説明

空気入りタイヤ及びその製造方法

【課題】タイヤ内面の少なくとも一部に樹脂層を備える場合であっても、その樹脂層に対してファスナーを強固に接合することを可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーが分散している熱可塑性エラストマー組成物からなる樹脂層4をタイヤ内面の少なくとも一部に備えた空気入りタイヤTにおいて、熱可塑性樹脂製の基材11aと該基材11aに形成された係合素子11bとからなるファスナー11を備え、該ファスナー11の基材11aを樹脂層4に対して溶着加工により固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸音材等の付加物を必要に応じて取り付けるためのファスナーをタイヤ内面に備えた空気入りタイヤ及びその製造方法に関し、更に詳しくは、タイヤ内面の少なくとも一部に樹脂層を備える場合であっても、その樹脂層に対してファスナーを強固に接合することを可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吸音材等の付加物の取り付けを容易にするために、タイヤ内面に面ファスナーを備え付けた空気入りタイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照)。空気入りタイヤにおいては、空洞部内で生じる共鳴音を低減するために、空洞部内に吸音材を設置することが行われているが、上記面ファスナー付き空気入りタイヤによれば、吸音材等の付加物を必要に応じて簡単に着脱することができる。タイヤ内面に面ファスナーを取り付けるに際しては、例えば、面ファスナーの裏面にアンカー素子を設け、そのアンカー素子をタイヤ内面のゴム中に打ち込んだ状態で面ファスナーをタイヤ内面に対して加硫接着することにより、面ファスナーの接合強度を十分に確保するようにしている。
【0003】
一方、空気入りタイヤにおいて、空気遮断層としてタイヤ内面に樹脂層を設けたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。このような空気入りタイヤにおいて、タイヤ内面に面ファスナーを設置する場合、樹脂層に対して面ファスナーを取り付ける必要がある。しかしながら、空気遮断機能を有する樹脂層をタイヤ内面に配置した空気入りタイヤでは、気密性を確保する上で、アンカー素子を備えた面ファスナーを使用することは好ましくない。また、樹脂層に対して面ファスナーを接着剤を用いて固定した場合、その接合強度が必ずしも十分ではなく、しかも接着強度を長期間にわたって確保することが難しい。そのため、タイヤ内面に樹脂層を備えた空気入りタイヤでは、タイヤ内面に面ファスナーを強固な接合状態で設置することは難しいのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−272954号公報
【特許文献2】特開2006−168447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、タイヤ内面の少なくとも一部に樹脂層を備える場合であっても、その樹脂層に対してファスナーを強固に接合することを可能にした空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーが分散している熱可塑性エラストマー組成物からなる樹脂層をタイヤ内面の少なくとも一部に備えた空気入りタイヤにおいて、熱可塑性樹脂製の基材と該基材に形成された係合素子とからなるファスナーを備え、該ファスナーの基材を前記樹脂層に対して溶着加工により固定したことを特徴とするものである。
【0007】
また、上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーが分散している熱可塑性エラストマー組成物からなる樹脂層をタイヤ内面の少なくとも一部に備えた空気入りタイヤを加硫した後、熱可塑性樹脂製の基材と該基材に形成された係合素子とからなるファスナーを前記樹脂層に沿って配置し、該ファスナーの基材を前記樹脂層に対して溶着加工により固定することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなる樹脂層をタイヤ内面の少なくとも一部に備えた空気入りタイヤにおいて、熱可塑性樹脂製の基材と該基材に形成された係合素子とからなるファスナーを使用し、該ファスナーの基材を樹脂層に対して溶着加工により固定することにより、タイヤ内面の樹脂層に対してファスナーを強固に接合することができる。
【0009】
