説明

窓構造

【課題】 結露をより抑制することのできる窓構造を提供すること。
【解決手段】 開口部を有する窓枠25と、窓枠25の開口部に配置された窓板12と、窓枠25に設けられた熱電変換モジュール20と、熱電変換モジュール20から出力される電力が供給されかつ窓板12に設けられた抵抗体11と、を備え、窓枠25は、窓板12の一方面側に露出された第1窓枠部材15と、窓板の他方面側に露出された第2窓枠部材5とを有し、熱電変換モジュール20の低温側が第1窓枠部材15と熱的に接続され、熱電変換モジュールの高温側が第2窓枠部材5と熱的に接続された窓構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓構造に関する。
【背景技術】
【0002】
冬季には、室外の気温は低い一方、室内の温度は暖房によって高くなっている。室内の空気中の水分は、室外の冷気によって冷やされた窓板に接すると結露する。結露により窓板に付着した水滴は、窓板や窓枠にカビを発生させる場合がある。
【0003】
特許文献1には、窓ガラスの周囲を支持する部材の室内側の側面に、ペルチェ素子を配置した窓構造が記載されており、ペルチェ素子を用いて空気を冷却することにより除湿するとともに、ペルチェ素子の廃熱により、窓ガラス近傍のガスを加熱することで、窓ガラスの結露を防ぐことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−128285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の窓構造では、窓ガラスの結露を十分に防ぐことができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、結露をより抑制することのできる窓構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明は、開口部を有する窓枠と、窓枠の開口部に配置された窓板と、窓枠に設けられた熱電変換モジュールと、熱電変換モジュールから出力される電力が供給されかつ窓板に設けられた抵抗体と、を備え、窓枠は、窓板の一方面側に露出された第1窓枠部材と、窓板の他方面側に露出された第2窓枠部材とを有し、熱電変換モジュールの低温側が第1窓枠部材と熱的に接続され、熱電変換モジュールの高温側が第2窓枠部材と熱的に接続された窓構造を提供する。
【0008】
本発明に係る窓構造によれば、窓板の一方側と他方側との間に気温の差が生じると、第1窓枠部材と第2窓枠部材との間に温度差が生じ、これにより、熱電変換モジュールが電力を出力する。そして、この電力が抵抗体に供給されることにより、窓板が加熱される。したがって、窓板の表面において、結露が生じることを低減できる。
【0009】
ここで、本発明に係る窓構造おいて、第1窓枠部材及び第2窓枠部材はそれぞれアルミニウムを主成分とする金属製であることが好ましい。
【0010】
アルミニウムを主成分とする金属は熱伝導性がよいので、内外の気温差を効率よく利用して熱電変換モジュールが発電して電力を出力することができる。
【0011】
また、本発明に係る窓構造において、窓板はガラス板であることが好ましい。
【0012】
ガラスは結露しやすいが、本発明によれば、結露をより効果的に抑制できる。
【0013】
また、本発明に係る窓構造において、抵抗体は、導電膜であることが好ましい。
【0014】
抵抗体が導電膜であることにより、透明な抵抗体を得やすい。抵抗体が透明であると、光を通すことができるので窓板の機能を害しにくい。
【0015】
また、本発明に係る窓構造において、抵抗体は、窓板の他方面上に設けられていることが好ましい。
【0016】
窓板が有する二つの表面のうち、相対的に温度が高いほうの空気に接することとなる面上に抵抗体が設けられることにより、抵抗体から発せられる熱が空気へ放熱されることを抑制でき、窓板を効率よく加熱することができる。
【0017】
また、本発明に係る窓構造において、抵抗体が、さらに、第2窓枠部材にも設けられることが好ましい。
【0018】
これにより、窓板に加え、第2窓枠部材での結露も抑制できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、結露をより抑制することのできる窓構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明に係る窓構造の好適な実施形態の一例を示す概略図である。
