説明

神経ペプチド2受容体(Y−2R)アゴニスト及びその使用

式(I)[ここで、置換基は本明細書において開示されたとおりのものである]の神経ペプチド−2受容体アゴニスト、ならびにその薬学的に許容しうる塩、誘導体及び断片が、本明細書において提供されている。これらの化合物、及びそれらを含有する医薬組成物は、例えば肥満及び糖尿病などの疾患の処置に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PYY3−36の切断及び脂質付加された類似体を提供する。この類似体は、神経ペプチド−2受容体のアゴニストであり、例えば肥満、2型糖尿病、代謝症候群、インスリン抵抗性、及び脂質異常症などの代謝疾患及び障害の処置に有用である。
【0002】
本発明は、特に式(I):
【0003】
【化1】


[式中、
Lは、脂質部分であり;
L’は、脂質部分であり;
Xは、(4−オキソ−6−ピペラジン−1−イル−4H−キナゾリン−3−イル)酢酸(Pqa)であり;
Yは、H、アシル部分、又は、ピロGluであり;
Zは、スペーサー部分であるか又は存在せず;
Z’は、スペーサー部分であるか又は存在せず;
は、Ile、Ala、(D)Ile、又はN−メチルIleであり;
は、Lys、Ala、(D)Lys、N−メチルLys、Nle、又は(Lys−Gly)であり;
は、Arg、Ala、(D)Arg、N−メチルArg、又はPheであり;
は、His、Ala、(D)His、又はN−メチルHisであり;
は、Tyr、Ala、(D)Tyr、N−メチルTyr、又はTrpであり;
は、Leu、Ala、(D)Leu、又はN−メチルLeuであり;
は、Asn、Ala、又は(D)Asnであり;
は、Leu、又はTrpであり;
は、Val、Ala、(D)Val、又はN−メチルValであり;
10は、Thr、Ala、又はN−メチルThrであり;
11は、Arg、(D)Arg、又はN−メチルArgであり;
12は、Gln、又はAlaであり;
13は、Arg、(D)Arg、又はN−メチルArgであり;そして、
14は、Tyr、(D)Tyr、N−メチルTyr、Phe、又はTrpであり;
ここで、部分L−Z−及びL’−Z’−は双方が存在することはない]で示される神経ペプチド−2受容体アゴニスト、又はその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0004】
代謝疾患及び障害は、先進国の深刻な健康問題として広く認識されており、米国においては異常発生レベルに達している。肥満についての最近の研究によれば、例えば50%を超える米国人口が、過体重であると考えられており、25%超が臨床的肥満であるとして診断され、心臓病、2型糖尿病、及びある特定のガンに対しかなりの危険性がある。この異常発生は医療制度に重大な負担をかけ、見積もりで年間700億ドルを超える肥満治療コストが米国のみで予想される。肥満を処置するための戦略は、食物摂取の減少、及びエネルギー消費を高めることを包含する。
【0005】
神経ペプチドY(NPY)、36アミノ酸ペプチド神経伝達物質は、末梢及び中枢神経系の双方において存在することが示されている神経伝達物質/神経ホルモンの膵ポリペプチドクラスのメンバーである。NPYは、既知の最も強力な食欲促進剤のうちの1つであり、ヒトを含む動物における食物摂取の調節において主要な役割を果たすことが示されている。
【0006】
6つのNPY受容体、Y1−、Y2−、Y3−、Y4、ならびにY5−及びY6−サブタイプは、クローン化されており、それらはロドプシン様Gタンパク質共役7膜貫通受容体(GPCR)に属する。NPYのY2受容体(Y2R)は、Gを介してアデニルシクラーゼの活性化を阻害し、一方で他の既知のNPY受容体と低い相同性を示す、381アミノ酸受容体である。ラットとヒトのY2受容体の間には98%アミノ酸同一性を有する高度な保存が存在する。
【0007】
Y2R受容体は、げっ歯類及びヒトの双方における中枢神経系内に広く分布している。視床下部において、Y2のmRNAは、弓状核、視索前核、及び背内側核に局在している。ヒト脳において、Y2Rは、優勢Y受容体サブタイプである。弓状核内部で、80%を超えるNPYニューロンが、Y2RのmRNAを共発現する。Y2選択的アゴニストの適用は、インビトロで視床下部切片からのNPYの放出を減少させることが示されているが、一方でY2非ペプチドアンタゴニストBIIE0246は、NPY放出を増加させる。これらの発見は、NPY放出を調節し、ゆえに摂食の調節に関与することができる、シナプス前自己受容体としての、Y2Rの役割を支持する。(Kaga, T. et al., Peptides 22: 501-506 (2001) and King PJ et al., Eur J Pharmacol 396: R1-3 (2000))。
【0008】
ペプチドYY3−36(PYY3−36)は、神経ペプチドY2アゴニスト活性を有する34アミノ酸直鎖ぺプチドである。PYY3−36の弓状核内(Intra-arcuate)(IC)又は腹腔内(IP)注射は、ラットにおいて摂餌を減少させ、長期的処置として体重増加を減少させることが立証されている。PYY3−36を90分間静脈内(IV)注入(0.8pmol/kg/分)すると、24時間を超えて、肥満及び正常のヒト被検者において食物摂取が減少した。これらの発見は、PPY系が、肥満の処置のための治療的標的になり得ることを示唆する。(Batterham RL et al., Nature 418: 650-654 (2002); Batterham RL et al., New Engl J Med 349: 941-948 (2003))。さらに、ラット空腸の電位固定粘膜標本を通る電流の減少によって明らかにされるように、5〜24個の残基を長さが5〜8個の炭素のメチレン鎖によって置換した、PYYのCys−(D)Cys27−環化型は、腸PYY受容体の活性化を示した。(Krstenansky, et al. in Peptides, Proceedings of the Twelfth American Peptide Symposium. J. Smith and J. Rivier Editors, ESCOM. Leiden Page 136-137)。
【0009】
加えて、最近のデータは、ルーワイ(Roux-enY)胃バイパス患者がPYYレベルの初期の過剰な上昇を有し、これは部分的に、初期の血糖制御及び長期の体重維持に関与する場合があり、代謝疾患の発病においてこのペプチドの重要性を立証するものであることを示している。PYYの他の既知の作用は:胃内容物排出の減少、及び改善された食後血糖制御の原因である胃腸管通過の遅延を包含する。HbA1C及びフルクトサミンなどの高血糖症の指標は、2型糖尿病の動物モデルにおけるPYY3−36の末梢投与後に用量依存的減少を示す。このように、これらの結果は、PYY3−36又は薬学的に関連するアゴニストが、血糖及び体重制御に対して長期的治療アプローチを提供することができるということを示す。(Korner et al., J Clin Endocrinol Metabol 90: 359-365 (2005); Chan JL et al., Obesity 14: 194-198 (2006); Stratis C et al., Obes Surg 16: 752-758 (2006); Borg CM et al., Br J Surg 93: 210-215 (2006);及び Pittner RA et al., Int J Obes 28: 963-971 (2004))。
【0010】
したがって、より低い分子量を有するが、等しいか又はより良好な、Y1、Y4及びY5受容体に対する効力及び選択性、薬物動態特性、ならびに薬理学的特性を持つ、PYYの新規に作られた類似体に対する必要性が存在する。
【0011】
本発明の化合物は好ましくは、代謝疾患及び障害を処置するのに有用である。そのような代謝疾患及び障害は、例えば肥満、糖尿病、好ましくは2型糖尿病、代謝症候群(シンドロームXとしても知られている)、インスリン抵抗性、脂質異常症、空腹時血糖異常及び耐糖能障害を包含する。
【0012】
本発明のさらなる実施態様において、治療有効量の式Iの神経ペプチド−2受容体アゴニスト、又はその塩、及び薬学的に許容しうる担体を含む、医薬組成物が提供される。
【0013】
本発明の化合物は、例えばそれらは切断型のPYY3−36であるので有益である。より短いペプチドは、例えば化合物のより容易な合成及び精製を促進するだけでなく、製造手順及び費用を改善及び減少させる。さらに、本発明の化合物は好ましくは、Y2−受容体と相互作用するが、NPYのY1、Y4及びY5などの相同受容体とは相互作用しないであろう。それにより、望まないアゴニスト又はアンタゴニスト副反応は最小化される。切断型の脂質付加されたペプチドはまた、天然ペプチドと比較して、インビボにおいてより長い半減期及び好都合な薬物動態特性を示し、一方で天然ペプチドの生物活性及び受容体特異性を維持する。
【0014】
本発明は、本明細書で説明される本発明の特定の実施態様に限定されず、特定の実施態様の変形がなされ、依然として添付の特許請求の範囲内に含めることができるということが理解されるべきである。また、使用される用語法は特定の態様を説明する目的のためのものであり、限定的であることを意図しないということも理解されるべきである。代わりに、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって確立されるであろう。
【0015】
本明細書において説明される方法、装置及び材料に等しいか、又は同様の任意の方法、装置及び材料が、本発明の実施又は試験において使用されうるが、好ましい方法、装置及び材料がここで説明される。
【0016】
本明細書で言及されるすべてのペプチド配列は、通常の慣例にしたがって記述され、それにより特に断りのない限り、N末端アミノ酸は左側に、C末端アミノ酸は右側にある。2つのアミノ酸残基の間の短い線は、ペプチド結合を表わす。アミノ酸が異性体形態を有する場合、特に明確に示されていない限りL型のアミノ酸を表す。本発明を説明するのに便宜上、種々のアミノ酸の慣用の及び非慣用の略語が使用される。これらの略語を、当業者は精通しているが、明確にするために以下に列挙する:
Asp=D=アスパラギン酸;Ala=A=アラニン;Arg=R=アルギニン;Asn=N=アスパラギン;Gly=G=グリシン;Glu=E=グルタミン酸;Gln=Q=グルタミン;His=H=ヒスチジン;Ile=I=イソロイシン;Leu=L=ロイシン;Lys=K=リジン;Met=M=メチオニン;Phe=F=フェニルアラニン;Pro=P=プロリン;Ser=S=セリン;Thr=T=トレオニン;Trp=W=トリプトファン;Tyr=Y=チロシン;Cys=C=システイン;及び、Val=V=バリン。
【0017】
また便宜上、以下の略語又は記号が、本発明で使用される部分、試薬などを表すために使用される:
Pqaは、(4−オキソ−6−ピペラジン−1−イル−4H−キナゾリン−3−イル)酢酸であり;
6−Ahxは、6−アミノヘキサン酸であり;
Chaは、シクロヘキシルアラニンであり;
(1)Nalは、1−ナフチルアラニン(1-Naphtylalanine)であり;
(2)Nalは、2−ナフチルアラニンであり;
Nleは、ノルロイシンであり;
Allocは、アロキシカルボニル(Alloxycarbonyl)であり;
Fmocは、9−フルオレニルメチルオキシカルボニルであり;
Mttは、4−メチルトリチルであり;
Pmcは、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニルであり;
Pbfは、2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニルであり、
CHClは、塩化メチレンであり;
AcOは、無水酢酸であり;
CHCNは、アセトニトリルであり;
DMAcは、ジメチルアセトアミドであり;
DMFは、ジメチルホルムアミドであり;
DIPEAは、N,N−ジイソプロピルエチルアミンであり;
TFAは、トリフルオロ酢酸であり;
iPrSiHは、トリイソプロピルシランであり;
HOBtは、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールであり;
DICは、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミドであり;
BOPは、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムへキサフルオロホスファートであり;
HBTUは、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムへキサフルオロホスファートであり;
15−ATOPAは、15−アミノ−4,7,10,13,−テトラオキサペンタデカン酸であり;
12−ATODAは、12−アミノ−4,7,10−トリオキサドデカデカン酸であり;
8−ADOSAは、N−(8−アミノ−3,6−ジオキサ−オクチル)−スクシンアミド酸であり;
5−AOPSAは、N−(5−アミノ−3−オキサ−ペンチル)−スクシンアミド酸であり;
NMPは、1−メチル 2−ピロリジノンであり;
FAB−MSは、高速原子衝撃質量分析であり;そして、
ES−MSは、エレクトロスプレー質量分析である。
【0018】
本明細書で使用される用語「脂質部分」は、4〜24個の炭素原子、好ましくは12〜20個の炭素原子の、場合により置換されている直鎖又は分岐のアルカノイル基を意味する。脂質部分は、天然に存在するか、又は合成であってよい。好ましい脂質部分は、特に限定されないが、カプロイル−、ラウロイル−、ミリソイル−(myrisoyl)、パルミトイル−、16−ブロモヘキサデカノイル−、2−ヘキシルデカノイル−、エイコサノイル−などを包含する。
【0019】
本明細書で使用される用語「アシル」は、カルボニル基を介して結合された、場合により置換されているアルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、又はヘテロアリール基を意味し、アセチル、プロピオニル、ベンゾイル、3−ピリジニルカルボニル、2−モルホリノカルボニル、4−ヒドロキシブタノイル、4−フルオロベンゾイル、2−ナフトイル、2−フェニルアセチル、2−メトキシアセチルなどの基を包含する。
【0020】
本明細書で使用される用語「アルキル」は、単独又は他の基との組み合わせで、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜16個の炭素原子、より好ましくは1〜10個の炭素原子の、分岐又は直鎖の一価飽和脂肪族炭化水素基を指す。
【0021】
用語「シクロアルキル」は、3〜10個の、好ましくは3〜6個の炭素原子の、飽和又は不飽和の一価単環式もしくは多環式炭素環基を指す。この用語はさらに、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ボルニル、アダマンチルなどの基によって例示される。好ましい実施態様において、「シクロアルキル」部分は、1、2、3、又は4個の置換基で場合により置換されていることができ、ここで、該置換基は、特に断りのない限りさらには置換されないと理解される。シクロアルキル部分の例は、特に限定されないが、場合により置換されているシクロプロピル、場合により置換されているシクロブチル、場合により置換されているシクロペンチル、場合により置換されているシクロペンテニル、場合により置換されているシクロヘキシル、場合により置換されているシクロヘキセン、場合により置換されているシクロヘプチルなど、又は本明細書において具体的に例示されたものを包含する。
【0022】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、単又は多環式アルキル環を示し、ここで1、2、又は3個の炭素環原子は、N、O又はSなどのヘテロ原子によって置き換えられている。ヘテロシクロアルキル基の例は、特に限定されないが、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、1,3−ジオキサニルなどを包含する。ヘテロシクロアルキル基は、非置換でも、置換されていてもよく、結合はそれらの炭素骨格によるか、又は適切な場合にはそれらのヘテロ原子によることができ、ここで該置換基はさらには置換されないと理解される。
【0023】
用語「低級アルキル」は、単独又は他の基との組み合わせで、1〜9個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子の、分岐又は直鎖アルキル基を指す。この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、2−エチルブチルなどの基によってさらに例示される。
【0024】
用語「アリール」は、少なくとも1つの芳香環を有する6〜12個の炭素原子の芳香族単環式又は多環式炭素環基を指す。そのような基の例は、特に限定されないが、フェニル、ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロナフタレン、インダニル、1H−インデニルなどを包含する。
【0025】
アルキル、低級アルキル、及びアリール基は、置換されていても、非置換であってもよい。置換されている場合、一般的に例えば1〜4個の置換基が存在するであろうし、ここで該置換基は特に断りのない限りさらには置換されないと理解される。これらの置換基は場合により、それらが結合するアルキル、低級アルキル、又はアリール基と共に環を形成することができる。
【0026】
用語「ヘテロアリール」は、N、O及びSから選択される、1、2、又は3個の環ヘテロ原子を含有し、残りの環原子がCである少なくとも1つの芳香環を有する、5〜12個の原子の芳香族単又は多環式基を指す。ヘテロアリール基の1又は2個の環炭素原子は、カルボニル基で置き換えることができる。
【0027】
前述のヘテロアリール基は、独立して1、2又は3個の置換基で置換されていてもよく、ここで該置換基は特に断りのない限りさらには置換されないと理解される。
【0028】
式(I)の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を有することができ、光学的に純粋な鏡像異性体、例えばラセミ体などの鏡像異性体の混合物、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体のラセミ体、又はジアステレオ異性体のラセミ体の混合物の形態で存在することができる。光学活性形態は、例えばラセミ体の分割によって、不斉合成又は不斉クロマトグラフィー(キラル吸着剤又は溶離剤を用いるクロマトグラフィー)によって得ることができる。本発明は、これら形態の全て、ならびに全ての位置異性体形態を包含する。
【0029】
該脂質部分が、カプリロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、16−ブロモヘキサデカノイル、2−ヘキシルデカノイル、又は、エイコサノイルである式(I)の神経ペプチド−2受容体アゴニストが好ましい。
【0030】
該スペーサー部分が、6−Ahx、Ala、Glu、Ala−Glu、Glu−Glu、15−ATOPA、12−ATODA、8−ADOSA、5−AOPSA、Ser−Ser、又はThr−Thrである式(I)の神経ペプチド−2受容体アゴニストがさらに好ましい。
【0031】
Zが存在しない式(I)の神経ペプチド−2受容体アゴニストも好ましい。
【0032】
Z’が存在しない式(I)の神経ペプチド−2受容体アゴニストはさらに好ましい。
【0033】
さらに、式(II):
【化2】


