説明

移動体制御システム、制御装置、制御方法、及びプログラム

【課題】自機又は周囲の状況を検出するための複数の検出手段を有する移動体を、設定された経路に沿って自律的に移動させるべく制御する。
【解決手段】移動体を監視する監視者によって利用される遠隔監視端末130と、遠隔監視端末130と電波を介して通信接続され、一の移動体に搭載されて当該移動体を制御する車載コントローラ110aとを備え、車載コントローラ110aは、移動体が自律的な移動を継続することができるか否かを判定する移動継続可否判定部114aと、遠隔監視端末130と通信することができるか否かを判定する監視装置間通信判定部115aと、遠隔監視端末130と通信することができた位置を特定する通信可能位置特定部116aと、当該位置へ移動体を自律的に移動させるべく制御する移動体制御部125aとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体制御システム、制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。特に本発明は、自機又は周囲の状況を検出するための複数の検出手段を有する移動体を、自律的に移動させるべく制御する移動体制御システム、移動体を監視する監視者によって利用される監視装置と電波を介して通信接続され、一の移動体に搭載されて当該移動体を制御する制御装置、当該制御装置を制御する制御方法、並びに当該制御装置用のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人が立ち入ることのできないような場所の視察や監視には、人が搭乗して操作することなく自律的に走行する無人車両が利用されることがある。無人車両を自律的に走行させる技術としては、予め設定された経路に従って車両が移動するよう制御する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。この方法によれば、無人車両には、走行すべき経路が予め設定される。そして、無人車両は、GPS(Global Positioning System)により検出された車両の地球上の位置の情報や、ジャイロにより検出された車両の姿勢の情報等に基づいて、車両のアクセルやブレーキ、ステアリング等を制御しながら、予め設定されている経路に沿って走行する。
【0003】
また、無人車両は、少人数による物資の輸送を目的として利用されることもある。この場合、無人車両は、人が搭乗している他の先導車両を追従するように走行する。この方法によれば、無人車両は、先導車両と電波を介して通信接続される。そして、先導車両は、無人車両に対し、走行すべき経路のデータを送信する。そして、無人車両は、先導車両から送信された経路のデータを受信し、その経路に沿って車両が移動するよう、非特許文献1に記載されている方法と同様に、車両のアクセルやブレーキ、ステアリング等を制御する。
【0004】
このような無人車両は、自律的に走行している際に不測の事態が発生した場合、安全のために自律的に停止することが多い。例えば、無人車両は、走行すべき経路に回避することができない障害物が存在していたり、道路が途切れたりしている場合に不測の事態が発生したと判定する。また、無人車両には、車両や人間等のような脅威とすべき対象物の設定がなされることがある。その場合、無人車両は、周囲をセンシングして、設定されている対象物が検出されると、不測の事態が発生したと判定する。その他、無人車両は、車両に搭載されている機器が故障したような場合にも、不測の事態が発生したと判定する。
【0005】
このように不測の事態が発生したと判定した場合、無人車両は、車両の走行状況を離れた場所で監視している監視者の指示を受けることによって走行を再開する。例えば、無人車両は、不足の事態が発生した場合に、センシングした情報等を監視者が利用している端末に送信する。監視者は、端末に送信された情報に基づいて、無人車両が置かれている状況を判断する。そして、新たな経路を再設定しなければならないような状況の場合、監視者は、端末を利用して新たな経路の情報を無人車両に送信する。無人車両は、新たな経路の情報を受信すると、その経路に沿って走行を再開する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】セバスチャン・スラン(Sebastian Thrun)、外29名、「スタンリー:ザ・ロボット・ザット・ワン・ザ・ダーパ・グランド・チャレンジ(Stanley:The Robot that Won the DARPA Grand Challenge)」、ジャーナル・オブ・フィールド・ロボティクス(Journal of Field Robotics)、(米国)、ワイリー(Wiley)、2006年9月、Volume 23、Issue 9、p.661−692
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した方法においては、不測の事態が発生して無人車両が停止した場所における電波の状況が悪く、監視者の端末と通信することができない場合、走行を再開する術を失う。その場合、監視者は、無人車両が停止した場所へ出向いて走行を再開させる必要があるが、車両と通信することができないため、その精確な位置を特定することができない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、自機又は周囲の状況を検出するための複数の検出手段を有する移動体を、設定された経路に沿って自律的に移動させるべく制御する移動体制御システムであって、移動体を監視する監視者によって利用される監視装置と、当該監視装置と電波を介して通信接続され、一の移動体に搭載されて当該移動体を制御する制御装置とを備え、制御装置は、各検出手段によって検出された移動体の自機又は周囲の状況に基づいて、移動体が自律的な移動を継続することができるか否かを判定する移動継続可否判定部と、移動体が自律的な移動を継続することができないと移動継続可否判定部が判定した場合に、通信の状況を検出する通信状況検出手段によって検出された監視装置との通信の状況に基づいて、監視装置と通信することができるか否かを判定する監視装置間通信判定部と、監視装置と通信することができないと監視装置間通信判定部が判定した場合に、移動体の自律的な移動に伴い、移動体の地球上の位置を検出する位置検出手段によって検出された位置の推移と、当該推移した各位置において、通信状況検出手段によって検出された監視装置との通信の状況の推移とに基づいて、監視装置と通信することができた位置を特定する通信可能位置特定部と、通信可能位置特定部が位置を特定した場合に、当該位置へ移動体を自律的に移動させるべく制御する移動体制御部とを有する。
【0009】
制御装置は、移動体が移動すべき新たな経路を設定するよう要求する旨のデータが監視装置に送信されるよう出力する要求データ出力部と、設定入力受付部は、要求データ出力部が出力したデータによる要求に応じて監視装置によって設定された、移動体が移動すべき新たな経路の設定の入力を受け付ける設定入力受付部とを更に有し、移動体制御部は、設定入力受付部が新たな経路の設定の入力を受け付けた場合、当該新たな経路に沿って移動体を自律的に移動させるべく制御してよい。
【0010】
要求データ出力部は、移動体制御部が移動体を制御することによって、通信可能位置特定部が特定した位置に移動体が到達したとき、当該到達した位置から移動体が移動すべき新たな経路を設定するよう要求する旨のデータが監視装置に送信されるよう出力してよい。
【0011】
一の移動体に搭載されて当該移動体を制御する制御装置と電波を介して通信接続され、一の移動体とは別の他の移動体に搭載されて当該他の移動体を制御する他の制御装置を更に備えてよい。
【0012】
制御装置は、監視装置と通信することができないと監視装置間通信判定部が判定した場合に、通信状況検出手段によって検出された他の制御装置との通信の状況に基づいて、他の制御装置と通信することができるか否かを判定する他装置間通信判定部と、他の制御装置と通信することができると他装置間通信判定部が判定した場合に、自装置が制御している移動体が移動すべき新たな経路を設定するよう要求する旨のデータを監視装置に転送するよう、通信することが可能であると判定された他の制御装置に要求する転送要求部とを更に有し、通信可能位置特定部は、監視装置と通信することができないと監視装置間通信判定部が判定し、他の制御装置と通信することができないと他装置間通信判定部が判定した場合に、監視装置と通信することができた位置を特定してよい。
【0013】
制御装置は、他の制御装置の転送要求部が監視装置に転送するよう要求したデータの入力を受け付ける転送データ入力受付部と、転送データ入力受付部が入力を受け付けたデータが監視装置に転送されるよう出力する転送データ出力部と、転送データ出力部が出力したデータによる要求に応じて監視装置によって設定された、他の移動体が移動すべき新たな経路の設定の入力を受け付ける他移動体用設定入力受付部と、他移動体用設定入力受付部が入力を受け付けた設定が他の制御装置へ送信されるよう出力する他移動体用設定出力部とを更に有してよい。
【0014】
移動体制御部は、移動体が自律的な移動を継続することができるか否かの判定を移動継続可否判定部ができない場合、移動体の自律的な移動の継続を阻害している事象に対して所定の動作を移動体に自律的に行わせるべく制御してよい。
【0015】
本発明の第2の形態によると、自機又は周囲の状況を検出するための複数の検出手段を有する移動体を監視する監視者によって利用される監視装置と電波を介して通信接続され、一の移動体に搭載されて当該移動体を制御する制御装置であって、各検出手段によって検出された移動体の自機又は周囲の状況に基づいて、移動体が自律的な移動を継続することができるか否かを判定する移動継続可否判定部と、移動体が自律的な移動を継続することができないと移動継続可否判定部が判定した場合に、通信の状況を検出する通信状況検出手段によって検出された監視装置との通信の状況に基づいて、監視装置と通信することができるか否かを判定する通信可否判定部と、監視装置と通信することができないと通信可否判定部が判定した場合に、移動体の自律的な移動に伴い、移動体の地球上の位置を検出する位置検出手段によって検出された位置の推移と、当該推移した各位置において、通信状況検出手段によって検出された監視装置との通信の状況の推移とに基づいて、監視装置と通信することができた位置を特定する通信可能位置特定部と、通信可能位置特定部が位置を特定した場合に、当該位置へ移動体を自律的に移動させるべく制御する移動体制御部とを備える。
【0016】
