスイッチング素子を設けている。このことから、スイッチング素子の数は、第2の励磁コイルの数と同じであることが判る。また、複数のスイッチング素子によって生成された電流が流れる複数の第1電流路が複数のスイッチング素子に対応して設けられているため、第1電流路の数も、第2の励磁コイルの数と同じであることが判る。さらに、複数の第2電流路は、複数の電線の各々に対応して設けられ、複数の電線の各々に向かって電流が流れるため、複数の第2電流路の数も、第2の励磁コイルの数と同じであることが判る。
【0038】
つまり、第2の励磁コイル、スイッチング素子、第1及び第2の電流路の数は、全て第2の励磁コイルの数と同じであることが判る。
【0039】
先述されたように、この構成によれば、スイッチング素子から第1端子及び第2端子を経て第2の励磁コイルに至る、電気的に独立した複数の電流経路が形成される。各電流経路を構成するスイッチング素子、第1及び第2端子、及び第2の励磁コイルは1つであるため、電気的に独立した複数の電流形路として、第2の励磁コイルの数に応じた数の電流経路が形成される。
【0040】
言い換えれば、この構成は、スイッチング素子から第1端子及び第2端子を経て第2の励磁コイルに至る電流経路が1つであった従来構成を、当該電流経路を第2の励磁コイルの数だけ分岐した構成である。
【0041】
したがって、複数の独立した電流経路のうち、いずれかの電流経路に含まれる第1端子及び第2端子のいずれかで接触不良などの異常が生じて電流が流れにくくなっても、他の第1端子及び第2端子を含む他の電流経路が、電流が流れにくくなった電流供給路とは電気的に独立しているので、異常が生じた電流経路において流れるはずであった電流が、他の電流経路に流入しない。
【0042】
これにより、各々の電流経路を流れる電流の電流値が、第1端子及び第2端子の定格電流値を超える電流値でない限り、いずれかの電流経路に含まれる第1端子及び第2端子のいずれかで異常が生じても、他の電流経路を流れる電流の電流値は変わらない。これにより、他の電流経路に含まれる第1及び第2端子には、第1及び第2端子の定格電流値を超える電流値の電流が流れ込まないので、その電流経路に含まれる第1及び第2端子において発火や発煙が生じない。
【0043】
従って、電流路同士を接続するための複数の端子を有する接続部において、いずれかの端子において接触不良などの異常が生じた際に、電流路を流れる電流が他の端子に集中することを防ぐことができる。そのため、いずれかの端子において接触不良などの異常が生じても、他の端子において発火や発煙が生じない。
【0044】
このように、複数の端子の各々を含み、電気的に独立した状態の電流経路が形成されていることによって、以上の効果が奏されるため、端子に流入する電流の電流値を検出する検出部や、端子に流入する電流の電流値を制御する制御部を設ける必要がない。結果として、コストが抑制される。
【0045】
上記構成において、前記複数の第2の励磁コイルは、絶縁材で被覆された複数の電線が並列に配置されたケーブルが巻き回されることにより、前記ケーブルの巻数及び巻き方向と同じ巻数及び巻き方向で巻き回された前記複数の電線の各々で構成されており、前記ケーブルの一端部側では、前記複数の電線毎に端子が設けられている一方で、前記ケーブルの他端部側では前記複数の電線の間で共通の端子が設けられていることが好ましい(請求項3)。
【0046】
この構成によれば、絶縁材で被覆された複数の電線が並列に配置されたケーブルが巻き回されて、複数の電線からなる複数の第2の励磁コイルが構成されている。また、ケーブルの一端側では、複数の電線毎に端子が設けられている。
【0047】
これにより、複数の第2の励磁コイルの一端に対して、接続部(コネクタ)から導出された複数の電流路を容易に接続することができる。したがって、第2の励磁コイルの一端から接続部(コネクタ)に至る、電気的に独立した複数の電流路を容易に形成することができる。
【0048】
上記構成において、前記複数のスイッチング素子の各々に対応して設けられ、複数の第1分岐電流路が設けられた第3電流路と、前記共通の端子に接続され、前記複数の第1分岐電流路に対応する複数の第2分岐電流路が設けられた第4電流路と、前記複数の第1分岐電流路の各々の一端がそれぞれ接続された複数の第3端子と、前記複数の第2分岐電流路の各々の一端がそれぞれ接続された複数の第4端子とが設けられ、前記複数の第3端子の各々と、前記複数の第4端子の各々とを導通させることによって、前記複数の第1分岐電流路の各々と前記複数の第2分岐電流路の各々とを接続する第2接続部と、前記複数の第1分岐電流路、及び、前記複数の第2分岐電流路のいずれか一方を流れる電流の電流値をそれぞれ検出する検出部と、検出された前記電流値のうち少なくとも1つが予め設定された設定電流値を超えるときには、前記複数のスイッチング素子に対して電流の供給を停止させる制御部と、をさらに備えることが好ましい(請求項4)。
【0049】
この構成によれば、複数の第1分岐電流路の各々のいずれか、又は、複数の第2分岐電流路の各々のいずれかで過電流が生じたときには、制御部による制御によって、スイッチング素子が電流の供給を停止する。その結果、過電流が生じた電流路には電流が流れ込まなくなるため、第1分岐電流路及び第2分岐電流路を接続する第2接続部の第3端子及び第4端子を保護することができる。
【0050】
上記構成において、前記複数の第2の励磁コイルは、絶縁材で被覆された複数の電線が並列に配置されたケーブルが巻き回されることにより、前記ケーブルの巻数及び巻き方向と同じ巻数及び巻き方向で巻き回された前記複数の電線の各々で構成されており、前記ケーブルの両端部側では、前記複数の電線毎に端子が設けられていることが好ましい(請求項5)。
【0051】
この構成によれば、絶縁材で被覆された複数の電線が並列に配置されたケーブルが巻き回されることにより、ケーブルの巻数及び巻き方向と同じ巻数及び巻き方向で巻き回された複数の電線の各々からなる複数の第2の励磁コイルが構成される。また、ケーブルの両端部側では、複数の電線毎に端子が設けられている。
【0052】
これにより、複数の第2の励磁コイルの一端に対して、或る接続部(コネクタ)から導出された複数の電流路を容易に接続することができる。さらに、複数の第2の励磁コイルの他端に対しても、他の接続部(コネクタ)から導出された複数の電流路を容易に接続することができる。
【0053】
したがって、或る接続部(コネクタ)から第2の励磁コイルを経て他の接続部(コネクタ)へ至る、電気的に独立した複数の電流路を容易に形成することができる。
【0054】
