説明

積層型電子部品

【課題】 超高速伝送インターフェイスの伝送線路にノイズフィルタを用いる場合コモンモードチョークコイルを構成するコイルとアース間に静電気保護素子が接続される。コモンモードチョークコイルと静電気保護素子を一体化する場合、伝送信号が劣化しない様に、素子の寄生容量を小さくすることが求められる。しかし、静電気保護素子の電極とコモンモードが対向し、素子の寄生容量が増大し、伝送特性が劣化する。
【解決手段】 絶縁体層とコイル用導体パターンを積層して内部にトランスが形成されたトランス部と、トランス部の絶縁体層の積層方向と垂直な両端面の少なくとも一方の面に、アース電極と放電電極が互いの間に間隔を有する様に形成され、アース電極と放電電極間に跨って電圧依存性抵抗材料が形成された静電気保護部とを有する。静電気保護部のアース電極と放電電極は、絶縁体層の積層方向から透視してコイル用導体パターンと重ならない位置に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノイズフィルタとしてデジタル機器やAV機器、情報通信端末等の各種電子機器に使用される積層型電子部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の積層型電子部品に、図8に示す様に、絶縁体層81とコイル用導体パターン82を積層して積層体内に互いに磁気的に結合した2つのコイルが形成されたものがある。この様な積層型電子部品は、例えば、コモンモードチョークコイルとして用いられる(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開平5-101950号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のコモンモードチョークコイルが用いられるデジタル機器やAV機器、情報通信端末等の各種電子機器においては、HDMIやLVDS等の様に超高速データ伝送を行うための超高速伝送インターフェイスを備えるものがでてきている。この様な超高速伝送インターフェイスにおいては、伝送信号の高速化、高周波化に伴い、高周波の電磁波による誤動作が起き易くなっている。そのため、超高速伝送インターフェイスの伝送線路にノイズフィルタを用いる場合、図9に示す様に、コモンモードチョクコイルを構成する各コイルLとアース間に静電気保護素子90が接続される様になってきている。
この様な状況の中、コモンモードチョークコイルと静電気保護素子を一体化することが検討されているが、伝送信号が劣化しない様に、素子の寄生容量を小さくすることが求められている。しかしながら、図10に示す様に、アース用導体パターン100Aと放電用導体パターン100Bを絶縁体層上で対向させ、それぞれ外部端子まで引き出して構成した静電気保護素子90とコモンモードチョークコイルLを単に積み重ねて一体化した場合、静電気保護素子を構成する電極とコモンモードチョークコイルが対向し、その分それぞれの素子の寄生容量が増大し、伝送特性が劣化するという問題があった。
【0005】
本発明は、各素子の寄生容量を小さくすることができ、伝送特性の劣化が少ない積層型電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の積層型電子部品は、絶縁体層とコイル用導体パターンを積層して内部にトランスが形成されたトランス部と、トランス部の絶縁体層の積層方向と垂直な両端面の少なくとも一方の面に、アース電極と放電電極が互いの間に間隔を有する様に形成され、アース電極と放電電極間に跨って電圧依存性抵抗材料が形成された静電気保護部とを有し、静電気保護部のアース電極と放電電極は、絶縁体層の積層方向から透視してコイル用導体パターンと重ならない位置に形成される。
また、本発明の積層型電子部品は、絶縁体層とコイル用導体パターンを積層して内部にトランスが形成されたトランス部と、トランス部の絶縁体層の積層方向と垂直な両端面の少なくとも一方の面に、アース電極と放電電極が互いの間に間隔を有する様に形成され、アース電極と放電電極間に跨って電圧依存性抵抗材料が形成された静電気保護部とを有し、静電気保護部のアース電極と放電電極は、トランス部の一方の端面においてトランスを構成するコイルの内周よりも内側に、絶縁体層の積層方向から透視してコイル用導体パターンと重ならない様に形成され、アース電極が引き出し用導体パターンを介してアース端子に接続され、放電電極がトランスに接続される。
