説明

移動通信方法、移動管理ノード及びサービングゲートウェイ装置

【課題】障害等で一旦停止したMME#1が再開した後に、MME#1配下でアイドル状態のUE宛てのユーザデータが受信された場合に、適切に、PDNコネクション#1を解放する。
【解決手段】本発明に係る移動通信方法は、UEが、「Paging」を受信した場合に、MME#2に対する再アタッチ処理を開始する工程と、MME#1が、「DDN」に含まれるS-GWアドレス#1によって特定されるS-GW#1に対して、「DDN」に含まれるUEのIMSI及び「Cause=Re-Attach Success」を含む「DDN Ack」を送信する工程と、S-GW#1が、「DDN Ack」を受信した場合に、P-GW#1との間で、「DDN Ack」に含まれるUEのIMSIに対応するPDNコネクション#1を解放する工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法、移動管理ノード及びサービングゲートウェイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPPで規定されているEPS(Evolved Packet System)方式の移動通信システムでは、障害等で一旦停止したMME(Mobility Management Entity、移動管理ノード)#1が再開した後に、P-GW(Packet Data Network-Gateway、パケットデータネットワークゲートウェイ装置)#1が、かかるMME#1配下でアイドル状態のUE(User Equipment)宛てのユーザデータを受信した場合の動作について提案されている。
【0003】
以下、図7を参照して、かかる動作について説明する。
【0004】
図7に示すように、UEとS-GW(Serving Gateway、サービングゲートウェイ装置)#1とP-GW#1との間で1又は複数のEPSベアラ#1を含むPDNコネクション#1が設定されている状態(第1状態)で、ステップS101において、MME#1が再開した場合、UEとS-GW#1との間でPDNコネクション#1が解放され、S-GW#1とP-GW#1との間でのみPDNコネクション#1が維持される状態(第2状態)に遷移する。
【0005】
P-GW#1は、ステップS102において、外部ネットワークから、UE宛てのユーザデータを受信すると、ステップS103において、S-GW#1に対して、かかるUE宛てのユーザデータを送信する。
【0006】
ステップS104において、S-GW#1は、UEとS-GW#1との間でPDNコネクション#1が解放されているため、MME#1に対して、「DDN(Downlink Data Notification、下りリンク通知信号)」を送信する。
【0007】
ステップS105において、MME#1は、「DDN」を受信すると、「DDN」に含まれる「IMSI(International Mobile Subscriber Identity)」によって特定されるUE宛ての「Paging」を送信する。
【0008】
ステップS106において、UEは、UE宛ての「Paging」を受信すると、再アタッチ処理を開始するために、コアネットワークに対して、「Attach Request(アタッチ要求信号)」を送信する。「Attach Request」は、無線アクセスネットワークを介してMME#2へ転送される。
【0009】
ステップS107において、MME#2は、HSS(Home Subscriber Server、加入者情報サーバ装置)との間で、UEの位置登録処理を行う。
【0010】
ステップS108において、UEとS-GW#2とP-GW#2との間で1又は複数のEPSベアラ#2を含むPDNコネクション#2を設定する。
【0011】
ステップS109において、MME#2は、UEに対して、「Attach Accept」を送信する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】3GPP TR23.857
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、本出願人は、かかる動作では、以下のような問題点が発生することを発見した。
【0014】
すなわち、上述の動作において、PDNコネクション#2が設定された後も、S-GW#1とP-GE#1との間のPDNコネクション#1が設定されたまま残ってしまい、リソースが無駄になってしまうという問題点があった。
【0015】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、障害等で一旦停止したMME#1が再開した後に、MME#1配下でアイドル状態のUE宛てのユーザデータが受信された場合に、適切に、PDNコネクション#1を解放することができる移動通信方法、移動管理ノード及びサービングゲートウェイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の特徴は、移動局と第1サービングゲートウェイ装置と第1パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で1又は複数のベアラを含むコネクションが設定されている第1状態で、第1移動管理ノードが再開した場合、該移動局と該第1サービングゲートウェイ装置との間で該コネクションが解放され、該第1サービングゲートウェイ装置と該第1パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間でのみ該コネクションが維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおける移動通信方法であって、前記第2状態において、前記第1サービングゲートウェイ装置が、前記ベアラを介して前記移動局宛てのユーザデータを受信した場合に、前記第1移動管理ノードに対して、該移動局の識別情報と該第1サービングゲートウェイ装置のアドレスと該ベアラの識別情報とを含む下りリンクデータ通知信号を送信する工程と、前記第1移動管理ノードが、前記下りリンクデータ通知信号を受信した場合に、前記移動局宛てのページング信号を送信する工程と、前記移動局が、前記ページング信号を受信した場合に、第2移動管理ノードに対する再アタッチ処理を開始する工程と、前記第1移動管理ノードが、前記下りリンクデータ通知信号に含まれる前記アドレスによって特定される前記第1サービングゲートウェイ装置に対して、該下りリンクデータ通知信号に含まれる前記ベアラの識別情報及び前記再アタッチ処理が成功した旨を示す情報を含む該下りリンクデータ通知信号に対する応答信号を送信する工程と、前記第1サービングゲートウェイ装置が、前記応答信号を受信した場合に、前記第1パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で、該応答信号に含まれる前記ベアラの識別情報に対応する前記コネクションを解放する工程とを有することを要旨とする。
