説明

穀粒排出構造

【課題】横オーガの縦オーガに対する回動動作の安定化を図りつつ縦オーガから横オーガへの穀粒移送効率の向上を図る。
【解決手段】横オーガ筒の受入口が縦オーガ筒の放出口に接合された状態で横オーガ筒が縦オーガ筒に放出口の中心回り回動可能に連結され、縦搬送軸には放出口の中心より下方で且つ少なくとも一部が放出口に臨むように放出羽根が設けられている。一端部が縦軸体に作動連結され且つ他端部が横オーガ筒の縦オーガ筒とは反対側から外方へ延在された伝動軸が放出口及び受入口と同心上に配置されている。伝動軸の他端部を横軸体の基端部に作動連結する伝動ユニットが横オーガ筒に設けられており、伝動軸には軸線方向位置に関し横搬送軸と少なくとも部分的にオーバーラップする押し込み羽根が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グレンタンクに貯留された穀粒を外部に排出する穀粒排出構造に関する。
【背景技術】
【0002】
グレンタンクに貯留された穀粒を上方へ搬送する縦オーガと前記縦オーガの上部に上下方向回動可能に連結された横オーガとを備えた穀粒排出構造は種々提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、前記縦オーガの縦搬送軸の上端部に羽根体を設け、前記縦搬送軸の縦螺旋によって上方へ搬送された穀粒を前記羽根体によって横オーガへ放出するように構成された穀粒排出構造が開示されている。
【0004】
しかしながら、この特許文献1に記載の穀粒排出構造においては、前記縦搬送軸から前記横オーガの横搬送軸へ回転動力を伝達する為の伝動軸が前記縦オーガの縦オーガ筒及び前記横オーガの横オーガ筒の外方に設けられている。
【0005】
従って、前記縦オーガに対して前記横オーガと共に回動する前記伝動軸を前記縦オーガ筒及び前記横オーガ筒の外方において支持する為の伝動軸ケースが別途必要となり、構造の複雑化及び大型化を招くという問題が生じる。
【0006】
又、下記特許文献2には、前記伝動軸が前記縦オーガ筒及び前記横オーガ筒の内部に配設されている穀粒排出構造が提案されている。
【0007】
しかしながら、前記特許文献2に記載の穀粒排出構造においては、前記伝動軸の伝動方向下流端部及び前記横搬送軸の基端部を作動連結する伝動構造体が前記横オーガ筒の内部に設けられており、従って、穀粒の円滑な搬送が損なわれるという問題が生じる。
【0008】
さらに、前記特許文献2に記載の穀粒排出構造においては、前記縦オーガから前記横オーガへの穀粒の供給を前記伝動軸に設けられた受け継ぎ螺旋によって行っており、穀粒の受け継ぎ構造が複雑になるという問題も生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−75161号公報
【特許文献2】特開2009−00006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、縦オーガと前記縦オーガの上部に上下方向回動可能に連結された横オーガとを備えた穀粒排出構造であって、前記横オーガの前記縦オーガに対する回動動作の安定化を図りつつ前記縦オーガから前記横オーガへの穀粒移送効率の向上を図り得る穀粒排出構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記目的を達成するために、縦オーガ筒及び縦搬送軸を有する縦オーガと、横オーガ筒及び横搬送軸を有する横オーガとを備え、前記横オーガ筒の基部側方に形成された受入口が前記縦オーガ筒の上部側方に形成された放出口に同心上で接合された状態で前記横オーガ筒が前記縦オーガ筒に前記放出口の中心回り回動可能に連結されている穀粒排出構造であって、前記縦搬送軸は、駆動源に作動連結された縦軸体と、前記縦軸体に設けられた縦螺旋と、前記縦螺旋より上方で前記縦軸体に設けられた放出羽根とを有し、前記縦オーガ筒は、前記放出羽根が前記放出口の中心より下方に位置しつつ前記放出羽根の少なくとも一部が前記放出口に臨むように前記縦搬送軸を収容し、前記横搬送軸は、横軸体と、前記横軸体に設けられた横螺旋とを有し、前記横オーガ筒は、前記横オーガ筒がオーガレストに載置された基準姿勢において前記横螺旋の上端が前記受入口の中心より下方に位置し且つ前記横螺旋の少なくとも一部が前記受入口に臨むように前記横搬送軸を収容し、前記放出口及び前記受入口と同心上に配置された伝動軸であって、一端部が前記縦軸体に作動連結され且つ他端部が前記横オーガ筒における前記縦オーガ筒とは反対側から外方へ延在された伝動軸と、前記伝動軸の他端部を前記横軸体の基端部に作動連結するように前記横オーガ筒に設けられた伝動ユニットと、前記伝動軸に設けられた押し込み羽根とが備えられ、前記押し込み羽根は、前記伝動軸の軸線方向位置に関し前記横搬送軸と少なくとも部分的にオーバーラップしている穀粒排出構造を提供する。
【0012】
