穀物乾燥機の表示装置
【課題】
穀物乾燥機において液晶表示画面の劣化を防止しながら、乾燥作業時には乾燥進行内容と乾燥条件設定内容とを分かりやすく表示する。
【解決手段】
穀物乾燥機の張込運転や乾燥運転の運転状態をLCD表示部に切り替えて表示するにあたり、張込作業中には、張込画面を連続して表示し、乾燥作業中には熱風乾燥画面と乾燥条件設定画面とを所定時間毎に交互にそれぞれ表示することで、張込運転時には常時張込運転の状況を表示することができると共に、乾燥運転中には乾燥運転の進捗状況と、乾燥条件の設定内容とを容易に確認しながら安心して乾燥作業を進めることができる。また、乾燥運転画面と設定画面とを交互に表示することにより、同一画面の長時間の連続表示によるLCD表示部の画面の劣化を防止することができる。
穀物乾燥機において液晶表示画面の劣化を防止しながら、乾燥作業時には乾燥進行内容と乾燥条件設定内容とを分かりやすく表示する。
【解決手段】
穀物乾燥機の張込運転や乾燥運転の運転状態をLCD表示部に切り替えて表示するにあたり、張込作業中には、張込画面を連続して表示し、乾燥作業中には熱風乾燥画面と乾燥条件設定画面とを所定時間毎に交互にそれぞれ表示することで、張込運転時には常時張込運転の状況を表示することができると共に、乾燥運転中には乾燥運転の進捗状況と、乾燥条件の設定内容とを容易に確認しながら安心して乾燥作業を進めることができる。また、乾燥運転画面と設定画面とを交互に表示することにより、同一画面の長時間の連続表示によるLCD表示部の画面の劣化を防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、穀物乾燥機の液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
穀物乾燥機の液晶表示装置において、表示手段を、各機能設定手段の操作が行われずに入力がなく、表示画面が変更されないときには、所定時間毎に表示画面の表示及び消去を繰り返し、乾燥作業中には乾燥中画面のみを表示すように構成している。そして、表示画面を消去する時間を、熱風乾燥中及び通風乾燥中には、長時間にわたり消去するようにし、張込作業及び排出作業中には、熱風乾燥中及び通風乾燥中よりも消去時間を短く設定し、乾燥作業中の液晶表示画面の周囲温度の上昇時における画面の焼きつきを防止するものは公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開平6−273047号公報(3頁、20欄)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記の穀物乾燥機では、乾燥作業中には乾燥中画面のみを表示し、熱風乾燥中及び通風乾燥中にあっては表示画面を消去する時間を長く設定している。従って、オペレータが乾燥作業中に表示画面により乾燥作業の進行状態を確認する際に、長時間にわたり表示が消去されることから、故障ではないかと誤解する怖れがあった。
【0004】
そこで、この発明は、穀物乾燥機において液晶表示画面の劣化を防止しながら、必要な運転情報を表示することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、このような不具合を解決するために、次ぎのような技術的手段を講じた。
すなわち、張込運転情報を表示する張込画面と、乾燥運転情報に表示する乾燥画面と、乾燥運転の条件を設定する設定画面とをLCD表示部(32)に切り替えて表示する構成とし、張込運転中には前記張込画面を連続して表示し、乾燥運転中には前記乾燥画面と設定画面とを所定時間毎に交互に表示する構成としたことを特徴とする穀物乾燥機の表示装置とする。
【0006】
前記構成によると、穀物乾燥機のLCD表示部(32)には、短時間で終了する張込運転中には張込画面が連続して表示され、また、長時間を要する熱風乾燥作業中には乾燥画面と設定画面が所定時間毎に交互に切り替えられて表示される。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明は、張込運転時には常時張込運転の状況を表示することができると共に、乾燥運転中には乾燥運転の進捗状況と、乾燥条件の設定内容とを容易に確認しながら安心して乾燥作業を進めることができる。また、乾燥運転画面と設定画面とを交互に表示することにより、同一画面の長時間の連続表示によるLCD表示部(32)の画面の劣化を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
まず、図1及び図2に基づきこの発明を実施している循環式穀物乾燥機の全体構成について説明する。
【0009】
1は乾燥機の機枠で、この機枠1内には貯溜室2、乾燥室3及び集穀室4を上方から下方に順次配設している。乾燥室3には左右穀物流下通路9,9を形成し、左右穀物流下通路9,9の内側にはバーナ5のバーナ風胴に通じる熱風室6を配設し、穀物流下通路9,9の左右外側には吸引排気ファン7のファン胴に通じる左右排風室8,8を配設し、穀物流下通路9,9の下端合流部に繰出バルブ10を設け、この繰出バルブ10の往復回転により、穀物を所定量ずつ繰り出しながら流下させ、穀物に熱風を浴びせて乾燥するように構成している。
【0010】
前記機枠1の外側には集穀室4の前後一側に集めた穀物を貯溜室2に揚穀還元するエレベータ11を立設している。このエレベータ11内には上下に軸架した駆動プーリ及び従動プーリにバケットベルト13を巻き掛け、集穀室4の底部に設ける下部搬送装置14により乾燥穀物を前後一側に移送し、エレベータ11により揚穀するように構成している。このエレベータ11で揚穀された穀物は、エレベータ11の揚穀投げ口から上部搬送装置16の始端側に供給し、更に横送して貯溜室2の上部中央部に配設する回転拡散板18に送り、貯溜室2内に拡散落下させるように構成している。
【0011】
前記エレベータ11、下部搬送装置14、上部搬送装置16から構成されている穀物循環系は、エレベータ11の機枠上部に配設しているエレベータモータ(図示省略)により駆動される。また、エレベータ11における上下中途部の壁面には、バケットベルト13の上昇行程と下降行程の間隔部に取込み口(図示省略)を設けて、この取込み口の下方部位に水分計26を着脱自在に配設している。この水分計26は、例えば一対の電極ロール間でサンプル粒を1粒づつ圧縮粉砕し、その抵抗値を電気的に処理して穀粒の一粒づつの水分値に換算する公知のものである。
【0012】
次に、乾燥機の穀粒乾燥について説明する。
張込ホッパ(図示省略)からエレベータ11を利用して貯溜室2に所定量の穀物を張り込む。次いで、穀物種類、乾燥仕上水分値等を設定し、乾燥作業を開始する。貯溜室2内の穀物は乾燥室3を流下し熱風を浴びながら集穀室4に流下する。熱風により乾燥された穀粒は下部搬送装置14で一側に移送され、次いでエレベータ11により揚穀され、上部搬送装置16に引き継がれ再び貯溜室2に循環移送され、暫くの間調質作用を受ける。このような行程を繰り返しながら仕上水分値に到達すると、乾燥作業は終了する。
【0013】
次に、図3により乾燥機の操作盤31について説明する。
操作盤31の盤面の下側部には、運転スイッチである穀粒を張り込む張込スイッチSW0、通風乾燥スイッチSW1、バーナ5の燃焼を開始し熱風乾燥作業を開始する乾燥スイッチSW2、貯溜室2内の穀粒を機外に排出する排出スイッチSW3、機体の各種駆動を停止すると共にブザーを停止する停止スイッチSW4、緊急停止スイッチSW5を設けている。また、上側左部にはLCD表示部32を設け、LCD表示部32には、設定項目を設定する穀物種類タッチスイッチSW6、張込量設定タッチスイッチSW7、水分設定タッチスイッチSW8、乾燥速度設定タッチスイッチSW9、乾燥モード設定タッチスイッチSW10を上側から下側に向けて順次設け、これらタッチスイッチの右側方にそれぞれ表示欄を設け、右側下部には進むタッチスイッチSW11を設け、周辺部にLCDバックライト33を配設し、これらタッチスイッチを浮き上がらせている。