【0017】
本発明の第2の特徴は、移動局と第1サービングゲートウェイ装置と第1パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で1又は複数のベアラを含むコネクションが設定されている第1状態で、第1移動管理ノードが再開した場合、該移動局と該第1サービングゲートウェイ装置との間で該コネクションが解放され、該第1サービングゲートウェイ装置と該第1パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間でのみ該コネクションが維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおいて、該第1移動管理ノードとして動作する移動管理ノードであって、前記第2状態において、前記第1サービングゲートウェイ装置から、前記移動局の識別情報と該第1サービングゲートウェイ装置のアドレスと前記ベアラの識別情報とを含む下りリンクデータ通知信号を受信するように構成されており、前記下りリンクデータ通知信号を受信した場合に、前記移動局宛てのページング信号を送信するように構成されており、前記移動局の第2移動管理ノードに対する再アタッチ処理が開始された後、前記下りリンクデータ通知信号に含まれる前記アドレスによって特定される前記第1サービングゲートウェイ装置に対して、該下りリンクデータ通知信号に含まれる前記ベアラの識別情報及び前記再アタッチ処理の成否を示す情報を含む該下りリンクデータ通知信号に対する応答信号を送信するように構成されていることを要旨とする。
【0018】
本発明の第3の特徴は、移動局と第1サービングゲートウェイ装置と第1パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で1又は複数のベアラを含むコネクションが設定されている第1状態で、第1移動管理ノードが再開した場合、該移動局と該第1サービングゲートウェイ装置との間で該コネクションが解放され、該第1サービングゲートウェイ装置と該第1パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間でのみ該コネクションが維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおいて、該第1サービングゲートウェイ装置として動作するサービングゲートウェイ装置であって、前記第2状態において、前記ベアラを介して前記移動局宛てのユーザデータを受信した場合に、前記第1移動管理ノードに対して、該移動局の識別情報と前記第1サービングゲートウェイ装置のアドレスと該ベアラの識別情報とを含む下りリンクデータ通知信号を送信するように構成されており、前記第1移動管理ノードから、前記再アタッチ処理が成功した旨を示す情報を含む前記下りリンクデータ通知信号に対する応答信号を受信した場合に、前記第1パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で、該応答信号に含まれる前記ベアラの識別情報に対応する前記コネクションを解放するように構成されていることを要旨とする。
【0019】
本発明の第4の特徴は、移動局と第1サービングゲートウェイ装置と第1パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で1又は複数のベアラを含むコネクションが設定されている第1状態で、第1移動管理ノードが再開した場合、該移動局と該第1サービングゲートウェイ装置との間で該コネクションが解放され、該第1サービングゲートウェイ装置と該第1パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間でのみ該コネクションが維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおける移動通信方法であって、前記第2状態において、前記第1サービングゲートウェイ装置が、前記ベアラを介して前記移動局宛てのユーザデータを受信した場合に、前記第1移動管理ノードに対して、該移動局の識別情報と該第1サービングゲートウェイ装置のアドレスと該ベアラの識別情報とを含む下りリンクデータ通知信号を送信する工程と、前記第1移動管理ノードが、前記下りリンクデータ通知信号を受信した場合に、前記移動局宛てのページング信号を送信する工程と、 前記移動局が、前記ページング信号を受信した場合に、第2移動管理ノードに対する再アタッチ処理を開始する工程と、前記第1移動管理ノードが、前記移動局の位置情報を削除するように要求する位置情報削除要求信号を受信した場合、前記下りリンクデータ通知信号に含まれる前記アドレスによって特定される前記第1サービングゲートウェイ装置に対して、該下りリンクデータ通知信号に含まれる前記ベアラの識別情報を含むコネクション削除要求信号を送信する工程と、前記第1サービングゲートウェイ装置が、前記コネクション削除要求信号を受信した場合に、前記第1パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で、該コネクション削除要求信号に含まれる前記ベアラの識別情報に対応する前記コネクションを解放する工程とを有することを要旨とする。
【0020】
本発明の第5の特徴は、移動局と第1サービングゲートウェイ装置と第1パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で1又は複数のベアラを含むコネクションが設定されている第1状態で、第1移動管理ノードが再開した場合、該移動局と該第1サービングゲートウェイ装置との間で該コネクションが解放され、該第1サービングゲートウェイ装置と該第1パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間でのみ該コネクションが維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおいて、該第1移動管理ノードとして動作する移動管理ノードであって、前記第2状態において、前記第1サービングゲートウェイ装置から、前記移動局の識別情報と該第1サービングゲートウェイ装置のアドレスと前記ベアラの識別情報とを含む下りリンクデータ通知信号を受信するように構成されており、前記下りリンクデータ通知信号を受信した場合に、前記移動局宛てのページング信号を送信するように構成されており、前記移動局の位置情報を削除するように要求する位置情報削除要求信号を受信した場合、前記下りリンクデータ通知信号に含まれる前記アドレスによって特定される前記第1サービングゲートウェイ装置に対して、該下りリンクデータ通知信号に含まれる前記ベアラの識別情報を含むコネクション削除要求信号を送信するように構成されていることを要旨とする。
