説明

移動体位置測位装置

【課題】移動体が停止している状況下で、衛星信号の搬送波位相の計測結果を用いずに別の手段により擬似距離変化量を推定して、擬似距離のフィルタリングを可能とする。
【解決手段】本発明による移動体位置測位装置1,2,3は、衛星10と車両90の間の擬似距離ρ’を算出する擬似距離算出手段20A,20Bと、移動体が停止したか否かを判定する停止判定手段70と、衛星の位置を算出する衛星位置算出手段60と、擬似距離変化量Δρを推定する擬似距離変化量推定手段50A,50B,50Cと、擬似距離と擬似距離変化量とに基づいて、移動体の位置を測位する測位手段40とを備え、前記擬似距離変化量推定手段は、前記停止判定手段により移動体の停止が判定された場合に、前記衛星位置算出手段により算出される衛星の位置の変化履歴を用いて、前記擬似距離変化量を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛星信号に基づいて移動体の位置を測位する移動体位置測位装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の移動体位置測位装置において、GPS衛星信号に含まれるPNコードに基づいてGPS衛星信号からの擬似距離を算出する手段と、GPS衛星信号からの衛星信号の搬送波のドップラー成分を所定時点から積算することで当該時点からの擬似距離の変化量を算出する手段とを備え、それぞれ算出した擬似距離と擬似距離変化量との差分を求め、当該差分にフィルタをかけることで擬似距離の高周波揺らぎを取り除く技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種のフィルタリングは、いわゆるキャリアスムージングとして知られている。
【特許文献1】特開平7−198821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、安価なGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機では、衛星信号の搬送波位相を測定する機能を省いているため、GPS衛星信号からの衛星信号の搬送波のドップラー成分から、フィルタリング(スムージング)に用いる擬似距離変化量を算出することができない。従って、かかる安価なGNSS受信機において、別の手段により擬似距離変化量を算出して、擬似距離のフィルタリングを行うことができれば、測位精度を高めることができるので、有用である。また、衛星信号の搬送波位相を測定する機能を備えるGNSS受信機においても、移動体に搭載される場合には周囲環境等に依存してドップラー成分の測定精度が悪化する場合があるので、衛星信号の搬送波位相の計測結果以外の別の手段により擬似距離変化量を算出して、擬似距離のフィルタリングを可能にしておくことは有用である。
【0004】
また、特に移動体が停止している状態では、移動体が停止していることを利用することで、衛星信号の搬送波位相の計測結果から擬似距離変化量を算出するよりも、誤差の少ない態様で、擬似距離変化量を算出することが可能である(これにより、ひいては擬似距離及び測位結果の精度が向上する)。
【0005】
そこで、本発明は、移動体が停止している状況下で、衛星信号の搬送波位相の計測結果を用いずに別の手段により擬似距離変化量を推定して、擬似距離のフィルタリングを可能とする移動体位置測位装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、第1の発明に係る移動体位置測位装置は、受信した衛星信号に基づいて衛星と移動体の間の擬似距離を算出する擬似距離算出手段と、
移動体が停止したか否かを判定する停止判定手段と、
前記衛星信号の発信元の衛星の位置を算出する衛星位置算出手段と、
擬似距離変化量を推定する擬似距離変化量推定手段と、
前記擬似距離算出手段により算出された擬似距離と、前記擬似距離変化量推定手段により推定された擬似距離変化量とに基づいて、移動体の位置を測位する測位手段とを備え、
前記擬似距離変化量推定手段は、前記停止判定手段により移動体の停止が判定された場合に、前記衛星位置算出手段により算出される衛星の位置の変化履歴を用いて、前記擬似距離変化量を推定することを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、第1の発明に係る移動体位置測位装置において、
前記擬似距離変化量推定手段は、前記停止判定手段により移動体が停止していないと判定された場合に、前記移動体の移動ベクトルを用いて、前記擬似距離変化量を推定することを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、第2の発明に係る移動体位置測位装置において、
