説明

社員用健康情報管理方法およびシステム

【課題】社員の健康情報を効率良く管理でき、高いセキュリティを備えた社員用健康情報管理システムを提案すること。
【解決手段】タイマ機能3fが備わっている社員証3を利用した社員用健康情報管理システム2では、健康診断機器が設置されている病院11等に配置したカードリーダライタ11bによって、検診結果が受診者である社員の社員証3に書き込まれる。会社1に戻った社員が会社の施設に設置されているカードリーダライタ8b等に通して社員認証動作を行うと、タイマ機能3fによるタイマカウントがリセットされ、健康情報が読み取られ、会社内健康管理サーバ4を介して健康管理データベース5に登録される。健康情報が社員証3によって一元管理され、社員証3を紛失して会社内の施設で社員認証が行われないとタイマ機能3fがリセットされないので設定時間をカウントアップして記憶情報が消去され、情報の漏洩が防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICカードなどの記憶媒体からなる社員証を利用して社員の健康情報を一元管理するのに適した社員用健康情報管理方法およびシステムに関し、特に、社員証に蓄積した健康情報の漏洩防止を図ったものに関する。
【背景技術】
【0002】
企業においては社員の健康管理のために定期健康診断その他の健康診断を行うことが義務付けられている。例えば、社員の定期健康診断は、測定機器が搭載された検診車、あるいは測定機器が備わっている病院などにおいて行われる。一般に、検診結果は、受診票に記載されて受診者に渡され、受診票によって検診データが管理される。
【0003】
特許文献1には、健康診断場所において受診票の代わりにICカードを受診者に発行し、検診結果をICカードに記録し、健康診断後にはICカードの記録内容に基づき各受診者の健康状態をチェックすることのできる健康診断管理システムが提案されている。特許文献2にはICカードシステムが開示されており、ICカードを社員証として用いて企業に設置されている各データベースへのアクセスを制御することが記載されている。例えば、ICカードを用いて健康管理室端末から健康診断データベースを利用する点が記載されている(当該文献の段落番号0117、0123)。
【特許文献1】特開2000−139845号公報
【特許文献2】特開2005−122402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、近年においては健康志向の高まりから、スポーツジムなどの施設に通う人も多く、また、運動器具を購入して個人的に運動をする人も多い。これに伴って、スポーツジム、家庭などの各所に、心拍数、血圧などの測定器具が普及し、定期健康診断、あるいは病院などの医療施設以外の場所においても簡単に健康診断を行うことができるようになってきている。
【0005】
しかしながら、各所において得られた測定結果、診断結果は、各所において分散して管理されているのが現状である。このため、各人の診断結果、測定結果の最新データ、換言すると、各人の現在の健康状態を最も反映している健康情報については、各人がそれぞれ管理するしか方法がないのが現状である。
【0006】
健康診断結果を病院、スポーツクラブなどの個別の施設において一括管理するためには、これらの施設の間にネットワークを構築して健康情報を一括管理するシステムを実現する必要がある。このようなシステムを構築することは現実的には困難である。
【0007】
また、特許文献1に開示されている健康診断管理システムにおいて使用されているICカードに健康情報を常に記録することも考えられる。しかし、ICカードを紛失した場合には健康情報が完全に失われてしまうので、健康管理を適切に行うことができなくなってしまい、極めて不便である。また、紛失したICカードの健康情報が漏洩して悪用される危険性もある。
【0008】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、各企業に備わっている社員認証用の施設を有効利用して、企業単位で社員の健康情報管理を、効率良く、しかもセキュリティを確保した形態で行うことのできる社員用健康情報管理方法およびシステムを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の社員用健康情報管理方法は、
社員識別情報が記憶保持されているID記憶領域、健康情報を記憶するための健康情報記憶領域、およびタイマ機能を備えた制御部が備わっている社員証を、各社員に発行し、
健康状態を測定可能な機器が設置されている健康診断場所に、社員証書込装置を設置し、
各健康診断場所において得られた測定結果を、社員証書込装置を用いて、被測定者である社員が所有する社員証の健康情報記憶領域に書き込み、
社員が属する会社の施設に設置されている社員証読取装置において前記社員証から前記社員識別情報の読み取りが行われると、当該社員証の前記制御部は前記タイマ機能によるタイマカウントをリセットし、
前記社員証の前記タイマ機能が、リセットさせることなく予め設定した時間をカウントアップしたときには、当該社員証の前記制御部は当該社員証からの記憶情報の読み取りを不能にすることを特徴としている。