【0021】
本発明の第6の特徴は、移動局と第1サービングゲートウェイ装置と第1パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で1又は複数のベアラを含むコネクションが設定されている第1状態で、第1移動管理ノードが再開した場合、該移動局と該第1サービングゲートウェイ装置との間で該コネクションが解放され、該第1サービングゲートウェイ装置と該第1パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間でのみ該コネクションが維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおいて、該第1サービングゲートウェイ装置として動作するサービングゲートウェイ装置であって、前記第2状態において、前記ベアラを介して前記移動局宛てのユーザデータを受信した場合に、前記第1移動管理ノードに対して、該移動局の識別情報と前記第1サービングゲートウェイ装置のアドレスと該ベアラの識別情報とを含む下りリンクデータ通知信号を送信するように構成されており、前記第1移動管理ノードから、前記下りリンクデータ通知信号に含まれる前記ベアラの識別情報を含むコネクション削除要求信号を受信した場合に、前記第1パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で、該コネクション削除要求信号に含まれる前記ベアラの識別情報に対応する前記コネクションを解放するように構成されていることを要旨とする。
【0022】
本発明の第7の特徴は、移動局とサービングゲートウェイ装置とパケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で1又は複数のベアラを含むコネクションが設定されている第1状態で、移動管理ノードが再開した場合、該移動局と該サービングゲートウェイ装置との間で該コネクションが解放され、該サービングゲートウェイ装置と該パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間でのみ該コネクションが維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおける移動通信方法であって、前記第2状態において、前記サービングゲートウェイ装置が、前記ベアラを介して前記移動局宛てのユーザデータを受信した場合に、前記移動管理ノードに対して、該移動局の識別情報を含む下りリンクデータ通知信号を送信する工程と、前記移動管理ノードが、前記下りリンクデータ通知信号を受信した場合には、前記移動局の再アタッチ処理が完了していない場合であっても、該下りリンクデータ通知信号の送信元である前記サービングゲートウェイ装置に対して、該移動局の識別情報及び前記再アタッチ処理或いは呼び出し処理した旨を示す情報を含む信号を送信する工程と、前記サービングゲートウェイ装置が、前記信号を受信した場合に、前記パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で、該信号に含まれる前記移動局の識別情報に対応する前記コネクションを解放する工程とを有することを要旨とする。
【0023】
本発明の第9の特徴は、移動局とサービングゲートウェイ装置とパケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で1又は複数のベアラを含むコネクションが設定されている第1状態で、移動管理ノードが再開した場合、該移動局と該サービングゲートウェイ装置との間で該コネクションが解放され、該サービングゲートウェイ装置と該パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間でのみ該コネクションが維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおいて用いられる移動管理ノードであって、前記第2状態において、前記サービングゲートウェイ装置から、前記移動局の識別情報を含む下りリンクデータ通知信号を受信するように構成されており、前記下りリンクデータ通知信号を受信した場合に、前記移動局の再アタッチ処理が完了していない場合であっても、該下りリンクデータ通知信号の送信元である前記サービングゲートウェイ装置に対して、該移動局の識別情報及び前記再アタッチ処理或いは呼び出し処理した旨を示す情報を含む信号を送信するように構成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によれば、障害等で一旦停止したMME#1が再開した後に、MME#1配下でアイドル状態のUE宛てのユーザデータが受信された場合に、適切に、PDNコネクション#1を解放することができる移動通信方法、移動管理ノード及びサービングゲートウェイ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作について説明するシーケンス図である。
【図3】本発明の変更例1に係る移動通信システムの動作について説明するシーケンス図である。
【図4】本発明の変更例2に係る移動通信システムの動作について説明するシーケンス図である。
【図5】本発明の変更例3に係る移動通信システムの動作について説明するシーケンス図である。
【図6】本発明の変更例4に係る移動通信システムの動作について説明するシーケンス図である。
【図7】従来の移動通信システムの動作について説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0027】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、P-GW#1と、P-GW#2と、S-GW#1と、S-GW#2と、MME#1と、MME#2と、E-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)と、HSSとを具備している。
【0028】
以下、図2を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、障害等で一旦停止したMME#1が再開した後に、P-GW#1が、MME#1配下でアイドル状態のUE宛てのユーザデータを受信した場合の動作について説明する。
【0029】
図2に示すように、UEとS-GW#1とP-GW#1との間で1又は複数のEPSベアラ#1を含むPDNコネクション#1が設定されている状態(第1状態)で、ステップS1001において、MME#1が再開した場合、UEとS-GW#1との間でPDNコネクション#1が解放され、S-GW#1とP-GW#1との間でのみPDNコネクション#1が維持される状態(第2状態)に遷移する。
