移植可能な補綴具弁
【課題】耐久性を増加し、弁を横切る圧力勾配を減少し、そしてこの弁の周りで適切なシールを提供し、そして移動を防ぐことを狙う特徴を備えた移植可能な弁を提供する。
【解決手段】本発明は、最初は、身体導管を通り標的位置までのカテーテル法に適切な狭い形態に縮められるように適合され、そして標的位置で状態によって展開されるように適合された弁補綴具を提供する。本発明は、また、補綴具弁アセンブリであって、(a)入口端部、および出口で折り畳み可能な壁を提示するように整列された従順な材料から作製される出口を有する弁;および(b)身体内の標的位置で位置決めされ、そして該弁のアセンブリを展開手段の使用によって展開するように適合された支持構造、を備える、補綴具弁アセンブリを提供する。
【解決手段】本発明は、最初は、身体導管を通り標的位置までのカテーテル法に適切な狭い形態に縮められるように適合され、そして標的位置で状態によって展開されるように適合された弁補綴具を提供する。本発明は、また、補綴具弁アセンブリであって、(a)入口端部、および出口で折り畳み可能な壁を提示するように整列された従順な材料から作製される出口を有する弁;および(b)身体内の標的位置で位置決めされ、そして該弁のアセンブリを展開手段の使用によって展開するように適合された支持構造、を備える、補綴具弁アセンブリを提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年4月23日に出願された米国仮出願第60/565,118号の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、移植可能なデバイスに関する。より詳細には、本発明は、心臓移植のための心臓弁補綴デバイスに関する。本発明はまた、その他の身体の腔、血管、または導管で利用され得る。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
ヒト身体中の生命維持に必要な流体の輸送は、弁によって多いに調節されている。生理的な弁は、血液、リンパ液、尿、胆汁などのような体液の逆流を防ぐように設計され、それによって、身体の流体動力学を適正な恒常性のための一方向性に維持する。例えば、静脈弁は、特に下部四肢からの血液の上方流れを心臓に向かって戻して維持し、その一方、リンパ管弁は、リンパ管内のリンパ液、特に手足のリンパ液の逆流を防ぐ。
【0004】
それらの共通の機能のため、弁は、相対サイズの変動にかかわらず、特定の解剖学的特徴を共有している。心臓弁は、30mmを超える直径を備えた身体中で最大の弁の1つであり、その一方、より小さい血管の弁は、1ミリメートルの一部分よりは大きくないかも知れない。しかし、それらのサイズにかかわらず、多くの生理学的弁は、洞(sinus)として知られる特有の解剖学的構造中に配置される。弁の洞は、この弁を収容する血管壁中の拡張または隆起として説明され得る。この洞の幾何学的形状は、弁の操作および流体動力学における機能を有する。1つの機能は、流体流れを、弁小葉が、収縮期の間のような、流れ速度のピークにおける血管の壁に接着することを防ぐ渦流れを生成するように案内することである。この洞の幾何学的形状の別の機能は、逆流圧力の開示時に、上記小葉の正確な閉鎖を容易にする流れを発生することである。この洞の幾何学的形状はまた、弁小葉または尖端に対する差次的流体流れ圧力によって奏されるストレスを減少することで重要である。
【0005】
従って、例えば、自然の大動脈根中のヴァルサルヴァ洞の洞内で生じる渦流れは、収縮期における大動脈弁の円滑な、段階的および温和な閉鎖を生成することで重要であることが示されている。血液は、この洞の湾曲した輪郭に沿って、そして弁小葉上に辿ることが許容されてそれらの閉鎖を行い、それによって、そうでなければ、弁小葉上への直接流体流れによって奏され得る圧力を減少する。このヴァルサルヴァ洞の洞はまた、冠状動脈口を含み、これは、心筋に供給する動脈の流出開口部である。弁の洞が、このような流出開口部を含むとき、それらは、心臓周期の全体で、このような血管に血液流れを提供するさらなる目的に供される。
【0006】
弁が、弁疾患または損傷の結果として異常な解剖学的構造および機能を示すとき、それらが調節するように設計された生理学的流れの一方向性流れは破壊され、増加した静水学的圧力を生じる。例えば、静脈の弁の機能不全は、血液の逆流および下部脚における貯留に至り、痛み、腫大および浮腫、皮膚の色の変化、および治療することが極度に困難であり得る皮膚潰瘍形成を生じる。リンパ管弁機能不全は、組織線維症および罹患した身体部分のひどい膨張をともなうリンパ水腫を生じ得る。心臓の弁疾患は、肺高血圧および浮腫、動脈細動、および僧帽弁および三尖弁狭窄の場合、右心臓不全;または僧帽弁逆流および大動脈狭窄の場合、肺うっ血左心室収縮損傷およびうっ血性心不全に至り得る。それらの病因学にかかわらず、すべての弁の疾患は、弁が適正に開かず、それを横切って流体流れを妨げ、そして流体圧力における上昇を引き起こし、弁が適正に閉じず、そして流体が弁を横切って戻って漏れ、逆流を生成するいずれかの狭窄を生じる。いくつかの弁は、狭窄および機能不全の両者を患い、その場合には、弁は完全に開かないか、または完全に閉鎖もしない。
【0007】
弁疾患の臨床結果の潜在的な重篤度のため、弁置換手術は、多くの本および論文で説明され、および示されるように、広範に用いられる医療手順になっている。弁の置換が必要であるとき、疾患または異常弁は、代表的には、切除され、そして機械的または組織弁のいずれかで置換される。従来の心臓弁置換手術は、胸部における長軸方向切開を通じて気患者の胸腔中の心臓に接近することを含む。例えば、胸骨正中切開は、胸骨を通って切断すること、および胸郭の2つの半分体が離れて広げられること、胸腔および中の心臓への接近を可能にすることを必要とする。患者は、次いで、心肺バイパス上に配置され、これは、内部チャンバーへの接近を許容するために心臓を停止することを含む。このような開放心臓手術は、特に侵襲的であり、そして長くかつ困難な回復期間を含む。患者が手術において費やす時間を減少または無くすことは、従って、真っ先に取り組むべき臨床優先度の目的である。
【0008】
手術において費やされる時間を減少するための1つの戦略は、置換弁を位置に縫合する必要性を無くすか、または減少することである。この目的に向かって、最小のまたは縫合糸の無い移植を可能にする弁アセンブリが、多いに有利であり得る。組織弁のような弁をステントのような支持構造に取り付けることは、最小または縫合糸の無い移植を可能にする弁アセンブリを可能にし得る。このような弁構築物は、組織小葉または支持弁が、崩れるかもしくは拡大された状態のいずれかの間、または摩耗を防ぐために両方の間、支持構造と接触しないような形態であることが重要である。このような接触は、弁小葉に対する所望されないストレスに寄与し得る。さらに、このような支持構造が、その全体が本明細書中に参考として援用される米国特許出願番号第09/772,526号に開示されるような貝状(scalloped)流入環を有する組織弁を適正に支持するような形態であることが有利である。
【0009】
従って、最小または縫合糸が無い、位置に固定され得る崩壊可能でかつ拡大可能な弁アセンブリを備え;弁の解剖学的最適位置を容易にし;弁の洞中に位置され得る血管のその他の血管開口部のための開放経路を維持し;そして組織弁小葉へのストレスを最小にするか、または減少する弁置換システムに対する必要性が存在する。本発明の弁は、対応する数の交連タブを備えて接続された複数の小葉を含み得る。一般に、しかし、所望の弁は、2〜4の小葉および交連タブを含む。その他の適切な弁の例は、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122、035号、同第10/153,286号、同第10/,153,290号に開示され、これらすべての開示は、それらの全体が、本明細書中に参考として援用される。同様に、2004年4月23日に出願された米国特許出願第10/831,770号に開示されたシステムおよび方法は、本明細書中に参考として全体が援用される。
【0010】
上記で述べられたように、開放−心臓弁置換は、長い冗漫な手順である。大動脈位置における生物義装具弁の移植には、外科医は、代表的には、大動脈を開き、そしてネイティブな弁を切除する。外科医は、次いで、この補綴弁を大動脈壁中の開口部を通って挿入し、そしてこの補綴具を、大動脈と左心室との接続部で固定する。弁の流入環は、左心室に、そして外科医の視野に対して面し、遠位環と称され得、その一方、弁の流出環は、大動脈に面し、そして近位環と称され得る。
【0011】
左心房および大動脈または僧帽弁に接近するための代替の手順は、大腿静脈から、右心房と左心房を分離する心臓中隔を通り血管内カテーテル法による。左心房および大動脈または僧帽弁に接近するためのなお別の代替は、大腿動脈から大動脈弁までの血管内カテーテル法による。
【0012】
その全体の内容が本明細書中に参考として援用されるAndersenらによる特許文献1は、内壁を有する身体チャネル中の移植のための弁補綴具を開示し、この補綴具は、半径方向に折り畳み可能、かつ拡大可能なステントを備え、このステントは、円筒面を有する円筒形支持手段;および交連点を有する折り畳み可能、かつ拡大可能な弁を含み、この弁は、交連点でステントにマウントされ、ここで、このステントおよび弁は、カテーテル法によって身体中に移植される形態である。組織弁と連結されるバルーン拡大可能なステントを利用することが本発明の1つの局面である。バルーン拡大可能なステントを利用する本発明における代替の実施形態は、自己拡大可能なステントを利用することである。バルーン拡大可能なステントを利用する本発明のなお別の代替の実施形態は、機械的手段で拡大され得るステントを利用することである。
【0013】
その全体の内容が参考として援用されるStermanらの特許文献2は、胸骨正中切開またはその他の全体の開胸切開の形態の必要性なくして、外傷、合併症のリスク、回復時間、および患者にとっての痛みを実質的に減少する、心臓または大血管内の介入を容易にするデバイスシステムおよび方法を開示する。この発明のデバイスシステムおよび方法を用いて、外科的手順が、患者の胸郭の肋間空間内の皮下貫通を通じて、患者の肋骨または胸骨のいずれの切断、取り出し、または有意な置換なくして実施され得る。このデバイスシステムおよび方法は、心臓弁修復および置換のために特に良好に適合され、患者の胸部の腔内の可視化、患者の自然の弁の修復または除去、および必要であれば、自然の弁位置への置換弁の取り付けを容易にする。
【0014】
その全体の内容が本明細書中に参考として援用されるHaluckの特許文献3は、内視鏡手順を実施することにおける使用のための外科用器具を開示し、ハンドル、および解剖学的腔の外部に配置されるためのハンドルと連結される近位端、および解剖学的腔内に配置されるための遠位端を有する細長い管状部材を有する。この遠位端は、上記ハンドルの操作によって作動可能な握る部分を形成する、一対の対向する、相対的に移動可能な顎をさらに含み、離脱可能なトロカールを離脱可能に握る。この離脱可能なトロカールは、相補的な形状のシャンク、比較的鋭い先端を有し、そしてこのトロカールの外面から外方に突出する、一対の鈍いエッジの組織分離器を含み得る。
【0015】
内視鏡検査法、および腹腔鏡検査法のような、最小侵襲的医療手順は、手術および病気の診断のために広く受容されるようになった。これは、患者への減少した外傷、および減少した入院時間に起因する。その他の技法が、身体の腔内に作業空間を生成するために存在する。大部分の腹腔鏡検査法の事例の開始時には、小切開が、そして次に、この腔への接近を得るように、組織壁の残存する層中に小(約1cm)ポートが作製される。
【0016】
その全体の内容が本明細書中に参考として援用されるHunsbergerの特許文献4は、遠位端および近位端を有するシャンク、および2つの実質的に平坦な面および切断輪郭を有する平面状の穿孔ブレードを含むトロカールアセンブリを開示し、ここで、この穿孔ブレードは、上記シャンクの遠位端に一体に取り付けられる。このシャンクは、上記穿孔ブレードの対向する平坦な面に向かって内方にテーパー状である。
【0017】
さらに、その全体の内容が本明細書中に参考として援用されるMcFarlaneの特許文献5は、医療分野で用いられるタイプであり、そしてトロカールアセンブリに関連する閉塞具の形態で具現化されても良いか、またはそうでなくても良い組織貫通器具を開示し、ここで、この器具は、もその1つの端部上に取り付けられた貫通先端を有する細長いシャフトを含む。この貫通先端は、シャフトの1つの端部に固定されるベース、およびこのベースから長軸方向の外方に間隔を置かれ、そして点または身体組織の貫通または穿刺を容易にする特有の構造のその他の形態によって規定され得る頂点に形成される遠位末端を含む。
【0018】
Spenserらは、それらの全体の内容が参考として本明細書中に援用される米国特許出願第09/975,750号、同第10/270,252号、および同第10/637,882号で、標的位置まで身体導管を通るカテーテル法に適切な狭い形態で初期に圧縮される支持ステントを備える移植可能な補綴弁を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許第6,582,462号明細書
【特許文献2】米国特許第6,283,127号明細書
【特許文献3】米国特許第6,685,724号明細書
【特許文献4】米国特許第6,613,063号明細書
