説明

積層板の製造方法

【課題】端縁部に湾曲面を有する積層板を製造するにあたり、裏面側へ合成樹脂がはみ出るのを防止する手段を提供する。
【解決手段】表面に補強材2及び化粧材3を貼着した基材1の端縁部において裏面側を切削し、湾曲処理領域4aと貼着領域4bとを形成すると共に、基材1側端面に凹部5を形成する。次いで、湾曲処理領域4aに合成樹脂P、貼着領域4bに接着剤Qを塗布する。引き続き、湾曲処理領域4aを湾曲させ、貼着領域4bを基材1側端面に貼着して、湾曲面Rを形成する。余剰の合成樹脂Pxは凹部5内へ流入するから、裏面側へのはみ出しが防止され、拭き取り作業等の清掃工程が不要になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材表面に厚みの薄い化粧材を貼着して成る積層板を製造する方法に関し、端縁部に曲率半径の小さい湾曲面を形成する技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
木板,MDF,パーティクルボード等などを基材とし、その表面に印刷紙,つき板,合板,布,合成樹脂シート・フィルム等の厚みの薄い化粧材を貼着して積層板を製造する方法が従来知られている。そして、この種の積層板の端縁部に湾曲面を形成する技術が、特許文献1及び2に記載されている。特許文献1、2は、表面に化粧材を貼着した基材の端縁部において化粧材の裏面側を切削することにより、層厚みの薄い湾曲処理領域と層厚みが大きい貼着領域とを形成したのち、湾曲処理領域にウレタン樹脂やホットメルト等の合成樹脂を塗布すると共に、貼着領域に接着剤を塗布し、湾曲処理領域を湾曲させて貼着領域を切削後の基材側端面に貼着することにより、端縁部に湾曲面を形成するというものである。
【0003】
【特許文献1】特許第3548959号
【特許文献2】特許第3726214号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1又は2に記載される積層板の製造方法において、化粧材の裏面側において基材を切削して形成した湾曲処理領域に合成樹脂を塗布する目的は、湾曲処理領域を湾曲させて形成した湾曲面の内側空間を合成樹脂で充填して、湾曲面の表面性状を高めると共に表面強度を付与することにある。そのため、合成樹脂の塗布量は、湾曲面の裏側に空隙が生じないような充分量に設定される。実際には、合成樹脂の一部が基材に吸収されることを考慮して、湾曲面の内側に形成される空間容積よりも若干多めの塗布量が採用される。
【0005】
しかるに、基材に対する合成樹脂の吸収量が必ずしも一定ではないことや、合成樹脂塗布装置の能力のため塗布量に変動が生じる等の要因により、積層板の部分によっては、湾曲処理領域に塗布した合成樹脂の一部が基材側端面と貼着領域との間へ押し出され、裏面側へはみ出すという問題が有った。裏面側に合成樹脂がはみ出た場合は、これを拭き取るなどの清掃処理が必要となるから、積層板の生産能率を悪くする原因となる。かかる問題は、製造する積層板が長尺になるほど発生しやすい。
また、例えば、湾曲処理領域に塗布する合成樹脂がウレタン系であり、貼着領域に塗布する接着剤が酢酸ビニル系である場合には、ウレタン樹脂が裏面側へはみ出る際に、酢酸ビニル系接着剤に悪影響を及ぼして、貼着領域の接着強度を低下させるおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、端縁部に湾曲面を形成した積層板を製造する場合における前記問題点を解決するための手段を提供するものであって、その特徴とするところは、請求項1に記載する如く、表面に化粧材を貼着した基材の端縁部において前記化粧材の裏面側を切削することにより、層厚みの薄い湾曲処理領域と、層厚みが大きい貼着領域とを形成したのち、前記湾曲処理領域に合成樹脂を塗布すると共に前記貼着領域に接着剤を塗布し、前記湾曲処理領域を湾曲させて、前記貼着領域を切削後の基材側端面に貼着することにより、積層板の端縁部に湾曲面を形成する方法において、基材における化粧材の裏面側を切削する際に、基材の側端面における化粧材に近い領域に、余剰の合成樹脂を流入させるための凹部を形成したことである。
