説明

空気調和方法および空気調和装置

【課題】 冷却エネルギー量と除湿エネルギー量を限界量近くにまで減少させるだけでなく加湿エネルギー量も限界量近くにまで減少させることにより大巾な省エネルギーが達成でき、かつ、コンパクト、安価な空気調和装置の製作を可能にする空気調和方法を提供する。
【解決手段】 処理空気の絶対湿度をクリーンルーム内の作業状況の変動や大気圧変動まで計測して算出すれば、主流ダクトを流下させる必要冷却除湿空気量や必要加湿量が決定できるから、必要冷却除湿空気量の信号を演算手段から出力させて流量調整手段のコントローラを作動させ、又、必要加湿量の信号を演算手段から出力させて加湿手段のコントローラを作動させれば冷却除湿空気量を限界量近くの必要冷却除湿空気量にまで減少させることが可能となり、冷却エネルギー量、除湿エネルギー量、加温エネルギー量、加湿エネルギー量を大巾に減少させることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主流として必要冷却除湿空気を冷却除湿手段に通じて冷却除湿して、次いで、加温手段に通じて所定の温度に調整して、さらに、加湿手段に通じて所定の湿度に調整した後、残余の処理空気である副流と合流させて、所定の供給空気量に調整して産業活動を行うユースポイントに供給する空気の調和方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷却除湿を適用した空気調和装置は屋外及び又は屋内から取り入れた処理空気を冷却除湿器内を通過する間で露点以下に冷却して処理空気中の水分を凝縮させ、凝縮水として分離する。その後、精度よく所定の温度まで加温調整及び所定の湿度まで加湿調整した空気にして、クリーンルームやクリーンブースやクリーンチャンバに供給する装置であって、半導体はじめ、種々の電子部品や精密部品を製造する産業、食品産業、医薬品産業、印刷業において広く用いられている。
【0003】
クリーンルームに適用されている通常の空気調和方法は系外より取入れた空気を、ダストやミスト等の微粒子を除去して清浄化し、更に、調温・調湿した上で給気としてクリーンルーム内へ連続的に供給するとともに、その供給量と同量の室内空気を系外へと排出するように構成されている。
【0004】
しかしながら、近時は系外へ排出される空気は、エネルギーを用いて調温・調湿したものであり、省エネルギーの観点から、排気量をできるだけ少なくして、クリーンルームの排出空気を調温・調湿して、循環使用するような構成に改変されている。
【0005】
とくに最近は、省エネルギーが一層強く要請される社会情勢となり、従来の冷却除湿を冷凍サイクルの冷媒蒸発器を用いて行う場合においても、図2に示すように、コンプレッサ14、油分離器16、凝縮器17、電子膨張弁18、冷却除湿手段1、アキュムレータ20、などにより構成し、それらを配管で接続して冷媒を循環して冷凍サイクルを形成するだけでなく、まず、導入ダクト30の空気導入口30aから空気を取入れ、主流ダクト37と副流ダクト38に分岐し、主流ダクトと副流ダクトには大略1:1近辺の比率でそれぞれのダクト中に処理空気を流下させて冷却除湿手段1で消費する冷却除湿エネルギーが縮減できるように構成させている。そして導入ダクト30内には、処理空気流速センサ34、処理空気温度センサ35、処理空気関係湿度36が設置されており、取入れた処理空気の流速、温度、関係湿度が計測されて演算手段26に入力される。
【0006】
さらに、主流ダクト37内には冷却除湿手段1が収納されており、一方、副流ダクト38内には副流ダクトの開口度を調節して、主流と副流のダクトを流下させる流量比を一定に保持するための流量調整手段アクチュエータ51を備える流量調整手段50が設置されている。一方、副流ダクト38内に副流流速センサ40が設置されており、副流ダクト38を流れる処理空気の流速が計測され、計測値は演算手段26に入力される。主流ダクト37と副流ダクト38は冷却除湿手段1の下流位置で合流させ、合流ダクト39を形成してその中に処理空気を流下させている。
【0007】
そして、合流位置の下流側に加温手段2と加湿手段3と供給空気送風機11とが配設される。図2の空気調和装置では全処理空気の大略1/2が左側の矢印方向から主流ダクト37内を流れて、冷却除湿手段1内で冷却除湿される。つまり、主流ダクト37を流れた処理空気は冷却除湿手段1内を通過する間に露点以下まで冷却されるため、水分は凝縮水として分離され、空気調和装置外へ排出される。処理空気は除湿され、冷却除湿手段1を流出する処理空気の温度は除湿後空気温度センサ23で計測される。
【0008】
また、前記冷却除湿手段1内に流入した空気と、冷凍サイクルを循環する冷媒との間では、伝熱管を介して空気は冷媒にそれの蒸発熱を与え、自ら露点以下まで冷却される熱交換が行われる。このように、取入れた処理空気は冷却され、除湿されるので、次の工程として、加温手段2と加湿手段3を通過することで所定の温度及び所定の湿度に調整されて、ユースポイントへ供給可能な空気となる。加温手段2を通過した空気の温度は加温後空気温度センサ24によって計測される。
