説明

移動機械の無線操縦装置

【課題】低級な無線送信機を用いて同時に多数の移動機械を遠隔操縦可能な移動機械の無線操縦装置を提供する。
【解決手段】操作機11,21,31,41と、各操作機ごとに備えられた優先操作指示装置13,23,33,43と、各操作機より出力される操作信号a,b,c,dを1チャンネルの送信信号iに変換する通信制御部50と、送信信号iを移動機械10,20,30,40に無線送信する無線送信機60とをもって移動機械の無線操縦装置を構成する。通信制御部50は、操作信号の一部を間引いて送信信号iを生成する。また、優先操作指示装置からの指示信号e,f,g,hの出力を検知したときには、指示信号を出力した優先操作指示装置に対応する操作機より出力される操作信号の送信を、他の操作機より出力される操作信号の送信よりも優先させるように送信信号iを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動機械の無線操縦装置に係り、特に、複数の移動機械が同時に稼働される現場に好適な無線操縦装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の移動機械を同時に稼働するための無線操縦装置としては、図6に示すように、オペレータにより操作され複数の建設機械車両101,102,103をそれぞれ遠隔操縦するための複数の操作機201,202,203と、各操作機201,202,203での操作状態a,b,cを受信して高速伝送媒体による多重化通信用の信号を生成し、1チャンネルの制御用周波数dにまとめて発信する多重化通信用送信機300と、複数の建設機械車両101,102,103のそれぞれに搭載され多重化通信用送信機300から発信された自車両宛の無線制御信号を読み取って建設機械車両101,102,103を動作指令する受信機101a,102a,103aとを備えた建設機械車両の遠隔制御装置が知られている。この遠隔制御においては、1チャンネルの制御用周波数の生成を可能にするため、多重化通信用送信機300として、例えばSS無線等の高速伝送媒体を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1によれば、この無線制御装置は、高速伝送媒体による多重化通信方式を採用して1チャンネルの使用周波数によって複数の車両を制御するようにしたから、使用周波数の確保が容易であり、かつ従来より無線車両を増加できると主張されている。
【特許文献1】特開平8−65755号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、SS無線等の高速伝送媒体は、元々周波数の割り当てが少なく、かつ電波の占有周波数が広く、しかも作業現場においては建設機械車両の遠隔操縦以外の他の用途に使用されることが多いため、この種の高速伝送媒体を利用した無線操縦装置では、建設機械車両を遠隔操縦するための無線周波数の選択の余地を広げることが実際上困難であり、同時に稼働可能な移動機械の台数を増加することも困難である。
【0005】
本発明は、かかる従来技術の不備を解決するためになされたものであり、その目的は、低級な無線送信機を用いて同時に多数の移動機械を遠隔操縦可能な移動機械の無線操縦装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、オペレータにより操作され移動機械の操作信号を出力する複数の操作機と、各操作機から出力される移動機械の操作信号を1チャンネルの送信信号に変換して出力する通信制御部と、当該通信制御部から出力される1チャンネルの送信信号を複数の移動機械に無線送信する無線送信機とを備えた移動機械の無線操縦装置において、前記通信制御部に、オペレータにより操作され優先的に稼働させる移動機械を指示するための指示信号を出力する優先操作指示装置を付設し、前記通信制御部は、前記各操作部から出力される操作信号の一部を間引いて前記1チャンネルの送信信号を生成すると共に、前記優先操作指示装置からの指示信号の出力を検知したときには、当該指示信号により優先的に稼働される移動機械を操作する操作機から出力される操作信号が他の操作機から出力される操作信号よりも優先的に前記各移動機械に送信されるように各操作信号の間引き率を変更して前記1チャンネルの送信信号を生成するという構成にした。
【0007】