【特許文献5】米国特許第6,478,806号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
置換弁を位置に保持するための縫合糸が無くされるか、または減少されるべき任意の弁の鍵となる特徴は:耐久力、弁を横切る低圧勾配、血管周囲の漏れを防ぐためのこの弁の周りの十分なシール、および移動を防ぐことである。従って、耐久性を増加し、弁を横切る圧力勾配を減少し、そしてこの弁の周りで適切なシールを提供し、そして移動を防ぐことを狙う特徴を備えた移植可能な弁を提供することが所望され得る。
【課題を解決するための手段】
【0021】
(発明の要旨)
本発明は、1つの実施形態では、標的位置まで身体導管を通るカテーテル法に適切な狭い形態に初期には縮められるよう適合され、そして上記標的位置内で展開された状態まで展開デバイスにより中から実質的に半径方向の力を奏することによって展開されるよう適合された展開可能な形態を備える支持ステントであって、複数の、固定された長さの長軸方向に剛直な支持ビームが提供される支持ステント;および入口端部および出口を有し、上記支持ビームに取り付けられた、曲げやすい(従順な)材料から作製され、上記出口で導管の折り畳み可能なゆるみ部分を提供し、それによって、流れが、該入口から該出口まで弁補綴具デバイスを通過することが可能とされるとき、バルブアセンブリが開放位置に維持され、その一方、このバルブアセンブリの上記折り畳み可能なゆるみ部分が内方に折り畳まれ、逆流に対するブロックを提供するとき逆流が防がれる可撓性導管を備える弁アセンブリ、を備える弁補綴具を提供する。
【0022】
本発明の別の実施形態では、上記支持ステントは、環状のフレームを備える。
【0023】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ステントは、ステンレス鋼から作製される。
【0024】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、三つの先端がある形態を有する。
【0025】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、生体適合性材料から作製される。
【0026】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、心嚢組織、またはその他の生物学的組織から作製される。
【0027】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、生体適合性ポリマーから作製される。
【0028】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、ポリウレタンおよびポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される材料から作製される。
【0029】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、ポリエチレンテレフタレートから作製される本体、およびポリウレタンから作製される小葉を備える。
【0030】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ステントは、ニッケルチタン合金から作製される。
【0031】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ビームは、上記バルブアセンブリのための係留を提供するように、実質的に等距離で、かつ実質的に平行である。
【0032】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ビームは、上記弁アセンブリのこのビームへの縫いつけまたは結ぶことを可能にするように、ボアが提供される。
【0033】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ビームには、上記弁支持構造に特別の剛直性を可能にするようにボアが提供されない。
【0034】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ビームは、上記支持ステントに化学的に接着される。
【0035】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、上記支持ビームにリベット付けされる。
【0036】
本発明のなお別の実施形態では、上記ビームは、鋳型を用いる注入により、または機械加工により製造される。
【0037】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、上記入口で上記支持ステントの上に巻かれる。
【0038】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁デバイスは、鍛造技法または浸漬技法を用いて製造される。
【0039】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリの小葉は、上記出口を正確に閉鎖するために必要であるより長く、それ故、それらが折り畳まれた状態にあるとき、互いに対して落ちるこの小葉の実質的部分がより良好なシールを生成する。
【0040】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、同じポリマーの被覆層によって被覆されたポリマーのコイルから作製される。
【0041】
本発明のなお別の実施形態では、上記ポリマーはポリウレタンである。
【0042】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ステントには、上記弁デバイスの位置および配向を追跡すること、および決定することを可能にするように重金属マーカーが提供される。
【0043】
本発明のなお別の実施形態では、上記重金属マーカーは、金、白金、イリジウム、コバルト、クロム、およびチタン合金もから選択される。
【0044】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリの小葉には、インビボで上記弁デバイスの操作を追跡することを支援するように、上記出口で放射線不透過性材料が提供される。
【0045】
本発明のなお別の実施形態では、上記放射線不透過性材料は、金の糸を備える。
【0046】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ステントの直径は、完全に展開されるとき、約15〜33mmの範囲内である。
【0047】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ステントの直径は、約4mmから約25mmまで拡大され得る。
【0048】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁支持ステントの直径は、約10mmから約25mmまで拡大され得る。
【0049】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ビームにはボアが提供され、そしてここで、上記弁アセンブリは、この弁アセンブリに固定され、しかも、上記支持ビーム上の一致するボアに適合する突出部分が提供されるU形状の剛直性部材によって上記支持ビームに取り付けられる。
【0050】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ビームは、フレーム構築の形状にある剛直性の支持ビームを備え、そして上記弁アセンブリの曲げやすい材料が、上記フレーム中のギャップを通って挿入され、そして固定ロッドが、この曲げやすい材料とフレームとの間に形成されたポケットを通って挿入され、そして上記弁をその位置に保持する。
【0051】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリの本体は、被覆材料で被覆されたコイル状ワイヤから作製される。
【0052】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁コイル状ワイヤおよび被覆材料は、ポリウレタンから作製される。
【0053】
本発明のなお別の実施形態では、強化ワイヤが、上記弁アセンブリの折り畳み可能なゆるい部分が周りにあたり得る断層線を規定するように、上記導管の出口で、上記弁アセンブリ中に絡み合わされる。
【0054】
本発明のなお別の実施形態では、上記強化ワイヤは、ニッケルチタン合金から作製される。
【0055】
本発明のなお別の実施形態では、身体導管中の移植のために適切である弁補綴具デバイスが提供され、このデバイスは、入口および出口を有する本体、および流れが入口から出口までこの導管を通って通過するとき、上記小葉が開放位置にあり、この流れがこの出口を出ることを可能にし、そしてこの流れが逆であるとき、上記小葉が上記出口をブロックするように折り畳まれるように上記出口に取り付けられた曲げやすい小葉を備え、ここで、この本体は、ポリエチレンテレフタレートから作製され、そして折り畳み可能な小葉は、ポリウレタンから作製される。
【0056】
本発明のなお別の実施形態では、ポリウレタンから作製される支持ビームが上記本体上に提供され、そしてここで上記小葉が、上記支持ビームで上記本体に取り付けられる。
【0057】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ビームは、上記本体に化学的に接着される。
【0058】
本発明のなお別の実施形態では、身体導管中の移植のために適切なバルブ補綴具デバイスが提供され、このデバイスは:
支持ステントであって、初期には、標的位置まで身体導管を通るカテーテル法に適切な狭い形態に縮められるよう適合され、そして標的位置における展開された状態に展開デバイスにより中から実質的に半径方向の力を奏することにより展開されるよう適合された展開可能な形態を備え、複数の、固定された長さの長軸方向に剛直性の支持ビームが提供される支持ステント;
支持ビームに取り付けられる曲げやすい材料から作製され、入口および出口を有する可撓性導管を備える弁アセンブリであって、上記出口でこの導管の折り畳み可能なゆるい部分を提供する弁アセンブリ;および
長軸方向に整列された、上記弁アセンブリ材料のゆるい部分に絡み合うか、または取り付けられる実質的に等距離の剛直性の支持ビーム、を備える。
【0059】
本発明のなお別の実施形態では、複数のプレートが、レバーおよびトランスミッションにより同時に移動するように適合されている。
【0060】
本発明のなお別の実施形態では、患者の心筋の左心室への入口にある自然の大動脈弁位置で、移植可能な補綴具弁デバイスを展開するための方法が提供され、この方法は:
(a)近位端および遠位端を有し、第1および第2の独立に膨張可能な部分を有し、この第1の膨張可能な部分がカテーテルの遠位端に位置し、そしてこの第2の膨張可能な部分がこの第1の膨張可能な部分の後に隣接するバルーンカテーテルを提供する工程;
(b)このバルーンカテーテルを患者の血管系に案内するための案内ツールを提供する工程;
(c)このバルーンカテーテルの第2の膨張可能な部分上に取り付けられるよう適合された展開可能で移植可能な弁補綴具デバイスを提供する工程;
(d)上記案内ツールを用いて患者の大動脈を通って上記バルーンカテーテルを案内する工程であって、上記弁デバイスが、上記バルーンカテーテルの第1の膨張可能な部分が左心室中に挿入されるまで上記バルーンカテーテルの第2の膨張可能な部分の上に取り付けられ、その一方、上記バルーンカテーテルの第2の膨張可能な部分が自然の大動脈弁位置に位置決めされる工程;
(e)上記自然の大動脈弁を通って流れる血液を実質的にブロックし、そして上記バルーンカテーテルの遠位端を位置に係留するように上記バルーンカテーテルの第1の膨張可能な部分を膨張する工程;
(f)上記膨張可能な補綴具弁デバイスを、上記自然の大動脈弁位置にある位置に展開するように上記バルーンカテーテルの第2の膨張可能な部分を膨張する工程;
(g)上記バルーンカテーテルの第1および第2の膨張可能な部分をしぼませる工程;
および
(h)上記バルーンカテーテルを退却し、そしてそれを患者の身体から除去する工程、
を包含する。
【0061】
本発明のなお別の実施形態では、上記案内ツールは、案内ワイヤを折衷する。
【0062】
いくつかのさらなる実施形態では、本発明は、患者の心筋の左心室への入口で自然の大動脈弁位置で移植可能な補綴具弁デバイスを展開するための方法を提供し、この方法は:
(a)近位端および遠位端を有し、第1および第2の独立に膨張可能な部分を有し、この第1の膨張可能な部分がカテーテルの遠位端に位置し、そしてこの第2の膨張可能な部分がこの第1の膨張可能な部分の後に隣接するバルーンカテーテルを提供する工程;
(b)このバルーンカテーテルを患者の血管系に案内するための案内ツールを提供する工程;
このバルーンカテーテルの第1の膨張可能な部分上に取り付けられるよう適合された展開可能で移植可能な弁補綴具デバイス、およびこのバルーンカテーテルの第2の膨張可能な部分上に取り付けられるように適合された展開可能な環状ステントを提供する工程であって、この展開可能で移植可能な弁補綴具デバイスおよび展開可能な環状ステントが所定の距離で離れて維持される工程;