上記構成において、前記複数の第2電流路の各々が、前記複数の第2の励磁コイルの各々の一端に接続されており、複数の第1分岐電流路が設けられた第3電流路と、前記複数の第2の励磁コイルの各々の他端に接続された複数の第5電流路と、前記第1分岐電流路の各々の一端がそれぞれ接続された前記複数の第3端子と、前記複数の第5電流路の各々の一端がそれぞれ接続された複数の第5端子とが設けられ、前記複数の第3端子の各々と、前記複数の第5端子の各々とを導通させることによって、前記複数の第1分岐電流路の各々と前記複数の第5電流路の各々とを接続する第3接続部と、をさらに備えることが好ましい(請求項6)。
【0055】
この構成によれば、第3接続部によって、複数の第3端子の各々と複数の第5端子の各々とを導通させることによって、複数の第1分岐電流路の各々と複数の第5電流路との間が導通する。その一方で、先述されたように、第1接続部によって、複数の第1端子の各々と複数の第2端子の各々とを導通させることによって、複数の第1電流路の各々と複数の第2電流路の各々との間が導通する。
【0056】
その結果、第1電流路から第1端子及び第2端子を経て第2の励磁コイルの一端に至る、複数の電気的に独立した電流路が、複数の第2の励磁コイルの一端側で形成される。その一方で、第1分岐電流路から第3端子、第5端子、及び第5電流路を経て第2の励磁コイルの他端に至る、複数の電気的に独立した電流路が、複数の第2の励磁コイルの他端側で形成される。
【0057】
これにより、第1及び第2の端子を備える第1接続部と、第3及び第5の端子を備える第3接続部のいずれにおいて端子の異常などが生じることによりその端子に電流が流れにくくなったとしても、接続部においてその端子以外の端子に電流が流れ込まない。
【0058】
結果として、複数の第2の励磁コイルの一端側及び他端側のいずれの側で、接続部の端子に電流が流れにくくなったとしても、接続部においてその端子以外の端子の発熱を防止することができる。
【0059】
上記構成において、電力を伝送する2本の電力ラインと、複数のコンデンサとをさらに備えており、前記2本の電力ラインには、前記複数のスイッチング素子の各々と前記複数のコンデンサの各々とからなる複数の直列回路が並列に接続されており、前記複数のコンデンサの各々の一端側には、前記複数の第2の励磁コイルにおける前記共通の端子が接続されている一方で、前記複数のコンデンサの各々の他端側には、前記複数の第2の励磁コイルの各々の端子が接続されていることが好ましい(請求項7)。
【0060】
この構成によれば、2本の電力ラインに対して、スイッチング素子とコンデンサとからなる複数の直列回路が並列に接続されており、それぞれのコンデンサの一端側には、複数の第2の励磁コイルにおける共通の端子が接続されている一方で、それぞれのコンデンサの他端側には、複数の第2の励磁コイルの各々の端子が接続されている。
【0061】
これにより、複数のコンデンサの各々と、そのコンデンサと対応する第2の励磁コイルとからなる複数の共振回路が得られる。
【0062】
ここにおいて、第2の励磁コイルのインダクタンスは、第2の励磁コイルの各々の断面積、巻数、及び、長さ(磁路の長さ)が、複数の第2の励磁コイルを1つの励磁コイルと仮定した場合におけるその励磁コイルの断面積、巻数、及び長さ(磁路の長さ)と同じである。したがって、第2の励磁コイルの各々のインダクタンスは、複数の第2の励磁コイルを1つの励磁コイルと仮定した場合におけるその励磁コイルのインダクタンスと同じである。
【0063】
したがって、コンデンサ及び励磁コイルが1つずつ設けられて構成された従来のLC共振回路と同じ電力を得るためには、従来のLC共振回路における静電容量を、コンデンサの数で除して得られた静電容量とすればよいことが判る。
【0064】
このように、従来のLC共振回路における静電容量を、コンデンサの数で除して得られた静電容量とすれば、LC共振回路の各々により生じる電力は、従来のLC共振回路を、コンデンサの数で除して得られた電力となる。これにより、複数のLC共振回路全体により生じる電力が、従来のLC共振回路により生じる電力と同じとなる。その結果、従来構成と同じ電力が得られる。
【0065】
上記構成において、電力を伝送する2本の電力ラインと、複数のコンデンサとをさらに備えており、前記2本の電力ラインには、前記複数のスイッチング素子の各々と前記複数のコンデンサの各々とからなる複数の直列回路が並列に接続されており、前記複数のコンデンサの各々の一端側には、前記第3電流路、前記第1分岐電流路の各々、及び前記複数の第5電流路の各々を介して、前記複数の第2の励磁コイルの各々の一端側の端子が接続されている一方で、前記複数のコンデンサの各々の他端側には、前記複数の第2の励磁コイルの各々の他端側の端子が接続されていることが好ましい(請求項8)。
【0066】
この構成によれば、2本の電力ラインに対して、スイッチング素子とコンデンサとからなる複数の直列回路が並列に接続されており、それぞれのコンデンサの一端側には、第3電流路、複数の第1分岐電流路の各々、及び、複数の第5電流路の各々を介して、複数の第2の励磁コイルの各々の一端側の端子が接続されている一方で、それぞれのコンデンサの他端側には、複数の第2の励磁コイルの各々の他端側の端子が接続されている。
【0067】
これにより、複数のコンデンサの各々と、そのコンデンサと対応する第2の励磁コイルとからなる複数の共振回路が得られる。
【0068】
ここにおいて、第2の励磁コイルのインダクタンスは、第2の励磁コイルの各々の断面積、巻数、及び、長さ(磁路の長さ)が、複数の第2の励磁コイルを1つの励磁コイルと仮定した場合におけるその励磁コイルの断面積、巻数、及び長さ(磁路の長さ)と同じである。したがって、第2の励磁コイルの各々のインダクタンスは、複数の第2の励磁コイルを1つの励磁コイルと仮定した場合におけるその励磁コイルのインダクタンスと同じである。
【0069】
したがって、コンデンサ及び励磁コイルが1つずつ設けられて構成された従来のLC共振回路と同じ電力を得るためには、従来のLC共振回路における静電容量を、コンデンサの数で除して得られた静電容量とすればよいことが判る。
【0070】
このように、従来のLC共振回路における静電容量を、コンデンサの数で除して得られた静電容量とすれば、LC共振回路の各々により生じる電力は、従来のLC共振回路を、コンデンサの数で除して得られた電力となる。これにより、複数のLC共振回路全体により生じる電力が、従来のLC共振回路により生じる電力と同じとなる。その結果、従来構成と同じ電力が得られる。
【0071】
上記構成において、前記第1接続部は、前記複数の第1端子の各々と、前記複数の第2端子の各々とが接触するドロワーコネクタであることが好ましい(請求項9)。