【0030】
なお、かかる場合において、S-GW#1は、PDNコネクション#1における特定のEPSベアラのみをS-GW#1とP-GW#1との間で解放しないように設定されていてもよい。
【0031】
かかるEPCベアラは、QCI(QoS Class Identifier)や優先度種別「ARP(Allocation Retention Priority)」等により、S-GW#1におけるEPSベアラの解放の要否について設定されていてもよい。
【0032】
P-GW#1は、ステップS1002において、外部ネットワークから、UE宛てのユーザデータを受信すると、ステップS1003において、EPSベアラ#1を介して、S-GW#1に対して、かかるUE宛てのユーザデータを送信する。
【0033】
ステップS1004において、S-GW#1は、UEとS-GW#1との間でPDNコネクション#1が解放されているため(すなわち、GTPエコー信号等により、MME#1の再開を検出しているため)、MME#1に対して、UEのIMSIと、S-GW#1のアドレスであるS-GWアドレス#1と、EPSベアラ#1の識別情報である「EPS Bearer ID#1」とを含む「DDN」を送信する。
【0034】
なお、S-GW#1のアドレスであるS-GWアドレス#1は、DDN信号のヘッダー部分に設定されていてもよい。
【0035】
ステップ1005において、MME#1は、UEのIMSIと、「DDN」に含まれるS-GWアドレス#1と、「DDN」に含まれる「EPS Bearer ID#1」とを関連付けて記憶する。
【0036】
ステップS1006において、MME#1は、IMSIが設定された「DDN」を受信すると、「DDN」に含まれる「IMSI」によって特定されるUE宛ての「Paging」を送信する。
【0037】
MME#1が、再開前にUEに割り当てたS-TMSI等をメモリ上に保持している場合、IMSIに代わり、S-TMSIによって特定されるUE宛ての「Paging」を送信してもよい。
【0038】
かかる場合、ステップS1007が実施される前に、UEが、MME#1に対して「Service Request」を送信し、MME#1が、UEに対して、拒否信号を通知することで、後述するステップS1007が起動される。
【0039】
ステップS1007において、UEは、UE宛ての「Paging」を受信すると、再アタッチ処理を開始するために、コアネットワークに対して、UEのIMSIを含む「Attach Request」を送信する。「Attach Request」は、無線アクセスネットワークを介してMME#2へ転送される。
【0040】
ステップS1008において、MME#2は、UEの位置登録処理を開始するために、HSSに対して、「Update Location Request」を送信する。
【0041】
ステップS1009において、HSSは、MME#1に対して、「Cancel Location Request(位置情報削除要求信号)」を送信する。
【0042】
ステップS1010において、MME#1は、HSSに対して、「Cancel Location Answer」を送信する。ここで、MME#1は、HSSに対して、MME#1が再開した旨を通知してもよい。
【0043】
かかる通知を受信した場合、HSSは、MME#1に収容される他のUEに関して保持しているプロファイルに、MMEエラー状態を記憶しておき、他装置からの在圏問い合わせにおいて、エラー処理を実施するよう構成されていてもよい。
【0044】
また、MME#1が、再開前にUEに割り当てたS-TMSI等のコンテキスト情報(UEに係る情報)をメモリ上に保持している場合、かかるコンテキスト情報を削除してもよい。
【0045】
UEのMME#2に対する再アタッチ処理が成功した場合、ステップS1011において、MME#1は、UEのIMSIに関連付けられているS-GWアドレス#1によって特定されるS-GW#1に対して、UEのIMSIに関連付けられている「EPS Bearer ID#1」及び「Cause=Re-Attach Success(再アタッチ処理が成功した旨を示す情報)」を含む「DDN Ack」を送信する。
【0046】
一方、UEのMME#2に対する再アタッチ処理が失敗した場合、ステップS1011において、UEのIMSIに関連付けられているS-GWアドレス#1によって特定されるS-GW#1に対して、UEのIMSIに関連付けられている「EPS Bearer ID#1」及び「Cause=Re-Attach Fail(再アタッチ処理が失敗した旨を示す情報)」を含む「DDN Failure」を送信してもよい。かかる場合、S-GW#1は、P-GW#1との間のEPSベアラを引き続き保持する。
【0047】
ステップS1012において、S-GW#1は、「Cause=Re-Attach Success(再アタッチ処理が成功した旨を示す情報)」を含む「DDN Ack」を受信した場合に、P-GW#1との間で設定されている「EPS Bearer ID#1」に対応するPDNコネクション#1を解放するために、P-GW#1に対して、「EPS Bearer ID#1」に対応する「Linked Beare ID#1」を含む「Delete Session Request」を送信する。
【0048】
ここで、「Linked Beare ID#1」は、PDNコネクション#1を特定するための識別情報である。
【0049】
ステップS1013において、P-GW#1は、PDNコネクション#1を解放した後、S-GW#1に対して、「Cause=Request Accepted」を含む「Delete Session Response」を送信する。本処理により、S-GW#1とP-GW#1との間のPDNコネクション#1が切断される。
【0050】
ステップS1014において、HSSは、MME#2に対して、「Update Location Answer」を送信する。
【0051】
ステップS1015において、UEとS-GW#2とP-GW#2との間で1又は複数のEPSベアラ#2を含むPDNコネクション#2を設定する。
【0052】
ステップS1016において、MME#2は、UEに対して、「Attach Accept」を送信する。
【0053】
本実施形態に係る移動通信システムによれば、S-GW#1が「Cause=Re-Attach Success(再アタッチ処理が成功した旨を示す情報)」を含む「DDN Ack」を受信した場合に、P-GW#1との間で設定されている「EPS Bearer ID#1」に対応するPDNコネクション#1を解放することができる。
【0054】
(変更例1)