本発明の第3の形態によると、自機又は周囲の状況を検出するための複数の検出手段を有する移動体を監視する監視者によって利用される監視装置と電波を介して通信接続され、一の移動体に搭載されて当該移動体を制御する制御装置を制御する制御方法であって、各検出手段によって検出された移動体の自機又は周囲の状況に基づいて、移動体が自律的な移動を継続することができるか否かを判定する移動継続可否判定段階と、移動体が自律的な移動を継続することができないと移動継続可否判定段階において判定された場合に、通信の状況を検出する通信状況検出手段によって検出された監視装置との通信の状況に基づいて、監視装置と通信することができるか否かを判定する通信可否判定段階と、監視装置と通信することができないと通信可否判定段階において判定された場合に、移動体の自律的な移動に伴い、移動体の地球上の位置を検出する位置検出手段によって検出された位置の推移と、当該推移した各位置において、通信状況検出手段によって検出された監視装置との通信の状況の推移とに基づいて、監視装置と通信することができた位置を特定する通信可能位置特定段階と、通信可能位置特定段階において位置が特定された場合に、当該位置へ移動体を自律的に移動させるべく制御する移動体制御段階とを備える。
【0017】
本発明の第4の形態によると、自機又は周囲の状況を検出するための複数の検出手段を有する移動体を監視する監視者によって利用される監視装置と電波を介して通信接続され、一の移動体に搭載されて当該移動体を制御する制御装置用のプログラムであって、制御装置を、各検出手段によって検出された移動体の自機又は周囲の状況に基づいて、移動体が自律的な移動を継続することができるか否かを判定する移動継続可否判定部、移動体が自律的な移動を継続することができないと移動継続可否判定部が判定した場合に、通信の状況を検出する通信状況検出手段によって検出された監視装置との通信の状況に基づいて、監視装置と通信することができるか否かを判定する通信可否判定部、監視装置と通信することができないと通信可否判定部が判定した場合に、移動体の自律的な移動に伴い、移動体の地球上の位置を検出する位置検出手段によって検出された位置の推移と、当該推移した各位置において、通信状況検出手段によって検出された監視装置との通信の状況の推移とに基づいて、監視装置と通信することができた位置を特定する通信可能位置特定部、通信可能位置特定部が位置を特定した場合に、当該位置へ移動体を自律的に移動させるべく制御する移動体制御部として機能させる。
【0018】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【発明の効果】
【0019】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、例えば、移動体がある目的地へ向けて自律的な移動を継続することができなくなった際に、移動体を監視している監視装置と通信することができなくても、監視装置と通信することができた位置へ移動するよう移動体が制御されるので、その通信可能な位置において目的地への新たな経路の設定等を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】一実施形態に係る移動体制御システム100の利用環境の一例を示す図である。
【図2】無人車両150の構成の一例を示す図である。
【図3】無人車両150の動作の一例を示す図である。
【図4】無人車両150の動作の別の例を示す図である。
【図5】無人車両150の動作の更に別の例を示す図である。
【図6】車載コントローラ110aのブロック構成の一例を示す図である。
【図7】車載コントローラ110aの動作フローの一例を示す図である。
【図8】通信状況データ格納部111が格納している情報の一例をテーブル形式で示す図である。
【図9】経路データ格納部112が格納しているデータの一例をテーブル形式で示す図である。
【図10】車載コントローラ110のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、一実施形態に係る移動体制御システム100の利用環境の一例を示す。移動体制御システム100は、複数の車載コントローラ110a、b、c、・・・(以下、車載コントローラ110と総称する。)、遠隔監視端末130、及び通信回線140を備える。なお、通信回線140は、インターネット等のコンピュータネットワーク、通信事業者のコアネットワーク、種々のローカルネットワーク、及び中継通信を含む。
【0023】
車載コントローラ110aは、無人車両150aを制御する装置である。具体的には、車載コントローラ110aは、無人車両150aに搭載されている。無人車両150aは、人が搭乗して操作することなく、車載コントローラ110aに制御されることによって、自律的に走行する車両である。無人車両150aには、車載コントローラ110aを通信回線140に無線接続するための通信アンテナ151aが設けられている。通信アンテナ151aと車載コントローラ110aとは、通信ケーブルによって接続されている。そして、通信アンテナ151aによって受信された信号は、車載コントローラ110aに送られる。なお、車載コントローラ110は、この発明における「制御装置」の一例であってよい。また、無人車両150aは、この発明における「移動体」の一例であってよい。
【0024】
なお、無人車両150a以外の無人車両150b、c、・・・(以下、無人車両150と総称する。)も、無人車両150aが有する構成要素と同じ構成要素を有する。以後の説明では、無人車両150が有する構成要素がいずれの無人車両150の構成要素であるかを区別する場合には、各構成要素を有する無人車両150と同じ添え字(a、b、c、・・・)を各構成要素の末尾に付して区別する。例えば、通信アンテナ151a、通信アンテナ151b、及び通信アンテナ151cは、それぞれ無人車両150a、無人車両150b、及び無人車両150cの構成要素であることを示す。
【0025】
また、以後の説明において、添え字が付されていない構成要素の機能及び動作は、同じ符号が付されたいずれの構成要素の機能及び動作を示す。例えば、通信アンテナ151で説明された機能及び動作は、通信アンテナ151a、通信アンテナ151b、通信アンテナ151c、・・・の機能及び動作を示す。
【0026】
遠隔監視端末130は、無人車両150を監視している監視者によって利用される端末である。具体的には、遠隔監視端末130は、キーボード131、ディスプレイ132、及び通信アダプタ133を備えている。キーボード131は、監視者から見て、遠隔監視端末130に情報を送る入力手段の一例であってよい。入力手段としては、キーボード131の他に、例えば、マウスやスキャナ等が挙げられる。ディスプレイ132は、監視者から見て、遠隔監視端末130から情報を得る出力手段の一例であってよい。出力手段としては、ディスプレイ132の他に、例えば、プリンタ等が挙げられる。通信アダプタ133は、遠隔監視端末130を通信回線140に無線接続するための通信手段の一例であってよい。なお、遠隔監視端末130は、この発明における「監視装置」の一例であってよい。遠隔監視端末130は、パーソナルコンピュータ、及び携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯情報端末を含む。
【0027】
なお、本実施形態では、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、移動体制御システム100が一の遠隔監視端末130を備える構成について説明したが、移動体制御システム100は複数の遠隔監視端末130を備えてよい。
【0028】
図2は、無人車両150の構成の一例を示す図である。無人車両150aには、通信アンテナ151の他に、GPS(Global Positioning System)受信機152、IMU(Inertial Measurement Unit)153、車速検出器154、車速検出器155、車速検出器156、車速検出器157、通信状況検出器158、LIDAR(Light Detection and Ranging)装置159、前方カメラ160、後方カメラ161、ステアリングアクチュエータ162、アクセルアクチュエータ163、ブレーキアクチュエータ164、及びシフトチェンジアクチュエータ165が設けられている。なお、GPS受信機152、IMU153、車速検出器154、車速検出器155、車速検出器156、車速検出器157、通信状況検出器158、LIDAR装置159、前方カメラ160、及び後方カメラ161は、この発明における「検出手段」の一例であってよい。
【0029】
GPS受信機152は、無人車両150の地球上の位置を特定する装置である。具体的には、GPS受信機152は、上空にある数個の衛星からの信号を受信する手段と、GPS受信機が受信した信号に基づいて、無人車両150の地球上の位置を特定する手段とによって構成されている。また、GPS受信機152は、データケーブルを介して車載コントローラ110と接続されている。そして、GPS受信機152は、無人車両150の地球上の位置を特定すると、その位置を示すデータを車載コントローラ110に出力する。なお、GPS受信機152は、この発明における「位置検出手段」の一例であってよい。
【0030】
IMU153は、無人車両150の3次元の角度と加速度を検出する装置である。具体的には、IMU153は、3軸のジャイロと、3方向の加速度計によって構成されている。また、IMU153は、データケーブルを介して車載コントローラ110と接続されている。そして、IMU153は、無人車両150の3次元の角度と加速度を検出すると、その角度と加速度を示すデータを車載コントローラ110に出力する。
【0031】
車速検出器154〜157は、無人車両150の車輪の速度を検出する装置である。具体的には、車速検出器154は、無人車両150における左前輪の車軸の回転数に比例してパルス信号を発生する手段と、発生したパルス信号に基づいて左前輪の速度を算出する手段とによって構成されている。同様に、車速検出器155は、無人車両150における右前輪の車軸の回転数に比例してパルス信号を発生する手段と、発生したパルス信号に基づいて右前輪の速度を算出する手段とによって構成されている。同様に、車速検出器156は、無人車両150における左後輪の車軸の回転数に比例してパルス信号を発生する手段と、発生したパルス信号に基づいて左後輪の速度を算出する手段とによって構成されている。同様に、車速検出器157は、無人車両150における右後輪の車軸の回転数に比例してパルス信号を発生する手段と、発生したパルス信号に基づいて左後輪の速度を算出する手段とによって構成されている。なお、車速検出器154〜157は、それぞれデータケーブルを介して車載コントローラ110と接続されている。そして、車速検出器154〜157は、算出した車輪の速度を示すデータを車載コントローラ110に出力する。
【0032】