【0072】
この構成によれば、第1接続部がドロワーコネクタであるため、複数の第1端子の各々と、複数の第2端子の各々とを容易に接触させることができる。また、複数の第1端子の各々と前記複数の第2端子の各々との接触を容易に解除できる。
【0073】
上記構成において、前記第1接続部は、前記複数の第1端子及び前記複数の第2端子のうち一方が、複数のネジ端子で構成されており、前記複数の第1端子及び前記複数の第2端子のうち他方が、前記複数のネジ端子の各々に取り付けられる端子であるネジ端子台で構成されていることが好ましい(請求項10)。
【0074】
この構成によれば、第1接続部を安価なネジ端子台で構成することができるので、コストが抑制される。
【0075】
また、本発明のさらに他の局面に係る加熱装置は、請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の磁界発生装置を備えており、前記磁界発生装置において発生した前記磁界によって、被加熱体を誘導加熱する構成とされていることを特徴とする(請求項11)。
【0076】
この構成によれば、先述された構成の磁界発生装置を備えているので、先述された効果を奏する加熱装置を提供することができる。
【0077】
また、本発明のさらに他の局面に係る画像形成装置は、画像を表すトナー像を用紙上に形成する画像形成部と、請求項11に記載の加熱装置で構成されており、前記用紙上に形成された前記トナー像を熱定着させる定着装置と、を備えることを特徴とする(請求項12)。
【0078】
この構成によれば、先述された構成の定着装置を備えているので、先述された効果を奏する画像形成装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0079】
本発明によれば、電流路同士を接続するための複数の端子を有する接続部において、いずれかの端子において接触不良などの異常が生じた際に、電流路を流れる電流が他の端子に集中することを防ぐことができる。そのため、いずれかの端子において接触不良などの異常が生じても、他の端子において発火や発煙が生じない。
【0080】
このように、複数の端子の各々を含み、電気的に独立した状態の電流経路が形成されていることによって、以上の効果が奏されるため、端子に流入する電流の電流値を検出する検出部や、端子に流入する電流の電流値を制御する制御部を設ける必要がない。結果として、コストが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態に係る磁界発生装置の一例を示した回路図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る磁界発生装置で用いられるコネクタの構成の一例を示した図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る磁界発生装置で用いられるネジ端子台の構成の一例を示した図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る磁界発生装置の構成の他の例を示した回路図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る磁界発生装置の構成のさらに他の例を示した回路図である。
【図6】励磁コイルの構成の一例を示した外観図である。
【図7】励磁コイルの構成の他の例を示した外観図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の機械的構成を示す縦断面図である。
【図9】従来の磁界発生装置を示した図である。
【図10】従来の磁界発生装置を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0082】
以下に、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の機械的構成を示す縦断面図である。この画像形成装置Aは、大略的に、本体部32と、本体部32の上方側に配設されるスキャナ部33と、そのスキャナ部33の上方側に配設されるADF34とを備えて構成される。
【0083】
本体部32では、1または複数のトレイ41,42,43や手差しトレイ44に装填された記録紙41a,42a,43a,44aの何れかが取込みローラ41b,42b,43b,44bで1枚ずつ取出され、レジストローラ45,46にてタイミング調整が行われた後、画像形成部47に搬送される。画像形成部47は、感光体ドラム47aの周囲に、図示しない帯電器、レーザ書込みユニット、現像器、転写ユニット47bおよび図示しないクリーニングユニット等が配置され、記録紙に電子写真方式で画像形成を行う。こうして記録紙に形成されたトナー像は、後述される磁界発生装置1からなる加熱装置48にて定着され、排出ローラ49,50から排紙トレイ51上に排出される。
【0084】
前記レーザ書込みユニットに与えられる画像データは、スキャナ部33にて読取られる。スキャナ部33は、ガラス板等の板状の透明板からなる原稿台52の下部に、原稿台52を介して原稿に照明光を照射し、その反射光を受光する走査部53と、走査部53で得られた反射光を更に反射するミラーユニット54と、ミラーユニット54からの反射光を集光する結像レンズ55と、結像レンズ55で結像された反射光を光電変換するCCD14とを備えて構成される。
【0085】
走査部53は、例えば図略のステッピングモータによって、副走査方向に駆動されるようになっている。そして、走査部53が速度Vで、ミラーユニット54が速度V/2で、図8の左右方向、すなわち副走査方向に変位することで、原稿台52に載置されたブック物や1枚物の原稿画像が、常に等しい光路長でCCD14に結像される。
【0086】
一方、シート原稿を順次取り込んでゆくADF34では、原稿トレイ61に積層された原稿62は、取込みローラ63によって1枚ずつ取出され、湾曲搬送路64へと供給される。そして湾曲搬送路64に設けられた搬送ローラ65,66,67,68によって、主走査方向に延びるガラス板等の板状の透明板からなる読出窓82へと搬送され、読出窓82に走査部53が臨んだ状態で、順次原稿画像が読取られた後、排出ローラ69,80によって排出トレイ81上へと排出される。
【0087】
走査部53は、冷陰極管531(光源)と、冷陰極管531から放射された光を原稿台52、及び読出窓82方向に照射する反射板532と、原稿から原稿台52や読出窓82を透過して得られた反射光をミラーユニット54へ反射するミラー533とを備えて構成されている。
【0088】
