説明

移動体用受信装置

【課題】移動体の移動先の放送区域で放送される地上デジタル放送の放送局の周波数が変更になっても、地上デジタル放送の視聴が途切れることはない移動体用受信装置を提供する。
【解決手段】
使用者の位置が位置44から位置46の間では、GPSセンサにより現在地の情報を取得し、また放送局エリア情報と探索経路から現在地における放送区域41とこれから移動する放送区域42の情報を取得する。次に位置46に達すると、2つのチューナによって電波塔47からの放送波の電界強度と電波塔48からの放送波の電界強度を検出し、比較する。さらに使用者が移動して、電波塔47からの電波の電界強度が電波塔48からの電波の電界強度より強くなると、放送区域42で視聴可能なチャンネルの放送を表示モニタやスピーカに出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上デジタル放送を受信する移動体用受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションシステムの記憶装置に記憶したテレビジョン用放送局チャンネル情報を利用して、同放送局、あるいは同系列放送局のチャンネルに自動で切り換えを可能とすることで番組を切れ目なく連続して見ることを可能とする移動体用テレビジョン受信機が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平7−284030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年は、地上波の放送がアナログ放送からデジタル放送へ変更する過渡期であり、地上デジタル放送を放送する放送局の周波数が変更される場合がある。このとき、特許文献1に記載されている移動体用テレビジョン受信機では、ナビゲーションシステムの記憶装置に記憶したテレビジョン用放送局チャンネル情報を利用するので、同放送局、あるいは同系列放送局の周波数が変更された場合、同放送局、あるいは同系列放送局を受信することができず、放送を視聴し続けることができない場合が生じるという問題点が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明は、地上デジタル放送を受信する移動体用受信装置において、移動体の現在地を検出する現在地検出手段と、少なくとも第1および第2のチューニング手段と、移動体の現在地が、現在地が含まれる放送区域と該放送区域に隣接する放送区域とが重複する重複放送区域に入ったかどうかを検出する重複放送区域突入検出手段と、重複放送区域突入検出手段により移動体の現在地が重複放送区域に入ったと検出されたとき、地上デジタル放送を視聴中の第1のチューニング手段とは異なる他の第2のチューニング手段を使用して、現在地が含まれる放送区域に隣接する放送区域の視聴可能なチャンネルを特定する視聴可能チャンネル特定手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載の移動体用受信装置において、所定の条件が検出されたとき、第1のチューニング手段に対して、現在視聴しているチャンネルから視聴可能チャンネル特定手段により特定されたチャンネルのいずれかにチャンネルを切り替えるチューニング切替手段をさらに備えることを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項2に記載の移動体用受信装置において、少なくとも第1および第2の電界強度検出手段をさらに備え、第1のチューニング手段により現在視聴しているチャンネルの電界強度を検出する第1の電界強度検出手段とは異なる他の第2の電界強度検出手段を使用して、視聴可能チャンネル特定手段により特定されたチャンネルの電界強度を検出し、所定の条件とは、第1の電界強度検出手段によって検出された電界強度より、第2の電界強度検出手段によって検出された視聴可能チャンネル特定手段により特定されたチャンネルの電界強度が強いことであることを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項3に記載の移動体用受信装置において、地上デジタル放送の放送区域の情報を含む地図データを備え、現在地検出手段によって検出された移動体の現在地と地図データとに基づいて重複放送区域を特定することを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項4に記載の移動体用受信装置において、移動体の経路探索手段をさらに備え、経路探索手段によって探索された探索経路に基づいて、現在地が含まれる放送区域に隣接する放送区域を特定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、移動体の移動先の放送区域で放送される地上デジタル放送の放送局の周波数が変更になっても、地上デジタル放送の視聴が途切れることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。図1のナビゲーション装置1は、地図表示などの通常のナビゲーション機能のほかに、地上デジタル放送を受信し、表示することができる。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、地上デジタル放送受信部19およびディスクドライブ110を有している。ディスクドライブ110には、地図データが記録されたDVD−ROM111が装填される。地図データは、放送局エリア情報、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、操作者の要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。
