説明

移動端末装置、基地局装置及び通信制御方法

【課題】Half−duplex FDD方式が適用される場合の移動端末装置については、動作の最適化を図ること。
【解決手段】移動端末装置は、HD−FDDにより基地局装置と無線通信を行うものであり、上りリンク信号の送信タイミングと下りリンク信号の受信タイミングとが重なる場合に、上りリンク信号と下りリンク信号との間で規定された優先関係に基づいて、上りリンク信号の送信処理及び下りリンク信号の受信処理を選択的に行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次世代移動通信システムにおける移動端末装置、基地局装置及び通信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいては、周波数利用効率の向上、データレートの向上を目的として、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)やHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)を採用することにより、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)をベースとしたシステムの特徴を最大限に引き出すことが行われている。このUMTSネットワークについては、更なる高速データレート、低遅延などを目的としてロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)が検討されている(非特許文献1)。
【0003】
第3世代のシステムは、概して5MHzの固定帯域を用いて、下り回線で最大2Mbps程度の伝送レートを実現できる。一方、LTEのシステムでは、1.4MHz〜20MHzの可変帯域を用いて、下り回線で最大300Mbps及び上り回線で75Mbps程度の伝送レートを実現できる。また、UMTSネットワークにおいては、更なる広帯域化及び高速化を目的として、LTEの後継のシステム(例えば、LTEアドバンスト(LTE−A)又はLTEエンハンスメントと呼ぶこともある)も検討されている。
【0004】
このようなシステムにおいて、無線システムに適用される複信方式として周波数分割複信方式(FDD:Frequency Division Duplex)方式と、時分割複信方式(TDD:Time Division Duplex)方式とがある。FDD方式は、上りリンクと下りリンクとで十分に間隔を隔てた異なる周波数帯域を使用する。TDD方式は、上りリンクと下りリンクとで同一の周波数帯域で、上りの通信と下りの通信とを時間で分離する。FDD方式では、上りリンクと下りリンクとで使用される周波数帯域の間隔を十分に広げる必要があるため、基地局装置だけでなく移動端末装置に対しても精度の高いデュプレクサが必要となる。
【0005】
また、LTEシステム及びその後継システムの移動端末装置(Rel.8以降)は、Half−duplex FDD方式もサポートする。Half−duplex FDD方式は、FDD方式と同様に上りリンクと下りリンクとで異なる周波数帯域を使用する一方で、時間によって上りの通信と下りの通信とを切り替えている。このため、移動端末装置に精度の高いデュプレクサが不要であり、移動端末装置の簡易化を図ることが可能となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP, TR25.912 (V7.1.0), "Feasibility study for Evolved UTRA and UTRAN", Sept. 2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、Half−duplex FDD方式が適用される場合の移動端末装置については、動作の最適化を図ることが課題として残っている。
【0008】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、Half−duplex FDD方式の最適化を図ることができる移動端末装置、基地局装置及び通信制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の移動端末装置は、半複信方式により基地局装置と無線通信を行う移動端末装置であって、上りリンク信号を前記基地局装置に送信し、下りリンク信号を前記基地局装置から受信する送受信部と、前記上りリンク信号の送信タイミングと前記下りリンク信号の受信タイミングとが重なる場合に、前記上りリンク信号と前記下りリンク信号との間で規定された優先関係に基づいて、前記上りリンク信号の送信及び前記下りリンク信号の受信を前記送受信部に選択的に行わせる制御部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、移動端末装置において上りリンク信号の送信タイミングと下りリンク信号の受信タイミングが重なる場合に、送受信処理が選択的に行われる。よって、半複信方式が適用された移動端末装置に対して、上りリンク信号の送信タイミングと下りリンク信号の受信タイミングが重なる場合に最適な動作を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】LTEシステムのシステム帯域の説明図である。
【図2】Half−duplex FDD方式の説明図である。
【図3】上りリンクの送信タイミングと下りリンクの受信タイミングとが重なる場合の移動端末装置の動作説明図である。
【図4】上りリンク信号と下りリンク信号の優先関係の一例を示す表である。
【図5】同一サブフレーム内における上りリンク信号及び下りリンク信号の送受信方法の説明図である。
【図6】無線通信システムのシステム構成の説明図である。
【図7】基地局装置の全体構成図である。
【図8】移動端末装置の全体構成図である。
【図9】基地局装置の機能ブロック図である。
【図10】移動端末装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、下りリンクで移動通信が行われる際の周波数使用状態を説明するための図である。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。図1に示す例は、複数のコンポーネントキャリアで構成される相対的に広い第1システム帯域を持つ第1通信システムであるLTE−Aシステムと、相対的に狭い(ここでは、一つのコンポーネントキャリアで構成される)第2システム帯域を持つ第2通信システムであるLTEシステムが併存する場合の周波数使用状態である。LTE−Aシステムにおいては、例えば、100MHz以下の可変のシステム帯域幅で無線通信し、LTEシステムにおいては、20MHz以下の可変のシステム帯域幅で無線通信する。LTE−Aシステムのシステム帯域は、LTEシステムのシステム帯域を一単位とする少なくとも一つの基本周波数領域(コンポーネントキャリア:CC)となっている。このように複数の基本周波数領域を一体として広帯域化することをキャリアアグリゲーションという。
【0013】
例えば、図1においては、LTE−Aシステムのシステム帯域は、LTEシステムのシステム帯域(ベース帯域:20MHz)を一つのコンポーネントキャリアとする5つのコンポーネントキャリアの帯域を含むシステム帯域(20MHz×5=100MHz)となっている。図1においては、移動端末装置UE(User Equipment)#1は、LTE−Aシステム対応(LTEシステムにも対応)の移動端末装置であり、100MHzのシステム帯域を持ち、UE#2は、LTE−Aシステム対応(LTEシステムにも対応)の移動端末装置であり、40MHz(20MHz×2=40MHz)のシステム帯域を持ち、UE#3は、LTEシステム対応(LTE−Aシステムには対応せず)の移動端末装置であり、20MHz(ベース帯域)のシステム帯域を持つ。
【0014】
