説明

空気入りタイヤ

【課題】サイドウォール部の薄肉化が進む中で上述した従来の問題を解消し、
インナーライナーのラップスプライス部に起因する筋状の凸部が生じない外観が良好な空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】 カーカス層の内周側にブチルゴム層、タイゴム層からなるインナーライナーを設けた空気入りタイヤにおいて、前記インナーライナーの一方のエッヂ部Aで前記ブチルゴム層が前記タイゴム層よりもタイヤ周方向で5〜25mm長く、他方のエッヂ部Bでは前記タイゴム層が前記ブチルゴム層よりもタイヤ周方向で5〜25mm長く形成されており、該エッヂ部A、Bが貼り合わされることによりインナーライナーのスプライス部が形成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、サイドウォール部の表面にインナーライナーのスプライス部に起因する筋状の凸部を発生しないようにした外観が良好な空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤの最内層には非空気透過性に優れたゴムのインナーライナーが設けられている。このインナーライナーは、一般に、タイヤ内周側のブチルゴム層とタイヤ外周側(カーカス層側)のタイゴム層の2層積層構造からなっている。
【0003】
従来、空気入りタイヤを製造する場合、インナーライナーをタイヤ成形ドラムの外周面に巻き付け、巻き始め端部と巻き終わり端部とを重ねることにより、少なくとも一箇所のラップスプライス部を形成している(特許文献1など)。
【0004】
インナーライナーのこのスプライス部の厚さは、その他の部位の厚さに比べて厚くなっており、一般にインナーライナー層の厚さは1.0〜2.0mmであるので、通常、ラップスプライス部においてその厚さ相当分の段差をもつ凸部形態となり筋状に現出する。
【0005】
特に近年、空気入りタイヤはタイヤ軽量化のためにサイドウォール部のゴム厚が薄肉化されていく傾向にあり、最小ゴム厚さの部分が2mm以上5mm以下になっている。そのため加硫後のタイヤに高圧の空気を充填してインフレートさせると、前述したインナーライナーの段差を持つ凸部形態のラップスプライス部が、薄肉化されたサイドウォール部のゴムを押し上げて顕著な筋状の凸部をサイドウォール部に出現させるようになる。このような筋状の凸部形態が、サイドウォール部に出現することは、一般に「バンピーサイド故障」と呼ばれタイヤの外観を損ねる要因となる。
【0006】
ちなみに、このようなバンピーサイド故障には、カーカス層のタイヤ周方向の端部同士をラップスプライスさせた部分に発生するものもある。しかし、このカーカス層のラップスプライス部の場合は、カーカス層のラップスプライス部がインナーライナーのラップスプライス部に比べて著しく剛性が大きいため、一般に筋状の凸部ではなく筋状の凹部となってバンピーサイド故障が現れる。従来、このようなカーカス層のラップスプライス部に起因したバンピーサイド故障に対しては、カーカス層の両端同士を突き合わせ接合したバットスプライスにし、このバットスプライス部にインナーライナーのラップスプライス部を重ね合わせるようにして改善することなどが提案されている(特許文献2)。
【0007】
しかし、この特許文献2の提案は、カーカス層のラップスプライス部に起因する筋状の凹部を発生しないようにするものであり、改善せんとする対象が相違する上に、突き合わせ接合であるバットスプライス部は接合箇所に応力が集中して目開き故障を生じやすい傾向があり、そのため、上述したインナーライナーのラップスプライス部に起因する筋状の凸部を解消するための対策にはなり得ないものである。
【0008】
また、インナーライナーのラップスプライス部に関して改善する提案として、ブチルゴム層をそのタイヤ周方向の一端をその他端部側に接続してタイヤ周方向に連続する層に形成し、かつタイゴム層もそのタイヤ周方向の他端をその一端部側に接続して連続した層に形成した空気入りタイヤが提案されている(特許文献3)。
【0009】
