説明

立体像表示装置用集光レンズ及び立体像表示装置

【課題】本発明は、小型で画質劣化を防止する立体表示装置用集光レンズを提供する。
【解決手段】集光レンズ30は、インテグラルフォトグラフィ方式で立体像を表示する立体像表示装置に用いられるものであって、投影装置から要素画像群の光が入射する入射面31と、入射面31に入射した要素画像群の光をレンズ群に出射する出射面32とを備え、入射面31は、要素レンズ42の配列間隔に応じて分割された分割領域33ごとに、分割領域33が集光レンズ30の光軸から離れるほどに傾斜したレンズ面が形成され、全ての分割領域33は、入射面31から出射面32までの最大厚みt’が同一となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インテグラルフォトグラフィ(IP:Integral Photography)方式の立体像表示装置に関し、特に、立体像表示装置に用いる集光レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、立体像の映像を表示する立体映像方式として、偏光メガネやシャッターメガネ等を用いない方式の開発・検討が盛んに行われている。これらの多くは、ホログラフィ方式を除くと、通常の2次元の映像を表示する液晶等のフラットパネル型の表示部と、レンチキュラースクリーン、パララックスバリア、ピンホール若しくはレンズ板(レンズアレイ)とを組み合わせたものである。これらは、メガネを用いないで立体映像が観察できるとともに、左右眼に相当する2種の視差像を表示する2眼方式だけでなく、3眼以上の多眼方式とすることも可能である
【0003】
そして、従来、レンズ板を用いる方式(レンズ板方式)は、レンズ板としてピンホールやレンズを2次元的に配列したものを用いて、任意の視点から見られる立体映像方式の一つであるIP方式として知られている。
【0004】
以下、図18を参照して、このIP方式においてレンズ板を用いる場合について、説明する。
図18(a)に示すように、撮影装置100は、同一平面上にアレイ状に配列された複数のレンズ(凸レンズ)1、1、・・・からなるレンズ群(レンズ板)101と、このレンズ群101の後ろに設置された撮像部102とから構成される。そして、撮影装置100は、レンズ群101の前に設置された被写体Sを撮影する。この撮像部102には、各レンズ1、1、・・・によって被写体Sの像I、I、・・・が形成され、撮影される。ここで撮影された被写体Sの像I、I、・・・の各々の画像を要素画像という。
【0005】
次に、図18(b)に示すように、表示装置110は、撮影装置100のレンズ群101と同一構成のレンズ群111(レンズ1’、1’、・・・)と、レンズ群111の後ろに撮像部102と同じ位置に設置された表示部112とから構成される。そして、撮影装置100によって撮影された画像を表示部112に表示すると、レンズ群111の前方の観察者Oからは被写体Sの立体再生像S’を観察できる。ここで、観察者Oから観察される立体再生像S’の映像情報(輝度と色)は、撮影時に被写体Sをレンズ群101や撮像部102の側(後ろ側)から見たものとなる。一方、立体再生像S’の奥行き(凹凸)は、撮影時に観察者Oの側(前側)からから見たものとなる。そのため、被写体Sの正しい立体像とはならず、奥行きが反転した立体再生像S’(逆奥行き像)となる。
なお、これを解決する技術として、撮影装置100に用いるレンズ群101に特殊な性質を持つものを用いる方法、撮影した要素画像I、I、・・・を画像処理的に操作する方法が一般的に知られているが、ここでは詳述しない。
【0006】
ここで、要素画像I’、I’、・・・の表示を電気的な手段によって行う場合には、要素画像群を多数表示するために、高精細の映像の表示が可能な液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)を、図18(b)の表示部112の位置に設置する。
【0007】
