説明

積層集積回路装置

【課題】 積層集積回路装置に関し、チャネル間のクロストークを増大させずに、コイルの実装密度を2倍程度高くする。
【解決手段】 基板上の配線により形成された誘導結合によって信号を送信する四角形のコイルとそれに接続される送信回路で構成される送信チャネルを複数備える第1基板と、
第1基板に積層される基板上の配線により形成され且つ第1基板に設けられたコイルと対応する位置に形成される四角形のコイルとそれに接続される受信回路で構成される受信チャネルを複数有する第2基板とを少なくとも有し、前記各四角形のコイルの対向角を結ぶ2つの方向にコイルの一辺の2/21/2倍乃至3/21/2の間隔で設けられた格子上にコイルの中心が配置され、且つ、前記配線の直交する方向に沿ってコイルを行列配列する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層集積回路装置に関するものであり、例えば、半導体チップ或いは電子回路基板等の集積回路装置を多層に積層して集積回路装置間で誘導結合により無線データ通信するためのコイルの配置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の半導体メモリを積層することで外部から1つの半導体メモリと同様に制御できる大容量の積層型半導体メモリ装置が開発されている。例えば、磁気ハードディスクに代えて不揮発性メモリを用いたSolidState Drive(SSD)では、同一のフラッシュメモリチップを複数枚積層することで記憶容量を増大できる。
【0003】
このような、積層型半導体装置における各チップ間の接続や電源供給はワイヤ配線を用いて行われている。しかし、このような、ワイヤ配線は半導体装置が高密度・高集積度化するにつれて困難になっている。
【0004】
そこで、本発明者は、このような積層型装置内に多層に積層されたチップ間や積層されたプリント配線基板間を無線接続する技術として、半導体集積回路チップや電子回路基板の配線により形成されるコイルを介して積層実装されるチップ間や基板間で誘導結合による通信を行うことを提案している(例えば、特許文献1乃至特許文献12、非特許文献1乃至非特許文献4参照)。
【0005】
例えば、特許文献1によれば、積層されたチップ(基板)間でコイル対の誘導結合を用いて無線データ通信を行うことができる。コイルはチップ上の配線で形成され、通信距離の2倍程度の大きさの四角形コイルである。また、特許文献3によれば、直交するチップ(基板)上の配線層準に沿う方向にコイルを行列配置することで、複数の通信チャネルを並列に構成して高速な通信ができる。
【0006】
また、特許文献5によれば、同一チップ(基板)を積層実装して、チップ(基板)間で無線通信すると共に、電源供給等はワイヤボンディングによって行うことができる。また、特許文献8によれば、直交するチップ(基板)上の配線層準に沿うコイル要素で構成された四角形コイルを誘導結合データ通信に用いることができる。
【0007】
また、特許文献9によれば、チップ(基板)が積層実装される電子回路において、誘導結合による通信によって、コイルの寸法よりも遠くのチップまでデータを高速に転送できる。また、特許文献12によれば、直交するチップ(基板)上の配線層準に沿うコイル要素で構成された四角形コイルをロジック回路の配線が横断できて、且つ、ビット誤りなく誘導結合データ通信をすることができる。
【0008】
また、非特許文献1によれば、コイルの一辺の2倍(乃至3倍)以上のピッチでコイルを配列すれば、ビット誤りなく誘導結合データ通信をすることができる。また、非特許文献2に示す技術を用いれば、NANDフラッシュメモリをパッケージ内に積層実装してチップ間無線データ通信によりメモリにデータを読み書きできる。
【0009】
また、非特許文献3によれば、プロセッサとSRAMチップをパッケージ内に積層実装してチップ間無線データ通信によりプロセッサがSRAMにデータを読み書きできる。更に、非特許文献4によれば、パソコンとそのスロットに挿入されたメモリカードの間で非接触に高速なデータ転送ができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2005−228981号公報
【特許文献2】特開2005−348264号公報
【特許文献3】特開2006−066454号公報
【特許文献4】特開2006−173986号公報
【特許文献5】WO2009/069532号公報
【特許文献6】特開2009−188468号公報
【特許文献7】特開2009−266109号公報
【特許文献8】特開2009−277842号公報
【特許文献9】特開2009−295699号公報
【特許文献10】特開2010−015654号公報
【特許文献11】特開2010−045166号公報