【0010】
本発明の社員用健康情報管理方法では、社員証を利用して各社員の健康情報が一元管理される。すなわち、病院などにおける健康診断結果が社員証に蓄積される。また、スポーツジムなどの施設において測定された心拍数、血圧などの測定結果も社員証に蓄積される。したがって、各社員の健康状態を表す健康情報が社員証によって一元管理される。この結果、社員の現在の健康状態を表す情報が常に社員証に蓄積された状態が形成されるので、この健康情報に基づき社員の健康状態を正確に判断でき、社員の健康管理に対して適切な指導も行うことが可能になる。
【0011】
また、社員証を紛失した場合などにおいては、社員証が会社に設置されている社員証読取装置によって読み取られることがない。この結果、社員証のタイマ機能が予め設定した時間をカウントアップし、当該社員証からの情報の読み取りが不能になる。よって、社員証紛失した後に、そこに書き込まれていた健康情報が漏洩して悪用されるなどの危険性がないので、安全である。
【0012】
例えば、前記社員証の前記制御部は、当該社員証の記憶情報を消去することにより記憶情報の読み取りを不能にすることができる。
【0013】
また、前記社員証の前記制御部にパスワード認証機能を付与しておき、前記社員証書込装置および前記社員証読取装置において情報の書込および読取を行う際には、前記社員証の前記制御部は予め定められているパスワードの入力を促し、パスワード認証後に、情報の書込み、および、読み出しを許可することが望ましい。このようにすれば、社員証の健康情報が無断で書き換えられてしまうなどの弊害を防止できる。
【0014】
次に、本発明の社員用健康情報管理方法においては、前記社員証読取装置で読み取られた健康情報を社員識別情報と共に、社員の健康情報を管理するための健康管理サーバに送信し、健康管理サーバにおいて、受信した健康情報を社員識別情報に対応付けした形態で、健康管理データベースに登録し、当該健康管理データベースにおいて、各社員証に記憶保持されている各社員の健康情報をバックアップすることを特徴としている。
【0015】
本発明では、社員証に蓄積されている健康情報は、社員証読取装置で読み取られて企業の健康管理データベースに登録され、そのバックアップが取られる。社員証は、一般に、出退勤時、入退室時、社員食堂、社員用売店などにおいて使用されている。したがって、通常の勤務状態においては1日に複数回、社員証が企業に設置されているシステムによって読み込まれ、社員認証が行われる。よって、社員証に蓄積されている健康情報が更新された場合には、一般的には更新された日のうちに、あるいは次の日には、そのバックアップデータが健康管理データベースに登録される。この結果、社員が社員証を紛失した場合などにおいても社員の最新の健康状態を表す健康情報を知ることができる。
【0016】
ここで、前記社員証としてはICカードを用いることができる。
【0017】
また、前記健康診断場所としては、病院施設、スポーツジム、診療所、各社員の自宅などを挙げることができる。
【0018】
さらに、前記社員証読取装置は、社員の出退勤を管理するための出退勤システム、社員の入退室を管理するための入退室管理システム、社内の売店のPOSシステムなどに搭載あるいは接続しておけばよい。
【0019】
一方、本発明は社員用健康情報管理システムに関するものであり、上記の方法により各社員の健康情報を管理することを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の社員用健康情報管理方法およびシステムにおいては、ICカードなどの記憶媒体からなる社員証を利用して、各社員の健康情報を社員毎に一括管理するようにしている。企業には社員証により社員認証を行うシステムが構築されているので、健康診断機器、測定機器が設置されている施設、場所に、カードリーダライタなどの社員証書込装置を設置するだけで、本発明の方法およびシステムを実現できる。よって、本発明により、初めて、各社員の健康情報を一元管理可能な実用的な方法およびシステムが得られる。
【0021】
また、社員証にはタイマ機能が備わっており、当該社員証を発行した会社に設置されている社員証読取装置によって所定時間内に情報の読取動作が行われない場合、換言すると、社員証が通常の使用形態で使用されなかった場合には、社員証の記憶情報を消去するなどして読み取り不能にしている。したがって、社員証を紛失した場合などにおいて、記憶情報が悪用されるなどの危険性がない。
【0022】
さらに、社員証に蓄積した健康情報を各企業の健康管理データベースにおいてバックアップする場合には、バックアップ処理が社員証を使用する毎に更新される。よって、バックアップデータの更新作業に煩わされることがなく、また、更新作業が実質的にリアルタイムで行われる。したがって、社員証を紛失した場合などにおいても社員の最新の健康状態をバックアップデータから知ることができ、社員の健康管理が一時的に出来なくなるという弊害も回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した社員用健康情報管理システムの実施の形態を説明する。
【0024】