[式中、
Lは、脂質部分であり;
L’は、脂質部分であり;
Xは、(4−オキソ−6−ピペラジン−1−イル−4H−キナゾリン−3−イル)酢酸(Pqa)であり;
Yは、H、アシル部分、又はピロ−Gluであり;
Zは、6−Ahx、Ala、Glu、Ala−Glu、Glu−Glu、15−ATOPA、12−ATODA、8−ADOSA、5−AOPSA、Ser−Ser、Thr−Thrであるか、又は存在せず;
Z’は、6−Ahx、Ala、Glu、Ala−Glu、Glu−Glu、15−ATOPA、12−ATODA、8−ADOSA、5−AOPSA、Ser−Ser、Thr−Thrであるか、又は存在せず;
式中、部分L−Z−及びL’−Z’−は双方が存在することはない]を有する式(I)の神経ペプチド−2受容体アゴニストが好ましい。
【0034】
該脂質部分が、カプリロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、16−ブロモヘキサデカノイル、2−ヘキシルデカノイル、又は、エイコサノイルである式(II)の神経ペプチド−2受容体アゴニストがさらに好ましい。
【0035】
Z及びZ’のうちの一方がAla、Glu、Ala−Glu、Glu−Glu、Ser−Ser、又はThr−Thrである式(II)の神経ペプチド−2受容体アゴニストも好ましい。
【0036】
Zが存在しない式(II)の神経ペプチド−2受容体アゴニストも特に好ましい。
【0037】
Z’が存在しない式(II)の神経ペプチド−2受容体アゴニストがさらに特に好ましい。
【0038】
以下:
Ac−Ile−Lys(ブチリル)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
Ac−Ile−Lys(カプリロイル)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
Ac−Ile−Lys(ラウロイル)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(ラウロイル−6−Ahx)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(ラウロイル−β−Ala)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(ラウロイル−Glu)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(ミリストイル−6−Ahx)−Pro−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
Ac−Ile−Lys(パルミトイル)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
パルミトイル−Ile−Lys−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
パルミトイル−6−Ahx−Ile−Lys−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
パルミトイル−6−Ahx−Ile−Lys−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−6−Ahx)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−6−Ahx)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−β−Ala)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−Glu)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−β−Ala−Glu)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−Glu−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−γ−Glu)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH;及び、
H−Ile−Lys(パルミトイル−γ−Glu−γ−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
からなる群から選択される式(I)の神経ペプチド−2受容体アゴニストが好ましい。
【0039】
以下:
H−Ile−Lys(パルミトイル−β−Ala−γ−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(16−ブロモヘキサデカノイル−γ−Glu−γ−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
ピロ−Glu−Ile−Lys(パルミトイル−γ−Glu−γ−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(2−ヘキシルデカノイル−6−Ahx)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(エイコサノイル−6−Ahx)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(エイコサノイル−γ−Glu−γ−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−15−ATOPA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(エイコサノイル−15−ATOPA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−12−ATODA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(エイコサノイル−12−ATODA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−8−ADOSA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(エイコサノイル−8−ADOSA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−5−AOPSA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(エイコサノイル−5−AOPSA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−Ser−Ser)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(エイコサノイル−Ser−Ser)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−Thr−Thr)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH;及び
H−Ile−Lys(エイコサノイル−Thr−Thr)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
からなる群から選択される式(I)の神経ペプチド−2受容体アゴニストがさらに好ましい。
【0040】
代表的な本化合物は、アミノ酸の間のペプチド結合の形成のための任意の既知の従来手順によって容易に合成することができる。そのような従来手順は、例えば、アミノ酸又はそのカルボキシル基及び他の反応基が保護されたその残基の遊離αアミノ基と、別のアミノ酸又はそのアミノ基もしくは他の反応基が保護されたその残基の遊離第一カルボキシル基との間の縮合を可能にする任意の液相手順を包含する。
【0041】
本発明の新規の化合物を合成するためのそのような従来手順は、例えば任意の固相ペプチド合成方法を包含する。そのような方法において、新規の化合物の合成は、固相方法の一般的原理に従って順次、所望のアミノ酸残基を一つずつ成長ペプチド鎖に組み込むことによって実行することができる。そのような方法は、例えばMerrifield, R. B., J. Amer. Chem. Soc. 85, 2149-2154 (1963); Barany et al., The Peptides, Analysis, Synthesis and Biology, Vol. 2, Gross, E. and Meienhofer, J., Eds. Academic Press 1-284 (1980)に開示されている。
【0042】
ペプチドの化学合成に共通するのは、種々のアミノ酸部分の反応性側鎖基の適切な保護基による保護であり、それが、最終的に除去されるまでその部位で化学反応が起こることを防ぐであろう。通常、さらに共通するのは、その実体がカルボキシル基で反応している間、アミノ酸又は断片上のαアミノ基の保護、それに続く、その後の反応をその部位で生じさせるαアミノ保護基の選択的除去である。特異的な保護基が固相合成方法に関して開示されているが、各アミノ酸は液相合成でそれぞれのアミノ酸に従来使用される保護基によって保護することができることに留意すべきである。
【0043】
αアミノ基は、芳香族ウレタン型保護基、例えばアリルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル(Z)、及び置換ベンジルオキシカルボニル(例えばp−クロロベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、p−ビフェニル−イソプロピルオキシカルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)及びp−メトキシベンジルオキシカルボニル(Moz));脂肪族ウレタン型保護基、例えばt−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ジイソプロピルメチルオキシカルボニル、及びイソプロピルオキシカルボニル)から選択される適切な保護基によって保護されうる。本明細書において、Fmocがαアミノ保護に最も好ましい。
【0044】
グアニジノ基は、適切な保護基、例えばニトロ、p−トルエンスルホニル(Tos)、(Z)、ペンタメチルクロマンスルホニル(Pmc)、4−メトキシ−2,3,6,−トリメチルベンゼンスルホニル(Mtr)によって保護され得、(Pmc)、(Mtr)、及び(Pbf)が、アルギニン(Arg)に最も好ましい。
【0045】
εアミノ基は、2−クロロベンジルオキシカルボニル(2−Cl−Z)、2−ブロモベンジルオキシカルボニル(2−Br−Z)−、及びt−ブチルオキシカルボニル(Boc)などの適切な保護基によって保護されうる。Bocが、(Lys)に最も好ましい。
【0046】
ヒドロキシル基(OH)は、ベンジル(Bzl)、2,6−ジクロロベンジル(2,6−diCl−Bzl)、及び、tert.−ブチル(t−Bu)などの適切な保護基によって保護され得、(t−Bu)が、(Tyr)、(Ser)、及び(Thr)に最も好ましい。
【0047】
Asn及びGlnのβ及びγアミド基は、4−メチルトリチル(Mtt)、2,4,6−トリメトキシベンジル(Tmob)、4,4−ジメトキシジチル ビス−(4−メトキシフェニル)−メチル(Dod)、及びトリチル(Trt)などの適切な保護基によって保護されうる。Trtが、(Asn)及び(Gln)に最も好ましい。
【0048】
インドール基は、ホルミル(For)、メシチル−2−スルホニル(Mts)、及びt−ブチルオキシカルボニル(Boc)から選択される適切な保護基によって保護されうる。Bocが、(Trp)に最も好ましい。
【0049】
イミダゾール基は、ベンジル(Bzl)、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、及び、トリチル(Trt)から選択される適切な保護基によって保護されうる。Trtが、(His)に最も好ましい。
【0050】
アミノ酸Pqaの合成は、J. Hutchinson et. al (J .Med. Chem. 1996, 39, 4583-4591)に記載されている。Fmoc−Pqa誘導体は、NeoMPS, Inc. (San Diego CA)から購入した。
【0051】
全ての溶媒、イソプロパノール(iPrOH)、塩化メチレン(CHCl)、ジメチルホルムアミド(DMF)、及び、N−メチルピロリノン(NMP)は、Fisher又はBurdick & Jacksonから購入して、追加処理せずに使用した。トリフルオロ酢酸は、Halocarbon又はFlukaから購入し、さらに精製しないで使用した。
【0052】
ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)及びジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)は、Fluka又はAldrichから購入し、さらに精製しないで使用した。ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、ジメチルスルフィド(DMS)、及び1,2−エタンジチオール(EDT)は、Sigma Chemical Co.から購入し、さらに精製しないで使用した。保護アミノ酸は、一般的にL型であり、Bachem又はNeosystemから商業的に得た。これらの試薬の純度は、使用前に薄層クロマトグラフィー、NMR、及び融点によって確認した。ベンズヒドリルアミン樹脂(BHA)は、Bachem又はAdvanced Chemtechから得たスチレン−1%ジビニルベンゼン(100〜200又は200〜400のメッシュ)のコポリマーであった。これら樹脂の総窒素含有量は、ほぼ0.3〜1.2meq/gであった。
【0053】
好ましい実施態様において、ペプチドは、Merrifield, (J. Amer. Chem. Soc., 85, 2149 (1963)によって一般的に説明されている方法による固相合成を使用して調製されているが、当技術分野において既知の他の同等の化学合成を先に言及したように使用することができる。固相合成は、保護されたαアミノ酸を適切な樹脂にカップリングさせることによって、ペプチドのC末端から開始する。そのような出発物質は、αアミノ保護アミノ酸を、エステル結合によって、p−ベンジルオキシベンジルアルコール(Wang)樹脂に、又はp−((R,S)−α−(1−(9H−フルオレン−9−イル)−メトキシホルムアミド)−2,4−ジメチルオキシベンジル)−フェノキシ酢酸(リンクリンカー(Rink linker))などのFmocリンカーとの間のアミド結合によって、ベンズヒドリルアミン(BHA)樹脂に連結させることによって、調製することができる。ヒドロキシメチル樹脂の調製は、当技術分野において周知である。Fmoc−リンカー−BHA樹脂支持体は市販されており、合成される所望のペプチドがC末端で非置換アミドを有する場合に一般的に使用される。
【0054】
典型的には、アミノ酸又は模倣体は、2〜5当量のアミノ酸及び適切なカップリング試薬を用いたアミノ酸又は模倣体のFmoc保護形態を使用して、Fmoc−リンカー−BHA樹脂上にカップリングされる。カップリング後、樹脂を洗浄し、減圧下で乾燥させることができる。アミノ酸の樹脂上への装填は、Fmocアミノ酸樹脂のアリコートのアミノ酸分析によって、又はFmoc基のUV分析による測定によって、決定することができる。任意の未反応アミノ基は、樹脂を塩化メチレン中の無水酢酸及びジイソプロピルエチルアミンと反応させることによって覆うことができる。
