説明

積層セラミックキャパシタ

【課題】本発明は、積層セラミックキャパシタに関する。
【解決手段】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、セラミック素体と、互いに重畳される領域がセラミック素体の一面に露出する引出部をそれぞれ有する第1及び第2内部電極121、122と、上記セラミック素体の一面から内部電極121、122が積層されるy方向の側面に延長されて形成され、上記引出部とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極131、132と、上記セラミック素体の一面に形成される絶縁層140とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミックキャパシタに関するもので、より詳細には、優れた静電容量及び低いESLを示し、回路基板との固着強度の優れた積層セラミックキャパシタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、キャパシタ、インダクタ、圧電体素子、バリスタ又はサーミスタ等のセラミック材料を使用する電子部品は、セラミック材料からなるセラミック本体、本体内部に形成された内部電極及び上記内部電極と接触するように、セラミック本体の表面に設置された外部電極を具備する。
【0003】
セラミック電子部品のうち、積層セラミックキャパシタとは、積層された複数の誘電体層と、一誘電体層を介して対向配置される内部電極と、上記内部電極に電気的に接続された外部電極とを含む。
【0004】
積層セラミックキャパシタは、小型でありながら、高容量が保証され、実装が容易であるという長所により、コンピュータ、PDA、携帯電話等の移動通信装置の部品として、広く使用されている。
【0005】
最近では、電子製品の小型化及び多機能化により、チップ部品も小型化及び高機能化される傾向にあるため、積層セラミックキャパシタも小さくて、容量の大きい高容量製品が要求されている。
【0006】
また、積層セラミックキャパシタは、LSIの電源回路内に配置されるバイパス(bypass)キャパシタとして有効に使用され、このようなバイパスキャパシタとして機能するためには、積層セラミックキャパシタが高周波ノイズを効果的に除去できなければならない。このような要求は、電子装置の高周波化傾向により、さらに増加している。バイパスキャパシタとして使用される積層セラミックキャパシタは、回路基板上の実装パッド上の半田を介して、電気的に連結され、上記実装パッドは、基板上の配線パターンや導電性ビアを通じて他の外部回路と連結することができる。
【0007】
積層セラミックキャパシタは、キャパシタンス成分の他に、等価直列抵抗(ESR)及び等価直列インダクタンス(ESL)成分を共に有し、このような等価直列抵抗(ESR)及び等価直列インダクタンス(ESL)成分は、バイパスキャパシタの機能を阻害する。特に、等価直列インダクタンス(ESL)は、高周波においてキャパシタのインダクタンスを高め、高周波ノイズ除去特性を阻害する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、優れた静電容量及び低いESLを示し、回路基板との固着強度の優れた積層セラミックキャパシタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態は、セラミック素体と、互いに重畳される領域を有し、上記重畳される領域が上記セラミック素体の一面に露出する引出部をそれぞれ有する第1及び第2内部電極と、上記セラミック素体の一面から内部電極が積層されるy方向の側面に延長されて形成され、上記引出部とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極と、上記セラミック素体の一面に形成される絶縁層と、を含む積層セラミックキャパシタを提供する。
【0010】
上記第1及び第2内部電極の引出部は、セラミック素体の同一面に露出することができる。
【0011】
上記第1及び第2内部電極は、セラミック素体の実装面に対し、垂直に配置されることができる。
【0012】
上記第1外部電極は、上記第1内部電極の引出部のうち、第2内部電極の引出部と重畳されない領域と連結することができる。
【0013】
上記絶縁層は、互いに重畳される第1及び第2内部電極の引出部を全部覆うように形成することができる。
【0014】
上記絶縁層は、上記セラミック素体にセラミックスラリーを塗布して形成することができる。
【0015】
上記セラミック素体のy方向の側面は、互いに対向する2つの側面であることができる。
【0016】
上記第1外部電極又は第2外部電極は、上記第1及び第2外部電極が所定の間隔をおいて形成されるx方向の側面である第3面及び第4面には形成しないことができる。
【0017】
上記第1外部電極又は第2外部電極は、上記セラミック素体の一面と上記第1及び第2外部電極が所定の間隔をおいて形成されるx方向の側面である第3面及び第4面が成す角まで形成することができる。
【0018】
上記第1外部電極又は第2外部電極は、上記セラミック素体の一面と上記第1及び第2外部電極が所定の間隔をおいて形成されるx方向の側面である第3面及び第4面が成す角まで形成しないことができる。