【0009】
冷却除湿手段1に於ける冷却熱量と除湿熱量、即ち、冷却除湿熱量負荷量を変化させる際には、コンプレッサ14を駆動するモータ15に接続しているインバータ32を制御して、該モータ15の回転数を変化させ、冷凍サイクルを循環する冷媒量を変化させるとともに、コンプレッサ14の動力エネルギーの省エネが行われている。
【0010】
冷却除湿手段1における凝縮冷却温度を変化させる際には、第1温度センサ21a及び第2温度センサ21bを用いて冷却除湿手段1の冷媒流入口温度と冷媒流出口温度を検出して設定温度となるように電子膨張弁コントローラ19からの制御信号を電子膨張弁18に出力して開度を調整して冷媒の蒸気圧力、即ち、冷媒の蒸発温度を変化させている。
【0011】
また、供給空気の温度及び湿度の調整は、合流ダクト出口39b付近の内部に配置した供給空気温度センサ8によって温度を検出し、また、供給空気湿度センサ6によって湿度を検出し、それぞれ加温手段コントローラ9及び加湿手段コントローラ7に入力して、加温手段2及び加湿手段3のそれぞれに設けられている加温ヒータ4及び加湿ヒータ5に通電する電力量によって温度を制御する。なお加湿手段3の加湿水の温度は加湿器温度センサ25によって計測され、加湿水の液面位置は加湿水制御弁27によって保持される。さらに、風量調整は供給空気送風機11を駆動するモータ12に接続しているインバータ31を制御することによって省エネがなされている。また、空気調和装置が設置されている場所における大気圧を装置外表面に設けた大気圧センサ33に計測して、演算手段26に入力して気象条件変動が大きく急激な際の風量調整に用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004−28241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記のような従来の省エネルギー型の冷却除湿を用いる空気調和方法の第1の課題は、湿度調整が簡便な関係湿度φ[%]で表される水蒸気圧制御方式が用いられていることである。φ[%]はその時点の水蒸気圧p[Pa]と気温t[℃]における飽和水蒸気圧Ps[Pa]に対する100分率であるから、処理空気を関係湿度φ[%]に調整しようとすれば、水蒸気圧p[Pa]となるよう加湿においては、単に加湿水の温度を制御すれば良く、処理空気量、加湿水分量を制御する必要はない。つまり、必要とする加湿に要するエネルギー量は制御できていないという課題を誘起している。又、処理空気の冷却除湿が関係湿度φ[%]即ち、水蒸気圧制御方式により行われている場合は、冷却除湿温度を制御すれば良く、処理空気の流量制御の必要はない。 つまり、冷却除湿に要するエネルギー量は制御できていないという課題も生起している。このように、水蒸気圧制御方式は必要エネルギー量に制御できないという省エネルギー技術の進展に支障となっている。
【0014】
さらに、処理空気の全量を冷却除湿手段に通気するのではなく、図2に示したように主流ダクトに流す空気量を処理空気量の50%以下を目安とすることにより、主流ダクトに流す空気量を縮減して主流ダクト中に設置した冷却除湿手段へ通気する省エネルギーを目的としたバイパス方式においても、処理空気の関係湿度の変動巾を大きく見込んで、主流と副流の流量比を一定に保持して、確実に凝縮水が得られる条件が選ばれており、かつ、湿度調整が水蒸気圧制御方式では処理空気量を流量制御する必要はない。それゆえ、必要以上に多量の冷却と除湿にエネルギーを費やしているという課題が出現している。
【0015】
加えて、冷却除湿手段は通常の冷凍サイクルの蒸発器であるから、大きな冷凍機を設置することになり、大きなスペースとフットプリントを必要とする高価な空気調和装置となっているという課題になる。
【0016】
又、必要以上に多量の冷却と除湿にエネルギーを費やした結果、加温と加湿にも必然的に多量のエネルギーを消費せざるを得ないという課題が出現する。
【0017】
又、さらに、図2に示したように合流位置が加温手段2の上流側に配設されているから、加温手段2及び加湿手段3は合流した空気量を処理することになり、加温手段2、加湿手段3とも大きなスペースとフットプリントを必要とする高価な空気調和装置となっているという課題がある。とくに、加湿手段3が水平面から水を蒸発させる水盤式の場合、大きな水平面が必要となるから、フットプリントが大きくなり、到底コンパクトな装置とすることは望めない。
【0018】
次に、表1に温度を25℃、関係湿度50%に調整した場合、
A:1033.5 hPaの高気圧下
B:1013.3 hPaの海抜0mにおける標準大気圧下
C: 960.5 hPaの低気圧下
における絶対湿度x[kg/kg(乾き空気)]が変化する状況を示した。

【表1】

