説明

移動装置およびロボットならびにこれらの制御システム

【課題】制御対象の状況に鑑みて、時空間座標系における当該制御対象の目標軌道を適当な形態で探索することができるシステム等を提供する。
【解決手段】時空間座標系における第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の初期位置関係(k=1)が、アクチュエータ2の動作性能に応じた「第1条件」を満足するように設定される。前回軌道候補tr(k−1)が物体軌道troに接触すると判定された場合、時空間座標系における第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の今回位置関係(k>1)が第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の今回時間間隔が前回時間間隔よりも長くなる等の「第2条件」を満足するように設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動機能を有する装置等およびその制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
脚式移動ロボット等の移動装置の周辺に存在する通行人等の物体による当該移動装置の移動の妨げを効率的に回避する観点から、当該移動装置を適当な形態で移動または行動させる技術的手法が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−079852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、移動装置および物体のそれぞれの実空間における時系列的な変位態様が、時空間座標系における軌道により表現される場合、移動装置の軌道が、当該移動装置に無理な挙動を強いる等、不適当なものになる可能性があった。
【0005】
そこで、本発明は、制御対象の状況に鑑みて、時空間座標系における当該制御対象の目標軌道を適当な形態で探索することができるシステム等を提供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明の制御システムは、アクチュエータの動作を制御することにより、実空間における制御対象の時系列的な位置を、実空間座標系および時間座標系により定義される時空間座標系において定義される目標軌道にしたがって制御するように構成されているシステムであって、前記時空間座標系において、第1基準点および第2基準点の初期位置関係が、前記アクチュエータの動作性能に応じて定まる第1条件を満たすように当該初期位置関係を設定した上で、前記時空間座標系において配列される点列に基づき、前記第1基準点から第1線分を延長するとともに前記第2基準点から第2線分を延長する延長処理を実行した上で、前記第1線分および第2線分を連結する連結処理を実行することにより得られる線分を軌道候補として探索するように構成されている第1演算処理要素と、前記軌道候補が、前記制御対象とは別個の物体の時系列的な位置軌道を前記時空間座標系において表わす物体軌道と接触するか否かを判定するように構成されている第2演算処理要素とを備え、前記第2演算処理要素により前回軌道候補が前記物体軌道と接触すると判定されたことを要件として、前記第1演算処理要素が、前記第1基準点および前記第2基準点の今回位置関係が、前記時空間座標系における前記第1基準点および前記第2基準点の今回空間間隔が前回空間間隔よりも短くなる、前記第1基準点および前記第2基準点の今回時間間隔が前回時間間隔よりも長くなる、あるいは、前記第1基準点および前記第2基準点の今回空間間隔が前回空間間隔よりも短くなり、かつ、今回時間間隔が前回時間間隔よりも長くなるという第2条件を満たすように当該今回位置関係を設定した上で、今回軌道候補を探索する一方、前記第2演算処理要素により前回軌道候補が前記物体軌道と接触しないと判定されたことを要件として、当該前回軌道候補を前記目標軌道として設定するように構成されていることを特徴とする。
【0007】
前記課題を解決するための本発明の前記制御対象としての移動装置は、アクチュエータと、前記制御システムとを備え、前記制御システムによって前記アクチュエータの動作が制御されることにより、実空間において目標軌道にしたがって移動するように構成されていることを特徴とする。
【0008】
前記課題を解決するための本発明のロボットは、基体と、前記基体から延設された肢体と、アクチュエータと、前記制御システムとを備え、前記制御システムによって前記アクチュエータの動作が制御されることにより、実空間において目標軌道にしたがって前記制御対象としての前記肢体を変位させるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の制御システム、移動装置またはロボット(以下、適宜「制御システム等」という。)によれば、時空間座標系において物体軌道と接触しないような軌道候補が目標軌道として生成される。この目標軌道にしたがってアクチュエータの動作が制御されることにより、制御対象に物体と接触する事態を回避させながら実空間を変位させることができる。
【0010】
時空間座標系における軌道候補の第1基準点および第2基準点の相対的な位置関係は、制御対象が第1空間位置(第1基準点の実空間成分)から第2空間位置(第2基準点の実空間成分)まで移動する際の速度の高低を定める。たとえば、時空間座標系における第1基準点(時系列的に先の点)および第2基準点(時系列的に後の点)の時間間隔、すなわち、制御対象が実空間において第1空間位置から第2空間位置まで変位するのに要する時間が長いほどその速度が低くなる。時空間座標系における第1基準点および第2基準点の空間間隔、すなわち、制御対象が第1空間位置から第2空間位置まで移動する実空間距離が短いほど速度が低くなる。
【0011】
そこで、時空間座標系における第1基準点および第2基準点の初期位置関係が「第1条件」を満足するように設定される。「第1条件」はアクチュエータの動作性能に応じて定められている。
【0012】
これにより、制御対象を実空間において第1空間位置から第2空間位置まで変位させる際の目標速度が、アクチュエータの動作性能に応じた制御対象の変位速度の許容範囲から外れるような不適当な値になる事態が回避される。
【0013】
さらに、前回軌道候補が物体軌道に接触すると判定された場合、時空間座標系における第1基準点および第2基準点の今回位置関係が「第2条件」を満足するように設定される。「第2条件」は第1基準点および第2基準点の今回空間間隔が前回空間間隔よりも短くなる、第1基準点および第2基準点の今回時間間隔が前回時間間隔よりも長くなる、あるいは、第1基準点および第2基準点の今回空間間隔が前回空間間隔よりも短くなり、かつ、今回時間間隔が前回時間間隔よりも長くなるという条件である。
【0014】
これにより、軌道候補の再探索が繰り返されるたび、制御対象を実空間において第1空間位置から第2空間位置まで変位させる際の速度を徐々に低下させるような軌道候補が探索される。このため、制御対象の目標速度が、アクチュエータの動作性能に応じた制御対象の変位速度の許容範囲の上限値を超えるような不適当な値になる事態が回避される。
【0015】
よって、アクチュエータの動作性能等の制御対象の状況に鑑みて、時空間座標系における当該制御対象の目標軌道が適当な形態で探索されうる。
【0016】
なお、本発明の構成要素が情報を「認識する」とは、当該構成要素が情報をデータベースから検索すること、メモリ等の記憶装置から情報を読み取ること、センサ等の出力信号に基づき情報を測定、算定、推定、判定すること、測定等された情報をメモリに格納すること等、当該情報をさらなる情報処理のために準備または用意するために必要なあらゆる情報処理を実行することを意味する。
【0017】