(d)上記案内ツールを用いて患者の大動脈を通って上記バルーンカテーテルを案内する工程であって、上記弁デバイスが、上記バルーンカテーテルの第1の膨張可能な部分上に取り付けられ、そして上記バルーンカテーテルの第1の膨張可能な部分が、上記自然の大動脈位置に位置決めされるまで、上記展開可能な環状ステントが、上記バルーンカテーテルの第2の膨張可能な部分上に取り付けられる工程;
(e)上記展開可能なステントデバイスが上記大動脈内で展開され、それ故、上記展開可能な環状ステントおよび連結された弁デバイスを位置に係留するように上記バルーンカテーテルの第2の膨張可能な部分を膨張する工程;
(f)上記自然の大動脈弁位置で位置に上記膨張可能な補綴具弁デバイスを展開するように上記バルーンカテーテルの第1の膨張可能な部分を膨張する工程;
(g)上記バルーンカテーテルの第1および第2の膨張可能な部分をしぼませる工程;
および
(h)上記バルーンカテーテルを退却し、そしてそれを患者の身体から除去する工程、
を包含する。
【0063】
本発明で説明される弁デバイスの1つの目的は、支持構造に組織弁を取付ける新規な手段を提示することである。この支持構造に上記弁を取付ける手段は、この弁の耐久性を増加し、この弁を横切る圧力勾配を減少し、弁周囲の漏れを防ぐためにこの弁の周りにシールを提供し、そして移動を防ぎ得る。本発明の弁は、対応する数の交連タブを備えた複数の接続された小葉を備え得る。一般に、しかし、所望の弁は、2〜4の小葉および交連タブを含む。
【0064】
本発明の実施形態では、上記の弁は、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122,035号、同第10/153,286号、同第10/153,290号に開示される弁と類似であり、これらすべての開示は、それらの全体が本明細書中に参考して援用される。これら出願に記載される弁の直径は、弁の支持構造のオリフィス外径に等しいか、またはそれより小さくても良い。
【0065】
本発明のなお別の実施形態では、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122,035号、同第10/153,286号、同第10/153,290号に開示される弁は、弁が、有効弁直径が、弁の支持構造のオリフィスの直径より1〜5mmより小さい。このサイズは、弁小葉が、この支持構造を打つことを防ぐ。
【0066】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁は、ウマの心嚢から作製される。
【0067】
本発明のなお別の実施形態では、弁アセンブリのカフ(例えば、布)部分が、入口で支持ステントの周りに巻かれる。これは、ステントの安定性を高め得るが、さらに、本発明に記載されるカフ部分は、縫合糸を取付けるために用いられ得る。最も重要なことに、本発明のカフ部分は、弁の周りの血管周囲の漏れを低減することが意図される。弁構造と大動脈との間にシールを生成するためにこのようなカフを用いることは、血管周囲の漏れを防ぎ、そしてその環(または弁をのせるゾーン)が石灰化または不規則である患者で特に重要である。このカフはまた、弁デバイスと周辺との間の摩擦が増加されるとき、弁の移動を防ぎ得る。布カフを用いることはまた、組織内成長を誘導し得る。この布は、それが血液に曝されるとき最初に凝塊し得る。この布は、内皮および線維芽細胞を、そしてそれ故、布カフ中への組織内成長をさらに誘導し得る。
【0068】
本発明のなお別の実施形態では、上記布カフは、上記弁アセンブリ中でわずかにさらなる下流で、かなりより厚い布カフまで昇る弁アセンブリの入口部分の周りで薄い布被覆間にステップを生成する。このような「リップ」または「ステップ」は、正確な位置に弁補綴具を支援して位置決めおよび固定し得る。
【0069】
本発明のなおその他の実施形態では、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122,035号、同第10/153,286号、同第10/153,290号に開示される、貝殻状(scalloped)の流入エッジは、上記に記載の弁アセンブリのカフ部分上に固定される。カフの別の使用は、従って、貝殻状の流入エッジを備えた弁が非貝殻状のステントに取り付けられることを可能にすることである。
【0070】
本発明のなお別の実施形態では、上記ステントの支持ビームは、上記流入部分で拡大され、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122,035号、同第10/153,286号、同第10/153,290号に開示されるもののような、より長い長さの弁を収容する。
【0071】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ビームは、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122,035号、同第10/153,286号、同第10/153,290号に記載される弁のタブが取り付けられ得る流出エッジで小穴(eyelet)を形成する。これらバルブタブは、この小穴の周の周りでこれら小穴に縫合され得る。このような形態は、タブの周りのストレスを支援して分散し、そして弁の交連ポスト上の摩耗および裂けを減少する。
【0072】
本発明のなお別の実施形態では、上記に記載の支持ビームの小穴は布で覆われる。これら小穴およびタブを布で覆うことは、支援して組織内成長を誘導し得る。
【0073】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁デバイスは、代表的な大腿動脈または大腿静脈の直径を超えて縮められることができないように作製される(ここで、上記カテーテルは代表的には8mmを超えることはできない)。換言すれば、弁デバイスは、それが大腿動脈または大腿静脈を通じて移植されることができないように作製される。
【0074】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁デバイスは、それが製造された直後に縮められ、そして製造業者から、病院またはそれが移植される場所に縮んだ状態で出荷される。
【0075】
本発明のなお別の実施形態では、上記ステントは、形状記憶金属または形状記憶ポリマーから作製される。
【0076】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁デバイスのステントは、バルーン拡大可能であるように作製される。
【0077】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁デバイスのステントは、自己拡大可能であるように作製される。
【0078】
本発明は、生理学的弁の置換のためのシステムおよびデバイスを提供する。本発明の1つの実施形態では、この置換弁アセンブリは、弁の洞内に実質的に適合するように適合される。本発明によって提供されるデバイスおよび手順は、縫合の必要性を無くするか、または減少するので、手術における時間浪費が有意に減少され、そして手術にともなうリスクが最小にされる。さらに、本発明のデバイスは、カニューレまたはカテーテルによる送達に適切である。
【0079】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁デバイスのステントは、バルーン拡大の間に洞の領域中に拡大するように作製される。
【0080】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁デバイスのステントは、自己拡大の間に洞の領域中に拡大するように作製される。
【0081】
本発明のなお別の実施形態では、弁係留構造は、上記弁の洞内に実質的に配置されるような寸法で提供される。この実施形態では、この弁係留構造は、上記弁の洞領域の長さを実質的に横切って延びる。
【0082】
本発明の別の実施形態では、弁アセンブリが提供され、弁および係留構造を備え、ここで、この弁は、近位端および遠位端を有する本体、この近位端にある入口,およびこの遠位端にある出口を備える。この入口は、貝殻状または真っ直ぐなエッジのいずれかを備える、流入環を備える。この出口は、この遠位端で係留手段によって支持される複数のタブを備える。本発明の実施形態では、この複数のタブは、上記弁の周縁の周りで均一に間隔を置かれる。
【0083】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁と係留構造との間に最小の接触または接触がない弁アセンブリが提供される。
【0084】
本発明のなお別の実施形態では、上記バルブが、上記係留構造に接触することなく完全開放および完全閉鎖を達成し得る弁アセンブリが提供される。
【0085】
本発明のなお別の実施形態では、上記係留構造の垂直構成要素が、洞の腔の間の交連ポストに制限され、それによって、機械的構成要素と流体との間の接触を最小にし、および弁の洞中に位置される血管の流れを提供する弁アセンブリが提供される。
【0086】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁の洞に強固に固定され、上記弁の配置を固定するような縫合の必要性を未然に防ぐ弁が提供される。
【0087】
本発明のなお別の実施形態では、上記係留構造が、その最大直径の少なくとも50%まで折り畳まれ得る弁アセンブリが提供される。
【0088】
本発明のなおさらなるの実施形態では、拡大および縮小デバイスが提供され、上記弁および係留構造の移植を容易にするために提供される。
【0089】
別の実施形態では、本発明は、上記弁アセンブリを弁の洞に固定するための接着手段を提供する。
【0090】
本発明のなお別の実施形態では、弁サイジング装置が、ネイティブな弁サイズの非侵襲的決定のために提供される。
【0091】
本発明をより良好に理解し、そしてその実際の適用を認識するために、以下の図が提供され、そして本明細書で以後参照される。これらの図は、例示のみとして与えられ、そしていかなる方法でも本発明の範囲を制限しないことに注目すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図1は、側面から観察される弁構造、ステント、またフレームを示す。
【図2】図2は、側面から観察される弁構造、ステント、またフレームを示す。
【図3】図3は、等角図法から観察される弁構造、ステント、またフレームを示す。
【図4】図4は、頂部(すなわち、流出側)から観察される弁構造、ステント、またフレームを示す。
【図5】図5は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。
【図6】図6は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。
【図7】図7は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。
【図8】図8は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。
【図9】図9は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。弁がまた、この図では取り付けられている。この弁のタブは、フレームの小穴と整列されている。
【図10】図10は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。弁がまた、この図では取り付けられている。この弁のタブは、フレームの小穴と整列されている。
【図11】図11は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。弁がまた、この図では取り付けられている。この弁のタブは、フレームの小穴と整列されている。
【図12】図12は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。弁がまた、この図では取り付けられている。この弁のタブは、フレームの小穴と整列されている。
【図13】図13は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。弁がまた、この図では取り付けられている。この弁のタブは、フレームの小穴と整列されている。布が付加され、そしてフレームの小穴に取り付けられた弁のタブを維持する。
【図14】図14は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。弁がまた、この図では取り付けられている。この弁のタブは、フレームの小穴と整列されている。布が付加され、そしてフレームの小穴に取り付けられた弁のタブを維持する。
【図15】図15は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。弁がまた、この図では取り付けられている。この弁のタブは、フレームの小穴と整列されている。布が付加され、そしてフレームの小穴に取り付けられた弁のタブを維持する。
【図16】図16は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。弁がまた、この図では取り付けられている。この弁のタブは、フレームの小穴と整列されている。布が付加され、そしてフレームの小穴に取り付けられた弁のタブを維持する。
【図17】図17は、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122,035号、同第10/153,286号、同第10/153,290号に記載される小葉の1つを示し、そして、これが、フレームおよびフレーム小穴とどのように整列されるのかを示す。上記流入エッジの周りの布カフは、明瞭さのために除去されている。
