説明

移動通信装置ユーザの個人ステータスを報告する方法およびそのための方法

移動通信装置は、イベントの発生を示す特定の検出可能なパラメータを定義するイベント記述子ファイルを含んでいる。イベントが発生したことを移動通信装置が決定すると、移動通信装置は予め選択された相手にステータスメッセージを送信し、予め選択された相手に移動通信装置のユーザがイベントを経験したことを示す。特定の地理的位置への到着のような、種々のイベントが記述され検出され得る。移動通信装置は、ステータスメッセージを送信する前に、ユーザにプロンプトを提示してもよく、さらには認証手続によりユーザの身元を確認するようユーザに要求してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に移動通信装置に関し、より詳細には移動通信装置によって経験されたイベントに応じてステータスを報告することに関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信装置は広く使用されており、特に大都市圏では一般的なものになっている。元々それらの装置は移動無線電話サービスをサポートし、ユーザが固定電話無しで通信し、通話中に移動することを可能にしていた。しかしながら、より最近、それらの装置は、種々の通信サービスおよびパーソナルサービスをサポートするように開発されている。現在販売されているほとんどの移動通信装置は、データおよびデータメッセージを送受信するためのネットワークインタフェースを有している。データ通信に従事する能力は、移動通信装置をパーソナル通信のアシスタントへと変貌させ、Javaのようなポータブルアプリケーション環境のためのアプリケーションを含む種々のアプリケーションが移動通信装置で使用されることを可能にしている。
【0003】
移動体通信の進歩により、社会はより移動性になり、多くの人は、仕事上の関係者だけでなく友人や家族と連絡を取るにも、自身の移動通信装置に依存するようになっている。多くの業務は頻繁な旅行を要するため、旅行者の安全情報は関心事である。もちろん、人は、単に家に電話するために移動通信装置を使用することも可能である。しかしながら、そのような通話は、その人のアカウントに対して課金され得るか、そのような通話の両方の相手を不適当な時に妨害する可能性がある。一旦起動されると無線機のユーザが援助を必要としていることを示す、公安の双方向無線機を始めとする移動通信装置上で使用されている「マン−ダウン(man-down)」ボタンがある。「マン−ダウン」メッセージは、通信システムの中で高い優先度を受け、「マン−ダウン」機能は、一旦起動されると、その状況が解決されるまで、高い優先度を与えられている情報を絶えず送り続ける。この警告およびステータスの報告形式は、かなり多くのシステム資源を必要とするだけでなく、移動通信装置のバッテリからかなり多くの電力を消費する。それほど緊急でないステータスの報告の場合、システム資源や電力消費を特別に取っておく必要は確かにない。したがって、ライブの緊急呼の人的資源、電力資源、または通信資源を必要とせずに個人ステータスが知られるようにする必要がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
本明細書は新規であると考えられる本発明の特徴を定義する特許請求の範囲で結ばれているが、図面と共に以下の説明を考慮することによって、本発明はさらによく理解されると考えられる。図面には、同様な参照番号が繰り返し使われている。
【0005】
本発明は、移動通信装置に、移動通信装置の所有者/ユーザのステータスを報告する能力を提供する。報告は、予め選択された相手にショートメッセージを送信することにより行われ、ユーザによって定義されるイベントの発生に応じて行われる。応答(responce)は自動的に送られてもよいし、または、移動通信装置がユーザに応答するようにプロンプトを提示してもよく、移動通信装置は、適切な人が実際に答えていることを保証するためにユーザを認証してもよい。ステータスの報告を生じさせるイベントは、移動通信装置において経験されたイベントであってもよいし、別の相手から受け取られたステータス要求に応じたものであってもよい。
【0006】