前記第1演算処理要素が、前記軌道候補の探索に際して用いられる前記第1基準点に続く前記点列から、先の点に対して時系列的に過去に位置する点を排除するとともに、前記軌道候補の探索に際して用いられる前記第2基準点に続く前記点列から、先の点に対して時系列的に未来に位置する点を排除するように構成されていてもよい。
【0018】
当該構成の制御システム等によれば、時空間座標系において、時系列的に過去にさかのぼるような実現不可能な軌道候補が探索される事態が回避されうる。
【0019】
前記第1演算処理要素が、前記軌道候補の探索に際して用いられる前記点列から、先の点に対して、前記アクチュエータの動作性能に応じて定まる許容範囲から外れている点を排除するように構成されていてもよい。
【0020】
当該構成の制御システム等によれば、制御対象が、アクチュエータの動作性能に応じた許容範囲から外れるような速度で変位することを強いられる事態が回避されうる。
【0021】
前記第1演算処理要素が、前記時空間座標系において1つの第1基準点に対して複数の第2基準点を定義し、あるいは、1つの第2基準点に対して複数の第1基準点を定義した上で、前記延長処理および前記連結処理を実行することにより最も早く得られた、前記1つの第1基準点と前記複数の第2基準点のうち1つの第2基準点とを結ぶ線分、または、前記複数の第1基準点のうち1つの第1基準点と前記1つの第2基準点とを結ぶ線分を、前記軌道候補として探索するように構成されていてもよい。
【0022】
当該構成の制御システム等によれば、アクチュエータに対して目標軌道の探索結果に応じた動作指令信号が可及的速やかに送信されうる。このため、目標軌道の探索と並行して制御対象の変位態様がリアルタイムで制御される際、この制御対象の動作が一時的に停止または休止状態となる事態が回避されうる。
【0023】
前記第1演算処理要素が、前記時空間座標系において1つの第1基準点に対して複数の第2基準点を定義し、あるいは、1つの第2基準点に対して複数の第1基準点を定義した上で、前記延長処理および前記連結処理を実行することにより、前記1つの第1基準点と前記複数の第2基準点のそれぞれとを結ぶ線分、または、前記複数の第1基準点のそれぞれと前記1つの第2基準点とを結ぶ線分から、第1基準点および第2基準点の時間間隔に応じて1つの線分を選択し、当該選択した線分を前記軌道候補として探索するように構成されていてもよい。
【0024】
当該構成の制御システム等によれば、制御対象を目標軌道にしたがって実空間における第1空間位置から第2空間位置まで変位させるための所要時間の長短が調節されうる。たとえば、所要時間が最も短く済むような軌道候補が目標軌道として設定されることにより、可能な限り速やかに制御対象を変位させることができる。
【0025】
前記第1演算処理要素が、前記制御対象と前記物体との接触確率の高低に応じて、前記時空間座標系における前記第1基準点および前記第2基準点の初期時間間隔および初期空間間隔のうち少なくとも一方の長短を調節することにより前記第1基準点および前記第2基準点の初期位置関係を設定するように構成されていてもよい。
【0026】
前記第1演算処理要素が、前記第2演算処理要素により前記軌道候補が前記物体軌道と接触すると判定されたことを要件として、前記制御対象と前記物体との接触確率の高低に応じて、前記時空間座標系における前記第1基準点および前記第2基準点の今回時間間隔および今回空間間隔のうち少なくとも一方の長短を、前回時間間隔および前回空間間隔のうち少なくとも一方を調節することにより前記第1基準点および前記第2基準点の今回位置関係を設定するように構成されていてもよい。
【0027】
当該構成の制御システム等によれば、制御対象と物体との接触確率を低下させうるような軌道候補が早期に探索されるように、時空間座標系における第1基準点および第2基準点の位置関係が適当に設定または補正されうる。
【0028】
前記第1演算処理要素が、前記時空間座標系において、相互に離れて配置されている点列に基づき、空間補間用の基底関数を結合係数とする、前記点列の線形結合として表現される線分を生成する補間処理を実行するとともに、前記補間処理により生成された一の線分の基礎である前記点列に点を加えて新たな点列を定義した上で、前記新たな点列を基礎として前記補間処理を実行することにより、当該一の線分が延長線分によって延長された新たな線分を生成する前記延長処理を実行するとともに、前記延長処理が実行されることにより最近に延長された前記一の線分の基礎である前記新たな点列と、前記補間処理により生成された他の線分の基礎である他の点列とを基礎として前記補間処理を実行することにより、前記一の線分および前記他の線分が連結線分によって連結された形の線分を前記軌道候補として生成する前記連結処理を実行するように構成されていてもよい。
【0029】
当該構成の制御システム等によれば、空間補間用の基底関数を結合係数とする、時空間座標系に配置された点列の線形結合により表現される線分を生成する補間処理が実行されることにより、目標軌道またはその候補が生成される。このため、時空間座標系に配置された複数の点のそれぞれを通る折れ線ではなく、当該複数の点(制御点)の線形結合により表わされる、第1基準点および第2基準点を連続的にまたは滑らかに連結する線分が制御対象の目標軌道またはその候補として生成される。これにより、目標軌道にしたがった制御対象の変位形態の連続性または円滑性の維持が図られうる。
【0030】
前記第2演算処理要素が、前記時空間座標系において、前記延長線分が前記物体軌道から外れていることを含む指定条件を満たしているか否かを判定する第1判定処理を実行するように構成され、前記第1演算処理要素が、前記第1判定処理の結果が否定的であることを要件として、前記一の線分を棄却した上で前記延長処理を実行するように構成されていてもよい。
【0031】
前記第2演算処理要素が、前記時空間座標系において、前記連結線分が前記物体軌道から外れていることを含む指定条件を満たしているか否かを判定する第2判定処理を実行するように構成され、前記第1演算処理要素が、前記第2判定処理の結果が否定的であることを要件として、前記新たな点列を再定義した上で前記延長処理を実行するように構成されていてもよい。
【0032】
当該構成の制御システム等によれば、物体との接触を回避しながら、前記のように目標軌道にしたがった制御対象の変位の連続性または円滑性の維持が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態としてのロボットの構成説明図。
【図2】本発明の一実施形態としての制御システムの構成説明図。
【図3】制御システムにより実行される演算処理に関する説明図。
【図4】時空間座標系における第1基準点および第2基準点の位置関係設定に関する説明図。
【図5】第1実施形態における軌道候補の探索結果に関する説明図。
【図6】第2実施形態における軌道候補探索処理に関する説明図。
【図7】第2実施形態における延長処理および連結処理に関する説明図。
【図8】第2実施形態における軌道候補の探索結果に関する説明図。
【図9】ロボットの挙動に関する説明図。
【図10】ロボットの他の挙動に関する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(移動装置(ロボット)の構成)
図1に示されているロボットRは脚式移動ロボットであり、人間と同様に、基体B0と、基体B0の上方に配置された頭部B1と、基体B0の上部に上部両側から延設された左右の腕体B2と、左右の腕体B2のそれぞれの先端に設けられているハンドHと、基体B0の下部から下方に延設された左右の脚体B4とを備えている。
【0035】
基体B0はヨー軸回りに相対的に回動しうるように上下に連結された上部および下部により構成されている。頭部B1は基体B0に対してヨー軸回りに回動する等、動くことができる。
【0036】
