説明

移動ノードの所在位置情報を更新する方法および装置

【課題】所在位置トラッキング並びにページングに対する改善された方法および装置を提供する。
【解決手段】無線リンクを介して第1のメッセージをアクセスノードへ送信することにより休止状態の移動ノードがその所在位置情報を更新する。アクセスノードは第1のメッセージに応答して第2の更新メッセージを生成する。第2のメッセージは移動ノード識別子を含む。第2のメッセージはトラッキングエージェントにより受信され、このトラッキングエージェントは移動ノードに対応する所在位置情報を更新する。モバイルIPを用いて、第2のメッセージがIPメッセージの形で移動ノードに経路指定された場合、モバイルIPホームエージェントによって、移動ノードの最後のネットワークアタッチメントポイントに対して第2のメッセージの経路指定が行われ、最後のポイントにトラッキングエージェントが配置され、メッセージの傍受が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システムに関し、特に、(セルラなどの)無線通信ネットワークにおいて所在位置のトラッキングおよびページングを行う方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的セルラ通信ネットワークでは、1セットの地理的に分散した基地局によって、通信インフラストラクチャへの無線アクセスが行われる。無線通信機器や端末装置を有するユーザは適切な基地局と直接通信リンクを確立し、次いで、通信ネットワークを通じて他のユーザおよび/またはエンドシステムと情報の交換を行うことができる。一般に、このようなシステムは種々の異なるアプリケーション(例えば、電話、テキストメッセージング、ストリーミングオーディオ/ビデオ、ウェブブラウジング、ファイル転送など)をサポートすることも可能である。しかし、従来のシステムは主として電話向けに設計されたものである。ユーザデータ並びに制御シグナリングを含む、アクセスリンク上で交換される情報によって、アクセスリンク自体のサポートが行われ、送信が調整され、モビリティが可能となり、さらに、その他の多くの特徴が提供される。
【0003】
一般に、セルラ通信システムのユーザは連続してアクティブな情報交換に関与することはない(例えば、エンドユーザが通信セッションに参加していない時間がかなりある場合もある)。所在位置トラッキングシステムとページングシステムとは、到着する信号の到達性をそのまま維持しながら、休止状態モードへ移行する無活動時間中に無線端末装置が消費電力を低減し、処理上の耐用期間を最大化することを可能にするものである。休止状態モードで作動しながら、無線端末装置は特別のページングチャネルをそのまま定期的にモニタして、到来通信セッションの確立を可能にすることができる。したがって、無線端末装置のユーザは休止状態モードのまま通話の受信が可能となる。しかし、到来する通信セッションについて休止状態の無線端末装置に警告報知を行うページシグナリングは、無線端末装置が、休止状態モードへ移行したり、所在位置が最後に報告されたりする地理上の近接領域内にサブセットの基地局を含む所在位置エリア(すなわちページングエリア)に限定される。したがって、休止状態の無線端末装置が移動する(例えば、セルすなわち所在位置領域/ページング領域を変える)につれて、所在位置情報(所在位置領域/ページング領域など)の更新を行うために、休止状態の無線端末装置に関連する追加制御シグナリングを利用する頻度が高くなる。システム設計に依存して、定期的におよび/またはセルあるいは所在位置領域の境界/ページング領域の境界を横切るような何らかのイベント時に、所在位置の更新シグナリングを行うようにしてもよい。
【0004】
所在位置追跡情報の精度に関しては技術上の妥協が存在する。正確な所在位置追跡情報の保持はさらに頻繁な所在位置の更新シグナリングを必要とし、したがって、休止状態モード時の間、通信オーバヘッドの増加および無線端末装置の消費電力の増加が生じることになる。或いは、所在位置情報の正確さを少なくした状態で、さらに広いサブセットの基地局を通じてずっとページ・シグナリングの拡張を行う必要が生じる場合もある。その結果、無線端末装置をアクティブノードへ戻すことに関連する通信オーバヘッドの増加が生じることになる。さらに、ページング戦略に依存して、正確さが少ない所在位置情報によって、結果として一般にページング待ち時間の増加が生じることにもなる。
【0005】
主として音声用電話向けに設計された従来の回線交換型セルラネットワークでは、数十のまたは数百もの基地局から成る比較的広い所在位置領域/ページング領域が用いられる場合が多い。このようなシステムでは、休止状態の無線端末装置は、所在位置の更新シグナリングの送信を必要とせずに、対応する地域エリアの周辺を自由に移動することができる。このアプローチの欠点として、休止状態の無線端末装置のページングを行う必要があるとき、所在位置領域/ページング領域内の多数の基地局、そして、おそらくすべての基地局が無線端末装置のシグナリングに参加することになるという点が挙げられる。
【0006】
回線交換型のセルラネットワーク技術は、データ用アプリケーションをサポートするために現在拡張されている最中である。さらに、瞬時のメッセージ通信やオンラインゲームのような双方向型データ用アプリケーションを含む広範囲のアプリケーションをサポートするのにより適したパケット交換型セルラネットワーク技術が出現している。より広い範囲のアプリケーション、特に、さらに双方向型でかつ取引用途のアプリケーションをサポートする無線端末装置はアクティブモードと休止状態モードとの間でのさらに頻繁な移行を行う傾向がある。したがって、ページング試行周波数の顕著な増加が予想される。ページング試行周波数のこの顕著な増加は、さらに狭い所在位置領域/ページング領域をサポートする利点を示唆するものであり、上記に詳述したように、次に頻繁な所在位置の更新シグナリングを必要とすることが考えられる。したがって、通信オーバヘッドを過度に上げたり、消費電力を増やしたりする(処理上の耐用期間を短縮する)ことなく、所在位置領域/ページング領域のサイズの減少を可能にするための軽量の所在位置更新メカニズムとページングメカニズムとに対する必要性が存在することになる。
【0007】
上記解説に照らして考慮すると、所在位置トラッキング並びにページングに対する改善された方法および装置に対する必要性が存在することは明白である。
【発明の概要】
【0008】
休止状態の移動ノード端末装置/無線端末装置用の所在位置トラッキングとページングとを含むアプリケーションの範囲に適したメッセージ通信などの効率的シグナリングについて説明する。無線通信リンクを介してアクセスノードへ送信されるシグナリングに関するセキュリティを提供する方法および装置についても説明する。本発明のシグナリングおよびセキュリティ技術は、メッセージなどの所在位置更新信号に関して使用するのに特に適しているが、休止状態の移動ノード端末装置/無線端末装置用のシグナリングセッション層の存在情報などの多種多様のシグナリング用アプリケーションに利用することも可能である。
【0009】
1つの実施形態では、メッセージなどの所在位置更新信号は移動ノード、無線端末装置あるいは無線インタフェースを備えた別のデバイスからアクセスノードへ送信される。上記メッセージのサイズを小さく保つために、例示の所在位置更新信号は単に移動ノード識別子を含むようにしてもよい。実施形態によってはセキュリティ上の理由のために、移動ノード識別子と共に信号の中に認証符号が含まれるものもある。所定のタイムスロット、周波数などを用いてこれらの信号を送信してもよい。このようにして、アクセスノードは、メッセージヘッダなどの信号フォーマットから決定を行う代わりに、周波数や、信号が所在位置の更新値となる別の信号属性をタイムスロットから決定することが可能となるが、これによって信号属性のサイズが大きくなる。信号属性情報を用いて、所在位置更新信号の一部として送信された認証符号の生成に利用した一方向ハッシュ関数への入力に関する情報を暗黙のうちに送信することも可能である。
【0010】
1つの特別の実施形態によれば、信号を受信するアクセスノードは、メッセージなどの所在位置更新信号の受信に応答して、受信信号の中に含まれる移動ノード/無線端末装置識別子および/または認証符号のような受信信号から、少なくともいくつかの情報を含む第2の所在位置更新メッセージなどの第2の信号を生成する。所在位置情報および/またはアクセスノード識別情報のような追加情報を第2の信号の中に含むようにしてもよい。
【0011】
実施形態によっては、アクセスノードが、メッセージや、受信済みの所在位置更新信号を送信した移動ノード/無線端末装置内のハッシュ関数への入力として用いた、アクセスノードにとって既知の情報などを第2の信号の中に含むものもある。この情報は、アクセスノードにとって既知のものであってもよく、例えば信号タイミング情報や、アクセスノード識別子および/または受信信号の属性から決定される別の情報などであってもよい。情報がアクセスノードにとって既知であるため、好適には、移動ノード/無線端末装置が、信号の一部としてアクセスノードへその情報を明示的に送信する必要がないことが望ましい。しかし、アクセスノード以外のエンティティによる認証を容易にするために、所在位置更新メッセージなどの既知の情報が第2の信号に追加され、その結果、第2の信号を受信するエンティティはこの既知の情報の利用が可能となる。
【0012】
実施形態によっては、アクセスノードによって生成された所在位置更新メッセージなどの第2の信号は、受信済みの所在位置更新信号を送信した移動ノード/無線端末装置へ向けて送信されるおよび/またはアドレス指定されるものもある。移動ノードの最後の既知の所在位置へのIPメッセージ転送がモバイルIPによってサポートされている通信システムにとってこの技術は特に好適である。このような1つの実施形態では、個々のアクセスノードの中に所在位置トラッキングエージェントが配置されている。1つのセルから別のセルへの移動の一部として、あるいは、周期的インタバルで休止状態の移動ノードが1つのアクセスノードから別のアクセスノードへハンドオフするとき、移動ノードは新たなアクセスノードへ所在位置更新信号の送信を行う。第2の所在位置更新信号が新たなアクセスノードによって生成され、次いで移動ノードへ向けて送信される。この第2の所在位置更新信号はIPメッセージであってもよく、移動ノードが休止状態モードに移行した起点であるアクセスノードなどの移動ノードの最後の既知の所在位置へあるいはモバイルIP異種エージェントへ通常のモバイルIPの経路指定を行うことによって、この第2の所在位置更新信号の転送を行うことも可能である。第1の所在位置更新信号を送信した移動ノードへ向けて送信されたIPメッセージのネットワーク経路に沿って配置されたモバイルIPホームエージェントは、場合に応じて、モバイルIP異種エージェントなどの移動ノードが最後に発見されたアクセスノードへ向けて、したがって、該アクセスノードに含まれるトラッキングエージェントへ向けて第2の所在位置更新メッセージを送信する役割を果たすことになる。
【0013】
種々の実施形態では、メッセージなどの所在位置更新信号を受信するトラッキングエージェントは、特定された移動ノード/無線端末装置に関連するローカルなセキュリティ保護キーと共に、移動ノード/無線端末装置識別子と、第2の所在位置更新信号の中に含まれる別の情報とを用いて第2の認証符号を生成する。この第2の認証符号は、セキュリティ処理の一部として移動ノード/無線端末装置から受信された第1の認証符号と比較される。第1の認証符号と第2の認証符号とが一致した場合、メッセージなどの信号が認証されたとみなされ、特定された移動ノード/無線端末装置に対応する所在位置情報が更新される。一致が検出されなかった場合、認証の失敗が宣言され、所在位置情報は変更さないか、認証チェックに失敗した所在位置更新の受信を反映するように変更される。
【0014】
個々の移動ノード/無線端末装置に対して失敗した認証処理の件数および/またはメッセージ認証の失敗率のカウントを保持し、認証の失敗率が予め選択した或る比率を上回ったとき、トラッキングエージェントがセキュリティ処理を開始するようにしてもよい。
【0015】
種々の実施形態では、トラッキングエージェントは、第2の所在位置更新信号を送信したアクセスノードへメッセージなどの所在位置の更新応答信号を送信する。第2の所在位置更新信号とは異なる経路を介して上記所在位置の更新応答信号の経路指定を行うようにしてもよい。例えば、移動ノードのホームエージェントの中を通って経路指定を行うことなく第2の所在位置信号を送信したアクセスノードへ上記所在位置の更新応答信号を直接転送するようにしてもよい。所在位置の更新応答信号は認証の失敗が生じたか否かに関する表示を含む場合が多い。所在位置の更新応答信号を受信するアクセスノードは報告された認証の失敗を追跡し、上記比率が予め選択した或るしきい値を上回った場合、セキュリティ処理を開始してもよい。アクセスノードを介して通信しているマルチ移動ノード/無線端末装置に対応して、アクセスノードがメッセージなどの所在位置の更新応答信号を受信することに起因して、アクセスノードは、異なる識別子を含むマルチ所在位置更新信号を送信する悪意のある移動ノード/無線端末装置の存在を検出することができる。このようなセキュリティに対するアタックはトラッキングエージェントによって気付かれない可能性がある。というのは、個々の試みられるセキュリティ違反が、異なる特定済みの移動ノード/無線端末装置に対応しているため、個々の移動ノード/無線端末装置に関連するトラッキングエージェント側の失敗カウンタや比率測定値が、トラッキングエージェント側で設定したしきい値を上回らないようになっていることが考えられるからである。トラッキングエージェントと、所在位置更新信号を送信するアクセスノードとの双方の側で失敗しきい値を用いることによって、種々のセキュリティに対するアタックに抗して比較的好適なセキュリティレベルの提供が可能となる。