【0055】
αアミノFmoc保護基は、塩基性条件下で除去する。DMF中のピペリジン、ピペラジン又はモルホリン(20〜40% v/v)をこの目的のために使用することもできる。好ましくは、DMF中の40%ピペリジンを利用する。
【0056】
αアミノ保護基の除去に続いて、次の保護アミノ酸を、所望の順番で段階的にカップリングさせて、保護されたペプチド樹脂である中間体を得る。ペプチドの固相合成においてアミノ酸のカップリングのために使用される活性化試薬は、当技術分野において周知である。例えば、そのような合成に適当な試薬は、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリ−(ジメチルアミノ)ホスホニウムへキサフルオロホスファート(BOP)、ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムへキサフルオロホスファート(PyBroP)、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムへキサフルオロホスファート(HBTU)、及びジイソプロピルカルボジイミド(DIC)である。ここではHBTU及びDICが好ましい。他の活性化剤は、Barany and Merrifield (in The Peptides, Vol. 2, J. Meienhofer, ed., Academic Press, 1979, pp 1-284)で説明されており、これを利用することもできる。1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、N−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、及び3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン(HODhBT)などの種々の試薬を、合成サイクルを最適化するために、カップリング混合物に加えることもできる。ここではHOBtが好ましい。
【0057】
N末端アセチル誘導体の調製のために、5%DIEAを含むDMF中の20%無水酢酸で樹脂結合ペプチドを処理することによって、アセチル化を実施した。他のN末端アシル化のために、インサイチュで30分間の間、DIC/HOBtで活性化された対応するカルボン酸を使用してアシル化を実施した。
【0058】
典型的な合成サイクルのためのプロトコルは以下のとおりである:
プロトコル1
工程 試薬 時間
1 DMF 2×30秒
2 20%ピペリジン/DMF 1分
3 20%ピペリジン/DMF 15分
4 DMF 2×30秒
5 iPrOH 2×30秒
6 DMF 3×30秒
7 カップリング 60分〜18時間
8 DMF 2×30秒
9 iPrOH 1×30秒
10 DMF 1×30秒
11 CHCl 2×30秒。
【0059】
全ての洗浄及びカップリングのための溶媒を、10〜20mL/g樹脂の量に計量した。合成全体にわたってカップリング反応をカイザーニンヒドリン試験によって監視して、完了の程度を測定した(Kaiser et al. Anal.Biochem.34, 595-598 (1970))。緩徐な反応速度を、Fmoc−Arg(Pmc)について、及び立体障害型酸による第二級アミンへのカップリングについて観察した。いかなる不完全なカップリング反応物も、新たに調製した活性化アミノ酸で再カップリングするか、又は前述したようにペプチド樹脂を無水酢酸で処理することにより覆った。完全に構築されたペプチド樹脂を数時間減圧下で乾燥させた。
【0060】
大抵の化合物では、保護基を除去して、ペプチドを樹脂から切断した。例えば、ペプチド樹脂を室温で180分間、樹脂1g当たり、エタンジチオール100μL、ジメチルスルフィド100μl、アニソール300μL、及びトリフルオロ酢酸9.5mLで処理した。代替的には、ペプチド樹脂を室温で180分間、樹脂1g当たり、トリイソプロピルシラン1.0mL、及びトリフルオロ酢酸9.5mLで処理した。樹脂を濾別し、濾液を冷やしたエチルエーテルに沈殿させた。沈殿物を遠心分離して、エーテル層をデカントした。残留物を2又は3容量のEtOで洗浄し、再度遠心分離した。粗生成物を減圧下で乾燥させた。
【0061】
粗ペプチドの精製を好ましくは、逆相C−18カラム(50×250mm。300Å、10〜15μm)での高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるShimadzu LC-8Aシステムで行った。ペプチドを0.1AcOH/HO又はCHCH/HOのいずれかの最小容量中のカラムに注入した。勾配溶離を全般的に20%B緩衝液で開始し、流速50ml/分で20%〜80%Bを70分間かけて(緩衝液A:0.1%TFA/HO、緩衝液B:0.1%TFA/CHCN)進めた。UV検出を220/280nmで行った。生成物を含有する画分を分離して、それらの純度を、10分間かけて勾配(20〜80%)、流速2ml/分で、逆相Ace C18カラム(4.6×50mol)を使用し、Shimadzu LC-10AT分析システムで判断した(緩衝液A:0.1%TFA/HO、緩衝液B:0.1%TFA/CHCN)。高純度と判断された画分をプールして凍結乾燥した。
【0062】
最終生成物の純度を上記したような逆相カラムでの分析HPLCによって調べた。全ての生成物の純度をほぼ95〜99%であると判断した。全ての最終生成物をまた、高速原子衝撃質量分析(FAB−MS)又はエレクトロスプレー質量分析(ES−MS)に付した。全ての生成物は、許容可能限界内の予期した親M+Hイオンを生じた。
【0063】
本発明の化合物は、薬学的に許容しうる塩の形態で提供することができる。好ましい塩の例は、薬学的に許容しうる有機酸、例えば酢酸、乳酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、又はパモ酸、及びタンニン酸又はカルボキシメチルセルロースなどのポリマー酸により形成される塩、ならびにハロゲン化水素酸(例えば塩酸)、硫酸、又はリン酸などの無機酸による塩である。当業者に既知の薬学的に許容しうる塩を得るための任意の手順を使用することができる。
【0064】
本発明はまた、治療活性物質として使用するための前述の神経ペプチド−2受容体アゴニストに関する。
【0065】
前述の神経ペプチド−2受容体アゴニスト、及び治療上不活性な担体を含む医薬組成物もまた、本発明の目的である。
【0066】
さらに、本発明は、肥満、2型糖尿病、代謝症候群、インスリン抵抗性もしくは脂質異常症の治療又は予防のための医薬を調製するための、前述の神経ペプチド−2受容体アゴニストの使用に関する。
【0067】
本発明はさらに、肥満、2型糖尿病、代謝症候群、インスリン抵抗性もしくは脂質異常症の治療又は予防のための方法に関し、この方法は、有効量の前述の神経ペプチド−2受容体アゴニストを投与することを含む。
【0068】
本発明の方法の実施において、有効量の本発明のペプチドのいずれか1つ、又は本発明のペプチドの任意のものの組み合わせ、あるいはその薬学的に許容しうる塩は、当技術分野において既知の通常の許容しうる方法の任意のものの単独又は組み合わせのいずれかによって投与する。投与は、例えば1日1度、3日に1度、又は1週間に1度とすることができる。したがって、化合物又は組成物は、経口的(例えば頬側口腔)、舌下、非経口的(例えば筋肉内、静脈内、又は皮下)、直腸的(例えば坐剤又は洗浄により)、経皮的(例えば皮膚エレクトロポレーション)、あるいは吸引によって(例えばエアロゾルによって)、そして錠剤及び懸濁液を含む、固体、液体もしくはガス状剤形の形態で投与することができる。投与は、連続的治療による単一単位剤形又は単一投与療法で適宜行うことができる。治療組成物はまた、パモン酸などの親油性塩と併せて油乳剤又は分散液の形態、あるいは、皮下又は筋肉内投与のために生物分解性の徐放組成物の形態とすることができる。
【0069】
したがって、本発明の方法は、症状の軽減が特に必要とされるか、又はおそらく切迫している場合に実施される。代替的には、本発明の方法は、連続的又は予防的処置として有効に実施される。
【0070】
この組成物の調製のために有用な医薬担体は、固体、液体又は気体であることができ;したがって組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、坐剤、粉末剤、腸溶コーティング又は他の保護された製剤(例えばイオン交換樹脂上での結合、又は脂質−タンパク質小胞内でのパッケージング)、徐放性製剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、エアロゾルなどの形態をとることができる。担体は、石油、動物、植物、又は合成起源の油、例えば落花生油、大豆油、鉱油、胡麻油などの油を含む種々の油から選択することができる。水、食塩水、水性デキストロース及びグリコールが、特に(血液と等張性の場合)注射液剤のために、好ましい液体担体である。例えば、静脈内投与のための製剤は、固体活性成分を水中に溶解して水溶液を生成し、そして溶液を無菌にすることによって調製される、活性成分の無菌水溶液を含む。適切な薬学的賦形剤は、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、乳糖、タルク、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、白亜、シリカ、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなどを包含する。組成物は、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤又は乳化剤、浸透圧を調整するための塩、緩衝液などの従来の医薬添加剤に供することもできる。適切な医薬担体、及びそれらの製剤は、E. W. MartinによるRemington's Pharmaceutical Sciencesに記載されている。そのような組成物は、いずれにしても、レシピエントへの適切な投与のための適切な剤形を調製するために、適切な担体とともに有効量の活性化合物を含有するであろう。
【0071】
本発明の化合物の投与量は、例えば投与方法、対象の年齢及び体重、ならびに処置される対象の状態などの多くの因子に依存し、最終的に担当の医師又は獣医師によって決定されるであろう。担当の医師又は獣医師によって決定される活性化合物のそのような量は、本明細書及び特許請求の範囲において「有効量」と呼ばれる。例えば、鼻腔内投与のための投与量は典型的には、約0.001〜約0.1mg/kg体重の範囲内である。ヒトにおいて、ペプチド含有量に基づく好ましい皮下投与量は、約0.001mg〜約100mgであり;好ましくは約0.1mg〜約15mgである。
【0072】
ここで本発明は以下の実施例においてさらに説明されており、それらの実施例は例示としてのみ意図され、本発明の範囲を限定するものではない。
【0073】
実施例
実施例1
Fmoc−リンカー−BHA樹脂の調製
ベンズヒドリルアミンコポリスチレン−1%ジビニルベンゼン架橋樹脂(10.0g、9.3ミリ当量、100〜200ASTMメッシュ、Advanced ChemTech)をCHCl 100mL中で膨張させ、濾過し、CHCl、6%DIPEA/CHCl(2回)、CHCl(2回)それぞれ100mLで順次洗浄した。樹脂を室温で24時間、25%DMF/CHCl 100mL中のp−((R,S)−α−(1−(9H−フルオレン−9−イル)−メトキシホルムアミド)−2,4−ジメトキシベンジル)−フェノキシ酢酸(Fmocリンカー)(7.01g、13.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.16g、16.0mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(2.04mL、13.0mmol)で処理した。樹脂を濾過し、CHCl(2回)、イソプロパノール(2回)、DMF、及びCHCl(3回)それぞれ100mLで順次洗浄した。カイザーニンヒドリン分析は陰性であった。樹脂を減圧下で乾燥させて、Fmoc−リンカー−BHA樹脂16.12gを得た。この樹脂の一部分(3.5mg)をFmoc脱保護及び定量的UV分析に付し、それは0.56mmol/gの装填を示した。
【0074】
実施例2
フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)化学を使用したApplied Biosystem 433Aシンセサイザーによるペプチド合成のためのプロトコル
Applied Biosystem 433Aシンセサイザー(Foster City, CA)による0.25mmolスケールのペプチド合成のため、FastMoc 0.25mmolサイクルを、樹脂サンプリング又は非樹脂サンプリングのいずれかの41mL反応器で使用した。Fmoc−アミノ酸樹脂を、NMP 2.1g、DMF中0.45M HOBT/HBTU 2g、及び2M DIEAで懸濁し、次に反応器へ移した。塩基性FastMocカップリングサイクルを「BADEIFD」によって表した(ここで各文字は(Applied Biosystemsによって定義されるように)モジュールを表す)。例えば:Bは、20%ピペリジン/NMP及び関連した洗浄を使用するFmoc脱保護、ならびに30分間の読み取り(UV監視又は伝導率のいずれか)のためのモジュールを表し;Aは、0.45M HBTU/HOBt及び2.0M DIEAを含むカートリッジ内のアミノ酸の活性化、ならびにNバブリングによる混合のためのモジュールを表し;Dは、反応器内における樹脂のNMP洗浄のためのモジュールを表し;Eは、カップリングのため活性アミノ酸を反応器へ移すためのモジュールを表し;Iは、反応器のボルテックスをオンオフした状態の10分間の待機時間のためのモジュールを表し;そして、Fは、カートリッジを清掃し、ほぼ10分間カップリングさせて、反応器を排水するためのモジュールを表す。カップリングを、典型的には、1回又は複数回モジュール「I」を追加することによって延長した。例えば、二重カップリングは、手順「BADEIIADEIFD」を実施することによって行った。他のモジュールは、例えば塩化メチレン洗浄のためのc、無水酢酸によるキャッピングのための「C」などが利用可能であった。個々のモジュールはまた、例えば移される溶媒又は試薬の量を変えるために、移動時間などの種々の機能のタイミングを変化することによって修正可能であった。上記サイクルを典型的には、1つのアミノ酸をカップリングするために使用した。しかしながら、テトラペプチドを合成するために、サイクルを繰り返し共につなぎ合わせた。例えば、BADEIIADEIFDを使用して第1アミノ酸をカップリングさせ、続いてBADEIIADEIFDによって第2アミノ酸をカップリングさせ、続いてBADEIIADEIFDによって第3アミノ酸をカップリングさせ、続いてBADEIIADEIFDによって第4アミノ酸をカップリングさせ、続いてBIDDccによって最終的な脱保護及び洗浄を行った。
【0075】
実施例3
H−Ile−Lys−Pro−Glu−Ala−Pro−Gly−Glu−Asp−Ala−Ser−Pro−Glu−Glu−Leu−Asn−Arg−Tyr−Tyr−Ala−Ser−Leu−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Leu−Val−The−Arg−Gln−Arg−Tyr−NH(PYY3−36)の調製
【0076】
【化3】