【図2】図2は、図1の窓構造の点線Ia−Iaに沿った模式断面図である。
【図3】図3は、図1の窓構造の点線Ib−Ibに沿った模式断面図である。
【図4】図4は、本発明に係る窓構造の好適な実施形態の他の一例を示す概略図である。
【図5】図5は、本発明に係る窓構造の好適な実施形態の他の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、各図面の寸法比率は、必ずしも実際の寸法比率とは一致していない。
【0022】
(第一実施形態)
まず、図1〜3を参照しながら第一実施形態に係る窓構造1について説明する。ここで、図1は窓構造1の一例の正面図、図2は、図1に示す窓構造1の窓枠25の部分における、点線Ia−Iaに沿った模式断面図、図3は、図1の窓構造における、点線Ib−Ibに沿った模式断面図である。
本実施形態に係る窓構造1は、図1に示すように、開口部25aを有する窓枠25と、窓枠25の開口部25aに配置された窓板12と、窓枠25に設けられた熱電変換モジュール20と、熱電変換モジュール20から出力される電力が供給されかつ窓板12に設けられた抵抗体11とを備える。
【0023】
(窓枠)
窓枠25は、図1及び図3に示すように、矩形枠状の第1窓枠部材15及び第2窓枠部材5を備え、これらがネジ等の固定部材30により互いに対向するように固定されている。
第1窓枠部材15は、窓板12の一方面側(本実施形態では低温環境側、図3の下側)に露出するように配置され、第2窓枠部材5は、窓板12の他方面側(本実施形態では高温環境側、図3の上側)に露出するように配置されている。ここで、第1及び第2窓枠部材15,5の材質は特に限定されず、アルミニウムを主成分とする金属等の種々の金属材料、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂、ウレタン樹脂等の種々の樹脂材料、あるいは各種木材等を使用できる。
【0024】
(窓板)
窓板12は、窓枠25の開口部25aを塞ぐように配置されている。窓板12の材質としては、アクリル樹脂、ガラス等が挙げられる。特に、ガラスは比較的熱伝導性が高く結露しやすいが、本実施形態に係る発明によれば、窓板12がガラス板であっても、結露を効果的に抑制できる。なお、窓板12は、透明でなくてもよい。また、窓板は、複数の板を重ねたものでもよい。
【0025】
窓板12は、図3に示すように、例えば樹脂製のパッキン14を介して、第1窓枠部材15及び第2窓枠部材5の間に挟まれ、第1窓枠部材15及び第2窓枠部材5を貫通固定するねじ30により窓枠25と固定されている。
【0026】
(抵抗体)
抵抗体11は、図1に示すように、窓板12の表面に配置されている。抵抗体11としては、導電膜から形成された回路を好適に用いることができる。導電膜から形成された回路は、例えばスパッタリング法、CVD法、めっき法等により形成できる。例えば、厚さ
0.1μm〜0.5μm程度、幅0.5mm〜5mm程度の導電膜はほぼ透明であり、抵抗体11がこのような導電膜により形成されていると光を通すことができ、窓板の機能を害しにくいため好ましい。導電膜の材料としては、例えば、ITO(Indiumu Tin Oxide)、酸化スズ等の酸化スズ系材料、GZO(Gallium ZincOxide)、AZO(Aluminum Zinc Oxide)等の酸化亜鉛系材料等等を用いることができる。導電膜の回路の形状は特に限定されず、渦巻状、蛇行状、直線状等が挙げられる。図1では、蛇行状である。この抵抗体11には、リード13を介して、後述する熱電変換モジュール20から電力が供給される。なお、抵抗体11としては、導電膜から形成された回路には限定されず、ニクロム線等の抵抗線を貼り付けてもよい。
【0027】
抵抗体11の窓板12上における配置場所は特に限定されないが、抵抗体11から発生する熱により、窓板12の結露を十分に防ぐことができるようにする観点から、抵抗体11は、図1に示すように、窓板12の表面全体にわたって形成されていることが好ましい。また、抵抗体は、窓板12の両表面のうち、高温環境とされる側、すなわち、本実施形態では、窓板12の上面(第2窓枠部材5が配置される側の面、図3参照)に形成されることが好ましい。これにより、抵抗体11の熱が外部へ放出されることを抑制でき、窓板を効率よく加熱することができる。