通信状況検出器158は、遠隔監視端末130との通信状況や、他の無人車両150に搭載されている車載コントローラ110との通信状況を検出する装置である。具体的には、通信状況検出器158は、通信ケーブルを介して通信アンテナ151と接続されている。また、通信状況検出器158は、データケーブルを介して車載コントローラ110と接続されている。そして、通信状況検出器158は、隔監視端末130との通信状況や、他の無人車両150に搭載されている車載コントローラ110との通信状況を検出し、検出した通信状況を示すデータを車載コントローラ110に出力する。通信状況とは、通信の可否、通信の安定の度合い、電波の強度、及び通信の品質を示す指標等が挙げられる。なお、通信状況検出器158は、この発明における「通信状況検出手段」の一例であってよい。
【0033】
LIDAR装置159は、無人車両150の周囲にある対象までの距離やその対象の性質を分析する装置である。具体的には、LIDAR装置159は、パルス状にレーザーを照射する手段と、そのレーザー照射に対する散乱光を測定する手段と、測定した結果に基づいて、対象までの距離やその対象の性質を分析する手段とによって構成されている。また、LIDAR装置159は、データケーブルを介して車載コントローラ110と接続されている。そして、LIDAR装置159は、無人車両150の周囲にある対象までの距離やその対象の性質を分析し、その分析結果を示すデータを車載コントローラ110に出力する。
【0034】
前方カメラ160及び後方カメラ161は、無人車両150の周囲の状況を撮像する装置である。前方カメラ160は、無人車両150の前方の状況を撮像する。同様に、後方カメラ161は、無人車両150の後方の状況を撮像する。具体的には、前方カメラ160及び後方カメラ161は、データケーブルを介して車載コントローラ110と接続されている。そして、前方カメラ160及び後方カメラ161は、無人車両150の周囲の状況を撮像し、撮像した画像を示すデータを車載コントローラ110に出力する。なお、前方カメラ160及び後方カメラ161は、可視画像が得られる機能を持ったカメラであってよいし、赤外線画像が得られる機能を持ったカメラであってもよいし、可視画像及び赤外線画像が共に得られる機能を持ったカメラであってもよい。
【0035】
ステアリングアクチュエータ162は、無人車両150のステアリング操作を自動的に行うための駆動機構である。具体的には、ステアリングアクチュエータ162は、データケーブルを介して車載コントローラ110と接続されている。そして、ステアリングアクチュエータ162は、車載コントローラ110から出力された制御信号の入力を受け付けると、その制御信号に従って無人車両150のステアリング操作が自動的に行われるよう駆動する。
【0036】
アクセルアクチュエータ163は、無人車両150のアクセル操作を自動的に行うための駆動機構である。具体的には、アクセルアクチュエータ163は、データケーブルを介して車載コントローラ110と接続されている。そして、アクセルアクチュエータ163は、車載コントローラ110から出力された制御信号の入力を受け付けると、その制御信号に従って無人車両150のアクセル操作が自動的に行われるよう駆動する。
【0037】
ブレーキアクチュエータ164は、無人車両150のブレーキ操作を自動的に行うための駆動機構である。具体的には、ブレーキアクチュエータ164は、データケーブルを介して車載コントローラ110と接続されている。そして、ブレーキアクチュエータ164は、車載コントローラ110から出力された制御信号の入力を受け付けると、その制御信号に従って無人車両150のブレーキ操作が自動的に行われるよう駆動する。
【0038】
シフトチェンジアクチュエータ165は、無人車両150のシフトチェンジ操作を自動的に行うための駆動機構である。具体的には、シフトチェンジアクチュエータ165は、データケーブルを介して車載コントローラ110と接続されている。そして、シフトチェンジアクチュエータ165は、車載コントローラ110から出力された制御信号の入力を受け付けると、その制御信号に従って無人車両150のシフトチェンジ操作が自動的に行われるよう駆動する。
【0039】
図3は、無人車両150の動作の一例を示す。基地170は、遠隔監視端末130によって無人車両150の移動の状況を監視している監視者が待機している場所である。基地170には、無線通信の中継通信を行うための中継装置171が設置されている。無人車両150に搭載されている車載コントローラ110と、基地170に設けられている遠隔監視端末130とは、直接又は中継装置171を介して無線通信接続される。即ち、遠隔監視端末130は、直接又は中継装置171を介した無線通信によって、無人車両150の移動の状況を示すデータを車載コントローラ110から受信する。
【0040】
一方、車載コントローラ110は、GPS受信機152、IMU153、車速検出器154〜157、LIDAR装置159、前方カメラ160、及び後方カメラ161によって検出された状況に基づいて、予め設定された経路173に沿って無人車両150が走行するよう、ステアリングアクチュエータ162、アクセルアクチュエータ163、ブレーキアクチュエータ164、及びシフトチェンジアクチュエータ165を制御する。経路173は、基地170から目的地172へ向かう経路であって、建築物174、川175、及び湖176等の既知の障害物を避けるような、無人車両150が走行し得る経路として設定される。
【0041】
車載コントローラ110は、無人車両150の走行に伴い、遠隔監視端末130との通信の状況を経時的に記憶している。図中、経路173を示す破線上の白抜きの丸は、車載コントローラ110が遠隔監視端末130と通信することができたポイントを示している。また、図中、経路173を示す破線上の黒塗りの丸は、車載コントローラ110が遠隔監視端末130と通信することができなかったポイントを示している。
【0042】
LIDAR装置159や前方カメラ160によって瓦礫の山177等の未知の障害物が検出されると、車載コントローラ110は、無人車両150がその場に停止するよう、ステアリングアクチュエータ162、アクセルアクチュエータ163、ブレーキアクチュエータ164、及びシフトチェンジアクチュエータ165を制御する。このようにして、無人車両150は、経路173上の瓦礫の山177の前に停止する(図3(a))。そして、車載コントローラ110は、通信状況検出器158によって検出された遠隔監視端末130との通信状況に基づいて、停止した位置において遠隔監視端末130と通信することができるか否かを判定する。なお、瓦礫の山177は、この発明における「移動体の自律的な移動の継続を阻害している事象」の一例であってよい。
【0043】
そして、車載コントローラ110は、遠隔監視端末130と通信することができないと判定した場合、GPS受信機152、IMU153、車速検出器154〜157、LIDAR装置159、前方カメラ160、及び後方カメラ161によって検出された状況、並びに経時的に記憶している遠隔監視端末130との通信の状況に基づいて、無人車両150が経路173に沿って、遠隔監視端末130と通信することができた位置まで走行するよう、ステアリングアクチュエータ162、アクセルアクチュエータ163、ブレーキアクチュエータ164、及びシフトチェンジアクチュエータ165を制御する。このようにして、無人車両150は、遠隔監視端末130と通信することができた位置まで走行して停止する(図3(b))。そして、車載コントローラ110は、停止した位置において、目的地172までの新たな経路を設定するよう遠隔監視端末130に要求する。
【0044】
遠隔監視端末130によって無人車両150の移動の状況を監視している監視者は、この要求に応えるべく、遠隔監視端末130を利用して新たな経路178を設定し、その設定を車載コントローラ110に送信する(図3(c))。なお、新たな経路178は、無人車両150が停止している位置から目的地172へ向かう経路であって、建築物174、川175、及び湖176等の既知の障害物、並びに瓦礫の山177等の検出された未知の障害物を避けるような、無人車両150が走行し得る経路として設定される。このようにして、車載コントローラ110は、目的地172までの新たな経路178の設定を受け付ける。
【0045】
そして、車載コントローラ110は、GPS受信機152、IMU153、車速検出器154〜157、LIDAR装置159、前方カメラ160、及び後方カメラ161によって検出された状況に基づいて、新たに設定された経路178に沿って無人車両150が走行するよう、ステアリングアクチュエータ162、アクセルアクチュエータ163、ブレーキアクチュエータ164、及びシフトチェンジアクチュエータ165を制御する。このようにして、無人車両150は、新たに設定された経路178に沿って走行する(図3(d))。
【0046】
図4は、無人車両150の動作の別の例を示す図である。図2を参照して説明した例と異なる点は、目的地172へ向かって走行する無人車両150aの他に、無人車両150bが存在している点にある。無人車両150bは、目的地172へ向けて走行していてよいし、目的地172とは別の目的地へ向けて走行していてもよいし、いずれの目的地へ向かうことなく、基地170の周辺を走行していてもよい。そして、無人車両150aに搭載されている車載コントローラ110aは、無人車両150bに搭載されている車載コントローラ110bと、直接又は中継装置171を介して無線通信接続される。
【0047】
図2を参照して説明した例と同様に、LIDAR装置159aや前方カメラ160aによって瓦礫の山177等の未知の障害物が検出されると、車載コントローラ110aは、無人車両150aがその場に停止するよう、ステアリングアクチュエータ162a、アクセルアクチュエータ163a、ブレーキアクチュエータ164a、及びシフトチェンジアクチュエータ165aを制御する。このようにして、無人車両150aは、経路173上の瓦礫の山177の前に停止する(図4(a))。そして、車載コントローラ110aは、通信状況検出器158aによって検出された遠隔監視端末130との通信状況に基づいて、停止した位置において遠隔監視端末130と通信することができるか否かを判定する。
【0048】
そして、車載コントローラ110aは、遠隔監視端末130と通信することができないと判定した場合、通信状況検出器158aによって検出された他の車載コントローラ110との通信状況に基づいて、通信可能な他の車載コントローラ110を特定する(図4(b))。例えば、通信可能な他の車載コントローラ110として車載コントローラ110bを特定した場合、車載コントローラ110aは、停止した位置において、目的地172までの新たな経路を設定するよう車載コントローラ110bに要求する。そして、この要求を受けた車載コントローラ110bは、車載コントローラ110aが搭載されている無人車両150aが走行すべき目的地172までの新たな経路を設定するよう遠隔監視端末130に要求する。