【0077】
上記ペプチドをApplied Biosystem 433AシンセサイザーでFmoc化学を使用して合成した。シンセサイザーを、実施例2で説明したモジュールを使用して二重カップリング用にプログラムした。合成を、実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を使用して0.25mmolスケールで実施した。合成の最後に、樹脂を切断のために振盪機上の反応器に移した。ペプチドを室温で180分間、97%TFA/3%HO 13.5mL、及びトリイソプロピルシラン1.5mLを使用して樹脂から切断した。脱保護溶液を冷EtO 100mLに加えて、TFA 1mL及び冷EtO 30mLで洗浄して、ペプチドを沈殿させた。ペプチドを2×50mLポリプロピレン管で遠心分離した。個々の管からの沈殿物を単一管内で合わせて、冷EtOで3回洗浄し、ハウスバキューム(house vacuum)の下、デシケーター内で乾燥させた。
【0078】
粗材料をPursuit C18−カラム(250×50mm、粒径10μm)で分取HPLCによって精製し、90分間、流速60mL/分、及び検出220/280nmで、2〜70%B(緩衝液A:0.1%TFA/HO;緩衝液B:0.1%TFA/CHCN)の直線勾配で溶離した。画分を回収して、分析的HPLCによって調べた。純粋生成物を含有する画分を合わせて凍結乾燥し、白色非晶質粉末151mg(15%)を得た。C1802795354の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が4049.55であり、実測値が4050.20であった。
【0079】
実施例4
Ac−Ile−Lys−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0080】
【化4】

