説明

移動体通信端末

【課題】限られたメモリ容量の移動体通信端末において、利用者が気軽に利用できるデータの配信サービスを実現することである。
【解決手段】 受信したデータの利用形態が異なる第1の形態と第2の形態とがあるシステムにおける移動体通信端末において、第1の形態と第2の形態とのうちいずれの形態によるデータ受信を行うかの選択をユーザから受け付け、選択に対応する形態によりデータの送信を要求する。第1の形態の場合には、受信されたデータを不揮発性メモリ13に記録させ、第2の形態の場合には、データを外部記録媒体15に転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声、画像信号などのデータを無線で受信して再生する移動体通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話に代表される移動体通信端末は、機器のディジタル化・小型化および利用料金の低価格化により、急速に普及率が高まっている。この移動体通信端末の詳細については、安田靖彦「ISDN時代の移動体通信システム」(pp.97-131、オーム社)(以下、非特許文献1という)に記載されている。携帯電話は、当初、電話による通話サービスからスタートしたが、その後、データ通信端末としての機能も付加され、現在、電子メール、インターネットへのアクセス機能を有するものも製品化されている。携帯電話のデータ通信の転送レートは、当初2.4Kbps程度から、9.6Kbps、28.8Kbpsと徐々に高くなっており、さらに、CDMA方式の端末においては、高速移動で144kbps、歩行で384kbps、屋内で2Mbpsとなる。この移動体通信端末でのデータ転送に関しては、本間光一「無線端末」(Vol.82 No.2 pp.138-144、電子通信学会誌)(以下、非特許文献2という)に記載されている。
【0003】
また、音声の圧縮技術も進歩してきており、移動体通信のデータ転送により音楽などの音声データの配信さえ可能になろうとしている。例えば、音楽のタイトルを指定し、サーバより音声データをダウンロードしてこのダウンロードした音楽を利用者が移動中に楽しむことも可能になろうとしている。
【0004】
【非特許文献1】「ISDN時代の移動体通信システム」安田靖彦著(pp.97-131、オーム社)
【非特許文献2】「無線端末」本間光一著(Vol.82 No.2 pp.138-144、電子通信学会誌)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
移動体通信のデータ転送による音楽などの音声データの配信を実現するためには、いくつかの問題点がある。そのひとつが、移動体通信に搭載可能なメモリの容量である。上述したように、音声の圧縮技術が進歩してきているが、音楽の品質をCD品質程度に維持するには128kbps程度の速度が必要である。したがって、45分のCDタイトルの圧縮データをすべて保持するには、35MB程度の記録容量が必要となる。複数のタイトルをダウンロードする場合、容量不足となることがあり、この場合、以前記録した音楽データを消去して上書きする必要がある。音楽のデータの多くは、著作権があるためダウンロードの時などに、利用者がライセンス料を徴収されることとなるが、ライセンス料の支払後に音声データを削除されるということは、利用者としては不利になり、気軽に利用できるサービスにはならない可能性もある。
【0006】
本発明の課題は、利用者が容易にデータの配信サービスを利用可能な移動体通信端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明は、受信したデータの利用形態が異なる第1の形態と第2の形態とがあるシステムにおける移動体通信端末において、前記データの受信を行う受信手段と、データを記憶する記録手段と、外部記録媒体を接続させるためのインターフェイス手段と、前記第1の形態と前記第2の形態とのうちいずれの形態によるデータ受信を行うかの選択を受け付ける選択手段と、前記選択手段で受け付けた選択に対応する形態によりデータの送信を要求する要求手段と、前記選択手段で受け付けた選択が、前記第1の形態の場合には、前記受信手段により受信されたデータを前記記録手段に記録させ、前記第2の形態の場合には、前記受信手段により受信されたデータを前記インターフェイス手段を介して前記外部記録媒体に転送する制御手段とを有する。
