説明

空洞を形成する多層キャップを有する微細機械加工組立体

本発明は、多層高剛性キャップを有するシール空洞内に微細機械構造を製造するための方法を含む。キャップに用いられる高剛性材料は、パッケージングプロセスに内在する破壊的環境的影響力、及び環境的損傷から下にある微細構造体を保護する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、1)2003年2月25日付け出願の米国出願シリアル番号第10/374,150号、タイトル「Micromachined Assemnbly With A Multi-Layer Cap Defining A Cavity」、及び、2)2003年3月7日付け出願の米国特許出願シリアル番号第10/383,814号、タイトル「Micromachined Assembly With A Multi-Layer Cap Defining A Cavity」に対する優先権の利益を主張する。参照により、これらのすべては、以下に完全に記載されるがごとくそっくりそのまま本明細書中に組み込まれる。
発明の分野
本発明は、微小電気機械システム(MEMS)もしくは他の微小機械素子を組み込む集積回路の分野に関連し、特に、上記MEMSもしくは微小機械素子のカプセル化のためのシールされた空洞の作成に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば圧力センサーもしくはマイクロフォンのような種々の用途のための集積回路ウエハ上にシールされた空洞(シール空洞)を作り出すことが従来技術において知られている。また、ウエハ上において可動微小機械構成要素をシール空洞内でカプセル化することも知られている。シール空洞内での微小機械構造(体)のカプセル化は、いくつかの理由により望まれている。第一に、水蒸気、塵埃及び大気気体が該機械構造に隣接する空間に入ることを実質的に防ぐシールは、高湿度等の周囲条件に対する該微小機械構造の耐性を著しく高める。第二に、スラリーが微小機械構造を汚染する懸念を持つことなく標準水性ソー・スラリーを使用可能となるので、微小機械構造を有するウエハの方形切断及びパッケージ化が非常に容易になる。第三に、シール空洞が低圧もしくは極低圧にある場合、気体分子運動に起因するブラウンノイズが著しく低減され得る。
【0003】
薄膜堆積を用いて、MEMS素子を含有するシール空洞を作り出す方法は、従来技術においてよく知られている。この用途目的では、用語「薄膜堆積(薄膜蒸着)」は、原子が気相もしくはプラズマ相から微小機械素子を有するウエハの表面上へと集められるどのような堆積スキームをも意味する。例えば、白熱灯及び真空管それぞれを作り出す方法を開示する米国特許第5,285,131号及び第5,493,177号(両方ともMuller等に対するもの)参照のこと。薄膜堆積技術の使用は、薄膜が正確にパターン成形され得る点と、薄膜のウエハ面への付着が高品質である点と、ウエハ−ウエハ間の接合アプローチと比較して薄膜堆積技術に関連するコストが低い点とから望ましい。
【0004】
一般的な薄膜堆積法は次のようになる。シリコン基板は保護層で覆われ、保護層は選択的に除去され、これにより、シリコン・ウエハのカプセル化される領域を露出させる。次に、該構造層が形成される際に該層を支持させるために犠牲材料層が堆積させられる。構造層は、犠牲層上に堆積させられてパターン成形され、次いで、第2犠牲層で覆われる。第2犠牲層は、キャップ層をその形成中に支持する。第1及び第2犠牲層を除去してMEMSもしくは他の微小機械素子を解放するため、キャップ層を通るホールが下方の第1及び第2犠牲層までエッチングされ、エッチング剤が導入されて第1及び第2犠牲層を除去する。一度MEMS素子が解放されたら、キャップ層のホールは別の薄膜堆積法でシールされる。複雑な構造は、追加の構造層もしくは犠牲層を必要とするかもしれない。一般に、キャップ層は薄い窒化ケイ素層からなる。しかしながら、窒化ケイ素は非常に硬い材料であるので、窒化ケイ素を、応力を首尾良く制御して薄層で堆積させることは難しい。あるいは、キャップは、アルミニウムといった金属から形成される。この場合、キャップ厚はより大きくすることができる。しかしながら、その材料自体は延性があり、圧力によって歪み得る。そのため、今日利用できるキャッピング技術の一つの問題点は、キャップが比較的弱いことである。シール空洞が真空を取り囲む際に作り出される圧力差は、キャップを内側に崩壊させる。更に、パッケージング中にキャップにかかる応力は、キャップを内側に崩壊もしくは曲げさせ得る。例えば、プラスチックパッケージング内へのウエハの密封は、射出成形プロセス中、しばしば温度が約300℃で圧力が3000psiに達する高温高圧なプラスチックにキャップをさらす。そのような状況は、これらのキャップをしばしば損傷し得、その結果、カプセルで囲まれたもろい微細構造の破壊をもたらす。今日利用できる薄膜堆積を用いて形成されたキャップは、そのような圧力に耐えることはできない。
【0005】
パッケージングプロセス中の損傷を避けるため、ウエハ上の微小機械構造を、シリコン又はガラス製の第2ウエハで覆うことが先行技術において知られている。該第2ウエハは、エッチングした空洞(凹部)を微小機械構造上方に有し、また、微小機械構造を載せたオリジナルウエハに何らかの方法で付着される。微小機械構造を含むウエハとキャップを実現するウエハとの間の接合を作り出すためのいくつかの方法が技術的に知られている。更に、シールが形成される領域に共晶金属合金を堆積させてパターン化することにより、二つのウエハは、半田付けとほとんど同じ方法で接合され得る。しかしながら、これらの二枚ウエハ法のすべては、ウエハの加工処理に著しく費用がかさむのに加え、微小機械ウエハに対するキャッピングウエハシールを支持するのに必要な空間のため、ウエハ面上で利用できる素子領域を低減する。これにより、ウエハ当たりの素子が減り、素子当たりのコストが上がる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、シール空洞と周囲との間の圧力差、又はプラスチック射出成形プロセス中に微小機械素子がさらされ得る過酷な環境がもたらす損傷を微小機械素子が受けにくくなるように、微小機械素子をカプセル化する薄膜キャップを強化する方法を導入することが望まれるであろう。これはまた、ウエハ上のスペースをも保護する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、カプセル化されたMEMS素子をシールする先行技術方法の改良である。この改良は、比較的高い強度及び剛性によって特徴付けられる材料からなる層から薄膜キャップを形成することを含む。かかる材料は、例えば、酸化アルミニウムもしくはアルミナ(Al23)等であり、先行技術のアルミニウムキャップに用いられる材料よりも何倍も硬い。キャップの総剛性は、材料の硬度とキャップの厚さ両方の関数である。窒化ケイ素は、単位当たりベースでアルミナと同程度の強度であり得るが、薄い低応力窒化ケイ素層を堆積させる方法は知られていない。また、磁気ディスクドライブのヘッドにアルミナを適用することは、先行技術において知られている。しかしながら、MEMS素子の製造においてのアルミナの使用は全く知られていない。
【0008】
空洞を覆う密封シールを与えるために窒化ケイ素が用いられ得ることは、先行技術において知られている。しかしながら、プラスチックパッケージングの圧力、温度及び応力に耐えるのに十分厚くて堅く、かつ強くて応力の無い層を堆積させることは知られていない。厚い窒化ケイ素層を作り出す先行技術の試みは、非常に高い真性応力勾配を有するキャップをもたらした。この高い真性応力勾配は、キャップをウエハから引き離し、空洞のエルミート型(hermiticity)を破壊し得る。
【0009】