さらに、本発明の積層型電子部品は、絶縁体層とコイル用導体パターンを積層して内部にトランスが形成されたトランス部と、トランス部の絶縁体層の積層方向と垂直な両端面の少なくとも一方の面に、アース電極と放電電極が互いの間に間隔を有する様に形成され、アース電極と放電電極間に跨って電圧依存性抵抗材料が形成された静電気保護部とを有し、静電気保護部のアース電極と放電電極は、トランス部の一方の端面においてトランスを構成するコイルの外周よりも外側に、絶縁体層の積層方向から透視してコイル用導体パターンと重ならない様に形成され、アース電極が引き出し用導体パターンを介してアース端子に接続され、放電電極がトランスに接続される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の積層型電子部品は、絶縁体層とコイル用導体パターンを積層して内部にトランスが形成されたトランス部と、トランス部の絶縁体層の積層方向と垂直な両端面の少なくとも一方の面に、アース電極と放電電極が互いの間に間隔を有する様に形成され、アース電極と放電電極間に跨って電圧依存性抵抗材料が形成された静電気保護部とを有し、静電気保護部のアース電極と放電電極は、絶縁体層の積層方向から透視してコイル用導体パターンと重ならない位置に形成されるので、各素子の寄生容量を小さくできると共に、伝送特性の劣化も少なくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の積層型電子部品は、絶縁体層とコイル用導体パターンを積層して内部にトランスが形成されたトランス部と、トランス部の絶縁体層の積層方向と垂直な両端面の少なくとも一方の面に、アース電極と放電電極が互いの間に間隔を有する様に形成され、アース電極と放電電極間に跨って電圧依存性抵抗材料が形成された静電気保護部とが積み重ねられて積層体が形成される。この時、静電気保護部のアース電極と放電電極は、トランス部の一方の端面上において、トランスを構成するコイルの内周よりも内側の位置又はコイルの外周よりも外側の位置に、絶縁体層の積層方向から透視してコイル用導体パターンと重ならない様に、互いに対向して形成される。このアース電極は、引き出し用導体パターンを介してアース用外部端子に接続される。また、放電電極は、引き出し用導体パターンを介して外部端子に接続され、この外部端子を介してトランスと接続される。
従って、本発明の積層型電子部品は、静電気保護素子を構成する電極とコモンモードチョークコイルが対向しないので、静電気保護素子とコモンモードチョーク間に発生する寄生容量を小さくすることができる。
【実施例】
【0009】
以下、本発明の積層型電子部品の実施例を図1乃至図7を参照して説明する。
図1は本発明の積層型電子部品の第1の実施例を示す分解斜視図、図2は本発明の積層型電子部品の実施例の斜視図、図3は本発明の積層型電子部品の第1の実施例の上面図である。
図1において、11A〜11Hは絶縁体層である。
絶縁体層11A乃至11Hは、磁性体、非磁性体、誘電体等絶縁性を有する材料を用いて形成される。
絶縁体層11Aの表面には、コイル用導体パターン12Aが形成される。コイル用導体パターン12Aは、1ターン未満分が形成される。コイル用導体パターン12Aの一端は、絶縁体層11Aの端面まで引き出される。
絶縁体層11Bの表面には、コイル用導体パターン12Bが形成される。コイル用導体パターン12Bは、1ターン未満分が形成され、一端がコイル用導体パターン12Aの他端に接続される。
絶縁体層11Cの表面には、コイル用導体パターン12Cが形成される。コイル用導体パターン12Cは、1ターン未満分が形成され、一端がコイル用導体パターン12Bの他端に接続され、他端が絶縁体層11Cの端面まで引き出される。この様に、コイル用導体パターン12A、コイル用導体パターン12B及び、コイル用導体パターン12Cを螺旋状に接続することにより、コイルが形成される。
絶縁体層11Dの表面には、1ターン未満分のコイル用導体パターン13Aが形成される。コイル用導体パターン13Aの一端が、絶縁体層11Dの端面まで引き出される。
絶縁体層11Eの表面には、1ターン未満分のコイル用導体パターン13Bが形成される。コイル用導体パターン13Bの一端が、コイル用導体パターン13Aの他端に接続される。
絶縁体層11Fの表面には、1ターン未満分のコイル用導体パターン13Cが形成される。コイル用導体パターン13Cは、一端がコイル用導体パターン13Bの他端に接続され、他端が絶縁体層11Fの端面まで引き出される。この様に、コイル用導体パターン13A、コイル用導体パターン13B及び、コイル用導体パターン13Cを螺旋状に接続することにより、コイルが形成される。