図3を参照して、本発明の変更例1に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0055】
以下、図3を参照して、本変更例1に係る移動通信システムにおいて、障害等で一旦停止したMME#1が再開した後に、P-GW#1が、MME#1配下でアイドル状態のUE宛てのユーザデータを受信した場合の動作について説明する。
【0056】
図3に示すように、ステップS2001乃至S2005の動作は、図2に示すステップS1001乃至S1005の動作と同一である。
【0057】
ステップS2006において、MME#1は、S-GW#1に対して、「DDN」に対する応答信号である「DDN Ack」を送信する。なお、かかる「DDN Ack」の送信は、省略されてもよい。
【0058】
ステップS2007乃至S2011の動作は、図2に示すステップS1006乃至S1010の動作と同一である。
【0059】
MME#1は、ステップS2010において受信した「Cancel Location Request」に応じて、ステップS2012において、UEのIMSIに関連付けられているS-GWアドレス#1によって特定されるS-GW#1に対して、UEのIMSIに関連付けられている「EPS Bearer ID#1」を含む「Delete Session Request(コネクション削除要求信号)」を送信する。
【0060】
ここで、MME#1は、「Delete Session Request」に、MME再開を原因とするPDNコネクションの解放であることを示す情報である「Cause=Session Release due to MME Failure」を含めてもよい。
【0061】
また、MME#1は、「Delete Session Request」内の既存の情報要素に「EPS Bearer ID#1」を含めてもよいし、「Delete Session Request」内に新規に設定する情報要素に「EPS Bearer ID#1」を含めてもよい。
【0062】
ステップS2013において、S-GW#1は、MME#1に対して、「Delete Session Response」を送信する。
【0063】
ステップS2014において、S-GW#1は、「Delete Session Request」を受信した場合に、P-GW#1との間で設定されている「EPS Bearer ID#1」に対応するPDNコネクション#1を解放するために、P-GW#1に対して、「EPS Bearer ID#1」に対応する「Linked Beare ID#1」を含む「Delete Session Request」を送信する。
【0064】
ここで、S-GW#1は、S-GW#1から受信した「Delete Session Response」に「Cause=Session Release due to MME Failure」が含まれているか否かに基づいて、ステップS2014の動作を実施するか否かについて判断してもよい。
【0065】
ステップS2015において、P-GW#1は、PDNコネクション#1を解放した後、S-GW#1に対して、「Delete Session Response」を送信する。
【0066】
以下、ステップS2016乃至S2018の動作は、図2に示すステップS1014乃至S1016の動作と同一である。
【0067】
本変更例1に係る移動通信システムによれば、「Delete Session Request」を受信した場合に、P-GW#1との間で設定されている「EPS Bearer ID#1」に対応するPDNコネクション#1を解放することができる。
【0068】
なお、本発明は、上述のケースだけでなく、UEが、「Paging」を受信し、再アタッチ処理を実施した場合において、再開したMME#1に対して「Attach Request」を送信するケースに対しても同様に適用可能である。
【0069】
すなわち、かかる場合、MME#1は、IMSIが設定された「DDN」を受信したことを記憶しておき、HSSから「Update Location Answer」を受信したタイミングで、S-GW#1に対して、ベアラ解放処理を実施する。
【0070】
(変更例2)
図4を参照して、本発明の変更例2に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0071】
以下、図4を参照して、本変更例2に係る移動通信システムにおいて、障害等で一旦停止したMME#1が再開した後に、P-GW#1が、MME#1配下でアイドル状態のUE宛てのユーザデータを受信した場合の動作について説明する。
【0072】
図4に示すように、ステップS3001乃至S3005の動作は、図2に示すステップS1001乃至S1005の動作と同一である。
【0073】
MME#1は、ステップS3005において、「DDN」を受信すると、UEの再アタッチ処理が完了していない場合であっても、ステップS3005aにおいて、「DDN」の送信元であるS-GW#1に対して、UEのIMSI及び「Cause=Re-Attach Success」を含む「DDN Ack」を送信する。
【0074】
図4の例では、MME#1は、ステップS3005において、「DDN」を受信すると、ステップS3005aにおいて、UEに対して「Paging」を送信する前に、「DDN」の送信元であるS-GW#1に対して、UEのIMSI及び「Cause=Re-Attach Success」を含む「DDN Ack」を送信する。
【0075】
ここで、MME#1は、「Cause=Re-Attach Success」の代わりに、「Cause=Paging Success(呼び出し処理した旨を示す情報)」を含む「DDN Ack」を送信してもよい。
【0076】
ステップS3005bにおいて、S-GW#1は、「Cause=Re-Attach Success」を含む「DDN Ack」を受信した場合に、P-GW#1との間で設定されている「EPS Bearer ID#1」に対応するPDNコネクション#1を解放するために、P-GW#1に対して、UEのIMSI或いは「EPS Bearer ID#1」に対応する「Linked Beare ID#1」を含む「Delete Session Request」を送信する。
【0077】
ステップS3005cにおいて、P-GW#1は、PDNコネクション#1を解放した後、S-GW#1に対して、「Cause=Request Accepted」を含む「Delete Session Response」を送信する。本処理により、S-GW#1とP-GW#1との間のPDNコネクション#1が切断される。
【0078】
以下、ステップS3006乃至S3013の動作は、図2に示すステップS1006乃至S1016の動作と同一である。
【0079】
(変更例3)
