説明

移動棚装置及び移動棚装置の制御方法

【課題】予め設定された幅を有する作業通路を、予め設定された数形成できるようにすること。
【解決手段】作業通路検出部及び棚近接スイッチの検出結果に基づいて、所定幅の作業通路とは異なる幅の不正常通路が複数形成されていると判断した場合に、移動棚のうち不正常通路によって挟まれるものを含んで連続して並ぶ移動対象移動棚を決定する。通路形成スイッチを通じて移動対象移動棚に対応する作業通路の形成指示を受付けると、不正常通路を解消するように移動対象移動棚の移動制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、整列した複数の移動棚をその整列方向に沿って移動させ、各移動棚間等に適宜作業通路を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の移動棚装置として、整列された複数の移動棚間等に、所定の複数の作業通路を形成するようにしたものがある。
【0003】
このような移動棚装置では、所望の移動棚間等への作業通路形成が指示されると、例えば、その指示された位置から最も近い既存の作業通路を閉じるように、各移動棚の移動制御を行う。
【0004】
また、上記各移動棚には、異物検知センサが組込まれている。そして、各移動棚の移動中において、既存の作業通路内に何らかの異物が検知されると、その既存の作業通路を挟む移動棚の移動を禁止するようにしている。
【0005】
本願発明に関連する先行技術としては、例えば特許文献1に記載のものがある。
【0006】
【特許文献1】特開2006−131387号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような移動棚装置では、通路の形成途中に、作業通路に異物が検知されてしまうと、所定の作業通路幅よりも狭い隙間が複数箇所に形成されてしまう。
【0008】
そして、従来の移動棚装置では、上記のような隙間を考慮した各移動棚の移動制御を行っていない。このため、所定の作業通路幅よりも狭い隙間が複数箇所に残ったままとなってしまう恐れがある。
【0009】
そうすると、所定幅の作業通路を所定数形成することができなくなってしまうという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、不正常通路が形成された後でも、予め設定された幅を有する作業通路を、予め設定された複数形成できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、所定の配列方向に沿って移動自在に配設された複数の移動棚と、前記各移動棚を前記所定の配列方向に沿って移動させるための棚移動手段と、前記各移動棚に対応する所定幅の作業通路の形成状態を検出する作業通路検出手段と、前記各作業通路に対応する部分での隙間の有無を検出する隙間検出手段と、前記各作業通路の形成指示を受付ける作業通路形成指示受付手段と、前記作業通路形成指示受付手段で受付けられた指示に応じて、前記各移動棚に対応する前記作業通路を予め設定された複数形成するように、前記各移動棚の移動制御を行う棚移動制御手段とを備え、前記棚移動制御手段は、前記作業通路検出手段と前記隙間検出手段とからの検出結果に基づいて、前記所定幅の作業通路とは異なる幅の不正常通路が複数形成されていると判断した場合に、前記不正常通路によって挟まれる移動棚を含んで連続して並ぶ移動対象移動棚を決定し、前記作業通路形成指示受付手段を通じて前記移動対象移動棚に対応する作業通路の形成指示を受付けると、前記不正常通路を解消するように前記移動対象移動棚の移動制御を行うものである。
【0012】
この場合に、前記棚移動制御手段は、前記各作業通路での異常状態検出により、前記各移動棚の移動を停止するように制御してもよい。
【0013】
また、前記棚移動制御手段は、前記移動対象移動棚として、不正常通路によって挟まれる移動棚を含み、かつ、前記所定幅の作業通路に隣接する移動棚の一つ手前の移動棚又は配列された最端部の移動棚に達するまで連続して並ぶものを決定するようにしてもよい。
【0014】
さらに、前記棚移動制御手段は、前記作業通路検出手段及び前記隙間検出手段からの検出結果に基づいて、前記所定幅の作業通路の形成数が前記所定の複数よりも複数不足していると判断した場合に、前記作業通路形成指示受付手段を通じて前記移動対象移動棚に対応する作業通路の形成指示を受付けると、前記移動対象移動棚のうち作業通路の形成を受付けた位置から前記配列方向における端部に近いものを優先的に移動させて前記不正常通路を解消するように前記移動対象移動棚の移動制御を行うようにしてもよい。
【0015】
また、前記棚移動制御手段は、電源オン時及びリセット信号入力時の少なくとも一方で、前記移動対象移動棚を含むリストを生成してもよい。
【0016】
また、別の発明は、所定の配列方向に沿って移動自在に配設された複数の移動棚に対して、予め設定された所定幅の作業通路を予め設定された複数形成するように、前記各移動棚の移動制御を行う移動棚装置の制御方法であって、(a)前記所定幅の作業通路とは異なる幅の不正常通路が複数形成されているかどうかを判断するステップと、(b)前記不正常通路が複数形成されていると判断された場合に、前記不正常通路によって挟まれる移動棚を含んで連続して並ぶ移動対象移動棚を決定するステップと、(c)作業通路の形成を受付けるステップと、(d)前記移動対象移動棚に対する作業通路の形成を受付けた場合に、前記不正常通路を解消するように前記移動対象移動棚を移動させるステップと、を備えたものである。
【発明の効果】
【0017】
この発明の移動棚装置によると、前記棚移動制御手段は、前記作業通路検出手段と前記隙間検出手段からの検出結果に基づいて、前記所定幅の作業通路とは異なる幅の不正常通路が複数形成されていると判断した場合に、前記不正常通路によって挟まれる移動棚を含んで連続して並ぶ移動対象移動棚を決定し、前記作業通路形成指示受付手段を通じて前記移動対象移動棚に対応する作業通路の形成指示を受付けると、前記不正常通路を解消するように前記移動対象移動棚の移動制御を行うため、不正常通路が解消されて所定幅の作業通路が形成される。従って、不正常作業通路が形成された後でも、予め設定された幅を有する作業通路を、予め設定された複数形成できるようにすることができる。
【0018】
また、前記棚移動制御手段は、前記各作業通路での異常状態検出により、前記各移動棚の移動を停止するように制御すると、作業通路を形成途中の異常検知により不正常通路が形成されてしまうので、上記のように不正常通路を解消できるメリットは大きい。
【0019】
また、前記棚移動制御手段は、前記移動対象移動棚として、不正常通路によって挟まれる移動棚を含み、かつ、前記所定幅の作業通路に隣接する移動棚の一つ手前の移動棚又は配列された最端部の移動棚に達するまで連続して並ぶものを決定すると、所定幅の作業通路を形成する多くの場合で、不正常通路を解消させて所定幅の作業通路を形成することができる。
【0020】
さらに、前記棚移動制御手段は、前記作業通路検出手段及び前記隙間検出手段からの検出結果に基づいて、前記所定幅の作業通路の形成数が前記所定の複数よりも複数不足していると判断した場合に、前記作業通路形成指示受付手段を通じて前記移動対象移動棚に対応する作業通路の形成指示を受付けると、前記移動対象移動棚のうち作業通路の形成を受付けた位置から前記配列方向における端部に近いものを優先的に移動させて前記不正常通路を解消するように前記移動対象移動棚の移動制御を行うと、複数の前記移動対象移動棚内で端部から順次不正常通路を解消して、不正常通路の形成範囲を順次狭めていくことができる。
【0021】
また、前記棚移動制御手段は、電源オン時及びリセット信号入力時の少なくとも一方で、前記移動対象移動棚を含むリストを生成すると、移動棚を強制移動した場合や電源オン時に既に不正常通路がある場合等でも、不正常通路を解消できるようにすることができる。
【0022】
また、他の発明に係る移動棚装置の制御方法によると、(a)前記所定幅の作業通路とは異なる幅の不正常通路が複数形成されているかどうかを判断するステップと、(b)前記不正常通路が複数形成されていると判断された場合に、前記不正常通路によって挟まれる移動棚を含んで連続して並ぶ移動対象移動棚を決定するステップと、(c)作業通路の形成を受付けるステップと、(d)前記移動対象移動棚に対する作業通路の形成を受付けた場合に、前記不正常通路を解消するように前記移動対象移動棚を移動させるステップとを備えているため、不正常通路が解消されて所定幅の作業通路が形成される。従って、予め設定された幅を有する作業通路を、予め設定された複数形成できるようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、実施形態に係る移動棚装置及びその制御方法について説明する。
【0024】
<全体説明>