ところで、LTEシステム(Rel.8)及びその後継システム(LTE−Aシステム)の移動端末装置UEは、複信方式としてHalf−duplex FDD方式(以下、HD−FDDとする)をサポートしている。HD−FDDでは、図2に示すように、移動端末装置UEの上りリンクの送受信と下りリンクの送受信とが周波数及び時間の両方で分かれている。よって、移動端末装置においては、上りリンクの送信と下りリンクの受信とを同時に行わないようになっている。
【0015】
この場合、下りリンクから上りリンクに切り替わるときには、移動端末装置は、上りリンクのサブフレームを先頭から送信することを優先し、下りリンクのサブフレームの最終部を無視する。また、上りリンクから下りリンクに切り替わるときには、移動端末装置は、上りリンクの送信タイミングを制御して下りリンクへの切替時間を確保している。しかしながら、このような移動端末装置の動作は基地局装置のスケジューリング任せであって、上りリンクの送信と下りリンクの受信とが同時に生じた場合には、移動端末装置が適切に動作できないという問題があった。
【0016】
そこで、本発明者らは、これらの問題を解決するために本発明に至った。すなわち、本発明の骨子は、移動端末装置において上りリンクの送信タイミングと下りリンクの受信タイミングとが重なる場合に、上りリンク信号と下りリンク信号との優先関係に基づいて移動端末装置に送受信させることである。これにより、HD−FDDが適用される移動端末装置の動作の最適化を図ることができる。
【0017】
ここで、上りリンクの送信タイミングと下りリンクの受信タイミングとが重なる場合の移動端末装置の動作について説明する。図3は、上りリンクの送信タイミングと下りリンクの受信タイミングとが重なる場合の移動端末装置の動作説明図である。
【0018】
移動端末装置において上りリンクの送信タイミングと下りリンクの受信タイミングとが重なる場合、移動端末装置は上りリンク信号と下りリンク信号の優先関係に応じて次の4パターンの動作を行う。図3Aに示す第1のパターンでは、移動端末装置は下りリンク信号の受信処理よりも上りリンク信号の送信処理を優先する。例えば、移動端末装置は、上りリンク信号が下りリンク信号よりも重要な場合(優先度が高い場合)に、上りリンク信号の送信処理を優先させる。なお、移動端末装置は、毎回上りリンク信号の送信処理を優先させる必要はなく、基地局装置からの指示に応じて特定のサブフレームでは、下りリンク信号の受信処理を優先させることもできる。
【0019】
図3Bに示す第2のパターンでは、移動端末装置は上りリンク信号の送信処理よりも下りリンク信号の受信処理を優先する。例えば、移動端末装置は、下りリンク信号が上りリンク信号よりも重要な場合(優先度が高い場合)に、下りリンク信号の受信処理を優先させる。なお、移動端末装置は、毎回下りリンク信号の受信処理を優先させる必要はなく、基地局装置からの指示に応じて特定のサブフレームでは、上りリンク信号の送信処理を優先させることもできる。
【0020】
図3Cに示す第3のパターンでは、移動端末装置は1サブフレーム内にて上りリンク信号の送信処理及び下りリンク信号の受信処理を両方行う。例えば、移動端末装置は、1サブフレームの途中までは下りリンク信号の受信処理を優先し、残りのシンボルで上りリンク信号の送信処理を優先する。この場合、後述するHD−FDD用PUCCHフォーマット又はHD−FDD用PRACHフォーマットを用いることで、同一サブフレーム内で上りリンク信号の送信処理と下りリンク信号の受信処理を行ってもよい。
【0021】
図3Dに示す第4のパターンでは、移動端末装置は上りリンク信号の送信処理及び下りリンク信号の受信処理を両方行わない。例えば、移動端末装置は、下りリンク信号と上りリンク信号とがどちらも重要な場合(優先度が等しい場合)に、信号の誤検出とみなし、下りリンク信号及び上りリンク信号の送受信処理を停止する。
【0022】
次に、上りリンク信号と下りリンク信号との優先関係について説明する。図4は、上りリンク信号と下りリンク信号の優先関係の一例を示す表である。なお、図4に示す優先関係及び信号の種類は、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。
【0023】
ここでは、上りリンク信号として、PUSCH信号、Periodic CQI(Channel Quality Indicator)、ACK(Acknowledgment)/NACK(Negative Acknowledgment)、Positive SR(Scheduling Request)、SRS(Sounding Reference Signal)、PRACH信号が例示されている。PUSCH信号は、複数の移動端末装置で共有される上りデータチャネルとしてのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)で送信され、ユーザデータや上位レイヤの制御情報を含む。Periodic CQIは、上りリンクの制御チャネルとしてのPUCCH(Physical Uplink Control Channel)で送信され、下りのユーザデータのスケジューリングや適応リンク制御に必要な下りリンクのチャネル品質情報である。
【0024】
ACK/NACKは、PUCCHで送信されるPDSCHに対する応答情報である。Positive SRは、PUCCHで送信され、移動端末装置が新たに発生したデータを送信するためにスケジューリングに加わるように基地局装置に要求するリクエスト情報である。SRSは、移動端末装置の周波数毎の上りリンクのCQIを測定するために用いられる参照信号である。PRACH信号は、アクセス・チャネルとしてのPRACH(Physical Random Access Channel)で送信され、移動端末装置の初期アクセスにおいて通信開始の設定等を行う衝突型の信号である。
【0025】
また、ここでは、下りリンク信号として、PDSCH信号、PDCCH信号、PHICH信号、CSI−RS(Channel State Information - Reference Signal)、PBCH信号が例示されている。PDSCH信号は、各移動端末装置で共有される下りデータチャネルとしてのPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)で送信され、ユーザデータや上位レイヤの制御情報を含む。PDCCH信号は、下りリンクの制御チャネルとしてのPDCCH(Physical Downlink Control Channel)で送信され、スケジューラによるPUSCH及びPDCCHのスケジューリング情報等を含む。
【0026】
PHICH信号は、下りリンクの制御チャネルとしてのPHICH(Physical HARQ Indicator Channel)で送信され、PUSCHに対するACK/NACK(応答情報)である。CSI−RSは、チャネル状態としてのCQI、PMI(Precoding Matrix Indicator)、RI(Rank Indicator)等のCSI測定に用いられる参照信号である。PBCH信号は、報知チャネルとしてのPBCH(Physical Broadcast Channel)で送信され、セル全体に報知されるシステム固有及びセル固有の制御情報を含む。
【0027】
以下、上記した各上りリンク信号と各下りリンク信号との優先関係について説明する。この優先関係は、移動端末装置及び基地局装置の双方に設定され、移動端末装置では送受信処理の選択に用いられ、基地局装置では主に移動端末装置からの上りリンク信号の復調に用いられる。
【0028】
図4に示すように、上りリンクのPUSCH信号の優先度は、下りリンクのPDSCH信号の優先度と等しく規定されている。よって、PUSCH信号の送信タイミングとPDSCH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はどちらの信号も送受信せずに信号の誤検出とみなす。
【0029】
