空間多重化により、画像を秘密に保持する表示システム
空間多重化による画像修正を用いて、画像表示装置上に基本画像を秘密に保持するシステムと方法であり、基本画像を構成する基本画像の構成要素を、これから適当に決定された反転画像の構成要素と空間多重化により複合させ、画像表示装置の隣接する表示領域/ピクセルと並んで、基本画像を中和させ、裸眼では実質的に特色のないように合成画像を生じさせる。基本画像の構成要素と並ぶ表示装置のピクセルは、反転画像の構成要素と並ぶ隣接したピクセルと交差して偏光され、基本画像の構成要素と並ぶピクセルの偏光状態と対応するように偏光された適当なアイウェアを付けた正当な視聴者によって基本画像を読み取れるようにする。対応する表示領域の偏光状態を変えるように可変の偏光子を用いたり、基本画像、及び反転画像の構成要素を異なるように偏光された表示領域と並ぶように位置を変えることで、安全性を向上させてもよい。さらに、基本画像の構成要素と並ぶピクセルの偏状態と対応して同期して偏光される能動的なアイウェアを用いて、基本画像の読み取りを可能にしてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、表示画像を秘密に保持する表示技術に関する。より具体的には、本発明は、空間多重化(spatial multiplexing)により画像を修正する技術を用いて、基本表示画像を遮蔽(マスク)又は中和させて、裸眼では判読できないように表現する(レンダリング)ことで、意図された視聴者に対してのみ画像の読み取りを可能にした、秘密に保持する表示システムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、テレビジョン、及びパーソナルビデオエンターテイメントシステム等の様々なシステムでビデオディスプレイが用いられるにつれて、意図された者にだけ表示内容を秘密に見せて、許可されていない者に見せる可能性をなくすことに対する必要と要望が増えてきている。
【0003】
従来、許可されていないビデオディスプレイが見られることを防ぐため、様々な装置が導入されてきた。最も簡単な装置では、一般に、“防眩(アンチ−グレア)”プライバシースクリーン及び/又はフード及びシールドの形態を備えている。このような装置は、通常、デスクトップコンピュータのディスプレイに用いられて、大抵、ディスプレイの真正面にいる者に対してのみ限定的に見せるようにしている。これらは、幾分、効果的であるが、肩越しに覗く者の目視を防ぐことができないため、安全性は低かった。
【0004】
他の装置では、“遮蔽(マスキング)画像”を導入することで、意図されていない視聴者が基本画像を見ることを防ぐように開発されたものがある。米国特許第5,614,920号明細書は、このような装置の一つについて開示しており、ビデオディスプレイと視聴者との間に置かれた光の点滅スクリーンを用いて、基本画像を隠している。そして、光のパルスを防ぐように時間的に同期されたシャッター眼鏡を用いて基本画像を見せるようにすることで、秘密に見せている。
【0005】
また、米国特許第5,537,476号及び第5,619,219号明細書には、他の同様な装置が開示されている。これら装置は、基本画像を生じさせるのに用いられる波長から変調された、第2の遮蔽用ライト又は“主な”色のセットを導入することで、画像を安全に見せるようにしている。そして、波長が変調された画像を防ぎ、基本画像を通過させるように、特別に構成された狭いバンドのフィルタ眼鏡を通して構成画像を見せることで、安全に見せるようにしている。
【0006】
さらに他の装置では、基本画像に対して遮蔽画像を混合させる"時分割多重化(time multiplexing)"の技術を用いて、公に見せることを隠している。このようなシステムは、通常、遮蔽、及び基本画像の表示フレームを交互に替えており、時間的に同期されたシャッターアイウェアを用いて、基本画像を読み取れるようにしている。しかしながら、これらシステムは、ディスプレイのふらつき(フリッカー)という特有の問題を含んでおり、時には、ビデオの“フラッシュ”フレームが眼を悩ませることもあった。このため、このような時分割多重化のシステムは、カソードレイチューブ(CRT)ディスプレイにより適するとされており、これは、典型的な液晶ディスプレイ(LCD)よりもかなり速いリフレッシュレートで操作できるためである。このタイプのシステムの例は、米国特許第5,629,984号、第5,963,371号明細書、及び日本国公開公報特開平5−119754号に開示されている。
【0007】
より洗練された、秘密に保持する表示システムとして、本発明と同一の出願人によって出願中の、米国特許出願第10/205864号及び第10/205866号明細書に開示されたものがあり、これら開示内容は、本明細書に参考として包含されている。上述したものと同様に、これらシステムは、経時的に画像を多重化させている。しかしながら、この場合、色の反転技術を用いており、基本画像を、適当に決定された反転画像を用いて、時分割多重化により符号化させることで、中和的で、実質的に特色のない複合画像を生じさせており、そして、適切に同期化されたアイウェアを用いることでのみ、読み取れる(復号化させる)ようにしている。
【0008】
これらシステムでは、安全性を一層高めるため、基本画像の対応する色の構成要素を連続的に符号化させるように、より複雑に同期化された可変型の色のフィルタの読み取り用アイウェアを必要とすることがある。このようなシステムは、安全性が高く、悩ましいディスプレイのフリッカーと眼の疲れの問題を低減できるが、これは、基本画像の少なくとも一つの色の構成要素を常に表示させるためである。しかしながら、このようなシステムは、依然として時分割多重化のコンセプトを用いるものであり、また、LCDでも利用可能だが、依然として高速の通常のCRTディスプレイにより適していた。
【0009】
しかし、LCDは、この平坦なスクリーン、薄い形状、高い解像度、及び低い電力消費のため、ほとんどの携帯可能なラップトップコンピュータでディスプレイとして選ばれており、これに合せて、秘密に保持して表示する需要も広く求められてきている。このため、LCDにより特化された幾つかの装置が導入されてきており、例えば、LCDスクリーンのトップの偏光レイヤを取り除き、秘密に保持して表示するように試みたものがある。これは、偏光眼鏡を付けている者を除いて、ディスプレイを“見えなく”させている。1996年1月30日付けの米国特許第5,488,496号明細書は、このような装置の一例について開示している。しかしながら、この秘密に保持する表示システムは、幾分効果的であるものの、適当に偏光された眼鏡を付けている者ならば誰にでも無防備であり、しかも通常のポラロイド眼鏡を用いた者ですら隠された画像を見ることができた。さらに、このスクリーンは、秘密に保持する表示モードと、通常の表示モードとの間で容易に変換することができなかった。この一般的なタイプに関する他の例として、日本国公開公報特開平7−84253号、特開平4−107524号、特開平2−116826号及び特開平5−173127号の開示内容を参照できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上のように、特に一般的なLCDに関する従来技術の限界のため、単純化され、低コストで、秘密に保持して表示し、全ての色/全ての映像と画像を用いる任意の分野で用いることができる、より優れた手段が求められている。さらに、今日のLCDで、より良好に秘密に保持して表示させるため、上記問題点を解決するとともに、高速の時分割多重化による技術や、複雑で、コスト高な追加的な及び/又は波長を変調させる遮蔽用光源を用いることを避けることが求められている。
【0011】
本出願の改良された画像を秘密に保持する表示システムと方法は、以下において詳述するように、上記目的を達成するとともに、実施コストを最小にして、さらに、今日のビデオディスプレイで安全に見せることを大幅に高めている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に従う装置と方法は、本明細書に記載のように、空間多重化による画像の修正技術を用いて、表示画像を秘密に保持することを可能にする。
【0013】
一般に、画像を空間多重化により修正するコンセプトには、画像表示装置上で基本画像を他の画像と幾何学的に組合せるプロセスが含まれる。適当な画像と組合わされると、空間多重化による画像修正によって、基本画像の遮蔽が可能になる。この際、区画、横列、縦列等の規則的(又は不規則的)な配列を基本画像から取り除いて、遮蔽画像の対応する部分と取替えることにより、裸眼から基本画像を隠すように、組合わされた画像を生じさせることができる。
【0014】
遮蔽画像は、基本画像を判読できないように表現できる任意の構成要素でもよいが、本発明の実施形態の一つでは、画像表示装置上で、基本画像を、この真のカラーの反転画像と幾何学的に組合せて、裸眼に対して実質的に特色がないように表れるように、組合わされた中和的な画像を生じさせる。このことは、画像表示装置上で、基本画像、及び反転画像の構成要素(又は代表値)を空間多重化により複合させることで行っており、これらは分離しているが、隣接する表示領域と関連する。尚、本明細書と添付した特許請求の範囲で用いられる用語の“隣接”は、画像表示装置の表示領域について参照される時、近くを意味するために用いられるが、共通の境界を有することを必要としない。
【0015】
基本画像、及び反転画像の構成要素に対応する表示領域は、静的又は動的な画像表示装置の、一つ又は複数のピクセルやサブピクセルと通常のように関連していたり、又は含んでいてもよい。このように、これらは一般に大きさが微小であり、人間の目ではこれらを識別することが困難なように十分に小さい。そして、基本画像、及び反転画像の構成要素は組合わされると、基本画像を中和させて、裸眼では実質的に判読できないように表現できる。
【0016】
このような空間多重化により複合された中和的な画像では、初めの基本画像が対応する反転画像の構成要素を含むように修正することを必要とする。一般的に、用いられる基本画像の構成要素の各々には、対応して得られた反転画像の構成要素が必要とされる。このため、反転画像の構成要素の各々は、初めの基本画像の構成要素を基本画像から除くことを必要とする。この結果、組合わされた画像は、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素の隣接し、幾何学的に混合された集合体として基本的に構成されて、全体として裸眼で眺められる時、中和的で、実質的に特色のないように表れる。
【0017】
複合された基本画像の構成要素は、公に見られることからは隠されるけれども、初めの基本表示画像を示している。基本画像の構成要素、即ち基本表示画像を、秘密に保持して表示するためには、基本画像の構成要素が関連している画像表示装置の表示領域を、遮蔽画像の構成要素が関連している近くの表示領域に対し、常に交差して偏光させるように(例えば、一つの偏光状態が他方によって放たれた光を防ぐように)、システムを構成する。従って、基本画像の構成要素と関連する表示領域の偏光状態と整合するように、適当に偏光されたアイウェアを用いることで、全ての遮蔽画像の構成要素を効果的に防ぎ、基本画像の構成要素だけを通過させることで、秘密に保持して表示させる。組合わされ、複合された画像は、意図されていない視聴者の裸眼によっては判読できないように基本画像を表現し、そして、適当な偏光アイウェアを付けた正当な視聴者には、基本画像に対し完全にアクセスできるように、秘密に見せている。
【0018】
異なる偏光状態の隣接する表示領域を備えるように画像表示装置を構成することは、様々な従来技術の任意のものを用いることで達成できる。実施形態の一つでは、異なる偏光状態の隣接した領域を有する、微小偏光オーバーレイ又はインレイを、画像表示装置に含ませてもよい。このことは、空間的に交互に偏光されたフィルタを用いたり、又は、隣接する表示領域の偏光状態を回転させるように交互に光のリターダーを用いることで達成できる。また、マイクロ偏光子を用いて、画像表示装置の様々に構成された表示領域/ピクセルと並んだ様々な偏光の隣接領域が、このような表示領域の偏光状態を、マイクロ偏光子の対応して並ぶ領域のものに変化させるように、構成し、配置してもよい。
【0019】
他の実施形態では、隣接する表示領域の偏光状態を変えるように、画像表示装置に電子制御可能な偏光子を含ませてもよい。このような電子制御可能な偏光子は、静的又は動的な表示システムに用いることができ、印加される電圧に基づいて透過光の偏光角度を効果的に回転させるように、表示装置に加えられる液晶回転子(rotator)の形態を有していてもよい。画像表示装置の表示領域ごとに、基本、又は遮蔽画像の構成要素とこのような表示領域が関連しているかに基づいて、透過光を0又は90度で回転させるように偏光角度を設定してもよい。
【0020】
隣接する表示領域の偏光状態を変えるために電子制御可能な偏光子を用いることで、安全性を高めるという所定の長所が得られる。画像表示装置の個々の表示領域の偏光状態を変化させる性能を備えることで、基本画像の構成要素と関連した表示領域の偏光状態を規則的又は不規則的に変えることが可能になる。正当な視聴者に付けられるように提供される偏光アイウェアは、基本画像の構成要素と関連した表示領域と共に偏光状態を変えるように同期化されることで、アイウェアの偏光が、基本画像の構成要素のものと整合し続けるようにして、基本画像の読み取りを可能にする。この実施形態では、基本画像の読み取りを行うために、もはや単に受動的な偏光アイウェアを用いない。
【0021】
注目すべきことは、前の表示フレーム内に並べられたものとは異なるように、偏光の固定領域と並ぶように基本画像の構成要素の表示位置を規則的又は不規則的に変えることで、電子表示装置内で同様の効果を達成することができる。この実施形態では、遮蔽画像の構成要素によって占められていたピクセル位置で、初め抑制されていた基本画像の構成要素を回復させて、他のピクセル位置で前に表示されていた、これら基本画像の構成要素を新しい遮蔽画像の構成要素に変えるようにする。この場合、基本画像、及び遮蔽画像の各構成要素の物理的な表示位置は、表示装置のリフレッシュレートと同期して、所定の又は不規則的な順番のパターンに従って、変更されたり、スイッチされる。
【0022】
また、このように基本画像、及び遮蔽画像の構成要素の表示位置を変えることで、初め表示されていた基本画像の構成要素を取戻せるようにして、画像の解像度を向上させるという際立った長所が得られる。所定の基本画像の構成要素を常に表示させるのではなく、隣接する基本画像の構成要素を所望の順番で交互に表示できるようにして、基本画像の全解像度を取戻せるようにしてもよい。
【0023】
正当な視聴者によって付けられる偏光アイウェアが、基本画像の構成要素の位置の変化に合せて、偏光状態を同期して変化させて、基本画像の構成要素の表示領域と整合するようにアイウェアを偏光させ続けることで、同じように読み取れるようにする。同様に、基本画像の読み取りのために、もはや単に受動的な偏光アイウェアを用いない。
【0024】
安全性は低まるが、基本画像の構成要素の交互の表示位置と同期して操作されるように、可変型の偏光子を組合せて用いることで、読み取られた基本画像を全解像度で得られるように、受動的な偏光アイウェアを用いて読み取りを行うシステムも考えられる。
【0025】
基本画像を遮蔽するために反転画像の構成要素を用いる、好適な実施形態では、異なるオーバーレイ画像を示すオーバーレイ画像の構成要素を反転画像の構成要素の一部として加えたり、含ませることで、より安全性を高めることができる。この場合、基本画像の構成要素は、対応する反転画像の構成要素によって依然として中和されるが、一般的な公の視聴からは、静的または動的、例えば、映像のいずれであっても、異なるオーバーレイ画像を見ることになる。従って、オーバーレイ画像は、組合わされた、実質的に特色のない画像の“上”に表れて、システムオペレーターによって、意図されていない視聴者が異なる画像を見ていることを信じさせるようにだますことになる。しかし、オーバーレイ画像の構成要素は反転画像の構成要素の一部として含まれるため、基本画像の構成要素と関連する表示領域の偏光状態と整合する、適当な偏光アイウェアを付けた正当な視聴者の視聴からは同様に防がれる。
【0026】
上述した例では、異なる偏光状態の隣接する表示領域を用いて構成可能な画像表示装置に関する様々な手段について示したが、本発明を実施するため、画像表示装置の隣接する表示領域に対して、異なる偏光状態を設定する任意の手段を用いることは可能であることを理解されたい。
【0027】
以上、説明したように、基本画像を修正する際、画像表示装置の隣接し、交差して偏光された表示領域と関連して、対応する基本画像、及び遮蔽画像の構成要素を表示させるために、空間多重化により複合できる。これにより、ほとんど又はまったく表示のフリッカーがなく、そして、裸眼では判読できないように基本画像を表現する、安全性の高い、組合わされた画像を生じさせることができる。そして、適当な偏光アイウェアを用いることで、この組合わされた画像の複合を除いて、基本画像を秘密に保持して表示することができる。このことは、高速の画像信号の多重送信や、手間がかかり、コスト高な、追加の及び/又は波長を変調させた遮蔽用光源を必要とすることなく達成できる。
【0028】
本発明に係る上述した、又は他の目的と長所は、本明細書に添付した図を参照して、以下の詳細な説明から、より十分に明らかになるであろう。尚、これら図を通して、同一又は同様の部品を参照するために、同様の参照番号が用いられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、本明細書と添付した特許請求の範囲に記載のように、空間多重化による画像の修正技術を用いて、表示画像を安全に、秘密に見せる。ここで開示される発明のコンセプトは、一般に、電子画像又はプリント画像のいずれにも用いることができるが、以下の明細書の説明では、ビデオディスプレイ上に見ることができる、電子画像について主に説明する。しかしながら、同じ空間多重化による技術を用いて、基本画像を意図されていない視聴者から遮蔽させて、意図された視聴者にだけ秘密に保持して表示するように、プリント時に、プリント媒体を修正するように本発明を適用することは可能であることを理解されたい。
【0030】
本発明についてより明瞭に説明するため、第一に、ビデオディスプレイによって形成される光に属し、人間の目には同じ様に映る“主な色の組合せ”のコンセプトについて簡単に説明する。カラーテレビジョンやCRTディスプレイから、LCDスクリーン、プラズマディスプレイ等まで、ほとんど全ての一般のビデオディスプレイでは、赤、青及び緑の3つの主要な色の光の組合せによって、画像を生じさせている。ビデオディスプレイは、典型的に、ピクセルと呼ばれる、数千もの小さな領域を有し、これらは、特定の位置で画像を示す特定の色の光を生じさせている。各ピクセルは、次に、三つ組みの小さな領域、又はサブピクセルを一般に構成し、これらは、個々に主要な色の赤、青及び緑を生じさせることができる、小さな発光体(phosphors)、カラーフィルタ、又は同様物を構成する。