【0016】
メッセージなどの所在位置更新信号並びにこの所在位置更新信号の新規のフォーマットを単独であるいは本発明の種々のセキュリティ機能と組み合わせて利用することも可能である。以上、メッセージなどの所在位置更新信号の例示の状況について説明したが、メッセージなどの別のタイプの信号に対して本発明のセキュリティ機能を利用することが可能である。本発明の信号セキュリティ技術は、通信帯域が限定されている場合特に好適である。というのは、有効なセキュリティレベルをそのまま保持しながら、無線用アプリケーションなどにおいて短い認証符号の送信が可能となるからである。このようなケースでは、アクセスノードは、無線端末装置が利用した情報のうちのいくつかの情報を最終的に認証チェックを行うエンティティへ提供して、無線通信リンクを介して明示的に送信されるような情報を必要とせずに認証符号を生成するようにする。アクセスノードと、認証符号の生成時に使用される無線端末装置との双方にとって既知の情報は、信号の周波数および/または信号の転送時間などの属性であるメッセージや、無線リンクを介してアクセスノードへ送信されるメッセージなどである信号により決定してもよいし、実施形態によってはそのような信号により決定される。このような情報は、アクセスノードと無線端末装置とにとってすぐに利用可能である一方で、単に通信チャネルをモニタすることから決定するには簡単ではない場合がある。というのは、上記既知の情報は、メッセージ、属性などの信号から所定の方法で生成されたいくつかの数字値である場合があるからである。
【0017】
したがって、本発明は新規の所在位置更新方法および装置の双方を提供することになる。本発明は、メッセージなどの信号、セキュリティ機能、並びに、無線用アプリケーションとして特に好適な技術も提供するものである。本発明の方法および装置の多数の追加の特徴、利点並びに応用について以下の詳細な説明で解説する。
【詳細な説明】
【0018】
図1は、通信リンクによって相互に接続された複数のノードを備えたセルラ通信ネットワークなどの例示の通信システム100を示す。例示通信システム100のノードは、インターネットプロトコル(IP)などの通信プロトコルに基づいて情報をメッセージなどの信号と交換することができる。システム100の通信リンクは、例えば、有線、光ファイバケーブルおよび/または無線通信技術を用いて実現可能である。例示の通信システム100は複数のエンドノード134、136、144、146、154、156を備え、これらのエンドノードは複数のアクセスノード130、140、150を介して通信システムへのアクセスを行う。エンドノード134、136、144、146、154、156は無線通信機器や端末装置などであってもよく、アクセスノード130、140、150はアクセスル−タや基地局などであってもよい。例示の通信システム100には、相互接続性を設けたり、固有のサービスや機能を提供したりするのに必要となるような複数の別のノードも含まれる。詳細には、例示の通信システム100は、アクセスノード間でのエンドノードのモビリティをサポートするのに必要となるようなモバイルIPホームエージェントノードなどの移動性エージェントノード108と、エンドノード間での通信セッションの確立と保守管理とをサポートするのに必要となるようなセッション開始プロトコル(SIP)プロキシサーバなどのセッション・シグナリングサーバノード106と、固有のアプリケーション層サービスをサポートするのに必要となるようなマルチメディアサーバなどのアプリケーションサーバノード104とを備える。
【0019】
図1の例示のシステム100は、アプリケーションサーバノード104、セッション・シグナリングサーバノード106、並びに、移動性エージェントノード108を備えたネットワーク102を描くものであり、これらノードの各々は、それぞれ対応するネットワークリンク105、107、109によって中間ネットワークノード110と接続される。ネットワーク102における中間ネットワークノード110は、ネットワーク102に関して外部にあるネットワークノードとの相互接続性をネットワークリンク111を介して提供するものである。ネットワークリンク111は別の中間ネットワークノード112と接続され、この中間ネットワークノード112はそれぞれ、ネットワークリンク131、141、151を介して複数のアクセスノード130、140、150とのさらに別の接続性を提供する。
【0020】
個々のアクセスノード130、140、150は、それぞれ、対応するアクセスリンク(135,137)、(145,147)、(155,157)を介して、それぞれ、複数のN個のエンドノード(134,136)、(144,146)、(154,156)との接続性を提供するものとして描かれている。例示の通信システム100では、個々のアクセスノード130、140、150は、アクセスを提供する無線アクセスリンクなどの無線技術を用いるものとして描かれている。個々のアクセスノード130、140、150の通信セル138、148、158などの無線カバーエリアは、それぞれ対応するアクセスノードを囲繞する円として示されている。
【0021】
例示の通信システム100は、本発明の実施形態を説明するベースとして後程用いるものである。本発明の代替実施形態には、ネットワークノードの数およびタイプと、リンクの数およびタイプと、ノード間での相互接続性が、図1に描かれている例示の通信システム100の相互接続性とは異なるものであってもよい種々のネットワークトポロジが含まれる。
【0022】
本発明に準拠して、例示のシステム100におけるエンドノードの所在位置トラッキングとページングとに対するサポートは、1または2以上のモジュールなどで実現可能な以下の機能エンティティによって作動可能となる。
【0023】
1. モニタエージェント(MA):MAは休止状態のエンドノード用メッセージなどの入力信号の受信およびフィルタリングを行って、エンドノード用としてページングを開始することが望ましいかどうかの判定を行うものである。
【0024】
2. トラッキングエージェント(TA):TAはメッセージなどの所在位置更新信号を受信して、現在の所在位置領域/ページング領域などの休止状態のエンドノードの所在位置、アクセスノード、セルおよび/またはセクタの追跡を行うようにするものである。所在位置更新周波数と、TAによって保持されている所在位置追跡情報の精度とは実施構成に依存することになる。
【0025】
3. アンカ(anchor)ページングエージェント(APA):APAは、休止状態のエンドノード用としてページ要求メッセージを送るなどのページ・シグナリングの調整を行う。一般にAPAは、MAからのトリガ信号に応答してページ・シグナリングを開始し、TAが保持している追跡情報に基づいて、アクセスノードなどの別のネットワークノードへ向けてページ信号を送信する。
【0026】
4. ローカルページングエージェント(LPA):LPAは、休止状態のエンドノードとTAおよび/またはAPAなどの別の機能エンティティとの間でシグナリングの調整を行うものであり、上記TAおよび/またはAPAは通信システムにおける別の場所に配置してもよい。LPAには、ページ・シグナリングを制御するページングエージェントと、所在位置の更新シグナリングなどの所在位置トラッキングシグナリングを制御する所在位置更新エージェントとが含まれる。ページングエージェントと所在位置更新エージェントとは、モジュールなどの別個のエンティティとして実現可能である。あるいはこれらのエージェントは、組み合わされて、双方の機能を実行するモジュールなどの単一のエンティティにされる。本願明細書では、用語LPAを使用するが、この用語はページングエージェント機能と、所在位置更新エージェント機能との双方の機能を組み合わせて単一のエンティティにするケースを意味するものである。
【0027】
本発明の種々の実施形態では、上記機能エンティティのうちのいくつかの機能エンティティを省いたり、組み合わせたりする場合もある。異なる実施形態ではネットワークにおけるこれらの機能エンティティの所在位置や配置を変えてもよい。
【0028】
一般に、MA、TA、APAの機能は密接に関連しており、休止状態のエンドノードに関する状態情報をまとめて保持して、所在位置のトラッキングおよびページングを可能にするようになっている。したがって、これら3つの機能は同じノードの範囲内に在るあるいはトポロジの上で互いに近い近接性にあるノード内に置かれる場合が多い。従来のシステム設計では、同等の機能は通常ネットワークインフラストラクチャのコアの中心部に配置される。本発明はこの集中型の設計をサポートしているが、これらの機能がアクセスノードなどにおけるネットワークインフラストラクチャの端部に配置される分散型の設計もサポートしている。MA/TA/APAとは異なり、LPA機能は本質的に処理状態が把握されない性質を有している。LPAは本質的に、LPAの現在の所在位置領域/ページング領域、アクセスノード、セルおよび/またはセクタ、並びに、休止状態のエンドノードをサポートしているMA/TA/APAなどのLPAの現在の所在位置内のエンドノード間でのシグナリングを調整するように機能するものである。MA/TA/APAはネットワーク内のどこか別の場所に配置するものであってもよい。したがって、LPA機能は典型的には分散されて、アクセスノードなどにおいてネットワークインフラストラクチャの端部に配置されることになる。本発明の種々の実施形態では、単一のLPAは、LPAのローカルな範囲内へ画定される複数のアクセスノード/セル/セクタをサポートするものであってもよい。以下、MA、TA、APAおよびLPA機能がすべてアクセスノード内に置かれている本発明の例示の実施形態について説明する。
【0029】
図2は、本発明に準拠して実現される例示のエンドノード200の詳細を示す図である。図2に描かれている例示のエンドノード200は、図1に描かれているエンドノード134、136、144、146、154、156のうちの任意の1つエンドノードとして使用可能な装置の詳細図である。図2の実施形態では、エンドノード200は、プロセッサ204、無線通信用インタフェース230、ユーザ入出力用インタフェース240およびバス206によって一体に接続されたメモリ210を備える。これに応じて、エンドノード200の種々のコンポーネントは、バス206を介して情報、信号並びにデータの交換を行うことができる。エンドノード200のコンポーネント204、206、210、230、240はハウジング202の内部に配置される。
【0030】
無線通信用インタフェース230は、外部装置と、アクセスノードなどのネットワークノードとの間でエンドノード200の内部コンポーネントが信号の送受信を行うことができるメカニズムを提供するものである。無線通信用インタフェース230は、対応する受信用アンテナ236を備えた受信回路232、および、無線通信チャネルなどを介してエンドノード200を別のネットワークノードと接続するのに使用される対応する送信用アンテナ238を備えた送信回路234などを備える。
【0031】
例示のエンドノード200は、キーパッドなどのユーザ入力装置242、ユーザ入出力用インタフェース240を介してバス206と接続される表示装置などのユーザ出力装置244も備えている。したがって、ユーザ入出力装置242、244は、ユーザ入出力用インタフェース240およびバス206を介してエンドノード200の別のコンポーネントと情報、信号並びにデータの交換を行うことが可能となる。ユーザ入出力用インタフェース240並びに関連するデバイス242、244は、ユーザがエンドノード200を作動させて、或るタスクを行うようにすることができるメカニズムを提供する。特に、ユーザ入力装置242とユーザ出力装置244とは、ユーザがエンドノード200を制御することを可能にする機能性、並びに、エンドノード200のメモリ210中で実行するモジュール、プログラム、ルーチンおよび/または関数などのアプリケーションを提供する。
【0032】
メモリ210の中に含まれるルーチンなどの種々のモジュールの制御下にあるプロセッサ204は、後述するようにエンドノード200の動作を制御して、種々のシグナリングおよび処理を実行する。メモリ210の中に含まれるモジュールはスタートアップ時に、あるいは、別のモジュールによって呼び出された際に実行される。上記モジュールは、実行時にデータ、情報、並びに信号を交換することもできる。モジュールは実行時にデータと情報とを共有してもよい。図2の実施形態では、本発明のエンドノード200のメモリ210は休止状態モードモジュール212と休止状態モードデータ214とを備える。
【0033】
