説明

空気砲

【課題】芳香成分を含んだ空気の渦輪(空気渦)を発射する効率の良い小型化した空気砲を提供する。
【解決手段】空気砲11が備える砲身部14の端板14bには、内側から外側にかけて広がるように発射口18が形成される。この発射口18は、空気室17側に面する端板14bの一方面に形成される小径の内側開口端18aと、外部に面する端板14bの他方面に形成される大径の外側開口端18bとを備え、これらの開口端18a,18bはテーパ面18cを介して連結される。このように、内側から外側にかけて径寸法が拡大するように発射口18を形成することにより、渦輪Vの飛行距離を伸ばすことが可能となる。これにより、少ないエネルギーによって効率良く渦輪Vを飛ばすことができ、空気砲11の小型化を達成することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者に向けて空気渦を発射する空気砲に関する。
【背景技術】
【0002】
車室内の環境を良好に保つため、芳香成分をエアコンディショナの吹き出し口から供給する供給装置が提案されている。しかしながら、吹き出し口から芳香成分を供給してしまうと、車室内に芳香成分が充満することになるため、多量の芳香成分が必要となるばかりか、各乗員の好みに応じた車内環境を提供することが困難となっていた。そこで、芳香成分を含んだ渦輪を乗員に向けて発射する空気砲を備えた供給装置が開発されている(たとえば、特許文献1参照)。これにより、芳香成分を局所的に供給することができるため、少量の芳香成分を用いて各乗員の好みに応じた車内環境を提供することが可能となる。
【特許文献1】特開2006−282081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
また、特許文献1に示されるように、空気砲には発射口を備えた容器が設けられており、この容器内には容積を変化させるためのダイアフラムが組み込まれている。このダイアフラムをソレノイド等によって変形させることにより、容器内の空気を圧縮することができ、容器内の空気を発射口から渦輪として発射することが可能となっている。ところで、空気砲については供給装置等に組み込んで使用されることから更なる小型化が望まれているが、このような空気砲の小型化を達成するためには、少ないエネルギーによって効率良く空気渦を飛ばすことが可能な構造を採用することにより、駆動源となるソレノイドや電動モータの小型化を図ることが重要となっている。
【0004】
本発明の目的は、効率良く空気渦を飛ばすことによって空気砲の小型化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の空気砲は、空気室を区画する筒体とこれに設けられる端板とを備える空気砲本体と、前記空気砲本体に設けられ、前記空気室の容積を縮小させる圧縮手段とを有し、前記端板に内側開口端とこれよりも大きな外側開口端とを備える発射口を形成し、前記圧縮手段を駆動して前記空気室内の空気を前記発射口から空気渦として発射させることを特徴とする。
【0006】
本発明の空気砲は、前記内側開口端は前記空気室に面する前記端板の一方面に形成され、前記外側開口端は前記端板の他方面に形成されることを特徴とする。
【0007】
本発明の空気砲は、前記発射口の前記内側開口端と前記外側開口端とはテーパ面または曲面を介して連結され、前記発射口の径寸法は前記内側開口端から前記外側開口端にかけて連続的に拡大することを特徴とする。
【0008】
本発明の空気砲は、前記発射口は前記内側開口端を形成する小径口部と前記外側開口端を形成する大径口部とを備え、前記発射口の径寸法は前記内側開口端から前記外側開口端にかけて段階的に拡大することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、端板に内側開口端とこれよりも大きな外側開口端とを備える発射口を形成するようにしたので、発射口から効率良く空気渦を飛ばすことが可能となる。これにより、空気渦の飛行距離を保ちながら圧縮手段の小型化を図ることができ、空気砲の小型化を達成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は芳香成分供給装置10(以下、供給装置という)が搭載された車両を示す説明図であり、図2(A)および(B)は供給装置10の作動状態を示す説明図である。なお、図示する供給装置10には本発明の一実施の形態である空気砲11が組み込まれている。
【0011】