受信したデータの利用形態が異なる第1の形態と第2の形態とがあるシステムにおける移動体通信端末において、前記データの受信を行う受信手段と、データを記憶する記録手段と、外部記録媒体を接続させるためのインターフェイス手段と、前記外部記録媒体へのデータの転送指示を受け付ける受付け手段と、第1の形態と前記第2の形態とのうちいずれの形態によるデータ受信を行うかの選択を受け付ける選択手段と、前記選択手段で受け付けた選択に対応する形態によりデータの送信を要求する要求手段と、前記選択手段で受け付けた選択が、前記第1の形態の場合には、前記受信手段により受信されたデータを前記記録手段に記録させ、前記第2の形態の場合には、前記受信手段により受信されたデータを前記記録手段に記録させ、前記受付け手段で指示を受け付けたときに、前記記録手段に記録されたデータを前記インターフェイス手段を介して前記外部記録媒体に転送する制御手段とを有する。
受信するデータの種別を表示する表示手段を有し、前記選択手段は、前記データの種別の選択をさらに受け付け、前記要求手段は、前記選択手段により選択されたデータの種別を送信する。
金額情報を記録する記録媒体が装着されるポート手段をさらに有し、前記制御手段は、前記記録媒体が前記ポート手段に装着されているときに、前記受信手段でデータを受信した場合に、前記選択された形態に対応する金額情報により前記記録媒体に記録されている金額情報を更新する。
前記要求手段により要求された形態によるデータ送信が拒否された場合に、その旨を通知する通知手段をさらに有するようにしてもよい。
前記受信手段により受信されたデータから、当該データが前記第1の形態であるか第2の形態であるかを示す情報を検出し、検出した形態が、前記選択手段により選択された形態と一致するか否かを認証する認証手段をさらに有することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利用者が容易にデータの配信サービスを利用可能な移動体通信端末を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の第1の実施の形態の構成図を示したものである。図1において、移動体通信端末は、電波の送受信を行うアンテナ1と、送受信のRF信号を増幅するRF部2と、データの変復調及びフレームの組み立て・分解をおこなうモデム・チャネルコーデック部3と、第1の音声のエンコード及びデコードを行う音声コーデック4と、制御手段であるMPU(Micro-Processor Unit)5と、音声入力を行うマイク6と、音声出力を行うスピーカ7と、文字情報を表示する表示部8と、電話番号や指示を受け付けるキーボード9と、一時的にデータを記憶するRAM10と、処理に対応するプログラムを記憶するROM11と、後述する認証を行う認証部12と、受信したデータを記憶する不揮発性メモリ13と、着脱可能な外部記録媒体15と、外部記録媒体15が装着されるカードインターフェイス14と、制御手段であるMPU16と、第2の音声のエンコードおよびデコードを行う音声コーデック17と、音声を出力するスピーカ18とを備える。不揮発性メモリ13は、FLASHタイプ、または、バックアップ電源を有するRAMなどの移動体通信端末の電源がOFFでもデータの保持ができる記録媒体であり、磁気記録タイプの記憶媒体でもよい。
【0011】
また、図6に、移動体通信端末の一例として、携帯電話の外観図を示す。図6に示すように、本実施の形態における携帯電話は、外部記録媒体15が内部のカードインターフェイス14に装着される。また、キーボード9は、電話番号の入力のほかに、ダウンロードサービスの選択の受付け、メニューの選択の受付け、利用形態の選択の受付けなどを行うために、キーボードの各キーもしくはキーの組み合わせによりファンクションが予め設定されている。
【0012】
また、図2は、通常の移動体通信端末の構成例を示している。 本例は、PDCなどの携帯電話の構成例であり、電波の送受信を行うアンテナ1、送受信のRF信号を増幅するRF部2、データの変復調及びフレームの組み立て・分解をおこなうモデム・チャネルコーデック部3、音声のエンコード及びデコードを行う音声コーデック4、制御手段であるMPU5、音声入力を行うマイク6、音声出力を行うスピーカ7、文字情報を表示する表示部8、電話番号を受け付けるキーボード9、一時的にデータを記憶するRAM10、及び、処理に対応するプログラムを記憶するROM11を備える。
【0013】
以下、まず図2により移動体通信装置の通常の動作について説明し、次に図1に示した本実施の形態の構成における動作を説明する。
【0014】
