説明

移動体端末装置並びに非接触カード機能管理システム及び非接触カード機能取得システム

【課題】非接触カード機能用コンテンツを管理することができ、しかも非接触カード機能用コンテンツの追加・削除を簡単に行うこと。
【解決手段】本発明に係る移動体端末11は、移動体端末11の種々の機能を実行する移動機OS31と、フェリカアプリケーションマネージャ(FAM)32と、FAM32の制御にしたがってフェリカOS35を駆動させるフェリカデバイスドライバ33と、フェリカコンテンツを格納するフェリカチップ34とを主に有する。このFAM32上で、ネットワークコンピューティング機能を有するJavaのアプリケーションを管理するJAM36並びにブラウザ起動を行うためのAPI及びAPIを実行するデバイスであるKVM37が動作し、他のアプリケーション、例えばブラウザ38、メニュー39、フェリカビューワ40が動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体端末装置並びに非接触カード機能管理システム及び非接触カード機能取得システムに関し、特に非接触カード機能の管理や取得が簡単である移動体端末装置並びに非接触カード機能管理システム及び非接触カード機能取得システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プラスチックカードにICを埋め込んだICカードが普及している。このICカードは、種々のカード、クレジットカードやデビッドカードなどの機能を搭載することが可能である。このICカード機能を移動体端末装置に搭載する技術が開発されてきている。
【0003】
ICカード機能を搭載した移動体端末装置においては、その表示画面上でユーザの操作に応じて所望のICカード機能を選択できるようになっている。ユーザが表示画面上で所望のICカード機能を選択して実行する場合には、そのICカード機能に対応するアプリケーションを起動させてICカード機能を実行する。
【0004】
【特許文献1】特開2003−76958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような移動体端末装置においては、ICカード機能に対する処理、例えば追加処理や削除処理を行う場合に、必ずICカード機能に対応するアプリケーションを起動しなければならず、煩雑な操作が必要であった。また、ICカード機能を移動体端末装置で見る場合に、すべてのICカード機能のタイトルが単に一覧表示されるだけであり、ICカード機能の統括的な管理はなされていないのが現状である。
【0006】
また、移動体端末装置の表示画面上に、上記のICカード機能の一覧を表示する際には、現在ICカード機能に対応するアプリケーションにおける情報を参照しているため、たとえ技術的にリーダライタ(R/W)などの外部機器から直接ICカード機能の情報を取得することが可能となっても、この機能に関する情報をICカード機能の一覧表示に反映させる術がない。上記のような不都合は、現在普及している移動体端末装置の仕組み上、ICカード機能に対応する所定のアプリケーションからのみアクセス可能であることによる。しかしながら、このような制限は、ICカード機能及び本機能に関連する情報のセキュリティを保つ上で必要である。したがって、ICカード上の同一の記憶領域に保管されている情報であっても、各ICカード機能間での情報の共有は一切行われないため、記憶領域内に格納されている複数のICカード機能情報を統括的に管理することは不可能となる。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、非接触カード機能用コンテンツを統括的管理することができ、しかも非接触カード機能用コンテンツの追加・削除を簡単に行うことができる移動体端末装置並びに非接触カード機能管理システム及び非接触カード機能取得システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の移動体端末装置は、端末本体と、前記端末本体で使用する種々の機能を動作させる端末オペレーションシステムと、非接触カード機能用コンテンツを格納する非接触カード用格納手段と、前記種々の機能を用いて前記非接触カード機能用コンテンツを使用するための制御を行う非接触カード機能制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、非接触カード機能制御手段が非接触カード機能用コンテンツを管理することができ、これにより種々の機能を用いて非接触カード機能用コンテンツを使用することができる。その結果、ユーザは非接触カード機能用コンテンツを簡単に使用、例えば表示画面上で認識することができる。
【0010】
本発明の移動体端末装置は、端末本体と、非接触カード機能用コンテンツを格納する非接触カード用格納手段と、前記非接触カード機能用コンテンツを使用するための制御を行う非接触カード機能制御手段と、前記非接触カード機能用コンテンツを直接取得する取得手段と、を具備し、前記非接触カード機能制御手段は、前記非接触カード機能用コンテンツを提供するアプリケーションを経由して前記非接触カード機能用コンテンツの追加・削除の制御を行うと共に、前記取得手段を介して前記非接触カード機能用コンテンツの追加の制御を行うことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、アプリケーション経由でも、アプリケーションを経由せずにリーダライタからでも非接触カード機能用コンテンツの追加を制御することができるので、ユーザは非接触カード機能用コンテンツの追加・削除を簡単な操作で行うことができる。
【0012】
本発明の移動体端末装置においては、前記非接触カード機能制御手段は、前記非接触カード機能用コンテンツと、前記非接触カード機能用コンテンツを提供するアプリケーションとを関連づける関連テーブルを有することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、非接触カード機能用コンテンツを提供するアプリケーションとを関連づける関連テーブルを有するので、非接触カード機能用コンテンツを管理することが可能となる。これにより、非接触カード用格納手段内における非接触カード機能用コンテンツを格納手段内の格納領域毎に表示することが可能となる。また、関連テーブルにより非接触カード機能用コンテンツを格納領域毎に管理できるので、非接触カード機能用コンテンツ内の容量を格納領域毎に把握することが可能となる。
【0014】
本発明の移動体端末装置においては、前記関連テーブルが前記非接触カード機能用コンテンツの削除を行う際に使用する前記非接触カード機能用コンテンツ毎の削除URLを有しており、非接触カード機能制御手段は、前記ビューワ機能を使用した際の表示画面上で前記非接触カード機能用コンテンツの削除を行う際に前記削除URLにリクエストすることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、関連テーブルで削除URLを管理しているので、非接触カード機能用コンテンツを提供するコンテンツ提供者のアプリケーションを起動させることなく、削除URLのリンク先で非接触カード機能用コンテンツの削除を行うことが可能となる。
【0016】
本発明の移動体端末装置においては、前記非接触カード機能制御手段は、前記非接触カード用格納手段に新たな非接触カード機能用コンテンツが追加されたときに前記関連テーブルに前記非接触カード機能用コンテンツを更新することが好ましい。