【0049】
遠隔監視端末130によって無人車両150aの移動の状況を監視している監視者は、この要求に応えるべく、遠隔監視端末130を利用して、無人車両150aが走行すべき新たな経路179を設定し、その設定を車載コントローラ110bに送信する(図4(c))。なお、新たな経路179は、無人車両150aが停止している位置から目的地172へ向かう経路であって、建築物174、川175、及び湖176等の既知の障害物、並びに瓦礫の山177等の検出された未知の障害物を避けるような、無人車両150aが走行し得る経路として設定される。そして、車載コントローラ150bは、経路179の設定を遠隔監視端末130から受信すると、その設定を車載コントローラ110aに転送する。このようにして、車載コントローラ110aは、目的地172までの新たな経路179の設定を受け付ける。
【0050】
そして、車載コントローラ110aは、GPS受信機152a、IMU153a、車速検出器154a〜157a、LIDAR装置159a、前方カメラ160a、及び後方カメラ161aによって検出された状況に基づいて、新たに設定された経路179に沿って無人車両150aが走行するよう、ステアリングアクチュエータ162a、アクセルアクチュエータ163a、ブレーキアクチュエータ164a、及びシフトチェンジアクチュエータ165aを制御する。このようにして、無人車両150aは、新たに設定された経路179に沿って走行する(図4(d))。
【0051】
図5は、無人車両150の動作の更に別の例を示す図である。車載コントローラ110は、未知の障害物が検出されたが、例えば未知の障害物が何であるか具体的に特定することができず、そのまま設定された経路に沿って走行することが可能か否か判定することができない場合、その未知の障害物に対して所定の動作を無人車両150に自律的に行わせるべく制御する。
【0052】
例えば、車載コントローラ110は、未知の障害物が検出された場合、その未知の障害物に向かって無人車両150が近づくよう制御する(図5(a))。そして、車載コントローラ110は、未知の障害物に向かって無人車両150が近づいた結果、例えば未知の障害物が瓦礫の山177であって、そのまま設定された経路に沿って走行することができないと判定した場合、図2、図3を参照して説明した各例のような処理を行うことによって、新たな経路の設定を受け付ける。このような制御方法は、未知の障害物との距離が離れすぎていて、未知の障害物が何であるかを具体的に特定することができない場合に有効な方法である。
【0053】
また、例えば、車載コントローラ110は、未知の障害物が検出された場合、その未知の障害物から無人車両150が離れるよう制御する(図5(b))。そして、車載コントローラ110は、未知の障害物から無人車両150が離れた結果、例えば未知の障害物が瓦礫の山177であって、そのまま設定された経路に沿って走行することができないと判定した場合、図2、図3を参照して説明した各例のような処理を行うことによって、新たな経路の設定を受け付ける。このような制御方法は、未知の障害物との距離が近すぎて、未知の障害物が何であるかを具体的に特定することができない場合に有効な方法である。また、このような制御方法は、例えば未知の障害物が爆発物であると特定した場合に、無人車両150を障害物から待避させるのに有効な方法である。
【0054】
また、例えば、車載コントローラ110は、未知の障害物が検出された場合、障害物から一定の距離を保つよう、その周囲を無人車両150が周回走行するよう制御する(図5(c))。そして、車載コントローラ110は、障害物から一定の距離を保つよう、その周囲を無人車両150が周回走行した結果、例えば未知の障害物が瓦礫の山177であって、そのまま設定された経路に沿って走行することができないと判定した場合、図2、図3を参照して説明した各例のような処理を行うことによって、新たな経路の設定を受け付ける。このような制御方法は、未知の障害物が何であるかを一方向のみからでは具体的に特定することができない場合に有効な方法である。
【0055】
また、例えば、車載コントローラ110は、未知の障害物が検出された場合、障害物に徐々に近づくよう、その周囲を無人車両150が周回走行するよう制御する(図5(d))。そして、車載コントローラ110は、障害物に徐々に近づくよう、その周囲を無人車両150が周回走行した結果、例えば未知の障害物が瓦礫の山177であって、そのまま設定された経路に沿って走行することができないと判定した場合、図2、図3を参照して説明した各例のような処理を行うことによって、新たな経路の設定を受け付ける。このような制御方法は、未知の障害物との距離が離れすぎていて、更に未知の障害物が何であるかを一方向のみからでは具体的に特定することができない場合に有効な方法である。
【0056】
図6は、車載コントローラ110aのブロック構成の一例を示す。車載コントローラ110aは、通信状況データ格納部111a、経路データ格納部112a、検出状況データ入力受付部113a、移動継続可否判定部114a、監視装置間通信判定部115a、通信可能位置特定部116a、要求データ出力部117a、設定入力受付部118a、他装置間通信判定部119a、転送要求部120a、転送データ入力受付部121a、転送データ出力部122a、他移動体用設定入力受付部123a、他移動体用設定出力部124a、及び移動体制御部125aを有する。
【0057】
なお、車載コントローラ110a以外の車載コントローラ110b、c、・・・も、車載コントローラ110aが有する構成要素と同じ構成要素を有する。以後の説明では、車載コントローラ110が有する構成要素がいずれの車載コントローラ110の構成要素であるかを区別する場合には、各構成要素を有する車載コントローラ110と同じ添え字(a、b、c、・・・)を各構成要素の末尾に付して区別する。例えば、通信状況データ格納部111a、通信状況データ格納部111b、及び通信状況データ格納部111cは、それぞれ車載コントローラ110a、車載コントローラ110b、及び車載コントローラ110cの構成要素であることを示す。
【0058】
また、以後の説明において、添え字が付されていない構成要素の機能及び動作は、同じ符号が付されたいずれの構成要素の機能及び動作を示す。例えば、通信状況データ格納部111で説明された機能及び動作は、通信状況データ格納部111a、通信状況データ格納部111b、通信状況データ格納部111c、・・・の機能及び動作を示す。以下に、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0059】
検出状況データ入力受付部113aは、GPS受信機152a、IMU153a、車速検出器154a〜157a、通信状況検出器158a、LIDAR装置159a、前方カメラ160a、及び後方カメラ161aによってそれぞれ検出された状況を示すデータの入力を受け付ける。具体的には、検出状況データ入力受付部113aは、GPS受信機152aによって検出された無人車両150aの地球上の位置を示すデータであって、GPS受信機152aから出力されたデータの入力を受け付ける。また、検出状況データ入力受付部113aは、IMU153aによって検出された無人車両150aの3次元の角度と加速度を示すデータであって、IMU153aから出力されたデータの入力を受け付ける。また、検出状況データ入力受付部113aは、車速検出器154a〜157aによってそれぞれ検出された無人車両150aの各車輪の速度を示すデータであって、車速検出器145a〜157aからそれぞれ出力されたデータの入力を受け付ける。また、検出状況データ入力受付部113aは、通信状況検出器158aによって検出された遠隔監視端末130との通信状況や、他の無人車両150b、c、・・・に搭載されている他の車載コントローラ110b、c、・・・との通信状況を示すデータであって、通信状況検出器158aから出力されたデータの入力を受け付ける。また、検出状況データ入力受付部113aは、LIDAR装置159aによって検出された無人車両150aの周囲にある対象までの距離やその対象の性質の分析結果を示すデータであって、LIDAR装置159aから出力されたデータの入力を受け付ける。また、検出状況データ入力受付部113aは、前方カメラ160a及び後方カメラ161aによってそれぞれ検出された無人車両150aの周囲の状況を撮像した画像を示すデータであって、前方カメラ160a及び後方カメラ161aからそれぞれ出力されたデータの入力を受け付ける。そして、検出状況データ入力受付部113aは、GPS受信機152aから入力を受け付けたデータと、その同じタイミングに通信状況検出器158aから入力を受け付けた遠隔監視端末130との通信状況を示すデータとを対応付けて通信状況データ格納部111aに格納する。また、検出状況データ入力受付部113aは、GPS受信機152a、IMU153a、車速検出器154a〜157a、LIDAR装置159a、前方カメラ160a、及び後方カメラ161aからそれぞれ入力を受け付けたデータを移動継続可否判定部114aに送る。また、検出状況データ入力受付部113aは、GPS受信機152a、IMU153a、及び車速検出器154a〜157aからそれぞれ入力を受け付けたデータを移動体制御部125aに送る。また、検出状況データ入力受付部113aは、「遠隔監視端末130と通信することができない」と判定したことを通知する旨のデータを監視装置間通信判定部115aから受け取ると、通信状況検出器158aから入力を受け付けた他の車載コントローラ110b、c、・・・との通信状況を示すデータを他装置間通信判定部119aに送る。
【0060】
移動継続可否判定部114aは、GPS受信機152a、IMU153a、車速検出器154a〜157a、LIDAR装置159a、前方カメラ160a、及び後方カメラ161aによって検出された無人車両150aの自機又は周囲の状況に基づいて、無人車両150aが自律的な移動を継続することができるか否かを判定する。具体的には、移動継続可否判定部114aは、GPS受信機152a、IMU153a、車速検出器154a〜157a、LIDAR装置159a、前方カメラ160a、及び後方カメラ161aからそれぞれ入力を受け付けたデータを検出状況データ入力受付部113aから受け取ると、これらデータによって示される無人車両150aの自機又は周囲の状況に基づいて、無人車両150aが自律的な移動を継続することができるか否かを判定する。また、移動継続可否判定部114aは、自律的な移動の継続を阻害している事象に対し、無人車両150aが所定の動作を行ったことを通知する旨のデータを移動体制御部125aから受け取った場合にも、無人車両150aが自律的な移動を継続することができるか否かを判定する。そして、移動継続可否判定部114aは、「無人車両150aが自律的な移動を継続することができない」と判定した場合、そのことを通知する旨のデータを監視装置間通信判定部125aに送る。また、移動継続可否判定部114aは、無人車両150aが自律的な移動を継続することができるか否かを判定することができなかった場合、そのことを通知する旨のデータを移動体制御部125aに送る。