まず、移動棚装置の全体構成について説明する。図1は移動棚装置を示す説明図である。
【0025】
この移動棚装置は、所定の配列方向に沿って移動自在に配設された複数の移動棚10を備えている。より具体的には、移動棚10が配設されるエリアの床面には、所定方向に沿ってレール12が敷設されており、このレール12に沿って各移動棚10が往復移動自在に配設されている。
【0026】
また、各移動棚10は、それらを所定の配列方向に沿って移動させるための棚移動手段としての駆動用モータ29を備えている(図2参照)。そして、この駆動用モータ29がレール12上の車輪を駆動することにより、各移動棚10がレール12上を前記所定の配列方向に沿って往復移動する構成となっている。
【0027】
これら各移動棚10を適宜移動させることにより、各移動棚10間、及び移動棚10とその近くの固定部材(ここでは壁面)等との間に所定幅の作業通路14が予め設定された所定の複数形成できるようになっている。なお、作業通路14は各移動棚10に対応づけられている。
【0028】
また、各移動棚10の一方側外側面には、各作業通路14の形成指示を受付ける作業通路形成指示受付手段として通路形成スイッチ10aが設けられている。各通路形成スイッチ10aは各作業通路に対応づけられている。そして、これらのうちの一つの通路形成スイッチ10aを操作することによって、各移動棚10が移動し、当該一つの通路形成スイッチ10aに対応する作業通路14が形成される。
【0029】
また、この状態で、他の通路形成スイッチ10aを操作すると、現在形成中の作業通路14を閉じるようにして、各移動棚10が移動し、当該次に操作された通路形成スイッチ10aに対応する作業通路14が形成される。
【0030】
<電気的構成>
図2は移動棚装置の電気的構成を示すブロック図である。
【0031】
この移動棚装置は、各移動棚10の移動を制御する手段として、主制御部20と、複数の副制御部24とを備えており、これら主制御部20と副制御部24とは、通信ライン23を介して相互通信可能に構成されている。
【0032】
主制御部20は、例えば、いずれか一つの移動棚10に設けられており、ここでは、配列方向に沿って一端側の移動棚10に設けられている。各副制御部24は、各移動棚10に設けられている。そして、主制御部20と各副制御部24とが相互通信を行いつつ、主制御部20が本移動棚装置全体の制御を行い、各副制御部24が各移動棚10の個別制御を行う。つまり、主制御部20と副制御部24とが連携し合って全体として各移動棚10の移動制御を行う移動制御手段として機能するようになっている。勿論、上記例に限らず、上記主制御部20を省略し、各移動棚10に設けられた制御部が相互通信を行って互いに連携制御しつつ、本移動棚装置の全体移動制御及び各移動棚10の移動制御を行ってもよいし、また、本装置の全体制御及び各移動棚10の制御を集中して行う単一の集中制御部を、いずれか一つの移動棚10或はその他の箇所に設けてもよい。
【0033】
主制御部20は、例えば、CPU,ROM,RAM等によって構成されており、予め格納されたソフトウェアプログラムによって本装置全体の動作制御を行う。また、主制御部20は、記憶部21に接続されている。記憶部21は、後述するバラ範囲データを書換え可能に記憶するように構成されると共に、電源がオフされた場合や、リセットスイッチ等を介してリセット信号が入力された場合には、本記憶部21に記憶されたバラ範囲データを一旦消去して新たなバラ範囲データを記憶するようになっている。
【0034】
この主制御部20は、主に次の2つの処理を実行する。一つ目は、各移動棚10の副制御部24から与えられる棚間隔検出信号や棚近接信号を受取ってバラ範囲データの作成、更新を行う処理である。2つ目は、各移動棚10の副制御部24から与えられる棚間隔検出信号や棚近接信号、通路形成指示信号、さらには必要に応じて前記バラ範囲データに基づいて、各移動棚10の移動方向や移動タイミング等を決定し、当該決定内容に基づいて、各副制御部24に対して作業通路14形成に必要な所定の指令を与える処理である。これらのより具体的内容については後に詳述する。
【0035】
副制御部24は、例えば、CPU,ROM,RAM等により構成されており、予め格納されたソフトウェアプログラムによって各移動棚10の移動制御を行う。
【0036】
より具体的には、副制御部24は、通信ライン23を介して他の副制御部24及び主制御部20と通信可能とされている。また、副制御部24には、通路形成スイッチ10a,棚間異常検出部26,作業通路検出部27及び棚近接スイッチ28が接続されており、それらからの信号が入力されるようになっている。また、副制御部24からの制御信号が駆動用モータ29側に出力される構成となっている。
【0037】
通路形成スイッチ10aは、一般的なプッシュスイッチ等により構成されており、各作業通路14に対応して設けられている。そして、この通路形成スイッチ10aを操作すると、その操作信号が上記副制御部24に与えられて、作業通路の形成指示が受付けられるようになっている。この通路形成スイッチ10aは、前記所定の配列方向に沿った一端側の移動棚10については、その両側の作業通路14に対応して2つ設けられている。その他の移動棚10については、前記所定の配列方向に沿って一方側の作業通路14に対応して1つの通路形成スイッチ10aが設けられている。
【0038】
棚近接スイッチ28は、各移動棚10が隣の移動棚10や壁面、さらには、他の異物と近接したか否かを検出するスイッチであり、例えば、リミットスイッチ等を利用した構成により実現される。そして、各移動棚10の移動中に、何らかの物体への近接が検出されると、その検知結果が副制御部24に与えられるようになっている。この棚近接スイッチ28は、各作業通路14に対応する部分での隙間の有無を検出する隙間検出手段として機能する。なお、この隙間には、通常に作業通路14を形成している状態で移動棚10間に形成されるように予定される僅かな隙間は含まない。この棚近接スイッチ28は、リミットスイッチを利用した構成以外に、マグネットセンサや他の接触又は非接触式近接センサ、光センサ等を利用した構成であってもよい。
【0039】
棚間異常検出部26は、移動棚10間等における異物の検知を行うものであり、例えば、リミットスイッチ等を利用した接触センサや光センサ等、或は、これらの組合わせにより構成されている。この棚間異常検出部26は、特に、上記棚近接スイッチ28が設置された部分以外での異物検知に供される。そして、移動棚10間等において作業台や人等の異物が検知されると、その検知結果が副制御部24に与えられるようになっている。
【0040】
これらの棚近接スイッチ28及び棚間異常検出部26は、各移動棚10が所定の配列方向に沿って双方向に移動する際に、異物又は隣の移動棚10等を検出できるように、所定の配列方向に沿って移動棚10の両側に設けられている。
【0041】
作業通路検出部27は、移動棚10に対応する所定幅の作業通路14が形成されたか否かを検出する手段である。ここでは、作業通路検出部27は、2つの棒状部材を回動自在に連結し、その両端部を移動棚10の上部に回動自在に連結し、2つの棒状部材がなす角度をエンコーダ等を利用して検出する構成とされている(図1参照)。この作業通路検出部27によると、隣合う移動棚10間の間隔が変ると、それに応じて2つの棒状部材がなす角度が変る。そこで、2つの棒状部材がなす角度をエンコーダやリミットスイッチ等を利用して検出し、その検出結果に応じて隣合う移動棚10間に所定幅の作業通路14が形成されたか否かを検出する構成としている。
【0042】
なお、配列方向に沿って一端側の移動棚10に関しては、所定の配列方向に沿った両側で作業通路14の形成の有無を検出する必要があるため、所定の配列方向に沿って両側で2つの作業通路検出部27が設けられている。その他の移動棚10に関しては、所定の配列方向に沿った一方側で作業通路14の形成の有無を検出するため1つの作業通路検出部27が設けられている。
【0043】
そして、上記のように棚近接スイッチ28,棚間異常検出部26及び作業通路検出部27からの各検出信号と、通路形成スイッチ10aからの通路形成指示信号が、副制御部24に入力されると共に、通信ライン23を介して主制御部20にも与えられる。
【0044】
副制御部24は、主制御部20からの指令に応じて、図示省略の駆動回路を通じて駆動用モータ29を駆動することにより、所定の移動タイミングで所定方向に向けて移動棚10の移動を行う。そして、棚近接スイッチ28及び棚間異常検出部26の検出信号に基づいて、移動方向前方における異物の存在又は移動棚10若しくは壁面等の存在が判別されると、移動棚10の移動を停止させる。
【0045】
なお、この停止状態で、操作された前記通路形成スイッチ10aに対応する移動棚10については一旦インターロック状態となり、その後の移動が禁止される。また、上記各移動棚10の移動途中で、再度通路形成スイッチ10aを押すと、各移動棚10の移動が停止され、当該操作された前記通路形成スイッチ10aに対応する移動棚10については一旦インターロック状態になる。これらのインターロック状態は、再度通路形成スイッチ10a等を通じてインターロック解除指示を入力することで解除され、その後の移動が許容される状態となる。