(全体構成)
図1は、本実施の形態に係る社員用健康情報管理システムを示す概略構成図である。会社の施設1内に主要部分が設置されている社員用健康情報管理システム2は、社員証3を用いて社員認証を行うことにより会社内の各施設への入出室管理、会社内の各コンピュータ機器、各データベースへのアクセスの管理、各社員の出退勤管理、社内の売店の販売管理を行う企業内管理システムのハードウエアおよびソフトウエアを利用して構築されている。
【0025】
社員証3は例えばICカードから製作されている。本例では、社員証3はプラスチック製の矩形のカード本体3aと、ここに埋め込まれているICチップ3bとを備えており、ICチップ3bには記憶領域3c、3dと、CPUを中心に構成した制御部3eとが備わっている。
【0026】
記憶領域3cは、社員認証用の社員ID30が記憶されているID記憶領域であり、記憶領域3dは、健康情報を記憶するための健康情報記憶領域である。健康情報には、血圧値、心拍数、血糖値、体脂肪率、体力や持久力を表す項目などが含まれており、これらの項目31と、検査値あるいは測定値32と、書込み日時33とが対応付けした形態で健康情報記憶領域3dに蓄積される。
【0027】
制御部3eはタイマ機能3fとパスワード認証機能3gを備えている。タイマ機能3fにより予め設定された時間がカウントアップされると、制御部3eは記憶領域3c、3dの記憶情報を消去して、これらの情報の読み出しを不能にするように機能する。また、制御部3eは、会社内に設置されているカードリーダライタにより情報の読み取り動作が行われると、タイマ機能3fによるタイマカウントをリセットする機能を備えている。
【0028】
社員用健康情報管理システム2は、コンピュータおよび入力装置、出力装置、外部メモリなどの周辺機器を備えた会社内健康管理サーバ4を中心に構成されている。会社内健康管理サーバ4は例えば外部メモリに構築された健康管理データベース5を備えており、ここに各社員の健康情報が登録されて一元管理される。この健康管理データベース5には、各社員の社員IDを含む社員情報50と、各健康情報を表す項目51および検査値あるいは測定値52と、書込み日時53とが対応付けされた形態で登録される。
【0029】
会社内健康管理サーバ4には、社内LAN6を介して、複数台のコンピュータ端末、コピー機などの情報処理端末7(1)、7(2)・・・が接続されている。また、社員証3を用いる必要のある装置、端末が接続されている。これらには、例えば、1箇所あるいは複数個所に配置した社員の出退勤管理装置8a、機密資料などが保管されている資料室の出入り口に取り付けた入退室管理装置9a、社員用売店のレジに配置されたPOS端末10aなどが含まれている。これら出退勤管理装置8a、入退室管理装置9a、POS端末10aには、それぞれ、社員証3に対する情報の書込み、読み取りを行うためのカードリーダライタ8b、9b、10b(社員証読取装置)がそれぞれ搭載あるいは接続されている。
【0030】
公知のように、出退勤管理装置8aでは、カードリーダライタ8bによって社員証3を読み取り、各社員の出勤および退勤時間を管理する。入退室管理装置9aでは、社員証3に基づき、入室が許可されている社員のみの入室を許可する。POS端末10aでは、社員証に基づき、商品の販売代金の課金・清算などの処理などを社員毎に行う。これらの各端末での処理情報は会社内健康管理サーバ4として機能する会社内管理サーバに送信され、当該会社内管理サーバによって構築されている各データベースに登録される。
【0031】
一方、社員用健康管理システム2は、会社内管理システムを用いて構築されている部分に加えて、会社外の施設に配置されたカードリーダライタ(社員証書込装置)を備えている。例えば、病院11の施設内には1台あるいは複数台のカードリーダライタ11bが設置される。また、スポーツジム12の施設内においても1台あるいは複数台のカードリーダライタ12bが設置される。さらに、各社員の自宅13にも例えば1台のカードリーダライタ13bが設置される。
【0032】
(健康情報の管理動作)
上記構成の社員用健康情報管理システム2による各社員の健康情報の処理動作を説明する。まず、会社から、各社員に、社員ID30が書き込まれた社員証3が発行される(ブロックB1)。
【0033】
例えば、社員が病院11に出向き健康診断を受けた場合には(ブロックB2)、そこに設置されているカードリーダライタ11bによって健康診断結果が社員証3に書き込まれる(ブロックB3)。情報書込みの際には、パスワード認証が要求され、受診者である社員がパスワードを入力すると、情報の書込みが許可される。ここで、社員証3のタイマ機能3fが予め設定した時間をカウントアップしたかどうかを確認する。設定時間になっていない場合は(ブロックB7:N)、プロックB4に進む。
【0034】
この社員が次の日に会社1に出勤して出退勤管理装置8aのカードリーダライタ8bに社員証3を通して、パスワード認証を伴う社員認証動作が行われると、それと並行して、そこに書き込まれている健康情報が読み取られて会社内健康管理サーバ4に送信される(ブロックB4)。会社内健康管理サーバ4では、受診した健康情報を社員ID、書込み日時と対応付けした形態で健康管理データベース5に登録する(ブロックB5)。これにより、社員証3に書き込まれている健康情報のバックアップデータが健康管理データベース5に保持される。