このように、通信制御部に優先操作指示装置を付設し、優先操作指示装置からの指示信号に応じて各操作信号の間引き率を変更すると、1チャンネルの送信信号の信号量を削減できるので、低級の無線送信機を用いた移動機械の無線遠隔操縦が可能になる。低級の無線送信機には多くの周波数が割り当てられており、かつ低級の無線送信機が占有する電波の周波数は狭いので、低級の無線送信機を用いることにより、移動機械を遠隔操縦するための無線周波数の選択の余地を広げることができ、同時に稼働可能な移動機械の台数を増加することができる。なお、作業現場においては各種の移動機械が同じ優先順位で稼働しているということは希であり、一方の移動機械が稼働している場合には他方の移動機械が停止しているという状態がむしろ一般的であるので、優先操作指示装置によって優先的に稼働すべき移動機械を指示したとしても、何ら不都合は生じない。例えば、油圧ショベルによって掘削された土砂をクローラダンプに積み込んで外部に搬送するといった作業を行う場合、油圧ショベルの稼働時にはクローラダンプが停車しており、クローラダンプの走行時には油圧ショベルが停止しているのが一般的であるので、いずれか一方を優先的に稼働させ、他方の優先順位を下げるという制御方法をとっても、何らの不都合も生じない。また、カメラ車に搭載されたカメラの画像に基づいて油圧ショベルを稼働する場合、カメラ車の稼働時には油圧ショベルが停車しており、油圧ショベルの稼働時にはカメラ車が停止しているのが一般的であるので、この場合にも、いずれか一方を優先的に稼働させ、他方の優先順位を下げるという制御方法をとっても、何らの不都合も生じない。
【0008】
また、本発明は、前記構成の移動機械の無線操縦装置において、前記通信制御部は、前記優先操作指示装置からの指示信号の出力を検知したとき、当該指示信号により優先的に稼働される移動機械を操作する操作機から出力される操作信号の送信頻度を、他の操作機から出力される操作信号の送信頻度よりも高くするという構成にした。
【0009】
このように、優先操作指示装置によって指示された特定の移動機械への操作信号の送信頻度を他の移動機械への操作信号の送信頻度よりも高くすると、当該特定の移動機械を優先的に稼働させることができる。また、このようにすることにより、優先操作指示装置によって指示された特定の移動機械への操作信号の送信頻度よりも他の移動機械への操作信号の送信頻度を相対的に低くすることができるので、特定の移動機械以外の他の移動機械への操作信号を適宜間引くことができ、1チャンネルの送信信号の信号量を削減することができる。
【0010】
また、本発明は、前記構成の移動機械の無線操縦装置において、前記通信制御部は、前記優先操作指示装置からの指示信号の出力を検知したとき、当該指示信号により優先的に稼働される移動機械を操作する操作機から操作信号が出力され前記無線送信機から無線送信されるまでの時間遅れを、他の操作機から操作信号が出力され前記無線送信機から無線送信されるまでの時間遅れよりも短くするという構成にした。
【0011】
このように、優先操作指示装置によって指示された特定の移動機械に送信される操作信号の時間遅れを他の移動機械に送信される操作信号の時間遅れよりも短くすると、当該特定の移動機械を優先的に稼働させることができる。また、このようにすることにより、優先操作指示装置によって指示された特定の移動機械に送信される操作信号の時間遅れよりも他の移動機械に送信される操作信号の時間遅れを相対的に長くすることができるので、特定の移動機械以外の他の移動機械への操作信号を適宜間引くことができ、1チャンネルの送信信号の信号量を削減することができる。
【0012】
また、本発明は、前記構成の移動機械の無線操縦装置において、前記通信制御部は、前記優先操作指示装置から複数回指示信号が出力されたとき、最後の指示信号に基づいて前記1チャンネルの送信信号の生成を行うという構成にした。
【0013】
先に説明したように、優先的に稼働させるべき移動機械は、作業状況の進行に伴って時々刻々と変化するので、優先操作指示装置から出力される指示信号もそれに伴って変化する。この場合において、最後の指示信号に基づいて優先的に稼働させる移動機械を切り換えると、常に現在の作業状況に適合した優先順位で各移動機械を稼働させることができるので、現場における作業を円滑かつ高能率に行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の移動機械の無線操縦装置は、通信制御部に優先操作指示装置を付設し、優先操作指示装置からの指示信号に応じて各操作信号の間引き率を変更するので、1チャンネルの送信信号の信号量を削減できて、低級の無線送信機を用いた移動機械の無線遠隔操縦が可能になる。よって、無線操縦装置を低コスト化できると共に、移動機械を遠隔操縦するための無線周波数の選択の余地を広げることができて、同時に稼働可能な移動機械の台数を増加することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る無線操縦装置の一実施形態を、図1乃至図5に基づいて説明する。図1は実施形態例に係る無線操縦装置の構成図、図2は実施形態例に係る通信制御部の構成図、図3は実施形態例に係る送信方法記憶メモリに格納される送信機情報を示す表図、図4は実施形態例に係る送信方法記憶メモリに格納される合成送信処理情報を示す表図、図5は実施形態例に係る通信制御部の信号変換方式を示す説明図である。