【0046】
これにより、主制御部20及び副制御部24は、通常移動処理として、通路形成スイッチ10aで受付けられた指示に応じて、各移動棚10に対応する作業通路14を予め設定された複数形成するように、各移動棚10の移動制御を行う。また、前記所定幅の作業通路14とは異なる幅の不正常通路が複数形成されていると判断した場合に、隙間解消移動処理として、当該不正常通路によって挟まれる移動棚10を含んで連続して並ぶ移動対象移動棚を決定し、通路形成スイッチ10aを通じて移動対象移動棚に対応する作業通路14の形成指示を受付けると、不正常通路を解消するように移動対象移動棚の移動制御を行う。これらの処理については次に詳述する。
【0047】
<動作説明>
上記移動棚装置の動作について説明する。この移動棚の動作を説明するにあたって、理解を容易にするため、移動棚10と作業通路14と通路形成スイッチ10aと作業通路検出部27と棚近接スイッチ28との対応関係について説明しておく。図3はそれらの対応関係を説明するための図である。
【0048】
すなわち、複数(ここでは11個)の移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)は、所定の配列方向に沿って移動自在に配設されている。なお、各移動棚を示す符号「10」の後ろに付された括弧書き内の番号は、所定の配列方向に沿って一方側から順に(図3の右から左に向う順に)に昇順で付されている。
【0049】
また、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)に対応する所定幅の作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)を予め定められた所定の複数(ここでは3つ)形成できるようになっている。つまり、レール12の長さ(各移動棚10が移動可能な総距離)は、所定の配列方向における各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の幅の総和である長さに、前記作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)の所定幅にその所定の形成可能数(ここでは3つ)を乗じた長さを加算したものとなっている。
【0050】
上記作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)は、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)間及び移動棚10(1),10(11)と周りの固定部材(ここでは壁面、固定フレーム等の場合もある)との各間に形成される。つまり、作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)は、移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の総数に1つ加算した数形成される。なお、図3ではこれらの作業通路14(0),14(1),作業通路14(2),・・・,14(11)が形成された位置又はその形成予定位置にそれらの符号を付している。
【0051】
これらの作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)はそれぞれ各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)に対応づけられている。ここでは、作業通路14(0),14(1)が移動棚10(1)に対応づけられており、作業通路14(2)は移動棚10(2)に、作業通路14(3)は移動棚10(3)に、以下同様にして対応づけられている。つまり、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)とその一方側の隣の作業通路14(1),14(2),・・・,14(11)とが相互に対応づけられており、一端部の移動棚10(1)に関してはそれに加えて他方側の隣の作業通路14(0)も対応づけられている。
【0052】
なお、上記例では、全ての移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)が移動する例であるが、配列方向の両端側又は一端側の移動棚10(1),10(11)が固定棚であってもよい。例えば、配列方向一端側の移動棚10(1)が固定棚である場合には、上記作業通路14(0)及びその対応づけは勿論省略される。
【0053】
また、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の一方側側面には、通路形成スイッチ10a(0),10a(1),10a(2),・・・,10a(11)が設けられている。通路形成スイッチ10a(0),10a(1)は、配列方向一端側の移動棚10(1)に設けられており、通路形成スイッチ10a(2),・・・,10a(11)は、それぞれ移動棚10(2),・・・,10(11)に設けられている。各通路形成スイッチ10a(0),10a(1),10a(2),・・・,10a(11)は、上記各作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)にそれぞれ対応づけられている。そして、上記したように、各通路形成スイッチ10a(0),10a(1),10a(2),・・・,10a(11)のうちの一つを操作することで、それに対応する作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)が形成されるように、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の移動制御がなされる。
【0054】
また、上記各作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)に対応して、作業通路検出部27(0),27(1),27(2),・・・.27(11)及び棚近接スイッチ28(0),28(1),28(2),・・・,28(11)が設けられている。なお、図3においては、本制御を説明するにあたって必要な棚近接スイッチ28(0),28(1),28(2),・・・,28(11)を図示し、他を省略している。これらの作業通路検出部27(0),27(1),27(2),・・・.27(11)及び棚近接スイッチ28(0),28(1),28(2),・・・,28(11)の検出信号は、それぞれに対応する各作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)に対応づけられた各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の副制御部24に与えられる。
【0055】
そして、主制御部20は、作業通路検出部27(0),27(1),27(2),・・・.27(11)及び棚近接スイッチ28(0),28(1),28(2),・・・,28(11)の検出結果に基づいて、各作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)に対応する部分における、所定幅の作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)形成の有無及び隙間の有無(不正常通路の有無)を判別する。そして、この判別結果及び通路形成スイッチ10a(0),10a(1),10a(2),・・・,10a(11)で受付けられた指示内容に基づいて、所望の位置に作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)を形成するように、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の移動制御を行う。
【0056】
上記を前提にして、本移動棚装置の動作について説明する。図4は移動棚装置の動作を示すフローチャートである。
【0057】
まず、作業者が通路形成スイッチ10a(0),10a(1),10a(2),・・・,10a(11)のうちのいずれか一つを操作することで、ステップS1に示すように、所定の作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)に対する通路形成指示が受付けられ、主制御部20に与えられる。
【0058】
