説明

空気調和装置

【課題】冷却及び除湿を伴う際に潜熱及び顕熱を処理するためのエネルギー消費の無駄をなくして、省エネルギーを実現し、合わせて安全且つ自然に優しい空気調和装置を提供すること。
【解決手段】給気ダクト110と、調湿対象空気CAの主に顕熱を除去する高段側冷却器120と、高段側冷却器120で負荷の一部を除去された調湿対象空気CAの主に潜熱を除去する低段側冷却器130と、屋内空気IAの主に顕熱を除去する屋内空気冷却器140とを備えている空気調和装置100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度及び湿度を調整する空気調和装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、二段圧縮式冷凍機として高段側吐出ガスの過熱度を制御するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、空気調和装置としては、エネルギー効率を高めるとともに安全性を確保するもの(例えば、特許文献2参照)や、多段圧縮運転を行って冷房運転時及び暖房運転時の両方で運転効率を向上させるものがある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−255864号公報(特許請求の範囲、図1参照。)
【特許文献2】特開2006−029744号公報(特許請求の範囲、図1乃至図3参照。)
【特許文献3】特開2010−112618号公報(特許請求の範囲、図1乃至図3参照。)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、工場またはビル等の比較的大規模な空間を対象とする空調では、屋内空気等の調湿対象空気を除湿する際に冷房運転時における屋内空気の設定温度に比較して極端に低い温度まで調湿対象空気を下げて除湿を行い、空調設備の使用エネルギ−に大きな無駄を生じさせてしまうという問題点があった。
より具体的には、除湿時に空調設備にかかる負荷全体に対する割合が相対的に小さな潜熱負荷を処理する際に、調湿対象空気全体を除湿するために必要な低い温度まで調湿対象空気の温度を下げて効率の悪い運転を行っていた。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、冷却及び除湿を伴う際に潜熱及び顕熱を処理するためのエネルギー消費の無駄をなくして、省エネルギーを実現し、合わせて安全且つ自然に優しい空気調和装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
まず、本請求項1の発明に係る空気調和装置は、建屋の屋外空気及び屋内空気のうち少なくとも屋内空気を含んだ調湿対象空気を前記建屋の屋内に給気する給気ダクトと、該給気ダクトの途中に設けられているとともに前記調湿対象空気の主に顕熱を除去する高段側冷却器と、該高段側冷却器からみて前記給気ダクトの下流側に設けられているとともに前記高段側冷却器で負荷の一部を除去された前記調湿対象空気の主に潜熱を除去する低段側冷却器と、前記屋内空気の主に顕熱を除去する屋内空気冷却器とを備えていることにより、前述した課題を解決したものである。
【0007】
そして、本請求項2の発明に係る空気調和装置は、請求項1の発明に係る空気調和装置において、前記高段側冷却器からみて前記給気ダクトの上流側ダクト部分に設置された第1熱回収器と、前記給気ダクトのうち前記高段側冷却器及び低段側冷却器の間の蒸発器間ダクト部分に設置された第2熱回収器とを備えていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0008】
そして、本請求項3の発明に係る空気調和装置は、請求項1又は請求項2の発明に係る空気調和装置において、前記給気ダクトの吸入口に設置されて前記給気ダクトに前記屋内空気を取り込む屋内空気取り込み用ファンと備えていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0009】
そして、本請求項4の発明に係る空気調和装置は、請求項3の発明に係る空気調和装置において、前記高段側冷却器、低段側冷却器及び屋内空気冷却器に供給されて前記調湿対象空気の顕熱及び潜熱と前記屋内空気の顕熱を吸収する二次側冷媒の二次側冷媒循環経路と前記二次側冷媒を冷却する一次側冷媒の一次側冷媒循環経路とを物理的に分離した状態で前記一次側冷媒及び2次側冷媒相互間の熱交換を実施する第1の冷媒間熱交換器とを備えていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0010】