腕体B2は第1腕体リンクB22と、第2腕体リンクB24とを備えている。基体B0と第1腕体リンクB22とは肩関節機構(第1腕関節機構)B21を介して連結され、第1腕体リンクB22と第2腕体リンクB24とは肘関節機構(第2腕関節機構)B23を介して連結され、第2腕体リンクB24とハンドHとは手首関節機構(第3腕関節機構)B25を介して連結されている。肩関節機構B21はロール、ピッチおよびヨー軸回りの回動自由度を有し、肘関節機構B23はピッチ軸回りの回動自由度を有し、手首関節機構B25はロール、ピッチ、ヨー軸回りの回動自由度を有している。
【0037】
脚体B4は第1脚体リンクB42と、第2脚体リンクB44と、足部B5とを備えている。基体B0と第1脚体リンクB42とは股関節機構(第1脚関節機構)B41を介して連結され、第1脚体リンクB42と第2脚体リンクB44とは膝関節機構(第2脚関節機構)B43を介して連結され、第2脚体リンクB44と足部B5とは足関節機構(第3脚関節機構)B45を介して連結されている。
【0038】
股関節機構B41はロール、ピッチおよびロール軸回りの回動自由度を有し、膝関節機構B43はピッチ軸回りの回動自由度を有し、足関節機構B45はロールおよびピッチ軸回りの回動自由度を有している。股関節機構B41、膝関節機構B43および足関節機構B45は「脚関節機構群」を構成する。なお、脚関節機構群に含まれる各関節機構の並進および回転自由度は適宜変更されてもよい。また、股関節機構B41、膝関節機構B43および足関節機構B45のうち任意の1つの関節機構が省略された上で、残りの2つの関節機構の組み合わせにより脚関節機構群が構成されていてもよい。さらに、脚体B4が膝関節とは別の第2脚関節機構を有する場合、当該第2脚関節機構が含まれるように脚関節機構群が構成されてもよい。足部B5の底には着床時の衝撃緩和のため、特開2001−129774号公報に開示されているような弾性素材B52が設けられている。
【0039】
ロボットRには、ロボットRの世界座標系における位置および姿勢などの内部状態を測定するための複数の内部状態センサS1が搭載されている。ロボットRの各関節機構の屈曲角度(関節角度)に応じた信号を出力するエンコーダ(図示略)、基体B0の姿勢(方位角および仰角により特定される。)に応じた信号を出力する傾斜センサ、および、足部B5および着床および離床の別を判定するための圧力センサなどが内部状態センサS1に該当する。ロボットRの周囲の様子を撮像し、当該撮像座標に基づいて世界座標系に固定されている標識の位置を認識することにより、世界座標系におけるロボットRの位置を認識するための撮像装置が内部状態センサS1に該当する。
【0040】
たとえば、頭部B1に搭載され、ロボットRの前方を撮像範囲とするCCDカメラ、赤外線カメラ等、種々の周波数帯域における光を感知しうる左右一対の頭カメラC1が撮像装置として採用されうる。また、基体B0の前側下部に搭載され、ロボットRの前方下方に向けて発せられた近赤外レーザー光の物体による反射光を検知することによりこの物体の位置や方位等を測定するための腰カメラ(アクティブセンサ)C2が撮像装置として採用されうる。
【0041】
ロボットRには、その周辺における物体の位置などの外部状態を測定するための外部状態センサS2が搭載されている。前記のような撮像装置が外部状態センサS2に該当する。
【0042】
ロボットRは制御システム1の一部を構成するコンピュータと、前記の複数の関節機構のそれぞれを動かすための複数のアクチュエータ2とを備えている。ロボットRの内部状態および外部状態に応じて制御システム1から出力される制御指令にしたがってアクチュエータ2のそれぞれの動作が制御されることにより、ロボットRがさまざまな態様で適応的に行動することができる。
【0043】
なお、ロボットR(図1参照)のほか、車両など、部分的または全体的に目標軌道にしたがって変位するように動作が制御されるあらゆる装置が制御対象とされてもよい。
(制御システムの構成)
図2に示されている制御システム1は、ロボットRに搭載されているコンピュータにより構成されている。制御システム1は、後述する演算処理を実行するように構成されている第1演算処理要素11および第2演算処理要素12を備えている。
【0044】
第1演算処理要素11および第2演算処理要素12のそれぞれは、ハードウェア資源としてのプロセッサおよびメモリにより構成されている。第1演算処理要素11および第2演算処理要素12は、共通のハードウェア資源により構成されていてもよく、少なくとも部分的に異なるハードウェア資源により構成されていてもよい。
【0045】
演算処理要素が演算処理を実行するように「構成されている」とは、当該演算処理要素を構成するプロセッサがメモリから必要なソフトウェアを読み取り、当該ソフトウェアを実行することにより演算処理を実行するようにプログラムされていることを意味する。
【0046】
(ロボットの機能)
ここで、たとえば、図9に示されているようにロボットRが左右の脚体B4を動かして、動いている人間(物体)の間をすり抜けながら目的地まで移動するというタスクを実行するようにアクチュエータ2の動作が制御される場合について説明する。
【0047】
まず、制御システム1が停電状態から給電状態に切り替えられたこと等、トリガとなる事象に応じて、軌道候補の探索処理の繰り返し回数を表わす指数kが「1」にリセットされる(図3/STEP001)。
【0048】
その上で、第1演算処理要素11により、時空間座標系において第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の位置関係が設定される(図3/STEP002)。時空間座標系は、たとえば図4に示されているように2次元の実空間座標p=(x,y)および時間座標t(1次元)により定義される3次元の空間座標系として定義される。実空間座標系は3次元であってもよい。
【0049】
ここで、第2基準点q2(k)=(p2(k),t2(k))の成分である第2時刻t2(k)のみが調節されることにより、第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の位置関係が調節される実施形態について考察する。すなわち、本実施形態では、第1基準点q1(k)=(p1(k),t1(k))の成分である第1空間位置p1(k)および第1時刻t1(k)、ならびに、第2基準点q2(k)の成分である第2空間位置p2(k)は一定に維持される。一定に維持される成分は、リモコン等により外部から制御システム1に入力されてもよく、内部状態センサS1の出力信号等に基づいて計測されてもよい。
【0050】
実空間におけるロボットRの現在位置、出発予定位置または通過予定位置等が第1空間位置p1(k)として認識される。ロボットRの現在位置は、ロボットRに搭載されている受信機により人工衛星から受信されるGPS信号のほか、必要に応じて内部状態センサS1を構成する加速度センサ等の出力信号に基づいて計測されうる。現在時刻、出発予定時刻または通過予定時刻等が第1時刻t1(k)として認識される。現在時刻は、ロボットRの制御システム1を構成する時計により計測されうる。
【0051】
第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の初期位置関係(k=1)は、「第1条件」を満足するように設定される。「第1条件」は、ロボットRの速度が、アクチュエータ2の動作性能のほか、ロボットRの姿勢安定性の確保などの観点から定まる許容範囲[Vmin,Vmax]に収まるという条件である。第1条件は、第1空間位置p1(k)および第2空間位置p2(k)の空間間隔(直線距離)des(p2(k)−p1(k))と、第1時刻t1(k)および第2時刻t2(k)の時間間隔t2(k)−t1(k)とに基づき、関係式(001)により表現される。
【0052】
Vmin≦des(p2(k)−p1(k))/(t2(k)−t1(k))≦Vmax ..(001)。
