説明

穿刺器具

【課題】穿刺針を確実に皮膚の所定の部位に穿刺することができる穿刺器具を提供すること。
【解決手段】穿刺器具1は、皮膚に穿刺針2により穿刺するものである。この穿刺器具1は、湾曲部22を有する穿刺針2と、この穿刺針2を保持する保持部材3と、前記穿刺針3によって体内に留置される留置具5と、体表面Fの所定の位置に載置されるガイド部材4と、を備え、前記ガイド部材4に沿って、前記穿刺針2を前記皮膚に穿刺するように構成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿刺器具に関し、皮膚の表面より穿刺して所定部位(例えば真皮)に対して用いられる穿刺器具に関する。
【背景技術】
【0002】
真皮は、表皮や皮下組織と比較すると毛細血管の密度が高く、またリンパ末端が存在するため、特に直接注入された薬剤は血管あるいはリンパ管に移行し、体液中に吸収される吸収速度が速いことが知られている。特に、真皮では、ホルモン、抗体医薬品、サイトカインなどの高分子物質を用いた薬剤を効率よく血液に吸収させることができる。また、真皮は効率の良い免疫の場であることが知られており、ワクチンの投与量を節約したり、弱いワクチンの感作を増強することができる。
【0003】
また、真皮は、成人の人間では体表面(角質層の表面)から略一定の深さに存在することが知られている。このことは、言い換えれば、真皮に薬剤を注入する場合には、これらの人間に対しては、同じ長さ(深さ)の穿刺針を用いることができることを意味している。
【0004】
一般に、真皮の幅は、体表面に対して垂直方向を基準とすると、1mm〜4mm(平均値は1mm〜2mm)程度であり、また、図10に示すように、真皮は、角質層を含んだ幅0.06mm〜0.1mm程度の表皮Eと、皮下組織Sとの間に挟まれるようにして皮膚内に存在する。
【0005】
従って、表皮と皮下組織の間にする存在する真皮に、穿刺器具の先端部、例えば穿刺針の針先を正確に挿入することは難しく、誤って針先が皮下組織等に挿入されてしまうと、薬剤を効率よく吸収させることができないという問題が生じる。
【0006】
近年、例えば、前述した高分子医薬品を持続的に若しくはワンショットで真皮をターゲットとして投与することが試みられているが、このような場合、特に上述した問題が顕著になる。
【0007】
ここで、体内の真皮に薬剤を注入するために、体内に挿入される穿刺針の長さを規定した皮下注射装置が知られている(特許文献1)。また、皮膚内に存在する特定の層に薬剤を注入するために、皮膚内に挿入される穿刺針の深さ(挿入深さ)を所定の長さに規定し、体表面に対して垂直方向から穿刺針を皮膚内に挿入する薬液注入装置も知られている(特許文献2)。
【0008】
【特許文献1】特開2001−137343号公報
【特許文献2】特開2005−87519号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、これらの装置では、体表面に対して垂直方向から穿刺針が皮膚内に挿入される構成が採用されている。この場合、穿刺針を穿刺しようとすると、皮膚全体が弾性的に窪んで穿刺されず、また穿刺されても針先が真皮まで達しないことがある。
【0010】
また、真皮に対して垂直に穿刺針が挿入されると、真皮内における穿刺針の深さ(挿入深さ)が短くなり、例えば外部から何らかの衝撃等が加えられたような場合には、薬剤注入中の穿刺針が真皮から抜けてしまうという問題が生じてしまう。
【0011】
さらに、これらの装置を用いた場合には、真皮において、真皮の表面(表皮と真皮の境目)に形成された穿刺針の挿入口から、穿刺針の先端にある薬剤放出口までの距離が短くなり、薬剤放出口から真皮に注入された薬剤が、挿入口から真皮の外(表皮)へ漏れてしまうという問題も生じてしまう。
【0012】
本発明の目的は、上述の問題点を考慮し、穿刺針を確実に皮膚の所定の部位に穿刺することができる穿刺器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
(1)皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
前記皮膚に接触する接触面を有する器具本体と、
所定の曲率半径の湾曲部を有する穿刺針と、
前記器具本体に設けられ、前記穿刺針を、前記曲率半径が描く円軌跡に沿って移動させ、前記皮膚に穿刺する穿刺針移動手段と、
を含むこと
を特徴とする穿刺器具。
【0014】
(2)皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
湾曲部を有する穿刺針と、
この穿刺針を保持する保持部材と、
前記穿刺針によって体内に留置される留置具と、
体表面の所定の位置に載置されるガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材に沿って、前記穿刺針を前記皮膚に穿刺するように構成したこと
を特徴とする穿刺器具。
【0015】
(3)前記ガイド部材には、前記穿刺針の湾曲に沿うような曲面が形成されていること
を特徴とする上記(2)に記載の穿刺器具。
【0016】
(4)前記保持部材には、前記ガイド部材に形成された曲面に沿うような曲面が形成されていること
を特徴とする上記(3)に記載の穿刺器具。
【0017】