ファスナーの基材を樹脂層に対して溶着加工により固定する工程は、空気入りタイヤの加硫後に実施することができる。そのため、ファスナーの係合素子が加硫時に潰されるのを回避することができる。しかも、空気入りタイヤの成形工程や加硫工程は従来のままとし、単に溶着加工によるファスナーの取り付け工程を付加するだけでよい。また、溶着加工はタイヤサイズに依存しないため、各種タイヤサイズに対して共通の加工作業とすることができる。更に、溶着加工の場合、加硫後のタイヤ内面に付着した離型剤を除去する必要もない。特に、ファスナーの基材を樹脂層に対して超音波溶着加工により固定することが好ましい。超音波溶着加工によれば、ファスナーの基材を樹脂層に対して短時間で簡単に固定することができる。
【0010】
本発明において、ファスナーの基材の融点と樹脂層の融点との差は40℃以下であることが好ましい。特に、ファスナーの基材の構成材料が樹脂層に含まれる樹脂と同種の熱可塑性樹脂であることが好ましい。この場合、ファスナーの基材を樹脂層に対して溶着加工により固定し、その接合強度を十分に確保することができる。
【0011】
樹脂層のファスナーが固定される部分は他の部分よりも15%以上厚くすることが好ましい。ファスナーの基材を樹脂層に対して溶着加工により固定する際、樹脂層が局部的に薄くなる場合があるが、樹脂層のファスナーが固定される部分を厚くすることにより、空気遮断層としての機能を十分に維持することができる。
【0012】
ファスナーの基材裏面の少なくとも溶着加工が施される領域には樹脂層に含まれる樹脂と同種の熱可塑性樹脂からなる溶着補助フィルムを積層することが好ましい。このような溶着補助フィルムを付加することでファスナーと樹脂層との接合強度を高めることができる。
【0013】
ファスナーは、タイヤ内面における配置領域が特に限定されるものではないが、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域に配置することが好ましい。このような領域では溶着加工が容易であり、しかも樹脂層の耐久性が高いという利点もある。
【0014】
トレッド部にタイヤ周方向にストレート状に延びる主溝を備え、これら主溝により複数列の陸部を区画した空気入りタイヤにおいては、ファスナーをタイヤ内面のトレッド部に対応する領域に配置し、ファスナーの基材の溶着加工をタイヤ幅方向の陸部に対応する位置でタイヤ周方向に沿って連続的又は断続的に施すことが好ましい。この場合、ファスナーの基材を樹脂層に対して溶着加工により固定する際の圧力を陸部が支えるため、加工精度を向上することができる。
【0015】
本発明においては、ファスナーと対をなす他のファスナーを備えた付加物を、これら一対のファスナーを互いに係合させることでタイヤ内面に取り付けることが可能である。付加物としては吸音材を採用することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを子午線断面にて切り欠いて示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態からなる空気入りタイヤ示す子午線断面図である。
【図3】本発明で使用されるファスナーの一例を示す斜視図である。
【図4】図3のファスナーを溶着加工した状態を示す平面図である。
【図5】図3のファスナーを溶着加工した他の状態を示す平面図である。
【図6】ファスナーに超音波溶着加工を施している状態を示す断面図である。
【図7】樹脂層のファスナーが固定される部分を局部的に厚くした構造を示す断面図である。
【図8】ファスナーの基材裏面に溶着補助フィルムを積層した構造を示す断面図である。
【図9】本発明で使用される他のファスナーを示す斜視図である。
【図10】図9のファスナーを溶着加工した状態を示す平面図である。
【図11】本発明で使用される他のファスナーを溶着加工した状態を示す平面図である。
【図12】本発明で使用される更に他のファスナーを溶着加工した状態を示す平面図である。
【図13】本発明で使用される更に他のファスナーを溶着加工した状態を示す平面図である。
【図14】本発明で使用される更に他のファスナーを溶着加工した状態を示す平面図である。
【図15】本発明で使用される更に他のファスナーを溶着加工した状態を示す斜視図である。
【図16】本発明で使用される更に他のファスナーを溶着加工した状態を示す斜視図である。
【図17】本発明で使用される更に他のファスナーを溶着加工した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1及び図2は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤを示し、図3〜図5は本発明で使用されるファスナーを示すものである。
【0018】