前記移動体の移動ベクトルは、移動体に搭載されたセンサにより検出される移動体の姿勢と移動量に関連する情報、又は、衛星信号の搬送波のドップラー周波数変化量に基づいて算出されることを特徴とする。
【0009】
第4の発明は、第1〜3のいずれかの発明に係る移動体位置測位装置において、
前記擬似距離変化量推定手段は、前記停止判定手段により移動体の停止が判定された場合に、前記衛星位置算出手段により算出される衛星の位置の変化履歴に基づいて導出される衛星の移動ベクトルと、前記衛星位置算出手段により算出される衛星の位置及び前記測位手段により測位される移動体の位置に基づいて導出される移動体に対する衛星の位置ベクトルとの内積を、前記擬似距離変化量として推定することを特徴とする。
【0010】
第5の発明は、第1〜4のいずれかの発明に係る移動体位置測位装置において、
前記擬似距離変化量推定手段により推定された擬似距離変化量を用いて、前記擬似距離算出手段により算出された擬似距離にフィルタをかけるフィルタ手段を更に備え、
前記測位手段は、前記フィルタ手段によりフィルタがかけられた擬似距離に基づいて、移動体の位置を測位することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、移動体が停止している状況下で、衛星信号の搬送波位相の計測結果を用いずに別の手段により擬似距離変化量を推定して、擬似距離のフィルタリングを可能とする移動体位置測位装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明に係る移動体位置測位装置が適用されるGPS(Global Positioning System)の全体的な構成を示すシステム構成図である。図1に示すように、GPSは、地球周りを周回するGPS衛星10と、地球上に位置し地球上を移動しうる車両90とから構成される。尚、車両90は、あくまで移動体の一例であり、その他の移動体としては、自動二輪車、鉄道、船舶、航空機、ホークリフト、ロボットや、人の移動に伴い移動する携帯電話等の情報端末等がありうる。
【0014】
GPS衛星10は、航法メッセージ(衛星信号)を地球に向けて常時放送する。航法メッセージには、対応するGPS衛星10に関する衛星軌道情報(エフェメリスやアルマナク)、時計の補正値、電離層の補正係数が含まれている。航法メッセージは、C/Aコードにより拡散されL1波(周波数:1575.42MHz)に乗せられて、地球に向けて常時放送されている。尚、L1波は、C/Aコードで変調されたSin波とPコード(Precision Code)で変調されたCos波の合成波であり、直交変調されている。C/Aコード及びPコードは、擬似雑音(Pseudo Noise)符号であり、−1と1が不規則に周期的に並ぶ符号列である。
【0015】
尚、現在、24個のGPS衛星10が高度約20,000kmの上空で地球を一周しており、各4個のGPS衛星10が55度ずつ傾いた6つの地球周回軌道面に均等に配置されている。従って、天空が開けている場所であれば、地球上のどの場所にいても、常時、少なくとも5個以上のGPS衛星10が観測可能である。
【0016】
車両90には、移動体位置測位装置としてのGPS受信機1が搭載される。GPS受信機1は、以下で詳説する如く、GPS衛星10からの衛星信号に基づいて、車両90の位置を測位する。
【0017】
図2は、図1の車両90に搭載されるGPS受信機1の一実施例を示す概略的なシステム構成図である。図2には、説明の複雑化を避けるため、GPS衛星10(下付きの符号は、衛星番号)が1つだけ示されている。ここでは、GPS衛星10からの衛星信号に関する信号処理について代表して説明する。GPS衛星10からの衛星信号に関する信号処理は、他のGPS衛星10,10等からの衛星信号に関する信号処理と実質的に同じである。
【0018】
本実施例のGPS受信機1は、図2に示すように、主要な機能部として、受信部20A、フィルタ30、測位演算部40、擬似距離変化量推定部50A、衛星位置算出部60、及び、停止判定部70を備える。
【0019】
受信部20Aは、GPS衛星10から発信されている衛星信号をGPSアンテナ22を介して受信し、内部で発生させたレプリカC/Aコードを用いてC/Aコード同期を行い、航法メッセージを取り出すと共に、GPS衛星10と車両90(正確にはGPS受信機1)との間の擬似距離ρ’を算出する。擬似距離ρ’とは、GPS衛星10と車両90との間の真の距離とは異なり、時計誤差(クロックバイアス)や電波伝搬速度変化による誤差を含む。C/Aコード同期の方法は、多種多様でありえ、任意の適切な方法が採用されてよい。例えば、DDL(Delay―Locked Loop)を用いて、受信したC/Aコードに対するレプリカC/Aコードの相関値がピークとなるコード位相を追尾する方法であってよい。尚、符号の意味として、擬似距離ρに付された「’」は、後述のフィルタ処理が実行されていないことを示す。
【0020】