【0017】
この構成によれば、新たな非接触カード機能用コンテンツが追加された際にその情報を関連テーブルに更新するので、非接触カード機能用コンテンツを整理した状態で管理することが可能となる。
【0018】
本発明の移動体端末装置においては、前記非接触カード用格納手段は、前記非接触カード機能用コンテンツを格納する複数の領域を有することが好ましい。
【0019】
この構成によれば、格納手段を複数の領域に分けることにより、例えばカテゴリ、サービスレベル、セキュリティレベルに基づいて非接触カード用コンテンツの管理が可能となる。
【0020】
本発明の移動体端末装置においては、前記種々の機能はビューワ機能を含み、前記非接触カード機能制御手段は、前記ビューワ機能を使用して、前記格納手段における前記複数の領域のそれぞれについて前記非接触カード機能用コンテンツを表示することが好ましい。
【0021】
この構成によれば、非接触カード用格納手段内における非接触カード機能用コンテンツを格納手段内の格納領域毎に非常に見易く表示することが可能となる。その結果、ユーザが格納領域毎の非接触カード機能用コンテンツの内容や状態を簡単に認識することができる。
【0022】
本発明の移動体端末装置においては、前記非接触カード機能制御手段は、前記ビューワ機能を使用した際の表示画面上で前記非接触カード機能用コンテンツの削除を行うことが好ましい。
【0023】
この構成によれば、アプリケーションを起動させることなく、画面上で非接触カード機能用コンテンツを削除することが可能であるので、ユーザの簡単な操作で容易に非接触カード機能用コンテンツを削除することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0024】
本発明の非接触カード機能管理システムは、上記移動体端末装置と、前記移動体端末装置とネットワークを介して接続されており、前記非接触カード機能用コンテンツを提供するプロバイダから得た複数の非接触カード機能用コンテンツを格納する前記非接触カード機能用コンテンツサーバと、を具備することを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、上記移動体端末装置により非接触カード機能用コンテンツを管理することができ、非接触カード機能用コンテンツの追加・削除を簡単に行うことができるので、ユーザの簡単な操作で非接触カード機能用コンテンツの追加・削除を行うことができるシステムを実現することができる。
【0026】
本発明の非接触カード機能取得システムは、移動体端末装置と、前記移動体端末装置とネットワークを介して接続されており、前記非接触カード機能用コンテンツを提供するプロバイダのサーバと、を具備し、前記移動体端末装置は、端末本体と、非接触カード機能用コンテンツを格納する非接触カード用格納手段と、前記非接触カード機能用コンテンツを使用するための制御を行う非接触カード機能制御手段と、前記非接触カード機能用コンテンツを直接取得する取得手段と、を有しており、前記非接触カード機能制御手段は、前記取得手段を介して前記非接触カード機能用コンテンツの追加を行った際に、追加した非接触カード機能用コンテンツに対応するコンテンツ情報を前記サーバから取得することを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、外部から直接非接触カード機能用コンテンツを取得した際に、その非接触カード機能用コンテンツに関するコンテンツ情報をサーバから取得するので、外部から取得した非接触カード機能用コンテンツを、アプリケーションを起動して取得した非接触カード機能用コンテンツと同様に管理することが可能となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、非接触カード機能用コンテンツを提供するアプリケーションを経由して非接触カード機能用コンテンツの追加・削除の制御を行うと共に、外部の取得手段から非接触カード機能用コンテンツの追加の制御を行う非接触カード機能制御手段を備えているので、非接触カード機能用コンテンツを管理することができ、しかも非接触カード機能用コンテンツの追加・削除を簡単な操作で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
従来技術においては、非接触カード機能を制御できるのはその非接触カード機能に対応するアプリケーションだけであったため、非接触カード機能用コンテンツを登録する際には、非接触カード機能用コンテンツに対応するアプリケーションへの登録が必須である。また、非接触カード機能用コンテンツに対応するアプリケーションへの登録がなされていないと、たとえ実際は非接触カード機能用コンテンツが移動体端末装置内に格納されていたとしても、一覧表示にその内容を反映させることができない。
【0030】
そこで本発明者らは、非接触カード機能用のオペレーションシステムで非接触カード機能を実行し、その他の機能を端末オペレーションシステムで実行している点に着目し、非接触カード機能と、移動機に搭載された他の機能(ネイティブ機能)、例えばブラウザ機能、メニュー機能、ビューワ機能などとを制御できるマネージャを設けることにより、非接触カード機能用コンテンツの管理、非接触カード機能用コンテンツの追加・削除を簡単な操作で行うことができ、しかも、非接触カード機能用コンテンツの内容を一覧表示に反映させることができることを見出し本発明をするに至った。
【0031】
すなわち、本発明の骨子は、非接触カード機能用コンテンツを提供するアプリケーションを経由して非接触カード機能用コンテンツの追加・削除の制御を行うと共に、外部の取得手段から非接触カード機能用コンテンツの追加の制御を行う非接触カード機能制御手段を設けることにより、非接触カード機能用コンテンツを管理し、しかも非接触カード機能用コンテンツの追加・削除を簡単な操作で行うこと、並びに非接触カード機能用コンテンツの内容を一覧表示に反映させることである。
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る非接触カード機能管理システム及び非接触カード機能取得システムの概略構成を示す図である。
【0033】
図1に示すシステムは、本発明に係る移動体端末11と、この移動体端末11と移動通信網12を介して接続された移動通信網用サーバ13と、移動体端末11とインターネット14のようなネットワークを介して接続されたWebサーバ15及び非接触カード機能用コンテンツサーバ16とから主に構成されている。
【0034】
移動体端末11は、種々のアプリケーション111及び非接触カード機能112を実行できる機能を備えている。また、移動体端末11は、外部リーダライタ(R/W)17と情報の送受信を行うことができる取得手段であるリーダライタ(図示せず)を備えている。なお、外部リーダライタ17は、コントローラ18により駆動する。
【0035】
移動体端末11における非接触カード機能112は、非接触カード、例えば非接触ICカード機能用コンテンツを追加・削除できる機能をいい、例えばフェリカ(Felica:登録商標)などを挙げることができる。非接触カード機能112を実現するために、移動体端末には、コンテンツを格納する格納領域と、非接触カード機能用のオペレーションシステム(コントローラ)とが搭載されている。
【0036】