本発明は、内部領域の周りに閉じたカプセルを形成する基板及びキャップ構造を含む微細機械加工組立体を特徴とする。基板及びキャップが形成するカプセル内には微細構造(体)が配置され得、又は配置されないかもしれない。特に、本発明の一実施形態に従って構成される微細機械加工(された)組立体(アセンブリ)において、基板は、その上に微細構造体が配置され得る支持面を有する。キャップ層は、微細構造体の周りに配される支持面上の地点から延在する。キャップ層は、微細構造体の上に来る部分を含む。キャップ上層は、支持面から延在し、キャップ層を覆ってキャップ層と接するように配置させる。キャップ層及び支持面は、内部領域の周りに閉じたカプセルすなわちシール空洞を形成する。該カプセルは微細構造体を収容し得る。好ましい実施形態において、キャップ構造は、窒化ケイ素及びアルミニウムのような既知の先行技術材料に比べて高剛性であることによって特徴付けられる。
【0010】
キャップ上層及びキャップ層の一方又は両方は、高剛性で特徴付けられる一又は複数の材料からなる。該材料は、比較的厚い層に堆積させることができる。好ましい実施形態において、キャップ上層を形成する材料は、キャップ層を形成する材料に比べて比較的高い剛性であることによって特徴付けられる。別の実施形態において、キャップ層を形成する材料は、キャップ上層を形成する材料に比べて比較的高い剛性であることによって特徴付けられ得る。
【0011】
カプセル化を必要とし得る典型的な微細構造の例は、微小電気機械システム(MEMS)、表面弾性波(SAW)素子、薄膜バルク波共振子、集積回路(IC)、もしくは、基板とキャップ層の内側面との間の間隔の変動により、周囲圧力を測定するように適合された静電容量検出板を含むが、これらに限定はされない。
【0012】
本発明の一実施形態において、キャップ層は、支持面から最も離れた末端の上部部分を含む。該上部部分は、支持面と実質上平行な方向に延びる。キャップ層はまた、上部部分と支持面との間に延びる側方部分を含む。キャップ層は、エッチング剤を空洞内に導入して、キャップ層の構成に用いられたどのような犠牲材料をも、及び/又は、空洞内に用いられたどのような微細構造をも除去するため、キャップ層を通って延びる一又は複数のポートもしくは開口を含み得る。一実施形態において、ポートは、キャップ層の側方部分において支持面に対する垂線を実質上横断する方向に配置され得る。あるいは、ポートは、キャップ層の上部部分に配置され得る。更に別の実施形態において、基板は、支持面に対する垂線を実質上横断する方向に基板を通って延びる一又は複数のポートを含み得る。閉じたカプセルの内部領域は、実質上希ガスで満たされ得る。キャップ上層の適用は、ポートをシールするのに役立つ。
【0013】
好ましい実施形態において、キャップ上層は、多層(複数層)構造であり、キャップ層と隣接する最も内側の層を有する。キャップ上層は、比較的高いエネルギーでスパッタさせられた材料からなり得る。多層構造の少なくとも最下層は、比較的高いエネルギーでRFスパッタさせられた材料である。例えば、該最下層は、RFプラズマスパッタリングを用いて蒸着させた薄膜であり得る。キャップ上層の少なくとも二つの隣接する層は、高剛性材料(例えばアルミナ)からなる層であり得、また、該隣接する層の少なくとも一方は、好ましくは、RFスパッタさせられた層である。キャップ上層は、等級分けされた密度構造であり得る。キャップ上層は、好ましくは(必須ではないが)、キャップ層と隣接する領域を有し、該領域は、キャップ層の密度に比べて比較的高い密度であることによって特徴付けられる。
【0014】
本発明は、一形態において、低い真性応力を有するかもしくは応力の無い材料であって、プラスチックパッケージングの過酷さに耐えるのに十分堅い(一又は複数の)材料からなる一又は複数の層の堆積を含むプロセスによって製造される素子(デバイス)に向けられる。アルミナは好ましい材料である。更に、先行技術の材料に比べ高い剛性を有し、かつ、プラスチックパッケージングの過酷さに耐えることができる他のイオン結合材料もしくは共有結像材料もアルミナの代わりに使用され得る。従って、そのような用途に選択され得るキャップ材料には、イオン結合材料、共有結合材料、もしくは、イオン結合と共有結合が混合した材料が含まれる。
【0015】
本発明の一の模範的な実施形態において、高剛性材料すなわちアルミナからなるキャップ層は、伝統的なスパッタリング法又は他の堆積法によって複数層構造として堆積させられ得る。アルミナキャップ層の堆積中、鋭いエッジ(角)が下にある内側キャップ層もしくは微細構造層もしくは犠牲層に存在するキャップ構造の箇所における隙間の形成を避けるか、少なくとも最小にすることが重要である。キャップ上層中の隙間は、応力が集中し得、シールの傷害を結果としてもたらす可能性がある。更に、(微細機械加工されたキャップ構造の側部からホットプラスチックを射出させた形成された)モールドプラスチックパッケージ内に素子が分散させられる場合、プラスチック射出成形中にキャップ構造にかかる力を低減するため、キャップ構造の縁を滑らでかつ正角にすることが望ましい。隙間の形成を最小にし、かつ、キャップ構造の面をより正角にするため、キャップ構造は、好ましくは、変化する堆積条件下でいくつかの層に堆積させられる。本発明のある模範的な実施形態において、全キャップ上層又はキャップ層を構成する一又は複数の層の微細構造特性を制御するため、キャップ構造の種々の層は、スパッタリング蒸着技術を使用し、源と蒸着基板との間の変化するバイアス電圧を用いて、変化する蒸着周囲圧力下で適用(形成)され得る。そのような多層堆積法は、キャップ構造を形成する堆積材料中の応力の低減を与え、その結果、キャップ構造に非常に低い真性応力勾配をもたらし、高い周囲圧力下での座屈に対する耐性を付与する。
【0016】
更に、下にあるウエハの、キャップがウエハ面と接触する空洞の周囲付近に対するキャップ層の良好で均一な付着性を与えるように、下にあるウエハと直に接触する複数層の堆積特性が選択されなければならない。本出願において、「良好な付着性」とは、ガスに対する障壁をもたらし、かつ、真性応力によって又は環境ストレスにさらされた際、キャップ構造がウエハから分離することを防ぐのに十分なようにしっかりと固定されている付着を意味するものと定義される。スパッタリング蒸着システムの例において、ウエハ面は、好ましくは、下にある面に対するキャップ層の付着性を高めるため、堆積開始前にスパッタ洗浄される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、ウエハ面上に対象領域を囲む空洞の作成のための高剛性、高強度キャップを作り出す方法と、該キャップにおける隙間の形成を防ぐ技術とが開示される。ここで、キャップは、一又は複数の高剛性材料、例えばアルミナ等からなり、また、好ましくは、キャップの硬さ及び剛性、並びにウエハに対するキャップの付着性を高めるために設計された方法を用いて堆積(蒸着/析出)させられる。
【0018】
本出願において、用語「高剛性材料」は、以下、80GPaを超えるヤング率を有することによって特徴付けられる材料を意味するものと定義され、該材料は、厚さ5〜50ミクロンの層に堆積させられ得る。一又は複数の高剛性材料層からなるか、もしくは覆われるキャップ構造は、好ましくは、約60気圧までに相当する均一な圧力に耐えるのに十分堅く、その初期位置から1ミクロンを超えてゆがむキャップ構造部分は無い。現存する先行技術における薄膜キャッピング(キャップ被覆)法は、そのような剛性を実現することはできない。その理由は、先行技術で教示される薄膜層は、一般的な微細構造(微細構造体(物))にキャップを被せる対象となる寸法範囲で十分厚く堆積させることができないからである。
【0019】