【0007】
前記凹部の寸法や形成位置については、製造しようとする積層板における湾曲面の曲率半径、湾曲処理領域の切削形態、塗布する合成樹脂の性質等に基づき、合成樹脂の余剰量を予測して、適宜設定すればよい。また、凹部の形状については特に制限はなく、切削装置の仕様に応じて適当に選択することができる。
【0008】
前記積層板の製造方法において、請求項2に記載するとおり、湾曲処理領域の層厚みを0.05〜0.7mmの範囲に設定することにより、端縁部に形成する湾曲面の曲率半径を5mm以下とするのが容易になる。
【0009】
また本発明に係る積層板の製造方法を実施するにあたり、請求項3に記載する如く、基材と化粧材との間に補強材を介在させてもよい。
【0010】
なお本発明方法によって製造した積層板にあっては、化粧材の表面に合成樹脂層を形成することが望ましい。この場合、合成樹脂層は、艶出し用でもよく、艶消し用のものであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の本発明に係る製造方法によれば、湾曲処理領域を湾曲させると共に貼着領域を基材の側端面に貼着するにあたり、湾曲処理領域の裏面に塗布した合成樹脂に余剰分が生じたときには、これが基材の側端面における化粧材に近い領域に形成した凹部内へ流入する。従って、余剰の合成樹脂が裏面側へはみ出るのを確実に防止できるから、拭き取り作業等の清掃が不要となり、積層板の生産能率を高めることができる。
基材側端面に形成する凹部の位置をなるべく化粧材に近い領域とすることにより、湾曲処理領域から凹部へ流動する合成樹脂が、貼着領域に塗布した接着剤に触れることがあったとしても、その接触面積を小さく抑えられるから、合成樹脂と接着剤との相性により悪影響が生じるのを回避できる。
合成樹脂に余剰分が生じても、これを凹部に収容できるから、塗布量をそれほど厳密に制御しなくてもよくなる。よって、塗布工程の能率が向上する。また、塗布量の多少の変動が許容される結果、合成樹脂の塗布装置には高い塗布精度が要求されなくなるため、装置のコストを低く抑えられる。
さらに、合成樹脂を多めに塗布することが可能であるから、湾曲面の内側を合成樹脂で確実に充填することができる。
【0012】
以上のような効果に基づき、本発明方法は特に、従来、裏面への合成樹脂のはみ出しが頻発していた長尺な積層板製品を効率よく製造するのに有効である。
【0013】
なお、湾曲処理領域への合成樹脂の塗布量が適切であり、余剰分の生じないときは凹部が空いた状態となるが、凹部は貼着領域を基材へ接着することにより覆われるので、製品の美観性や側端面の強度に凹部が何ら影響を及ぼすことはない。
【0014】
請求項2に記載する如く、湾曲処理領域の層厚みを0.05〜0.7mmの範囲に設定することにより、曲率半径が5mm以下の小さい湾曲面の形成が容易になる。なお湾曲処理領域の層厚みを0.05〜0.7mmの範囲としたのは、層厚みを0.05mmより薄くすると、基材の切削時に刃物で化粧材を傷つけるおそれがあり、また切削形成した湾曲処理領域が割れ易くなるからである。反対に層厚みを0.7mmより大きくすると、曲率半径を5mm以下としたときに、湾曲面の表面を美麗に仕上げるのが難しくなる。
【0015】
請求項3に記載の如く、基材と化粧材との間に補強材を介在させた場合、化粧材の厚みが非常に薄くても、美麗な湾曲面の形成が確実にできるという効果が発揮される。化粧材の厚みが薄い場合、基材切削後の湾曲処理領域に薄く残存する基材繊維が、湾曲処理の際に化粧材表面に悪影響を及ぼし、湾曲面の仕上がり状態を悪くするという問題がある。化粧材と基材との間に補強材を介在させることで、基材繊維の化粧材への上記悪影響を阻止できる。特に表面に艶出し加工を施した積層板にあっては、湾曲面の仕上げの美麗さを保証できるから、付加価値の高い建築材料を提供できる。