【0061】
監視装置間通信判定部115aは、「無人車両150aが自律的な移動を継続することができない」と移動継続可否判定部114aが判定した場合に、通信状況検出器158aによって検出された遠隔監視端末130との通信の状況に基づいて、遠隔監視端末130と通信することができるか否かを判定する。具体的には、監視装置間通信判定部115aは、「無人車両150aが自律的な移動を継続することができない」と判定したことを通知する旨のデータを移動継続可否判定部114aから受け取ると、通信状況データ格納部111aが格納しているデータに基づいて、遠隔監視端末130と通信することができるか否かを判定する。そして、監視装置間通信判定部115aは、「遠隔監視端末130と通信することができる」と判定した場合、そのことを通知する旨のデータを要求データ出力部117aに送る。また、監視装置間通信判定部115aは、「遠隔監視端末130と通信することができない」と判定した場合、そのことを通知する旨のデータを検出状況データ入力受付部113a、通信可能位置特定部116a、及び他装置間通信判定部119aに送る。
【0062】
通信可能位置特定部116aは、「遠隔監視端末130と通信することができない」と監視装置間通信判定部115aが判定し、「他の車載コントローラ110b、c、・・・と通信することができない」と他装置間通信判定部119aが判定した場合に、無人車両150aの自律的な移動に伴い、GPS受信機152aによって検出された位置の推移と、この推移した各位置において、通信状況検出器158aによって検出された遠隔監視端末130との通信の状況の推移とに基づいて、遠隔監視端末130と通信することができた位置を特定する。具体的には、通信可能位置特定部116aは、「遠隔監視端末130と通信することができない」と判定したことを通知する旨のデータを監視装置間通信判定部115aから受け取り、「他の車載コントローラ110b、c、・・・のいずれも通信することができない」と判定したことを通知する旨のデータを他装置間通信判定部119aから受け取ると、通信状況データ格納部111が格納しているデータに基づいて、遠隔監視端末130と通信することができた位置を特定する。そして、通信可能位置特定部116aは、特定した位置を示すデータを移動体制御部125aに送る。
【0063】
要求データ出力部117aは、無人車両150aが移動すべき新たな経路を設定するよう要求する旨のデータが遠隔監視端末130に送信されるよう出力する。具体的には、要求データ出力部117aは、「遠隔監視端末130と通信することができる」と判定したことを通知する旨のデータを監視装置間通信判定部115aから受け取ると、無人車両150aが移動すべき新たな経路を設定するよう要求する旨のデータが遠隔監視端末130に送信されるよう出力する。
【0064】
また、要求データ出力部117aは、移動体制御部125aが無人車両150aを制御することによって、通信可能位置特定部116aが特定した位置に無人車両150aが到達したとき、その到達した位置から無人車両150aが移動すべき新たな経路を設定するよう要求する旨のデータが遠隔監視端末130に送信されるよう出力する。具体的には、要求データ出力部117aは、通信可能位置特定部116aが特定した位置に無人車両150aが到達したことを通知する旨のデータを移動体制御部125aから受け取ると、その到達した位置から無人車両150aが移動すべき新たな経路を設定するよう要求する旨のデータが遠隔監視端末130に送信されるよう出力する。
【0065】
設定入力受付部118aは、要求データ出力部117aが出力したデータによる要求に応じて遠隔監視端末130によって設定された、無人車両150aが移動すべき新たな経路の設定の入力を受け付ける。具体的には、設定入力受付部118aは、無人車両150aが移動すべき新たな経路の設定を示すデータの入力を受け付けると、受け付けたデータを経路データ格納部112aに格納する。なお、設定入力受付部118aが入力を受け付けるデータは、遠隔監視端末130から直接、又は他の車載コントローラ110b、c、・・・を介して送信される。
【0066】
他装置間通信判定部119aは、「遠隔監視端末130と通信することができない」と監視装置間通信判定部115aが判定した場合に、通信状況検出器158によって検出された他の車載コントローラ110b、c、・・・との通信の状況に基づいて、他の車載コントローラ110b、c、・・・のいずれかと通信することができるか否かを判定する。具体的には、他装置間通信判定部119aは、「遠隔監視端末130と通信することができない」と判定したことを通知する旨のデータを監視装置間通信判定部115aから受け取り、他の車載コントローラ110b、c、・・・との通信状況を示すデータを検出状況データ入力受付部113aから受け取ると、検出状況データ入力受付部113aから受け取ったデータに基づいて、他の車載コントローラ110b、c、・・・のいずれかと通信することができるか否かを判定する。そして、他装置間通信判定部119aは、「他の車載コントローラ110b、c、・・・のいずれかと通信することができる」と判定した場合、そのことを通知する旨のデータを転送要求部120aに送る。また、他装置間通信判定部119aは、「他の車載コントローラ110b、c、・・・のいずれも通信することができない」と判定した場合、そのことを通知する旨のデータを通信可能位置特定部116aに送る。
【0067】
転送要求部120aは、「他の車載コントローラ110b、c、・・・と通信することができる」と他装置間通信判定部119aが判定した場合に、無人車両150aが移動すべき新たな経路を設定するよう要求する旨のデータを遠隔監視端末130に転送するよう、通信することが可能であると判定された他の車載コントローラ110b、c、・・・のいずれかに要求する。具体的には、転送要求部120aは、「他の車載コントローラ110b、c、・・・のいずれかと通信することができる」と判定したことを通知する旨のデータを他装置間通信判定部119aから受け取ると、無人車両150aが移動すべき新たな経路を設定するよう要求する旨のデータを遠隔監視端末130に転送するよう、通信することが可能であると判定された他の車載コントローラ110b、c、・・・のいずれかに要求する。
【0068】
転送データ入力受付部121aは、他の車載コントローラ110b、c、・・・の転送要求部120b、c、・・・が遠隔監視端末130に転送するよう要求したデータの入力を受け付ける。具体的には、転送データ入力受付部121aは、他の無人車両150b、c、・・・が移動すべき新たな経路を設定するよう要求する旨のデータの入力を受け付けると、そのデータを転送データ出力部122aに送る。なお、転送データ入力受付部121aが入力を受け付けるデータは、他の車載コントローラ110b、c、・・・から送信されたデータである。
【0069】
転送データ出力部122aは、転送データ入力受付部121aが入力を受け付けたデータが遠隔監視端末130に転送されるよう出力する。具体的には、転送データ出力部122aは、他の無人車両150b、c、・・・が移動すべき新たな経路を設定するよう要求する旨のデータを転送データ入力受付部121aから受け取ると、そのデータが遠隔監視端末130に転送されるよう出力する。
【0070】
他移動体用設定入力受付部123aは、転送データ出力部122aが出力したデータによる要求に応じて遠隔監視端末130によって設定された、他の移動体150b、c、・・・が移動すべき新たな経路の設定の入力を受け付ける。具体的には、他移動体用設定入力受付部123aは、他の移動体150b、c、・・・が移動すべき新たな経路の設定を示すデータの入力を受け付けると、そのデータを他移動体用設定出力部124aに送る。なお、他移動体用設定入力受付部123aが入力を受け付けるデータは、遠隔監視端末130から送信されたデータである。
【0071】
他移動体用設定出力部124aは、他移動体用設定入力受付部123aが入力を受け付けた設定が他の車載コントローラ110b、c、・・・へ送信されるよう出力する。具体的には、他移動体用設定出力部124aは、他の移動体150b、c、・・・が移動すべき新たな経路の設定を示すデータを他移動体用設定入力受付部123aから受け取ると、そのデータが他の対応する車載コントローラ110b、c、・・・へ送信されるよう出力する。
【0072】
移動体制御部125aは、設定された経路に沿って無人車両150aを自律的に移動させるべく制御する。具体的には、移動体制御部125aは、GPS受信機152a、IMU153a、及び車速検出器154a〜157aからそれぞれ入力を受け付けたデータを検出状況データ入力受付部113aから受け取る。そして、移動体制御部125aは、これらデータと、経路データ格納部112が格納しているデータとに基づいて、設定された経路に沿って無人車両150aを自律的に移動させるべく、ステアリングアクチュエータ162a、アクセルアクチュエータ163a、ブレーキアクチュエータ164a、及びシフトチェンジアクチュエータ165aに対し、これらアクチュエータをそれぞれ駆動するための制御信号を出力する。
【0073】
また、移動体制御部125aは、通信可能位置特定部116aが位置を特定した場合に、この位置へ無人車両150aを自律的に移動させるべく制御する。具体的には、移動体制御部125aは、特定した位置を示すデータを通信可能位置特定部116aから受け取ると、検出状況データ入力受付部113aから受け取ったデータと、経路データ格納部112が格納しているデータとに基づいて、通信可能位置特定部116aから受け取ったデータによって示される位置へ無人車両150aを自律的に移動させるべく、ステアリングアクチュエータ162a、アクセルアクチュエータ163a、ブレーキアクチュエータ164a、及びシフトチェンジアクチュエータ165aに対し、これらアクチュエータをそれぞれ駆動するための制御信号を出力する。そして、移動体制御部125aは、通信可能位置特定部116aが特定した位置に無人車両150aが到達すると、到達したことを通知する旨のデータを要求データ出力部117aに送る。
【0074】