そして、本請求項5の発明に係る空気調和装置は、請求項4の発明に係る空気調和装置において、前記第1の冷媒間熱交換器が、前記建屋の屋外に設置され、前記二次側冷媒のうち前記高段側冷却器及び低段側冷却器のそれぞれで使用する冷媒と前記屋内空気冷却器で使用する冷媒が、相互に異なる種類の冷媒であり、前記屋内空気冷却器で使用する冷媒が、前記高段側冷却器及び低段側冷却器のそれぞれで使用する冷媒より安全性の高い冷媒であり、前記高段側冷却器及び低段側冷却器のそれぞれで使用する冷媒と前記屋内空気冷却器で使用する冷媒との間で熱交換を実施する第2の冷媒間熱交換器が、前記建屋の屋外に設置されていることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0011】
そして、本請求項6の発明に係る空気調和装置は、請求項4又は請求項5に係る空気調和装置において、前記一次側冷媒が、冷媒としての性能が優秀なアンモニアであり、前記二次側冷媒が、他の冷媒に比べて安全な水又はブラインであることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0012】
そして、本請求項7の発明に係る空気調和装置は、請求項4又は請求項5に係る空気調和装置において、前記一次側冷媒が、フロン、アンモニア、水、炭酸ガス、炭化水素の中の一つであり、前記二次側冷媒が、炭酸ガスであることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【0013】
そして、本請求項8の発明に係る空気調和装置は、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに係る空気調和装置において、前記高段側冷却器に接続されている高段圧縮機と前記低段側冷却器に接続されている低段圧縮機とが、ターボ冷凍機であり且つ可変速制御可能であることにより、前述した課題をさらに解決したものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1の発明に係る空気調和装置は、建屋の屋外空気及び屋内空気のうち少なくとも屋内空気を含んだ調湿対象空気を前記建屋の屋内に給気する給気ダクトと、該給気ダクトの途中に設けられているとともに前記調湿対象空気の主に顕熱を除去する高段側冷却器と、該高段側冷却器からみて前記給気ダクトの下流側に設けられているとともに前記高段側冷却器で負荷の一部を除去された前記調湿対象空気の主に潜熱を除去する低段側冷却器と、前記屋内空気の主に顕熱を除去する屋内空気冷却器とを備えていることにより、高段側冷却器で処理出来る熱負荷は、出来るだけ多く高段側冷却器で処理して、低段側冷却器の熱負荷を少なくし、不合理に低い温度まで余分に多くの調湿対象空気の温度を下げないとともに、余分に多くの調湿対象空気の温度を下げて無駄なエネルギーを消費することで生じる消費エネルギーの増大を回避して除湿時のエネルギー効率を向上させ、しかも不合理に低い温度まで冷媒の蒸発温度を下げることを回避して省エネルギーと安全性の確保及び環境保護を実現することができる。
なお、調湿対象空気を冷却して除湿するとき、冷却時の調湿対象空気の絶対湿度と調湿対象空気の温度とは一対一の関係にあるため、目的の絶対湿度より低い調湿対象空気の温度を「不合理に低い温度」という。
【0015】
そして、本請求項2の発明に係る空気調和装置は、請求項1の発明に係る空気調和装置が奏する効果に加えて、前記高段側冷却器からみて前記給気ダクトの上流側ダクト部分に設置された第1熱回収器と、前記給気ダクトのうち前記高段側冷却器及び低段側冷却器の間の蒸発器間ダクト部分に設置された第2熱回収器とを備えていることにより、第一熱回収器、高段側冷却器、第二熱回収器、及び低段側冷却器で順次調湿対象空気から吸熱するため、高段側冷却器及び低段側冷却器のみで調湿対象空気から吸熱する場合と比較して、第2熱回収器により低段側冷却器の吸熱負担を小さくするとともに高段側冷却器の負担の割合を大きくして効率の良い運転を行い、高段側冷却器及び低段側冷却器を作動させるのに必要な高段側圧縮機及び低段側圧縮機のトータルの動力エネルギーを減少させることができる。
また、潜熱を除去するために目的の屋内空気の温度と比較して冷やし過ぎた調湿対象空気を第1熱回収器で暖めて屋内空気の温度に近づけて給気することにより屋内のドラフトすなわち低温度の調湿対象空気が屋内に流れ込むことで屋内の人間が感じる不快感を防ぐことができる。
【0016】
そして、本請求項3の発明に係る空気調和装置は、請求項1又は請求項2の発明に係る空気調和装置が奏する効果に加えて、前記給気ダクトの吸入口に設置されて前記給気ダクトに前記屋内空気を取り込む屋内空気取り込み用ファンとを備えていることにより、屋外空気と屋内空気の潜熱負荷の割合に起因して低段側冷却器に掛る負担が最小限になるように屋内空気取り込み用ファンを制御して給気ダクトへの屋内空気の供給量を調節することができる。