【0014】
また、操作盤31の上側右部に7セグメントLED表示部34を設け、その側方にはLED表示部34の数値の内容を示す熱風温度表示灯50、水分値表示灯51、残時間表示灯52を設けている。
【0015】
そして、LED表示部34は乾燥運転中にこれら表示灯で示す内容を設定時間毎に順次切り替えて表示する。すなわち、LCD表示部32で表示する乾燥運転情報と併用して表示することで乾燥運転に最小限必要な情報をLED表示部で表示することで作業者が乾燥運転情報を把握しやすくすることができる。
【0016】
次に、図4に基づき制御ブロック構成について説明する。
バーナ風胴25の上方に設けたコントロールボックス27にはマイクロコンピュータ(CPU)41を設けている。マイクロコンピュータ41の入力側には、各種スイッチ及びセンサを接続している。
【0017】
マイクロコンピュータ41には、図4に示すように、タッチスイッチ入力部41aから前記タッチスイッチSW6〜SW11のON/OFF情報を入力し、運転スイッチ入力部41bから前記スイッチSW0〜SW5のON/OFF情報を入力し、水分センサ入力部41cから前記水分計26の検出情報を入力し、温度センサ入力部41dから熱風温度センサ等の検出温度情報を入力し、張込量センサ入力部41eから自動で張込穀粒量を検出する張込量センサ60の検出情報を入力し、デジタルセンサ入力部41fから各種デジタルセンサ情報を入力し、アナログセンサ入力部41gから各種アナログセンサ情報を入力し、張込量手動設定入力部41hから作業者が手動で設定する張込穀粒量の設定情報を入力するように構成している。
【0018】
また、マイクロコンピュータ41の出力側から、吸引排気ファンモータ出力部41jから吸引排気ファンの駆動指令を出力し、エレベータモータ出力部41kからエレベータモータの駆動指令を出力し、繰出バルブモータ出力部41lから繰出バルブモータの駆動指令を出力し、燃焼系出力部からバーナ5の燃焼指令を出力し、張込量センサモータ出力部41mから張込量センサモータ60cに張込量検出駆動指令を出力し、表示回路を経てLCD表示部32にLCD表示情報を出力し、表示回路を経てバックライト33にバックライト表示指令を出力し、表示回路を経てLED表示部34にLED表示情報を出力するように構成している。
【0019】
マイクロコンピュータ41のバーナ駆動信号は電磁ポンプ(図示省略)のON/OFF信号及び大小供給信号、バーナ気化筒モータ(図示省略)の回転数指令信号、バーナファンモータ(図示省略)の回転数指令信号、イグナイタ(図示省略)の通電信号等があり、燃料供給量、燃焼空気供給量及び気化筒回転数を同調制御し液体燃料を気化燃焼させる。
【0020】
また、乾燥作業中には、予め設定記憶されている熱風設定温度と熱風温度センサ(図示省略)の検出熱風温度とを比較し、その差が小になるように周期的にオンされる燃料供給用の電磁ポンプ(図示省略)のオンタイム信号を長短に変更制御しながら乾燥作業をし、穀物水分が目標水分値になると乾燥作業を停止する。
【0021】
次に、図5、図6に基づきLCD表示部32の異常表示について説明する。
穀物乾燥機の異常発生時にマイクロコンピュータ41の指令によりLCD表示部32に異常表示をする際には、異常表示画面に異常内容及び異常に対する処置を表示し、異常表示画面の戻りタッチスイッチSW13をタッチすると、異常内容により戻り表示画面を区別し、異常発生後の運転状態をオペレータに適切に知らせようとするものである。
【0022】
図6のフローチャートに示すように、異常が発生すると(ステップS1)、異常画面(図5Aあるいは図5Bに示す)が表示され(ステップS2)、次いで、異常内容が短停止か否かを判定する(ステップS3)。Yesであると、バーナ5の燃焼系出力を停止し(ステップS4)、バーナ5のモータ系出力を停止する(ステップS5)。次いで、戻りタッチスイッチSW13がONか否かを判定し(ステップS6)、Yesであると、待機中画面(図5Cに示す)を表示する(ステップS8)。
【0023】
また、異常内容が短停止か否かを判定し(ステップS3)、Noであると、長停止か否かを判定し(ステップS9)、Yesであると、バーナ5の燃焼系出力を停止する(ステップS10)。次いで、異常表示画面の戻りタッチスイッチSW13がONされると(ステップS11)、運転中画面(図5Dに示す)を表示し(ステップS12)、一定時間後にバーナ5の温度が低下すると、バーナ5のモータ系出力を停止する(ステップS13)。
【0024】
また、長停止か否かを判定し(ステップS9)、Noであると、異常表示画面の戻りタッチスイッチSW13がONされると(ステップS14)、運転画面(図5Dに示す)を表示する(ステップS15)
本実施の形態の長停止とはバーナ5を停止してから通風状態にして所定時間経過後にエレベータモータ41kや吸引排気ファンモータ41j等の駆動モータ系を停止することであり、本実施の形態で説明する熱風温度センサ41d以外に水分センサ41c等の各種センサ場合に適用される。また、短停止とはバーナ5を停止してから又は同時に駆動モータ系を停止させることであり、本実施の形態で説明するエレベータモータ41k等の穀粒搬送用装置のモータ以外に吸引排気ファンモータ41j等の駆動モータの異常の場合に適用される。
【0025】
すなわち、駆動モータ系の異常の場合には循環運転自体に支障があるためバーナ5及び各種モータ全てすぐに停止する必要があるのに対し、センサ類の異常の場合には循環運転そのものに支障があるわけではないため、バーナ5を停止後所定時間通風冷却して穀温を低下させてから循環運転を停止することで穀粒の品質の低下を防止することができるというメリットがある。
【0026】
異常表示画面に「エレベータ過負荷」の異常表示画面(図5(A)に示す)が表示されると、この場合には異常が解消し、異常表示画面の戻りタッチスイッチSW13をタッチすると、待機中画面(図5Cに示す)が表示される。また、異常表示画面に熱風温度センサ左右異常(図5Bに示す)が表示された場合には、異常が解消し、異常表示画面の戻りタッチスイッチSW13をタッチすると、通風中画面(図5Dに示す)又は乾燥中画面(図7Bに示す)が表示される。
【0027】
前記構成によると、異常内容により戻り画面を区別することにより、異常発生後の穀物乾燥機の運転状態を適切にオペレータに知らせることができる。
次に、図7及び図8について説明する。
【0028】
マイクロコンピュータ41が穀物乾燥機の運転状態をLCD表示部32に表示をする際には、運転スイッチである張込スイッチSW0による運転作業中には、図7(A)に示すように、当該運転中の運転画面を連続して表示する。そして、この張込運転画面の水分測定タッチスイッチSW14を押すと水分測定に移行し、設定タッチスイッチSW15を押すと乾燥作業条件の設定ができるようにしている。また、通風スイッチSW1、乾燥スイッチSW2による運転作業中にはLCD表示部32に当該運転画面(図7(B))、及び設定画面(図7(C))を所定時間毎に交互に表示する。
【0029】
図8のフローチャートについて説明する。張込運転中には、張込運転か否かを判定し(ステップS21)、Yesであると、張込中画面(図7A)を表示し(ステップS22)、張込中画面には設定項目タッチスイッチSW15を表示する(ステップS23)。そして、設定項目タッチスイッチSW15がONすると(ステップS24)、設定項目画面(図7C)を表示する。
【0030】
なお、排出運転中の場合には、図示はしないが張込運転と同様の画面が連続して表示され、排出運転が停止すると、待機中画面(図5C)に切り替えられて表示し、設定項目タッチスイッチSW15をONすると、設定項目画面(図7C)を表示する。
【0031】
また、乾燥運転中には、乾燥運転か否かを判定し(ステップS31)、Yesであると、乾燥中画面(図7Bに示す)を表示し(ステップS32)、所定時間が経過すると(ステップS33)、設定項目画面(図7Cに示す)を表示する(ステップS34)。次いで、所定時間が経過すると(ステップS35)、乾燥運転が終了か否かの判定をし(ステップS36)、Yesであると、待機中画面(図5Cに示す)を表示する。なお、乾燥中画面と設定項目画面との間に、極短い無表示の時間帯を設けてもよい。