【0019】
上記第1外部電極又は第2外部電極は、上記セラミック素体のy方向の側面の所定の高さまで形成することができる。
【0020】
上記絶縁層は、上記セラミック素体の一面から測定される第1及び第2外部電極の高さより低く形成することができる。
【0021】
上記第1及び第2外部電極は、上記セラミック素体のy−方向の側面から延長され、上記セラミック素体の一面に対向する他面まで形成することができる。
【0022】
上記第1内部電極は、2つ以上の引出部を有し、上記第1内部電極の引出部は、上記第2内部電極の引出部とそれぞれの重畳領域を形成することができる。
【0023】
上記第1内部電極は、上記セラミック素体の同一面に露出する2つ以上の引出部を有し、上記第1内部電極の引出部は、上記第2内部電極の引出部とそれぞれの重畳領域を形成することができる。
【0024】
上記第1内部電極は、2つの引出部を有し、上記第1内部電極の引出部は、上記第2内部電極とそれぞれの重畳領域を形成し、上記第1内部電極の引出部と連結される第3外部電極をさらに含むことができる。
【0025】
上記第1内部電極は、2つの引出部を有し、上記第1内部電極の引出部は、上記第2内部電極の引出部とそれぞれの重畳領域を形成し、上記第1内部電極の引出部と連結される第3外部電極をさらに含み、上記第3外部電極は、上記セラミック素体のy−方向の側面に延長されて形成することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極は、引出部にも重畳領域が形成され、積層セラミックキャパシタの容量を増やすことができる。
【0027】
また、外部極性が印加される第1及び第2内部電極間の距離が近くなり、カレントループ(current loop)を短くすることができ、これにより、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)を低くすることができる。
【0028】
本発明の一実施形態によると、セラミック素体に形成される絶縁層は、セラミック素体の一面に露出した第1及び第2内部電極の引出部を覆って、内部電極間の短絡を防止し、耐湿特性の低下等の内部欠陥を防止することができる。
【0029】
本発明の一実施形態によると、絶縁層の高さが調節でき、絶縁層の高さを第1及び第2外部電極の高さより低く形成する場合、積層セラミックキャパシタを回路基板上に、より安定的に実装することができる。
【0030】
本発明の一実施形態によって、外部電極の形成面積を拡張する場合、ソルダリングと外部電極との接触面積が拡大することができる。これにより、積層セラミックキャパシタを安定的に実装することができ、積層セラミックキャパシタの固着強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略斜視図である。
【図2】図1に図示された積層セラミックキャパシタの内部電極の構造を示す断面図である。
【図3】図1のA−A’線に沿った断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略斜視図である。
【図8】図7に図示された積層セラミックキャパシタの内部電極の構造を示す断面図である。
【図9】図7に図示された積層セラミックキャパシタの断面図である。
【図10】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。但し、本発明の実施形態は、他の多様な形態に変更することができ、本発明の範囲は、以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当業界で平均的な知識を有する者に、本発明をより完全に説明するために提供するものである。従って、図面における要素の形状及び大きさ等は、より明確な説明のため、誇張されることがあり、図面上に同一符号で示される要素は同一要素である。
【0033】
図1の(a)及び(b)は、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略斜視図である。図2は、図1a及び図1bに図示された積層セラミックキャパシタの内部電極の構造を示す断面図である。図3は、図1のA−A’線に沿った断面図である。
【0034】
本実施形態による積層セラミックキャパシタは、2端子垂直積層セラミックキャパシタであることができる。「垂直積層型(vertically laminated or vertical multilayer)」とは、キャパシタ内の積層された内部電極が、回路基板の実装領域面に垂直に配置されることを意味し、「2端子(2−terminal)」とは、キャパシタの端子として2つの端子が回路基板に接続されることを意味する。
【0035】
図1から図3を参照すると、本実施形態による積層セラミックキャパシタは、セラミック素体110と、上記セラミック素体の内部に形成される内部電極121、122と、上記セラミック素体の一面に形成される絶縁層140と、外部電極131、132とを含むことができる。
【0036】