図1に示すように、車室内のインストルメントパネル12には、運転席側の乗員Dと助手席側の乗員Pとに対して芳香成分を供給する供給装置10が設置されている。図2(A)および(B)に示すように、供給装置10には芳香成分を含んだ空気の渦輪(空気渦)Vを発射する一対の空気砲11が組み込まれており、供給装置10は運転席側位置と助手席側位置とに回動するように設置されている。図2(A)に示すように、供給装置10を運転席側位置に回動させることにより、運転席側の乗員Dに対して芳香成分を供給することが可能となる一方、図2(B)に示すように、供給装置10を助手席側位置に回動させることにより、助手席側の乗員Pに対して芳香成分を供給することが可能となる。なお、渦輪Vは乗員D,Pの鼻先に設定される拡散領域A1,A2において互いに衝突するように発射されており、拡散領域A1,A2において芳香成分を拡散させることが可能となっている。このように、一対の渦輪Vを互いに衝突させて打ち消すことにより、乗員D,Pに対して風圧による違和感を与えることなく芳香成分を供給することが可能となる。
【0012】
図3(A)および(B)は空気砲11の内部構造を概略的に示す断面図であり、図4は供給装置10の構成を示すブロック図である。まず、図3(A)および(B)に示すように、空気砲11は、伸縮自在となる蛇腹形状のポンプ部13とこれに連結される砲身部14とによって構成される空気砲本体15と、この空気砲本体15に設けられるとともにポンプ部13を伸縮させる圧縮手段としてのポンプ駆動部16とを有している。また、空気砲本体15を構成する砲身部14には、内部に空気室17を区画する筒体14aと、この筒体14aの端部に取り付けられる端板14bとが設けられており、端板14bには渦輪Vを発射するための発射口18が形成されている。さらに、ポンプ駆動部16には前後進駆動されるロッド部材16aが組み込まれており、このロッド部材16aはポンプ駆動部16内の図示しない電動モータによって駆動されている。そして、図3(B)に示すように、ロッド部材16aを押し出してポンプ部13を縮めることにより、ポンプ部13および砲身部14によって区画される空気室17の容積を縮小させることができ、空気室17内の空気を発射口18から渦輪Vとして発射することが可能となる。
【0013】
また、図4に示すように、空気砲11のポンプ駆動部16を駆動制御するため、供給装置10には駆動電流を制御する空気砲駆動回路20が設けられており、この空気砲駆動回路20は後述する制御ユニット21からの信号によって制御されている。そして、空気砲駆動回路20からの駆動電流をポンプ駆動部16に供給することにより、ポンプ駆動部16のロッド部材16aを押し出して渦輪Vを発射させることが可能となる。さらに、供給装置10を運転席側位置と助手席側位置とに回動させるため、供給装置10には回動モータ22が組み付けられている。この回動モータ22に対して駆動電流を供給するため、供給装置10には駆動電流を制御するモータ駆動回路23が設けられており、このモータ駆動回路23は制御ユニット21からの信号によって制御されている。
【0014】
また、供給装置10には、空気砲11に対して芳香成分を供給する芳香供給部24が設けられており、それぞれの芳香供給部24には、芳香成分を含浸させた多孔質体25aを備える回動板25が設けられている。芳香供給部24の回動板25を回動させ、配管26a,26bに対して多孔質体25aを対向させることにより、芳香供給部24から空気砲11に対して芳香成分を供給することが可能となる。さらに、双方の回動板25には貫通孔25bが形成されており、この貫通孔25bと配管26a,26bとを対向させるように回動板25を制御することにより、空気砲11から空気のみの渦輪Vを発射させることも可能となっている。なお、図示する芳香供給部24にあっては、セラミックやスポンジ等の多孔質体から芳香成分を拡散させることにより、空気砲11に対して芳香成分を供給しているが、この供給構造に限られることはなく、空気砲11のポンプ部13の蛇腹形状を伸縮させる際に空気砲11に取り込まれる吸気によって芳香成分を供給することも可能である。また、後述するオゾン発生部29においてオゾンを発生させない状態のもとで後述する送風ファン28を逆駆動させることにより、空気砲11に対して芳香成分を供給しても良く、空気砲11に芳香成分を圧送する圧送ポンプを組み込むようにしても良い。
【0015】