加えて、高段側冷却器及び低段側冷却器で除去した顕熱負荷の残りを、高段側に接続された蒸発器等の屋内空気冷却器で処理して、装置全体のエネルギー効率を更に向上させることができる。
さらに、不合理に低い温度まで調湿対象空気の温度を下げなくても目的の除湿を行うことが可能である。
【0017】
そして、本請求項4の発明に係る空気調和装置は、請求項3の発明に係る空気調和装置が奏する効果に加えて、前記高段側冷却器、低段側冷却器及び屋内空気冷却器に供給されて前記調湿対象空気の顕熱及び潜熱と前記屋内空気の顕熱を吸収する二次側冷媒の二次側冷媒循環経路と前記二次側冷媒を冷却する一次側冷媒の一次側冷媒循環経路とを物理的に分離した状態で前記一次側冷媒及び2次側冷媒相互間の熱交換を実施する第1の冷媒間熱交換器とを備えていることにより、一次側から屋内へ一次冷媒を漏れ出させないため、エネルギー効率を優先して人体に有害な一次冷媒を用いた場合でも空調時のエネルギー効率を向上させるとともに屋内にいる人間に有害な影響を与えないで安全確保をより一層実現することができる。
【0018】
そして、本請求項5の発明に係る空気調和装置は、請求項4の発明に係る空気調和装置が奏する効果に加えて、前記第1の冷媒間熱交換器が、前記建屋の屋外に設置され、前記二次側冷媒のうち前記高段側冷却器及び低段側冷却器のそれぞれで使用する冷媒と前記屋内空気冷却器で使用する冷媒が、相互に異なる種類の冷媒であり、前記屋内空気冷却器で使用する冷媒が、前記高段側冷却器及び低段側冷却器のそれぞれで使用する冷媒より安全性の高い冷媒であり、前記高段側冷却器及び低段側冷却器のそれぞれで使用する冷媒と前記屋内空気冷却器で使用する冷媒との間で熱交換を実施する第2の冷媒間熱交換器が、前記建屋の屋外に設置されていることにより、一次冷媒又は二次冷媒が屋内に大量に漏洩することを防止するため、エネルギー効率を優先して人体に有害な一次冷媒又は二次冷媒を用いた場合でも空調時のエネルギー効率を向上させるとともに屋内にいる人間に有害な影響を与えないで安全確保をより一層実現することができる。
【0019】
そして、本請求項6の発明に係る空気調和装置は、請求項4又は請求項5の発明に係る空気調和装置が奏する効果に加えて、前記一次側冷媒が、冷媒としての性能が優秀なアンモニアであり、前記二次側冷媒が、他の冷媒に比べて安全な水又はブラインであることにより、人体に有害なアンモニアを屋外のみで循環させるため、屋内の安全確保を実現した状態で、自然冷媒を使用して環境に優しいとともに空調時のエネルギー効率の優れた空気調和装置を実現することができる。
なお、「冷媒としての性能が優秀」とは、他の冷媒に比べて成績係数が良いことを意味する。
【0020】
そして、本請求項7の発明に係る空気調和装置は、請求項4又は請求項5の発明に係る空気調和装置が奏する効果に加えて、前記一次側冷媒が、フロン、アンモニア、水、炭酸ガス、炭化水素の中の一つであり、前記二次側冷媒が、炭酸ガスであることにより、炭酸ガスによる潜熱による熱輸送をおこない、一次側冷媒及び二次側冷媒にアンモニア及び水をそれぞれ用いる場合の水の顕熱による熱輸送の欠点である冷媒温度と調湿対象空気との温度差の増大による冷凍機のエネルギー効率低下と水を循環させるためのポンプ動力増大とを回避するとともに、比較的安全な炭酸ガスを二次冷媒として使用することにより安全性を確保することができる。
【0021】
そして、本請求項8の発明に係る空気調和装置は、請求項1乃至請求項7のいずれか一つの発明に係る空気調和装置が奏する効果に加えて、前記高段側冷却器に接続されている高段圧縮機と前記低段側冷却器に接続されている低段圧縮機とが、ターボ冷凍機であり且つ可変速制御可能であることにより、高段側圧縮機及び低段側圧縮機ともに圧縮比が小さくなるため、効率良く調湿対象空気を冷却及び除湿し、しかも高段側圧縮機又は低段側圧縮機の回転数制御を行って高段側蒸発温度及び低段側蒸発温度を最適な温度に調整して空気調和装置全体のエネルギー効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施例に係る空気調和装置の構成を示したブロック図。
【図2】本発明の第2実施例に係る空気調和装置の構成を示したブロック図。
【図3】本発明の第3実施例に係る空気調和装置の構成を示したブロック図。
【図4】本発明の第4実施例に係る空気調和装置の構成を示したブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の空気調和装置は、建屋の屋外空気及び屋内空気のうち少なくとも屋内空気を含んだ調湿対象空気を前記建屋の屋内に給気する給気ダクトと、この給気ダクトの途中に設けられているとともに調湿対象空気の主に顕熱を除去する高段側冷却器と、この高段側冷却器からみて給気ダクトの下流側に設けられているとともに高段側冷却器で負荷の一部を除去された調湿対象空気の主に潜熱を除去する低段側冷却器と、屋内空気の主に顕熱を除去する屋内空気冷却器とを備えているものであれば、その具体的な実施の態様は、如何なるものであっても何ら構わない。