【図18】図18は、プロトタイプの弁補綴具の流出側を示す。
【図19】図19は、プロトタイプの弁補綴具の流入側を示す。
【図20】図20は、プロトタイプの弁補綴具の側面図である。
【図21】図21は、7.5mmまで縮められた弁アセンブリのステントを示す。
【図22】図22は、フレーム小穴への弁タブの組立てを示す。
【図23】図23は、タブ/小穴アセンブリの最終布被覆を示す。
【発明を実施するための形態】
【0093】
(例示の実施形態の詳細な説明)
本発明の主要な局面は、移植可能な補綴具弁のためのいくつかの新規な設計の導入である。本発明の別の局面は、本発明による移植可能な補綴具弁の製造のためのいくつかの製造方法の開示である。本発明のさらなる局面は、本発明の弁に適切な新規な展開および位置決め技法の提供である。
【0094】
基本的には、本発明の移植可能な補綴具弁は、出口において折り畳み可能な壁を提示するように配列された曲げやすい材料から作製され、入口端部および出口を有する導管からなる。この弁アセンブリは、身体導管内の標的位置で位置決めされるように適合されたステントのような支持構造上に取り付けられ、バルーンカテーテルまたは類似のデバイスのような展開手段の使用によりこの弁アセンブリを展開する。安全かつ簡便な皮下位置決めおよび展開に適切な実施形態では、上記環状フレームは、2つの位置、すなわち、提示される導管通路断面がデバイスをその標的位置に向かって進行することを許容するように小さい縮んだ位置、およびこのフレームが、身体導管壁に対して支持を提供するように(展開手段により)その中から奏される力によって半径方向に展開され、上記弁を位置に固定し、そしてこの導管を通って流れることを可能にするようにそれ自身を開放する展開された位置をとらせられ得る。
【0095】
上記弁アセンブリは、天然組織、心嚢組織またはその他の生物学的組織のような、生物学的材料から作製され得る。あるいは、上記弁アセンブリは、生体適合性ポリマーまたは類似の材料から作成され得る。同綴異義語の生物学的弁は、ときどきの置換を必要とし(通常、5〜14年)、そして、これは、外科医が、患者のタイプに従って適正な弁インプラントを選択するときに考慮しなければならない考慮である。より良好な耐久性品質を有する金属の機械的弁は、長期間の抗凝固処置にともなうリスクを保持している。
【0096】
上記フレームは、ニッケルチタンのような形状記憶合金(商標名Nitinolの下で市販されているような、ニッケルチタン形状記憶合金、またはNiTi)、またはその他の生体適合性金属から作製され得る。本発明の移植可能な弁の経皮的に移植可能な実施形態は、所望の標的位置の位置に係留するように位置決め、そしてより広い展開された形態に展開可能であるための狭い形態に縮められるために適切でなければならない。
【0097】
上記支持ステントは、好ましくは環状であるが、所望の標的位置通路の断面形状に依存して、また、その他の形状で提供され得る。
【0098】
本発明の移植可能な補綴具弁の製造は、種々の方法、例えば、浸漬すること、注入、エレクトロスピニング、回転、アイアニング、またはプレッシングによりなされ得る。
【0099】
上記弁アセンブリの上記支持ステントへの取り付けは、それを支持ステント上のいくつかの係留点に縫うこと、またはそれをリベット付けすること、それをピンで留めること、またはそれを接着することによるような、いくつかの方法で達成され得、支持ステント上にキャストもしくは成形される弁アセンブリを提供するか、または任意のその他の適切な取り付けの方法を用いる。
【0100】
上記入口からの漏れを防ぐために、必要に応じて、上記フレームのエッジの上に、この入口で巻き上げられたスリーブ様部分を提示するようにこの入口の特定のたるんだ壁を巻き上げることが可能である。
【0101】
さらに、浮遊支持体が、上記デバイスの安定性を増大するため、およびそれが裏返しになることを防ぐために付加され得る。
【0102】
本発明の特定の実施形態の重要な局面は、全体の支持ステントが長軸方向にまたは側方に延ばされ得る間に、その長軸方向寸法を保持する支持ステントを取り込んだ剛直性の支持ビームの提供である。
【0103】
前述の実施形態およびその他の実施形態、製造方法、異なる設計および異なるタイプのデバイスが、添付の図面を参照して以下に論議および説明される。これらの図面は、本発明を理解するため、そして本発明のいくつかの好ましい実施形態を提示するためのみで与えられるが、これは、いかなる様式においても、添付の請求項で規定されるような本発明の範囲を制限しないことに注目のこと。
【0104】
ここで、図1への参照がなされ、これは、展開された位置で示された弁支持構造またはフレームを示す。このフレームは、入口9および出口側10を有する。このフレームは、狭い形態を提示するように均一に縮められるよう設計されたネット様フレームで整列され、そして身体導管中の移植のために標的位置で通路を占めるよう延びるように半径方向に展開可能である。支持ビーム3は、環状支持ステント2上に提供され、この弁に対する剛直性および係留を提供する。支持ビーム3は、ボアとともに提供され得、弁に対する取り付けを提供する。現在の図では、上記支持ビームは、ステントに対する特別の剛直性を提供するように中実である。この支持ビーム3は、流出エッジで卵形小穴1中に移行する。
【0105】
図2〜4は、異なる視野から図1で観察されるのと同じフレームを示す。
【0106】
全体の弁構造が半径方向に縮められ、そして半径方向に拡大されるように適合され、そしてこれが、このデバイスの位置決め、および最終位置上の適切な展開の間に、血管系中の狭い経路を通る操縦の容易さを提供するために役に立つことに注目のこと。これは、折り畳み可能な支持ステント構造の提供によって可能にされる。しかし、この支持ビームは、常に、同じ長さを維持する。この支持ビームは、同じ長さを維持するので、この弁の流入エッジとタブ取り付け物との間の距離は、縮みおよび拡大の間に維持される。これは、この弁が、適正に機能することを可能にする。先行技術の移植可能な弁デバイスでは、全支持構造は、その寸法を、その最初の縮んだ位置および最終展開位置からその寸法を変化し、そしてこれは、この支持構造への弁アセンブリの取り付けにおいて、これらの寸法変化を考慮に入れなければならず、そしてたるんだ材料を、このデバイスの展開に際し、弁アセンブリが裂けないか、または変形しないように残すことを意味する。本発明の弁デバイスでは、弁アセンブリと支持ビームとの間の(デバイスの長軸方向中央軸に沿う)相対的移動はない。結果として、本発明の弁デバイスは、より大きな耐久性を獲得し、そして心臓内で一般的な厳しい条件に耐え得る。本発明の弁デバイスの新規な設計は、長軸方向強度および剛直性に至り、その一方その折り畳み得る支持構造は、半径方向の可撓性を生じる。
【0107】
図5は、ステントの流入エッジにおける布カフ(4および5)を示す。この布カフは、薄い布カフ5およびより厚い布カフ4からなり得、そしてそれ故、これら2つのカフの間の交点でリップ11を生成する。この「リップ」または「ステップ」は、正確な位置に弁を配置および固定することを支援し得る。それは、例えば、大動脈位置に配置されるとき、流入環において弁補綴具を支援して保持し得る。
【0108】
図6〜8は、異なる視野からの、図5に見られるのと同じフレームおよび組織カフを示す。
【0109】
図9は、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122,035号、同第10/153,286号、同第10/153,290号に開示される弁の1つを示す。この弁のタブ7は、支持ビームの小穴1と整列される。この小穴1の全体のサイズは、タブ7のサイズに一致する。この弁6は、フレーム9の流入側に取り付けられ、そして布カフ5および4に縫合される。
【0110】
図10〜12は、異なる視野から、図9で観察されるのと同じ弁アセンブリを示す。
【0111】
図13は、完全な弁アセンブリを示す。この図では、タブ7および小穴1は布8で覆われる。布カフでタブ7を覆うことは、組織内成長を誘導し得る。この布は、それが血液に曝されるとき、最初は、血餅が付き得る。この布は、さらに内皮および線維芽細胞、そしてこれ故組織内成長を誘導し得る。このようにしてタブ7および小穴1を覆うことはまた、全体のタブを横切る交連ポストよって観察される負荷を支援して分散する。
【0112】
図14〜16は、異なる視野からの図13に見られるのと同じ弁アセンブリを示す。
【0113】
図17は、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122,035号、同第10/153,286号、同第10/153,290号に開示される小葉12の1つを示し、そしてこれがどのようにフレーム15およびフレーム小穴13と整列されるのかを示す。流入エッジの周りの布カフは、明瞭さのために除去されている。図17で明瞭である別の実施形態は、小葉14の貝殻状エッジが、ステント15の入口に対してどのような位置決めされるのかを示す。
【0114】
図18〜20は、アセンブルされたプロトタイプの弁の写真を示す。
【0115】
図21は、7.5mmまで縮められたステントの写真を示す。
【0116】
図22は、フレーム小穴への弁タブの組立てを示す。
【0117】
図23は、タブ/小穴アセンブリの最終の布被覆を示す。
【0118】
大動脈補綴具弁の代表的なサイズは、直径が約19〜約31mmである。大腿動脈中に挿入されるカテーテルの最大サイズは、直径が8mmを超えない。本発明は、その直径が約4mm〜約33mmまで変化する能力を有するデバイスを導入する。人工弁は新規ではない;しかし、本発明により人工弁は、送達の目的のために形状およびサイズを変化する能力を所有し、そしてそれ故、新規である。これらの新たに設計された弁は、新規な製造方法および技術的発明および改良を必要とし、これらのいくつかが本明細書で説明された。
【0119】
先に記載されたように、本発明の1つの実施形態は、大腿動脈または静脈のサイズ未満にステントが縮められることを不可能にすることである。換言すれば、ステントが、大腿動脈または静脈のサイズを超えるよりさらに縮められ得ることを防ぐような様式で、機械的ストップを生成し得るか、または組織もしくは布を付加し得る。このようにして、このステントは、それが、大腿静脈または大腿動脈接近を通じて意図的に用いられ得るようにされる。弁アセンブリに対してこのようなサイズ束縛を生成することは、弁アセンブリの寿命を延長するためのより頑丈なデバイスを生成することを可能にし得る。このようなデバイスは、「心臓弁送達のための方法およびシステム」と題する、2004年4月23日に提出された米国特許出願に詳細に記載されるように、心臓の尖部を通じて移植され得る。この特許の初期版は、現在の仮出願と同時に提出される。現時点で出願番号は存在していない。この出願は、この仮特許出願に追加され、そしてその全体が本明細書によって本出願に含められる。
【0120】
先に述べたように、上記弁が作製され得る材料は、生物学的または人工のいずれでもあり得る。いずれの事例においても、このような弁を生成するために新たな技法が必要である。
【0121】
身体にこの弁を取付けるために、血管が、送達の間のサイズ、およびそれが効率的に作動するための条件を決定し、小サイズに縮められ、より大きなサイズまで拡大され、そして弁機能のための支持体として作用するに十分強くあり得る、折り畳み可能な形態でそれを取り付ける必要性がある。大きな「ステント」にいくぶん類似しているこの形態は、Nitinol、生体適合性ステンレス鋼、ポリマー材料またはすべての組み合わせのような異なる材料から作製され得る。ステントのための特別の要求は、本明細書中で論議された、いくつかの実施形態の主題である。
【0122】
折り畳み可能なステント上への弁の取り付けは、課題の新たな分野である。この課題に対する新たな解決が本明細書中で説明される。
【0123】
本発明の弁の設計の別の主要な局面は、身体への取り付けである。
【0124】
この弁装置のなお別の主要な局面は、弁のフレームへの取り付けである。
【0125】
伝統的な手順では、上記弁は、複雑な縫合手順によって場所に縫合される。経皮的手順の場合には、移植部位への直接接近はなく、それ故、異なる取り付け技法が必要である。
【0126】
本明細書中で扱われる別の新たな課題は、送達手順であり、これは、新規かつ特有である。正確な位置および配向で身体中に上記デバイスを位置決めすることは、本明細書で開示されたような上記デバイスおよび外科部位の特別のマーク付け、および測定方法を必要とする。
【0127】
人工ポリマー弁は、棚(shelf)の上に維持されるときの特別な処理および特別な条件、および特別の滅菌手順を必要とする。棚処理の結果の1つは、移植手順の間に弁を縮ませる必要性である。一連のデバイスおよびこの縮ませる手順を可能にする発明が本明細書中に開示されている。
【0128】
本明細書中に提示される実施形態の説明および添付の図面は、添付の請求項によって包含されるようなその範囲を制限することなく、本発明のより良い理解のためにのみ供されることは明瞭である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年4月23日に出願された米国仮出願第60/565,118号の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、移植可能なデバイスに関する。より詳細には、本発明は、心臓移植のための心臓弁補綴デバイスに関する。本発明はまた、その他の身体の腔、血管、または導管で利用され得る。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
