説明

空気浄化装置

【課題】透過膜を用いる空気浄化装置において、送風手段を簡素化する。
【解決手段】外気流路12と内気流路13を形成する流路形成部材11と、外気と内気との間で気体を選択的に透過させる透過膜14と、外気流路12に外気の流れを発生させる外気送風手段15と、内気流路13に内気の流れを発生させる内気送風手段16と、外気送風手段15または内気送風手段16の一方の送風手段16によって発生した気流から動力を得るとともに、この動力を他方の送風手段15に伝達する動力伝達部材17とを設ける。一方の送風手段16は、送風ファン16aと駆動手段16bとを有し、動力伝達部材17は、一方の送風手段16によって発生した気流を受けて回転力を発生させ、この回転力を他方の送風手段15に伝達し、他方の送風手段15は、回転伝達手段17a、17bにて伝達される回転力によって外気流路12に外気の流れを発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過膜を用いて外気と内気との間で特定種類のガスを選択的に透過させる空気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、外気と内気の境界に透過膜を設け、外気と内気との間で特定種類のガス(例えば酸素、二酸化炭素)を選択的に透過させる空気浄化装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の装置では、乗員の呼吸によって内気の酸素濃度が外気の酸素濃度よりも低下するとともに内気の二酸化炭素濃度が外気の二酸化炭素濃度よりも上昇すると、外気と内気の濃度差によって外気側の酸素が透過膜を透過して室内に導入されるとともに内気側の二酸化炭素が透過膜を透過して室外に放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−120496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、透過膜を用いる空気浄化装置では、透過膜に新鮮な外気および内気の供給がなされないと、透過膜近傍に外気および内気が滞留し、外気と内気の濃度差が小さくなって透過膜の透過性能の低下を招いてしまうおそれがある。このため、透過膜を用いる空気浄化装置では、透過膜に外気を供給する外気送風機と内気を供給する内気送風機の両方が必要となる。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、透過膜を用いる空気浄化装置において、送風手段を簡素化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の発明では、外気が流れる外気流路(12)および内気が流れる内気流路(13)を形成する流路形成部材(11)と、一方の面が前記外気流路(12)の外気と接触し、かつ他方の面が前記内気流路(13)の内気と接触するように前記外気流路(12)と前記内気流路(13)との境界に配置され、外気と内気との間で気体を選択的に透過させる透過膜(14)と、前記外気流路(12)に外気の流れを発生させる外気送風手段(15)と、前記内気流路(13)に内気の流れを発生させる内気送風手段(16)と、前記外気送風手段(15)または前記内気送風手段(16)の一方の送風手段(16)に基づいて動力を得るとともに、この動力を他方の送風手段(15)に伝達する動力伝達部材(17)とを備え、
前記一方の送風手段(16)は、送風ファン(16a)と、前記送風ファン(16a)を回転駆動する駆動手段(16b)とを有しており、前記動力伝達部材(17)は、前記一方の送風手段(16)によって発生した気流を受けて回転する受動回転体(17c)と、前記受動回転体(17c)によって発生した回転を前記他方の送風手段に伝達する回転伝達手段(17a、17b)とを有しており、前記他方の送風手段(15)は、前記回転伝達手段(17a、17b)にて伝達される回転を駆動力として回転し、前記外気流路(12)に外気の流れを発生させる送風ファン(15a)を有していることを特徴としている。
【0007】
このように、一方の送風手段(16)によって発生した気流を利用することで、独立した動力を備えない他方の送風手段(15)を作動させて気流を発生させることができる。これにより、他方の送風手段の構成を簡略化することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、外気が流れる外気流路(12)および内気が流れる内気流路(13)を形成する流路形成部材(11)と、一方の面が前記外気流路(12)の外気と接触し、かつ他方の面が前記内気流路(13)の内気と接触するように前記外気流路(12)と前記内気流路(13)との境界に配置され、外気と内気との間で気体を選択的に透過させる透過膜(14)と、前記外気流路(12)に外気の流れを発生させる外気送風手段(15)と、前記内気流路(13)に内気の流れを発生させる内気送風手段(16)と、前記外気送風手段(15)または前記内気送風手段(16)の一方の送風手段(16)に基づいて動力を得るとともに、この動力を他方の送風手段(15)に伝達する動力伝達部材(17)とを備え、