前記横オーガ筒の基準姿勢時に前記横搬送軸を軸線方向に沿って視た際の前記横搬送軸の外形状は、最も上方に位置する最上点から前記縦オーガに最も近接する近接点へ近づくに従って下方に位置する第1弧状部と、前記近接点から最も下方に位置する最下点に近づくに従って下方に位置する第2弧状部と、前記最下点から前記縦オーガに対して最も離間する離間点に近づくに従って上方に位置する第3弧状部と、前記離間点から前記最上点に近づくに従って上方に位置する第4弧状部とを含み、前記押し込み羽根は、好ましくは、前記横オーガ筒の基準姿勢時に前記押し込み羽根の下方において前記横搬送軸の一部が前記放出羽根と対向することを許容しつつ前記第1弧状部の少なくとも一部に沿った弧状領域を有し得る。
【0013】
好ましくは、前記横オーガ筒は、前記基準姿勢において前記横螺旋の下端が前記受入口の下端より下方に位置するように前記横搬送軸を収容するものとされる。
即ち、前記横オーガ筒のうち前記横搬送軸を収容する横筒部の下方部分が前記基準姿勢において前記受入口よりも下方へ凹む凹部を形成するように、前記横オーガ筒が形成され得る。
【0014】
一形態においては、前記伝動ユニットは、前記横軸体と同軸上に配置され且つ一端部が前記横軸体の基端部に軸線回り相対回転不能に連結された下流側中間軸と、一端部が前記下流側中間軸に作動連結された状態で前記下流側中間軸の軸線を通る仮想垂直面を基準にして前記縦オーガ筒とは反対側へ前記下流側中間軸の径方向外方へ延びる上流側中間軸と、前記伝動軸の他端部から前記上流側中間軸の他端部へ回転動力を伝達する伝動機構とを含む。
前記横オーガ筒は、前記横搬送軸を囲繞する横筒部と、前記横筒部から基端側へ延びて前記下流側中間軸を囲繞する下流側筒部と、前記上流側中間軸を囲繞する上流側筒部と、前記伝動機構を囲繞する箱部とを一体的に有し得る。前記箱部は前記縦オーガ筒とは反対側が開口とされ、前記開口は着脱可能な蓋部材によって閉塞され得る。
【0015】
前記種々の構成において、好ましくは、前記穀粒排出構造は、前記放出口の中心と同軸上に位置し且つ前記横オーガ筒とは反対側へ延びるように前記縦オーガ筒に支持された回動支持軸と、前記受入口より先端側において前記回動支持軸と略平行となるように前記横オーガ筒に軸線回り相対回転不能に支持された幅方向延在アームと、前記回動支持軸及び前記幅方向延在アームの自由端部同士を連結する長手方向延在アームと、前記幅方向延在アームに相対回転不能に支持されたブラケットと、一端部が前記ブラケットに相対回転自在に連結され且つ他端部が前記縦オーガ筒に相対回転自在に連結された油圧シリンダ装置とを備え得る。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る穀粒排出構造によれば、縦搬送軸の縦軸体から横搬送軸の横軸体への伝動経路の一部を形成する伝動軸が実質的に縦オーガ筒及び横オーガ筒内に配置されているので、前記伝動軸が前記縦オーガ筒及び前記横オーガ筒の外部に配置されている従来構成においては必要であった伝動軸ケースの不要化を図り、低コスト化を達成できる。
又、本発明に係る穀粒排出構造においては、前記伝動軸が前記縦オーガ筒に対する前記横オーガ筒の回動中心と同軸上に配置されているので、前記伝動軸が前記横オーガ筒の回動支点軸としても作用し、前記横オーガ筒の上下方向回動の安定化を図ることができる。
【0017】
さらに、本発明に係る穀粒排出構造においては、前記伝動軸を前記横軸体に作動連結する伝動ユニットが前記横オーガ筒に設けられている。即ち、前記伝動ユニットが前記縦オーガ筒に対して回動する前記横オーガ筒に一体化されている。従って、前記伝動ユニットが前記横オーガ筒とは離間されている従来構成に比して、前記横オーガ筒の上下回動の安定化を図ることができる。
【0018】
さらに、本発明に係る穀粒排出構造においては、前記伝動軸は一端部が前記縦軸体に作動連結され且つ他端部が前記横オーガ筒における前記縦オーガ筒とは反対側から外方へ延在されて前記横搬送軸を跨ぐように配置されており、前記伝動軸の軸線方向位置に関し前記横搬送軸と少なくともオーバーラップするように前記伝動軸には押し込み羽根が設けられている。
斯かる構成によれば、前記縦搬送軸の縦螺旋によって前記縦筒部内を上方へ搬送され且つ前記縦搬送軸の放出羽根によって前記縦オーガ筒から前記放出口及び前記受入口を介して前記横オーガ筒へ送られる穀粒の移送効率を向上させることができる。
【0019】
即ち、前記放出羽根は、前記縦螺旋によって前記縦オーガ筒内を上方へ搬送された穀粒を前記横搬送軸へ向けて放出するが、一部の穀粒は前記横搬送軸へ向かわずに前記縦オーガ筒及び前記横オーガ筒の内部空間内に飛散する。又、前記放出羽根によって前記横搬送軸へ向けて放出された穀粒の一部は、前記横搬送軸によってはじき返され、前記内部空間内に飛散する。この飛散する穀粒の量が増えると、前記縦オーガ筒から前記横オーガ筒への穀粒移送効率が悪化する。