【0024】
例えば、ヒートパイプ等の第1熱回収器及び第2熱回収器によって吸熱された熱エネルギーを除湿後の調湿対象空気に供給することにより、給気ダクトを通過して冷え過ぎた調湿対象空気の温度を上昇させるため、屋内に給気される調湿対象空気のドラフトを回避することができる。
ここで、「ドラフト」とは、冷房空調において冷却した調湿対象空気を屋内に供給するとき、屋内の温度に比べて低過ぎる温度の調湿対象空気が屋内の人間に直接当たることで人間が不快に感じる現象をいう。
【0025】
また、給気ダクトの吸入口は、屋内空気及び屋外空気のそれぞれを給気可能なように屋内空気及び屋外空気のそれぞれに対応して複数設けられていてもよい。
【0026】
以下、図1乃至図4を参照しながら、本発明に係る空気調和装置の第1実施例乃至第4実施例を説明する。
ここで、図1は、本発明の第1実施例に係る空気調和装置の構成を示したブロック図であり、図2は、本発明の第2実施例に係る空気調和装置の構成を示したブロック図であり、図3は、本発明の第3実施例に係る空気調和装置の構成を示したブロック図であり、図4は、本発明の第4実施例に係る空気調和装置の構成を示したブロック図である。
[第1実施例]
【0027】
まず、図1を参照しながら、本発明の第1実施例に係る空気調和装置100を説明する。
図1に示すように、空気調和装置100は、給気ダクト110、二段圧縮式冷凍機100A、屋内空気冷却器140及び屋内空気取り込み用ファン150を備えている。
二段圧縮式冷凍機100Aは、高段側冷却器120、低段側冷却器130、エバコンEC、高段圧縮機HP、高圧受液器HR、中間受液器MR、低段圧縮機LP、及び低圧受液器LRを備え、冷媒Cを高段側冷却器120、低段側冷却器130及び屋内空気冷却器140に供給して調湿対象空気CAを冷却する。
【0028】
エバコンECは、低い凝縮温度が効率良く実現できるように低揚程、大容量のファンが有効に働く通風面積の大きなもので、凝縮温度を制御するためのファンの回転数制御を実行可能なように構成されている。
高段圧縮機HPは、低圧縮比で効率の良いベーン特性を持つターボ圧縮機であり、インバータで回転数容量制御される。
中間受液器MRは、二段圧縮二段膨張を安定して運転できるための機器であり、満液式空気冷却器である高段側冷却器120及び屋内空気冷却器140に液体状の冷媒Cを送り、戻ってきた液ガス混合冷媒を分離してガスだけを高段圧縮機HPに戻す働きをするとともに低段圧縮機LPの吐出ガスを冷却するインタークーラーの働きをする。
低段圧縮機LPは、低圧縮比で効率の良いベーン特性を持つターボ圧縮機であり、インバータにより回転数容量制御される。
そして、高段側圧縮機HP及び低段側圧縮機LPの回転制御により効率の良い中間圧力を設定することができる。
なお、高段側圧縮機HP及び低段側圧縮機LPの回転数は、それぞれ別々に制御可能である。
低圧受液器LRは、潜熱回収用としての満液式の蒸発器である低段側冷却器130に液体状の冷媒Cを送り、戻ってきた液ガス混合冷媒を分離してガスだけを低段圧縮機LPに戻す働きをする。
高段側冷却器120及び屋内空気冷却器140は、比較的高い蒸発温度で調湿対象空気CA及び屋内空気IAの顕熱負荷を効率良く処理する。
低段側冷却器130は、絶対湿度が設定値になるまで調湿対象空気CAの温度を下げて調湿対象空気CA中の水分を凝縮させて除去する。
【0029】
空気調和装置100は、建屋Bの屋外空気OA及び屋内空気IAのうち少なくとも屋内空気IAを含んだ調湿対象空気CAを建屋Bの屋内に給気する給気ダクト110と、給気ダクト110の途中に設けられているとともに調湿対象空気CAの主に顕熱を除去する高段側冷却器120と、この高段側冷却器120からみて給気ダクト110の下流側に設けられているとともに高段側冷却器120で負荷の一部を除去された調湿対象空気CAの主に潜熱を除去する低段側冷却器130と、屋内空気IAの主に顕熱を除去する屋内空気冷却器140とを備えていることにより、高段側冷却器120で処理出来る熱負荷は、出来るだけ多く高段側冷却器120で処理して、低段側冷却器130の熱負荷を少なくし、不合理に低い温度まで余分に多くの調湿対象空気CAの温度を下げないとともに、余分に多くの調湿対象空気CAの温度を下げて無駄なエネルギーを消費することで生じる消費エネルギーの増大を回避して除湿時のエネルギー効率を向上させ、しかも不合理に低い温度まで冷媒Cの蒸発温度を下げることを回避して省エネルギーと安全性の確保及び環境保護を実現するようになっている。