上りリンクのPUSCH信号の優先度は、下りリンクのPDCCH信号の優先度よりも高く規定されている。よって、PUSCH信号の送信タイミングとPDCCH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPUSCH信号を送信する。なお、移動端末装置は、特定のサブフレームではPUSCH信号の送信よりもPDCCH信号の受信を優先させてもよい。特定のサブフレームは、RRCシグナリング等によりセミスタティックに基地局装置から移動端末装置に通知されてもよいし、PDCCH信号の制御ビットを追加してダイナミックに基地局装置から移動端末装置に通知されてもよい。
【0030】
上りリンクのPUSCH信号の優先度は、下りリンクのPHICH信号の優先度よりも低く規定されている。よって、PUSCH信号の送信タイミングとPHICH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPHICH信号を受信する。
【0031】
上りリンクのPUSCH信号の優先度は、下りリンクのCSI−RSの優先度よりも高く規定されている。よって、PUSCH信号の送信タイミングとCSI−RSの受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPUSCH信号を送信する。
【0032】
上りリンクのPUSCH信号の優先度は、下りリンクのPBCH信号の優先度よりも高く規定されている。よって、PUSCH信号の送信タイミングとPBCH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPUSCH信号を送信する。なお、移動端末装置は、特定のサブフレームではPUSCH信号の送信よりもPBCH信号の受信を優先させてもよい。特定のサブフレームは、RRCシグナリング等により通知されてもよいし、PDCCH信号の制御ビットを追加して通知されてもよい。
【0033】
上りリンクのPeriodic CQIの優先度は、下りリンクのPDSCH信号の優先度よりも高く規定されている。よって、Periodic CQIの送信タイミングとPDSCH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPeriodic CQIを送信する。
【0034】
上りリンクのPeriodic CQIの優先度は、下りリンクのPDCCH信号の優先度よりも高く規定されている。よって、Periodic CQIの送信タイミングとPDCCH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPeriodic CQIを送信する。なお、移動端末装置は、HD−FDD用PUCCHフォーマットを用いて、同一サブフレーム内でPeriodic CQIの送信及びPDCCH信号の受信を行ってもよい。HD−FDD用PUCCHフォーマットの詳細については後述する。
【0035】
上りリンクのPeriodic CQIの優先度は、下りリンクのPHICH信号の優先度よりも低く規定されている。よって、Periodic CQIの送信タイミングとPHICH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPHICHを受信する。なお、移動端末装置は、HD−FDD用PUCCHフォーマットを用いて、同一サブフレーム内でPeriodic CQIの送信及びPHICH信号の受信を行ってもよい。
【0036】
上りリンクのPeriodic CQIの優先度は、下りリンクのCSI−RSの優先度よりも高く規定されている。よって、Periodic CQIの送信タイミングとCSI−RSの受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPeriodic CQIを送信する。なお、移動端末装置は、特定のサブフレームではPeriodic CQIの送信よりもCSI−RSの受信を優先させてもよい。特定のサブフレームは、RRCシグナリング等により通知されてもよいし、PDCCH信号に制御ビットを追加して通知されてもよい。
【0037】
上りリンクのPeriodic CQIの優先度は、下りリンクのPBCH信号の優先度よりも高く規定されている。よって、Periodic CQIの送信タイミングとPBCH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPeriodic CQIを送信する。なお、移動端末装置は、特定のサブフレームではPeriodic CQIの送信よりもPBCH信号の受信を優先させてもよい。特定のサブフレームは、RRCシグナリング等により通知されてもよいし、PDCCH信号に制御ビットを追加して通知されてもよい。
【0038】
上りリンクのACK/NACKの優先度は、下りリンクのPDSCH信号の優先度よりも高く規定されている。よって、ACK/NACKの送信タイミングとPDSCH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はACK/NACKを送信する。
【0039】
上りリンクのACK/NACKの優先度は、下りリンクのPDCCH信号の優先度よりも高く規定されている。よって、ACK/NACKの送信タイミングとPDCCH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はACK/NACKを送信する。なお、移動端末装置は、HD−FDD用PUCCHフォーマットを用いて、同一サブフレーム内でACK/NACKの送信及びPDCCH信号の受信を行ってもよい。
【0040】
上りリンクのACK/NACKの優先度は、下りリンクのPHICH信号の優先度と等しく規定されている。よって、ACK/NACKの送信タイミングとPHICH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はどちらの信号も送受信せずに信号の誤検出とみなす。
【0041】
上りリンクのACK/NACKの優先度は、下りリンクのCSI−RSの優先度よりも高く規定されている。よって、ACK/NACKの送信タイミングとCSI−RSの受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はACK/NACKを送信する。
【0042】
上りリンクのACK/NACKの優先度は、下りリンクのPBCH信号の優先度よりも高く規定されている。よって、ACK/NACKの送信タイミングとPBCH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はACK/NACKを送信する。
【0043】
上りリンクのPositive SRの優先度は、下りリンクのPDSCH信号の優先度よりも低く規定されている。よって、Positive SRの送信タイミングとPDSCH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPDSCH信号を受信する。
【0044】
上りリンクのPositive SRの優先度は、下りリンクのPDCCH信号の優先度よりも高く規定されている。よって、Positive SRの送信タイミングとPDCCH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPositive SRを送信する。なお、移動端末装置は、HD−FDD用PUCCHフォーマットを用いて、同一サブフレーム内でPositive SRの送信及びPDCCH信号の受信を行ってもよい。
【0045】
上りリンクのPositive SRの優先度は、下りリンクのPHICH信号の優先度よりも低く規定されている。よって、Positive SRの送信タイミングとPHICH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPHICH信号を受信する。なお、移動端末装置は、HD−FDD用PUCCHフォーマットを用いて、同一サブフレーム内でPositive SRの送信及びPHICH信号の受信を行ってもよい。
【0046】