移動通信網12は、移動体端末11と移動通信網用サーバ13との間のネットワークである。この移動通信網12には、通常の移動通信網に加えて移動パケット通信網も含まれる。移動通信網用サーバは、例えばiモード(登録商標)サーバであり、移動通信網12とインターネット14とを結ぶゲートウェイ機能を担っており、具体的には、情報配信機能、メール送受信機能、メール蓄積機能、契約顧客管理機能、情報提供者(Information Provider)管理機能、及び情報料課金機能を有する。
【0037】
ネットワークには、インターネット14をはじめその他のネットワーク、例えばLANやWANなども含まれる。Webサーバ15は、移動体端末11にダウンロードするアプリケーション111を格納するインターネット14上のサーバである。
【0038】
コンテンツサーバ16は、非接触カード機能用コンテンツを提供する複数のサービスプロバイダから提供されるそれぞれの非接触カード機能用コンテンツを格納すると共に、非接触カード機能を実現するコントローラとネットワークを介して非接触カード機能用コンテンツの追加・削除、初期化、データの読み書きを行う。また、コンテンツサーバ16は、コンテンツサーバ16から非接触カード機能を実現するコントローラに対する処理を行うためのアプリケーションも搭載している。なお、このコンテンツサーバは、サービスプロバイダがそのWebサーバと共にインターネット14上に有しても良く、サービスプロバイダのWebサーバとは別にインターネット14とは別のネットワーク上にあっても良い。例えば、非接触カード機能がフェリカである場合には、コンテンツサーバ16はフェリカサーバである。
【0039】
上記構成を有するシステムにおいては、移動体端末11において、非接触カード機能用コンテンツを提供するアプリケーションを経由して非接触カード機能用コンテンツの追加・削除の制御を行うと共に、R/Wを介して取得した非接触カード機能用コンテンツの追加の制御を行う。このように、アプリケーション経由でも、アプリケーションを経由せずにR/Wからでも非接触カード機能用コンテンツの追加を制御することができるので、ユーザは非接触カード機能用コンテンツの追加・削除を簡単な操作で行うことができる。
【0040】
移動体端末11において、非接触カード機能用コンテンツを提供するアプリケーション111を経由して非接触カード機能用コンテンツの追加・削除の制御を行う場合には、移動体端末11のアプリケーション111、例えばiアプリ(登録商標)により非接触カード機能112にアクセスする。そして、このアプリケーション111上で非接触カード機能用コンテンツの追加・削除を行う。
【0041】
移動体端末11において、R/Wを介して非接触カード機能用コンテンツの追加の制御を行う場合には、アプリケーション111を介さずに直接外部R/W17から非接触カード機能用コンテンツの追加を行う。このとき、追加した非接触カード機能用コンテンツに対応するコンテンツ情報をWebサーバ15から取得する。
【0042】
なお、上記構成を有するシステムにおいては、情報配信、メール送受信、メール蓄積、契約顧客管理、情報提供者管理、及び情報料課金を行うことが可能であるが、説明を簡単にするために、ここでは詳細な手順などについて記述しない。
【0043】
図2は、本発明の一実施の形態に係る移動体端末装置の非接触カード機能用コンテンツを格納する格納領域の構成を示す図である。この格納領域は、例えば非接触カード機能がフェリカである場合には、フェリカチップである。この格納領域は、例えば共通領域21と、公共領域22と、フリー領域23とから構成されている。これらの領域は、例えば非接触カード機能用コンテンツのカテゴリ、サービスレベルの違い、セキュリティの高さにより分けられている。例えば、共通領域21や公共領域22は、相対的にサービスレベルが高く、セキュリティが高いサービスの非接触カード機能用コンテンツを格納する領域とし、フリー領域23は、相対的にサービスレベルが低く、セキュリティも低いサービスの非接触カード機能用コンテンツを格納する領域とする。このように格納領域をカテゴリ、サービスレベル、セキュリティなどにより分けることにより、カテゴリ、サービスレベル、セキュリティレベル毎の非接触カード用コンテンツの管理が可能となる。
【0044】
これらの共通領域21、公共領域22及びフリー領域23のそれぞれに格納された非接触カード機能用コンテンツは、図3〜図5に示すように、それぞれの領域でまとめて表示できるようになっている。図3は、移動体端末11の表示画面において共通領域21の非接触カード機能用コンテンツを示した図であり、図4は、移動体端末11の表示画面において公共領域22の非接触カード機能用コンテンツを示した図であり、図5は、移動体端末11の表示画面においてフリー領域23の非接触カード機能用コンテンツを示した図である。なお、図3〜図5に示すそれぞれのサービスは、サービスプロバイダから提供された非接触カード機能用コンテンツである。
【0045】
また、図3〜図5において、表示画面には各領域の残り容量を示すインジケータ24が表示される。各領域における残り容量は、図3〜図5のようにインジケータ24を用いて示しても良く、格納可能なコンテンツ数を予め設定しておき、設定した数のコンテンツ表示エリア(図3においては3つ、図4においては2つ、図5においては3つ)を表示し、未使用のコンテンツ表示エリアをブランクで表示するようにしても良い。このようなインジケータやブランクのコンテンツ表示エリアを設けることにより、ユーザが格納領域における各領域毎の残り容量を視覚で認識することが可能となる。
【0046】
さらに、新たに非接触カード機能用コンテンツを追加する場合に、コンテンツの容量とそのコンテンツを格納する領域の残り容量とを比較し、コンテンツの容量が残り容量を超えている場合には、容量が不足している旨や、既に格納している非接触カード機能用コンテンツを削除する必要がある旨を表示するようにしても良い。このように表示することにより、ユーザが非接触カード機能用コンテンツの削除の必要性を認識することができる。
【0047】
図6は、本発明の一実施の形態に係る移動体端末11の内部構成を示す図である。図6においては、非接触カード機能がフェリカであり、格納領域がフェリカチップであり、非接触カード機能用のオペレーションシステム(コントローラ)がフェリカオペレーションシステム(フェリカOS)である場合について説明する。
【0048】
図6に示す構成においては、移動体端末11の種々の機能を実行する端末オペレーションシステム(移動機OS)31と、非接触カード機能制御手段であるフェリカアプリケーションマネージャ(Felica Application Manager:FAM)32と、FAM32の制御にしたがってフェリカOS35を駆動させるフェリカデバイスドライバ33と、フェリカコンテンツを格納するフェリカチップ34とを主に有している。このFAM32上で、ネットワークコンピューティング機能を有するJava(登録商標)のアプリケーションを管理するJava(登録商標)アプリケーションマネージャ(Java Application Manager:JAM)36並びにブラウザ起動を行うためのAPI(Application Program Interface)及びAPIを実行するデバイスであるKVM(K Virtual Machine)37が動作し、他のアプリケーションなどのいわゆるネイティブ機能、例えばブラウザ38、メニュー39、フェリカビューワ40が動作する。なお、図6においては、ブラウザ38、メニュー39、フェリカビューワ40がFAM32上で動作するようになっているが、この構成は一例であり、ブラウザ38やメニュー39などのフェリカビューワ40以外の機能は、FAM32上で動作すると共に、移動機OS31上でも動作するように構成されていても良い。