図1及び図2において、空気入りタイヤTは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、該トレッド部1の両側に配置されたサイドウォール部2と、これらサイドウォール部2のタイヤ幅方向両側に配置された一対のビード部3を備えている。空気入りタイヤTの内面には、その全域にわたって空気遮断層として樹脂層4が形成されている。この樹脂層4は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーが分散している熱可塑性エラストマー組成物から構成されている。
【0019】
図1及び図2に示すように、空気入りタイヤTの内面のトレッド部1に対応する領域にはファスナー11が装着されている。ファスナー11は、図3に示すように、熱可塑性樹脂製の織布からなるシート状の基材11aと、その基材11aに形成された多数のループ状の係合素子11bとから構成されている。この場合、係合素子11bは熱可塑性樹脂製の織布の一部を構成している。熱可塑性樹脂製の織布としては、例えば、ナイロン繊維の織布を使用することができる。このファスナー11はフックアンドループ型の面ファスナーの一方(ループ材)を構成するものである。ファスナー11の基材11aは樹脂層4に対して溶着加工により固定されている。ファスナー11の溶着加工部11c(斜線にて図示)は、図4に示すように、タイヤ周方向Cに沿って連続的に形成されても良く、或いは、図5に示すように、タイヤ周方向Cに沿って断続的に形成されても良い。但し、ファスナー11の溶着加工部11cをタイヤ周方向Cに沿って断続的に形成する場合、樹脂層4に対するファスナー11の接合強度を確保するために、タイヤ周方向に隣り合う溶着加工部11cの間隔は30mm以下とすることが好ましい。
【0020】
図2に示すように、空気入りタイヤTの内面には、ファスナー11を利用して任意の付加物20が装着される。つまり、付加物20にはファスナー11と対をなす他のファスナー21が取り付けられており、これら一対のファスナー11,21を互いに係合させることにより、付加物20がタイヤ内面に装着される。なお、ファスナー21はフックアンドループ型の面ファスナーの他方(フック材)を構成するものであって、基材の表面に多数のフック状の係合素子を備えている。
【0021】
付加物20としては、例えば、ポリウレタンフォーム又は不織布からなる吸音材を採用することができる。付加物20として、吸音材の他に、温度センサやトランスポンダ等を挙げることができる。
【0022】
このように熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー組成物からなる樹脂層4をタイヤ内面の少なくとも一部に備えた空気入りタイヤTにおいて、熱可塑性樹脂製の基材11aと該基材11aに形成された係合素子11bとからなるファスナー11を使用し、該ファスナー11の基材11aを樹脂層4に対して溶着加工により固定することにより、タイヤ内面の樹脂層4に対してファスナー11を強固に接合することができ、延いては、ファスナー11の取り付けられた付加物20をしっかりと保持することができる。
【0023】
また、上記空気入りタイヤTでは、その内面に熱可塑性樹脂製の織布からなるシート状の基材11aと該基材11aに形成された多数のループ状の係合素子11bとからなるファスナー11(ループ材)を固定した構造を採用しているが、フック材よりもループ材の方が柔軟に変形するため、特に低温時の耐久性の面で有利である。
【0024】
上述のように構成される空気入りタイヤTを製造する場合、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーが分散している熱可塑性エラストマー組成物からなる樹脂層4を内面に備えた空気入りタイヤTを加硫した後、熱可塑性樹脂製の基材11aと該基材11aに形成された係合素子11bとからなるファスナー11を樹脂層4に沿って配置し、該ファスナー11の基材11aを樹脂層4に対して溶着加工により固定する。
【0025】
このような製造方法によれば、ファスナー11の係合素子11bが加硫時に潰されるのを回避することができる。しかも、空気入り入りタイヤTの成形工程や加硫工程は従来のままとし、単に溶着加工によるファスナー11の取り付け工程を付加するだけで良い。また、溶着加工はタイヤサイズに依存しないため、各種タイヤサイズに対して共通の加工作業とすることができる。更に、溶着加工の場合、接着剤を用いる場合とは異なって、加硫後の空気入りタイヤTの内面に付着した離型剤を除去する必要もない。
【0026】
溶着加工としては、超音波溶着、熱溶着、振動溶着、高周波溶着、レーザー溶着、スピン溶着等の加工方法を挙げることができるが、特に、コストと接合強度の面から、超音波溶着加工が好ましい。超音波溶着加工によれば、ファスナー11の基材11aを樹脂層4に対して短時間で簡単に固定することができる。また、ファスナー11の寸法が必要以上に大きい場合には、溶着加工と同時に溶断加工を行っても良い。