この点に関し、本発明に係る穀粒排出構造においては前記押し込み羽根を設けられているので、前記放出羽根から飛散される穀粒及び/又は前記横搬送軸によってはじき返された穀粒を前記放出羽根及び前記横搬送軸が対向する空間に押し込めることができ、これにより、前記縦オーガ筒から前記横オーガ筒への穀粒移送効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係る穀粒排出構造が適用されたコンバインの側面図である。
【図2】図2は、図1に示す前記コンバインの平面図である。
【図3】図3は、図1及び図2に示す前記コンバインの伝動模式図である。
【図4】図4は、前記穀粒排出構造の部分斜視図であって、図2における矢印IVに沿った右後方から視た部分斜視図である。
【図5】図5は、前記穀粒排出構造の部分斜視図であって、図2における矢印Vに沿った側方から視た部分斜視図である。
【図6】図6は、図2におけるVI−VI線に沿った前記穀粒排出構造の縦断背面図である。
【図7】図7は、図1におけるVII−VII線に沿った前記穀粒排出構造の横断平面図である。
【図8】図8は、縦オーガ筒及び横オーガ筒を切り欠いた状態の前記穀粒排出構造の後方斜視図である。
【図9】図9は、図2における矢印IVに沿った前記穀粒排出構造の斜視図であって、蓋部材を取り外した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る穀粒排出構造の一実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3に、それぞれ、本実施形態に係る穀粒排出構造100を備えたコンバイン1の側面図、平面図及び伝動模式図を示す。
【0022】
図1及び図2に示すように、前記コンバイン1は、走行機体2と、左右一対のクローラを含む走行部3と、刈取部4と、前記刈取部4によって刈り取られた穀稈を機内に搬送する搬送部5と、前記搬送部5によって送られてくる刈取穀稈に対して脱穀処理を行う脱穀部6と、前記脱穀部6によって脱穀された脱穀物に対して選別処理を行う選別部7と、前記選別部7によって選別された穀粒を貯留する為のグレンタンク8と、前記脱穀部6から送られてくる排藁を処理する排藁処理部9と、運転席が設けられた操縦部10とを備えており、本実施の形態に係る前記穀粒排出構造100は前記グレンタンク8に貯留された穀粒を排出する為に前記コンバイン1に適用されている。
【0023】
図3に示すように、前記コンバイン1は、さらに、前記走行機体2に支持されたエンジン11と、前記エンジン11から入力された回転動力を変速するトランスミッション12とを備えており、前記トランスミッション12によって変速された回転動力が前記走行部3へ伝達されるようになっている。
一方、前記刈取部4、前記搬送部5、前記脱穀部6及び前記選別部7と共に前記穀粒排出構造100へは前記エンジン11からの回転動力が前記トランスミッション12を介さずに作動的に伝達されている。
【0024】
図1及び図2に示すように、前記刈取部4は、前記搬送部5における下記フィーダハウス51の先端部に連結されたプラットフォーム41と、回転軸線が左右方向に沿った状態で前記プラットフォーム41内に配設された横送りオーガ42と、前記横送りオーガ42の直前方に配設された刈刃43及びディバイダー44と、前記ディバイダー44の上方に位置するように昇降機構45を介して前記フィーダハウス51または前記プラットフォーム41に昇降可能に支持された掻込みリール46とを有している。
【0025】
前記刈取部4は、圃場に植立された穀桿を前記ディバイダー44及び前記掻込みリール46によって掻き込んで前記刈刃43によって刈り取り、刈り取られた穀桿を前記横送りオーガ42によって機体幅方向中央に集めて、後続する前記搬送部5へ受け渡す。
【0026】
図1〜図3に示すように、前記搬送部5は、前記走行機体2の前端部に前後方向に沿い且つ上下回動可能に支持された前記フィーダハウス51と、前記フィーダハウス51を昇降させる昇降装置(図示せず)と、前記フィーダハウス51の内部に配設された搬送コンベア52と、前記搬送コンベア52から受け継いだ穀桿を後続する前記脱穀部6へ搬送する前部搬送ビータ(図示せず)とを有している。
【0027】
図3に示すように、前記搬送部5及び前記刈取部4は前記エンジン11からカウンターケース13を介して伝達される回転動力によって駆動される。
なお、図3中の符号14は、前記エンジン11から前記搬送部5及び前記刈取部4への回転動力の伝達を係脱する刈取クラッチである。
【0028】
前記脱穀部6は、前端部が前記フィーダハウス51の後端部に連通された扱室61と、前記扱室61内に配設された扱胴62とを有している。
前記扱胴62は、回転軸線が機体前後方向に沿い且つ前記エンジン11からの回転動力によって前記回転軸線回りに駆動される扱胴本体と、前記扱胴本体の外周壁に所定間隔を存しつつ設けられた複数の扱歯とを有している。
前記扱室61には、前記扱胴62の直下方に位置し且つ前記扱胴本体の外周壁の下部分に沿った受網が設けられている。