絶縁体層11Gの表面には、アース電極14A、放電電極14B、14C及び、引き出し用導体パターン15A、15B、15Cが形成される。アース電極14Aと放電電極14B、14Cは、絶縁体層11Gにおける前述の2つのコイルの内周よりも内側の位置に、アース電極14Aと放電電極14Bが互いの間に間隔を有して対向し、アース電極14Aと放電電極14Cが互いの間に間隔を有して対向して形成される。また、アース電極14Aと放電電極14B、14Cは、コイルの内周から突出しない様に、その大きさが調整される。アース電極14Aは、引き出し用導体パターン15Aによって絶縁体層11Gの側面まで引き出される。また、放電電極14Bは、引き出し用導体パターン15Bによって絶縁体層11Gの端面まで引き出される。さらに、放電電極14Cは、引き出し用導体パターン15Cによって絶縁体層11Gの端面まで引き出される。またさらに、アース電極14Aと放電電極14B、14Cの表面には、電圧依存性抵抗材料の層16が形成される。電圧依存性抵抗材料の層16は、アルミニウム、ニッケル、銅等の金属粉と、シリコン、エポキシ等の樹脂等を混合したものを用いて形成され、アース電極14Aと放電電極14B、14Cの間に位置するギャップ17を覆う様にアース電極14Aと放電電極14B、14Cに跨って形成される。この様に、アース電極14A、放電電極14B、14C及び、電圧依存性抵抗材料の層16を、トランス部の絶縁体層の積層方向と垂直な上端面を構成する絶縁体層11Gの表面に形成することによって静電気保護部が形成される。
この静電気保護部が形成された絶縁体層11Gの表面上に、保護用の絶縁体層11Hが積層される。
この様に積層して形成された積層体には、図2に示す様に、積層体の端面に入力用の外部端子21、22と出力用の外部端子23、24が形成され、側面にアース用外部端子Gが形成される。そして、コイル用導体パターン12Aの一端が外部端子21に接続され、コイル用導体パターン12Cの他端が外部端子23に接続され、コイル用導体パターン13Cの他端が外部端子22に接続され、コイル用導体パターン13Aの一端が外部端子24に接続されることにより、互いに磁気的に結合する2つのコイルがそれぞれ入出力端子間に接続される。また、アース電極14Aに接続された引き出し用導体パターン15Aが外部端子Gに接続され、放電電極14Bに接続された引き出し用導体パターン15Bが外部端子24に接続され、放電電極14Cに接続された引き出し用導体パターン15Cが外部端子23に接続されることにより、2つのコイルの出力端側にそれぞれ静電気保護素子が接続される。
【0010】
この様な積層型電子部品は、コイル用導体パターン12A、12B、12C、13A、13B、13C、アース電極14A、放電電極14B、14C及び、引き出し用導体パターン15A、15B、15Cが薄膜、フォトリソ技術を用いた薄膜、印刷技術等を用いた厚膜等によって形成される。
この様に形成された積層型電子部品は、上面から透視すると図3に示す様に、アース電極14Aと放電電極14B、14Cが、トランスを構成するコイル12、13の内周よりも内側において、コイル用導体パターンと重ならない様に形成される。この様な本発明の積層型電子部品は、減衰極の周波数が4.62GHz、寄生容量が1.21pFとなった。これは、コモンモードチョークコイル単独の場合の減衰極の周波数と寄生容量がそれぞれ4.78GHz、1.16pFであるので、コモンモードチョークコイル単独のものと比較して寄生容量が増大するものの、図11に示す従来の積層型電子部品の減衰極の周波数と寄生容量がそれぞれ4.4GHz、1.34pFであるので、図11に示す従来の積層型電子部品と比較して寄生容量が大幅に小さくなっている。
【0011】
図4は本発明の積層型電子部品の第2の実施例を示す分解斜視図である。
絶縁体層41Aの表面には、コイル用導体パターン42Aが形成される。コイル用導体パターン42Aは、1ターン以上有する様に渦巻状に形成され、外周端が絶縁体層41Aの端面まで引き出される。
絶縁体層41Bの表面には、コイル用導体パターン42Bが形成される。コイル用導体パターン42Bは、一端がコイル用導体パターン42Aの内周端に接続され、他端が絶縁体層41Bの端面まで引き出される。この様に、コイル用導体パターン42Aとコイル用導体パターン42Bが接続されることにより、コイルが形成される。
絶縁体層41Cの表面には、コイル用導体パターン43Aが形成される。コイル用導体パターン43Aは、一端が絶縁体層41Cの端面まで引き出される。
絶縁体層41Dの表面には、コイル用導体パターン43Bが形成される。コイル用導体パターン43Bは、1ターン以上有する様に渦巻状に形成され、内周端がコイル用導体パターン43Aの他端に接続され、外周端が絶縁体層41Dの端面まで引き出される。この様に、コイル用導体パターン43Aとコイル用導体パターン43Bが接続されることにより、コイルが形成される。