【0027】
図6はファスナーに超音波溶着加工を施している状態を示すものである。図6に示すように、超音波溶着加工には、例えば、ローラー型の加振器30を使用すると良い。このローラー型の加振器30は溶着対象物に超音波振動を与えながら回動して溶着加工部11cを連続的に形成可能にするものである。加振器30としては、ローラー型のもの以外にホーン型のものを用いることも可能である。
【0028】
ファスナー11を空気入りタイヤTの内面のトレッド部1に対応する領域に配置した場合、ファスナー11の溶着加工が容易であり、しかも樹脂層4の耐久性が高いという利点もある。
【0029】
また、トレッド部1にタイヤ周方向にストレート状に延びる主溝5を備え、これら主溝5により複数列の陸部6を区画した空気入りタイヤTにおいては、ファスナー11をタイヤTの内面のトレッド部1に対応する領域に配置する一方で、ファスナー11の基材11aの溶着加工をタイヤ幅方向において陸部6に対応する位置でタイヤ周方向に沿って連続的又は断続的に施すと良い。つまり、図6において、領域X内で溶着加工を行うのが良い。この場合、ファスナー11の基材11aを樹脂層4に対して溶着加工により固定する際の加振器30の圧力を陸部6が支えるため、加工精度を向上することができる。なお、ここで言う主溝5とは接地面での溝幅が3.0mm以上の溝を指す。このような寸法を有する主溝5は溶着加工時の加工精度に影響を与える恐れがあるが、それよりも狭い溝は加工精度に殆ど影響を与えない。
【0030】
上記空気入りタイヤにおいて、ファスナー11の基材11aの融点と樹脂層4の融点との差は40℃以下、より好ましくは、30℃以下であると良い。これにより、ファスナー11の基材11aを樹脂層4に対して溶着加工により固定し、その接合強度を十分に確保することができる。例えば、樹脂層4の融点が180℃〜250℃の範囲内にあるとき、ファスナー11の基材11aの融点は樹脂層4の融点よりも低く140℃〜220℃の範囲内にあることが好ましい。
【0031】
特に、ファスナー11の基材11aの構成材料が樹脂層4に含まれる樹脂と同種の熱可塑性樹脂であると良い。この場合、両者の融点が一致し、しかも両者の樹脂の相溶性が良好となる。なお、樹脂層4が熱可塑性エラストマー組成物から構成される場合、マトリックス樹脂がファスナー11の基材11aの構成材料と同じであれば良い。これらの共通の構成材料としては、ポリアミド(ナイロン)やエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を用いることが好ましい。
【0032】
図7は樹脂層のファスナーが固定される部分を局部的に厚くした構造を示すものである。図7に示すように、樹脂層4のファスナー11が固定される部分4aは他の部分4bよりも15%以上、好ましくは、15%〜200%厚くしても良い。厚肉部分4aは樹脂層4のタイヤ幅方向Wの一部に選択的に形成されている。ファスナー11の基材11aを樹脂層4に対して溶着加工により固定する際、樹脂層4が加振器30の押圧力により局部的に薄くなる場合があるが、樹脂層4のファスナー11が固定される部分4aを厚くすることにより、空気遮断層としての機能を十分に維持することができる。
【0033】
図8はファスナーの基材裏面に溶着補助フィルムを積層した構造を示すものである。図8に示すように、ファスナー11の基材11aの裏面(係合素子11bが存在しない面)の少なくとも溶着加工が施される領域には樹脂層4に含まれる樹脂と同種の熱可塑性樹脂からなる溶着補助フィルム11dを積層しても良い。このような溶着補助フィルム11dを付加した場合、溶着加工時に樹脂の溶解量が多くなるためファスナー11と樹脂層4との接合強度を高めることができる。特に、基材11aが織物から構成される場合に有効である。溶着補助フィルム11dの厚さは、樹脂層4の50%〜300%とすれば良い。
【0034】
図9〜図17は本発明で使用される他のファスナーを示すものである。図9において、ファスナー12は、熱可塑性樹脂製のシート状の基材12aと、その基材12aに形成された多数の突起状の係合素子12bとから構成されている。これら基材12a及び係合素子12bは押出成形により一体的に成形されている。このファスナー12はフックアンドループ型の面ファスナーの一方(フック材)を構成するものである。この場合、ファスナー12には係合素子12bが配置された素子形成領域Pと係合素子12bが配置されていない非素子形成領域Qとが設定されている。このようなファスナー12の基材11aを樹脂層4に対して溶着加工する場合、図10に示すように、ファスナー12の溶着加工部12c(斜線にて図示)は非素子形成領域Qに配置される。
