説明

窒化物単結晶の製造方法及び製造装置

【課題】 昇華法により欠陥が無く、良質で、大口径の窒化物単結晶が効率良く製造できる窒化物単結晶の製造技術を提供する。
【解決手段】 加熱炉1内の原料るつぼ4内に収容した窒化物単結晶用の原料9を加熱して昇華させ、昇華させた原料を、当該加熱炉内に設けられ、サセプター10にて支持されている種子結晶7上に析出させて単結晶を成長させる窒化物単結晶の製造方法であって、サセプターに設けられた回転手段11にて、原料の昇華開始初期の段階では当該サセプターの種子結晶を設けていない面12が原料るつぼ側を向く位置に回転させ、原料の昇華が定常状態に移行したときに回転手段にてサセプターを回転させて種子結晶7の面が原料るつぼ側を向くように回転させ、当該種子結晶上に昇華させた原料を析出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒化物単結晶の製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
III族元素の窒化物のうち、窒化アルミニウムの単結晶材料は、窒化ガリウムを用いた半導体発光デバイスの基板として期待されている。これは、窒化ガリウムの光半導体デバイスの基板には、従来、サファイアの単結晶材料が用いられているところ、窒化アルミニウムは、サファイアに比べて熱伝導率が高く、かつ、窒化ガリウムとの格子の不整合性が小さいからであり、また、バンドギャップの大きさも、サファイアと同様に可視領域での光吸収が無い程度以上の大きさを具備しているからである。
【0003】
このようなIII族元素の窒化物の単結晶材料は、工業的に用いられる温度、圧力の条件下では、安定な液相を持たないことから、シリコンの単結晶のように液相から種子結晶を引き上げるなどの方法では製造することができない。そのため、種々の方法が提案されている。
【0004】
例えば、Glen A.SLACK and T.F.McNELLY, Journal of Crystal Growth 34(1976), p.263-279(非特許文献1)には、高純度AlNの結晶成長に関して、昇華法やその他の結晶粒成長技術について概説されており、このうち、昇華法に関しては、AlNを装入したカーボン製のるつぼを加熱して、AlN単結晶が製造可能であることが記されている。しかし、この非特許文献1に開示されているAlN単結晶は、粉状又は粒状程度の微小な単結晶であって、半導体発光デバイスの基板として使用できる大きさの単結晶については開示されていない。また、R.Shelesser, Z.Sitar, Journal of Crystal Growth 234(2002), p.349-353(非特許文献2)には、アルミニウムを窒素雰囲気中で蒸発させることにより、AlN単結晶の成長が確認できたことが記載されている。
【0005】
近年では、窒化物単結晶の製造方法として、昇華法が有望視されるようになってきており、この昇華法について技術開発が進められている。例えば、特開平10−053495号公報(特許文献1)には、窒化物の粉末と、この窒化物と反応して窒化物を分解気化させる酸化物の粉末とを混合し、窒素雰囲気などで昇華温度よりも低い温度で加熱することにより、バルク素材として実用に供し得る大きさの窒化物単結晶が得られたことが記載されている。
【0006】
図6は、昇華法を用いた従来の一般的な窒化物単結晶の製造装置を示している。図中1は加熱炉であり、この加熱炉1は、加熱手段である誘導加熱コイル2と、この誘導加熱コイル2の内側に配置された加熱炉本体3とを備えている。加熱炉本体3の内側下部には、窒化物単結晶の原料9を収容する黒鉛るつぼ4が設けられている。また、加熱炉本体3には雰囲気ガスの流入口5及び排出口6が設けられていて、流入口5から雰囲気ガスを導入する一方、排出口6から排出させて、加熱炉本体3の内側を所定のガス雰囲気でかつ、所定のガス圧力に調整できるようになっている。また、加熱炉本体3の内側上部には、窒化物単結晶の種子結晶7が貼り付けられたサセプター8が固定されている。このサセプター8は、黒鉛などからなる板状のものであり、その種子結晶7を貼り付ける面は、原料9を収容した黒鉛るつぼ4と対向するように水平に配置されている。また、種子結晶7の表面もサセプター8の表面と平行となるように、水平に配置されている。
【0007】