すなわち、関係湿度φ[%]が同一であっても、高気圧下では絶対湿度xは低下し、低気圧下ではxは増加する。当然、空調装置が建屋の内・外のいずれに設置されていようと、又、クリーンルームの内・外のいずれに設置されていようと、処理空気、供給空気は大気圧の変化に影響される。
【0019】
表1の絶対湿度xは、その気象条件下において、水分を含まない乾き空気1kg中に含まれている水分量kgを示しているから、960.5hPaの低気圧下、例えば台風通過時に水蒸気圧制御方式によって、水分調整を行うと、標準大気圧時よりも乾き空気1kgに対して、加湿水は(104.34−98.82)×10−4=5.52×10−4kg多く必要となり、エネルギーは{(104.34−98.82)×10−4}(51.33×103)=28.33Joul多く必要となるという問題がある。
【0020】
又、このような空気調和装置が設置される工場は、海抜50〜1000mの場所に立地する例が多く、常にその場所の大気圧は標準値以下であるから、水蒸気圧制御方式によって水分調整を行うと、海抜0mに設置されている場合よりも常に多くの加湿水と加湿エネルギーを必要とするという問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は前記した課題を解決するべく開発されたものであり、クリーンルームなどの作業空間から排出された処理空気の温度及び湿度条件並びに加湿水の温度条件に対応でき、供給空気を所定の温度、湿度、流量に調整でき、さらに、従来の省エネルギー型である主流と副流の流量比を1:1近辺に固定して確実に凝縮水が得られる条件下で、冷却除湿を水蒸気圧制御で行った後、加湿を水蒸気圧制御で行う方式では成し得なかったエネルギー消費量の大巾縮減を実現するとともに冷却除湿手段、加温手段、加湿手段のいずれをも小型化して従来よりもコンパクト・安価な空調装置の提供を目的とするものである。
【0022】
本発明における請求項1の発明は具体的手段として処理空気の温度、湿度を調整して供給空気にする空気調和方法において、処理空気及び供給空気の流量、圧力、温度、関係湿度と加湿水の流量、温度と大気圧を計測する計測手段とその計測手段を用いて得られる計測値を入力して、処理空気量、必要冷却除湿空気量、必要冷却除湿水分量、必要冷却空気量、必要加湿量を演算する演算手段を備え、その演算手段から処理空気量、必要冷却除湿空気量、必要冷却空気量の信号により流量調整手段のコントローラと、必要冷却除湿水分量、必要加湿量の信号により加湿手段のコントローラを作動させることを特徴とする。
【0023】
請求項2の発明は、処理空気の温度、湿度を調整して供給空気にする空気調和方法において処理空気の絶対湿度(xkg/kg(乾き空気)])が供給空気の絶対湿度(x[kg/kg(乾き空気)])よりも大、即ち、x≧xである場合、主流として処理空気量のうちの必要冷却除湿空気量を主流ダクトに流下させ、その主流ダクトには冷却除湿手段と加温手段と加湿手段を設置する。そして副流として残余分の処理空気量、即ち、[処理空気量]-[必要冷却除湿空気量]を副流ダクトに流下させ、その副流ダクトには流量調整手段を設置していることを特徴とする。
【0024】
請求項3の発明は、処理空気の温度、湿度を調整して供給空気にする空気調和方法において、処理空気の絶対湿度(x[kg/kg(乾き空気)])が供給空気の絶対湿度(x[kg/kg(乾き空気)])よりも小、即ち、x<xである場合は、主流として処理空気のうちの必要冷却空気量を主流ダクトに流下させ、その主流ダクトには冷却手段と加温手段と加湿手段を設置する。そして、副流として、残余分の処理空気量、即ち、[処理空気量]-[必要冷却空気量]を副流ダクトに流下させ、その副流ダクトには流量調整手段を設置していることを特徴とする。
【0025】
また、請求項4の発明は、処理空気の温度、湿度を調整して供給空気にする空気調和方法において、主流ダクトを流下した処理空気の主流と副流ダクトを流下した処理空気の副流を合流させた後の合流温度を計測する前記計測手段と当該計測手段を用いて得られる計測値を入力して必要加湿量(液体)の気化とx≧xである場合は、[必要冷却除湿空気量]−[必要冷却除湿水分量]+[必要加湿量(気体)]を、x<xである場合は、[必要冷却空気量]+[必要加湿量(気体)]を、供給空気温度〜15℃の範囲にある選ばれた合流温度にまで昇温させる必要加温エネルギーを演算する前記演算手段を備え、その演算手段から出力される必要加温エネルギー量の信号により加温手段コントローラを作動させることを特徴とする。
【0026】
さらに、請求項5の発明は、処理空気の温度、湿度を調整して供給空気にする空気調和方法において、主流と副流を加湿手段の下流で合流させる合流ダクトには供給空気送風機を設置して供給空気量の調整を行うことを特徴とする。
【0027】