また、基材と化粧材との間に介在させる補強材は、湾曲処理領域の厚みを薄くするべく化粧材裏面の基材をできるだけ削り取る場合に、刃物が化粧材を傷つけるのを防止する機能も有している。さらに、基材切削直後に積層板材料を搬送する場合などに、厚みの薄い湾曲処理領域が移動時の衝撃等で割れるのを防止するという効果も有している。
その他、補強材を介在させることによって、つき板のような厚みの均一性に幾分むらのある化粧材を用いた場合に、基材を切削する際に厚みを均一化できるという利点を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に係る積層板の製造方法の一実施形態を図面を用いて説明する。本例では、始めに図1(A)に示す如く、基材1、補強材2、化粧材3を用意する。そして同図(B)のように基材1の表面に補強材2を貼着し、次いで、その上に化粧材3を貼着する。通常、貼着処理は加熱プレスで行う。貼着に用いる接着剤の種類は特に制限がなく、接着対象との相性を考慮して選択され、一般にはエポキシ系・酢酸ビニル系・尿素系の接着剤がよく使用される。また所望により、基材1の裏面側にも適当な表層材(図示せず)を貼着したり、合成樹脂を塗布したりしてもよい。
【0017】
基材1には無配向性で切削の容易な素材が好ましく、例えば中質繊維板(MDF)・硬質繊維板・軟質繊維板等の繊維板やパーティクルボード等の有機質材料、珪酸カルシウム板や灰の圧縮成形板等の無機質材料、PETなどの合成樹脂チップから成る成形板等が挙げられ、用途に応じ適宜選択すればよい。上記のうち、家具用・内装用としては強度,価格,取扱いの容易性等の面から見て繊維板かパーティクルボードを採用するのがよく、特にMDFが好適と考えられる。
【0018】
補強材2としては、パーチメント紙・防水紙・強化紙等の紙類、織布又は不織布等の布類、ダップ樹脂を含浸させた紙の積層シート等が挙げられる。化粧材3には、印刷紙等の紙類、単板、つき板、メラミン・ダップ(DAP)・PETその他の合成樹脂から成るシート又はフィルムが使用される。
【0019】
補強材2の選定に当たっては、基材1との接着性や化粧材3の材質等を考慮する。具体的には、化粧材3に印刷紙を用いた場合、補強材2にも紙を用いるのが好ましく、特にパーチメント紙は基材1に対する接着性が良好で剥離しにくいという点で最適である。化粧材3がつき板の場合、つき板は厚みの均一性が紙より劣るので、厚み調整のため比較的厚みの大きい補強材2を用いることが望ましく、例えばダップ樹脂を含浸させた紙を積層してなる厚みが0.1〜0.6mmのシートなどが挙げられる。厚みの大きい補強材2を用いると、後述する基材切削工程に際し、基材1と共に一部を切削して湾曲処理領域の厚みを所定厚みに調整できるという利点が得られる。
【0020】
ところで補強材2は状況により省略も可能である。例えば化粧材3に比較的厚みの大きいものを使用するときや、製品の仕上がり状態の良否にこだわらないとき等である。
【0021】
基材1に貼着した化粧材3の表面には合成樹脂層(図示せず)を設けてもよい。合成樹脂の種類はポリエステル,ウレタン,ダップ,メラミンなどが使用され、これらのうち、美観性・表面硬度を考慮するとポリエステルが最適である。合成樹脂は無色透明なものであっても着色したものであってもよい。また合成樹脂層は艶出し用とするほか、製品の用途に応じ艶消し用とすることも可能である。さらに合成樹脂層3には、所望により、防虫剤,害虫忌避剤,抗菌剤等の各種薬効成分・化学成分や、金属粉・ガラス粉等の表面硬度向上用、難燃化用の添加材を配合してもよい。
【0022】
化粧材3の上に合成樹脂層を設ける手段としては、貼着した化粧材3の上にスプレー,フローコーター,ロールコーター等で合成樹脂を塗布する方法や、適量の合成樹脂を化粧材3表面に載せ、その上にフィルムを被せてローラーで圧延展開するという手法等が考えられる。あるいは、化粧材3表面にあらかじめ合成樹脂を塗布しておき、これを基材1に貼着するという手順も採用可能である。