【0032】
なお、通風運転中にも同様に、通風運転か否かを判定し、Yesであると、通風中画面(図示省略)を表示し、所定時間が経過すると、設定項目画面(図7Cに示す)を表示し、次いで、所定時間が経過すると、通風運転が終了か否かの判定をし、Yesであると、待機中画面(図5Cに示す)を表示する。
【0033】
前記構成によると、張込運転から乾燥条件の設定に迅速に移行することができ、また、通風運転や乾燥運転中には乾燥作業の進み具合と、乾燥条件の設定内容を交互に確認しながら安心して乾燥作業業を進めることができる。また、通風運転や乾燥運転中には、運転画面と設定画面とを交互に切替表示することにより、同一画面の連続表示によるLCD表示部32の画面の劣化を防止することができる。
【0034】
次に、図9及び図10に基づき点検モードについて説明する。
マイクロコンピュータ41における各種センサやスイッチの入力及びアクチュエータの出力を確認する点検システムにおいて、全ての項目を点検可能な点検専用モードと、異常発生時に移行する異常点検モードを備えるように構成している。
【0035】
図10(A)のフローチャートに示すように、例えば、張込スイッチSW0と通風スイッチSW1を同時にONすると、点検モードに移行し、全項目点検モードか否かを判定し(ステップS41)、異常の発生していないYesの場合には、全点検項目画面(図9Aに示す)が表示される(ステップS42)。しかして、全点検項目画面には全点検項目が表示されていて、該当項目をタッチして選択し、終了タッチスイッチSW16をタッチすると、点検項目が選択決定される(ステップS43)。
【0036】
すると、図9(B)に示すように、点検画面が表示され、進むタッチスイッチSW17、各種スイッチやセンサ項目のタッチ、及び終了タッチスイッチSW16を操作し、順次点検を実行する(ステップS44)。
【0037】
また、乾燥運転中には、図10(B)のフローチャートに示すように、異常発生か否かを判定し(ステップS45)、Yesであると、図9(C)に示すように、例えば、乾燥風力不足の異常項目画面が表示される(ステップS46)。次いで、表示画面の点検タッチスイッチSW12をONするYesであると(ステップS47)、図9(D)に示すように、異常項目に対する点検画面が表示され(ステップS48)、点検画面の戻るタッチスイッチSW13をONすると、異常点検モードは終了する。
【0038】
前記構成によると、二つの点検モードを設けることにより、必要に応じて使い分けることにより、全項目点検作業及び異常点検作業をそれぞれ迅速に行なうことができる。
次に、図11、図12及び表1に基づき乾燥運転休止時の休止中画面の表示について説明する。
【0039】
乾燥運転の開始時には、図11(A)に示すように、乾燥モード設定画面が表示される。設定画面には、休止乾燥、予約乾燥、断続乾燥、標準乾燥、おまかせ乾燥、水分計を切りにしたタイマ乾燥の各タッチスイッチが設けられていて、この中からいずれかを選択し、戻るタッチスイッチSW13をONすると、乾燥モードの選択は終了する。
【0040】
図12のフローチャートに示すように、乾燥運転中に休止運転になると(ステップS51)、乾燥モードを判定し(ステップS52)、休止時の水分データを判定し(ステップS53)、休止残時間データを判定し(ステップS54)、再起動時刻データを判定する(ステップS55)。次いで、LCD表示部32に乾燥運転モードに対応した休止画面を表示する(ステップS56)。休止乾燥運転が終了すると(ステップS57)、再乾燥運転が開始される(ステップS58)。
【0041】
LCD表示部32の休止画面には乾燥運転モードに対応した表示がなされる。図11(C)に示すように、休止乾燥モードの場合には、休止水分設定値、休止残時間(休止時間設定減算値)、再起動時刻(「現在時刻」+「休止残時間」)表示される。また、予約乾燥モードでは、休止前測定水分値、休止残時間(「再起動時刻」−「現在時刻」)、再起動時刻設定値が表示される。また、断続運転モードでは、休止前測定水分値、休止残時間(休止時間設定減算値)、再起動時刻(「現在時刻」+「休止残時間」)が表示される。
【0042】
前記構成によると、各乾燥モードに合わせた表示情報を区分して表示するので、オペレータにわかりやすい情報を知らせることができる。
次に、図13及び図14に基づき乾燥運転中に表示する乾燥中画面について説明する。
【0043】
図14のフローチャートに示すように、乾燥スイッチSW2をONすると(ステップS61)、マイクロコンピュータ41から乾燥運転の出力処理がなされ(ステップS62)、センサの検出情報及びスイッチのON/OFF情報が入力され(ステップS63)、乾燥中画面(図13Aに示す)が表示される(ステップS64)。次いで、表示画面の点検モニタ表示タッチスイッチSW19の読み込み行程に移行する(ステップS65)。次いで、点検モニタ表示タッチスイッチSW19がONすると(ステップS66)、モニタ項目表示画面(図13Bに示す)が表示され(ステップS67)、次いで、点検選択項目の読み込み行程に移行し(ステップS68)、例えばバーナ項目が選択されると(ステップS69)、バーナモニタ画面(図13Cに示す)が表示される(ステップS70)。
【0044】
乾燥中画面には、図13(A)に示すように、熱風温度、水分値、乾燥残時間水分値測定情報が表示される。この乾燥中画面には、水分むら表示タッチスイッチSW18、点検モニタ表示タッチスイッチSW19、設定項目タッチスイッチSW20を設けている。
【0045】
この点検モニタタッチスイッチSW19をタッチすると、図13(B)に示すように、モニタ項目画面が表示され、点検モニタ項目である例えばバーナをタッチすると、図13(C)に示すように、バーナモニタ画面が表示され、バーナの作動状態が表示される。
【0046】
前記構成によると、乾燥中画面に点検モニタ表示タッチスイッチSW19を設けることにより、乾燥運転を継続しながら容易にモニタ項目を点検することができ、安心して乾燥作業をすることができる。
【0047】
次に、図15及び図16に基づき異常表示画面の他の実施形態について説明する。
穀粒の張込量を紐60bに吊り下げた錘60aを張り込み穀粒面Mまで下降し、その下降量から張込穀粒量を自動検出する張込量センサ60による自動測定設定と、作業者による張込量手動設定を可能にした穀物乾燥機において、張込終了時及び乾燥運転前の張込量自動測定中に張込量センサに異常が発生した場合には、異常画面の戻りタッチスイッチSW13の操作により、張込量設定画面を表示し、張込量の設定を容易確実にしようとするものである。
【0048】
図16のフローチャートに示すように、張込作業が開始されると(ステップS81)、張込中画面(図7Aに示す)が表示され(ステップS82)、エレベータモータがONし穀粒の張込が開始される(ステップS83)。次いで、張込作業が終了したか否かを判定し(ステップS84)、Yesであると、張込量センサモータ(図示省略)をONし張込量の測定を開始し(ステップS85)、張込量センサの測定値が読み込まれる(ステップS85)。
【0049】
次いで、張込量センサ60の測定値が正常か否かの判定をし(ステップS87)、Yesであると、張込量の算出し(ステップS88)、張込量の設定をし(ステップS89)、待機中画面(図5Cに示す)を表示する(ステップS90)。
【0050】
また、張込量センサ60の測定値が正常か否かの判定をし(ステップS87)、Noであると、図15(A)に示すように、異常画面を表示し(ステップS91)、戻りタッチスイッチSW13の操作判定行程に移行し(ステップS92)、戻りタッチスイッチSW13がONすると(ステップS93)、図15(B)に示すように、張込量設定画面を表示する(ステップS94)。
【0051】