【特許文献12】特開2010−199280号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】N.Miura,D.Mizoguchi,T.Sakurai andT.Kuroda,“Cross Talk Countermeasures in Inductive Inter−Chip Wireless Superconnect”, in Proc. IEEE Custom IntegratedCircuits Conference(CICC‘04),pp.99−102,Oct.2004
【非特許文献2】Y.Sugimori,Y.Kohama,M.Saito,Y.Yoshida,N. Miura,H.Ishikuro,T.Sakurai and T.Kuroda, “A 2Gb/s 15pJ/b/chip Inductive−Coupling Programmable Bus forNAND Flash MemoryStacking”, IEEE InternationalSolid−State Circuits Conference(ISSCC‘09), Dig.Tech.Papers,pp.244−245,Feb.2009
【非特許文献3】k.Niitsu,Y.Shimazaki,Y.Sugimori, Y.Kohama,K.Kasuga,I.Nonomura,M.Saen,S.Komatsu,K.Osada,N.Irie,T.Hattori,A.Hasegawa and T.Kuroda,“An Inductive−Coupling Link for 3D Integration of a 90nm CMOS Processor and a 65nm CMOS SRAM” ,IEEE International Solid−State Circuits Conference(ISSCC‘09), Dig.Tech.Papers,pp.480−481,Feb.2009
【非特許文献4】S.Kawai,H.Ishikuro and T.Kuroda,“A 2.5Gb/s/ch Inductive−Coupling Transceiver for Non−Contact Memory Card”,IEEE International Solid−State Circuits Conference (ISSCC‘10),Dig.Tech.Papers,pp.264−265,Feb. 2010
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
こうした従来の発明や技術では、非特許文献1の場合のように、チップ上の配線で形成された通信距離の2倍程度の大きさの四角形コイルがチップの配線方向に沿ってコイルのサイズの2倍乃至3倍以上のピッチで設置された直交格子上に配置されていた。ピッチが大きくなる程コイル間のクロストークは小さくなるが、コイルの実装密度は下がり、一定の基板領域で実現できるデータの転送速度は下がる。2倍か3倍かはどれだけ設計マージンを入れるかの選択の問題である。
【0013】
メモリ領域にコイルを配置することは、配線リソースが不足したりメモリ動作への影響が懸念されるなどの理由で一般には困難であり、入出力回路などが配置される周辺領域にコイルが配置されることが多い。したがって、チップサイズが、例えば、10mm角であっても、コイルを配置できる領域は、例えば、10mm×1mm程度といったように限定的である。
【0014】
コイルの配置数に応じてデータ通信速度は比例的に増大する。したがって、年々高くなる通信速度の要求に応えるためには、コイルの実装密度を高めることが必要である。しかし、非特許文献1で指摘したように、コイルの実装密度を高めるとチャネル間のクロストークが増大して通信の信頼性が損なわれる問題があった。
【0015】
そこで、特許文献9では、コイルの誘導結合による通信路を3つ用意してコイルの寸法よりも遠くのチップまでデータを転送することを提案している。逆に言えば、同じ通信距離で従来よりもコイルの寸法を小さくできる。さらに必要なコイルの数を3つから2つに減らすことができれば、レイアウト面積を削減できたり、より多くのリピート伝送路を備えることができて、コスト削減や速度向上に寄与する。
【0016】
しかしコイルの数を2つにすると、多数回のリピート伝送中に信号干渉の問題を生じる。その解決のために、特許文献9では、金属配線からなる遮蔽層を設けてクロストークを遮蔽することを提案している。そのためには、チップを180度回転させながら積層しなければならなかった。
【0017】
したがって、本発明は、チャネル間のクロストークを増大させずに、コイルの実装密度を2倍程度高くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
(1)本発明は、上記課題を解決するために、積層集積回路装置において、基板上の配線により形成された誘導結合によって信号を送信する四角形のコイルとそれに接続される送信回路で構成される送信チャネルを複数備える第1基板と、前記第1基板に積層される基板上の配線により形成され且つ前記第1基板に設けられたコイルと対応する位置に形成される四角形のコイルとそれに接続される受信回路で構成される受信チャネルを複数有する第2基板とを少なくとも有し、前記各四角形のコイルの対向角を結ぶ2つの方向に前記コイルの一辺の2/21/2倍乃至3/21/2の間隔で設けられた格子上に前記コイルの中心が配置され、且つ、前記配線の直交する方向に沿って前記コイルが行列配列されていることを特徴とする。