【0081】
実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を固相合成に付し、粗ペプチドを、実施例3における手順に従って精製して、白色非晶質粉末68mg(12%)を得た。C1061563422の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2257.21であり、実測値が2257.19であった。
【0082】
実施例5
Ac−Ile−Lys(ブチリル)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0083】
【化5】

【0084】
Ac−Ile−Lys−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−Arg−Tyr−NH、200mgをDMF 5.0mLに溶解し、NMM 35uL、及び無水酪酸 250uLを加えた。溶液を〜16時間(一晩)撹拌した。MeOH中の7N NH 3.0mLを加えて、1/2時間撹拌を継続した。次いで生成物をEtO 5.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例3における手順に従って精製し、白色非晶質粉末18mg(9%)を得た。C1101623423の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2327.26であり、実測値が2327.26であった。
【0085】
実施例6
Ac−Ile−Lys(カプリロイル)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0086】
【化6】

【0087】
Ac−Ile−Lys−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−Arg−Tyr−NH、200mgをDMF 5.0mLに溶解し、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.15mmol)、DIEA(500uL、3.0mmol)、及びカプリロイルクロリド(2.8mL、2.75mmol)をCHCl 15mL中で5分間反応させてペプチド樹脂に加えた。溶液を16時間(一晩)撹拌した。MeOH中の7N NH 3.0mLを加えて1/2時間撹拌を継続した。次に、生成物をEtO 5.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例3における手順に従って精製し、白色非晶質粉末10mg(5%)を得た。C1141703423の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2383.32であり、実測値が2383.32であった。
【0088】
実施例7
Ac−Ile−Lys(ラウロイル)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0089】
【化7】

【0090】
Ac−Ile−Lys−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−Arg−Tyr−NH、200mgをDMF 5.0mLに溶解し、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びラウロイルクロリド(2.8mL、2.75m)をCHCL 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。溶液を16時間(一晩)撹拌した。MeOH中の7N NH 3.0mLを加えて1/2時間撹拌を継続した。次に、生成物をEtO 5.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗材料をPursuit C18−カラム(50×250mm、粒径10μm)で分取HPLCによって精製し、90分間、流速60mL/分、及び検出220/280nmで、20〜90%B(緩衝液A:0.1%TFA/HO;緩衝液B:0.1%TFA/CHCN)の直線勾配で溶離した。画分を回収して、分析的HPLCによって調べた。純粋生成物を含有する画分を合わせて凍結乾燥し、白色非晶質粉末57mg(26%)を得た。C1181783423の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2439.38で、実測値が2439.40であった。
【0091】
実施例8
Boc−Ile−Lys(TFA塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂の調製
ベンズヒドリルアミンコポリスチレン−1%ジビニルベンゼン架橋樹脂(50.0g、55.0ミリ当量、100〜200ASTMメッシュ、Advanced ChemTechカタログ番号SB5003)をCHCl 400mL中で膨張させ、濾過し、CHCl、6%DIPEA/CHCl(2回)、CHCl(2回)それぞれ100mLで順次洗浄した。樹脂を室温で24時間、DMF 400mL中のp−[(R,S)−α−[1−(9H−フルオレン−9−イル)−メトキシホルムアミド]−2,4−ジメトキシベンジル]−フェノキシ酢酸(Fmocリンカー)(37.1g、69.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.356g、69.0mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(55.0mL、300mmol)で処理した。
【0092】
樹脂を濾過し、CHCl(2回)、イソプロパノール(2回)、DMF、及びCHCl(3回)それぞれ400mLで順次洗浄した。カイザーニンヒドリン分析は陰性であった。DMF 400mL中のFmoc−Tyr(But)−OH(41.40g、90mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(12.2g、90.0mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(55.0mL、300mmol)を加えて室温で24時間反応させた。反応は完了しなかったので、DIEA 25.0mLを加えて、反応をさらに1時間半進行させた。カップリングは依然として完了せず、したがって3/4時間、DMF中25%AcO、5%DIEAによるアセチル化を実施して、陰性ニンヒドリンを得た(完全反応)。洗浄及びFmoc除去後、DMF 400mL中のFmoc−NMeArg(Mtr)−OH(43.0g、69.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.356g、69.0mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(110.0mL、630mmol)を加えて、24時間反応させ、それによって反応が完了した。洗浄及びFmoc除去後、DMF 400mL中のFmoc−Gln(Trt)−OH(55.0g、90.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(12.2g、90.0mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(55.0mL、300mmol)を加えて、反応を24時間進行させた。反応が完了したとクロリナール試験(chlorinal test)によって決定された。
【0093】
樹脂を洗浄し、乾燥させ、異なる類似体のために25.0g(18.4%)を保存した。残りの樹脂110.0g(44.6mmol)を先に進めて、DMF 400mL中の1.55当量のFmoc−Arg(Pbf)−OH(45.0g、73.5mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.95g、73.5mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(55.0mL、330mmol)を加えて、反応を室温で24時間進行させ、その時点で反応が完了したとニンヒドリン試験により判断した。洗浄及びFmoc除去後、DMF 400mL中のFmoc−Thr(But)−OH(27.40g、73.5mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.95g、73.5mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(55mL、300mmol)を加えて、反応を室温で24時間進行させ、その時点で反応が完了したとニンヒドリン試験によって決定した。洗浄及びFmoc除去後、DMF 400中のFmoc−Val−OH(23.6g、73.5mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.95g、73.5mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(55.0mL、300mmol)を加えて、室温で6時間反応させて、その時点で反応が完了した。
【0094】
洗浄及びFmocの除去後、DMF 400mL中のFmoc−Trp−OH(29.50g、73.5mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.95g、73.5mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(55.0mL、300mmol)を加えた。反応は6時間後に完了した。洗浄及びFmoc除去後、DMF 400mL中のFmoc−Asn(Trt)−OH(41.4g、73.5mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.95g、73.5mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(55mL、300mmol)を加えて室温で18時間反応させ、その時点で反応は完了した。
【0095】
洗浄及びFmoc除去後、DMF 400mL中のFmoc−Leu−OH(33.4g、73.5mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.95g、73.5mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(55.0mL、300mmol)を加えて、6時間反応させた。洗浄及びFmocの除去後、DMF 400mL中のFmoc−Tyr(But)−OH(41.40g、73.5mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.95g、73.5mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(55.0mL、300mmol)を加えた。反応は18時間後に完了した。洗浄及びFmoc除去後、DMF 400mL中のFmoc−His(Trt)−OH(55.5g、73.5mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.95g、73.5mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(55.0mL、300mmol)を加えた。反応は20時間後に完了した。洗浄及びFmoc除去後、DMF 400mL中のFmoc−Arg(Pbf)−OH(58.4g、73.5mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.95g、73.5mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(55.0mL、300mmol)を加えた。反応は20時間後に完了した。
【0096】
洗浄及びFmocの除去後、DMF 400mL中のFmoc−Pqa−OH(21.4g、73.5mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.7g、42.05mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(55.0mL、300mmol)を加えた。反応は16時間後に完了した。洗浄及びFmoc除去後、DMF 400mL中のFmoc−Lys(Alloc)−OH(18.5g、73.5mmol)及びN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.95g、73.5mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(55.0mL、300mmol)を加えた。反応は20時間後に完了したとクロリナール試験によって決定した。洗浄及び乾燥後、Nアセチル化類似体のためにFmoc−Ileとカップリングするために一部分を保存した。残りのペプチド樹脂を室温で20時間、DMF 400mL中のBoc−Ile−OH(25.0g、73.5mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9.95g、73.5mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(55.0mL、300mmol)で処理した。反応は完了した。
【0097】
Lysのεアミノ基からのAloc基の除去:PdCl(トリフェニルホスフィン) 1.2g、モルホリン5.0mL、及び酢酸10.0mLの混合物を通してアルゴンを泡立て、次にBuSnH 25.0mLを加えた。Arによるバブリングを、黄色の溶液が赤褐色になるまで継続した。次に反応混合物を1/2時間振盪し、DMFで3回洗浄した。上記手順を2度繰り返し(今回、混合物は色が暗褐色からほぼ黒色になった)、振盪を1/2〜3/4時間継続した。樹脂をDMFで2回、5%DIEA/DMFで2回、及びDMF/CHClで3回洗浄した。リジンの遊離εアミンを、CHClに加えたTFA 2.35mLで洗浄することによってTFA塩に変換した。次に樹脂をCHClで2回、MeOHで4回洗浄し、減圧下で恒量まで乾燥させた。
【0098】
実施例9
H−Ile−Lys(ラウロイル−6−Ahx)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0099】
【化8】

【0100】
Boc−Ile−Lys(TFA塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂1.0gをDMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−6−アミノヘキサン酸(355.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)及びラウロイルクロリド(2.8mL、2.75m)を、5分間CHCl 15mL中で反応させて、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌し、DMFで2回、CHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール800uLによって6時間、切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄し、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製して、白色の非晶質粉末30mg(7%)を得た。C1221873523の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2510.45であり、実測値が2510.44であった。
【0101】
実施例10
H−Ile−Lys(ラウロイル−β−Ala)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0102】
【化9】

【0103】
Boc−Ile−Lys(εTFA塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂1.0gをDMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−βAla(325.0mg;1.0mmmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)で一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びラウロイルクロリド(2.8mL、2.75mmol)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌し、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させて、遠心分離し、洗浄し、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製して、白色の非晶質粉末20mg(4%)を得た。C1191813523の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2468.41であり、実測値が2468.6であった。
【0104】
実施例11
H−Ile−Lys(ラウロイル−Glu)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0105】
【化10】

【0106】
Boc−Ile−Lys(ε−TFA塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂1.0gをDMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−Glu(Bu)(325.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)とのカップリングを一晩実施した。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0mmol)、及びラウロイルクロリド(2.8mL、2.75mmol)をCHCl 15mL中で5分間反応させて、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌し、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後、TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール800uLで6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄し、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末30mg(7%)を得た。C1211833525の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2526.41であり、実測値が2526.40であった。
【0107】
実施例12
H−Ile−Lys(ミリストイル−6Ahx)−Pro−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0108】
【化11】

【0109】
Boc−Ile−Lys(εTFA塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂1.0gを、DMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−6−アミノヘキサン酸(355mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、ミリスチン酸(230mg、1mmol);N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)をカップリングさせて一晩撹拌した。DMFで2回、及びCHClで3回洗浄後、TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール800uLで6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄し、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末66mg(13%)を得た。C1241913523の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2538.49であり、実測値が2538.47であった。
【0110】
実施例13
Ac−Ile−Lys(パルミトイル)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0111】
【化12】

【0112】
Ac−Ile−Lys−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−Arg−Tyr−NH、200mgをDMF 5.0mLに溶解し、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.15mmol)、DIEA(500uL、3.0mmol)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.8mmol)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。溶液を〜16時間(一晩)撹拌した。MeOH中の7N NH 3.0mLを加えて、1/2時間撹拌を継続した。次に生成物をEtO 5.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄し、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末42mg(19%)を得た。C1221863423の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2495.44であり、実測値が2495.43であった。
【0113】
実施例14
H−Ile−Lys(パルミトイル)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0114】
【化13】

【0115】
Boc−Ile−Lys(TFAε塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂1.0gをDMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−6−アミノヘキサン酸(355.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0mmol)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.8mmol)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌して、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末46mg(10%)を得た。C1201843422の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2453.43であり、実測値が2453.41であった。
【0116】
実施例15
パルミトイル−Ile−Lys−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0117】
【化14】

【0118】
実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を、固相合成に付した。合成は、N末端が脱保護された15量体(15-mer)までは、実施例4で説明した一般的手順に従って実施し、そして1/2時間CHCl中のパルミトイルクロリド(288uL、1.0mmol)及びDIEA(200uL、1.15mmol)により手動でアシル化した。樹脂を切断し生成物を実施例7における手順に従うことによって精製し、白色の非晶質粉末55mg(9%)を得た。C1201843422の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2453.43であり、実測値が2453.41であった。
【0119】
実施例16
パルミトイル−6−Ahx−Ile−Lys−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0120】
【化15】