絶縁体層41Eの表面には、アース電極44A、放電電極44B、44C及び、引き出し用導体パターン45A、45B、45Cが形成される。アース電極44Aと放電電極44B、44Cは、絶縁体層41Eにおける前述の2つのコイルの内周よりも内側の位置に、アース電極44Aと放電電極44Bが、アース電極44Aと放電電極44Cがそれぞれ互いの間に間隔を有して対向して形成される。また、アース電極44Aと放電電極44B、44Cは、コイルの内周から突出しない様に、その大きさが調整される。アース電極44Aは、引き出し用導体パターン45Aによって絶縁体層41Eの側面まで引き出される。また、放電電極44Bは、引き出し用導体パターン45Bによって絶縁体層41Eの端面まで引き出される。さらに、放電電極44Cは、引き出し用導体パターン45Cによって絶縁体層41Eの端面まで引き出される。またさらに、アース電極44Aと放電電極44B、44Cの表面には、電圧依存性抵抗材料の層46が形成される。電圧依存性抵抗材料の層46は、アルミニウム、ニッケル、銅等の金属粉と、シリコン、エポキシ等の樹脂等を混合したものを用いて形成され、アース電極44Aと放電電極44B、44Cの間に位置するギャップ47を覆う様にアース電極44Aと放電電極44B、44Cに跨って形成される。この様に、アース電極44A、放電電極44B、44C及び、電圧依存性抵抗材料の層46を、トランス部の上端面を構成する絶縁体層41Eの表面に形成することによって静電気保護部が形成される。
この静電気保護部が形成された絶縁体層41Eの表面上に、保護用の絶縁体層41Fが積層される。
この様に形成された積層型電子部品は、上面から透視すると図5に示す様に、アース電極44Aと放電電極44B、44Cが、トランスを構成するコイル42、43の内周よりも内側において、コイル用導体パターンと重ならない様に形成される。
【0012】
図6は本発明の積層型電子部品の第3の実施例を示す分解斜視図である。
絶縁体層61Aの表面には、コイル用導体パターン62Aが形成される。コイル用導体パターン62Aの一端は、絶縁体層61Aの端面まで引き出される。
絶縁体層61Bの表面には、コイル用導体パターン62Bが形成される。コイル用導体パターン62Bの一端は、コイル用導体パターン62Aの他端に接続される。
絶縁体層61Cの表面には、コイル用導体パターン62Cが形成される。コイル用導体パターン62Cは、一端がコイル用導体パターン62Bの他端に接続され、他端が絶縁体層61Cの端面まで引き出される。
絶縁体層61Dの表面には、コイル用導体パターン63Aが形成される。コイル用導体パターン63Aの一端は、絶縁体層61Dの端面まで引き出される。
絶縁体層61Eの表面には、コイル用導体パターン63Bが形成される。コイル用導体パターン63Bの一端は、コイル用導体パターン63Aの他端に接続される。
絶縁体層61Fの表面には、コイル用導体パターン63Cが形成される。コイル用導体パターン63Cは、一端がコイル用導体パターン63Bの他端に接続され、他端が絶縁体層61Fの他端まで引き出される。
絶縁体層61Gの表面には、アース電極64A、放電電極64B、64C及び、引き出し用導体パターン65A、65B、65Cが形成される。アース電極64Aと放電電極64B、64Cは、絶縁体層61Gにおける前述の2つのコイルの外周よりも外側の位置に、アース電極64Aと放電電極64Bが、アース電極64Aと放電電極64Cがそれぞれ互いの間に間隔を有して対向して形成される。アース電極64Aは、引き出し用導体パターン65Aによって絶縁体層61Gの側面まで引き出される。また、放電電極64Bは、引き出し用導体パターン65Bによって絶縁体層61Gの端面まで引き出される。さらに、放電電極64Cは、引き出し用導体パターン65Cによって絶縁体層61Gの端面まで引き出される。またさらに、アース電極64Aと放電電極64B、64Cの表面には、電圧依存性抵抗材料の層66が形成される。電圧依存性抵抗材料の層66は、アルミニウム、ニッケル、銅等の金属粉と、シリコン、エポキシ等の樹脂等を混合したものを用いて形成され、アース電極64Aと放電電極64B、64Cの間に位置するギャップ67を覆う様にアース電極64Aと放電電極64B、64Cに跨って形成される。この様に、アース電極64A、放電電極64B、64C及び、電圧依存性抵抗材料の層66を、トランス部の上端面を構成する絶縁体層61Gの表面に形成することによって静電気保護部が形成される。
この静電気保護部が形成された絶縁体層61Gの表面上に、保護用の絶縁体層61Hが積層される。