【0007】
放送局エリア情報には、地上デジタル放送の放送波を送信する電波塔からの放送波が届く区域を示す放送区域の情報が含まれている。ここで、地上デジタル放送とは、放送の内容をデジタル化して地上波に乗せて放送する放送をいう。地上デジタル放送では、一つの電波塔から複数の放送局の放送波が送信される。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路11がDVD−ROM111に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が推奨経路として表示モニタ16に表示される。
【0009】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、車両の進行方位を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14cなどからなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を表示する。
【0010】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはディスクドライブ110によって読み込まれるDVD−ROM111に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示など行うことができる。
【0011】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面表示としてナビゲーション装置1の操作者に提供する。また、表示モニタ16は、地上デジタル放送受信部19で受信した地上デジタル放送の映像情報を表示する。スピーカ17は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の地図などの各種情報を音声により運転者に提供する。また、スピーカ17は、地上デジタル放送受信部19で受信した地上デジタル放送の音声情報を出力する。
【0012】
入力装置18は、車両の目的地などを運転者が設定するための入力スイッチを有し、これは操作パネルやリモコンなどによって実現される。運転者は、表示モニタ16の表示画面の指示または、スピーカ17からの音声の指示に従って入力装置18を操作することにより、目的地を選択して目的地を設定する。また、入力装置18によって、地上デジタル放送受信部19によって受信される放送局を選択することができる。
【0013】
目的地が操作者により設定されると、ナビゲーション装置1は、現在地検出手段14により検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして求められたルート(以下、探索経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、操作者は地図上の探索経路を画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、探索経路に従って車両が走行できるように、操作者に対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を誘導する。
【0014】
地上デジタル放送受信部19は、地上デジタル放送を受信し、その受信した放送の内容を表示モニタ16やスピーカ18に出力する。ディスクドライブ110は、装填されたDVD−ROM111から、表示モニタ16に地図を表示させるための地図データを読み出す。なお、DVD−ROM以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0015】
次に、図2を参照して、地上デジタル放送受信部19について説明する。地上デジタル放送受信部19は、アンテナ21,22、チューナ23,24、復調部25,26、チューナ制御回路27、デコード部28、デコード部RAM29、NTSC(National Television System Committee)エンコード部210、音声信号DA変換部211、受信部制御回路212、受信部ROM213および通信部214を有している。ここで、破線215の部分をフロントエンド部215と、破線216の部分をバックエンド部216と呼ぶ。
【0016】
アンテナ21,22は、地上デジタル放送を受信する機能を有する。チューナ23,24は、アンテナ21,22が受信する放送のチャンネルを切り替える機能、アンテナ21,22で受信した信号の電界強度を検出する機能、そして、アナログ信号からデジタル信号に変換する機能を有する。復調部25,26は、チューナ23,24でデジタル信号に変換された信号をデジタル復調する機能を有する。
【0017】