ここで、GPS衛星10に対する擬似距離ρ’は、例えば以下のように算出されてよい。
ρ’=N×300
ここで、Nは、GPS衛星10と車両90との間のC/Aコードのビット数に相当し、レプリカC/Aコードの位相及びGPS受信機1内部の受信機時計に基づいて算出される。尚、数値300は、C/Aコードが、1ビットの長さが1μsであり、1ビットに相当する長さが約300m(1μs×光速)であることに由来する。このようにして算出された擬似距離ρ’を表す信号は、フィルタ30に入力される。
【0021】
擬似距離変化量推定部50Aは、観測周期間の擬似距離変化量Δρ(観測周期間の車両90に対するGPS衛星10の相対移動量に相当)を推定する。推定方法の詳細については後述する。
【0022】
フィルタ30では、擬似距離変化量推定部50Aにより推定される擬似距離変化量Δρを用いて、擬似距離ρ’のフィルタ処理が実行される。フィルタ30では、例えば以下の演算式に従って、フィルタ処理後の擬似距離ρが導出される。
【0023】
【数1】

ここで、(i)は今回値を表し、(i−1)は前回値を表し、Mは、重み係数である。Mの値は、精度と応答性を考慮しつつ適切に決定される。ΔVの時間積分の項は、観測周期間の擬似距離変化量に相当し、上述の如く擬似距離変化量推定部50Aにより推定される擬似距離変化量Δρが代入されることになる、尚、フィルタ30でのフィルタリング(スムージング)は、上述のハッチフィルタ以外のフィルタ、例えばカルマンフィルタを用いて実現することも可能である。フィルタ処理後の擬似距離ρを表す信号は、測位演算部40に入力される。
【0024】
衛星位置算出部60は、航法メッセージの衛星軌道情報及び現在の時間に基づいて、GPS衛星10の、ワールド座標系での現在位置(X、Y、Z)を計算する。尚、GPS衛星10は、人工衛星の1つであるので、その運動は、地球重心を含む一定面内(軌道面)に限定される。また、GPS衛星10の軌道は地球重心を1つの焦点とする楕円運動であり、ケプラーの方程式を逐次数値計算することで、軌道面上でのGPS衛星10の位置が計算できる。また、GPS衛星10の位置(X、Y、Z)は、GPS衛星10の軌道面とワールド座標系の赤道面が回転関係にあることを考慮して、軌道面上でのGPS衛星10の位置を3次元的な回転座標変換することで得られる。尚、ワールド座標系とは、図3に示すように、地球重心を原点として、赤道面内で互いに直交するX軸及びY軸、並びに、この両軸に直交するZ軸により定義される。衛星位置(X、Y、Z)を表す信号は、測位演算部40及び擬似距離変化量推定部50Aに入力される。
【0025】
測位演算部40は、衛星位置の算出結果と、フィルタ30から供給される擬似距離ρの算出結果に基づいて、車両90の位置(X,Y,Z)を測位する。測位の演算周期は、例えば観測周期(例えば1ms)或いは所定数の観測周期(例えば50msや100ms)であってよい。測位結果は、擬似距離変化量推定部50Aに供給されると共に、例えばナビゲーションシステムに供給される。車両90の位置は、3つのGPS衛星10に対して得られるそれぞれの擬似距離ρ及び衛星位置を用いて、三角測量の原理で導出されてよい。この場合、擬似距離ρは上述の如く時計誤差を含むので、4つ目のGPS衛星10に対して得られる擬似距離ρ及び衛星位置を用いて、時計誤差成分が除去される。尚、車両90の位置の測位方法としては、上述のような単独測位に限られず、干渉測位(既知の点に設置された固定局での受信データを併用する方式)であってもよい。干渉測位の場合、上述の如く固定局及び車両90にてそれぞれ得られる擬似距離ρの一重位相差や2重位相差等を用いて車両90の位置が測位されることになる。
【0026】
停止判定部70は、車輪速センサの出力信号に基づいて、車両90が停止しているか否かを判定する。具体的には、停止判定部70は、車輪速センサの出力値(車速)に基づく指標値が所定閾値を下回った場合に、車両90が停止していると判定する。指標値は、例えば、車速であってもよいし、車速を時間積分したものであってもよい。所定閾値は、車両停止時と移動時の指標値の特性に応じて実験的に適合されてよい。車輪速センサは、車両90の各輪に搭載され、車輪の回転速度に応じた車速パルスを出力するものであってよい。この場合、停止判定部70は、四輪全ての車輪速センサの出力信号に基づいて判定してもよいし、何れかの車輪速センサの出力信号に基づいて判定してもよい。また、停止判定部70は、車輪速センサに代えて若しくはそれに加えて、トランスミッションの出力軸の回転数を測定するセンサ等のような、車速に関連する物理量を出力できる他の車載センサを用いて、車両90が停止しているか否かを判定してもよい。或いは、停止判定部70は、測位演算部40から取得可能な測位結果に基づいて、車両90が停止しているか否かを判定してもよい。具体的には、停止判定部70は、車両90の位置情報に基づく指標値が所定閾値を下回った場合に、車両90が停止していると判定する。