【0029】
前記脱穀部6は、前記搬送部5から送られてくる穀稈を脱穀処理しつつ、後方側へ搬送する。
即ち、前記脱穀部6によって穀桿から脱離された穀粒や穂切れを含む脱穀物は自重によって前記受網を通過して下方に位置する前記選別部7へ流下する一方で、比較的大きな排藁は前記扱室61から後方の前記排藁処理部9へ移送される。
なお、図3に示すように、前記脱穀部6は脱穀クラッチ15を介して前記エンジン11から回転動力を入力し、前記排藁処理部9は排藁クラッチ16を介して前記エンジン11から回転動力を入力する。
【0030】
図3に示すように、前記選別部7は、前記受網から流下する脱穀物に対して揺動選別を行う揺動選別部71と、前記揺動選別部71に対して前下方から後上方へ向けて選別風を送る風選別部72と、前記揺動選別部71によって選別された一番穀粒及び二番穀粒をそれぞれ集約する一番樋及び二番樋(図示せず)と、前記一番樋及び前記二番樋にそれぞれ配設された一番コンベア73及び二番コンベア74とを有している。
【0031】
前記一番樋に集約された一番穀粒は、前記一番コンベア73及び揚穀コンベアを介して前記グレンタンク8へ移送される。
一方、前記二番樋に集約された二番穀粒は、前記二番コンベア74及び還元コンベア75を介して前記揺動選別部71へ戻される。
【0032】
図3に示すように、前記一番コンベア73、前記二番コンベア74、前記揚穀コンベア及び前記還元コンベア75は前記カウンターケース13を介して前記エンジン11から回転動力を入力する。
【0033】
前記グレンタンク8は、前記一番コンベア73及び前記揚穀コンベアを介して供給される一番穀粒を貯留するタンク本体81と、前記タンク本体81内の穀粒を外部へ排出する為の本実施の形態に係る前記穀粒排出構造100とを有している。
【0034】
本実施の形態においては、前記グレンタンク8は、さらに、図3に示すように、前記タンク本体81の下部に配設された穀粒排出コンベア82を有しており、前記タンク本体81に貯留された穀粒は前記穀粒排出コンベア82によって前記穀粒排出構造100へ送られるようになっている。
図3に示すように、前記穀粒排出コンベア82は、穀粒排出クラッチ17を介して前記エンジン11から回転動力を入力する。
【0035】
図4に、前記穀粒排出構造100の部分斜視図であって、図2における矢印IVに沿った右後方から視た部分斜視図を示す。
図5に、前記穀粒排出構造100の部分斜視図であって、図2における矢印Vに沿った側方から視た部分斜視図を示す。
さらに、図6に、図2におけるVI−VI線に沿った前記穀粒排出構造100の縦断背面図を示す。
【0036】
前記穀粒排出構造100は、前記グレンタンク8に貯留されている穀粒を外部へ排出する為の構造である。
具体的には、図4〜図6に示すように、前記穀粒排出構造100は、縦オーガ筒120及び縦搬送軸130を含む縦オーガ110と、横オーガ筒150及び横搬送軸160を含む横オーガ140とを備えている。
なお、図4においては、前記横オーガ筒150の一部の図示を省略して前記横搬送軸160を図示している。
【0037】
前記縦オーガ筒120は、略垂直方向に沿って立設されており、下端部に前記穀粒排出コンベア82によって送られている穀粒を受け入れるように前記タンク本体81に連通される受入口(図示せず)を有し且つ上端部には側方に開く円形の放出口121(図6参照)を有している。
【0038】
前記横オーガ筒150は、図6に示すように、基端部に側方に開く円形の受入口151を有している。
前記横オーガ筒150は、前記受入口151が前記放出口121に同心上で接合された状態で前記縦オーガ筒120に前記放出口121の中心(以下、適宜、回動中心Cという)回り回動可能に連結されている。
【0039】
なお、本実施の形態においては、前記縦オーガ筒120のうち前記放出口121が形成された部分が前記横オーガ筒150の前記受入口151に内挿されているが、当然ながら、前記横オーガ筒150のうち前記受入口151が形成された部分を前記縦オーガ筒120の前記放出口121に内挿させることも可能である。
【0040】
若しくは、前記縦オーガ筒120に前記放出口121を囲繞する縦オーガ側フランジを設け且つ前記横オーガ筒150に前記受入口151を囲繞する横オーガ側フランジを設け、前記縦オーガ側フランジ及び前記横オーガ側フランジを当接させた状態で前記横オーガ筒150を前記縦オーガ筒120に前記回動中心C回り回動可能に連結させることも可能である。
【0041】
前記縦搬送軸130は、図3に示すように、前記エンジン11に作動的に連結された状態で前記縦オーガ筒120に内挿されており、前記エンジン11からの回転動力によって軸線回りに回転して穀粒を前記縦オーガ筒120の下端部から上端部へ搬送する。
【0042】
詳しくは、図6に示すように、前記縦搬送軸130は、前記エンジン11からの回転動力によって軸線回りに回転駆動される縦軸体131と、前記縦軸体131に設けられた縦螺旋132とを有している。