【0053】
一定に維持される成分については指数kの付記を省略することにすると、本実施形態では関係式(001)は関係式(002)により表わされる。
【0054】
Vmin≦des(p2−p1)/(t2−t1)≦Vmax ..(002)。
【0055】
これにより、図4に示されているように、第1時刻t1に対して、時間間隔Δt(k)=des(p2(k)−p1(k))/Vmaxだけ時系列的に後の時刻が第2時刻t2(k=1)として設定される。
【0056】
時空間座標系における位置関係が設定された第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)を結ぶ軌道候補tr(k)が探索される(図3/STEP003)。k=1の段階では、図4に破線で示されているように、時空間座標系において第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)を結ぶ直線線分が前回軌道候補tr(k)(k=1)として探索される。
【0057】
さらに、第2演算処理要素12により、前回軌道候補tr(k)と、人間等の物体の時系列的な位置を時空間座標系において表わす物体軌道troとの接触有無が判定される(図3/STEP004)。
【0058】
当該判定に際して、制御対象であるロボットRと、物体とのそれぞれの空間的広がりが考慮される。たとえば、ロボットRが実空間において一定の広がりを有するロボット領域により表わされ、これと同様に物体も実空間において一定の広がりを有する物体領域により表わされる。
【0059】
演算処理負荷の軽減のため、ロボットRの空間的広がりが、ロボット領域よりも空間的に縮小された点領域として取り扱われる一方、物体の空間的広がりが、ロボット領域が縮小された分だけ物体領域が拡張された結果としてのミンコフスキー和として取り扱われてもよい(特開2008−149436号公報等参照)。これにより、図4に示されているように、ロボットRの軌道候補tr(k)は異なる2つの点を結ぶ線分として認識される。その一方、物体軌道troは実空間における物体(正確には物体およびロボット)の広がりを表わす断面を有し、時間方向に延びる柱状体として認識される。
【0060】
ロボットRの空間的広がりは、制御システム1を構成するメモリにあらかじめ格納されている。そのほか、基体B0を基準とした腕体B2の広がり等、ロボットRの姿勢が考慮されることにより、ロボットRの空間的広がりが逐次算出されてもよい。ロボットRの姿勢は、内部状態センサS1を構成するセンサの出力信号により表わされる関節角度等のキネマティクスパラメータに基づき、キネマティクスモデルにしたがって算出されうる。
【0061】
物体の空間的広がりは、外部状態センサS2を構成する頭カメラC1等により撮像された画像の解析処理により認識されうる。物体の時系列的な位置(物体の空間的広がりの中心位置)は、物体の現在速度に基づいて予測されうる。物体の速度は、異なる時刻における撮像画像のそれぞれにおける物体の移動量が画像座標系から実空間座標系に座標変換されることにより求められる。物体が自律移動機能のほかに通信機能を有する他のロボットまたは移動装置である場合、当該物体との通信に基づき、その時系列的な予定位置が制御システム1により認識されてもよい。
【0062】
第2演算処理要素12により、前回軌道候補tr(k)と物体軌道troとが接触すると判定された場合(図3/STEP004‥NO)、指数kが1だけ増やされる(図3/STEP006)。その上で、指数kが上限値Nを超えているか否かが判定される(図3/STEP007)。
【0063】
指数kが上限値Nを超えていると判定された場合(図3/STEP007‥YES)、目標軌道は設定されない。この場合、ロボットRが停止状態を維持する、または、ロボットRが停止する等の制御処理が実行される。
【0064】
その一方、指数kが上限値N以下であると判定された場合(図3/STEP007‥NO)、第1演算処理要素11により、時空間座標系において第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の今回位置関係が設定される(図3/STEP002)。
【0065】
第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の今回位置関係(k>1)は、「第2条件」を満足するように設定される。「第2条件」は、今回時間間隔Δt(k)=t2(k)−t1が、前回時間間隔Δt(k−1)=t2(k−1)−t1よりも長くなるという条件である。これにより、図4に矢印で示されているように、今回の第2基準点q2(k)が、前回の第2基準点q2(k−1)よりも時系列的に未来側にシフトされる。
【0066】
その上で、時空間座標系における今回位置関係が設定された第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)を結ぶ軌道候補tr(k)(k>1)が探索される(図3/STEP003)。軌道候補tr(k)(k>1)の探索方法については後で詳細に説明する。
【0067】
その上で、前記と同様に今回軌道候補tr(k)と物体軌道troとの接触有無の判定以降の処理が繰り返される(図3/STEP004等参照)。今回軌道候補tr(k)が、物体軌道troと接触しないと判定された場合(図3/STEP003‥YES)、当該今回軌道候補が目標軌道として設定される(図3/STEP005)。そして、当該目標軌道にしたがってロボットRが移動するように、アクチュエータ2の動作が制御される。
【0068】
(軌道候補の探索方法(第1実施形態))
第1演算処理要素11により実行される軌道候補の探索処理の第1実施形態としてRRT-Connectが採用される(Knuffer et al. “An Efficient Approach to Single-Query Path Planning”, In Proc. 2000 IEEE Int’l Conf. on Robotics and Automation (ICRA 2000)参照)。
【0069】
この場合、時空間座標系において配列される点列(ノード)に基づき、第1基準点q1(k)から第1線分を延長するとともに第2基準点q2(k)から第2線分を延長する延長処理が実行される。その上で、第1線分および第2線分を連結する連結処理が実行されることにより得られる線分が軌道候補tr(k)として探索される。この結果、図5に示されているように、時空間座標系において第1基準点q1(k)と第2基準点q2(k)との中間に介在する複数のノード(点列)が連結された形の軌道候補tr(k)が探索される。
【0070】
軌道候補tr(k)はスムージング処理により、折れ曲がり箇所の角が丸められることにより得られる曲線線分が最終的な軌道候補tr(k)として定義されてもよい。
【0071】
(軌道候補の探索方法(第2実施形態))
まず、前記のように時空間座標系における第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)のそれぞれの位置が認識される(図6/STEP202)。
【0072】
また、第1基準点側ツリーおよび第2基準点側ツリーのうち一方が選択される(図6/STEP204)。この際、後述する軌道の延長軌道生成の失敗に伴う選択ツリーの変更回数を示す指数iが「1」に初期設定される。
【0073】
その上で、RRTアルゴリズムにしたがって任意の位置に点(ノード)qが生成される(図6/STEP206)。第1基準点側ツリーは初期段階では第1基準点q1(k)そのものであり、その後、RRTアルゴリズムにしたがって第1基準点q1(k)を基準として拡がるように逐次生成される点qが逐次連結されることによって徐々に成長する(図7(b)破線参照)。同様に、第2基準点側ツリーは初期段階では第2基準点q2(k)そのものであり、その後、RRTアルゴリズムにしたがって第2基準点q2(k)を基準として拡がるように逐次生成される点qが逐次連結されることによって徐々に成長する(図7(b)参照)。当該選択ツリーを対象として「延長処理」が実行される。