次いで、張込量の手動設定がなされたか否かを判定し(ステップS95)、Yesであると張込量を設定し(ステップS96)、戻りタッチスイッチSW13がONすると(ステップS97)、図15(C)に示すように、待機中画面が表示される(ステップS98)。
【0052】
前記構成によると、張込量センサに異常があった場合でも、張込量の手動設定を忘れずにオペレータに促し、乾燥作業を円滑に行なうことができる。
次に、図17及び図18に基づき穀粒の張込量設定の手動優先について説明する。
【0053】
穀粒の張込量を張込量センサ(図示省略)による自動測定設定とオペレータの手動設定を可能にした穀物乾燥機において、乾燥スイッチSW2がONされない乾燥運転前、あるいは、乾燥スイッチSW2がONされた乾燥運転中に、張込量がキーボード70にて手動設定された場合には、張込量センサの自動測定値による設定があっても手動設定を優先し、また、乾燥作業前に手動設定がなされたときには、一旦張込運転を停止して再度張込運転を開始したときにも張込量センサ60による自動測定を行なわず、乾燥作業終了までしないように設定するものである。また、張込量センサ60が自動測定中、すなわち、錘60aが下降中に手動設定がなされた場合には、測定を中止して錘60aを初期位置まで上昇させる構成とする。
【0054】
図18のフローチャートに示すように、本制御が開始すると、設定項目確認画面(図17Aに示す)が表示され、張込量タッチスイッチSW21がONされると、張込量設定画面(図17Bに示す)が表示される(ステップS101)。次いで、タッチスイッチの入力判定行程に移行し(ステップS102)、タッチスイッチの操作があると(ステップS103)、張込量の手動設定と判定する(ステップS104)。
【0055】
次いで、張込量自動測定データの確認がなされ(ステップS105)、張込量自動測定データありの場合には(ステップS106)、自動測定データを消去し(ステップS107)、張込量を数値で入力するキーボード70による手動設定データを張込量として設定し(ステップS108)、張込量センサの自動測定を中止する(ステップS109)。
【0056】
前記構成によると、穀粒の張込量を手動優先によりオペレータが設定することができ、穀粒の乾燥作業を始めることができる。また、穀粒張込量の手動設定値がある場合には、張込量の自動測定を停止することで、適切な制御を実行し円滑に乾燥作業をすることができる。
【0057】
次に、図19及び図20に基づき穀物乾燥機の電源供給開始時において、クラス、型式を表示することとし、クラス、型式に応じてLCD表示部32のバックライト色を変更するように構成したものである。
【0058】
図20のフローチャートに示すように、マイクロコンピュータ41への電源が投入されると、型式設定の入力が読み込まれ(ステップS111)、次いで、型式判定がされる(ステップS112)。次いで、R型(遠赤外線乾燥型)か否かの判定がされ(ステップS113)、Yesの場合には、バックライトの色を例えばA色にセットし(ステップS115)、オープニング画面(図19に示す)のバックライトをA色で表示し(ステップS116)、R型(遠赤外線乾燥型)の表示をする(ステップS117)。
【0059】
また、R型(遠赤外線乾燥型)か否かを判定し(ステップS113)、Noの場合には、D型(熱風乾燥型)を設定し(ステップS118)、バックライトの色を異なる例えばB色にセットし(ステップS119)、オープニング画面(図19に示す)のバックライトの色をB色に表示し(ステップS120)、D型(熱風乾燥型)の表示をする(ステップS121)。
【0060】
マイクロコンピュータ41の一つのメモリに異なる型式のプログラムを書き込んでおき、外部からの入力により異なるプログラムを作動させるとき、マイクロコンピュータ41を内装したコントロールボックスの形状やデザインが同じ場合には、どちらの型式に設定されているのか分かりにくい。
【0061】
しかし、前記構成によると、LCD表示部32のバックライトの色が型式により異なるので、穀物乾燥機の型式を確実に認識することができ、型式設定の入力誤りがあっても誤作動を防ぐことができる。
【0062】
次に、図21及び図22に基づき表示画面の他の実施形態について説明する。
穀物乾燥機の操作盤31のLCD表示部31を利用して乾燥条件の設定をするにあたり、電源供給開始時にクラス及び型式を表示し、このクラス表示部をクラス表示タッチスイッチSW22に構成し、このタッチスイッチの操作によりクラス設定画面に移行し、クラスの設定を迅速にしようとするものである。
【0063】
図22のフローチャートに示すように、本制御が開始されると、オープニング画面(図21Aに示す)が表示され(ステップS131)、次いで、クラス設定画面移行のスイッチ判定行程に移行する(ステップS132)。次いで、クラス表示タッチスイッチSW22がONされると(ステップS133)、クラス設定画面(図21Bに示す)を表示し(ステップS134)、クラス設定入力のスイッチ判定に移行する(ステップS135)。次いで、クラス設定画面のクラス選択タッチスイッチSW23がタッチされると(ステップS136)、クラスを判定し(ステップS137)、メモリにクラスデータを書き込み(ステップS138)、戻るタッチスイッチSW13のスイッチ判定に移行する(ステップS139)。次いで、戻るタッチスイッチSW13がONすると(ステップS140)、オープニング画面(図21Aに示す)を表示し(ステップS141)、オープニング画面にクラスを表示する(ステップS142)。
【0064】
前記構成によると、電源供給時の最初の画面にクラス表示をし、そのクラス表示画面のクラス選択タッチスイッチSW23をタッチすることにより、オペレータは迅速確実にクラスの設定をし、乾燥作業を円滑確実に実行することができる。
【0065】
次に、図23及び図24に基づき表示画面の他の実施形態について説明する。
穀物乾燥機の操作盤31のLCD表示部31を利用して乾燥条件の設定をするにあたり、水分値の測定をしない乾燥モードにおいては、水分値設定関係のタッチスイッチを表示しないようにし、オペレータに水分値測定のない乾燥モードであることを知らせ、表示構成を簡素化しようとするものである。
【0066】
図24のフローチャートに示すように、本制御が開始されると、乾燥モード設定画面(図23Aに示す)が表示され(ステップS151)、乾燥モード判定行程に移行する(ステップS152)。次いで、乾燥モード設定画面のタッチスイッチ、戻るタッチスイッチSW13がタッチされると(ステップS153)、タイマ乾燥か否かを判定し(ステップS154)、Yesであると、水分設定用のタッチスイッチのないタイマ乾燥用の設定項目画面(図23Bに示す)が表示される(ステップS155)。また、Noであると、水分設定用のタッチスイッチのある通常用の設定項目画面(図23Cに示す)が表示される(ステップS156)。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】穀物乾燥機の切断側面図
【図2】穀物乾燥機の一部切断した正面図
【図3】操作盤の正面図
【図4】制御ブロック図
【図5】LCD表示部の表示画面
【図6】フローチャート
【図7】LCD表示部の表示画面
【図8】フローチャート
【図9】LCD表示部の表示画面
【図10】フローチャート
【図11】LCD表示部の表示画面
【図12】フローチャート
【図13】LCD表示部の表示画面
【図14】フローチャート
【図15】LCD表示部の表示画面
【図16】フローチャート
【図17】LCD表示部の表示画面
【図18】フローチャート
【図19】LCD表示部の表示画面
【図20】フローチャート
【図21】LCD表示部の表示画面
【図22】フローチャート
【図23】LCD表示部の表示画面
【図24】フローチャート
【符号の説明】
【0068】
1 穀物乾燥機
2 貯溜室
3 乾燥室
4 集穀室
5 バーナ
6 熱風室
7 吸引排気ファン
8 排風室
9 穀物流下通路
10 繰出バルブ
31 操作盤
32 LCD表示部