図1は、本発明の一実施形態に係る磁界発生装置の一例を示した回路図である。図2は、本発明の一実施形態に係る磁界発生装置で用いられるコネクタの構成の一例を示した図である。図3は、本発明の一実施形態に係る磁界発生装置で用いられるネジ端子台の構成の一例を示した図である。
【0089】
ここにおいて、図1に示される磁界発生装置1では、電力ラインLに供給される直流電力は、商用電力が図示しないダイオードブリッジ及び平滑コンデンサにより整流及び平滑されて生成された電力である。図4及び図5に示される磁界発生装置1においても同様である。
【0090】
図1に示される磁界発生装置1は、被加熱体13を加熱する加熱装置48として機能する。図1に示される磁界発生装置1は、電力ラインLに供給された直流電力からパルス状電流を生成する複数のスイッチング素子2、電流を受け付けて磁界を発生する励磁コイル3を備える。ここにおいて、励磁コイル3は、後述されるように、絶縁体で被覆された複数の電線が並列に配置されたケーブルが巻き回されることにより構成された単体の励磁コイル(第1の励磁コイル)である。この励磁コイル3は、電線からなる複数の励磁コイル(第2の励磁コイル)30を備える。複数の第2の励磁コイル30の各々は、ケーブルに配置された複数の電線の各々が巻き回されることで構成されている。
【0091】
複数のスイッチング素子2の各々は、複数の第2の励磁コイル30の各々に対応して設けられている。つまり、スイッチング素子2の数は、第2の励磁コイル30の数と同じとされている。例えば、本実施形態において、励磁コイル3には2つの第2の励磁コイル30が設けられているため、2つのスイッチング素子2が設けられている。このスイッチング素子2は、他のスイッチング素子2との間では絶縁した状態とされている。
【0092】
また、磁界発生装置1は、複数のスイッチング素子2の各々に対応する複数の第1電流路4を備える。この第1電流路4は、他の第1電流路4との間で絶縁した状態とされている。また、磁界発生装置1は、複数の第2の励磁コイル30の各々に対応する複数の第2電流路5を備える。この第2電流路5は、他の第2電流路5との間で絶縁した状態とされている。
【0093】
さらに、磁界発生装置1は、第1接続部7を備える。第1接続部7は、複数の第1電流路4の各々が取り付けられた複数の第1電流路側端子(第1端子)700、及び、複数の第2電流路5の各々が取り付けられた複数の第2電流路側端子(第2端子)710が設けられている。第1接続部7は、複数の第1電流路側端子700の各々と、複数の第2電流路側端子710とを導通させることによって、複数の第1電流路4と複数の第2電流路5とを接続する。
【0094】
ここにおいて、第1電流路側端子700は、他の第1電流路側端子700との間で絶縁した状態とされている。また、第2電流路側端子710は、他の第2電流路側端子710との間で絶縁した状態とされている。これにより、第1接続部7によって、複数の第1電流路4と複数の第2電流路5とが接続されると、スイッチング素子2から第1端子700及び第2端子710を経て第2の励磁コイル30に至る、電気的に独立した複数の電流経路が形成される。本実施形態では、先述されたように、2つのスイッチング素子2及び2つの第2の励磁コイル30が設けられているため、電気的に独立した2つの電流経路が形成されることになる。
【0095】
このような第1接続部7は、例えば、図2に示されるドロワーコネクタで構成することができる。第1接続部7をドロワーコネクタで構成することにより、複数の第1電流路側端子700の各々と、複数の第2電流路側端子710の各々とを容易に接続することができる。さらに、複数の第1電流路側端子700の各々と複数の第2電流路側端子710の各々との間の接続を容易に切断することもできる。
【0096】
第1接続部7が、図2に示されるドロワーコネクタで構成された場合、以下に示される構成となる。例えば、複数の第1電流路側端子700の各々と、複数の第1電流路4の各々とが、受け部材70の内部において接続されている。その一方で、複数の第2電流路側端子710の各々と、複数の第2電流路5の各々とが、差込部材71の内部において接続されている。
【0097】
第1接続部7は、このような構成とされているので、受け部材70に差込部材71を差し込むだけで、複数の第1電流路側端子700の各々と、複数の第2電流路側端子710の各々とを導通させることができる。その一方で、受け部材70から差込部材を引き抜くだけで、複数の第1電流路側端子700の各々と、複数の第2電流路側端子710の各々との間の導通を遮断させることができる。
【0098】
これにより、磁界発生装置1を内蔵した複写機などの機器に対して、本体側の蓋、扉、用紙カセットなど、人が開閉操作や、差込及び引き出し操作を行う部材の操作に連動させて受け部材70へ差込部材71を差し込ませることにより、複数の第1電流路側端子700の各々と、複数の第2電流路側端子710の各々との間を導通させることができる。また、人の操作に連動させて受け部材70から差込部材71を抜かせることにより、複数の第1電流路側端子700の各々と、複数の第2電流路側端子710の各々との間の導通を遮断させることができる。
【0099】
また、複数の第1電流路4と複数の第2電流路5とを接続する第1接続部7として、図3に示されるようなネジ端子台が用いられてもよい。第1接続部7が、図3に示されるネジ端子台で構成された場合、以下に示される構成となる。例えば、第1接続部7において、複数の第1電流路側端子700の各々がネジ端子とされており、各々のネジ端子に、複数の第2電流路側端子710の各々をネジの螺合により接続する。
【0100】
図1に戻って、磁界発生装置1の構成をさらに説明する。図1に示されるように、磁界発生装置1において、各々のスイッチング素子2には1本の第3電流路6が接続されている。第3電流路6の一端には、複数の第1分岐電流路12が設けられている。ここに、本実施形態では、第2の励磁コイル30の数に合わせて、2本の第1分岐電流路12が設けられている。
【0101】
また、複数の第1分岐電流路12に対応する複数の第2分岐電流路11が設けられた第4電流路16が設けられている。ここに、複数の第2分岐電流路11は、複数の第1分岐電流路12の数と同じ数設けられている。例えば、本実施形態では、第1分岐電流路12の数に合わせて、2本の第2分岐電流路11が設けられている。
【0102】
また、複数の第2の励磁コイル30は、共通の端子Pを備える。つまり、本実施形態では、複数の第2の励磁コイル30は、励磁コイル3において、端子Pから分離した形で設けられている。そして、端子Pには、第4電流路16が接続されている。
【0103】
