説明

移動式クレーン

【課題】移動式クレーンAから伸縮ブーム3を取り外した走行状態にしても旋回台2の後方が後方に突出し車両1の全長が長くならないようにした移動式クレーンAを提供することを目的とする。
【解決手段】伸縮ブーム3を旋回台2より離脱させ旋回台2の前部を車両1の後方に指向させた状態で、全縮小状態の起伏用油圧シリンダ4の先端部と車両1の後端部間を補助連結手段29で連結し、ウインチ5から繰出したワイヤロープ6の先端部を起伏用油圧シリンダ4の先端部に係止して起伏用油圧シリンダ4を固定する際に、ウインチ5からのワイヤロープ6の巻き込みを一定の張力で行う張力制御手段20を配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、移動式クレーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の移動式クレーンAは、図8に図示するように、車両1上に旋回可能に旋回台2を配置し、当該旋回台2にその基端部を枢支部で枢支し起伏可能に伸縮ブーム3を配置し、伸縮ブーム3と旋回台2の適所間に起伏用油圧シリンダ4を配置して旋回台2に対して伸縮ブーム3を起伏駆動させるとともに、旋回台2の前記枢支部より後方に突出させて配置した油圧駆動式のウインチ5より繰出されたワイヤロープ6により伸縮ブーム3先端部よりフック7を吊下させ、フック7に吊荷を吊りクレーン作業するようになっている。
ところでこのような移動式クレーンAは、大型になるとその重量、全長がオーバして公道を走行できなくなることから、伸縮ブーム3を離脱させ、伸縮ブーム3を別の運搬用車両で目的の現場に運ぶようにすることで、移動式クレーンAの重量を軽減し、全長を短くする技術は古くから知られている。(例えば特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭57−160890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが近年大型の移動式クレーンAでは、その吊上げ性能をアップするために旋回台2の後方に取付けたカウンタウエイト8をできるだけ後方に取付けるようにしているものだから、移動式クレーンAから伸縮ブーム3を取り外した走行状態(先回台2の前部を前方に位置させた状態)にしても旋回台後方が後方に突出し車両の全長が長くなる課題を有している。
【0005】
そこで、本願は移動式クレーンAから伸縮ブーム3を取り外した走行状態にしても旋回台後方が後方に突出し車両の全長が長くならないようにした移動式クレーンAを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。
【0007】
[本願請求項1の発明]
本願請求項1の発明の移動式クレーンは、車両上に旋回可能に旋回台を配置し、当該旋回台にその基端部を枢支部で枢支し起伏可能に伸縮ブームを配置し、伸縮ブームと旋回台の適所間に起伏用油圧シリンダを配置して旋回台に対して伸縮ブームを起伏駆動させるとともに、旋回台の前記枢支部より後方に突出させて配置した油圧駆動式のウインチより繰出されたワイヤロープにより伸縮ブーム先端部よりフックを吊下させる移動式クレーンであって、伸縮ブームを旋回台より離脱させ旋回台の前部を車両の後方に指向させた状態で、全縮小状態の起伏用油圧シリンダ先端部と車両の後端部間を補助連結手段で連結し、前記ウインチから繰出したワイヤロープの先端部を起伏用油圧シリンダ先端部に係止して起伏用油圧シリンダを固定する際に、ウインチからのワイヤロープの巻き込みを一定の張力で行う張力制御手段を配置したことを特徴とするものである。
【0008】