【0074】
「延長処理」に際して、まず、選択ツリーの中から点qに最も近い点qnearが選択される(図6/STEP208)。
【0075】
点qが最近点qnearから閾値εを超えて離れている場合、線型補間により当該点qが最近点qnearから閾値εの距離まで近づけられ、この近づけられた点qが今回制御点qnewとして定義される(図6/STEP210)。
【0076】
そして、選択ツリーの根元から最近点qnearに至る点列であって、これまでのB−スプライン曲線の基礎となっている点列に対して、今回制御点qnewが末尾に追加された新たな点列を基礎としてB−スプライン曲線による補間処理が実行される。選択ツリーの根元から伸びる当該B−スプライン曲線のうち、今回制御点qnewが旧点列に追加されたことによって延長された部分が「延長軌道」として生成される(図6/STEP212)。
【0077】
B−スプライン曲線x(t)は、式(011)のように正規化されたB−スプライン基底関数Bi,N(t)を結合係数とする、制御点列Pi(点の位置を表わす。i=1,2,‥m)の線形結合により表現される。延長軌道は、曲線上のパラメータtの区間が[tn-N-2,tn-N-1]と設定されることにより求められる。Nはオーダーを意味する。nはノット数を意味する。mは制御点の数を意味する。
【0078】
x(t)=Σi=1~mBi,N(t)Pi ..(011)。
【0079】
正規化されたB−スプライン基底関数Bi,N(t)は次のCox-deBoorの帰納式(012)により定義される。
【0080】
Bi,1(t)=1(ti<t<ti+1の場合),0(その他の場合),
Bi,k(t)={(t−ti)/(ti+k-1−ti)}Bi,k-1(t)+{(ti+k−t)/(ti+k−ti+1)}Bi+1,k-1(t) ..(012)。
【0081】
これにより、たとえば、図7(a)に示されているように、選択ツリー(第1基準点側ツリー)に応じて定められる前回軌道(細線参照)に続く延長軌道(太線参照)が定義される。
【0082】
さらに、第1判定処理が実行される(図6/STEP214)。具体的には、延長軌道が、実空間における人間などの物体の時系列的な位置を表わす物体軌道から外れており、かつ、ロボットRにその関節角度の許容範囲を超えた行動を強いる軌道ではないことという指定条件を満たすか否かがが判定される。当該物体軌道は、前記のように外部状態センサS2の出力信号に基づき、時空間座標系における存在態様が認識されうる。
【0083】
延長軌道が指定条件を満たしていると判定された場合(図6/STEP214‥YES)、すなわち、延長処理が成功した場合、今回制御点qnewまたは当該制御点qnewまでの延長軌道が選択ツリーに追加される(図6/STEP215)。さらに、前回軌道および延長軌道が今回軌道として定義され、当該今回軌道は次回の延長処理に際して、前回軌道として取り扱われる。延長処理に続いて「連結処理」が実行される。
【0084】
「連結処理」に際して、まず、選択ツリーが変更される(図6/STEP216)。これにより、第1基準点側ツリーがそれまでの選択ツリーであった場合、第2基準点側ツリーが新たな選択ツリーとして以降の処理が実行される。同様に、第2基準点側ツリーがそれまでの選択ツリーであった場合、第1基準点側ツリーが新たな選択ツリーとして以降の処理が実行される。
【0085】
選択ツリーの中から、先に生成された今回制御点qnew(図6/STEP210参照)に最も近い点qnearが選択される(図6/STEP218)。
【0086】
そして、第1基準点側ツリーと第2基準点側ツリーのそれぞれの根元から最近点qnearに至る点列であって、これまでの第1基準点側軌道および第2基準点側軌道の基礎となっている点列に対して、今回制御点qnewが途中に追加された新たな点列を基礎としてB−スプライン曲線による補間処理が実行される。第1基準点および第2基準点を連結する当該B−スプライン曲線のうち今回制御点qnewの旧点列への追加によって生成された部分が「連結軌道」として計算される(図6/STEP220)。
【0087】
連結軌道は、今回制御点qnewのノード番号を「i」と定めた場合、曲線上のパラメータtの区間が[ti+1,ti+N+1]と設定されることにより求められる。これにより、図7(b)に示されているように、第1基準点から伸びる第1基準点側軌道(一点鎖線参照)および第2基準点から伸びる第2基準点側軌道(二点鎖線参照)を連結する連結軌道(太線参照)が生成される。
【0088】
さらに、連結軌道が指定条件を満たすか否かが判定される(図6/STEP222)。
【0089】
連結軌道が指定条件を満たしていると判定された場合(図6/STEP222‥YES)、すなわち、連結処理が成功した場合、連結軌道ならびに当該連結軌道により連結された第1基準点側軌道および第2基準点側軌道が、第1基準点q1(k)から第2基準点q2(k)まで至るロボットRの軌道候補tr(k)として生成または探索される(図6/STEP224)。図8には、本発明の手法によって障害物を回避するように生成された、第1基準点q1(k)から第2基準点q2(k)に至る軌道候補tr(k)が例示されている。
【0090】
そして、図9に示されているように、ロボットRが左右の脚体B4を動かして、動いている人間(物体)の間をすり抜けながら目的地まで移動するというタスクを実行するようにアクチュエータ2の動作が制御される。
【0091】
その一方、連結軌道が指定条件を満たしていないと判定された場合(図6/STEP222‥NO)、すなわち、連結処理が失敗した場合、延長処理が再び実行される(図6/STEP208〜STEP214参照)。
【0092】
さらに、延長軌道が指定条件を満たしていないと判定された場合(図6/STEP214‥NO)、すなわち、延長処理が失敗した場合、今回制御点qnewまたは当該制御点qnewまでの延長軌道は選択ツリーに追加されずに棄却される(図6/STEP225)。その上で、指数iが上限値K以下であるか否かが判定される(図6/STEP226)。
【0093】
指数iが上限値K以下であると判定された場合(図6/STEP226‥YES)、選択ツリーが変更される(図6/STEP228)。この際、指数iが1だけ増加する。その上で、任意の点qの生成(図6/STEP206参照)以降の処理が当該変更後の選択ツリーを対象として実行される。
【0094】
指数iが上限値Kを超えていると判定された場合(図6/STEP226‥NO)、軌道候補探索が失敗したと認識される(図6/STEP230)。これに応じて、制御システム1は、ロボットRの当該軌道にしたがった動作を停止させて物体の移動(外部状態センサS2を通じて認識される)などの状況変化を待つ、あるいは、脚体B4を動かしてロボットRをその場から移動させたり、その場で基体B0をひねったりすることによりタスク実行開始条件をロボットRの動作によって変化させる。その上で、制御システム1は前記のような軌道候補探索を再実行する。
【0095】
(点排除処理)
第1演算処理要素11により、軌道探索処理(図3/STEP003参照)に際して用いられる点列から、軌道候補の生成基礎として不適当な点の排除処理が実行される。
【0096】
具体的には、軌道候補tr(k)の探索処理に際して用いられる第1基準点q1(k)に続く点列から、先の点に対して時系列的に過去に位置する点が排除される。また、軌道候補tr(k)の探索に際して用いられる第2基準点q2(k)に続く点列から、先の点に対して時系列的に未来に位置する点が排除される。これにより、時空間座標系において、時系列的に過去にさかのぼるような実現不可能な軌道候補tr(k)が探索される事態が回避されうる。
【0097】