【0035】
ファスナー12における素子形成領域Pと非素子形成領域Qと溶着加工部12cの配置は任意に選択することができる。図10では、素子形成領域Pのタイヤ幅方向の両側に非素子形成領域Qを配置し、非素子形成領域Qにタイヤ周方向に沿って溶着加工部12cを連続的に形成している。図11では、2列の素子形成領域Pと3列の非素子形成領域Qをタイヤ幅方向に交互に配置し、非素子形成領域Qにタイヤ周方向に沿って溶着加工部12cを連続的に形成している。図12では、素子形成領域Pのタイヤ幅方向の両側に非素子形成領域Qを配置し、非素子形成領域Qにタイヤ周方向に沿って溶着加工部12cを断続的に形成している。
【0036】
図13では、素子形成領域Pをタイヤ周方向に沿って断続的に配置し、タイヤ周方向に隣り合う素子形成領域Pの相互間及び素子形成領域Pのタイヤ幅方向の両側に非素子形成領域Qを配置し、タイヤ周方向に隣り合う素子形成領域Pの相互間の非素子形成領域Qにはタイヤ幅方向に延びる溶着加工部12cを形成し、素子形成領域Pのタイヤ幅方向の両側の非素子形成領域Qにはタイヤ周方向に沿って溶着加工部12cを断続的に形成している。図14では、素子形成領域Pをタイヤ周方向に沿って断続的に配置し、タイヤ周方向に隣り合う素子形成領域Pの相互間及び素子形成領域Pのタイヤ幅方向の両側に非素子形成領域Qを配置し、タイヤ周方向に隣り合う素子形成領域Pの相互間の非素子形成領域Qにタイヤ幅方向に延びる溶着加工部12cを形成している。
【0037】
図15において、ファスナー13は、熱可塑性樹脂製のシート状の基材13aと、その基材13aに形成された雌型ボタン形状を有する係合素子13bとから構成されている。このようなファスナー13の基材13aを樹脂層4に対して溶着加工する場合、図15に示すように、ファスナー13の溶着加工部13c(斜線にて図示)は係合素子13bを取り囲むように基材13aの周縁部に配置される。
【0038】
図16において、ファスナー14は、熱可塑性樹脂製のシート状の基材14aと、その基材14aに形成された雄型ボタン形状を有する係合素子14bとから構成されている。このようなファスナー14の基材14aを樹脂層4に対して溶着加工する場合、図16に示すように、ファスナー14の溶着加工部14c(斜線にて図示)は係合素子14bを取り囲むように基材14aの周縁部に配置される。
【0039】
図17において、ファスナー15は、熱可塑性樹脂製のシート状の基材15aと、その基材15aに形成された溝形状を有する係合素子15bとから構成されている。このようなファスナー15の基材15aを樹脂層4に対して溶着加工する場合、図17に示すように、ファスナー15の溶着加工部15c(斜線にて図示)は係合素子15bの長手方向に沿って基材15aの両縁部に配置される。
【0040】
このように本発明で使用されるファスナーの形状は特に限定されるものではなく、種々の形状を有するものを採用することができる。また、ファスナーは全体が熱可塑性樹脂で構成されていても良いが、少なくとも基材が熱可塑性樹脂製であれば良い。
【0041】
以下、タイヤ内面に形成される樹脂層の構成材料について詳細に説明する。この樹脂層は、上述した通り、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーが分散している熱可塑性エラストマー組成物から構成される。特に、樹脂層を空気透過防止層としてタイヤ内面の全域にわたって形成する場合、樹脂層の構成材料として熱可塑性エラストマー組成物を用いると良い。
【0042】
熱可塑性エラストマー組成物の熱可塑性樹脂成分としては、ヤング率が500MPa超、好ましくは500〜3000MPaの任意の熱可塑性樹脂を用いることができ、その配合量は樹脂及びエラストマーを含むポリマー成分の合計重量当り10重量%以上、好ましくは20〜85重量%である。
【0043】
そのような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕、ポリエステル系樹脂〔例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリブチレンテレフタレート/テトラメチレングリコール共重合体、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂〔例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)〕、ポリビニル系樹脂〔例えば酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体〕、セルロース系樹脂〔例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)〕、イミド系樹脂〔例えば芳香族ポリイミド(PI)〕などを挙げることができる。これら熱可塑性樹脂はエラストマー成分を含まない単独の樹脂材料として用いても良い。