磁界発生装置1において、複数の第1分岐電流路12の各々と、複数の第2分岐電流路11の各々とが、第2接続部8によって接続されている。第2接続部8には、複数の第1分岐電流路12の各々が取り付けられた複数の第1分岐電流路側端子(第3端子)701、及び、複数の第2分岐電流路11の各々が取り付けられた複数の第2分岐電流路側端子(第4端子)711が設けられている。この第2接続部8は、複数の第1分岐電流路側端子701の各々と、複数の第2分岐電流路側端子711の各々とを導通させることによって、複数の第1分岐電流路12の各々と複数の第2分岐電流路11の各々とを接続する。このような第2接続部8は、例えば、図2に示されるドロワーコネクタで構成することができる。また、図3に示されるネジ端子台で構成することもできる。
【0104】
尚、第2接続部8をドロワーコネクタで構成した場合、例えば、図2に示されるように、複数の第1分岐電流路側端子701の各々と、複数の第1分岐電流路12の各々とが、受け部材70の内部において接続されている。その一方で、複数の第2分岐電流路側端子711の各々と、複数の第2分岐電流路11の各々とが、差込部材71の内部において接続されている。
【0105】
また、第2接続部8をネジ端子台を用いて構成した場合、例えば、図3に示されるように、複数の第1分岐電流路側端子701の各々がネジ端子とされており、各々のネジ端子に、複数の第2分岐電流路側端子711の各々をネジの螺合により接続する。
【0106】
また、磁界発生装置1において、各々のスイッチング素子2は、電力ラインLを通じて供給される直流電力をスイッチングすることによってパルス状電流を生成するトランジスタ20で構成されている。ここに、トランジスタ20は、本実施形態では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタで構成されている。
【0107】
また、トランジスタ20の各々には、コンデンサ21が直列に接続されている。そして、コンデンサ21の両端子の各々には、第1電流路4の一端と、第3電流路6の一端とがそれぞれ接続されている。各々のコンデンサ21は、第1電流路4及び第3電流路6の他端側に存在するいずれかの第2の励磁コイル30との間で、LC共振回路を構成する。
【0108】
以下、磁界発生装置1の基本的な動作について説明する。電力ラインLには直流電力が供給されている。各トランジスタ20は、ゲート端子に入力されるパルス信号によってオンオフされる。トランジスタ20がオン状態のときには、コレクタ電流が流れることにより、第1〜第4の電流路4〜6、16で形成される電流経路が導通状態となる一方で、トランジスタ20がオフ状態のときには、コレクタ電流が流れないため、その電流経路が非導通状態となる。これにより、各トランジスタ20は、電力ラインLに供給される直流電力からパルス状電流を生成する。また、トランジスタ20のエミッタ端子−コレクタ端子間には、回生電流が流れるダイオード22が設けられている。トランジスタ20がオフ状態のときには、ダイオード22を通じて回生電流が流れる。この回生電流は、電流経路へ供給される。これにより、電流経路に対して、トランジスタ20がオフ状態のときでも電流が流れる。そのため、電流経路には、常に一定の電流値以上のパルス状電流が供給される。
【0109】
制御部10は、各トランジスタ20に対して、互いに位相が等しいパルスを出力することによって、各トランジスタ20を、同じタイミングでオンオフする。これにより、各トランジスタ20は、各電流経路に対して、互いに位相が等しいパルス状電流を供給する。
【0110】
各トランジスタ20で生成されたパルス状電流は、コンデンサ21と第2の励磁コイル30とで構成された各LC共振回路へ供給される。これにより、コンデンサ21と第2の励磁コイル30との間で共振動作が行われて、各電流経路において高周波電流が流れる。その際、第2の励磁コイル30において、時間の経過に応じて、方向及び大きさが一定の頻度で変化する磁界が生じる。これにより、磁性体で構成される被加熱体13において効率良く渦電流を生じさせて、被加熱体を加熱する。
【0111】
この構成によれば、先述されたように、複数の第1電流路4の各々が接続された複数の第1電流路側端子700と、複数の第2電流路5の各々が接続された複数の第2電流路側端子710とが導通すると、複数の第1電流路4の各々と複数の第2電流路5の各々とが電気的に接続される。
【0112】
したがって、複数の第1電流路4の各々と複数の第2電流路5の各々とが電気的に接続されると、スイッチング素子2から第1電流路側端子700及び第2電流路側端子710を経て第2の励磁コイル30に至る、電気的に独立した複数の電流経路が形成される。
【0113】
さらに、この構成によれば、複数のスイッチング素子2の各々は、他のスイッチング素子2との間で絶縁されており、複数の第1電流路4の各々は、他の第1電流路4との間で絶縁されており、複数の第2電流路5の各々は、他の第2電流路5との間で絶縁されており、複数の第1電流路側端子700の各々は、他の第1電流路側端子700との間で絶縁されており、複数の第2電流路側端子710の各々は、他の第2電流路側端子710との間で絶縁されている。
【0114】
したがって、複数の電流経路は、他の電流経路との間で絶縁されることになる。これにより、複数の第1電流路4の各々と複数の第2電流路5の各々とが電気的に接続されると、スイッチング素子2から第1電流路側端子700及び第2電流路側端子710を経て第2の励磁コイル30に至る、電気的に独立した複数の電流経路が形成される。
【0115】
その結果、複数の電流経路のうち、いずれかの電流経路に含まれる第1電流路側端子700及び第2電流路側端子710のいずれかで接触不良などの異常が生じて電流が流れにくくなっても、他の第1電流路側端子700及び第2電流路側端子710を含む他の電流経路が、電流が流れにくくなった電流経路とは電気的に独立しているので、異常が生じた電流経路において流れるはずであった電流が、他の電流経路に流入しない。
【0116】
従って、いずれかの電流経路に含まれる第1電流路側端子700及び第2電流路側端子710のいずれかで異常が生じても、他の電流経路を流れる電流の電流値は変わらない。これにより、他の電流経路に含まれる第1電流路側端子700及び第2電流路側端子710の各々には、この定格電流値を超える電流値の電流が流れ込まないので、その端子において発火や発煙が生じない。
【0117】
図4は、本発明の一実施形態に係る磁界発生装置1の構成の他の例を示した回路図である。図4に示される磁界発生装置1では、一対の第1分岐電流路12において、第1分岐電流路12を流れる電流の電流値を検出する検出部9が設けられている。ここに、検出部9の一例として、第1分岐電流路12を流れる高周波電流の電流値を検出するCT変換器(Current Transformer)が挙げられる。