本実施形態において、セラミック素体110は、互いに対向する第1面1及び第2面2、上記第1面及び第2面とを連結する第3面3及び第4面4、第5面5及び第6面6を有することができる。上記セラミック素体110の形状に特に制限はないが、図示されているように、第1面から第6面を有する六面体であることができる。本発明の一実施形態によると、セラミック素体の第1面1は、回路基板の実装領域に配置される実装面になることができる。
【0037】
本発明の一実施形態によると、x方向は第1及び第2外部電極が所定の間隔をおいて形成される方向であり、y方向は内部電極が誘電体層を介して積層される方向であり、z方向は内部電極が回路基板に実装される方向とすることができる。
【0038】
本発明の一実施形態によると、上記セラミック素体110は、複数の誘電体層111を積層して形成することができる。上記セラミック素体110を構成する複数の誘電体層111は、焼結された状態であり、隣接する誘電体層の境界は、確認できないほど一体化することができる。
【0039】
上記誘電体層111は、セラミックパウダー、有機溶剤及び有機バインダーを含むセラミックグリーンシートの焼成によって形成することができる。上記セラミックパウダーは、高い誘電率を有する物質であり、これに制限されるものではないが、チタン酸バリウム(BaTiO)系材料、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)系材料等を使用することができる。
【0040】
本発明の一実施形態によると、セラミック素体110の内部には、内部電極を形成することができる。図2は、セラミック素体110を構成する誘電体層111と上記誘電体層に形成された内部電極121、122を示す断面図である。本発明の一実施形態によると、第1極性の第1内部電極121と第2極性の第2内部電極122とを一対とすることができ、一誘電体層111を介して互いに対向するように、y方向に配置されることができる。本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極121、122は、積層セラミックキャパシタの実装面、即ち、第1面1に垂直に配置することができる。
【0041】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極は、導電性金属を含む導電性ペーストで形成することができる。上記導電性金属は、これに制限されるものではないが、Ni、Cu、Pd又はこれらの合金とすることができる。
【0042】
誘電体層を形成するセラミックグリーンシート上にスクリーン印刷法又はグラビア印刷法のような印刷法を通じ、導電性ペーストで内部電極層を印刷することができる。内部電極層が印刷されたセラミックグリーンシートを交互に積層して焼成し、セラミック素体を形成することができる。
【0043】
図2を参照すると、第1及び第2内部電極121、122は、互いに異なる極性の外部電極と連結されるように、それぞれ第1及び第2引出部121a、122aを有し、上記第1及び第2引出部121a、122aは、セラミック素体の第1面に露出することができる。本発明の一実施形態によると、積層セラミックキャパシタは、垂直積層型であり、第1及び第2引出部121a、122aは、セラミック素体の同一面に露出することができる。
【0044】
本発明の一実施形態によると、内部電極の引出部は、内部電極を形成する導体パターンのうち、幅Wが増加してセラミック素体の一面に露出した領域を意味することができる。
【0045】
一般的に、第1及び第2内部電極は、重畳される領域によって静電容量を形成し、互いに異なる極性の外部電極と連結される引出部は、重畳される領域を有さない。しかしながら、本発明の一実施形態によると、第1及び第2引出部121a、122aは、互いに重畳される領域を有することができる。本発明の一実施形態によると、第1及び第2引出部は、第1面に露出し、露出した領域のうち、一部を重畳することができる。
【0046】
図3を参照すると、セラミック素体の第1面に引出された第1内部電極の第1引出部121aと連結されるように、第1外部電極131が形成され、セラミック素体の第1面に引出された第2内部電極の第2引出部122aに連結されるように、第2外部電極132を形成することができる。
【0047】
上記第1外部電極131は、第1引出部121aのうち、第2引出部122aと重畳されない領域に連結することができ、第2外部電極132は、第2引出部122aのうち、第1引出部121aと重畳されない領域に連結することができる。
【0048】
上記第1外部電極131は、第2引出部122aと接触しないように、第1引出部121aの一部と連結することができ、第2外部電極132は、第1引出部121aと接触しないように、第2引出部122aの一部と連結することができる。
【0049】
図3の右側の図面は、第1内部電極の引出部121aと第2内部電極の引出部122aの重畳された領域が矢印で示されており、第1内部電極の引出部121aと重畳されない第2内部電極の引出部122aが点線で示されている。
【0050】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2引出部121a、122aは、互いに重畳される領域を有し、それぞれ互いに異なる極性を示す第1及び第2外部電極131、132と連結されることができる。
【0051】