本願請求項1の発明の移動式クレーンでは、伸縮ブームを旋回台より離脱させ旋回台の前部を車両の後方に指向させた状態で、全縮小状態の起伏用油圧シリンダ先端部と車両の後端部間を補助連結手段で連結し、前記ウインチから繰出したワイヤロープの先端部を起伏用油圧シリンダ先端部に係止して起伏用油圧シリンダを固定する際に、ウインチからのワイヤロープの巻き込みを一定の張力で行う張力制御手段を配置したことを特徴としているものであるから、全縮小状態の起伏用油圧シリンダの先端部が車両の後方へ突出するもので、この突出量は旋回台の後部を後方に指向させ旋回台の後部を車両の後方より突出させる場合より少なくすることができ、走行状態における車両の全長を短くできる。しかも、全縮小状態の起伏用油圧シリンダ先端部と車両の後端部間を補助連結手段で連結するとともに、前記ウインチから繰出したワイヤロープの先端部を起伏用油圧シリンダ先端部に係止し、張力制御手段でウインチからのワイヤロープの巻き込みを一定の張力で巻込み、車両の後方に突出させた起伏用油圧シリンダを固定させることができる。また、張力制御手段でウインチからのワイヤロープを一定の張力で巻込むようにしたものであるから、過度のウインチ巻込みによるウインチにおけるドラムに巻回したワイヤロープの食込み防止や、前記補助連結手段の損傷を防止して起伏用油圧シリンダを固定させることができる。
【0009】
[本願請求項2の発明]
本願請求項2の発明の移動式クレーンは、請求項1において、伸縮ブームの離脱を検出するブーム離脱検出手段と、前記ウインチを駆動する油圧回路を低圧にする低圧リリーフ弁とを配置し、前記張力制御手段は、ブーム離脱検出手段が伸縮ブームの離脱を検出すると前記油圧回路を低圧リリーフ弁で低圧にして張力を一定に維持させるよう構成したことを特徴とするものである。
【0010】
本願請求項2の発明の移動式クレーンでは、請求項1において、伸縮ブームの離脱を検出するブーム離脱検出手段と、前記ウインチを駆動する油圧回路を低圧にする低圧リリーフ弁とを配置し、前記張力制御手段は、ブーム離脱検出手段が伸縮ブームの離脱を検出すると前記油圧回路を低圧リリーフ弁で低圧にして張力を一定に維持させるよう構成したことを特徴とするものであるから、旋回台より伸縮ブームを離脱させるとブーム離脱検出手段が伸縮ブームの離脱を検出し、前記張力制御手段が自動的に前記油圧回路を低圧リリーフ弁で低圧にして張力を一定に維持させるので、過度のウインチ巻込みによるウインチにおけるドラムに巻回したワイヤロープの食込み防止や、前記補助連結手段の損傷を防止して起伏用油圧シリンダを固定させることができる。
【発明の効果】
【0011】
[本願請求項1の発明の効果]
本願請求項1の移動式クレーンでは、伸縮ブームを旋回台より離脱させ旋回台の前部を車両の後方に指向させた状態で、全縮小状態の起伏用油圧シリンダを起伏用油圧シリンダンダ先端部と車両の後端部間を補助連結手段で連結するとともに、張力制御手段で前記ウインチから繰出したワイヤロープの先端部を起伏用油圧シリンダ先端部に係止してウインチからのワイヤロープを一定の張力で巻込み、起伏用油圧シリンダを固定させるようにしている。
【0012】
従って、本願請求項1の移動式クレーンは、次のような効果がある。
【0013】
(1) 全縮小状態の起伏用油圧シリンダの先端部が車両の後方へ突出するもので、この突出量は旋回台の後部を後方に指向させ旋回台の後部を車両の後方より突出させる場合より少なくすることができ、走行状態における車両の全長を短くできる。
【0014】
(2) 全縮小状態の起伏用油圧シリンダ先端部と車両の後端部間を補助連結手段で連結するとともに、前記ウインチから繰出したワイヤロープの先端部を起伏用油圧シリンダ先端部に係止し、張力制御手段でウインチからのワイヤロープの巻き込みを一定の張力で巻込み、車両の後方に突出させた起伏用油圧シリンダを固定させることができる。
【0015】
(3)張力制御手段でウインチからのワイヤロープを一定の張力で巻込むようにしたものであるから、過度のウインチ巻込みによるウインチにおけるドラムに巻回したワイヤロープの食込み防止や、前記補助連結手段の損傷を防止して起伏用油圧シリンダを固定させることができる。
【0016】
[本願請求項2の発明の効果]