41 コントローラ(マイクロコンピュータ)
【技術分野】
【0001】
この発明は、穀物乾燥機の液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
穀物乾燥機の液晶表示装置において、表示手段を、各機能設定手段の操作が行われずに入力がなく、表示画面が変更されないときには、所定時間毎に表示画面の表示及び消去を繰り返し、乾燥作業中には乾燥中画面のみを表示すように構成している。そして、表示画面を消去する時間を、熱風乾燥中及び通風乾燥中には、長時間にわたり消去するようにし、張込作業及び排出作業中には、熱風乾燥中及び通風乾燥中よりも消去時間を短く設定し、乾燥作業中の液晶表示画面の周囲温度の上昇時における画面の焼きつきを防止するものは公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開平6−273047号公報(3頁、20欄)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記の穀物乾燥機では、乾燥作業中には乾燥中画面のみを表示し、熱風乾燥中及び通風乾燥中にあっては表示画面を消去する時間を長く設定している。従って、オペレータが乾燥作業中に表示画面により乾燥作業の進行状態を確認する際に、長時間にわたり表示が消去されることから、故障ではないかと誤解する怖れがあった。
【0004】
そこで、この発明は、穀物乾燥機において液晶表示画面の劣化を防止しながら、必要な運転情報を表示することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、このような不具合を解決するために、次ぎのような技術的手段を講じた。
すなわち、張込運転情報を表示する張込画面と、乾燥運転情報に表示する乾燥画面と、乾燥運転の条件を設定する設定画面とをLCD表示部(32)に切り替えて表示する構成とし、張込運転中には前記張込画面を連続して表示し、乾燥運転中には前記乾燥画面と設定画面とを所定時間毎に交互に表示する構成としたことを特徴とする穀物乾燥機の表示装置とする。
【0006】
前記構成によると、穀物乾燥機のLCD表示部(32)には、短時間で終了する張込運転中には張込画面が連続して表示され、また、長時間を要する熱風乾燥作業中には乾燥画面と設定画面が所定時間毎に交互に切り替えられて表示される。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明は、張込運転時には常時張込運転の状況を表示することができると共に、乾燥運転中には乾燥運転の進捗状況と、乾燥条件の設定内容とを容易に確認しながら安心して乾燥作業を進めることができる。また、乾燥運転画面と設定画面とを交互に表示することにより、同一画面の長時間の連続表示によるLCD表示部(32)の画面の劣化を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
まず、図1及び図2に基づきこの発明を実施している循環式穀物乾燥機の全体構成について説明する。
【0009】
1は乾燥機の機枠で、この機枠1内には貯溜室2、乾燥室3及び集穀室4を上方から下方に順次配設している。乾燥室3には左右穀物流下通路9,9を形成し、左右穀物流下通路9,9の内側にはバーナ5のバーナ風胴に通じる熱風室6を配設し、穀物流下通路9,9の左右外側には吸引排気ファン7のファン胴に通じる左右排風室8,8を配設し、穀物流下通路9,9の下端合流部に繰出バルブ10を設け、この繰出バルブ10の往復回転により、穀物を所定量ずつ繰り出しながら流下させ、穀物に熱風を浴びせて乾燥するように構成している。
【0010】
前記機枠1の外側には集穀室4の前後一側に集めた穀物を貯溜室2に揚穀還元するエレベータ11を立設している。このエレベータ11内には上下に軸架した駆動プーリ及び従動プーリにバケットベルト13を巻き掛け、集穀室4の底部に設ける下部搬送装置14により乾燥穀物を前後一側に移送し、エレベータ11により揚穀するように構成している。このエレベータ11で揚穀された穀物は、エレベータ11の揚穀投げ口から上部搬送装置16の始端側に供給し、更に横送して貯溜室2の上部中央部に配設する回転拡散板18に送り、貯溜室2内に拡散落下させるように構成している。
【0011】
前記エレベータ11、下部搬送装置14、上部搬送装置16から構成されている穀物循環系は、エレベータ11の機枠上部に配設しているエレベータモータ(図示省略)により駆動される。また、エレベータ11における上下中途部の壁面には、バケットベルト13の上昇行程と下降行程の間隔部に取込み口(図示省略)を設けて、この取込み口の下方部位に水分計26を着脱自在に配設している。この水分計26は、例えば一対の電極ロール間でサンプル粒を1粒づつ圧縮粉砕し、その抵抗値を電気的に処理して穀粒の一粒づつの水分値に換算する公知のものである。
【0012】
次に、乾燥機の穀粒乾燥について説明する。
張込ホッパ(図示省略)からエレベータ11を利用して貯溜室2に所定量の穀物を張り込む。次いで、穀物種類、乾燥仕上水分値等を設定し、乾燥作業を開始する。貯溜室2内の穀物は乾燥室3を流下し熱風を浴びながら集穀室4に流下する。熱風により乾燥された穀粒は下部搬送装置14で一側に移送され、次いでエレベータ11により揚穀され、上部搬送装置16に引き継がれ再び貯溜室2に循環移送され、暫くの間調質作用を受ける。このような行程を繰り返しながら仕上水分値に到達すると、乾燥作業は終了する。
【0013】
次に、図3により乾燥機の操作盤31について説明する。
操作盤31の盤面の下側部には、運転スイッチである穀粒を張り込む張込スイッチSW0、通風乾燥スイッチSW1、バーナ5の燃焼を開始し熱風乾燥作業を開始する乾燥スイッチSW2、貯溜室2内の穀粒を機外に排出する排出スイッチSW3、機体の各種駆動を停止すると共にブザーを停止する停止スイッチSW4、緊急停止スイッチSW5を設けている。また、上側左部にはLCD表示部32を設け、LCD表示部32には、設定項目を設定する穀物種類タッチスイッチSW6、張込量設定タッチスイッチSW7、水分設定タッチスイッチSW8、乾燥速度設定タッチスイッチSW9、乾燥モード設定タッチスイッチSW10を上側から下側に向けて順次設け、これらタッチスイッチの右側方にそれぞれ表示欄を設け、右側下部には進むタッチスイッチSW11を設け、周辺部にLCDバックライト33を配設し、これらタッチスイッチを浮き上がらせている。
【0014】
また、操作盤31の上側右部に7セグメントLED表示部34を設け、その側方にはLED表示部34の数値の内容を示す熱風温度表示灯50、水分値表示灯51、残時間表示灯52を設けている。
【0015】
そして、LED表示部34は乾燥運転中にこれら表示灯で示す内容を設定時間毎に順次切り替えて表示する。すなわち、LCD表示部32で表示する乾燥運転情報と併用して表示することで乾燥運転に最小限必要な情報をLED表示部で表示することで作業者が乾燥運転情報を把握しやすくすることができる。
【0016】
次に、図4に基づき制御ブロック構成について説明する。
バーナ風胴25の上方に設けたコントロールボックス27にはマイクロコンピュータ(CPU)41を設けている。マイクロコンピュータ41の入力側には、各種スイッチ及びセンサを接続している。
【0017】
マイクロコンピュータ41には、図4に示すように、タッチスイッチ入力部41aから前記タッチスイッチSW6〜SW11のON/OFF情報を入力し、運転スイッチ入力部41bから前記スイッチSW0〜SW5のON/OFF情報を入力し、水分センサ入力部41cから前記水分計26の検出情報を入力し、温度センサ入力部41dから熱風温度センサ等の検出温度情報を入力し、張込量センサ入力部41eから自動で張込穀粒量を検出する張込量センサ60の検出情報を入力し、デジタルセンサ入力部41fから各種デジタルセンサ情報を入力し、アナログセンサ入力部41gから各種アナログセンサ情報を入力し、張込量手動設定入力部41hから作業者が手動で設定する張込穀粒量の設定情報を入力するように構成している。