加えて、調湿対象空気CAを必要最小限の流量に抑えて調湿対象空気CAの冷却負荷を最小限に抑え、効率の良い屋内空気冷却器140、例えば、二段圧縮式冷凍機100Aの高段側に接続された蒸発器等からなる屋内空気冷却器140を使用して必要な顕熱負荷の処理を行うことにより、消費エネルギーを最小限に抑えることができる。
【0030】
より具体的には、例えば、真夏の気温35℃、湿球温度27℃のとき、大部分の顕熱を処理するのに高段側の蒸発温度を20℃、大部分の潜熱を処理するのに低段側の蒸発温度を10℃、屋内温度28℃、凝縮温度32℃と設定すれば可能であるが、この時の二段圧縮式冷凍機100Aの高段側及び低段側のそれぞれの圧縮比が、ともに1.4程度であるため、空気調和装置100は、高段圧縮機HP及び低段圧縮機LPにターボ冷凍機を使用した時の二段圧縮式冷凍機120の成績係数を12以上にすることができる。
また、空気調和装置100は、除湿時の環境条件及び装置の設定条件を最適化して二段圧縮式冷凍機100Aの成績係数を10以上にすることができる。
【0031】
なお、蒸気圧縮式冷凍機において、蒸発温度をTE、凝縮温度をTCとした時の理想的な冷凍機の場合、成績係数=TE/(TC−TE)の関係があり、現実の冷凍機の場合も成績係数は蒸発温度が高ければ高いほど、凝縮温度が低ければ低いほど成績係数は大きい。
空気調和装置100の場合、冷凍負荷に潜熱負荷と顕熱負荷があるが、顕熱負荷は目標の屋内温度より低い蒸発温度であれば目的を果たすことが可能であるが、潜熱負荷は目標絶対湿度相対飽和温度より低い蒸発温度が必要であり、顕熱負荷用の蒸発温度よりかなり低い。
一般には顕熱と潜熱をまとめて一つの蒸発器で処理しているので、潜熱除去するための蒸発温度になっていて、不合理に低い温度での運転となり、エネルギーを過剰に消費していたという問題があった。
上述の空気調和装置100によれば、このような問題を解消して効率良く空調を行うことができる。
【0032】
また、空気調和装置100は、給気ダクト110の吸入口111に設置されて給気ダクト110に屋内空気IAを取り込む屋内空気取り込み用ファン150を備えていることにより、屋内空気IAと屋外空気OAの潜熱負荷の割合に起因して低段側冷却器130に掛る負担が最小限になるように屋内空気取り込み用ファン150を制御して給気ダクト110への屋内空気IAの供給量を調節するようになっている。
さらに、空気調和装置100は、不合理に低い温度まで調湿対象空気CAの温度を下げなくても目的の除湿を行うことが可能である。
【0033】
また、空気調和装置100は、屋内発生潜熱負荷が多く、屋外空気OAの除湿だけでは目的の湿度を保つことができなかったら低段側冷却器130の蒸発温度を過度に下げることが必要となるため、屋内空気取り込み用ファン150で屋内空気IAを調湿対象空気CAの少なくとも一部として給気ダクト110に取り込むことにより、効率の良い二段圧縮式冷凍機100Aの運転状態を維持するようになっている。
【0034】
また、エネルギー効率を向上させる点のみに注目すれば、空気調和装置100に用いられる冷媒Cとしてフロンを用いてもよい。
加えて、空気調和装置100は、高段側冷却器120及び低段側冷却器130で除去した顕熱負荷の残りを、高段側に接続された蒸発器等の屋内空気冷却器140で処理して、装置全体のエネルギー効率を更に向上させるようになっている。
[第2実施例]
【0035】
次に、図2を参照しながら、本発明の第2実施例に係る空気調和装置200を説明する。
なお、以下の第2実施例、第3実施例及び第4実施例に係る空気調和装置では、上述の空気調和装置100と共通する部分の符号を100番台から200番台、300番台、及び400番台にそれぞれ付け替えてその詳細な説明を省略する。
【0036】
図2に示すように、第2実施例に係る空気調和装置200は、建屋Bの屋内に設置された給気ダクト210、第1熱回収器260及び第2熱回収器270を備えている。
空気調和装置200は、高段側冷却器220からみて給気ダクト210の上流側ダクト部分210Aに設置されたヒートパイプ等の第1熱回収器260と、給気ダクト210のうち高段側冷却器260及び低段側冷却器270の間の蒸発器間ダクト部分210Bに設置されたヒートパイプ等の第2熱回収器270とを備えていることにより、第一熱回収器260、高段側冷却器220、第二熱回収器270、及び低段側冷却器230で順次調湿対象空気CAから吸熱するため、高段側冷却器220及び低段側冷却器230のみで調湿対象空気CAから吸熱する場合と比較して、第2熱回収器270により低段側冷却器230の吸熱負担を小さくするとともに高段側冷却器220の負担の割合を大きくして効率の良い運転を行い、高段側冷却器220及び低段側冷却器230を作動させるのに必要な高段側圧縮機HP及び低段側圧縮機LPのトータルの動力エネルギーを減少させるようになっている。