【0043】
前記縦軸体131は、前記穀粒搬送コンベア82から回転動力を入力するように下端部が前記穀粒搬送コンベア82に作動連結された状態で、前記縦オーガ筒120に軸線回り回転可能に支持されている。
【0044】
前記縦螺旋132は、前記縦軸体131の軸線回りの回転に応じて穀粒を下方から上方へ搬送するように前記縦軸体131に設けられている。
【0045】
本実施の形態においては、図6に示すように、前記縦搬送軸130は、さらに、前記縦螺旋132より上方で前記縦軸体131に設けられた放出羽根133を有している。
前記放出羽根133は、前記縦螺旋132によって上方へ搬送された穀粒を前記放出口121を介して前記縦オーガ筒120から外方へはじき飛ばすものである。
【0046】
図6に示すように、前記縦オーガ筒120は、前記放出羽根133が前記放出口121の中心より下方に位置しつつ前記放出羽根133の少なくとも一部が前記放出口121に臨むように前記縦搬送軸130を収容している。
【0047】
図7に、図1におけるVII−VII線に沿った前記穀粒排出構造100の横断平面図を示す。
また、図8に、前記縦オーガ筒120及び前記横オーガ筒150を切り欠いた状態の前記穀粒排出構造100の後方斜視図を示す。
【0048】
前記横搬送軸160は、前記横オーガ筒150に軸線回り回転自在に支持されている。
詳しくは、図6〜図8に示すように、前記横搬送軸160は、前記横オーガ筒150に軸線回り回転自在に支持された横軸体161と、前記横軸体161の軸線回りの回転に応じて穀粒を前記横軸体161の基端側から先端側へ搬送するように前記横軸体161に設けられた横螺旋162とを有している。
【0049】
図6及び図8に示すように、前記横オーガ筒150は、前記横オーガ筒150がオーガレスト21(図1参照)に載置された基準姿勢において、前記横螺旋162の上端が前記受入口151の中心より下方に位置し且つ前記横螺旋162の少なくとも一部が前記受入口151に臨むように前記横搬送軸160を収容している。
【0050】
本実施の形態に係る前記穀粒排出構造100は、図6〜図8に示すように、さらに、伝動軸170及び伝動ユニット200を有しており、前記横搬送軸160が前記伝動軸170及び前記伝動ユニット200を介して前記縦搬送軸130に作動連結されている。
【0051】
図6及び図8に示すように、前記伝動軸170は、前記放出口121及び前記受入口151と同心上に配置された状態で、一端部171が前記縦軸体131に作動連結されている。
【0052】
本実施の形態においては、図6及び図8に示すように、前記伝動軸170の一端部171は、前記縦オーガ筒120に軸受部材175を介して軸線回り回転自在に支持された状態で、駆動側ベベルギヤ171a及び従動側ベベルギヤ171bを介して前記縦軸体131に連結されている。
【0053】
詳しくは、前記縦軸体131のうちの前記放出羽根133より上方に位置する部分に前記駆動側ベベルギヤ171aが相対回転不能に支持されており、前記伝動軸170の一端部171には前記駆動側ベベルギヤ171aと噛合するように前記従動側ベベルギヤ171bが相対回転不能に支持されている。
なお、図6及び図8中の符号135は、前記縦軸体131を軸線回り回転自在に支持する軸受部材である。
【0054】
図6及び図8に示すように、前記伝動軸170の他端部172は前記横オーガ筒150における前記縦オーガ筒120とは反対側から外方へ延在されている。
【0055】
前記伝動ユニット200は、前記伝動軸170の他端部172を前記横軸体161の基端部に作動連結するように前記横オーガ筒150に設けられている。
【0056】
図9に、図2における矢印IVに沿った左後方から視た前記穀粒排出構造100の斜視図であって、下記蓋部材155を取り外した状態を示している。
【0057】
本実施の形態においては、図6〜図9に示すように、前記伝動ユニット200は、前記横軸体161と同軸上に配置され且つ一端部が前記横軸体161の基端部に軸線回り相対回転不能に連結された下流側中間軸201と、一端部が前記下流側中間軸201に作動連結された状態で前記下流側中間軸201の軸線を通る仮想垂直面Pを基準にして前記縦オーガ筒120とは反対側へ前記下流側中間軸201の径方向外方へ延びる上流側中間軸202と、前記伝動軸170の他端部172から前記上流側中間軸202の他端部へ回転動力を伝達する伝動機構210とを含んでいる。
【0058】
前記伝動機構210は、前記伝動軸170の他端部172に相対回転不能に支持された駆動側回転部材211と、前記上流側中間軸202の他端部に相対回転不能に支持された従動側回転部材212と、前記駆動側回転部材211及び前記従動側回転部材212に巻き回された無端体213とを有している。
【0059】
本実施の形態に係る前記穀粒排出構造100は、図6及び図8に示すように、さらに、前記伝動軸170に設けられた押し込み羽根180を備えている。