ここで図1を参照すると、本発明による個人ステータスを報告する能力を有する移動通信装置102の略ブロック図100が示される。ユーザのステータスは、例えばユーザの家104に報告され得る。移動通信装置は通信システム106から基地局108を介して通信サービスを受ける。通信システムは中央局110を有し、中央局110は呼処理を取り扱うと共に、通常、移動交換局112および移動データゲートウェイ114を備えている。移動交換局は電話通信およびスイッチング機能を提供し、他の移動通信装置のユーザ、他の基地局115と、公衆交換電話ネットワーク116に呼を接続する。移動データゲートウェイ114は、パケットデータ通信を始めとするデータ通信を促進し、インターネット118を始めとする広域ネットワークへの接続を提供する。
【0007】
移動通信装置102のユーザは、移動通信装置のイベントプロセッサにイベント基準を与える。入力された情報は、イベントの発生を決定する基準を提供するものであり、かつ、移動通信装置のイベント記述子ファイルに格納される。本発明の一実施形態では、遠隔にいる相手からステータス要求メッセージを受け取ることはデフォルトイベントであり、移動通信装置は本明細書に教示された方法に従ってメッセージの受け取りに応答する。定義され得るイベントのタイプは、移動通信装置の設計によって決まる。移動通信装置は、例えば衛星測位サブシステム、無線ローカルエリアネットワークサブシステム等のような様々なサブシステムを具備し得ることが想定される。種々の設備により、移動通信装置は異なる環境上のパラメータを検出し、したがって種々の方法でイベントの発生を検出することができる。
【0008】
例えば、ユーザが他の地域に移動したとき、移動通信装置は、基地局によって送信された放送制御チャンネルのリージョンコードを検出することにより新しい領域で通信サービスを受け取ると、ユーザが新しいサービス領域に入ったことを検出し得る。リージョンコードは大まかな地理的位置パラメータを提供し、移動通信装置は、1つの州または区から別の州または区まで、またはある国から別の国まで移動したときに、リージョンコードがいつ変わるか検出することができる。代わりに、基地局は移動通信装置に、例えば特定の緯度および経度にある地理的位置を送信してもよい。基地局のための地理的位置情報を受け取ると、移動通信装置はそれを地理的位置に関連するイベント記述子と比較する。そして、現在の地理的位置がイベント記述子中の地理的位置パラメータと実質的に等しい場合、移動通信装置は、本発明に従ってイベントが発生し、進行していることを決定する。地理的位置は、例えば、着陸時の空港等のように、ユーザがどこかに到着したことを推測するために使用されてもよく、このようにユーザは自身がイベントをセットアップするために移動している場所の地理的位置に入り、ステータスを報告することができる。地理的位置は、衛星測位衛生120から衛星測位信号を受け取る移動通信装置の衛星測位サブシステムの使用による等のように、他の方法で決定されてもよい。
【0009】
一旦衛星測位サブシステムが移動通信装置の現在の地理的位置を決定すると、次に、移動通信装置は、移動通信装置に格納されたイベント記述子によって定義されたようにイベントが起こったかどうかを決定する。同様に、例えば赤外線通信ソース、周知のIEEE 802.11仕様、またはインターネットのユニフォームリソースロケータ(URL)http://ww.bluetooth.org.に記述されているいわゆるBluetooth仕様に適合する無線ローカルエリアネットワークにより、ローカルの無線ソースから、移動通信装置により情報が受け取られ得る。これらの無線ソースは、適切に装備された移動通信装置に情報を放送する目的で、例えば空港またはホテルのような公共の場所に設定されたキオスクであってよい。これらのキオスクは、広告のような代替目的のために、または飛行機による旅行を開始する場合に移動通信装置にコマンドを与えてユーザに移動通信装置をオフにするようプロンプト提示するために、使用され得る。これらのソースが明示的な地理的位置情報を提供してもよいし、または、新しい位置に到達したことを示す単なる信号の存在によって地理的位置が推測されてもよい。
【0010】