【0016】
本例の移動機械の無線操縦装置は、図1に示すように、油圧ショベル10を遠隔操縦する第1の操作機11と、油圧ショベル10を優先的に稼働させる第1の優先操作指示装置13と、クローラダンプ20を遠隔操縦する第2の操作機21と、クローラダンプ20を優先的に稼働させる第2の優先操作指示装置23と、カメラ車30を遠隔操縦する第3の操作機31と、カメラ車30を優先的に稼働させる第3の優先操作指示装置33と、カメラ車30に搭載されたカメラ雲台40を遠隔操縦する第4の操作機41と、カメラ雲台40を優先的に稼働させる第4の優先操作指示装置43と、前記各優先操作指示装置13,23,33,43より出力される指示信号e,f,g,hに基づいて前記各操作機11,21,31,41より出力される操作信号a,b,c,dを1チャンネルの送信信号iに変換して出力する通信制御部50と、当該通信制御部50より出力される1チャンネルの送信信号iを移動機械である油圧ショベル10、クローラダンプ20、カメラ車30及びカメラ車30に搭載されたカメラ雲台40に無線送信する無線送信機60とから構成されている。なお、移動機械10,20,30,40には、無線送信機60より無線送信される1チャンネルの送信信号iの中から対応する操作機より出力された操作信号a,b,c,dを読み取って、操作信号a,b,c,dに応じた動作指令を出力する無線受信機(図示省略)が備えられる。
【0017】
操作機11,21,31,41は、作業現場から離れた場所に設置された操縦室内に備えられ、それぞれ異なるオペレータによって操作される。これらの各操作機のうちの操作機11,21,31には、操作レバー11a,21a,31aが備えられており、これらの操作レバーを操作することによって実車に搭乗しているのと同じ感覚で油圧ショベル10、クローラダンプ20又はカメラ車30を遠隔操縦できるようになっている。これらの各操作機11,21,31からは、操作中、連続的に操作信号a,b,cが送信される。これに対してカメラ雲台40を遠隔操縦する第4の操作機41には、複数のスイッチ41a,41b,41c・・・が備えられており、これらの各スイッチを操作することにより、カメラ雲台40を所定の向きに向けられるようになっている。この第4の操作機41からは、スイッチ41a,41b,41c・・・の操作時のみ操作信号dが送信される。
【0018】
優先操作指示装置13,23,33,43には、対応する移動機械を優先的に稼働させるときに操作するスイッチと、スイッチの操作状態を示すモニタ12,22,32,42とがそれぞれ備えられている。
【0019】
通信制御部50は、図2に示すように、操作信号aを一時格納する第1のデータ一時格納メモリ51aと、操作信号bを一時格納する第2のデータ一時格納メモリ51bと、操作信号cを一時格納する第3のデータ一時格納メモリ51cと、操作信号dを一時格納する第4のデータ一時格納メモリ51dと、操作信号aの出力タイミングを検出する第1のタイミング検出器52aと、操作信号bの出力タイミングを検出する第2のタイミング検出器52bと、操作信号cの出力タイミングを検出する第3のタイミング検出器52cと、操作信号dの出力タイミングを検出する第4のタイミング検出器52dと、送信信号iの生成に必要な送信機情報及び合成送信処理情報が記憶された送信方法記憶メモリ53と、送信方法記憶メモリ53に記憶された送信機情報及び合成送信処理情報並びに優先操作指示装置13,23,33,43から出力される指示信号e,f,g,hに基づいて操作信号a,b,c,dの出力タイミングを規制する出力データ選択手段54と、出力データ選択手段54より出力される選択信号jに基づいて適宜データ一時格納メモリ51a〜51dから操作信号a〜dを読み出して出力する出力処理部55とからなる。
【0020】
送信方法記憶メモリ53に記憶される送信機情報は、操作機11,21,31,41より出力される操作信号a,b,c,dの送信特性を指定するもので、本例においては図3に示す構成になっている。即ち、操作機11及び操作機21については、送信間隔が60ms、データ長が60ms、送信方式が連続送信、優先操作指示装置13,23が操作されたときのデータ数が1/2と設定され、操作機31については、送信間隔が100ms、データ長が55ms、送信方式が連続送信、優先操作指示装置33が操作されたときのデータ数が1/2と設定され、操作機41については、送信間隔が80ms、データ長が25ms、送信方式が操作時のみの不定期送信、優先操作指示装置43が操作されたときのデータ数が1/2と設定されている。