本発明の一実施形態によると、図示されているように、上記第1及び第2外部電極131、132は、セラミック素体の第1面と第3面又は第1面と第4面とが成す角まで形成することができる。
【0052】
本発明の一実施形態によると、図示されているように、セラミック素体の第1面には絶縁層140を形成することができる。上記絶縁層140は、第1及び第2外部電極131、132の間に形成することができる。上記絶縁層140は、第1面に露出した第1及び第2引出部121a、122aを覆うようにして形成することができ、第1及び第2引出部の重畳される領域を全部覆うようにして形成することができる。
【0053】
上記絶縁層140は、第1及び第2外部電極の間におけるセラミック素体の一面を完全に覆うようにして形成することができる。
【0054】
また、図示されてはいないが、本発明の一実施形態によると、絶縁層は第1及び第2引出部の重畳領域のみを覆うようにして形成し、第1及び第2外部電極131、132と所定の間隔をおいて形成することができる。
【0055】
本発明の一実施形態によると、上記絶縁層140は、セラミックスラリーで形成することができる。上記セラミックスラリーの量及び形状を調節し、絶縁層の形成位置及び高さを調節することができる。上記絶縁層140は、焼成工程によってセラミック素体を形成した後、このセラミック素体にセラミックスラリーを塗布し、焼成して形成することができる。
【0056】
又は、セラミック素体を形成するセラミックグリーンシート上に絶縁層を形成するセラミックスラリーを形成し、セラミックグリーンシートと共に焼成して形成することができる。
【0057】
上記セラミックスラリーの形成方法は、特に制限されない。例えば、スプレー方式で噴射したり、ローラーを利用して塗布することもできる。
【0058】
上記絶縁層140は、セラミック素体の一面に露出した第1及び第2内部電極の引出部121a、122aを覆って内部電極間の短絡を防止し、耐湿特性の低下等の内部欠陥を防止することができる。
【0059】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極は、引出部にも重畳領域が形成され、積層セラミックキャパシタの容量が増加する。また、外部極性が印加される第1及び第2内部電極間の距離が近くなり、カレントループ(current loop)を短くすることができ、これによって、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)を低くすることができる。
【0060】
積層セラミックキャパシタの一面のみに外部電極が形成される場合、実装面積が減少し、回路基板の実装密度を向上させることができる。しかし、積層セラミックキャパシタの一面のみに外部電極が形成されると、回路基板と接触面積が減少する。この場合、回路基板に実装するとき、半田との接触面積が減少して実装が不安定になり、積層セラミックキャパシタの固着強度が低下する。
【0061】
しかしながら、本発明の一実施形態のように、外部電極の形成面積を拡張する場合、半田と外部電極との接触面積を拡大することができる。これによって、積層セラミックキャパシタを安定的に実装することができ、積層セラミックキャパシタの固着強度を向上させることができる。
【0062】
本発明の一実施形態によると、外部電極の構造は多様に変形されることができる。
【0063】
図4は、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す断面図である。上述した実施例と異なる構成要素を中心に説明し、同一の構成要素に対する詳しい説明は省略する。
【0064】
図4を参照すると、図3と同様に、セラミック素体の第1面には第1及び第2外部電極131、132を形成することができ、第1及び第2外部電極の間には絶縁層140を形成することができる。
【0065】
本実施形態によると、絶縁層140の高さh2は、第1外部電極131又は第2外部電極132の高さh1より低く形成することができる。上記絶縁層及び外部電極の高さは、実装面、即ち、第1面を基準として測定することができる。
【0066】
本実施形態によると、上記絶縁層の高さが第1及び第2外部電極の高さより低いため、外部電極の露出面積を増やすことができる。これによって、半田と外部電極との接触面積が拡大し、積層セラミックキャパシタを回路基板上に、より安定的に実装することができる。
【0067】
また、図示されているように、第1及び第2外部電極131、132は、セラミック素体の第1面の一部に形成することができる。上記第1及び第2外部電極を、セラミック素体の第1面において、セラミック素体の第1面と第3面又は第1面と第4面とが成す角までは形成しないことができる。上記第3面及び第4面は、第1及び第2外部電極が所定の間隔をおいて形成されるx方向の側面とすることができる。
【0068】
図示されてはいないが、本発明の一実施形態によると、上記第1及び第2外部電極は、セラミック素体の第1面から上記第1面と連結された第5面又は第6面等の側面まで延長して形成することができる。
【0069】
図5及び図6は、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略斜視図である。上述した実施例と異なる構成要素を中心に説明し、同一の構成要素に対する詳しい説明は省略する。