休止状態モードモジュール212は、休止状態ではあるが、まだページングが可能な動作モードに関連するエンドノード200の動作を制御するものである。したがって、モジュール212は、所在位置のトラッキング用およびページング用メッセージなどの信号の送受信に関連する処理を制御することになる。休止状態モードデータ214には、パラメータ、状態情報および/または休止状態モード時における動作に関する別の情報などが含まれる。特に、休止状態モードデータ214は、例えば、休止状態モードへの移行のタイミングに関する情報、ページ信号に対するモニタを行うチャネル、ページ信号に対するモニタに関連するタイミングなどの構成情報216と、現在の処理状態や保留中の応答状態などに関する情報などの処理情報218を含むことができる。休止状態モードモジュール212は、休止状態モードデータ214へのアクセスおよび/または構成情報216および/または処理情報218の更新を行うなどの休止状態モードデータ214の変更を行うことができる。
【0034】
図3は本発明に準拠して実現される例示のアクセスノード300の詳細を示す図である。図3に描かれている例示のアクセスノード300は、図1に描かれているアクセスノード130、140、150のうちの任意の1つのアクセスノードとして使用可能な装置の詳細図である。図3の実施形態では、アクセスノード300は、プロセッサ304、ネットワーク/インタネットワーク用インタフェース320、無線通信用インタフェース330およびバス306によって一体に接続されたメモリ310を備える。これに応じて、アクセスノード300の種々のコンポーネントは、バス306を介して情報、信号並びにデータの交換を行うることができる。アクセスノード300のコンポーネント304、306、310、320、330はハウジング302の内部に配置される。
【0035】
ネットワーク/インタネットワークインタフェース320は、アクセスノード300の内部コンポーネントが外部装置とネットワークノードとの間で信号の送受信を行うことができるメカニズムを提供するものである。ネットワーク/インタネットワーク用インタフェース320は、受信回路322と送信回路324とを備え、銅線や光ファイバ線などを介してノード300を別のネットワークノードとの接続に用いられる。無線通信用インタフェース330も、エンドノードなどのアクセスノード300の内部コンポーネントが外部装置とネットワークノードとの間で信号の送受信を行うことができるメカニズムを提供する。無線通信用インタフェース330は、対応する受信用アンテナ336を備えた受信回路332、および、無線通信チャネルなどを介してアクセスノード300を別のネットワークノードと接続するのに使用される対応する送信用アンテナ338を備えた送信回路334などを備える。
【0036】
メモリ310の中に含まれるルーチンなどの種々のモジュールの制御下にあるプロセッサ304は、後述するようにアクセスノード300の動作を制御して、種々のシグナリングおよび処理を実行する。メモリ310の中に含まれるモジュールはスタートアップ時に、あるいは、別のモジュールによって呼び出された際に実行される。上記モジュールは、実行時にデータ、情報並びに信号を交換することもできる。モジュールは実行時にデータと情報とを共有してもよい。図3の実施形態では、本発明のアクセスノード300のメモリ310は、MAモジュール312、TAモジュール314、APAモジュール316、およびLPAモジュール318を備える。これらのエージェントモジュールの各々に対応して、メモリ310はMAデータ313、TAデータ315、APAデータ317およびLPAデータ319を備える。
【0037】
MAモジュール312はアクセスノード300の動作を制御して、例示のエンドノード200などの休止状態のエンドノードのためのMAの機能性をサポートする。MAモジュール312は、関連する休止状態のエンドノード宛てに宛先指定されたメッセージなどの入力信号を傍受し、オプションとしてこの入力信号を格納し、次いで、対応するエンドノードに対してページング処理手順を開始すべきかどうかの判定を行う。MAモジュール312は、休止状態のエンドノード依存データの作成や更新に必要な、別のネットワークノードなどのエンティティや、APAモジュール316などの別のモジュールから出される受信信号の処理と、関連する休止状態のエンドノード宛てに宛先指定された別のネットワークノードからの受信信号の傍受並びに処理と、対応するエンドノードに対するページ処理手順を開始すべきかどうかを判定するための、前記傍受した入力信号の類別並びにフィルタリングと、およびページ処理手順の開始のためにAPAモジュール316をトリガする必要に応じて行われる後続信号の送信との制御を行う。MAデータ313には、エンドノード識別子、パラメータ、フィルタリング情報および/または本明細書に記載のようなMAの機能性の提供に関する別の情報などが含まれる。MAモジュール312はMAデータ313へのアクセスおよび/またはMAデータ313の変更を行うことができる。
【0038】
トラッキングエージェントモジュール314は、アクセスノード300の動作を制御して、例示のエンドノード200などの休止状態のエンドノードのためにTAの機能性をサポートする。TAモジュール314は、所在位置領域/ページング領域などの所在位置情報、アクセスノード、関連する休止状態のエンドノード用セルおよび/またはセクタを保持し、別のエンティティへ前記情報を提供する。エンドノードは、休止状態の間、所在位置更新要求信号をその対応するTAモジュールへ送信することができる。所在位置更新要求信号の周波数と、TAが保持している所在位置情報の精度とは実施構成に依存する。TAモジュール314は、休止状態のエンドノード依存データの作成や更新に必要な、別のネットワークノードなどの別のエンティティや、APAモジュール316などの別のモジュールから出される受信信号の処理と、受信済みの所在位置更新要求信号の処理と対応するエンドノードの所在位置情報の更新と、現在の所在位置領域/ページング領域、アクセスノード、特定の休止状態のエンドノードに関連するセルおよび/またはセクタなどの所在位置情報の要求する、別のネットワークノードや、APAモジュール316など別のモジュールなどの他のエンティティから出される受信信号の処理と、および確認応答や要求された情報の提供に必要となるような別のエンティティからの要求に応答して後続信号の送信との制御を行う。TAデータ315には、エンドノードの所在位置情報と、TAの機能性の提供に関する別の情報などが含まれる。TAモジュール314はTAデータ315へのアクセスおよび/またはTAデータ315の変更を行うことができる。
【0039】
APAモジュール316は、例示のエンドノード200などの休止状態のエンドノードのためにAPAの機能性をサポートするアクセスノード300の動作を制御する。APAモジュール316は、論理回路と、休止状態のエンドノードへのページ送信に関連するシグナリングとを提供する。APAモジュールは、別のネットワークノードなどの別のエンティティや、MAモジュール312などの別のモジュールから受信したトリガ信号の処理であって、特定の休止状態のエンドノードのためのページ処理手順を開始すべきであることを示す処理と、休止状態のエンドノードの所在位置を決定するのに必要な、TAモジュール314とのシグナリングの交換と、別のネットワークノードなどの別のエンティティや、LPAモジュール318などの別のモジュールへのその後のページ要求信号の送信と、および対応する任意の応答信号の処理との制御を行う。APAデータ317には、個々の休止状態のエンドノードまたはエンドノードのクラスに対するページ処理手順自体に関する情報、例えば別のノードへ送信されるページ信号の周波数、エンドノードのページングを試みるアクセスノードによって無線インタフェースを介して送信されるページ信号の周波数、エンドノード応答の待ち時間のタイムアウト値、タイムアウト値に達した場合に取りかかるべき処理などが含まれる。APAモジュール316は、APAデータ317へのアクセスおよび/またはAPAデータ317の変更を行うことができる。
【0040】
LPAモジュール318は、例示のエンドノード200などの休止状態のエンドノードのためにLPAの機能性をサポートするアクセスノード300の動作を制御する。LPAモジュール318は、ページ・シグナリングの調整、および、1セットの関連するアクセスノード/セル/セクタなどのローカルな範囲内での所在位置トラッキング用シグナリングをサポートする。LPAモジュール318は、同じアクセスノードまたはネットワーク内の或る別のアクセスノードに配置されるAPAモジュール316などからの特定のエンドノードのための受信済みページ要求信号の処理と、無線通信用インタフェース330を介する特定のエンドノードのためのページ要求信号の送信またはリレーと、エンドノードがページに対して応答を行う場合のエンドノードからのページ応答信号の受信と、およびページ処理手順を開始したAPAモジュールなどのエンティティへのページ応答信号の送信またはリレーとの制御を行う。LPAモジュール318は、無線通信用インタフェース330を介する休止状態のエンドノードからの受信済みの所在位置更新信号の処理と、特定の休止状態のエンドノードにTAの機能性を提供するTAモジュールなどのエンティティへの所在位置更新信号の送信またはリレーと、TAの機能性を提供するエンティティからの所在位置の更新応答信号の受信と、および所在位置更新処理手順を開始した休止状態のエンドノードへの所在位置の更新応答信号の送信またはリレーとの制御も行う。LPAデータ319には、ページ信号の周波数、使用チャネル、タイムアウト時間などの無線インタフェースを介するページ処理手順の処理に関するエンドノード関連データなどが含まれる。LPAモジュール318は、LPAデータ319へのアクセスおよび/またはLPAデータ319の変更を行うことができる。
【0041】
図4、図5、図6は本発明の例示の実施形態に従って行われるシグナリングを例示する図である。このシグナリングは、図1に例示のシステム100と類似した例示のシステム400の多少単純化したバージョンのコンテキストで例示されている。例示のシステム400では、システム100から出たアクセスノード130、140、150は、アクセスノード300、300’、300”によって置き換えられ、本発明に準拠して実現されている。図4、図5、図6に図示のアクセスノード300、300’、300”の各々は、図3に描かれている例示のアクセスノード300の単純化した図示である。さらに、例示のシステム400では、システム100から出ているエンドノード134、136、144、146、154、156(並びに対応するアクセスリンク135、137、145、147、155、157)は、本発明に準拠して実現された単一のエンドノードX200よって置き換えられる。図4、図5、図6に図示のエンドノードX200は、図2に描かれているエンドノード200の単純化した図示である。
【0042】
休止状態の動作モードへの移行
図4は、エンドノードがアクティブな動作モードから休止状態の動作モードへ移行するとき、本発明に準拠して行われる例示のシグナリングの詳細を示す図である。エンドノード200がセル148に配置されたものとして描かれ、対応するアクセスノード300’とシグナリングを交換できるものと想定されているが、エンドノード200とアクセスノード300’間のアクセスリンクが明示的に描かれていることに留意されたい。休止状態モード内へ移行するエンドノード200のプロセスは、種々のイベントやトリガの結果生じるものであってもよい。そのようなイベントやトリガとして例えば、(1)アクセスノード300’から送信し、無線通信用インタフェース230を介して休止状態モードモジュール212により受信する信号、(2)ユーザのアクションに応答してユーザ入力装置242が生成し、入出力インタフェース240を介して休止状態モードモジュール212が受信する信号、あるいは(3)休止状態モードモジュール212が保持している無活動タイマの期限切れ信号などがある。休止状態モードデータ214には、構成情報216、並びに、固有イベントの決定トリガや休止状態モードへの移行プロセスの開始トリガを決定するために休止状態モードモジュール212が利用する処理情報218が含まれる。
【0043】
エンドノード200が休止状態の動作モードへ移行すべきである旨が決定された時、かつ、このエンドノードが着信可能(ページ可能)な状態のままでなければならない場合、エンドノード200は、休止状態モードにある間、ローカルアクセスノード300’などの1または2以上のネットワークノードであって、MA/TA/APAの機能性を提供することになるネットワークノードとシグナリングを交換することによって、移行の調整を行う。例示のシステム400では、エンドノード200が配置されている現在のセル148に対応して、ローカルアクセスノード300’は、MAモジュール312’、TAモジュール314’およびAPAモジュール316’を備える。本発明の例示の実施形態によれば、エンドノード200内の休止状態モードモジュール212は、ローカルアクセスノード300’においてAPAモジュール316’とシグナリング402との交換を行い、APAモジュール316’は、ローカルアクセスノード300’の中に置かれているMAモジュール312’およびTAモジュール314’とそれぞれシグナリング404’、406’の交換を行う。シグナリングのいくつかの態様として、(1)終了時に、エンドノード200が休止状態モードへ移行した旨がMA、TAおよびAPAモジュールに通知される、(2)必要時に移動のページングを行う際に通る現在の所在位置領域/ページング領域、アクセスノード300’、セル148、セクタおよび/またはLPAモジュール318’などのエンドノード200の現在の所在位置がTAモジュールに通知されるという態様が挙げられる。実際上同等の効果あるいは対応する効果が達成されるのであれば、本発明の代替実施形態は異なるシグナリング戦略を利用することができる。