しかし、この特許文献3に提案されている空気入りタイヤは、インナーライナーのスプライス部におけるクラックの発生を抑制することを目的とするものであり、上述したインナーライナーのラップスプライス部に起因する筋状の凸部を解消するものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平6−55661号公報
【特許文献2】特開平5−221204号公報
【特許文献3】特開平10−129208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、サイドウォール部の薄肉化が進む中で上述した従来の問題を解消し、
インナーライナーのラップスプライス部に起因する筋状の凸部が生じない外観が良好な空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的を達成する本発明の空気入りタイヤは、以下の(1)の構成からなる。
(1)カーカス層の内周側にブチルゴム層、タイゴム層からなるインナーライナーを設けた空気入りタイヤにおいて、前記インナーライナーの一方のエッヂ部Aで前記ブチルゴム層が前記タイゴム層よりもタイヤ周方向で5〜25mm長く、他方のエッヂ部Bでは前記タイゴム層が前記ブチルゴム層よりもタイヤ周方向で5〜25mm長く形成されており、該エッヂ部A、Bが貼り合わされることによりインナーライナーのスプライス部が形成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
【発明の効果】
【0013】
本発明の空気入りタイヤによれば、カーカス層の内周側にブチルゴム層、タイゴム層からなるインナーライナーを設けた空気入りタイヤにおいて、インナーライナーの一方のエッヂ部Aで、ブチルゴム層がタイゴム層よりもタイヤ周方向で5〜25mm長く、他方のエッヂ部Bではタイゴム層がブチルゴム層よりもタイヤ周方向で5〜25mm長く形成されており、両エッヂ部A、Bが貼り合わされることによりインナーライナーのスプライス部が形成されているので、スプライス部はフラットな形態であり、筋状の凸部を形成することがない。そのため、該筋状の凸部が形成されることによるバンピーサイド故障を生ずることがなく、外観が良好な空気入りタイヤを構成することができる。
【0014】
さらに、スプライス部と他部の厚さが均一なものになることにより、筋状に凸部が存在するときと比較して、空気入りタイヤの静的バランスおよび動的バランスのいずれにも優れている。
【0015】
また、本発明の空気入りタイヤを、エッヂ部Aとエッヂ部Bの貼り合わせを前記ブチルゴム層および/または前記タイゴム層のエッヂ端面上にタイヤ径方向に形成された噛み合わせ立体構造を噛み合わせて接合させて構成した場合には、特にブチルゴム層のエッヂ端面上にタイヤ径方向に形成された噛み合わせ立体構造の場合には、ブチルゴム層のエッヂ部を隙間なく重なるように接合でき、そのため加硫後のタイヤに空気を充填したときにエア漏れが発生することを良好に防止できる。
【0016】
また、タイゴム層のエッヂ端面上にタイヤ径方向に形成された噛み合わせ立体構造の場合には、タイゴム層のエッヂ部を隙間なく重なるように接合でき、そのためブチルゴム層とカーカス層とが接触することがないようになり、両層間で剥離が発生することを防止することができる。
【0017】
また、ブチルゴム層のエッヂ端面上にタイヤ径方向に形成された噛み合わせ立体構造であり、かつタイゴム層のエッヂ端面上にタイヤ径方向に形成された噛み合わせ立体構造の場合には、上述した2つの場合の効果を併せ持つ空気入りタイヤとすることができる。
【0018】
またさらに、上述した本発明の空気入りタイヤにおいて、ブチルゴム層の厚さを0.3mm以上、1.0mm以下とした場合は、空気保持能力に優れかつコスト的に高くなりすぎることのない優れた空気入りタイヤを実現できる。
【0019】
またさらに、上述した本発明の空気入りタイヤにおいて、タイゴム層の厚さを0.2mm以上、1.0mm以下とした場合にはインナーライナーとカーカス層間の接着力が良好でかつ外観不良の問題がより少ない空気入りタイヤを実現できる。
【0020】