(5)皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
湾曲部を有する中空の穿刺針と、
この穿刺針を保持する保持部材と、
前記穿刺針によって体内に留置される留置具と、
前記留置具を固定するための固定部材と、
体表面の所定の位置に載置されるガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材に沿って、前記穿刺針を前記皮膚に穿刺するように構成したこと
を特徴とする穿刺器具。
【0018】
(6)前記ガイド部材には、前記穿刺針の湾曲に沿うような曲面が形成されていること
を特徴とする上記(5)に記載の穿刺器具。
【0019】
(7)前記保持部材には、前記ガイド部材に形成された曲面に沿うよう曲面が形成されていること
を特徴とする上記(6)に記載の穿刺器具。
【0020】
(8)皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
湾曲部を有する穿刺針と、
この穿刺針を保持する保持部材と、
前記体表面の所定の位置に載置されるガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材に沿って、前記穿刺針を前記皮膚に穿刺するように構成したこと
を特徴とする穿刺器具。
【0021】
(9)前記ガイド部材の下方に位置する真皮層において、前記穿刺針の針先を含む先端部が、体表面に対して略平行となるように、前記穿刺針を穿刺するように構成したこと
を特徴とする上記(8)に記載の穿刺器具。
【0022】
(10)前記穿刺針は、所定の回転半径を有する回転軌跡上を移動し、前記穿刺針の針先が少なくとも前記回転軌跡の最下点まで移動するように構成されたことを特徴とする上記(2)、上記(5)、又は上記(8)に記載の穿刺器具。
【0023】
また、上記の目的は、下記(11)〜(22)の発明によっても達成される。
(11)前記穿刺針には、前記留置具を着脱するためのスリットが形成されていること
を特徴とする上記(2)に記載の穿刺器具。
【0024】
(12)前記留置具は、カテーテルであること
を特徴とする上記(2)に記載の穿刺器具。
【0025】
(13)前記穿刺針には、前記留置具を着脱するためのスリットが形成されていること
を特徴とする上記(5)に記載の穿刺器具。
【0026】
(14)前記保持部材と前記固定部材とは、互いに分離可能に構成されていること
を特徴とする上記(5)に記載の穿刺器具。
【0027】
(15)前記固定部材には、前記留置具を保持するための貫通孔が形成されていること
を特徴とする上記(5)に記載の穿刺器具。
【0028】
(16)前記留置具は、カテーテルであること
を特徴とする上記(5)に記載の穿刺器具。
【0029】
(17)前記保持部材は、前記穿刺針と連通する液室を有する薬液貯留部材であること
を特徴とする上記(8)に記載の穿刺器具。
【0030】
(18)前記保持部材は、前記穿刺針を固定する固定部材と、この固定部材に着脱可能な薬液貯留部材で構成されていること
を特徴とする上記(8)に記載の穿刺器具。
【0031】
(19)前記ガイド部材には、前記穿刺針を挿入するための挿入孔が形成されていること
を特徴とする上記(8)に記載の穿刺器具。
【0032】
(20)前記ガイド部材には、前記保持部材を係止するための係止部が形成されていること
を特徴とする上記(8)に記載の穿刺器具。
【0033】
(21)前記ガイド部材には、前記穿刺針の湾曲に沿うような曲面が形成されていること
を特徴とする上記(8)に記載の穿刺器具。
【0034】
(22)皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺方法であって、
前記皮膚に接触する接触面を有する器具本体と、
所定の曲率半径の湾曲部を有する穿刺針と、
前記器具本体に設けられた穿刺針移動手段と、を用い、
前記穿刺針移動手段によって、前記穿刺針を、前記曲率半径が描く円軌跡に沿うように移動させて、前記皮膚に穿刺するようにしたこと
を特徴とする穿刺方法。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、穿刺針を皮膚より穿刺して、所定の部位に確実に到達させることができる。
【0036】
また、本発明によれば、留置具により、確実に皮膚の所定の部位に薬剤を注入することができ、また、皮膚内の所定の物質を検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の穿刺器具を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではない。
【0038】
<第1実施形態>
まず、本発明の穿刺器具の第1実施形態について説明する。
【0039】
図1は、本発明の穿刺器具の第1実施形態を示す縦断面図を示したものである。また、図2は、図1に示す穿刺器具の使用方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下では、図1及び図2の上側を「基端」、下側を「先端」として説明する。
【0040】
図1に示す穿刺器具1は、穿刺針2と、穿刺針2を保持する保持部材3と、ガイド部材4と、穿刺針2に挿入されたカテーテル(留置具)5とを有している。
【0041】