【0019】
このように、各基板に設ける四角形のコイルを配置することによって、従来のコイル配置に比べて2倍程度の実装密度にすることができる。
【0020】
(2)また、本発明は、積層集積回路装置において、誘導結合によって信号を送信する送信器を有する第n基板(但し、1≦n≦Nの整数)と、前記送信器から送信される信号を誘導結合によって受信し中継して誘導結合によって送信する複数の中継器を有する第n+x基板(但し、1≦x≦N−n−1の整数)と、前記中継器から中継される信号を誘導結合によって受信する複数の受信器を有する第n+y基板(但し、x<y≦ N−nの整数)とを積層して備え、前記送信器、前記受信器及び前記中継器は、基板上の配線により形成された四角形のコイルに接続されて、積層位置が対応するコイル対の誘導結合によって無線通信し、前記四角形のコイルの対向角を結ぶ2つの方向に前記コイルの一辺の2/21/2倍乃至3/21/2の間隔で設けられた格子上に前記コイルの中心が配置され、且つ、前記配線の直交する方向に沿って前記コイルが行列配列され、前記中継器は、前記行列配置されたコイルの中の隣接したコイル対の一方を受信コイルに用いて受信し他方を送信コイルに用いて送信することを特徴とする。
【0021】
このようなコイル配置にすることによって、従来のコイル配置に比べて2倍程度の実装密度にすることができ、また、このコイルを対にして送信器、受信器及び中継器を構成しているので、信号をリピート伝送することが可能になる。
【0022】
(3)また、本発明は、上記(2)において、前記各基板の格子のチップ辺方向の一方に沿った間隔がコイルの一辺よりも短いことを特徴とする。このようなコイル配置により、クロストークを一定にしたままで、コイルの実装密度をより向上することができる。
【0023】
(4)また、本発明は、上記(1)乃至(3)のいずれかにおいて、前記隣接したコイル対は、チップ辺方向に沿って上下あるいは左右に並ぶことを特徴とする。
(5)また、本発明は、上記(1)乃至(3)のいずれかにおいて、隣接したコイル対は、チップ辺方向の斜め方向に沿って並ぶことを特徴とする。
【0024】
このように、コイル対を構成する場合には、隣接したコイル対は、チップ辺方向に沿って上下あるいは左右に並ぶようにしても、或いは、チップ辺方向の斜め方向に沿って並ぶようにしても良く、チップ辺方向の斜め方向に沿って並ぶようにした場合には、接続配線長が短くなるので、より高速通信が可能になる。
【0025】
(6)また、本発明は、上記(1)乃至(5)のいずれかにおいて、前記四角形のコイルは前記基板上の互いに異なる層準で且つ互いに直交する配線を交互に接続して形成された3次元コイルであることを特徴とする。このように、コイルを3次元コイルにすることにより、コイルと送信器或いは受信器とをビアを介することなく接続することができる。
【発明の効果】
【0026】
開示の積層集積回路装置によれば、従来に比べてチャネル間のクロストークを増大させずに、コイルの実装密度を2倍高くすることができる。また、積層方法を問わずに、2つのコイルでデータのリピート伝送が可能になり、延いては、コスト削減や転送速度の向上に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態の半導体集積回路装置の説明図である。
【図2】正方形コイルが生じる磁界強度の説明図である。
【図3】コイルの配置図である。
【図4】リピート伝送を行う送受信器の説明図である。
【図5】リピート伝送を1回行う場合の積層断面図である。
【図6】本発明の実施例1の半導体集積回路装置の説明図である。
【図7】各チップにおける送信コイルと受信コイルの配置図である。
【図8】本発明の実施例1の半導体集積回路装置の部分的等価回路図である。
【図9】送受信装置の回路構成図である。
【図10】本発明の実施例2の半導体集積回路装置の説明図である。
【図11】本発明の実施例3の半導体集積回路装置の説明図である。
【図12】本発明の実施例3におけるデータの書き込み動作の説明図である。
【図13】本発明の実施例3におけるデータ読み出し動作の説明図である。
【図14】本発明の実施例4の半導体集積回路装置の説明図である。
【図15】本発明の実施例4による送信コイルTと受信コイルRの対関係の説明図である。
【図16】本発明の実施例4による送信コイルTと受信コイルRの他の対関係の説明図である。
【図17】本発明の実施例4における各チップ間のコイルの役割分担の説明図である。
【図18】本発明の実施例5による送信コイルTと受信コイルRの対関係の説明図である。
【図19】本発明の実施例5による送信コイルTと受信コイルRの他の対関係の説明図である。