【0044】
エンドノード200が休止状態モードへ移行した旨の通知がMAモジュール312’に対して行われるとすぐに、MAモジュール312’は、エンドノード200宛てに宛先指定されたメッセージなどの入力信号の傍受と検査とを開始して、エンドノード200のページングを行うべきかどうかの判定を行うことが可能となる。本発明の例示の実施形態によれば、エンドノード200宛てに宛先指定された信号経路に沿ってMAモジュール312’が配置されていることに留意されたい。したがって、エンドノード200が休止状態の動作モードへ移行したとはいえ、移動性エージェントノード108および/または別のネットワークノードは、アクセスノード300’などの最後の既知のアタッチメントポイントへ向けてエンドノード200宛てに宛先指定された信号を送信するルーティング情報をそのまま含むことになる。休止状態のエンドノード200は、定期的にアクティブノードへ戻って、そのルーティング情報並びにMA、TA、APAモジュール312’、314’、316’がそれぞれ保持している状態情報のリフレッシュを行う必要がある場合もある。
【0045】
TAモジュール314’は、エンドノード200が休止状態モードへ移行した旨の通知を受けるとすぐに、必要時にエンドノード200のページングを行う際に通る1または2以上のアクセスノード、セル、セクタおよび/またはLPAを含む所在位置領域/ページング領域などの休止状態のエンドノード200の所在位置に関する状態情報を保持する。TAモジュール314’が保持している状態情報は、エンドノード200が休止状態モードへ移行した起点である所在位置であって、ローカルな所在位置領域/ページング領域、アクセスノード300’、セル148、セクタおよび/または対応するLPAなどの所在位置を最初に示す。エンドノード200が別の所在位置領域/ページング領域、セルあるいはセクタなどの中へ移動するにつれて、この状態情報を更新して、現在の所在位置をさらに正確に反映するようにしてもよい。本発明の実施形態によっては、エンドノード200の現在の所在位置の表示に加えて、TAモジュール314’が、エンドノード200に関連する最後の10の所在位置領域/ページング領域、アクセスノード、セルおよび/またはセクタの履歴リストなどのエンドノード200に関連する以前の所在位置に関する情報を保持するものもある。本発明の例示の実施形態によれば、エンドノード200宛てに宛先指定された信号経路に沿ってもTAモジュール314’が配置されることに留意されたい。この配置は、本願明細書で以下詳述するように、エンドノード200からの所在位置の更新シグナリングの送信に関連する通信オーバヘッドと消費電力量との低減を可能にするものである。
【0046】
所在位置更新処理手順
図5は、休止状態のエンドノードがその対応するTAモジュール314’を用いてエンドノードの所在位置情報を更新するとき、本発明に準拠して行われる例示のシグナリングの詳細を示す図である。エンドノード200の対応するTAモジュール314’を用いて、エンドノード200の所在位置情報を更新するエンドノード200のプロセスは、種々のイベントやトリガの結果生じるものであってもよい。そのようなイベントやトリガとして例えば、(1)無線通信用インタフェース230を介して休止状態モードモジュール212がアクセスノード300”から送受信する信号であって、上記エンドノードが新たな所在位置領域/ページング領域、セルあるいはセクタ内へ移動したことを示す信号、あるいは、(2)休止状態モードモジュール212が保持している所在位置更新タイマの期限切れ信号などがある。休止状態モードデータ214には、構成情報216、並びに、休止状態モードモジュール212が所在位置更新プロセスを開始するための特定のイベントやトリガを決定するために利用する処理情報218が含まれる。図5の例図では、二重矢印502を用いて、1つのセル148から別のセル158への休止状態のエンドノード200の移動が描かれている。この図ではセル間の前記動きによって所在位置更新プロセスがトリガされる。セル158に入る際、休止状態のエンドノード200は、ローカルアクセスノード300”内のLPAモジュール318”へ所在位置更新要求信号504を送信する。本発明の例示の実施形態では、エンドノード200を特定できるほど十分な情報が所在位置更新要求信号504の中に含まれ、この信号504によって、対応するTAモジュール314’へ向けて所在位置更新要求信号506が送られる。本発明の実施形態によっては、休止状態のエンドノード200が送信する所在位置更新要求信号504には、所在位置領域/ページング領域、アクセスノード、セルおよび/またはセクタなどのエンドノード200の現在の所在位置を示す情報を含むものもある。
【0047】
本発明の実施形態によっては、所在位置更新要求の送信に関連する通信オーバヘッドと消費電力との最少化を図るために、休止状態のエンドノード200が送信する所在位置更新要求信号504内の単一のパラメータ(IPアドレスなど)を利用して、エンドノード200を特定するステップと、LPAモジュール318”から、対応するTAモジュール314’へ向けて、IPデータグラムなどの後続する所在位置更新要求信号506を送るステップとの双方のステップを実行するものもある。エンドノード200宛てに宛先指定された信号経路に沿って、対応するTAモジュール314’を配置することにより上記ステップの実行は容易になる。したがって、IPv4相互接続の場合、例えば、休止状態のエンドノード200が送信する所在位置更新要求信号504は、単にエンドノード200のIPv4アドレスを含む場合のみに可能となり、実施形態によっては単にエンドノード200のIPv4アドレスを含むものもある。休止状態のエンドノード200から所在位置更新要求信号504の受信を行う際、並びに、この要求信号504の処理を行う際に、LPAモジュール318”は、エンドノード200宛てに宛先指定されたIPデータグラムなどの所在位置更新要求信号506を送信し、この要求信号506が、対応するTAモジュール314’によって傍受されることになる。本発明の実施形態によっては、LPAモジュール318”によって対応するTAモジュール314’へ送信される所在位置更新要求信号の中に追加情報が含まれるものもある。その場合、前記追加情報は、ローカルな所在位置領域/ページング領域などの現在の所在位置、アクセスノード、セル、休止状態のエンドノード200のセクタおよび/または対応するLPAを示すものとなる。
【0048】
LPAモジュール318”により送信された所在位置更新要求信号506は、例示の通信システム400の中を通って進み、エンドノード200へ宛てられた信号用としてルーティング情報により方向づけられたとき、この実施形態例では、エンドノード200が前回休止状態モードへ移行したときに通ったアクセスノード300’へ通じる移動性エージェントノード108などの中間ノードの中を上記所在位置更新要求信号506は潜在的に通過することになる。所在位置更新要求信号506が当該アクセスノード300’に到達したとき、TAモジュール314’はこの所在位置更新要求信号506を傍受する。1つの実施形態では、LPAモジュール318”が送信した所在位置更新要求信号506はエンドノード200へアドレス指定されたIPデータグラムであり、このIPデータグラムはパケットヘッダ内のフィールドに基づいて、対応するTAモジュール314’によって傍受用として容易に特定できるものである。例えば、上記IPデータグラムは、既知のプロトコル識別子、ポート番号および/または別のヘッダフィールドであってもよい。所在位置更新要求信号506を傍受するとき、TAモジュール314’は信号506を処理して、エンドノード200に関連する所在位置情報を更新すべきかどうかの判定を行う。本発明の実施形態によっては、エンドノード200に関連する所在位置情報の更新前に、TAモジュールが所在位置更新要求506の真正性をまず検証するものもある。この検証は、TAモジュール314’によって直接行うか、あるいは、同じノードまたは別のサーバノード内の別のモジュールなどの別のエンティティを用いてシグナリングを介して行うか、のいずれかで行うようにしてもよい。すべての必要なチェックがパスした場合、TAモジュール314’は、所在位置領域/ページング領域などの所在位置情報、アクセスノード300”、セル158、TAデータ315’内のエンドノード200に関連するセクタおよび/または対応するLPAを更新して、所在位置更新要求信号506で報告された休止状態のエンドノード200の所在位置が反映されるようにする。
【0049】
本発明の実施形態によっては、所在位置更新要求信号506の処理の終了時に、TAモジュール314’が所在位置更新の試みの成功や失敗を示す所在位置の更新応答信号508を送信するものもある。図5に描かれている実施形態例では、TAモジュールは、所在位置更新要求信号を受信した起点であるLPAモジュール318”へ所在位置の更新応答信号508を送信する。所在位置の更新応答信号508の受信時並びに処理時に、LPAモジュール318”は所在位置の更新応答信号510をエンドノード200へ送信する。本発明の実施形態によっては、エンドノード200が前回送信した所在位置更新要求信号504との予め選択した送信関係に基づいて、所在位置の更新応答信号510をエンドノード200へ送信するものもある。例えば、所在位置の更新応答信号510は、対応する所在位置更新要求信号504の送信後の一定時点におけるものであってもよい。このような実施形態では、所在位置の更新応答信号は例えば成功または失敗を示す1ビットの情報ほどのわずかの情報を有するものであってもよい。本発明の代替実施形態では、対応する所在位置更新要求信号504、506の成功/失敗に関する表示に加えて、所在位置の更新応答信号508、510はタイミング、周波数および後続する所在位置更新要求信号の内容を決定するためにエンドノード200が利用できる別の情報も含むことになる。本発明の実施形態によっては、所在位置更新の試みが成功した場合、肯定の所在位置の更新応答信号をエンドノード200へ返し、また、肯定の応答が受信されなければ、エンドノード200は修正アクションを行って、所在位置更新の再試行を行うなどの継続到達性を保証するようにするか、アクティブな状態へ戻るようにすることが望ましいものもある。本発明の実施形態によっては、所在位置更新の試みが失敗した場合、例えば、所在位置更新要求信号の検証が不可能であれば、あるいは、TAモジュールが特定のエンドノードの記録を有していなければ、TAモジュールが否定の所在位置更新応答を返すものもある。
【0050】
上述したこの所在位置更新処理手順アプローチは、IPv6相互接続に対しても同様に適用可能である。また、実施形態によっては、エンドノード200が送信する所在位置更新要求信号504の中に含まれる単一パラメータが、値またはEUI−64などのIPアドレス以外の識別子あるいはエンドノード200のIPアドレスの確認に用いることができる別のハードウェア識別子であるものもある。例えば、値またはエンドノード200が送信した所在位置更新要求信号504の中に含まれる識別子と、エンドノード200のIPアドレスとの間に1対1の対応付けが存在してもよく、および/または、値またはエンドノード200が送信した所在位置更新要求信号504の中に含まれる識別子を用いてエンドノード200のIPアドレスの計算を行うことも可能である。
【0051】
代替実施形態によっては、休止状態のエンドノード200が送信する所在位置更新要求信号504の形で、エンドノード200の加入者電話番号と、対応するTAモジュール314’へ向けて所在位置更新要求信号を送信できるほど十分な情報とが別々のパラメータによって提供されるものもある。このような実施形態では、傍受を必要としないようにするために、LPAモジュール318”から出される所在位置更新要求信号506を対応するTAモジュール314’へ直接送信するようにしてもよい。また、本発明の代替実施形態によっては、対応するTAモジュールへ向けて所在位置更新要求信号を送信できるほど十分な情報が、アクセスノード300”内のLPAモジュール318”および/またはLPAデータ319”など中に予め構成済みのものもある。このアプローチは、ネットワークインフラストラクチャのコアにおいてTAの機能性が中心部に配置される代替実施形態のケースでは特に有用となり得るものである。上記ケースの各々においてTAモジュール314’により利用することも可能なセキュリティ情報などの所在位置トラッキングとページングとに関する別の情報が所在位置更新要求信号504、506の中に含まれ、それによって所在位置更新要求信号を送信するエンドノード200および/またはLPAモジュール318”の真正性の検証を図ることが可能であり、実施形態によっては上記のようにするものもある。