穿刺針2は、内部に中空部を有する中空針であって、先端に針先20、基端に保持部材3と連結する結合部21が形成されている。また、穿刺針の長手方向に沿って、カテーテル5を着脱するためのスリット(図示せず)が設けられている。なお、スリットが設けられた穿刺針2の断面形状としては、例えば、スリットが開口部となるコの字型やUの字型が考えられる。
【0042】
穿刺針2は、湾曲部22を有しており、図1に示すように、湾曲部22は、円弧長Aと曲率半径Bを有している。
【0043】
穿刺針2の外径は、穿刺器具1の用途等によっても若干異なるが、0.05mm〜2.0mm程度であるのが好ましく、特に0.1mm〜1.0mm程度であるのが好ましい。
【0044】
湾曲部22の円弧長Aは、その中心角度が45〜180度の範囲で設定されることが好ましく、曲率半径Bは、特に限定されないが、1.0〜5.0mm程度であるのが好ましい。
【0045】
このような穿刺針2の構成材料としては、例えば、ステレンス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金等の金属材料が挙げられる。また、穿刺針2の湾曲部22は、例えば、塑性加工によって製造される。
【0046】
保持部材3は、穿刺針2の結合部21を固定保持するための取付面31と、穿刺針2の針先20を皮膚(体表面F)に穿刺した直後に、体表面Fと対向するような皮膚接触面32と、後述するガイド部材4が有している曲面41に沿って対向する曲面33とを有するように構成されている。
【0047】
なお、保持部材3には、使用者の操作性を向上させるためのグリップ等の把持手段が設けられていることが望ましい。
【0048】
保持部材3の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、アクリル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アイオノマー、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等の各種樹脂材料が挙げられる。
【0049】
また、保持部材3は、例えば、所望の形状に成型された金型に樹脂材料を流しこむような成型加工によって製造される。
【0050】
保持部材3に対する穿刺針2の結合部21の固着は、例えば、インサート成形あるいは接着によって達成される。この際には、保持部材3に形成された曲面33の断面の曲線と、穿刺針2の湾曲部22の内側における曲線とが連接するように、穿刺針2の結合部21を保持部材3の取付面31に固着する。
【0051】
このように構成することにより、使用者は、ガイド部材4が有している曲面41に沿って、穿刺針2と保持部材3をスムースに動かすことができるので、穿刺器具2を体表面Fに穿刺する際の操作性を向上させることができる。
【0052】
ガイド部材4は、穿刺針2と保持部材3の動きをスムースにするための曲面41と、皮膚Sに対して安定して固定するための平面を有する皮膚接触面42とを有するように構成されている。この曲面41は、穿刺針2の湾曲部22の曲線に沿うような断面形状を有するように構成されている。
【0053】
なお、曲面41には、穿刺針2の湾曲部22の形状に沿うような溝を形成してもよい。このように構成することにより、穿刺針2の動きを規制して、皮膚の正確な位置に穿刺することができる。
【0054】
ガイド部材4の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、アクリル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アイオノマー、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等の各種樹脂材料が挙げられる。
【0055】
また、ガイド部材4は、例えば、所望の形状に成型された金型に樹脂材料を流しこむような成型加工によって製造される。
【0056】
カテーテル5は、穿刺針2に形成されたスリット(図示せず)から、穿刺針2の中空部に挿通されている。カテーテル5は、可撓性を有しており、先端部には薬剤供給口51を有している。また、カテーテル5は、湾曲部22の形状に沿うようにして、穿刺針2の内部に保持されている。なお、カテーテル5の薬剤供給口51は、先端部以外に設けられていてもよく、また、複数箇所に形成されていてもよい。
【0057】
カテーテル5の端部には、送液ポンプ(図示せず)が接続されており、薬剤供給口51から皮膚内へ薬剤を供給する。
【0058】
なお、穿刺針2の内部に挿通される留置具は、薬剤を供給するカテーテルに限られるものではなく、センサ付きファイバーケーブルカテーテル、例えば、特開平8−107890号に開示されているような光ファイバーを備えた糖類測定用のセンサであってもよい。
また、糖類測定用のセンサの場合は、フェニルボロン誘導体からなる蛍光色素を含む蛍光センサであってもよい。
【0059】
また、センサ付きファイバーケーブルカテーテルとして、マイクロダイアリシスセンサーを用いる場合には、カテーテルの一部分が透析膜で形成される。
【0060】
カテーテルの端部には測定装置が接続され、皮膚内の状態をセンサにより測定する。なお、蛍光センサを用いる場合には、測定装置として蛍光測定器を用いる。また、マイクロダイアリシスセンサーを用いる場合には、測定装置は、カテーテルの透析液中の被測定物を測定する。