【0023】
図1(B)及び(C)に示す如く基材1の表面に補強材2及び化粧材3を貼着し、必要に応じ裏面にも表層材を貼着する等の処理を施したならば、図2に示すように、端縁部において、化粧材3裏面側の基材1を切削し、層厚みが薄い湾曲処理領域4aと層厚みが大きい貼着領域4bとからなる湾曲面形成部4を形成する。なお貼着領域4bの末端には、断面三角形状の突起部tを形成する。これらの切削作業と同時に、基材1の側端面に、例えば、側端面の長手方向へ連続する溝から成る凹部5を形成する。
【0024】
湾曲処理領域4aの長さは、積層板に形成する湾曲面の大きさに応じ適宜設定される。すなわち、湾曲処理領域4a及び貼着領域4bの長さを適当に設定することで、湾曲面Rの曲率半径を所望する値に設定することができる。
【0025】
図2(B)に拡大して示すとおり、湾曲処理領域4aでは基材1をほとんど除去して補強材2と化粧材3のみとする。あるいは必要に応じ、基材1を薄く残存させたり補強材2を省略したりすることも可能である。いずれの場合でも、湾曲面の曲率半径を5mm以下とするには、湾曲処理領域4aの層厚みを0.05〜0.7mmの範囲内に設定するのが望ましい。
【0026】
基材1を若干残存させて形成する貼着領域4bの形状は、本例では、側端部へ向かって厚みが減少するテーパ状とした。また、これに対する基材1の側端面を、凹部5の部分を除き、わずかに傾斜する斜面に形成した。かかる形態は、後述する湾曲面形成部4の貼着処理を容易にするためのものであるが、必須というわけではない。
【0027】
基材1の側端面に形成する凹部5の形態は、本例では断面をほぼ長方形としたが、台形や半円形でもよく、特に限定されるものではない。また、凹部5の大きさ(断面積)及び形成位置については、形成しようとする湾曲面の曲率半径、湾曲処理領域4aの寸法、貼着領域4bの形状、塗布される合成樹脂の種類等に基づき、余剰の合成樹脂が効率よく流入するように適宜設定される。なお、余剰の合成樹脂が、貼着領域4bの接着剤に接触するのをなるべく避けるため、凹部5は基材1における比較的表面側(化粧材3側)に近い位置に形成することが望ましい。
【0028】
切削工程を終えたならば、引き続き、図3(A)に示すように、湾曲処理領域4aに適量の合成樹脂Pを塗布すると共に、貼着領域4bに接着剤Qを塗布する。合成樹脂Pと接着剤Qの塗布順序はいずれが先でもよく、両者同時でもよい。合成樹脂Pは、基材1への吸収を考慮して、塗布量が若干多めに設定される。他方、接着剤は、貼着領域4bの表面を覆うように薄く塗ればよい。
【0029】
前者の合成樹脂Pには、硬化時の収縮を避けるため、できるだけ固形分比率が多い状態で使用し得るもので、なるべく取り扱いの容易なものを用いることが好ましい。このような条件を満たす合成樹脂として、1液式のウレタン系樹脂材料(例えばコニシ株式会社製/ボンドKU800)が挙げられる。また合成樹脂Pは、充填容積が少ないから通常は非発泡性でよいが、発泡性樹脂を使用することも妨げない。また場合により、ホットメルトを使用することもできる。
【0030】
他方、後者の接着剤Qの種類は特に制限されるものではなく、例えばエポキシ系接着剤等を使用できる。さらに場合によっては、湾曲処理領域4aに塗布する合成樹脂Pと、貼着領域4bに塗布する接着剤Qとを、同種とすることも可能である。
【0031】
引き続き、湾曲面形成部4の湾曲処理領域4aを図3(B)のように湾曲させ、貼着領域4bを基材1の側端面に貼着し、湾曲処理領域4aの裏面側に形成される空間が合成樹脂Pで充填された湾曲面Rを形成する。この湾曲処理及び貼着処理は、必要に応じ、加熱下で行う。湾曲処理領域4aの表面側を加熱することにより、表面の合成樹脂層が軟化する一方で、湾曲処理領域4a裏面に基材1層を残してある場合はこれが熱収縮する。その結果、曲率半径を小さく設定しても、表面性状が美麗な湾曲面Rを得ることができる。