【0052】
ページング処理手順
図6は、休止状態のエンドノードのページングを行うとき、本発明に準拠して行われる例示のシグナリングの詳細を示す図である。休止状態のエンドノード200のページングプロセスは、種々のイベントやトリガの結果生じるものであってもよい。そのようなイベントやトリガとして例えば、(1)前記データ信号が休止状態のエンドノード200宛てに宛先指定されると共にMAモジュール312’によって傍受される、アクセスノード300’へのデータ信号の到着、あるいは、(2)通信システムにおいて前記ページ要求信号が別のノードやサーバによって生成されたものであってもよいAPAモジュール316’への明示的ページ要求信号の到着などがある。MAデータ313’とAPAデータ317’とは、固有のイベントを決定したり、ページングプロセスを開始するトリガを決定したりするために、対応するモジュール312’と316’とがそれぞれ利用する構成情報および/または処理情報を含むものであってもよく、実施形態によってはそのようにしているものもある。
【0053】
図6の例図では、ページングプロセスはエンドノード200宛てに宛先指定された入力信号602に応答して開始される。信号602は、例示の通信システム400の中を通って進み、エンドノード200へ向けて送信された信号用ルーティング情報により方向づけられたとき、この実施形態例では、エンドノード200が前回休止状態モードへ移行したときに通ったアクセスノード300’へ通じる移動性エージェントノード108などの中間ノードの中を潜在的に通過することになる。所在位置更新要求信号602が当該アクセスノード300’に到達したとき、MAモジュール312’は所在位置更新要求信号602を傍受し、この要求信号602を処理して、エンドノード200のページングを行うべきかどうかの判定を行う。実施形態によってはMAモジュール312’によるこの判定が、MAデータ313’の中に含まれる構成情報と処理情報とに部分的に基づいて行われるものもある。特に、MAデータ313’は、MAモジュール312’がページングプロセスをトリガする信号タイプの限定を可能にするフィルタリング情報を含むものであってもよい。実施形態によってはこのようなフィルタリング情報を含むものもある。例えばヘッダフィールドに基づいて従来のパケット類別技術を利用してIPデータグラムのフィルタリングを行うようにしてもよい。入力信号602がエンドノード200のページングを保証することを決定する際に、MAモジュール312’は、エンドノード200のページングを行うべきである旨を示すページトリガ信号604をAPAモジュール316’へ送信する。実施形態によってはMAモジュール312’がページをトリガした入力信号602を格納するものもあり、エンドノード200は、アクティブノードへ戻るとき、上記入力信号602をエンドノード200へ転送することができる。
【0054】
ページトリガ信号604の受信と処理とを行う際に、APAモジュール316’は所在位置要求信号606をTAモジュール314’へ送信する。TAモジュール314’は、その対応するTAデータ315’へアクセスし、エンドノード200に関連する所在位置情報を決定し、所在位置領域/ページング領域、アクセスノード、セル、セクタおよび/または対応するLPAなどの情報を所在位置応答信号608の形でAPAモジュール316’へ返す。本発明の実施形態によっては、APAモジュール316’がTAデータ315’に直接アクセスして、APAモジュール316’とTAモジュール314’間のシグナリング606、608を実際上不要とするものもあることに留意されたい。エンドノード200に関連する所在位置情報は、エンドノード200を配置することが可能な複数の所在位置領域/ページング領域、アクセスノード、セル、セクタおよび/またはLPAを示すものであってもよいし、実施形態によっては、エンドノード200に関連する所在位置情報が上記のような領域、アクセスノード、セル、セクタおよび/またはLPAを示すものもある。所在位置情報がこのようなマルチエンティティを含むとき、ブランケット、拡張用リングあるいはシーケンシャルなどの種々のページング戦略を用いてエンドノード200の探索を行うことができる。
【0055】
所在位置応答信号608などを介してエンドノード200に関連する所在位置情報の受信を行う際、APAモジュール316’は、ページ要求信号を送信すべき送信先として1または2組以上のアクセスノードまたはLPAモジュールを決定する。図6の例では、APAモジュール316’はアクセスノード300”に配置されたLPAモジュール318”へページ要求信号610を送信する。ページ要求信号610には、ページングを行う対象エンドノード200の表示、並びに、エンドノード200のページングを行うべき場所であるセルあるいはセクタなどのエンドノード200のページングに関連する別の情報が潜在的に含まれる。IPインターネットワーキングのコンテキストでは、ページ要求信号610はIPデータグラムであってもよい。
【0056】
ページ要求信号610の受信時に、LPAモジュール318”は信号の処理を行うが、指示されたエンドノード200に対するページングの方法並びに該ページングの場所の明細を決定するために、実施形態によってはLPAモジュール318”の関連するLPAデータ319”へアクセスするものもある。ページ要求信号610は、エンドノード200に対するページ要求信号612を送信する際に通るべき或る特定のセル、セクタおよび/またはインタフェースに関する情報を含むものであってもよく、実施形態によっては、ページ要求信号610が上記のような情報を含むものもある。エンドノード200に対するページングが行われる場所の決定に従って、LPAモジュール318”は無線通信用インタフェース330”を介してエンドノード200に対するページ要求信号612の送信を行う。
【0057】
ページ要求信号612の受信時に、エンドノード200内の休止状態モードモジュール212はアクションのコースを決定する。実施形態によっては、識別子、優先順位表示またはアクションコードなどの受信済みページ要求信号612の中に含まれる情報、並びに休止状態モードデータ213の中に含まれる情報に基づいて部分的にアクションのコースを決定するものもある。本発明の実施形態によっては、ページ要求シグナリング610、612が、ページングプロセスをトリガした信号602の少なくとも一部分を含むものもある。図6の例では、受信済みページ要求信号612の処理後、エンドノード200はアクティブノードへ戻り、ページ応答信号614を送信するものもある。ページ応答信号614の受信と処理とを行う際に、LPAモジュール318”はページング処理を開始したAPAモジュール316’へページ応答信号616を送信する。実施形態によっては、APAモジュール316’によるページ応答信号616の受信を利用して、ページング処理と、前回の休止状態のエンドノード200用のクリーンアップ状態情報とを終了させるものもある。たとえ待ち時間タイマの時間切れの際などにエンドノード200からページ応答を受信しなくても、LPAモジュール318”は、APAモジュール316’へこのような信号616を送信してもよいし、実施形態によってはLPAモジュール318”が上記のような信号616を送信するものもある。実施形態によっては、LPAモジュール318”が送信したページ応答信号616が、そのセル/セクタのページングの成功または失敗に関する表示を含むものもある。
【0058】
肯定のページ応答信号616の受信時に、APAモジュールは、成功するページ処理手順に従う規定の別の処理にとりかかる。成功するページ処理手順とは、たとえば、MAモジュール312’が格納済みの入力信号602をその新たな所在位置のエンドノード200へ転送すべきである旨のMAモジュール312’への信号送信である。アクセスノード300”はエンドノード200がページ要求信号612を受信したセル158に関連している。本発明の実施形態によっては、エンドノード200は、追加処理手順にとりかかり、および/または追加シグナリングを送信して、エンドノード200へ宛先指定されたデータトラフィックなどの信号に対してその信号の経路指定の更新を行うようにするものもある。例えば、エンドノード200はモビリティエージェント108へMIP登録要求を送信することも可能である。同様に、エンドノード200は前回のMAモジュール312’が格納しているデータトラフィックなどの任意の入力信号や、前回のアクセスノード300’にその後着信する入力信号の検索を行うために、追加処理手順にとりかかってもよいし、および/または、追加シグナリングの送信を行ってもよい。
【0059】
所在位置情報のきめ細かさ
本明細書に記載の本発明の方法および装置は、1または2以上のアクセスノード、セル、セクタおよび/またはLPAを含む所在位置領域/ページング領域などの所在位置情報の種々のきめ細かさを用いて適用可能である。
【0060】
本発明の実施形態によっては、TAによって保持され、所在位置更新要求信号の中に含まれている所在位置情報が非常にきめ細かく、例えば休止状態のエンドノードが着信可能(ページ可能)である旨が中に報告されているような個々のセルまたはセクタを示すものもある。このようなきめ細かな所在位置情報が利用可能であることによって、セル/セクタへ向けてページ・シグナリングを送信するなどの単一セル/セクタをターゲットとするページング操作が可能となり、これによってページング休止状態のエンドノードに関連する通信オーバヘッドおよびリソースの最小化が行われることになる。このアプローチは、休止状態のエンドノードの正確な位置が未知である場合、種々のページング戦略を利用して行われる休止状態のエンドノードの探索に関連する待ち時間を不要にするという利点も有している。次いで、休止状態のエンドノードの探索に関連する待ち時間を最小化することによって、ページング待ち時間全体に対するターゲットの上限を達成するのに必要なページ・シグナリングのモニタ周波数を下げることが可能となり、それによって、電力の節減が行われる、エンドノードの処理上の耐用期間が拡張されることになる。単一セル/セクタをターゲットとするページングシナリオで作動するとき、休止状態のエンドノードは、セルおよび/またはセクタの個々に変更が生じた場合に所在位置更新要求信号を送信してもよいし、実施形態によってはこのような送信を行うものもある。上記エンドノードは、対応する基地局またはアクセスノードから放送されるセル/セクタ識別情報の受信などの種々の既知の技術を利用して、セルおよび/またはセクタが変更された旨の判定を行うことができる。
【0061】
本発明の代替実施形態によっては、TAにより保持され、所在位置更新要求信号の中に含まれている所在位置情報が、さらにきめの粗い情報であって、例えば休止状態のエンドノードが着信可能(ページ可能)である旨を報告する手段である複数のアクセスノード、セル、セクタあるいはLPAなどが示されている情報であるものもある。実施形態によっては、オーバーラップするセットのまたはオーバーラップしないセットの地理的に近いアクセスノード、セル、セクタあるいはLPAのいずれかなどの、きめの粗い所在位置情報は、静的にまたは動的に画定された所在位置領域/ページング領域に基づくものであるものもあれば、特定可能な所在位置領域/ページング領域の中へ一体にグループ化されたものもある。面積ベースのページングシナリオで作動する場合、休止状態のエンドノードは、所在位置領域/ページング領域の個々に変更が生じたとき、所在位置更新要求信号の送信を行うことが可能であり、実施形態によっては、休止状態のエンドノードがそのような送信を行うものもある。上記エンドノードは、対応する基地局またはアクセスノードから放送される所在位置領域/ページング領域識別情報の受信などの種々の既知の技術を利用して、所在位置領域/ページング領域が変更された旨の判定を行うことができる。このような実施形態では、TAへ送信される所在位置更新要求シグナリングが、エンドノードが着信可能(ページ可能)である旨が報告される特定可能な所在位置領域/ページング領域の表示を含むことが望ましい。特定の休止状態のエンドノードのためのページ・シグナリングの開始時に、休止状態のエンドノードが着信可能(ページ可能)である旨が報告される所在位置領域/ページング領域に対応するセットのアクセスノード、セル、セクタおよび/またはLPAを通じてずっと、ブランケット、拡張用リングあるいはシーケンシャルなどの種々の周知のページング戦略を用いて休止状態のエンドノードの探索を行うことができる。
【0062】