【0049】
移動機OS31は、フェリカに関する機能以外の機能、例えば情報配信機能、メール送受信機能、メール蓄積機能、契約顧客管理機能、情報提供者(Information Provider)管理機能、及び情報料課金機能を実行する。
【0050】
FAM32は、本発明に係るフェリカコンテンツを使用するための制御を行うミドルウェアである。特に、FAM32は、外部R/Wから非接触カード機能用コンテンツを簡単に取得するアクセス制御、取得したフェリカコンテンツの管理並びにブラウザ38、メニュー39及びフェリカビューワ40を実行するためのコマンドの発行を行う。これにより、FAM32がフェリカコンテンツを管理することができ、これによりブラウザ38やフェリカビューワ40などの機能を用いてフェリカコンテンツを使用することができる。その結果、ユーザはフェリカコンテンツを簡単に使用、例えば表示画面上への表示などを行うことができる。
【0051】
FAM32は、取得したフェリカコンテンツの管理のために、フェリカコンテンツと、このフェリカコンテンツを提供するアプリケーション(iアプリ(登録商標))とを関連づける関連テーブルを有する。この関連テーブルは、例えば図7に示すようなものであり、フェリカコンテンツであるサービス1〜3と、このサービス1〜3を提供するサービスプロバイダのiアプリα〜αとが関連づけられている。また、この関連テーブルでは、フェリカコンテンツを取得した日(登録日)やフェリカコンテンツを削除した日(削除日)が併せて管理されている。さらに、関連テーブルでは、フェリカコンテンツを実際に削除するサイトのURL(削除URL)やフェリカチップ34における領域も併せて管理されている。このように、FAM32においてフェリカコンテンツを管理するので、例えば、フェリカコンテンツをフェリカチップ34内でカテゴリ毎に対応づけて管理することが可能である。したがって、移動体端末11がFAM32を搭載することにより、複数のフェリカコンテンツをカテゴリ分けしてグルーピングすることが可能となり、ユーザに対して見易いように表示制御を行うことが可能となる。
【0052】
したがって、フェリカコンテンツを取得した場合、すなわち新たなフェリカコンテンツが追加された場合には、サービスプロバイダがアプリケーションの項目に登録され、その内容がサービスの項目に登録される。また、その登録がなされた日付が登録日に登録される。さらに、フェリカコンテンツを削除する際に使用する削除URLも登録される。このとき、アプリケーションの項目やサービスの項目に登録する事項には特に制限はない。このように、新たなフェリカコンテンツが追加された場合にその情報を関連テーブルに更新することにより、フェリカコンテンツを整理した状態で管理することが可能となる。
【0053】
アプリケーションを介してフェリカコンテンツを追加した場合において、関連テーブルを更新するときは、アプリケーションを経由してサービス名などのコンテンツ情報を取得して、そのコンテンツ情報を用いて関連テーブルを更新する。一方、外部R/W17からフェリカコンテンツを追加した場合において、関連テーブルを更新するときは、例えばコンテンツ情報をフェリカチップ34の所定のアドレスに格納しておき、何らかのユーザ操作がなされたときに、FAM32がそのアドレスから新たなコンテンツ情報を抽出して関連テーブルに更新する。なお、外部R/W17からフェリカコンテンツを追加した場合において、関連テーブルを更新する方法については特に限定されない。
【0054】
一方、フェリカコンテンツを削除する場合には、その削除するフェリカコンテンツに対応するアプリケーション又はサービスに関連づけられた削除URLが参照される。このとき、その削除がなされた日付が削除日に更新される。また、この関連テーブルは、フェリカビューワ40で図3〜図5に示すように領域毎の表示を行う場合に使用される。すなわち、フェリカビューワ40で図3〜図5に示すような表示を行う際に、FAM32がフェリカビューワ40を起動し、関連テーブルを参照する。これにより、図3〜図5に示すような領域毎の非常に見易い表示を行うことができる。その結果、ユーザが領域毎のフェリカコンテンツの内容や状態を簡単に認識することができる。
【0055】
このように、FAM32が図7に示すような関連テーブルを有することにより、フェリカコンテンツを管理することが可能となる。これにより、例えば図3〜図5に示すようなフェリカチップ34内における領域毎のフェリカコンテンツを表示することが可能となる。また、関連テーブルにより、フェリカチップ34を領域毎に管理できるので、例えば関連テーブルでフェリカチップ34の領域毎に残り容量などを管理することにより、フェリカチップ34内の容量を領域毎に把握することが可能となる。さらに、関連テーブルで削除URLを管理することにより、iアプリを起動させることなく、削除URLのリンク先でコンテンツの削除を行うことが可能となる。
【0056】
FAM32は、フェリカコンテンツを提供するアプリケーションを経由して、すなわちiアプリを起動してフェリカコンテンツの追加・削除の制御を行うと共に、R/Wを介してフェリカコンテンツの追加の制御を行う。このように、iアプリのようなアプリケーション経由でも、アプリケーションを経由せずにR/Wからでもフェリカコンテンツの追加を制御することにより、ユーザはフェリカコンテンツの追加・削除を簡単に行うことができる。なお、フェリカコンテンツの追加・制御の手順については以下のように行う。
【0057】
この移動体端末11では、FAM32によりビューワ機能を使用して表示画面上でフェリカコンテンツの追加・削除を行うことができる。この場合、図3に示すような共通領域を選択し、その中の特定のフェリカコンテンツ(ここではmobile ANA)をアクティブにすると、図8に示すようにタブが表示され、例えば「使う」と「削除」などの機能選択が可能になる。そして、「使う」タブを選択することにより、mobile ANAのフェリカコンテンツを使うことができる。一方、「削除」タブを選択することにより、iアプリを起動することなく、mobile ANAのフェリカコンテンツを直接削除することができる。もちろん、タブに表示される機能内容は上記に限られるものではなく、コンテンツの提供者によって自由に設定可能であり、上記の他に、例えば「更新」、「プロパティ」などの設定が可能である。
【0058】
このように、非接触カード機能制御手段であるFAM32を搭載することにより、フェリカとネイティブ機能とを連携することができる。このため、フェリカコンテンツの登録時にFAM32上の関連テーブルにフェリカコンテンツを追加するだけで、フェリカコンテンツに対応するアプリケーションに登録しなくても、一覧表示への反映が可能となる。これにより、フェリカコンテンツが移動体端末11内に格納されたとしても一覧表示に反映されないという不都合を防止することができ、ユーザの使い易さが向上する。例えば、特に図2に示すフリー領域23に格納されるコンテンツにおいては、特定のゲートに対する「入館証」の機能を有するものがある。このようなコンテンツについては、対応アプリケーションの存在は必須ではなく、ユーザは外部R/Wと移動体端末との間での通信でコンテンツを利用する。このため、対応アプリケーションに登録しないと一覧表示に反映できないのでは利便性が非常に悪く、このようなゲート入館証としての利用が難しい。本発明の移動体端末装置のようにFAMのようなミドルウェアを用いることにより、このようなコンテンツに対応するアプリケーションの登録などの手間を省くことができ、サービス提供者にとっては利便性が向上することも期待できる。