図5を参照して、本発明の変更例3に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0080】
以下、図5を参照して、本変更例3に係る移動通信システムにおいて、障害等で一旦停止したMME#1が再開した後に、P-GW#1が、MME#1配下でアイドル状態のUE宛てのユーザデータを受信した場合の動作について説明する。
【0081】
図5に示すように、ステップS4001乃至S4006の動作は、図2に示すステップS1001乃至S1006の動作と同一である。
【0082】
MME#1は、ステップS4005において、「DDN」を受信すると、UEの再アタッチ処理が完了していない場合であっても、ステップS4006aにおいて、「DDN」の送信元であるS-GW#1に対して、UEのIMSI及び「Cause=Re-Attach Success」を含む「DDN Ack」を送信する。
【0083】
図5の例では、ステップS4005において、「DDN」を受信すると、ステップS4006において、UEに対して「Paging」を送信し、その後、ステップS4009において、HSSから「Cancel Location Request」を受信する前に、ステップS4006aにおいて、「DDN」の送信元であるS-GW#1に対して、UEのIMSI及び「Cause=Re-Attach Success」を含む「DDN Ack」を送信する。
【0084】
なお、ステップ4006aは、ステップS4009において、HSSから「Cancel Location Request」を受信した後に実施されてもよい。
【0085】
ステップS4006bにおいて、S-GW#1は、「Cause=Re-Attach Success」を含む「DDN Ack」を受信した場合に、P-GW#1との間で設定されている「EPS Bearer ID#1」に対応するPDNコネクション#1を解放するために、P-GW#1に対して、UEのIMSI或いは「EPS Bearer ID#1」に対応する「Linked Beare ID#1」を含む「Delete Session Request」を送信する。
【0086】
ステップS4006cにおいて、P-GW#1は、PDNコネクション#1を解放した後、S-GW#1に対して、「Cause=Request Accepted」を含む「Delete Session Response」を送信する。本処理により、S-GW#1とP-GW#1との間のPDNコネクション#1が切断される。
【0087】
以下、ステップS4007乃至S4013の動作は、図2に示すステップS1007乃至S1016の動作と同一である。
【0088】
(変更例4)
図6を参照して、本発明の変更例4に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0089】
以下、図6を参照して、本変更例4に係る移動通信システムにおいて、障害等で一旦停止したMME#1が再開した後に、P-GW#1が、MME#1配下でアイドル状態のUE宛てのユーザデータを受信した場合の動作について説明する。
【0090】
図6に示すように、ステップS5001乃至S5006の動作は、図2に示すステップS1001乃至S1006の動作と同一である。
【0091】
ステップS5007において、UEは、UE宛ての「Paging」を受信すると、再アタッチ処理を開始するために、無線アクセスネットワークを介して、MME#1に対して、UEのIMSIを含む「Attach Request」を送信する。
【0092】
ステップS5008において、MME#1は、UEの位置登録処理を開始するために、HSSに対して、「Update Location Request」を送信する。
【0093】
ステップS5009において、HSSは、MME#1に対して、「Update Location Answer」を送信する。
【0094】
UEのMME#1に対する再アタッチ処理が成功した場合、ステップS5010において、MME#1は、「DDN」の送信元であるS-GW#1に対して、UEのIMSI及び「Cause=Re-Attach Success」を含む「DDN Ack」を送信する。
【0095】
なお、MME#1は、ステップS5007において、「Attach Request」の受信を検出したことによって、ステップS5010において、S-GW#1に対して、かかる「DDN Ack」を送信してもよい。
【0096】
ステップS5011において、S-GW#1は、UEのIMSI及び「Cause=Re-Attach Success」を含む「DDN Ack」を受信した場合に、P-GW#1との間で設定されている「EPS Bearer ID#1」に対応するPDNコネクション#1を解放するために、P-GW#1に対して、UEのIMSIに対応する「EPS Bearer ID#1」に対応する「Linked Beare ID#1」を含む「Delete Session Request」を送信する。
【0097】
ステップS5012において、P-GW#1は、PDNコネクション#1を解放した後、S-GW#1に対して、「Cause=Request Accepted」を含む「Delete Session Response」を送信する。本処理により、S-GW#1とP-GW#1との間のPDNコネクション#1が切断される。
【0098】
ステップS5013において、UEとS-GW#2とP-GW#2との間で1又は複数のEPSベアラ#2を含むPDNコネクション#2を設定する。
【0099】
ステップS5014において、MME#1は、UEに対して、「Attach Accept」を送信する。
【0100】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0101】
本実施形態の第1の特徴は、UE(移動局)とS-GW#1(サービングゲートウェイ装置)とP-GW#1(パケットデータネットワークゲートウェイ装置)との間で1又は複数のEPSベアラ#1(ベアラ)を含むPDNコネクション#1(コネクション)が設定されている第1状態で、MME#1(移動管理ノード)が再開した場合、UEとS-GW#1との間でPDNコネクション#1が解放され、S-GW#1とP-GW#1との間でのみPDNコネクション#1が維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおける移動通信方法であって、第2状態において、S-GW#1が、かかるEPSベアラ#1を介してUE宛てのユーザデータを受信した場合に、MME#1に対して、UEのIMSIを含む「DDN(下りリンクデータ通知信号)」を送信する工程と、MME#1が、「DDN」を受信した場合に、UE宛ての「Paging(ページング信号)」を送信する工程と、UEが、「Paging」を受信した場合に、MME#2(第2移動管理ノード)に対する再アタッチ処理を開始する工程と、MME#1が、「DDN」の送信元であるS-GW#1に対して、「DDN」に含まれるUEのIMSI及び「Cause=Re-Attach Success(移動局が再アタッチ処理した旨を示す情報)」を含む「DDN Ack/DDN Failure(信号)」を送信する工程と、S-GW#1が、「DDN Ack」を受信した場合に、P-GW#1との間で、「DDN Ack」に含まれるUEのIMSIに対応するPDNコネクション#1を解放する工程とを有することを要旨とする。