【0044】
熱可塑性エラストマー組成物のエラストマー成分としては、ヤング率が500MPa以下の任意のエラストマー又は該エラストマーの分散性や耐熱性などの改善のために補強剤、充填剤、架橋剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤などの配合剤を必要量添加したエラストマー組成物を用いることができ、その配合量は樹脂及びエラストマーを含むポリマー成分の合計重量当り10重量%以上、好ましくは10〜80重量%である。
【0045】
そのようなエラストマーとしては、例えば、ジエン系ゴム及びその水素添加物〔例えばNR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、BR(高シスBR及び低シスBR)、NBR、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)〕、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー、含ハロゲンゴム〔例えばBr−IIR、Cl−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHC,CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM)〕、シリコーンゴム(例えばメチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム)、含イオウゴム(例えばポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えばビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー)などを挙げることができる。
【0046】
熱可塑性エラストマー組成物には、上記必須成分に加えて第三成分として、相溶化剤などの他のポリマー及び配合剤を混合することができる。他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分との相溶性を改良するため、材料のフィルム成形加工性を良くするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等であり、これに用いられる材料としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS、SBS、ポリカーボネート等が挙げられる。
【0047】
熱可塑性エラストマー組成物は、予め熱可塑性樹脂とエラストマー(ゴムの場合は未加硫物)とを2軸混練押出機等で溶融混練し、連続相を形成する熱可塑性樹脂中にエラストマー成分を分散させることにより得られる。エラストマー成分を加硫する場合には、混練下で加硫剤を添加し、エラストマーを動的に加硫させても良い。また、熱可塑性樹脂またはエラストマー成分への各種配合剤(加硫剤を除く)は、上記混練中に添加しても良いが、混練の前に予め混合しておくことが好ましい。熱可塑性樹脂とエラストマーの混練に使用する混練機としては、特に限定はなく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等が挙げられる。中でも樹脂成分とゴム成分の混練およびゴム成分の動的加硫には2軸混練押出機を使用するのが好ましい。さらに、2種類以上の混練機を使用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が溶融する温度以上であれば良い。また、混練時の剪断速度は2500〜7500sec-1であるのが好ましい。混練全体の時間は30秒から10分、また加硫剤を添加した場合には、添加後の加硫時間は15秒から5分であるのが好ましい。上記方法で作製された熱可塑性エラストマー組成物は、樹脂用押出機による成形またはカレンダー成形によってフィルム化される。フィルム化の方法は、通常の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーをフィルム化する方法によれば良い。
【0048】