【0121】
実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を、固相合成に付した。合成は、脱保護された15量体までは、実施例4で一般的に説明したように実施し、そしてFmoc−6−アミノヘキサン酸(355.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と手動でカップリングさせ、反応を一晩進行させた。Fmoc除去後、樹脂結合ペプチドを1/2時間CHCl中のパルミトイルクロリド(288uL 1.0mmol)、DIEA(200uL、1.15mmol)によってアシル化した。樹脂を切断し、粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末45mg(7%)を得た。C1261953523の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2566.52であり、実測値が2566.51であった。
【0122】
実施例17
パルミトイル−6−Ahx−Ile−Lys−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−Arg−Tyr−NHの調製
【0123】
【化16】

【0124】
実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を、固相合成に付した。合成は、脱保護された15量体までは、実施例4において説明した一般的手段に従って実施し、そしてFmoc−6−アミノヘキサン酸(355.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩手動でカップリングした。Fmoc除去後、樹脂結合ペプチドを1/2時間CHCl中のパルミトイルクロリド(288uL、1.0mmol)及びDIEA(200uL、1.15mol)によってアシル化した。樹脂を切断し、粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末77mg(12%)を得た。C1251933523の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2552.50であり、実測値が2552.49であった。
【0125】
実施例18
H−Ile−Lys(パルミトイル−6−Ahx)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0126】
【化17】

【0127】
Boc−Ile−Lys(εTFA塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂1.0gをDMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−6−アミノヘキサン酸(355.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)で一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.75m)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌して、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末14mg(3%)を得た。C1261953523の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2566.51であり、実測値が2566.50であった。
【0128】
実施例19
H−Ile−Lys(パルミトイル−6Ahx)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−Arg−Tyr−NHの調製
【0129】
【化18】

【0130】
Boc−Ile−Lys(alloc)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−Arg−Tyr(tBu)−Knorr樹脂(実施例14のように調製した)をDMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−6−アミノヘキサン酸(355.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.75m)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌して、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末52mg(15%)を得た。C1251933523の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2552.50であり、実測値が2552.49であった。
【0131】
実施例20
H−Ile−Lys(パルミトイル−β−Ala)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0132】
【化19】

【0133】
Boc−Ile−Lys(εTFA塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂1.0gをDMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−β−Ala(312.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.75m)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌して、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末20mg(4.4%)を得た。C1231893523の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2524.476であり、実測値が2524.47であった。
【0134】
実施例21
H−Ile−Lys(パルミトイル−Glu)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0135】
【化20】

【0136】
Boc−Ile−Lys(εTFA塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂1.0gをDMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−Glu(Bu)(312.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.75m)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌して、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末14mg(3%)を得た。C1251913525の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2582.48であり、実測値が2582.48であった。
【0137】
実施例22
H−Ile−Lys(パルミトイル−β−Ala−Glu)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0138】
【化21】

【0139】
Boc−Ile−Lys(εTFA塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂1.0gをDMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−β−Ala(312.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、Fmoc−Glu(Bu)(312.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)を加え、反応を一晩進行させた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.75m)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌して、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末29mg(6%)を得た。C1281963626の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2653.51であり、実測値が2653.50であった。
【0140】
実施例23
H−Ile−Lys(パルミトイル−Glu−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0141】
【化22】

【0142】
Boc−Ile−Lys(εTFA塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂1.0gをDMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−Glu(Bu)(426.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、Fmoc−Glu(Bu)(426.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングを実施した。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.75m)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌して、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末25mg(5%)を得た。C1301983628の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2711.52であり、実測値が2711.51であった。
【0143】
実施例24
H−Ile−Lys(パルミトイル−γ−Glu)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0144】
【化23】

【0145】
Boc−Ile−Lys(εTFA塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂1.0gをDMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−γ−Glu−α OBu(426.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.75m)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌して、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末28mg(6%)を得た。C1251913525の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2582.48であり、実測値が2582.47であった。
【0146】
実施例25
H−Ile−Lys(パルミトイル−γ−Glu−γ−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0147】
【化24】

【0148】
Boc−Ile−Lys(εTFA塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂1.0gをDMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−Glu−α−OBu(426.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、Fmoc−Glu−αOBu(426.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)を加えて、反応を一晩進行させた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.75m)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌して、DMFで2回、及びCHClで複数回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末40mg(8%)を得た。C1301983628の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2711.52であり、実測値が2711.50であった。
【0149】
実施例26
H−Ile−Lys(パルミトイル−β−Ala−γ−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0150】
【化25】

【0151】
Boc−Ile−Lys(εTFA塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂1.0gをDMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−Glu−αOBu(426.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、Fmoc−β−Ala(312.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)を加えて、反応を一晩進行させた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.75m)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌して、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末34mg(7%)を得た。C1281963626の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2653.51であり、実測値が2653.50であった。
【0152】
実施例27
H−Ile−Lys(16−ブロモヘキサデカノイル−γ−Glu−γ−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0153】
【化26】

【0154】
Boc−Ile−Lys(εTFA塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂1.0gをDMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−Glu−αOBut(426.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、Fmoc−Glu−αOBut(426.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)を加えて、反応を一晩進行させた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.15mmol)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)、及び16−ブロモヘキサデカン酸(336mg、1.0mmol)を一晩カップリングさせた。DMFで2回、及びCHClで3回洗浄した後、TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末61mg(11%)を得た。C130197BrN3628の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2789.43であり、実測値が2789.41であった。
【0155】
実施例28
ピロ−Glu−Ile−Lys(パルミトイル−γ−Glu−γ−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0156】
【化27】

【0157】
実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を、適切な側鎖修飾のために適所でアミン末端Boc−Ile及びLys(alloc)と固相合成に付した。実施例8で説明したようなパラジウム触媒脱保護及び中和の後、Fmoc−Glu−αOBut(426.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)を一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、Fmoc−Glu−αOBut(426.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)を一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.75m)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌して、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末58mg(8.3%)を得た。C1352033730の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2822.55であり、実測値が2822.55であった。
【0158】
実施例29
H−Ile−Lys(2−ヘキサデカノイル−6Ahx)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0159】
【化28】

【0160】
Boc−Ile−Lys(εTFA塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂1.0gをDMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−6−アミノヘキサン酸(355.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.15mmol)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)、及び2−ヘキシルデカン酸(286mg、1.0mmol)を一晩カップリングさせた。DMFで2回、及びCHClで3回洗浄した後、TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末94mg(18%)を得た。C1261953523の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2566.52であり、実測値が2566.51であった。
【0161】
実施例30
H−Ile−Lys(エイコサノイル−6Ahx)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0162】
【化29】

【0163】
Boc−Ile−Lys(εTFA塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂1.0gをDMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−6−アミノヘキサン酸(355.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、エイコサン酸(315mg、1mmol);N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)をカップリングさせ一晩撹拌した。DMFで2回、及びCHClで3回洗浄した後、TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末75mg(14%)を得た。C1302033523の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2622.58であり、実測値が2622.57であった。
【0164】
実施例31
H−Ile−Lys(エイコサノイル−γ−Glu−γ−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0165】
【化30】

【0166】
Boc−Ile−Lys(εTFA塩)−Pqa−Arg(Pbf)−His(Trt)−Tyr(tBu)−Leu−Asn(Trt)−Trp−Val−Thr(tBu)−Arg(Pbf)−Gln(Trt)−NMe−Arg(Mtr)−Tyr(tBu)−Knorr樹脂1.0gをDMF中の5%DIEAで洗浄し、Fmoc−Glu−αOBut(426.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、Fmoc−Glu−αOBu(426.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)を加え、反応を一晩進行させた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、エイコサン酸(315mg、1mol);N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)を、樹脂結合ペプチドに加え、混合物を一晩撹拌した。DMFで2回、及びCHClで3回洗浄した後、TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末66mg(12%)を得た。C1342063628の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2767.58であり、実測値が2767.58であった。
【0167】
実施例32
H−Ile−Lys(パルミトイル−15−ATOPA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0168】
【化31】

【0169】
実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を、適切な側鎖修飾のために適所でアミン末端Boc−Ile及びLys(alloc)と固相合成に付した。実施例8で説明したようなパラジウム触媒脱保護及び中和の後、Fmoc−15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン酸(488mg;1.0mm;)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)とのカップリングを一晩実施した。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.75m)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌して、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末95mg(14%)を得た。C1312053527の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2700.57であり、実測値が2700.56であった。
【0170】
実施例33
H−Ile−Lys(エイコサノイル−15−ATOPA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0171】
【化32】

【0172】
実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を、適切な側鎖修飾のために適所でアミン末端Boc−Ile及びLys(alloc)と固相合成に付した。実施例8で説明したようなパラジウム触媒脱保護及び中和の後、Fmoc−15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン酸(488mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)とのカップリングを一晩実施した。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、エイコサン酸(315mg、1mmol);N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)をカップリングさせ一晩撹拌した。DMFで2回、及びCHClで3回洗浄した後、TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末140mg(20%)を得た。C1352133527の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2756.64であり、実測値が2756.62であった。
【0173】
実施例34
H−Ile−Lys(パルミトイル−12−ATODA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0174】
【化33】

【0175】
実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を、適切な側鎖修飾のために適所でアミン末端Boc−Ile及びLys(alloc)と固相合成に付した。実施例8で説明したようなパラジウム触媒脱保護及び中和の後、Fmoc−12−アミノ−4,7,10−トリオキサドデカン酸(488.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)とのカップリングを一晩実施した。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.75m)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌して、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末134mg(20%)を得た。C1292013526の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2656.55であり、実測値が2656.54であった。
【0176】
実施例35
H−Ile−Lys(エイコサノイル−12−ATODA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0177】
【化34】

【0178】
実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を、適切な側鎖修飾のために適所でアミン末端Boc−Ile及びLys(alloc)と固相合成に付した。実施例8で説明したようなパラジウム触媒脱保護及び中和の後、Fmoc−12−アミノ−4,7,10−トリオキサドデカン酸(488.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)とのカップリングを一晩実施した。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、エイコサン酸(315mg、1mmol);N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)をカップリングさせ一晩撹拌した。DMFで2回、及びCHClで3回洗浄した後、TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末128mg(19%)を得た。C1332093526の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2712.61であり、実測値が2712.59であった。
【0179】
実施例36
H−Ile−Lys(パルミトイル−8−ADOSA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0180】
【化35】

【0181】
実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を、適切な側鎖修飾のために適所でアミン末端Boc−Ile及びLys(alloc)と固相合成に付した。パラジウム触媒脱保護及び中和の後、Fmoc−(8−アミノ−3,6−ジオキサ−オクチル)コハク酸(488.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)とのカップリングを一晩実施した。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.75m)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌して、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末114mg(17%)を得た。C1302023626の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2683.56であり、実測値が2683.55であった。
【0182】
実施例37
H−Ile−Lys(エイコサノイル−8−ADOSA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0183】
【化36】