一旦、1または複数のイベント記述子によって定義されたイベントに対応するイベントが起こったことを移動通信装置が決定すると、移動通信装置は自動的にステータス応答メッセージを送信するか、または、ステータス応答メッセージを送信する前に移動通信装置のユーザにプロンプトを提示し得る。ステータス応答メッセージは、移動通信装置から予め選択された相手へ直接送られてもよいし、他の選択肢として、移動通信装置は、通信システムに、通信システムのデータベース124上に格納された予め定義されたイベント応答プロファイルに従って通信システムがメッセージを送信するように要求してもよい。後者の場合、移動通信装置のユーザは、ユーザがイベント応答プロファイルを構成できるように、通信システムオペレータとの同意の下、データベースにアクセスする。ステータス応答メッセージは、様々な形式をとることができ、例えば、短い通知を送信するための通話、ショートメッセージサービス(SMS)送信を介して送信されるテキストメッセージ、電子メールメッセージ等がある。したがって、一旦イベントが起こったことを移動通信装置が決定し、応答を開始すると、応答は、移動電話または移動データチャンネル124、標準固定電話線126またはデータネットワーク128により伝えられ得る。
【0011】
ここで図2を参照すると、本発明による個人ステータスを報告する能力を有する移動通信装置の略ブロック図200が示される。移動通信装置は、当該技術分野においてよく知られているように、無線信号を変調および送信し、アンテナ204を介して無線信号を受信および復調する無線周波数トランシーバ202を含む。移動通信装置のすべてのコンポーネントはコントローラ206の制御下で動作する。ここに示されているように、移動通信装置のコンポーネントのサブシステムはバス207を介してコントローラ206と動作上結合されているが、コントローラは各サブシステムに対してシリアルインタフェースのような直接接続を有していてもよいし、あるいはバスと直接接続の組み合わせを有していてもよい。コントローラによって実行される機械可読のコードはメモリ208に格納され、同様にローカルメモリを有していてもよい。ここに示されたメモリは、移動通信装置が有し得るRAM、ROM、再プログラム可能なメモリ等の、様々な種類のメモリの抽象的表現である。コントローラはユーザインタフェース210にリンクされる。ユーザインタフェース210は、通常、ユーザに情報を表示する表示装置や、ユーザが選択を行ったり、情報を入力したり、移動通信装置の動作を制御したりするのを可能にするキーパッドまたはボタンアセンブリを含む。また、ユーザインタフェースは、機械的振動器211、音を生成するオーディオ変換器209、および他の視覚的表示またはディスプレイやキーパッドおよびボタンのバックライトのための光生成要素を含み得る。音声およびオーディオ通信を促進するために、移動通信装置は、トランシーバから受け取られたデジタルオーディオ信号をスピーカ214で再生されるアナログ信号へ変換するオーディオプロセッサ212を含む。また、オーディオプロセッサは、マイクロホン216からアナログ信号を受け取り、それらをトランシーバに与えられるデジタルオーディオ信号に変換する。また、移動通信装置は、移動通信装置で画像およびビデオ映像を捕捉する録画装置を含んでいてもよく、そのような画像およびビデオ映像は移動通信装置のメモリに格納されるか、または移動通信装置に取り付けられた周辺機器に含まれる補助メモリに格納されることが想定される。ユーザによって決定されるように、種々の匂いを生成するために、匂い生成サブシステムが移動通信装置に含まれてもよいこともさらに想定される。
【0012】
移動通信装置は、一部で、メモリに配置された機械可読のコードに従って動作する。命令コードは、特定のタスク、アプリケーションおよびオペレーションを各々が行ない、様々な動作モードおよびプロセスモードをセットアップするコードモジュールの形で開発される。モジュールのそのような1つのセットは、ユーザによって作動または停止され得るイベント監視モードのオペレーションを制御する。イベント監視モードが作動されると、移動通信装置は、自身が受け取った入力を、1または複数のイベント記述子218と比較し、記述子218もメモリに格納され、ユーザによって作成され、編集され、および削除され得る。