またさらに、上述した本発明の空気入りタイヤにおいて、サイドウォール部における最小トレッドゴム厚さが1.2mm以上、5.0mm以下とした場合には、サイドウォール部におけるトレッドゴムの使用量がより少なく全体が軽量であるとともに、バンピーサイド故障の発生もなく外観が良好な空気入りタイヤを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの半断面について一部切欠いて示す斜視図である。
【図2】図1の空気入りタイヤのインナーライナー層の両端部同士をスプライスした部分を示した要部断面図である。
【図3】スプライス部の他の実施態様を示す要部断面図である。
【図4】ブチルゴム層およびタイゴム層のエッジ端面上にタイヤ径方向に形成された噛み合わせ立体構造の例をモデル的に示したスプライス部の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、更に詳しく本発明の空気入りタイヤについて、説明する。
【0023】
図1、図2は本発明の実施形態を示す。空気入りタイヤTは、トレッド部1の左右にサイドウォール部2とビード部3が連接するように設けられている。そのタイヤ内側には、タイヤの骨格たるカーカス層4がタイヤ幅方向に左右のビード3、3間に跨るように設けられている。
【0024】
カーカス層4の内側には、非通気性に優れたブチルゴム8とタイゴム9からなるインナーライナー6が設けられている。トレッド部1に対応するカーカス層4の外周側にはスチールコードからなる2層のベルト層5が設けられている。矢印Dはタイヤ周方向を示している。カーカス層4は少なくとも1プライが設けられる。サイドウォール部2は、タイヤ径方向において厚さが変化するように設けられているが、タイヤ軽量化のため、好ましくは最小厚さtが1.2〜5.0mmの間になるようにされている。最小厚さtの箇所は一般にタイヤ最大幅の部分になる。インナーライナー6はその両端が接合されているスプライス部7を有している。
【0025】
本発明の空気入りタイヤは、インナーライナー6の一方のエッヂ部Aでブチルゴム層8がタイゴム層9よりもタイヤ周方向で5〜25mm長く、他方のエッヂ部Bではタイゴム層9がブチルゴム層8よりもタイヤ周方向で5〜25mm長く形成されており、該エッヂ部A、Bが互いに貼り合わされることによりインナーライナー6のスプライス部7が形成されている。
【0026】
すなわち、図2に示したように、ブチルゴム層8のA側のエッヂ部8Aがタイゴム層9のA側のエッヂ部9Aよりも長さLだけ長く、Lは5mm以上25mm以下とされている。また、タイゴム層9のB側のエッヂ部9Bがブチルゴム層8のB側のエッヂ部8Bよりも長さLだけ長く、Lは5mm以上25mm以下とされている。ブチルゴム層8の両エッヂ部8Aと8B、タイゴム層9の両エッヂ部9Aと9Bは、それぞれ突き合わせ接合(バットスプライス)され、さらにブチルゴム層8とタイゴム層9がタイヤ周方向Dで重なり合っている部分でも接合される。
【0027】
このように両エッヂ部A、Bを構成してインナーライナーのスプライス部7が形成されているので、スプライス部7はフラットな形態であり筋状の凸部を形成することがない。そのため、筋状の凸部が形成されることによるバンピーサイド故障を生ずることがなく、外観が良好な空気入りタイヤを構成することができる。また、スプライス部と他部の厚さが均一なものになることにより、空気入りタイヤの静的バランスおよび動的バランスのいずれにも優れた空気入りタイヤとなる。上述した両エッヂ間の長さLは、5mmよりも短いときはスプライス部の貼り合わせる面積が小さくなり接着力が小さくなるので好ましくない。また、25mmよりも大きいときは生産性が低下する。長さLは、両エッヂ間の接着力および生産性の点から好ましくは10〜20mmである。
【0028】
また、本発明者らの知見によれば、図3に示したように、ブチルゴム層8のエッヂ部8Aがエッヂ部8Bと僅かな周方向長さであれば重なり合っていてもよい。本発明者らの検討によれば、その重なり合っている長さWIは3mm以下程度であればその重なり合った部分は他部よりも厚さが厚くなってはいるが、タイヤ内に空気を充填した場合にあっても外観性能に影響を与えることがほとんどない。
【0029】