前記一方の送風手段(16)は、送風ファン(16a)と、前記送風ファン(16a)を回転駆動する駆動手段(16b)とを有しており、前記動力伝達部材(17)は、前記一方の送風手段(16)の駆動手段(16b)の回転駆動力を前記他方の送風手段に伝達する回転伝達手段(17a、17b、17d)を有しており、前記他方の送風手段(15)は、前記回転伝達手段(17a、17b、17d)にて伝達される回転を駆動力として回転し、前記外気流路(12)に外気の流れを発生させる送風ファン(15a)を有していることを特徴としている。
【0009】
このように、一方の送風手段(16)の駆動手段(16b)の回転駆動力を利用することで、独立した動力を備えない他方の送風手段(15)を作動させて気流を発生させることができる。これにより、他方の送風手段の構成を簡略化することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明では、外気が流れる外気流路(12)および内気が流れる内気流路(13)を形成する流路形成部材(11)と、一方の面が前記外気流路(12)の外気と接触し、かつ他方の面が前記内気流路(13)の内気と接触するように前記外気流路(12)と前記内気流路(13)との境界に配置され、外気と内気との間で気体を選択的に透過させる透過膜(14)と、前記外気流路(12)に外気の流れを発生させる外気送風手段(18)と、前記内気流路(13)に内気の流れを発生させる内気送風手段(16)とを備え、
前記外気送風手段(18)または前記内気送風手段(16)の一方の送風手段(16)は、送風ファン(16a)と、前記送風ファン(16a)を駆動する駆動手段(16b)とを有しており、前記外気送風手段(18)または前記内気送風手段(16)の他方の送風手段(18)は、前記一方の送風手段(16)によって前記外気流路(12)または前記内気流路(13)の一方の流路(13)で発生した気流の一部を他方の流路(12)に導入する導入経路(18a)と、前記導入流路(18)にて導入された前記気流を前記他方の流路(12)にて噴射流として噴射させるノズル部(18c)とを有し、前記噴射流の吸引作用によって前記他方の流路(12)で気流を発生させることを特徴としている。
【0011】
このように、一方の送風手段(16)によって発生した気流を利用することで、他方の送風手段(18)に独立した動力を設けることなく気流を発生させることができる。これにより、他方の送風手段の構成を簡略化することができる。
【0012】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態の空気浄化装置を搭載した車両の模式的な平面図である。
【図2】第1実施形態の透過膜ユニットの断面図である。
【図3】第2実施形態の透過膜ユニットの断面図である。
【図4】第3実施形態の透過膜ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1、図2に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態における空気浄化装置を搭載した車両1の模式的な平面図である。図1において前後左右の矢印は車両1の各方向を示している。
【0015】
車両1における乗員が搭乗する車室2(図1中、太実線で囲んで示した領域)の前端部には、車室2とエンジンルーム3とを仕切る隔壁(ファイヤーウォール)4が設けられている。この隔壁4の一部には透過膜ユニット10が設けられている。
【0016】
図2は、透過膜ユニット10の模式的な断面図である。透過膜ユニット10には、外気流路12と内気流路13を形成する流路形成部材11が設けられている。流路形成部材11は、隔壁4を境界にして、隔壁4の外部(車室外)と内部(車室内)に跨るように設けられている。外気流路12には、車室外に存在する外気が流れることができ、内気流路13には、車室内に存在する内気が流れることができるようになっている。外気流路12と内気流路13との境界には、透過膜14が設けられている。つまり、隔壁4の一部が透過膜14になっている。
【0017】
透過膜14は、特定種類の気体(例えば酸素、二酸化炭素、水蒸気)が透過しやすいが他の種類定の成分の気体(例えば窒素)は透過しにくいというものである。透過膜14の材料としては、シリコーン等の気体透過性高分子の膜やセロファンやセラミックの多孔体や不織布等を用いることができる。透過膜14は、外気流路12に露出する面に外気が接触し、内気流路13に露出する面に内気が接触することで、外気と内気との間で特定種類の気体を選択的に透過させることができる。
【0018】