【0059】
ここで、移動体端末11でフェリカコンテンツを削除する手順及びR/W17を介してフェリカコンテンツを追加する手順について説明する。図9は、移動体端末11においてフェリカコンテンツを削除する手順を示すフロー図である。図10から図13は、移動体端末11においてフェリカコンテンツを削除する手順を示すシーケンス図である。図14は、移動体端末11においてR/Wを介してフェリカコンテンツを追加する手順を示すシーケンス図である。
【0060】
本発明に係る移動体端末装置においては、フェリカコンテンツの削除、すなわちフェリカチップ34のICカード領域のフェリカコンテンツの削除、アプリ領域のフェリカコンテンツの削除、及びフェリカサーバ(IPサーバ)のユーザデータをユーザによる1回の操作で行うことができる。これにより、ICカード領域及びアプリ領域のフェリカコンテンツを別々に削除する必要がなく、簡単にフェリカコンテンツを削除することが可能である。なお、本実施の形態におけるシーケンスでは、前記削除のうちどれか一つでも削除が正常に終了しなかった場合、FAM32の関連テーブルにおけるフェリカコンテンツのデータを削除してしまうと、フェリカコンテンツが正常に削除される前に移動体端末11においてフェリカコンテンツに関するデータが失われてしまうので、すべての削除について「削除完了」の報告が揃わない限りFAM32の関連テーブルにおけるフェリカコンテンツに関するデータを消去しないようにしている。そして、「削除エラー」が出ているものについては、FAM32の関連テーブルを参照して削除処理のリトライを続ける。
【0061】
具体的には、図9に示すように、ユーザは、移動体端末11において、「削除」したいサービス(フェリカコンテンツ)を「一覧表示」から選択する(S111)。移動体端末11においては、選択されたサービスの削除要求を行う(S112)。そして、FAM32における関連テーブルからこのサービスのデータを検出する(S113)。その後、移動体端末11は、フェリカチップ34内のICカード領域に対して選択されたサービスの削除要求を行う(S114)。そして、選択されたサービスがフェリカチップ34内のICカード領域で削除されたかどうかを判断する(S115)。選択されたサービスがICカード領域で削除されていれば、関連テーブルにおける対応削除URL(フェリカサーバ(IPサーバ))に接続要求が行われる(S116)。削除されていなければ、再びICカード領域に対して選択されたサービスの削除要求が行われる。
【0062】
次いで、上記削除URLへの接続が完了されたかどうかが判断される(S117)。そして、接続が完了すれば、フェリカサーバ(IPサーバ)側では、当該ユーザが当該サービスを利用できないようにデータを更新する(iアプリの削除)(S118)。その後、サービスの利用停止処理が完了したかどうかが判断される(S119)。一方、上記削除URLへの接続が完了していなければ、再度削除URLに接続要求が行われる。次いで、サービスの利用停止処理が完了していれば、移動体端末11において当該iアプリの削除要求が行われる(S120)。サービスの利用停止処理が完了していなければ、再度削除URLに接続要求が行われる。当該iアプリの削除が完了していれば、移動体端末11において、FAM32の関連テーブルにおける当該フェリカコンテンツのデータが削除され(S122)、一覧表示データが上書きされ、保存される(S123)。なお、当該iアプリの削除が完了していなければ、再び当該iアプリの削除要求が行われる。なお、図9においては、iアプリの削除はフェリカサーバへのアクセスが必要になり、エラーの発生率が高いので、先にフェリカチップ34のIC領域におけるフェリカコンテンツの削除を行うようになっているが、iアプリの削除とIC領域の削除とは逆の順序で行われても良い。
【0063】
次に、図10〜図13を用いて、フェリカコンテンツの削除処理の具体的な処理手順について説明する。まず、図10を用いて、すべての削除処理が問題なく進行した場合について説明する。
【0064】
まず、ユーザが移動体端末11のICメニューから「削除」したいサービスを「一覧表示」から選択する(S201)。これにより、FAM32が関連テーブルの当該サービスを選択し、フェリカチップ34の1)IC領域への削除要求と、2)削除URLを参照し、その削除URLに対応するフェリカサーバへのiアプリの削除要求とを行う(S202)。フェリカOS35では、IC領域への削除要求を受けると、フェリカチップ34に対して対象サービスの削除を実行する(S203,S204)。そして、フェリカチップ34からFAM32に対して削除完了報告が行われる(S205)。一方、フェリカサーバでは、iアプリの削除要求を受けると当該ユーザの利用中止データを保存する(S206)。そして、フェリカサーバから移動体端末11に削除完了報告が行われ(S207)、iアプリにおいてアプリの領域削除処理が行われる(S208)。そして、iアプリからFAM32に対して削除完了報告が行われる(S209)。FAM32では、フェリカチップ34及びiアプリのサービス(フェリカコンテンツ)削除が行われたので、関連テーブルにおける対象サービスのデータを削除する(S210)。その後、その情報がICメニューに送られて(S211)、一覧表示データ(IC領域使用率、サービス名など)が上書きされる(S212)。
【0065】
次に、図11を用いて、フェリカサーバ側での削除処理が失敗した場合(例えば、削除処理時にユーザが圏外にいた場合など)について説明する。まず、ユーザが移動体端末11のICメニューから「削除」したいサービスを「一覧表示」から選択する(S301)。これにより、FAM32が関連テーブルの当該サービスを選択し、フェリカチップ34の1)IC領域への削除要求と、2)削除URLを参照し、その削除URLに対応するフェリカサーバへのiアプリの削除要求とを行う(S302)。フェリカOS35では、IC領域への削除要求を受けると(S303)、フェリカチップ34に対して対象サービスの削除を実行する(S304)。そして、フェリカチップ34からFAM32に対して削除完了報告が行われる(S305)。
【0066】
一方、フェリカサーバへのiアプリの削除要求が失敗してエラー報告がFAM32に送られると(S306)、FAM32は関連テーブルの対象データを削除せず(S307)、削除URLに対応するフェリカサーバへのiアプリの削除要求のみを再度行う(リトライ)(S308)。なお、このリトライは、フェリカサーバへの削除要求が正常に送られるまで繰り返す。リトライの間隔については特に制限はない。
【0067】
フェリカサーバでは、iアプリの削除要求を受けると(S309)、当該ユーザの利用中止データを保存する(S310)。そして、フェリカサーバから移動体端末11に削除完了報告が行われ(S311)、iアプリにおいてアプリの領域削除処理が行われる(S312)。そして、iアプリからFAM32に対して削除完了報告が行われる(S313)。FAM32では、フェリカチップ34及びiアプリのサービス(フェリカコンテンツ)削除が行われたので、関連テーブルにおける対象サービスのデータを削除する(S314)。その後、その情報がICメニューに送られて(S315)、一覧表示データ(IC領域使用率、サービス名など)が上書きされる(S316)。