【0061】
次に、図2を用いて、第1実施形態の穿刺器具1の使用方法(作用)について説明する。
まず、保持部材3を指等で把持して、穿刺針2と保持部材3を、ガイド部材4に沿うようにして、図2(a)に示した矢印の方向に回動させる。
【0062】
これにより、穿刺針2がカテーテル5を保持した状態で、穿刺針2の針先20が体内に穿刺され、図2(b)に示すように、針先20を含めた穿刺針2の先端部分Pが体表面Fと略平行となるような状態で、真皮Dに留置される。
【0063】
この場合、図2(b)に示すように、穿刺針2が移動する回転軌跡を、ガイド部材4に設けられた回転中心点cを中心とする回転半径rの円軌跡と定義すると、穿刺針2の針先20が、少なくとも円軌跡の最下点bに到達するまで移動させて、穿刺針2を穿刺する。さらに、好ましくは、穿刺針2の針先20を、最下点bを超えて真皮Dの上面に達する手前まで、移動させる。
【0064】
すなわち、回転軌跡の回転半径rの大きさと、穿刺針2の移動距離を調整することで、穿刺針2の針先20が、正確に真皮Dに留置するように調整できる。
【0065】
このとき、穿刺針2を体内に穿刺する際には、穿刺針2の湾曲部22が皮膚を持ち上げるような状態を保ちながら、針先20を体内に挿入することができるので、使用者は、容易かつ確実に、穿刺針による穿刺作業を行うことができる。
【0066】
また、湾曲部22の円弧長Aや曲率半径Bを所定の長さに調整することにより、穿刺針2の針先20を、確実に真皮Dに留置させることができる。
【0067】
次に、再び保持部材3を指等で把持して、穿刺針2と保持部材3を、ガイド部材4に沿うようにして、図2(c)に示す矢印の方向に回動させる。
【0068】
これにより、カテーテル5が、穿刺針2に形成されたスリットから分離され、図2(d)に示すように、薬剤供給口51を含むカテーテル5が、体内の真皮Dに留置される。この状態で、送液ポンプからインスリンや成長ホルモン等の薬剤が供給され、薬剤供給口51から真皮Dに薬剤50が供給される。
【0069】
このように、本実施形態の穿刺器具1によれば、穿刺針2を確実に真皮Dに穿刺するので、カテーテル5を真皮Dに留置することができ、真皮Dに確実に薬剤を注入することができる。
【0070】
また、本実施形態の穿刺器具1によれば、穿刺針2が真皮D内で体表面Fに対して略平行な状態となるように、穿刺針2を穿刺するので、真皮D内における穿刺針2の挿入深さが長くなり、外部から衝撃等が加えられた場合であっても、留置されたカテーテル5が、真皮Dから抜けてしまうことを防止できる。
【0071】
さらに、表皮Eと真皮Dとの境目に形成されたカテーテル5の挿入口から、薬剤供給口51までの距離が長くなるので、一旦薬剤供給口51から真皮Dに注入された薬剤が、逆流して挿入口から表皮Eへ漏れてしまうことを防止できる。
【0072】
<第2実施形態>
次に、本発明の穿刺器具の第2実施形態について説明する。
【0073】
図3は、本発明の穿刺器具の第2実施形態を示す縦断面図である。また、図4は、図3に示す穿刺器具の使用方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下では、図3及び図4の上側を「基端」、下側を「先端」として説明する。
【0074】
以下、第2実施形態の穿刺器具について、前記第1実施形態の穿刺器具との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0075】
第2実施形態の穿刺器具1は、カテーテル5を固定保持するための固定部材6が、保持部材3と分離可能に設けられ、それ以外は、前記第1実施形態の穿刺器具1と同様である。
【0076】
固定部材6は、保持部材3の取付面31と分離可能に係合する係合面61と、体表面Fに対して安定して固定するための平面を有する皮膚接触面62とを有するように構成されている。なお、皮膚接触面62は、安定性を向上させるために、なるべく大きな面積を有する平面で形成される。
【0077】
保持部材3と固定部材6とを分離可能とする構成としては、例えば、係合面61に粘着性の弱い粘着テープを貼り付けることで、保持部材3の取付面31と係合面61とを分離できる構成にしてもよい。また、保持部材3に凸部を設け、この凸部と係合可能な凹部を固定部材6に設けることで、保持部材3と固定部材6とを分離可能とする構成としてもよい。
【0078】
また、固定部材6には、カテーテル5を挿通させるための貫通孔63が、保持部材6の長手方向であって皮膚接触面62と平行となる方向に形成されている。
【0079】
これにより、カテーテル5を体内に留置したときに、カテーテル5の体内外に配置される部分が、体表面Fに対して平行となるように、保持固定することができる。従って、カテーテル5を通して体内に供給される薬液を、詰まらせることなく安定した状態で供給することができる。
【0080】
固定部材6の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、アクリル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アイオノマー、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等の各種樹脂材料が挙げられる。