加えて、請求項6の発明は、処理空気の温度、湿度を調整して供給空気にする空気調和装置において、処理空気及び供給空気の流量、圧力、温度、関係湿度、加湿水の流量、温度、大気圧を計測する計測手段とその計測手段を用いて得られる計測値を入力して、処理空気量、必要冷却除湿空気量、必要冷却除湿水分量、必要冷却空気量、必要加湿量を演算する演算手段と前記演算手段から出力される処理空気量、必要冷却除湿空気量、必要冷却空気量の信号により作動する流量調整手段のコントローラと必要冷却除湿水分量、必要加湿量の信号により作動する加湿手段のコントローラを備えていることを特徴とする。
【0028】
また、請求項7の発明は、処理空気の絶対湿度x[kg/kg(乾き空気)]が供給空気の絶対湿度x[kg/kg(乾き空気)]よりも大、即ち、x≧xである場合、主流として処理空気量のうちの必要冷却除湿空気量を主流ダクトに流下させ、その主流ダクトには冷却除湿手段と加温手段を設置する。そして、副流として、残余分の処理空気量、即ち、[処理空気量]-[必要冷却空気量]を副流ダクトに流下させ、その副流ダクトには流量調整手段を設置していることを特徴とする。
【0029】
さらに、請求項8の発明は、処理空気の絶対湿度(x[kg/kg(乾き空気)])が供給空気の絶対湿度(x[kg/kg(乾き空気)])よりも小、即ち、x<xである場合、主流として処理空気量のうちの必要冷却空気量を主流ダクトに流下させ、その主流ダクトには冷却手段と加温手段と加湿手段を設置する。そして、副流として、残余分の処理空気量、即ち、[処理空気量]-[必要冷却除湿空気量]を副流ダクトに流下させ、その副流ダクトには流量調整手段を設置していることを特徴とする。
【0030】
さらに、請求項9の発明は、主流ダクトを流下した処理空気と副流ダクトを流下した処理空気を合流させた後の合流温度を計測する前記計測手段と、当該計測手段を用いて得られる計測値を入力して、必要加湿量(液体)の気化とx≧xである場合は、[必要冷却除湿空気量]−[必要冷却除湿水分量]+[必要加湿量(気体)]を、x<xである場合は、[必要冷却除湿空気量]+[必要加湿量(気体)]を、供給空気温度〜15℃の範囲にある選ばれた温度にまで昇温させる必要加温エネルギ量を演算する前記演算手段を備え、かつ、前記演算手段から出力される必要加温エネルギ量の信号により作動する加温手段コントローラを備えていることを特徴とする。
【0031】
請求項10の発明は、主流と副流を加湿手段の下流で合流させる合流ダクトには供給空気量の調整を行う供給空気送風機が設置されていることを特徴とする。
【0032】
「作用」
請求項1及び請求項6の発明における計測手段をもちいると、設定した時間間隔ごとに処理空気及び供給空気の流量、圧力、温度、関係湿度と加湿水の流量、温度と大気圧を測定しているから、取入れる空気即ち処理空気と供給空気の条件が気象状況やクリーンルーム内の作業状況の変化変動によって変化・変動しても処理空気量、必要冷却除湿空気、必要冷却除湿水分量、必要冷却空気量、必要加湿量の演算値も常に修正される。
【0033】
従って、流量調整手段コントローラに入力される処理空気量、必要冷却除湿空気量の出力信号も常に修正される。又、加湿手段コントローラに入力される必要加湿量の出力信号も常に修正される。
【0034】
また請求項1、4及び請求項6,9の発明における計測手段を用いると、主流ダクトを流下した処理空気と副流ダクトを流下した処理空気の合流後の合流温度、加湿水温度、加湿量の計測値から演算され、加温手段コントローラに入力される必要加温エネルギー量の出力信号も常に修正される。
【0035】
また、前記計測手段が実行する計測と、それらの計測値をもとにした演算値の演算手段からの出力に係わる時間間隔と入力動作は、市販されている通常の工業用計器で用いられている方法によって実施できる。さらにまた、加温手段及びそれのコントローラならびに、加湿手段及びそれのコントローラは、従来から用いられる方法を採用することもできる。
【0036】
図1は本発明に係る空気調和装置の一つの実施例の構成を示す説明図である。副流ダクトに設置される流量調整手段は図1に示したごとく、性能が異なる第1流量調整手段43及び第2流量調整手段44を設置した。第2流量調整手段44は、稼動時間内で発生し得る[処理空気]-[必要冷却除湿空気量]又は、[処理空気量]-[必要冷却空気量]の最大流量に調整する性能を保有している。他方、第1流量調整手段43は[処理空気量]-[必要冷却除湿空気量]又は[処理空気量]-[必要冷却空気量]の最大流量は確保して、さらに、大気圧及び、作業状況の変化変動に伴う処理空気量、必要冷却除湿空気量、必要冷却空気量の変動分を精度よく調整する性能を保有している。したがって、主流ダクトを流下する必要冷却除湿空気量又は必要冷却空気量は確実に必要量が確保され、処理空気を必要以上に過剰に冷却したり、除湿することはなくエネルギーの浪費はない。当然、過少に冷却したり、除湿することもない。このように、流量調整手段は、必ずしも2基設置する必要はなく、変動分を精度よく調整できる第1流量調整手段43を設置することでも本発明の目的は達せられる。
【0037】