【0070】
図5及び図6を参照すると、本実施形態によるセラミック素体110は、図1に図示されている積層セラミックキャパシタのように、実装面として提供される第1面、この第1面に対向する第2面、上記第1面及び第2面を連結する第3面及び第4面、第5面及び第6面を有することができる。上記第3面及び第4面は互いに対向する面であり、第5面及び第6面は互いに対向する面であることができる。
【0071】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2外部電極131、132は、セラミック素体の第1面からこの第1面と連結された側面である第5面及び第6面まで延長して形成することができる。
【0072】
図5を参照すると、第1及び第2外部電極131、132は、セラミック素体の実装面から側面まで延長して形成することができ、より具体的には、セラミック素体の第1面から第5面及び第6面まで延長して形成することができる。上記第5面及び第6面は、互いに対向する面であることができる。上記第1及び第2外部電極131、132は、内部電極が誘電体層を介して積層されるy方向に延長され、セラミック素体の第1面から第5面及び第6面まで延長して形成することができる。
【0073】
上記第1及び第2外部電極131、132は、第5面及び第6面に延長され、
第5面及び第6面の所定の高さHまで形成することができる。上記所定の高さHは特に制限されない。図示されているように、第5面及び第6面の一部のみに形成することができる。
【0074】
また、図示されてはいないが、第5面及び第6面の端まで第1及び第2外部電極131、132を形成することができ、第5面又は第6面のみに延長されたり、第5面又は第6面にそれぞれ異なる高さで形成することができる。
【0075】
また、本発明の一実施形態によると、第1及び第2外部電極が所定の間隔をおいて形成されるx方向の側面である第3面及び第4面には外部電極を形成しないことができる。
【0076】
また、第1面における上記第1及び第2外部電極131、132は、セラミック素体の第1面と第3面又は第1面と第4面とが成す角まで形成することができる。
【0077】
又は、図示されてはいないが、図4に示されているように、第1面において、第1及び第2外部電極を、セラミック素体の第1面と第3面又は第1面と第4面とが成す角までは形成しないことができる。
【0078】
図6を参照すると、第1及び第2外部電極131、132は、セラミック素体の第1面から内部電極が誘電体層を介して積層されるy方向の側面まで延長され、この側面から第1面に対向する第2面まで延長されて形成することができる。より具体的には、セラミック素体の実装面として提供される第1面から第5面及び第6面の側面まで延長され、第1面に対向する他面、即ち、第2面まで形成されてリング状に形成することができる。また、第1及び第2外部電極間の所定の間隔をおいて形成されるx方向の側面である第3面及び第4面には外部電極を形成しないことができる。
【0079】
また、図示されてはいないが、上記第1及び第2外部電極は、第5面及び第6面から延長されて第2面まで形成されるが、第2面の一部のみに形成することができる。
【0080】
本発明の一実施形態により、外部電極がセラミック素体の側面まで延長されて形成される場合、半田と外部電極との接触面積を拡大することができる。側面に形成される外部電極が半田と結合し、積層セラミックキャパシタを安定的に実装することができ、積層セラミックキャパシタの固着強度を向上させることができる。
【0081】
図7から図9は、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す。図7は、本実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略斜視図であり、図8は、図7に図示されている積層セラミックキャパシタの内部電極の構造を示す断面図である。また、図9は、図7に図示されている積層セラミックキャパシタの断面図である。上述した実施例と異なる構成要素を中心に説明し、同一の構成要素に対する詳しい説明は省略する。
【0082】
図7から図9を参照すると、本実施形態による積層セラミックキャパシタは、3端子垂直積層型キャパシタとすあることができる。「3端子(3−terminal)」とは、キャパシタの端子として3つの端子が回路基板に接続されることを意味する。
【0083】
本実施形態による積層セラミックキャパシタは、セラミック素体310と、上記セラミック素体の内部に形成される内部電極321、322と、上記セラミック素体の一面に形成される絶縁層341、342と、外部電極331、332、333とを含むことができる。
【0084】
本実施形態において、セラミック素体310は、互いに対向する第1面1及び第2面2と上記第1面及び第2面を連結する第3面3、第4面4、第5面5及び第6面6とを有することができる。上記セラミック素体310の形状に特に制限はないが、図示されているように、第1面から第6面を有する六面体であることができる。本発明の一実施形態によると、セラミック素体の第1面1は、回路基板の実装領域に配置される実装面であることができる。上記第3面3及び第4面4は、第1及び第2外部電極が所定の間隔をおいて形成されるx方向の側面とすることができ、上記第5面5及び第6面6は、内部電極が誘電体層を介して積層されるy方向の側面とすることができる。