【0068】
次に、図12を用いて、iアプリの削除処理が失敗した場合について説明する。まず、ユーザが移動体端末11のICメニューから「削除」したいサービスを「一覧表示」から選択する(S401)。これにより、FAM32が関連テーブルの当該サービスを選択し、フェリカチップ34の1)IC領域への削除要求と、2)削除URLを参照し、その削除URLに対応するフェリカサーバへのiアプリの削除要求とを行う(S402)。フェリカOS35では、IC領域への削除要求を受けると(S403)、フェリカチップ34に対して対象サービスの削除を実行する(S404)。そして、フェリカチップ34からFAM32に対して削除完了報告が行われる(S405)。
【0069】
一方、フェリカサーバでは、iアプリの削除要求を受けると当該ユーザの利用中止データを保存する(S406)。そして、フェリカサーバから移動体端末11に削除完了報告が行われ(S407)、iアプリにおいてアプリの領域削除処理が行われる(S408)。このときにiアプリにおいてエラーが検知されたときには、エラー情報を生成し(S409)、FAM32に対してエラー報告が行われる(S410)。FAM32がエラー報告を受け取ると、関連テーブルの対象データを削除せず(S411)、削除URLに対応するiアプリへの削除要求のみを再度行う(リトライ)(S412)。なお、このリトライは、iアプリでの削除要求が正常に送られるまで繰り返す。リトライの間隔については特に制限はない。
【0070】
iアプリでは、削除要求を受けると(S413)、削除処理が実行され、FAM32に削除完了報告が行われる(S414)。FAM32では、フェリカチップ34及びiアプリのサービス(フェリカコンテンツ)削除が行われたので、関連テーブルにおける対象サービスのデータを削除する(S415)。その後、その情報がICメニューに送られて(S416)、一覧表示データ(IC領域使用率、サービス名など)が上書きされる(S417)。
【0071】
次に、図13を用いて、フェリカチップでの削除処理が失敗した場合について説明する。まず、ユーザが移動体端末11のICメニューから「削除」したいサービスを「一覧表示」から選択する(S501)。これにより、FAM32が関連テーブルの当該サービスを選択し、フェリカチップ34の1)IC領域への削除要求と、2)削除URLを参照し、その削除URLに対応するフェリカサーバへのiアプリの削除要求とを行う(S502)。フェリカサーバでは、iアプリの削除要求を受けると当該ユーザの利用中止データを保存する(S503)。そして、フェリカサーバから移動体端末11に削除完了報告が行われ(S504)、iアプリにおいてアプリの領域削除処理が行われる(S505)。そして、iアプリからFAM32に対して削除完了報告が行われる(S506)。
【0072】
一方、フェリカOS35では、IC領域への削除要求を受けるとフェリカチップ34に対して対象サービスの削除を実行する(S507,S508)。このときにフェリカチップ34においてエラーが検知されたときには、エラー情報を生成し(S509)、FAM32に対してエラー報告が行われる(S510)。FAM32がエラー報告を受け取ると、関連テーブルの対象データを削除せず(S511)、削除URLに対応するフェリカチップ34への削除要求のみを再度行う(リトライ)(S512)。なお、このリトライは、フェリカチップ34での削除要求が正常に送られるまで繰り返す。リトライの間隔については特に制限はない。
【0073】
フェリカチップ34では、削除要求を受けると(S513)、IC領域の削除処理が実行され(S514)、FAM32に削除完了報告が行われる(S515)。FAM32では、フェリカチップ34及びiアプリのサービス(フェリカコンテンツ)削除が行われたので、関連テーブルにおける対象サービスのデータを削除する(S516)。その後、その情報がICメニューに送られて(S517)、一覧表示データ(IC領域使用率、サービス名など)が上書きされる(S518)。
【0074】
このようにフェリカコンテンツを削除する場合、フェリカチップ34、フェリカサーバ及びiアプリから一括して削除を行うことができるので、簡単な操作でフェリカコンテンツを削除することができる。この場合、前記削除処理のうちどれか一つでも削除が正常に終了しなかったときには、FAM32の関連テーブルにおけるフェリカコンテンツのデータを消去しないようにしているので、フェリカコンテンツが正常に削除される前に移動体端末11においてフェリカコンテンツに関するデータが失われてしまうことを防止できる。
【0075】
次に、図14を用いて、移動体端末11においてR/Wを介して直接フェリカコンテンツを追加する手順について説明する。外部R/W17からフェリカコンテンツを取得する場合、移動体端末11を外部R/Wに近づける。このとき、外部R/W17とフェリカOS35との間で認証などの処理が行われる(S601)。認証がなされると、外部R/W17から移動体端末11のR/Wを介してフェリカコンテンツが伝送される(S602)。このフェリカコンテンツは、フェリカチップ34に格納される。フェリカコンテンツがフェリカチップ34に格納されると、外部R/W17とフェリカOS35との間で終了処理などが行われる(S603)。
【0076】
このようにフェリカコンテンツをフェリカチップ34に追加した後に、ユーザがメニューを開くと(S604)、メニューからFAM32に関連テーブルを参照するリクエストがなされる(S605)。FAM32は、リクエストを受けると、フェリカチップ34に対してコマンドを発行し、フェリカチップ34に格納されているフェリカコンテンツの登録状況を取得する(S606)。また、FAM32は、新しく登録されたフェリカコンテンツがあった場合には、サービス名などのコンテンツ情報をフェリカサーバから取得する(S607)。FAM32は、このように取得したコンテンツ情報を関連テーブルに更新する(S608)。また、FAM32は、フェリカコンテンツの格納状況をメニューに応答し、メニューは格納状況にしたがって画面表示を行う(S609)。
【0077】
このように図6に示す構成を有する移動体端末11では、iアプリを起動させることなく、外部R/Wから直接フェリカコンテンツを取得することが可能であるので、ユーザの簡単な操作で容易にフェリカコンテンツを取得することができ、ユーザの利便性が向上する。また、外部R/Wから直接フェリカコンテンツを取得した際に、そのフェリカコンテンツに関するコンテンツ情報をフェリカサーバから取得するので、外部R/Wから取得したフェリカコンテンツをiアプリを起動して取得したフェリカコンテンツと同様に管理することが可能となる。
【0078】
また、図8に示す画面においてフェリカコンテンツを削除する場合には、FAM32が関連テーブルの削除URLにフェリカコンテンツの削除をリクエストする。このように、図6に示す構成を有する移動体端末11では、iアプリを起動させることなく、画面上でフェリカコンテンツを削除することが可能であるので、ユーザの簡単な操作で容易にフェリカコンテンツを削除することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0079】