以下の模範的な実施形態の記述において、説明を容易にするため、Z軸加速度計として利用可能な模範的なMEMS微細構造体が使用される。該模範的MEMS素子は、取り付けられた空洞内でZ方向に移動できるように、薄い支持部材によって一点で固定されるパドル形状のMEMS微細構造体からなる。この構成は、ここに開示する方法を説明するためだけの例であることが企図され、本開示の範囲を制限することを企図しない。当業者は、ここに開示する模範的な方法及びキャップが、他のMEMS微細構造体もしくは他の素子と関連して、又は内部微細構造体の無い空洞と関連して使用され得、かつ、本発明が該模範的な方法及びキャップに限定されないことを認識するであろう。
【0020】
図面は、カプセル化された微細構造体を製造するための模範的な工程順序を例示する。最初に、例えば、図1A及び1Bに示すような、窒化ケイ素層4が被覆され、かつオリジナルCMOS集積回路に接続する金属パッド8及び10を有するシリコンCMOSウエハ2等の基板が得られる。該基板は支持面を有し、該支持面は、空洞の壁の一部を形成する。一実施形態において、基板は、支持面がパッシベーション層であるCMOS構造であり得、また、該基板内に形成されるCMOS回路構成を含み得る。この例において、金属パッド8へのアクセスを可能にするため、隙間が窒化ケイ素層4に設けられる。例示した模範的な実施形態において、金属パッドはアルミニウムであるが、代わりに銅もしくは他の導体材料であってもよい。ここで留意すべきは、CMOSもしくは他の電子的形態のシリコン・ウエハがこのプロセスに使用される必要はなく、また、ウエハ自体がケイ素である必要もない点である。当業者は、本発明が、例えばガリウムヒ素等、いかなる材料からなるウエハにも適用できることを認識するであろう。
【0021】
製造プロセスの始めに、図2A及び2Bに示すように、標準CMOSウエハ2のパッシベーション層、本例では窒化ケイ素層4の上部に犠牲材料層12が堆積させられる。
【0022】
ある模範的な実施形態において、MEMS素子製造工程のすべて又はいくつかは、完全CMOSウエハ2の上部において、低温で、そのためウエハの回路に影響を及ぼさないままで行われ得る。パッシベーション層4のアクセスバイアは、CMOS IC設計中に残され得、また、金属接点へのアクセスが望まれる場合、犠牲層12は、これらのバイア上で除去される。露出した金属接点8のような金属接点は、後に、MEMS微細構造体と下方のCMOSウエハ2内のCMOS回路構成との間を接続するために用いられる。
【0023】
微細構造体14は、例えば、Al、W、Ti、Ta、Cu、Ni、Au、Mo等のどのような金属からでも構成され得る。特定の微細構造体のための材料の選択は、多くの要因から決定される。かかる起因には、例えば、材料における残留応力勾配が特定用途に対してどの程度許容されるかと、特定用途のニーズに適合する該構造の質量要求と、犠牲材料を除去するが、窒化ケイ素パッシベーション層4及び微細構造体14に対し低エッチング速度を有する選択的な腐食(エッチング)液の利用可能性とが含まれる。
【0024】
MEMS構造層の堆積は、図3A及び3Bに示される。MEMS微細構造体14は、当業者に知られている先行技術の方法によって堆積させられ、望ましくない部分は、エッチング除去され、これにより、所望形状の微細構造体14を残す。該構造体に所望パターンを作り出すため、減じる方法及び加える方法の両方が使用され得る。図3Aの上面図は、固定(アンカー)点に取り付けられた長く薄いビームを有するパドルのような模範的な構造形状を明確に示す。上記固定点は本例では金属接点8である。
【0025】
次に、図4A及び4Bに示すように、第2犠牲層16が微細構造体14上に堆積させられ得る。第2犠牲層16部分は、底部犠牲層12部分と接触するようになり、特に、微細構造体のパドル形状本体の縁付近の領域部分と、微細構造体の薄い接続ビーム部分15の両側の領域部分とに接触することが上面から理解され得る。
【0026】
腐食液が導入された際、追加の腐食液エントリホールをエッチングすることなく犠牲層12及び16がエッチング除去されるように、両層は同じ材料からなりかつ互いに連通することが好ましい。あるいは、微細構造体14の形状及び複雑性からの要求により、犠牲層12及び16は異なる材料からなり得る。模範的な微細構造体の構成には必要ないが、上記同様の空洞内のより複雑な微細構造体すなわち複合微細構造体が、種々の犠牲層のエッチング除去を異なる時間で必要とするかもしれず、これには、該種々の犠牲層のための異なる材料及び異なる腐食液を用いることが必要となる。
【0027】
犠牲層12及び16のための好ましい一材料はフォトレジストである。フォトレジストは、微細構造体14、窒化ケイ素パッシベーション層4もしくはキャップ層18を破壊しない酸素プラズマガスを用いて容易にエッチング可能であるために選択され得る。犠牲層12及び16が異なる材料からなる場合、一方に対し選択性があり他方に対して選択性がない腐食液を選ぶことにより、これらを別々にエッチングすることが可能である。
【0028】
次いで、キャップ層18が犠牲層12及び16上に堆積させられる。キャップ層18は、微細構造体14の周りに配置された面の支持面上の地点から延在して、微細構造体上に重なる部分を含む。キャップ層18は、一又は複数のキャップ上層の適用(形成)の前に、技術的に知られている標準技術を用いて選択的に適用され得る。キャップ層18は、例えば、キャップ層18が金属からなる場合等、微細構造体14の操作に必要であり得る。
【0029】
キャップ層18の模範的な堆積法は、図5A及び5Bに示される。キャップ層18は、微細構造体の望ましい電気的操作次第で絶縁体又は導体からなり得る。更に、キャップ層18は、十分低い残留応力を有しなければならず、また、犠牲層12及び16が除去された後、座屈しないために十分な厚さでなければならない。好ましい実施形態において、キャップ層18は、微細構造体14に対して選択されたものと同じ金属からなる。しかし、別の実施形態において、キャップ層18は、選択された腐食液に対し耐性がある例えば窒化ケイ素等のどのような材料からでもなり得る。キャップ層18はまた、キャップ上層を構成する層に使用するものと同じ高剛性材料からなり得る。キャップ層18は、当該集積回路の非MEMS部分へのアクセスを与えるためにパターン化されて除去され得る。更に、犠牲層12及び16を除去する腐食液の導入のためのアクセスを提供するため、腐食液アクセスホールもしくはポート20がキャップ層18にエッチングされ得る。
【0030】
一実施形態において、キャップ層18は、支持面から最も離れた末端上部の部分であって支持面と実質上平行な方向に延びる上部部分と、該上部部分と支持面との間に延在する側方部分とを含む。この実施形態において、腐食液アクセスポート20は、キャップ層18の上記側方部分に配置され得る。あるいは、上記ポートは、キャップ層18の上記上方部分に配置され得、又は、基板は、該基板の支持面に対する垂線(法線)を実質上横断する方向に該基板を通って延びる一又は複数の腐食液アクセスポート20を含み得る。
【0031】
あるいは、本発明によれば、キャップ層18は、犠牲層16の除去前に該犠牲層上に直接堆積させられるであろう高剛性キャップ上層に対して選択されるものと同じ高剛性材料からなり得る。この場合、キャップ層18は、機械的強度の向上を与えるために選択された高剛性材料からなり得る。該機械的強度の向上は、破壊抵抗、硬度及び歪(引っ張り)抵抗の向上を含み、他方、付随的に下にあるカプセル化された微細構造体に対し優れたシールを与える。
【0032】