まず、図2において、アンテナ1からは、携帯電話で使用されている無線周波数の信号を受信する。受信した信号はRF2により増幅して、増幅した信号をモデム・チャネルコーデック3に供給する。モデム・チャネルコーデック3では、モデム部において供給されたRF信号を復調する。一般に携帯電話では、QPSKなどで変調されているので、ここでは、QPSKの復調処理等を行う。復調した信号はモデム・チャネルコーデック3のチャネルコーデック部に供給して、チャネルコーデック部ではフレームの分解を行い、多重化された各種データを取り出す。
【0015】
データ通信では、一定の時間間隔(フレーム)にいくつかの情報を多重化しており、データの種別ごとにデータを送受信するチャネルを設けている。このチャネルには、端末(移動局)側に知らせる報知用チャネル、発着呼制御を主目的として各通信機器が共用する制御チャネル、及び、通信に必要な情報と音声データの電送を目的とした通信チャネルなどがある。上記のチャネルコーデック部においては、これらの各チャネルより、データ種別ごとに分割して、MPU5及び音声コーデック4に供給する。MPU5では、チャネルコーデックより得たデータに応じ、各部の制御などを行う。たとえば、表示部への情報表示、または、モデム・チャネルコーデック3の制御などを行う。音声は、通信のデータ量を削減するためにデータ圧縮された状態で送られてくるため、音声コーデックでは、モデム・チャネルコーデック3より音声データを受け取り、伸長処理を行い、音声データをスピーカに供給する。
【0016】
以上は、受信側に説明をしたが、携帯電話では、音声の送信も同時に行われる。
【0017】
送信時には、まずマイクより取り込んだ音声データを音声コーデック4に供給して、音声コーデック4において音声の圧縮を行い圧縮後のデータをモデム・チャネルコーデック3に供給する。モデム・チャネルコーデック3では、圧縮後の音声データを他の通信に必要な情報及び制御データと共にフレームを組み立て、QSPKなどの変調を行った後、RF部に供給する。RF部では、供給された信号を増幅してアンテナ1に供給する。アンテナ1では、RF部で増幅された信号を電波として送信する。
【0018】
次に、本発明による実施の形態の動作を図5を参照して説明する。本実施の形態は、携帯電話の機能に、さらに、音声及び画像などのデータを保持する基地局または基地局のバックボーンに設けられたデータサーバから、データをダウンロードする機能と、ダウンロードする場合に、データの複数の利用形態の中からユーザの選択を受け付け、選択された利用形態に対応する処理を行う機能とを備える。携帯電話の通話機能については、図2に示す動作と同じである。
【0019】
本実施の形態においては、データの複数の利用形態として、ダウンロードデータをコピーできないデータ形態でダウンロードする第1の形態と、ダウンロードデータをコピーできる形態でダウンロードする第2の形態とを備える。
【0020】
第1の利用形態が選択された場合には、基地局側から、コピーできないようなダウンロードデータが送信され、受信したダウンロードデータを不揮発性メモリ13に記録させる。ユーザは、不揮発性メモリ13に記録されたデータを再生することにより、一時的にデータを利用することができるが、外部記録媒体15にデータを保存させることはできない。不揮発性メモリ13に記録されたデータは、予め定めた時間経過したときに、消去される。もしくは、次のデータが受信されたときに、不揮発性メモリ13に記録されているデータを更新するようにしてもよい。
【0021】
また、第2の利用形態が選択された場合には、基地局側から、コピーできるダウンロードデータが送信され、受信したダウンロードデータを不揮発性メモリ13、もしくは、取り出し可能な記録媒体である外部記録媒体15に保存させる。
【0022】
また、第1の利用形態と、第2の利用形態とで、受信したデータに対する対価(ライセンス料、使用料等)を異ならせるようにできる。この場合、基地局側で、ライセンス料を通話料とともに徴収するようにできる。また、基地局側から送信されるコピーできないデータ形態としては、コピープロテクトをかけたデータや、暗号化したデータなどが利用される。
【0023】
図5は、本実施の形態における処理のフローチャートを示している。図5に示すフローチャートに対応するプログラムは、ROM11に記憶されており、MPU5により実行される。また、図7に、移動体通信端末の表示部に表示される内容を示す説明図を示す。
【0024】