また、移動体制御部125aは、無人車両150aが自律的な移動を継続することができるか否かの判定を移動継続可否判定部114aができない場合、無人車両150aの自律的な移動の継続を阻害している事象に対して所定の動作を無人車両150aに自律的に行わせるべく制御する。具体的には、移動体制御部125aは、無人車両150aが自律的な移動を継続することができるか否かを判定することができなかったことを通知する旨のデータを移動継続可否判定部114aから受け取ると、無人車両150aの自律的な移動の継続を阻害している事象に対して所定の動作を無人車両150aに自律的に行わせるべく、ステアリングアクチュエータ162a、アクセルアクチュエータ163a、ブレーキアクチュエータ164a、及びシフトチェンジアクチュエータ165aに対し、これらアクチュエータをそれぞれ駆動するための制御信号を出力する。そして、移動体制御部125aは、自律的な移動の継続を阻害している事象に対し、無人車両150aが所定の動作を行うと、そのことを通知する旨のデータを移動継続可否判定部114aに送る。
【0075】
図7は、車載コントローラ110aの動作フローの一例を示す。移動体制御部125aは、予め設定された経路173に沿って無人車両150aを自律的に走行させるべく制御している(S101)。これにより、無人車両150aは、予め設定された経路173に沿って走行する。
【0076】
そして、無人車両150aの走行に伴い、検出状況データ入力受付部113aは、GPS受信機152a、IMU153a、車速検出器154a〜157a、通信状況検出器158a、LIDAR装置159a、前方カメラ160a、及び後方カメラ161aによってそれぞれ検出された状況を示すデータの入力を受け付ける(S102)。
【0077】
そして、検出状況データ入力受付部113aが入力を受け付けたデータに基づいて、無人車両150aが自律的な移動を継続することができるか否かの判定を移動継続可否判定部114aができない場合(S103:No)、移動体制御部125aは、無人車両150aの自律的な移動の継続を阻害している事象に対して所定の動作を無人車両150aに自律的に行わせるべく制御する(S104)。
【0078】
そして、検出状況データ入力受付部113aが入力を受け付けたデータに基づいて、無人車両150aが自律的な移動を継続することができるか否かの判定を移動継続可否判定部114aができる場合(S103:Yes)、移動継続可否判定部114aは、判定を行う(S105)。
【0079】
そして、「無人車両150aが自律的な移動を継続することができる」と移動継続可否判定部114aが判定した場合(S105:Yes)、移動体制御部125aは、予め設定された経路173に沿って無人車両150aを自律的に走行させるべく引き続き制御する。
【0080】
一方、「無人車両150aが自律的な移動を継続することができない」と移動継続可否判定部114aが判定した場合(S105:No)、監視装置間通信判定部115aは、通信状況検出器158aによって検出された遠隔監視端末130との通信の状況に基づいて、遠隔監視端末130と通信することができるか否かを判定する(S106)。
【0081】
そして、「遠隔監視端末130と通信することができる」と監視装置間通信判定部115aが判定した場合(S106:Yes)、要求データ出力部117aは、無人車両150aが移動すべき新たな経路を設定するよう要求する旨のデータが遠隔監視端末130に送信されるよう出力する(S107)。遠隔監視端末130は、無人車両150aの新たな経路を設定するよう要求する旨のデータを車載コントローラ110aから受信すると、例えば、その要求を通知する旨のメッセージをディスプレイ132等の出力手段に出力する。そして、遠隔監視端末130を利用している監視者は、新たな経路をキーボード131等の入力手段を利用して入力する。そして、遠隔監視端末130は、入力された無人車両150aの新たな経路の設定を示すデータを、車載コントローラ110aに送信する。
【0082】
そして、設定入力受付部118aは、遠隔監視端末130から送信された無人車両150aの新たな経路の設定の入力を受け付ける(S107)。そして、移動体制御部125aは、この設定による新たな経路に沿って無人車両150aを自律的に移動させるべく制御する(S117)。
【0083】
一方、「遠隔監視端末130と通信することができない」と監視装置間通信判定部115aが判定した場合(S106:No)、他装置間通信判定部119aは、通信状況検出器158aによって検出された他の車載コントローラ110b、c、・・・との通信の状況に基づいて、他の車載コントローラ110b、c、・・・のいずれかと通信することができるか否かを判定する(S109)。
【0084】
そして、例えば、「車載コントローラ110bと通信することができる」と他装置間通信判定部119aが判定した場合(S109:Yes)、転送要求部120aは、無人車両150aが移動すべき新たな経路を設定するよう要求する旨のデータを遠隔監視端末130に転送するよう、車載コントローラ110bに要求する(S110)。これに対し、車載コントローラ110bの転送データ入力受付部121bは、車載コントローラ110aの転送要求部120aが遠隔監視端末130に転送するよう要求したデータの入力を受け付ける。そして、車載コントローラ110bの転送データ出力部122bは、転送データ入力受付部121bが入力を受け付けたデータが遠隔監視端末130に転送されるよう出力する。遠隔監視端末130は、無人車両150aの新たな経路を設定するよう要求する旨のデータを車載コントローラ110bから受信すると、例えば、その要求を通知する旨のメッセージをディスプレイ132等の出力手段に出力する。そして、遠隔監視端末130を利用している監視者は、新たな経路をキーボード131等の入力手段を利用して入力する。そして、遠隔監視端末130は、入力された無人車両150aの新たな経路の設定を示すデータを、車載コントローラ110bに送信する。そして、車載コントローラ110bの他移動体用設定入力受付部123bは、遠隔監視端末130から送信された無人車両150aの新たな経路の設定の入力を受け付ける。そして、車載コントローラ110bの他移動体用設定出力部124bは、他移動体用設定入力受付部123bが入力を受け付けた設定が車載コントローラ110aへ送信されるよう出力する。
【0085】
そして、設定入力受付部118aは、車載コントローラ110bから転送された無人車両150aの新たな経路の設定の入力を受け付ける(S111)。そして、移動体制御部125aは、この設定による新たな経路に沿って無人車両150aを自律的に移動させるべく制御する(S117)。
【0086】
一方、「他の車載コントローラ110b、c、・・・のいずれとも通信することができない」と他装置間通信判定部119aが判定した場合(S109:No)、通信可能位置特定部116aは、通信状況データ格納部111aが格納しているデータに基づいて、遠隔監視端末130と通信することができた位置を特定する(S112)。そして、移動体制御部125aは、通信可能位置特定部116aが特定した位置に到達するまで、無人車両150aを自律的に移動させるべく制御する(S113)。
【0087】
このようにして無人車両150aが特定された位置へ到達すると(S114:Yes)、要求データ出力部117aは、無人車両150aが移動すべき新たな経路を設定するよう要求する旨のデータが遠隔監視端末130に送信されるよう出力する(S115)。遠隔監視端末130は、無人車両150aの新たな経路を設定するよう要求する旨のデータを車載コントローラ110aから受信すると、例えば、その要求を通知する旨のメッセージをディスプレイ132等の出力手段に出力する。そして、遠隔監視端末130を利用している監視者は、新たな経路をキーボード131等の入力手段を利用して入力する。そして、遠隔監視端末130は、入力された無人車両150aの新たな経路の設定を示すデータを、車載コントローラ110aに送信する。
【0088】
そして、設定入力受付部118aは、遠隔監視端末130から送信された無人車両150aの新たな経路の設定の入力を受け付ける(S116)。そして、移動体制御部125aは、この設定による新たな経路に沿って無人車両150aを自律的に移動させるべく制御する(S117)。
【0089】
図8は、通信状況データ格納部111が格納している情報の一例をテーブル形式で示す。通信状況データ格納部111は、時刻、緯度、経度、及び通信状況を対応付けて格納している。なお、緯度及び経度は、この発明における「移動体の地球上の位置を検出する位置検出手段によって検出された位置」の一例であってよい。また、通信状況は、この発明における「通信状況検出手段によって検出された監視装置との通信の状況」の一例であってよい。
【0090】
時刻は、GPS受信機152が無人車両150の地球上の位置を検出し、通信状況検出器158が遠隔監視端末130との通信の状況を検出した時刻を示すデータであってよい。なお、時刻は、無人車両150の地球上の位置が検出されたり、通信の状況が検出されたりしたときに取得される時刻であってよいし、検出状況データ入力受付部113が検出されたデータの入力を受け付けたときに取得される時刻であってもよい。
【0091】
緯度及び経度は、GPS受信機152によって検出された座標であって、無人車両150がいた地球上の位置を示す座標であってよい。なお、緯度は、無人車両150がいた地点における天頂の方向と赤道面とのなす角度を示すデータであってよい。同様に、経度は、無人車両150aがいた地点と北極・南極を通る大円と、ロンドンの旧グリニッジ天文台を通る大円とのなす角度を示すデータであってよい。
【0092】
通信状況は、通信状況検出器158によって検出され、遠隔監視端末130との通信の状況を示すデータであってよい。通信状況は、遠隔監視端末130との通信の可否、安定性、電波強度、及び通信の品質を示すデータであってよいし、これらのデータによって決定された遠隔監視端末130との通信の状況を段階的な指標によって示すデータであってもよい。
【0093】
監視装置間通信判定部115は、「無人車両150が自律的な移動を継続することができない」と移動継続可否判定部114が判定した場合、通信状況データ格納部111が格納しているこれらデータに基づいて、遠隔監視端末130と通信することができるか否かを判定する。例えば、9月28日13時03分に、「無人車両150が自律的な移動を継続することができない」と移動継続可否判定部114が判定したとすると、監視装置間通信判定部115は、通信状況データ格納部111が格納しているデータのうち、最新の時刻「9/28 13:03」の時点における、遠隔監視端末130との通信状況を示す値「2」を参照する。そして、監視装置間通信判定部115は、この通信状況を示す値「2」に基づいて、遠隔監視端末130と通信することができるか否かを判定する。例えば、通信状況を示す値が「0」でなければ通信可能であるという設定になっている場合、監視装置間通信判定部115は、「遠隔監視端末130と通信することができる」と判定する。また、例えば、通信状況を示す値が「3」以上であれば通信可能であるという設定になっている場合、監視装置間通信判定部115は、「遠隔監視端末130と通信することができない」と判定する。