イベント監視モードが呼び出されると、移動通信装置は、種々のサブシステム構成要素から受け取られた入力を、イベント記述子ファイル中の基準と比較する。入力が一致と考えられる程十分に近い場合、イベントが生成され、これは移動通信装置がステータス応答メッセージを送信するように行動していることを意味する。移動通信装置は、例えば、衛星測位衛星から衛星測位信号を受け取り、移動通信装置の正確な現在の地理的位置を決定するための、衛星測位サブシステム220を含み得る。例えば通信システムからトランシーバで受け取られた制御信号のような他の情報からだと、地理的位置はより低い精度で決定される。その理由は、多くの通信システムの基地局が、地理的位置に関する情報を送信しているからである。移動通信装置はさらに、赤外線サブシステム224または無線ローカルエリアネットワークサブシステム222のようなローカルソースから情報を得るために、無線受信機を含んでいてもよい。これらのサブシステムは、先に言及したように、空港やショッピングセンタのような公共の場所に配置されたキオスクのようなローカルソースから情報を得ることができる。
【0013】
代わりに、イベントは、通信システムを介して移動通信装置で受け取られるステータス問合せメッセージであってもよいことが想定される。メッセージの受け取りは、イベント記述子ファイルに記述され得る任意の他のイベントと同様に扱われる。
【0014】
一旦イベントが起こったことを移動通信装置が決定すると、移動通信装置は自動的にステータスメッセージを送信してもよいし、ユーザをプロンプトして、ステータスメッセージを送信する前に入力を待ってもよい。ユーザをプロンプトする際に、移動通信装置は、ユーザインタフェースを介して、またはイベントに応じて生成された匂いによってさえ生成された、オーディオ警告、視覚的警告および触覚警告のようなユーザの注意を得る様々な警告装置を使用することが可能である。例えば、移動通信装置は、ステータス応答ボタン219の背後から光りを当てる光要素をオンにしてもよい。また、移動通信装置は、ディスプレイ上にメッセージを表示するか、または機械的バイブレータ211をオンにするか、またはスピーカ変換器209で音を再生するか、もしくはこれらの任意の組み合わせをなし得る。さらに、ユーザは、イベント記述子ファイルでユーザに警告を出す方法を示してもよい。一旦ユーザがプロンプトを認識すれば、その後、ユーザは例えばステータス応答ボタンを押して応答し得る。ある場合には、ユーザは自身の身元を証明することが望ましい場合があり、その場合、移動通信装置はユーザを認証するだろう。例えば、イベントがステータス問い合わせメッセージの受け取りである場合、問い合わせを行なう個人は、ステータスメッセージの応答が意図した人によって生成されたといういくらかの保証を希望する場合がある。
【0015】
移動通信装置のユーザを認証する様々な手段があり、その各々は、移動通信装置の現在のオペレータがイベントプロンプトに応答する正しい人であるということに種々のレベルの複雑さと対応する保証を有する。最も単純なものはパスワードチャレンジである。ユーザは、イベントが起こる前に、移動通信装置にパスワードを与える。パスワードはよく知られているように移動通信装置用の一般的なパスワードであってもよいし、またはパスワードはイベント記述子に入れて提供されてもよい。指紋認識モジュール226または音声認識認証モジュール228のような、より精巧な認証手段が使用され得る。指紋モジュールは、ユーザの指紋を光学的に走査したものを受け取る、移動通信装置に配置された特定のハードウェアにより作動する。指紋は、認証用のユーザの指紋の格納された記録と比較される。同様に、音声認識認証モジュールは、オーディオプロセッサからのようにユーザの音声のスピーチセグメントを受け取り、それを認証用のスピーチセグメントの格納されたバージョンと比較する。音声認識モジュールは、ここではモジュールとして示されたが、音声認識命令コードを実行する移動通信装置のデジタル信号プロセッサにより完全に実現されるかもしれない。デジタル信号プロセッサは移動通信装置において一般に使用されているため、この形式の認証は音声認識命令コードだけを要求するが、これもまた現在の移動通信装置ではかなり一般的である。また、移動通信装置は生体認証センサを含んでいてもよいし、代わりに、移動通信装置は、ユーザによって着用されていた生体認証センサと通信するのにWLANサブシステムを使用してもよい。生体認証センサは、心拍数、皮膚温度等を読むことができる。その後、これらのメトリクスはステータスメッセージにおいて報告され得る。