また、軌道候補tr(k)の探索に際して用いられる点列から、先の点に対して、アクチュエータ2の動作性能に応じて定まる許容範囲から外れている点が排除される。これにより、ロボットRが、アクチュエータ2の動作性能に応じた許容範囲から外れるような速度で変位することを強いられる事態が回避されうる。
【0098】
(本発明の制御システムの作用効果)
前記機能を発揮する制御システム1およびロボットRによれば、時空間座標系において物体軌道troと接触しないような軌道候補tr(k)が目標軌道として生成される。この目標軌道にしたがってアクチュエータ2の動作が制御されることにより、制御対象であるロボットRに物体と接触する事態を回避させながら実空間を変位させることができる。
【0099】
時空間座標系における軌道候補の第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の相対的な位置関係は、制御対象が第1空間位置p1(k)から第2空間位置p2(k)まで移動する際の速度の高低を定める。たとえば、時空間座標系における時系列的に先の第1基準点q1(k)および時系列的に後の第2基準点q2(k)の時間間隔、すなわち、制御対象が第1空間位置p1(k)から第2空間位置p2(k)まで変位するのに要する時間が長いほどその速度が低くなる。時空間座標系における第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の空間間隔、すなわち、制御対象が第1空間位置p1(k)から第2空間位置p2(k)まで移動する距離が短いほど速度が低くなる。
【0100】
そこで、時空間座標系における第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の初期位置関係(k=1)が「第1条件」を満足するように設定される。「第1条件」はアクチュエータ2の動作性能に応じて定められている。
【0101】
これにより、ロボットR(制御対象)を第1空間位置p1(k)から第2空間位置p2(k)まで変位させる際の目標速度が、アクチュエータ2の動作性能に応じた制御対象の変位速度の許容範囲から外れるような不適当な値になる事態が回避される。
【0102】
さらに、前回軌道候補tr(k−1)が物体軌道troに接触すると判定された場合、時空間座標系における第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の今回位置関係(k>1)が「第2条件」を満足するように設定される。「第2条件」は第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の今回時間間隔が前回時間間隔よりも長くなるという条件である。
【0103】
これにより、軌道候補tr(k)の再探索が繰り返されるたび、制御対象を実空間において第1空間位置p1(k)から第2空間位置p2(k)まで変位させる際の速度を徐々に低下させるような軌道候補tr(k)が探索される。このため、制御対象の目標速度が、アクチュエータ2の動作性能に応じた制御対象の変位速度の許容範囲の上限値を超えるような不適当な値になる事態が回避される。
【0104】
よって、アクチュエータ2の動作性能等の制御対象の状況に鑑みて、時空間座標系における当該制御対象の目標軌道が適当な形態で探索されうる(図9参照)。
【0105】
特に、第2実施形態の軌道候補探索手法によれば、空間補間用の基底関数を結合係数とする、時空間座標系に配置された点列の線形結合により表現される線分を生成する補間処理が実行されることにより、目標軌道またはその候補が生成される(式(11)、図7(a)(b)参照)。このため、時空間座標系に配置された複数の点のそれぞれを通る折れ線(図5参照)ではなく、当該複数の点(制御点)の線形結合により表わされる、第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)を連続的にまたは滑らかに連結する線分が制御対象の目標軌道またはその候補として生成される(図7(b)、図8参照)。これにより、目標軌道にしたがった制御対象の動作の連続性または円滑性の維持が図られうる。
【0106】
(本発明の他の実施形態)
ロボットR(制御対象)が大局経路にしたがって動いている途中で、人間等の物体との接触を回避するための迂回経路を生成する際に、前記のような目標軌道の探索手法が用いられてもよい。
【0107】
図10に示されているようにロボットRが腕体B2を動かすことにより、ハンドHおよびコップが、テーブルに置かれている他のコップと接触しないようにハンドHで把持しているコップを動かし、このテーブルに置くというタスクを実行する際に、前記のような目標軌道の探索手法が用いられてもよい。
【0108】
この場合、第1基準点q1(k)は、実空間においてロボットRがコップを把持している状態の一方のハンドHの位置に対応している。第2基準点q2(k)は、たとえば、実空間においてロボットRがコップをテーブルに置く際のハンドHの位置に対応している。
【0109】
第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)のそれぞれは、内部状態センサS1および外部状態センサS2のそれぞれの出力信号に基づき、制御システム1によって計算されてもよく、外部端末装置から無線通信によって制御システム1に対して入力されてもよい。
【0110】
ハンドHが矢印付き曲線で表わされているように実空間において変位するようにロボットRの動作が制御される。これにより、動作中に他の物体との接触を回避し、かつ、各関節角度が許容範囲から外れることを防止しながら、ハンドHで把持しているコップをテーブルに置くというタスクをロボットRに円滑に実行させることができる。
【0111】
前記実施形態によれば、第1空間位置p1(k)、第1時刻t1(k)および第2空間位置p2(k)が固定される一方、第2時刻t2(k)が変更されることにより、時空間座標系における第1基準点q1(k)=(p1(k),t1(k))および第2基準点q2(k)=(p2(k),t2(k))の位置関係が調節される。この実施例(実施例1)も含めて、表1に示されているさまざまな実施例により当該位置関係が調節されてもよい。
【0112】
【表1】

○:変更可能、−:固定
@0001
たとえば、第1空間位置p1(k)がロボットR等の制御対象の現在位置またはタスク実行等のために必須の位置等の変更不可の位置であり、かつ、第1時刻t1(k)が現在時刻等の変更不可の時刻である場合、表1における実施例1、2または5の変更形態にしたがって第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の位置関係が調節されうる。
【0113】
これとは逆に第2空間位置p2(k)および第2時刻t2(k)が変更不可である場合、表1における実施例3、4または10の変更形態にしたがって第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の位置関係が調節されうる。
【0114】
第1演算処理要素11が、次のように軌道候補tr(k)の探索処理を実行するように構成されていてもよい。
【0115】
すなわち、時空間座標系において1つの第1基準点q1(k)に対して複数の第2基準点q2(k;m2)(m2=1〜M2)が定義された上で、延長処理および連結処理の実行により最も早く得られた、当該1つの第1基準点q1(k)と当該複数の第2基準点q2(k;m2)のうち1つの第2基準点q2(k;j2)とを結ぶ線分が軌道候補tr(k)として探索されてもよい。
【0116】
これに代えて、時空間座標系において1つの第2基準点q2(k)に対して複数の第1基準点q1(k;m1)(m1=1〜M1)が定義された上で、延長処理および連結処理の実行により最も早く得られた、当該複数の第1基準点q1(k;m1)のうち1つの第1基準点q1(k;j1)と当該1つの第2基準点q2(k)とを結ぶ線分が軌道候補tr(k)として探索されてもよい。