【0032】
上記湾曲工程において、湾曲処理領域4aへ多めに塗布した合成樹脂Pのうち、余剰分Pxは、基材1の側端面と貼着領域4aとの間へ押し出され、凹部5内へ流入する。従って、この余剰分の合成樹脂Pxが基材の裏面側にはみ出るおそれがなく、拭き取り等の清掃処理が不要である。また、合成樹脂Pを多めに塗布できるから、湾曲面Rの内側が合成樹脂で完全に充填された状態が得られ、それ故、仕上がりがきわめて美麗な湾曲面を得ることが可能である。
【0033】
湾曲面形成部4の端部に設けた突起部tは、貼着位置の目安となるので、貼着作業時の補助部材として機能する。しかるのち、図3(C)に示すように、上記突起部tを切除することにより、目的とする積層板Xが製造される。なお湾曲面形成部4の末端に設ける突起部tは、省略することも可能である。
【0034】
なお図示は省略したが、湾曲処理領域4aと基材1との間の空隙の充填を合成樹脂Pだけで行うのではなく、竹・木・合成樹脂・ゴム・紙・金属・セラミック等で製作した細長い棒材を合成樹脂Pと共に配置し、湾曲面Rを形成するという手法も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る積層板の製造方法の一実施形態を示すものであって、図(A)は、基材と補強材と化粧材とを分離して示す側面断面図、図(B)は、基材に補強材及び化粧材を貼着した状態を示す側面断面図、図(C)は、図(B)の要部を拡大して示す側面断面図である。
【図2】本発明に係る積層板の製造方法の一実施形態を示すものであって、図(A)は基材を切削して湾曲面形成部及び凹部を形成した状態を示す側面断面図、図(B)は湾曲面形成部及び凹部を拡大して示す側面断面図である。
【図3】本発明に係る積層板の製造方法の一実施形態を示すものであって、図(A)は、湾曲面形成部の湾曲処理領域に合成樹脂、貼着領域に接着剤をそれぞれ塗布した状態を示す側面断面図、図(B)は、湾曲処理領域を湾曲させて貼着領域を基材側端面に接着したときの状態を示す側面断面図、図(C)は、突起部を切除した状態を示す側面断面図である。
【符号の説明】
【0036】
1…基材 2…補強材 3…化粧材 4…湾曲面形成部 4a…湾曲処理領域 4b…貼着領域 5…凹部 P…合成樹脂 Px…合成樹脂の余剰分 Q…接着剤 R…湾曲面 t…突起部 X…積層板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に化粧材を貼着した基材の端縁部において前記化粧材の裏面側を切削することにより、層厚みの薄い湾曲処理領域と、層厚みが大きい貼着領域とを形成したのち、前記湾曲処理領域に合成樹脂を塗布すると共に前記貼着領域に接着剤を塗布し、前記湾曲処理領域を湾曲させて、前記貼着領域を切削後の基材側端面に貼着することにより、積層板の端縁部に湾曲面を形成する方法において、基材における化粧材の裏面側を切削する際に、基材の側端面における化粧材に近い領域に、余剰の合成樹脂を流入させるための凹部を形成することを特徴とする積層板の製造方法。
【請求項2】
前記湾曲処理領域の層厚みを0.05〜0.7mmの範囲に設定し、端縁部に形成する湾曲面の曲率半径を5mm以下とした請求項1に記載する積層板の製造方法。
【請求項3】
前記基材と化粧材との間に補強材を介在させた請求項1又は2に記載する積層板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−42543(P2010−42543A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206789(P2008−206789)
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【出願人】(594048910)株式会社フォーレ (1)
【Fターム(参考)】