【0081】
また、固定部材6は、例えば、所望の形状に成型された金型に樹脂材料を流しこむような成型加工によって製造される。
【0082】
次に、図4を用いて、第2実施形態の穿刺器具1の使用方法(作用)について説明する。
まず、保持部材3を指等で把持して、穿刺針2と保持部材3、保持部材3に係合した状態の固定部材6を、ガイド部材4に沿うようにして、図4(a)に示す矢印の方向に回動させる。なお、固定部材6は、係合面61が保持部材3の取付面31に対向するような状態で、保持部材3に係合されている。
【0083】
これにより、穿刺針2及び固定部材6が、カテーテル5を内部に保持した状態で、穿刺針2の針先20が体内に穿刺され、図4(b)に示すように、針先20を含めた穿刺針2の先端部分Pが体表面Fと略平行となるような状態で、真皮Dに留置される。
【0084】
次に、再び保持部材3を指等で把持して、穿刺針2と保持部材3を、ガイド部材4に沿うようにして、図4(c)に示す矢印の方向に回動させる。これにより、保持部材3の取付面31と固定部材6の係合面61との係合が外れ、保持部材3と固定部材6は互いに分離し、固定部材6は体表面Fに載置された状態を維持する。
【0085】
回動動作に伴い、カテーテル5が、穿刺針2に形成されたスリットから分離され、図4(d)に示すように、薬剤供給口51を含むカテーテル5が、体内の真皮Dに留置されるとともに、体外に配置される部分のカテーテル5は、固定部材6によって、体表面Fと水平になるように保持固定される。この状態で、カテーテル5に接続された送液ポンプから薬剤が供給され、薬剤供給口51から真皮Dに薬剤50が供給される。
【0086】
このように、本実施形態の穿刺器具1によれば、穿刺針2を確実に真皮Dに穿刺するので、カテーテル5を確実に真皮Dに留置することができる。従って、薬剤を確実に真皮Dに注入することができる。
【0087】
また、固定部材6により、薬剤供給中のカテーテル5を安定した状態に保つことができるので、より確実に薬剤を供給することができる。
【0088】
また、本実施形態の穿刺器具1によれば、穿刺針2が真皮D内で体表面Fに対して略平行な状態となるように、穿刺針2を穿刺するので、真皮D内における穿刺針2の挿入深さが長くなり、外部から衝撃等が加えられた場合であっても、留置されたカテーテル5が、真皮Dから抜けてしまうことを防止できる。
【0089】
さらに、表皮Eと真皮Dとの境目に形成されたカテーテル5の挿入口から、薬剤供給口51までの距離が長くなるので、一旦薬剤供給口51から真皮Dに注入された薬剤が、逆流して挿入口から表皮Eへ漏れてしまうことを防止できる。
【0090】
<第3実施形態>
次に、本発明の穿刺器具の第3実施形態について説明する。
図5は、本実施形態の穿刺器具1を構成するセット装置9とディスポカセット10の縦断面図である。また、図6は、図5に示す穿刺器具の使用方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下では、図5の上側を「基端」、下側を「先端」として説明する。
【0091】
図5に示す器具本体としてのセット装置9は、外枠91と、外枠91に移動可能に取り付けられたレバー92と、レバー92に取り付けられた弾性部材93と、外枠91の内部に設けられ、回転可能に保持された一対のローラ94と、この一対のローラ92に巻き回されたベルト95とから構成される。
【0092】
セット装置9には、ディスポカセット10を内部に装着するための装着部96が形成されている。また、外枠91の体表面F側には、皮膚と接触するための皮膚接触面911が形成されている。
【0093】
図5に示すディスポカセット10は、カテーテル5と、このカテーテル5を内部に保持する固定部材6と、固定部材6を着脱可能に保持する半円板部材101と、半円板101を回転可能に支持する回転軸102と、回転軸102が固定される外枠103とから構成される。
【0094】
半円板101には、円板の円周に沿って、所定の曲率半径と円弧を有する穿刺針2が取り付けられている。このとき、穿刺針2の針先20が、体表面Fに近接するように取り付けられている。
【0095】
半円板101は、回転軸102を中心として、外枠103の内部を回動できるように、外枠103に支持されている。また、外枠103の体表面F側には、皮膚と接触するための皮膚接触面104が形成されている。
【0096】
次に、図6を用いて、第3実施形態の穿刺器具1の使用方法(作用)について説明する。
まず、図6(a)に示すように、ディスポカセット10をセット装置9の装着部95に装着した状態で、穿刺器具1を皮膚に載置する。このとき、セット装置9の皮膚接触面911及びディスポカセット10の皮膚接触面104が、体表面Fに密着するようにして、穿刺器具1が皮膚に装着される。
【0097】
また、ディスポカセット10をセット措置9に装着した際には、セット装置9の内部に設けられた先端側のローラ94とディスポカセット10の半円板101とが接触するように装着される。
【0098】
次に、図6(b)に示すように、セット装置9のレバー92を、弾性部材93の抵抗に逆らって、先端側に向って押し下げる。これにより、レバー92に接触している基端側のローラ94が回転する。
【0099】
基端側のローラ94が回転すると、ベルト95を介して、先端側のローラ94が回転する。先端側のローラ94が回転すると、このローラ94に接触している半円板101が回転軸102を中心として、回動する。