指標値は、例えば、測位演算部40の測位結果に基づく車両位置の時間変化(即ち車両90の速度)であってもよいし、それを時間積分したものであってもよい。所定閾値は、車両停止時と移動時の指標値の特性に応じて実験的に適合されてよい。或いは、停止判定部70は、加速度センサ及びヨーレートセンサの出力信号に基づいて、車両90が停止しているか否かを判定してもよい。具体的には、停止判定部70は、加速度センサ及びヨーレートセンサのそれぞれの出力値を時間微分し、当該それぞれの微分値が、それぞれに対して設定された閾値を下回った場合に、車両90が停止していると判定する。尚、加速度センサ及びヨーレートセンサは、好ましくは、互いに直交する3軸に沿った加速度、及び、3軸まわりのヨーレートを検出する。この場合、6種類の出力値の微分値(指標値)が、それぞれ別々に、それぞれに対して設定された閾値と比較されることになる。この場合、停止判定部70は、6種類の出力値の微分値が全て、それぞれに対して設定された各閾値を下回った場合に、車両90が停止していると判定する。各閾値は、車両停止時と移動時の各指標値(微分値)の特性の相違に応じて実験的に適合されてよい。或いは、停止判定部70は、上述の3種類の判定方法の全て若しくは任意の2つの組み合わせの判定結果をアンド条件として、車両90が停止しているか否かを判定してもよい。
【0027】
停止判定部70による判定結果は、擬似距離変化量推定部50Aに供給される。例えば、停止判定部70による判定結果は、停止/移動フラグで表現されてもよい。具体的には、停止判定部70は、車両90が停止していると判定した場合、例えば、停止/移動フラグを立てる。一方、車両90が停止していないと判定した場合、停止/移動フラグを降ろす。この停止/移動フラグの状態は、擬似距離変化量推定部50Aにより参照されることになる。
【0028】
次に、図4を参照して、擬似距離変化量推定部50Aによる擬似距離変化量推定処理について説明する。図4は、擬似距離変化量推定部50Aによる擬似距離変化量推定処理の一例の要部を示すフローチャートである。図4に示す処理ルーチンは、所定周期毎(例えば、測位演算部40の測位の演算周期毎)に繰り返し実行されてよい。
【0029】
ステップ100では、擬似距離変化量推定部50Aは、停止判定部70による判定結果を取得する。
【0030】
ステップ110では、擬似距離変化量推定部50Aは、衛星位置算出部60からの衛星位置情報に基づいて、GPS衛星10の移動ベクトルを算出すると共に、衛星位置算出部60からの衛星位置情報及び測位演算部40からの車両90の位置情報に基づいて、車両90の位置を基準としたGPS衛星10の位置ベクトル(以下、「視線ベクトル」と称する)を算出する。具体的には、GPS衛星10の移動ベクトルは、今回周期で得られるGPS衛星10の位置(X(i)、Y(i)、Z(i))から、前回周期で得られるGPS衛星10の位置(X(i−1)、Y(i−1)、Z(i−1))を差し引くことで導出されてもよい。また、視線ベクトルは、今回周期で得られるGPS衛星10の位置(X(i)、Y(i)、Z(i))から、前回周期で得られる車両90の位置(X(i−1),Y(i−1),Z(i−1))を差し引くことで導出されてもよい。尚、移動ベクトルは、衛星位置算出部60にて算出されてもよい。また、ステップ100と110の処理順序は逆であってもよい。
【0031】
ステップ120では、擬似距離変化量推定部50Aは、停止判定部70による判定結果(停止/移動フラグの状態)に基づいて、車両90が停止しているか否かを判定する。停止判定部70により車両90が停止していると判定されている場合には、ステップ140に進み、それ以外の場合には、ステップ130に進む。
【0032】
ステップ130では、擬似距離変化量推定部50Aは、擬似距離変化量Δρを推定しない。即ち、停止判定部70により車両90が停止していないと判定されている間には、擬似距離変化量推定部50Aにより擬似距離変化量Δρが推定されない。この場合、上述のフィルタ30の機能は実質的に停止した状態となる。即ち、測位演算部40は、受信部20Aからの擬似距離ρ’を直接用いて測位を実行する。
【0033】