【0016】
ここで図3を参照すると、本発明による移動通信装置のユーザのステータスを報告する方法のフローチャート300が示される。方法の開始(302)では、移動通信装置に動力が供給され、少なくとも1つのイベント記述子が移動通信装置に提供される。イベント記述子はイベントを定義するための情報と基準とを含み、それらに対して移動通信装置によって集められた入力とデータは比較される。イベント記述子が認証を必要とするか否か、ユーザをどのように認証するか、どこにステータスメッセージを送るか、ステータス情報送信の際にどのモードの通信を使用するか、およびどの情報をステータスメッセージに入れて送信するか、に関する情報も含んでよい。移動通信装置はステータス監視および報告モードを開始する(304)が、これはユーザからの入力があると起こってもよいし、移動通信装置に動力を供給すると自動的に起こってもよい。開始すること(304)は、現在の周囲条件を示す移動通信装置によって取得された種々のパラメータを評価するソフトウェアアプリケーションのインスタンスを生成することを含む。現在の周囲条件はイベント記述子と比較される(306)。
【0017】
移動通信装置がステータス問い合わせメッセージを受け取ったかを否かを問わず、移動通信装置の周囲条件は、移動通信装置の現在の地理的位置と、移動通信装置によって検出することができるイベントを生じさせる任意の他の条件とを含み得る。イベントが起こったかどうかを決定するために、周囲条件パラメータはイベント記述子と比較される(308)。イベントが起こっていないと移動通信装置が決定した場合、移動通信装置は周囲条件を監視し、それをイベント記述子と比較することを継続する。イベントが起こった場合、移動通信装置は、イベントが自動応答を要求するかどうか決定する(308)。自動応答が必要な場合、これはユーザによるアクションは必要ではないことを意味し、移動通信装置はステータスメッセージを直ちに送信する(320)。イベントがユーザからの入力を要求する場合、移動通信装置は応答を提供するようユーザへのプロンプトの提示(312)を開始する。プロンプトは、いくつかの形式のうちのどの1つであってもよいし、またはいくつかの異なる警告の組み合わせであってもよい。例えば、移動通信装置はステータス応答ボタンを照明し、ディスプレイ上に画像またはアイコンを表示し、音を再生し、機械的振動器をオンにする等をなし得る。ユーザにプロンプトを提示した後、移動通信装置は入力を待つ(314)。イベントがユーザの認証を要求する場合(316)、移動通信装置は、それが格納した情報(318)に匹敵するかどうか確認するために入力を評価する。ユーザが認証された場合、または認証が必要でない場合、移動通信装置はステータスメッセージの送信を開始する。認証が必要で、ユーザからの入力が意図したユーザを確認しなかった場合、移動通信装置は再びユーザにプロンプトを提示し得る。ステータスメッセージが移動通信装置に送信された後、移動通信装置は、必要ならば、追加のイベントのために監視を続ける。
【0018】
このように、本発明は、移動通信装置のユーザのステータスを報告する方法を提供する。方法は、移動通信装置のユーザが少なくとも1つのイベント記述子を提供することを含む。イベント記述子はイベントを定義し、地理的位置パラメータ、ステータス問合せパラメータ、時刻、および移動通信装置が経験し得る任意の他の条件のような基準を含み得る。方法は、イベント記述子によって定義されるイベントの発生を検出することにより開始する。本発明の一実施形態では、一旦イベントが検出されると、移動通信装置は予め選択された相手へのステータスメッセージの送信を開始する。少なくとも1つの基準セットを提供することが、時間パラメータを含む、請求項1に記載のステータスを監視する方法。本発明の一実施形態では、方法はさらに、イベントの発生の検出に応じて、イベントの発生を移動通信装置のユーザに警告することを含み、その後かその間に、移動通信装置は、ユーザからの入力を求めて移動通信装置のユーザにプロンプトを提示し始める。その後、移動通信装置はユーザインタフェースを監視し、ステータスメッセージを送信する前にユーザからの入力の受信を開始する。ユーザへのプロンプトの提示は、移動通信装置上のステータス応答ボタンを照明するといったような、視覚的表示の使用によって行なわれ得る。プロンプトの提示は、聴覚的警告、もしくは機械的振動器の動作によって作成された触覚的警告を含み得る。