【0031】
ビデオディスプレイ上に生じる色の画像を見るとき、人間の目では各赤、緑、又は青のサブピクセルを別々に見分けることができない。むしろ、各主要な色の構成要素の強度に基づいて、人間の目の中にある、色を感受する部位(コーン)が主要な色に反応して、ビデオディスプレイを見る者が、多くの色の組合わされた範囲を見ることで、所望の完全な画像を見ている。従って、各サブピクセルによって生じる光の変化する強度に基づいて、対応するピクセルが、人間の目には異なる色として生じるように合成の光を生じさせている。与えられたピクセルの全ての赤、青及び緑の構成要素の強度が同一の場合、人間の目には、ピクセルが中和的な白い光を生じさせているように見える。ほとんど全ての電子的に形成される画像は、このように構成されている。
【0032】
さらなる説明のため、図1を参照すると、画像表示装置1、例えば、電子表示装置(ディスプレイ)について概略的に示しており、これは、表示領域3の行列として構成され、各表示領域は、一つ又は複数のピクセル位置、又はピクセル位置のグループ(例えば、横列、縦列等)と関連していたり、含んでいてもよく、これらは、画像表示装置上に表示される個々の画像の構成要素と関連する。図1に示すように、この結果、基本画像は、複数の各基本画像の構成要素F11−FMNにより示され、この際、符号“M”及び“N”は、夫々、特定の構成要素の横列及び縦列の、特定のピクセル位置を示している。尚、図解を容易にするため、添付した図に示された個々の画像の構成要素/ピクセルは、かなり拡大して参照されていることを理解されたい。実際の画像表示装置1、例えば、LCDでは、隣接する構成要素/ピクセルの間の境界は、裸眼では識別することが実質的に困難である。
【0033】
本発明では、空間多重化により画像を修正することで、基本画像を秘密に保持して表示するが、このことには、基本画像を遮蔽するために、基本画像を他の画像と幾何学的に組合せるプロセスが含まれる。この場合、基本画像から、区画、横列、縦列等の規則的(又は不規則的)な配列を取り除き、遮蔽画像の対応する区間と取替えて、この結果、裸眼では基本画像が見えなくなるように(隠すように)組合わされた画像を生じさせてもよい。画像がピクセルから構成されるとき、この画像の組合せは、ピクセルごとに基づいていてもよく、又は、ピクセルのグループごとに基づいていてもよい。
【0034】
任意の構成要素から遮蔽画像を構成することができるが、好ましくは、反転画像のように、初めの基本画像から構成する。反転画像は、基本画像と組合わされるとき、中和されて、特色のない画像を生じさせるものである。基本画像をこの反転画像と空間多重化により複合させるとき、基本画像のピクセルは、反転画像のピクセルと空間的に複合される。
【0035】
このことは、例えば、本発明の実施形態の一つに係る、図2A、2B及び2Cから最良に参照することができる。基本画像に含まれる基本画像のピクセルは、ここから得られた、対応する反転画像のピクセルと空間多重化により複合される。特に、図2Aを参照すると、対応する、基本画像、及び反転画像の構成要素の個々の対を示す、ピクセルの対5を、例えば、チェス盤のような格子状の態様で、画像表示装置1上に表示することができる。あるいは、対応する、基本画像、及び反転画像の構成要素と関連するピクセルのグループを、ピクセルの横列(図2B参照)、ピクセルの縦列(図2C参照)、又は不規則的に、ピクセルの対の間の距離が大きくなり過ぎないように配置させてもよい。しかし、理想的には、各ピクセルの対5を、互いに直接的に隣接させる。
【0036】
このように空間多重化により画像を生じさせる場合には、初めの基本画像が、対応する遮蔽画像の構成要素を含むように修正することを必要とする。反転画像の構成要素を用いる好適な実施形態では、用いられる基本画像の構成要素(F)の各々に、対応して得られた反転画像の構成要素(I)を必要とする。このため、各反転画像の構成要素は、基本画像から、初めの基本画像の構成要素を除くことを必要とする。
【0037】
この基本画像の修正については、図2A−2Cから参照できる。図2Aでは、表示装置1の各ピクセルの位置は、基本、又は反転画像の構成要素用に、夫々、格子状に配置され、分けられた、表示領域3F又は3Iを示している。この配置では、F11は、画像表示装置1の横列1、縦列1に置かれたピクセル7と関連する基本画像の構成要素を示している。基本画像の構成要素F11と対応する反転画像の構成要素I11は、ピクセル位置9で、直接的に隣接して配置されており、この場合、通常、初めの基本画像の構成要素F12(図1参照)が配置される位置に配置されている。このパターンは、画像表示装置1全体にわたって構成されて、その他すべての基本画像の構成要素を、隣接して表示される基本画像の構成要素の対応する反転画像の構成要素と変えている。この結果、組合わされた画像は、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素を近づけて、幾何学的に混合させた形態を基本的に構成するので、全体として、裸眼で眺められたとき、中和され、実質的に特色のないように表れる。
【0038】
図2Bを参照すると、交互のピクセルの横列が、対応する、基本画像、及び反転画像の構成要素の関連した表示領域3Fと3Iを定めている。この場合、基本画像の構成要素F11−F1Nは画像表示装置の第1のピクセルの横列11に表示されている。基本画像の構成要素F11−F1Nから得られた、対応する反転画像の構成要素I11−I1Nは、このすぐ真下の第2のピクセルの横列13に表示され、この位置にあった初めの基本画像の構成要素F21−F2Nを除いている。同様に、基本画像の構成要素F31−F3Nは、第3のピクセルの横列15に表示され、これらの対応する反転画像の構成要素I31−I3Nは、表示装置のピクセルの第4の横列17に表示され、初めの基本画像の構成要素F41−F4Nを除いている。同様に、このパターンは画像表示領域1全体にわたって構成され、隣接して対応するように、基本画像、及び反転画像の構成要素の交互の横列の配列を形成するので、裸眼で眺められたとき、中和され、実質的に特色のないように表れるように組合せている。
【0039】
図2Cを参照すると、ほとんど同様に、画像表示装置1の交互のピクセルの縦列が、対応する、基本画像、及び反転画像の構成要素の関連した表示領域3Fと3Iを定めている。この場合、基本画像の構成要素F11−FM1は画像表示装置の第1のピクセルの縦列19に表示されている。基本画像の構成要素F11−FM1から得られる、対応する反転画像の構成要素I11−IM1は、このすぐ近くの第2のピクセルの縦列21に表示され、この位置にあった初めの基本画像の構成要素F12−FM2を除いている。同様に、基本画像の構成要素F13−FM3は、第3のピクセルの縦列23に表示され、これらの対応する反転画像の構成要素I13−IM3は、表示装置のピクセルの第4の縦列25に表示され、初めの基本画像の構成要素F14−FM4を除いている。図2Cから理解できるように、このパターンは画像表示領域1全体にわたって構成され、隣接して対応するように、基本画像、及び反転画像の構成要素の交互の縦列の配列を形成して、裸眼で眺められたとき、同様に、中和され、実質的に特色のないように表れるように組合せている。
【0040】
上述した例では、画像表示装置1内の、基本画像、及び反転画像の構成要素の、特定の選択と配置は問題ではなく、対応する構成要素を十分に近づけて、組合わされた画像が基本画像を適切に遮蔽するようにしている。従って、基本画像の構成要素と関連した表示領域3Fは、規則的又は不規則的に配置されていてもよく、又は、ピクセルの偶数又は奇数の横列又は縦列を構成するように、表示領域3Iに備えられて、適当に得られた反転画像を隣接して配置させることで、裸眼で眺められたとき、実質的に特色のない画像として、組合されるようにする。
【0041】
基本画像を遮蔽するために反転画像の構成要素を用いる場合、基本画像内の各サブピクセルと対応する、各反転されたサブピクセルは、次のように計算される。
IMAX−IFUND=IINV
上式において、IMAXは、赤、緑又は青のいずれかである、問題とされる特定のサブピクセルの最大の強度を示し、IFUNDは、問題とされる特定の基本サブピクセルの強度を示し、そして、IINVは、問題とされる反転されたサブピクセルに必要とされる強度を示す。このような計算と基本画像の修正は、当該技術分野において公知の技術を用いて、電子表示装置内で得ることができることを理解されたい。
組合わされた、つまり複合された画像は、次に示すような、全体的な強度を有する。
IFUND+IINV=50%Gray
そして、均一的に中和され、特色のないように表れる。
【0042】
上述した例では、複合された基本画像の構成要素は公の視認から隠されているものの、初めの基本表示画像を示している。基本画像の構成要素、即ち基本表示画像を、秘密に保持して表示するためには、偏光エンコーディングを用いて、正当な視聴者の目から遮蔽画像の構成要素を防ぐようにして、効果的に、基本画像を抽出させるようにする。遮蔽画像の構成要素として、基本の反転画像の構成要素を用いることが好ましいと考えられるため、以下の説明では、この実施形態について主に説明する。しかしながら、理解できるように、本明細書で説明される偏光エンコーディングの特徴は、この実施形態に限定されず、遮蔽画像の構成要素を構成する任意の手法に基づくことができる。
【0043】
図3A−3Cを参照すると、このシステムでは、基本画像の構成要素と関連する画像表示装置1の表示領域3Fは、反転画像の構成要素と関連する隣接した表示領域3Iに対して常に交差して偏光するように構成されている。図3Aを参照すると、交互に、個々の、基本ピクセル、及び反転ピクセルと対応する表示領域3Fと3Iが格子状に配置されており、全ての“基本”表示領域3Fは垂直に偏光され、全ての“反転した”表示領域3Iは水平に偏光されている。同様に、図3Bを参照すると、交互に、基本のピクセル、及び反転したピクセルの横列と対応する表示領域3Fと3Iでは、全ての“基本”横列3Fは垂直に偏光され、全ての“反転した”横列3Iは水平に偏光されている。さらに、図3Cを参照すると、対応する、基本画像、及び反転画像の構成要素の関連した表示領域3Fと3Iを定めるため、交互にピクセルの縦列を用いてもよい。このシステムでは、“基本”縦列3Fは垂直に偏光され、“反転した”縦列3Iは水平に偏光されている。
【0044】
勿論、互いに対して交差して偏光されるならば、対応する表示領域3Fと3Iがどのように偏光されるかは、問題ではないことを理解されたい。従って、各基本画像の構成要素と関連した表示領域3Fが一方向に偏光されるならば、各反転画像の構成要素と関連した表示領域3Iはこれと直交方向に偏光され、そして、基本画像の構成要素の偏光状態と整合するように構成された、適当な偏光アイウェア(画像目視装置)27を用いて組合わされた画像を見たとき、基本画像が容易に抽出されて、つまり読み取れるようにする。この場合、基本画像は、適当なアイウェア27を付けた者だけが識別可能となる。
【0045】
隣接する表示領域を異なる偏光状態にするように画像表示装置を構成することは、画像表示装置1の表示ピクセル内に直接的に適当な偏光子を備えることで可能にするか、あるいは、これらに対して偏光用オーバーレイを適用することで可能にする。実施形態の一つでは、図4に示すように、例えばLCDのような画像表示装置1内に、異なる偏光状態の隣接した領域31、33を有する微小偏光用オーバーレイ29を用いている。この実施形態では、LCDの正面又はトップの偏光用レイヤを実際に除き、新しく透明な微小偏光用オーバーレイ29に替えているが、この場合、横列ごとに交差して偏光するように配置させている。図4に示すように、オーバーレイ29を含むように修正されたLCDパネルの個々の分離した表示領域は、“基本”画像ピクセル又は“反転した”画像ピクセルのいずれか一つ又は複数の横列と関連しており、各表示領域3Fは、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素と関連した、隣接する表示領域3Fと3Iの偏光状態を効果的に変えている。この実施形態では、図5に示すように、LCDのスタンダードな正面の偏光子37を除く必要がない。替わりに、図5のマイクロ偏光子35は、1/2λ相(phase)遅らせるオーバーレイプレートとして構成されており、この場合、対応する基本、又は反転画像の構成要素の表示領域3Fと3Iの交互の横列と並ぶように、エッチングされたλ及び1/2λステップの交互の横列39、41を含んでいる。
【0046】
1/2λ遅らせるプレート35は、LCDパネル1のスタンダードの正面の偏光子37に対してラミネートすることができ、LCDパネル上の基本画像、及び反転画像の構成要素と関連したピクセルの横列又は表示領域3Fと3Iの交互の偏光状態を効果的に回転させるように、適切に並べられている。図5に示した実施形態では、LCDパネル1の各“基本”ピクセルの横列又は表示領域3Fから放出された光は、1/2λ相のリターダー41を通って進むため、このような光と関連した基本画像の構成要素の偏光状態は90度シフトされる。他方、各“反転した”ピクセルの横列又は表示領域3Iから放出された光は、λ相のリターダー39を通って進むため、最初の偏光状態は変わることなく残され、基本画像の構成要素と関連する表示領域3Fの各々に対して交差して偏光する。さらに、マイクロ偏光子は、線形ではなく、円形状に偏光することも可能である。図5に示した実施形態では、このことは、リターダー35のプレートの厚さを調整して、表示領域(例えば、3F)の一つのセットを右側に回転させるように偏光させ、かつ、他方の表示領域(例えば、3I)を左側に偏光させることで行うことができる。円形状の偏光によって、ユーザーが偏光アイウェアを付けて視認しながら、頭部を傾けるときに起こり得るクロストーク効果を低減できる。そして、この円形状の偏光によって、問題を生じさせることなく、頭部を自由に傾けることが可能になる。
【0047】
勿論、上記実施形態で説明したマイクロ偏光子29、35は、上述のように、縦列ごとに交差して偏光するように配置されたり、ピクセルごとに交差して偏光するように配置されたり、又は不規則的に、同様に構成されていてもよい。そして、基本画像のピクセルと並ぶマイクロ偏光子の領域が、反転画像のピクセルと並ぶマイクロ偏光子の領域に対し、直交又は交差して偏光される偏光状態と共通して偏光される限り、基本画像のピクセルと並ぶマイクロ偏光子の領域の偏光状態と整合するように受動的に偏光された適当なアイウェア27を用いることで、基本画像を読み取れるようにする。
【0048】
図4に示したように、交互に偏光されたフィルタを有するマイクロ偏光子29を用いることは効果的だが、図5に示したように、交互にリターダーを含むマイクロ偏光子35として製造することは容易ではない。また、本発明は、電子的な表示装置に関し、全てのプリント及び電子画像表示装置1に用いることが可能であって、本明細書で説明されるマイクロ偏光子はLCDパネルに用いられるのにより適しており、例えば、ピクセルのスペーシングを固定させたLCDディスプレイパネルについて使われ、個々のピクセルの位置の制御がより正確ではない、所謂CRTのものよりもオーバーレイにより適する。
【0049】
他の実施形態では、図6に示すように、対応する、基本画像、及び反転画像の構成要素と関連した、隣接する表示領域3Fと3Iの偏光状態を変えるため、画像表示装置1内に電子制御可能な偏光子40を含ませてもよい。このような電子偏光子40は、静的又は動的な表示システムに用いることができ、また、例えば、印加される電圧に基づいて透過光の偏光角度を効果的に回転させるように、液晶の回転子の形態で、表示装置の構成に加えられていてもよい。
【0050】
この実施形態では、LCDの正面のパネル37に対して、第2の液晶(LC)のレイヤ42がラミネートされている。この第2のLCレイヤ42は、LCDと同様に、当該技術分野において従来公知の方法を用いて製造することができ、2つの電子的にアドレス可能な領域43と45を有するように構成される。図6に示すように、これら電子的にアドレス可能な領域43と45は、例えば、インジウム酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)電極のように、透過性の電極から構成されて、第2のLCレイヤ42の内側及び/又は外側の基盤47と49上で交互の横列として構成される。
【0051】
好ましくは、図6に示すように、一方の基盤47は交互にITOの横列を支持し、全ての奇数の横列を一つの電子的にアドレス可能な領域43と接続させ、全ての偶数の横列を第2の電子的にアドレス可能な領域45と接続させる。他方の基盤49は、双方のアドレス可能な領域の共通の基礎にされていてもよく、又は、交互のITOの横列と整合するように区別されていてもよい。図6に示した例では、内側の基盤47は、双方のアドレス可能な領域を支持し、他方の基盤49は、共通の基礎として作用する。
【0052】
内側と外側の基盤47と49の間には液晶(crystalline liquid)51が支持されており、夫々の領域に印加される電圧に基づき、このような位置で液晶51を透過する光が、この偏光を変化させるように、回転可能にしている。図6では、奇数のITOの横列を構成する第1のアドレス可能な領域43は、"基本”ピクセルの横列のグループと並び、偶数のITOの横列を構成する第2のアドレス可能な領域45は、対応する“反転した”ピクセルの横列のグループと並んでいる。従って、第2のLCレイヤの、第1又は第2のアドレス可能な領域に適当な電圧を印加することで、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素と関連した、隣接した表示領域3Fと3Iを互いに効果的に交差して偏光させることができる。
【0053】
注目すべきは、図6では、電子的にアドレス可能な領域43と45は交互の横列として構成されているが、これら領域は、夫々の、基本画像、及び反転画像の構成要素と関連した、表示領域3Fと3Iのパターンと整合するように、縦列、格子状のパターン、又は不規則的に配置することができる。用いられるパターンに基づいて、第2のLCレイヤ42は、完全に整合するように、正確に同一の寸法で形成されていてもよい。LCレイヤ42は、電子制御可能なリターダーとして作用して、LCD1の選択された基礎をなすピクセルに対して、正確な偏光の制御を提供する。印加される電圧に基づいて、画像表示装置1の各表示領域3F又は3Iに対して、0又は90度で透過光を回転させるように偏光角度を設定できるが、これは、このような表示領域が、基本、又は反転画像の構成要素と関連しているかに基づく。