【0028】
(熱電変換モジュール)
熱電変換モジュール20は、図3に示すように、窓枠25の第1窓枠部材15及び第2窓枠部材5の間に挟持され、図1に示すように窓板12をとりかこむように配置されている。本実施形態では、図2、図3に示すように、熱電変換モジュール20の低温側である第1の基板17が第1窓枠部材15と接触することによりこれらが互いに熱的に接続され、熱電変換モジュール20の高温側である第2の基板7が第2窓枠部材5と接触することによりこれらが互いに熱的に接続されている。
【0029】
熱電変換モジュール20は、図2に示すように、第1の基板17と第2の基板7との間に直列に接続された複数の熱電変換素子10を有するものである。
【0030】
熱電変換モジュール20は、第1の基板17、第1の電極18、熱電変換素子10としてのp型熱電変換素子3及びn型熱電変換素子4、第2の電極8、及び第2の基板7を備える。p型熱電変換素子3及びn型熱電変換素子4は、第1の基板17及び第2の基板7間に交互に並んで配置されると共に、これらの両面が対応する第1の電極18及び第2の電極8の表面に対して、全体として電気的に直列に接続されている。
【0031】
第1の基板17は、例えば矩形状をなし、電気的絶縁性で、かつ熱伝導性を有し、複数の熱電変換素子10の一端を覆うものである。この第1の基板の材料としては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、マグネシア、炭化珪素、ジルコニア、ムライト等が挙げられる。
【0032】
第1の電極18は、第1の基板17上に設けられ、互いに隣接する熱電変換素子10の一端面同士を電気的に接続するものである。この第1の電極18は、第1の基板17上の所定位置に、例えば、スパッタや蒸着等の薄膜技術、スクリーン印刷、めっき、溶射等の方法を用いて形成することができる。また、所定形状の金属板等を例えば、はんだ、ロウ付け等で第1の基板17上に接合させてもよい。第1の電極18の材料としては、導電性を有するものであれば特に制限されないが、電極の耐熱性、耐食性、熱電変換素子への接着性を向上させる観点から、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、モリブデン、銀、パラジウム、金、タングステン及びアルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を主成分として含む金属が好ましい。ここで、主成分とは、電極材料中に50体積%以上含有されている成分を言う。
【0033】
第2の基板7は、例えば矩形状をなし、熱電変換素子10の他端側を覆うものである。また、第2の基板7は、第1の基板17と平行に対向配置されている。第2の基板7は、第1の基板17と同様に、電気的絶縁性で、かつ熱伝導性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、マグネシア、炭化珪素、ジルコニア、ムライト等の材料を用いることができる。
【0034】
第2の電極8は、互いに隣接する熱電変換素子10の他端面同士を電気的に接続するものであり、第2の基板7の下面に、例えば、スパッタや蒸着等の薄膜技術、スクリーン印刷、めっき、溶射等の方法を用いて形成することができる。そして、この第2の電極8と、熱電変換素子10の下端面側に設けられた第1の電極18とにより、熱電変換素子10は電気的に直列に接続されている。
【0035】
熱電変換素子10には、p型熱電変換素子3及びn型熱電変換素子4の2種類が存在する。各熱電変換素子10を構成する材料は、p型半導体又はn型半導体の性質を有するものであれば特に限定されず、金属、金属酸化物等の種々の材料を用いることができる。
【0036】
ここで、p型熱電変換素子及びn型熱電変換素子の材料として、下記の材料が挙げられる。
【0037】
例えば、p型の材料としては、NaCoO(0<x<1)、CaCo等の金属複合酸化物、MnSi1.73、Fe1−xMnSi、Si0.8Ge0.2:B(BドープSi0.8Ge0.2)、β−FeSi等のシリサイド、CoSb、FeSb、RFeCoSb12(RはLa、Ce又はYbを示す)等のスクッテルダイト、PbTeSb、BiTe、PbTe、SbTe等のTeを含む合金、Bi2−xSbTb(0<x<2)、ZnSb等が挙げられる。