また、透過膜14は、特定種類の気体(例えば酸素、二酸化炭素、水蒸気)における内気中の濃度と外気中の濃度との差によって透過性能が発揮されるようになっている。そして、透過膜14の内気側と外気側との間に、真空ポンプ等の差圧発生手段により大きな圧力差を設けることなく、すなわち内気と外気との間に差圧がない状態においても、透過膜14の透過性能が発揮されるようになっている。
【0019】
透過膜14は、例えば襞折りにされた板状に形成することで、透過膜14の表面積を大きくすることでき、透過性能を向上させることができる。また、図示を省略しているが、透過膜14にはセラミック、繊維、多孔質金属、多孔質樹脂または樹脂スクリーンメッシュ等からなる支持体が積層されている。透過膜14は、気体を透過し易くするために膜厚が薄くなっているため、支持体によって支持されている。
【0020】
本実施形態の透過膜14は、表面および内部の孔径が透過対象ガス(酸素、二酸化炭素、水蒸気)の平均自由行程以下となっている。平均自由行程とは、気体分子同士の衝突から次の衝突までの間に進む距離であり、気体分子の種類に依存する。これにより、透過膜14に気体を透過させた場合に、膜を透過する気体の流れにおいてクヌーセン(Knudsen)流が支配的となる。「クヌーセン流」とは、分子の動きが問題となるほど希薄な気体の流れをいい、ガスの透過速度がその分子量に依存するという特徴を有している。また、「クヌーセン流が支配的」とは、ガスの透過速度がその分子量に依存するようになることをいう。
【0021】
透過膜14を透過する気体の流れは、透過膜14の孔径が小さくなるに従って、粘性流→クヌーセン流→溶解拡散流に変化する。クヌーセン流が生じる孔径は、下限が分子サイズの1nm程度であり、上限が透過対象ガス(酸素、二酸化炭素、水蒸気)の平均自由行程である50nm程度である。
【0022】
粘性流は、圧力の高い方から低い方に流れるので、外気と内気の圧力差によって気体の流れる方向が決まる。このため、外気と内気とで濃度差がない気体(例えば窒素)でも、内外気の圧力差によって選択膜24を透過することとなり、外気と内気とで濃度差がある気体(例えば酸素、二酸化炭素、水蒸気)のみを選択的に透過させることができない。
【0023】
これに対し、クヌーセン流では、分子同士が衝突する前に膜の孔内の壁面に衝突するので、外気と内気の圧力差の影響を受けることがなく、外気と内気とで濃度差がある気体(酸素、二酸化炭素、水蒸気)のみを選択的に透過させることができる。このため、透過膜14の孔径を透過対象ガス(酸素、二酸化炭素、水蒸気)の平均自由行程以下とすることで、外気と内気とで濃度差がある気体のみを選択的に透過させることができる。
【0024】
また、溶解拡散流では、気体分子が膜の上流表面に溶解し、下流方向に膜内を分子拡散により移動するので、外気と内気の圧力差の影響を受けないが、膜の孔径が小さくなるほど、膜を透過する気体の速度が小さくなる。このため、気体の透過速度を確保するためには、透過膜14の孔径が大きくすることが望ましく、少なくとも分子サイズである1nmより大きくすることが望ましい。
【0025】
外気流路12には、外気の流れを発生させるための外気送風機15が設けられ、内気流路13には、内気の流れを発生させるための内気送風機16が設けられている。外気送風機15および内気送風機16の非作動時には、透過膜14の表面近傍で気体が滞留し、外気と内気とで気体の濃度差が小さくなって、気体の透過が進行しなくなる。このため、外気送風機15および内気送風機16を作動させることで、透過膜14の表面近傍での気体の滞留を解消させ、気体の透過を進行させることができる。
【0026】
外気送風機15は、送風ファン15aと従動ギア部15bとを備えている。本実施形態の外気送風機15は動力(モータ)を有していない。このため、外気送風機15は、独自に作動せず、内気送風機16の作動に伴って従動的に作動するように構成されている。内気送風機16は、気体に運動エネルギーを与えたり圧力を高めたりする流体機械のうち圧縮比が2未満のものであり、具体的にはファンやブロア等である。内気送風機16は、送風ファン16aとこれを回転駆動するモータ16bとを備えている。
【0027】
さらに、本実施形態では、内気流路13を流れる内気の流体エネルギを外気送風機15に伝達するための動力伝達部材17が設けられている。動力伝達部材17は、外気流路12と内気流路13に跨るように配置された回転軸17aを備えている。回転軸17aの外気流路12側の端部には、外気送風機15の従動ギア部15bと噛み合うように外気側ギア部17bが設けられている。回転軸17aの内気流路13側の端部には、内気の流れを受けて回転する受動ファン17cが設けられている。つまり、内気送風機16によって発生した内気の流体エネルギによって動力伝達部材17が回転し、動力伝達部材17の回転を駆動力として外気送風機15が回転する。これにより、内気送風機16が作動することによって、内気流路13に内気の流れが発生すると同時に、内気の流れによって外気送風機15が作動し、外気流路12に外気の流れが発生する。