【0054】
上記実施形態は、基本画像を安全に見せることができるが、適当な受動的アイウェア27を用いる点において安全である。より具体的に言えば、基本画像の構成要素と関連した表示領域3Fと同じ偏光状態で受動的に偏光されたアイウェアを付けた者ならば誰でも、基礎をなす基本画像を解読することができる。しかしながら、状況によっては、より高いレベルで安全に、より秘密に見せる環境を求める需要がある。
【0055】
安全性を向上させる一つの手段として、図6を参照して上述した電子制御可能な偏光子40を用いて、隣接する表示領域3Fと3Iとの偏光状態を変化させるものがある。光の回転を電子制御可能にして、第2のLCレイヤ42のアドレス可能な領域43と45と関連する、対応する表示領域3Fと3Iの偏光状態を経時的に変化させるようにする。このため、基本画像の構成要素と関連した表示領域3Fの偏光状態を規則的又は不規則的に変えることが可能になる。
【0056】
正当な視聴者によって付けられる偏光アイウェアが、基本画像の構成要素と関連した表示領域3Fと共に偏光状態を変えるように同期して、アイウェアの偏光状態が、基本画像の構成要素と関連した表示領域3Fと整合させ続けることで、基本画像の読み取りを可能にする。この実施形態では、単に受動的な偏光アイウェアでは、もはや基本画像を読み取ることができないので、この結果、安全性が高められる。
【0057】
上述したように、受動的なマイクロ偏光子のオーバーレイ29、35と組合せて、能動的な偏光アイウェアを用いることで、より高度な安全性を得ることができる。このため、電子表示装置上のピクセルの位置を、表示フレーム間で交互に変えてもよい。換言すると、基本画像の構成要素の表示位置を、前の表示フレーム内で並んでいたものとは異なるように、偏光の固定領域と並ぶように、規則的又は不規則的に変えてもよい。
【0058】
例えば、図7を参照すると、受動的なマイクロ偏光子のオーバーレイ29又は35を含む、電子画像表示装置1の表示スクリーンが示されている。第1のフレーム53では、基本画像のピクセルは、垂直な偏光を用いて奇数の横列に表示されており、対応する反転画像のピクセルは、水平の偏光を用いて偶数の横列に表示されている。次のフレーム55では、基本画像のピクセルは、水平な偏光を用いて偶数の横列に変えられており、反転画像のピクセルは、垂直な偏光を用いて奇数の横列に変えられている。偏光状態の間の変更は、規則的又は不規則的に行うことができる。各偏光状態での平均時間が同じ場合、受動的な偏光アイウェアを付けた者は誰でも、基本画像、及び反転画像の双方を等量で見ることになるので、このため、中和され、実質的に特色のない画像を見ることになる。
【0059】
注目すべきは、この実施形態では、反転画像の構成要素によって占められていたピクセル位置に初め抑制されていた基本画像の構成要素は回復されて、他のピクセル位置に前に表示されていたこれら基本画像の構成要素が、回復された基本画像の構成要素から得られた新しい反転画像の構成要素によって替えられる。このことは、図7で参照できる。第1の表示フレーム53には、基本画像の構成要素F11−F1Nがトップの横列のピクセルに表示され、対応して得られた反転画像の構成要素I11−I1Nが第2の横列のピクセルに表示され、このため、初めの第2の横列の基本画像の構成要素F21−F2N(図1参照)を替えている。しかし、次の表示フレーム55に、基本画像の構成要素F21−F2Nが回復される。そして、対応して得られた反転画像の構成要素I21−I2Nがトップの横列のピクセル位置に表示され、初めの基本画像の構成要素F11−F1Nを替えている。従って、経時的に、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素の物理的な表示位置は、表示装置のリフレッシュレートと同期して、そして所定の又は不規則的な順番のパターンに従って、変更されたり、スイッチされる。
【0060】
この場合、基本画像を読み取るためには、能動的な偏光アイウェア57が必要になる。これらには、表示装置1と同期された、電子的に可変な偏光子が含まれる。そして、基本画像の構成要素が水平に偏光されるとき、アイウェア(眼鏡)もそのようになり、基本画像の構成要素が垂直に偏光されるように変わるとき、アイウェアもそのようになる。このように、意図された視聴者は、基本画像だけを見て、その他の画像は一切見ないことになる。また、能動的なアイウェア57は、ワイヤレスに形成することができ、あるいは、独自の識別コードを含むように形成されて、他の能動的なアイウェアを同時に使用できないようにしてもよい。
【0061】
能動的なアイウェアを用いることによる他の長所は、解像度が回復されることにある。前の実施形態では、基本画像のデータ又はピクセルの半分は、反転画像の構成要素のスペースを設けるため、抑制されていた。ほとんどの分野では、LCDスクリーンの典型的な解像度は、この損失に対応する上で十分以上である。しかし、高い解像度を必要とする分野では、安全な視聴環境とともに、完全な解像度が求められることがある。図7に示した実施形態では、視認させ続けながら、解像度を完全に回復させている。第1の表示フレーム53では、垂直に偏光された全てのピクセルから基本画像が得られ、これらから反転画像が得られる。第2の表示フレーム55では、反転画像によって前に占められていた場所で基本画像が得られ、これらから反転画像のピクセルが算出される。このように、全ての基本画像の構成要素が経時的に取戻される。従って、基本画像は、この全データセットから不規則的に構成でき、視認させ続けながら、基本画像を完全に取戻して表示することができる。
【0062】
本発明に関する他の、より安全で、かつ好ましい実施形態では、空間多重化及び時分割多重化の双方の技術を組合せた、画像のエンコード方法を用いて、より高度に安全で、秘密に見せる視聴環境を可能にする。図8に示すように、このこともまた、受動的なマイクロ偏光子のオーバーレイ29又は35を備えた電子表示装置1を用いて達成される。また同様に、説明上、ピクセルの横列ごとに画像の構成要素をグループ化させるが、このことは、第1の表示フレーム59に見ることができ、ピクセルの全ての奇数の横列は、特定の横列(例えば、F11−F1N;F31−F3N等)と関連した基本画像の構成要素を構成する。他方、ピクセルの全ての偶数の横列は、特定の横列(例えば、I21−I2N;I41−I4N等)と関連した初めの基本画像の構成要素から得られた反転画像の構成要素を構成する。従って、各“基本”ピクセルの横列は、隣接の“反転した”ピクセルの横列と空間多重化により複合され、これは、基本画像の構成要素の隣接する横列の反転である。反転画像の構成要素は、直接的に隣接して表示された基本画像の構成要素からは得られないものの、ほぼ近似され、隣接するピクセル間の極めて小さな距離と比べて、基本画像の全体的な配色(カラースキーム)では、比較的に徐々に変化させる。
【0063】
第2の表示フレーム61では、第1の表示フレーム59の全ての画像の構成要素が反転される。従って、ピクセルの全ての奇数の横列は、特定の横列(例えば、I11−I1N;I31−I3N等)と関連した、初めの基本画像の構成要素の対応する反転画像の構成要素を含む。同様に、ピクセルの全ての偶数の横列は、特定の横列(例えば、F21−F2N;F41−F4N等)と関連した、基本画像の構成要素を含む。この反転プロセスが経時的に進むにつれ、各ピクセル位置で全ての基本画像の構成要素が隣接するほぼ反転画像の構成要素と空間多重化により複合されるだけでなく、対応して得られた反転画像の構成要素と時分割多重化により複合される。前の実施形態と同様で、上述したように、対応する、基本画像、及び反転画像の構成要素と関連したピクセル又はピクセルのグループは、ピクセルの横列(図示したように)、ピクセルの縦列、さらには不規則的に配置することができる。
【0064】
図8に示すエンコード計画の実行は、図9に示したテスト画像のエンコードの分析の仕方を参照することで、最良に参照できる。図示するように、基本テスト画像65は、例として人間の喜ぶ顔を概略的に示してしているが、幾何学的な図形とテクスチャーの態様は、典型的な電子画像表示装置1上で、時間的に交互の2つの表示フレーム(フレーム1及びフレーム2)で示すことができる。基本画像65の第1の表示フレーム(フレーム1)は、“奇数の横列の”基本画像の構成要素(例えば、F11−F1N;F31−F3N等)の表示部67と“偶数の横列の”反転画像の構成要素(例えば、I21−I2N;I41−I4N等)の表示部69にさらに分けられることが示されており、これらは、組合せられたとき、基本画像、及び反転画像の構成要素の、比較的にあいまいな、空間的に組合わされた画像71を生じさせる。
【0065】
基本画像65の第2の表示フレーム(フレーム2)は、“偶数の横列の”基本画像の構成要素(例えば、F21−F2N;F41−F4N等)の表示部73と“奇数の横列の”反転画像の構成要素(例えば、I11−I1N;I31−I3N等)の表示部75にさらに分けられることが示されており、これらは、組合せられたとき、基本画像、及び反転画像の構成要素の、比較的にあいまいな、空間的に組合わされた他の画像77を生じさせ、そしてこれは、第1の表示フレームの空間的に組合わされた画像71の真の反転である。
【0066】
空間的に組合わされた画像71と77は互いに真の反転であるため、このような画像を経時的に交互にさせることで、これらを組合せて得られる合成画像79は、裸眼には実質的に特色のない、中和されたように表れるので、意図されていない全ての視聴者の目から基本画像を遮蔽することができる。図7を参照して上述したように、基本画像の読み取りは、同様に能動的な偏光アイウェア63を用いることで行うことができ、このため、安全性を向上することができる。連続した表示フレームの間(例えば、偶数対奇数のピクセルの横列)、基本画像の構成要素は異なる表示領域3Fと並ぶので、現在、表示されている基本画像の構成要素と関連した表示領域3Fの偏光状態と整合して偏光状態を変えるように、同期されたアイウェア63を形成してもよい。
【0067】
また、図7に示した実施形態のように、所定の又は不規則的な順番のパターンに従って、図8と9に示した、基本画像、及び反転画像の複合を行ってもよい。各偏光状態での平均時間が等しいとすると、受動的な偏光アイウェアを付けた者ならば誰でも、基本画像、及び反転画像の双方を等量で見るため、この結果、中和され、実質的に特色のない表示を見ることになる。さらに、図7に示した実施形態のように、全ての基本画像の構成物を経時的に回復させることで、見させながら、基本画像の全解像度を完全に回復できるようにしてもよい。
【0068】
安全性は低くなるが、図6に示した電子制御可能な偏光子40を、図7又は図8に示したシステムと組合せて用いて、基本画像の構成要素の交互の表示位置と同期させて操作してもよく、この結果、受動的な偏光アイウェアを用いて、全解像度で基本画像を読み取れるようにシステムを読み取り可能にしてもよい。このことは、例えば、安全性のレベルは低くてもよいが、高い解像度を必要とする分野で有用である。
【0069】
さらに、一層安全な環境を提供するため、オーバーレイ又はミスリード用の画像を含ませてもよい。遮蔽用の反転画像の構成要素を用いるシステムでは、このようなオーバーレイの構成要素を、得られた反転画像の構成要素に対して単に加えてもよい。このため、通常の観察者は、中和されたグレイのものとしてではなく、何かを観察するが、この何かは、基本画像とは全く相違する。オーバーレイ画像の構成要素は、表示された反転画像の構成要素の一部として含まれるため、反転画像の構成要素の動的な範囲は、オーバーレイ画像を加えられるように圧縮される必要がある。この結果、オーバーレイ画像に対する背景の中立性を保つため、全ての対応する基本画像の構成物の動的な範囲は、オーバーレイ画像を加えられるように、同様に比例して圧縮される必要がある。換言すると、基本画像の動的な範囲は、基本画像の遮蔽を完全に保てるように、オーバーレイ画像の動的な範囲により減らされる。オーバーレイ画像の構成要素は反転画像の構成要素に加えられるが、これらの構成要素は同様に、基本画像の構成要素と関連する表示領域の偏光状態と整合する、適当な偏光アイウェアを付けた、正当な視聴者から見られることが防がれる。
【0070】
さらに、本発明は、プリント媒体に適用されることで、他のミスリード画像内に秘密の画像を加えることができる。上述したものとほとんど同じように、基本画像のピクセルと反転画像のピクセルはプリントされて、微小偏光されたオーバーレイとラミネートされる。そして、適当なアイウェアを付けることによってのみ、基本画像が見られるようにする。
【0071】
以上の説明から理解できるように、基本画像を修正することで、画像表示装置の隣接して、交差して偏光された表示領域に関して、基本画像、及び遮蔽画像の構成要素を表示用に空間多重化により複合できる。遮蔽用に“反転”画像の構成要素を用いることで、裸眼には中和されて、実質的に特色のないように表れるように、高度で安全な合成画像を生じさせ、さらに必要に応じて、ミスリード用のオーバーレイ画像を含ませてもよい。そして、適当な偏光アイウェアを用いることで、この合成画像を解除して、基本画像を秘密に保持して表示させることができる。図示したように、このことは、画像信号を高速で複合させたり、または、面倒で、高コストな追加的な及び/又は波長を変調させた遮蔽用光源を必要とすることなく、達成できる。
【0072】
勿論、本発明の範囲内から外れることなく、本発明の部品の形態、詳細、構成及び特徴に様々な変更を加えることは可能であり、本発明の範囲は、本明細書で図示して、説明して、添付した特許請求の範囲に記載のように定められる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】画像表示装置上で、様々なピクセル位置又はこれらのグループで表示された個々の画像構成要素と関連した、(理解を容易にするため、拡大して示されている)個々の表示領域の行列として装置を示した、画像表示装置の概略図である。
【図2A】同様に、画像表示装置の概略図であるが、表示領域を格子状の配置で、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素を空間多重化により複合させて、裸眼には実質的に特色のないように符号化する例を示した図である。
【図2B】同様に、画像表示装置の概略図であるが、表示領域を横列ごとの配置で、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素を空間多重化により複合させて、裸眼には実質的に特色のないように符号化する例を示した図である。
【図2C】同様に、画像表示装置の概略図であるが、表示領域を縦列ごとの配置で、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素を空間多重化により複合させて、裸眼には実質的に特色のないように符号化する例を示した図である。
【図3A】図2Aに示した画像表示装置の概略図であり、表示領域を格子状の配置で、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素を空間多重化により複合させて、基本画像の構成要素と関連する各表示領域を対応する反転画像の構成要素の関連する表示領域に対して、交差して偏光させるように偏光して符号化する例を示した図である。
【図3B】図2Bに示した画像表示装置の概略図であり、表示領域を横列ごとの配置で、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素を空間多重化により複合させて、基本画像の構成要素の横列と関連する各表示領域を対応する反転画像の構成要素の隣接する横列に対して、交差して偏光させるように偏光して符号化する例を示した図である。
【図3C】図2Cに示した画像表示装置の概略図であり、表示領域を縦列ごとの配置で、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素を空間多重化により複合させて、基本画像の構成要素の縦列と関連する各表示領域を対応する反転画像の構成要素の隣接する縦列に対して、交差して偏光させるように偏光して符号化する例を示した図である。
【図4】LCDのような、画像表示装置の概略図であって、この上に表示される対応する基本画像、及び反転画像の構成要素と関連した交互の表示領域の横列と並ぶ、横列ごとの交互の交差して偏光された領域を有するマイクロ偏光子のオーバーレイを含む例を示した図である。
【図5】LCDのような、画像表示装置の概略図であって、この上に表示される対応する基本画像、及び反転画像の構成要素と関連した交互の表示領域の横列と並ぶ、横列ごとの交互の交差して偏光された領域を有する1/2λ相遅らせるプレートの形態で交互のマイクロ偏光子のオーバーレイを含む例を示した図である。
【図6】LCDのような、画像表示装置の概略図であって、横列ごとの表示形態で配置された、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素と関連した交互の表示領域の横列と関連する隣接した表示領域の間で偏光状態を変えるように電子制御可能な偏光子を含む例を示した図である。
【図7】交互に符号化する方法を用いて画像表示装置の第一と第二の表示フレームを交互に示す概略図であり、基本画像、及び反転画像の構成要素の変化する表示位置と合わせて固定された偏光用オーバーレイを用いて、基本画像を読み取るためには能動的なアイウェアを必要とする例を示した図である。
【図8】同様に交互に符号化する方法を用いて画像表示装置の第一と第二の表示フレームを交互に示す概略図であり、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素を互いに時分割多重化により複合させて、基本画像、及び反転画像の構成要素の変化する表示位置と合わせて固定された偏光用オーバーレイを用いて、基本画像を読み取るためには能動的なアイウェアを必要とする例を示した図である。
【図9】図8で参照した符号化方法について段階的にテスト画像の符号方法を示す図であり、空間多重化と時分割多重化を組み合わせて用いて、基本画像の構成要素の偏光状態を経時的に変化させて、能動的なアイウェアを用いて、基本画像を全解像度で解読させる例を示した図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、表示画像を秘密に保持する表示技術に関する。より具体的には、本発明は、空間多重化(spatial multiplexing)により画像を修正する技術を用いて、基本表示画像を遮蔽(マスク)又は中和させて、裸眼では判読できないように表現する(レンダリング)ことで、意図された視聴者に対してのみ画像の読み取りを可能にした、秘密に保持する表示システムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、テレビジョン、及びパーソナルビデオエンターテイメントシステム等の様々なシステムでビデオディスプレイが用いられるにつれて、意図された者にだけ表示内容を秘密に見せて、許可されていない者に見せる可能性をなくすことに対する必要と要望が増えてきている。