適切な高剛性材料は、アルミナ、炭化ケイ素、酸化ジルコニウム、又は、どのようなイオン結合材料、共有結合材料もしくは混合イオン・共有結合(イオン結合と共有結合の混合)材料をも含むことができる。キャップ上層26のための適切な高剛性材料には、アルミナ、酸化チタン、酸化インジウムスズ(インジウムスズ酸化物)、酸化ジルコニウム、イットリウム安定化酸化ジルコニウム、窒化チタン、窒化ジルコニウム、立方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タングステン、炭化バナジウム、炭化ホウ素、炭化ジルコニウム、ホウ化ニオブ、炭化物、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、炭化タンタル、酸化セリウム、ホウ化クロム、酸化クロム、酸化ベリリウム、酸化スカンジウム、タングステン及びタングステン合金、酸化マグネシウム、ムライト、ダイヤモンド、キン青石、フェライト、及びガーネットを含むが、これらに限定はされない。
【0033】
あるいは、上記素子は、腐食液アクセスホールのエッチングが全く必要ないように調整され得る。その代わりに、キャップ層18は、支柱で支持され得、また、腐食液アクセスは、図9A及び9Bに示すように、支柱間の犠牲材料のエッチング除去を通じて実現され得る。一旦すべての犠牲材料が下キャップ層18からエッチング除去されたら、該下キャップ層が窒化ケイ素、アルミナもしくは高剛性材料であろうとなかろうと、微細構造体14は、犠牲層12及び16がそれまで占有していた空洞22内を移動可能であり、ビーム15はスプリングとして機能し、接続パッド8は固定(アンカー)点としての役割を果たす。
【0034】
図8A〜8Dに示すように、キャップ上層26は、堆積特性を改善するため、変化する条件下において多層(複数(複合)層)で適用され得る。換言すれば、好ましい実施形態において、キャップ上層26は、キャップ層18と隣接する最も内側の層を有する多層構造である。この実施例において、三つの層26a〜26cが示される。キャップ上層26を形成する多層の各層は、伝統的なスパッタリング法又は他の既知の堆積法によって適用され得る。ある模範的な実施形態において、キャップ上層26を形成する多層のうちの一又は複数の層は、変化する堆積条件下で堆積させられ得る。例えば、図8Bに示す第1層26aでは、圧力は2〜100mTの範囲であり得、30mTが最適値である。
【0035】
一実施形態において、キャップ上層26は、等級分けされた密度構造であって、キャップ層と隣接する比較的高密度な領域を有し得る。堆積プロセス中のバイアス電圧をかけることが、形成中の層の表面を均等化(平滑化/平準化)する傾向があることが分かった。そのため、隙間の形成を避けるため、第1キャップ層はバイアス電圧を用いて形成されることが望ましく、この場合、キャップ層26aは、下にある構造にどのようなとがった(鋭い)ものが来てもこれを覆う。適用される正確なバイアス電圧は、蒸着(堆積)に使用されているスパッタリング機によって変わる。例えば、Comptech社が製造したモデル620Bを使用する場合、約30mTorrの圧力で約180vのバイアス電圧が望ましい特性を作り出すことが分かった。従って、この特定の装置では、電力はほぼ0.5〜10watts/cm2であり得、また、バイアス電圧は約90〜200vであり得る。
【0036】
好ましくは、スパッタリング蒸着装置は、第1導電性板(酸化アルミニウム等の蒸着材料を支持する)と第2導電性板(蒸着材料が蒸着させられる基体を支持する)との間のRF生成プラズマ(好ましくは、アルゴン等の不活性ガスから生じる)を使用する。バイアス電圧、好ましくは、先行技術のスパッタリング蒸着システムに用いるバイアス電圧に比べて高いバイアス電圧が、第2板に向かうプラズマ中のイオンを優先的に加速するため、第1及び第2板間に確立される。その結果として、蒸着材料においての比較的低いエネルギーのイオン衝撃が、基体に蒸着させられる材料の比較的低速のスパッタリングをもたらすと共に、基体においての比較的高いエネルギーのイオン衝撃が、緩く結合した蒸着材料をそこから打ち落とす。結果として、稠密で安定した蒸着層が基体上に形成される。
【0037】
比較的高いバイアス電圧の使用は、最も内側のキャップ上層26aが適用される層次第で、キャップ層18上又は最も上方の犠牲材料層16上に来るとがったものがもたらす「シャドーイング(遮蔽)」効果を低減する傾向にあることが分かった。図8Cに示す第2高剛性層26bの適用において、バイアス電圧は除かれ得る。これは、該層の厚さを一様にする傾向にある。次いで、第3層26Cが、これも90v〜200vのバイアスを用いて適用され得る。各層が適用される際の圧力と変化するバイアス電圧の組合せは、キャップ全体をより正角にする傾向にあり、また、高剛性材料の真性応力を除去するのに役立つ。該高剛性材料の真性応力は、これがもし大きい場合、キャップ構造をウエハベースから引き離し得る。好ましくは、多層キャップ構造の真性応力勾配は、該キャップの周囲でゼロであるかゼロに近く、この場合、該キャップ構造は基板層2に接触する。
【0038】
第1高剛性層が犠牲層上に直接堆積させられた場合には、腐食液アクセスホールが第1高剛性材料層にエッチングされるか又は第1キャップ層を支持する支柱間に自然に形成されるかにかかわらず、第2高剛性材料層はまた、どのような腐食液アクセスホールをもシールするのに役立つ。
【0039】
上述した模範的な実施形態は三層キャップ構造を含むが、当業者は、キャップ層18もしくはキャップ上層26の一方もしくは両方が一又は複数の層からなり得ることを理解するであろう。
【0040】
ある模範的な実施形態において、キャップ上層26もしくはキャップ層18の一又は複数の層は、下にある微細構造体に対する熱的損傷を最小にするように選択された温度で堆積させられる。例えば、キャップ上層26もしくは内側キャップ層18の一層は、125℃未満で堆積させられ得、又は、ある実施形態では100℃未満で堆積させられ得る。
【0041】
キャップ上層26もしくは内側キャップ層18の一又は複数の層はまた、微細構造体を有する空洞内部のガスをシーリングする目的で、アルゴンもしくは希ガス等の不活性ガスの存在下で低圧で堆積させられ得る。例えば、キャップ上層26は、真空槽内のアルゴン雰囲気で、堆積を促進するのに十分な10mT未満の低圧で堆積させれ得る。結果として、該キャップ構造で形成された空洞は、微細構造体の周りに低圧不活性環境を作り出すためにシールされ得る。キャップ上層26である全後続層を含む追加層は、代わりのガスの存在下で高圧で堆積させられ得る。
【0042】
ウエハ及び微細構造体の配列関係次第で、層26a、26b及び26cを含むアルミナもしくは他の高剛性材料からなる多層によって内側チャンバの周囲に十分に優れたシールを得ることができるかもしれず、又はできないかもしれない。従って、本発明の追加の実施形態において、良好な障壁として機能する薄い材料、好ましくは窒化ケイ素からなる追加層は、最も外側の層であるキャップ上層26上に堆積させられ得る。これにより、微細構造体を収容するチャンバに対して改良したシールを与えることができる。
【0043】
多層アプローチは、極めて強く、かつ環境的影響力からの損傷に耐える材料からなる比較的厚い層を作り上げることができる利点を有する。理想的には、高剛性キャップ上層の累積層は、カプセル化されているウエハの領域次第で、厚さ5〜50ミクロンであり得る。ここに開示した方法は、プラスチック射出成形法で一般的に見られるように、300℃までの温度で600〜3000psiの圧力に耐えることができるキャップ構造を作り出すであろう。更に、この方法で作り出されるキャップ構造は、十分に堅いものとなるであろうし、また、キャップ構造のどの部分もその初期位置から1ミクロンを超えてゆがむことなく、60気圧と同等の均一な圧力に十分耐える、ウエハとの付着性を有するであろう。高剛性で堅いキャップ構造を有するシール空洞内に微細構造体を作り出す一般的な方法を示すため、Z軸加速度計として利用可能な簡易な微細構造体が記述された。しかしながら、当業者には認識されるように、また発明者が企図するように、本方法は、犠牲層及び構造層の多くの組合せを含むより複雑な微細構造を作るために使用され得る。積層された犠牲材料及び構造材料の多くの層からなる可動構造が本発明の範囲内にあることも企図される。