【0028】
以上説明した本実施形態の構成によれば、内気の流れを利用することで、外気送風機15に独立した動力(モータ)を設けることなく外気の流れを発生させることができる。これにより、外気の流れを発生させる送風手段の構成を簡略化することができる。
【0029】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図3に基づいて説明する。以下、上記第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0030】
図3は、本第2実施形態の透過膜ユニット10を模式的に示した断面図である。図3に示すように、本第2実施形態では、内気送風機16のモータ16bの駆動軸に駆動ギア16cが設けられている。
【0031】
また、動力伝達部材17の回転軸17aの内気流路13側の端部には、内気側ギア部17dが設けられている。動力伝達部材17の内気側ギア部17dは、内気送風機26の駆動ギア部16cと噛み合っている。
【0032】
このような構成により、内気送風機16が作動すると、内気送風機16のモータ16bは、内気送風機16の送風ファン16aを回転駆動すると同時に、外気送風機15を回転駆動することができる。これにより、内気流路13に内気の流れが発生すると同時に、外気流路12に外気の流れが発生する。
【0033】
以上説明した本第2実施形態の構成によれば、内気送風機16の駆動力を利用することで、外気送風機15に独立した動力(モータ)を設けることなく外気の流れを発生させることができる。これにより、外気の流れを発生させる送風手段の構成を簡略化することができる。
【0034】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図4に基づいて説明する。以下、上記第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0035】
図4は、本第3実施形態の透過膜ユニット10を模式的に示した断面図である。図4に示すように、本第3実施形態では、内気の流れを利用して外気の流れを発生させる気流発生装置18が設けられている。気流発生装置18は、内気流路13を流れる内気の一部を外気流路12に導入する内気導入経路18aを備えている。内気導入経路18aは、両端が開口した筒状部材として構成されている。内気導入経路18aの上流側端部には、内気流路13の内気の流れ方向上流側に向かって開口した導入口18bが設けられおり、導入口18bから内気流路13を流れる内気の一部が内気導入経路18aに導入される。内気導入経路18aの下流側端部には、外気流路12の外気の流れ方向下流側に向かって開口したノズル部18cが設けられている。内気導入経路18aは、開口部18bからノズル部18cに向かって徐々に内径が小さくなっている。
【0036】
外気流路12には、透過膜14より下流側に内径が小さくなった絞り部12aが設けられている。内気導入経路18aのノズル部18cの先端は、外気流路12の絞り部12aに配置されている。導入口18bから内気導入経路18aに導入された内気は、内気導入経路18のノズル部18cから高速で噴射する。この噴射流の圧力より、ノズル部18cより上流側に存在している外気の圧力の方が高いので、外気は圧力差によって噴射流に吸引され、外気の流れが発生する。これにより、内気送風機16が作動することによって、内気流路13に内気の流れが発生すると同時に、外気流路12に外気の流れが発生する。
【0037】
以上説明した本第3実施形態の構成によれば、内気の流れを利用することで、外気送風機15に独立した動力(モータ)を設けることなく外気の流れを発生させることができる。これにより、外気の流れを発生させる送風手段の構成を簡略化することができる。
【0038】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0039】
例えば、上記各実施形態では、本発明の空気浄化装置を車両に適用した例について説明したが、これに限らず、本発明は車両以外の用途にも適用可能である。
【0040】
また、上記各実施形態では、内気送風機16に動力(モータ16b)を設け、内気の流れや内気送風機16のモータ16bの駆動力を利用して外気の流れを発生させるように構成したが、これに限らず、外気流路12に動力(モータ)を備えた外気送風機を設け、これによって発生した外気の流れや外気送風機のモータの駆動力を利用して内気の流れを発生させるように構成してもよい。つまり、上記第1、第2実施形態の外気送風機15と内気送風機16との関係、上記第3実施形態の気流発生装置18と内気送風機16の関係を入れ替えてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 透過膜ユニット
11 流路形成部材
12 外気流路
13 内気流路
14 透過膜
15 外気送風機(外気送風手段)
16 内気送風機(内気送付手段)