主流、副流それぞれのダクト入口付近に流速センサ、温度センサ、関係湿度センサを配設したから、たとえ、主流と副流の温度、湿度が相異していても、処理空気量、必要冷却除湿空気量、必要冷却除湿水分量、必要冷却空気量、必要加湿量、必要加温熱量は本発明の演算手段を用いることにより、常にそれらの出力信号が得られる。
【0038】
「必要冷却除湿空気量等の定義」
処理空気の絶対湿度xが供給空気の絶対湿度xよりも大の場合は、冷却除湿手段に処理空気の主流分が通気される。そして、この空気量が少ない程、冷却除湿に要するエネルギー量は減少して、省エネとなるだけでなく、コンパクトで安価な装置となる。そこで、本願の発明者は、冷却除湿するべき空気量を減少させる方法について考究した。そして、処理空気の関係湿度と冷却除湿空気量の処理空気量に対する比率は除湿温度をパラメータとする図3に示す関係があることを見出した。つまり、(1)処理空気の関係湿度、(2)冷却除湿空気量の処理空気量に対する比率、(3)除湿温度のうちのいずれか2つの変数を決定すれば、残りの1つの変数は決定される。そして、図3において(1)と(3)を決めた場合、(2)の冷却除湿空気量の処理空気量に対する比率から算出される冷却除湿空気量は最小流量の冷却除湿空気量となる。さらに、この主流と副流である残余分の処理空気を合流させた際には処理空気中の水分量は供給空気が必要とする水分量に等しくなり、加湿が無用となる。このときの冷却除湿空気量を限界冷却除湿空気量と表わす。図3は、大気圧が標準大気圧(=1013hpa)、供給空気が23℃、45%、処理空気温度が27℃の条件下の図であるが、無論、必要な関係式は演算手段に内臓されており、他の条件下の限界冷却空気量も容易に作成することができる。
【0039】
図3を用いて、さらに説明を加える。例えば、温度27℃、関係湿度42%の処理空気を冷却して、除湿温度5℃で冷却除湿(点aで示す)する場合、主流ダクトを流下させる限界冷却除湿空気量は処理空気量との比率で0.375、即ち、37.5%となる。又、除湿温度4℃で冷却除湿(点bで示す)する場合は、限界冷却除湿空気量は処理空気量の34.5%となり、除湿温度6℃で冷却除湿(点cで示す)する場合は、限界冷却除湿空気量は処理空気量の42.0%となる。段落「0014」記載した従来のバイパス方式は限界冷却除湿空気量が求められないから直接比較はできないが、処理空気量との比率は0.5であるから前述の除湿温度5℃のときの、0.375では0.5の75.0%となり、25%冷却除湿する処理空気量が削減でき、除湿エネルギ量は格段に削減できる。ところで、処理空気として取入れるクリーンルームなどの作業空間からの排気の温度及び湿度はクリーンルーム内の作業状況によって変化・変動する。又、大気圧も変化・変動する。これらの変化・変動を考慮しないで、図3で示される限界冷却除湿空気量を維持して冷却除去した際には、供給空気中の関係湿度に過・不足を来たす怖れがある。それゆえ、それらの変化・変動に対処できるよう図3で与えられる限界冷却除湿空気量よりも3〜5%多い冷却除湿空気量を必要冷却除湿空気量と本発明では定義して主流ダクトを流下させる。そして、冷却除湿手段に通気することによって除去される水分量が、必要冷却除湿水分量となり、加湿手段で加えるべき水分量が必要加湿量となる。
【0040】
「必要冷却空気量等に定義」
さらに、本願の発明者は処理空気の絶対湿度xが供給空気の絶対湿度xよりも小の場合についても考察して、必要冷却空気量を処理空気量の1/2〜1/3として主流ダクト中に設置した冷却手段を流下させ、処理空気の露点+1〜2℃まで冷却する方法を見出した。これによって冷却手段に流入する冷却空気量を大巾に減少させることになり、又、処理空気中の水分を凝縮するに至らない露点+1〜2℃にまで冷却するから、凝縮エネルギーが無用となり冷却エネルギー量は格段に削減される。
【発明の効果】
【0041】
本発明の空気調和方法は冷却除湿空気量、冷却空気量、冷却エネルギー量、除湿エネルギー量を大気圧の変化・変動、および循環使用するクリーンルーム排出空気の温度の変化・変動、さらに関係湿度の変化・変動まで計測して算定して流量調整手段のコントローラを作動させれば、従来過剰であった冷却除湿空気量を必要冷却除湿空気量に、又、従来過剰であった冷却空気量を必要冷却空気量にまで減少させることが可能となり、大巾な省エネルギーが達成でき、地球環境改善に貢献できる。
【0042】
したがって、本発明の空気調和方法は段落「0041」に記載したように必要冷却除湿量や、必要冷却空気量にまで減少させられるから、従来過剰であった加温エネルギー量と加湿エネルギー量は、必要加温エネルギー量に、加湿量は必要加湿量にまで減少させることが可能となり、大巾な省エネルギーが達成でき、地球環境改善に貢献できる。また、段落「0041」もふくめて作業空間で成される製品の製造コスト低減に寄与できる。
【0043】
さらに、本発明においては、冷却除湿空気量、冷却空気量を必要冷却除湿空気量、必要冷却空気量にまで減少させたから、冷却エネルギー量、除湿エネルギー量を授受する冷却除湿手段をコンパクトにすることができ、また、加温手段、加湿手段もコンパクトになり、主流ダクトは副流ダクトより小径となり、これらによって構成される空気調和装置はフットプリントは小さく、安価となり、製品の製造コストを低減する経済的効果が大きい。