【0019】
本発明の一実施形態では、方法は、ユーザの指紋を識別するか、ユーザからパスワード入力を受け取るか、またはプロンプトの提示に応じてユーザにより発せられたスピーチセグメントで音声認識を行なうかによって、ユーザを認証することを含む。ユーザから入力を受け取ることは、ステータス応答ボタンの作動を検出することを含み得る。イベントの発生を検出する際、本発明の一実施形態では、移動通信装置は移動通信装置の現在の地理的位置を検出し始める。
【0020】
例えば、移動通信装置の衛星測位サブシステムを使用する、または移動通信装置に通信サービスを提供する基地局から位置情報を受け取る等、いくつかの方法で地理的位置は決定され得る。イベントの別の例は、ステータス問合せメッセージのようなメッセージを移動通信装置で受け取ることである。本発明の一実施形態では、移動通信装置は、また、赤外線通信ソースや無線ローカルエリアネットワークソースのような移動通信システム以外のソースからも、ローカル無線メッセージを受け取り得る。
【0021】
本発明は、さらに、移動通信システムで使用され、移動通信装置のユーザのステータスを報告する移動通信装置を提供する。そのような移動通信装置は、移動通信システムと通信するトランシーバを含む。トランシーバは音声とデータならびにメッセージング呼を作成することができる。移動通信装置の中にはメモリが配置され、これは他の情報の中でも特に、イベントを定義する少なくとも1つのイベント記述子を備えている。移動通信装置を動作させるために、移動通信装置は、ユーザに情報を提供すると共にユーザから入力を受け取るユーザインタフェースを備えている。移動通信装置はさらに、少なくとも1つのイベント記述子によって定義されたイベントの発生を決定すべく、イベント記述子に対して移動通信装置の現在のステータスを評価するコントローラも備えている。コントローラはメモリ内に配置された命令コードに従って動作する。命令コードは、コントローラによって決定され、イベントの発生時に実行される、ステータス応答命令コードを含む。ステータス応答命令コードは、移動通信装置に、予め選択された相手にステータス応答メッセージを送信させる。
【0022】
本発明の一実施形態では、イベント記述子は地理的位置に対応する地理的位置パラメータを含む。したがって、移動通信装置の現在位置がイベント記述子に定義された地理的位置と実質的に等しい場合にイベントが起こる。地理的位置はいくつかの手段によって決定され得るが、本発明の一実施形態では、移動通信装置は、移動通信装置の現在の地理的位置の決定する衛星測位サブシステムを含む。代わりに、移動通信装置の現在の地理的位置は、移動通信装置に現在の通信サービスを提供している通信システムの基地局から移動通信装置で受け取られた制御メッセージによって決定されてもよい。さらに、イベントは、単に時刻の発生として定義されてもよいことが想定される。時刻は移動通信装置の内部クロックによって、または通信システムの放送チャンネルのクロック信号によって決定される。応答がイベントによって要求される場合、移動通信装置は、イベントの発生をユーザに警告する手段と、ユーザからの入力を求めて移動通信装置のユーザにプロンプトを提示する手段と、ステータスメッセージを送信する前にユーザから入力を受け取る手段と、をさらに備えている。視覚的表示を始めとする、ユーザにプロンプトを提示するために使用可能な種々の手段がある。好ましい実施形態では、視覚的表示は、選択可能に照明できるステータス応答ボタンを含み、そのような選択可能に照明できる応答ボタンはイベントが発生すると照明される。すなわち、イベントが起こると、移動通信装置は、光要素をオンにし、ステータス応答ボタンを照明する。
【0023】