このことはタイゴム層9の場合でも同様であり、タイゴム層9のエッヂ部9Aがエッヂ部9Bと僅かな周方向長さであれば重なり合っていてもよい。本発明者らの検討によれば、ブチルゴム層の場合と同様にその重なり合っている長さWBは3mm以下程度であればその重なり合った部分は他部よりも厚さが厚くなってはいるものの、タイヤ内に空気を充填した場合にあっても外観性能に影響を与えることがほとんどない。
【0030】
このようにブチルゴム層どうしあるいはタイゴム層どうしが重なり合っている部分が存在するとそれらの接着力(接合力)が大きくなるので好ましい。この図3に示した態様において、エッヂA側のずれの長さLAと、エッヂB側のずれの長さLBは必ずしも同一である必要はなく、相違していてもよい。
【0031】
また、エッヂ部AとBの貼り合わせが、ブチルゴム層および/またはタイゴム層のエッジ端面上にタイヤ径方向に形成された噛み合わせ立体構造を噛み合わせて接合してなることが好ましい。特に、ブチルゴム層のエッヂ端面上にタイヤ径方向に形成された噛み合わせ立体構造の場合には、ブチルゴム層のエッヂ部を隙間なく重なるように接合でき、そのため加硫後のタイヤに空気を充填したときにエア漏れが発生することを良好に防止できるので好ましい。また、タイゴム層のエッヂ端面上にタイヤ径方向に形成された噛み合わせ立体構造の場合には、タイゴム層のエッヂ部を隙間なく重なるように接合でき、そのためブチルゴム層とカーカス層とが接触することがないようになり、両層間で剥離が発生することを防止することができるので好ましい。また、ブチルゴム層のエッヂ端面上にタイヤ径方向に形成された噛み合わせ立体構造であり、かつタイゴム層のエッヂ端面上にタイヤ径方向に形成された噛み合わせ立体構造の場合には、上述した2つの場合の効果を併せ持つ空気入りタイヤとすることができるので好ましい。
【0032】
このブチルゴム層および/またはタイゴム層のエッジ端面上にタイヤ径方向に形成された噛み合わせ立体構造の例をモデル的に図4(a)〜(d)に示した。ブチルゴム層とタイゴム層のエッヂどうしのずれの長さLは、これら図にエッヂA側でのL(LA)として図示しているように、長い方の層の最長を示す先端部と短い方の層の最短を示す基部の間の距離である。また、図4(d)に示したように、ブチルゴム層とタイゴム層のエッジ端面上にタイヤ径方向に噛み合わせ立体構造を形成する場合には、その形態は必ずしも両層で互いに同一である必要はなく、相違していてもよい。
【0033】
本発明において、ブチルゴム層とは、ブチルゴムからなる層あるいはブチルゴム系組成物からなる層の両者を総称していう。ブチルゴム層の厚さは0.3mm以上、1.0mm以下であることが好ましく、その範囲を満足すれば空気保持能力にすぐれかつコスト的に高くなりすぎることのない優れた空気入りタイヤを実現できる。より好ましいブチルゴム層の厚さは、0.4mm以上、0.8mm以下である。
【0034】
また、本発明において、タイゴム層とは、インナーライナーの空気保持機能を発揮するブチルゴム層とカーカス層を接合させるために用いるゴム層である。タイゴム層の厚さは0.2mm以上、1.0mm以下であることが好ましく、その範囲を満足すればインナーライナーとカーカス層間の接着力が良好でかつ外観不良の問題が少ない空気入りタイヤを実現できる。より好ましいタイゴム層の厚さは、0.3mm以上、0.8mm以下である。
【0035】
さらに、サイドウォール部における最小トレッドゴム厚さは1.2mm以上、5.0mm以下であることが好ましく、かかる範囲を満足する場合にはサイドウォール部におけるトレッドゴムの使用量がより少なく全体が軽量であるとともに、バンピーサイド故障の発生もなく外観も良好な優れた空気入りタイヤを実現できる。
【0036】
本発明の空気入りタイヤは、サイドウォール部における最小トレッドゴム厚さが比較的小さく、一方で大きな荷重が加わる小型トラック用のタイヤなどとして最適なものである。
【実施例】
【0037】
以下、実施例により、本発明の空気入りタイヤについて説明する。なお、空気入りタイヤの評価は、各試験タイヤのサイドウォール部におけるバンピーサイド故障の発生状況・レベルに基づいて、以下の方法で評価した。
【0038】
なお、各評価タイヤのカーカス層のプライ数は1、サイドウォール部の最小ゴム厚さは3.2mmである。