この様に形成された積層型電子部品は、上面から透視すると図7に示す様に、アース電極64Aと放電電極64B、64Cが、トランスを構成するコイル62、63の外周よりも外側において、コイル用導体パターンと重ならない様に形成される。
【0013】
以上、本発明の積層型電子部品の製造方法の実施例を述べたが、この実施例に限られるものではない。例えば、静電気保護部はトランス部の下端面に形成されてもよい。また、第3の実施例において、コイル用導体パターンが渦巻状に形成されてもよい。さらに、第2の実施例において、アース電極と放電電極がコイルの外周よりも外側に形成されてもよい。
また、実施例では、1つのトランスと2つの静電気保護素子を積層体内に形成した場合を示したが、複数のトランスと複数の静電気保護素子を積層体内に形成しても良い。さらに、実施例では、アース電極を共通にした場合を示したが、アース電極を静電気保護素子の個数分形成してもよい。またさらに、アース電極と放電電極は、その特性に応じて様々な形状に変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の積層型電子部品の第1の実施例を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の積層型電子部品の実施例の斜視図である。
【図3】本発明の積層型電子部品の第1の実施例の上面図である。
【図4】本発明の積層型電子部品の第2の実施例を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の積層型電子部品の第2の実施例の上面図である。
【図6】本発明の積層型電子部品の第3の実施例を示す分解斜視図である。
【図7】本発明の積層型電子部品の第3の実施例の上面図である。
【図8】従来の積層型電子部品の分解斜視図である。
【図9】ノイズフィルタの回路図である。
【図10】従来の別の積層型電子部品の上面図である。
【符号の説明】
【0015】
11A〜11H 絶縁体層
12A〜12C、13A〜13C コイル用導体パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁体層とコイル用導体パターンを積層して内部にトランスが形成されたトランス部と、該トランス部の絶縁体層の積層方向と垂直な両端面の少なくとも一方の面に、アース電極と放電電極が互いの間に間隔を有する様に形成され、該アース電極と該放電電極間に跨って電圧依存性抵抗材料が形成された静電気保護部とを有し、
該静電気保護部のアース電極と放電電極は、絶縁体層の積層方向から透視して該コイル用導体パターンと重ならない位置に形成されたことを特徴とする積層型電子部品。
【請求項2】
絶縁体層とコイル用導体パターンを積層して内部にトランスが形成されたトランス部と、該トランス部の絶縁体層の積層方向と垂直な両端面の少なくとも一方の面に、アース電極と放電電極が互いの間に間隔を有する様に形成され、該アース電極と該放電電極間に跨って電圧依存性抵抗材料が形成された静電気保護部とを有し、
該静電気保護部のアース電極と放電電極は、該トランス部の一方の端面において該トランスを構成するコイルの内周よりも内側に、絶縁体層の積層方向から透視して該コイル用導体パターンと重ならない様に形成され、該アース電極が引き出し用導体パターンを介してアース端子に接続され、該放電電極がトランスに接続されたことを特徴とする積層型電子部品。
【請求項3】
絶縁体層とコイル用導体パターンを積層して内部にトランスが形成されたトランス部と、該トランス部の絶縁体層の積層方向と垂直な両端面の少なくとも一方の面に、アース電極と放電電極が互いの間に間隔を有する様に形成され、該アース電極と該放電電極間に跨って電圧依存性抵抗材料が形成された静電気保護部とを有し、
該静電気保護部のアース電極と放電電極は、該トランス部の一方の端面において該トランスを構成するコイルの外周よりも外側に、絶縁体層の積層方向から透視して該コイル用導体パターンと重ならない様に形成され、該アース電極が引き出し用導体パターンを介してアース端子に接続され、該放電電極がトランスに接続されたことを特徴とする積層型電子部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−34464(P2010−34464A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197542(P2008−197542)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000003089)東光株式会社 (243)
【Fターム(参考)】