【0184】
実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を、適切な側鎖修飾のために適所でアミン末端Boc−Ile及びLys(alloc)と固相合成に付した。パラジウム脱保護及び中和の後、Fmoc−N−(8−アミノ−3,6−ジオキサ−オクチル)スクシンアミド酸(488.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)とのカップリングを一晩実施した。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、エイコサン酸(315mg、1mmol);N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)をカップリングさせ一晩撹拌した。DMFで2回、及びCHClで3回洗浄した後、TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末110mg(16%)を得た。C1342103626の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2739.62であり、実測値が2739.60であった。
【0185】
実施例38
H−Ile−Lys(パルミトイル−5−AOPSA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0186】
【化37】

【0187】
実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を、適切な側鎖修飾のために適所でアミン末端Boc−Ile及びLys(alloc)と固相合成に付した。実施例8で説明したようなパラジウム触媒脱保護及び中和の後、N−Fmoc−(5−アミノ−3−オキサ−ペンチル)スクシンアミド酸(427.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)とのカップリングを一晩実施した。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.75m)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌して、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末158mg(24%)を得た。C1281983625の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2639.53であり、実測値が2639.50であった。
【0188】
実施例39
H−Ile−Lys(エイコサノイル−5−AOPSA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0189】
【化38】

【0190】
実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を、適切な側鎖修飾のために適所でアミン末端Boc−Ile及びLys(alloc)と固相合成に付した。実施例8で説明したようなパラジウム触媒脱保護及び中和の後、Fmoc−(5−アミノ−3−オキサ−ペンチル)スクシンアミド酸(427.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)とのカップリングを一晩実施した。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、エイコサン酸(315mg、1mol);N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)を加え、混合物を一晩撹拌した。DMFで2回、及びCHClで3回洗浄した後、TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施し、生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末128mg(19%)を得た。C1322063625の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2695.60であり、実測値が2695.59であった。
【0191】
実施例40
H−Ile−Lys(パルミトイル−Ser−Ser)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0192】
【化39】

【0193】
実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を、適切な側鎖修飾のために適所でアミン末端Boc−Ile及びLys(alloc)と固相合成に付した。パラジウム触媒脱保護及び中和の後、Fmoc−Ser(Bu)(384.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)とのカップリングを一晩実施した。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、樹脂結合ペプチドを再度、Fmoc−Ser(Bu)(384.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.75m)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌して、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末98mg(15%)を得た。C1261943626の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2627.50であり、実測値が2627.49であった。
【0194】
実施例41
H−Ile−Lys(エイコサノイル−Ser−Ser)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0195】
【化40】

【0196】
実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を、適切な側鎖修飾のために適所でアミン末端Boc−Ile及びLys(alloc)と固相合成に付した。実施例8で説明したようなパラジウム触媒脱保護及び中和の後、Fmoc−Ser(Bu)(384.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)とのカップリングを一晩実施した。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、樹脂を再び、Fmoc−Ser(Bu)(384.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。エイコサン酸(315mg、1mol);N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)を樹脂結合ペプチドに一晩カップリングさせた。DMFで2回、及びCHClで3回洗浄した後、TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末107mg(16%)を得た。C1302023626の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2683.56であり、実測値が2683.55であった。
【0197】
実施例42
H−Ile−Lys(パルミトイル−Thr−Thr)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0198】
【化41】

【0199】
実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を、適切な側鎖修飾のために適所でアミン末端Boc−Ile及びLys(alloc)と固相合成に付した。実施例8で説明したようなパラジウム触媒脱保護及び中和の後、Fmoc−Thr(Bu)(398.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)とのカップリングを一晩実施した。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、樹脂を再び、Fmoc−Thr(Bu)(398.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(425mg、3.150mmol)、DIEA(500uL、3.0m)、及びパルミトイルクロリド(2.8mL、2.75m)をCHCl 15mL中で5分間反応させ、ペプチド樹脂に加えた。反応混合物を一晩撹拌して、DMFで2回、及びCHClで3回洗浄し、その後TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末73mg(11%)を得た。C1281983626の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2655.53であり、実測値が2655.51であった。
【0200】
実施例43
H−Ile−Lys(エイコサノイル−Thr−Thr)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NHの調製
【0201】
【化42】

【0202】
実施例1からのFmoc−リンカー−BHA樹脂(450mg、0.25mmol)を、適切な側鎖修飾のために適所でアミン末端Boc−Ile及びLys(alloc)と固相合成に付した。実施例8で説明したようなパラジウム触媒脱保護及び中和の後、Fmoc−Thr(Bu)(398.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)とのカップリングを一晩実施した。Fmoc除去及びDMFによる洗浄後、樹脂を再び、Fmoc−Thr(Bu)(398.0mg;1.0mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)と一晩カップリングさせた。エイコサン酸(315mg、1mmol);N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(150mg、1.11mmol)、及びN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(1.50mL、2.0mmol)を加え、混合物を一晩撹拌した。DMFで2回、及びCHClで3回洗浄した後、TFA 17mL、iPrSiH 400uL、及びプロパンチオール 800uLによって6時間で切断を実施した。生成物をEtO 100.0mLに沈殿させ、遠心分離し、洗浄して、減圧下で乾燥させた。粗ペプチドを実施例7における手順に従って精製し、白色の非晶質粉末69mg(10%)を得た。C1322063626の(ES)+−LCMS m/eは、計算値(calcd)が2711.59であり、実測値が2711.57であった。
【0203】
実施例44
cAMPアゴニストアッセイ法
この実施例では、以下の材料を使用した:384−ウェルプレート;Tropix cAMP−スクリーンキット;cAMP ELISAシステム(Applied Biosystems、カタログ番号T1505;CS 20000);フォルスコリン(Calbiochem カタログ番号344270);細胞:HEK293/hNPY2R;成長培地:ダルベッコ変法イーグル培地(D−MEM、Gibco);熱失活した、10%ウシ胎仔血清(FBS、Gibco);1% ペニシリン/ストレプトマイシン(ペニシリン 10000単位/mL:ストレプトマイシン 10000mg/mL、Gibco);500mg/mL G418(ジェネテシン、Gibcoカタログ番号11811-031);及び、プレート培地:フェノールレッド不含DMEM/F12(Gibco);熱失活した、10%FBS(Gibco、カタログ番号10082-147);1%ペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco、カタログ番号15140-122);500mg/mL G418(ジェネテシン、Gibcoカタログ番号11811-031)。
【0204】
第1日目に、培地を廃棄し、単層細胞をフラスコ(T225)毎にPBS 10mLで洗浄した。PBSでデカントした後、VERSENE(Gibco、カタログ番号1504006)5mLを使用して細胞を取り除いた(37℃で5分)。フラスコを穏やかに軽くたたき、細胞懸濁液をプールした。各フラスコをプレート培地10mLですすぎ、1000rpmで5分間遠心分離した。懸濁液をプールし計数した。懸濁液を、HEK293/hNPY2Rについて2.0×10細胞/mLの密度で、プレート培地中に再懸濁した。細胞(HEK293/hNPY2R−10,000細胞/ウェル)50μLを、マルチドロップディスペンサーを使用して384−ウェルプレート内に移した。プレートを37℃で一晩インキュベートした。第2日目に、細胞を75〜85%のコンフルエンスで調べた。培地及び試薬を室温にした。希釈剤を調製する前に、ジメチルスルホキシド(DMSO、Sigma、カタログ番号D2650)中の刺激化合物の原液を32℃まで5〜10分間温めた。希釈剤をDMEM/F12中、0.5mM 3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX, Calbiochem, カタログ番号410957)、及び0.5mg/mL BSAにより調製した。刺激培地中の最終DMSO濃度は1.1%であり、フォルスコリン濃度は5μMであった。紙タオル上で細胞プレートを静かに逆さにして、細胞培地を取り出した。ウェル毎に刺激培地50μLを置いた(各濃度を4回繰り返し行った)。プレートを室温で30分間インキュベートし、細胞を毒性について顕微鏡下で調べた。処理の30分後、刺激培地を廃棄し、50mL/ウェルのアッセイLysis緩衝液(Tropixキットで提供された)を加えた。プレートを37℃で45分間インキュベートした。溶解物20μLを刺激プレートから、Tropixキットの予め被覆された抗体プレート(384−ウェル)内に移した。AP複合体10μL、及び抗cAMP抗体20μLを加えた。プレートを1時間振盪しながら室温でインキュベートした。次にプレートを、各洗浄につきウェル毎にWash Buffer 70μLで5回洗浄した。プレートを軽くたたいて乾燥させた。30μL/ウェルのCSPD/Saphire−II RTU 基質/エンハンサ溶液を加えて、室温で45分間インキュベートした(振盪)。照度計(VICTOR−V)における1秒/ウェルの信号を計測した。
【0205】
実施例45
CaFluxアッセイ
Hek−293細胞をGタンパク質キメラGaqi9で安定的にトランスフェクトし、ヒグロマイシンB耐性遺伝子を、ヒトNPY2受容体及びG418抗生物質選択によってさらにトランスフェクトした。ヒグロマイシンB及びG418の双方における選択に続いて、個々のクローンをPYYに対するそれらの応答についてアッセイした。トランスフェクトした細胞を、10%ウシ胎児血清、50μg/mL ヒグロマイシンB、2mM グルタミン、100U/mL ペニシリン、100μg/mL ストレプトマイシン、及び250μg/mL G418を補充したDMEM培地で培養した。細胞を、トリプシン−EDTAによって採取し、ViaCount試薬を使用して計数した。細胞懸濁液容量を、完全成長培地によって4.8×10細胞/mLに調節した。アリコート25μLを、384ウェルのPoly−Dリジンで被覆した黒色/透明マイクロプレート(Falcon)内に分注し、そしてマイクロプレートを一晩37℃のCOインキュベータ内に置いた。1つのバイアル(Express Kit)の内容物を、20mM HEPES及び5mMプロベネシドを含有するハンクス平衡塩類溶液1000mLに溶解することによって、添加液(カルシウム−3アッセイキット、Molecular Devices)を調製した。希釈した染料のアリコート25μLを細胞プレート内に分注して、次にプレートを37℃で1時間インキュベートした。インキュベーションの間に、試験化合物をHBSS(20mM HEPES)/0.05%BSA/1%DMSO中に所望濃度の3.5×で調製して、FLIPRでの使用のために384ウェルプレートに移した。インキュベーション後、細胞及び化合物プレートの双方をFLIPRに移行させ、希釈した化合物20μLをFLIPRによって細胞プレートに移した。アッセイの間、1.5秒毎に細胞プレートの全384ウェルから同時に蛍光読取値をとった。安定した基準を確立するために5つの読取値をとり、次にサンプル20μLを急速(30μL/秒)かつ同時に、細胞プレートの各ウェルに加えた。サンプル添加の前、間、及び後に、蛍光を100秒の総経過時間の間、連続的に監視した。添加に続く各ウェルにおける応答(ピーク蛍光の増加)を測定した。各ウェルからの最初の蛍光読取値を、リガンド刺激の前に、そのウェルからのデータのゼロ基準値として使用した。応答を陽性対照の最大応答の%として表す。
【0206】
本発明の化合物は、cAMPアッセイ法及びCaFluxアッセイ(FLIPR)で実証されるように、インビトロにおいて選択的神経ペプチド−2受容体活性を示した。インビトロ結果の概要として、本発明の代表的化合物のIC50及びEC50を、以下の表1に図示した。
【0207】
【表1】