上りリンクのPositive SRの優先度は、下りリンクのCSI−RSの優先度よりも高く規定されている。よって、Positive SRの送信タイミングとCSI−RSの受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPositive SRを送信する。
【0047】
上りリンクのPositive SRの優先度は、下りリンクのPBCH信号の優先度よりも高く規定されている。よって、Positive SRの送信タイミングとPBCH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPositive SRを送信する。なお、移動端末装置は、特定のサブフレームではPositive SRの送信よりもPBCH信号の受信を優先させてもよい。特定のサブフレームは、RRCシグナリング等により通知されてもよいし、PDCCH信号に制御ビットを追加して通知されてもよい。
【0048】
上りリンクのSRSの優先度は、下りリンクのPDSCH信号の優先度よりも高く規定されている。よって、SRSの送信タイミングとPDSCH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はSRSを送信する。なお詳細は後述するが、基地局装置は、下りリンクでPDSCH信号を途中まで受信した後に、上りリンクでSRSを送信してもよい。
【0049】
上りリンクのSRSは、同一サブフレームにおいて下りリンクのPDCCH信号と割り当てられるシンボルが異なる。よって、同一サブフレーム内でSRSの送信及びPDCCH信号の受信が行われる。なお、SRSとPDCCH信号との間では、優先度が規定されていてもよいし、優先度が規定されていなくてもよい。
【0050】
上りリンクのSRSは、同一サブフレームにおいて下りリンクのPHICH信号と割り当てられるシンボルが異なる。よって、同一サブフレーム内でSRSの送信及びPHICH信号の受信が行われる。なお、SRSとPHICH信号との間では、優先度が規定されていてもよいし、規定されていなくてもよい。
【0051】
上りリンクのSRSは、同一サブフレームにおいて下りリンクのCSI−RSと割り当てられるシンボルが異なる場合には、同一サブフレーム内でSRSの送信及びCSI−RSの受信が行われる。この場合、SRSとCSI−RSとの間では、優先度が規定されていてもよいし、優先度が規定されていなくてもよい。また、SRSは、同一サブフレームにおいてCSI−RSと同じシンボルに割り当てられる場合には、SRSとCSI−RSとの間でいずれか一方の優先度を高く規定する。これにより、SRS及びCSI−RSのうち、優先度が高い方の信号の処理が優先される。
【0052】
上りリンクのSRSは、同一サブフレームにおいて下りリンクのPBCH信号と割り当てられるシンボルが異なる。よって、同一サブフレーム内でSRSの送信及びPBCH信号の受信が行われる。なお、SRSとPBCH信号との間では、優先度が規定されていてもよいし、規定されていなくてもよい。
【0053】
上りリンクのPRACH信号の優先度は、下りリンクのPDSCH信号の優先度よりも低く規定されている。よって、PRACH信号の送信タイミングとPDSCH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPDSCH信号を受信する。
【0054】
上りリンクのPRACH信号の優先度は、下りリンクのPDCCH信号の優先度よりも高く規定されている。よって、PRACH信号の送信タイミングとPDCCH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPRACH信号を送信する。なお、移動端末装置は、HD−FDD用PRACHフォーマットを用いて、同一サブフレーム内でPRACH信号の送信及びPDCCH信号の受信を行ってもよい。
【0055】
上りリンクのPRACH信号の優先度は、下りリンクのPHICH信号の優先度よりも低く規定されている。よって、PRACH信号の送信タイミングとPHICH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPHICH信号を受信する。なお、移動端末装置は、HD−FDD用PRACHフォーマットを用いて、同一サブフレーム内でPRACH信号の送信及びPHICH信号の受信を行ってもよい。
【0056】
上りリンクのPRACH信号の優先度は、下りリンクのCSI−RSの優先度よりも高く規定されている。よって、PRACH信号の送信タイミングとCSI−RSの受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPRACH信号を送信する。
【0057】
上りリンクのPRACH信号の優先度は、下りリンクのPBCH信号の優先度よりも高く規定されている。よって、PRACH信号の送信タイミングとPBCH信号の受信タイミングとが重なった場合には、移動端末装置はPRACH信号を送信する。なお、移動端末装置は、特定のサブフレームではPRACH信号の送信よりもPBCH信号の受信を優先させてもよい。特定のサブフレームは、RRCシグナリング等により通知されてもよいし、PDCCH信号の制御ビットを追加して通知されてもよい。
【0058】
このように、上りリンク信号と下りリンク信号との優先関係を規定しておくことで、上りリンク信号の送信タイミングと下りリンク信号の受信タイミングとが重なる場合でも、移動端末装置に重要な信号の送受信処理を確実に行わせることができる。なお、上記した優先関係は、主に下りリンク信号よりも上りリンク信号を優先させて規定されているが、これに限定されない。優先関係は、ネットワーク構成、基地局装置構成、移動端末装置構成等に応じて、適宜変更することができる。
【0059】
図5を参照して、上記した同一サブフレーム内における上りリンク信号及び下りリンク信号の送受信方法について詳しく説明する。図5は、同一サブフレーム内における上りリンク信号及び下りリンク信号の送受信方法の説明図である。
【0060】
図5Aに示す第1の送受信方法は、1サブフレームにおいて移動端末装置が下りリンク信号を途中まで受信した後、残りのシンボルで上りリンク信号を送信する送受信方法である。ここでは、下りリンク信号としてPDCCH信号及びPDSCH信号、上りリンク信号としてSRSを例示して説明するが、これらの信号に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0061】
通常、上りリンクのSRSは、同一サブフレーム内において下りリンクのPDCCH信号と割り当てられるシンボルが異なるが、下りリンクのPDSCH信号の一部と割り当てられるシンボルが重複する。このため、図5Aに示すように、移動端末装置は、PDSCH信号の後尾数シンボル(本実施の形態では2シンボル)をSRS用に無視するようにしている。移動端末装置は、基地局装置から先頭3シンボルのPDCCH信号を受信すると共に、PDSCH信号を最終シンボルから2つ手前のシンボルまで受信する。その後、移動端末装置は、最終シンボルの1つ手前のシンボルをガード区間として下りの受信処理から上りの送信処理に動作を切り換え、最終シンボルでSRSを基地局装置に送信する。
【0062】
また、基地局装置がPDSCH信号にレートマッチング処理又はパンクチャ処理を施して、1サブフレームにおいてSRS及びカード区間に相当する2シンボルを空けてPDSCH信号を送信してもよい。この場合、基地局装置は、上りリンク信号と下りリンク信号の間で規定された優先関係に基づいてPDSCH信号のレートマッチング処理等を施す。移動端末装置は、基地局装置からPDCCH信号及びPDSCH信号を受信する。その後、移動端末装置は、最終シンボルの1つ手前のシンボルをガード区間として下りの受信処理から上りの送信処理に動作を切り換え、SRS用に空けられた最終シンボルでSRSを基地局装置に送信する。
【0063】
なお、上記した第1の送受信方法では、下りリンク信号を途中まで受信した後、残りのシンボルで上りリンク信号を送信したが、上りリンク信号を途中まで送信した後、残りのシンボルで下りリンク信号を受信してもよい。また、図5AにおいてはPDSCH信号の後尾2シンボルには重要なデータが割り当てられないことが好ましい。