ステップ140では、擬似距離変化量推定部50Aは、上記のステップ110から得られるGPS衛星10の移動ベクトルと視線ベクトルとを用いて、擬似距離変化量Δρを推定する。具体的には、擬似距離変化量Δρは、移動ベクトルと視線ベクトルとの内積により導出されてよい。尚、視線ベクトルは、上述の如く前回周期で得られる車両90の位置を用いているが、車両90が停止した状態のときは、今回周期で得られるべき車両90の位置は、前回周期で得られる車両90の位置と同一であるとみなすことができるので不都合はない。或いは、擬似距離変化量推定部50Aは、今回周期での視線ベクトルの大きさL(i)から前回周期での視線ベクトルの大きさL(i−1)を差し引いて得られる差分値(=L(i)−L(i−1))を、擬似距離変化量Δρとして推定してもよい。この場合、今回周期での視線ベクトルの大きさL(i)は、車両90が停止していることを利用して、今回周期で得られるGPS衛星10の位置(X(i)、Y(i)、Z(i))から、前回周期で得られる車両90の位置(X(i−1),Y(i−1),Z(i−1))を差し引いて得られるベクトルの大きさを求めることで、導出されてよい。同様に、前回周期での視線ベクトルの大きさL(i−1)は、前回周期で得られるGPS衛星10の位置(X(i−1)、Y(i−1)、Z(i−1))から、前回周期で得られる車両90の位置(X(i−1),Y(i−1),Z(i−1))を差し引いて得られるベクトルの大きさを求めることで、導出されてよい。このようにして推定された擬似距離変化量Δρは、上述の如くフィルタ30に入力され、擬似距離ρ’のスムージングに利用される。
【0034】
以上説明した実施例1による構成によれば、とりわけ、以下のような優れた効果が奏される。
【0035】
上述の如く、車両90の停止状態において擬似距離ρ’のスムージングを行うことで、車両90の停止状態における擬似距離ρの精度、ひいては車両90の位置の精度を高めることができる。また、擬似距離変化量Δρを衛星位置情報に基づいて推定するので、擬似距離ρ’のキャリアスムージングを行う際に必要なドップラー周波数変化量を導出する必要がなくなる。従って、衛星信号の搬送波位相を測定する機能を省いた安価なGPS受信機1を用いた場合であっても、車両90の停止状態において擬似距離ρ’のスムージングを行うことができる。
【実施例2】
【0036】
実施例2は、上述の実施例1に対して、車両90が移動状態にあるときと停止状態にあるときとで、擬似距離変化量Δρを異なる推定態様で推定する点が主に異なる。以下では、実施例2特有の構成について重点的に説明する。その他の構成については、上述の実施例1と同様であってよい。
【0037】
図5は、実施例2に係るGPS受信機2の要部構成を示す概略的なシステム構成図である。図5において、上述の実施例1と同様の構成については同一の参照符号が付されており、それらの説明は省略する。また、GPS衛星10からの衛星信号に関する信号処理について代表して説明する。
【0038】
受信部20Bは、GPS衛星10から発信されている衛星信号をGPSアンテナ22を介して受信し、内部で発生させたレプリカC/Aコードを用いてC/Aコード同期を行い、航法メッセージを取り出すと共に、GPS衛星10と車両90(正確にはGPS受信機2)との間の擬似距離ρ’を算出する。更に、受信部20Bは、衛星信号の搬送波位相を測定する機能を備え、内部で発生させたレプリカキャリアを用いて、ドップラーシフトした受信搬送波のドップラー周波数変化量Δfを測定する機能を備える。ドップラー周波数変化量Δfは、レプリカキャリアの周波数frと既知の搬送波周波数f(1575.42MHz)の差分(=fr−f)として測定される。この機能は、レプリカキャリアを用いてキャリア相関値を演算して受信キャリアを追尾するPLL(Phase−Locked Loop)により実現されてよい。ドップラー周波数変化量Δfを表す信号は、擬似距離変化量推定部50Bに入力される。
【0039】
図6は、実施例2に係る擬似距離変化量推定部50Bによる擬似距離変化量推定処理の一例の要部を示すフローチャートである。図6に示す処理ルーチンは、所定周期毎(例えば、測位の演算周期毎)に繰り返し実行されてよい。図6に示す処理のうち、上述の実施例1に係る図4に示す処理と同様の処理については、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
【0040】
ステップ150では、擬似距離変化量推定部50Bは、受信部20Bから得られるドップラー周波数変化量Δfに基づいて、擬似距離変化量Δρを推定する。例えば、ドップラー周波数変化量Δfに基づいて、GPS衛星10と車両90との間の相対速度ΔVが、例えば以下の関係式を用いて、算出される。
Δf=ΔV・f/(c−ΔV)
ここで、cは光速である。次いで、擬似距離変化量Δρは、相対速度ΔVを時間積分することにより導出される。積分期間は、処理ルーチンの周期に対応するものであってよい。このようにして推定された擬似距離変化量Δρは、上述の如くフィルタ30に入力され、上述の式1のΔVの時間積分の項に代入されることにより、擬似距離ρ’のスムージング(いわゆるキャリアスムージング)に利用される。
【0041】
以上説明した実施例1による構成によれば、とりわけ、以下のような優れた効果が奏される。
【0042】