さらに、供給装置10には車室内の消臭や除菌を行うための消臭装置27が設けられており、この消臭装置27は送風ファン28およびオゾン発生部29によって構成されている。消臭装置27を構成する送風ファン28に対して駆動電流を供給するため、供給装置10には駆動電流を制御するファン駆動回路30が設けられており、このファン駆動回路30は制御ユニット21からの信号によって制御されている。また、消臭装置27を構成するオゾン発生部29に対して高圧電流を供給するため、供給装置10には高圧電流を制御する高電圧発生回路31が設けられており、この高電圧発生回路31は制御ユニット21からの信号によって制御されている。なお、オゾン発生部29は、図示しない針状の放電電極と環状の対向電極とによって構成されており、放電電極と対向電極とに高電圧を印加して無声放電を生じさせることにより、消臭効果を有するオゾン(O)を発生させることが可能となっている。このようにオゾンを発生させた状態のもとで送風ファン28を駆動させることにより、オゾンを吹き出し口32から車室内に放出させることができるため、車室内の消臭や除菌を行うことが可能となる。
【0016】
前述した空気砲11、回動モータ22、送風ファン28、オゾン発生部29等に対して制御信号を出力するため、供給装置10には制御ユニット21が設けられている。この制御ユニット21は、図示しないマイクロプロセッサ(CPU)を備えており、このCPUにはバスラインを介してROM、RAMおよびI/Oポートが接続される。ROMには制御プログラムや各種マップデータなどが格納されており、RAMにはCPUで演算処理したデータが一時的に格納されている。さらに、制御ユニット21には、芳香成分の種類や渦輪Vの発射モード等を設定するために操作されるスイッチ33等が接続されている。そして、制御ユニット21は、スイッチ33の操作信号等に基づいて渦輪Vの発射状況等を制御することになる。
【0017】
続いて、本発明の一実施の形態である空気砲11が備える発射口18の形状と、この発射口形状によって得られる渦輪Vの発射性能とについて説明する。ここで、図5(A)は本発明の一実施の形態である空気砲11の砲身部14を示す斜視図と断面図であり、図5(B)および(C)は比較例として検討した空気砲40,50の砲身部41,51を示す斜視図と断面図である。まず、図5(A)に示すように、本発明の空気砲11が備える砲身部14の端板14bには、内側から外側にかけて広がるようにテーパ状の発射口18が形成されている。この発射口18は、空気室17側に面する端板14bの一方面に形成される小径(径寸法Da1)の内側開口端18aと、外部に面する端板14bの他方面に形成される大径(径寸法Da2)の外側開口端18bとを備えており、これらの開口端18a,18bはテーパ面18cを介して連結されている。
【0018】
次いで、比較例として検討した2種類の発射口形状についてそれぞれ説明する。図5(B)に示すように、比較例1としての空気砲40が備える砲身部41の端板41bには、内側から外側にかけて一定の径寸法Db1,Db2を保つように発射口42が形成されている。つまり、この発射口42は同じ径寸法Db1,Db2の内側開口端42aと外側開口端42bとを備えている。また、図5(C)に示すように、比較例2としての空気砲50が備える砲身部51の端板51bには、内側から外側にかけて狭まるようにテーパ状の発射口52が形成されている。つまり、この発射口52は径寸法Dc1の内側開口端52aとこれよりも小さな径寸法Dc2の外側開口端52bとを備えている。
【0019】
以下、前述した発射口18,42,52の形状毎に実行したシミュレーションについて説明する。ここで、図6(A)〜(C)はシミュレーションを実行する際に設定された砲身部14,41,51の各寸法を示す説明図である。図6(A)に示すように、本発明の一実施の形態である空気砲11が備える砲身部14にあっては、砲身部14の内径寸法を30mm、砲身部14の奥行寸法を45mm、砲身部14の板厚寸法を2mm、内側開口端18aの径寸法を10mm、外側開口端18bの径寸法を14mm、テーパ面18cの傾斜角度を45°と設定している。また、図6(B)に示すように、比較例1としての空気砲40が備える砲身部41は、径寸法が10mmとなる内側開口端42aと、径寸法が10mmとなる外側開口端42bとを備えており、他の寸法については砲身部14と同じ値である。さらに、図6(C)に示すように、比較例2としての空気砲50が備える砲身部51は、径寸法が14mmとなる内側開口端52aと、径寸法が10mmとなる外側開口端52bとを備えており、他の寸法については砲身部14と同じ値である。なお、図6(A)〜(C)に示した各発射口18,42,52が備える開口端形状は円形となっている。
【0020】