【0037】
より具体的には、除湿用の低段側冷却器230で冷却された調湿対象空気CAの温度が14℃、屋内空気IAの目的温度が28℃の時、高段側に接続された蒸発器からなる屋内空気冷却器240の屋内負荷による顕熱の大部分を除去して30℃になるはずの屋内空気IAと14℃の調湿対象空気CAとを混合させて28℃を保つ運転をした時、不可逆変化が起きてエントロピが増加し無駄が発生していることが分かる。
より具体的には、10℃の蒸発器で冷却された14℃の調湿対象空気CAを30℃になるはずの屋内空気IAに混合して28℃を保つ時と、屋内空気IAを28℃に保つのに20℃の蒸発器で行う場合とでは当然前者に無駄がある。
この無駄を第1熱回収器260及び第2熱回収器270により回収して、例えば14℃の空気を21℃まで温めて屋内に供給すれば、無駄を約50%軽減できることになる。
【0038】
また、空気調和装置200は、潜熱を除去するために目的の屋内空気IAの温度と比較して冷やし過ぎた調湿対象空気CAを第1熱回収器260で暖めて屋内空気IAの温度に近づけることにより、屋内のドラフトすなわち低温度の調湿対象空気CAが吸気口212から屋内に流れ込むことで屋内の人間が感じる不快感を防ぐようになっている。
[第3実施例]
【0039】
次に、図3を参照しながら、本発明の第3実施例に係る空気調和装置300を説明する。
図3に示すように、第3実施例に係る空気調和装置300は、それぞれが第1の冷媒間熱交換器の一例である高段側チラー380A及び低段側チラー380Bと、高段側冷却器320と、低段側冷却器330と、エバコンECと、高段圧縮機HPと、高圧受液器HRと、中間受液器MRと、低段圧縮機LPと、低圧受液器LRと、冷水タンクWT1、WT2と、冷水ポンプWP1及び冷水ポンプWP2とを備えている。
二段圧縮式冷凍機300Aは、二次側冷媒C2を高段側冷却器320及び低段側冷却器330に供給して調湿対象空気CAを冷却する。
【0040】
空気調和装置300は、高段側冷却器320、低段側冷却器330及び屋内空気冷却器340に供給されて調湿対象空気CAの顕熱及び潜熱と屋内空気IAの顕熱を吸収する二次側冷媒C2の二次側冷媒循環経路P2と二次側冷媒C2を冷却する一次側冷媒C1の一次側冷媒循環経路P1とを物理的に分離した状態で一次側冷媒C1及び二次側冷媒C2相互間の熱交換を実施する高段側チラー380A及び低段側チラー380Bとを備えていることにより、一次側から屋内へ一次側冷媒C1を漏れ出させないため、エネルギー効率を優先して人体に有害な一次冷媒を用いた場合でも空調時のエネルギー効率を向上させるとともに屋内にいる人間に有害な影響を与えないで安全確保をより一層実現するようになっている。
【0041】
また、空気調和装置300は、一次側冷媒C1が、冷媒としての性能が優秀なアンモニアであり、二次側冷媒C2が、他の冷媒に比べて安全な水又はブラインであることにより、人体に有害なアンモニアを屋外のみで循環させるため、屋内の安全確保を実現した状態で、自然冷媒を使用して環境に優しいとともに空調時のエネルギー効率の優れた空気調和装置を実現するようになっている。
なお、一次側冷媒C1としてアンモニアを用いた場合、一次側冷媒C1として水を用いる場合に比べて、効率、価格、物性、装置を含めた経済的な観点で優位である。
空気調和装置300では、一次側冷媒C1が、フロン、アンモニア、水、炭酸ガス、炭化水素の中の一つであり、二次側冷媒C2が、炭酸ガスであってもよい。
このような一次側冷媒C1及び二次側冷媒C2を用いることにより、炭酸ガスによる潜熱による熱輸送をおこない、一次側冷媒C1及び二次側冷媒C2にアンモニア及び水をそれぞれ用いる場合の水の顕熱による熱輸送の欠点である冷媒温度と調湿対象空気との温度差の増大による冷凍機のエネルギー効率低下と水を循環させるためのポンプ動力増大とを回避するとともに、比較的安全な炭酸ガスを二次側冷媒C2として使用することにより安全性を確保することができる。
【0042】
一次側冷媒C1が、フロン、アンモニア、水、炭酸ガス、炭化水素の中の一つであり、二次側冷媒C2が、炭酸ガスである場合、一次側冷媒C1及び二次側冷媒C2にアンモニア及び水をそれぞれ用いる場合に比べて顕熱輸送による蒸発温度及び調湿対象空気の温度相互の温度差増大と水を循環させるポンプ動力増大とを回避するとともに相対的に二次側冷媒C2より大量に用いられる一次側冷媒C1を屋内に漏出させてしまうことを無くして屋内における酸欠状態を回避し、しかも水に比べて相対的に調湿対象空気CA及び炭酸ガス間相互の熱交換を効率良く行うため、安全性確保を実現するとともに熱交換におけるエネルギー損失負担を回避して装置全体のエネルギー効率をより一層向上させることができる。