チューナ制御回路27は、チューナ23,24で切り替えるチャンネルを設定する機能、2つのチューナ23,24からの信号を合成してデコード部28に出力する機能、チューナ23,24のうちの一方の信号のみをデコード部28に出力する機能を有する。2つのチューナ23,24からの信号を合成してデコード部28に出力することによって、デコード部28に出力されるデジタル信号の矩形波の形状が改善される。
【0018】
デコード部28は、地上デジタル波の信号に含まれているMPEG圧縮されているデジタル映像信号とデジタル音声信号を圧縮解凍し、抽出する機能を有する。デコード部RAM29はデコード部28で圧縮解凍処理のワークエリアとしての機能を有する。NTSCエンコード部210は、デコード部28で抽出されたデジタル映像信号をNTSC方式のアナログ出力映像信号に変換し、モニタ16に出力する機能を有する。音声信号DA変換回路211は、デコード部28で抽出されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換し、スピーカ17に出力する機能を有する。映像出力については、NTSCを例としたが、PAL(Phase Alternation by Line system)方式やPC(Personal Computer)などに使用されているRGB、DVI(Digital Video Interface)家電で使用されているHDMI(High Definition Multimedia Interface)などでもよい。
【0019】
受信部制御回路212は、チューナ制御回路27やデコード部28の動作を制御する機能を有する。受信部制御回路212による制御により、チューナ制御回路27によって設定されるチューナ23,24のうちの一方のチューナのチャンネルを走査し、受信可能なチャンネルを検出する。通信部214は、制御回路11からの出力を入力し、受信部制御回路212に出力する機能を有する。
【0020】
次に、本発明の実施形態であるナビゲーション装置1におけるチャンネル自動切替処理の内容を、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0021】
スタートの状態では、地上デジタル放送をアンテナ21で受信し、チューナ23により地上デジタル放送の番組を視聴している。そして、ナビゲーション装置1の使用者(以下、使用者と呼ぶ)は移動体に搭乗して、経路探索で算出された探索経路上を移動している。
【0022】
ステップS301では、現在地の情報を取得する。現在地の情報は、現在地検出装置14により取得する。次にステップS302では、DVD−ROM111に記憶されている放送局エリア情報とステップS301で取得された現在地の情報から、現在視聴しているチャンネルの地上デジタル放送が受信可能な放送区域、つまり、現在地が含まれる地上デジタル放送の放送区域(以下、放送区域Aと呼ぶ)の情報を取得する。
【0023】
ステップS303では、DVD−ROM111に記憶されている放送局エリア情報とステップS301で取得された現在地の情報と探索経路とから、使用者が次に移動する地上デジタル放送の放送区域(以下、放送区域Bと呼ぶ)を特定する。つまり、放送区域Aに隣接する放送区域の中で探索経路が通過する放送区域を放送区域Bとして特定する。ステップS304では、現在地の情報と放送区域A,Bの位置および範囲とから、放送区域Aと放送区域Bの重なる領域(以下、重複放送区域と呼ぶ)に使用者は位置しているか判定を行う。肯定判定の場合は、ステップS305に進む。否定判定の場合は、ステップS301に戻る。
【0024】
ステップS305では、2つのチューナ23,24のうちのチューナ23と異なる他のチューナ24によって、放送区域Bで使用者が視聴可能な放送局を特定する。特定する方法としては、受信部制御回路212によって、チューナ制御回路27により設定されるチューナ24の地上デジタル放送のすべてのチャンネルを走査し、放送区域Bで受信可能なチャンネルを検出する。そして、検出されたチャンネルはRAM13に記憶される。このとき、重複放送区域に突入する前から受信可能であったチャンネルも検出されるので、重複放送区域に突入する前から受信可能であったチャンネルは除かれる。
【0025】
このようにして、放送区域Bの視聴可能なチャンネルを特定することができる。すなわち、放送区域Bの視聴可能なチャンネルのテーブルが、放送区域Bの視聴可能なチャンネルのうちのいずれかのチャンネルに切り替えられる前に取得できる。
【0026】
ステップS306では、放送区域Aで現在視聴中のチャンネルの放送波の電界強度がチューナ23によって検出される。そして、ステップS305で特定されたチャンネル中のいずれかのチャンネルにチューナ24のチャンネルが切り替えられ、チューナ24によって、放送区域Bで視聴可能なチャンネルの一つのチャンネルの放送波の電界強度が検出される。
【0027】
ステップS307では、チューナ23で検出した放送波の電界強度とチューナ24で検出した放送波の電界強度を比較する。チューナ23によって検出された現在視聴中のチャンネルの電界強度の方が強い場合は、否定判定されて、ステップS306に戻る。チューナ24によって検出された放送区域Bで視聴可能なチャンネルの電界強度の方が強い場合は肯定判定されて、ステップS308に進む。
【0028】