【0003】
従来、許可されていないビデオディスプレイが見られることを防ぐため、様々な装置が導入されてきた。最も簡単な装置では、一般に、“防眩(アンチ−グレア)”プライバシースクリーン及び/又はフード及びシールドの形態を備えている。このような装置は、通常、デスクトップコンピュータのディスプレイに用いられて、大抵、ディスプレイの真正面にいる者に対してのみ限定的に見せるようにしている。これらは、幾分、効果的であるが、肩越しに覗く者の目視を防ぐことができないため、安全性は低かった。
【0004】
他の装置では、“遮蔽(マスキング)画像”を導入することで、意図されていない視聴者が基本画像を見ることを防ぐように開発されたものがある。米国特許第5,614,920号明細書は、このような装置の一つについて開示しており、ビデオディスプレイと視聴者との間に置かれた光の点滅スクリーンを用いて、基本画像を隠している。そして、光のパルスを防ぐように時間的に同期されたシャッター眼鏡を用いて基本画像を見せるようにすることで、秘密に見せている。
【0005】
また、米国特許第5,537,476号及び第5,619,219号明細書には、他の同様な装置が開示されている。これら装置は、基本画像を生じさせるのに用いられる波長から変調された、第2の遮蔽用ライト又は“主な”色のセットを導入することで、画像を安全に見せるようにしている。そして、波長が変調された画像を防ぎ、基本画像を通過させるように、特別に構成された狭いバンドのフィルタ眼鏡を通して構成画像を見せることで、安全に見せるようにしている。
【0006】
さらに他の装置では、基本画像に対して遮蔽画像を混合させる"時分割多重化(time multiplexing)"の技術を用いて、公に見せることを隠している。このようなシステムは、通常、遮蔽、及び基本画像の表示フレームを交互に替えており、時間的に同期されたシャッターアイウェアを用いて、基本画像を読み取れるようにしている。しかしながら、これらシステムは、ディスプレイのふらつき(フリッカー)という特有の問題を含んでおり、時には、ビデオの“フラッシュ”フレームが眼を悩ませることもあった。このため、このような時分割多重化のシステムは、カソードレイチューブ(CRT)ディスプレイにより適するとされており、これは、典型的な液晶ディスプレイ(LCD)よりもかなり速いリフレッシュレートで操作できるためである。このタイプのシステムの例は、米国特許第5,629,984号、第5,963,371号明細書、及び日本国公開公報特開平5−119754号に開示されている。
【0007】
より洗練された、秘密に保持する表示システムとして、本発明と同一の出願人によって出願中の、米国特許出願第10/205864号及び第10/205866号明細書に開示されたものがあり、これら開示内容は、本明細書に参考として包含されている。上述したものと同様に、これらシステムは、経時的に画像を多重化させている。しかしながら、この場合、色の反転技術を用いており、基本画像を、適当に決定された反転画像を用いて、時分割多重化により符号化させることで、中和的で、実質的に特色のない複合画像を生じさせており、そして、適切に同期化されたアイウェアを用いることでのみ、読み取れる(復号化させる)ようにしている。
【0008】
これらシステムでは、安全性を一層高めるため、基本画像の対応する色の構成要素を連続的に符号化させるように、より複雑に同期化された可変型の色のフィルタの読み取り用アイウェアを必要とすることがある。このようなシステムは、安全性が高く、悩ましいディスプレイのフリッカーと眼の疲れの問題を低減できるが、これは、基本画像の少なくとも一つの色の構成要素を常に表示させるためである。しかしながら、このようなシステムは、依然として時分割多重化のコンセプトを用いるものであり、また、LCDでも利用可能だが、依然として高速の通常のCRTディスプレイにより適していた。
【0009】
しかし、LCDは、この平坦なスクリーン、薄い形状、高い解像度、及び低い電力消費のため、ほとんどの携帯可能なラップトップコンピュータでディスプレイとして選ばれており、これに合せて、秘密に保持して表示する需要も広く求められてきている。このため、LCDにより特化された幾つかの装置が導入されてきており、例えば、LCDスクリーンのトップの偏光レイヤを取り除き、秘密に保持して表示するように試みたものがある。これは、偏光眼鏡を付けている者を除いて、ディスプレイを“見えなく”させている。1996年1月30日付けの米国特許第5,488,496号明細書は、このような装置の一例について開示している。しかしながら、この秘密に保持する表示システムは、幾分効果的であるものの、適当に偏光された眼鏡を付けている者ならば誰にでも無防備であり、しかも通常のポラロイド眼鏡を用いた者ですら隠された画像を見ることができた。さらに、このスクリーンは、秘密に保持する表示モードと、通常の表示モードとの間で容易に変換することができなかった。この一般的なタイプに関する他の例として、日本国公開公報特開平7−84253号、特開平4−107524号、特開平2−116826号及び特開平5−173127号の開示内容を参照できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上のように、特に一般的なLCDに関する従来技術の限界のため、単純化され、低コストで、秘密に保持して表示し、全ての色/全ての映像と画像を用いる任意の分野で用いることができる、より優れた手段が求められている。さらに、今日のLCDで、より良好に秘密に保持して表示させるため、上記問題点を解決するとともに、高速の時分割多重化による技術や、複雑で、コスト高な追加的な及び/又は波長を変調させる遮蔽用光源を用いることを避けることが求められている。
【0011】
本出願の改良された画像を秘密に保持する表示システムと方法は、以下において詳述するように、上記目的を達成するとともに、実施コストを最小にして、さらに、今日のビデオディスプレイで安全に見せることを大幅に高めている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に従う装置と方法は、本明細書に記載のように、空間多重化による画像の修正技術を用いて、表示画像を秘密に保持することを可能にする。
【0013】
一般に、画像を空間多重化により修正するコンセプトには、画像表示装置上で基本画像を他の画像と幾何学的に組合せるプロセスが含まれる。適当な画像と組合わされると、空間多重化による画像修正によって、基本画像の遮蔽が可能になる。この際、区画、横列、縦列等の規則的(又は不規則的)な配列を基本画像から取り除いて、遮蔽画像の対応する部分と取替えることにより、裸眼から基本画像を隠すように、組合わされた画像を生じさせることができる。
【0014】
遮蔽画像は、基本画像を判読できないように表現できる任意の構成要素でもよいが、本発明の実施形態の一つでは、画像表示装置上で、基本画像を、この真のカラーの反転画像と幾何学的に組合せて、裸眼に対して実質的に特色がないように表れるように、組合わされた中和的な画像を生じさせる。このことは、画像表示装置上で、基本画像、及び反転画像の構成要素(又は代表値)を空間多重化により複合させることで行っており、これらは分離しているが、隣接する表示領域と関連する。尚、本明細書と添付した特許請求の範囲で用いられる用語の“隣接”は、画像表示装置の表示領域について参照される時、近くを意味するために用いられるが、共通の境界を有することを必要としない。
【0015】
基本画像、及び反転画像の構成要素に対応する表示領域は、静的又は動的な画像表示装置の、一つ又は複数のピクセルやサブピクセルと通常のように関連していたり、又は含んでいてもよい。このように、これらは一般に大きさが微小であり、人間の目ではこれらを識別することが困難なように十分に小さい。そして、基本画像、及び反転画像の構成要素は組合わされると、基本画像を中和させて、裸眼では実質的に判読できないように表現できる。
【0016】
このような空間多重化により複合された中和的な画像では、初めの基本画像が対応する反転画像の構成要素を含むように修正することを必要とする。一般的に、用いられる基本画像の構成要素の各々には、対応して得られた反転画像の構成要素が必要とされる。このため、反転画像の構成要素の各々は、初めの基本画像の構成要素を基本画像から除くことを必要とする。この結果、組合わされた画像は、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素の隣接し、幾何学的に混合された集合体として基本的に構成されて、全体として裸眼で眺められる時、中和的で、実質的に特色のないように表れる。
【0017】
複合された基本画像の構成要素は、公に見られることからは隠されるけれども、初めの基本表示画像を示している。基本画像の構成要素、即ち基本表示画像を、秘密に保持して表示するためには、基本画像の構成要素が関連している画像表示装置の表示領域を、遮蔽画像の構成要素が関連している近くの表示領域に対し、常に交差して偏光させるように(例えば、一つの偏光状態が他方によって放たれた光を防ぐように)、システムを構成する。従って、基本画像の構成要素と関連する表示領域の偏光状態と整合するように、適当に偏光されたアイウェアを用いることで、全ての遮蔽画像の構成要素を効果的に防ぎ、基本画像の構成要素だけを通過させることで、秘密に保持して表示させる。組合わされ、複合された画像は、意図されていない視聴者の裸眼によっては判読できないように基本画像を表現し、そして、適当な偏光アイウェアを付けた正当な視聴者には、基本画像に対し完全にアクセスできるように、秘密に見せている。
【0018】
異なる偏光状態の隣接する表示領域を備えるように画像表示装置を構成することは、様々な従来技術の任意のものを用いることで達成できる。実施形態の一つでは、異なる偏光状態の隣接した領域を有する、微小偏光オーバーレイ又はインレイを、画像表示装置に含ませてもよい。このことは、空間的に交互に偏光されたフィルタを用いたり、又は、隣接する表示領域の偏光状態を回転させるように交互に光のリターダーを用いることで達成できる。また、マイクロ偏光子を用いて、画像表示装置の様々に構成された表示領域/ピクセルと並んだ様々な偏光の隣接領域が、このような表示領域の偏光状態を、マイクロ偏光子の対応して並ぶ領域のものに変化させるように、構成し、配置してもよい。
【0019】
他の実施形態では、隣接する表示領域の偏光状態を変えるように、画像表示装置に電子制御可能な偏光子を含ませてもよい。このような電子制御可能な偏光子は、静的又は動的な表示システムに用いることができ、印加される電圧に基づいて透過光の偏光角度を効果的に回転させるように、表示装置に加えられる液晶回転子(rotator)の形態を有していてもよい。画像表示装置の表示領域ごとに、基本、又は遮蔽画像の構成要素とこのような表示領域が関連しているかに基づいて、透過光を0又は90度で回転させるように偏光角度を設定してもよい。
【0020】
隣接する表示領域の偏光状態を変えるために電子制御可能な偏光子を用いることで、安全性を高めるという所定の長所が得られる。画像表示装置の個々の表示領域の偏光状態を変化させる性能を備えることで、基本画像の構成要素と関連した表示領域の偏光状態を規則的又は不規則的に変えることが可能になる。正当な視聴者に付けられるように提供される偏光アイウェアは、基本画像の構成要素と関連した表示領域と共に偏光状態を変えるように同期化されることで、アイウェアの偏光が、基本画像の構成要素のものと整合し続けるようにして、基本画像の読み取りを可能にする。この実施形態では、基本画像の読み取りを行うために、もはや単に受動的な偏光アイウェアを用いない。
【0021】
注目すべきことは、前の表示フレーム内に並べられたものとは異なるように、偏光の固定領域と並ぶように基本画像の構成要素の表示位置を規則的又は不規則的に変えることで、電子表示装置内で同様の効果を達成することができる。この実施形態では、遮蔽画像の構成要素によって占められていたピクセル位置で、初め抑制されていた基本画像の構成要素を回復させて、他のピクセル位置で前に表示されていた、これら基本画像の構成要素を新しい遮蔽画像の構成要素に変えるようにする。この場合、基本画像、及び遮蔽画像の各構成要素の物理的な表示位置は、表示装置のリフレッシュレートと同期して、所定の又は不規則的な順番のパターンに従って、変更されたり、スイッチされる。
【0022】
また、このように基本画像、及び遮蔽画像の構成要素の表示位置を変えることで、初め表示されていた基本画像の構成要素を取戻せるようにして、画像の解像度を向上させるという際立った長所が得られる。所定の基本画像の構成要素を常に表示させるのではなく、隣接する基本画像の構成要素を所望の順番で交互に表示できるようにして、基本画像の全解像度を取戻せるようにしてもよい。
【0023】
正当な視聴者によって付けられる偏光アイウェアが、基本画像の構成要素の位置の変化に合せて、偏光状態を同期して変化させて、基本画像の構成要素の表示領域と整合するようにアイウェアを偏光させ続けることで、同じように読み取れるようにする。同様に、基本画像の読み取りのために、もはや単に受動的な偏光アイウェアを用いない。
【0024】
安全性は低まるが、基本画像の構成要素の交互の表示位置と同期して操作されるように、可変型の偏光子を組合せて用いることで、読み取られた基本画像を全解像度で得られるように、受動的な偏光アイウェアを用いて読み取りを行うシステムも考えられる。
【0025】
基本画像を遮蔽するために反転画像の構成要素を用いる、好適な実施形態では、異なるオーバーレイ画像を示すオーバーレイ画像の構成要素を反転画像の構成要素の一部として加えたり、含ませることで、より安全性を高めることができる。この場合、基本画像の構成要素は、対応する反転画像の構成要素によって依然として中和されるが、一般的な公の視聴からは、静的または動的、例えば、映像のいずれであっても、異なるオーバーレイ画像を見ることになる。従って、オーバーレイ画像は、組合わされた、実質的に特色のない画像の“上”に表れて、システムオペレーターによって、意図されていない視聴者が異なる画像を見ていることを信じさせるようにだますことになる。しかし、オーバーレイ画像の構成要素は反転画像の構成要素の一部として含まれるため、基本画像の構成要素と関連する表示領域の偏光状態と整合する、適当な偏光アイウェアを付けた正当な視聴者の視聴からは同様に防がれる。
【0026】
上述した例では、異なる偏光状態の隣接する表示領域を用いて構成可能な画像表示装置に関する様々な手段について示したが、本発明を実施するため、画像表示装置の隣接する表示領域に対して、異なる偏光状態を設定する任意の手段を用いることは可能であることを理解されたい。
【0027】
以上、説明したように、基本画像を修正する際、画像表示装置の隣接し、交差して偏光された表示領域と関連して、対応する基本画像、及び遮蔽画像の構成要素を表示させるために、空間多重化により複合できる。これにより、ほとんど又はまったく表示のフリッカーがなく、そして、裸眼では判読できないように基本画像を表現する、安全性の高い、組合わされた画像を生じさせることができる。そして、適当な偏光アイウェアを用いることで、この組合わされた画像の複合を除いて、基本画像を秘密に保持して表示することができる。このことは、高速の画像信号の多重送信や、手間がかかり、コスト高な、追加の及び/又は波長を変調させた遮蔽用光源を必要とすることなく達成できる。
【0028】
本発明に係る上述した、又は他の目的と長所は、本明細書に添付した図を参照して、以下の詳細な説明から、より十分に明らかになるであろう。尚、これら図を通して、同一又は同様の部品を参照するために、同様の参照番号が用いられている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、本明細書と添付した特許請求の範囲に記載のように、空間多重化による画像の修正技術を用いて、表示画像を安全に、秘密に見せる。ここで開示される発明のコンセプトは、一般に、電子画像又はプリント画像のいずれにも用いることができるが、以下の明細書の説明では、ビデオディスプレイ上に見ることができる、電子画像について主に説明する。しかしながら、同じ空間多重化による技術を用いて、基本画像を意図されていない視聴者から遮蔽させて、意図された視聴者にだけ秘密に保持して表示するように、プリント時に、プリント媒体を修正するように本発明を適用することは可能であることを理解されたい。
【0030】
本発明についてより明瞭に説明するため、第一に、ビデオディスプレイによって形成される光に属し、人間の目には同じ様に映る“主な色の組合せ”のコンセプトについて簡単に説明する。カラーテレビジョンやCRTディスプレイから、LCDスクリーン、プラズマディスプレイ等まで、ほとんど全ての一般のビデオディスプレイでは、赤、青及び緑の3つの主要な色の光の組合せによって、画像を生じさせている。ビデオディスプレイは、典型的に、ピクセルと呼ばれる、数千もの小さな領域を有し、これらは、特定の位置で画像を示す特定の色の光を生じさせている。各ピクセルは、次に、三つ組みの小さな領域、又はサブピクセルを一般に構成し、これらは、個々に主要な色の赤、青及び緑を生じさせることができる、小さな発光体(phosphors)、カラーフィルタ、又は同様物を構成する。
【0031】
ビデオディスプレイ上に生じる色の画像を見るとき、人間の目では各赤、緑、又は青のサブピクセルを別々に見分けることができない。むしろ、各主要な色の構成要素の強度に基づいて、人間の目の中にある、色を感受する部位(コーン)が主要な色に反応して、ビデオディスプレイを見る者が、多くの色の組合わされた範囲を見ることで、所望の完全な画像を見ている。従って、各サブピクセルによって生じる光の変化する強度に基づいて、対応するピクセルが、人間の目には異なる色として生じるように合成の光を生じさせている。与えられたピクセルの全ての赤、青及び緑の構成要素の強度が同一の場合、人間の目には、ピクセルが中和的な白い光を生じさせているように見える。ほとんど全ての電子的に形成される画像は、このように構成されている。
【0032】