次ステップS2では、主制御部20は、当該通路形成指示された作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)に対応する移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)が隙間解消移動対象移動棚であるかどうかが判別される。この隙間解消移動対象移動棚は、バラ範囲リストによって定められる。バラ範囲リストは、所定幅の作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)とは異なる幅の不正常通路が複数形成された場合に生成、更新されるリストであり、当該不正常通路を解消するために移動させるべき移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)を含むリストである。このバラ範囲リストは、本移動棚装置の電源オン時や、リセット信号入力時、後述するように不正常通路ができた場合等に生成され、不正常通路の位置や数に変動が生じた場合に、更新される。このバラ範囲リストの生成、更新の内容については後に具体的に説明する。
【0059】
ここで、隙間解消移動対象移動棚である場合(不正常通路が無い場合)には、ステップS3に進み、通常移動処理を実行して処理を終了する。
【0060】
一方、隙間解消移動対象移動棚である場合(不正常通路が複数ある場合)には、ステップS4に進み、隙間解消移動処理を実行して処理を終了する。
【0061】
図5は移動棚装置の通常移動処理動作を示すフローチャートである。
【0062】
通常移動処理が開始されると、まず、ステップS11において、主制御部20は、閉じ対象となる作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)を決定する。例えば、通路形成指示された作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)に対して最も近い既存の作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)が閉じ対象として決定される。なお、ここで近いという判断は、実際の距離ではなく、間に存在する移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の数でもってなされる。既存の作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)が左右で等距離にある場合には、どちらを選択してもよい。
【0063】
次に、ステップS12に進み、主制御部20は、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の移動対象及び移動方向、移動タイミング等を決定する。例えば、閉じ対象とされた作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)と、通路形成指示された作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)間の移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)を、閉じ対象側に移動させるようにする。
【0064】
次ステップS13では、主制御部20は、ステップS12での決定内容に応じて、各副制御部24に移動指示を与える。これにより、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)が当該指示に応じて移動を開始する。
【0065】
次ステップS14では、主制御部20は、非常停止の有無が判別される。つまり、通路形成指示された位置に作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)が形成される前の段階で、棚近接スイッチ28や棚間異常検出部26により異物等が検出された場合には、非常停止となり、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)は非常停止する。ここで、非常停止が無かった場合には、ステップS15に進む。
【0066】
ステップS15では、通路形成指示された位置に作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)が形成され、通路形成終了が認識される。なお、上記操作された通路形成スイッチ10a(0),10a(1),10a(2),・・・,10a(11)に対応する移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)は一旦インターロック状態となる。このインターロック状態は、インターロック解除指示の入力により解除され、次の操作入力により移動可能な状態となる。
【0067】
一方、ステップS14において、非常停止有りと判断された場合には、通路形成途中で各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の移動が停止する。これにより、閉じ対象及び通路形成対象となる作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)の部分で、それぞれ所定幅に満たない不正常通路が形成されることになる。
【0068】
この場合、ステップS16に進む。ステップS16では、通路形成指示された位置に前記所定幅よりも狭い不正常通路の形成が形成され、通路形成途中である旨認識される。なお、この状態では、異物除去により非常停止状態が解除される。また、上記操作された通路形成スイッチ10a(0),10a(1),10a(2),・・・,10a(11)に対応する移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)は一旦インターロック状態となる。このインターロック状態は、インターロック解除指示の入力により解除され、次の操作入力により移動可能な状態となる。
【0069】
上記ステップS15及びステップS16の後、ステップS17に進む。ステップS17では、主制御部20はバラ範囲リストを生成更新する。すなわち、作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)の形成途中で、移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)が停止すると、所定幅とは異なる不正常通路が複数形成されることになる。バラ範囲リストは、上記したように当該不正常通路を解消するために移動させるべき移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)を含むリストである。具体的には、不正常通路によって挟まれる移動棚を含んで連続して並ぶ移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)を、移動対象移動棚として決定してリストを作成、更新する。
【0070】
移動対象移動棚としては、移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)のうち少なくとも不正常通路によって挟まれるものを含む。すなわち、移動対象移動棚としては、移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)のうち不正常通路によって挟まれる移動棚だけを含むものであってもよい(図7(f)の場合では移動棚10(4),10(5))。また、移動対象移動棚としては、移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)のうち、不正常通路によって挟まれるものを含み、かつ、前記所定の配列方向において不正常通路の外側のものを含むものであってもよい(図7(f)の場合では移動棚10(3),10(4),10(5),10(6))。また、移動対象移動棚としては、移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)のうち、不正常通路によって挟まれるものを含み、かつ、既存の作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)に隣接するものの一つ手前のもの又は配列された最端部の移動棚10(1)又は10(11)に達するまで連続して並ぶもの、であってもよい(図7(f)の場合では移動棚10(1),10(2),・・・,10(7))。
【0071】
ここでは、一番最後で述べた基準で移動対象移動棚を決定している。また、この基準によれは、移動対象移動棚の他を対象として正常に作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)の形成が完了した場合でも、その位置は移動対象移動棚の決定に影響を与える場合があるので、必要に応じてバラ範囲リストを更新する。また、バラ範囲リストには、形成されるべき作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)の不足数も含まれている。このバラ範囲リストは、記憶部21に記憶される。バラ範囲リストの具体例については後に詳述する。