図5において、移動体通信端末の使用者は、キーボード9よりデータのダウンロードサービスを選択指定する。ダウンロードサービスの指定を受け付けると、MPU5は、モデム・チャネルコーデック3に、ダウンロードサービス要求のデータを供給する。モデム・チャネルコーデック3は、チャネルコーデック部にて、基地局側に送出するフレームにこの要求を組み込み、モデム部にて変調を行い、変調後の信号をRF部2に供給する。この指定データを含んだRF信号は、RF部2において増幅された後、アンテナ1より送信される(S101)。この送出された信号は、基地局側で受信され、基地局側もしくはサーバ側では、この受信した信号を解析し、使用者がデータのダウンロードサービスを指定したことを検知して、データのメニューを含む信号を送出する。
【0025】
移動体通信側では、この送出されたメニューデータをアンテナ1で受信し、RF部で増幅された後、モデム・チャネルコーデック3において復調およびフレームの分解を行い、基地局側から送出されたメニューデータを検出する。MPU5は、モデム・チャネルコーデック3からをこのメニューデータを受け取り、表示部8にメニューを表示させる(S102)。メニューの表示例としては、例えば、音楽のジャンルや、曲名などのデータの種別を示す情報が示される。使用者は、このメニューからダウンロードするデータをキーボード9により選択する。メニューの選択肢を受け付けると、MPU5は、上述したデータのダウンロードサービスの指定を基地側に送出した処理と同様の処理により、基地側にメニューの選択肢を送信する(S103)。
【0026】
基地側では、ダウンロードするデータを検知し、利用形態が、第1の形態か、第2の利用形態であるかの問い合わせの信号を移動体端末側に送る。移動体端末側では、アンテナ1、RF部2、モデム・チャネルコーデック3およびMPU5を介して、この問い合わせを、図7に示すように表示部8に表示する。
【0027】
図7において、第1の利用形態と第2の利用形態との選択肢を表示した例を示している。第1の利用形態の場合、一時的な利用となり、第2の利用形態の場合、永久的な利用であり、買い取りということになる。ユーザは、この問い合わせに対し、第1の利用形態と第2の利用形態とのうちいずれの形態でダウンロードするかをキーボード9により選択する。移動体通信端末は、キーボード9で受け付けた利用形態の選択信号を、MPU5、モデム・チャネルコーデック3、 RF部2およびアンテナ1を介して基地局側に送出する(S105)。
【0028】
基地局側では、この選択信号を受信し、指定されたダウンロードデータと、選択された利用形態に対応する対価の額を示す金額情報とを組み込んだデータを送出する。移動体通信端末側では、このデータを受信して(S106)、アンテナ1、RF部2、モデム・チャネルコーデック3およびMPU5を介して、MPU16に供給する。MPU16では、認証部12において、このデータが本移動体通信端末に送られてきた利用者が指定したデータであることと、利用者が選択した利用形態にあったデータであることとを確認したのち、 供給されたデータの利用形態を判断し(S107)、利用形態に対応させてメモリ13または取り出し可能な記録媒体15に記録させる。
【0029】
このとき、利用者が、第1の利用形態を選択した場合には、端末から取り外しのできない不揮発性メモリ13にコピーできない形態でデータが記録される(S109)。また、利用者が、第2の利用形態を選択した場合、取り出し可能な外部記録媒体15にコピーできる形態でデータを記憶させる(S108)。もしくは、第2の利用形態が選択された場合に、一時的に不揮発性メモリ13に記憶させ、利用者が、外部記録媒体15へのコピーを指定したときに、MPU16の認証部12で、指定されたデータが第2の利用形態であるか否かを認証し、第2の利用形態である場合には、不揮発性メモリ13から外部記録媒体15にデータを転送させるようにしてもよい。
【0030】
利用者が、データの再生を指示した場合、再生指示を受け付けたMPU5は(S110)、不揮発性メモリ13または外部記録媒体15よりデータを読み出させ、データを音声コーデック17に供給し、音声コーデック17においてデータの伸張を行い、スピーカに供給して、音声を出力させる(S111)。
【0031】
本実施の形態によれば、移動体通信端末において、不揮発性メモリ13にコピーできない形態でデータを記憶させる第1の利用形態と、取り出し可能な外部記録媒体15にコピーできる形態でデータを記録させる第2の形態という2つの形態のデータのダウンロードが可能である。一時的にデータを利用する第1の利用形態の場合のライセンス料を、長期または永久に音楽データを利用する第2の利用形態のライセンス料に比べ安価に設定することにより、限られた内蔵のメモリ容量の移動体通信端末において、利用者は、気軽に音楽データなどを自由に利用することができる。
【実施例2】
【0032】