発光ダイオードのような光要素は、さらに注意を引きつけるために点滅してもよい。ユーザにプロンプトを提示する別の手段は、ビープ音のような聴覚警告を発生するスピーカを含む。代わりに、プロンプトを提示する手段は、機械的振動器を含んでいてもよい。また、プロンプトを提示する手段が、移動通信装置のディスプレイと、移動通信装置のメモリに格納されるアイコンについて記述する少なくとも1つのアイコンファイルとを含み、ユーザにプロンプトを提示する間にディスプレイへのアイコンの表示を開始することも想定される。アイコンはイベントと関連するグラフィック画像であり、例えば、目的地の空港への到着に関連して使用される着陸中の飛行機を示す画像や動画グラフィックファイルである。
【0024】
イベントがユーザ認証を要求する場合、移動通信装置は指紋認識サブシステム、またはパスワードチャレンジ、もしくは音声認識システムのようなユーザ認証手段を備えていなければならない。移動通信装置はキーパッドとディスプレイを含む従来のユーザインタフェースを備えているが、入力を受け取る手段はステータス応答ボタンを備えていることが想定される。ステータス応答ボタンは、他のボタンより大きく、かつイベント発生時に容易にアクセスされ作動できる移動通信装置上の位置に配置されたボタンである。
【0025】
移動通信装置は、移動通信装置の現在位置のような周囲パラメータを決定するための追加のサブシステムをさらに備えていてもよい。従って、移動通信装置は、衛星測位サブシステムまたは移動通信装置の現在位置に関する情報を含むローカル信号を受信するローカル無線受信機サブシステムのような、現在の地理的位置を検出する手段を備えていることが想定される。
【0026】
本発明の別の実施形態では、本発明は、移動通信装置によって経験されたステータスイベントの発生を検出し、次に、そのステータスイベントに応答して移動通信装置から第2の相手にステータスメッセージを送信することにより、移動通信装置のユーザのステータスを報告する方法を提供する。本発明のこの実施形態は、イベント記述子ファイルを予めプログラムしなければならないのではなく、また、ユーザが自身の現在のステータスを通知したい第2の相手との実際の通話に従事する代わりに、ユーザが随意にステータスメッセージを生成することを可能にする。この代替実施形態は、先に記述したようなイベント記述子のユーザを許容しているが、ステータスメッセージを送りたいという希望を示している移動通信装置のユーザからの入力の検出も許容しており、これは、例えば移動通信装置のステータス応答ボタンの作動の検出や、同等に、ボタン押しの組み合わせ、または移動通信装置によって提供されるメニューインタフェースに対応するいわゆるソフトキーの作動による。ステータスを報告する方法は、イベントに関連するコンテキスト情報またはユーザがステータスメッセージを送信したい理由に関連するコンテキスト情報をユーザが送信することを可能にすることがさらに想定される。例えば、コンテキスト画像は、背景画像と、背景画像の上に重ね合わされたテキストまたは他の画像やアイコンとの合成物により形成された画像の背景として使用されてもよい。背景画像は、例えば、それをイベント記述ファイル内に含むことにより、または移動通信装置を通常選択可能にする種々のイベントに対応する様々な背景画像を提供することにより、自動的に選択され得る。代わりに、ユーザは移動通信装置に取り付けられるか内蔵されるかしたカメラにより画像を取得してもよく、捕捉された画像が背景画像として使用されてもよい。
【0027】
本発明の好ましい実施形態を図示し説明したが、本発明がそのように限定されるわけではないことは明らかである。添付の請求項により定義された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者には多くの修正物、変更物、変形物、置換物、ならびに等価物が想到されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による個人ステータスを報告する能力を有する移動通信システムおよび移動通信装置のシステムの略図。
【図2】本発明による個人ステータスを報告する能力を有する移動通信装置の略ブロック図。