なお、顕熱輸送とは、温度変化による熱の授受を利用することをいう。
これに対して潜熱輸送とは、相変化による熱の授受を利用して熱を移送することをいう。
[第4実施例]
【0043】
次に、図4を参照しながら、第4実施例に係る空気調和装置400を説明する。
図4に示すように、第3実施例に係る空気調和装置400は、給気ダクト410、二段圧縮式冷凍機400A、第1熱回収器460、第2熱回収器470、及び屋内空気取り込み用ファン450を備えている。
【0044】
二段圧縮式冷凍機400Aは、それぞれが第1の冷媒間熱交換器の一例である高段側カスケードコンデンサ490A及び低段側カスケードコンデンサ490Bと、高段側に接続された蒸発器である高段側冷却器420と、低段側に接続された蒸発器である低段側冷却器430と、エバコンECと、高段圧縮機HPと、高圧受液器HRと、中間受液器MRと、低段圧縮機LPと、低圧受液器LRと、第2の冷媒間熱交換器の一例である高段炭酸ガス受液器HGRと、低段炭酸ガス受液器LGR、及び冷媒ポンプCP1−1、CP1−2、CP2を備え、二次側冷媒C2を高段側冷却器420及び低段側冷却器430に供給して調湿対象空気CAを冷却する。
【0045】
高段側カスケードコンデンサ490Aで冷却され液化された液体炭酸ガスは、高段炭酸ガス受液器HGRに入り液ヘッド差又は液ポンプにより高段側冷却器420及び屋内空気冷却器440に送られる。
高段側カスケードコンデンサ490A及び低段側カスケードコンデンサ490Bに送られたアンモニアなどの一次側冷媒C1は、高段側カスケードコンデンサ490A及び低段側カスケードコンデンサ490Bの屋内側に接続された部分の炭酸ガス等の二次側冷媒C2−1、C2−2を液化する。
液化した屋内側の炭酸ガスなどの二次側冷媒C2−2は、液ヘッド差又は液ポンプにより低段側冷却器430に送られ、主に潜熱負荷を取って蒸発し低段側カスケードコンデンサ490Bに戻る。
【0046】
一方、高段側冷却器420に送られた液体炭酸ガスなどの二次側冷媒C2−1は、調湿対象空気CAの負荷の一部を比較的高い蒸発温度で処理して、高段炭酸ガス受液器HGRに戻る。
この時、炭酸ガスによる熱交換と熱輸送は、潜熱変化を伴って行われるので、水を介在させる顕熱利用の時と比較して格段に効率が良くなる。
【0047】
この例のような高段側カスケードコンデンサ490A及び低段側カスケードコンデンサ490Bは、屋内でガス漏れがあった時、二段圧縮式冷凍機400Aの本体における大量の一次側冷媒C1すなわちアンモニアと繋がっていると中毒や酸欠等の大事故に結び付く可能性がある場合に使用し、大空間を持ち比較的換気しやすい工場等では必要としないことがある。
【0048】
空気調和装置400では、高段側カスケードコンデンサ490A及び低段側カスケードコンデンサ490Bが、建屋Bの屋外に設置され、二次側冷媒C2のうち高段側冷却器420及び低段側冷却器430のそれぞれで使用する冷媒C2−1、C2−2と屋内空気冷却器440で使用する冷媒C2−3が、相互に異なる種類の冷媒であり、屋内空気冷却器440で使用する冷媒C2−3が、高段側冷却器420及び低段側冷却器430のそれぞれで使用する冷媒C2−1、C2−2より安全性の高い冷媒であり、高段側冷却器420及び低段側冷却器430のそれぞれで使用する冷媒C2−1、C2−2と屋内空気冷却器440で使用する冷媒C2−3との間で熱交換を実施する高段炭酸ガス受液器HGRが、建屋Bの屋外に設置されていることにより、空気調和装置400は、一次側冷媒C1が屋内に大量に漏洩することを防止するため、エネルギー効率を優先して人体に有害な一次側冷媒C1を用いた場合でも空調時のエネルギー効率を向上させるとともに屋内にいる人間に有害な影響を与えないで安全確保をより一層実現するようになっている。
【0049】
また、空気調和装置400では、空気調和装置300と同様に、一次側冷媒C1が、アンモニアであり、二次側冷媒C2が、水又はブラインであってもよいし、一次側冷媒C1が、フロン、アンモニア、水、炭酸ガス、炭化水素の中の一つであり、二次側冷媒C2が、炭酸ガスであってもよく、空気調和装置300と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0050】
100、200、300、400 ・・・ 空気調和装置
110、210、310、410 ・・・ 給気ダクト
210A、310A、410A ・・・ 上流側ダクト部分
210B、310B、410B ・・・ 蒸発器間ダクト部分
210C、310C、410C ・・・ 下流側ダクト部分
111、211、311、411 ・・・ 吸入口
100A、200A、300A、400A ・・・ 二段圧縮式冷凍機