【0044】
また、本発明においては、主流ダクト及び副流ダクト内にそれぞれ、流速センサ、温度センサ、関係湿度センサを配設しただけでなく、副流ダクト内に流量調整手段を設けたから、主流ダクトを流下する必要冷却除湿空気量又は必要冷却空気量を確保して操業できる。又、副流ダクトを流下する残余の処理空気量も確保される。
【0045】
加えて、本発明においては、主流ダクトを流下した主流の処理空気と副流ダクトを流下した副流の処理空気を合流させた後の合流温度は供給空気温度〜15℃の範囲にある選ばれた合流温度にまで昇温されるから、送風機の発熱によって、それを通過する空気温度が上昇しても所定の供給空気温度、例えば23℃の空気が供給できる。
【0046】
さらに、本発明においては、合流ダクト内に設置した供給空気送風機は流量、温度、関係湿度が相異する主流ダクトと副流ダクトを流下した2方向からの空気流を合流させて所定の温度、関係湿度となった空気流をさらにユースポイントで要求される所定の流量と静圧に調整して送風できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る空気調和装置の一つの実施例の構成を示す説明図。
【図2】従来の空気調和装置の一例の構成を示す説明図。
【図3】処理空気の関係湿度と限界冷却除湿空気量の処理空気量に対する比率と除湿温度の関係を表わす曲線。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面に沿って説明する。図1は本発明に係る空気調和装置の一つの実施例の構成を示す説明図である。同図ではクリーンルームやクリーンブースからの排気である処理空気の主流は主流ダクト入口37aから、又、処理空気の副流は副流ダクト入口38aから取入れる。主流ダクトを流下する主流は冷却除湿手段1に流入するまでの間で、処理空気流速センサ34、処理空気温度センサ35、処理空気関係湿度センサ36によって取入れた主流処理空気の流速乃至流量、温度、関係湿度が計測され、又、同時に副流ダクトを流下する副流は第1流量調整手段43に流入するまでの間で、副流流速センサ40、副流温度センサ41、副流関係湿度センサ42によって取入れた副流処理空気の流速乃至流量、温度、関係湿度が計測される。なお、第1流量調整手段43と第2流量調整手段44はそれぞれ、第1流量調整手段アクチュエータ45、第1流量調整手段コントローラ47、第2流量調整手段アクチュエータ46、第2流量調整手段コントローラ48を備えており、第1、第2は別個に流量調整が行える。
【0049】
他方、供給空気は主流と副流の合流位置から送風機11を経て合流ダクト出口39bまでの合流ダクト39内で第1圧力センサ49a、第2圧力センサ49b、供給空気温度センサ8、供給空気関係湿度センサ6、供給空気流速センサ28によって、供給空気の温度、関係湿度、流量、全圧及び又は静圧が計測されて、各々、演算手段26に入力する。また、空気調和装置が設置された場所における大気圧を装置外表面に設けた大気圧センサ33により計測して、前記演算手段26に入力する。
【0050】
≧xにおいては冷却除湿手段1、又はx<xにおいては冷却手段1に冷凍サイクルの冷媒蒸発器を適用すると本発明の空気調和装置ではコンプレッサ14、油分離器16、凝縮器17、電子膨張弁18、アキュームレータ20から構成して、それらを配管で接続して冷媒を循環して冷凍サイクルを形成する。冷却除湿手段1は主流ダクト37の主流ダクト入口37a側に配設・収納されていて、加温手段2、加温ヒータ4、加湿手段3も前記冷却除湿手段1の下流側に位置する主流ダクト37中に配設・収納されている。
【0051】
さらに、図1に示した冷却除湿手段又は冷却手段1を流出した主流の処理の処理空気は加温手段2に流入する。演算手段26には主流ダクト37と副流ダクト38が合流して形成する合流ダクト39中に設けた合流温度センサ29で計測する合流温度と加湿水温度と加湿量を入力して必要加湿水分量(液体)を気化させるに必要な熱量と[必要冷却除湿空気量]-[必要冷却除湿水分量]+[必要加湿水分量(気体)]を供給空気温度〜15℃の範囲にある選ばれた合流温度にまで昇温するに必要なエネルギー熱量、即ち、必要加温エネルギー量を演算する。加温手段2は演算手段26から必要加温エネルギー量の信号を出力して加温ヒータ4を作動させる加温手段コントローラ9を備えている。又、加湿手段3は本体と加湿水タンク13、加湿水ポンプ10から構成される。加湿手段3の本体は断面を主流ダクト37の断面に合致するように作製した金属やガラスや樹脂製のファイバをマット状に畳み込んだ成形体であって、加湿水が成形体上部から滴下ないし散布され、水分が成形体内を落下する間で成形体を貫流する加湿手段2で与えられて必要加温エネルギー量を保持する処理空気によって気化される。滴下ないし散布される加湿量は前述のとおり、小量であるから、加湿水タンク13、加湿水ポンプ10が必要とするフットプリントも小さくなる。又、図2の水盤式加湿手段3のフットプリントと図1の蒸発マットのそれを比較すると、後者のそれは格段に小さい。さらに、図2では必要であった加湿ヒータは無用となり、部品点数が少なくなる。なお、加湿量は必要加湿量の信号を出力して加湿手段コントローラ22を作動させて制御する。