ヒト身体中の生命維持に必要な流体の輸送は、弁によって多いに調節されている。生理的な弁は、血液、リンパ液、尿、胆汁などのような体液の逆流を防ぐように設計され、それによって、身体の流体動力学を適正な恒常性のための一方向性に維持する。例えば、静脈弁は、特に下部四肢からの血液の上方流れを心臓に向かって戻して維持し、その一方、リンパ管弁は、リンパ管内のリンパ液、特に手足のリンパ液の逆流を防ぐ。
【0004】
それらの共通の機能のため、弁は、相対サイズの変動にかかわらず、特定の解剖学的特徴を共有している。心臓弁は、30mmを超える直径を備えた身体中で最大の弁の1つであり、その一方、より小さい血管の弁は、1ミリメートルの一部分よりは大きくないかも知れない。しかし、それらのサイズにかかわらず、多くの生理学的弁は、洞(sinus)として知られる特有の解剖学的構造中に配置される。弁の洞は、この弁を収容する血管壁中の拡張または隆起として説明され得る。この洞の幾何学的形状は、弁の操作および流体動力学における機能を有する。1つの機能は、流体流れを、弁小葉が、収縮期の間のような、流れ速度のピークにおける血管の壁に接着することを防ぐ渦流れを生成するように案内することである。この洞の幾何学的形状の別の機能は、逆流圧力の開示時に、上記小葉の正確な閉鎖を容易にする流れを発生することである。この洞の幾何学的形状はまた、弁小葉または尖端に対する差次的流体流れ圧力によって奏されるストレスを減少することで重要である。
【0005】
従って、例えば、自然の大動脈根中のヴァルサルヴァ洞の洞内で生じる渦流れは、収縮期における大動脈弁の円滑な、段階的および温和な閉鎖を生成することで重要であることが示されている。血液は、この洞の湾曲した輪郭に沿って、そして弁小葉上に辿ることが許容されてそれらの閉鎖を行い、それによって、そうでなければ、弁小葉上への直接流体流れによって奏され得る圧力を減少する。このヴァルサルヴァ洞の洞はまた、冠状動脈口を含み、これは、心筋に供給する動脈の流出開口部である。弁の洞が、このような流出開口部を含むとき、それらは、心臓周期の全体で、このような血管に血液流れを提供するさらなる目的に供される。
【0006】
弁が、弁疾患または損傷の結果として異常な解剖学的構造および機能を示すとき、それらが調節するように設計された生理学的流れの一方向性流れは破壊され、増加した静水学的圧力を生じる。例えば、静脈の弁の機能不全は、血液の逆流および下部脚における貯留に至り、痛み、腫大および浮腫、皮膚の色の変化、および治療することが極度に困難であり得る皮膚潰瘍形成を生じる。リンパ管弁機能不全は、組織線維症および罹患した身体部分のひどい膨張をともなうリンパ水腫を生じ得る。心臓の弁疾患は、肺高血圧および浮腫、動脈細動、および僧帽弁および三尖弁狭窄の場合、右心臓不全;または僧帽弁逆流および大動脈狭窄の場合、肺うっ血左心室収縮損傷およびうっ血性心不全に至り得る。それらの病因学にかかわらず、すべての弁の疾患は、弁が適正に開かず、それを横切って流体流れを妨げ、そして流体圧力における上昇を引き起こし、弁が適正に閉じず、そして流体が弁を横切って戻って漏れ、逆流を生成するいずれかの狭窄を生じる。いくつかの弁は、狭窄および機能不全の両者を患い、その場合には、弁は完全に開かないか、または完全に閉鎖もしない。
【0007】
弁疾患の臨床結果の潜在的な重篤度のため、弁置換手術は、多くの本および論文で説明され、および示されるように、広範に用いられる医療手順になっている。弁の置換が必要であるとき、疾患または異常弁は、代表的には、切除され、そして機械的または組織弁のいずれかで置換される。従来の心臓弁置換手術は、胸部における長軸方向切開を通じて気患者の胸腔中の心臓に接近することを含む。例えば、胸骨正中切開は、胸骨を通って切断すること、および胸郭の2つの半分体が離れて広げられること、胸腔および中の心臓への接近を可能にすることを必要とする。患者は、次いで、心肺バイパス上に配置され、これは、内部チャンバーへの接近を許容するために心臓を停止することを含む。このような開放心臓手術は、特に侵襲的であり、そして長くかつ困難な回復期間を含む。患者が手術において費やす時間を減少または無くすことは、従って、真っ先に取り組むべき臨床優先度の目的である。
【0008】
手術において費やされる時間を減少するための1つの戦略は、置換弁を位置に縫合する必要性を無くすか、または減少することである。この目的に向かって、最小のまたは縫合糸の無い移植を可能にする弁アセンブリが、多いに有利であり得る。組織弁のような弁をステントのような支持構造に取り付けることは、最小または縫合糸の無い移植を可能にする弁アセンブリを可能にし得る。このような弁構築物は、組織小葉または支持弁が、崩れるかもしくは拡大された状態のいずれかの間、または摩耗を防ぐために両方の間、支持構造と接触しないような形態であることが重要である。このような接触は、弁小葉に対する所望されないストレスに寄与し得る。さらに、このような支持構造が、その全体が本明細書中に参考として援用される米国特許出願番号第09/772,526号に開示されるような貝状(scalloped)流入環を有する組織弁を適正に支持するような形態であることが有利である。
【0009】
従って、最小または縫合糸が無い、位置に固定され得る崩壊可能でかつ拡大可能な弁アセンブリを備え;弁の解剖学的最適位置を容易にし;弁の洞中に位置され得る血管のその他の血管開口部のための開放経路を維持し;そして組織弁小葉へのストレスを最小にするか、または減少する弁置換システムに対する必要性が存在する。本発明の弁は、対応する数の交連タブを備えて接続された複数の小葉を含み得る。一般に、しかし、所望の弁は、2〜4の小葉および交連タブを含む。その他の適切な弁の例は、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122、035号、同第10/153,286号、同第10/,153,290号に開示され、これらすべての開示は、それらの全体が、本明細書中に参考として援用される。同様に、2004年4月23日に出願された米国特許出願第10/831,770号に開示されたシステムおよび方法は、本明細書中に参考として全体が援用される。
【0010】
上記で述べられたように、開放−心臓弁置換は、長い冗漫な手順である。大動脈位置における生物義装具弁の移植には、外科医は、代表的には、大動脈を開き、そしてネイティブな弁を切除する。外科医は、次いで、この補綴弁を大動脈壁中の開口部を通って挿入し、そしてこの補綴具を、大動脈と左心室との接続部で固定する。弁の流入環は、左心室に、そして外科医の視野に対して面し、遠位環と称され得、その一方、弁の流出環は、大動脈に面し、そして近位環と称され得る。
【0011】
左心房および大動脈または僧帽弁に接近するための代替の手順は、大腿静脈から、右心房と左心房を分離する心臓中隔を通り血管内カテーテル法による。左心房および大動脈または僧帽弁に接近するためのなお別の代替は、大腿動脈から大動脈弁までの血管内カテーテル法による。
【0012】
その全体の内容が本明細書中に参考として援用されるAndersenらによる特許文献1は、内壁を有する身体チャネル中の移植のための弁補綴具を開示し、この補綴具は、半径方向に折り畳み可能、かつ拡大可能なステントを備え、このステントは、円筒面を有する円筒形支持手段;および交連点を有する折り畳み可能、かつ拡大可能な弁を含み、この弁は、交連点でステントにマウントされ、ここで、このステントおよび弁は、カテーテル法によって身体中に移植される形態である。組織弁と連結されるバルーン拡大可能なステントを利用することが本発明の1つの局面である。バルーン拡大可能なステントを利用する本発明における代替の実施形態は、自己拡大可能なステントを利用することである。バルーン拡大可能なステントを利用する本発明のなお別の代替の実施形態は、機械的手段で拡大され得るステントを利用することである。
【0013】
その全体の内容が参考として援用されるStermanらの特許文献2は、胸骨正中切開またはその他の全体の開胸切開の形態の必要性なくして、外傷、合併症のリスク、回復時間、および患者にとっての痛みを実質的に減少する、心臓または大血管内の介入を容易にするデバイスシステムおよび方法を開示する。この発明のデバイスシステムおよび方法を用いて、外科的手順が、患者の胸郭の肋間空間内の皮下貫通を通じて、患者の肋骨または胸骨のいずれの切断、取り出し、または有意な置換なくして実施され得る。このデバイスシステムおよび方法は、心臓弁修復および置換のために特に良好に適合され、患者の胸部の腔内の可視化、患者の自然の弁の修復または除去、および必要であれば、自然の弁位置への置換弁の取り付けを容易にする。
【0014】
その全体の内容が本明細書中に参考として援用されるHaluckの特許文献3は、内視鏡手順を実施することにおける使用のための外科用器具を開示し、ハンドル、および解剖学的腔の外部に配置されるためのハンドルと連結される近位端、および解剖学的腔内に配置されるための遠位端を有する細長い管状部材を有する。この遠位端は、上記ハンドルの操作によって作動可能な握る部分を形成する、一対の対向する、相対的に移動可能な顎をさらに含み、離脱可能なトロカールを離脱可能に握る。この離脱可能なトロカールは、相補的な形状のシャンク、比較的鋭い先端を有し、そしてこのトロカールの外面から外方に突出する、一対の鈍いエッジの組織分離器を含み得る。
【0015】
内視鏡検査法、および腹腔鏡検査法のような、最小侵襲的医療手順は、手術および病気の診断のために広く受容されるようになった。これは、患者への減少した外傷、および減少した入院時間に起因する。その他の技法が、身体の腔内に作業空間を生成するために存在する。大部分の腹腔鏡検査法の事例の開始時には、小切開が、そして次に、この腔への接近を得るように、組織壁の残存する層中に小(約1cm)ポートが作製される。
【0016】
その全体の内容が本明細書中に参考として援用されるHunsbergerの特許文献4は、遠位端および近位端を有するシャンク、および2つの実質的に平坦な面および切断輪郭を有する平面状の穿孔ブレードを含むトロカールアセンブリを開示し、ここで、この穿孔ブレードは、上記シャンクの遠位端に一体に取り付けられる。このシャンクは、上記穿孔ブレードの対向する平坦な面に向かって内方にテーパー状である。
【0017】
さらに、その全体の内容が本明細書中に参考として援用されるMcFarlaneの特許文献5は、医療分野で用いられるタイプであり、そしてトロカールアセンブリに関連する閉塞具の形態で具現化されても良いか、またはそうでなくても良い組織貫通器具を開示し、ここで、この器具は、もその1つの端部上に取り付けられた貫通先端を有する細長いシャフトを含む。この貫通先端は、シャフトの1つの端部に固定されるベース、およびこのベースから長軸方向の外方に間隔を置かれ、そして点または身体組織の貫通または穿刺を容易にする特有の構造のその他の形態によって規定され得る頂点に形成される遠位末端を含む。
【0018】
Spenserらは、それらの全体の内容が参考として本明細書中に援用される米国特許出願第09/975,750号、同第10/270,252号、および同第10/637,882号で、標的位置まで身体導管を通るカテーテル法に適切な狭い形態で初期に圧縮される支持ステントを備える移植可能な補綴弁を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許第6,582,462号明細書
【特許文献2】米国特許第6,283,127号明細書
【特許文献3】米国特許第6,685,724号明細書
【特許文献4】米国特許第6,613,063号明細書
【特許文献5】米国特許第6,478,806号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
置換弁を位置に保持するための縫合糸が無くされるか、または減少されるべき任意の弁の鍵となる特徴は:耐久力、弁を横切る低圧勾配、血管周囲の漏れを防ぐためのこの弁の周りの十分なシール、および移動を防ぐことである。従って、耐久性を増加し、弁を横切る圧力勾配を減少し、そしてこの弁の周りで適切なシールを提供し、そして移動を防ぐことを狙う特徴を備えた移植可能な弁を提供することが所望され得る。
【課題を解決するための手段】
【0021】
(発明の要旨)
本発明は、1つの実施形態では、標的位置まで身体導管を通るカテーテル法に適切な狭い形態に初期には縮められるよう適合され、そして上記標的位置内で展開された状態まで展開デバイスにより中から実質的に半径方向の力を奏することによって展開されるよう適合された展開可能な形態を備える支持ステントであって、複数の、固定された長さの長軸方向に剛直な支持ビームが提供される支持ステント;および入口端部および出口を有し、上記支持ビームに取り付けられた、曲げやすい(従順な)材料から作製され、上記出口で導管の折り畳み可能なゆるみ部分を提供し、それによって、流れが、該入口から該出口まで弁補綴具デバイスを通過することが可能とされるとき、バルブアセンブリが開放位置に維持され、その一方、このバルブアセンブリの上記折り畳み可能なゆるみ部分が内方に折り畳まれ、逆流に対するブロックを提供するとき逆流が防がれる可撓性導管を備える弁アセンブリ、を備える弁補綴具を提供する。
【0022】
本発明の別の実施形態では、上記支持ステントは、環状のフレームを備える。