次に、第2の実施の形態を図3を参照して説明する。図3は、第2の実施の形態による移動体通信端末の構成を示したものである。図3において、移動体通信端末は、電波の送受信を行うアンテナ1と、送受信のRF信号を増幅するRF部2と、データの変復調及びフレームの組み立て・分解をおこなうモデム・チャネルコーデック部3と、音声のエンコード及びデコードを行う音声コーデック40と、制御手段であるMPU50と、音声入力を行うマイク6と、音声出力を行うスピーカ7と、文字情報を表示する表示部8と、電話番号や指示を受け付けるキーボード9と、一時的にデータを記憶するRAM10と、処理に対応するプログラムを記憶するROM11と、後述する認証を行う認証部12と、受信したデータを記憶する不揮発性メモリ13と、着脱可能な外部記録媒体15と、外部記録媒体15が装着されるカードインターフェイス14とを備える。
【0033】
第2の実施の形態が、第1の実施の形態と異なる点は、MPU50の内部に、認証部12を持たせ、また、不揮発性メモリ13および外部記録媒体15へのデータの書き込みおよび読み出し(再生処理)の機能(第1の実施の形態におけるMPU16の機能)を持たせた点と、音声コーデック40が2種類のモードを備える点である。本実施の形態における音声コーデック40は、電話の通話用の圧縮・伸張用モードのコーデック機能と、基地局側からダウンロードした音声データの伸張モードのための機能と2つ圧縮・伸張モードに対応している。本実施の形態においても、第1の実施の形態のすべての機能を有しており、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。本実施の形態によれば、MPUおよび音声コーデック部が1つですむため、小型化および低価格化が可能である。
【0034】
また、図3において、スピーカは1つで、通話時とダウンロードした音声データの出力に兼用する形になっているが、図1と同様に、ダウンロードした音声データの出力に別のスピーカ18または外付けのヘッドホーンなどをつける端子を設けてもよい。また、音声用の圧縮伸長モード1とダウンロードしたデータの伸長用のモード2とを持たせているが、音声用の圧縮伸長とダウンロードしたデータの伸長用の圧縮方式は、同一の方式でも構わない。
【0035】
次に、第3の実施の形態を図4を参照して説明する。図4は、第4の実施の形態における移動体通信端末の構成例を示したものである。本実施の形態は、ポート手段であるカードインターフェイス140に、着脱可能な外部記録媒体15とマネーカード19とを取り付け可能にしたものである。マネーカード19は、金額情報を記録する記録媒体であり、ICカードや、プリペイドカードなどである。本実施の形態において、制御手段であるMPU50は、マネーカード19がカードインターフェイス140に装着されているときに、データを受信した場合に、選択された利用形態に対応する金額情報によりマネーカード19に記録されている金額情報を更新する。これにより、利用者が、ダウンロードする場合のライセンス料をピリペイドカードなどのマネーカードから支払うことができる。
【0036】
上記各実施に形態によれば、移動体通信端末において、不揮発性メモリ13にデータをコピーできない形態で記録する第1の形態と、取り出し可能な外部記録媒体14にデータをコピーできる形態で記録する第2の形態という2つの形態のデータダウンロードを実現することができる。これにより、限られた内蔵のメモリ容量の移動体通信端末において、利用者は、気軽に音楽データなどを自由に利用できる環境を実現できる。
【0037】
また、以上の説明では、第1の形態と、第2の形態という2つの形態のダウンロードを実現する実施の形態について説明してきたが、第1の形態から、第2の形態への変更を可能にしてもよい。この場合、ユーザから形態の変更指示を受け付けると、MPUは、基地局側に、形態変更指示を要求し、基地局側から許可を受けるとともに第2の形態によるデータを受信することにより実現できる。
【0038】
さらに、以上の説明では、ダウンロードするデータを音楽などの音声データとして説明してきたが、音声データと画像データとを含んだデータであってもよい。この場合、画像データを、表示部8に表示させるようにMPU5にて処理するように構成すればよい。
また、データの複数の利用形態として、データを受信したときに、記録しないで、ライブで再生出力するような形態を備えるようにしてもよい。データを一時的に利用する場合に、利用時間を指定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による第1の実施の形態の構成図。
【図2】移動体通信端末の構成図。