さらなる説明のため、図1を参照すると、画像表示装置1、例えば、電子表示装置(ディスプレイ)について概略的に示しており、これは、表示領域3の行列として構成され、各表示領域は、一つ又は複数のピクセル位置、又はピクセル位置のグループ(例えば、横列、縦列等)と関連していたり、含んでいてもよく、これらは、画像表示装置上に表示される個々の画像の構成要素と関連する。図1に示すように、この結果、基本画像は、複数の各基本画像の構成要素F11−FMNにより示され、この際、符号“M”及び“N”は、夫々、特定の構成要素の横列及び縦列の、特定のピクセル位置を示している。尚、図解を容易にするため、添付した図に示された個々の画像の構成要素/ピクセルは、かなり拡大して参照されていることを理解されたい。実際の画像表示装置1、例えば、LCDでは、隣接する構成要素/ピクセルの間の境界は、裸眼では識別することが実質的に困難である。
【0033】
本発明では、空間多重化により画像を修正することで、基本画像を秘密に保持して表示するが、このことには、基本画像を遮蔽するために、基本画像を他の画像と幾何学的に組合せるプロセスが含まれる。この場合、基本画像から、区画、横列、縦列等の規則的(又は不規則的)な配列を取り除き、遮蔽画像の対応する区間と取替えて、この結果、裸眼では基本画像が見えなくなるように(隠すように)組合わされた画像を生じさせてもよい。画像がピクセルから構成されるとき、この画像の組合せは、ピクセルごとに基づいていてもよく、又は、ピクセルのグループごとに基づいていてもよい。
【0034】
任意の構成要素から遮蔽画像を構成することができるが、好ましくは、反転画像のように、初めの基本画像から構成する。反転画像は、基本画像と組合わされるとき、中和されて、特色のない画像を生じさせるものである。基本画像をこの反転画像と空間多重化により複合させるとき、基本画像のピクセルは、反転画像のピクセルと空間的に複合される。
【0035】
このことは、例えば、本発明の実施形態の一つに係る、図2A、2B及び2Cから最良に参照することができる。基本画像に含まれる基本画像のピクセルは、ここから得られた、対応する反転画像のピクセルと空間多重化により複合される。特に、図2Aを参照すると、対応する、基本画像、及び反転画像の構成要素の個々の対を示す、ピクセルの対5を、例えば、チェス盤のような格子状の態様で、画像表示装置1上に表示することができる。あるいは、対応する、基本画像、及び反転画像の構成要素と関連するピクセルのグループを、ピクセルの横列(図2B参照)、ピクセルの縦列(図2C参照)、又は不規則的に、ピクセルの対の間の距離が大きくなり過ぎないように配置させてもよい。しかし、理想的には、各ピクセルの対5を、互いに直接的に隣接させる。
【0036】
このように空間多重化により画像を生じさせる場合には、初めの基本画像が、対応する遮蔽画像の構成要素を含むように修正することを必要とする。反転画像の構成要素を用いる好適な実施形態では、用いられる基本画像の構成要素(F)の各々に、対応して得られた反転画像の構成要素(I)を必要とする。このため、各反転画像の構成要素は、基本画像から、初めの基本画像の構成要素を除くことを必要とする。
【0037】
この基本画像の修正については、図2A−2Cから参照できる。図2Aでは、表示装置1の各ピクセルの位置は、基本、又は反転画像の構成要素用に、夫々、格子状に配置され、分けられた、表示領域3F又は3Iを示している。この配置では、F11は、画像表示装置1の横列1、縦列1に置かれたピクセル7と関連する基本画像の構成要素を示している。基本画像の構成要素F11と対応する反転画像の構成要素I11は、ピクセル位置9で、直接的に隣接して配置されており、この場合、通常、初めの基本画像の構成要素F12(図1参照)が配置される位置に配置されている。このパターンは、画像表示装置1全体にわたって構成されて、その他すべての基本画像の構成要素を、隣接して表示される基本画像の構成要素の対応する反転画像の構成要素と変えている。この結果、組合わされた画像は、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素を近づけて、幾何学的に混合させた形態を基本的に構成するので、全体として、裸眼で眺められたとき、中和され、実質的に特色のないように表れる。
【0038】
図2Bを参照すると、交互のピクセルの横列が、対応する、基本画像、及び反転画像の構成要素の関連した表示領域3Fと3Iを定めている。この場合、基本画像の構成要素F11−F1Nは画像表示装置の第1のピクセルの横列11に表示されている。基本画像の構成要素F11−F1Nから得られた、対応する反転画像の構成要素I11−I1Nは、このすぐ真下の第2のピクセルの横列13に表示され、この位置にあった初めの基本画像の構成要素F21−F2Nを除いている。同様に、基本画像の構成要素F31−F3Nは、第3のピクセルの横列15に表示され、これらの対応する反転画像の構成要素I31−I3Nは、表示装置のピクセルの第4の横列17に表示され、初めの基本画像の構成要素F41−F4Nを除いている。同様に、このパターンは画像表示領域1全体にわたって構成され、隣接して対応するように、基本画像、及び反転画像の構成要素の交互の横列の配列を形成するので、裸眼で眺められたとき、中和され、実質的に特色のないように表れるように組合せている。
【0039】
図2Cを参照すると、ほとんど同様に、画像表示装置1の交互のピクセルの縦列が、対応する、基本画像、及び反転画像の構成要素の関連した表示領域3Fと3Iを定めている。この場合、基本画像の構成要素F11−FM1は画像表示装置の第1のピクセルの縦列19に表示されている。基本画像の構成要素F11−FM1から得られる、対応する反転画像の構成要素I11−IM1は、このすぐ近くの第2のピクセルの縦列21に表示され、この位置にあった初めの基本画像の構成要素F12−FM2を除いている。同様に、基本画像の構成要素F13−FM3は、第3のピクセルの縦列23に表示され、これらの対応する反転画像の構成要素I13−IM3は、表示装置のピクセルの第4の縦列25に表示され、初めの基本画像の構成要素F14−FM4を除いている。図2Cから理解できるように、このパターンは画像表示領域1全体にわたって構成され、隣接して対応するように、基本画像、及び反転画像の構成要素の交互の縦列の配列を形成して、裸眼で眺められたとき、同様に、中和され、実質的に特色のないように表れるように組合せている。
【0040】
上述した例では、画像表示装置1内の、基本画像、及び反転画像の構成要素の、特定の選択と配置は問題ではなく、対応する構成要素を十分に近づけて、組合わされた画像が基本画像を適切に遮蔽するようにしている。従って、基本画像の構成要素と関連した表示領域3Fは、規則的又は不規則的に配置されていてもよく、又は、ピクセルの偶数又は奇数の横列又は縦列を構成するように、表示領域3Iに備えられて、適当に得られた反転画像を隣接して配置させることで、裸眼で眺められたとき、実質的に特色のない画像として、組合されるようにする。
【0041】
基本画像を遮蔽するために反転画像の構成要素を用いる場合、基本画像内の各サブピクセルと対応する、各反転されたサブピクセルは、次のように計算される。
IMAX−IFUND=IINV
上式において、IMAXは、赤、緑又は青のいずれかである、問題とされる特定のサブピクセルの最大の強度を示し、IFUNDは、問題とされる特定の基本サブピクセルの強度を示し、そして、IINVは、問題とされる反転されたサブピクセルに必要とされる強度を示す。このような計算と基本画像の修正は、当該技術分野において公知の技術を用いて、電子表示装置内で得ることができることを理解されたい。
組合わされた、つまり複合された画像は、次に示すような、全体的な強度を有する。
IFUND+IINV=50%Gray
そして、均一的に中和され、特色のないように表れる。
【0042】
上述した例では、複合された基本画像の構成要素は公の視認から隠されているものの、初めの基本表示画像を示している。基本画像の構成要素、即ち基本表示画像を、秘密に保持して表示するためには、偏光エンコーディングを用いて、正当な視聴者の目から遮蔽画像の構成要素を防ぐようにして、効果的に、基本画像を抽出させるようにする。遮蔽画像の構成要素として、基本の反転画像の構成要素を用いることが好ましいと考えられるため、以下の説明では、この実施形態について主に説明する。しかしながら、理解できるように、本明細書で説明される偏光エンコーディングの特徴は、この実施形態に限定されず、遮蔽画像の構成要素を構成する任意の手法に基づくことができる。
【0043】
図3A−3Cを参照すると、このシステムでは、基本画像の構成要素と関連する画像表示装置1の表示領域3Fは、反転画像の構成要素と関連する隣接した表示領域3Iに対して常に交差して偏光するように構成されている。図3Aを参照すると、交互に、個々の、基本ピクセル、及び反転ピクセルと対応する表示領域3Fと3Iが格子状に配置されており、全ての“基本”表示領域3Fは垂直に偏光され、全ての“反転した”表示領域3Iは水平に偏光されている。同様に、図3Bを参照すると、交互に、基本のピクセル、及び反転したピクセルの横列と対応する表示領域3Fと3Iでは、全ての“基本”横列3Fは垂直に偏光され、全ての“反転した”横列3Iは水平に偏光されている。さらに、図3Cを参照すると、対応する、基本画像、及び反転画像の構成要素の関連した表示領域3Fと3Iを定めるため、交互にピクセルの縦列を用いてもよい。このシステムでは、“基本”縦列3Fは垂直に偏光され、“反転した”縦列3Iは水平に偏光されている。
【0044】
勿論、互いに対して交差して偏光されるならば、対応する表示領域3Fと3Iがどのように偏光されるかは、問題ではないことを理解されたい。従って、各基本画像の構成要素と関連した表示領域3Fが一方向に偏光されるならば、各反転画像の構成要素と関連した表示領域3Iはこれと直交方向に偏光され、そして、基本画像の構成要素の偏光状態と整合するように構成された、適当な偏光アイウェア(画像目視装置)27を用いて組合わされた画像を見たとき、基本画像が容易に抽出されて、つまり読み取れるようにする。この場合、基本画像は、適当なアイウェア27を付けた者だけが識別可能となる。
【0045】
隣接する表示領域を異なる偏光状態にするように画像表示装置を構成することは、画像表示装置1の表示ピクセル内に直接的に適当な偏光子を備えることで可能にするか、あるいは、これらに対して偏光用オーバーレイを適用することで可能にする。実施形態の一つでは、図4に示すように、例えばLCDのような画像表示装置1内に、異なる偏光状態の隣接した領域31、33を有する微小偏光用オーバーレイ29を用いている。この実施形態では、LCDの正面又はトップの偏光用レイヤを実際に除き、新しく透明な微小偏光用オーバーレイ29に替えているが、この場合、横列ごとに交差して偏光するように配置させている。図4に示すように、オーバーレイ29を含むように修正されたLCDパネルの個々の分離した表示領域は、“基本”画像ピクセル又は“反転した”画像ピクセルのいずれか一つ又は複数の横列と関連しており、各表示領域3Fは、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素と関連した、隣接する表示領域3Fと3Iの偏光状態を効果的に変えている。この実施形態では、図5に示すように、LCDのスタンダードな正面の偏光子37を除く必要がない。替わりに、図5のマイクロ偏光子35は、1/2λ相(phase)遅らせるオーバーレイプレートとして構成されており、この場合、対応する基本、又は反転画像の構成要素の表示領域3Fと3Iの交互の横列と並ぶように、エッチングされたλ及び1/2λステップの交互の横列39、41を含んでいる。
【0046】
1/2λ遅らせるプレート35は、LCDパネル1のスタンダードの正面の偏光子37に対してラミネートすることができ、LCDパネル上の基本画像、及び反転画像の構成要素と関連したピクセルの横列又は表示領域3Fと3Iの交互の偏光状態を効果的に回転させるように、適切に並べられている。図5に示した実施形態では、LCDパネル1の各“基本”ピクセルの横列又は表示領域3Fから放出された光は、1/2λ相のリターダー41を通って進むため、このような光と関連した基本画像の構成要素の偏光状態は90度シフトされる。他方、各“反転した”ピクセルの横列又は表示領域3Iから放出された光は、λ相のリターダー39を通って進むため、最初の偏光状態は変わることなく残され、基本画像の構成要素と関連する表示領域3Fの各々に対して交差して偏光する。さらに、マイクロ偏光子は、線形ではなく、円形状に偏光することも可能である。図5に示した実施形態では、このことは、リターダー35のプレートの厚さを調整して、表示領域(例えば、3F)の一つのセットを右側に回転させるように偏光させ、かつ、他方の表示領域(例えば、3I)を左側に偏光させることで行うことができる。円形状の偏光によって、ユーザーが偏光アイウェアを付けて視認しながら、頭部を傾けるときに起こり得るクロストーク効果を低減できる。そして、この円形状の偏光によって、問題を生じさせることなく、頭部を自由に傾けることが可能になる。
【0047】
勿論、上記実施形態で説明したマイクロ偏光子29、35は、上述のように、縦列ごとに交差して偏光するように配置されたり、ピクセルごとに交差して偏光するように配置されたり、又は不規則的に、同様に構成されていてもよい。そして、基本画像のピクセルと並ぶマイクロ偏光子の領域が、反転画像のピクセルと並ぶマイクロ偏光子の領域に対し、直交又は交差して偏光される偏光状態と共通して偏光される限り、基本画像のピクセルと並ぶマイクロ偏光子の領域の偏光状態と整合するように受動的に偏光された適当なアイウェア27を用いることで、基本画像を読み取れるようにする。
【0048】
図4に示したように、交互に偏光されたフィルタを有するマイクロ偏光子29を用いることは効果的だが、図5に示したように、交互にリターダーを含むマイクロ偏光子35として製造することは容易ではない。また、本発明は、電子的な表示装置に関し、全てのプリント及び電子画像表示装置1に用いることが可能であって、本明細書で説明されるマイクロ偏光子はLCDパネルに用いられるのにより適しており、例えば、ピクセルのスペーシングを固定させたLCDディスプレイパネルについて使われ、個々のピクセルの位置の制御がより正確ではない、所謂CRTのものよりもオーバーレイにより適する。
【0049】
他の実施形態では、図6に示すように、対応する、基本画像、及び反転画像の構成要素と関連した、隣接する表示領域3Fと3Iの偏光状態を変えるため、画像表示装置1内に電子制御可能な偏光子40を含ませてもよい。このような電子偏光子40は、静的又は動的な表示システムに用いることができ、また、例えば、印加される電圧に基づいて透過光の偏光角度を効果的に回転させるように、液晶の回転子の形態で、表示装置の構成に加えられていてもよい。
【0050】
この実施形態では、LCDの正面のパネル37に対して、第2の液晶(LC)のレイヤ42がラミネートされている。この第2のLCレイヤ42は、LCDと同様に、当該技術分野において従来公知の方法を用いて製造することができ、2つの電子的にアドレス可能な領域43と45を有するように構成される。図6に示すように、これら電子的にアドレス可能な領域43と45は、例えば、インジウム酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)電極のように、透過性の電極から構成されて、第2のLCレイヤ42の内側及び/又は外側の基盤47と49上で交互の横列として構成される。
【0051】
好ましくは、図6に示すように、一方の基盤47は交互にITOの横列を支持し、全ての奇数の横列を一つの電子的にアドレス可能な領域43と接続させ、全ての偶数の横列を第2の電子的にアドレス可能な領域45と接続させる。他方の基盤49は、双方のアドレス可能な領域の共通の基礎にされていてもよく、又は、交互のITOの横列と整合するように区別されていてもよい。図6に示した例では、内側の基盤47は、双方のアドレス可能な領域を支持し、他方の基盤49は、共通の基礎として作用する。
【0052】
内側と外側の基盤47と49の間には液晶(crystalline liquid)51が支持されており、夫々の領域に印加される電圧に基づき、このような位置で液晶51を透過する光が、この偏光を変化させるように、回転可能にしている。図6では、奇数のITOの横列を構成する第1のアドレス可能な領域43は、"基本”ピクセルの横列のグループと並び、偶数のITOの横列を構成する第2のアドレス可能な領域45は、対応する“反転した”ピクセルの横列のグループと並んでいる。従って、第2のLCレイヤの、第1又は第2のアドレス可能な領域に適当な電圧を印加することで、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素と関連した、隣接した表示領域3Fと3Iを互いに効果的に交差して偏光させることができる。
【0053】
注目すべきは、図6では、電子的にアドレス可能な領域43と45は交互の横列として構成されているが、これら領域は、夫々の、基本画像、及び反転画像の構成要素と関連した、表示領域3Fと3Iのパターンと整合するように、縦列、格子状のパターン、又は不規則的に配置することができる。用いられるパターンに基づいて、第2のLCレイヤ42は、完全に整合するように、正確に同一の寸法で形成されていてもよい。LCレイヤ42は、電子制御可能なリターダーとして作用して、LCD1の選択された基礎をなすピクセルに対して、正確な偏光の制御を提供する。印加される電圧に基づいて、画像表示装置1の各表示領域3F又は3Iに対して、0又は90度で透過光を回転させるように偏光角度を設定できるが、これは、このような表示領域が、基本、又は反転画像の構成要素と関連しているかに基づく。
【0054】
上記実施形態は、基本画像を安全に見せることができるが、適当な受動的アイウェア27を用いる点において安全である。より具体的に言えば、基本画像の構成要素と関連した表示領域3Fと同じ偏光状態で受動的に偏光されたアイウェアを付けた者ならば誰でも、基礎をなす基本画像を解読することができる。しかしながら、状況によっては、より高いレベルで安全に、より秘密に見せる環境を求める需要がある。
【0055】
安全性を向上させる一つの手段として、図6を参照して上述した電子制御可能な偏光子40を用いて、隣接する表示領域3Fと3Iとの偏光状態を変化させるものがある。光の回転を電子制御可能にして、第2のLCレイヤ42のアドレス可能な領域43と45と関連する、対応する表示領域3Fと3Iの偏光状態を経時的に変化させるようにする。このため、基本画像の構成要素と関連した表示領域3Fの偏光状態を規則的又は不規則的に変えることが可能になる。
【0056】
正当な視聴者によって付けられる偏光アイウェアが、基本画像の構成要素と関連した表示領域3Fと共に偏光状態を変えるように同期して、アイウェアの偏光状態が、基本画像の構成要素と関連した表示領域3Fと整合させ続けることで、基本画像の読み取りを可能にする。この実施形態では、単に受動的な偏光アイウェアでは、もはや基本画像を読み取ることができないので、この結果、安全性が高められる。