【0021】
一方、送信方法記憶メモリ53に記憶される合成送信処理情報は、操作信号a〜dの送信方式及び優先操作指示装置13〜43の操作状況に応じた操作信号a〜dの出力プロトコルを指定するもので、本例においては図4に示す構成になっている。即ち、連続送信方式の操作機11,21,31から出力される操作信号a,b,cについては、それに対応する優先操作指示装置13,23,33が操作されたときには送信間隔を通常の2倍に延長し、対応する優先操作指示装置13,23,33が操作されていないときには、送信間隔が通常の2倍に延長された操作信号a,b,cの休止期間中に順番に出力する。但し、操作時送信方式の操作機41から出力される操作信号dについては、操作機41が操作されたときのみ、送信間隔が通常の2倍に延長された操作信号a,b,cの休止期間中に出力する。また、操作時送信方式の操作機41から出力される操作信号dについては、それに対応する優先操作指示装置43が操作されたときには、送信間隔を通常の2倍に延長し、優先操作指示装置43が操作されておらずかつ優先操作指示装置13,23,33によって優先的に稼働するように指示された移動機械が実際には稼働されていない場合には、操作機41の操作順番に応じて操作信号dを出力し、優先操作指示装置43が操作されておらずかつ優先操作指示装置13,23,33によって優先的に稼働するように指示された移動機械が実際に稼働している場合には、送信間隔が通常の2倍に延長された操作信号a,b,cの休止期間中に操作信号dを出力する。
【0022】
前記送信方法記憶メモリ53に記憶された送信機情報及び合成送信処理情報に従えば、図5(a)に示すタイミングで操作機11より操作信号a1〜a9が出力され、操作機21より操作信号b1〜b9が出力され、操作機31より操作信号c1〜c5が出力され、操作機41より操作信号d1〜d4が出力されている場合において、優先操作指示装置13が操作されたときには、図5(b)に示すように、通信制御部50からa1,b1,a3,c2,a5,d3,a7,b7,a9の信号列を有する1チャンネルの送信信号iが出力される。また、優先操作指示装置23が操作されたときには、図5(c)に示すように、通信制御部50からb1,a2,b3,c3,b5,d4,b7,a8,b9の信号列を有する1チャンネルの送信信号iが出力される。また、優先操作指示装置33が操作されたときには、図5(d)に示すように、通信制御部50からc1,a2,b2,c3,d3,a6,c5,b8の信号列を有する1チャンネルの送信信号iが出力される。さらに、優先操作指示装置43が操作されたときには、図5(e)に示すように、通信制御部50からa1,b1,d1,c2,d3,a6,b6,c5の信号列を有する1チャンネルの送信信号iが出力される。なお、優先操作指示装置13,23,33,43から指示信号e,f,g,hが複数回出力されたときには、常に現在の作業状況に適合した優先順位で各移動機械10,20,30,40を稼働させるため、最後の指示信号に基づいて1チャンネルの送信信号iを生成する。
【0023】
無線送信機60としては、図5に示すように、操作機11,21,31,41より出力される全ての操作信号を送信するのではなく、間引きされた1チャンネルの送信信号iを送信するので、SS無線などの高速伝送対応の無線送信機を用いる必要ななく、信号の伝送速度が低速な低級機又は中級機を用いることができる。
【0024】
移動機械10,20,30,40に備えられた図示しない無線受信機は、無線送信機60より無線送信された1チャンネルの送信信号iの中から自己に対応する操作機より出力された操作信号a,b,c,dを読み取り、操作信号a,b,c,dに応じるように移動機械10,20,30,40を駆動する。
【0025】
本例の移動機械の無線操縦装置は、各操作機11,21,31,41に対応付けて優先操作指示装置13,23,33,43を付設し、優先操作指示装置13,23,33,43のいずれかが操作されたとき、操作されていない優先操作指示装置に対応する操作機からの操作信号の送信頻度を操作された優先操作指示装置に対応する操作機からの操作信号の送信頻度よりも下げると共に、操作されていない優先操作指示装置に対応する操作機からの操作信号の遅延量を操作された優先操作指示装置に対応する操作機からの操作信号の遅延量よりも大きくするので、優先的に稼働する必要のない移動機械への送信信号が間引かれ、1チャンネルの送信信号の信号量を削減することができる。よって、低級の無線送信機を用いた移動機械の無線遠隔操縦が可能になり、無線操縦装置の低コスト化と、同時に稼働可能な移動機械の台数の増加とを図ることができる。また、本例の移動機械の無線操縦装置は、優先操作指示装置13,23,33,43から指示信号e,f,g,hが複数回出力されたとき、最後の指示信号に基づいて各移動機械10,20,30,40の操作信号である1チャンネルの送信信号iを生成するので、時々刻々と変化する作業状況の進行に伴って常に現在の作業状況に適合した優先順位で各移動機械10,20,30,40を稼働させることができ、現場における作業を円滑かつ高能率に行うことができる。