【0072】
図6は移動棚装置の隙間解消移動処理動作を示すフローチャートである。
【0073】
なお、本隙間解消移動処理においても、通常移動処理の場合と同様に、異物や隣の移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)等の検出時にインターロック状態になり、また、インターロック解除指示入力により当該インターロックが解除される。これらの説明については下記では省略する。
【0074】
隙間解消移動処理が開始されると、まず、ステップS21において、主制御部20は、形成するように指示された作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)が、所定の配列方向における移動対象移動棚内でいずれの端部に近いか(ここでは右端に近いか左端に近いか)かを判別する。なお、ここで近いという判断は、実際の距離ではなく、間に存在する移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の数でもってなされる。また、左右両側で移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の存在数が同じである場合には、どちらを選択してもよい。そして、左端に近いと判別された場合には、ステップS22に進む。
【0075】
ステップS22では、主制御部20は、移動対象移動棚内において、形成するように指示された作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)よりも左側範囲内で、隙間(不正常通路)を解消するように、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の移動内容(移動対象や移動方向等)を決定する。そして、その決定内容に応じた指示を各副制御部24に与える。これにより、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)が移動する。なお、ステップS22で、前記左側範囲に隙間(不正常通路)が無く、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の移動処理を行えない場合には、本ステップを終了する。
【0076】
この後、ステップS23において、主制御部20は、形成するように指示された作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)が形成されたか否かを判別する。ここで、指示された位置に所定幅の作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)が形成されたと判別された場合には、ステップS25に進んで、バラ範囲リストを更新して処理を終了する。
【0077】
一方、ステップS23において、指示された位置に所定幅の作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)が形成されていない、と判断された場合には、ステップS24に進む。
【0078】
ステップS24では、主制御部20は、移動対象移動棚内において、形成するように指示された作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)よりも右側範囲内で、隙間(不正常通路)を解消するように、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の移動内容(移動対象や移動方向等)を決定する。そして、その決定内容に応じた指示を各副制御部24に与える。これにより、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)が移動し、指示された位置に所定幅の作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)が形成される。
【0079】
この後、ステップS25に進んで、バラ範囲リストを更新して処理を終了する。
【0080】
一方、ステップS21において、右端に近いと判別された場合には、ステップS26に進み、ステップS26,S27,S28,S25の処理を行う。このステップS26,S27,S28,S25の処理は、上記ステップS22,S23,S24,S25の処理を左右反対にして行う処理である。
【0081】
かかる隙間解消移動処理が正常に行われることにより、作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)一つ分の幅に応じた隙間が解消され、代りに、新たな作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)が形成される。
【0082】
以下では、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の具体的な移動内容及びバラ範囲リスト例を参照しつつ、上記動作についてより具体的に説明する。なお、以下の各図において、図の左側部分に各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の移動例、図の右側部分にバラ範囲リストの例を示している。また、移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の左上隅に付された番号は、移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の括弧内の番号を示している。また、移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の下方両端部に付された三角マークは、移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の移動範囲両端を示しており、Bで示す範囲は移動対象移動棚として決定されたものを示している。また、移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の上方各間に付された三日月状のマークは、所定幅の作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)が形成された位置を示しており、矢印は不正常通路が形成された位置を示している。
【0083】
まず、図7及び図8を参照して、所定幅の作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)が正規に3つ形成されている状態からの動作を説明する。
【0084】
初期状態では、図7(a)に示すように、所定幅の作業通路14(3)、14(6),14(11)が3つ形成されている。
【0085】
この状態で、通常移動処理(ステップS11〜S15参照)は、次のようにして行われる。通路形成スイッチ10a(8)を操作すると、図7(b)に示すように、最も近くの作業通路14(6)を閉じるように、移動棚10(7)、10(8)を右向きに移動させることになる。移動棚10(7)、10(8)の移動が完了すると、図7(c)に示すように、所定位置に作業通路(8)が形成される。なお、この状態では、移動棚10(8)はインターロック状態になるので(図7(c)のように、インターロック状態の移動棚10(8)については、その上下方向真ん中で通路形成スイッチ10a(8)を示す丸印を黒塗りにする)、図7(d)に示すように、当該通路形成スイッチ10a(8)を再度操作することで当該インターロックが解除される。
【0086】
また、この状態で、非常停止して不正常通路が形成された場合の処理(ステップS11〜S14,S16,S17)は次のようにして行われる。すなわち、図7(e)に示すように、通路形成スイッチ10a(5)を操作すると、最も近くの作業通路14(3)を閉じるように、移動棚10(4)、10(5)を右向きに移動させることになる。この移動途中で、図7(f)に示すように、移動棚10(3),10(4)間に何らかの異物が検出されると、移動中の移動棚10(4),10(5)は非常停止し、移動棚10(5)はインターロック状態になる。なお、この後、異物を除去等することで非常停止は解除される。
【0087】
そして、バラ範囲リストの更新がなされる。すなわち、上記図7(f)に示す状態では、作業通路14(8),14(11)の存在が認識されると共に、作業通路14(3),14(5)に対応する位置で不正常通路の存在が認識される。そこで、移動対象移動棚としては、不正常通路によって挟まれる移動棚10(4),10(5)を含み、かつ、既存の作業通路14(8),14(11)に隣接する移動棚10(8)の一つ手前の移動棚10(7)又は配列された最端部の移動棚10(1)又は10(11)に達するまで連続して並ぶものを決定する。ここでは、移動対象移動棚としては、移動棚10(1)〜移動棚10(7)が決定されることになる。そして、この決定内容、即ち、「棚NO.−棚NO」が「移動棚10(1)〜移動棚10(7)」であるという情報が、バラ範囲リストとして生成更新されることになる。また、本移動棚装置においては、3つの作業通路が形成されるべきところ、本状態では、2つの作業通路14(8),14(11)の存在が認識されているので、不足作業通路数を示すバラ通路数として「1」が登録される。