【図3】本発明による移動通信装置のユーザのステータスを報告する方法のフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信装置のユーザのステータスを報告する方法であって、
移動通信装置におけるイベントを定義する少なくとも1つのイベント記述子を提供すること;
移動通信装置によって行なわれる、前記イベント記述子により定義されたイベントの発生を検出すること;および
前記イベントの発生を検出すると、予め選択された相手にステータスメッセージを送信すること;
からなる方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのイベント記述子を提供することは、イベント記述子中の地理的位置パラメータを提供することを含む、請求項1に記載のステータスを報告する方法。
【請求項3】
少なくとも1つの基準セットを提供することが、時間パラメータを含む、請求項1に記載のステータスを監視する方法。
【請求項4】
イベントの発生の検出に応じて、該イベントの発生を移動通信装置のユーザに警告すること;
ユーザからの入力を求めて移動通信装置のユーザにプロンプトを提示すること;および
ステータスメッセージを送信する前にユーザから入力を受け取ること;をさらに含む、請求項1に記載のステータスを報告する方法
【請求項5】
前記ユーザへのプロンプトの提示は、視覚的表示を含む、請求項4に記載のステータスを報告する方法。
【請求項6】
移動通信システムで使用され、移動通信装置のユーザのステータスを提供する移動通信装置であって、
移動通信システムと通信するトランシーバ;
イベントを定義する少なくとも1つのイベント記述子を備えたメモリ;
ユーザに情報を提供すると共にユーザから入力を受け取るユーザインタフェース;
前記少なくとも1つのイベント記述子によって定義されたイベントの発生を決定すべく、前記少なくとも1つのイベント記述子に対して移動通信装置の現在のステータスを評価するコントローラ;および
前記コントローラによって決定され、イベントの発生時に実行される、メモリ内に配置されたステータス応答命令コードであって、移動通信装置に、移動通信装置によって実行された時に予め選択された相手にステータス応答メッセージを送信させるステータス応答命令コード;
を備えた移動通信装置。
【請求項7】
少なくとも1つのイベント記述子は、地理的位置に対応する地理的位置パラメータを含み、移動通信装置の現在位置が該地理的位置と実質的に等しい場合にイベントが起こる、を含む、請求項6に記載の移動通信装置。
【請求項8】
移動通信装置の現在の地理的位置を決定する衛星測位サブシステムを含む、請求項7に記載の移動通信装置。
【請求項9】
移動通信装置の現在の地理的位置は、移動通信装置に現在の通信サービスを提供している通信システムの基地局によって送信された、移動通信装置で受け取られた制御メッセージによって決定される、請求項7に記載の移動通信装置。
【請求項10】
少なくとも1つのイベント記述子は、イベント時間に対応する時間パラメータを含み、現在時間がイベント時間と実質的に等しい場合にイベントが起こる、請求項6に記載の移動通信装置
【請求項11】
イベントの発生の検出に応じて、該イベントの発生を移動通信装置のユーザに警告する手段;
ユーザからの入力を求めて移動通信装置のユーザにプロンプトを提示する手段;および
ステータスメッセージを送信する前にユーザから入力を受け取る手段;をさらに備えた、請求項6に記載の移動通信装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2007−535220(P2007−535220A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545799(P2006−545799)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/041826
【国際公開番号】WO2005/065168
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.Bluetooth
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】