【0100】
半円板101が回動すると、半円板101に取り付けられた穿刺針2も回動し、穿刺針2の針先20が皮膚に穿刺される。また、これと同時に、半円板101に取り付けられている固定部材6も、体表面Fへ向って回動する。
【0101】
さらに、レバー92を先端側に押し下げると、さらに半円板101が回動し、図6(b)に示すように、針先20を含む穿刺針2の先端部分Pが体表面Fと略水平方向の状態で、真皮Dに留置される。また、これと同時に、固定部材6の皮膚接触面62が体表面Fに密着するようにして、皮膚に載置される。
【0102】
次に、図6(c)に示すように、セット装置9のレバー92を基端側に引き上げる。この場合、レバー92に加える力を解除することにより、弾性部材93の弾力によって、レバー92は、自動的に基端側へ引き上げられる。
【0103】
これにより、レバー92に接触している基端側のローラ94が、レバー92を押し下げる場合と反対方向に回転する。
【0104】
基端側のローラ94が反対方向に回転すると、先端側のローラ94も反対方向に回転する。先端側のローラ94が反対方向に回転すると、半円板101も反対方向に回動する。
【0105】
これにより、半円板101に取り付けられている穿刺針2が、皮膚から引き抜かれる。これと同時に、穿刺針2に保持されていたカテーテル5は、穿刺針2に設けられているスリットから外れ、真皮Dに留置される。
【0106】
また、半円板101が反対方向に回動する際には、半円板101に着脱可能に取り付けられていた固定部材6が、半円板101から分離する。
【0107】
次に、図6(d)に示すように、穿刺器具1を体表面Fから分離し、セット装置9と、固定部材6を除くディスポカセット10を、一体に廃棄する。このとき、穿刺針2は、穿刺時以外はディスポカセット10の外枠103内部に収納されているため、汚染や感染の防止に効果的である。
【0108】
図6(d)に示すように、カテーテル5を真皮Dに留置させた状態で、カテーテル5の端に接続された送液ポンプ(図示せず)から、薬剤を真皮Dへ投与する。なお、カテーテル5ではなく、センサ付きファイバーケーブルカテーテルを真皮Dに留置した場合には、カテーテルの端に接続された測定装置によって、真皮Dの状態を測定する。
【0109】
このように、本実施形態の穿刺器具1によれば、穿刺針2を確実に真皮Dに穿刺することができ、カテーテル5を真皮Dに留置することができる。すなわち、真皮Dに確実に薬剤を注入することができる。
【0110】
また、機械的に穿刺針2の穿刺を行うので、より確実に穿刺針2を真皮Dに穿刺することができる。
【0111】
また、本実施形態の穿刺器具1によれば、穿刺針2が真皮D内で体表面Fに対して略平行な状態となるように、穿刺針2を穿刺するので、真皮D内における穿刺針2の挿入深さが長くなり、外部から衝撃等が加えられた場合であっても、留置されたカテーテル5が、真皮Dから抜けてしまうことを防止できる。
【0112】
さらに、表皮Eと真皮Dとの境目に形成されたカテーテル5の挿入口から、薬剤供給口51までの距離が長くなるので、一旦薬剤供給口51から真皮Dに注入された薬剤が、逆流して挿入口から表皮Eへ漏れてしまうことを防止できる。
【0113】
<第4実施形態>
次に、本発明の穿刺器具の第4実施形態について説明する。
【0114】
図7は、本実施形態に使用する注射装置7の縦断面図である。
図7に示す注射装置7は、穿刺針2と、穿刺針2を保持するハブ(保持部材)13と、シリンジ8とを有している。
【0115】
穿刺針2は、内部に中空部を有する中空針であって、先端には針先20が形成されており、基端はハブ13と結合している。
【0116】
穿刺針2は、円弧状の湾曲部22を有しており、湾曲部22は、図7に示すように円弧長Aと曲率半径Bを有している。
【0117】
穿刺針2の外径は、穿刺器具1の用途等によっても若干異なるが、0.05mm〜2.0mm程度であるのが好ましく、特に0.1mm〜1.0mm程度であるのが好ましい。
【0118】
湾曲部22の円弧長Aは、その中心角度が45度〜150度の範囲で設定されることが好ましく、曲率半径Bは、特に限定されないが、1.0〜5.0mm程度であるのが好ましい。
【0119】
このような穿刺針2の構成材料としては、例えば、ステレンス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金等の金属材料が挙げられる。また、穿刺針2の湾曲部22は、例えば、塑性加工によって製造される。
【0120】
ハブ13は、有底筒状の部材で構成され、底部の外周端部の一部に穿刺針2を挿入するための孔131が形成され、その孔131に穿刺針2が接着固定されている。
【0121】
また、ハブ13には、シリンジ(薬液貯留部材)8が着脱可能に取り付けられている。
【0122】
シリンジ8は、外筒81と、外筒81内で摺動可能なガスケット82と、ガスケット82を操作するプランジャ84とを備えている。外筒81は、有底筒状の部材で構成され、底部の外周端部の一部には、ハブ13に設けられた孔131と合致して、穿刺針2の中空部と連通可能な貫通孔85が形成されている。
【0123】
また、外筒81とガスケット82とで囲まれる空間には、液室83が形成され、予め液体が液密に収納されている。