【0023】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ステントは、ステンレス鋼から作製される。
【0024】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、三つの先端がある形態を有する。
【0025】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、生体適合性材料から作製される。
【0026】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、心嚢組織、またはその他の生物学的組織から作製される。
【0027】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、生体適合性ポリマーから作製される。
【0028】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、ポリウレタンおよびポリエチレンテレフタレートからなる群から選択される材料から作製される。
【0029】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、ポリエチレンテレフタレートから作製される本体、およびポリウレタンから作製される小葉を備える。
【0030】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ステントは、ニッケルチタン合金から作製される。
【0031】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ビームは、上記バルブアセンブリのための係留を提供するように、実質的に等距離で、かつ実質的に平行である。
【0032】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ビームは、上記弁アセンブリのこのビームへの縫いつけまたは結ぶことを可能にするように、ボアが提供される。
【0033】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ビームには、上記弁支持構造に特別の剛直性を可能にするようにボアが提供されない。
【0034】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ビームは、上記支持ステントに化学的に接着される。
【0035】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、上記支持ビームにリベット付けされる。
【0036】
本発明のなお別の実施形態では、上記ビームは、鋳型を用いる注入により、または機械加工により製造される。
【0037】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、上記入口で上記支持ステントの上に巻かれる。
【0038】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁デバイスは、鍛造技法または浸漬技法を用いて製造される。
【0039】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリの小葉は、上記出口を正確に閉鎖するために必要であるより長く、それ故、それらが折り畳まれた状態にあるとき、互いに対して落ちるこの小葉の実質的部分がより良好なシールを生成する。
【0040】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリは、同じポリマーの被覆層によって被覆されたポリマーのコイルから作製される。
【0041】
本発明のなお別の実施形態では、上記ポリマーはポリウレタンである。
【0042】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ステントには、上記弁デバイスの位置および配向を追跡すること、および決定することを可能にするように重金属マーカーが提供される。
【0043】
本発明のなお別の実施形態では、上記重金属マーカーは、金、白金、イリジウム、コバルト、クロム、およびチタン合金もから選択される。
【0044】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリの小葉には、インビボで上記弁デバイスの操作を追跡することを支援するように、上記出口で放射線不透過性材料が提供される。
【0045】
本発明のなお別の実施形態では、上記放射線不透過性材料は、金の糸を備える。
【0046】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ステントの直径は、完全に展開されるとき、約15〜33mmの範囲内である。
【0047】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ステントの直径は、約4mmから約25mmまで拡大され得る。
【0048】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁支持ステントの直径は、約10mmから約25mmまで拡大され得る。
【0049】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ビームにはボアが提供され、そしてここで、上記弁アセンブリは、この弁アセンブリに固定され、しかも、上記支持ビーム上の一致するボアに適合する突出部分が提供されるU形状の剛直性部材によって上記支持ビームに取り付けられる。
【0050】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ビームは、フレーム構築の形状にある剛直性の支持ビームを備え、そして上記弁アセンブリの曲げやすい材料が、上記フレーム中のギャップを通って挿入され、そして固定ロッドが、この曲げやすい材料とフレームとの間に形成されたポケットを通って挿入され、そして上記弁をその位置に保持する。
【0051】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁アセンブリの本体は、被覆材料で被覆されたコイル状ワイヤから作製される。
【0052】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁コイル状ワイヤおよび被覆材料は、ポリウレタンから作製される。
【0053】
本発明のなお別の実施形態では、強化ワイヤが、上記弁アセンブリの折り畳み可能なゆるい部分が周りにあたり得る断層線を規定するように、上記導管の出口で、上記弁アセンブリ中に絡み合わされる。
【0054】
本発明のなお別の実施形態では、上記強化ワイヤは、ニッケルチタン合金から作製される。
【0055】
本発明のなお別の実施形態では、身体導管中の移植のために適切である弁補綴具デバイスが提供され、このデバイスは、入口および出口を有する本体、および流れが入口から出口までこの導管を通って通過するとき、上記小葉が開放位置にあり、この流れがこの出口を出ることを可能にし、そしてこの流れが逆であるとき、上記小葉が上記出口をブロックするように折り畳まれるように上記出口に取り付けられた曲げやすい小葉を備え、ここで、この本体は、ポリエチレンテレフタレートから作製され、そして折り畳み可能な小葉は、ポリウレタンから作製される。
【0056】
本発明のなお別の実施形態では、ポリウレタンから作製される支持ビームが上記本体上に提供され、そしてここで上記小葉が、上記支持ビームで上記本体に取り付けられる。
【0057】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ビームは、上記本体に化学的に接着される。
【0058】
本発明のなお別の実施形態では、身体導管中の移植のために適切なバルブ補綴具デバイスが提供され、このデバイスは:
支持ステントであって、初期には、標的位置まで身体導管を通るカテーテル法に適切な狭い形態に縮められるよう適合され、そして標的位置における展開された状態に展開デバイスにより中から実質的に半径方向の力を奏することにより展開されるよう適合された展開可能な形態を備え、複数の、固定された長さの長軸方向に剛直性の支持ビームが提供される支持ステント;
支持ビームに取り付けられる曲げやすい材料から作製され、入口および出口を有する可撓性導管を備える弁アセンブリであって、上記出口でこの導管の折り畳み可能なゆるい部分を提供する弁アセンブリ;および
長軸方向に整列された、上記弁アセンブリ材料のゆるい部分に絡み合うか、または取り付けられる実質的に等距離の剛直性の支持ビーム、を備える。
【0059】
本発明のなお別の実施形態では、複数のプレートが、レバーおよびトランスミッションにより同時に移動するように適合されている。
【0060】
本発明のなお別の実施形態では、患者の心筋の左心室への入口にある自然の大動脈弁位置で、移植可能な補綴具弁デバイスを展開するための方法が提供され、この方法は:
(a)近位端および遠位端を有し、第1および第2の独立に膨張可能な部分を有し、この第1の膨張可能な部分がカテーテルの遠位端に位置し、そしてこの第2の膨張可能な部分がこの第1の膨張可能な部分の後に隣接するバルーンカテーテルを提供する工程;
(b)このバルーンカテーテルを患者の血管系に案内するための案内ツールを提供する工程;
(c)このバルーンカテーテルの第2の膨張可能な部分上に取り付けられるよう適合された展開可能で移植可能な弁補綴具デバイスを提供する工程;
(d)上記案内ツールを用いて患者の大動脈を通って上記バルーンカテーテルを案内する工程であって、上記弁デバイスが、上記バルーンカテーテルの第1の膨張可能な部分が左心室中に挿入されるまで上記バルーンカテーテルの第2の膨張可能な部分の上に取り付けられ、その一方、上記バルーンカテーテルの第2の膨張可能な部分が自然の大動脈弁位置に位置決めされる工程;
(e)上記自然の大動脈弁を通って流れる血液を実質的にブロックし、そして上記バルーンカテーテルの遠位端を位置に係留するように上記バルーンカテーテルの第1の膨張可能な部分を膨張する工程;
(f)上記膨張可能な補綴具弁デバイスを、上記自然の大動脈弁位置にある位置に展開するように上記バルーンカテーテルの第2の膨張可能な部分を膨張する工程;
(g)上記バルーンカテーテルの第1および第2の膨張可能な部分をしぼませる工程;
および
(h)上記バルーンカテーテルを退却し、そしてそれを患者の身体から除去する工程、
を包含する。
【0061】
本発明のなお別の実施形態では、上記案内ツールは、案内ワイヤを折衷する。
【0062】
いくつかのさらなる実施形態では、本発明は、患者の心筋の左心室への入口で自然の大動脈弁位置で移植可能な補綴具弁デバイスを展開するための方法を提供し、この方法は:
(a)近位端および遠位端を有し、第1および第2の独立に膨張可能な部分を有し、この第1の膨張可能な部分がカテーテルの遠位端に位置し、そしてこの第2の膨張可能な部分がこの第1の膨張可能な部分の後に隣接するバルーンカテーテルを提供する工程;
(b)このバルーンカテーテルを患者の血管系に案内するための案内ツールを提供する工程;
このバルーンカテーテルの第1の膨張可能な部分上に取り付けられるよう適合された展開可能で移植可能な弁補綴具デバイス、およびこのバルーンカテーテルの第2の膨張可能な部分上に取り付けられるように適合された展開可能な環状ステントを提供する工程であって、この展開可能で移植可能な弁補綴具デバイスおよび展開可能な環状ステントが所定の距離で離れて維持される工程;
(d)上記案内ツールを用いて患者の大動脈を通って上記バルーンカテーテルを案内する工程であって、上記弁デバイスが、上記バルーンカテーテルの第1の膨張可能な部分上に取り付けられ、そして上記バルーンカテーテルの第1の膨張可能な部分が、上記自然の大動脈位置に位置決めされるまで、上記展開可能な環状ステントが、上記バルーンカテーテルの第2の膨張可能な部分上に取り付けられる工程;
(e)上記展開可能なステントデバイスが上記大動脈内で展開され、それ故、上記展開可能な環状ステントおよび連結された弁デバイスを位置に係留するように上記バルーンカテーテルの第2の膨張可能な部分を膨張する工程;
(f)上記自然の大動脈弁位置で位置に上記膨張可能な補綴具弁デバイスを展開するように上記バルーンカテーテルの第1の膨張可能な部分を膨張する工程;
(g)上記バルーンカテーテルの第1および第2の膨張可能な部分をしぼませる工程;
および
(h)上記バルーンカテーテルを退却し、そしてそれを患者の身体から除去する工程、
を包含する。
【0063】
本発明で説明される弁デバイスの1つの目的は、支持構造に組織弁を取付ける新規な手段を提示することである。この支持構造に上記弁を取付ける手段は、この弁の耐久性を増加し、この弁を横切る圧力勾配を減少し、弁周囲の漏れを防ぐためにこの弁の周りにシールを提供し、そして移動を防ぎ得る。本発明の弁は、対応する数の交連タブを備えた複数の接続された小葉を備え得る。一般に、しかし、所望の弁は、2〜4の小葉および交連タブを含む。
【0064】
本発明の実施形態では、上記の弁は、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122,035号、同第10/153,286号、同第10/153,290号に開示される弁と類似であり、これらすべての開示は、それらの全体が本明細書中に参考して援用される。これら出願に記載される弁の直径は、弁の支持構造のオリフィス外径に等しいか、またはそれより小さくても良い。