【0118】
図4に示される磁界発生装置1では、制御部10は、検出部9によって検出される電流値(例えば実効値)が予め設定された設定電流値を超えたときには、各トランジスタ20のゲート端子に対するパルスの出力を停止する。これにより、コンデンサ21と第2の励磁コイル30とで構成されるLC共振回路にはパルス状電流が供給されなくなるので、共振回路において流れる電流が減衰してゆく。そのため、第2接続部8の第1分岐電流路側端子701及び第2分岐電流路側端子711を流れる電流が減衰してゆくので、第1分岐電流路側端子701及び第2分岐電流路側端子711を適切に保護することができる。
【0119】
さらに、以上に説明された磁界発生装置1では、2本の電力ラインLには、複数のスイッチング素子2の各々と複数のコンデンサ21の各々とからなる複数の直列回路が並列に接続されている。また、複数のコンデンサ21の各々の一端側には、第3電流路6及び第4電流路16を介して、共通の端子Pが接続されている。その一方で、複数のコンデンサ21の各々の他端側には、第1電流路4の各々及び第2電流路5の各々を介して、複数の第2の励磁コイル30の各々の一端(端子300;図6参照)が接続されている。
【0120】
この構成によれば、複数のコンデンサ21の各々と、そのコンデンサ21と対応する第2の励磁コイル30とからなる複数の共振回路が得られる。
【0121】
ここにおいて、第2の励磁コイル30のインダクタンスは、第2の励磁コイル30の各々の断面積、巻数、及び、長さ(磁路の長さ)が、複数の第2の励磁コイル30を1つの励磁コイルと仮定した場合におけるその励磁コイル(励磁コイル3)の断面積、巻数、及び長さ(磁路の長さ)と同じである。したがって、第2の励磁コイル30の各々のインダクタンスは、第1の励磁コイル3のインダクタンスと同じである。
【0122】
したがって、コンデンサ及び励磁コイルが1つずつ設けられて構成された従来のLC共振回路と同じ電力を得るためには、従来のLC共振回路における静電容量を、コンデンサ21の数で除して得られた静電容量とすればよいことが判る。
【0123】
このように、従来のLC共振回路における静電容量を、コンデンサ21の数で除して得られた静電容量とすれば、LC共振回路の各々により生じる電力は、従来のLC共振回路を、コンデンサ21の数で除して得られた電力となる。これにより、複数のLC共振回路全体により生じる電力が、従来のLC共振回路により生じる電力と同じとなる。その結果、従来構成と同じ電力が得られる。
【0124】
図5は、本発明の一実施形態に係る磁界発生装置1の構成のさらに他の例を示した回路図である。
【0125】
図5に示される磁界発生装置1では、複数の第2の励磁コイル30の各々の一端側では第2電流路5がそれぞれ接続されている。また、複数の第2の励磁コイル30の各々の他端側では第5電流路17がそれぞれ接続されている。
【0126】
また、磁界発生装置1は、複数の第5電流路5の各々と、先述された第1分岐電流路12の各々とを接続する第3接続部15を備える。第3接続部15は、複数の第1分岐電流路12の各々が取り付けられる複数の第1分岐電流路側端子(第3端子)701、及び、複数の第5電流路17の各々が取り付けられる複数の第5電流路側端子(第5端子)712が設けられている。この第3接続部15は、複数の第1分岐電流路側端子701の各々と、複数の第5電流路側端子712とを導通させることによって、複数の第1分岐電流路12の各々と複数の第5電流路17の各々とを接続する。このような第3接続部15は、例えば、図2に示されるドロワーコネクタで構成することができる。また、図3に示されるネジ端子台で構成することもできる。
【0127】
尚、第3接続部15をドロワーコネクタで構成した場合、例えば、図2に示されるように、複数の第1分岐電流路側端子701の各々と、複数の第1分岐電流路12の各々とが、受け部材70の内部において接続されている。その一方で、複数の第5電流路側端子712の各々と、複数の第5電流路17の各々とが、差込部材71の内部において接続されている。
【0128】
また、第3接続部15を、ネジ端子台を用いて構成した場合、例えば、図3に示されるように、複数の第1分岐電流路側端子701の各々がネジ端子とされており、各々のネジ端子に、複数の第5電流路側端子712の各々をネジの螺合により接続する。
【0129】
図5に示される磁界発生装置1では、以上に示される構成とされているため、第1電流路4から第1電流路側端子700及び第2電流路側端子710を経て第2の励磁コイル30の一端(端子300;図7参照)に至る、複数の電気的に独立した電流路が、複数の第2の励磁コイル30の一端側で形成される。その一方で、第1分岐電流路12から第1分岐電流路側端子701、第5電流路側端子712、及び第5電流路を経て第2の励磁コイル30の他端(端子300;図7参照)に至る、複数の電気的に独立した電流路が、複数の第2の励磁コイル30の他端側で形成される。
【0130】
これにより、第1電流路側端子700及び第2電流路側端子710を備える第1接続部7において端子700又は710の異常などが生じることによりその端子700又は710に電流が流れにくくなったとしても、第1接続部7においてその端子以外の端子に電流が流れ込まない。
【0131】
また、第1分岐電流路側端子701及び第5電流路側端子712を備える第3接続部15において端子701又は712の異常などが生じることによりその端子701又は712に電流が流れにくくなったとしても、第3接続部15においてその端子以外の端子に電流が流れ込まない。
【0132】
結果として、複数の第2の励磁コイル30の一端側及び他端側のいずれの側においても、端子700、710、701、712の発熱を防止することができる。
【0133】
また、以上に説明された磁界発生装置1では、2本の電力ラインLには、複数のスイッチング素子2の各々と複数のコンデンサ21の各々とからなる複数の直列回路が並列に接続されている。また、複数のコンデンサ21の各々の一端側には、第3電流路6、第1分岐電流路12の各々、及び複数の第5電流路17の各々を介して、複数の第2の励磁コイル30の各々の一端(端子300;図7参照)が接続されている。さらに、複数のコンデンサ21の各々の他端側には、第1電流路4の各々及び第2電流路5の各々を介して、複数の第2の励磁コイル30の各々の他端(端子300;図7参照)が接続されている。
【0134】
この構成によれば、複数のコンデンサ21の各々と、そのコンデンサ21と対応する第2の励磁コイル30とからなる複数の共振回路が得られる。