【0044】
最後に、本方法を示す図面は縮尺比に従って拡大したものではなく、この点において本方法の限定として解釈されるべきではない。本明細書中で用いた用語「シール(された)空洞」は、開口の全く無い空洞を意味するが、必ずしも密封してシールされる必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1A】MEMS微細カプセル化構造のベースとしてのシリコンCMOSウエハの上面図である。
【図1B】MEMS微細カプセル化構造のベースとしてのシリコンCMOSウエハの側断面図である。
【図2A】犠牲層が堆積させられたウエハの上面図である。
【図2B】犠牲層が堆積させられたウエハの側断面図である。
【図3A】構造層が付加されたウエハの上面図である。
【図3B】構造層が付加されたウエハの側断面図である。
【図4A】第2犠牲層が堆積させられたウエハの上面図である。
【図4B】第2犠牲層が堆積させられたウエハの側断面図である。
【図5A】内側キャップ層が適用されたウエハの上面図である。
【図5B】内側キャップ層が適用されたウエハの断面図である。
【図5C】内側キャップ層が適用されたウエハの断面図である。
【図6A】内側キャップ層に腐食(エッチング)液アクセスホールが設けられたウエハの上面図である。
【図6B】内側キャップ層に腐食(エッチング)液アクセスホールが設けられたウエハの断面図である。
【図6C】内側キャップ層に腐食(エッチング)液アクセスホールが設けられたウエハの断面図である。
【図7A】犠牲層がエッチング除去された後のウエハの上面図である。
【図7B】犠牲層がエッチング除去された後のウエハの断面図である。
【図7C】犠牲層がエッチング除去された後のウエハの断面図である。
【図8A】三つの外側キャップ層が適用されたウエハの上面図である。
【図8B】三つの外側キャップ層が適用されたウエハの断面図である。
【図8C】三つの外側キャップ層が適用されたウエハの断面図である。
【図8D】三つの外側キャップ層が適用されたウエハの断面図である。
【図9A】横方向腐食液アクセスホールを作り出すために支柱を用いた、本発明の実施形態の側面図である。
【図9B】横方向腐食液アクセスホールを作り出すために支柱を用いた、本発明の実施形態の上面図である。
【符号の説明】
【0046】
2 ウエハ
4 窒化ケイ素パッシベーション層
8 金属パッド
12 犠牲材料層
14 微細構造体
16 第2犠牲材料層
18 キャップ層
22 空洞
26 キャップ上層
















【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ上にシールされた空洞を作り出す方法であって、
ウエハ上に一又は複数の犠牲材料層を堆積させ、該犠牲材料を成形する工程と、
一又は複数の犠牲材料層上に第1キャップ層を堆積させる工程と、
第1キャップ層と第1キャップ層の下にあるウエハ部分とが前記空洞を形成するように一又は複数の犠牲材料層を除去する工程と、
第1キャップ層上に一又は複数の追加キャップ層を堆積させる工程とを含み、
一又は複数の追加キャップ層は高剛性材料から形成され、該一又は複数の追加キャップ層はウエハと接触する方法。
【請求項2】
前記高剛性材料は、イオン結合材料、共有結合材料及び/又は混合イオン・共有結合材料からなる群から選択される請求項1の方法。
【請求項3】
前記堆積高剛性材料は、全堆積層の総厚が約50ミクロン未満である場合、600psiを超える圧力及び300℃までの温度に耐えることができる請求項1の方法。
【請求項4】
前記堆積高剛性材料は、初期位置から1ミクロンを超えてゆがむことなく、60気圧までの均一な圧力に耐えることができる請求項1の方法。
【請求項5】
前記一又は複数の犠牲材料層を除去する工程は、前記第1キャップ層に一又は複数の腐食液アクセスホールを作り出す工程と、該一又は複数の腐食液アクセスホールを通じて一又は複数の犠牲材料層に腐食液を導入する工程とを含む請求項1の方法。
【請求項6】
前記一又は複数の犠牲材料層を除去する工程は、該一又は複数の犠牲材料層を通る複数の支柱を作り出す工程と、犠牲材料が除去された後、該複数の支柱が第1キャップ層を支持するように第1キャップ層を堆積させる工程とを含む請求項1の方法。
【請求項7】
前記ウエハが非平面であり、かつ該ウエハの非平面領域と前記高剛性キャップ層とが前記空洞を形成するように、ウエハの面の一部を除去する工程を更に含む請求項1の方法。
【請求項8】
前記高剛性層の少なくとも一つは、バイアス電圧の存在下でスパッタリング機で堆積させられる請求項1の方法。
【請求項9】
前記一又は複数の高剛性層は、比較的低い真性応力勾配と、該一又は複数の高剛性材料層とウエハとの間の境界での良好な付着性とを有する請求項8の方法。
【請求項10】
前記一又は複数の高剛性材料上層を堆積させる工程は、バイアス電圧の存在下で第1高剛性材料層を堆積させる工程と、一又は複数の追加高剛性材料層を堆積させる工程とを更に含む請求項9の方法。
【請求項11】
前記一又は複数の追加高剛性材料層を堆積させる工程は、バイアス電圧をかけずに第2高剛性材料層を堆積させる工程と、バイアス電圧の存在下で第3高剛性材料層を堆積させる工程とを更に含む請求項10の方法。
【請求項12】
前記一又は複数の高剛性材料層は、2mTorr〜100mTorrの圧力でのスパッタリングにより堆積させられる請求項1の方法。
【請求項13】
前記一又は複数の高剛性材料層は、30mTorrの圧力下で堆積させられる請求項12の方法。
【請求項14】
前記第1キャップ層は、前記シール空洞が10mTorr以下の圧力の不活性ガスで満たされるように、不活性ガスの存在下の比較的低圧力で堆積させられる請求項1の方法。
【請求項15】
前記第1キャップ層も高剛性材料からなる請求項1の方法。
【請求項16】
前記高剛性材料は、酸化チタン、酸化インジウムスズ、酸化ジルコニウム、イットリウム安定化酸化ジルコニウム、窒化チタン、窒化ジルコニウム、立方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タングステン、炭化バナジウム、炭化ホウ素、炭化ジルコニウム、ホウ化ニオブ、炭化物、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、炭化タンタル、酸化セリウム、ホウ化クロム、酸化クロム、酸化ベリリウム、酸化スカンジウム、タングステン及びタングステン合金、酸化マグネシウム、ムライト、ダイヤモンド、キン青石、フェライト、及びガーネットからなる群から選択される請求項1の方法。
【請求項17】
最も外側の前記高剛性材料層上に追加材料層を堆積させる工程を更に含む請求項1の方法。
【請求項18】
前記追加層は窒化ケイ素からなる請求項17の方法。
【請求項19】
前記シール空洞内に微細構造体を形成する工程を更に含む請求項1の方法。
【請求項20】
微細シール空洞であって、
ウエハと、
ウエハの少なくとも一部を覆うキャップ構造であって、ウエハと接触して該キャップ構造下に空洞を形成する、高剛性材料からなるキャップ構造とを備える微細シール空洞。
【請求項21】
前記高剛性材料は、イオン結合材料、共有結合材料及び/又は混合イオン・共有結合材料からなる群から選択される請求項20の微細シール空洞。
【請求項22】
前記キャップ構造は、全堆積層の総厚が約50ミクロン未満である場合、600psiを超える圧力及び300℃までの温度に耐えることができる請求項20の微細シール空洞。
【請求項23】
前記キャップ構造は、初期位置から1ミクロンを超えてゆがむことなく、60気圧までの均一な圧力に耐えることができる請求項20の微細シール空洞。
【請求項24】