本願請求項2の発明は、上記請求項1の移動式クレーンにおいて、伸縮ブームの離脱を検出するブーム離脱検出手段と、前記ウインチを駆動する油圧回路を低圧にする低圧リリーフ弁とを配置し、前記張力制御手段は、ブーム離脱検出手段が伸縮ブームの離脱を検出すると前記油圧回路を低圧リリーフ弁で低圧にして張力を一定に維持させるようにしている。
【0017】
従って、本願請求項2の移動式クレーンでは、旋回台より伸縮ブームを離脱させるとブーム離脱検出手段が伸縮ブームの離脱を検出し、前記張力制御手段が自動的に前記油圧回路を低圧リリーフ弁で低圧にして張力を一定に維持させので、過度のウインチ巻込みによるウインチにおけるドラムに巻回したワイヤロープの食込み防止や、前記補助連結手段の損傷を防止して起伏用油圧シリンダを固定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本願実施例の移動式クレーンに採用した油圧回路図である。
【図2】本願実施例の移動式クレーンを説明する説明図で、カウンタウエイトを車両上に載置した状態を説明する説明図である。
【図3】本願実施例の移動式クレーンを説明する説明図で、図2の状態からカウンタウエイトを自己のクレーンで吊上げる状態を説明する説明図である。
【図4】本願実施例の移動式クレーンを説明する説明図で、図3の状態からカウンタウエイトを別の運搬用車両に載せた後、伸縮ブームを格納状態にして伸縮ブームを離脱する前の状態を説明する説明図である。
【図5】本願実施例の移動式クレーンを説明する説明図で、図4の状態から伸縮ブームを離脱させた後、起伏用油圧シリンダをウインチからのワイヤロープで係止した状態を説明する説明図である。
【図6】本願実施例の移動式クレーンを説明する説明図で、図5の状態から旋回台前部を後方に指向させ、起伏用油圧シリンダ先端部と車両の後端部間を補助連結手段で連結した状態を説明する説明図である。
【図7】本願実施例の移動式クレーンを説明する説明図で、起伏用油圧シリンダ先端部の係止を詳細に説明する説明図である。
【図8】従来の移動式クレーンを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施例]
本願発明の移動式クレーンを図1〜図7に基いて以下に説明する。なお、図8に図示し説明した移動式クレーンAの符号については以下の説明においても同じものとして説明を省略し同符号を用いる。
【0020】
図1は、本願実施例の移動式クレーンに採用した油圧回路図である。図1において、油圧ポンプ10からの圧油は、ウインチ操作弁11を操作することでウインチ5を駆動制御するようにしている。ウインチ5は油圧モータ13、減速機14、ドラム15で構成されている。16はカウンタバランス弁で、ウインチ操作弁11とウインチ5間の巻上油路17に介装し巻下油路18からのパイロット圧で開弁させる弁と、巻上げ時にはウインチ操作弁11からウインチ5への油の供給を許容し逆方向への供給を阻止する逆止弁を備えている。19はリリーフ弁で、巻上油路17を所定の高圧に設定した圧力に設定するもので、巻上油路17と巻下油路18間に介装されている。
【0021】
20は張力制御手段であって、低圧リリーフ弁21とソレノイド弁22で構成してある。低圧リリーフ弁21とソレノイド弁22は、図1に図示するように直列に接続され、前記巻上油路17と巻下油路18間に接続されている。23は、ブーム脱着検出手段であって、前記伸縮ブーム3を旋回台2より離脱させたことを検出する検出手段であり、例えば、伸縮ブーム3の基端部を旋回台2に枢支部で枢支させたときに作動するスイッチ(図示しない。)で構成している。
【0022】
また、伸縮ブーム3にはその伸縮長さを検出するために伸縮ブーム3の先端部と基端部間にその長さを検出する長さ検出器を配置し、その長さ検出器の検出信号をクレーン運転席に配置した安全装置に接続して入力するようにしているが、前記伸縮ブーム3を旋回台2より離脱させるときに、前記長さ検出器と安全装置間の接続を切断させる必要があることから、この切断されたことを検出して前記ブーム脱着を検出するブーム脱着検出手段23としてもよい。