車両90の停止状態では、上述の実施例1と同様の方法で、衛星位置情報に基づいて擬似距離変化量Δρを推定し、車両90の移動状態では、ドップラー周波数変化量Δfを用いて擬似距離変化量Δρを推定するので、車両90の移動/停止状態のいずれにおいても擬似距離ρ’のスムージングを行うことができる。これにより、車両90の移動/停止状態のいずれにおいても擬似距離ρの精度、ひいては車両90の位置の精度を高めることができる。
【0043】
また、車両90の停止状態では、衛星位置情報に基づいて推定した擬似距離変化量Δρを用いて擬似距離ρ’のスムージングを行うことで、車両90の移動状態及び停止状態の双方でドップラー周波数変化量Δfに基づいて推定した擬似距離変化量Δρを用いて擬似距離ρ’のスムージングを行う従来構成に比べて、車両90の停止状態における擬似距離ρの精度、ひいては車両90の位置の精度を高めることができる。これは、受信搬送波には、電離層の影響や自然界の存在する熱雑音、反射波等の影響によりノイズが乗りやすく、かかるノイズが、受信した衛星信号に含まれる場合には、ドップラー周波数変化量Δfの誤差が大きくなるからである。一方、衛星位置情報は、かかるノイズの影響を受けないので、衛星位置情報を用いた場合には擬似距離変化量Δρを精度良く推定することができる。このように、本実施例2では、車両90の停止状態と移動状態とで、擬似距離変化量Δρの推定方法を切り替えることで、車両90の状態に応じて精度良く擬似距離変化量Δρを推定することでき、この結果、擬似距離ρの精度、ひいては車両90の位置の精度を高めることができる。
【0044】
尚、本実施例2においては、以下のような変形例が考えられる。
【0045】
例えば、GPS衛星10と車両90との間の相対速度ΔVは、フィルタ30にて算出されて、数1で示したフィルタ式に導入されてもよい。
【実施例3】
【0046】
実施例3は、上述の実施例1に対して、車両90が移動状態にあるときと停止状態にあるときとで、擬似距離変化量Δρを異なる推定態様で推定する点が主に異なる。以下では、実施例3特有の構成について重点的に説明する。その他の構成については、上述の実施例1と同様であってよい。
【0047】
図7は、実施例3に係るGPS受信機3の要部構成を示す概略的なシステム構成図である。図7において、上述の実施例1と同様の構成については同一の参照符号が付されており、それらの説明は省略する。また、GPS衛星10からの衛星信号に関する信号処理について代表して説明する。
【0048】
GPS受信機3は、外部センサ80が接続される。外部センサ80は、GPS受信機3の外部に設けられるセンサであるが、GPS受信機3に内蔵されてもよい。外部センサ80は、車両90の移動量及び向き(方位)に関連する情報(以下、「車両情報」という)を取得するセンサであり、複数種のセンサの組み合わせであってよい。例えば、外部センサ80は、車両90の方位を検出する磁気インピーダンスセンサ(地磁気センサ)と、車両90の加速度を検出する加速度センサとの組み合わせであってよい。或いは、外部センサ80は、加速度センサと、車両90のヨー方向の速度(角速度)を検出するヨーレートセンサ(ジャイロセンサ)との組み合わせ(即ち、INSセンサ)であってもよい。外部センサ80からの車両情報は、所定周期毎に、擬似距離変化量推定部50Cに入力される。
【0049】
図8は、実施例3に係る擬似距離変化量推定部50Cによる擬似距離変化量推定処理の一例の要部を示すフローチャートである。図8に示す処理ルーチンは、所定周期毎(例えば、測位の演算周期毎)に繰り返し実行されてよい。図8に示す処理のうち、上述の実施例1に係る図4に示す処理と同様の処理については、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
【0050】
ステップ113では、擬似距離変化量推定部50Cは、外部センサ80からの車両情報に基づいて、車両90(正確にはGPS受信機3)の移動ベクトルを算出する。ここでは、移動ベクトルは、前回周期と今回周期間での移動ベクトルとする。この際、例えば、移動ベクトルの向きは、車両90の向き(例えば地磁気センサからの情報)に基づいて導出され、車両90の移動量(移動ベクトルの大きさ)は、加速度センサからの加速度信号(フィルタ後でもよい)を2回積分することで導出されてよい。尚、移動ベクトルは、外部センサ80側で算出され、擬似距離変化量推定部50Cにより取得されてもよい。
【0051】
ステップ115では、擬似距離変化量推定部50Cは、衛星位置算出部60からの衛星位置情報に基づいて、GPS衛星10の移動ベクトルを算出すると共に、衛星位置算出部60からの衛星位置情報及び測位演算部40からの車両90の位置情報に基づいて、視線ベクトルを算出する。具体的には、GPS衛星10の移動ベクトルは、今回周期で得られるGPS衛星10の位置(X(i)、Y(i)、Z(i))から、前回周期で得られるGPS衛星10の位置(X(i−1)、Y(i−1)、Z(i−1))を差し引くことで導出されてもよい。また、視線ベクトルは、今回周期で得られるGPS衛星10の位置(X(i)、Y(i)、Z(i))から、今回周期での車両90の推定位置(Xu推定(i),Yu推定(i),Zu推定(i))を差し引くことで導出されてもよい。推定位置(Xu推定(i),Yu推定(i),Zu推定(i))は、前回周期で得られる車両90の位置(X(i−1),Y(i−1),Z(i−1))又は同様の推定位置(Xu推定(i−1),Yu推定(i−1),Zu推定(i−1))と、前回周期から今回周期に至るまでの車両90の移動ベクトル(上記のステップ113の算出結果)に基づいて推定されてよい。