また、このシミュレーションにおいては、砲身部14の奥にピストンが設けられていると仮定し、このピストンを移動させて空気を押し出す構造であると仮定している。なお、シミュレーションの計算条件については、全ての壁面における流速を毎秒0mとし、ピストンの移動速度を毎秒1mとし、空気室内の空気が静止している状態を初期状態としている。また、計算には汎用熱流体解析ソフトを用いている。
【0021】
図7(A)〜(C)は渦輪Vの発射状況についてのシミュレーション結果を示す説明図であり、図8はシミュレーションによって得られた渦輪Vの飛行距離と経過時間との関係を示す線図である。なお、図7にはピストンの移動開始から0.02秒後のシミュレーション結果が示されている。図7および図8に示すように、内側から外側にかけて発射口18を広げるようにした本発明の空気砲11にあっては、内側から外側にかけて発射口42の径寸法を一定に保つようにした比較例1の空気砲40や、内側から外側にかけて発射口52を狭めるようにした比較例2の空気砲50に比べて、渦輪Vの飛行距離が伸びるということが確認された。また、図7(A)〜(C)に示すように、本発明の空気砲11にあっては、比較例1や比較例2の空気砲40,50に比べて砲身部14,41,51内への吹き返しが抑制されるということが確認された。
【0022】
すなわち、図7(B)および(C)に示すように、流動抵抗を低減するように発射口42,52の形状を設定するのではなく、図7(A)に示すように、空気の流れを積極的に剥離させるように発射口18を形成することにより、同じエネルギーによって渦輪Vをより遠くへ飛ばすことが可能となる。これにより、渦輪Vの飛行距離を保ちながらポンプ駆動部16の小型化を図ることができるため、渦輪Vの発射性能を保ったまま空気砲11の小型化を図ることが可能となる。また、内側から外側にかけて広がるように発射口18を形成することにより、渦輪Vの形状を長期間に渡って保つことができるため、渦輪Vに含まれる芳香成分を途中で拡散させずに拡散領域A1,A2まで運ぶことができ、乗員に対して芳香成分を適切に供給することが可能となる。
【0023】
続いて、本発明の他の実施の形態である空気砲60,70,80,90,100について説明する。ここで、図9(A)〜(E)は本発明の他の実施の形態である空気砲60,70,80,90,100が備える発射口61,71,81,91,103の形状を示す断面図である。前述した空気砲11が備える発射口18にあっては、内側開口端18aと外側開口端18bとをテーパ面18cを介して連結するようにしているが、これに限られることはなく、図9(A)に示すように、内側開口端61aと外側開口端61bとを凸状の曲面61cを介して連結するようにしても良く、図9(B)に示すように、内側開口端71aと外側開口端71bとを凹状の曲面71cを介して連結するようにしても良い。
【0024】
また、前述した空気砲11が備える発射口18にあっては、傾斜角度が約45°となるテーパ面18cを備えているが、これに限られることはなく、図9(C)および(D)に示すように、内側開口端81a,91aと外側開口端81b,91bとを更に大きな傾斜角度を備えるテーパ面81c,91cを介して連結することにより、発射口81,91を形成するようにしても良い。さらに、テーパ面18c,81c,91cや曲面61c,71cを介して連結することにより、発射口18,61,71,81,91の径寸法を内側から外側にかけて連続的に拡大するだけでなく、発射口の径寸法を内側から外側にかけて段階的に拡大するようにしても良い。つまり、図9(E)に示すように、内側開口端101aを備える小径口部101と外側開口端102aを備える大径口部102とを連なるように設けることにより、内側から外側にかけて段階的に径寸法を拡大するようにした発射口103を形成しても良い。このように、内側開口端18a,61a,71a,81a,91a,101aとこれよりも大きな外側開口端18b,61b,71b,81b,91b,102aとを備える発射口18,61,71,81,91,103であれば、如何なる形状であっても、本発明の空気砲11,60,70,80,90,100に対して適用することが可能である。
【0025】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、図示する場合には、電動モータを駆動してロッド部材16aを突出させることにより、空気砲11から渦輪Vを発射させるようにしているが、この発射構造に限られることはなく、空気砲11に対して電磁コイルと可動鉄心とを組み込むことにより、電磁力によってポンプ部13を縮小させて渦輪Vを発射させるようにしても良い。
【0026】