【0057】
上述したように、受動的なマイクロ偏光子のオーバーレイ29、35と組合せて、能動的な偏光アイウェアを用いることで、より高度な安全性を得ることができる。このため、電子表示装置上のピクセルの位置を、表示フレーム間で交互に変えてもよい。換言すると、基本画像の構成要素の表示位置を、前の表示フレーム内で並んでいたものとは異なるように、偏光の固定領域と並ぶように、規則的又は不規則的に変えてもよい。
【0058】
例えば、図7を参照すると、受動的なマイクロ偏光子のオーバーレイ29又は35を含む、電子画像表示装置1の表示スクリーンが示されている。第1のフレーム53では、基本画像のピクセルは、垂直な偏光を用いて奇数の横列に表示されており、対応する反転画像のピクセルは、水平の偏光を用いて偶数の横列に表示されている。次のフレーム55では、基本画像のピクセルは、水平な偏光を用いて偶数の横列に変えられており、反転画像のピクセルは、垂直な偏光を用いて奇数の横列に変えられている。偏光状態の間の変更は、規則的又は不規則的に行うことができる。各偏光状態での平均時間が同じ場合、受動的な偏光アイウェアを付けた者は誰でも、基本画像、及び反転画像の双方を等量で見ることになるので、このため、中和され、実質的に特色のない画像を見ることになる。
【0059】
注目すべきは、この実施形態では、反転画像の構成要素によって占められていたピクセル位置に初め抑制されていた基本画像の構成要素は回復されて、他のピクセル位置に前に表示されていたこれら基本画像の構成要素が、回復された基本画像の構成要素から得られた新しい反転画像の構成要素によって替えられる。このことは、図7で参照できる。第1の表示フレーム53には、基本画像の構成要素F11−F1Nがトップの横列のピクセルに表示され、対応して得られた反転画像の構成要素I11−I1Nが第2の横列のピクセルに表示され、このため、初めの第2の横列の基本画像の構成要素F21−F2N(図1参照)を替えている。しかし、次の表示フレーム55に、基本画像の構成要素F21−F2Nが回復される。そして、対応して得られた反転画像の構成要素I21−I2Nがトップの横列のピクセル位置に表示され、初めの基本画像の構成要素F11−F1Nを替えている。従って、経時的に、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素の物理的な表示位置は、表示装置のリフレッシュレートと同期して、そして所定の又は不規則的な順番のパターンに従って、変更されたり、スイッチされる。
【0060】
この場合、基本画像を読み取るためには、能動的な偏光アイウェア57が必要になる。これらには、表示装置1と同期された、電子的に可変な偏光子が含まれる。そして、基本画像の構成要素が水平に偏光されるとき、アイウェア(眼鏡)もそのようになり、基本画像の構成要素が垂直に偏光されるように変わるとき、アイウェアもそのようになる。このように、意図された視聴者は、基本画像だけを見て、その他の画像は一切見ないことになる。また、能動的なアイウェア57は、ワイヤレスに形成することができ、あるいは、独自の識別コードを含むように形成されて、他の能動的なアイウェアを同時に使用できないようにしてもよい。
【0061】
能動的なアイウェアを用いることによる他の長所は、解像度が回復されることにある。前の実施形態では、基本画像のデータ又はピクセルの半分は、反転画像の構成要素のスペースを設けるため、抑制されていた。ほとんどの分野では、LCDスクリーンの典型的な解像度は、この損失に対応する上で十分以上である。しかし、高い解像度を必要とする分野では、安全な視聴環境とともに、完全な解像度が求められることがある。図7に示した実施形態では、視認させ続けながら、解像度を完全に回復させている。第1の表示フレーム53では、垂直に偏光された全てのピクセルから基本画像が得られ、これらから反転画像が得られる。第2の表示フレーム55では、反転画像によって前に占められていた場所で基本画像が得られ、これらから反転画像のピクセルが算出される。このように、全ての基本画像の構成要素が経時的に取戻される。従って、基本画像は、この全データセットから不規則的に構成でき、視認させ続けながら、基本画像を完全に取戻して表示することができる。
【0062】
本発明に関する他の、より安全で、かつ好ましい実施形態では、空間多重化及び時分割多重化の双方の技術を組合せた、画像のエンコード方法を用いて、より高度に安全で、秘密に見せる視聴環境を可能にする。図8に示すように、このこともまた、受動的なマイクロ偏光子のオーバーレイ29又は35を備えた電子表示装置1を用いて達成される。また同様に、説明上、ピクセルの横列ごとに画像の構成要素をグループ化させるが、このことは、第1の表示フレーム59に見ることができ、ピクセルの全ての奇数の横列は、特定の横列(例えば、F11−F1N;F31−F3N等)と関連した基本画像の構成要素を構成する。他方、ピクセルの全ての偶数の横列は、特定の横列(例えば、I21−I2N;I41−I4N等)と関連した初めの基本画像の構成要素から得られた反転画像の構成要素を構成する。従って、各“基本”ピクセルの横列は、隣接の“反転した”ピクセルの横列と空間多重化により複合され、これは、基本画像の構成要素の隣接する横列の反転である。反転画像の構成要素は、直接的に隣接して表示された基本画像の構成要素からは得られないものの、ほぼ近似され、隣接するピクセル間の極めて小さな距離と比べて、基本画像の全体的な配色(カラースキーム)では、比較的に徐々に変化させる。
【0063】
第2の表示フレーム61では、第1の表示フレーム59の全ての画像の構成要素が反転される。従って、ピクセルの全ての奇数の横列は、特定の横列(例えば、I11−I1N;I31−I3N等)と関連した、初めの基本画像の構成要素の対応する反転画像の構成要素を含む。同様に、ピクセルの全ての偶数の横列は、特定の横列(例えば、F21−F2N;F41−F4N等)と関連した、基本画像の構成要素を含む。この反転プロセスが経時的に進むにつれ、各ピクセル位置で全ての基本画像の構成要素が隣接するほぼ反転画像の構成要素と空間多重化により複合されるだけでなく、対応して得られた反転画像の構成要素と時分割多重化により複合される。前の実施形態と同様で、上述したように、対応する、基本画像、及び反転画像の構成要素と関連したピクセル又はピクセルのグループは、ピクセルの横列(図示したように)、ピクセルの縦列、さらには不規則的に配置することができる。
【0064】
図8に示すエンコード計画の実行は、図9に示したテスト画像のエンコードの分析の仕方を参照することで、最良に参照できる。図示するように、基本テスト画像65は、例として人間の喜ぶ顔を概略的に示してしているが、幾何学的な図形とテクスチャーの態様は、典型的な電子画像表示装置1上で、時間的に交互の2つの表示フレーム(フレーム1及びフレーム2)で示すことができる。基本画像65の第1の表示フレーム(フレーム1)は、“奇数の横列の”基本画像の構成要素(例えば、F11−F1N;F31−F3N等)の表示部67と“偶数の横列の”反転画像の構成要素(例えば、I21−I2N;I41−I4N等)の表示部69にさらに分けられることが示されており、これらは、組合せられたとき、基本画像、及び反転画像の構成要素の、比較的にあいまいな、空間的に組合わされた画像71を生じさせる。
【0065】
基本画像65の第2の表示フレーム(フレーム2)は、“偶数の横列の”基本画像の構成要素(例えば、F21−F2N;F41−F4N等)の表示部73と“奇数の横列の”反転画像の構成要素(例えば、I11−I1N;I31−I3N等)の表示部75にさらに分けられることが示されており、これらは、組合せられたとき、基本画像、及び反転画像の構成要素の、比較的にあいまいな、空間的に組合わされた他の画像77を生じさせ、そしてこれは、第1の表示フレームの空間的に組合わされた画像71の真の反転である。
【0066】
空間的に組合わされた画像71と77は互いに真の反転であるため、このような画像を経時的に交互にさせることで、これらを組合せて得られる合成画像79は、裸眼には実質的に特色のない、中和されたように表れるので、意図されていない全ての視聴者の目から基本画像を遮蔽することができる。図7を参照して上述したように、基本画像の読み取りは、同様に能動的な偏光アイウェア63を用いることで行うことができ、このため、安全性を向上することができる。連続した表示フレームの間(例えば、偶数対奇数のピクセルの横列)、基本画像の構成要素は異なる表示領域3Fと並ぶので、現在、表示されている基本画像の構成要素と関連した表示領域3Fの偏光状態と整合して偏光状態を変えるように、同期されたアイウェア63を形成してもよい。
【0067】
また、図7に示した実施形態のように、所定の又は不規則的な順番のパターンに従って、図8と9に示した、基本画像、及び反転画像の複合を行ってもよい。各偏光状態での平均時間が等しいとすると、受動的な偏光アイウェアを付けた者ならば誰でも、基本画像、及び反転画像の双方を等量で見るため、この結果、中和され、実質的に特色のない表示を見ることになる。さらに、図7に示した実施形態のように、全ての基本画像の構成物を経時的に回復させることで、見させながら、基本画像の全解像度を完全に回復できるようにしてもよい。
【0068】
安全性は低くなるが、図6に示した電子制御可能な偏光子40を、図7又は図8に示したシステムと組合せて用いて、基本画像の構成要素の交互の表示位置と同期させて操作してもよく、この結果、受動的な偏光アイウェアを用いて、全解像度で基本画像を読み取れるようにシステムを読み取り可能にしてもよい。このことは、例えば、安全性のレベルは低くてもよいが、高い解像度を必要とする分野で有用である。
【0069】
さらに、一層安全な環境を提供するため、オーバーレイ又はミスリード用の画像を含ませてもよい。遮蔽用の反転画像の構成要素を用いるシステムでは、このようなオーバーレイの構成要素を、得られた反転画像の構成要素に対して単に加えてもよい。このため、通常の観察者は、中和されたグレイのものとしてではなく、何かを観察するが、この何かは、基本画像とは全く相違する。オーバーレイ画像の構成要素は、表示された反転画像の構成要素の一部として含まれるため、反転画像の構成要素の動的な範囲は、オーバーレイ画像を加えられるように圧縮される必要がある。この結果、オーバーレイ画像に対する背景の中立性を保つため、全ての対応する基本画像の構成物の動的な範囲は、オーバーレイ画像を加えられるように、同様に比例して圧縮される必要がある。換言すると、基本画像の動的な範囲は、基本画像の遮蔽を完全に保てるように、オーバーレイ画像の動的な範囲により減らされる。オーバーレイ画像の構成要素は反転画像の構成要素に加えられるが、これらの構成要素は同様に、基本画像の構成要素と関連する表示領域の偏光状態と整合する、適当な偏光アイウェアを付けた、正当な視聴者から見られることが防がれる。
【0070】
さらに、本発明は、プリント媒体に適用されることで、他のミスリード画像内に秘密の画像を加えることができる。上述したものとほとんど同じように、基本画像のピクセルと反転画像のピクセルはプリントされて、微小偏光されたオーバーレイとラミネートされる。そして、適当なアイウェアを付けることによってのみ、基本画像が見られるようにする。
【0071】
以上の説明から理解できるように、基本画像を修正することで、画像表示装置の隣接して、交差して偏光された表示領域に関して、基本画像、及び遮蔽画像の構成要素を表示用に空間多重化により複合できる。遮蔽用に“反転”画像の構成要素を用いることで、裸眼には中和されて、実質的に特色のないように表れるように、高度で安全な合成画像を生じさせ、さらに必要に応じて、ミスリード用のオーバーレイ画像を含ませてもよい。そして、適当な偏光アイウェアを用いることで、この合成画像を解除して、基本画像を秘密に保持して表示させることができる。図示したように、このことは、画像信号を高速で複合させたり、または、面倒で、高コストな追加的な及び/又は波長を変調させた遮蔽用光源を必要とすることなく、達成できる。
【0072】
勿論、本発明の範囲内から外れることなく、本発明の部品の形態、詳細、構成及び特徴に様々な変更を加えることは可能であり、本発明の範囲は、本明細書で図示して、説明して、添付した特許請求の範囲に記載のように定められる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】画像表示装置上で、様々なピクセル位置又はこれらのグループで表示された個々の画像構成要素と関連した、(理解を容易にするため、拡大して示されている)個々の表示領域の行列として装置を示した、画像表示装置の概略図である。
【図2A】同様に、画像表示装置の概略図であるが、表示領域を格子状の配置で、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素を空間多重化により複合させて、裸眼には実質的に特色のないように符号化する例を示した図である。
【図2B】同様に、画像表示装置の概略図であるが、表示領域を横列ごとの配置で、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素を空間多重化により複合させて、裸眼には実質的に特色のないように符号化する例を示した図である。
【図2C】同様に、画像表示装置の概略図であるが、表示領域を縦列ごとの配置で、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素を空間多重化により複合させて、裸眼には実質的に特色のないように符号化する例を示した図である。
【図3A】図2Aに示した画像表示装置の概略図であり、表示領域を格子状の配置で、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素を空間多重化により複合させて、基本画像の構成要素と関連する各表示領域を対応する反転画像の構成要素の関連する表示領域に対して、交差して偏光させるように偏光して符号化する例を示した図である。
【図3B】図2Bに示した画像表示装置の概略図であり、表示領域を横列ごとの配置で、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素を空間多重化により複合させて、基本画像の構成要素の横列と関連する各表示領域を対応する反転画像の構成要素の隣接する横列に対して、交差して偏光させるように偏光して符号化する例を示した図である。
【図3C】図2Cに示した画像表示装置の概略図であり、表示領域を縦列ごとの配置で、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素を空間多重化により複合させて、基本画像の構成要素の縦列と関連する各表示領域を対応する反転画像の構成要素の隣接する縦列に対して、交差して偏光させるように偏光して符号化する例を示した図である。
【図4】LCDのような、画像表示装置の概略図であって、この上に表示される対応する基本画像、及び反転画像の構成要素と関連した交互の表示領域の横列と並ぶ、横列ごとの交互の交差して偏光された領域を有するマイクロ偏光子のオーバーレイを含む例を示した図である。
【図5】LCDのような、画像表示装置の概略図であって、この上に表示される対応する基本画像、及び反転画像の構成要素と関連した交互の表示領域の横列と並ぶ、横列ごとの交互の交差して偏光された領域を有する1/2λ相遅らせるプレートの形態で交互のマイクロ偏光子のオーバーレイを含む例を示した図である。
【図6】LCDのような、画像表示装置の概略図であって、横列ごとの表示形態で配置された、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素と関連した交互の表示領域の横列と関連する隣接した表示領域の間で偏光状態を変えるように電子制御可能な偏光子を含む例を示した図である。
【図7】交互に符号化する方法を用いて画像表示装置の第一と第二の表示フレームを交互に示す概略図であり、基本画像、及び反転画像の構成要素の変化する表示位置と合わせて固定された偏光用オーバーレイを用いて、基本画像を読み取るためには能動的なアイウェアを必要とする例を示した図である。
【図8】同様に交互に符号化する方法を用いて画像表示装置の第一と第二の表示フレームを交互に示す概略図であり、対応する基本画像、及び反転画像の構成要素を互いに時分割多重化により複合させて、基本画像、及び反転画像の構成要素の変化する表示位置と合わせて固定された偏光用オーバーレイを用いて、基本画像を読み取るためには能動的なアイウェアを必要とする例を示した図である。
【図9】図8で参照した符号化方法について段階的にテスト画像の符号方法を示す図であり、空間多重化と時分割多重化を組み合わせて用いて、基本画像の構成要素の偏光状態を経時的に変化させて、能動的なアイウェアを用いて、基本画像を全解像度で解読させる例を示した図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間多重化による画像修正を用いて、基本画像を秘密に保持する表示システムであって、
(a)異なる偏光状態を有する複数の隣接した表示領域を構成する画像表示装置を含み、
(b)複数の空間多重化により複合される、基本画像の構成要素と、遮蔽画像の構成要素とを含み、これらの構成要素を前記表示領域と関連して前記画像表示装置上に表示させて、裸眼では実質的に判読できないように基本画像の構成要素を配置し、
(c)前記基本画像の構成要素は、基本画像の代表値であり、かつ、前記遮蔽画像の構成要素が関連する表示領域の偏光状態とは異なる共通の偏光状態を有する表示領域と関連し、
(d)さらに、前記画像表示装置から前記基本画像の構成要素だけを抽出して表示するように、前記画像表示装置と共に作用する偏光手段を有する画像目視装置を含むことを特徴とする秘密保持型表示システム。
【請求項2】
前記遮蔽画像の構成要素の少なくとも幾つかは、共に表示される前記基本画像の構成要素から得られることを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項3】
前記遮蔽画像の構成要素の少なくとも幾つかは、共に表示される対応する前記基本画像の構成要素の反転から得られ、前記画像表示装置上で、前記基本画像、及び遮蔽画像の各構成要素を表示させると、裸眼に対して実質的に特色のないように、組合わされた、中和的な画像を生じさせることを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項4】
前記遮蔽画像の構成要素と関連して表示されるようにオーバーレイ画像の構成要素を含み、前記実質的に特色のない画像の上に重ねて、裸眼に対してオーバーレイ画像を見せるようにすることを特徴とする請求項3に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項5】