【図20】本発明の実施例6による送信コイルTと受信コイルRの対関係の説明図である。
【図21】本発明の実施例7による送信コイルTと受信コイルRの対関係の説明図である。
【図22】本発明の実施例8の半導体集積回路装置の説明図である。
【図23】本発明の実施例9の半導体集積回路装置の説明図である。
【図24】本発明の実施例10の半導体集積回路装置の積層断面図である。
【図25】各チップにおけるコイル群の接続状態の説明図である。
【図26】発明の実施例11における各チップにおけるコイル群の接続状態の説明図である。
【図27】本発明の実施例12の半導体集積回路装置の積層断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ここで、図1乃至図5を参照して、本発明の実施の形態の半導体集積回路装置を説明する。図1は、本発明の実施の形態の半導体集積回路装置の説明図であり、図1(a)はコイルの配列の説明図であり、また、図1(b)はコイルの概念的構造図である。図1(b)に示すように、コイル1は互いに異なった層準に形成したX方向の配線(実線)2とY方向の配線(破線)3をビア導体4により交互に接続して形成した3次元正方形コイルである。図1(a)に示すように、このコイル1をXY方向に対して45°斜めの方向の格子上に配置している。この場合、隣接する2つのコイルが対となり、一つが受信コイルRで他の一つが送信コイルTとなる。なお、コイルは、平面スパイラル状コイルでも良い。
【0029】
斜め方向の格子間隔Pは、コイル1の一辺Dの2/21/2(≒1.41)倍以上である。この例ではコイル1は正方形として示しているが、長方形や平行四辺形等の他の四角形でも良い。また、コイル1の一辺Dは、通信距離の2倍程度に設定するのが一般的である。例えば、積層するチップの厚さが100μmの場合は、コイル1の一辺は200μmが典型的である。
【0030】
図2は、正方形コイルが生じる磁界強度の説明図である。まず、図2(a)に示すように、短い線分を流れる電流IがX点およびY点に生じる磁界強度の大小を考える。図2(b)に示すように、線分をB点で2分すると、線分BCからX点およびY点までの距離が等しいので、線分BCがX点に発生する磁界の強度とY点に発生する磁界の強度は等しい。同様に、線分ABがX点に発生する磁界の強度はY点に発生する磁界の強度に比べて弱い。
【0031】
線電流Iが発生する磁界は、線分ABおよび線分BCが発生する磁界の重ね合わせで求めることができるので、X点の磁界はY点の磁界よりも弱いことが分かる。この考え方を拡張して磁界強度の等高線を引くと、図2(c)のようになる。即ち、線分の中心部分の磁界は強く、中心から両端に向かうにつれて磁界は弱まる。
【0032】
さらに、この磁界強度分布を四角形コイルに適用すると、図2(d)に示すように四角形の辺中央部は磁界が強いが対角部は磁界が弱くなる。図2(e)は、実際に電磁界シミュレータで計算した磁界強度分布を近似的に等高線として示した図である。
【0033】
この結果を近似すると、四角形コイルを流れる信号に起因する磁界強度の等高線は、図2(f)で示す破線の形状になる。即ち、コイルの中心からXY方向にMだけ離れた点と、XY方向に対して45°斜めの方向にM/21/2だけ離れた点に達する磁界は同じである。逆にこの境界線上に到達した別のコイルが発生した同じ強度の磁界は、コイルの中央に到達すると同じ強度のクロストークになる。
【0034】
図3(a)は、従来のコイル配置図であり、境界線を挟んで隣の正方形コイルと接するように正方形コイルをXY方向に行列配置した構成になっている。このとき、コイルの中心の間隔Pをコイルの一辺Dのおよそ2倍以上にすると、他のコイルからのノイズの影響が十分に小さくビット誤りの無い信頼性の高い通信ができることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0035】
図3(b)は、本発明の実施の形態のコイル配置図であり、正方形コイルの対角方向の磁界強度は辺方向に比べて1/21/2(≒0.7)倍小さい特徴を生かして配列したものである。このとき、XY方向のコイル配列ピッチP′は、図3(a)のPと等しくなることが幾何学的に分かる。即ち、図3(a)と同じ領域を使って、図3(b)では2倍の数のコイルを配列することができる。
【0036】
このような、図3(b)の周囲の4つのコイルの中心点を結んで得られる正方形をXY方向に繰り返し並べることで得られるのが、上記の図1である。したがって、本発明の実施の形態においては、従来のコイル配置に比べて、コイルの実装密度を2倍程度高くすることができる。なお、厳密に2倍である必要はなく、ピッチP′をピッチPより大きくして1.5倍程度の密度にしても良く、クロストークをより確実に防止することができる。
【0037】
なお、コイル配置は正方格子状に限られるものではなく、長方形格子状の配列にしても良い。これは、同じ層準に設けたコイルからの磁界の影響が、他の層準に設けたコイルからの磁界の影響より大きいので、受信コイルと送信コイルの一対のコイルで送受信コイルを形成した場合、近接する送受信コイルに対する間隔をより狭くすることができるためである。