【0102】
本実施形態の第2の特徴は、UEとS-GW#1とP-GW#1との間で1又は複数のEPSベアラ#1を含むPDNコネクション#1が設定されている第1状態で、MME#1が再開した場合、UEとS-GW#1との間でPDNコネクション#1が解放され、S-GW#1とP-GW#1との間でのみPDNコネクション#1が維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおいて、MME#1として動作するMMEであって、第2状態において、S-GW#1から、UEのIMSIを含む「DDN」を受信するように構成されており、「DDN」を受信した場合に、UE宛ての「Paging」を送信するように構成されており、UEのMME#2に対する再アタッチ処理が開始された後、「DDN」の送信元であるS-GW#1に対して、「DDN」に含まれるUEのIMSI及び「Cause=Re-Attach Success」を含む「DDN Ack/DDN Failure」を送信するように構成されていることを要旨とする。
【0103】
本実施形態の第3の特徴は、UEとS-GW#1とP-GW#1との間で1又は複数のEPSベアラ#1を含むPDNコネクション#1が設定されている第1状態で、MME#1が再開した場合、UEとS-GW#1との間でPDNコネクション#1が解放され、S-GW#1とP-GW#1との間でのみPDNコネクション#1が維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおいて、S-GW#1として動作するS-GWであって、第2状態において、EPSベアラ#1を介してUE宛てのユーザデータを受信した場合に、MME#1に対して、UEのIMSIを含む「DDN」を送信するように構成されており、MME#1から、UEのIMSI及び「Cause=Re-Attach Success」を含む「DDN Ack/DDN Failure」を受信した場合に、P-GW#1との間で、「DDN Ack」に含まれるUEのIMSIに対応するPDNコネクション#1を解放するように構成されていることを要旨とする。
【0104】
本実施形態の第4の特徴は、UEとS-GW#1とP-GW#1との間で1又は複数のEPSベアラ#1を含むPDNコネクション#1が設定されている第1状態で、MME#1が再開した場合、UEとS-GW#1との間でPDNコネクション#1が解放され、S-GW#1とP-GW#1との間でのみPDNコネクション#1が維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおける移動通信方法であって、第2状態において、S-GW#1が、EPSベアラ#1を介してUE宛てのユーザデータを受信した場合に、MME#1に対して、UEのIMSIとS-GWアドレス#1と「EPS Bearer ID#1」とを含む「DDN」を送信する工程と、MME#1が、「DDN」を受信した場合に、UE宛ての「Paging」を送信する工程と、UEが、「Paging」を受信した場合に、MME#2に対する再アタッチ処理を開始する工程と、MME#1が、「Cancel Location Request(移動局の位置情報を削除するように要求する位置情報削除要求信号)」を受信した場合、「DDN」に含まれるS-GWアドレス#1によって特定されるS-GW#1に対して、「DDN」に含まれる「EPS Bearer ID#1」を含む「Delete Session Request(コネクション削除要求信号)」を送信する工程と、S-GW#1が、「Delete Session Request」を受信した場合に、P-GW#1との間で、「Delete Session Request」に含まれる「EPS Bearer ID#1」に対応するPDNコネクション#1を解放する工程とを有することを要旨とする。
【0105】
本実施形態の第5の特徴は、UEとS-GW#1とP-GW#1との間で1又は複数のEPSベアラ#1を含むPDNコネクション#1が設定されている第1状態で、MME#1が再開した場合、UEとS-GW#1との間でPDNコネクション#1が解放され、S-GW#1とP-GW#1との間でのみPDNコネクション#1が維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおいて、MME#1として動作するMMEであって、第2状態において、S-GW#1から、UEのIMSIとS-GWアドレス#1と「EPS Bearer ID#1」とを含む「DDN」を受信するように構成されており、「DDN」を受信した場合に、UE宛ての「Paging」を送信するように構成されており、「Cancel Location Request」を受信した場合、「DDN」に含まれるS-GWアドレス#1によって特定されるS-GW#1に対して、「DDN」に含まれる「EPS Bearer ID#1」を含む「Delete Session Request」を送信するように構成されていることを要旨とする。
【0106】
本実施形態の第6の特徴は、UEとS-GW#1とP-GW#1との間で1又は複数のEPSベアラ#1を含むPDNコネクション#1が設定されている第1状態で、MME#1が再開した場合、UEとS-GW#1との間でPDNコネクション#1が解放され、S-GW#1とP-GW#1との間でのみPDNコネクション#1が維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおいて、S-GW#1として動作するS-GWであって、第2状態において、EPSベアラ#1を介してUE宛てのユーザデータを受信した場合に、MME#1に対して、UEのIMSIとS-GWアドレス#1と「EPS Bearer ID#1」とを含む「DDN」を送信するように構成されており、MME#1から、「DDN」に含まれる「EPS Bearer ID#1」を含む「Delete Session Request」を受信した場合に、P-GW#1との間で、「Delete Session Request」に含まれる「EPS Bearer ID#1」に対応するPDNコネクション#1を解放するように構成されていることを要旨とする。
【0107】