【0038】
また、n型の材料としては、例えば、SrTiO、Zn1−xAlO、CaMnO、LaNiO、BaTiO、Ti1−xNbO等の金属複合酸化物、MgSi、Fe1−xCoSi、Si0.8Ge0.2:P(PドープSi0.8Ge0.2)、β−FeSi等のシリサイド、CoSb等のスクッテルダイト、BaAl12Si30、BaAlSi46―x、BaAl12Ge30、BaAlGe46−x等のクラスレート化合物、CaB、SrB、BaB、CeB等のホウ素化合物、BiTe3−xSe(0<x<0.1)、PbTeSb、BiTe、SbTe、PbTe等のTeを含む合金、ZnSb等が挙げられる。
【0039】
熱電変換モジュールを室温以上70℃以下で使用する頻度が高いことを考慮すると、発電効率の観点から、p型熱電変換素子及びn型熱電変換素子は、上記材料の中でもBiTe等のTeを含む合金が好ましい。また、その中でも、p型の材料としてはBi2−xSbTb(0<x<2)が好ましく、n型の材料としてはBiTe3−xSe(0<x<0.1)が好ましい。
【0040】
熱電変換素子10と第1の電極18及び第2の電極8との間には、接合材9が設けられている。接合材9は、熱電変換素子10と、第1の電極18及び第2の電極8とをそれぞれ接合し、複数の熱電変換素子10を電気的に直列に接続する。接合材9としては、例えば、AuSb、PbSb系のはんだや銀ペースト等が挙げられる。この接合材は、熱電変換モジュールとしての使用時に固体であるものが好ましい。
【0041】
このような複数の熱電変換モジュール20は、図示しない電極やリード等により互いに直列に接続されている。そして、直列に接続された熱電変換モジュール20は、抵抗体11の両端とリード13により電気的に接続され、熱電変換モジュール20で発生した電力が抵抗体11に供給されるようになっている。なお、本実施形態では、複数の熱電変換モジュールを用いているが、熱電変換モジュール20が1つでも構わない。
【0042】
本実施形態によれば、例えば冬季等、窓構造1の窓板12の上側(例えば室内)の気温が高温となり、下側(例えば、屋外)の気温が低温となり、これらの間に温度差が生じた場合、第1窓枠部材15と第2窓枠部材5との間に温度差が生じ、これらと熱的に接続された熱電変換モジュール20が温度差に応じた電力を発生する。そして、この電力が抵抗体11に供給され、抵抗体11が発熱することにより、窓板12が加熱される。このような窓構造1によれば、窓板12よりも上側の暖かい空気が窓板12に接触する際に、窓板12の上側の表面において結露が生じることを抑制することができる。
【0043】
特に、第1窓枠部材15及び第2窓枠部材5がアルミニウムを主成分とする金属等の金属製であると、熱伝導性が高いために内外の気温差を効率よく利用して熱電変換モジュールで発電でき、結露防止の効果が非常に高い。
【0044】
そして、本実施形態によれば、外部からの電力も必要とせず、蓄電も必要なく、さらに、内外での温度差が高くなったときほど、抵抗体の発熱量が大きくなるため、昼夜を問わず必要なときに効率よく窓板の結露の抑制が可能である。さらに、外部との配線も必要としないため、このような窓構造の設置や、このような窓構造を開閉自在とすることも容易に行うことができる。
【0045】
(第二実施形態)
続いて、図4を参照し、第二実施形態に係る窓構造40について説明する。第2実施形態に係る窓構造40は、抵抗体11が窓板12の表面において窓枠25に沿う部分のみに配置されているものである。窓枠25付近の窓板12には水滴が付着し易く、本実施形態に係る窓構造によれば、窓枠25付近の窓板12が選択的に加熱されることにより、窓板12の結露を効果的に防ぐことができる。また、窓板12の中央部分には抵抗体11がないので、抵抗体11が不透明等の場合であっても視界をさえぎり難い。
【0046】
また、例えば、窓枠の材質の主成分がアルミニウムであると、アルミニウムの熱伝導性が高いため、窓枠25付近の窓板12に水滴が付着しやすい。本実施形態に係る窓構造によれば、窓枠25付近の窓板12が選択的に加熱されることにより、窓板12の結露を一層効果的に防ぐことができる。
【0047】
(第三実施形態)