このように、本発明に係る移動体端末11によりフェリカコンテンツを管理することができ、フェリカコンテンツの追加・削除を簡単に行うことができるので、ユーザの簡単な操作で、すなわち外部R/W17からのフェリカコンテンツの追加及び移動体端末11の画面上でのフェリカコンテンツの削除で、フェリカコンテンツの追加・削除を行うことができる。
【0080】
ここで、本発明の効果を明確にするために、FAM32を有しない移動体端末におけるフェリカコンテンツの追加・削除について説明する。図15は、FAMを有しない移動体端末装置の他の内部構成を示す図である。図15に示す構成においては、移動体端末の種々の機能を実行する移動機OS51と、フェリカ用のオペレーションシステムであるフェリカOS54と、フェリカOS54を駆動させるフェリカデバイスドライバ52と、フェリカコンテンツを格納するフェリカチップ53とを主に有している。このフェリカOS54上で、Java(登録商標)のアプリケーションを管理するJAM55並びにブラウザ起動を行うためのAPI及びAPIを実行するデバイスであるKVM56が動作し、移動機OS51上で他のアプリケーション、例えばブラウザ57やメニュー58が動作する。
【0081】
図15に示すような構成においては、FAMを有していないので、フェリカOS54がフェリカに関するネットワークコンピューティングを制御しており、ブラウザ57やメニュー58を制御することができない。このため、フェリカコンテンツを画面上で領域毎に分けて表示することはできず、図16に示すようにフェリカコンテンツすべてを単に表示するだけである。また、FAMを有していないので、フェリカコンテンツの追加・削除はアプリケーション経由でしかできず、図14に示すような外部R/Wから直接取得することはできない。このため、フェリカコンテンツの追加・削除は、iアプリを起動して行わなければならない。
【0082】
一方、本発明の移動体端末11においては、フェリカコンテンツを提供するアプリケーションを経由してフェリカコンテンツの追加・削除の制御を行うと共に、外部R/W17からフェリカコンテンツの追加の制御を行うFAM32を備えているので、フェリカコンテンツを管理することができ、しかも外部R/Wからフェリカコンテンツを直接取得することができるので、フェリカコンテンツの追加・削除を簡単な操作で行うことができる。
【0083】
本実施の形態においては、FAM機能が携帯端末装置に内蔵されている場合について説明しているが、本発明にかかるFAM機能及びフェリカコンテンツデータをUIMカード(User Identity Module card)やSIMカード(Subscriber Identity Module card)のようなICカードに格納し、そのICカードを携帯端末装置に着脱可能にする構成としても良い。この場合、携帯端末装置には、ICカードを挿入できるスロットなどのカード挿入口を設ける。このようにFAM機能(FAM、フェリカデバイスドライバ、フェリカチップ、フェリカOS)をICカードに格納し、そのICカードを他の携帯端末装置に挿入することにより、ICカードに格納したフェリカコンテンツを他の携帯端末装置で使用することが可能となる。これにより、フェリカコンテンツを携帯端末装置間で自由に移動することができ、フェリカコンテンツの利用の自由度が広がる。
【0084】
このようにFAM機能をICカードに搭載する場合、FAM機能の一部の機能を携帯端末装置に搭載し、FAM機能の残りの機能をICカードに搭載するような構成としても良い。例えば、FAMが各種コンテンツの管理に用いる関連テーブルをICカードに格納し、その他のFAM、フェリカデバイスドライバ、フェリカチップ、フェリカOSなどのFAM制御機能(デバイス、プログラム、アプリケーション)を携帯端末装置に搭載する。このようにFAM機能を切り分けて搭載場所を異なるようにすることにより、フェリカコンテンツに関するセキュリティを高くすることができる。
【0085】
このように関連テーブルをICカードに格納する場合、図17に示すように、関連テーブルにユーザ認証情報(例えばユーザID及びパスワード)の領域を設け、ICカードを使用する際にこの関連テーブルを用いてユーザ認証を行うことが好ましい。例えば、このような関連テーブルを格納したICカードを携帯端末装置から取り出して、別の携帯端末装置に挿入してフェリカコンテンツを利用するときに、携帯端末装置に搭載されているFAMがICカードのIDを識別し、未知のユーザが使用としている場合、すなわち自装置のIDと異なるIDであった場合にユーザ認証を行う。このとき、ユーザにユーザIDとパスワードの入力を求める。なお、セキュリティをより高くするためには、ユーザ認証として、指紋照合などのバイオメトリクス技術を用いることが好ましい。例えば、携帯端末装置に指紋画像をスキャニングするスキャナを設け、そのスキャナに指をすべらせたり、指を置いたりして指紋画像を取得する。
【0086】
なお、図3から図5及び図8に示す画面構成は、自分の移動体端末に現在格納されているフェリカコンテンツのサービス名や、それぞれの領域の記憶容量の残存値をユーザが容易に把握するための一例であり、「削除」などの処理をユーザが容易にできれば、ここに示す画面構成に限定されない。
【0087】
例えば、図3〜図5に示すように領域毎に区別して一覧表示させるのではなく、全領域のサービス名が一つのページ上で一覧表示されるような画面構成でも良い。この場合において、新しいコンテンツの追加にあたって容量不足により既存のコンテンツを削除する必要があるときは、新しいコンテンツが格納されるべき領域と同じ領域のコンテンツが削除されるようにする。例えば、新しいコンテンツがフリー領域に格納されるコンテンツであり、この新しいコンテンツを追加するにあたってコンテンツの削除が必要であるときは、フリー領域に既に格納されているコンテンツから削除できるようにし、他の領域に格納されているコンテンツを削除できないようにすることが望ましい。例えば、フリー領域の新しいコンテンツを追加する場合に容量不足になったときには、全領域のサービス名が一覧表示されている画面上でフリー領域に格納されているコンテンツのみを「削除対象コンテンツ」として選択可能にする。具体的には、フリー領域に格納されているコンテンツのみの文字や範囲の色を変える、あるいはフリー領域以外の領域に格納されているコンテンツの文字や範囲をグレーにする。このような構成にすることにより、ユーザは一つの一覧表示画面ですべてのサービスを一度に閲覧でき、特定のサービスを検索する際に利便性が向上する。また、この構成によれば、容量不足でコンテンツを削除する際にも無関係なコンテンツを削除してしまうことを防止できる。
【0088】
あるいは、全領域のサービス名が一つのページ上で一覧表示された状態において、「追加」及び「削除」の処理を行う際に図3〜図5に示すような領域毎の一覧表示画面に遷移するような設計にしても良い。
【0089】
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態で説明した構成に限定されず、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。例えば上記実施の形態においては、フェリカと共にブラウザ、メニュー、フェリカビューワを起動する制御手段としてFAMを用いた場合について説明しているが、本発明においては、フェリカと共にブラウザ、メニュー、フェリカビューワを起動することができる他の制御手段や管理手段などを用いても良い。また、上記実施の形態においては、非接触カード機能がフェリカである場合について説明しているが、本発明は非接触カード機能がフェリカ以外の非接触カード機能である場合にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の一実施の形態に係る非接触カード機能管理システム及び非接触カード機能取得システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る移動体端末装置の非接触カード機能用コンテンツを格納する格納領域の構成を示す図である。