【0023】
前記ソレノイド弁22のソレノイドには、ブーム脱着検出手段23を介して電源が接続されており、前記ソレノイド弁22は、ブーム脱着検出手段23が伸縮ブーム3の離脱を検出しないときには閉弁位置22aに、ブーム脱着検出手段23が伸縮ブーム3の離脱を検出するときには開弁位置22bに切換わるようになっている。
【0024】
以下本願発明の移動式クレーンの作業状態から伸縮ブーム3を離脱し走行状態にする過程を図2〜図7に図示し説明する。図2は、本願実施例の移動式クレーンを説明する説明図で、旋回台2の後部位置に取付けていたカウンタウエイトを車両上に載置した状態を説明する説明図である。すなわち、旋回台2の前部を後方に指向させ、旋回台2の後部に取付けているカウンタウエイト8を旋回台2またはカウンタウエイト8側に取付けた油圧シリンダ(図示しない。)で降下させて車両1の前部に載置させるようになっている。
【0025】
図3は、本願実施例の移動式クレーンを説明する説明図で、図2の状態からカウンタウエイト8を自己のクレーンで吊上げる状態を説明する説明図である。図2の状態から旋回台2を前方側に指向させ、ウインチ5からワイヤロープ6を繰出しながら伸縮ブーム3を起伏させフック7をカウンタウエイト8上に位置するようにする。そして、フック7に吊具を介してカウンタウエイト8を吊上げて車両1上から別の運搬車両の荷台に載せるのである。
【0026】
図4は、本願実施例の移動式クレーンを説明する説明図で、図3の状態からカウンタウエイト8を別の運搬用車両に載せた後、伸縮ブーム3を格納状態にして伸縮ブーム3を離脱する前の状態を説明する説明図である。車両1上のカウンタウエイト8を別の運搬車両の荷台に載せた後に、車両1の前部に支持台24を取付ける。なお、支持台24は、伸縮ブームを格納状態にし、伸縮ブームを離脱させたときに、前記起伏用油圧シリンダ4を支持する支持台である。旋回台2を前方に指向させ、起伏用油圧シリンダ4を縮小して伸縮ブーム3を倒伏させ、伸縮ブームを格納状態にする。その後、伸縮ブーム3を別クレーン等の吊上げ装置にて、旋回台2より伸縮ブーム3を離脱させる。
【0027】
図5は、本願実施例の移動式クレーンを説明する説明図で、図4の状態から伸縮ブーム3を離脱させた後、起伏用油圧シリンダ4をウインチ5からのワイヤロープ6で係止した状態を説明する説明図である。旋回台2より伸縮ブーム3を離脱させ、前記支持台24に起伏用油圧シリンダ4を支持させた後、図7に図示するブラケット25を起伏用油圧シリンダ4の先端部にピン26で取付ける。ブラケット25の上下端にはそれぞれ取り付穴25a、25bが設けられている。取り付穴25aにはウインチ5のドラム15から繰出したワイヤロープ6の先端を止着した先端具27をピンで連結する。そしてウインチ5を若干巻取り、起伏用油圧シリンダ4をワイヤロープ6で支持させ支持台24から浮上させる。
【0028】
図6は、本願実施例の移動式クレーンを説明する説明図で、図5の状態から旋回台前部を後方に指向させ、起伏用油圧シリンダ4の先端部と車両1の後端部間を補助連結手段29で連結した状態を説明する説明図である。起伏用油圧シリンダ4をワイヤロープ6で支持させた状態で、旋回台2の前部を後方に指向させる。そして図7に詳細に図示するように、前記ブラケット25の取り付穴25bと車両の後端に取付けた止具28間に補助連結手段29を連結させる。補助連結手段29は、ワイヤロープで構成する補助ワイヤロープ29aと、補助ワイヤロープ29aと取り付穴25bを連結するシャックル29b、補助ワイヤロープ29aと止具28を連結するシャックル29cで構成している。なお、補助ワイヤロープ29aは、ワイヤロープで構成したが、チエン、鎖、ベルト等であってもよい。また、取り付穴25bと止め具28とは、図示していないが左右一対設けており、左右それぞれに補助ワイヤロープ29aも配置してある。このように左右一対配置することで起伏用油圧シリンダ4が走行時に左右に振れるのを規制するようにしている。