120、220、320、420 ・・・ 高段側冷却器
130、230、330、430 ・・・ 低段側冷却器
140、240、340、440 ・・・ 屋内空気冷却器
212、312、412 ・・・ 吸気口
260、360、460 ・・・ 第1熱回収器
270、370、470 ・・・ 第2熱回収器
150、250、350、450 ・・・ 屋内空気取り込み用ファン
380A ・・・ 高段側チラー
380B ・・・ 低段側チラー
490A ・・・ 高段側カスケードコンデンサ
490B ・・・ 低段側カスケードコンデンサ
EC ・・・ エバコン
HP ・・・ 高段圧縮機
HR ・・・ 高圧受液器
MR ・・・ 中間受液器
LP ・・・ 低段圧縮機
LR ・・・ 低圧受液器
CA ・・・ 調湿対象空気
OA ・・・ 屋外空気
IA ・・・ 屋内空気
C ・・・ 冷媒
C1 ・・・ 一次側冷媒
C2−1、C2−2、C2−3 ・・・ 二次側冷媒
P1 ・・・ 一次側冷媒循環経路
P2 ・・・ 二次側冷媒循環経路
B ・・・ 建屋
WT1、WT2 ・・・ 冷水タンク
WP1、WP2 ・・・ 冷水ポンプ
CP1−1、CP1−2、CP2 ・・・ 冷媒ポンプ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
建屋の屋外空気及び屋内空気のうち少なくとも屋内空気を含んだ調湿対象空気を前記建屋の屋内に給気する給気ダクトと、
該給気ダクトの途中に設けられているとともに前記調湿対象空気の主に顕熱を除去する高段側冷却器と、
該高段側冷却器からみて前記給気ダクトの下流側に設けられているとともに前記高段側冷却器で負荷の一部を除去された前記調湿対象空気の主に潜熱を除去する低段側冷却器と、
前記屋内空気の主に顕熱を除去する屋内空気冷却器と
を備えていることを特徴とする空気調和装置。
【請求項2】
前記高段側冷却器からみて前記給気ダクトの上流側ダクト部分に設置された第1熱回収器と、
前記給気ダクトのうち前記高段側冷却器及び低段側冷却器の間の蒸発器間ダクト部分に設置された第2熱回収器と
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記給気ダクトの吸入口に設置されて前記給気ダクトに前記屋内空気を取り込む屋内空気取り込み用ファンと
を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記高段側冷却器、低段側冷却器及び屋内空気冷却器に供給されて前記調湿対象空気の顕熱及び潜熱と前記屋内空気の顕熱を吸収する二次側冷媒の二次側冷媒循環経路と前記二次側冷媒を冷却する一次側冷媒の一次側冷媒循環経路とを物理的に分離した状態で前記一次側冷媒及び2次側冷媒相互間の熱交換を実施する第1の冷媒間熱交換器と
を備えていることを特徴とする請求項3に記載の空気調和装置。
【請求項5】
前記第1の冷媒間熱交換器が、前記建屋の屋外に設置され、
前記二次側冷媒のうち前記高段側冷却器及び低段側冷却器のそれぞれで使用する冷媒と前記屋内空気冷却器で使用する冷媒が、相互に異なる種類の冷媒であり、
前記屋内空気冷却器で使用する冷媒が、前記高段側冷却器及び低段側冷却器のそれぞれで使用する冷媒より安全性の高い冷媒であり、
前記高段側冷却器及び低段側冷却器のそれぞれで使用する冷媒と前記屋内空気冷却器で使用する冷媒との間で熱交換を実施する第2の冷媒間熱交換器が、前記建屋の屋外に設置されていること
を特徴とする請求項4に記載の空気調和装置。
【請求項6】
前記一次側冷媒が、冷媒としての性能が優秀なアンモニアであり、
前記二次側冷媒が、他の冷媒に比べて安全な水又はブラインであること
を特徴とする請求項4又は請求項5に記載の空気調和装置。
【請求項7】
前記一次側冷媒が、フロン、アンモニア、水、炭酸ガス、炭化水素の中の一つであり、
前記二次側冷媒が、炭酸ガスであること
を特徴とする請求項4又は請求項5記載の空気調和装置。
【請求項8】
前記高段側冷却器に接続されている高段圧縮機と前記低段側冷却器に接続されている低段圧縮機とが、ターボ冷凍機であり且つ可変速制御可能であること
を特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の空気調和装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−53772(P2013−53772A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190883(P2011−190883)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000235059)八洋エンジニアリング株式会社 (15)
【Fターム(参考)】