【0052】
加湿手段3を流出する処理空気の主流は処理空気の副流との合流位置に到達して合流ダクト39に流入する。合流温度センサ29によって合流温度が計測された後、供給空気送風機11に流入してユースポイントで要求される供給空気量に調整される。なお、調整方法は供給空気送風機11の全圧又は静圧と送風機モータ12の回転数で定まる方法を用いる。送風機モータ12の回転数は送風機モータ用インバータ31によって制御する。供給空気送風機11の全圧又は静圧は第1圧力センサ49a、と第2圧力センサ49bで計算され、供給空気量は供給空気流量センサ28で計算される。供給空気送風機11からは、主として供給空気を昇圧する際に発生する断熱圧縮熱によって、必然的に供給空気温度センサ8の計測値は合流温度センサ29の計測値よりは2〜5℃上昇した値となる。そこで、本発明においては、本格稼動前に温度上昇分を測定して演算手段26に内蔵しておく。こうすることによって、供給空気温度〜15℃の範囲にある選ばれた合流温度に設定可能となる。例えば、供給空気温度が23℃、供給空気送風機11が5℃温度上昇する場合、供給空気温度23〜15℃の範囲にある18℃に設定できる。そして、合流温度センサ29で計測される温度が18℃となるよう加温手段コントローラ9を作動させることになる。それゆえ、供給空気送風機11が発熱しても、供給空気は所定の温度に調整されてユースポイントに供給される。
【符号の説明】
【0053】
1.冷却除湿手段又は冷却手段
2.加温手段
3.加湿手段
4.加温ヒータ
5.加湿ヒータ
6.供給空気関係湿度センサ
7.加湿器ヒータコントローラ
8.供給空気温度センサ
9.加温手段コントローラ
10.加湿水ポンプ
11.供給空気送風機
12.供給空気送風機モータ
13.加湿水タンク
14.コンプレッサ
15.コンプレッツサ・モータ
16.油分離器
17.凝縮器
18.電子膨張弁
19.電子膨張弁コントローラ
20.アキュームレータ
21a.第1温度センサ
21b.第2温度センサ
22.加湿手段コントローラ
23.除湿後空気温度センサ
24.加温後空気温度センサ
25.加湿器温度センサ
26.演算手段
27.加湿水制御弁
28.供給空気流速センサ
29.合流温度センサ
30.導入ダクト
30a.空気導入口
31.送風機モータ用インバータ
32.コンプレッサ・モータ用インバータ
33.大気圧センサ
34.処理空気流速センサ
35.処理空気温度センサ
36.処理空気関係湿度センサ
37.主流ダクト
37a.主流ダクト入口
38.副流ダクト
38a.副流ダクト入口
39.合流ダクト
39b.合流ダクト出口
40.副流流速センサ
41.副流温度センサ
42.副流関係湿度センサ
43.第1流量調整手段
44.第2流量調整手段
45.第1流量調整手段アクチュエータ
46.第2流量調整手段アクチュエータ
47.第1流量調整手段コントローラ
48.第2流量調整手段コントローラ
49a.第1圧力センサ
49b.第2圧力センサ
50.流量調整手段
51.流量調整手段アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理空気の温度、湿度を調整して供給空気にする空気調和方法において、処理空気及び供給空気の流量、圧力、温度、関係湿度と加湿水の流量、温度と大気圧を計測する計測手段と当該計測手段を用いて得られる計測値を入力して、処理空気量、必要冷却除湿空気量、必要冷却除湿水分量、必要冷却空気量、必要加湿量を演算する演算手段を備え、前記演算手段から出力される処理空気量、必要冷却除湿空気量、必要冷却空気量の信号により流量調整手段コントローラと、必要冷却除湿水分量、必要加湿量の信号により加湿手段のコントローラを作動させることを特徴とする空気調和方法。
【請求項2】
処理空気の温度、湿度を調整して供給空気にする空気調和方法において、処理空気の絶対湿度(x[kg/kg(乾き空気)])が供給空気の絶対湿度(x[kg/kg(乾き空気)])よりも大、即ち、x≧xである場合、冷却除湿手段と加温手段と加湿手段を設置した主流ダクトに処理空気量のうちの必要冷却除湿空気量を主流として流下させ、流量調整手段を設置した副流ダクトに残余分の処理空気量、即ち、[処理空気量]-[必要冷却除湿空気量]を副流として流下させたことを特徴とする請求項1記載の空気調和方法。
【請求項3】