【0094】
通信可能位置特定部116は、「遠隔監視端末130と通信することができない」と監視装置間通信判定部115が判定した場合、通信状況データ格納部111が格納しているこれらデータに基づいて、遠隔監視端末130と通信することができた位置を特定する。例えば、9月28日13時05分に、「無人車両150が自律的な移動を継続することができない」と移動継続可否判定部114が判定したとすると、監視装置間通信判定部115は、時刻「9/28 13:05」における通信状況を示す値「0」を参照して、「遠隔監視端末130と通信することができない」と判定する筈である。例えば、通信状況を示す値が「0」でなければ通信可能であると設定されている場合、通信可能位置特定部116は、通信状況データ格納部111が格納しているデータのうち、通信状況を示す値が「0」でなかった直近の時刻における緯度及び経度を特定する。この例の場合、通信状況を示す値が「0」でなかった直近の時刻における緯度及び経度は、時刻「9/28 13:03」における緯度「35.683462」及び経度「139.770687」である。したがって、通信可能位置特定部116は、緯度「35.683462」及び経度「139.770687」によって特定される位置を、遠隔監視端末130と通信することができた位置として特定する。また、例えば、通信状況を示す値が「3」以上であれば通信可能であると設定されている場合、通信可能位置特定部116は、通信状況データ格納部111が格納しているデータのうち、通信状況を示す値が「3」以上であった直近の時刻における緯度及び経度を特定する。この例の場合、通信状況を示す値が「3」以上であった直近の時刻における緯度及び経度は、時刻「9/28 13:02」における緯度「35.681867」及び経度「139.769815」である。したがって、通信可能位置特定部116は、緯度「35.681867」及び経度「139.769815」によって特定される位置を、遠隔監視端末130と通信することができた位置として特定する。
【0095】
図9は、経路データ格納部112が格納しているデータの一例をテーブル形式で示す。経路データ格納部112は、ID、緯度、及び経度を対応付けて格納している。なお、緯度及び経度は、この発明における「経路の設定」の一例であってよい。
【0096】
IDは、経路データ格納部112が格納している緯度及び経度の組合せを一意に識別するための識別符号であってよい。IDは、無人車両150が走行すべき経路の順となるよう緯度及び経路を識別し得るものであってよいし、そうでなくてもよい。また、IDは、緯度及び経度の組合せによって特定されるランドマーク等の場所を示すような文字列であってよいし、そうでなくてもよい。
【0097】
緯度及び経度は、無人車両150が走行すべき地球上の位置を示す座標であってよい。なお、緯度は、無人車両150が走行すべき地点における天頂の方向と赤道面とのなす角度を示すデータであってよい。同様に、経度は、無人車両150aが走行すべき地点と北極・南極を通る大円と、ロンドンの旧グリニッジ天文台を通る大円とのなす角度を示すデータであってよい。
【0098】
移動体制御部125は、経路データ格納部112が格納しているこれらデータに基づいて無人車両150を自律的に走行させるべく制御する。例えば、移動体制御部125は、ID「1」〜「5」によってそれぞれ識別される緯度及び経度の位置に沿って、無人車両150を自律的に走行させるべく制御する。この場合、まず、移動体制御部125は、ID「1」によって識別される緯度「35.678573」及び経度「139.767686」の位置に到達するまで、無人車両150を自律的に走行させるべく制御する。例えば、移動体制御部125は、現在地から各IDによって識別される緯度及び軽度の位置まで、無人車両150を直線的に走行させるべく制御する。こうして、無人車両150が緯度「35.678573」及び経度「139.767686」の位置に到達すると、移動体制御125は、ID「2」によって識別される緯度「35.679479」及び経度「139.768329」の位置に到達するまで、無人車両150を自律的に走行させるべく制御する。移動体制御部125は、このような処理を繰り返すことによって、ID「5」によって識別される緯度「35.683832」及び経度「139.769295」の位置まで、無人車両150を自律的に走行させるべく制御する。
【0099】
以上説明したように、移動体制御システム100においては、例えば、無人車両150がある目的地へ向けて自律的な移動を継続することができなくなった際に、無人車両150を監視している遠隔監視端末130と通信することができなくても、遠隔監視端末130と通信することができた位置へ移動するよう無人車両150が制御されるので、その通信可能な位置において目的地への新たな経路の設定等を行うことができる。
【0100】
また、移動体制御システム100においては、例えば、無人車両150aがある目的地へ向けて自律的な移動を継続することができず、無人車両150aを監視している遠隔監視端末130と通信することができなくても、他の無人車両150b、c、・・・のいずれかを介して、目的地への新たな経路の設定等を行うことができる。
【0101】
図10は、車載コントローラ110をコンピュータ等の電子情報処理装置でそれぞれ構成した場合のハードウェア構成の一例を示す。車載コントローラ110は、CPU(Central Processing Unit)周辺部と、入出力部と、レガシー入出力部とを備える。CPU周辺部は、ホスト・コントローラ901により相互に接続されるCPU902、RAM(Random Access Memory)903、グラフィック・コントローラ904、及び表示装置905を有する。入出力部は、入出力コントローラ906によりホスト・コントローラ901に接続される通信インターフェイス907、ハードディスクドライブ908、及びCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ909を有する。レガシー入出力部は、入出力コントローラ906に接続されるROM(Read Only Memory)910、フレキシブルディスク・ドライブ911、及び入出力チップ912を有する。
【0102】
ホスト・コントローラ901は、RAM903と、高い転送レートでRAM903をアクセスするCPU902、及びグラフィック・コントローラ904とを接続する。CPU902は、ROM910、及びRAM903に格納されたプログラムに基づいて動作して、各部の制御をする。グラフィック・コントローラ904は、CPU902等がRAM903内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得して、表示装置905上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ904は、CPU902等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0103】
入出力コントローラ906は、ホスト・コントローラ901と、比較的高速な入出力装置であるハードディスクドライブ908、通信インターフェイス907、CD−ROMドライブ909を接続する。ハードディスクドライブ908は、CPU902が使用するプログラム、及びデータを格納する。通信インターフェイス907は、ネットワーク通信装置991に接続してプログラム又はデータを送受信する。CD−ROMドライブ909は、CD−ROM992からプログラム又はデータを読み取り、RAM903を介してハードディスクドライブ908、及び通信インターフェイス907に提供する。
【0104】
入出力コントローラ906には、ROM910と、フレキシブルディスク・ドライブ911、及び入出力チップ912の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM910は、車載コントローラ110が起動時に実行するブート・プログラム、あるいは車載コントローラ110のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ911は、フレキシブルディスク993からプログラム又はデータを読み取り、RAM903を介してハードディスクドライブ908、及び通信インターフェイス907に提供する。入出力チップ912は、フレキシブルディスク・ドライブ911、あるいはパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
【0105】
CPU902が実行するプログラムは、フレキシブルディスク993、CD−ROM992、又はIC(Integrated Circuit)カード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。記録媒体に格納されたプログラムは圧縮されていても非圧縮であってもよい。プログラムは、記録媒体からハードディスクドライブ908にインストールされ、RAM903に読み出されてCPU902により実行される。CPU902により実行されるプログラムは、車載コントローラ110を、図1から図9に関連して説明した通信状況データ格納部111、経路データ格納部112、検出状況データ入力受付部113、移動継続可否判定部114、監視装置間通信判定部115、通信可能位置特定部116、要求データ出力部117、設定入力受付部118、他装置間通信判定部119、転送要求部120、転送データ入力受付部121、転送データ出力部122、他移動体用設定入力受付部123、他移動体用設定出力部124、及び移動体制御部125として機能させる。
【0106】
以上に示したプログラムは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク993、CD−ROM992の他に、DVD(Digital Versatile Disk)又はPD(Phase Disk)等の光学記録媒体、MD(MiniDisk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークあるいはインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶媒体を記録媒体として使用して、ネットワークを介したプログラムとして移動体制御システム100を提供してもよい。
【0107】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0108】
100 移動体制御システム
110 車載コントローラ
111 通信状況データ格納部
112 経路データ格納部
113 検出状況データ入力受付部
114 移動継続可否判定部
115 監視装置間通信判定部
116 通信可能位置特定部
117 要求データ出力部