上記熱可塑性エラストマー組成物はシート又はフィルムに成形された状態でタイヤ成形に用いられるが、隣接するゴムとの接着性を高めるために接着層を積層しても良い。この接着層を構成する接着用ポリマーの具体例としては、分子量100万以上、好ましくは300万以上の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレンメチルアクリレート樹脂(EMA)、エチレンアクリル酸共重合体(EAA)等のアクリレート共重合体類及びそれらの無水マレイン酸付加物、ポリプロピレン(PP)及びそのマレイン酸変性物、エチレンプロピレン共重合体及びそのマレイン酸変性物、ポリブタジエン系樹脂及びその無水マレイン酸変性物、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)、フッ素系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂などを挙げることができる。接着層の厚さは特に限定されないが、タイヤ軽量化のためには厚さが少ない方がよく、5μm〜150μmが好ましい。
【実施例】
【0049】
タイヤサイズ215/60R16で、熱可塑性樹脂中にエラストマーが分散している熱可塑性エラストマー組成物からなる樹脂層をタイヤ内面に備えた空気入りタイヤを加硫した後、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域に、熱可塑性樹脂製の基材と該基材に形成された係合素子とからなる面ファスナーを配置し、該面ファスナーの基材を樹脂層に対して超音波溶着加工により固定することにより実施例1〜4のタイヤを製作した。樹脂層のマトリックス樹脂及び面ファスナーの基材の樹脂はいずれもナイロンとした。
【0050】
実施例1のタイヤでは、図3の面ファスナー(ループ材)を超音波溶着加工によりタイヤ内面に固定し、その溶着加工部を図4のようにタイヤ周方向に連続的に形成した。
【0051】
実施例2のタイヤでは、樹脂層の面ファスナーが固定される部分を他の部分よりも15%厚くしたこと以外は実施例1と同じ構成にした。
【0052】
実施例3のタイヤでは、面ファスナーの基材裏面に樹脂層に含まれる樹脂と同種の熱可塑性樹脂からなる溶着補助フィルムを積層したこと以外は実施例1と同じ構成にした。溶着補助フィルムの厚さは樹脂層の厚さの50%とした。
【0053】
実施例4のタイヤでは、図9の面ファスナー(フック材)を超音波溶着加工によりタイヤ内面に固定し、その溶着加工部を図10のようにタイヤ周方向に連続的に形成した。
【0054】
また、比較のため、タイヤ内面のトレッド部に対応する領域に面ファスナー(ループ材)を接着剤により貼り付けた比較例1のタイヤを製作した。
【0055】
これら試験タイヤについて、下記の評価方法により、面ファスナーの接合状態を評価した。
【0056】
面ファスナーの接合状態:
タイヤ内面の面ファスナーと対をなす他の面ファスナーを備えた吸音材を、これら一対の面ファスナーを互いに係合させることでタイヤ内面に取り付けた状態にし、空気圧120kPa、荷重5kNの条件でドラム試験を実施し、10000km走行後における面ファスナーの接合状態を確認した。
【0057】
その結果、実施例1〜4のタイヤでは、試験後において面ファスナーの剥離が全く生じていなかった。これに対して、樹脂層に対して面ファスナーを接着剤で貼り付けた比較例1では、試験後において面ファスナーの一部が樹脂層から剥離し、吸音材が不安定な状態になっていた。
【符号の説明】
【0058】
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 樹脂層
5 主溝
6 陸部
11 ファスナー
11a 基材
11b 係合素子
11c 溶着加工部
11d 溶着補助フィルム
20 付加物
21 他のファスナー
30 加振器
T 空気入りタイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーが分散している熱可塑性エラストマー組成物からなる樹脂層をタイヤ内面の少なくとも一部に備えた空気入りタイヤにおいて、熱可塑性樹脂製の基材と該基材に形成された係合素子とからなるファスナーを備え、該ファスナーの基材を前記樹脂層に対して溶着加工により固定したことを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記ファスナーの基材の融点と前記樹脂層の融点との差が40℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記ファスナーの基材の構成材料が前記樹脂層に含まれる樹脂と同種の熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記樹脂層の前記ファスナーが固定される部分を他の部分よりも15%以上厚くしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記ファスナーの基材裏面の少なくとも溶着加工が施される領域に前記樹脂層に含まれる樹脂と同種の熱可塑性樹脂からなる溶着補助フィルムを積層したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記ファスナーをタイヤ内面のトレッド部に対応する領域に配置したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項7】