前記キャップ構造は、一又は複数の高剛性材料層を含む請求項20の微細シール空洞。
【請求項25】
前記キャップ構造は多層構造であり、該多層構造層の少なくもと一つは、バイアス電圧の存在下で堆積させられる請求項24の微細シール空洞。
【請求項26】
前記キャップ構造は、バイアス電圧の存在下で堆積させた第1高剛性材料層と、バイアス電圧をかけずに堆積させた第2高剛性材料層と、バイアス電圧の存在下で堆積させた第3高剛性材料層とを備える請求項25の微細シール空洞。
【請求項27】
前記一又は複数の高剛性材料層は、2mTorr〜100mTorrの圧力下で堆積させられる請求項24の微細シール空洞。
【請求項28】
前記一又は複数の高剛性材料層は、30mTorrの圧力下で堆積させられる請求項27の微細シール空洞。
【請求項29】
前記第1高剛性材料層は、微細シール空洞が10mTorr以下の圧力の不活性ガスで満たされるように、不活性ガスの存在下の低圧力で堆積させられる請求項20の微細シール空洞。
【請求項30】
前記キャップ構造は、低真性勾配と、該キャップ構造とウエハとの間の接触点での良好な付着性とを有する請求項20の微細シール空洞。
【請求項31】
前記キャップ構造は、低真性勾配と、該キャップ構造とウエハとの間の接触点での良好な付着性とを有する請求項25の微細シール空洞。
【請求項32】
前記高剛性材料は、酸化チタン、酸化インジウムスズ、酸化ジルコニウム、イットリウム安定化酸化ジルコニウム、窒化チタン、窒化ジルコニウム、立方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タングステン、炭化バナジウム、炭化ホウ素、炭化ジルコニウム、ホウ化ニオブ、炭化物、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、炭化タンタル、酸化セリウム、ホウ化クロム、酸化クロム、酸化ベリリウム、酸化スカンジウム、タングステン及びタングステン合金、酸化マグネシウム、ムライト、ダイヤモンド、キン青石、フェライト、及びガーネットからなる群から選択される請求項20の微細シール空洞。
【請求項33】
最も外側の前記高剛性材料層上に堆積させた追加層を更に備え、該追加層は該微細シール空洞のシールを提供する請求項20の微細シール空洞。
【請求項34】
前記追加層は窒化ケイ素からなる請求項33の微細シール空洞。
【請求項35】
該微細シール空洞内に形成された微細構造体を更に備える請求項20の微細シール空洞。
【請求項36】
微細構造体を収容するためのウエハにおいて、
前記微細構造体上に一又は複数の高剛性材料層を堆積させて、ウエハと該一又は複数の高剛性材料層との間にシール空洞を形成したことを特徴とするウエハ。
【請求項37】
前記一又は複数の高剛性材料層は犠牲材料層に直接堆積させられ、犠牲材料は実質上除去される請求項36のウエハ。
【請求項38】
前記一又は複数の高剛性材料層は、犠牲材料上に第1高剛性材料層を堆積させる工程と、犠牲材料を除去する工程と、第1高剛性材料層上に一又は複数の後続高剛性材料層を選択的に堆積させる工程とを含む方法によって堆積させられる請求項37のウエハ。
【請求項39】
前記第1高剛性材料層はウエハ上に支持され、前記犠牲材料を除去する工程は、犠牲材料をエッチング除去するためにエッチング剤がそれを通じて導入される一又は複数のホールを第1高剛性材料層にエッチングする工程を含み、前記一又は複数の後続高剛性材料層は、第1高剛性材料層の一又は複数のホールをシールする役割を果たす請求項38のウエハ。
【請求項40】
前記高剛性材料は、イオン結合材料、共有結合材料及び/又は混合イオン・共有結合材料からなる群から選択される請求項36のウエハ。
【請求項41】
前記高剛性材料は、酸化チタン、酸化インジウムスズ、酸化ジルコニウム、イットリウム安定化酸化ジルコニウム、窒化チタン、窒化ジルコニウム、立方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タングステン、炭化バナジウム、炭化ホウ素、炭化ジルコニウム、ホウ化ニオブ、炭化物、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、炭化タンタル、酸化セリウム、ホウ化クロム、酸化クロム、酸化ベリリウム、酸化スカンジウム、タングステン及びタングステン合金、酸化マグネシウム、ムライト、ダイヤモンド、キン青石、フェライト、及びガーネットからなる群から選択される請求項36のウエハ。
【請求項42】
前記一又は複数の高剛性材料層造は、全堆積層の総厚が約50ミクロン未満である場合、600psiを超える圧力及び300℃までの温度に耐えることができる請求項36のウエハ。
【請求項43】
前記一又は複数の高剛性材料層は、初期位置から1ミクロンを超えてゆがむことなく、60気圧までの均一な圧力に耐えることができる請求項36のウエハ。
【請求項44】
最も外側の前記高剛性材料層上にシール層を更に備える請求項36のウエハ。
【請求項45】
前記シール層は窒化ケイ素からなる請求項44のウエハ。
【請求項46】
前記第1高剛性材料層は、犠牲材料を通って形成された複数の支柱によってウエハ上に支持され、前記犠牲材料を除去する工程は、
ウエハをエッチング剤にさらす工程と、
エッチング剤が複数の支柱間の犠牲材料をエッチング除去することを許容し、これにより、エッチング剤が第1高剛性材料層下に配置された犠牲材料をそれを通じてエッチングできるアクセスバイアを形成する工程とを含み、
前記一又は複数の後続高剛性材料層は、複数の支柱間に形成されたアクセスバイアをシールする役割を果たす請求項38のウエハ。
【請求項47】
前記第1高剛性材料層は、第1バイアス電圧の存在下で堆積させられる請求項38のウエハ。
【請求項48】
前記第1バイアス電圧は約90〜200ボルトである請求項47のウエハ。
【請求項49】
第2高剛性材料層がバイアス電圧をかけずに堆積させられる請求項47のウエハ。
【請求項50】
第3高剛性材料層が第2バイアス電圧の存在下で堆積させられる請求項49のウエハ。
【請求項51】
前記第2バイアス電圧は約90〜200ボルトである請求項50のウエハ。
【請求項52】
全高剛性材料層は、2mTorr〜100mTorrの圧力下で堆積させられる請求項38のウエハ。
【請求項53】
全高剛性材料層は、約30mTorrの圧力下で堆積させられる請求項52のウエハ。
【請求項54】
前記一又は複数の後続高剛性材料層の第1層は、前記微細シール空洞が10mTorr以下の圧力の不活性ガスで満たされるように、不活性ガスの存在下の低圧力で堆積させられる請求項38のウエハ。
【請求項55】
前記一又は複数の高剛性材料層はキャップ層上に堆積させられ、該キャップ層は前記空洞を形成する請求項36のウエハ。
【請求項56】
前記一又は複数の高剛性材料層は、犠牲材料を除去する工程と、キャップ層上に該一又は複数の高剛性材料層を堆積させる工程とを含む方法によって堆積させられる請求項55のウエハ。
【請求項57】
前記キャップ層はウエハ上に支持され、前記犠牲材料を除去する工程は、犠牲材料をエッチング除去するためにエッチング剤がそれを通じて導入される一又は複数のホールをキャップ層にエッチングする工程を含み、前記一又は複数の後続高剛性材料層は、キャップ層の一又は複数のホールをシールする請求項56のウエハ。
【請求項58】
前記キャップ層は、犠牲材料を通って形成された複数の支柱によってウエハ上に支持され、前記犠牲材料を除去する工程は、ウエハをエッチング剤にさらす工程と、エッチング剤が複数の支柱間の犠牲材料をエッチング除去することを許容し、これにより、エッチング剤がキャップ層下に配置された犠牲材料をそれを通じてエッチングできるアクセスバイアを形成する工程とを含み、前記一又は複数の高剛性材料層は、複数の支柱間に形成されたアクセスバイアをシールする役割を果たす請求項56のウエハ。