【図3】移動体端末装置の表示画面において共通領域の非接触カード機能用コンテンツを示した図である。
【図4】移動体端末装置の表示画面において公共領域の非接触カード機能用コンテンツを示した図である。
【図5】移動体端末装置の表示画面においてフリー領域の非接触カード機能用コンテンツを示した図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る移動体端末装置の内部構成を示す図である。
【図7】非接触カード機能用コンテンツと、この非接触カード機能用コンテンツを提供するアプリケーションとを関連づける関連テーブルを示す図である。
【図8】移動体端末装置の表示画面において共通領域の非接触カード機能用コンテンツの一つをアクティブにした状態を示す図である。
【図9】移動体端末11においてフェリカコンテンツを削除する手順を示すフロー図である。
【図10】移動体端末11においてフェリカコンテンツを削除する手順を示すシーケンス図である。
【図11】移動体端末11においてフェリカコンテンツを削除する手順を示すシーケンス図である。
【図12】移動体端末11においてフェリカコンテンツを削除する手順を示すシーケンス図である。
【図13】移動体端末11においてフェリカコンテンツを削除する手順を示すシーケンス図である。
【図14】移動体端末装置においてR/Wを介して非接触カード機能用コンテンツを追加する手順を示すシーケンス図である。
【図15】移動体端末装置の他の内部構成を示す図である。
【図16】図15に示す移動体端末装置の表示画面において非接触カード機能用コンテンツを示した図である。
【図17】非接触カード機能用コンテンツと、この非接触カード機能用コンテンツを提供するアプリケーションとを関連づける関連テーブルの他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
11 移動体端末
12 移動通信網
13 移動通信網用サーバ
14 インターネット
15 Webサーバ
16 非接触カード機能用コンテンツサーバ
17 外部リーダライタ
18 コントローラ
21 共通領域
22 公共領域
23 フリー領域
24 インジケータ
31 移動機OS
32 FAM
33 フェリカデバイスドライバ
34 フェリカチップ
35 フェリカOS
36 JAM
37 API,KVM
38 ブラウザ
39 メニュー
40 フェリカビューワ
111 アプリケーション
112 非接触カード機能

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末本体と、前記端末本体で使用する種々の機能を動作させる端末オペレーションシステムと、非接触カード機能用コンテンツを格納する非接触カード用格納手段と、前記種々の機能を用いて前記非接触カード機能用コンテンツを使用するための制御を行う非接触カード機能制御手段と、を具備することを特徴とする移動体端末装置。
【請求項2】
端末本体と、非接触カード機能用コンテンツを格納する非接触カード用格納手段と、前記非接触カード機能用コンテンツを使用するための制御を行う非接触カード機能制御手段と、前記非接触カード機能用コンテンツを直接取得する取得手段と、を具備し、前記非接触カード機能制御手段は、前記非接触カード機能用コンテンツを提供するアプリケーションを経由して前記非接触カード機能用コンテンツの追加・削除の制御を行うと共に、前記取得手段を介して前記非接触カード機能用コンテンツの追加の制御を行うことを特徴とする移動体端末装置。
【請求項3】
前記非接触カード機能制御手段は、前記非接触カード機能用コンテンツと、前記非接触カード機能用コンテンツを提供するアプリケーションとを関連づける関連テーブルを有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の移動体端末装置。
【請求項4】
前記関連テーブルが前記非接触カード機能用コンテンツの削除を行う際に使用する前記非接触カード機能用コンテンツ毎の削除URLを有しており、非接触カード機能制御手段は、ビューワ機能を使用した際の表示画面上で前記非接触カード機能用コンテンツの削除を行う際に前記削除URLにリクエストすることを特徴とする請求項3記載の移動体端末装置。
【請求項5】
前記非接触カード機能制御手段は、前記非接触カード用格納手段に新たな非接触カード機能用コンテンツが追加されたときに前記関連テーブルに前記非接触カード機能用コンテンツを更新することを特徴とする請求項3又は請求項4記載の移動体端末装置。
【請求項6】
前記非接触カード用格納手段は、前記非接触カード機能用コンテンツを格納する複数の領域を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の移動体端末装置。
【請求項7】
前記種々の機能はビューワ機能を含み、前記非接触カード機能制御手段は、前記ビューワ機能を使用して、前記格納手段における前記複数の領域のそれぞれについて前記非接触カード機能用コンテンツを表示することを特徴とする請求項6記載の移動体端末装置。
【請求項8】
前記非接触カード機能制御手段は、前記ビューワ機能を使用した際の表示画面上で前記非接触カード機能用コンテンツの削除を行うことを特徴とする請求項7記載の移動体端末装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の移動体端末装置と、前記移動体端末装置とネットワークを介して接続されており、前記非接触カード機能用コンテンツを提供するプロバイダから得た複数の非接触カード機能用コンテンツを格納する前記非接触カード機能用コンテンツサーバと、を具備することを特徴とする非接触カード機能管理システム。
【請求項10】
移動体端末装置と、前記移動体端末装置とネットワークを介して接続されており、前記非接触カード機能用コンテンツを提供するプロバイダのサーバと、を具備し、
前記移動体端末装置は、端末本体と、非接触カード機能用コンテンツを格納する非接触カード用格納手段と、前記非接触カード機能用コンテンツを使用するための制御を行う非接触カード機能制御手段と、前記非接触カード機能用コンテンツを直接取得する取得手段と、を有しており、
前記非接触カード機能制御手段は、前記取得手段を介して前記非接触カード機能用コンテンツの追加を行った際に、追加した非接触カード機能用コンテンツに対応するコンテンツ情報を前記サーバから取得することを特徴とする非接触カード機能取得システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−99721(P2006−99721A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−125050(P2005−125050)
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】