【0085】
図8は、セラミック素体310を構成する誘電体層311と上記誘電体層に形成された内部電極321、322を示す断面図である。本発明の一実施形態によると、第1極性の第1内部電極321と第2極性の第2内部電極322とは一対とすることができ、一誘電体層311を介して互いに対向するように、y方向に配置することができる。本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極321、322は、積層セラミックキャパシタの実装面に垂直に配置することができる。
【0086】
図8を参照すると、第1及び第2内部電極321、322は、互いに異なる極性の外部電極と連結されるように、それぞれ第1及び第2引出部321a、321b、322aを有し、上記第1及び第2引出部321a、321b、
322aは、セラミック素体の一面に露出することができる。
【0087】
本実施形態によると、第1内部電極は、2つの引出部321a、321bを有することができる。上記第1内部電極の2つの引出部321a、321bは、それぞれ第2内部電極の第2引出部322aと互いに重畳される領域を有することができる。本発明の一実施形態によると、第1内部電極の2つの引出部321a、321bと第2内部電極の第2引出部322aは、セラミック素体の同一面に露出し、露出した領域のうち、一部を重畳することができる。
【0088】
図9を参照すると、セラミック素体の一面に引出された第1内部電極の2つの引出部321a、321bと連結されるように、セラミック素体の一面に第1及び第3外部電極331、333を形成することができる。本実施形態によると、第1内部電極は、第1及び第3外部電極によって、外部極性と連結することができる。また、セラミック素体の一面に引出された第2内部電極の第2引出部322aと連結されるように、第2外部電極332を形成することができる。上記第2外部電極332は、第1及び第3外部電極の間に形成することができる。本発明において、第1及び第2外部電極は、互いに異なる極性を意味することができ、第1及び第3外部電極は、同一の極性を意味することができる。
【0089】
上記第1外部電極331は、第2引出部322aと重畳されない1つの第1引出部321a領域と連結することができ、上記第3外部電極331は、第2引出部322aと重畳されない他の1つの第1引出部321b領域と連結することができる。上記第2外部電極332は、第2引出部322aのうち、2つの第1引出部321a、321bと重畳されない領域と連結することができる。
【0090】
図9の右側の図面には、第1内部電極321の2つの引出部と第2内部電極322の引出部の重畳された領域が矢印で示されており、第1内部電極321の2つの引出部と重畳されない第2内部電極322が点線で示されている。
【0091】
本発明の一実施形態によると、第1面において、上記第1及び第3外部電極331、333は、セラミック素体の第1面と第3面又は第1面と第4面とが成す角まで形成することができる。
【0092】
又は、図示されてはいないが、図4に示されているように、第1面において、第1及び第3外部電極を、セラミック素体の第1面と第3面又は第1面と第4面とが成す角まで形成しないことができる。
【0093】
本実施形態によると、セラミック素体の一面には絶縁層341、342が形成することができる。上記絶縁層341、342は、第1及び第2外部電極331、332の間と第2及び第3外部電極332、333の間にそれぞれ形成することができる。上記絶縁層341、342は、セラミック素体の一面に露出した第1及び第2引出部321a、321b、322aを覆うように形成することができ、第1及び第2引出部の重畳領域を全部覆うように形成することができる。
【0094】
上記絶縁層341、342は、セラミック素体の一面に露出した第1及び第2内部電極の引出部321a、321b、322aを覆って内部電極間の短絡を防止し、耐湿特性の低下等の内部欠陥を防止することができる。
【0095】
本実施形態によると、第1及び第2内部電極は、引出部にも重畳領域が形成され、積層セラミックキャパシタの容量を増やすことができる。また、外部極性が印加される第1及び第2内部電極間の距離が近くなり、カレントループ(current loop)を短くすることができ、これにより、等価直列インダクタンス(ESL、Equivalent Series Inductance)を低くすることができる。
【0096】
また、本実施形態によると、電流は第1及び第3外部電極と連結された第1内部電極を通じて第2内部電極に流れる。このような電流によって、積層セラミックキャパシタのキャパシタンス成分に直列に連結されるインダクタンス成分の大きさを、非常に小さくすることができる。
【0097】
上述したように、積層セラミックキャパシタの一面のみに外部電極が形成される場合、実装面積が減少して回路基板の実装密度を向上させることができるが、回路基板との接触面積が減少して積層セラミックキャパシタの実装が不安定になり、積層セラミックキャパシタの固着強度が低下する。
【0098】