【0035】
ここで、カードリーダライタ8bを介して社員認証動作が行われると、社員証3の制御部3eはタイマ機能3fによるタイマカウントをリセットする(ブロックB6)。
【0036】
次に、同一の社員が別の日に昼休みを利用してスポーツジム12に行きトレーニングの前に血圧、心拍数などを測定したとする(ブロックB2)。この場合にも、スポーツジム12に設置されているカードリーダライタ12bによって測定値が社員証3に書き込まれる(ブロックB3)。ここで、社員証3の健康情報記憶領域3dには病院での検診情報が既に書き込まれているので、これらの検診項目および書込み日時が、新たなものに更新される。ここで、社員証3のタイマ機能3fが予め設定した時間をカウントアップしたかどうかを確認する。設定時間になっていない場合は(ブロックB7:N)、プロックB4に進む。
【0037】
この社員が会社に戻り、例えば、資料室に入って業務を行ったものとする。この場合には、入室のために社員証3を入退室管理装置9aのカードリーダライタ9bに通す必要がある。社員証3を通してパスワード認証を伴う社員認証動作が行われると、そこに書き込まれている健康情報が読み取られて会社内健康管理サーバ4に送信される(ブロックB4)。同時に、社員証3の制御部3eはタイマ機能3fによるタイマカウントをリセットする。
【0038】
一方、会社内健康管理サーバ4では、健康管理データベース5に登録されている当該社員の健康情報の書込み日時が、受信した書込み日時よりも古いことを確認する。しかる後に、受診した健康情報、この場合には、血圧値および心拍数の項目を更新し、それらの書込み日時も更新する(ブロックB5)。
【0039】
以上の健康情報の処理動作に対し、社員が外出中において社員証3を紛失した場合には、その後、社員証3が社内の施設において使用されることがない。このため、社員証3ではタイマ機能3fがリセットされることなく設定時間をカウントアップする(ブロックB7:Y)。この結果、社員証3の制御部3eは記憶情報を消去するので、情報の読み取りが不能になる(ブロックB8)。よって、紛失した社員証3からの情報の漏洩を防止できる。また、紛失した社員証3が会社に持ち込まれて不正に使用されることも防止できる。
【0040】
このようにして、各社員が健康診断、測定を受ける毎に、社員証3に最新の健康情報が蓄積される。また、社員証3に蓄積された最新の健康情報は、会社内において社員証3を使用して社員認証を行う毎に読み取られて会社内健康管理サーバ4に送信される。よって、健康管理データベース5において、常に、社員証3に蓄積されている健康情報のバックアップが取られることになる。
【0041】
社員証3によって各社員の健康状態が一元管理されると共に、常に現在の健康状態を反映した最新の情報が蓄積されている。よって、各社員は、例えば、会社1内のコンピュータ端末7(1)にカードリーダライタ7bを接続して社員証3に蓄積されている健康情報を読み出してモニターなどに表示することにより、自分の健康状態を必要に応じてチェックできる。また、会社の側の健康管理の担当者は、健康管理データベース5の登録情報を確認することにより、各社員の現在の健康状態を反映した最新の健康情報を見ることができ、各社員の健康管理を適切に行うことが可能になる。
【0042】
さらに、社員が社員証3を紛失した場合においても、健康管理データベース5に常に最新の健康情報がバックアップされているので、社員証紛失によって健康管理に支障をきたすこともない。
【0043】
さらには、社員が外出中において社員証3を紛失した場合には、所定の時間経過後に記憶情報が消去される。よって、紛失した社員証3からの情報の漏洩を防止でき、紛失した社員証3が会社に持ち込まれて不正に使用されることも防止できる。
【0044】
なお、本例においては、書込み日時に基づき、社員証3および健康管理データベース5の健康情報の更新を行うようにしている。書込み日時と共に、健康情報の書込み場所、すなわち、健康情報が病院、スポーツジム、自宅などの各場所のいずれで社員証3に書き込まれたのかを表す施設情報も、健康情報の属性情報として社員証3に書込み、これに基づき更新処理を行うようにしてもよい。例えば、病院において専門の検査員が行う検査の結果は信頼性が高いが、自宅などにおいて自分で行う測定結果の信頼性、精度は低いのが一般的である。したがって、同一項目の検査結果であっても、それが行われた場所が異なる場合には、別個に記憶保持しておくことが望ましい場合もある。このような場合には、検査、測定場所を表す施設情報を書き込み、これに基づき、健康情報の記憶、更新を管理することが望ましい。
【0045】
また、XMLなどの共通言語を採用して健康情報を管理すれば、各所において社員証に書き込まれた健康情報をパソコンなどの汎用的な情報処理機器を用いて簡単に確認することができる。
【0046】