【0018】
また、マイクロコンピュータ41の出力側から、吸引排気ファンモータ出力部41jから吸引排気ファンの駆動指令を出力し、エレベータモータ出力部41kからエレベータモータの駆動指令を出力し、繰出バルブモータ出力部41lから繰出バルブモータの駆動指令を出力し、燃焼系出力部からバーナ5の燃焼指令を出力し、張込量センサモータ出力部41mから張込量センサモータ60cに張込量検出駆動指令を出力し、表示回路を経てLCD表示部32にLCD表示情報を出力し、表示回路を経てバックライト33にバックライト表示指令を出力し、表示回路を経てLED表示部34にLED表示情報を出力するように構成している。
【0019】
マイクロコンピュータ41のバーナ駆動信号は電磁ポンプ(図示省略)のON/OFF信号及び大小供給信号、バーナ気化筒モータ(図示省略)の回転数指令信号、バーナファンモータ(図示省略)の回転数指令信号、イグナイタ(図示省略)の通電信号等があり、燃料供給量、燃焼空気供給量及び気化筒回転数を同調制御し液体燃料を気化燃焼させる。
【0020】
また、乾燥作業中には、予め設定記憶されている熱風設定温度と熱風温度センサ(図示省略)の検出熱風温度とを比較し、その差が小になるように周期的にオンされる燃料供給用の電磁ポンプ(図示省略)のオンタイム信号を長短に変更制御しながら乾燥作業をし、穀物水分が目標水分値になると乾燥作業を停止する。
【0021】
次に、図5、図6に基づきLCD表示部32の異常表示について説明する。
穀物乾燥機の異常発生時にマイクロコンピュータ41の指令によりLCD表示部32に異常表示をする際には、異常表示画面に異常内容及び異常に対する処置を表示し、異常表示画面の戻りタッチスイッチSW13をタッチすると、異常内容により戻り表示画面を区別し、異常発生後の運転状態をオペレータに適切に知らせようとするものである。
【0022】
図6のフローチャートに示すように、異常が発生すると(ステップS1)、異常画面(図5Aあるいは図5Bに示す)が表示され(ステップS2)、次いで、異常内容が短停止か否かを判定する(ステップS3)。Yesであると、バーナ5の燃焼系出力を停止し(ステップS4)、バーナ5のモータ系出力を停止する(ステップS5)。次いで、戻りタッチスイッチSW13がONか否かを判定し(ステップS6)、Yesであると、待機中画面(図5Cに示す)を表示する(ステップS8)。
【0023】
また、異常内容が短停止か否かを判定し(ステップS3)、Noであると、長停止か否かを判定し(ステップS9)、Yesであると、バーナ5の燃焼系出力を停止する(ステップS10)。次いで、異常表示画面の戻りタッチスイッチSW13がONされると(ステップS11)、運転中画面(図5Dに示す)を表示し(ステップS12)、一定時間後にバーナ5の温度が低下すると、バーナ5のモータ系出力を停止する(ステップS13)。
【0024】
また、長停止か否かを判定し(ステップS9)、Noであると、異常表示画面の戻りタッチスイッチSW13がONされると(ステップS14)、運転画面(図5Dに示す)を表示する(ステップS15)
本実施の形態の長停止とはバーナ5を停止してから通風状態にして所定時間経過後にエレベータモータ41kや吸引排気ファンモータ41j等の駆動モータ系を停止することであり、本実施の形態で説明する熱風温度センサ41d以外に水分センサ41c等の各種センサ場合に適用される。また、短停止とはバーナ5を停止してから又は同時に駆動モータ系を停止させることであり、本実施の形態で説明するエレベータモータ41k等の穀粒搬送用装置のモータ以外に吸引排気ファンモータ41j等の駆動モータの異常の場合に適用される。
【0025】
すなわち、駆動モータ系の異常の場合には循環運転自体に支障があるためバーナ5及び各種モータ全てすぐに停止する必要があるのに対し、センサ類の異常の場合には循環運転そのものに支障があるわけではないため、バーナ5を停止後所定時間通風冷却して穀温を低下させてから循環運転を停止することで穀粒の品質の低下を防止することができるというメリットがある。
【0026】
異常表示画面に「エレベータ過負荷」の異常表示画面(図5(A)に示す)が表示されると、この場合には異常が解消し、異常表示画面の戻りタッチスイッチSW13をタッチすると、待機中画面(図5Cに示す)が表示される。また、異常表示画面に熱風温度センサ左右異常(図5Bに示す)が表示された場合には、異常が解消し、異常表示画面の戻りタッチスイッチSW13をタッチすると、通風中画面(図5Dに示す)又は乾燥中画面(図7Bに示す)が表示される。
【0027】
前記構成によると、異常内容により戻り画面を区別することにより、異常発生後の穀物乾燥機の運転状態を適切にオペレータに知らせることができる。
次に、図7及び図8について説明する。
【0028】
マイクロコンピュータ41が穀物乾燥機の運転状態をLCD表示部32に表示をする際には、運転スイッチである張込スイッチSW0による運転作業中には、図7(A)に示すように、当該運転中の運転画面を連続して表示する。そして、この張込運転画面の水分測定タッチスイッチSW14を押すと水分測定に移行し、設定タッチスイッチSW15を押すと乾燥作業条件の設定ができるようにしている。また、通風スイッチSW1、乾燥スイッチSW2による運転作業中にはLCD表示部32に当該運転画面(図7(B))、及び設定画面(図7(C))を所定時間毎に交互に表示する。
【0029】
図8のフローチャートについて説明する。張込運転中には、張込運転か否かを判定し(ステップS21)、Yesであると、張込中画面(図7A)を表示し(ステップS22)、張込中画面には設定項目タッチスイッチSW15を表示する(ステップS23)。そして、設定項目タッチスイッチSW15がONすると(ステップS24)、設定項目画面(図7C)を表示する。
【0030】
なお、排出運転中の場合には、図示はしないが張込運転と同様の画面が連続して表示され、排出運転が停止すると、待機中画面(図5C)に切り替えられて表示し、設定項目タッチスイッチSW15をONすると、設定項目画面(図7C)を表示する。
【0031】
また、乾燥運転中には、乾燥運転か否かを判定し(ステップS31)、Yesであると、乾燥中画面(図7Bに示す)を表示し(ステップS32)、所定時間が経過すると(ステップS33)、設定項目画面(図7Cに示す)を表示する(ステップS34)。次いで、所定時間が経過すると(ステップS35)、乾燥運転が終了か否かの判定をし(ステップS36)、Yesであると、待機中画面(図5Cに示す)を表示する。なお、乾燥中画面と設定項目画面との間に、極短い無表示の時間帯を設けてもよい。
【0032】
なお、通風運転中にも同様に、通風運転か否かを判定し、Yesであると、通風中画面(図示省略)を表示し、所定時間が経過すると、設定項目画面(図7Cに示す)を表示し、次いで、所定時間が経過すると、通風運転が終了か否かの判定をし、Yesであると、待機中画面(図5Cに示す)を表示する。
【0033】
前記構成によると、張込運転から乾燥条件の設定に迅速に移行することができ、また、通風運転や乾燥運転中には乾燥作業の進み具合と、乾燥条件の設定内容を交互に確認しながら安心して乾燥作業業を進めることができる。また、通風運転や乾燥運転中には、運転画面と設定画面とを交互に切替表示することにより、同一画面の連続表示によるLCD表示部32の画面の劣化を防止することができる。
【0034】
次に、図9及び図10に基づき点検モードについて説明する。
マイクロコンピュータ41における各種センサやスイッチの入力及びアクチュエータの出力を確認する点検システムにおいて、全ての項目を点検可能な点検専用モードと、異常発生時に移行する異常点検モードを備えるように構成している。
【0035】
図10(A)のフローチャートに示すように、例えば、張込スイッチSW0と通風スイッチSW1を同時にONすると、点検モードに移行し、全項目点検モードか否かを判定し(ステップS41)、異常の発生していないYesの場合には、全点検項目画面(図9Aに示す)が表示される(ステップS42)。しかして、全点検項目画面には全点検項目が表示されていて、該当項目をタッチして選択し、終了タッチスイッチSW16をタッチすると、点検項目が選択決定される(ステップS43)。