【0065】
本発明のなお別の実施形態では、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122,035号、同第10/153,286号、同第10/153,290号に開示される弁は、弁が、有効弁直径が、弁の支持構造のオリフィスの直径より1〜5mmより小さい。このサイズは、弁小葉が、この支持構造を打つことを防ぐ。
【0066】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁は、ウマの心嚢から作製される。
【0067】
本発明のなお別の実施形態では、弁アセンブリのカフ(例えば、布)部分が、入口で支持ステントの周りに巻かれる。これは、ステントの安定性を高め得るが、さらに、本発明に記載されるカフ部分は、縫合糸を取付けるために用いられ得る。最も重要なことに、本発明のカフ部分は、弁の周りの血管周囲の漏れを低減することが意図される。弁構造と大動脈との間にシールを生成するためにこのようなカフを用いることは、血管周囲の漏れを防ぎ、そしてその環(または弁をのせるゾーン)が石灰化または不規則である患者で特に重要である。このカフはまた、弁デバイスと周辺との間の摩擦が増加されるとき、弁の移動を防ぎ得る。布カフを用いることはまた、組織内成長を誘導し得る。この布は、それが血液に曝されるとき最初に凝塊し得る。この布は、内皮および線維芽細胞を、そしてそれ故、布カフ中への組織内成長をさらに誘導し得る。
【0068】
本発明のなお別の実施形態では、上記布カフは、上記弁アセンブリ中でわずかにさらなる下流で、かなりより厚い布カフまで昇る弁アセンブリの入口部分の周りで薄い布被覆間にステップを生成する。このような「リップ」または「ステップ」は、正確な位置に弁補綴具を支援して位置決めおよび固定し得る。
【0069】
本発明のなおその他の実施形態では、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122,035号、同第10/153,286号、同第10/153,290号に開示される、貝殻状(scalloped)の流入エッジは、上記に記載の弁アセンブリのカフ部分上に固定される。カフの別の使用は、従って、貝殻状の流入エッジを備えた弁が非貝殻状のステントに取り付けられることを可能にすることである。
【0070】
本発明のなお別の実施形態では、上記ステントの支持ビームは、上記流入部分で拡大され、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122,035号、同第10/153,286号、同第10/153,290号に開示されるもののような、より長い長さの弁を収容する。
【0071】
本発明のなお別の実施形態では、上記支持ビームは、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122,035号、同第10/153,286号、同第10/153,290号に記載される弁のタブが取り付けられ得る流出エッジで小穴(eyelet)を形成する。これらバルブタブは、この小穴の周の周りでこれら小穴に縫合され得る。このような形態は、タブの周りのストレスを支援して分散し、そして弁の交連ポスト上の摩耗および裂けを減少する。
【0072】
本発明のなお別の実施形態では、上記に記載の支持ビームの小穴は布で覆われる。これら小穴およびタブを布で覆うことは、支援して組織内成長を誘導し得る。
【0073】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁デバイスは、代表的な大腿動脈または大腿静脈の直径を超えて縮められることができないように作製される(ここで、上記カテーテルは代表的には8mmを超えることはできない)。換言すれば、弁デバイスは、それが大腿動脈または大腿静脈を通じて移植されることができないように作製される。
【0074】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁デバイスは、それが製造された直後に縮められ、そして製造業者から、病院またはそれが移植される場所に縮んだ状態で出荷される。
【0075】
本発明のなお別の実施形態では、上記ステントは、形状記憶金属または形状記憶ポリマーから作製される。
【0076】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁デバイスのステントは、バルーン拡大可能であるように作製される。
【0077】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁デバイスのステントは、自己拡大可能であるように作製される。
【0078】
本発明は、生理学的弁の置換のためのシステムおよびデバイスを提供する。本発明の1つの実施形態では、この置換弁アセンブリは、弁の洞内に実質的に適合するように適合される。本発明によって提供されるデバイスおよび手順は、縫合の必要性を無くするか、または減少するので、手術における時間浪費が有意に減少され、そして手術にともなうリスクが最小にされる。さらに、本発明のデバイスは、カニューレまたはカテーテルによる送達に適切である。
【0079】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁デバイスのステントは、バルーン拡大の間に洞の領域中に拡大するように作製される。
【0080】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁デバイスのステントは、自己拡大の間に洞の領域中に拡大するように作製される。
【0081】
本発明のなお別の実施形態では、弁係留構造は、上記弁の洞内に実質的に配置されるような寸法で提供される。この実施形態では、この弁係留構造は、上記弁の洞領域の長さを実質的に横切って延びる。
【0082】
本発明の別の実施形態では、弁アセンブリが提供され、弁および係留構造を備え、ここで、この弁は、近位端および遠位端を有する本体、この近位端にある入口,およびこの遠位端にある出口を備える。この入口は、貝殻状または真っ直ぐなエッジのいずれかを備える、流入環を備える。この出口は、この遠位端で係留手段によって支持される複数のタブを備える。本発明の実施形態では、この複数のタブは、上記弁の周縁の周りで均一に間隔を置かれる。
【0083】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁と係留構造との間に最小の接触または接触がない弁アセンブリが提供される。
【0084】
本発明のなお別の実施形態では、上記バルブが、上記係留構造に接触することなく完全開放および完全閉鎖を達成し得る弁アセンブリが提供される。
【0085】
本発明のなお別の実施形態では、上記係留構造の垂直構成要素が、洞の腔の間の交連ポストに制限され、それによって、機械的構成要素と流体との間の接触を最小にし、および弁の洞中に位置される血管の流れを提供する弁アセンブリが提供される。
【0086】
本発明のなお別の実施形態では、上記弁の洞に強固に固定され、上記弁の配置を固定するような縫合の必要性を未然に防ぐ弁が提供される。
【0087】
本発明のなお別の実施形態では、上記係留構造が、その最大直径の少なくとも50%まで折り畳まれ得る弁アセンブリが提供される。
【0088】
本発明のなおさらなるの実施形態では、拡大および縮小デバイスが提供され、上記弁および係留構造の移植を容易にするために提供される。
【0089】
別の実施形態では、本発明は、上記弁アセンブリを弁の洞に固定するための接着手段を提供する。
【0090】
本発明のなお別の実施形態では、弁サイジング装置が、ネイティブな弁サイズの非侵襲的決定のために提供される。
【0091】
本発明をより良好に理解し、そしてその実際の適用を認識するために、以下の図が提供され、そして本明細書で以後参照される。これらの図は、例示のみとして与えられ、そしていかなる方法でも本発明の範囲を制限しないことに注目すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図1は、側面から観察される弁構造、ステント、またフレームを示す。
【図2】図2は、側面から観察される弁構造、ステント、またフレームを示す。
【図3】図3は、等角図法から観察される弁構造、ステント、またフレームを示す。
【図4】図4は、頂部(すなわち、流出側)から観察される弁構造、ステント、またフレームを示す。
【図5】図5は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。
【図6】図6は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。
【図7】図7は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。
【図8】図8は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。
【図9】図9は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。弁がまた、この図では取り付けられている。この弁のタブは、フレームの小穴と整列されている。
【図10】図10は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。弁がまた、この図では取り付けられている。この弁のタブは、フレームの小穴と整列されている。
【図11】図11は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。弁がまた、この図では取り付けられている。この弁のタブは、フレームの小穴と整列されている。
【図12】図12は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。弁がまた、この図では取り付けられている。この弁のタブは、フレームの小穴と整列されている。
【図13】図13は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。弁がまた、この図では取り付けられている。この弁のタブは、フレームの小穴と整列されている。布が付加され、そしてフレームの小穴に取り付けられた弁のタブを維持する。
【図14】図14は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。弁がまた、この図では取り付けられている。この弁のタブは、フレームの小穴と整列されている。布が付加され、そしてフレームの小穴に取り付けられた弁のタブを維持する。
【図15】図15は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。弁がまた、この図では取り付けられている。この弁のタブは、フレームの小穴と整列されている。布が付加され、そしてフレームの小穴に取り付けられた弁のタブを維持する。
【図16】図16は、流入エッジの周りの布カバーを備えたフレームを示す。弁がまた、この図では取り付けられている。この弁のタブは、フレームの小穴と整列されている。布が付加され、そしてフレームの小穴に取り付けられた弁のタブを維持する。
【図17】図17は、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122,035号、同第10/153,286号、同第10/153,290号に記載される小葉の1つを示し、そして、これが、フレームおよびフレーム小穴とどのように整列されるのかを示す。上記流入エッジの周りの布カフは、明瞭さのために除去されている。
【図18】図18は、プロトタイプの弁補綴具の流出側を示す。
【図19】図19は、プロトタイプの弁補綴具の流入側を示す。
【図20】図20は、プロトタイプの弁補綴具の側面図である。
【図21】図21は、7.5mmまで縮められた弁アセンブリのステントを示す。
【図22】図22は、フレーム小穴への弁タブの組立てを示す。
【図23】図23は、タブ/小穴アセンブリの最終布被覆を示す。
【発明を実施するための形態】
【0093】
(例示の実施形態の詳細な説明)
本発明の主要な局面は、移植可能な補綴具弁のためのいくつかの新規な設計の導入である。本発明の別の局面は、本発明による移植可能な補綴具弁の製造のためのいくつかの製造方法の開示である。本発明のさらなる局面は、本発明の弁に適切な新規な展開および位置決め技法の提供である。
【0094】
基本的には、本発明の移植可能な補綴具弁は、出口において折り畳み可能な壁を提示するように配列された曲げやすい材料から作製され、入口端部および出口を有する導管からなる。この弁アセンブリは、身体導管内の標的位置で位置決めされるように適合されたステントのような支持構造上に取り付けられ、バルーンカテーテルまたは類似のデバイスのような展開手段の使用によりこの弁アセンブリを展開する。安全かつ簡便な皮下位置決めおよび展開に適切な実施形態では、上記環状フレームは、2つの位置、すなわち、提示される導管通路断面がデバイスをその標的位置に向かって進行することを許容するように小さい縮んだ位置、およびこのフレームが、身体導管壁に対して支持を提供するように(展開手段により)その中から奏される力によって半径方向に展開され、上記弁を位置に固定し、そしてこの導管を通って流れることを可能にするようにそれ自身を開放する展開された位置をとらせられ得る。
【0095】