【0029】
前記ブラケット25に補助連結手段29を連結した後に、前記ウインチ操作弁11を操作してウインチ5を巻上げ操作する。この時伸縮ブーム3を離脱させているものであるから、前記ブーム脱着検出手段23により前記ソレノイド弁22は開位置22b位置に切換えられ、巻上げ油路17は低圧リリーフ弁21により低圧に設定されている。よって、ウインチ5によるワイヤロープ6の巻き込みを前記張力制御手段20で一定の張力で行うものである。
【0030】
したがって、全縮小状態の起伏用油圧シリンダ4の先端部と車両1の後端部間を補助連結手段29で連結するとともに、前記ウインチ5から繰出したワイヤロープ6の先端部を起伏用油圧シリンダ4の先端部に係止し、張力制御手段20でウインチ5からのワイヤロープ6の巻き込みを一定の張力で巻込み、車両1の後方に突出させた起伏用油圧シリンダ4を固定させることができる。
【0031】
また、張力制御手段20でウインチ5からのワイヤロープ6を一定の張力で巻込むようにしたものであるから、過度のウインチ巻込みによるウインチ5におけるドラム15に巻回したワイヤロープ6の食込み防止や、前記補助連結手段29の損傷を防止して起伏用油圧シリンダ4を固定させることができる。
【0032】
伸縮ブーム3を離脱させた旋回台2を後方に指向させ全縮小状態の起伏用油圧シリンダ4の先端部が車両1の後方へ突出するもので、この突出量は旋回台2の後部を後方に指向させ旋回台2の後部を車両1の後方より突出させる場合より少なくすることができ、走行状態における車両1の全長を短くすることができる。
【0033】
以上のように本願発明の移動式クレーンの作業状態から伸縮ブーム3を離脱し走行状態にする過程を図2〜図7に図示し説明したが、逆に移動式クレーンの走行状態から作業状態にする過程については、上記の逆に行えばよく説明は省略する。
【符号の説明】
【0034】
1は車両、2は旋回台、3は伸縮ブーム、4は起伏用油圧シリンダ、5はウインチ、6はワイヤロープ、7はフック、20は張力制御手段、21は低圧リリーフ弁、23はブーム離脱検出手段、29は補助連結手段である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両上に旋回可能に旋回台を配置し、当該旋回台にその基端部を枢支部で枢支し起伏可能に伸縮ブームを配置し、伸縮ブームと旋回台の適所間に起伏用油圧シリンダを配置して旋回台に対して伸縮ブームを起伏駆動させるとともに、旋回台の前記枢支部より後方に突出させて配置した油圧駆動式のウインチより繰出されたワイヤロープにより伸縮ブーム先端部よりフックを吊下させる移動式クレーンであって、
伸縮ブームを旋回台より離脱させ旋回台の前部を車両の後方に指向させた状態で、全縮小状態の起伏用油圧シリンダ先端部と車両の後端部間を補助連結手段で連結し、前記ウインチから繰出したワイヤロープの先端部を起伏用油圧シリンダ先端部に係止して起伏用油圧シリンダを固定する際に、ウインチからのワイヤロープの巻き込みを一定の張力で行う張力制御手段を配置したことを特徴とする移動式クレーン。
【請求項2】
請求項1において、伸縮ブームの離脱を検出するブーム離脱検出手段と、前記ウインチを駆動する油圧回路を低圧にする低圧リリーフ弁とを配置し、前記張力制御手段は、ブーム離脱検出手段が伸縮ブームの離脱を検出すると前記油圧回路を低圧リリーフ弁で低圧にして張力を一定に維持させるよう構成したことを特徴とする移動式クレーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−153518(P2012−153518A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16109(P2011−16109)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000148759)株式会社タダノ (419)
【Fターム(参考)】