【0038】
次に、図4及び図5を参照して、本発明の実施の形態のコイル配置を有する半導体集積回路装置における信号伝送方法を説明する。図4は、リピート伝送を行う送受信器の説明図であり、図4(a)は送受信器のブロック図であり、図4(b)は送受信器の回路図である。また、図4(c)はコイルを二重にしてそれぞれ送受信可能にした図である。送信コイル(T)11には送信器13が接続され、受信コイル(R)12には受信器14が接続され、制御回路15により制御される。
【0039】
図5はリピート伝送を1回行う場合の積層断面図である。図5(a)は、隣接するチップ間でリピート伝送を1回行う場合の積層断面図であり、図5(b)は5枚のチップが積層されて2チップ毎にデータ転送を行う場合の積層断面図である。この場合、コイル対の誘導結合でデータ通信を行い、ワイヤ配線もしくはシリコン貫通電極(TSV)で電源を供給する。
【0040】
図5(a)に示すように、3枚のチップが積層されチップ毎にデータ転送を行う場合は、リピート回数が1回ですむ。したがって、従来のような遮蔽層を必要としない。また、図5(b)に示すように、5枚のチップが積層された2チップ毎にデータ転送を行う場合もリピート回数が1回ですむ。
【0041】
このように、本発明の実施の形態においては、コイルをXY方向に対して45°斜めの方向の格子上に配置しているので、従来のXY方向に格子上に配置した場合に比べて、2倍程度の実装密度を実現することができる。また、3層チップ積層或いは、5層チップ積層で1層飛ばしの場合には、遮蔽層を設けることなく1回リピート伝送が可能であり、チップを積層する際に、180°回転させる必要がなくなる。なお、この実施の形態においては、積層半導体集積回路装置として説明しているが、積層半導体集積回路装置に限られるものではなく、電子回路基板等の他の集積回路装置にも適用されるものである。
【実施例1】
【0042】
次に、図6乃至図9を参照して、本発明の実施例1の半導体集積回路装置を説明する。図6は、本発明の実施例1の半導体集積回路装置の説明図であり、図6(a)は積層断面図であり、図6(b)は、コイル配置図である。ここでは、隣接する2つのコイルが対となり、一つが受信コイルRで他の一つが送信コイルTとなり、このコイル対の誘導結合でデータ通信を行い、ワイヤ配線もしくはシリコン貫通電極で電源を供給する。
【0043】
図6(b)に示すように、互いに異なった層準に形成したX方向の配線(実線)とY方向の配線(破線)を交互に接続して形成した3次元正方形コイルをXY方向に対して45°斜めの方向の格子上に配置している。
【0044】
斜め方向の格子間隔Pは、コイルの一辺Dの2/21/2(≒1.41)倍以上である。この例ではコイルは正方形として示しているが、コイルの一辺Dは、通信距離の2倍程度に設定するのが一般的である。例えば、積層するチップの厚さが100μmの場合は、コイルの一辺は200μmとする。
【0045】
図7は、各チップにおける送信コイルと受信コイルの配置図であり、チップ2では、チップ1の送信コイルTに対応する位置に受信コイルRを配置し、その受信コイルRと対をなす位置のコイルを送信コイルTとする。また、チップ3では、チップ2の送信コイルTに対応する位置に受信コイルRを配置する。なお、チップ1から信号を送信する場合には、チップ1における受信コイルの位置のコイルは休眠コイルとし、チップ3における送信コイルの位置のコイルを休眠コイルとする。
【0046】
図8は、本発明の実施例1の半導体集積回路装置の部分的等価回路図であり、図8(a)はメモリ書き込み動作を示し、図8(b)はメモリ読み出し動作を示している。図に示すように、制御回路で使用するコイルを選択して、所定の送信及び受信を行う。なお、送信コイルに対して信号伝送方向と反対側に位置する受信コイルは信号伝送時には休眠コイルとなるので、クロストークが発生することがない。
【0047】
図9は、送受信装置の回路構成図であり、図9(a)は受信回路図であり、図9(b)は送信回路図であり、図9(c)は制御回路図である。
【0048】
このように、本発明の実施例1においては、コイルをXY方向に対して45°斜めの方向の格子上に配置しているので、従来のXY方向に格子上に配置した場合に比べて、2倍程度の実装密度を実現することができる。また、遮蔽層を設けることなく1回リピート伝送が可能であり、チップを積層する際に、180°回転させる必要がなくなる。
【実施例2】
【0049】
次に、図10を参照して、本発明の実施例2の半導体集積回路装置を説明するが、積層構造及び信号伝送方法は、上記の実施例1と同様であるので、コイル配置のみを説明する。図10は本発明の実施例2の半導体集積回路装置の説明図であり、図10(a)はコイル配置図であり、図10(b)はコイルの構成図である。
【0050】