また、空気砲11は蛇腹形状のポンプ部13を備えているが、空気砲11に対して空気室17を区画するダイアフラムを組み込むことにより、このダイアフラムを変形させて空気を押し出すようにしても良い。さらに、空気渦として環状の渦輪Vを発射するようにしているが、これに限られることはなく、まとまった形状で所定距離を飛ばすことが可能であれば、いかなる形状の空気渦を発射するようしても良い。
【0027】
また、渦輪Vに対して芳香成分を含ませるようにしているが、これに限られることはなく、渦輪Vに対して覚醒効果を有するカプサイシン成分等を含ませるようにしても良い。さらに、図示する場合には、供給装置に対して2つの空気砲11が組み込まれているが、これに限られることはなく、1つの空気砲11を組み込むようにしても良く、3つ以上の空気砲11を組み込むようにしても良い。
【0028】
なお、供給装置10を運転席側位置と助手席側位置とに回動させるようにしているが、これに限られることはなく、インストルメントパネル12に対して供給装置10を固定するようにしても良い。さらに、個々の空気砲11を運転席側位置と助手席側位置とに回動させても良いことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】芳香成分供給装置が搭載された車両を示す説明図である。
【図2】(A)および(B)は芳香成分供給装置の作動状態を示す説明図である。
【図3】(A)および(B)は空気砲の内部構造を概略的に示す断面図である。
【図4】芳香成分供給装置の構成を示すブロック図である。
【図5】(A)は本発明の一実施の形態である空気砲の砲身部を示す斜視図と断面図であり、(B)および(C)は比較例として検討した空気砲の砲身部を示す斜視図と断面図である。
【図6】(A)〜(C)はシミュレーションを実行する際に設定された砲身部の各寸法を示す説明図である。
【図7】(A)〜(C)は渦輪の発射状況についてのシミュレーション結果を示す説明図である。
【図8】シミュレーションによって得られた渦輪の飛行距離と経過時間との関係を示す線図である。
【図9】(A)〜(E)は本発明の他の実施の形態である空気砲が備える発射口の形状を示す断面図である。
【符号の説明】
【0030】
11 空気砲
14a 筒体
14b 端板
15 空気砲本体
16 ポンプ駆動部(圧縮手段)
18 発射口
18a 内側開口端
18b 外側開口端
18c テーパ面
18 空気室
60 空気砲
61 発射口
61a 内側開口端
61b 外側開口端
61c 曲面
70 空気砲
71 発射口
71a 内側開口端
71b 外側開口端
71c 曲面
80 空気砲
81 発射口
81a 内側開口端
81b 外側開口端
81c テーパ面
90 空気砲
91 発射口
91a 内側開口端
91b 外側開口端
91c テーパ面
100 空気砲
101a 内側開口端
101 小径口部
102a 外側開口端
102 大径口部
103 発射口
V 渦輪(空気渦)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気室を区画する筒体とこれに設けられる端板とを備える空気砲本体と、
前記空気砲本体に設けられ、前記空気室の容積を縮小させる圧縮手段とを有し、
前記端板に内側開口端とこれよりも大きな外側開口端とを備える発射口を形成し、前記圧縮手段を駆動して前記空気室内の空気を前記発射口から空気渦として発射させることを特徴とする空気砲。
【請求項2】
請求項1記載の空気砲において、
前記内側開口端は前記空気室に面する前記端板の一方面に形成され、前記外側開口端は前記端板の他方面に形成されることを特徴とする空気砲。
【請求項3】
請求項1または2記載の空気砲において、
前記発射口の前記内側開口端と前記外側開口端とはテーパ面または曲面を介して連結され、
前記発射口の径寸法は前記内側開口端から前記外側開口端にかけて連続的に拡大することを特徴とする空気砲。
【請求項4】
請求項1または2記載の空気砲において、
前記発射口は前記内側開口端を備える小径口部と前記外側開口端を備える大径口部とを有し、
前記発射口の径寸法は前記内側開口端から前記外側開口端にかけて段階的に拡大することを特徴とする空気砲。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−275196(P2008−275196A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−116055(P2007−116055)
【出願日】平成19年4月25日(2007.4.25)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】