本実施形態の第7の特徴は、UEとS-GW#1とP-GW#1との間で1又は複数のEPSベアラ#1を含むPDNコネクション#1が設定されている第1状態で、MME#1が再開した場合、UEとS-GW#1との間でPDNコネクション#1が解放され、S-GW#1とP-GW#1との間でのみPDNコネクション#1が維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおける移動通信方法であって、第2状態において、S-GW#1が、かかるEPSベアラ#1を介してUE宛てのユーザデータを受信した場合に、MME#1に対して、UEのIMSIを含む「DDN」を送信する工程と、MME#1が、「DDN」を受信した場合には、UEの再アタッチ処理が完了していない場合であっても、「DDN」の送信元であるS-GW#1に対して、UEのIMSI及び「Cause=Re-Attach Success(移動局UEが再アタッチ処理した旨を示す情報)」を含む「DDN Ack(下りリンクデータ通知信号に対する応答信号)」を送信する工程と、S-GW#1が、「DDN Ack」を受信した場合に、P-GW#1との間で、「DDN Ack」に含まれるUEのIMSIに対応するPDNコネクション#1を解放する工程とを有することを要旨とする。
【0108】
本実施形態の第8の特徴は、UEとS-GW#1とP-GW#1との間で1又は複数のEPSベアラ#1を含むPDNコネクション#1が設定されている第1状態で、MME#1が再開した場合、UEとS-GW#1との間でPDNコネクション#1が解放され、S-GW#1とP-GW#1との間でのみPDNコネクション#1が維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおける移動通信システムにおいて用いられるMMEであって、第2状態において、S-GW#1から、UEのIMSIを含む「DDN」を受信するように構成されており、「DDN」を受信した場合に、UEの再アタッチ処理が完了していない場合であっても、「DDN」の送信元であるS-GW#1に対して、UEのIMSI及び「Cause=Re-Attach Success」を含む「DDN Ack」を送信するように構成されていることを要旨とする。
【0109】
なお、上述のMME#1、MME#2、S-GW#1、S-GW#2、P-GW#1、P-GW#2、eNB#1、eNB#2、UEの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0110】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0111】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、MME#1、MME#2、S-GW#1、S-GW#2、P-GW#1、P-GW#2、eNB#1、eNB#2、UE内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとしてMME#1、MME#2、S-GW#1、S-GW#2、P-GW#1、P-GW#2、eNB#1、eNB#2、UE内に設けられていてもよい。
【0112】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0113】
UE…移動局
eNB…無線基地局
MME#1、MME#2…移動管理ノード
S-GW#1、S-GW#2…サービングゲートウェイ装置
P-GW#1、P-GW…PDNゲートウェイ装置
HSS…加入者情報管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局とサービングゲートウェイ装置とパケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で1又は複数のベアラを含むコネクションが設定されている第1状態で、移動管理ノードが再開した場合、該移動局と該サービングゲートウェイ装置との間で該コネクションが解放され、該サービングゲートウェイ装置と該パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間でのみ該コネクションが維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおける移動通信方法であって、
前記第2状態において、前記サービングゲートウェイ装置が、前記ベアラを介して前記移動局宛てのユーザデータを受信した場合に、前記移動管理ノードに対して、該移動局の識別情報を含む下りリンクデータ通知信号を送信する工程と、
前記移動管理ノードが、前記下りリンクデータ通知信号を受信した場合には、前記移動局の再アタッチ処理が完了していない場合であっても、該下りリンクデータ通知信号の送信元である前記サービングゲートウェイ装置に対して、該移動局の識別情報及び前記再アタッチ処理或いは呼び出し処理した旨を示す情報を含む信号を送信する工程と、
前記サービングゲートウェイ装置が、前記信号を受信した場合に、前記パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で、該信号に含まれる前記移動局の識別情報に対応する前記コネクションを解放する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
移動局とサービングゲートウェイ装置とパケットデータネットワークゲートウェイ装置との間で1又は複数のベアラを含むコネクションが設定されている第1状態で、移動管理ノードが再開した場合、該移動局と該サービングゲートウェイ装置との間で該コネクションが解放され、該サービングゲートウェイ装置と該パケットデータネットワークゲートウェイ装置との間でのみ該コネクションが維持される第2状態に遷移する移動通信システムにおいて用いられる移動管理ノードであって、
前記第2状態において、前記サービングゲートウェイ装置から、前記移動局の識別情報を含む下りリンクデータ通知信号を受信するように構成されており、
前記下りリンクデータ通知信号を受信した場合に、前記移動局の再アタッチ処理が完了していない場合であっても、該下りリンクデータ通知信号の送信元である前記サービングゲートウェイ装置に対して、該移動局の識別情報及び前記再アタッチ処理或いは呼び出し処理した旨を示す情報を含む信号を送信するように構成されていることを特徴とする移動管理ノード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−156975(P2012−156975A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85415(P2011−85415)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】