続いて、図5を参照し、第三実施形態に係る窓構造50について説明する。第三実施形態に係る窓構造50は、第一実施形態に係る窓構造において、抵抗体11が、さらに、第2窓枠部材5上にも設けられたものである。これにより、窓板12に加え、第2窓枠部材5での結露も抑制することができる。
【0048】
第3実施形態においては、熱電変換モジュール20に対して、窓板12の表面に設けられた抵抗体11と、第2窓枠部材に設けられた抵抗体11とが直列に接続しているが、並列に接続してもよい。
【0049】
以上、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、抵抗体11が、窓板12の上面(第2窓枠部材5が配置される側の面、図3参照)と、第2窓枠部材5の表面とに配置されている窓構造について説明したが、抵抗体11は、窓板12の内部、窓板12の下面(第1窓枠部材15が配置される側の面、図3参照)、第2窓枠部材5の内部、或いは第1窓枠部材15の表面又は内部に配置されていても本発明は実施可能である。
【0050】
また、上記実施形態では、熱電変換モジュール20の低温側の端部と、高温側の端部とが、それぞれ、第1窓枠部材15、第2窓枠部材5のそれぞれと直接接触しているが、これらが熱伝導性のある他の部材を介して熱的に接続されていてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、第1窓枠部材15と第2窓枠部材5とが別々に形成されているが、これらは一体に形成されていてもよい。また、第1窓枠部材15や第2窓枠部材5は、それぞれ窓板12の一方面、他方面側に露出していれば、形態は何ら限定されず、さらに、窓板と窓枠との固定方法も特に限定されない。
【0052】
また、熱電変換モジュールの形態も特に限定されない。例えば、図1〜3に示すような熱電変換モジュール1における互いに対向する1対の基板7、17がなく、代わりに、複数の熱電変換素子10の間に介在し各熱電変換素子10の高さ方向の中央部を取り囲むように保持して各々の熱電変換素子を適切な位置に固定するための支持枠を備える、いわゆるスケルトン型の熱電変換モジュール20であっても構わない。この場合、熱電変換モジュールの低温側、高温側は、電極18、8となる。ここで、各窓枠部材が導電性材料である場合には、短絡を防ぐべく窓枠部材と電極との間に絶縁膜を介在させることが好ましい。
【0053】
また、窓構造は、開閉式とされても、嵌め殺し式とされても構わない。
【符号の説明】
【0054】
1、40、50…窓構造、3、4、10…熱電変換素子、5…第2窓枠部材、11…抵抗体、12…窓板、15…第1窓枠部材、20…熱電変換モジュール、25…窓枠。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する窓枠と、前記窓枠の開口部に配置された窓板と、前記窓枠に設けられた熱電変換モジュールと、前記熱電変換モジュールから出力される電力が供給されかつ前記窓板に設けられた抵抗体と、を備え、
前記窓枠は、前記窓板の一方面側に露出された第1窓枠部材と、前記窓板の他方面側に露出された第2窓枠部材とを有し、
前記熱電変換モジュールの低温側が前記第1窓枠部材と熱的に接続され、前記熱電変換モジュールの高温側が前記第2窓枠部材と熱的に接続された窓構造。
【請求項2】
前記第1窓枠部材及び第2窓枠部材はそれぞれアルミニウムを主成分とする金属製である請求項1記載の窓構造。
【請求項3】
前記窓板はガラス板である、請求項1又は2記載の窓構造。
【請求項4】
前記抵抗体は、導電膜である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の窓構造。
【請求項5】
前記抵抗体は、窓板の前記他方面上に設けられた、請求項1〜4のいずれか一項に記載の窓構造。
【請求項6】
抵抗体が、さらに、前記第2窓枠部材にも設けられた、請求項1〜5の何れか一項に記載の窓構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−47127(P2011−47127A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194342(P2009−194342)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】