【0064】
図5B、図5Cに示す第2の送受信方法は、1サブフレームにおいてHD−FDD用の信号フォーマットを用いて、同一サブフレーム内で上りリンク信号の送信と下りリンク信号の受信とを行う送受信方法である。ここでは、下りリンク信号として下りL1/L2制御信号であるPDCCH信号及びPHICH信号、上りリンク信号としてPUCCH信号、PRACH信号を例示して説明するが、これらの信号に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0065】
通常、上りリンクのPUCCH信号は、サブフレーム全体に割り当てられるため、同一サブフレーム内において下りリンクのPDCCH信号及びPHICH信号と割り当てられるシンボルが重複する。このため、図5Bに示すように、移動端末装置は、PDCCH信号及びPHICH信号を避けるようにPUCCHの先頭数シンボル(本実施の形態では4シンボル)をパンクチャ又はレートマッチングしたHD−FDD用PUCCHフォーマットを用いる。移動端末装置は、パンクチャ等が施されたHD−FDD用PUCCHフォーマットの先頭3シンボルで基地局装置からPDCCH信号及びPHICH信号を受信する。その後、移動端末装置は、HD−FDD用PUCCHフォーマットの4シンボル目をガード区間として下りの受信処理から上りの送信処理に動作を切り換え、残りのシンボルでPUCCH信号を基地局装置に送信する。
【0066】
また通常、上りリンクのPRACH信号は、サブフレーム全体に割り当てられるため、同一サブフレーム内において下りリンクのPDCCH信号及びPHICH信号と割り当てられるシンボルが重複する。このため、図5Cに示すように、移動端末装置は、PDCCH信号及びPHICH信号を避けるようにPRACHの先頭数シンボル(本実施の形態では4シンボル)をパンクチャしたHD−FDD用PRACHフォーマットを用いる。移動端末装置は、パンクチャが施されたHD−FDD用PRACHフォーマットの先頭3シンボルで基地局装置からPDCCH信号及びPHICH信号を受信する。その後、移動端末装置は、HD−FDD用PRACHフォーマットの4シンボル目をガード区間として下りの受信処理から上りの送信処理に動作を切り換え、残りのシンボルでPRACH信号を基地局装置に送信する。
【0067】
また、基地局装置は、下りリンクの信号を避けるように上りリンク信号の一部のシンボルをパンクチャ又はレートマッチングしたHD−FDD用の上りリンクの信号フォーマットを用いてもよい。移動端末装置は、上りリンクの信号フォーマットの一部のPUSCH信号を受信して、残りのシンボルで上りリンク信号を基地局装置に送信する。
【0068】
なお、上記した第2の送受信方法では、先頭数シンボルを空けたHD−FDD用の信号フォーマットを用いてもよいし、後尾数シンボルを空けたHD−FDD用の信号フォーマットや途中数シンボルを空けたHD−FDD用の信号フォーマットを用いてもよい。また、上りリンクの信号フォーマットと下りリンクの信号フォーマットを組み合わせてもよい。
【0069】
また、同一サブフレーム内における上りリンク信号及び下りリンク信号の送受信方法は、第1の送受信方法及び第2の送受信方法に限定されるものではない。移動端末装置が、同一サブフレーム内において上りリンク信号の送信処理及び下りリンク信号の受信処理を行うことができれば、どのような方法でもよい。
【0070】
ここで、本発明の実施例に係る無線通信システムについて詳細に説明する。図6は、本実施例に係る無線通信システムのシステム構成の説明図である。なお、図6に示す無線通信システムは、例えば、LTEシステム或いは、SUPER 3Gが包含されるシステムである。また、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれても良いし、4Gと呼ばれても良い。
【0071】
図6に示すように、無線通信システム1は、基地局装置20と、この基地局装置20と通信する複数の移動端末装置10(10、10、10、・・・10、nはn>0の整数)とを含んで構成されている。基地局装置20は、上位局装置30と接続され、この上位局装置30は、コアネットワーク40と接続される。移動端末装置10は、セル50において基地局装置20と通信を行うことができる。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されない。
【0072】
各移動端末装置(10、10、10、・・・10)は、LTE端末及びLTE−A端末を含むが、以下においては、特段の断りがない限り移動端末装置10として説明を進める。また、説明の便宜上、基地局装置20と無線通信するのは移動端末装置10であるものとして説明するが、より一般的には移動端末装置も固定端末装置も含むユーザ装置(UE:User Equipment)でよい。
【0073】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用されるが、上りリンクの無線アクセス方式はこれに限定されない。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
【0074】
図7を参照しながら、本実施の形態に係る基地局装置20の全体構成について説明する。基地局装置20は、送受信アンテナ201と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、呼処理部205と、伝送路インターフェース206とを備えている。下りリンクにより基地局装置20から移動端末装置10に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース206を介してベースバンド信号処理部204に入力される。
【0075】
ベースバンド信号処理部204では、PDCPレイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、例えば、HARQの送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換処理、プリコーディング処理が行われる。また、下りリンク制御チャネルである物理下りリンク制御チャネルの信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換等の送信処理が行われる。
【0076】
また、ベースバンド信号処理部204は、報知チャネルにより、移動端末装置10に対して、当該セルにおける通信のための制御情報を通知する。この制御情報には、例えば、上りリンク又は下りリンクにおけるシステム帯域幅、PRACHにおけるランダムアクセスプリアンブルの信号を生成するためのルート系列の識別情報(Root Sequence Index)等が含まれる。
【0077】
送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に周波数変換し、これを増幅して送受信アンテナ201へ出力する。
【0078】
一方、上りリンクにより移動端末装置10から基地局装置20に送信される信号については、送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号が送受信部203で増幅されると共に周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部204に入力される。
【0079】
ベースバンド信号処理部204は、上りリンクで受信したベースバンド信号に含まれるユーザデータに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理を行う。復号された信号は伝送路インターフェース206を介して上位局装置30に転送される。
【0080】
呼処理部205は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、基地局装置20の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0081】