【請求項59】
前記キャップ層は、窒化ケイ素及びアルミニウムからなる群から選択される材料からなる請求項55のウエハ。
【請求項60】
前記一又は複数の高剛性材料層を堆積させる工程は、第1バイアス電圧の存在下で第1高剛性材料層を堆積させる工程と、第2高剛性材料層を堆積させる工程と、第2バイアス電圧の存在下で第3高剛性材料層を堆積させる工程とを含む請求項56のウエハ。
【請求項61】
前記第1バイアス電圧は約90〜200ボルトであり、第2バイアス電圧は約50〜100ボルトである請求項60のウエハ。
【請求項62】
前記一又は複数の高剛性材料層は、2mTorr〜100mTorrの圧力下で堆積させられる請求項56のウエハ。
【請求項63】
前記一又は複数の高剛性材料層は、約30mTorrの圧力下で堆積させられる請求項62のウエハ。
【請求項64】
前記一又は複数の高剛性材料層の第1層は、前記微細シール空洞が10mTorr以下の圧力の不活性ガスで満たされるように、不活性ガスの存在下の低圧力で堆積させられる請求項56のウエハ。
【請求項65】
カプセル化された微細機械加工組立体を製造する方法であって、
基板を準備する工程と、
基板上に第1犠牲材料層を堆積させる工程と、
第1犠牲材料層上に所望形状の微細構造体を形成する工程と、
第1犠牲材料層上に微細構造体を覆う第2犠牲材料層を堆積させる工程と、
第1及び第2犠牲材料層の上部に第1キャップ層を堆積させる工程と、
第1及び第2犠牲材料層を除去する工程と、
第1キャップ層の上部に高剛性材料からなる一又は複数の追加キャップ層を堆積させる工程とを含む方法。
【請求項66】
前記第1キャップ層を形成する材料も高剛性材料である請求項58の方法。
【請求項67】
前記一又複数の追加キャップ層の最も外側の層上にシール層を堆積させる工程を更に含む請求項65の方法。
【請求項68】
前記高剛性材料は、イオン結合材料、共有結合材料及び/又は混合イオン・共有結合材料からなる群から選択される請求項65の方法。
【請求項69】
前記一又は複数のキャップ層は、全堆積層の総厚が約50ミクロン未満である場合、600psiを超える圧力及び300℃までの温度に耐えることができる請求項65の方法。
【請求項70】
前記一又は複数のキャップ層は、初期位置から1ミクロンを超えてゆがむことなく、60気圧までの均一な圧力に耐えることができる請求項65の方法。
【請求項71】
MEMS素子であって、基板と、基板上に形成される微細構造体と、微細構造体を覆うキャップと、キャップを覆う一又は複数の追加高剛性材料層とを備えるMEMS素子。
【請求項72】
前記第1高剛性材料層は、第1バイアス電圧の存在下で堆積させられる請求項71のMEMS素子。
【請求項73】
前記第2高剛性材料層はバイアス電圧をかけずに堆積させられる請求項71のMEMS素子。
【請求項74】
前記第3高剛性材料層は、第2バイアス電圧の存在下で堆積させられる請求項71のMEMS素子。
【請求項75】
外側シール層を更に備え、該外側シール層は最も外側の高剛性材料層を覆う請求項71のMEMS素子。
【請求項76】
前記高剛性材料は、イオン結合材料、共有結合材料及び/又は混合イオン・共有結合材料からなる群から選択される請求項71のMEMS素子。
【請求項77】
前記一又は複数の高剛性材料層は、全堆積層の総厚が約50ミクロン未満である場合、600psiを超える圧力及び300℃までの温度に耐えることができる請求項71のMEMS素子。
【請求項78】
前記一又は複数の高剛性材料層は、初期位置から1ミクロンを超えてゆがむことなく、60気圧までの均一な圧力に耐えることができる請求項71のMEMS素子。
【請求項79】
微細機械加工組立体であって、
一側部に支持面を有する基板と、
支持面上の対象領域の周りに配される支持面上の地点から延在し、かつ該対象領域上に来る部分を含むキャップ層と、
支持面から延在し、キャップ層上にキャップ層と隣接して配置されるキャップ上層とを備え、
キャップ層、キャップ上層及び支持面は、前記対象領域を含む内部領域の周りに閉じたカプセルを形成し、
キャップ層及びキャップ上層の少なくとも一方は高剛性材料から形成される微細機械加工組立体。
【請求項80】
前記材料の高剛性は、キャップ層及びキャップ上層のどの部分も初期位置から1ミクロンを超えてゆがむことなく、キャップ層及びキャップ上層が約60気圧までの均一な圧力に耐えるのに十分なものである請求項79の微細機械加工組立体。
【請求項81】
前記キャップ層及びキャップ上層は、ガス状態から基板上に堆積させられる薄膜からなる請求項79の微細機械加工組立体。
【請求項82】
前記支持面は実質上平面である請求項79の微細機械加工組立体。
【請求項83】
前記支持面の対象領域上に配置される微細構造体を更に備える請求項79の微細機械加工組立体。
【請求項84】
前記微細構造体は微小電気機械システム(MEMS)である請求項83の微細機械加工組立体。
【請求項85】
前記微細構造体はSAW(表面弾性波)素子である請求項83の微細機械加工組立体。
【請求項86】
前記微細構造体は薄膜バルク波共振子である請求項83の微細機械加工組立体。
【請求項87】
前記微細構造体は、支持面とキャップ層の内側面との間の間隔の変化により、周囲圧力を測定するように適合された容量検出板である請求項83の微細機械加工組立体。
【請求項88】
前記微細構造体は集積回路(IC)である請求項83の微細機械加工組立体。
【請求項89】
前記キャップ層は、支持面から最も離れた上部部分を含み、該上部部分は、支持面と実質上平行な方向に延び、キャップ層は、上部部分と支持面との間に延びる側方部分を含む請求項79の微細機械加工組立体。
【請求項90】
前記キャップ層は、支持面に対する垂線を実質上横断する方向にキャップ層を通って延びる一又は複数のポートを含む請求項79の微細機械加工組立体。
【請求項91】
前記キャップ上層は、前記一又は複数のポート内に配置される請求項90の微細機械加工組立体。
【請求項92】
前記キャップ上層は、前記一又は複数のポート上及び該ポートの周囲に配置される請求項90の微細機械加工組立体。
【請求項93】
前記キャップ層は、
支持面から最も離れた上方部分であって、支持面と実質上平行な方向に延びる上方部分と、
上方部分と支持面との間に延びる側方部分とを含み、
前記ポートは、キャップ層の側方部分に配置される請求項90の微細機械加工組立体。
【請求項94】
前記キャップ層は、前記素子支持面から最も離れた上方部分であって、素子支持面と実質上平行な方向に延びる上方部分を含み、前記ポートは、キャップ層の上方部分に配置される請求項90の微細機械加工組立体。
【請求項95】
前記内部領域は希ガスで実質上満たされる請求項79の微細機械加工組立体。
【請求項96】
前記希ガスは、約.01〜10Torrの圧力である請求項95の微細機械加工組立体。
【請求項97】
前記キャップ上層は、キャップ層と隣接する最も内側の層を有する複数層構造である請求項79の微細機械加工組立体。
【請求項98】
前記複数層構造内の少なくとも前記最も内側の層は、比較的高いエネルギーのRFスパッタ材料である請求項97の微細機械加工組立体。
【請求項99】
前記複数構造の少なくとも二つの隣接する層は、異なる条件下での配置に相当する材料特性を有する請求項97の微細機械加工組立体。
【請求項100】
前記隣接する層の少なくとも一層は、RFスパッタ層からなる請求項99の微細機械加工組立体。
【請求項101】
前記キャップ上層は、キャップ層と隣接する比較的高い密度領域を有する等級分けされた密度構造である請求項79の微細機械加工組立体。
【請求項102】
前記キャップ上層は、比較的高いエネルギーのスパッタ材料である請求項101の微細機械加工組立体。
【請求項103】