【図3】本発明による第2の実施の形態の構成図。
【図4】本発明による第3の実施の形態の構成図。
【図5】第1の実施の形態における処理のフローチャート。
【図6】第1の実施の形態における携帯電話の外観図。
【図7】第1の実施の形態における表示部の表示内容を示す説明図。
【符号の説明】
【0040】
1…送受信アンテナ
2…RF部
3…モデム・チャネルコーデック部
4…音声コーデック部
5…MPU
6…マイク
7…スピーカ
8…表示部
9…キーボード
10…RAM
11…ROM
12…認証部
13…メモリ
14…カードインターフェイス
15…外部記録媒体
16…MPU
17…音声コーデック
18…スピーカ
19…マネーカード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信したデータの利用形態が異なる第1の形態と第2の形態とがあるシステムにおける移動体通信端末において、
前記データの受信を行う受信手段と、
データを記憶する記録手段と、
外部記録媒体を接続させるためのインターフェイス手段と、
前記第1の形態と前記第2の形態とのうちいずれの形態によるデータ受信を行うかの選択を受け付ける選択手段と、
前記選択手段で受け付けた選択に対応する形態によりデータの送信を要求する要求手段と、
前記選択手段で受け付けた選択が、前記第1の形態の場合には、前記受信手段により受信されたデータを前記記録手段に記録させ、前記第2の形態の場合には、前記受信手段により受信されたデータを前記インターフェイス手段を介して前記外部記録媒体に転送する制御手段とを有することを特徴とする移動体通信端末。
【請求項2】
受信したデータの利用形態が異なる第1の形態と第2の形態とがあるシステムにおける移動体通信端末において、
前記データの受信を行う受信手段と、
データを記憶する記録手段と、
外部記録媒体を接続させるためのインターフェイス手段と、
前記外部記録媒体へのデータの転送指示を受け付ける受付け手段と、
前記第1の形態と前記第2の形態とのうちいずれの形態によるデータ受信を行うかの選択を受け付ける選択手段と、
前記選択手段で受け付けた選択に対応する形態によりデータの送信を要求する要求手段と、
前記選択手段で受け付けた選択が、前記第1の形態の場合には、前記受信手段により受信されたデータを前記記録手段に記録させ、前記第2の形態の場合には、前記受信手段により受信されたデータを前記記録手段に記録させ、前記受付け手段で指示を受け付けたときに、前記記録手段に記録されたデータを前記インターフェイス手段を介して前記外部記録媒体に転送する制御手段とを有することを特徴とする移動体通信端末。
【請求項3】
請求項1または2に記載の移動体通信端末において、受信するデータの種別を表示する表示手段を有し、前記選択手段は、前記データの種別の選択をさらに受け付け、
前記要求手段は、前記選択手段により選択されたデータの種別を送信することを特徴とする移動体通信端末。
【請求項4】
請求項1または2に記載の移動体通信端末において、金額情報を記録する記録媒体が装着されるポート手段をさらに有し、前記制御手段は、前記記録媒体が前記ポート手段に装着されているときに、前記受信手段でデータを受信した場合に、前記選択された形態に対応する金額情報により前記記録媒体に記録されている金額情報を更新することを特徴とする移動体通信端末。
【請求項5】
請求項1または2に記載の移動体通信端末において、前記要求手段により要求された形態によるデータ送信が拒否された場合に、その旨を通知する通知手段をさらに有することを特徴とする移動体通信端末。
【請求項6】
請求項1または2に記載の移動体通信端末において、前記受信手段により受信されたデータから、当該データが前記第1の形態であるか第2の形態であるかを示す情報を検出し、検出した形態が、前記選択手段により選択された形態と一致するか否かを認証する認証手段をさらに有することを特徴とする移動体通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−166471(P2006−166471A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−369012(P2005−369012)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【分割の表示】特願平11−194485の分割
【原出願日】平成11年7月8日(1999.7.8)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】