118 設定入力受付部
119 他装置間通信判定部
120 転送要求部
121 転送データ入力受付部
122 転送データ出力部
123 他移動体用設定入力受付部
124 他移動体用設定出力部
125 移動体制御部
130 遠隔監視端末
131 キーボード
132 ディスプレイ
133 通信アダプタ
140 通信回線
150 無人車両
151 通信アンテナ
152 GPS受信機
153 IMU
154 車速検出器
155 車速検出器
156 車速検出器
157 車速検出器
158 通信状況検出器
159 LIDAR装置
160 前方カメラ
161 後方カメラ
162 ステアリングアクチュエータ
163 アクセルアクチュエータ
164 ブレーキアクチュエータ
165 シフトチェンジアクチュエータ
170 基地
171 中継装置
172 目的地
173 予め設定された経路
174 建物
175 川
176 湖
177 瓦礫の山
178 新たに設定された経路
179 新たに設定された経路
901 ホスト・コントローラ
902 CPU
903 RAM
904 グラフィック・コントローラ
905 表示装置
906 入出力コントローラ
907 通信インターフェイス
908 ハードディスクドライブ
909 CD−ROMドライブ
910 ROM
911 フレキシブルディスク・ドライブ
912 入出力チップ
991 ネットワーク通信装置
992 CD−ROM
993 フレキシブルディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自機又は周囲の状況を検出するための複数の検出手段を有する移動体を、設定された経路に沿って自律的に移動させるべく制御する移動体制御システムであって、
前記移動体を監視する監視者によって利用される監視装置と、当該監視装置と電波を介して通信接続され、一の移動体に搭載されて当該移動体を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記各検出手段によって検出された前記移動体の自機又は周囲の状況に基づいて、前記移動体が自律的な移動を継続することができるか否かを判定する移動継続可否判定部と、
前記移動体が自律的な移動を継続することができないと前記移動継続可否判定部が判定した場合に、通信の状況を検出する通信状況検出手段によって検出された前記監視装置との通信の状況に基づいて、前記監視装置と通信することができるか否かを判定する監視装置間通信判定部と、
前記監視装置と通信することができないと前記監視装置間通信判定部が判定した場合に、前記移動体の自律的な移動に伴い、前記移動体の地球上の位置を検出する位置検出手段によって検出された位置の推移と、当該推移した各位置において、前記通信状況検出手段によって検出された前記監視装置との通信の状況の推移とに基づいて、前記監視装置と通信することができた位置を特定する通信可能位置特定部と、
前記通信可能位置特定部が位置を特定した場合に、当該位置へ前記移動体を自律的に移動させるべく制御する移動体制御部と
を有する移動体制御システム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記移動体が移動すべき新たな経路を設定するよう要求する旨のデータが前記監視装置に送信されるよう出力する要求データ出力部と、
前記設定入力受付部は、前記要求データ出力部が出力したデータによる要求に応じて前記監視装置によって設定された、前記移動体が移動すべき新たな経路の設定の入力を受け付ける設定入力受付部と
を更に有し、
前記移動体制御部は、前記設定入力受付部が新たな経路の設定の入力を受け付けた場合、当該新たな経路に沿って前記移動体を自律的に移動させるべく制御する
請求項1に記載の移動体制御システム。
【請求項3】
前記要求データ出力部は、前記移動体制御部が前記移動体を制御することによって、前記通信可能位置特定部が特定した位置に前記移動体が到達したとき、当該到達した位置から前記移動体が移動すべき新たな経路を設定するよう要求する旨のデータが前記監視装置に送信されるよう出力する
請求項2に記載の移動体制御システム。
【請求項4】
前記一の移動体に搭載されて当該移動体を制御する制御装置と電波を介して通信接続され、前記一の移動体とは別の他の移動体に搭載されて当該他の移動体を制御する他の制御装置を更に備える
請求項1乃至3のいずれかに記載の移動体制御システム。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記監視装置と通信することができないと前記監視装置間通信判定部が判定した場合に、前記通信状況検出手段によって検出された前記他の制御装置との通信の状況に基づいて、前記他の制御装置と通信することができるか否かを判定する他装置間通信判定部と、
前記他の制御装置と通信することができると前記他装置間通信判定部が判定した場合に、自装置が制御している移動体が移動すべき新たな経路を設定するよう要求する旨のデータを前記監視装置に転送するよう、前記通信することが可能であると判定された他の制御装置に要求する転送要求部と
を更に有し、
前記通信可能位置特定部は、前記監視装置と通信することができないと前記監視装置間通信判定部が判定し、前記他の制御装置と通信することができないと前記他装置間通信判定部が判定した場合に、前記監視装置と通信することができた位置を特定する
請求項4に記載の移動体制御システム。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記他の制御装置の転送要求部が前記監視装置に転送するよう要求したデータの入力を受け付ける転送データ入力受付部と、
前記転送データ入力受付部が入力を受け付けたデータが前記監視装置に転送されるよう出力する転送データ出力部と、
前記転送データ出力部が出力したデータによる要求に応じて前記監視装置によって設定された、前記他の移動体が移動すべき新たな経路の設定の入力を受け付ける他移動体用設定入力受付部と、
前記他移動体用設定入力受付部が入力を受け付けた設定が前記他の制御装置へ送信されるよう出力する他移動体用設定出力部と
を更に有する
請求項5に記載の移動体制御システム。
【請求項7】
前記移動体制御部は、前記移動体が自律的な移動を継続することができるか否かの判定を前記移動継続可否判定部ができない場合、前記移動体の自律的な移動の継続を阻害している事象に対して所定の動作を前記移動体に自律的に行わせるべく制御する
請求項1乃至6のいずれかに記載の移動体制御システム。
【請求項8】
自機又は周囲の状況を検出するための複数の検出手段を有する移動体を監視する監視者によって利用される監視装置と電波を介して通信接続され、一の移動体に搭載されて当該移動体を制御する制御装置であって、
前記各検出手段によって検出された前記移動体の自機又は周囲の状況に基づいて、前記移動体が自律的な移動を継続することができるか否かを判定する移動継続可否判定部と、
前記移動体が自律的な移動を継続することができないと前記移動継続可否判定部が判定した場合に、通信の状況を検出する通信状況検出手段によって検出された前記監視装置との通信の状況に基づいて、前記監視装置と通信することができるか否かを判定する通信可否判定部と、
前記監視装置と通信することができないと前記通信可否判定部が判定した場合に、前記移動体の自律的な移動に伴い、前記移動体の地球上の位置を検出する位置検出手段によって検出された位置の推移と、当該推移した各位置において、前記通信状況検出手段によって検出された前記監視装置との通信の状況の推移とに基づいて、前記監視装置と通信することができた位置を特定する通信可能位置特定部と、
前記通信可能位置特定部が位置を特定した場合に、当該位置へ前記移動体を自律的に移動させるべく制御する移動体制御部と
を備える制御装置。
【請求項9】
自機又は周囲の状況を検出するための複数の検出手段を有する移動体を監視する監視者によって利用される監視装置と電波を介して通信接続され、一の移動体に搭載されて当該移動体を制御する制御装置を制御する制御方法であって、
前記各検出手段によって検出された前記移動体の自機又は周囲の状況に基づいて、前記移動体が自律的な移動を継続することができるか否かを判定する移動継続可否判定段階と、
前記移動体が自律的な移動を継続することができないと前記移動継続可否判定段階において判定された場合に、通信の状況を検出する通信状況検出手段によって検出された前記監視装置との通信の状況に基づいて、前記監視装置と通信することができるか否かを判定する通信可否判定段階と、
前記監視装置と通信することができないと前記通信可否判定段階において判定された場合に、前記移動体の自律的な移動に伴い、前記移動体の地球上の位置を検出する位置検出手段によって検出された位置の推移と、当該推移した各位置において、前記通信状況検出手段によって検出された前記監視装置との通信の状況の推移とに基づいて、前記監視装置と通信することができた位置を特定する通信可能位置特定段階と、
前記通信可能位置特定段階において位置が特定された場合に、当該位置へ前記移動体を自律的に移動させるべく制御する移動体制御段階と
を備える制御方法。
【請求項10】
自機又は周囲の状況を検出するための複数の検出手段を有する移動体を監視する監視者によって利用される監視装置と電波を介して通信接続され、一の移動体に搭載されて当該移動体を制御する制御装置用のプログラムであって、前記制御装置を、
前記各検出手段によって検出された前記移動体の自機又は周囲の状況に基づいて、前記移動体が自律的な移動を継続することができるか否かを判定する移動継続可否判定部、
前記移動体が自律的な移動を継続することができないと前記移動継続可否判定部が判定した場合に、通信の状況を検出する通信状況検出手段によって検出された前記監視装置との通信の状況に基づいて、前記監視装置と通信することができるか否かを判定する通信可否判定部、
前記監視装置と通信することができないと前記通信可否判定部が判定した場合に、前記移動体の自律的な移動に伴い、前記移動体の地球上の位置を検出する位置検出手段によって検出された位置の推移と、当該推移した各位置において、前記通信状況検出手段によって検出された前記監視装置との通信の状況の推移とに基づいて、前記監視装置と通信することができた位置を特定する通信可能位置特定部、
前記通信可能位置特定部が位置を特定した場合に、当該位置へ前記移動体を自律的に移動させるべく制御する移動体制御部
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−128889(P2011−128889A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286732(P2009−286732)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】