次に、図8を参照しながら、本実施の形態に係る移動端末装置10の全体構成について説明する。LTE端末もLTE-A端末もハードウエアの主要部構成は同じであるので、区別せずに説明する。移動端末装置10は、送受信アンテナ101と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、アプリケーション部105とを備えている。
【0082】
下りリンクのデータについては、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号が送受信部103で増幅されると共に周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部104でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理等がなされる。この下りリンクのデータの内、下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部105に転送される。アプリケーション部105は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理等を行う。また、下りリンクのデータの内、報知情報も、アプリケーション部105に転送される。
【0083】
一方、上りリンクのユーザデータは、アプリケーション部105からベースバンド信号処理部104に入力される。ベースバンド信号処理部104においては、再送制御(HARQ)の送信処理や、チャネル符号化、DFT処理、IFFT処理を行う。送受信部103は、ベースバンド信号処理部104から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換し、これを増幅して送受信アンテナ101へ出力する。
【0084】
図9を参照しながら、本実施の形態に係る基地局装置の機能ブロックについて説明する。なお、図9は、主にベースバンド処理部及び送受信部の機能ブロックを示している。また、図9は、ベースバンド処理部及び送受信部を簡略化したものであり、ベースバンド処理部及び送受信部において通常備える構成を備えるものとする。基地局装置20は、送信系として、PBCH信号生成部211、PDCCH信号生成部212、PHICH信号生成部213、PDSCH信号生成部214、CSI−RS生成部215、物理チャネル多重部216、IFFT部217、CP付加部218、送信RF回路203bを有している。
【0085】
PBCH信号生成部211は、帯域幅、制御チャネル構成などの基本パラメータを含むPBCH信号を生成する。PDCCH信号生成部212は、スケジューラ231による割り当てに基づいて、ユーザ毎にPUSCH信号及びPDSCH信号のスケジューリング情報の他、変調法、符号化率等のフォーマット情報を含むPDCCH信号を生成する。PHICH信号生成部213は、スケジューラ231による割り当てに基づいて、PUSCH信号に対するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)用のPHICH信号を生成する。PDSCH信号生成部214は、スケジューラ231による割り当てに基づいて、複数の移動端末装置10で共有して用いられるユーザデータや上位レイヤの制御情報を含むPDSCH信号を生成する。CSI−RS生成部215は、チャネル状態情報の測定にのみ用いられるCSI−RSを生成する。
【0086】
物理チャネル多重部216は、各信号生成部において符号化・変調された各下りリンク信号を多重し、IFFT部217に入力する。IFFT部217は、多重された下り信号を逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)して周波数領域の信号から時系列の信号に変換する。CP付加部218は、下り信号にサイクリックプレフィックスを挿入する。そして、下り信号は、送信RF回路203bを通り、送信系と受信系との間に設けたデュプレクサ203cを介して送受信アンテナ201から送信される。
【0087】
基地局装置20は、受信系として、PUSCH信号復調・復号部221、PUCCH信号復調・復号部222、PRACH信号受信部223、SRS受信部224、物理チャネル分離部225、FFT部226、CP除去部227、受信RF回路203aを有している。送受信アンテナ201で受信された上り信号は、デュプレクサ203c及び受信RF回路203aを介してCP除去部227に入力される。CP除去部227は、上り信号からサイクリックプレフィックスを取り除き、FFT部226に入力する。FFT部226は、上り信号を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)して時間系列の信号から周波数領域の信号に変換し、物理チャネル分離部225に入力する。物理チャネル分離部225は、上り信号に多重された各上りリンク信号を分離する。
【0088】
PUSCH信号復調・復号部221は、スケジューラ231による割り当てに基づいて、複数の移動端末装置10で共有して用いられるユーザデータや上位レイヤの制御情報を含むPUSCH信号を復調し、さらに復号する。PUCCH信号復調・復号部222は、スケジューラ231による割り当てに基づいて、Periodic CQI、PDSCHに対するACK/NACK、Positive SRを含むPUCCH信号を復調し、さらに復号する。PRACH信号受信部223は、移動端末装置10の初期アクセスに用いられる衝突型のPRACH信号を受信する。SRS受信部224は、スケジューラ231によるスケジューリング及び適応制御を行うためのSRSを受信する。
【0089】
スケジューラ231は、システム帯域全体の通信品質に応じて、配下の移動端末装置10に対するリソースの割当てを制御する。スケジューラ231は、LTE端末ユーザとLTE−A端末ユーザとを区別してスケジューリングを行う。スケジューラ231は、上位局装置30から送信データ及び再送指示が入力されると共に、上りリンクの信号を測定した受信部からチャネル推定値やリソースブロックのCQIが入力される。スケジューラ231は、上位局装置30から入力された再送指示、チャネル推定値及びCQIを参照しながら、PDCCH信号、PHICH信号、PDSCH信号のスケジューリングを行う。移動通信における伝搬路は、周波数選択性フェージングにより周波数ごとに変動が異なる。そこで、移動端末装置10へのユーザデータ送信時に、各移動端末装置10に対してサブフレーム毎に通信品質の良好なリソースブロックを割り当てる(適応周波数スケジューリングと呼ばれる)。適応周波数スケジューリングでは、各リソースブロックに対して伝搬路品質の良好な移動端末装置10を選択して割り当てる。そのため、スケジューラ231は、各移動端末装置10からフィードバックされるリソースブロック毎のCQIを用いてリソースブロックを割り当てる。また、割り当てたリソースブロックで所定のブロック誤り率を満たすMCS(符号化率、変調方式)を決定する。スケジューラ231が決定したMCS(符号化率、変調方式)を満足するパラメータがPDCCH信号生成部212、PHICH信号生成部213、PDSCH信号生成部214に設定される。
【0090】
また、スケジューラ231は、上記した優先関係を考慮して、PUSCH信号復調・復号部221、PUCCH信号復調・復号部222の復調及び復号を制御する。PUSCH信号復調・復号部221及びPUCCH信号復調・復号部222は、移動端末装置10において上下リンク信号の送受信タイミングが重なった場合には、上りリンク信号が基地局装置20に送られてくるかを判断する必要がある。そこで、スケジューラ231は、上記した優先関係に基づいて所定のサブフレームにおいて移動端末装置10で上りリンク信号の送信と下りリンク信号の受信のどちらが優先されるかをPUSCH信号復調・復号部221及びPUCCH信号復調・復号部222に入力している。
【0091】