前記画像表示装置上で前記基本画像の構成要素と前記遮蔽画像の構成要素を表示する際、経時的に位置を変えるようにしたことを特徴とする請求項1又は3に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項6】
異なる偏光状態を有する前記表示領域の別のセットと関連して、前記基本画像の構成要素を経時的に位置を変えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項7】
少なくとも前記基本画像の構成要素は、これから得られた前記反転画像の構成要素と時分割多重化により複合されることを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項8】
前記基本画像の構成要素と前記遮蔽画像の構成要素の双方は、これから得られた反転画像の構成要素を用いて時分割多重化により複合されることを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項9】
前記遮蔽画像の構成要素の各々は、同じ前記表示領域と関連した、対応する前記基本画像の構成要素の反転として得られることを特徴とする請求項8に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項10】
前記表示領域の前記偏光状態は固定されることを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項11】
前記表示領域の前記偏光状態は可変であることを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項12】
前記表示領域の各々は、この偏光状態を変えることができる可変型の偏光子を含むことを特徴とする請求項11に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項13】
前記可変型の偏光子は、電子制御可能な液晶装置を用いて構成されることを特徴とする請求項12に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項14】
前記表示領域の前記異なる偏光状態は、互いに対して略直交することを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項15】
前記表示領域の少なくとも幾つかは左側に円形状に偏光され、前記表示領域の少なくとも幾つかは右側に円形状に偏光されることを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項16】
前記基本画像の構成要素が関連する前記表示領域は、前記遮蔽画像の構成要素が関連する前記表示領域に対して、交差して偏光されることを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項17】
前記画像表示装置は、複数の表示ピクセルを含み、周期的な表示のリフレッシュサイクルを有する電子表示装置であり、前記表示領域の各々は、前記電子表示装置の前記ピクセルの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項18】
前記電子表示装置は、前記複数の異なるように偏光された表示領域を形成するため、前記ピクセルと並ぶ方向で交差して偏光された別の領域として構成される透明なオーバーレイを含むことを特徴とする請求項17に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項19】
前記基本画像の構成要素と前記遮蔽画像の構成要素は、前記表示のリフレッシュサイクルの各々で再生され、前記電子表示装置の前記表示サイクルの前後の偏光状態とは異なる偏光状態を有する前記ピクセルの別のセットと関連することを特徴とする請求項17に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項20】
前記画像目視装置は、能動的な偏光アイウェアとして構成されて、前記電子表示装置の前記表示のリフレッシュサイクルと同期して偏光状態を変化させるように、前記電子表示装置と交信できるようにしたことを特徴とする請求項19に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項21】
前記電子表示装置の前記表示領域は可変の偏光手段を含み、この偏光状態を変化させるようにし、前記画像目視装置は、能動的な偏光アイウェアとして構成されて、前記表示領域の偏光状態の変化と同期して偏光状態を変化させるように、前記電子表示装置と交信できるようにしたことを特徴とする請求項17に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項22】
空間多重化による画像修正を用いて、基本画像を秘密に保持する表示システムであって、
(a)異なる偏光状態を有する複数の隣接した表示領域を含む画像表示装置と、
(b)裸眼に対して実質的に特色のないように表れる組合わされた画像を生じさせるように、前記表示領域と関連して空間的に配置させた、基本画像の構成要素と、対応する反転画像の構成要素を有する、前記画像表示装置上に画像を生じさせる手段を含み、
(c)前記画像を生じさせる手段と前記画像表示装置は共に作用するように交信して、前記基本画像の構成要素が、前記反転画像の構成要素が関連する偏光状態とは異なる偏光状態を有する前記表示領域の少なくとも一つと関連するようにし、
(d)前記組合わされた実質的に特色のない画像のうち前記基本画像の構成要素だけを見せるように、前記画像表示装置の前記表示領域と共に作用するように偏光した画像目視手段を含むことを特徴とする秘密保持型表示システム。
【請求項23】
前記複数の表示領域は、異なる偏光状態の交互の縦列状に配置されることを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項24】
前記複数の表示領域は、異なる偏光状態の交互の横列状に配置されることを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項25】
前記組み合わせられた実質的に特色のない画像は、複数の前記基本画像の構成要素と対応する反転画像の構成要素から成り、これらは、異なる偏光状態を有する前記隣接した表示領域の交互のセットと関連することを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項26】
前記表示領域の前記異なる偏光状態は、互いに対して略直交することを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項27】
前記表示領域の少なくとも幾つかは左側に円形状に偏光され、前記表示領域の少なくとも幾つかは右側に円形状に偏光されることを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項28】
前記複数の表示領域は、固定された偏光状態を有することを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項29】
前記複数の表示領域は、可変の偏光状態を有することを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項30】
前記表示領域の各々は、電子的に可変の偏光子を有することを特徴とする請求項29に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項31】
前記可変の偏光子は、偏光状態を変えることができる液晶装置を含むことを特徴とする請求項30に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項32】
前記画像表示装置は、複数の表示ピクセルを有する電子表示装置を含み、前記表示領域の各々は、前記電子表示装置の前記ピクセルの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項33】
前記基本画像の構成要素は、共通の偏光状態を有する前記ピクセルの少なくとも一つと関連し、前記対応する反転画像の構成要素は、異なる偏光状態を有する前記ピクセルの少なくとも一つと関連することを特徴とする請求項32に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項34】
前記電子表示装置は液晶表示装置として構成され、前記表示領域の各々は、印加される電圧に基づいて偏光状態を変えることができる液晶装置を含む電子制御可能な偏光子を有することを特徴とする請求項32に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項35】
裸眼によって見ることができ、前記電子表示装置上の前記実質的に特色のない画像の上に表れるように、オーバーレイ画像を生じさせる手段を含み、このオーバーレイ画像は、前記反転画像の構成要素が関連する偏光状態と同じ偏光状態を有する前記表示領域の少なくとも一つと関連するオーバーレイ画像の構成要素を有することを特徴とする請求項32に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項36】
前記電子表示装置は、前記表示ピクセルにわたって透明な偏光用のオーバーレイを含み、この偏光用のオーバーレイは、異なる偏光状態の前記複数の表示領域を生じさせるように、前記表示ピクセルの幾つかの偏光状態を変えるように、構成され、かつ、配置されることを特徴とする請求項32に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項37】
前記画像表示装置は、異なる偏光状態の前記複数の隣接する表示領域を生じさせるために、構成され、かつ、配置される、透明な偏光用のオーバーレイを含むことを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項38】
前記基本画像の構成要素は、異なる前記表示領域と関連して、経時的に新しく再生されることを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項39】
前記異なる表示領域は、前記基本画像の構成要素が前に関連していた偏光状態とは異なる偏光状態を有することを特徴とする請求項38に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項40】
前記対応する基本画像、及び反転画像の各構成要素は、経時的に関連する表示領域を変えることを特徴とする請求項38に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項41】
空間多重化による画像修正を用いて、基本画像を秘密に保持して表示する方法であって、
(a)画像表示装置の隣接して配置された表示領域を異なる偏光状態で偏光させ、
(b)前記画像表示装置上で、基本画像を構成する基本画像の構成要素を、対応するこの反転画像の構成要素と空間多重化により複合させて表示し、前記基本画像の構成要素を中和させて、裸眼では実質的に判読できないように配置し、そして、前記基本画像の構成要素は、前記反転画像の構成要素が関連する偏光状態とは異なる偏光状態を有する表示領域と関連するようにし、
(c)前記画像表示装置と交信する偏光されたフィルタ手段を用いて前記画像表示装置を目視させて、前記基本画像を構成する前記基本画像の構成要素だけを通過させて、目視させるようにした、各ステップを有することを特徴とする秘密保持表示方法。
【請求項42】
前記画像表示装置の前記隣接して配置された表示領域を偏光させる前記ステップは、前記表示領域の少なくとも一つの偏光状態を前記表示領域の他のものと比べて変えることができる、電子的に可変な偏光子を少なくとも一つ用いることを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項43】
前記隣接して配置された表示領域を偏光させる前記ステップは、印加される電圧に基づいて、前記表示領域の少なくとも一つの偏光状態を前記表示領域の他のものと比べて変えることができる、液晶構造の可変の偏光子を少なくとも一つ用いることを特徴とする請求項42に記載の秘密保持表示方法。
【請求項44】
前記画像表示装置の前記隣接して配置された表示領域を偏光させる前記ステップは、異なるように固定された偏光状態の別の領域を有して、前記画像表示装置の前記表示領域と整合する偏光装置を配置することを含むことを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項45】
前記空間多重化により複合された画像の構成要素を表示する前記ステップは、前記基本画像の構成要素が関連する前記表示領域の偏光状態を経時的に変化させることを含むことを特徴とする請求項44に記載の秘密保持表示方法。
【請求項46】
前記空間多重化により複合された画像の構成要素を表示する前記ステップは、前記基本画像の構成要素と前記対応する反転画像の構成要素の前記表示位置を周期的に変えて、前記画像表示装置の前記表示領域が異なるように偏光されたセットで表れるようにすることを含むことを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項47】
前記画像表示装置の前記隣接して配置された表示領域を偏光させる前記ステップは、互いに対して略交差する二つの偏光状態の間で、前記表示領域を空間的に変えるように配置することを含むことを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項48】
前記空間多重化により複合された画像の構成要素を表示する前記ステップは、前記画像表示装置上に異なるオーバーレイ画像を示すオーバーレイ画像の構成要素を表示することを含み、このオーバーレイ画像の構成要素は、前記反転画像の構成要素が関連する偏光状態と同じ偏光状態を有する前記表示領域の少なくとも幾つかと関連することを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項49】
前記画像表示装置を目視させる前記ステップは、前記基本画像を構成する前記基本画像の構成要素だけを通過させて、目視可能にするために、受動的な偏光アイウェアを用いることを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項50】
前記画像表示装置を目視させる前記ステップは、前記基本画像を構成する前記基本画像の構成要素だけを通過させて、目視可能にするために、前記画像表示装置と同期して操作される能動的な偏光アイウェアを用いることを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項51】
前記隣接して配置された表示領域を異なる偏光状態で偏光させる前記ステップは、左側と右側に円形状に偏光させることを含むことを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項52】
前記画像表示装置上で前記基本画像、及び対応する反転画像の各構成要素を表示する前記ステップは、裸眼に対して、実質的に特色のない組合わされた画像を生じさせることを含むことを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項53】
前記基本画像、及び対応する反転画像の各構成要素の表示位置を周期的に交換させるステップを含み、これらと関連する前記表示領域の偏光状態を同時に変えることで、表示される前記基本画像の構成要素と関連する前記表示領域の全てにおいて、経時的に同じ偏光状態を保つことを含むことを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項54】
空間多重化による画像修正を用いて、基本画像を秘密に保持して表示する方法であり、
(a)画像表示装置上に透明な偏光用のオーバーレイを配置し、このオーバーレイは、異なる偏光状態を有する複数の隣接して配置された偏光子を含み、
(b)前記オーバーレイの前記偏光子と整列した、複数の基本画像の構成要素と遮蔽画像の構成要素を空間多重化により複合させ、構成される合成画像を前記表示装置上に生じさせ、前記基本画像の構成要素は、基本画像の代表値であって、前記遮蔽画像の構成要素が整合する偏光状態とは異なる、共通の偏光状態を有する偏光子と整列しており、
(c)前記基本画像の構成要素だけを通過して、目視させるように、偏光されたレンズフィルタを用いて、前記オーバーレイを通過させて前記合成画像を目視させる、各ステップを有することを特徴とする秘密保持表示方法。
【請求項55】
前記基本画像、及び遮蔽画像の各構成要素を、得られた反転画像の構成要素を用いて、時分割多重化により複合させるステップを含むことを特徴とする請求項54に記載の秘密保持表示方法。
【請求項56】
前記合成画像を目視させる前記ステップは、前記基本画像の構成要素の偏光状態と整合するように偏光状態を変えることができる能動的なレンズフィルタを用いることを特徴とする請求項54に記載の秘密保持表示方法。
【請求項1】
空間多重化による画像修正を用いて、基本画像を秘密に保持する表示システムであって、
(a)異なる偏光状態を有する複数の隣接した表示領域を構成する画像表示装置を含み、
(b)複数の空間多重化により複合される、基本画像の構成要素と、遮蔽画像の構成要素とを含み、これらの構成要素を前記表示領域と関連して前記画像表示装置上に表示させて、裸眼では実質的に判読できないように基本画像の構成要素を配置し、
(c)前記基本画像の構成要素は、基本画像の代表値であり、かつ、前記遮蔽画像の構成要素が関連する表示領域の偏光状態とは異なる共通の偏光状態を有する表示領域と関連し、
(d)さらに、前記画像表示装置から前記基本画像の構成要素だけを抽出して表示するように、前記画像表示装置と共に作用する偏光手段を有する画像目視装置を含むことを特徴とする秘密保持型表示システム。
【請求項2】
前記遮蔽画像の構成要素の少なくとも幾つかは、共に表示される前記基本画像の構成要素から得られることを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項3】
前記遮蔽画像の構成要素の少なくとも幾つかは、共に表示される対応する前記基本画像の構成要素の反転から得られ、前記画像表示装置上で、前記基本画像、及び遮蔽画像の各構成要素を表示させると、裸眼に対して実質的に特色のないように、組合わされた、中和的な画像を生じさせることを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項4】