【0124】
シリンジ8を使用する際には、貫通孔85の先端からフィルム等の封止部材を剥離、除去して封止を解除し、ハブ13に形成された孔131と、シリンジ8に形成された貫通孔85とが一致するようにして、ハブ13をシリンジ8に装着する。
【0125】
ついで、プランジャ84を先端方向に押圧して、プランジャ84に連結されたガスケット82が外筒81内で先端方向に摺動し、液室83内の液体が貫通孔85および穿刺針2の中空部を通って、体内に排出される。
【0126】
なお、本実施形態では、ハブ13に対して、シリンジ8が着脱可能となる構成を採用したが、ハブ13とシリンジ8の外筒81が一体に形成される構成であってもよい。
【0127】
図8は、本発明の穿刺器具の第3実施形態を示す縦断面図である。
また、図9は、図8に示す穿刺器具の使用方法を説明するための図(縦断面図)である。
【0128】
図8に示すように、本実施形態の穿刺器具は、注射装置7とガイド部材4とから構成されている。
【0129】
ガイド部材4には、注射装置7を挿入するための挿入部40が形成されている。挿入部40は、注射装置7の穿刺針2を挿入するための挿入孔401と、シリンジ8の外筒81の一部と係合して、注射装置7の動きを規制する係止部402とが形成されている。
【0130】
係止部402は、シリンジ8の外形と合致するような形状に形成されている。
【0131】
挿入孔401は、穿刺針2の動きをスムースにするために、穿刺針2の湾曲部22の曲線に沿うような形状に形成されている。これにより、注射装置7をガイド部材4に沿ってスムースに動かすことができるので、体表面Fに穿刺する際の穿刺器具1の操作性を向上させることができる。
【0132】
また、ガイド部材4の体表面Fと対向する側には、ガイド部材4が皮膚に対して安定した状態を保つための平面を有する皮膚接触面42が形成されている。
【0133】
ガイド部材4の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、アクリル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アイオノマー、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等の各種樹脂材料が挙げられる。
【0134】
また、ガイド部材4は、例えば、所望の形状に成型された金型に樹脂材料を流しこむ成型加工によって製造される。
【0135】
次に、図9を用いて、第4実施形態の穿刺器具1の使用方法(作用)について説明する。
【0136】
まず、シリンジ8を指等で把持して、注射装置7を、ガイド部材4に沿うようにして、図7(a)に示す矢印の方向に回動させる。
【0137】
すると、シリンジ8の一部が、ガイド部材4に設けられた係止部402に係止され、図7(b)に示すように、針先20を含む穿刺針2の先端部Pが、体表面Fと略平行となるような状態で、体内に留置される。すなわち、穿刺針の先端部Pが、ガイド部材4の皮膚接触面42の下方に位置する真皮Dに、体表面Fと略水平の状態を保ったまま穿刺される。
【0138】
この際、体内に挿入される穿刺針2の挿入深さは、図7(a)に示すような注射装置7をガイド部材4にセットした際の係止部402からシリンジ8までの円弧長Lによって決められる。
【0139】
言い換えれば、ガイド部材4に設けられる係止部402の位置を調整することにより、穿刺針2の針先20を、確実に真皮Dに留置させることができる。同様に、湾曲部22の円弧長Aや曲率半径Bを所定の長さに調整することにより、穿刺針2の針先20を、確実に真皮Dに留置させることができる。
【0140】
なお、このとき、穿刺針2の湾曲部22が皮膚を持ち上げる状態を保ちながら、針先20を体内に挿入することができるので、使用者は、容易かつ確実に穿刺作業を行うことができる。
【0141】
次に、図7(c)に示すように、シリンジ8のプランジャ84を押圧することにより、穿刺針2の先端から真皮Dへ薬剤50を注入する。
【0142】
次に、再びシリンジ8を指等で把持して、図7(d)に示す矢印の方向に、ガイド部材4に沿うようにして注射装置7を回動させて、穿刺針2を体内から引き抜く。
【0143】
このように、本実施形態の穿刺器具1によれば、穿刺針2を確実に真皮Dに穿刺することができるので、確実に薬剤を真皮Dへ注入することができる。
【0144】
また、本実施形態の穿刺器具1によれば、穿刺針2が真皮D内で体表面Fに対して略平行な状態となるように、穿刺針2を穿刺するので、真皮D内における穿刺針2の挿入深さが長くなり、外部から衝撃等が加えられた場合であっても、薬剤注入中の穿刺針2が、真皮Dから抜けてしまうことを防止できる。
【0145】
さらに、表皮Eと真皮Dとの境目に形成された穿刺針2の挿入口から、針先20までの距離が長くなるので、一旦針先20から真皮Dに注入された薬剤が、逆流して挿入口から表皮Eへ漏れてしまうことを防止できる。
【0146】
なお、上記の実施形態では、いずれも真皮Dに穿刺針2を穿刺する形態例で説明したが、本発明の穿刺器具は、真皮Dの他に、皮内や皮下組織、更には筋肉に穿刺する場合にも用いることができる。
【0147】