所在位置領域/ページング領域情報のきめ細かさに関係なく、本発明の実施形態のなかには、所在位置トラッキングおよびページ・シグナリングの調整や交換を行うことが可能なセットのアクセスノード、MA、TA、APAおよび/またはLPAに対する限度などの制限を設けた所在位置トラッキング/ページング範囲を含むものもある。このような制限は、アドレス指定のスケーラビリティ、経路指定あるいはセキュリティ・アーキテクチャなどの技術上の制約から、あるいは、個々に固有の操作対象ネットワークの管理などのポリシー制約から結果として生じる場合もある。このような実施形態では、休止状態のエンドノードは、このノードがそのMA、TAおよび/またはAPAの所在位置トラッキング/ページング範囲を越えて移動する場合、アクティブノードへ戻るようにしてもよい。実施形態によっては、上記エンドノードが上記のようにアクティブノードへ戻るようになっているものもある。上記エンドノードは、通信事業者の識別子の受信あるいは対応する基地局やアクセスノードから放送される別のサービス対象エリア情報などの種々の既知の技術を利用して、このエンドノードが前回サポートされていた、上記エンドノードの所在位置トラッキング/ページング範囲を越えて移動した旨の判定を行うことができる。本発明の実施形態によっては、前回サポートされていたエンドノードの所在位置トラッキング/ページング範囲を越えて移動する際にエンドノードがとりかかるアクションには、認証、認可、登録、アドレスの割当ておよび/またはエージェントの割当てなどの種々の制御操作が含まれるものもある。いずれかの必要な制御操作に従って、上記エンドノードは元の休止状態の動作モードへ移行することができる。実施形態によってはこのエンドノードが上記のような移行を行うものもある。
【0063】
所在位置更新の認証
図7、図8、図9は、エンドノードからその対応するTAへの所在位置更新要求信号の認証を可能にする、本発明に準拠して行われる例示の処理をまとめて示す図である。所在位置更新要求シグナリングの認証は、合法的休止状態のエンドノードを着信不能にすることを意図して、1または2以上の悪意のあるエンドノードによって違法な所在位置更新要求信号が送信されるスプーフ・アタックに対する保護を行うものである。図7〜図9に例示の革新的なアプローチは、送信タイミング情報および/またはエンドノードとアクセスノードの双方にとって既知の別の情報の可用性などの、エンドノードが送信する所在位置更新信号の属性を利用するものであり、再生アタックからの効率的保護を提供する所在位置更新信号が上記双方のノードを介してエンドノードによって送信される。図5の所在位置更新のコンテキストで図7〜図9に例示の処理について以下説明する。
【0064】
図7は、図2に描かれている例示のエンドノード200のような本発明に準拠して実現されるエンドノードによって所在位置更新要求信号が生成されるとき、本発明に準拠して行われる例示の処理の詳細を示す図である。エンドノード200は、所在位置更新生成処理手順700を実行して、前述したような種々のイベントやトリガに応答し、エンドノード200の対応するTAを用いてエンドノード200の所在位置情報の更新を行うようにすることができる。本発明のこの例示の実施形態では、エンドノード200の休止状態モードモジュール212によって図7に詳細の所在位置更新生成処理手順700が実行され、この処理手順700は休止状態モードデータ214を利用する。図7の例では、休止状態モードデータ214には、エンドノード/TA共有化キー704のコピーが含まれるが、このエンドノード/TA共有化キー704は、一般にエンドノード200とそのTAとにとってのみ既知の数バイトからなる擬似ランダムストリングなどのセキュリティキーである。実施形態によっては、セキュリティサーバなどの別の信頼されているエンティティによっても共有化キーが知られているものもある。次に詳述するように、エンドノード200は上記キーを使用し、所在位置更新要求信号用の認証符号を計算して、受信信号の中に識別子を有するエンドノード200によって所在位置更新要求信号が実際に送信されたことをTAが検証できるようにする。休止状態モードデータ214には、ハードウェアアドレス、ネットワークアドレスあるいはエンドノード200に関連する休止状態モード識別子などのエンドノード識別情報708、708’も含まれる。
【0065】
所在位置更新生成処理手順700が処理の中へ呼び出されるすぐに、第1のステップ706にとりかかり、これによって、エンドノード200は、エンドノード200がそのTAへ所在位置更新要求信号を送信することを意図する手段であるアクセスノード300”などのローカルアクセスノードから受信を行い、何らかの情報を取り出すことになる。アクセスノード300”からの必要な信号が定期的に放送されるか、エンドノード200からの信号に応答して非同期的に送信されるかのいずれかとなる。信号から取り出された情報には、ハードウェアアドレス、ネットワークアドレスあるいはアクセスノード300”に関連する別の識別子などのアクセスノード識別情報710と、エンドノード200が送信するタイムスタンプや所在位置更新要求信号の転送時間に関連するシーケンス番号などの所在位置更新送信タイミング情報712とが含まれる。例示のような所在位置更新要求信号の認証符号722内へこの情報710、712を一体化することにより、再生アタックからの保護が行われる。アクセスノード識別情報710と所在位置更新送信タイミング情報とが、エンドノード200とアクセスノード300との双方にとって既知のおよび/または利用可能な例示の情報を構成するものであることに留意されたい。この情報はエンドノード200によって認証符号の計算時に利用されることになるが、後続する所在位置更新要求信号の形でアクセスノード300へ送信する必要はない。というのは、アクセスノード300は所在位置更新要求信号の受信から同じ情報を推論できるからである。本発明の実施形態によっては、既知の情報が周波数または拡散符号などの別の送信チャネル情報を含むものもある。
【0066】
エンドノード識別情報708、アクセスノード識別情報710および所在位置更新送信タイミング情報712の連鎖と共に、エンドノード/TA共有化キー704は一方向の機密保護を施したハッシュ関数714へ入力される。当業で周知の機密保護を施した例示のハッシュ関数はHMAC−MD5、HMAC−SHA−1である。これらの関数は、MD5およびSHA−1などの当業で周知の一方向メッセージダイジェスト関数に基づくものであり、メッセージなどの、数バイトからなる任意の長さのストリングの形をとるものであり、固定長のランダムに見えるダイジェストを生成する。これらの関数は、ダイジェストから元のメッセージを確定することが困難であるため“一方向”と命名されている。機密保護を施した一方向ハッシュ関数は、基底を成すメッセージダイジェスト関数に対する1または2以上の呼出し時にセキュリティ保護キーを使用して、メッセージのダイジェストを生成する。本例では、エンドノード識別情報708、アクセスノード識別情報710および所在位置更新送信タイミング情報712の連鎖は“メッセージ”であり、エンドノード/TA共有化キー704は機密保護を施したハッシュ関数714に対して入力される“セキュリティ保護キー”である。数バイトからなるストリングであるハッシュ出力値716が対応する“ダイジェスト”である。本発明の実施形態によっては、ハッシュ出力値716は必要に応じてステップ718で切りつめられて、所在位置更新要求信号の認証符号722の規定の長さの範囲内にぴったり合うようにされる。したがって、認証符号722は本実施形態では、オプションとして切りつめられたハッシュ出力値716となる。
【0067】
エンドノード識別情報708’と認証符号722の双方は、ステップ724でエンドノード200が送信する図5に描かれている信号504などの、所在位置更新要求信号の中に含まれる。しかし、アクセスノード識別情報710および所在位置更新送信タイミング情報712などの、認証符号722の計算時に使用されるエンドノード200とアクセスノード300の双方にとって既知の情報は、所在位置更新要求信号の中に含まれる必要はない。というのは、これらの情報は、所在位置更新要求信号の受信時にアクセスノード300によって決定できるからである。図7〜図9に例示のように、機密保護を施したハッシュ関数714へ入力されるエンドノード識別情報708と、所在位置更新要求信号の中に含まれるエンドノード識別情報708’とは同等の情報であることに留意されたい。しかし、代替実施形態によっては、所在位置更新要求信号の中に含まれるエンドノード識別情報708’が、機密保護を施したハッシュ関数714へ入力されたエンドノード識別情報708を確定するためにTAを作動可能にできるほど十分な情報であれば、これらの情報は異なるものであってもよいものもある。
【0068】
図8は、図3に描かれている例示のアクセスノード300などのような、エンドノードからの所在位置更新要求信号が受信され、本発明に準拠して実現されるローカルアクセスノードによって処理された場合本発明に準拠して行われる例示の処理の詳細を示す図である。本発明のこの例示の実施形態では、所在位置更新要求信号の受信と処理とは、ローカルアクセスノード300”の範囲内のLPAモジュール318”によって実行され、LPAデータ319”が利用される。エンドノード200から出される図5に描かれている信号504などの所在位置更新要求信号の受信時に、ローカルアクセスノード300”内のLPAモジュール318”は詳細は図8のように所在位置更新リレー処理手順800を実行する。
【0069】
所在位置更新リレー処理手順800は、LPAモジュール318”がエンドノード200から出される図5に描かれている信号504などの所在位置更新要求信号を受信するステップ802からスタートする。この所在位置更新要求信号の中から、LPAモジュール318”はエンドノード識別情報708’と認証符号722とを取り出す。これらは、図7のステップ724でエンドノード200が送信した所在位置更新要求信号の中に含まれる同じ2つの値であることに留意されたい。送信タイミングおよび/または送信チャネルなどの受信した所在位置更新要求信号の属性に基づいて、LPAモジュール319”は認証符号722の計算時にエンドノード200が利用する既知の情報を決定する。実施形態によっては、LPAモジュール318”がハードウェアアドレス、ネットワークアドレス、あるいは、アクセスノードに関連する別のID、並びに、LPAデータ319”から出される所在位置更新送信タイミング情報712’などのアクセスノード識別情報710’を取り出すものもある。正しい所在位置更新要求信号用として、これら2つの値710’、712’は図7のステップ714で機密保護を施したハッシュ関数に対する入力値と同じ名称の710、712による値と同等の値であることに留意されたい。上記値はエンドノード200が前回用いたものである。エンドノード識別情報708’、認証符号722、アクセスノード識別情報710’および所在位置更新送信タイミング情報712’は、ローカルアクセスノード300”内のLPAモジュール318”がステップ814で送信する、図5に描かれている信号506などの所在位置更新要求信号の中に含まれる。ステップ814でLPAモジュール318によって送信され、図5に描かれている、信号506のような所在位置更新要求信号はエンドノード200に関連するTAへ向けて送信される。
【0070】
図9は、所在位置更新要求信号がエンドノードから受信され、図3に描かれている例示のアクセスノード300のTAモジュール314のようなエンドノードのTAにより処理される場合の、本発明に準拠して行われる例示の処理の詳細を示す図である。本発明のこの例示の実施形態では、エンドノード200のためのTAの機能性は、エンドノード200が前回休止状態モードへ移行した際に通ったアクセスノード300’のTAモジュール314’によって提供され、対応するTAデータ315’を利用するものである。関連するエンドノード200用として図5に描かれている信号506などの所在位置更新要求信号の受信時に、図9に詳細に図示されているように、アクセスノード300’のTAモジュール314’は所在位置更新検証処理手順900を実行する。
【0071】
所在位置更新検証処理手順900はステップ906からスタートし、このステップ906では、エンドノード200がその所在位置の更新を試みる際に通るローカルアクセスノード300”のLPAモジュール318”から、図5に描かれている信号506などの所在位置更新要求信号がTAモジュール314’によって受信される。図5に描かれている信号506などのこの所在位置更新要求信号の中から、TAモジュール314’は受信した認証符号722、エンドノード識別情報708’、アクセスノード識別情報710’および所在位置更新送信タイミング情報712’を取り出す。これらの情報は、図8のステップ814でLPAモジュール318”により送信された所在位置更新要求信号の中に含まれる同じ4つの値であることに留意されたい。
【0072】
図9の例では、TAデータ315’はエンドノード/TA共有化キー904のコピーを含み、このエンドノード/TA共有化キー904は一般にエンドノード200とそのTAのみが知っている数バイトからなる擬似ランダムストリングなどのセキュリティキーである。エンドノード識別情報708’、アクセスノード識別情報710’、並びに、所在位置更新要求信号から取り出された所在位置更新送信タイミング情報712’の連鎖と共に、エンドノード/TA共有化キー904は、一方向機密保護を施したハッシュ関数914へ入力される。正しい所在位置更新要求を行うために、下の項目の各々が真になることが望ましいことに留意されたい:
1.機密保護を施したハッシュ関数914が、図7でエンドノード200が使用している機密保護を施したハッシュ関数714と同じである。
【0073】
2.エンドノード/TA共有化キー904が、図7でエンドノード200が使用しているエンドノード/TA共有化キー704に一致する。
【0074】