16a 送風ファン
16b モータ(駆動手段)
17 動力伝達部材(動力伝達手段)
17a 回転軸(回転伝達手段)
17b 外気側ギア部(回転伝達手段)
17c 受動ファン(受動回転体)
17d 内気側ギア部(回転伝達手段)
18 気流発生装置(外気送風手段)
18a 内気導入経路
18b 導入口
18c ノズル部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気が流れる外気流路(12)および内気が流れる内気流路(13)を形成する流路形成部材(11)と、
一方の面が前記外気流路(12)の外気と接触し、かつ他方の面が前記内気流路(13)の内気と接触するように前記外気流路(12)と前記内気流路(13)との境界に配置され、外気と内気との間で気体を選択的に透過させる透過膜(14)と、
前記外気流路(12)に外気の流れを発生させる外気送風手段(15)と、
前記内気流路(13)に内気の流れを発生させる内気送風手段(16)と、
前記外気送風手段(15)または前記内気送風手段(16)の一方の送風手段(16)に基づいて動力を得るとともに、この動力を他方の送風手段(15)に伝達する動力伝達部材(17)とを備え、
前記一方の送風手段(16)は、送風ファン(16a)と、前記送風ファン(16a)を回転駆動する駆動手段(16b)とを有しており、
前記動力伝達部材(17)は、前記一方の送風手段(16)によって発生した気流を受けて回転する受動回転体(17c)と、前記受動回転体(17c)によって発生した回転を前記他方の送風手段に伝達する回転伝達手段(17a、17b)とを有しており、
前記他方の送風手段(15)は、前記回転伝達手段(17a、17b)にて伝達される回転を駆動力として回転し、前記外気流路(12)に外気の流れを発生させる送風ファン(15a)を有していることを特徴とする空気浄化装置。
【請求項2】
外気が流れる外気流路(12)および内気が流れる内気流路(13)を形成する流路形成部材(11)と、
一方の面が前記外気流路(12)の外気と接触し、かつ他方の面が前記内気流路(13)の内気と接触するように前記外気流路(12)と前記内気流路(13)との境界に配置され、外気と内気との間で気体を選択的に透過させる透過膜(14)と、
前記外気流路(12)に外気の流れを発生させる外気送風手段(15)と、
前記内気流路(13)に内気の流れを発生させる内気送風手段(16)と、
前記外気送風手段(15)または前記内気送風手段(16)の一方の送風手段(16)に基づいて動力を得るとともに、この動力を他方の送風手段(15)に伝達する動力伝達部材(17)とを備え、
前記一方の送風手段(16)は、送風ファン(16a)と、前記送風ファン(16a)を回転駆動する駆動手段(16b)とを有しており、
前記動力伝達部材(17)は、前記一方の送風手段(16)の駆動手段(16b)の回転駆動力を前記他方の送風手段に伝達する回転伝達手段(17a、17b、17d)を有しており、
前記他方の送風手段(15)は、前記回転伝達手段(17a、17b、17d)にて伝達される回転を駆動力として回転し、前記外気流路(12)に外気の流れを発生させる送風ファン(15a)を有していることを特徴とする空気浄化装置。
【請求項3】
外気が流れる外気流路(12)および内気が流れる内気流路(13)を形成する流路形成部材(11)と、
一方の面が前記外気流路(12)の外気と接触し、かつ他方の面が前記内気流路(13)の内気と接触するように前記外気流路(12)と前記内気流路(13)との境界に配置され、外気と内気との間で気体を選択的に透過させる透過膜(14)と、
前記外気流路(12)に外気の流れを発生させる外気送風手段(18)と、
前記内気流路(13)に内気の流れを発生させる内気送風手段(16)とを備え、
前記外気送風手段(18)または前記内気送風手段(16)の一方の送風手段(16)は、送風ファン(16a)と、前記送風ファン(16a)を駆動する駆動手段(16b)とを有しており、
前記外気送風手段(18)または前記内気送風手段(16)の他方の送風手段(18)は、前記一方の送風手段(16)によって前記外気流路(12)または前記内気流路(13)の一方の流路(13)で発生した気流の一部を他方の流路(12)に導入する導入経路(18a)と、前記導入流路(18)にて導入された前記気流を前記他方の流路(12)にて噴射流として噴射させるノズル部(18c)とを有し、前記噴射流の吸引作用によって前記他方の流路(12)で気流を発生させることを特徴とする空気浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−11878(P2012−11878A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149670(P2010−149670)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】