前記押し込み羽根180は、前記伝動軸170の軸線方向位置に関し前記横搬送軸160と少なくとも部分的にオーバーラップするように配置されている。
【0060】
斯かる構成の前記穀粒排出構造100においては、以下の効果を得ることができる。
前記縦搬送軸130の前記縦軸体131から前記横搬送軸160の前記横軸体161への伝動経路の一部を形成する前記伝動軸170が実質的に前記縦オーガ筒120及び前記横オーガ筒150内に配置されている。従って、前記伝動軸170が前記縦オーガ筒120及び前記横オーガ筒150の外側に配置されている従来構成においては必要であった伝動軸ケースの不要化を図り、低コスト化を達成できる。
【0061】
又、本実施の形態においては、前記伝動軸170が前記放出口121及び前記受入口151と同心上、即ち、前記縦オーガ筒120に対する前記横オーガ筒150の回動中心Cと同軸上に配置されているので、前記伝動軸170を前記横オーガ筒150の回動支点軸としても作用させることができ、前記横オーガ筒150の上下方向回動の安定化を図ることができる。
【0062】
又、本実施の形態においては、一端部171が前記縦軸体131に作動連結された前記伝動軸170を前記横オーガ140の回動中心C上に位置させつつ、前記放出羽根133を前記回動中心Cより下方で且つ少なくとも一部が前記放出口121に臨むように前記縦軸体131に設け、前記伝動軸170の他端部172を前記横軸体161の基端部に作動連結する前記伝動ユニット200を穀粒搬送空間の外側において前記横オーガ筒150に設けたので、前記縦搬送軸130から前記横搬送軸160へ回転動力を伝達する部材が前記縦オーガ筒120から前記横オーガ筒150への穀粒の移送の妨げになることを有効に防止しつつ前記伝動ユニット200を前記横オーガ筒150の回動中心Cに可及的に近づけることができる。従って、前記横オーガ140の回動時における慣性モーメントを低減させて、前記横オーガ101の回動安定性を高めることができる
【0063】
さらに、本実施の形態においては、前記伝動軸170は一端部171が前記縦軸体131に作動連結され且つ他端部172が前記横オーガ筒150における前記縦オーガ筒120とは反対側から外方へ延在されており、前記横搬送軸160を跨いでいる。そして、前記伝動軸170には、前記伝動軸170の軸線方向位置に関し前記横搬送軸160と少なくともオーバーラップするように前記押し込み羽根180が設けられている。
【0064】
斯かる構成によれば、前記縦螺旋132によって前記縦オーガ筒120内を上方へ搬送され且つ前記放出羽根133によって前記縦オーガ筒120から前記放出口121及び前記受入口151を介して前記横オーガ筒150へ移送される穀粒の移送効率を向上させることができる。
【0065】
即ち、前記放出羽根133は、前記縦螺旋132によって前記縦オーガ筒120内において上方へ搬送された穀粒を前記横搬送軸160へ向けて放出する。
この際、前記放出羽根133によって放出される穀粒の一部は前記横搬送軸160へ直接的に向かわずに前記放出口121及び前記受入口151の接合部によって画される空間内に飛散する。さらに、前記放出羽根133によって前記横搬送軸160へ向けて直接的に放出された穀粒であっても、その一部は前記横搬送軸160(特には前記横螺旋162)によってはじき返され、前記空間内に飛散する。この飛散する穀粒の量が増えると、前記縦オーガ筒120から前記横オーガ筒150への穀粒移送効率が悪化する。
【0066】
この点に関し、本実施の形態においては、前述の通り、前記押し込み羽根180が設けられている。従って、前記放出羽根133から飛散される穀粒及び/又は前記横搬送軸160によってはじき返された穀粒を、前記押し込み羽根180によって前記放出羽根133及び前記横搬送軸160が対向する移送領域に押し込めることができ、これにより、前記縦オーガ筒120から前記横オーガ筒150への穀粒移送効率を向上させることができる。
【0067】
本実施の形態においては、前記押し込み羽根180は、前記横オーガ筒150の基準姿勢時に、前記押し込み羽根180の下方において前記横搬送軸160の一部が前記放出羽根133と対向することを許容しつつ前記横搬送軸160の外形状に沿った弧状領域181を有している。
【0068】
詳しくは、図6に示すように、前記横オーガ筒150の基準姿勢時において前記横搬送軸160を軸線方向に沿って視た際の前記横搬送軸160の外形状は、最も上方に位置する最上点160aから前記縦オーガ110に最も近接する近接点160bへ近づくに従って下方に位置する第1弧状部160(1)と、前記近接点160bから最も下方に位置する最下点160cに近づくに従って下方に位置する第2弧状部160(2)と、前記最下点160cから前記縦オーガ110に対して最も離間する離間点160dに近づくに従って上方に位置する第3弧状部160(3)と、前記離間点160dから前記最上点160aに近づくに従って上方に位置する第4弧状部160(4)とを含んでいる。