【0088】
なお、バラ範囲リストにおいて、縦方向に「1」,「2」,「3」の項目があるのは、複数範囲に分けて移動対象移動棚が決定される場合を想定したものである。
【0089】
なお、参考までに、上記のように不正常通路が形成された後、異物を除去して非常停止を解除し、インターロックを解除しないで移動処理を行うと、図8(g)〜図8(i)に示すように、隙間解消移動処理を正常に処理できず、次のようになる。
【0090】
すなわち、図8(g)に示すように、非常停止を解除した後、図8(h)に示すように、通路形成スイッチ10a(2)を操作する。すると、図8(i)に示すように、作業通路14(2)に対応する位置の右側には不正常通路は無いので、移動対象移動棚(移動棚10(1)〜10(7))のうち作業通路14(2)に対応する位置の左側のものを対象として移動制御を行うことになる。ここで、移動棚10(5)についてはインターロック状態で移動できないので、それよりも手前で、即ち、移動棚10(3)を移動させることになる。とすると、作業通路14(3)に対応する位置の不正常通路を解消するように、移動棚10(3)を左向きに移動させることになる。そして、移動棚10(3)が移動棚10(4)に近接するまで移動することになり、作業通路14(2)に対応する位置に不正常通路が形成されることになる。
【0091】
この場合にも、バラ範囲リストは更新されるものの、移動対象移動棚は「移動棚10(!)〜移動棚10(7)」であり、バラ通路数は「1」となり、結局は従前と同じままである。
【0092】
この後、隙間解消移動処理(ステップS21〜ステップS25参照)は次のようにしてなされることになる。
【0093】
すなわち、図8(j)に示すように、移動棚10(5)のインターロックを解除する。この後、図8(k)に示すように、通路形成スイッチ10a(6)を操作する。この場合、移動対象移動棚(移動棚10(1)〜10(7))のうち作業通路14(6)に対応する位置よりも左側には不正常通路は無い。そこで、移動対象移動棚(移動棚10(1)〜10(7))のうち作業通路14(6)に対応する位置よりも右側の範囲を対象にして、不正常通路を解消する。ここでは、作業通路14(2),14(5)に対応する不正常通路を解消するように、移動棚10(3),10(4),10(5),10(6)を、右向きに移動させることになる。そして、各移動棚10(3),10(4),10(5),11(6)が右側隣の10(2),10(3),10(4),10(5)との間に隙間が無くなるまで順次移動すると、図8(l)に示すように正常幅の作業通路14(6)が形成される。この後、移動対象移動棚が削除され、また、バラ通路数は無しの状態になるように、バラ範囲リストが更新される。
【0094】
隙間解消移動処理(ステップS21〜ステップS25参照)の別の移動例を示すと次のようになる。
【0095】
すなわち、図9(m)に示すように、移動棚10(6)のインターロックを解除した後、図9(n)に示すように、通路形成スイッチ10a(2)を操作する。すると、作業通路14(6)を閉じるように、移動棚10(3),10(4),10(5),10(6)が左向きに移動する。その移動途中で、異物の存在又は通路形成スイッチ10a(2)の再操作等により、移動が停止すると、図9(o)に示すように、作業通路14(2),14(6)に対応する位置に不正常通路が形成される。この場合には、上述した移動対象移動棚の決定基準に従うと、移動対象移動棚としては、移動棚10(1)〜移動棚10(7)が決定される。また、バラ通路数として「1」が決定される。これらの決定内容が、それぞれバラ範囲リストに更新される。
【0096】
この後、図9(p)に示すように、移動棚10(2)のインターロックを解除して、図9(q)に示すように、通路形成スイッチ10a(4)を操作する。この場合、作業通路14(4)の形成予定位置は、移動対象移動棚範囲において左端に近い。そこで、まず、その左側の範囲を対象として、不正常通路を解消する。ここでは、作業通路14(6)に対応する不正常通路を解消するように、移動棚10(5),10(6)を左向きに移動させることになる。かかる移動後においても、所定幅の作業通路14(4)は形成完了していないので、続いて、作業通路14(4)の形成予定位置の右側の範囲を対象として、不正常通路を解消する。ここでは、作業通路14(2)に対応する不正常通路を解消するように、移動棚10(3),10(4)を右向きに移動させることになる。この移動後、図9(r)に示すように、所定幅の作業通路14(4)の形成が完了することになる。
【0097】
本移動棚装置の一般的な隙間解消動作は上記のようにして行われる。ところで、移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)を強制移動したような場合等には、実際の状態とバラ範囲リストとの間に狂いが生じるような恐れがある。そこで、このような場合には、一旦電源オフ後に電源を再びオンすることにより、バラ範囲リストが一旦消去され新たに生成される。図10〜図15では、電源を再びオンしたバラ範囲リストの作成例及び不正常通路の解消処理について説明する。勿論、ここで説明する処理は、電源オンオフ後に拘らず、リセット操作することによっても同様になされ得る。
【0098】
図10(a)は、所定幅の作業通路14(3),14(6),14(11)が形成された状態で、電源オンされた場合を示す図である。この場合には、所定幅の作業通路14(3),14(6),14(11)が3つ形成されていると認識され、移動対象移動棚は無く、また、バラ通路数も無いとして登録される。この後、通路形成スイッチ10a(0),10a(1),10a(2),・・・,10a(11)が適宜操作されることで、通常の移動処理がなされる。
【0099】
図10(b)は、所定幅の作業通路14(8),14(11)が形成され、作業通路14(3),14(5)に対応する位置に不正常通路が形成された状態で、電源オンされた場合を示す図である。この場合には、上述した移動対象移動棚の決定基準に従って、移動対象移動棚としては、移動棚10(1)〜移動棚10(7)が決定される。また、バラ通路数として「1」が決定される。これらの決定内容が、それぞれバラ範囲リストに登録される。この後、通路形成スイッチ10a(0),10a(1),10a(2),・・・,10a(11)が適宜操作されることで、隙間解消移動処理がなされる。
【0100】
図10(c)は、所定幅の作業通路14(9)が形成され、作業通路14(0),14(2),14(3),14(4),14(5),14(6)に対応する位置に不正常通路が形成された状態で、電源オンされた場合を示す図である。この場合には、上述した移動対象移動棚の決定基準に従って、移動対象移動棚としては、移動棚10(1)〜移動棚10(8)が決定される。つまり、3つ以上の不正常通路が形成されている場合には、両端の不正常通路を基準にして、移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)のうち当該両端の不正常通路によって挟まれるものを含むように、移動対象移動棚を決定する。また、バラ通路数として「2」が決定される。これらの決定内容が、それぞれバラ範囲リストに登録される。
【0101】
この後、通路形成スイッチ10a(5)を操作すると、隙間解消移動処理が実行される。ここでは、まず、図10(d)に示すように、通路形成スイッチ10a(5)に対応する作業通路14(5)に対応する位置の左側の移動棚10(6)が左向きに移動する。この移動後状態では、未だ作業通路14(5)の形成が完了していないので、次に、図10(e)に示すように、作業通路14(5)に対応する位置の右側の移動棚10(1),10(2),10(3),10(4),10(5)が右向きに移動する。そして、図11(f)に示すように、移動棚10(1),10(2),10(3),10(4),10(5)が移動方向前方の壁面又は移動棚10(1),10(2),10(3),10(4)に近接した時点又は所定幅の作業通路14(5)が形成された時点で、移動棚10(1),10(2),10(3),10(4),10(5)の移動が停止する。これにより、作業通路14(5),14(9)が形成された状態となる。そして、バラ範囲リストが更新される。ここでは、移動対象移動棚としては、移動棚10(1)〜移動棚10(4)が決定され、バラ通路数として「1」が決定される。これらの決定内容が、それぞれバラ範囲リストに登録更新される。なお、この状態では、移動棚10(5)がインターロック状態となっているので、図11(g)に示すように、このインターロック状態を解除する。