【0208】
式(I)の化合物は、上記アッセイのうちの1つにおいて(Y2R EC50)、0.001nM〜10nMの活性を有する。最も好ましい式(I)の化合物は、上記アッセイのうちの1つにおいて(Y2R EC50)、0.001nM〜5nM、好ましくは0.001nM〜1nMの活性を有する。
【0209】
実施例A
下記の成分を含有するフィルムコーティング錠を、常法により製造することができる:
成分 1錠当たり
核:
式(I)の化合物 10.0mg 200.0mg
微晶質セルロース 23.5mg 43.5mg
含水乳糖 60.0mg 70.0mg
ポビドンK30 12.5mg 15.0mg
デンプングリコール酸ナトリウム 12.5mg 17.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg 4.5mg
(核重量) 120.0mg 350.0mg
フィルムコート:
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.5mg 7.0mg
ポリエチレングリコール6000 0.8mg 1.6mg
タルク 1.3mg 2.6mg
酸化鉄(黄色) 0.8mg 1.6mg
二酸化チタン 0.8mg 1.6mg
【0210】
活性成分を篩にかけ、微晶質セルロースと混合し、そして混合物をポリビニルピロリドンの水溶液と共に造粒する。顆粒をデンプングリコール酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムと混合し、圧縮して、それぞれ120又は350mgの核を得る。上記のフィルムコートの水性溶液/懸濁液を核に塗布する。
【0211】
実施例B
下記の成分を含有するカプセル剤を、常法により製造することができる:
成分 1カプセル当たり
式(I)の化合物 25.0mg
乳糖 150.0mg
トウモロコシデンプン 20.0mg
タルク 5.0mg
【0212】
成分を篩にかけ、混合し、そしてサイズ2のカプセルに充填する。
【0213】
実施例C
注射液は下記の組成を有することができる:
式(I)の化合物 3.0mg
ポリエチレングリコール400 150.0mg
酢酸 pH5.0を得るのに適切な量
注射用水 全量を1.0mlにするのに適切な量
【0214】
活性成分を、ポリエチレングリコール400と注射用水(一部)の混合物に溶解する。酢酸によりpHを5.0に調整する。水の残量を加えて、容量を1.0mlに調整する。溶液を濾過し、適切な過剰量を使用してバイアルに充填し、滅菌する。
【0215】
実施例D
下記の成分を含有する軟ゼラチンカプセル剤を、常法により製造することができる:
カプセル内容物
式(I)の化合物 5.0mg
黄ろう 8.0mg
硬化大豆油 8.0mg
部分硬化植物油 34.0mg
大豆油 110.0mg
カプセル内容物の重量 165.0mg
ゼラチンカプセル
ゼラチン 75.0mg
グリセロール85% 32.0mg
Karion 83 8.0mg(乾物)
二酸化チタン 0.4mg
黄酸化鉄 1.1mg
【0216】
活性成分を、他の成分の加温溶融物に溶解し、そして混合物を適切な大きさの軟ゼラチンカプセルに充填する。充填された軟ゼラチンカプセル剤を、通常の手順に従って処理する。
【0217】
実施例E
下記の成分を含有するサッシェを、常法により製造することができる:
式(I)の化合物 50.0mg
乳糖、微細粉末 1015.0mg
微晶質セルロース(AVICEL PH 102) 1400.0mg
カルボキシメチルセルロースナトリウム 14.0mg
ポリビニルピロリドンK 30 10.0mg
ステアリン酸マグネシウム 10.0mg
矯味添加剤 1.0mg
【0218】
活性成分を、乳糖、微晶質セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムと混合し、そして水中のポリビニルピロリドンの混合物と共に造粒する。
【0219】
顆粒をステアリン酸マグネシウム及び矯味添加剤と混合し、そしてサッシェに充填する。
【0220】
本発明は前述の本発明の特定の実施態様に限定されず、特定の実施態様の変形がなされ、依然として添付の特許請求の範囲に含めることができるということが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化43】


[式中、
Lは、脂質部分であり;
L’は、脂質部分であり;
Xは、(4−オキソ−6−ピペラジン−1−イル−4H−キナゾリン−3−イル)−酢酸であり;
Yは、H、アシル部分、又はピロ−Gluであり;
Zは、スペーサー部分であるか又は存在せず;
Z’は、スペーサー部分であるか又は存在せず;
は、Ile、Ala、(D)Ile、又はN−メチルIleであり;
は、Lys、Ala、(D)Lys、N−メチルLys、Nle、又は(Lys−Gly)であり;
は、Arg、Ala、(D)Arg、N−メチルArg、又はPheであり;
は、His、Ala、(D)His、又はN−メチルHisであり;
は、Tyr、Ala、(D)Tyr、N−メチルTyr、又はTrpであり;
は、Leu、Ala、(D)Leu、又はN−メチルLeuであり;
は、Asn、Ala、又は(D)Asnであり;
は、Leu、又はTrpであり;
は、Val、Ala、(D)Val、又はN−メチルValであり;
10は、Thr、Ala、又はN−メチルThrであり;
11は、Arg、(D)Arg、又はN−メチルArgであり;
12は、Gln、又はAlaであり;
13は、Arg、(D)Arg、又はN−メチルArgであり;そして、
14は、Tyr、(D)Tyr、N−メチルTyr、Phe、又はTrpであり;
ここで、部分L−Z−及びL’−Z’−は双方が存在することはない]で示される神経ペプチド−2受容体アゴニスト、又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
脂質部分がカプリロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、16−ブロモヘキサデカノイル、2−ヘキシルデカノイル又はエイコサノイルである、請求項1記載の神経ペプチド−2受容体アゴニスト。
【請求項3】
スペーサー部分が、6−Ahx、Ala、Glu、Ala−Glu、Glu−Glu、15−ATOPA、12−ATODA、8−ADOSA、5−AOPSA、Ser−Ser、又はThr−Thrである、請求項1又は2記載の神経ペプチド−2受容体アゴニスト。
【請求項4】
Zが存在しない、請求項1又は2記載の神経ペプチド−2受容体アゴニスト。
【請求項5】
Z’が存在しない、請求項1又は2記載の神経ペプチド−2受容体アゴニスト。
【請求項6】
式(II):
【化44】


[式中、
Lは、脂質部分であり;
L’は、脂質部分であり;
Xは、(4−オキソ−6−ピペラジン−1−イル−4H−キナゾリン−3−イル)−酢酸であり;
Yは、H、アシル部分又はピロ−Gluであり;
Zは、6−Ahx、Ala、Glu、Ala−Glu、Glu−Glu、15−ATOPA、12−ATODA、8−ADOSA、5−AOPSA、Ser−Ser、Thr−Thrであるか、又は存在せず;
Z’は、6−Ahx、Ala、Glu、Ala−Glu、Glu−Glu、15−ATOPA、12−ATODA、8−ADOSA、5−AOPSA、Ser−Ser、Thr−Thrであるか、又は存在せず;
ここで、部分L−Z−及びL’−Z’−は双方が存在することはない]を有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の神経ペプチド−2受容体アゴニスト。
【請求項7】
脂質部分がカプリロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、16−ブロモヘキサデカノイル、2−ヘキシルデカノイル、又はエイコサノイルである、請求項6記載の神経ペプチド−2受容体アゴニスト。
【請求項8】
Z及びZ’のうちの一方がAla、Glu、Ala−Glu、Glu−Glu、Ser−Ser、又はThr−Thrである、請求項6又は7記載の神経ペプチド−2受容体アゴニスト。
【請求項9】
Zが存在しない、請求項6又は7記載の神経ペプチド−2受容体アゴニスト。
【請求項10】
Z’が存在しない、請求項6又は7記載の神経ペプチド−2受容体アゴニスト。
【請求項11】
以下:
Ac−Ile−Lys(ブチリル)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
Ac−Ile−Lys(カプリロイル)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
Ac−Ile−Lys(ラウロイル)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(ラウロイル−6−Ahx)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(ラウロイル−β−Ala)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(ラウロイル−Glu)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(ミリストイル−6−Ahx)−Pro−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
Ac−Ile−Lys(パルミトイル)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
パルミトイル−Ile−Lys−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
パルミトイル−6−Ahx−Ile−Lys−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
パルミトイル−6−Ahx−Ile−Lys−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−6−Ahx)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−6−Ahx)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−β−Ala)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−Glu)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−β−Ala−Glu)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−Glu−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−γ−Glu)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH;及び、
H−Ile−Lys(パルミトイル−γ−Glu−γ−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
からなる群から選択される、請求項1〜10のいずれか1項記載の神経ペプチド−2受容体アゴニスト。
【請求項12】
以下:
H−Ile−Lys(パルミトイル−β−Ala−γ−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(16−ブロモヘキサデカノイル−γ−Glu−γ−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
ピロ−Glu−Ile−Lys(パルミトイル−γ−Glu−γ−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(2−ヘキシルデカノイル−6−Ahx)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(エイコサノイル−6−Ahx)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(エイコサノイル−γ−Glu−γ−Glu−)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−15−ATOPA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(エイコサノイル−15−ATOPA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−12−ATODA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(エイコサノイル−12−ATODA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−8−ADOSA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(エイコサノイル−8−ADOSA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−5−AOPSA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(エイコサノイル−5−AOPSA)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−Ser−Ser)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(エイコサノイル−Ser−Ser)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
H−Ile−Lys(パルミトイル−Thr−Thr)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH;及び、
H−Ile−Lys(エイコサノイル−Thr−Thr)−Pqa−Arg−His−Tyr−Leu−Asn−Trp−Val−Thr−Arg−Gln−(NMe)Arg−Tyr−NH
からなる群から選択される、請求項1〜11のいずれか1項記載の神経ペプチド−2受容体アゴニスト。
【請求項13】
治療活性物質として使用するための請求項1〜12のいずれか1項記載の神経ペプチド−2受容体アゴニスト。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか1項記載の神経ペプチド−2受容体アゴニスト、及び治療上不活性な担体を含む医薬組成物。
【請求項15】
肥満、2型糖尿病、代謝症候群、インスリン抵抗性もしくは脂質異常症の治療又は予防のための医薬を調製するための、請求項1〜12のいずれか1項記載の神経ペプチド−2受容体アゴニストの使用。
【請求項16】
肥満、2型糖尿病、代謝症候群、インスリン抵抗性もしくは脂質異常症の治療又は予防のための方法であって、
有効量の請求項1〜12のいずれか1項で定義された神経ペプチド−2受容体アゴニストを投与することを含む方法。
【請求項17】
本明細書に前述の発明。

【公表番号】特表2012−507487(P2012−507487A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533695(P2011−533695)
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064034
【国際公開番号】WO2010/052144
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】