【0069】
前記弧状領域181は、前記第1弧状部160(1)の下方領域が前記放出羽根133と対向することを許容しつつ前記第1弧状部160(1)の上方領域に沿っている。
斯かる構成によれば、前記放出羽根133から前記横搬送軸160への穀粒の移送通路を確保しつつ、前記押し込み羽根180による穀粒の押し込み効果を有効に確保することができる。
【0070】
図6に示すように、本実施の形態においては、前記放出羽根180は、前記弧状領域181に加えて、前記弧状領域181における前記縦オーガ110に近接する側の端部から前記伝動軸170の軸線方向に沿って前記縦オーガ110に向かって延びる第1直線領域182と、前記弧状領域181における前記縦オーガ110とは離間する側の端部から前記伝動軸170の軸線方向に沿って前記縦オーガ110から離間する方向へ延びる第2直線領域183とを含んでいる。
【0071】
さらに、本実施の形態においては、図6に示すように、前記横オーガ筒150は、前記基準姿勢において前記横螺旋162の下端が前記受入口151の下端より下方に位置するように前記横搬送軸160を収容している。
【0072】
即ち、図6及び図8に示すように、前記横オーガ筒150は、前記横搬送軸160を収容する横筒体150aと、前記受入口151が設けられた受入部151bとを有している。
そして、前記基準姿勢においては前記横筒体150aの下方部分が前記受入口151より下方へ凹むように前記横筒体150a及び前記受入部150bが配置されている。
【0073】
斯かる構成によれば、前記横オーガ筒150の基準姿勢において前記横筒体150aの下方部分によって形成される凹部が前記放出羽根133によって前記縦オーガ筒120から前記横オーガ筒150へ移送された穀粒の一時的な収容空間として利用されることになり、前記放出羽根133によって前記横オーガ筒150へ向けて放出された穀粒の跳ね返り量を減少させることができる。
【0074】
本実施の形態においては、図4、図7及び図9に示すように、前記横オーガ筒150は、前記横搬送軸160を囲繞する前記横筒部150a及び前記受入口151が設けられた前記受入部150bに加えて、前記横筒部150aから基端側へ延びて前記下流側中間軸201を囲繞する下流側筒部150cと、前記上流側中間軸202を囲繞する上流側筒部150dと、前記伝動機構210を囲繞する箱部150eとを一体的に有している。
前記箱部150eは前記縦オーガ筒120とは反対側が開口とされており、前記開口は着脱可能な蓋部材155によって閉塞されている。
斯かる構成によれば、前記伝動機構210の組み付け作業効率を向上させることができる。
【0075】
図4、図5及び図8に示すように、本実施の形態に係る前記穀粒排出構造100は、さらに、前記横オーガ140を前記縦オーガ110に対して上下方向に回動させる油圧シリンダ装置250を備えており、前記油圧シリンダ装置250による前記横オーガ140の昇降動作の安定化を図るべく下記構成を備えている。
【0076】
即ち、図4〜図6及び図8に示すように、前記穀粒排出構造100は、前記回動中心Cと同軸上に位置し且つ前記横オーガ筒150とは反対側へ延びるように前記縦オーガ筒120に支持された回動支持軸260と、前記受入部151より先端側において前記回動支持軸260と略平行となるように前記横オーガ筒150に軸線回り相対回転不能に支持された幅方向延在アーム265と、前記回動支持軸260及び前記幅方向延在アーム265の自由端部同士を連結する長手方向延在アーム270と、前記幅方向延在アーム265に相対回転不能に支持されたブラケット275とを備えている。
斯かる構成において、前記油圧シリンダ装置250は、一端部が前記ブラケット275に相対回転自在に連結され且つ他端部が前記縦オーガ筒120に相対回転自在に連結されている。
【0077】
なお、本実施の形態においては、図4に示すように、前記長手方向延在アーム270の基端部は前記受入口151より基端側に位置されており、連結部材280を介して前記受入部150bに連結されている。
【符号の説明】
【0078】
21 オーガレスト
100 穀粒排出構造
110 縦オーガ
120 縦オーガ筒
121 放出口
130 縦搬送軸
131 縦軸体
132 縦螺旋
133 放出羽根
140 横オーガ
150 横オーガ筒
150a 横筒部
150b 受入部
150c 下流側筒部
150d 上流側筒部
150e 箱部
151 受入口
155 蓋部材
160 横搬送軸
160a 最上点
160b 近接点
160c 最下点
160d 離間点
160(1) 第1弧状部
160(2) 第2弧状部
160(3) 第3弧状部
160(4) 第4弧状部
161 横軸体
162 横螺旋
170 伝動軸
171 伝動軸の一端部
172 伝動軸の他端部
180 押し込み羽根
181 弧状領域
200 伝動ユニット