ステップS308では、受信部制御回路212によって、チューナ23を使用して視聴するチャンネルが、現在視聴中のチャンネルから放送区域Bで視聴可能なチャンネルに切り替わり、放送区域Bで視聴可能なチャンネルの放送が表示モニタ16およびスピーカ17に出力される。
【0029】
図4を参照して、移動体の位置と、本発明の実施形態におけるナビゲーション装置1のチャンネルの自動切替の関係について説明する。
放送区域41と放送区域42はそれぞれの放送区域に存在する電波塔47,48から受信可能な範囲を示す。放送区域41と放送区域42は重複放送区域43において重複している。最初、移動体の位置は放送区域41内の位置44に位置しているとする。そして、探索経路45上を放送区域41から放送区域42へ向かって進み、位置46において重複放送区域43に突入する。
【0030】
移動体の位置が位置44から位置46の間では、電波塔47からの放送を視聴している。そして、現在地検出装置14により現在地の情報を取得し、現在地の情報と放送局エリア情報とから放送区域41を特定し、さらに放送局エリア情報と探索経路とから、これから移動する先の放送区域41に隣接する放送区域42を特定する。
【0031】
次に移動体の位置が位置46に達すると、2つのチューナ23,24は個別に電波塔47からの放送波の電界強度と電波塔48からの放送波の電界強度を検出し、比較する。
【0032】
さらに使用者が移動して、電波塔47からの放送波の電界強度が電波塔48からの放送波の電界強度より強くなり(たとえば、図5のA)、チューナ24により検出される電界強度がチューナ23により検出される電界強度より強くなると、放送区域42において視聴可能なチャンネルの放送を表示モニタ16およびスピーカ17に出力する。
【0033】
以上の本発明の実施の形態によるナビゲーション装置は次のような作用効果を奏する。
(1)本発明の実施形態では、2つのチューナのうちの1つのチューナによって次に移動する放送区域で受信可能なチャンネルを走査する。このため、次に移動する放送区域で放送される放送局のチャンネルが変更されても、次に移動する放送区域で視聴可能なチャンネルを特定して選択することができるので、移動により放送区域が変わっても放送を視聴し続けることができる。
(2)本発明の実施形態では、使用者の進行方向を加味した上で使用者が次に移動する放送区域を選択する。このため、複数の隣接する放送区域が存在する場合であっても、適切な放送区域を選択することができる。
【0034】
以上の実施形態では、2つの放送区域の重複放送区域に使用者が進入したか否かを放送エリア情報と現在地情報から判定したが、それぞれの放送区域における電波塔からの電波の電界強度から判定してもよい。たとえば、図4において使用者が経路45を移動したときの電界強度を図5に示す。放送区域41から放送区域42に移動したときの放送区域41における電波塔47からの電界強度の変化を電界強度曲線51とし、放送区域Bにおける電波塔48からの電界強度の変化を電界強度曲線52とする。
【0035】
使用者が経路45を移動するにしたがって、電波塔47からの放送波の電界強度51は小さくなり、電波塔48からの放送波の電界強度は大きくなる。ところで放送区域は放送波の電界強度が所要値53以上(視聴可能な限界値、たとえば、60dBμV/m以上)の領域である。よって、2つの電界強度曲線51、52がともに所要値53以上の値になれば、使用者は2つの放送区域41,42の重複している重複放送区域43に位置していると判定することができる。この場合、2つのチューナのうち1つのチューナは常に放送波の電界強度を検出している必要があるが、実際に電界強度を測定して判断するので、重複放送区域の突入がより正確にわかるという利点がある。
【0036】
上記の実施の形態では、1つのチューナ23で番組を視聴し、もう1つのチューナ24で放送区域Bで視聴可能なチャンネルを検出したが、移動体が重複放送区域に位置しないときは、2つのチューナ23,24で同じチャンネルを受信し、受信した信号を合成してデコード部28に出力し、番組を視聴するようにしてもよい。1つのチューナ23で受信する場合に比べて受信する信号の矩形波が改善され、画像のドット抜けなどが改善される。また、チューナ24で放送区域Bで視聴可能なチャンネルを検出した後、チューナ24で番組を視聴して、チューナ23を次の移動先の放送区域で視聴可能なチャンネルを検出するのに使用してもよい。
【0037】
上記の実施形態では、ナビゲーション装置1において、DVD−ROMなどの記憶メディアより地図データを読み出して放送局エリア情報を取得したが、本発明はこの内容には限定されない。たとえば、携帯電話などによる無線通信を用いて、地図データを情報配信センターからダウンロードする通信ナビゲーション装置などにおいても、本発明を適用できる。
【0038】
上記の実施形態では、移動によって放送区域が変わると移動先の放送区域で視聴可能ないずれかのチャンネルに視聴するチャンネルが切り替わるが、地上デジタル放送に含まれる放送事業者の情報を利用して、視聴していた放送の放送局と同一系列の放送局のチャンネルに切り替わるようにしてもよい。また、地上デジタル放送に含まれる放送番組の情報を利用して、視聴していた番組と同一の番組を放送しているチャンネルに切り替わるようにしてもよい。
【0039】