トレッド部にタイヤ周方向にストレート状に延びる主溝を備え、これら主溝により複数列の陸部を区画した空気入りタイヤにおいて、前記ファスナーをタイヤ内面のトレッド部に対応する領域に配置し、前記ファスナーの基材の溶着加工をタイヤ幅方向の前記陸部に対応する位置でタイヤ周方向に沿って連続的又は断続的に施したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項8】
前記ファスナーと対をなす他のファスナーを備えた付加物を、これら一対のファスナーを互いに係合させることでタイヤ内面に取り付けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項9】
前記付加物が吸音材であることを特徴とする請求項8に記載の空気入りタイヤ。
【請求項10】
熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂中にエラストマーが分散している熱可塑性エラストマー組成物からなる樹脂層をタイヤ内面の少なくとも一部に備えた空気入りタイヤを加硫した後、熱可塑性樹脂製の基材と該基材に形成された係合素子とからなるファスナーを前記樹脂層に沿って配置し、該ファスナーの基材を前記樹脂層に対して溶着加工により固定することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
【請求項11】
前記ファスナーの基材を前記樹脂層に対して超音波溶着加工により固定することを特徴とする請求項10に記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項12】
前記ファスナーの基材の融点と前記樹脂層の融点との差が40℃以下であることを特徴とする請求項10又は11に記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項13】
前記ファスナーの基材の構成材料が前記樹脂層に含まれる樹脂と同種の熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項14】
前記樹脂層の前記ファスナーが固定される部分を他の部分よりも15%以上厚くしたことを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の空気入りタイヤの空気入りタイヤの製造方法。
【請求項15】
前記ファスナーの基材裏面の少なくとも溶着加工が施される領域に前記樹脂層に含まれる樹脂と同種の熱可塑性樹脂からなる溶着補助フィルムを積層したことを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項16】
前記ファスナーをタイヤ内面のトレッド部に対応する領域に配置したことを特徴とする請求項10〜15のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項17】
トレッド部にタイヤ周方向にストレート状に延びる主溝を備え、これら主溝により複数列の陸部を区画した空気入りタイヤを製造する方法において、前記ファスナーをタイヤ内面のトレッド部に対応する領域に配置し、前記ファスナーの基材の溶着加工をタイヤ幅方向の前記陸部に対応する位置でタイヤ周方向に沿って連続的又は断続的に施すことを特徴とする請求項10〜16のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項18】
前記ファスナーと対をなす他のファスナーを備えた付加物を、これら一対のファスナーを互いに係合させることでタイヤ内面に取り付けることを特徴とする請求項10〜17のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項19】
前記付加物が吸音材であることを特徴とする請求項18に記載の空気入りタイヤの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−240507(P2012−240507A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111131(P2011−111131)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】