また、基地局装置20は、信号フォーマット選択部232を有している。信号フォーマット選択部232は、同一サブフレーム内で上下リンク信号を送受信する場合には、スケジューラ231による割り当てに基づいて、図5A−Cに示す信号フォーマットを選択する。信号フォーマット選択部232は、同一サブフレーム内の送受信法を基地局装置20側で制御する場合には、信号生成部に対して信号フォーマット情報を入力する。例えば、PDSCH信号生成部214は、信号フォーマット情報に基づいて、図5Aに示すようにサブフレームの末尾数シンボルを移動端末装置10が受信しないことを前提としてPDSCH信号にレートマッチング処理又はパンクチャ処理を施してもよい。また、例えばPDSCH信号生成部214は、信号フォーマット情報に基づいて、下りリンク信号を避けるようにPDSCH信号をレートマッチング又はパンクチャしたHD−FDD用PDSCHフォーマットを生成してもよい。
【0092】
また、信号フォーマット選択部は、同一サブフレーム内の送受信法を移動端末装置10側で制御する場合には、復調・復号部及び受信部に対して信号フォーマット情報を入力する。これにより、復調・復号部及び受信部は、同一サブフレーム内で上下リンク信号の送受信タイミングが重なる場合でも、上りリンク信号が送信されるシンボルを認識することができる。例えば、PUCCH信号復調・復号部222は、信号フォーマット情報に基づいてPUCCH信号が割り当てられる1サブフレーム内のシンボルを認識してPUCCH信号を復調し、さらに復号する。
【0093】
図10を参照しながら、本実施の形態に係る移動端末装置の機能ブロックについて説明する。なお、図10は、主にベースバンド処理部及び送受信部の機能ブロックを示している。また、図10は、ベースバンド処理部及び送受信部を簡略化したものであり、ベースバンド処理部及び送受信部において通常備える構成を備えるものとする。移動端末装置10は、送信系として、PUSCH信号生成部111、PUCCH信号生成部112、PRACH信号生成部113、SRS生成部114、物理チャネル多重部115、IFFT部116、CP付加部117、送信RF回路103bを有している。
【0094】
PUSCH信号生成部111は、スケジューリング情報に基づいて、複数の移動端末装置10で共有して用いられるPUSCH信号を生成する。PUCCH信号生成部112は、Periodic CQI、ACK/NACK、Positive SRを含むPUCCH信号を生成する。PRACH信号生成部113は、基地局装置20に対する初期アクセスに用いられる衝突型のPRACH信号を生成する。SRS生成部114は、スケジューリング及び適応制御に用いられるSRSを生成する。
【0095】
物理チャネル多重部115は、各信号生成部において符号化・変調された各上りリンク信号を多重し、IFFT部116に入力する。IFFT部116は、多重された上り信号を逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)して周波数領域の信号から時系列の信号に変換する。CP付加部117は、上り信号にサイクリックプレフィックスを挿入する。そして、上り信号は、送信RF回路103bを通り、送信系と受信系との間に設けたスイッチ103cを介して送受信アンテナ101から送信される。
【0096】
基地局装置20は、受信系として、PBCH信号復調・復号部121、PDCCH信号復調・復号部122、PHICH信号復調・復号部123、PDSCH信号復調・復号部124、CSI−RS受信部125、物理チャネル分離部126、FFT部127、CP除去部128、受信RF回路103aを有している。送受信アンテナ101で受信された上り信号は、スイッチ103c及び受信RF回路103aを介してCP除去部128に入力される。CP除去部128は、上り信号からサイクリックプレフィックスを取り除き、FFT部127に入力する。FFT部127は、上り信号を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)して時間系列の信号から周波数領域の信号に変換し、物理チャネル分離部126に入力する。物理チャネル分離部126は、上り信号に多重された各上りリンク信号を分離する。
【0097】
PBCH信号復調・復号部121は、セル固有のシステム情報を含むPBCH信号を復調し、さらに復号する。PDCCH信号復調・復号部122は、ユーザ毎にPUSCH信号及びPDSCH信号のスケジューリング情報を含むPDCCH信号を復調し、さらに復号する。PDCCH信号復調・復号部122は、上下リンクのスケジューリング情報を送受信チャネル・信号フォーマット選択部131に入力する。PHICH信号復調・復号部123は、PUSCHに対するPHICH信号を復調し、さらに復号する。PHICH信号復調・復号部123は、PHICH信号に基づいてPUSCHを再送するか否かを送受信チャネル・信号フォーマット選択部131に入力する。PDSCH信号復調・復号部は、スケジューリング情報に基づいて、複数の移動端末装置10で共有して用いられるユーザデータや上位レイヤの制御情報を含むPDSCH信号を復調し、さらに復号する。CSI−RS受信部125は、チャネル状態情報の測定にのみ用いられるCSI−RSを復調し、さらに復号する。
【0098】
また、移動端末装置10は、送受信チャネル・信号フォーマット選択部131を有している。送受信チャネル・信号フォーマット選択部131は、上下リンク信号の送受信タイミングが重なるときに、上下リンク信号の優先関係に基づいて優先度の高い信号を判定する。そして、送受信チャネル・信号フォーマット選択部131は、判定結果に基づいて上りリンク信号の送信処理と下りリンク信号の受信処理のどちらを優先させるかを選択する。具体的には、送受信チャネル・信号フォーマット選択部131は、上りリンク信号の送信処理を優先させる場合には、スイッチタイミング情報によってスイッチ103cを送信系側に切り換える。これにより、移動端末装置10は、送受信アンテナ101を介して上りリンク信号を送信する。送受信チャネル・信号フォーマット選択部131は、下りリンク信号の受信処理を優先させる場合には、スイッチタイミング情報によってスイッチを受信系側に切り換える。これにより、移動端末装置10は、送受信アンテナ101を介して下りリンク信号を受信する。
【0099】
この場合、送受信チャネル・信号フォーマット選択部131は、RRCシグナリングやPDCCH信号によって通知される特定のサブフレームにおいては、優先関係に反してスイッチ103cを切り替えてもよい。すなわち、特定のサブフレームでは、上りリンク信号よりも優先度が低い下りリンク信号の受信処理を優先させてもよいし、下りリンク信号よりも優先度が低い上りリンク信号の送信処理を優先させてもよい。また、送受信チャネル・信号フォーマット選択部131は、上りリンク信号の送信処理及び下りリンク信号の受信処理のどちらの処理も行わない場合には、スイッチタイミング情報によってスイッチ103cを送信系及び受信系から切り離す。これにより、移動端末装置10は、上りリンク信号及び下りリンク信号の送受信処理を停止する。
【0100】
また、送受信チャネル・信号フォーマット選択部131は、同一サブフレーム内で上下リンク信号を送受信する場合には、図5A−Cに示す信号フォーマットを選択する。送受信チャネル・信号フォーマット選択部131は、同一サブフレーム内の送受信法を移動端末装置10側で制御する場合には、各信号生成部及び各復調・復号部、受信部に対して信号フォーマット情報を入力する。
【0101】