【0102】
この後、通路形成スイッチ10a(2)を操作すると、再度隙間解消移動処理が実行される。ここでは、まず、図11(h)に示すように、通路形成スイッチ10a(2)に対応する作業通路14(2)に対応する位置の左側の移動棚10(3),10(4)が左向きに移動する。これにより、図11(i)に示すように、作業通路14(2)が形成される。そして、バラ範囲リストが更新される。ここでは、移動対象移動棚が無くなり、かつ、バラ通路数が無いものとして登録、更新される。
【0103】
なお、この状態では、移動棚10(2)がインターロック状態となっているので、このインターロック状態を解除すると、図11(j)に示すようになる。
【0104】
図12及び図13は、所定幅の作業通路数が無い状態で、電源をオンした場合を示す図である。
【0105】
つまり、図12(a)では、作業通路14(0),14(2),14(3),14(4),14(5),14(6),14(9),14(11)に対応する各位置に、不正常通路が形成されている。この状態で電源をオンにすると、上記決定基準に従って、移動対象移動棚としては、移動棚10(1)〜移動棚10(11)が決定され、バラ通路数として「3」が決定され、これらの決定内容が、それぞれバラ範囲リストに登録される。
【0106】
この状態で、通路形成スイッチ10a(7)を操作すると、図12(b)に示すように、移動棚10(7),10(8),10(9),10(10),10(11)が左向きに移動し、図12(c)に示すように、作業通路14(7)が形成される。この状態では、作業通路14(0),14(2),14(3),14(4),14(5),14(6)に対応する各位置に、不正常通路が形成されているので、移動対象移動棚としては、移動棚10(1)〜移動棚10(6)が決定され、バラ通路数として「2」が決定され、これらの決定内容が、それぞれバラ範囲リストに登録更新される。
【0107】
なお、この状態では、移動棚10(7)はインターロック状態となっているので、図12(d)に示すように、当該インターロックを解除する。
【0108】
参考までに、この状態で、図12(e)に示すように、通路形成スイッチ10a(9)を操作すると、通常移動処理が行われ、移動棚10(8),10(9)が右向きに移動する。これにより、図13(f)に示すように、作業通路14(9)が形成される。この状態では、作業通路14(7)が閉じて作業通路14(9)が新たに形成され、その形成位置が変動したので、バラ範囲リストに影響を与える。そこで、上記基準に従い、移動対象移動棚としては、移動棚10(1)〜移動棚10(8)が決定され、バラ通路数として「2」が決定され、これらの決定内容が、それぞれバラ範囲リストに登録更新される。
【0109】
なお、上記移動直後の状態では、移動棚10(9)がインターロック状態になっているので、図13(g)に示すように、当該インターロックを解除する。
【0110】
この後、通路形成スイッチ10a(2)を操作すると、図13(h)に示すように、移動棚10(1),10(2)が右向きに移動する。これにより、図13(i)に示すように、作業通路14(2)が形成される。すると、上記決定基準に従って、移動対象移動棚として、移動棚10(4)〜移動棚10(8)が決定され、バラ通路数として「1」が決定され、これらの決定内容が、それぞれバラ範囲リストに登録更新される。
【0111】
なお、この状態では、移動棚10(2)はインターロック状態となっているので、図113(j)に示すように、当該インターロックを解除する。
【0112】
続いて、図13(j)に示すように、通路形成スイッチ10a(4)を操作すると、図13(k)に示すように、まず、当該通路形成スイッチ10a(4)に対応する作業通路14(4)に対応する位置の右側の移動棚10(4)が右向きに移動し、次に、当該位置の左側の移動棚10(5),10(6)が左向きに移動する。これにより、図14(l)に示すように、作業通路14(4)が形成されることになる。この状態では、移動対象移動棚が無く、また、バラ通路数が無い状態になり、これらの内容が、それぞれバラ範囲リストに登録更新される。
【0113】
なお、この状態では、移動棚10(4)はインターロック状態となっているので、図14(m)に示すように、当該インターロックを解除する。
【0114】
図15及び図16は、所定幅の作業通路14(5),15(7)を挟む位置に不正常通路が形成された状態で、電源をオンした場合を示す図である。
【0115】
つまり、図15(a)では、作業通路14(5),14(8)が形成され、作業通路14(3),14(11)に対応する各位置に不正常通路が形成されている。この状態で、電源をオンすると、上記決定基準に従って、移動対象移動棚としては、移動棚10(1)〜移動棚10(11)が決定される。つまり、両端の不正常通路間に、作業通路14(5),14(8)が存在している場合でも、上記決定基準には影響を与えない。また、バラ通路数として「3」が決定される。つまり、移動対象移動棚内に作業通路14(5),14(8)が存在するような例外的な場合には、当該移動対象移動棚内の作業通路14(5),14(8)は不正常通路として取扱い、上記バラ通路数を決定している。そして、これらの決定内容が、それぞれバラ範囲リストに登録更新される。
【0116】
図15(b)に示すように、この状態で、通路形成スイッチ10a(7)を操作すると、まず、移動棚10(8),10(9),10(10),10(11)が上記作業通路14(8)を保ったままで、左向きに移動する。これにより、作業通路14(11)に対応する位置の不正常通路が解消される。続いて、図15(c)に示すように、上記作業通路14(8)を閉じるように、移動棚10(8)が左向きに移動する。これにより、図15(d)に示すように、作業通路14(7)が形成される。
【0117】
この後バラ範囲リストが更新される。すなわち、移動対象移動棚としては、移動棚10(1)〜移動棚10(11)が決定され、バラ通路数として「3」が決定され、これらの決定内容が、それぞれバラ範囲リストに登録更新される。
【0118】
なお、この状態では、移動棚10(7)はインターロック状態となっているので、図16(e)に示すように、当該インターロックを解除する。
【0119】
続いて、図16(f)に示すように、通路形成スイッチ10a(4)を操作すると、まず、移動棚10(4)が右向きに移動する。この移動後には、作業通路14(4)の形成は完了しない。そこで、次に、図16(g)に示すように、移動棚10(5),10(6),10(7),10(8)が、作業通路14(5),14(7)を保ったままで左向きに移動する。すると、作業通路14(8)に対応する不正常通路が解消され、作業通路14(4)の形成が完了する。
【0120】
この後バラ範囲リストが更新される。すなわち、移動対象移動棚が無く、バラ通路数が無いとして、これらの内容が、バラ範囲リストに登録更新される。
【0121】
なお、この状態では、図16(h)に示すように、移動棚10(4)はインターロック状態となっているので、図16(i)に示すように、当該インターロックを解除する。
【0122】
つまり、移動対象移動棚間に上記のように所定幅の作業通路14(5),14(8)が存在していない場合には、不正常通路を解消するように移動制御を行う。一方、移動対象移動棚間に上記のように所定幅の作業通路14(5),14(8)が存在しているような場合には、当該間に存在する作業通路14(5),14(8)については不正常通路として擬制する。そして、移動対象移動棚に対応する作業通路の形成指示を受付けた場合には、その指示位置の右側又は左側で、まず、所定幅とは異なる本来の不正常通路を解消するように、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)を移動させる。次に、不正常通路と擬制されたものを解消するように、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)を移動させる。
【0123】
勿論、移動対象移動棚間に上記のように所定幅の作業通路14(5),14(8)が存在しているような場合にも、所定幅の作業通路14(5),14(8)を残存させたまま本来の不正常通路を解消するように移動制御を行ってもよい。
【0124】