【0117】
当該構成の制御システム1によれば、アクチュエータ2に対して目標軌道の探索結果に応じた動作指令信号が可及的速やかに送信されうる。このため、目標軌道の探索と並行して制御対象の変位態様がリアルタイムで制御される際、この制御対象の動作が一時的に停止または休止状態となる事態が回避されうる。
【0118】
さらに、時空間座標系において1つの第1基準点q1(k)に対して複数の第2基準点q2(k;m2)(m2=1〜M2)が定義された上で、延長処理および連結処理の実行により、当該1つの第1基準点q1(k)と当該複数の第2基準点q2(k;m)のそれぞれとを結ぶ線分が生成され、当該複数の線分から第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k;m2)の時間間隔に応じて1つの線分が選択され、当該選択線分が軌道候補tr(k)として探索されてもよい。
【0119】
これに代えて、時空間座標系において1つの第2基準点q2(k)に対して複数の第1基準点q1(k;m1)(m1=1〜M1)が定義された上で、延長処理および連結処理の実行により、当該複数の第1基準点q1(k;m1)のそれぞれと当該1つの第2基準点q2(k)とを結ぶ線分が生成され、当該複数の線分から第1基準点q1(k;m1)および第2基準点q2(k)の時間間隔に応じて1つの線分が選択され、当該選択線分が軌道候補tr(k)として探索されてもよい。
【0120】
当該構成の制御システム1によれば、制御対象を目標軌道にしたがって第1空間位置p1(k)から第2空間位置p2(k)まで変位させるための所要時間の長短が調節されうる。たとえば、所要時間が最も短く済むような軌道候補tr(k)が目標軌道として設定されることにより、可能な限り速やかに制御対象を変位させることができる。
【0121】
第1演算処理要素11が、時空間座標系における第1基準点q1(k)=(p1(k),t1(k))および第2基準点q2(k)=(p2(k),t2(k))の初期時間間隔t2(k)−t1(k)および初期空間間隔des(p2(k)−p1(k))のうち少なくとも一方の長短を調節することにより第1基準点p1(k)および第2基準点p2(k)の初期位置関係(k=1)を設定するように構成されていてもよい。
【0122】
第1時刻t1(k)および第2時刻t2(k)のうち少なくとも一方が変更されることにより、時間間隔t2(k)−t1(k)の長短が調節される(表1、実施例1,3,5〜8,10〜15参照)。第1空間位置および第2空間位置のうち少なくとも一方が変更されることにより、初期空間間隔des(p2(k)−p1(k))の長短が調節される(表1、実施例2,4,5,7〜15参照)。
【0123】
制御対象と物体との接触確率の高低は、制御システム1により認識された制御対象の周辺に存在する物体の多少、制御対象と物体との空間間隔の長短、または、制御対象の速度ベクトルの延長線分と、物体の速度ベクトルの延長線分との交差の有無などに応じて評価されうる。
【0124】
第1演算処理要素11が、第2演算処理要素12により軌道候補tr(k−1)が物体軌道troと接触すると判定されたことを要件として(図3/STEP004‥NO参照)、制御対象と物体との接触確率の高低に応じて、第1基準点q1(k)=(p1(k),t1(k))および第2基準点q2(k)=(p2(k),t2(k))の今回時間間隔t2(k)−t1(k)および今回空間間隔des(p2(k)−p1(k))のうち少なくとも一方の長短を、前回時間間隔および前回空間間隔のうち少なくとも一方に基づいて調節することにより第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の今回位置関係(k>1)を設定するように構成されていてもよい。
【0125】
たとえば、前回時間間隔t2(k−1)−t1(k−1)に対する今回時間間隔t2(k)−t1(k)の増加量が、接触確率が高いほど大きくなるように第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の今回位置関係が設定されてもよい。また、前回空間間隔des(p2(k−1)−p1(k−1))に対する今回時間間隔des(p2(k)−p1(k))の増加量または減少量が、接触確率が高いほど大きくなるように第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の今回位置関係が設定されてもよい。
【0126】
当該構成の制御システム1によれば、制御対象と物体との接触確率を低下させうるような軌道候補tr(k)が早期に探索されるように、時空間座標系における第1基準点q1(k)および第2基準点q2(k)の位置関係が適当に設定または補正されうる。
【0127】
第2実施形態の軌道候補探索処理に際して、第1判定処理および第2判定処理が省略され、連結処理が終了した段階において生成された位置軌道が指定条件を満たすか否かが判定され、当該判定結果が肯定的であったことを要件としてこの位置軌道が目標軌道として設定されてもよい。
【0128】
B−スプライン曲線(式(011)参照)のほか、式(021)により定義されるHermite曲線または式(031)により定義されるBezier曲線が空間補間曲線として用いられることによって、延長処理および連結処理のそれぞれが実行されてもよい。
【0129】
P(t)=(2t3−3t2+1)Pstart+(t3−2t2+t)G1start+(−2t3+3t2)Pend+(t3−t2)G1end..(021)。
【0130】
ここで、PstartおよびPendは曲線の端点の位置ベクトルを表わしている。また、G1startおよびG1endは当該端点における曲線の接線ベクトル(1階微分)を表わしている。延長処理および連結処理に際して、制御点列Pi(i=1,2, ..m)の各区間をHermite曲線で補間することによってHermite曲線がRRT-Connectに適用される。この際、G1start、G1endは隣り合う区間で1階微分の連続性が保たれるように選択されなければならない。
【0131】
x(t)=Σi=0~mJn,i(t)Pi ..(031)。
【0132】
ここで、Bezier基底関数(またはBernstein基底関数)Jn,i(t)は式(032)により定義される。
【0133】
Jn,i(t)=n!/{i!(n−i)!}ti(1−t)n-i ..(032)。
【0134】
延長処理および連結処理において用いられる空間補間は、原則的に、空間補間用の基底関数を結合係合とする、時空間座標系に配置された点列の線形結合により表現される線分を形成する空間補間であること(第1補足条件)、および、既存の制御点列に新しい制御点が付加されたとき、既存の制御点によって作られる部分曲線が変化しないこと(第2補足条件)という2つの条件を満たしている必要がある。
【0135】
ただし、Bezier曲線は第2条件を満たさないものの、Hermite曲線と同様、経路点列が複数の区間に分割されることにより、複数のBezier曲線が連結されることで、空間補間曲線として採用されうる。
【符号の説明】
【0136】
1‥制御システム、2‥アクチュエータ、11‥第1演算処理要素、12‥第2演算処理要素、R‥ロボット(制御対象)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータの動作を制御することにより、実空間における制御対象の時系列的な位置を、実空間座標系および時間座標系により定義される時空間座標系において定義される目標軌道にしたがって制御するように構成されているシステムであって、