【0036】
すると、図9(B)に示すように、点検画面が表示され、進むタッチスイッチSW17、各種スイッチやセンサ項目のタッチ、及び終了タッチスイッチSW16を操作し、順次点検を実行する(ステップS44)。
【0037】
また、乾燥運転中には、図10(B)のフローチャートに示すように、異常発生か否かを判定し(ステップS45)、Yesであると、図9(C)に示すように、例えば、乾燥風力不足の異常項目画面が表示される(ステップS46)。次いで、表示画面の点検タッチスイッチSW12をONするYesであると(ステップS47)、図9(D)に示すように、異常項目に対する点検画面が表示され(ステップS48)、点検画面の戻るタッチスイッチSW13をONすると、異常点検モードは終了する。
【0038】
前記構成によると、二つの点検モードを設けることにより、必要に応じて使い分けることにより、全項目点検作業及び異常点検作業をそれぞれ迅速に行なうことができる。
次に、図11、図12及び表1に基づき乾燥運転休止時の休止中画面の表示について説明する。
【0039】
乾燥運転の開始時には、図11(A)に示すように、乾燥モード設定画面が表示される。設定画面には、休止乾燥、予約乾燥、断続乾燥、標準乾燥、おまかせ乾燥、水分計を切りにしたタイマ乾燥の各タッチスイッチが設けられていて、この中からいずれかを選択し、戻るタッチスイッチSW13をONすると、乾燥モードの選択は終了する。
【0040】
図12のフローチャートに示すように、乾燥運転中に休止運転になると(ステップS51)、乾燥モードを判定し(ステップS52)、休止時の水分データを判定し(ステップS53)、休止残時間データを判定し(ステップS54)、再起動時刻データを判定する(ステップS55)。次いで、LCD表示部32に乾燥運転モードに対応した休止画面を表示する(ステップS56)。休止乾燥運転が終了すると(ステップS57)、再乾燥運転が開始される(ステップS58)。
【0041】
LCD表示部32の休止画面には乾燥運転モードに対応した表示がなされる。図11(C)に示すように、休止乾燥モードの場合には、休止水分設定値、休止残時間(休止時間設定減算値)、再起動時刻(「現在時刻」+「休止残時間」)表示される。また、予約乾燥モードでは、休止前測定水分値、休止残時間(「再起動時刻」−「現在時刻」)、再起動時刻設定値が表示される。また、断続運転モードでは、休止前測定水分値、休止残時間(休止時間設定減算値)、再起動時刻(「現在時刻」+「休止残時間」)が表示される。
【0042】
前記構成によると、各乾燥モードに合わせた表示情報を区分して表示するので、オペレータにわかりやすい情報を知らせることができる。
次に、図13及び図14に基づき乾燥運転中に表示する乾燥中画面について説明する。
【0043】
図14のフローチャートに示すように、乾燥スイッチSW2をONすると(ステップS61)、マイクロコンピュータ41から乾燥運転の出力処理がなされ(ステップS62)、センサの検出情報及びスイッチのON/OFF情報が入力され(ステップS63)、乾燥中画面(図13Aに示す)が表示される(ステップS64)。次いで、表示画面の点検モニタ表示タッチスイッチSW19の読み込み行程に移行する(ステップS65)。次いで、点検モニタ表示タッチスイッチSW19がONすると(ステップS66)、モニタ項目表示画面(図13Bに示す)が表示され(ステップS67)、次いで、点検選択項目の読み込み行程に移行し(ステップS68)、例えばバーナ項目が選択されると(ステップS69)、バーナモニタ画面(図13Cに示す)が表示される(ステップS70)。
【0044】
乾燥中画面には、図13(A)に示すように、熱風温度、水分値、乾燥残時間水分値測定情報が表示される。この乾燥中画面には、水分むら表示タッチスイッチSW18、点検モニタ表示タッチスイッチSW19、設定項目タッチスイッチSW20を設けている。
【0045】
この点検モニタタッチスイッチSW19をタッチすると、図13(B)に示すように、モニタ項目画面が表示され、点検モニタ項目である例えばバーナをタッチすると、図13(C)に示すように、バーナモニタ画面が表示され、バーナの作動状態が表示される。
【0046】
前記構成によると、乾燥中画面に点検モニタ表示タッチスイッチSW19を設けることにより、乾燥運転を継続しながら容易にモニタ項目を点検することができ、安心して乾燥作業をすることができる。
【0047】
次に、図15及び図16に基づき異常表示画面の他の実施形態について説明する。
穀粒の張込量を紐60bに吊り下げた錘60aを張り込み穀粒面Mまで下降し、その下降量から張込穀粒量を自動検出する張込量センサ60による自動測定設定と、作業者による張込量手動設定を可能にした穀物乾燥機において、張込終了時及び乾燥運転前の張込量自動測定中に張込量センサに異常が発生した場合には、異常画面の戻りタッチスイッチSW13の操作により、張込量設定画面を表示し、張込量の設定を容易確実にしようとするものである。
【0048】
図16のフローチャートに示すように、張込作業が開始されると(ステップS81)、張込中画面(図7Aに示す)が表示され(ステップS82)、エレベータモータがONし穀粒の張込が開始される(ステップS83)。次いで、張込作業が終了したか否かを判定し(ステップS84)、Yesであると、張込量センサモータ(図示省略)をONし張込量の測定を開始し(ステップS85)、張込量センサの測定値が読み込まれる(ステップS85)。
【0049】
次いで、張込量センサ60の測定値が正常か否かの判定をし(ステップS87)、Yesであると、張込量の算出し(ステップS88)、張込量の設定をし(ステップS89)、待機中画面(図5Cに示す)を表示する(ステップS90)。
【0050】
また、張込量センサ60の測定値が正常か否かの判定をし(ステップS87)、Noであると、図15(A)に示すように、異常画面を表示し(ステップS91)、戻りタッチスイッチSW13の操作判定行程に移行し(ステップS92)、戻りタッチスイッチSW13がONすると(ステップS93)、図15(B)に示すように、張込量設定画面を表示する(ステップS94)。
【0051】
次いで、張込量の手動設定がなされたか否かを判定し(ステップS95)、Yesであると張込量を設定し(ステップS96)、戻りタッチスイッチSW13がONすると(ステップS97)、図15(C)に示すように、待機中画面が表示される(ステップS98)。
【0052】
前記構成によると、張込量センサに異常があった場合でも、張込量の手動設定を忘れずにオペレータに促し、乾燥作業を円滑に行なうことができる。
次に、図17及び図18に基づき穀粒の張込量設定の手動優先について説明する。
【0053】
穀粒の張込量を張込量センサ(図示省略)による自動測定設定とオペレータの手動設定を可能にした穀物乾燥機において、乾燥スイッチSW2がONされない乾燥運転前、あるいは、乾燥スイッチSW2がONされた乾燥運転中に、張込量がキーボード70にて手動設定された場合には、張込量センサの自動測定値による設定があっても手動設定を優先し、また、乾燥作業前に手動設定がなされたときには、一旦張込運転を停止して再度張込運転を開始したときにも張込量センサ60による自動測定を行なわず、乾燥作業終了までしないように設定するものである。また、張込量センサ60が自動測定中、すなわち、錘60aが下降中に手動設定がなされた場合には、測定を中止して錘60aを初期位置まで上昇させる構成とする。
【0054】
図18のフローチャートに示すように、本制御が開始すると、設定項目確認画面(図17Aに示す)が表示され、張込量タッチスイッチSW21がONされると、張込量設定画面(図17Bに示す)が表示される(ステップS101)。次いで、タッチスイッチの入力判定行程に移行し(ステップS102)、タッチスイッチの操作があると(ステップS103)、張込量の手動設定と判定する(ステップS104)。