【0135】
ここにおいて、第2の励磁コイル30のインダクタンスは、先述されたように、第1の励磁コイル3のインダクタンスと同じである。
【0136】
したがって、コンデンサ及び励磁コイルが1つずつ設けられて構成された従来のLC共振回路と同じ電力を得るためには、従来のLC共振回路における静電容量を、コンデンサ21の数で除して得られた静電容量とすればよいことが判る。
【0137】
このように、従来のLC共振回路における静電容量を、コンデンサ21の数で除して得られた静電容量とすれば、LC共振回路の各々により生じる電力は、従来のLC共振回路を、コンデンサ21の数で除して得られた電力となる。これにより、複数のLC共振回路全体により生じる電力が、従来のLC共振回路により生じる電力と同じとなる。その結果、従来構成と同じ電力が得られる。
【0138】
次に、励磁コイル3の具体的な構成について説明する。図6は、励磁コイル3の構成の一例を示した外観図である。この種の励磁コイル3は、図1及び図4に示される構成で使用されている。
【0139】
図6に示されるように、励磁コイル3は、絶縁材で被覆された複数の電線30Aが並列に配置されたケーブルCが巻き回されることにより構成されている。この種の励磁コイル3は、ケーブル3において複数の電線30Aが並列に配置されているため、ケーブルCの巻数及び巻き方向と同じ巻数及び巻き方向で巻き回された複数の電線30Aを備える。このようにして巻き回された複数の電線30Aの各々が、第2の励磁コイル30を構成する。
【0140】
そして、この励磁コイル3において、ケーブルCの一端部側では、複数の電線30A毎に端子300が設けられている一方で、ケーブルの他端部側では複数の電線30Aの間で共通の端子Pが設けられている。
【0141】
この構成によれば、複数の電線30Aの各々からなる第2の励磁コイル30の端子300に対して、第1接続部7から導出された複数の第2電流路5を容易に接続することができる。したがって、第2の励磁コイル30の一端から第1接続部7に至る、電気的に独立した複数の電流路を容易に形成することができる。
【0142】
ここにおいて、この種の励磁コイル3の一例として、複数のリッツ線が並列に配列されたケーブルを巻き回して構成した励磁コイルが挙げられる。この種の励磁コイルは、いわゆるリッツ線コイルと呼ばれており、1つのリッツ線コイルの中には、リッツ線からなる複数の第2の励磁コイル30が含まれている。
【0143】
図7は、励磁コイル3の構成の他の例を示した外観図である。この種の励磁コイル3は、図5に示される構成で使用されている。
【0144】
図7に示されるように、励磁コイル3は、絶縁材で被覆された複数の電線30Aが並列に配置されたケーブルCが巻き回されることにより構成されている。この種の励磁コイル3は、ケーブル3において複数の電線30Aが並列に配置されているため、ケーブルCの巻数及び巻き方向と同じ巻数及び巻き方向で巻き回された複数の電線30Aを備える。このようにして巻き回された複数の電線30Aの各々が、第2の励磁コイル30を構成する。そして、ケーブルCの両端部側では、複数の電線30A毎に端子300が設けられている。
【0145】
この構成によれば、複数の電線30Aの各々からなる第2の励磁コイル30の一端に対して、或る接続部(例えば第1接続部7)から導出された複数の電流路(例えば第2電流路5)を容易に接続することができる。さらに、第2の励磁コイル30の他端に対しても、他の接続部(例えば第3接続部15)から導出された複数の電流路(例えば第5電流路17)を容易に接続することができる。
【0146】
したがって、或る接続部(例えば第1接続部7)から第2の励磁コイル30を経て他の接続部(例えば第3接続部15)へ至る、電気的に独立した複数の電流路を容易に形成することができる。
【符号の説明】
【0147】
1 磁界発生装置
2 スイッチング素子
3 励磁コイル(第1の励磁コイル)
4 第1電流路
5 第2電流路
6 第3電流路
7 第1接続部
8 第2接続部
9 検出部
10 制御部
11 第2分岐電流路
12 第1分岐電流路
13 被加熱体
15 第3接続部
16 第4電流路
17 第5電流路
20 スイッチング素子
21 コンデンサ
30 励磁コイル(第2の励磁コイル)
48 加熱装置
700 第1電流路側端子(第1端子)
710 第2電流路側端子(第2端子)
701 第1分岐電流路側端子(第3端子)
711 第2分岐電流路側端子(第4端子)
712 第5電流路側端子(第5端子)
A 画像形成装置
L 電力ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁材で被覆された複数の電線が並列に配置されたケーブルが巻き回されることにより構成され、前記複数の電線の各々が、前記ケーブルの巻数及び巻き方向と同じ巻数及び巻き方向で巻き回されて第2の励磁コイルとされている第1の励磁コイルと、
前記複数の電線の各々に対応して設けられ、前記複数の電線の各々へ供給される電流を生成する複数のスイッチング素子と、
前記複数のスイッチング素子の各々に対応して設けられ、前記複数のスイッチング素子によって生成された電流が流れる複数の第1電流路と、
前記複数の電線の各々に対応して設けられ、前記複数の電線の各々に向かって電流が流れる複数の第2電流路と、
前記複数の第1電流路の一端がそれぞれ接続された複数の第1端子と、前記複数の第2電流路の一端がそれぞれ接続された複数の第2端子とが設けられ、前記複数の第1端子の各々と、前記複数の第2端子の各々とを導通させることによって、前記複数の第1電流路の各々と前記複数の第2電流路の各々とを接続する第1接続部と、
を備えており、
前記複数のスイッチング素子の各々は、他のスイッチング素子との間で絶縁されており、
前記複数の第1電流路の各々は、他の第1電流路との間で絶縁されており、
前記複数の第2電流路の各々は、他の第2電流路との間で絶縁されており、
前記複数の第1端子の各々は、他の第1端子との間で絶縁されており、
前記複数の第2端子の各々は、他の第2端子との間で絶縁されていることを特徴とする磁界発生装置。
【請求項2】
電流を受け付けて磁界を発生する複数の第2の励磁コイルと、
前記第2の励磁コイルの各々に対応して設けられ、前記第2の励磁コイルの各々へ供給される電流を生成する複数のスイッチング素子と、
前記複数のスイッチング素子の各々に対応して設けられ、前記スイッチング素子の各々によって生成された電流が流れる複数の第1電流路と、
前記複数の第2の励磁コイルの各々に対応して設けられ、前記第2の励磁コイルの各々に向かって電流が流れる複数の第2電流路と、