図10(b)に示すように、コイルは平面スパイラル状コイルで構成する。また、図10(a)に示すように、従来と同様に、XY方向に格子上に配置しているが、コイルを45°傾けた状態で配置している。但し、格子間隔P′は、コイルの一辺Dの21/2 (≒1.41)倍以上としているので、従来のコイル配置に比べてコイルの実装密度が2倍程度高くなっている。
【0051】
このように、本発明の実施例2においては、コイルをXY方向に対して45°傾けて配置することによって、従来に比べて、2倍程度の実装密度を実現することができる。また、遮蔽層を設けることなく1回リピート伝送が可能であり、チップを積層する際に、180°回転させる必要がなくなる。なお、コイルは、実施例1と同様に3次元正方コイルでも良い。
【実施例3】
【0052】
次に、図11乃至図13を参照して、本発明の実施例3の半導体集積回路装置を説明する。図11は、本発明の実施例3の半導体集積回路装置の説明図であり、積層数を5層とした以外は、上記の実施例1と同様である。図11(a)は積層断面図であり、図11(b)はコイル配置図である。ここでも、隣接する2つのコイルが対となり、一つが受信コイルRで他の一つが送信コイルTとなり、このコイル対の誘導結合でデータ通信を行い、ワイヤ配線もしくはシリコン貫通電極で電源を供給する。
【0053】
図12及び図13は、本発明の実施例3の半導体集積回路装置の部分的等価回路図であり、図12は最上層のチップ4にデータの書き込み動作を示しており、また、図13はチップ3からのデータの読み出し動作を示している。図に示すように、制御回路で使用するコイルを選択して、所定の送信及び受信を行う。なお、送信コイルに対して信号伝送方向と反対側に位置する受信コイルは信号伝送時には休眠コイルとなるので、クロストークが発生することがない。
【0054】
このように、本発明の実施例3においても、コイルをXY方向に対して45°斜めの方向の格子上に配置しているので、従来のXY方向に格子上に配置した場合に比べて、2倍程度の実装密度を実現することができる。また、遮蔽層を設けることなく1回リピート伝送が可能であり、チップを積層する際に、180°回転させる必要がなくなる。なお、この実施例3においても、実施例2のように、XY方向に対して45°傾けた形状のコイルをXY方向に格子上に配置しても良い。
【実施例4】
【0055】
次に、図14乃至図17を参照して、本発明の実施例4の半導体集積回路装置を説明する。図14は、本発明の実施例4の半導体集積回路装置の説明図であり、図14(a)は積層断面図であり、図14(b)は、コイル配置図である。ここでも、隣接する2つのコイルが対となり、一つが受信コイルRで他の一つが送信コイルTとなり、このコイル対の誘導結合でデータ通信を行い、ワイヤ配線もしくはシリコン貫通電極で電源を供給する。
【0056】
この実施例4においては、図14(b)に示すように、コイルのX方向のピッチP″は実施例1のコイルのX方向のピッチP′よりも小さく、コイルのY方向のピッチP″は、実施例1のコイルのY方向のピッチP′よりも大きい。この時、(P′−P″)を(P″−P′)より大きくすることで、実施例1に比べてコイルの実装密度を高くすることができる。
【0057】
実施例1に比べてコイルのX方向のピッチP″を小さくするとチップ1やチップ3の隣接コイルからのクロストークは増大し、実施例1に比べてコイルのY方向のピッチP″を大きくするとチップ2内の隣接コイルからのクロストークは減少する。この場合、同一チップ内の隣接送信コイルからのクロストークの方が支配的であり、上または下チップの隣接送信コイルからのクロストークはそれと比較して小さいので、それらを調整した結果、実施例1と比べてクロストークの増減はない。したがって、本発明の実施例4においては、クロストークを一定にしたままでコイルの実装密度をさらに高めることができる。
【0058】
図15は、本発明の実施例4による送信コイルTと受信コイルRの対関係の説明図であり、図15(a)に示したコイル対して、隣接するコイルのうち、隣接上下に位置するコイルを対に用いた場合の4つの例を図15(b)乃至図15(e)に示している。ここでは、隣接するコイル対における送信コイルTと受信コイルRの上下関係が互いに逆になった配置を示している。
【0059】
図16も、本発明の実施例4による送信コイルTと受信コイルRの対関係の説明図であり、図16(a)に示したコイル対して、隣接するコイルのうち、隣接上下に位置するコイルを対に用いた場合の4つの例を図16(b)乃至図16(e)に示している。ここでは、隣接するコイル対における送信コイルTと受信コイルRの上下関係が同じになった配置を示している。
【0060】
図17は、本発明の実施例4における各チップ間のコイルの役割分担の説明図であり、ここでは、図14(a)に示した信号伝送状態の例を示している。また、チップ対の組み合わせは図15(b)の組み合わせの場合を示している。なお、各チップにおける各コイルの動作は、上記の図8と全く同様である。
【実施例5】
【0061】