201 下流側中間軸
202 上流側中間軸
210 伝動機構
250 油圧シリンダ装置
260 回動支持軸
265 幅方向延在アーム
270 長手方向延在アーム
275 ブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦オーガ筒及び縦搬送軸を有する縦オーガと、横オーガ筒及び横搬送軸を有する横オーガとを備え、前記横オーガ筒の基部側方に形成された受入口が前記縦オーガ筒の上部側方に形成された放出口に同心上で接合された状態で前記横オーガ筒が前記縦オーガ筒に前記放出口の中心回り回動可能に連結されている穀粒排出構造であって、
前記縦搬送軸は、駆動源に作動連結された縦軸体と、前記縦軸体に設けられた縦螺旋と、前記縦螺旋より上方で前記縦軸体に設けられた放出羽根とを有し、
前記縦オーガ筒は、前記放出羽根が前記放出口の中心より下方に位置しつつ前記放出羽根の少なくとも一部が前記放出口に臨むように前記縦搬送軸を収容し、
前記横搬送軸は、横軸体と、前記横軸体に設けられた横螺旋とを有し、
前記横オーガ筒は、前記横オーガ筒がオーガレストに載置された基準姿勢において前記横螺旋の上端が前記受入口の中心より下方に位置し且つ前記横螺旋の少なくとも一部が前記受入口に臨むように前記横搬送軸を収容し、
前記放出口及び前記受入口と同心上に配置された伝動軸であって、一端部が前記縦軸体に作動連結され且つ他端部が前記横オーガ筒における前記縦オーガ筒とは反対側から外方へ延在された伝動軸と、前記伝動軸の他端部を前記横軸体の基端部に作動連結するように前記横オーガ筒に設けられた伝動ユニットと、前記伝動軸に設けられた押し込み羽根とが備えられ、
前記押し込み羽根は、前記伝動軸の軸線方向位置に関し前記横搬送軸と少なくとも部分的にオーバーラップしていることを特徴とする穀粒排出構造。
【請求項2】
前記横オーガ筒の基準姿勢時に前記横搬送軸を軸線方向に沿って視た際の前記横搬送軸の外形状は、最も上方に位置する最上点から前記縦オーガに最も近接する近接点へ近づくに従って下方に位置する第1弧状部と、前記近接点から最も下方に位置する最下点に近づくに従って下方に位置する第2弧状部と、前記最下点から前記縦オーガに対して最も離間する離間点に近づくに従って上方に位置する第3弧状部と、前記離間点から前記最上点に近づくに従って上方に位置する第4弧状部とを含み、
前記押し込み羽根は、前記横オーガ筒の基準姿勢時に前記押し込み羽根の下方において前記横搬送軸の一部が前記放出羽根と対向することを許容しつつ前記第1弧状部の少なくとも一部に沿った弧状領域を有していることを特徴とする請求項1に記載の穀粒排出構造。
【請求項3】
前記横オーガ筒は、前記基準姿勢において前記横螺旋の下端が前記受入口の下端より下方に位置するように前記横搬送軸を収容していることを特徴とする請求項1又は2に記載の穀粒排出構造。
【請求項4】
前記伝動ユニットは、前記横軸体と同軸上に配置され且つ一端部が前記横軸体の基端部に軸線回り相対回転不能に連結された下流側中間軸と、一端部が前記下流側中間軸に作動連結された状態で前記下流側中間軸の軸線を通る仮想垂直面を基準にして前記縦オーガ筒とは反対側へ前記下流側中間軸の径方向外方へ延びる上流側中間軸と、前記伝動軸の他端部から前記上流側中間軸の他端部へ回転動力を伝達する伝動機構とを含み、
前記横オーガ筒は、前記横搬送軸を囲繞する横筒部と、前記横筒部から基端側へ延びて前記下流側中間軸を囲繞する下流側筒部と、前記上流側中間軸を囲繞する上流側筒部と、前記伝動機構を囲繞する箱部とを一体的に有し、
前記箱部は前記縦オーガ筒とは反対側が開口とされ、前記開口は着脱可能な蓋部材によって閉塞されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の穀粒排出構造。
【請求項5】
前記放出口の中心と同軸上に位置し且つ前記横オーガ筒とは反対側へ延びるように前記縦オーガ筒に支持された回動支持軸と、前記受入口より先端側において前記回動支持軸と略平行となるように前記横オーガ筒に軸線回り相対回転不能に支持された幅方向延在アームと、前記回動支持軸及び前記幅方向延在アームの自由端部同士を連結する長手方向延在アームと、前記幅方向延在アームに相対回転不能に支持されたブラケットと、一端部が前記ブラケットに相対回転自在に連結され且つ他端部が前記縦オーガ筒に相対回転自在に連結された油圧シリンダ装置とを備えていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の穀粒排出構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−92(P2013−92A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136935(P2011−136935)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】