前記比較的高いエネルギーのスパッタ材料は、酸化チタン、酸化インジウムスズ、酸化ジルコニウム、イットリウム安定化酸化ジルコニウム、窒化チタン、窒化ジルコニウム、立方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タングステン、炭化バナジウム、炭化ホウ素、炭化ジルコニウム、ホウ化ニオブ、炭化物、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、炭化タンタル、酸化セリウム、ホウ化クロム、酸化クロム、酸化ベリリウム、酸化スカンジウム、タングステン及びタングステン合金、酸化マグネシウム、ムライト、ダイヤモンド、キン青石、フェライト、及びガーネットからなる群から選択される請求項102の微細機械加工組立体。
【請求項104】
前記基板は、前記素子支持面がパッシベーション層であるCMOS構造であり、かつ、素子支持面と該支持面とは反対側の側部のベース面との間の基板内に形成されたCMOS回路素子を含む請求項79の微細機械加工組立体。
【請求項105】
前記基板は、支持面に対する垂線を実質上横断する方向に該基板を通って延びる一又は複数のポートを含む請求項79の微細機械加工組立体。
【請求項106】
微細機械加工組立体であって、
一側部に支持面を、該支持面とは反対側の側部にベース面を有する基板と、
支持面上に配置される微細構造体と、
支持面上の地点から延在し、微細構造体の少なくとも一部上に配置される、スパッタ蒸着させられたキャップ層とを備え、
キャップ層及び素子支持面は、微細構造体を含む内部領域の周りにカプセルを形成し、
キャップ層は、高剛性で特徴付けられる材料から形成される微細機械加工組立体。
【請求項107】
前記微細構造体は微小電気機械システム(MEMS)である請求項106の微細機械加工組立体。
【請求項108】
前記微細構造体は、微小電気機械システム(MEMS)、表面弾性波(SAW)素子、薄膜バルク波共振子、集積回路(IC)、及び、基板とキャップ層の内側面との間の間隔の変化により、周囲圧力を測定するように適合された容量検出板のうちの少なくとも一つである請求項106の微細機械加工組立体。
【請求項109】
前記キャップ層は、支持面に対する垂線を横断する方向にキャップ層を通って延びる一又は複数のポートを含む請求項106の微細機械加工組立体。
【請求項110】
前記キャップ層は複数層構造である請求項106の微細機械加工組立体。
【請求項111】
微細構造であって、ウエハと、キャップとを備え、キャップは、ウエハとキャップとの間に空洞を形成するため、閉じた外周の周囲でウエハと接触し、キャップは複数の層からなる微細構造。
【請求項112】
前記キャップの複数の層の個々の層は、異なる材料からなる請求項111の微細構造。
【請求項113】
前記キャップの複数の層の個々の層は、一又は複数の異なる堆積パラメータ下で堆積させられた請求項111の微細構造。
【請求項114】
前記堆積パラメータは、温度、バイアス電圧、及びスパッタ蒸着装置の圧力からなる群から選択される請求項113の微細構造。
【請求項115】
堆積させられる前記複数の層の第1層は、該第1層とウエハとの間に良好な付着性をもたらすように選択された前記パラメータを用いて堆積させられる請求項113の微細構造。
【請求項116】
前記複数の層は、層から層への適合性を促すように選択された前記パラメータを用いて堆積させられる請求項113の微細構造。
【請求項117】
前記複数の層のうちの少なくとも一つは、スパッタ源とウエハとの間の比較的高いバイアス電圧の存在下で堆積させられる請求項116の微細構造。
【請求項118】
堆積させられる前記複数の層の第1層は犠牲材料層上に堆積させられ、該犠牲材料は、実質上除去される請求項111の微細構造。
【請求項119】
前記複数の層はスパッタ蒸着させられた請求項111の微細構造。
【請求項120】
前記複数の層のうちの少なくとも一層は、イオン結合材料、共有結合材料及び混合イオン・共有結合材料からなる群から選択される材料からなる請求項111の微細構造。
【請求項121】
前記キャップ層の複数の層のうちの少なくとも一層は、酸化チタン、酸化インジウムスズ、酸化ジルコニウム、イットリウム安定化酸化ジルコニウム、窒化チタン、窒化ジルコニウム、立方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タングステン、炭化バナジウム、炭化ホウ素、炭化ジルコニウム、ホウ化ニオブ、炭化物、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、炭化タンタル、酸化セリウム、ホウ化クロム、酸化クロム、酸化ベリリウム、酸化スカンジウム、タングステン及びタングステン合金、酸化マグネシウム、ムライト、ダイヤモンド、キン青石、フェライト、及びガーネットからなる群から選択される比較的高い剛性の材料からなる請求項111の微細構造。
【請求項122】
前記キャップは、前記複数の層の総厚が約50ミクロン未満である場合、600psiを超える圧力及び300℃までの温度に耐えることができる請求項111の微細構造。
【請求項123】
前記キャップは、初期位置から1ミクロンを超えてゆがむことなく、60気圧までの均一な圧力に耐えることができる請求項111の微細構造。
【請求項124】
前記空洞内に配置された微細構造体を更に備える請求項111の微細構造。
【請求項125】
ウエハ上にシールされた微細空洞を作り出す方法であって、
ウエハ上に一又は複数の犠牲材料層を堆積させる工程と、
犠牲材料上に複数のキャップ層を堆積させる工程とを含み、
複数のキャップ層の個々の層は、一の層と次の層との間で、一又は複数の堆積パラメータを変更することにより、又は材料を変更することにより形成される方法。
【請求項126】
前記犠牲材料を除去する工程を更に含む請求項125の方法。
【請求項127】
前記堆積パラメータは、温度、バイアス電圧及び圧力からなる群から選択される請求項125の方法。
【請求項128】
前記キャップ層の少なくとも一つは、高バイアス電圧を用いて堆積させられる請求項127の方法。
【請求項129】
前記複数のキャップ層の少なくとも一層は、イオン結合材料、共有結合材料及び混合イオン・共有結合材料からなる群から選択される材料からなる請求項125の方法。
【請求項130】
前記複数のキャップ層の少なくとも一層は、酸化チタン、酸化インジウムスズ、酸化ジルコニウム、イットリウム安定化酸化ジルコニウム、窒化チタン、窒化ジルコニウム、立方晶窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タングステン、炭化バナジウム、炭化ホウ素、炭化ジルコニウム、ホウ化ニオブ、炭化物、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、炭化タンタル、酸化セリウム、ホウ化クロム、酸化クロム、酸化ベリリウム、酸化スカンジウム、タングステン及びタングステン合金、酸化マグネシウム、ムライト、ダイヤモンド、キン青石、フェライト、及びガーネットからなる群から選択される高剛性材料からなる請求項125の方法。

【公表番号】特表2007−524514(P2007−524514A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503872(P2006−503872)
【出願日】平成16年2月25日(2004.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/005618
【国際公開番号】WO2004/077523
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(505222738)アイシー メカニクス インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】