処理空気の温度、湿度を調整して供給空気にする空気調和方法において、処理空気の絶対湿度(x[kg/kg(乾き空気)])が供給空気の絶対温度(x[kg/kg(乾き空気)])よりも小、即ち、x<xである場合、冷却手段と加温手段と加湿手段を設置した主流ダクトに処理空気量のうちの必要冷却空気量を主流として流下させ、流量調整手段を設置した副流ダクトに残余分の処理空気量、即ち、[処理空気量]-[必要冷却空気量]を副流として流下させたことを特徴とする請求項1記載の空気調和方法。
【請求項4】
処理空気の温度、湿度を調整して供給空気にする空気調和方法において、主流ダクトを流下した処理空気と副流ダクトを流下した処理空気を合流させた後の合流温度を計測する前記計測手段と当該計測手段を用いて得られる計測値を入力して、必要加湿量(液体)の気化と、x≧xの場合は、[必要冷却除湿空気量]−[必要冷却除湿水分量]+[必要加湿量(気体)]を、x<xである場合は、[必要冷却空気量]+[必要加湿量(気体)]を、供給空気温度〜15℃の範囲にある選ばれた合流温度にまで昇温させる必要加温エネルギー量を演算する前記演算手段を備え、前記演算手段から出力される必要加温エネルギー量の信号により加温手段コントローラを作動させることを特徴とする請求項1及び2又は請求項1及び3記載の空気調和方法。
【請求項5】
処理空気の温度、湿度を調整して供給空気にする空気調和方法において、主流と副流を加湿手段の下流で合流させる合流ダクトには供給空気送風機を設置して、供給空気量の調整を行うことを特徴とする請求項1,2,4又は請求項1,3,4記載の空気調和方法。
【請求項6】
処理空気の温度、湿度を調整して供給空気にする空気調和装置において、処理空気及び供給空気の流量、圧力、温度、関係湿度と加湿水の流量、温度と大気圧を計測する計測手段と当該計測手段を用いて得られる計測値を入力して、処理空気量、必要冷却除湿空気量、必要冷却除湿水分量、必要冷却空気量、必要加湿量を演算する演算手段と前記演算手段から出力される処理空気量、必要冷却除湿空気量、必要冷却空気量の信号により作動する流量調整手段コントローラと必要冷却除湿水分量、必要加湿量の信号により作動する加湿手段コントローラを備えていることを特徴とする空気調和装置。
【請求項7】
処理空気の温度、湿度を調整して供給空気にする空気調和装置において、処理空気の絶対湿度(x[kg/kg(乾き空気)])が供給空気の絶対湿度(x[kg/kg(乾き空気)])よりも大、即ち、x≧xである場合、処理空気量のうちの必要冷却除湿空気量を主流として流下させる主流ダクトには冷却除湿手段と加温手段と加湿手段が設置され、残余分の処理空気量、即ち、[処理空気量]-[必要冷却除湿空気量]を副流として流下させる副流ダクトには流量調整手段が設置されていることを特徴とする請求項6記載の空気調和装置。
【請求項8】
処理空気の温度、湿度を調整して供給空気にする空気調和装置において、処理空気の絶対湿度(x[kg/kg(乾き空気)])が供給空気の絶対湿度(x[kg/kg(乾き空気)])よりも小、即ち、x<xである場合、処理空気のうちの必要冷却空気量を主流として流下させる主流ダクトには冷却手段と加温手段と加湿手段が設置され、残余分の処理空気量、即ち、[処理空気量]-[必要冷却空気量]を副流として流下させる副流ダクトには流量調整手段が設置されていることを特徴とする請求項6記載の空気調和装置。
【請求項9】
処理空気の温度、湿度を調整して供給空気にする空気調和装置において、主流ダクトを流下した処理空気と副流ダクトを流下した処理空気を合流させた後の合流温度を計測する前記計測手段と、当該計測手段を用いて得られる計測値を入力して必要加湿量(液体)の気化と、x≧xである場合は、[必要冷却除湿空気量]−[必要冷却除湿水分量]+[必要加湿量(気体)]を、x<xである場合は、[必要冷却除湿空気量]+[必要加湿量(気体)]を、供給空気温度〜15℃の範囲にある選ばれた合流温度にまで昇温させる必要加温エネルギー量を演算する前記演算手段を備え、かつ、前記演算手段から出力される必要加温エネルギー量の信号により作動する加温手段コントローラを備えていることを特徴とする請求項6及び7、又は請求項6及び8記載の空気調和装置。
【請求項10】
処理空気の温度、湿度を調整して供給空気にする空気調和装置において、主流と副流を加湿手段の下流で合流させる合流ダクトには供給空気量の調整を行う供給空気送風機が設置されていることを特徴とする請求項6,7,9又は請求項6,8,9記載の空気調和装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−108652(P2013−108652A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252975(P2011−252975)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【特許番号】特許第5097852号(P5097852)
【特許公報発行日】平成24年12月12日(2012.12.12)
【出願人】(594185097)伸和コントロールズ株式会社 (13)
【Fターム(参考)】