【0052】
尚、GPS衛星10の移動ベクトルは、衛星位置算出部60にて算出されてもよい。また、ステップ100,113、115の処理順序は任意であってもよい。
【0053】
ステップ160では、擬似距離変化量推定部50Cは、外部センサ80からの車両情報と衛星位置算出部60からの衛星位置情報に基づいて、擬似距離変化量Δρを推定する。具体的には、擬似距離変化量推定部50Cは、上記のステップ113で得られる車両90の移動ベクトルと、上記のステップ115から得られるGPS衛星10の移動ベクトルと視線ベクトルとを用いて、擬似距離変化量Δρを推定する。この場合、車両90の移動ベクトルとGPS衛星10の移動ベクトルとを用いて、車両90を基準としたGPS衛星10の相対移動ベクトルを求め、当該相対移動ベクトルと視線ベクトルとの内積を擬似距離変化量Δρとして算出してよい。或いは、擬似距離変化量推定部50Aは、今回周期での視線ベクトルの大きさL(i)から前回周期での視線ベクトルの大きさL(i−1)を差し引いて得られる差分値(=L(i)−L(i−1))を、擬似距離変化量Δρとして推定してもよい。この場合、今回周期での視線ベクトルの大きさL(i)は、今回周期で得られるGPS衛星10の位置(X(i)、Y(i)、Z(i))から、今回周期での車両90の推定位置(Xu推定(i),Yu推定(i),Zu推定(i))を差し引いて得られるベクトルの大きさを求めることで、導出されてよい。同様に、前回周期での視線ベクトルの大きさL(i−1)は、前回周期で得られるGPS衛星10の位置(X(i−1)、Y(i−1)、Z(i−1))から、前回周期での車両90の推定位置(Xu推定(i−1),Yu推定(i−1),Zu推定(i−1))を差し引いて得られるベクトルの大きさを求めることで、導出されてよい。このようにして推定された擬似距離変化量Δρは、上述の如くフィルタ30に入力され、上述の式1のΔVの時間積分の項に代入されることにより、擬似距離ρ’のスムージングに利用される。
【0054】
以上説明した実施例3による構成によれば、とりわけ、以下のような優れた効果が奏される。
【0055】
車両90の停止状態では、上述の実施例1と同様の方法で、衛星位置情報に基づいて擬似距離変化量Δρを推定し、車両90の移動状態では、外部センサ80からの車両情報等を用いて擬似距離変化量Δρを推定するので、車両90の移動/停止状態のいずれにおいても擬似距離ρ’のスムージングを行うことができる。これにより、車両90の移動/停止状態のいずれにおいても擬似距離ρの精度、ひいては車両90の位置の精度を高めることができる。
【0056】
また、上述の如く、車両90の移動状態における擬似距離変化量Δρを、外部センサ80からの車両情報等に基づいて推定するので、擬似距離ρ’のキャリアスムージングを行う際に必要なドップラー周波数変化量を導出する必要がなくなる。従って、衛星信号の搬送波位相を測定する機能を省いた安価なGPS受信機3を用いた場合であっても、車両90の移動状態において擬似距離ρ’のスムージングを行うことができる。
【0057】
また、上述の実施例2と同様、車両90の停止状態と移動状態とで、擬似距離変化量Δρの推定方法を切り替えることで、車両90の状態に応じて精度良く擬似距離変化量Δρを推定することでき、この結果、擬似距離ρの精度、ひいては車両90の位置の精度を高めることができる。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0059】
例えば、上述の実施例では、C/Aコードを用いて擬似距離ρ’を導出しているが、本発明は、L1波のPコード及び/又はL2波のPコードに基づいて、同様に、GPS衛星10に対する擬似距離ρ’を算出する構成にも適用可能である。尚、Pコードの場合、Wコードで暗号化されているので、Pコード同期を行う際に、クロス相関方式を利用したDLLにより、Pコードを取り出すこととしてよい。Pコードに基づく擬似距離ρ’は、GPS衛星10でPコードが0ビット目であるとしてPコードのMビット目が車両90にて受信されているかを計測することで、ρ’=M×30として求めることができる。
【0060】
また、上述の実施例では、GPSに本発明が適用された例を示したが、本発明は、GPS以下の衛星システム、例えばガリレオ等の他のGNSS(Global Navigation Satellite System)にも適用可能である。