このような窒化物単結晶の製造装置を用いて昇華法により窒化物単結晶を製造するときには、まず、黒鉛るつぼ4の内側に原料9となる窒化物の粉末や焼結体などを配置する。次いで、加熱炉1内を排出口6に接続された図示しない排気ポンプにより真空排気した後、雰囲気ガスの流入口5から窒素などの雰囲気ガスを導入する。そして、誘導加熱コイル2を動作させることにより、図3のグラフに示す加熱・昇温条件で黒鉛るつぼ4内に収容した原料9である窒化物粉末や焼結体を所定の昇華温度になるよう加熱するとともに、サセプター8及び種子結晶7を所定の析出温度になるよう加熱する。また、加熱中は、加熱炉1上部の排出口6から加熱炉1内の雰囲気ガスを排気しつつ下部の流入口5から雰囲気ガスを加熱炉1内に供給することにより、加熱炉1内のガス圧力、流量を適切に調整している。
【0008】
この炉内加熱により、黒鉛るつぼ4に収容された原料9である窒化物粉末などが溶融、昇華し、昇華した窒化物の原料ガスが種子結晶7の表面で析出することにより、窒化物の単結晶が結晶成長する。この結晶成長中においては、種子結晶7上での結晶成長の結晶化速度を制御するため、種子結晶7の温度と原料9から昇華する昇華ガスの昇華速度(単位時間当たりの昇華量)とをそれぞれ最適化する温度制御が行われている。
【0009】
このような昇華法による結晶成長時においては、加熱炉1内の温度分布は、るつぼ4及び原料9が最も高温となり、サセプター8及び種子結晶7が最も低温となる。原料温度A℃、析出部温度B℃の設定(A>B)では、析出部温度B℃以下でも析出が開始する。その場合、結晶核は種子結晶上にランダムに付着し、その後の結晶成長過程での気相/結晶の界面は荒れた状態で成長することから、得られる単結晶には多くの欠陥が導入されるという欠陥があった。
【特許文献1】特開平10−053495号公報
【非特許文献1】Glen A.SLACK and T.F.McNELLY, Journal of Crystal Growth 34(1976), pp.263-279
【非特許文献2】R.Shelesser, Z.Sitar, Journal of Crystal Growth 234(2002), pp.349-353
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、昇華法により窒化物単結晶を製造する際に得られる単結晶に欠陥が無く、良質で、大口径の単結晶が効率良く製造できる窒化物単結晶の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、加熱炉内の原料るつぼ内に収容した窒化物単結晶用の原料を加熱して昇華させ、昇華させた原料を、当該加熱炉内に設けられ、サセプターにて支持されている種子結晶上に析出させて単結晶を成長させる窒化物単結晶の製造方法であって、前記加熱炉内のサセプターに設けられた回転手段にて、前記原料の昇華開始初期の段階では当該サセプターの前記種子結晶を設けていない面が前記原料るつぼ側を向く位置に回転させ、前記原料の昇華が定常状態に移行したときに前記回転手段にて前記サセプターを回転させて前記種子結晶の面が前記原料るつぼ側を向くように回転させ、当該種子結晶上に昇華させた原料を析出させることを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の窒化物単結晶の製造方法において、前記サセプターが三角柱以上の多面体であり、当該サセプターの少なくとも1側面を前記種子結晶の設けていない面とすることを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、加熱炉内の原料るつぼ内に収容した窒化物単結晶用の原料を加熱して昇華させ、昇華させた原料を、当該加熱炉内に設けられ、サセプターにて支持されている種子結晶上に析出させて単結晶を成長させる窒化物単結晶の製造装置であって、前記原料の昇華開始初期の段階では当該サセプターの前記種子結晶を設けていない面が前記原料るつぼ側を向く位置に回転させ、前記原料の昇華が定常状態に移行したときに前記サセプターを回転させて前記種子結晶の面が前記原料るつぼ側を向くように回転させるための回転手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項4の窒化物単結晶の製造装置において、前記サセプターが三角柱以上の多面柱体であり、当該サセプターの少なくとも1側面を前記種子結晶の設けていない面としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の窒化物単結晶の製造方法によれば、加熱炉内のサセプターに設けられた回転手段にて、原料の昇華開始初期の段階ではサセプターの種子結晶を設けていない面が原料るつぼ側を向く位置に回転させ、原料の昇華が定常状態に移行したときに回転手段にてサセプターを回転させて種子結晶の面が原料るつぼ側を向くように回転させ、当該種子結晶上に昇華させた原料を析出させることにより、サセプターの種子結晶の表面には欠陥がなく、良質で大口径の単結晶を効率良く析出させることができる。