【0039】
(1)耐バンピーサイド故障性(バンピーサイド指数):
試験タイヤとして、700R15 8PR(TUBELESS)を、各実施例、従来例ごとに各10本作製し、これをJATMA標準リム15X5 1/2Kに取り付け、タイヤ内圧をJATMA最大空気圧(450kPa)として常温で24時間放置した後、サイドウォール部の凹凸量をタイヤ全周で測定し、各タイヤ10本の平均値を求めた。
【0040】
従来例の凹凸量を100とする指数評価により、耐バンピーサイド故障性を評価した。指数は数が小さいほど、耐バンピーサイド故障性が良好なものである。
【0041】
(2)ブチルゴム層の厚さ、タイゴム層の厚さ、サイドウォール部における最小トレッドゴム厚さ
いずれも各試験タイヤ中からカットサンプル合計10点(1点/1タイヤ)を作成し、それぞれのカットサンプルについて、ブチルゴム層の厚さ、タイゴム層の厚さ、サイドウォール部における最小トレッドゴム厚さを測定し(n数=10)、その中で最小の値をそれぞれの値とした。
【0042】
実施例1〜6、従来例
表1に示したとおりに各エッジのずらし長さL、スプライス部の形態などを変更して本発明の実施例にかかる空気入りタイヤ6種と、従来例による空気入りタイヤ1種を作成し評価した。従来例のものはインナーライナーをラップさせてスプライス部を構成したものであり、Lが0mmのものである。
【0043】
各空気入りタイヤについて耐バンピーサイド故障性を評価した結果は、表1に記載したとおりであり、本発明によれば改善効果が著しいことがわかる。
【0044】
【表1】

【符号の説明】
【0045】
1:トレッド部
2:サイドウォール部
3:ビード部
4:カーカス層
5:ベルト層
6:インナーライナー
7:インナーライナーのラップスプライス部
8:ブチルゴム層
8A:ブチルゴム層8のA側のエッヂ
8B:ブチルゴム層8のB側のエッヂ
9:タイゴム層
9A:タイゴム層9のA側のエッヂ
9B:タイゴム層9のB側のエッヂ
D:タイヤ周方向
L:ブチルゴム層8とタイゴム層9のエッヂのずれの長さ
LA:エッヂA側でのずれの長さ
LB:エッヂB側でのずれの長さ
T:空気入りタイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーカス層の内周側にブチルゴム層、タイゴム層からなるインナーライナーを設けた空気入りタイヤにおいて、前記インナーライナーの一方のエッヂ部Aで前記ブチルゴム層が前記タイゴム層よりもタイヤ周方向で5〜25mm長く、他方のエッヂ部Bでは前記タイゴム層が前記ブチルゴム層よりもタイヤ周方向で5〜25mm長く形成されており、該エッヂ部A、Bが貼り合わされることによりインナーライナーのスプライス部が形成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記エッヂ部AとBの貼り合わせが、前記ブチルゴム層および/または前記タイゴム層のエッジ端面上にタイヤ径方向に形成された噛み合わせ立体構造を噛み合わせて接合してなることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記ブチルゴム層の厚さが0.3mm以上、1.0mm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記タイゴム層の厚さが0.2mm以上、1.0mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
サイドウォール部における最小トレッドゴム厚さが1.2mm以上、5.0mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずかに記載の空気入りタイヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−235791(P2011−235791A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109918(P2010−109918)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】