上記弁アセンブリは、天然組織、心嚢組織またはその他の生物学的組織のような、生物学的材料から作製され得る。あるいは、上記弁アセンブリは、生体適合性ポリマーまたは類似の材料から作成され得る。同綴異義語の生物学的弁は、ときどきの置換を必要とし(通常、5〜14年)、そして、これは、外科医が、患者のタイプに従って適正な弁インプラントを選択するときに考慮しなければならない考慮である。より良好な耐久性品質を有する金属の機械的弁は、長期間の抗凝固処置にともなうリスクを保持している。
【0096】
上記フレームは、ニッケルチタンのような形状記憶合金(商標名Nitinolの下で市販されているような、ニッケルチタン形状記憶合金、またはNiTi)、またはその他の生体適合性金属から作製され得る。本発明の移植可能な弁の経皮的に移植可能な実施形態は、所望の標的位置の位置に係留するように位置決め、そしてより広い展開された形態に展開可能であるための狭い形態に縮められるために適切でなければならない。
【0097】
上記支持ステントは、好ましくは環状であるが、所望の標的位置通路の断面形状に依存して、また、その他の形状で提供され得る。
【0098】
本発明の移植可能な補綴具弁の製造は、種々の方法、例えば、浸漬すること、注入、エレクトロスピニング、回転、アイアニング、またはプレッシングによりなされ得る。
【0099】
上記弁アセンブリの上記支持ステントへの取り付けは、それを支持ステント上のいくつかの係留点に縫うこと、またはそれをリベット付けすること、それをピンで留めること、またはそれを接着することによるような、いくつかの方法で達成され得、支持ステント上にキャストもしくは成形される弁アセンブリを提供するか、または任意のその他の適切な取り付けの方法を用いる。
【0100】
上記入口からの漏れを防ぐために、必要に応じて、上記フレームのエッジの上に、この入口で巻き上げられたスリーブ様部分を提示するようにこの入口の特定のたるんだ壁を巻き上げることが可能である。
【0101】
さらに、浮遊支持体が、上記デバイスの安定性を増大するため、およびそれが裏返しになることを防ぐために付加され得る。
【0102】
本発明の特定の実施形態の重要な局面は、全体の支持ステントが長軸方向にまたは側方に延ばされ得る間に、その長軸方向寸法を保持する支持ステントを取り込んだ剛直性の支持ビームの提供である。
【0103】
前述の実施形態およびその他の実施形態、製造方法、異なる設計および異なるタイプのデバイスが、添付の図面を参照して以下に論議および説明される。これらの図面は、本発明を理解するため、そして本発明のいくつかの好ましい実施形態を提示するためのみで与えられるが、これは、いかなる様式においても、添付の請求項で規定されるような本発明の範囲を制限しないことに注目のこと。
【0104】
ここで、図1への参照がなされ、これは、展開された位置で示された弁支持構造またはフレームを示す。このフレームは、入口9および出口側10を有する。このフレームは、狭い形態を提示するように均一に縮められるよう設計されたネット様フレームで整列され、そして身体導管中の移植のために標的位置で通路を占めるよう延びるように半径方向に展開可能である。支持ビーム3は、環状支持ステント2上に提供され、この弁に対する剛直性および係留を提供する。支持ビーム3は、ボアとともに提供され得、弁に対する取り付けを提供する。現在の図では、上記支持ビームは、ステントに対する特別の剛直性を提供するように中実である。この支持ビーム3は、流出エッジで卵形小穴1中に移行する。
【0105】
図2〜4は、異なる視野から図1で観察されるのと同じフレームを示す。
【0106】
全体の弁構造が半径方向に縮められ、そして半径方向に拡大されるように適合され、そしてこれが、このデバイスの位置決め、および最終位置上の適切な展開の間に、血管系中の狭い経路を通る操縦の容易さを提供するために役に立つことに注目のこと。これは、折り畳み可能な支持ステント構造の提供によって可能にされる。しかし、この支持ビームは、常に、同じ長さを維持する。この支持ビームは、同じ長さを維持するので、この弁の流入エッジとタブ取り付け物との間の距離は、縮みおよび拡大の間に維持される。これは、この弁が、適正に機能することを可能にする。先行技術の移植可能な弁デバイスでは、全支持構造は、その寸法を、その最初の縮んだ位置および最終展開位置からその寸法を変化し、そしてこれは、この支持構造への弁アセンブリの取り付けにおいて、これらの寸法変化を考慮に入れなければならず、そしてたるんだ材料を、このデバイスの展開に際し、弁アセンブリが裂けないか、または変形しないように残すことを意味する。本発明の弁デバイスでは、弁アセンブリと支持ビームとの間の(デバイスの長軸方向中央軸に沿う)相対的移動はない。結果として、本発明の弁デバイスは、より大きな耐久性を獲得し、そして心臓内で一般的な厳しい条件に耐え得る。本発明の弁デバイスの新規な設計は、長軸方向強度および剛直性に至り、その一方その折り畳み得る支持構造は、半径方向の可撓性を生じる。
【0107】
図5は、ステントの流入エッジにおける布カフ(4および5)を示す。この布カフは、薄い布カフ5およびより厚い布カフ4からなり得、そしてそれ故、これら2つのカフの間の交点でリップ11を生成する。この「リップ」または「ステップ」は、正確な位置に弁を配置および固定することを支援し得る。それは、例えば、大動脈位置に配置されるとき、流入環において弁補綴具を支援して保持し得る。
【0108】
図6〜8は、異なる視野からの、図5に見られるのと同じフレームおよび組織カフを示す。
【0109】
図9は、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122,035号、同第10/153,286号、同第10/153,290号に開示される弁の1つを示す。この弁のタブ7は、支持ビームの小穴1と整列される。この小穴1の全体のサイズは、タブ7のサイズに一致する。この弁6は、フレーム9の流入側に取り付けられ、そして布カフ5および4に縫合される。
【0110】
図10〜12は、異なる視野から、図9で観察されるのと同じ弁アセンブリを示す。
【0111】
図13は、完全な弁アセンブリを示す。この図では、タブ7および小穴1は布8で覆われる。布カフでタブ7を覆うことは、組織内成長を誘導し得る。この布は、それが血液に曝されるとき、最初は、血餅が付き得る。この布は、さらに内皮および線維芽細胞、そしてこれ故組織内成長を誘導し得る。このようにしてタブ7および小穴1を覆うことはまた、全体のタブを横切る交連ポストよって観察される負荷を支援して分散する。
【0112】
図14〜16は、異なる視野からの図13に見られるのと同じ弁アセンブリを示す。
【0113】
図17は、米国特許出願第09/772,526号、同第09/853,463号、同第09/924,970号、同第10/121,208号、同第10/122,035号、同第10/153,286号、同第10/153,290号に開示される小葉12の1つを示し、そしてこれがどのようにフレーム15およびフレーム小穴13と整列されるのかを示す。流入エッジの周りの布カフは、明瞭さのために除去されている。図17で明瞭である別の実施形態は、小葉14の貝殻状エッジが、ステント15の入口に対してどのような位置決めされるのかを示す。
【0114】
図18〜20は、アセンブルされたプロトタイプの弁の写真を示す。
【0115】
図21は、7.5mmまで縮められたステントの写真を示す。
【0116】
図22は、フレーム小穴への弁タブの組立てを示す。
【0117】
図23は、タブ/小穴アセンブリの最終の布被覆を示す。
【0118】
大動脈補綴具弁の代表的なサイズは、直径が約19〜約31mmである。大腿動脈中に挿入されるカテーテルの最大サイズは、直径が8mmを超えない。本発明は、その直径が約4mm〜約33mmまで変化する能力を有するデバイスを導入する。人工弁は新規ではない;しかし、本発明により人工弁は、送達の目的のために形状およびサイズを変化する能力を所有し、そしてそれ故、新規である。これらの新たに設計された弁は、新規な製造方法および技術的発明および改良を必要とし、これらのいくつかが本明細書で説明された。
【0119】
先に記載されたように、本発明の1つの実施形態は、大腿動脈または静脈のサイズ未満にステントが縮められることを不可能にすることである。換言すれば、ステントが、大腿動脈または静脈のサイズを超えるよりさらに縮められ得ることを防ぐような様式で、機械的ストップを生成し得るか、または組織もしくは布を付加し得る。このようにして、このステントは、それが、大腿静脈または大腿動脈接近を通じて意図的に用いられ得るようにされる。弁アセンブリに対してこのようなサイズ束縛を生成することは、弁アセンブリの寿命を延長するためのより頑丈なデバイスを生成することを可能にし得る。このようなデバイスは、「心臓弁送達のための方法およびシステム」と題する、2004年4月23日に提出された米国特許出願に詳細に記載されるように、心臓の尖部を通じて移植され得る。この特許の初期版は、現在の仮出願と同時に提出される。現時点で出願番号は存在していない。この出願は、この仮特許出願に追加され、そしてその全体が本明細書によって本出願に含められる。
【0120】
先に述べたように、上記弁が作製され得る材料は、生物学的または人工のいずれでもあり得る。いずれの事例においても、このような弁を生成するために新たな技法が必要である。
【0121】
身体にこの弁を取付けるために、血管が、送達の間のサイズ、およびそれが効率的に作動するための条件を決定し、小サイズに縮められ、より大きなサイズまで拡大され、そして弁機能のための支持体として作用するに十分強くあり得る、折り畳み可能な形態でそれを取り付ける必要性がある。大きな「ステント」にいくぶん類似しているこの形態は、Nitinol、生体適合性ステンレス鋼、ポリマー材料またはすべての組み合わせのような異なる材料から作製され得る。ステントのための特別の要求は、本明細書中で論議された、いくつかの実施形態の主題である。
【0122】
折り畳み可能なステント上への弁の取り付けは、課題の新たな分野である。この課題に対する新たな解決が本明細書中で説明される。
【0123】
本発明の弁の設計の別の主要な局面は、身体への取り付けである。
【0124】
この弁装置のなお別の主要な局面は、弁のフレームへの取り付けである。
【0125】
伝統的な手順では、上記弁は、複雑な縫合手順によって場所に縫合される。経皮的手順の場合には、移植部位への直接接近はなく、それ故、異なる取り付け技法が必要である。
【0126】
本明細書中で扱われる別の新たな課題は、送達手順であり、これは、新規かつ特有である。正確な位置および配向で身体中に上記デバイスを位置決めすることは、本明細書で開示されたような上記デバイスおよび外科部位の特別のマーク付け、および測定方法を必要とする。
【0127】
人工ポリマー弁は、棚(shelf)の上に維持されるときの特別な処理および特別な条件、および特別の滅菌手順を必要とする。棚処理の結果の1つは、移植手順の間に弁を縮ませる必要性である。一連のデバイスおよびこの縮ませる手順を可能にする発明が本明細書中に開示されている。
【0128】
本明細書中に提示される実施形態の説明および添付の図面は、添付の請求項によって包含されるようなその範囲を制限することなく、本発明のより良い理解のためにのみ供されることは明瞭である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補綴具弁アセンブリであって:
(a)入口端部、および出口で折り畳み可能な壁を提示するように整列された従順な材料から作製される出口を有する弁;および
(b)身体内の標的位置で位置決めされ、そして該弁のアセンブリを展開手段の使用によって展開するように適合された支持構造、を備える、補綴具弁アセンブリ。
【請求項1】
補綴具弁アセンブリであって:
(a)入口端部、および出口で折り畳み可能な壁を提示するように整列された従順な材料から作製される出口を有する弁;および
(b)身体内の標的位置で位置決めされ、そして該弁のアセンブリを展開手段の使用によって展開するように適合された支持構造、を備える、補綴具弁アセンブリ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2013−66772(P2013−66772A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−280031(P2012−280031)
【出願日】平成24年12月21日(2012.12.21)
【分割の表示】特願2007−509662(P2007−509662)の分割
【原出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【出願人】(502208733)メドトロニック スリーエフ セラピューティクス,インコーポレイティド (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−280031(P2012−280031)
【出願日】平成24年12月21日(2012.12.21)
【分割の表示】特願2007−509662(P2007−509662)の分割
【原出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【出願人】(502208733)メドトロニック スリーエフ セラピューティクス,インコーポレイティド (5)
【Fターム(参考)】
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