【0055】
次いで、張込量自動測定データの確認がなされ(ステップS105)、張込量自動測定データありの場合には(ステップS106)、自動測定データを消去し(ステップS107)、張込量を数値で入力するキーボード70による手動設定データを張込量として設定し(ステップS108)、張込量センサの自動測定を中止する(ステップS109)。
【0056】
前記構成によると、穀粒の張込量を手動優先によりオペレータが設定することができ、穀粒の乾燥作業を始めることができる。また、穀粒張込量の手動設定値がある場合には、張込量の自動測定を停止することで、適切な制御を実行し円滑に乾燥作業をすることができる。
【0057】
次に、図19及び図20に基づき穀物乾燥機の電源供給開始時において、クラス、型式を表示することとし、クラス、型式に応じてLCD表示部32のバックライト色を変更するように構成したものである。
【0058】
図20のフローチャートに示すように、マイクロコンピュータ41への電源が投入されると、型式設定の入力が読み込まれ(ステップS111)、次いで、型式判定がされる(ステップS112)。次いで、R型(遠赤外線乾燥型)か否かの判定がされ(ステップS113)、Yesの場合には、バックライトの色を例えばA色にセットし(ステップS115)、オープニング画面(図19に示す)のバックライトをA色で表示し(ステップS116)、R型(遠赤外線乾燥型)の表示をする(ステップS117)。
【0059】
また、R型(遠赤外線乾燥型)か否かを判定し(ステップS113)、Noの場合には、D型(熱風乾燥型)を設定し(ステップS118)、バックライトの色を異なる例えばB色にセットし(ステップS119)、オープニング画面(図19に示す)のバックライトの色をB色に表示し(ステップS120)、D型(熱風乾燥型)の表示をする(ステップS121)。
【0060】
マイクロコンピュータ41の一つのメモリに異なる型式のプログラムを書き込んでおき、外部からの入力により異なるプログラムを作動させるとき、マイクロコンピュータ41を内装したコントロールボックスの形状やデザインが同じ場合には、どちらの型式に設定されているのか分かりにくい。
【0061】
しかし、前記構成によると、LCD表示部32のバックライトの色が型式により異なるので、穀物乾燥機の型式を確実に認識することができ、型式設定の入力誤りがあっても誤作動を防ぐことができる。
【0062】
次に、図21及び図22に基づき表示画面の他の実施形態について説明する。
穀物乾燥機の操作盤31のLCD表示部31を利用して乾燥条件の設定をするにあたり、電源供給開始時にクラス及び型式を表示し、このクラス表示部をクラス表示タッチスイッチSW22に構成し、このタッチスイッチの操作によりクラス設定画面に移行し、クラスの設定を迅速にしようとするものである。
【0063】
図22のフローチャートに示すように、本制御が開始されると、オープニング画面(図21Aに示す)が表示され(ステップS131)、次いで、クラス設定画面移行のスイッチ判定行程に移行する(ステップS132)。次いで、クラス表示タッチスイッチSW22がONされると(ステップS133)、クラス設定画面(図21Bに示す)を表示し(ステップS134)、クラス設定入力のスイッチ判定に移行する(ステップS135)。次いで、クラス設定画面のクラス選択タッチスイッチSW23がタッチされると(ステップS136)、クラスを判定し(ステップS137)、メモリにクラスデータを書き込み(ステップS138)、戻るタッチスイッチSW13のスイッチ判定に移行する(ステップS139)。次いで、戻るタッチスイッチSW13がONすると(ステップS140)、オープニング画面(図21Aに示す)を表示し(ステップS141)、オープニング画面にクラスを表示する(ステップS142)。
【0064】
前記構成によると、電源供給時の最初の画面にクラス表示をし、そのクラス表示画面のクラス選択タッチスイッチSW23をタッチすることにより、オペレータは迅速確実にクラスの設定をし、乾燥作業を円滑確実に実行することができる。
【0065】
次に、図23及び図24に基づき表示画面の他の実施形態について説明する。
穀物乾燥機の操作盤31のLCD表示部31を利用して乾燥条件の設定をするにあたり、水分値の測定をしない乾燥モードにおいては、水分値設定関係のタッチスイッチを表示しないようにし、オペレータに水分値測定のない乾燥モードであることを知らせ、表示構成を簡素化しようとするものである。
【0066】
図24のフローチャートに示すように、本制御が開始されると、乾燥モード設定画面(図23Aに示す)が表示され(ステップS151)、乾燥モード判定行程に移行する(ステップS152)。次いで、乾燥モード設定画面のタッチスイッチ、戻るタッチスイッチSW13がタッチされると(ステップS153)、タイマ乾燥か否かを判定し(ステップS154)、Yesであると、水分設定用のタッチスイッチのないタイマ乾燥用の設定項目画面(図23Bに示す)が表示される(ステップS155)。また、Noであると、水分設定用のタッチスイッチのある通常用の設定項目画面(図23Cに示す)が表示される(ステップS156)。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】穀物乾燥機の切断側面図
【図2】穀物乾燥機の一部切断した正面図
【図3】操作盤の正面図
【図4】制御ブロック図
【図5】LCD表示部の表示画面
【図6】フローチャート
【図7】LCD表示部の表示画面
【図8】フローチャート
【図9】LCD表示部の表示画面
【図10】フローチャート
【図11】LCD表示部の表示画面
【図12】フローチャート
【図13】LCD表示部の表示画面
【図14】フローチャート
【図15】LCD表示部の表示画面
【図16】フローチャート
【図17】LCD表示部の表示画面
【図18】フローチャート
【図19】LCD表示部の表示画面
【図20】フローチャート
【図21】LCD表示部の表示画面
【図22】フローチャート
【図23】LCD表示部の表示画面
【図24】フローチャート
【符号の説明】
【0068】
1 穀物乾燥機
2 貯溜室
3 乾燥室
4 集穀室
5 バーナ
6 熱風室
7 吸引排気ファン
8 排風室
9 穀物流下通路
10 繰出バルブ
31 操作盤
32 LCD表示部
41 コントローラ(マイクロコンピュータ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
張込運転情報を表示する張込画面と、乾燥運転情報に表示する乾燥画面と、乾燥運転の条件を設定する設定画面とをLCD表示部(32)に切り替えて表示する構成とし、張込運転中には前記張込画面を連続して表示し、乾燥運転中には前記乾燥画面と設定画面とを所定時間毎に交互に表示する構成としたことを特徴とする穀物乾燥機の表示装置。
【請求項1】
張込運転情報を表示する張込画面と、乾燥運転情報に表示する乾燥画面と、乾燥運転の条件を設定する設定画面とをLCD表示部(32)に切り替えて表示する構成とし、張込運転中には前記張込画面を連続して表示し、乾燥運転中には前記乾燥画面と設定画面とを所定時間毎に交互に表示する構成としたことを特徴とする穀物乾燥機の表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図9】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2009−127907(P2009−127907A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301802(P2007−301802)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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