例えば、図5Aに示す第1の送受信方法では、PDSCH信号復調・復号部124が、信号フォーマット情報に基づいて後尾数シンボルを残してPDSCH信号を復調し、さらに復号する。また、SRS生成部114は、最後尾のシンボルに合わせてSRSを生成する。また、図5Bに示す第2の送受信方法では、PUCCH信号生成部112が、信号フォーマット情報に基づいてHD−FDD用PUCCHフォーマットを選択し、先頭数シンボルをパンクチャ又はレートマッチングしてPUCCH信号を生成する。また、PDCCH信号復調・復号部122及びPHICH信号復調・復号部123が、信号フォーマット情報に基づいて、先頭数シンボルに割り当てられたPDCCH信号及びPHICH信号を復調し、さらに復号する。また、図5Cに示す第2の送受信方法では、PRACH信号生成部113が、信号フォーマット情報に基づいてHD−FDD用PRACHフォーマットを選択し、先頭数シンボルをパンクチャしてPRACH信号を生成する。また、PDCCH信号復調・復号部122及びPHICH信号復調・復号部123が、信号フォーマット情報に基づいて、先頭数シンボルに割り当てられたPDCCH信号及びPHICH信号を復調し、さらに復号する。
【0102】
この同一サブフレーム内における送受信では、送受信チャネル・信号フォーマット選択部131は、サブフレーム内に設けられたガード区間でスイッチタイミング情報をスイッチ103cに入力する。これにより、1サブフレーム内において上りリンク信号の送信と下りリンク信号の受信とが切り換えられる。
【0103】
以上のように、本実施の形態に係る移動端末装置10によれば、移動端末装置において上りリンク信号の送信タイミングと下りリンク信号の受信タイミングが重なる場合に、送受信処理が選択的に行われる。よって、HD−FDDが適用された移動端末装置10に対して、上りリンク信号の送信タイミングと下りリンク信号の受信タイミングが重なる場合に最適な動作を行わせることができる。
【0104】
なお、上記した実施の形態においては、特定のサブフレームの指示を、RRCシグナリング、PDCCH信号に制御ビットを追加して移動端末装置に通知したが、これに限定されない。移動端末装置に特定のサブフレームを通知できれば、どのように通知してもよい。
【0105】
また、上記した実施の形態においては、基地局装置及び移動端末装置に優先関係が設定されたが、移動端末装置にのみ優先関係が設定されてもよい。また、優先関係は、予め基地局装置と移動端末装置の両方に設定されてもよいし、基地局装置から移動端末装置に通知されてもよいし、移動端末装置から基地局装置に通知されてもよい。
【0106】
本発明は上記実施の形態に限定されず、様々変更して実施することが可能である。例えば、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、上記説明における上りリンク信号の種類、下りリンク信号の種類、上りリンク信号及び下りリンク信号の割り当て位置、機能ブロックの数、処理手順等については適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0107】
1 無線通信システム
10 移動端末装置
20 基地局装置
101 送受信アンテナ
103 送受信部
103a 受信RF回路(送受信部)
103b 送信RF回路(送受信部)
103c スイッチ(送受信部)
104 ベースバンド信号処理部(制御部)
111 PUSCH信号生成部
112 PUCCH信号生成部
113 PRACH信号生成部
114 SRS生成部
121 PBCH信号復調・復号部
122 PDCCH信号復調・復号部
123 PHICH信号復調・復号部
124 PDSCH信号復調・復号部
125 CSI−RS受信部
131 送受信チャネル・信号フォーマット選択部(制御部)
201 送受信アンテナ
203 送受信部
204 ベースバンド信号処理部(信号処理部)
231 スケジューラ
232 信号フォーマット選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半複信方式により基地局装置と無線通信を行う移動端末装置であって、
上りリンク信号を前記基地局装置に送信し、下りリンク信号を前記基地局装置から受信する送受信部と、
前記上りリンク信号の送信タイミングと前記下りリンク信号の受信タイミングとが重なる場合に、前記上りリンク信号と前記下りリンク信号との間で規定された優先関係に基づいて、前記上りリンク信号の送信及び前記下りリンク信号の受信を前記送受信部に選択的に行わせる制御部とを備えたことを特徴とする移動端末装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記上りリンク信号の送信及び前記下りリンク信号の受信のうち優先度の高い処理だけを前記送受信部に行わせることを特徴とする請求項1に記載の移動端末装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記上りリンク信号及び前記下りリンク信号の優先度が等しい場合に、前記送受信部に送受信を停止させることを特徴とする請求項1に記載の移動端末装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記基地局装置からの指示により、前記上りリンク信号の送信及び前記下りリンク信号の受信のうち優先度の低い処理を前記送受信部に行わせることを特徴とする請求項1に記載の移動端末装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記上りリンク信号の送信及び前記下りリンク信号の受信のうち、いずれか一方の処理を1サブフレーム内の途中まで前記送受信部に行わせた後、いずれか他方の処理を前記1サブフレームの残りのリソースで前記送受信部に行わせることを特徴とする請求項1に記載の移動端末装置。
【請求項6】
前記制御部は、下りデータ信号の受信を1サブフレーム内の途中まで前記送受信部に行わせた後、上り参照信号の送信を前記1サブフレームの残りのリソースで前記送受信部に行わせることを特徴とする請求項5に記載の移動端末装置。
【請求項7】
前記制御部は、1サブフレームにおいて下りリンク信号を避けるように規定された上りリンク信号の信号フォーマットを用いて、前記送受信部に前記上りリンク信号を送信させることを特徴とする請求項1に記載の移動端末装置。
【請求項8】
前記制御部は、1サブフレームにおいて下りL1/L2制御信号を避けるように先頭数シンボルを空けた上り制御信号の信号フォーマットを用いて、前記送受信部に前記上り制御信号を送信させることを特徴とする請求項7に記載の移動端末装置。
【請求項9】
前記制御部は、1サブフレームにおいて下りL1/L2制御信号を避けるように先頭数シンボルを空けた上り同期信号の信号フォーマットを用いて、前記送受信部に前記上り同期信号を送信させることを特徴とする請求項7に記載の移動端末装置。
【請求項10】
半複信方式の移動端末装置と無線通信する基地局装置であって、
スケジューリング情報に応じて上りリンク信号の生成し、下りリンク信号の復調及び復号を行う信号処理部と、
前記上りリンク信号を前記移動端末装置から受信し、前記下りリンク信号を前記移動端末装置に送信する送受信部とを備え、
前記信号処理部が、前記移動端末装置において前記上りリンク信号の送信タイミングと前記下りリンク信号の受信タイミングとが重なる場合に、前記移動端末装置によって前記上りリンク信号と前記下りリンク信号との間で規定された優先関係に基づいて選択的に行われる送受信処理に合わせて信号処理することを特徴とする基地局装置。
【請求項11】
半複信方式により上りリンク信号を基地局装置に送信し、下りリング信号を前記基地局装置から受信する移動端末装置の通信制御方法であって、
上りリンク信号の送信タイミングと下りリンク信号の受信タイミングとが重なる場合に、前記上りリンク信号と前記下りリンク信号との間で規定された優先関係に基づいて、前記上りリンク信号の送信及び前記下りリンク信号の受信の優先度を判定するステップと、
判定結果に基づいて前記上りリンクの送信及び前記下りリンクの受信を選択的に行うステップとを含むことを特徴とする通信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−175258(P2012−175258A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33388(P2011−33388)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】