3.エンドノード識別情報708’、アクセスノード識別情報710’および機密保護を施したハッシュ関数914の中へ入力される所在位置更新送信タイミング情報712’の連鎖が、エンドノード識別情報708、アクセスノード識別情報710および図7で機密保護を施したハッシュ関数714の中へエンドノードが入力した所在位置更新送信タイミング情報712の連鎖に一致する。
【0075】
機密保護を施したハッシュ関数914はハッシュ出力値916を生成し、このハッシュ出力値916は、計算済みの認証符号922の規定の長さの範囲内でぴったり合わせる必要などに応じて、オプションとしてステップ918で切りつめられる。切りつめプロセス918は、図7に図示のようにステップ718でエンドノードが採用したプロセスに一致することが望ましい。
【0076】
TAモジュール314’は、ステップ924で、例えばバイトによる比較などを利用することにより、所在位置更新要求信号506などから受信した認証符号722を(内部で)計算した認証符号922と比較する。この比較924の結果、2つの認証符号が一致するものであることが示された場合、所在位置更新要求信号は妥当なものであると考えられ、TAモジュール314’はステップ926へ進むことになる。これにより、格納済みのエンドノード所在位置情報の更新が行われる。ステップ926に続いて、TAモジュール314’はステップ928へ進み、これにより、TAは図5に描かれている信号508などの所在位置更新応答信号を送信し、次いで、所在位置更新要求信号を受信した起点であるLPAへ戻って、所在位置更新プロセスの成功を示す。さらに、比較924の結果、認証符号が一致するものであることが示されなかった場合、TAモジュール314’は、オプションとして直接ステップ928へ進むことが可能となり、これにより、所在位置更新応答信号をLPAへ返して、所在位置更新プロセスの失敗を示すことになる。
【0077】
図7〜図9に例示し、上記記載した本発明の例示の実施形態は、エンドノード/TA共有化キーなどの予め定められた共有化キーを用いて、エンドノードとTA間での所在位置更新要求シグナリングに対する認証の追加に焦点を合わせたものである。本発明のキーの態様は、認証符号の計算時に所在位置更新送信タイミング情報の中に一体化されたものである。当業者であれば、デジタル署名などの、公開キー/秘密キーのペアの利用に基づく技術を含むメッセージ認証のための別の既知の技術に対してこの技術革新を容易に適用することが可能である。
【0078】
所在位置更新スプーフ・アタックの検出と軽減
本発明の実施形態では、帯域幅の節減を優先する場合などに、図5に描かれている信号504などの、休止状態のエンドノードが送信した所在位置更新要求信号の中に1または2バイトなどの比較的短い長さの認証符号のみが含まれているものもある。例えば、図7〜図9のコンテキストでは、ステップ718と918とでそれぞれ、認証符号722、922として利用するために1または2バイトの長さまでハッシュ出力値716、916を切りつめることができる。これは、図5に描かれている信号504と506などの所在位置更新要求信号のサイズ全体を小さくするという利点を有するものであるが、ランダムな認証符号を持つスプーフされた所在位置更新要求信号が合法的なものとして検知される可能性も高くなる。したがって、認証符号のサイズが小さくなるにつれて認証の強さも低下することになる。当該所在位置更新要求シグナリングの弱い認証のみをサポートする実施形態のような本発明の実施形態によっては、所在位置更新のスプーフ・アタックを検出し、所在位置トラッキングシステムとページングシステムとに対するスプーフ・アタックの影響を和らげるために以下の処理を採用するものもある。
【0079】
図5に描かれている信号504と506などの所在位置更新要求信号が、上述のようなさらに弱い認証符号などの認証情報を含む場合、TAおよび/またはLPAは、認証に失敗するわずかの量(または比率)の所在位置更新要求の測定値または推定値などを計算することにより、或る一定タイプの所在位置更新スプーフ・アタックの検出が可能となる。実施形態によっては、TAが、1または2以上の休止状態のエンドノードに対する認証に失敗するわずかの量(または比率)の所在位置更新要求信号の計算(測定または推定など)を直接行い、計算値を予め定めたしきい値と比較するものもある。その場合しきい値を上回る値はスプーフ・アタックを示すことになる。このような実施形態のなかには、TAに関連する個々の特定の休止状態エンドノードに対する上記処理を別個に実行するものもある。また、実施形態のなかには、TAが、特定のエンドノードに対する個々の所在位置更新要求信号の受信および処理時に推定値の再計算を行って、新たな推定値をしきい値と比較するものもある。指数的重み付き移動平均などの種々の周知のアルゴリズムを用いることにより、少数のサンプル値によって極端な影響を受けることのない推定値の計算が可能となるが、上記アルゴリズムによって、認証の失敗を示す有意のわずかな量(または比率)の変化のタイムリな表示が行われることになる。上記計算値が予め定めたしきい値を上回った場合、TAは、ログエントリの作成や、スプーフ・アタックに関する情報についての詳細な警報信号の送信などの何らかの規定の処理にとりかかり、および/または一時的に対応する休止状態エンドノードに対する後続の所在位置更新要求信号の処理を作動不能にすることになる。
【0080】
実施形態によっては、受信済みの所在位置更新要求信号の処理の一部として、TAが、認証の合格/失敗の表示を含む図5に描かれている信号508などの所在位置更新応答信号をLPAへ返すものもある。LPAは、対応する所在位置更新応答信号内のTAから受信した表示に基づいて特定の所在位置更新要求信号が認証に失敗した旨の判定を行うことができるし、実施形態によっては、LPAがそのような判定を行うものもある。このような実施形態のなかには、LPAが、1または2以上の休止状態エンドノードに対する認証に失敗するわずかの量(または比率)の所在位置更新要求信号の計算(測定または推定など)を行い、計算値を予め定めたしきい値と比較するものもある。その場合しきい値を上回る値はスプーフ・アタックを示すことになる。LPAは、LPAを介して所在位置更新要求信号を送信するすべての休止状態エンドノードなどの複数の休止状態エンドノードに対する総計を行う際に、上記処理を実行することができるし、実施形態によっては、LPAが上記処理を実行するものもある。また、実施形態のなかには、LPAが、個々の所在位置更新応答信号の受信および処理時に推定値の再計算を行って、新たな推定値をしきい値と比較するものもある。指数的重み付き移動平均などの種々の周知のアルゴリズムを用いることにより、少数のサンプル値によって極端な影響を受けることのない推定値の計算が可能となるが、上記アルゴリズムによって、認証の失敗を示す有意のわずかの量(または比率)の変化のタイムリな表示が行われることになる。上記計算値が予め定めたしきい値を上回った場合、LPAは、ログエントリの作成や、スプーフ・アタックに関する情報についての詳細な警報信号の送信などの何らかの規定の処理にとりかかり、および/または一時的に後続の所在位置更新要求信号の処理を作動不能にすることになる。
【0081】
上述のTAおよびLPA所在位置更新スプーフ検出/軽減の双方の技術を個々にあるいは一体として利用してもよいことに留意されたい。TAの検出/軽減技術が、特定の休止状態エンドノードでターゲットとするスプーフ・アタックの検出/軽減のためにより適していることが予想されるのに対して、LPAの検出/軽減の技術の方は、特定の悪意のあるエンドノードから発出するアタックの検出/軽減のためにより適したものとなることが予想される。
【0082】
所在位置履歴情報を利用するページングのロバスト性の改善
本発明の実施形態では、帯域幅の節減を優先する場合などに、図5に描かれている信号504などの休止状態エンドノードが送信する所在位置更新要求信号が認証情報を含まない(または弱い認証情報しか含まない)ものもある。しかし、認証を受けていない(または弱い認証しか受けていない)所在位置更新要求シグナリングを有する所在位置トラッキング・ページングシステムは、合法的休止状態のエンドノードの到達性に影響を与え得るスプーフ・アタックを受け易い可能性がある。所在位置更新要求信号内の或るタイプのエラーも休止状態エンドノードの到達性に影響を与える可能性がある。実施形態によっては、所在位置トラッキング・ページングシステムのロバスト性の改善を図るために以下の処理を採用して、所在位置更新スプーフ・アタックに対する抵抗を追加するようにするものもある。
【0083】
報告済みの最後の所在位置領域/ページング領域などの休止状態エンドノードの現在の所在位置の表示の保持、アクセスノード、セル、セクタおよび/またはLPAの保持に加えて、TAもまた休止状態エンドノードに関係する所在位置履歴を保持するようにする。本発明の1つの実施形態では、所在位置履歴は、報告済みの所在位置領域/ページング領域、アクセスノード、セル、セクタおよび/またはLPAのリストなどの報告済みの所在位置のリストの形で保持される。このリストは、実施形態によっては、報告済みの所在位置情報を受信したソート順の表示を含むものもある。APAが特定の休止状態エンドノードに対するページングプロセスを開始すると、APAはTAから所在位置履歴情報を取得し、この情報を利用して、例えば図6に描かれているように、1または2以上のLPAへ向けてページ要求シグナリングの送信を行う。探索アルゴリズムなどの種々の異なる戦略を用いて、所在位置履歴に基づいてLPAへ向けてページ要求シグナリングの送信を行うことも可能である。本発明の実施形態によっては、APAは最も新しく報告された、TAが保持している所在位置情報に関連するLPAへ向けて最初にページ・シグナリングを送信するものもある。次いで、待ち時間用タイマの期限が切れたときなどに、最も新しく報告された所在位置情報に関連するLPAから肯定のページ応答信号が受信されなければ、APAは前回報告された所在位置情報に関連するLPAへ向けてページ要求シグナリングの送信を行うことになる。
【0084】
実施形態によっては、TAが最も新しく報告されたN個の所在位置の順序づけられたリストを保持するものもある。但しNは、TAおよび/または休止状態エンドノードにとって既知の規定のシステム構成パラメータなどの整数である。休止状態エンドノードに関連する前回報告された所在位置のリストは、エンドノードが休止状態モードへ移行した時点におけるエンドノードの所在位置を示す単一のエントリから始まる。有効な所在位置更新要求を受信すると、TAは、後続するリストエントリの追加、削除および/またはリオーダを行う。以下の説明はリストの“頭部”が最も新しい所在位置情報を示し、リストの“末尾”が最も古い所在位置情報を示すことを想定したものであることに留意されたい。代替実現例は容易に明白であることが望ましい。TAがリスト内にすでに存在する所在位置を示す有効な所在位置更新要求を受信する場合、リストは報告済みの所在位置がリストの頭部に配置されるようにリオーダされる(これは所在位置が最新のものであることを示す)が、リスト内のエントリの数は変らない状態のまま残っている。TAがリスト内にすでに存在しない所在位置を示す有効な所在位置更新要求を受信した場合、報告済みの所在位置がリストの頭部に追加される(これは所在位置が最新のものであることを示す)。新しく報告された所在位置の追加によって、リストのサイズがNを越えてN+1以上に増加した場合、リストの末尾に在る(これは最も古い所在位置を示す)所在位置エントリは削除され、N個以内のエントリにリストサイズが保持されることになる。
【0085】
代替実施形態によっては、TAが最も新しいN個の報告済みの所在位置の順序づけられたリストを保持するものもある。但しNは、TAおよび/または休止状態エンドノードにとって既知の規定のシステム構成パラメータなどの整数であり、リストがN個のエントリに達するとすぐに、休止状態エンドノードがさらに強い認証情報を提供するまで、後続する所在位置更新要求を受け付けなくなる。例えば、TAが所在位置更新要求信号を受信し、N個のエントリがすでにリストに含まれている場合、TAは、所在位置更新応答を返さない(これは所在位置更新の失敗を暗黙のうちに示す)か、否定の所在位置更新応答を返すかのいずれかを行って、最大数の認証を受けていない(または弱い認証を受けた)所在位置更新要求が受信され、処理されたことを示すことになる。待ち時間用タイマの期限切れや否定の所在位置更新応答の受信を行う場合などの、所在位置更新処理手順が失敗した旨の判定を行う際に、休止状態エンドノードはアクティブノードへ戻り、認証、認可、登録、アドレス割当ておよび/またはエージェント割当てなどの種々の制御操作にとりかかる。何らかの必要な制御操作に従って、エンドノードは元の休止状態の動作モードへ移行することができる。実施形態によってはエンドノードがこのような移行を行うものもある。
【0086】
変形例