さらに、健康管理データベース5において社員証3に蓄積される健康情報のバックアップを取るようにしている。社員証3においては健康情報を上書きして更新し、健康管理データベース5においてはバックアップ情報と共に過去の健康情報履歴を保存しておいてもよい。このようにすれば、各社員の健康状態の推移を知ることができ、これに基づき、生活習慣の改善などの指導を会社の側から適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明を適用した健康情報管理システムの概略構成図である。
【図2】図1の健康情報管理システムの動作の概略フローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
1 会社、2 社員用健康情報管理システム、3 社員証、3a カード本体、3b ICチップ、3c ID記憶領域、3d 健康情報記憶領域、3e 制御部、3f タイマ機能、3g パスワード認証機能、31 項目、32 測定値、33 書込み日時、4 会社内健康管理サーバ、5 健康管理データベース、50 社員情報、51 項目、52 測定値、53 書込み日時、6 社内LAN、7(1),7(2) 情報処理端末、8a 出退勤管理装置、9a 入退室管理装置、10a POS端末、8b,9b,10b,11b,12b,13b カードリーダライタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
社員識別情報が記憶保持されているID記憶領域、健康情報を記憶するための健康情報記憶領域、およびタイマ機能を備えた制御部が備わっている社員証を、各社員に発行し、
健康状態を測定可能な機器が設置されている健康診断場所に、社員証書込装置を設置し、
各健康診断場所において得られた測定結果を、社員証書込装置を用いて、被測定者である社員が所有する社員証の健康情報記憶領域に書き込み、
社員が属する会社の施設に設置されている社員証読取装置において前記社員証から前記社員識別情報の読み取りが行われると、当該社員証の前記制御部は前記タイマ機能によるタイマカウントをリセットし、
前記社員証の前記タイマ機能が、リセットさせることなく予め設定した時間をカウントアップしたときには、当該社員証の前記制御部は当該社員証からの記憶情報の読み取りを不能にすることを特徴とする社員用健康情報管理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の社員用健康情報管理方法において、
前記社員証の前記制御部は、当該社員証の記憶情報を消去することにより記憶情報の読み取りを不能にすることを特徴とする社員用健康情報管理方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の社員用健康情報管理方法において、
前記社員証の前記制御部にパスワード認証機能を付与しておき、
前記社員証書込装置および前記社員証読取装置において情報の書込および読取を行う際には、前記社員証の前記制御部は予め定められているパスワードの入力を促し、パスワード認証後に、情報の書込み、および、読み出しを許可することを特徴とする社員用健康情報管理方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項に記載の社員用健康情報管理方法において、
前記社員証読取装置で読み取られた健康情報を社員識別情報と共に、社員の健康情報を管理するための健康管理サーバに送信し、
健康管理サーバにおいて、受信した健康情報を社員識別情報に対応付けした形態で、健康管理データベースに登録し、
当該健康管理データベースにおいて、各社員証に記憶保持されている各社員の健康情報をバックアップすることを特徴とする社員用健康情報管理方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項に記載の社員用健康情報管理方法において、
前記社員証はICカードであることを特徴とする社員用健康情報管理方法。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちのいずれかの項に記載の社員用健康情報管理方法において、
前記健康診断場所には、少なくとも、病院施設、スポーツジム、診療所、各社員の自宅のうちの一つが含まれていることを特徴とする社員用健康情報管理方法。
【請求項7】
請求項1ないし6のうちのいずれかの項に記載の社員用健康情報管理方法において、
社員証読取装置は、少なくとも、社員の出退勤を管理するための出退勤システム、社員の入退室を管理するための入退室管理システム、および、社内の売店のPOSシステムのうちの一つに配置されていることを特徴とする社員用健康情報管理方法。
【請求項8】
請求項1ないし7のうちのいずれかの項に記載の社員用健康情報管理方法により各社員の健康情報を管理することを特徴とする社員用健康情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−305050(P2008−305050A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−150028(P2007−150028)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】