しかしながら、本発明の一実施形態のように、外部電極の構造を多様に変形させて、半田と外部電極との接触面積を拡大することができる。
【0099】
図10から図12は、本発明の他の実施形態による積層セラミックキャパシタを示す概略斜視図である。上述した実施例と異なる構成要素を中心に説明し、同一の構成要素に対する詳しい説明は省略する。
【0100】
図10から図12を参照すると、本実施形態によるセラミック素体310は、図7に図示される積層セラミックキャパシタのように、実装面として提供される第1面と、上記第1面に対向する第2面、上記第1面及び第2面を連結する第3面、第4面、第5面及び第6面とを有することができる。上記第3面及び第4面は、互いに対向する面であり、第5面及び第6面は、互いに対向する面であることができる。上記第3面及び第4面は、第1及び第2外部電極が所定の間隔をおいて形成されるx方向の側面であることができ、上記第5面及び第6面は、内部電極が誘電体層を積層するy方向の側面であることができる。
【0101】
図10から図12を参照すると、図7に図示されている積層セラミックキャパシタのように、セラミック素体の一面に引出された第1内部電極の2つの引出部と連結されるように、セラミック素体の一面に第1及び第3外部電極331、333を形成することができ、セラミック素体の一面に引出された第2内部電極の第2引出部と連結されるように、第2外部電極332を形成することができる。上記第2外部電極332は、第1及び第3外部電極の間に形成することができる。
【0102】
本発明の一実施形態によると、外部電極は、セラミック素体の第1面から第5面及び第6面まで延長して形成することができる。
図10から図12は、3端子キャパシタにおいて、外部電極の構造に関する多様な実施形態を示す。
【0103】
図10を参照すると、第1から第3外部電極331、332、333は、セラミック素体の実装面から側面まで延長して形成することができ、より具体的には、セラミック素体の第1面から第5面及び第6面まで延長して形成することができる。図示さるように、第1から第3外部電極331、332、333を、セラミック素体の第1面から第5面及び第6面まで延長し、第2面と第5面又は第2面と第6面とが成す角まで延長することができる。
【0104】
また、本発明の一実施形態によると、第1及び第2外部電極が所定の間隔をおいて形成されるx方向の側面である第3面及び第4面には、外部電極を形成しないことができる。上記第1及び第3外部電極131、132は、セラミック素体の第1面において、セラミック素体の第1面と第3面又は第1面と第4面とが成す角まで形成することができる。
【0105】
又は、図4に図示されているように、第1面において、外部電極を、セラミック素体の第1面と第3面又は第1面と第4面とが成す角まで形成しないことができる。
【0106】
本発明の一実施形態によると、図11に示されているように、第1及び第3外部電極331、333がセラミック素体の実装面から側面まで延長され、
第2外部電極332は、セラミック素体の実装面のみに形成することができる。
【0107】
また、本発明の一実施形態によると、図12に示されているように、第2外部電極332がセラミック素体の実装面から側面まで延長され、第1及び第3外部電極331、333は、セラミック素体の実装面のみに形成することができる。
【0108】
図11及び図12に示されている外部電極は、上述したように、第1から第3外部電極が延長されて形成される面、形成高さ等を多様に変形することができる。また、図6に示されているように、第1から第3外部電極は、リング状に形成することができる。
【0109】
本発明の一実施形態により、外部電極がセラミック素体の側面まで延長されて形成される場合、半田と外部電極との接触面積を拡大することができる。側面に形成される外部電極が半田と結合し、積層セラミックキャパシタを安定的に実装することができ、積層セラミックキャパシタの固着強度を向上させることができる。
【0110】
また、図示されてはいないが、第1内部電極又は第2内部電極は、2つ以上の引出部を有することができ、互いに異なる極性の引出部が互いに重畳されるように形成することができる。また、第1内部電極又は第2内部電極に形成される引出部は、セラミック素体の同一面に露出したり、セラミック素体の互いに異なる面に露出することができる。当業者は、内部電極が有する引出部の個数、引出部の位置等を多様に変更することができる。また、外部電極の拡張構造及び位置等を、多様に変更することができる。
【0111】
本発明は、上述した実施形態及び添付された図面によって限定されるものではなく、添付された請求の範囲によって限定される。従って、請求の範囲に記載の本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において、当該技術分野で通常の知識を有する者による多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0112】
110 セラミック素体
111 誘電体層
121、122 第1及び第2内部電極
131、132 第1及び第2外部電極
140 絶縁層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック素体と、