なお、本発明の穿刺器具は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、その他材料、構成等において本発明の構成を逸脱しない範囲において種々の変形、変更が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】図1は、本発明の穿刺器具の第1実施形態を示す縦断面図を示したものである。
【図2】図2は、図1に示す穿刺器具の使用方法を説明するための図(縦断面図)である
【図3】図3は、本発明の穿刺器具の第2実施形態を示す縦断面図である。
【図4】図4は、図3に示す穿刺器具の使用方法を説明するための図(縦断面図)である。
【図5】図5は、本発明の穿刺器具の第3実施形態を示す縦断面図である。
【図6】図6は、図5に示す穿刺器具の使用方法を説明するための(縦断面図)である。
【図7】図7は、本実施形態に使用する注射装置7の縦断面図である。
【図8】図8は、本発明の穿刺器具の第4実施形態を示す縦断面図である。
【図9】図9は、図8に示す穿刺器具の使用方法を説明するための図(縦断面図)である。
【図10】図10は、一般的な皮膚の断面構造を示す図である。
【符号の説明】
【0149】
1・・穿刺器具
2・・穿刺針
20・・針先
21・・結合部
22・・湾曲部
3・・保持部材
31・・取付面
32・・皮膚接触面
33・・曲面
4・・ガイド部材
40・・挿入孔
41・・曲面
42・・皮膚接触面
43・・係止部
5・・カテーテル
6・・固定部材
61・・係合面
62・・皮膚接触面
63・・貫通孔
7・・注射装置
71・・外筒
72・・ガスケット
73・・液室
74・・プランジャ
8・・シリンジ
9・・セット装置
91・・外枠
92・・レバー
93・・弾性部材
94・・ローラ
95・・ベルト
96・・装着部
911・・皮膚接触面
10・・ディスポカセット
101・・半円板
102・・回転軸
103・・外枠
104・・皮膚接触面
P・・先端部
F・・体表面
SC・・角質層
E・・表皮
D・・真皮
S・・皮下組織
A・・円弧長
B・・曲率半径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
前記皮膚に接触する接触面を有する器具本体と、
所定の曲率半径の湾曲部を有する穿刺針と、
前記器具本体に設けられ、前記穿刺針を、前記曲率半径が描く円軌跡に沿って移動させ、前記皮膚に穿刺する穿刺針移動手段と、
を含むこと
を特徴とする穿刺器具。
【請求項2】
皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
湾曲部を有する穿刺針と、
この穿刺針を保持する保持部材と、
前記穿刺針によって体内に留置される留置具と、
体表面の所定の位置に載置されるガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材に沿って、前記穿刺針を前記皮膚に穿刺するように構成したこと
を特徴とする穿刺器具。
【請求項3】
前記ガイド部材には、前記穿刺針の湾曲に沿うような曲面が形成されていること
を特徴とする請求項2に記載の穿刺器具。
【請求項4】
前記保持部材には、前記ガイド部材に形成された曲面に沿うような曲面が形成されていること
を特徴とする請求項3に記載の穿刺器具。
【請求項5】
皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
湾曲部を有する中空の穿刺針と、
この穿刺針を保持する保持部材と、
前記穿刺針によって体内に留置される留置具と、
前記留置具を固定するための固定部材と、
体表面の所定の位置に載置されるガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材に沿って、前記穿刺針を前記皮膚に穿刺するように構成したこと
を特徴とする穿刺器具。
【請求項6】
前記ガイド部材には、前記穿刺針の湾曲に沿うような曲面が形成されていること
を特徴とする請求項5に記載の穿刺器具。
【請求項7】
前記保持部材には、前記ガイド部材に形成された曲面に沿うよう曲面が形成されていること
を特徴とする請求項6に記載の穿刺器具。
【請求項8】
皮膚を穿刺針により穿刺する穿刺器具であって、
湾曲部を有する穿刺針と、
この穿刺針を保持する保持部材と、
前記体表面の所定の位置に載置されるガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材に沿って、前記穿刺針を前記皮膚に穿刺するように構成したこと
を特徴とする穿刺器具。
【請求項9】
前記ガイド部材の下方に位置する真皮層において、前記穿刺針の針先を含む先端部が、体表面に対して略平行となるように、前記穿刺針を穿刺するように構成したこと
を特徴とする請求項8に記載の穿刺器具。
【請求項10】
前記穿刺針は、所定の回転半径を有する回転軌跡上を移動し、前記穿刺針の針先が少なくとも前記回転軌跡の最下点まで移動するように構成されたことを特徴とする請求項2、請求項5又は請求項8に記載の穿刺器具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−117392(P2007−117392A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−313414(P2005−313414)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】