前記複数の第1電流路の一端がそれぞれ接続された複数の第1端子と、前記複数の第2電流路の一端がそれぞれ接続された複数の第2端子とが設けられ、前記複数の第1端子の各々と、前記複数の第2端子の各々とを導通させることによって、前記複数の第1電流路と前記複数の第2電流路とを接続する第1接続部と、
を備えており、
前記複数の第2の励磁コイルの各々は、他の第2の励磁コイルとの間で絶縁されており、
前記複数のスイッチング素子の各々は、他のスイッチング素子との間で絶縁されており、
前記複数の第1電流路の各々は、他の第1電流路との間で絶縁されており、
前記複数の第2電流路の各々は、他の第2電流路との間で絶縁されており、
前記複数の第1端子の各々は、他の第1端子との間で絶縁されており、
前記複数の第2端子の各々は、他の第2端子との間で絶縁されていることを特徴とする磁界発生装置。
【請求項3】
前記複数の第2の励磁コイルは、絶縁材で被覆された複数の電線が並列に配置されたケーブルが巻き回されることにより、前記ケーブルの巻数及び巻き方向と同じ巻数及び巻き方向で巻き回された前記複数の電線の各々で構成されており、
前記ケーブルの一端部側では、前記複数の電線毎に端子が設けられている一方で、前記ケーブルの他端部側では前記複数の電線の間で共通の端子が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の磁界発生装置。
【請求項4】
前記複数のスイッチング素子の各々に対応して設けられ、複数の第1分岐電流路が設けられた第3電流路と、
前記共通の端子に接続され、前記複数の第1分岐電流路に対応する複数の第2分岐電流路が設けられた第4電流路と、
前記複数の第1分岐電流路の各々の一端がそれぞれ接続された複数の第3端子と、
前記複数の第2分岐電流路の各々の一端がそれぞれ接続された複数の第4端子とが設けられ、前記複数の第3端子の各々と、前記複数の第4端子の各々とを導通させることによって、前記複数の第1分岐電流路の各々と前記複数の第2分岐電流路の各々とを接続する第2接続部と、
前記複数の第1分岐電流路、及び、前記複数の第2分岐電流路のいずれか一方を流れる電流の電流値をそれぞれ検出する検出部と、
検出された前記電流値のうち少なくとも1つが予め設定された設定電流値を超えるときには、前記複数のスイッチング素子に対して電流の供給を停止させる制御部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の磁界発生装置。
【請求項5】
前記複数の第2の励磁コイルは、絶縁材で被覆された複数の電線が並列に配置されたケーブルが巻き回されることにより、前記ケーブルの巻数及び巻き方向と同じ巻数及び巻き方向で巻き回された前記複数の電線の各々で構成されており、
前記ケーブルの両端部側では、前記複数の電線毎に端子が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の磁界発生装置。
【請求項6】
前記複数の第2電流路の各々が、前記複数の第2の励磁コイルの各々の一端に接続されており、
前記複数のスイッチング素子の各々に対応して設けられ、複数の第1分岐電流路が設けられた第3電流路と、
前記複数の第2の励磁コイルの各々の他端に接続された複数の第5電流路と、
前記第1分岐電流路の各々の一端がそれぞれ接続された前記複数の第3端子と、前記複数の第5電流路の各々の一端がそれぞれ接続された複数の第5端子とが設けられ、前記複数の第3端子の各々と、前記複数の第5端子の各々とを導通させることによって、前記複数の第2分岐電流路の各々と前記複数の第5電流路の各々とを接続する第3接続部と、をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の磁界発生装置。
【請求項7】
電力を伝送する2本の電力ラインと、複数のコンデンサとをさらに備えており、
前記2本の電力ラインには、前記複数のスイッチング素子の各々と前記複数のコンデンサの各々とからなる複数の直列回路が並列に接続されており、
前記複数のコンデンサの各々の一端側には、前記複数の第2の励磁コイルにおける前記共通の端子が接続されている一方で、前記複数のコンデンサの各々の他端側には、前記複数の第2の励磁コイルの各々の端子が接続されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の磁界発生装置。
【請求項8】
電力を伝送する2本の電力ラインと、複数のコンデンサとをさらに備えており、
前記2本の電力ラインには、前記複数のスイッチング素子の各々と前記複数のコンデンサの各々とからなる複数の直列回路が並列に接続されており、
前記複数のコンデンサの各々の一端側には、前記第3電流路、前記第1分岐電流路の各々、及び前記複数の第5電流路の各々を介して、前記複数の第2の励磁コイルの各々の一端側の端子が接続されている一方で、前記複数のコンデンサの各々の他端側には、前記複数の第2の励磁コイルの各々の他端側の端子が接続されていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の磁界発生装置。
【請求項9】
前記第1接続部は、
前記複数の第1端子の各々と、前記複数の第2端子の各々とが接触するドロワーコネクタであることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の磁界発生装置。
【請求項10】
前記第1接続部は、
前記複数の第1端子及び前記複数の第2端子のうち一方が、複数のネジ端子で構成されており、前記複数の第1端子及び前記複数の第2端子のうち他方が、前記複数のネジ端子の各々に取り付けられる端子であるネジ端子台で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の磁界発生装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の磁界発生装置を備えており、
前記磁界発生装置において発生した前記磁界によって、被加熱体を誘導加熱する構成とされていることを特徴とする加熱装置。
【請求項12】
画像を表すトナー像を用紙上に形成する画像形成部と、
請求項11に記載の加熱装置で構成されており、前記用紙上に形成された前記トナー像を熱定着させる定着装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−96563(P2011−96563A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250707(P2009−250707)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】