互いに重畳される領域を有し、前記重畳される領域が前記セラミック素体の一面に露出する引出部をそれぞれ有する第1及び第2内部電極と、
前記セラミック素体の一面から内部電極が積層されるy方向の側面に延長して形成され、前記引出部とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極と、
前記セラミック素体の一面に形成される絶縁層と、
を含む積層セラミックキャパシタ。
【請求項2】
前記第1及び第2内部電極の引出部は、セラミック素体の同一面に露出する請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項3】
前記第1及び第2内部電極は、セラミック素体の実装面に対し、垂直に配置される請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項4】
前記第1外部電極は、前記第1内部電極の引出部のうち、第2内部電極の引出部と重畳されない領域と連結される請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項5】
前記絶縁層は、互いに重畳される第1及び第2内部電極の引出部を全部覆うように形成される請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項6】
前記絶縁層は、前記セラミック素体にセラミックスラリーを塗布して形成する請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項7】
前記セラミック素体のy方向の側面は、互いに対向する2つの側面である 請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項8】
前記第1外部電極又は第2外部電極は、前記第1及び第2外部電極が所定の間隔で形成されるx方向の側面である第3面及び第4面には形成されない請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項9】
前記第1外部電極又は第2外部電極は、前記セラミック素体の一面と前記 第1及び第2外部電極が所定の間隔で形成されるx方向の側面である第3面及び第4面とが成す角まで形成される請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項10】
前記第1外部電極又は第2外部電極は、前記セラミック素体の一面と前記第1及び第2外部電極が所定の間隔をおいて形成されるx方向の側面である第3面及び第4面とが成す角まで形成されない請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項11】
前記第1外部電極又は第2外部電極は、前記セラミック素体のy方向の側面の所定の高さまで形成される請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項12】
前記絶縁層は、前記セラミック素体の一面から測定される第1及び第2外部電極の高さより低く形成される請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項13】
前記第1及び第2外部電極は、前記セラミック素体のy方向の側面から延長されて前記セラミック素体の一面と対向する他面まで形成される請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項14】
前記第1内部電極は2つ以上の引出部を有し、この第1内部電極の引出部は、前記第2内部電極の引出部とそれぞれの重畳領域を形成する請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項15】
前記第1内部電極は、前記セラミック素体の同一面に露出する2つ以上の引出部を有し、この第1内部電極の引出部は、前記第2内部電極の引出部とそれぞれの重畳領域を形成する請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項16】
前記第1内部電極は2つの引出部を有し、この第1内部電極の引出部は、前記第2内部電極の引出部とそれぞれの重畳領域を形成し、前記第1内部電極の引出部と連結される第3外部電極をさらに含む請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項17】
前記第1内部電極は、2つの引出部を有し、前記第1内部電極の引出部は、前記第2内部電極の引出部とそれぞれの重畳領域を形成し、前記第1内部電極の引出部と連結される第3外部電極をさらに含み、前記第3外部電極は、前記セラミック素体のy方向の側面に延長して形成される請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−46051(P2013−46051A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−94530(P2012−94530)
【出願日】平成24年4月18日(2012.4.18)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】