【0016】
本発明の窒化物単結晶の製造装置によれば、これを用いて上述の窒化物単結晶の製造方法を実現することができ、それによってサセプターの種子結晶の表面には欠陥がなく、良質で大口径の単結晶を効率良く析出させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
【0018】
(第1の実施の形態)図1、図2は本発明の第1の実施の形態の窒化物単結晶の製造装置の断面図であり、図1は初期段階、図2は結晶成長段階を示す。1は加熱炉であり、この加熱炉1は、加熱手段である誘導加熱コイル2と、この誘導加熱コイル2の内側に配置された加熱炉本体3とを備えている。加熱炉本体3の内側下部には、原料9を収容する黒鉛るつぼ4が設けられている。また、加熱炉本体3には雰囲気ガスの流入口5及び排出口6が設けられていて、流入口5から雰囲気ガスを導入する一方、排出口6から排出させて、加熱炉本体3の内側を所定のガス雰囲気でかつ、所定のガス圧力に調整できるようになっている。また、加熱炉本体3の内側上部には、窒化物単結晶の種子結晶7が貼り付けられた回転式サセプター10が回転軸11にて取り付けられている。この回転式サセプター10は、回転軸11に対して炉外において取り付けられているハンドルを持って回転操作することによって回転軸11を回転させ、この回転軸11の回転に伴って180度回転することができる。
【0019】
回転式サセプター10の両側にはカバー13が取り付けてある。このカバー13は、黒鉛るつぼ4から昇華する原料ガスがサセプター10の対向面と反対の面(裏面)側に回り込んで初期段階で種子結晶7の表面に付着し単結晶が析出するのを防ぐ働きをする。
【0020】
次に、上記構成の窒化物単結晶の製造装置を用いて行う窒化物単結晶の製造方法について説明する。温度条件、雰囲気ガスの通流条件等は従来例と同様である。例えば、原料にはAlNの粉末又はセラミックを用い、黒鉛るつぼ内に投入しておく。サセプター上にはSiC単結晶を種子結晶として取り付けておく。AlN単結晶を作製する場合、るつぼ内の温度は2000℃〜2300℃、種子結晶の表面温度は1990℃〜2050℃に制御する。
【0021】
窒化物単結晶の製造の初期段階では、図1に示すような製造装置において、回転式サセプター10を回転させて種子結晶7の設けられていない裏面12側を黒鉛るつぼ4に対向させる。そして図3に示したような温度条件で昇温させる。
【0022】
通常、図3に示すような加熱・昇温条件で加熱・昇温する場合、原料温度2,200℃の設定では、原料温度2,200℃以下の2,000℃程度(ステップ4)から析出が開始する。その場合、結晶核は初期成長面上にランダムに付着し、その後の結晶成長過程での気相/結晶の界面は荒れた状態で成長することから、得られる単結晶には多くの欠陥が導入される。
【0023】
そこで本実施の形態の窒化物単結晶の製造方法では、原料温度が目標温度2,200℃に到達するステップ5の初期昇温段階では、上述したように回転式サセプター10を回転させて種子結晶7の設けられていない裏面12側を黒鉛るつぼ4に対向させてこの裏面12に単結晶に付着させる。
【0024】
そしてステップ5以降、結晶成長過程の2,200℃に原料温度が到達したなら、図2に示したように回転式サセプター10を回転軸11で180°回転させ、新規な種子結晶7を黒鉛るつぼ4側に対向するように露出させる。この操作によって、原料温度が目標温度2,200℃に到達し、安定した温度条件の下に種子結晶7の表面に対してAlN単結晶の析出を開始させる。
【0025】
このように、本実施の形態の窒化物単結晶の製造装置を用い、上記の製造方法によって種子結晶7の表面にAlN単結晶を析出させることにより、欠陥が無く、良質で、大口径の単結晶が製造できる。