本発明の実施形態によってはノード間での通信が、すべてまたは部分的にインターネットプロトコル(IP)に基づいて行われるものもある。したがって、ネットワークノード間でのデータシグナリングおよび/または制御シグナリングの双方の通信はデータグラムなどのIPパケットを利用することが可能となる。IPパケットを利用する本発明の実施形態では、ユニキャストまたはマルチキャストアドレスメカニズムのいずれかのメカニズムおよび配信メカニズムを利用して、意図する宛先ノードへ前記IPパケットの配信を行うことも可能である。IPマルチキャストの利用は、1つのノードから複数の別のノードへ同じ情報を送信する場合特に有用である。本発明の実施形態によっては、1セットのアクセスノードやLPAなどの複数のノードをターゲットとするページ要求信号であって、APAから送信されるページ要求信号の配信を行うためにIPマルチキャストを利用するものもある。ユニキャスト配信を利用して複数のターゲット対象ノードへパケットペイロードデータなどの同じ情報を送信するケースでは、情報のコピーを含む別々のIPパケットがソースノードによって個々のターゲット対象ノードへ送信される。或いは、マルチキャスト配信を利用して複数のターゲット対象ノードへ同じ情報を送信する場合、上記情報を含む単一のIPパケットがソースノードおよびネットワークノードによって送信され、個々のターゲット対象ノードへの配信に必要な形でパケットの複製が行われる。したがって、IPマルチキャストはソースノードから1グループの宛先ノードへのさらに効率的な情報の配信方法を提供することになる。
【0087】
本発明の種々の特徴はモジュールを用いて実現される。このようなモジュールは、ソフトウェア、ハードウェアあるいはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせを用いて実現可能である。上記説明した方法あるいは方法ステップの多くは、上記説明した方法のすべてまたは一部を実行する追加ハードウェアを備えた、あるいは、このような追加ハードウェアを備えていない汎用コンピュータなどのマシーンを制御するための、RAM、フロッピー(登録商標)ディスクなどのようなメモリデバイスなどの機械可読媒体に含まれるソフトウェアなどの機械で実行可能な命令を用いて実行可能である。これに応じて、特に、本発明はプロセッサおよび関連するハードウェアなどのマシーンに上記記載の方法のうちの1または2以上のステップを実行させるための機械で実行可能な命令を含む機械可読媒体を対象とするものである。
【0088】
本発明の上記説明に照らして考慮するとき、本発明の方法および装置に対する多数の追加の変形例は当業者にとって明白である。このような変形例は本発明の範囲に属するものと考えられる。本発明の方法および装置は、符号分割多元接続(CDMA)、直交周波数分割多元(OFDM)、あるいは、移動ノードとアクセスノード間での無線通信リンクの提供のために利用することができる種々の別のタイプの通信技術と共に利用することが可能であり、種々の実施形態では、本発明の方法および装置のような利用が行われている。実施形態によっては、OFDMおよび/またはCDMAを用いて移動ノードと通信リンクとを確立する基地局としてアクセスノードを実現するものもある。種々の実施形態では、本発明の方法を実現するためのノートブック型コンピュータ、個人用情報機器(PDA)あるいは受信装置/送信装置回路並びに論理回路および/またはルーチンを備えた別の携帯用デバイスとして移動ノードが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の例示の通信システムのネットワーク結線図を示す。
【図2】本発明に準拠して実現される例示のエンドノードを示す。
【図3】本発明に準拠して実現される例示のアクセスノードを示す。
【図4】休止状態ではあるが、まだページングが可能な動作モードの中へエンドノードが移行するとき、本発明に準拠して行われるシグナリングを例示する。
【図5】エンドノードがその所在位置情報を更新するとき、本発明に準拠して行われるシグナリングを例示する。
【図6】エンドノードのページングが行われるとき、本発明に準拠して行われるシグナリングを例示する。
【図7】本発明に準拠して、認証済みの所在位置更新を生成するための例示のエンドノード処理手順を示す。
【図8】本発明に準拠して、認証済みの所在位置更新をリレーするための例示のローカルなページングエージェントによる処理手順を示す。
【図9】本発明に準拠して認証済みの所在位置更新を検証するための例示のトラッキングエージェントによる処理手順を示す。
【符号の説明】
【0090】
102 ネットワーク
104 アプリケーションサーバノード
106 セッション・シグナリングサーバノード
108 移動性エージェントノード
110 ノード
112 ノード
138 セル
148 セル
158 セル
200 エンドノードX
300 アクセスノード
300’アクセスノード
300”アクセスノード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動ノードの所在位置を示す所在位置情報の更新方法であって、
第1のノードにおいて所在位置更新エージェントを作動させて、前記移動ノードを特定する移動ノード識別子を含む信号を受信することと、
前記所在位置更新エージェントを作動させて、前記移動ノードへ向けられた所在位置更新信号を送信することと、を備える方法。
【請求項2】
所在位置更新信号を送信することが、移動ノード識別子を含む前記信号を受信した起点の通信路とは異なる通信路を介して前記信号を送信することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記移動ノード識別子が前記移動ノードに対応するIPアドレスであり、
前記所在位置更新信号が、前記移動ノード識別子と同じ宛先IPアドレスを有するIPメッセージである方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、所在位置更新信号を送信するために前記所在位置更新エージェントを作動させることが、
移動ノードの所在位置情報を前記所在位置更新信号の中に組み込むことを備える方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記移動ノードへ向けられた前記所在位置更新信号を受信するために、トラッキングエージェントを備えた追加ノードを作動させることであって、前記追加ノードは前記所在位置更新信号が向けられた通信路に存在することをさらに含む方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記所在位置更新信号から得られる情報を利用して、格納済みの移動ノードの所在位置情報を更新するために前記トラッキングエージェントを作動させることをさらに備える方法。
【請求項7】
前記所在位置更新エージェントと、前記移動ノードとのうちの少なくとも一方へ所在位置更新応答メッセージを送信することにより、前記追加ノードが前記受信された所在位置更新信号に応答する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記所在位置更新エージェントを作動させて、前記所在位置更新応答メッセージを受信するとともに、確認応答を前記移動ノードへ送信することであって、移動ノード識別子を含む前記受信信号との予め選択した送信関係に従って、前記確認応答を送信する、ことをさらに備える方法。
【請求項9】
前記予め選択した送信関係が固定されたタイミング関係であり、前記受信信号を受信した時刻から得られる固定時刻に前記確認応答を送信する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記所在位置更新信号とは異なる通信路を介して前記所在位置更新応答メッセージを送信する請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記所在位置更新信号が前記移動ノードへアドレス指定される請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記所在位置更新信号が、前記移動ノードへアドレス指定されたインターネットプロトコルメッセージである請求項5に記載の方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、トラッキングエージェントを備えた追加ノードを作動させて、前記所在位置更新信号を受信することが、
前記トラッキングエージェントを作動させて、複数のインターネットプロトコルメッセージの各々の中の少なくとも1つのフィールドをチェックすることと、
所在位置更新メッセージを示す値を前記フィールド内に含むインターネットプロトコルメッセージを傍受することと、を含む方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、
中間ノードを作動させて、前記第1のノードと前記追加ノードとの間で前記所在位置更新信号の経路指定を行うことをさらに含む方法。
【請求項15】
前記移動ノードへアドレス指定されたパケットを再指向させる役割を果たすモバイルIPホームエージェントを前記中間ノードが備えた請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記追加ノードは、前記トラッキングエージェントに加えてモバイルIP異種エージェントを備えた請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、
前記移動ノード識別子がハードウェア識別子であり、
前記所在位置更新信号が、前記ハードウェア識別子の関数である宛先アドレスを有するIPメッセージである方法。
【請求項18】
前記宛先アドレスが前記ハードウェア識別子と1対1の対応付けを有する請求項17に記載の方法。
【請求項19】
通信システムであって、
第1のノードであって、
移動ノードを特定する移動ノード識別子を含む信号を受信する受信装置と、
前記信号を受信する前記受信装置に応答して、前記移動ノードへ向けられた所在位置更新信号を送信する所在位置更新エージェントとを具備する第1のノードを備えた通信システム。
【請求項20】
請求項19に記載のシステムであって、
前記移動ノード識別子が前記移動ノードに対応するIPアドレスであり、
前記所在位置更新信号が、前記移動ノード識別子と同じ宛先アドレスを有するIPメッセージであるシステム。
【請求項21】
前記所在位置更新エージェントは、
移動ノードの所在位置情報を前記所在位置更新信号の中に組み込む手段を備えた請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
請求項19に記載のシステムであって、
前記第1のノードと接続された追加ノードであって、前記追加ノードは前記所在位置更新信号が向けられた通信路上に存在し、かつ、前記移動ノードへ向けられた前記所在位置更新信号を受信するトラッキングエージェントを含む、追加ノード
をさらに備えたシステム。
【請求項23】
請求項22に記載のシステムであって、前記トラッキングエージェントが、
前記所在位置更新信号から得られる情報を利用して、格納済みの移動ノードの所在位置情報を更新する手段を備えたシステム。
【請求項24】
請求項23に記載のシステムであって、前記追加ノードが、
前記所在位置更新メッセージの受信に応答して、前記所在位置更新エージェントと前記移動ノードとのうちの少なくとも一方へ所在位置更新応答メッセージを送信する手段を備えたシステム。
【請求項25】
請求項24に記載のシステムであって、前記第1のノード内の前記所在位置更新エージェントが、
前記所在位置更新応答メッセージを受信する手段と、
前記移動ノードへ確認応答を送信する手段であって、移動ノード識別子を含む前記受信信号との予め選択した送信関係に従って前記確認応答を送信する手段と、を備えたシステム。
【請求項26】
請求項22に記載のシステムであって、
前記第1のノードと前記追加ノードとの間で前記所在位置更新信号の経路指定を行う手段を備えた中間ノードをさらに備えたシステム。
【請求項27】
前記中間ノードは、前記移動ノードへアドレス指定されたIPメッセージを再指向させる役割を果たすモバイルIPホームエージェントを備えた請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記追加ノードが、前記トラッキングエージェントに加えてモバイルIP異種エージェントを備えた請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記移動ノードをさらに備えた請求項28に記載のシステムであって、前記移動ノードが、前記移動ノードに格納されたセキュリティ保護キーと、前記移動ノードと前記第1のノードの双方のノードにとって既知の情報との双方から認証符号を計算する手段を備え、さらに、前記移動ノード識別子を含む前記信号の中に前記認証符号が含まれるシステムにおいて、
前記第1のノードが、
移動ノード識別子を含む前記信号の属性から前記既知の情報を確定する手段をさらに備えたシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−147150(P2011−147150A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−32130(P2011−32130)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【分割の表示】特願2006−503426(P2006−503426)の分割
【原出願日】平成16年2月9日(2004.2.9)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】