上記の実施形態では移動体用受信装置がナビゲーション装置であったが、ナビゲーション装置に限定されない。たとえばGPSあるいは基地局との通信で現在位置が検出できる地上デジタル放送受信機能を備えている携帯電話や、GPS機能を備えたテレビ受像機においても本発明は適用できる。
【0040】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
現在地検出手段は現在地検出装置14に対応する。第1のチューニング手段はチューナ23に対応し、第2のチューンニング手段はチューナ24に対応する。現在地が含まれる放送区域は放送区域Aに対応し、該放送区域に隣接する放送区域は放送区域Bに対応する。視聴可能チャンネル特定手段は、受信部制御回路212に対応する。第1の電界強度検出手段はチューナ23に対応し、第2の電界強度検出手段はチューナ24に対応する。チューニング切替手段は受信部制御回路212に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】地上デジタル放送受信部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態であるナビゲーション装置におけるチャンネル自動切替処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】使用者の位置と本発明の実施形態におけるナビゲーション装置のチャンネルの自動切替の関係を説明するための図である。
【図5】使用者の位置とチューナによって検出される電界強度の関係を説明する図である。
【符号の説明】
【0042】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
12 ROM
13 RAM
14 現在地検出装置
15 画像メモリ
16 表示モニタ
17 スピーカ
18 入力装置
19 地上デジタル放送受信部
110 ディスクドライブ
111 DVD-ROM
21,22 アンテナ
23,24 チューナ
25,26 復調部
27 チューナ制御回路
28 デコード部
29 デコード部RAM
210 NTSCエンコード部
211 音声信号DA変換回路
212 受信部制御回路
213 受信部ROM
214 通信部
41,42 放送区域
43 重複放送区域
45 探索経路
47,48 電波塔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上デジタル放送を受信する移動体用受信装置において、
移動体の現在地を検出する現在地検出手段と、
少なくとも第1および第2のチューニング手段と、
前記移動体の現在地が、前記現在地が含まれる放送区域と該放送区域に隣接する放送区域とが重複する重複放送区域に入ったかどうかを検出する重複放送区域突入検出手段と、
前記重複放送区域突入検出手段により前記移動体の現在地が前記重複放送区域に入ったと検出されたとき、地上デジタル放送を視聴中の第1のチューニング手段とは異なる他の第2のチューニング手段を使用して、前記現在地が含まれる放送区域に隣接する放送区域の視聴可能なチャンネルを特定する視聴可能チャンネル特定手段とを備えることを特徴とする移動体用受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の移動体用受信装置において、
所定の条件が検出されたとき、前記第1のチューニング手段に対して、現在視聴しているチャンネルから前記視聴可能チャンネル特定手段により特定されたチャンネルのいずれかにチャンネルを切り替えるチューニング切替手段をさらに備えることを特徴とする移動体用受信装置。
【請求項3】
請求項2に記載の移動体用受信装置において、
少なくとも第1および第2の電界強度検出手段をさらに備え、
前記第1のチューニング手段により現在視聴しているチャンネルの電界強度を検出する第1の電界強度検出手段とは異なる他の第2の電界強度検出手段を使用して、前記視聴可能チャンネル特定手段により特定されたチャンネルの電界強度を検出し、
前記所定の条件とは、前記第1の電界強度検出手段によって検出された電界強度より、前記第2の電界強度検出手段によって検出された前記視聴可能チャンネル特定手段により特定されたチャンネルの電界強度が強いことであることを特徴とする移動体用受信装置。
【請求項4】
請求項3に記載の移動体用受信装置において、
地上デジタル放送の放送区域の情報を含む地図データを備え、
前記現在地検出手段によって検出された前記移動体の現在地と前記地図データとに基づいて前記重複放送区域を特定することを特徴とする移動体用受信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の移動体用受信装置において、
移動体の経路探索手段をさらに備え、
前記経路探索手段によって探索された探索経路に基づいて、前記現在地が含まれる放送区域に隣接する放送区域を特定することを特徴とする移動体用受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−74113(P2006−74113A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−251690(P2004−251690)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】