【0061】
また、上述の実施例では、移動体位置測位装置がGPS受信機1,2,3により実現されているが、移動体位置測位装置は、GPS受信機1,2,3とそれに接続される他の電子部品とにより協働して実現されてもよい。
【0062】
また、上述の実施例2と実施例3とは、状況に応じて適切に組み合わせることも可能である。例えば、車両90が移動状態にある状況下で、電離層の活動が活発のとき(屈折誤差の増大が生じやすいとき)や、市街地に車両90が存在するとき(電波遮断や反射波の影響を受けて誤差が出やすい環境下に車両90が存在するとき)等のような、電波環境が悪いときには、上述の実施例3におけるステップ160の処理により擬似距離変化量Δρを推定し、逆に電波環境が良好な場合には、上述の実施例2におけるステップ150の処理により擬似距離変化量Δρを推定することとしてもよい。
【0063】
また、上述の実施例3において、車両90の移動量(移動ベクトルの大きさ)は、加速度センサからの加速度に代えて、車輪速センサの出力信号のような車速を表すパラメータを用いて導出されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る移動体位置測位装置が適用されるGPSの全体的な構成を示すシステム構成図である。
【図2】図1の車両90に搭載されるGPS受信機1の一実施例を示す概略的なシステム構成図である。
【図3】ワールド座標系とローカル座標系との関係を示す図である。
【図4】実施例1に係る擬似距離変化量推定部50Aによる擬似距離変化量推定処理の要部を示すフローチャートである。
【図5】実施例2に係るGPS受信機2の要部構成を示す概略的なシステム構成図である。
【図6】実施例2に係る擬似距離変化量推定部50Aによる擬似距離変化量推定処理の要部を示すフローチャートである。
【図7】実施例3に係るGPS受信機3の要部構成を示す概略的なシステム構成図である。
【図8】実施例3に係る擬似距離変化量推定部50Cによる擬似距離変化量推定処理の一例の要部を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1,2,3 GPS受信機
10 GPS衛星
20A,20B 受信部
30 フィルタ
40 測位演算部
50A,50B,50C 擬似距離変化量推定部
60 衛星位置算出部
70 停止判定部
80 外部センサ
90 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した衛星信号に基づいて衛星と移動体の間の擬似距離を算出する擬似距離算出手段と、
移動体が停止したか否かを判定する停止判定手段と、
前記衛星信号の発信元の衛星の位置を算出する衛星位置算出手段と、
擬似距離変化量を推定する擬似距離変化量推定手段と、
前記擬似距離算出手段により算出された擬似距離と、前記擬似距離変化量推定手段により推定された擬似距離変化量とに基づいて、移動体の位置を測位する測位手段とを備え、
前記擬似距離変化量推定手段は、前記停止判定手段により移動体の停止が判定された場合に、前記衛星位置算出手段により算出される衛星の位置の変化履歴を用いて、前記擬似距離変化量を推定することを特徴とする、移動体位置測位装置。
【請求項2】
前記擬似距離変化量推定手段は、前記停止判定手段により移動体が停止していないと判定された場合に、前記移動体の移動ベクトルを用いて、前記擬似距離変化量を推定する、請求項1に記載の移動体位置測位装置。
【請求項3】
前記移動体の移動ベクトルは、移動体に搭載されたセンサにより検出される移動体の姿勢と移動量に関連する情報、又は、衛星信号の搬送波のドップラー周波数変化量に基づいて算出される、請求項2に記載の移動体位置測位装置。
【請求項4】
前記擬似距離変化量推定手段は、前記停止判定手段により移動体の停止が判定された場合に、前記衛星位置算出手段により算出される衛星の位置の変化履歴に基づいて導出される衛星の移動ベクトルと、前記衛星位置算出手段により算出される衛星の位置及び前記測位手段により測位される移動体の位置に基づいて導出される移動体に対する衛星の位置ベクトルとの内積を、前記擬似距離変化量として推定する、請求項1〜4のいずれかに記載の移動体位置測位装置。
【請求項5】
前記擬似距離変化量推定手段により推定された擬似距離変化量を用いて、前記擬似距離算出手段により算出された擬似距離にフィルタをかけるフィルタ手段を更に備え、
前記測位手段は、前記フィルタ手段によりフィルタがかけられた擬似距離に基づいて、移動体の位置を測位する、請求項1〜4のいずれかに記載の移動体位置測位装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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