【0026】
(第2の実施の形態)図4、図5は本発明の第2の実施の形態の窒化物単結晶の製造装置の断面図である。図3は初期段階、図4は結晶成長段階を示す。第1の実施の形態の装置では回転式サセプターが円盤体であったが、本実施の形態の装置では、3角柱体の回転式サセプター10をその長軸を回転軸11として加熱炉本体3内に支持し、外部からこの回転軸11を回転させることで回転式サセプター10の3側面のいずれかを黒鉛るつぼ4側に平行に対向させる構成にしている。そして三角柱体のサセプター10の2側面には種子結晶7を取り付け、残りの1側面はサセプター10自身の側面が露出する設定にしている。
【0027】
本実施の形態の窒化物単結晶の製造装置を用いる窒化物単結晶の製造方法は、第1の実施の形態と同様の加熱・昇温条件で黒鉛るつぼ4内のAlN原料9を加熱して昇華させ、サセプター10の一側面に単結晶を析出させるものである。そして、本実施の形態の製造方法の場合、原料加熱温度が目標温度に到達するまでは、図4に示すようにサセプター10自身の側面12を黒鉛るつぼ4側に対向させ、種子結晶7が設置してある他の側面はカバー13内に位置させることで、昇華ガスが回り込んでその表面に単結晶を析出しないようにする。
【0028】
そして、第1の実施の形態と同様の図3に示す加熱・昇温条件にて加熱・昇温し、原料温度が2,200℃に到達するステップ5までの初期昇温段階では、回転式サセプター10を回転させて種子結晶7の設けられていない側面12側を黒鉛るつぼ4に対向させてこの裏面12に単結晶に付着させる。
【0029】
そしてステップ5以降、結晶成長過程の目標温度2,200℃に原料温度が到達したなら、回転式サセプター10を回転軸11で120°回転させ、新規な種子結晶7を黒鉛るつぼ4側に対向するように露出させる。この操作によって、原料温度が目標温度2,200℃に到達し、安定した温度条件の下に種子結晶7の表面に対してAlN単結晶の析出を開始させる。
【0030】
さらに、1側面の種子結晶7に対して必要な厚みのAlN単結晶を析出させることができれば、さらに120°だけ回転式サセプター10を回転させ、別の新規な種子結晶7を黒鉛るつぼ4側に対向するように露出させ、種子結晶7の表面に対してAlN単結晶を析出させる。
【0031】
このように、本実施の形態の窒化物単結晶の製造装置を用い、上記の製造方法によって種子結晶7の表面にAlN単結晶を析出させることにより、欠陥が無く、良質で、大口径の単結晶が製造できる。加えて、本実施の形態の場合、サセプター10を三角柱体とし、かつ回転式としたので、一度の加熱・昇温工程によって欠陥が無く、良質で、大口径のAlN単結晶を2枚製造できる。
【0032】
なお、第2の実施の形態において窒化物単結晶の製造装置に用いる回転式サセプター10は三角柱体に限らず、4角柱体、5角柱体等、加熱炉本体の容積や形状、また目的とする窒化物単結晶のサイズに応じて他の多面体を採用することができる。
【0033】
また、第1、第2の実施の形態では窒化物単結晶としてAlN単結晶を例示したが、これに限らず、他の窒化物単結晶の製造にも適用することができる。
【実施例1】
【0034】
図1に示した窒化物単結晶の製造装置を用いて、原料目標温度2,200℃とし、窒化物原料9としてAlN粉末を黒鉛るつぼ4に収容し、図3のグラフに示した加熱・昇温条件に従い加熱・昇温させた。
【0035】
原料温度が2,200℃以下の2,000℃程度(ステップ4)から窒化物単結晶の析出が始まり、結晶核が回転式サセプター10の露出面12に付着し、結晶成長していった。
【0036】
この後、原料温度が目標温度である2,200℃に到達したステップ5において、回転式サセプター10を180°回転させ、新規な種子結晶7の面を露出させる図2に示す状態にして、原料窒化物を加熱して昇華させ、種子結晶7の表面にAlN単結晶を析出させ、成長させた。
【0037】
この窒化物単結晶の製造方法によって、種子結晶7の表面には欠陥がなく、良質で大口径の窒化物単結晶が析出、成長していることを確認できた。
【実施例2】
【0038】
図4に示した窒化物単結晶の製造装置を用いて、原料目標温度2,200℃とし、窒化物原料9としてAlN粉末を黒鉛るつぼ4に収容し、図3のグラフに示した加熱・昇温条件に従い加熱・昇温させた。
【0039】
原料温度が2,200℃以下の2,000℃程度(ステップ4)から窒化物単結晶の析出が始まり、結晶核が回転式サセプター10の露出面12に付着し、結晶成長していった。