以上のように構成された移動棚装置及びその制御方法によると、主制御部20及び各副制御部24は、作業通路検出部27(0),27(1),27(2),・・・.27(11)及び棚近接スイッチ28(0),28(1),28(2),・・・,28(11)の検出結果に基づいて、所定幅の作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)とは異なる幅の不正常通路が複数形成されていると判断した場合に、移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)のうち不正常通路によって挟まれるものを含んで連続して並ぶ移動対象移動棚を決定し、通路形成スイッチ10a(0),10a(1),10a(2),・・・,10a(11)を通じて移動対象移動棚に対応する作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)の形成指示を受付けると、不正常通路を解消するように移動対象移動棚の移動制御を行うため、不正常通路が解消されて所定幅の作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)が形成される。従って、予め設定された幅を有する作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)を、予め設定された数形成できるようにすることができる。
【0125】
特に、本移動棚装置では、主制御部20及び各副制御部24は、各作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)での異物状態検出により、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の移動を停止するように制御する。このため、移動中の異物検知により不正常通路が形成されてしまう。そこで、上記のような不正常通路を解消できる処理のメリットは大きい。
【0126】
また、移動対象移動棚として、移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)のうち不正常通路によって挟まれるものを含み、かつ、既存の所定幅の作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)に隣接する移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の一つ手前のもの又は配列された最端部の移動棚10(1),10(11)に達するまで連続して並ぶものを決定しているため、所定幅の作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)を形成する多くの場合で、不正常通路を解消することができる。
【0127】
また、主制御部20及び各副制御部24は、所定幅の作業通路数が所定の複数(ここでは3つ)よりも複数不足していると判断した場合に、作業通路14(0),14(1),14(2),・・・,14(11)の形成指示を受付けると、移動対象移動棚のうち当該指示を受付けた位置から前記配列方向における端部に近いものを優先的に移動させて前記不正常通路を解消するように移動対象移動棚の移動制御を行うため、移動対象移動棚内で端部から順次不正常通路を解消し易くすることができ、不正常通路の形成範囲を順次狭めていくことができる。
【0128】
また、上記制御では、各移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)の相対関係を基準にして、バラ範囲リストを生成して、隙間の解消処理を行う。このため、電源オン時やリセット操作時等に、前記移動対象移動棚を含むバラ範囲リストを新たに生成して、上記隙間の解消処理を実行することができる。このため、移動棚10(1),10(2),・・・,10(11)を強制移動した場合や電源オン時に既に不正常通路がある場合等でも、不正常通路を解消できるようにすることができる。
【0129】
また、記憶部21として電源オンオフに拘らず記憶保持可能な不揮発性メモリ等を用い、電源オフ時にも、バラ範囲リストを保持するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】移動棚装置を示す説明図である。
【図2】移動棚装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】移動棚と作業通路と通路形成スイッチと作業通路検出部と棚近接スイッチとの対応関係を説明するための図である。
【図4】移動棚装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】通常移動処理動作を示すフローチャートである。
【図6】移動棚装置の隙間解消移動処理動作を示すフローチャートである。
【図7】移動棚の具体的な移動例を示す図である。
【図8】移動棚の具体的な移動例を示す図である。
【図9】移動棚の具体的な移動例を示す図である。
【図10】移動棚の具体的な移動例を示す図である。
【図11】移動棚の具体的な移動例を示す図である。
【図12】移動棚の具体的な移動例を示す図である。
【図13】移動棚の具体的な移動例を示す図である。
【図14】移動棚の具体的な移動例を示す図である。
【図15】移動棚の具体的な移動例を示す図である。
【図16】移動棚の具体的な移動例を示す図である。
【符号の説明】
【0131】
10 移動棚
10a 通路形成スイッチ
14 作業通路
20 主制御部
21 記憶部
24 副制御部
26 棚間異常検出部
27 作業通路検出部
28 棚近接スイッチ
29 駆動用モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の配列方向に沿って移動自在に配設された複数の移動棚と、
前記各移動棚を前記所定の配列方向に沿って移動させるための棚移動手段と、
前記各移動棚に対応する所定幅の作業通路の形成状態を検出する作業通路検出手段と、
前記各作業通路に対応する部分での隙間の有無を検出する隙間検出手段と、
前記各作業通路の形成指示を受付ける作業通路形成指示受付手段と、
前記作業通路形成指示受付手段で受付けられた指示に応じて、前記各移動棚に対応する前記作業通路を予め設定された複数形成するように、前記各移動棚の移動制御を行う棚移動制御手段と、
を備え、
前記棚移動制御手段は、
前記作業通路検出手段と前記隙間検出手段とからの検出結果に基づいて、前記所定幅の作業通路とは異なる幅の不正常通路が複数形成されていると判断した場合に、前記不正常通路によって挟まれる移動棚を含んで連続して並ぶ移動対象移動棚を決定し、
前記作業通路形成指示受付手段を通じて前記移動対象移動棚に対応する作業通路の形成指示を受付けると、前記不正常通路を解消するように前記移動対象移動棚の移動制御を行う、移動棚装置。
【請求項2】
請求項1記載の移動棚装置あって、
前記棚移動制御手段は、前記各作業通路での異常状態検出により、前記各移動棚の移動を停止するように制御する、移動棚装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の移動棚装置あって、
前記棚移動制御手段は、
前記移動対象移動棚として、不正常通路によって挟まれる移動棚を含み、かつ、前記所定幅の作業通路に隣接する移動棚の一つ手前の移動棚又は配列された最端部の移動棚に達するまで連続して並ぶものを決定する、移動棚装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3記載のいずれかに記載の移動棚装置であって、
前記棚移動制御手段は、前記作業通路検出手段及び前記隙間検出手段からの検出結果に基づいて、前記所定幅の作業通路の形成数が前記所定の複数よりも複数不足していると判断した場合に、前記作業通路形成指示受付手段を通じて前記移動対象移動棚に対応する作業通路の形成指示を受付けると、前記移動対象移動棚のうち作業通路の形成を受付けた位置から前記配列方向における端部に近いものを優先的に移動させて前記不正常通路を解消するように前記移動対象移動棚の移動制御を行う、移動棚装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の移動棚装置であって、
前記棚移動制御手段は、電源オン時及びリセット信号入力時の少なくとも一方で、前記移動対象移動棚を含むリストを生成する、移動棚装置。
【請求項6】
所定の配列方向に沿って移動自在に配設された複数の移動棚に対して、予め設定された所定幅の作業通路を予め設定された複数形成するように、前記各移動棚の移動制御を行う移動棚装置の制御方法であって、
(a)前記所定幅の作業通路とは異なる幅の不正常通路が複数形成されているかどうかを判断するステップと、
(b)前記不正常通路が複数形成されていると判断された場合に、前記不正常通路によって挟まれる移動棚を含んで連続して並ぶ移動対象移動棚を決定するステップと、
(c)作業通路の形成を受付けるステップと、
(d)前記移動対象移動棚に対する作業通路の形成を受付けた場合に、前記不正常通路を解消するように前記移動対象移動棚を移動させるステップと、
を備えた移動棚装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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