次に、図18及び図19を参照して、本発明の実施例5の半導体集積回路装置を説明するが、基本的構成は上記の実施例4と同様であり、コイルの全体配置を縦長から横長に変更したものである。即ち、半導体集積回路装置においてはチップ内の空きスペースが種類ごとに異なるので、チップの横長方向に空きスペースがある場合に対応するものである。
【0062】
図18は、本発明の実施例5による送信コイルTと受信コイルRの対関係の説明図であり、図18(a)に示したコイル対して、隣接するコイルのうち、隣接左右に位置するコイルを対に用いた場合の4つの例を図18(b)乃至図18(e)に示している。ここでは、隣接するコイル対における送信コイルTと受信コイルRの左右関係が互いに逆になった配置を示している。
【0063】
図19も、本発明の実施例5による送信コイルTと受信コイルRの対関係の説明図であり、図19(a)に示したコイル対して、隣接するコイルのうち、隣接上下に位置するコイルを対に用いた場合の4つの例を図19(b)乃至図19(e)に示している。ここでは、隣接するコイル対における送信コイルTと受信コイルRの左右関係が同じになった配置を示している。
【実施例6】
【0064】
次に、図20を参照して、本発明の実施例6の半導体集積回路装置を説明するが、基本的構成は上記の実施例4と同様であり、コイル対をなす送信コイルTと受信コイルRの対関係が異なるだけである。
【0065】
図20は、本発明の実施例6による送信コイルTと受信コイルRの対関係の説明図であり、図20(a)に示したコイル対して、隣接するコイルのうち、縦方向の対角線上に位置するコイルを対に用いた場合の4つの例を図20(b)乃至図20(e)に示している。ここでは、隣接するコイル対における送信コイルTと受信コイルRの上下関係が互いに逆になる。
【0066】
この実施例6においては、隣接するコイルのうち、対角線上に位置するコイルを一対に用いているので、コイル間の距離、即ち、接続配線長が実施例3或いは実施例4の場合より短くなるので、リピート遅延が短く、より高速なデータ転送が可能になる。なお、コイル配置は実施例3或いは実施例4と同じであるので、クロストークも同じである。
【実施例7】
【0067】
次に、図21を参照して、本発明の実施例7の半導体集積回路装置を説明するが、基本的構成は上記の実施例7と同様であり、コイルの全体配置を縦長から横長に変更したものである。
【0068】
図21は、本発明の実施例7による送信コイルTと受信コイルRの対関係の説明図であり、図21(a)に示したコイルに対して、隣接するコイルのうち、横方向対角線上に位置するコイルを対に用いた場合の4つの例を図21(b)乃至図21(e)に示している。ここでは、隣接するコイル対における送信コイルTと受信コイルRの左右関係が互いに逆になる。
【実施例8】
【0069】
次に、図22を参照して、本発明の実施例8の半導体集積回路装置を説明するが、基本的構成は上記の実施例3と同様であり、チップ積層構造を1コイルピッチ分順次ずらして積層したものであり、電源はワイヤボンディングで給電している。
【0070】
図22は、本発明の実施例8の半導体集積回路装置の説明図であり、図22(a)は積層断面図であり、図22(b)は各チップにおけるコイル対における役割分担の説明図である。図に示すように、送信コイルに対して信号伝送方向と反対側の位置にコイルが存在しないので、任意の積層数で積層構造を構成して2回以上のリピート伝送ができる。
【実施例9】
【0071】
次に、図23を参照して、本発明の実施例9の半導体集積回路装置を説明するが、基本的構成は上記の実施例3と同様であり、チップ積層構造を1/2コイルピッチ分順次ずらして積層したものであり、電源はワイヤボンディングで給電している。
【0072】
図23は、本発明の実施例9の半導体集積回路装置の説明図であり、図23(a)は積層断面図であり、図23(b)は各チップにおけるコイル対における役割分担の説明図であり、この場合も、送信コイルに対して信号伝送方向と反対側の位置にコイルが存在しないので、任意の積層数で積層構造を構成して2回以上のリピート伝送ができる。
【実施例10】
【0073】
次に、図24及び図25を参照して、本発明の実施例10の半導体集積回路装置を説明するが、コイル配置自体は上記の実施例3と同様であるが、ここでは、3つのコイルでコイル群を構成するものである。図24は積層断面図であり、各チップにおけるコイルの役割分担を送信と受信と休眠に分けて1つのコイル群を構成する。
【0074】
この場合、上下に隣接するチップにおいて、送信コイルに対して信号伝送方向と反対側の位置のコイルが休眠コイルになるように役割分担させているので、クロストークは起こらず、したがって、2回以上のリピート伝送が可能になる。
【0075】
図25は各チップにおけるコイル群の接続状態の説明図であり、ここでは、隣接する3つのチップにおけるコイル群の接続状態を示しており、図に示すように、縦方向に隣接する3つのコイルでコイル群を構成する。
【0076】
この実施例10においては、3つのコイルでコイル群を構成し、送信コイルに対して信号伝送方向と反対側の位置のコイルが休眠コイルになるようにしているので、遮蔽層を設けることなく2回以上のリピート伝送が可能になる。