【0040】
この後、原料温度が目標温度である2,200℃に到達したステップ5において、回転式サセプター10を120°回転させ、一側面の新規な種子結晶7の面を露出させる図5に示す状態にして、原料窒化物を加熱して昇華させ、種子結晶7の表面にAlN単結晶を析出させ、成長させた。
【0041】
続いて、回転式サセプター10をさらに120°回転させてもう一つの新規な種子結晶7の面を露出させた状態にして、原料窒化物を引き続き2,200°で加熱して昇華させ、種子結晶7の表面にAlN単結晶を析出させ、成長させた。
【0042】
この窒化物単結晶の製造方法によって、サセプター10の2側面の種子結晶7それぞれの表面には欠陥がなく、良質で大口径の窒化物単結晶が析出、成長していることを確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施の形態の窒化物単結晶の製造装置における、窒化物単結晶製造の初期段階時の状態を示す断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の窒化物単結晶の製造装置における、窒化物単結晶製造の結晶成長段階時の状態を示す断面図。
【図3】上記第1の実施の形態の窒化物単結晶の製造装置による窒化物単結晶の製造工程における加熱・昇温条件を示すグラフ。
【図4】本発明の第2の実施の形態の窒化物単結晶の製造装置における、窒化物単結晶製造の初期段階時の状態を示す断面図。
【図5】本発明の第2の実施の形態の窒化物単結晶の製造装置における、窒化物単結晶製造の結晶成長段階時の状態を示す断面図。
【図6】従来の窒化物単結晶の製造装置の断面図。
【符号の説明】
【0044】
1 加熱炉
2 誘導加熱コイル
3 加熱炉本体
4 黒鉛るつぼ
5 雰囲気ガス流入口
6 雰囲気ガス排出口
7 種子結晶
9 原料
10 回転式サセプター
11 回転軸
12 初期成長面
13 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱炉内の原料るつぼ内に収容した窒化物単結晶用の原料を加熱して昇華させ、昇華させた原料を、当該加熱炉内に設けられ、サセプターにて支持されている種子結晶上に析出させて単結晶を成長させる窒化物単結晶の製造方法であって、
前記加熱炉内のサセプターに設けられた回転手段にて、前記原料の昇華開始初期の段階では当該サセプターの前記種子結晶を設けていない面が前記原料るつぼ側を向く位置に回転させ、
前記原料の昇華が定常状態に移行したときに前記回転手段にて前記サセプターを回転させて前記種子結晶の面が前記原料るつぼ側を向くように回転させ、当該種子結晶上に昇華させた原料を析出させることを特徴とする窒化物単結晶の製造方法。
【請求項2】
前記サセプターが三角柱以上の多面体であり、当該サセプターの少なくとも1側面を前記種子結晶の設けていない面とすることを特徴とする請求項1に記載の窒化物単結晶の製造方法。
【請求項3】
加熱炉内の原料るつぼ内に収容した窒化物単結晶用の原料を加熱して昇華させ、昇華させた原料を、当該加熱炉内に設けられ、サセプターにて支持されている種子結晶上に析出させて単結晶を成長させる窒化物単結晶の製造装置であって、
前記原料の昇華開始初期の段階では当該サセプターの前記種子結晶を設けていない面が前記原料るつぼ側を向く位置に回転させ、前記原料の昇華が定常状態に移行したときに前記サセプターを回転させて前記種子結晶の面が前記原料るつぼ側を向くように回転させるための回転手段を備えたことを特徴とする窒化物単結晶の製造装置。
【請求項4】
前記サセプターが三角柱以上の多面柱体であり、当該サセプターの少なくとも1側面を前記種子結晶の設けていない面としたことを特徴とする請求項3に記載の窒化物単結晶の製造装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−27989(P2006−27989A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−213291(P2004−213291)
【出願日】平成16年7月21日(2004.7.21)
【出願人】(899000068)学校法人早稲田大学 (602)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】