前記遮蔽画像の構成要素と関連して表示されるようにオーバーレイ画像の構成要素を含み、前記実質的に特色のない画像の上に重ねて、裸眼に対してオーバーレイ画像を見せるようにすることを特徴とする請求項3に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項5】
前記画像表示装置上で前記基本画像の構成要素と前記遮蔽画像の構成要素を表示する際、経時的に位置を変えるようにしたことを特徴とする請求項1又は3に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項6】
異なる偏光状態を有する前記表示領域の別のセットと関連して、前記基本画像の構成要素を経時的に位置を変えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項7】
少なくとも前記基本画像の構成要素は、これから得られた前記反転画像の構成要素と時分割多重化により複合されることを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項8】
前記基本画像の構成要素と前記遮蔽画像の構成要素の双方は、これから得られた反転画像の構成要素を用いて時分割多重化により複合されることを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項9】
前記遮蔽画像の構成要素の各々は、同じ前記表示領域と関連した、対応する前記基本画像の構成要素の反転として得られることを特徴とする請求項8に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項10】
前記表示領域の前記偏光状態は固定されることを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項11】
前記表示領域の前記偏光状態は可変であることを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項12】
前記表示領域の各々は、この偏光状態を変えることができる可変型の偏光子を含むことを特徴とする請求項11に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項13】
前記可変型の偏光子は、電子制御可能な液晶装置を用いて構成されることを特徴とする請求項12に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項14】
前記表示領域の前記異なる偏光状態は、互いに対して略直交することを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項15】
前記表示領域の少なくとも幾つかは左側に円形状に偏光され、前記表示領域の少なくとも幾つかは右側に円形状に偏光されることを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項16】
前記基本画像の構成要素が関連する前記表示領域は、前記遮蔽画像の構成要素が関連する前記表示領域に対して、交差して偏光されることを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項17】
前記画像表示装置は、複数の表示ピクセルを含み、周期的な表示のリフレッシュサイクルを有する電子表示装置であり、前記表示領域の各々は、前記電子表示装置の前記ピクセルの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項18】
前記電子表示装置は、前記複数の異なるように偏光された表示領域を形成するため、前記ピクセルと並ぶ方向で交差して偏光された別の領域として構成される透明なオーバーレイを含むことを特徴とする請求項17に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項19】
前記基本画像の構成要素と前記遮蔽画像の構成要素は、前記表示のリフレッシュサイクルの各々で再生され、前記電子表示装置の前記表示サイクルの前後の偏光状態とは異なる偏光状態を有する前記ピクセルの別のセットと関連することを特徴とする請求項17に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項20】
前記画像目視装置は、能動的な偏光アイウェアとして構成されて、前記電子表示装置の前記表示のリフレッシュサイクルと同期して偏光状態を変化させるように、前記電子表示装置と交信できるようにしたことを特徴とする請求項19に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項21】
前記電子表示装置の前記表示領域は可変の偏光手段を含み、この偏光状態を変化させるようにし、前記画像目視装置は、能動的な偏光アイウェアとして構成されて、前記表示領域の偏光状態の変化と同期して偏光状態を変化させるように、前記電子表示装置と交信できるようにしたことを特徴とする請求項17に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項22】
空間多重化による画像修正を用いて、基本画像を秘密に保持する表示システムであって、
(a)異なる偏光状態を有する複数の隣接した表示領域を含む画像表示装置と、
(b)裸眼に対して実質的に特色のないように表れる組合わされた画像を生じさせるように、前記表示領域と関連して空間的に配置させた、基本画像の構成要素と、対応する反転画像の構成要素を有する、前記画像表示装置上に画像を生じさせる手段を含み、
(c)前記画像を生じさせる手段と前記画像表示装置は共に作用するように交信して、前記基本画像の構成要素が、前記反転画像の構成要素が関連する偏光状態とは異なる偏光状態を有する前記表示領域の少なくとも一つと関連するようにし、
(d)前記組合わされた実質的に特色のない画像のうち前記基本画像の構成要素だけを見せるように、前記画像表示装置の前記表示領域と共に作用するように偏光した画像目視手段を含むことを特徴とする秘密保持型表示システム。
【請求項23】
前記複数の表示領域は、異なる偏光状態の交互の縦列状に配置されることを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項24】
前記複数の表示領域は、異なる偏光状態の交互の横列状に配置されることを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項25】
前記組み合わせられた実質的に特色のない画像は、複数の前記基本画像の構成要素と対応する反転画像の構成要素から成り、これらは、異なる偏光状態を有する前記隣接した表示領域の交互のセットと関連することを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項26】
前記表示領域の前記異なる偏光状態は、互いに対して略直交することを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項27】
前記表示領域の少なくとも幾つかは左側に円形状に偏光され、前記表示領域の少なくとも幾つかは右側に円形状に偏光されることを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項28】
前記複数の表示領域は、固定された偏光状態を有することを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項29】
前記複数の表示領域は、可変の偏光状態を有することを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項30】
前記表示領域の各々は、電子的に可変の偏光子を有することを特徴とする請求項29に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項31】
前記可変の偏光子は、偏光状態を変えることができる液晶装置を含むことを特徴とする請求項30に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項32】
前記画像表示装置は、複数の表示ピクセルを有する電子表示装置を含み、前記表示領域の各々は、前記電子表示装置の前記ピクセルの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項33】
前記基本画像の構成要素は、共通の偏光状態を有する前記ピクセルの少なくとも一つと関連し、前記対応する反転画像の構成要素は、異なる偏光状態を有する前記ピクセルの少なくとも一つと関連することを特徴とする請求項32に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項34】
前記電子表示装置は液晶表示装置として構成され、前記表示領域の各々は、印加される電圧に基づいて偏光状態を変えることができる液晶装置を含む電子制御可能な偏光子を有することを特徴とする請求項32に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項35】
裸眼によって見ることができ、前記電子表示装置上の前記実質的に特色のない画像の上に表れるように、オーバーレイ画像を生じさせる手段を含み、このオーバーレイ画像は、前記反転画像の構成要素が関連する偏光状態と同じ偏光状態を有する前記表示領域の少なくとも一つと関連するオーバーレイ画像の構成要素を有することを特徴とする請求項32に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項36】
前記電子表示装置は、前記表示ピクセルにわたって透明な偏光用のオーバーレイを含み、この偏光用のオーバーレイは、異なる偏光状態の前記複数の表示領域を生じさせるように、前記表示ピクセルの幾つかの偏光状態を変えるように、構成され、かつ、配置されることを特徴とする請求項32に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項37】
前記画像表示装置は、異なる偏光状態の前記複数の隣接する表示領域を生じさせるために、構成され、かつ、配置される、透明な偏光用のオーバーレイを含むことを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項38】
前記基本画像の構成要素は、異なる前記表示領域と関連して、経時的に新しく再生されることを特徴とする請求項22に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項39】
前記異なる表示領域は、前記基本画像の構成要素が前に関連していた偏光状態とは異なる偏光状態を有することを特徴とする請求項38に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項40】
前記対応する基本画像、及び反転画像の各構成要素は、経時的に関連する表示領域を変えることを特徴とする請求項38に記載の秘密保持型表示システム。
【請求項41】
空間多重化による画像修正を用いて、基本画像を秘密に保持して表示する方法であって、
(a)画像表示装置の隣接して配置された表示領域を異なる偏光状態で偏光させ、
(b)前記画像表示装置上で、基本画像を構成する基本画像の構成要素を、対応するこの反転画像の構成要素と空間多重化により複合させて表示し、前記基本画像の構成要素を中和させて、裸眼では実質的に判読できないように配置し、そして、前記基本画像の構成要素は、前記反転画像の構成要素が関連する偏光状態とは異なる偏光状態を有する表示領域と関連するようにし、
(c)前記画像表示装置と交信する偏光されたフィルタ手段を用いて前記画像表示装置を目視させて、前記基本画像を構成する前記基本画像の構成要素だけを通過させて、目視させるようにした、各ステップを有することを特徴とする秘密保持表示方法。
【請求項42】
前記画像表示装置の前記隣接して配置された表示領域を偏光させる前記ステップは、前記表示領域の少なくとも一つの偏光状態を前記表示領域の他のものと比べて変えることができる、電子的に可変な偏光子を少なくとも一つ用いることを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項43】
前記隣接して配置された表示領域を偏光させる前記ステップは、印加される電圧に基づいて、前記表示領域の少なくとも一つの偏光状態を前記表示領域の他のものと比べて変えることができる、液晶構造の可変の偏光子を少なくとも一つ用いることを特徴とする請求項42に記載の秘密保持表示方法。
【請求項44】
前記画像表示装置の前記隣接して配置された表示領域を偏光させる前記ステップは、異なるように固定された偏光状態の別の領域を有して、前記画像表示装置の前記表示領域と整合する偏光装置を配置することを含むことを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項45】
前記空間多重化により複合された画像の構成要素を表示する前記ステップは、前記基本画像の構成要素が関連する前記表示領域の偏光状態を経時的に変化させることを含むことを特徴とする請求項44に記載の秘密保持表示方法。
【請求項46】
前記空間多重化により複合された画像の構成要素を表示する前記ステップは、前記基本画像の構成要素と前記対応する反転画像の構成要素の前記表示位置を周期的に変えて、前記画像表示装置の前記表示領域が異なるように偏光されたセットで表れるようにすることを含むことを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項47】
前記画像表示装置の前記隣接して配置された表示領域を偏光させる前記ステップは、互いに対して略交差する二つの偏光状態の間で、前記表示領域を空間的に変えるように配置することを含むことを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項48】
前記空間多重化により複合された画像の構成要素を表示する前記ステップは、前記画像表示装置上に異なるオーバーレイ画像を示すオーバーレイ画像の構成要素を表示することを含み、このオーバーレイ画像の構成要素は、前記反転画像の構成要素が関連する偏光状態と同じ偏光状態を有する前記表示領域の少なくとも幾つかと関連することを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項49】
前記画像表示装置を目視させる前記ステップは、前記基本画像を構成する前記基本画像の構成要素だけを通過させて、目視可能にするために、受動的な偏光アイウェアを用いることを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項50】
前記画像表示装置を目視させる前記ステップは、前記基本画像を構成する前記基本画像の構成要素だけを通過させて、目視可能にするために、前記画像表示装置と同期して操作される能動的な偏光アイウェアを用いることを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項51】
前記隣接して配置された表示領域を異なる偏光状態で偏光させる前記ステップは、左側と右側に円形状に偏光させることを含むことを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項52】
前記画像表示装置上で前記基本画像、及び対応する反転画像の各構成要素を表示する前記ステップは、裸眼に対して、実質的に特色のない組合わされた画像を生じさせることを含むことを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項53】
前記基本画像、及び対応する反転画像の各構成要素の表示位置を周期的に交換させるステップを含み、これらと関連する前記表示領域の偏光状態を同時に変えることで、表示される前記基本画像の構成要素と関連する前記表示領域の全てにおいて、経時的に同じ偏光状態を保つことを含むことを特徴とする請求項41に記載の秘密保持表示方法。
【請求項54】
空間多重化による画像修正を用いて、基本画像を秘密に保持して表示する方法であり、
(a)画像表示装置上に透明な偏光用のオーバーレイを配置し、このオーバーレイは、異なる偏光状態を有する複数の隣接して配置された偏光子を含み、
(b)前記オーバーレイの前記偏光子と整列した、複数の基本画像の構成要素と遮蔽画像の構成要素を空間多重化により複合させ、構成される合成画像を前記表示装置上に生じさせ、前記基本画像の構成要素は、基本画像の代表値であって、前記遮蔽画像の構成要素が整合する偏光状態とは異なる、共通の偏光状態を有する偏光子と整列しており、
(c)前記基本画像の構成要素だけを通過して、目視させるように、偏光されたレンズフィルタを用いて、前記オーバーレイを通過させて前記合成画像を目視させる、各ステップを有することを特徴とする秘密保持表示方法。
【請求項55】
前記基本画像、及び遮蔽画像の各構成要素を、得られた反転画像の構成要素を用いて、時分割多重化により複合させるステップを含むことを特徴とする請求項54に記載の秘密保持表示方法。
【請求項56】
前記合成画像を目視させる前記ステップは、前記基本画像の構成要素の偏光状態と整合するように偏光状態を変えることができる能動的なレンズフィルタを用いることを特徴とする請求項54に記載の秘密保持表示方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2007−537463(P2007−537463A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506526(P2007−506526)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/010807
【国際公開番号】WO2005/096740
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ポラロイド
【出願人】(504043679)ウォーターストライク インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/010807
【国際公開番号】WO2005/096740
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ポラロイド
【出願人】(504043679)ウォーターストライク インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】
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