【実施例11】
【0077】
次に、図26を参照して、本発明の実施例11の半導体集積回路装置を説明するが、基本的構造自体は上記の実施例10と同様であるが、ここでは、3つのコイルで構成するコイル群の接続状態を変えたものである。
【0078】
図26は各チップにおけるコイル群の接続状態の説明図であり、ここでは、隣接する3つのチップにおけるコイル群の接続状態を示しており、図に示すように、最少の三角形を構成する隣接する3つのコイルでコイル群を構成する。
【0079】
この実施例11においては、隣接する3つのチップのうちの2つのチップにおける送信コイルと受信コイルとの接続配線長が、実施例10の場合に比べて短くなるので、リピート遅延が短く、より高速なデータ転送が可能になる。
【実施例12】
【0080】
次に、図27を参照して、本発明の実施例12の半導体集積回路装置を説明する。図27は、本発明の実施例12の半導体集積回路装置の積層断面図であり、基本的構造自体は上記の実施例11と同様であるが、ここでは、1コイルピッチ分順次ずらして積層するとともに、途中にスペーサを挟んで、積層方向を反転させたものである。なお、各コイルの役割分担は、上記の図25或いは図26に比べて一層おきに設定する。即ち、あるチップにおける各コイルの役割分担が図25(a)に示すものであれば、次のチップにおける各コイルの役割分担は図25(c)に示すものにする。
【符号の説明】
【0081】
1 コイル
2 配線
3 配線
4 ビア導体
11 送信コイル
12 受信コイル
13 送信器
14 受信器
15 制御回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の配線により形成された誘導結合によって信号を送信する四角形のコイルとそれに接続される送信回路で構成される送信チャネルを複数備える第1基板と、
前記第1基板に積層される基板上の配線により形成され且つ前記第1基板に設けられたコイルと対応する位置に形成される四角形のコイルとそれに接続される受信回路で構成される受信チャネルを複数有する第2基板と
を少なくとも有し、
前記各四角形のコイルの対向角を結ぶ2つの方向に前記コイルの一辺の2/21/2倍乃至3/21/2の間隔で設けられた格子上に前記コイルの中心が配置され、且つ、前記配線の直交する方向に沿って前記コイルが行列配列されていることを特徴とする積層集積回路装置。
【請求項2】
誘導結合によって信号を送信する送信器を有する第n基板(但し、1≦n≦Nの整数)と、
前記送信器から送信される信号を誘導結合によって受信し中継して誘導結合によって送信する複数の中継器を有する第n+x基板(但し、1≦x≦N−n−1の 整数)と、
前記中継器から中継される信号を誘導結合によって受信する複数の受信器を有する第n+y基板(但し、x<y≦ N−nの整数)と
を積層して備え、
前記送信器、前記受信器及び前記中継器は、基板上の配線により形成された四角形のコイルに接続されて、積層位置が対応するコイル対の誘導結合によって無線通信し、
前記四角形のコイルの対向角を結ぶ2つの方向に前記コイルの一辺の2/21/2倍乃至3/21/2の間隔で設けられた格子上に前記コイルの中心が配置され、且つ、前記配線の直交する方向に沿って前記コイルが行列配列され、
前記中継器は、前記行列配置されたコイルの中の隣接したコイル対の一方を受信コイルに用いて受信し他方を送信コイルに用いて送信することを特徴とする積層集積回路装置。
【請求項3】
前記各基板の格子のチップ辺方向の一方に沿った間隔がコイルの一辺よりも短いことを特徴とする請求項2に記載の積層集積回路装置。
【請求項4】
前記隣接したコイル対は、チップ辺方向に沿って上下あるいは左右に並ぶことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の積層集積回路装置。
【請求項5】
前記隣接したコイル対は、チップ辺方向の斜め方向に沿って並ぶことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の積層集積回路装置。
【請求項6】
前記四角形のコイルは前記基板上の互いに異なる層準で且つ互いに直交する配線を交互に接続して形成された3次元コイルであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の積層集積回路装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate


【公開番号】特開2012−209769(P2012−209769A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74030(P2011−74030)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(899000079)学校法人慶應義塾 (742)
【Fターム(参考)】