前記時空間座標系において、第1基準点および第2基準点の初期位置関係が、前記アクチュエータの動作性能に応じて定まる第1条件を満たすように当該初期位置関係を設定した上で、前記時空間座標系において配列される点列に基づき、前記第1基準点から第1線分を延長するとともに前記第2基準点から第2線分を延長する延長処理を実行した上で、前記第1線分および第2線分を連結する連結処理を実行することにより得られる線分を軌道候補として探索するように構成されている第1演算処理要素と、
前記軌道候補が、前記制御対象とは別個の物体の時系列的な位置軌道を前記時空間座標系において表わす物体軌道と接触するか否かを判定するように構成されている第2演算処理要素とを備え、
前記第2演算処理要素により前回軌道候補が前記物体軌道と接触すると判定されたことを要件として、前記第1演算処理要素が、前記第1基準点および前記第2基準点の今回位置関係が、前記時空間座標系における前記第1基準点および前記第2基準点の今回空間間隔が前回空間間隔よりも短くなる、前記第1基準点および前記第2基準点の今回時間間隔が前回時間間隔よりも長くなる、あるいは、前記第1基準点および前記第2基準点の今回空間間隔が前回空間間隔よりも短くなり、かつ、今回時間間隔が前回時間間隔よりも長くなるという第2条件を満たすように当該今回位置関係を設定した上で、今回軌道候補を探索する一方、前記第2演算処理要素により前回軌道候補が前記物体軌道と接触しないと判定されたことを要件として、当該前回軌道候補を前記目標軌道として設定するように構成されていることを特徴とする制御システム。
【請求項2】
請求項1記載の制御システムにおいて、
前記第1演算処理要素が、前記軌道候補の探索に際して用いられる前記第1基準点に続く前記点列から、先の点に対して時系列的に過去に位置する点を排除するとともに、前記軌道候補の探索に際して用いられる前記第2基準点に続く前記点列から、先の点に対して時系列的に未来に位置する点を排除するように構成されていることを特徴とする制御システム。
【請求項3】
請求項2記載の制御システムにおいて、
前記第1演算処理要素が、前記軌道候補の探索に際して用いられる前記点列から、先の点に対して、前記アクチュエータの動作性能に応じて定まる許容範囲から外れている点を排除するように構成されていることを特徴とする制御システム。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の制御システムにおいて、
前記第1演算処理要素が、前記時空間座標系において1つの第1基準点に対して複数の第2基準点を定義し、あるいは、1つの第2基準点に対して複数の第1基準点を定義した上で、前記延長処理および前記連結処理を実行することにより最も早く得られた、前記1つの第1基準点と前記複数の第2基準点のうち1つの第2基準点とを結ぶ線分、または、前記複数の第1基準点のうち1つの第1基準点と前記1つの第2基準点とを結ぶ線分を、前記軌道候補として探索するように構成されていることを特徴とする制御システム。
【請求項5】
請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の制御システムにおいて、
前記第1演算処理要素が、前記時空間座標系において1つの第1基準点に対して複数の第2基準点を定義し、あるいは、1つの第2基準点に対して複数の第1基準点を定義した上で、前記延長処理および前記連結処理を実行することにより、前記1つの第1基準点と前記複数の第2基準点のそれぞれとを結ぶ線分、または、前記複数の第1基準点のそれぞれと前記1つの第2基準点とを結ぶ線分から、第1基準点および第2基準点の時間間隔に応じて1つの線分を選択し、当該選択した線分を前記軌道候補として探索するように構成されていることを特徴とする制御システム。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の制御システムにおいて、
前記第1演算処理要素が、前記制御対象と前記物体との接触確率の高低に応じて、前記時空間座標系における前記第1基準点および前記第2基準点の初期時間間隔および初期空間間隔のうち少なくとも一方の長短を調節することにより前記第1基準点および前記第2基準点の初期位置関係を設定するように構成されていることを特徴とする制御システム。
【請求項7】
請求項1〜6のうちいずれか1つに記載の制御システムにおいて、
前記第1演算処理要素が、前記第2演算処理要素により前記軌道候補が前記物体軌道と接触すると判定されたことを要件として、前記制御対象と前記物体との接触確率の高低に応じて、前記時空間座標系における前記第1基準点および前記第2基準点の今回時間間隔および今回空間間隔のうち少なくとも一方の長短を、前回時間間隔および前回空間間隔のうち少なくとも一方を調節することにより前記第1基準点および前記第2基準点の今回位置関係を設定するように構成されていることを特徴とする制御システム。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか1つに記載の制御システムにおいて、
前記第1演算処理要素が、前記時空間座標系において、相互に離れて配置されている点列に基づき、空間補間用の基底関数を結合係数とする、前記点列の線形結合として表現される線分を生成する補間処理を実行するとともに、前記補間処理により生成された一の線分の基礎である前記点列に点を加えて新たな点列を定義した上で、前記新たな点列を基礎として前記補間処理を実行することにより、当該一の線分が延長線分によって延長された新たな線分を生成する前記延長処理を実行するとともに、
前記延長処理が実行されることにより最近に延長された前記一の線分の基礎である前記新たな点列と、前記補間処理により生成された他の線分の基礎である他の点列とを基礎として前記補間処理を実行することにより、前記一の線分および前記他の線分が連結線分によって連結された形の線分を前記軌道候補として生成する前記連結処理を実行するように構成されていることを特徴とする制御システム。
【請求項9】
請求項8記載の制御システムにおいて、
前記第2演算処理要素が、前記時空間座標系において、前記延長線分が前記物体軌道から外れていることを含む指定条件を満たしているか否かを判定する第1判定処理を実行するように構成され、
前記第1演算処理要素が、前記第1判定処理の結果が否定的であることを要件として、前記一の線分を棄却した上で前記延長処理を実行するように構成されていることを特徴とする制御システム。
【請求項10】
請求項8または9記載の制御システムにおいて、
前記第2演算処理要素が、前記時空間座標系において、前記連結線分が前記物体軌道から外れていることを含む指定条件を満たしているか否かを判定する第2判定処理を実行するように構成され、
前記第1演算処理要素が、前記第2判定処理の結果が否定的であることを要件として、前記新たな点列を再定義した上で前記延長処理を実行するように構成されていることを特徴とする制御システム。
【請求項11】
アクチュエータと、請求項1〜10のうちいずれか1つに記載の制御システムとを備え、前記制御システムによって前記アクチュエータの動作が制御されることにより、実空間において目標軌道にしたがって移動するように構成されていることを特徴とする前記制御対象としての移動装置。
【請求項12】
基体と、前記基体から延設された肢体と、アクチュエータと、請求項1〜10のうちいずれか1つに記載の制御システムとを備え、前記制御システムによって前記アクチュエータの動作が制御されることにより、実空間において目標軌道にしたがって前記制御対象としての前記肢体を変位させるように構成されていることを特徴とするロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−128585(P2012−128585A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278470(P2010−278470)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】