【0026】
なお、前記実施形態においては、第1乃至第4の操作機11,21,31,41のそれぞれに対応付けられた第1乃至第4の優先操作指示装置13,23,33,43を備えたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではなく、各操作機11,21,31,41のオペレータによって操作される1台の優先操作指示装置を通信制御部50に付設するという構成にすることもできる。
【0027】
また、前記実施形態においては、油圧ショベル10、クローラダンプ20、カメラ車30及びカメラ雲台40の無線操縦装置を例にとって説明したが、本発明の要旨は建設作業機の無線操縦装置に限定されるものではなく、その他任意の移動機械の無線操縦装置として適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施形態例に係る無線操縦装置の構成図である。
【図2】実施形態例に係る通信制御部の構成図である。
【図3】実施形態例に係る送信方法記憶メモリに格納される送信機情報を示す表図である。
【図4】実施形態例に係る送信方法記憶メモリに格納される合成送信処理情報を示す表図である。
【図5】実施形態例に係る通信制御部の信号変換方式を示す説明図である。
【図6】従来例に係る無線操縦装置の構成図である。
【符号の説明】
【0029】
10 油圧ショベル
11 第1の操作機
13 第1の優先操作指示装置
20 クローラダンプ
21 第2の操作機
23 第2の優先操作指示装置
30 カメラ車
31 第3の操作機
33 第3の優先操作指示装置
40 カメラ雲台
41 第4の操作機
43 第4の優先操作指示装置
a,b,c,d 操作信号
e,f,g,h 指示信号
i 1チャンネルの送信信号
50 通信制御部
60 無線送信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータにより操作され移動機械の操作信号を出力する複数の操作機と、各操作機から出力される移動機械の操作信号を1チャンネルの送信信号に変換して出力する通信制御部と、当該通信制御部から出力される1チャンネルの送信信号を複数の移動機械に無線送信する無線送信機とを備えた移動機械の無線操縦装置において、
前記通信制御部に、オペレータにより操作され優先的に稼働させる移動機械を指示するための指示信号を出力する優先操作指示装置を付設し、
前記通信制御部は、前記各操作部から出力される操作信号の一部を間引いて前記1チャンネルの送信信号を生成すると共に、前記優先操作指示装置からの指示信号の出力を検知したときには、当該指示信号により優先的に稼働される移動機械を操作する操作機から出力される操作信号が他の操作機から出力される操作信号よりも優先的に前記各移動機械に送信されるように各操作信号の間引き率を変更して前記1チャンネルの送信信号を生成することを特徴とする移動機械の無線操縦装置。
【請求項2】
前記通信制御部は、前記優先操作指示装置からの指示信号の出力を検知したとき、当該指示信号により優先的に稼働される移動機械を操作する操作機から出力される操作信号の送信頻度を、他の操作機から出力される操作信号の送信頻度よりも高くすることを特徴とする請求項1に記載の移動機械の無線操縦装置。
【請求項3】
前記通信制御部は、前記優先操作指示装置からの指示信号の出力を検知したとき、当該指示信号により優先的に稼働される移動機械を操作する操作機から操作信号が出力され前記無線送信機から無線送信されるまでの時間遅れを、他の操作機から操作信号が出力され前記無線送信機から無線送信されるまでの時間遅れよりも短くすることを特徴とする請求項1に記載の移動機械の無線操縦装置。
【請求項4】
前記通信制御部は、前記優先操作指示装置から複数回指示信号が出力されたとき、最後の指示信号に基づいて前記1チャンネルの送信信号の生成を行うことを特徴とする請求項1に記載の移動機械の無線操縦装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−19733(P2007−19733A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−197704(P2005−197704)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】