また、LCDや、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)のような直視型のフラットパネルディスプレイ(FPD:Flat Panel Display)を用いるのではなく、スクリーン(不図示)に要素画像群を投影し、投影した側の背面側にレンズ群(不図示)を設置することとしてもよい。このとき、背面側からレンズ群を介して要素画像群を観察することで、観察者Oは立体再生像S’を観察することができる。
【0008】
ここで用いられるスクリーンは、観察者Oの側から画面全体の観察が可能なように拡散特性が与えられる。この拡散特性を供する拡散板(不図示)には、すりガラス状の特性を有する半透明板が用いられる。
【0009】
図19を参照して、要素画像とレンズと視域との関係について、説明する。
図19に示すように、IP方式の表示装置110では、1つの要素画像Gmにレンズ群111の中の1つのレンズlmが対応し、距離Vにいる観察者Oがそのレンズlmを通して、要素画像Gmの一部を観察する。ここで、要素画像Gmとレンズlmとは、おおよそレンズlmの焦点距離fだけ隔てて配置されるため、要素画像Gmの大きさと焦点距離fとによって視域が決定される。このため、IP方式では、図19に示すように、視域が一定の大きさに限定され、その外側では偽の視域(図19の視域内と同様な立体再生像が観察されるが幾何学的に正しくない)が形成される。この外側領域(偽の視域)に寄与する光は、無駄になるだけでなく、偽の像を形成するため、抑制することが好ましい。
なお、距離Vは、レンズlmから視域までの光軸方向の距離であり、視域は中抜き矢印で図示した。
【0010】
そこで、この偽の視域の問題を解決すべく、必要となる唯一の視域のみを形成する発明が開示されている(特許文献1参照)。以下、図20を参照して、特許文献1に記載された表示装置について、説明する。
【0011】
図20に示すように、表示装置120は、プロジェクタ等の投影装置121と、凸レンズ124と、要素レンズ126をアレイ状に配列したレンズ群125とを備える。
投影装置121は、表示手段122と、投影レンズ123とを備える。この投影装置121は、要素画像群を凸レンズ124の位置で結像するように投影する。そして、投影レンズ123は、主光線(映像の形成に寄与する光線のうち、投影レンズ123の中心を通過する光線)を、光軸に平行な光線として出射する。
【0012】
なお、投影装置121の投影距離aは、凸レンズ124の焦点距離fに等しくなる。また、要素画像群の形成位置と要素レンズ126との距離bは、IPの基本構成を示す図18,図19と同様、要素レンズ126の焦点距離fと等しくなる。
また、図20では、凸レンズ124の内部に形成される要素画像の像を「■」で図示した。
【0013】
ここで、凸レンズ124は、表示画面全体を覆う大きさが必要になる。この場合、凸レンズ124は、その中央部で厚みが増大するため、レンズ群125の位置関係と球面収差による像面のゆがみとの点から、問題が生じる。さらに、大口径化すると、凸レンズ124は、体積、重量が著しく増加する。このような凸レンズ124の問題に対応するため、フレネルレンズ(不図示)が広く用いられている。このフレネルレンズは、凸レンズ124と同じ屈折特性を、凸レンズ124より薄い厚さで実現するものである。
【0014】
図21を参照して、従来のフレネルレンズについて、説明する。
図21(a)に示すように、フレネルレンズ127の元となる凸レンズ124は、球面(レンズ面)と平面とで構成された平凸レンズである。ここで、図21(b)に示すように、球面の頂上部からの厚みを考えて、その厚みが一定値tを越えるごとに一定値tを引き算し、その残差により構成したレンズが、フレネルレンズ127となる。
【0015】
従って、図21(c)に示すように、フレネルレンズ127は、除去する厚みが同一の領域が同心円状となり、同心円領域の径がレンズ中心で最も大きく、外縁側ほど小さくなる。言い換えるなら、フレネルレンズ127は、レンズ中心よりも外縁側程、同心円領域の境界(領域境界)128の間隔が小さくなる。このように、フレネルレンズ127は、同一の傾斜角を持つ領域を同心円状に形成するため、レンズ部分の厚みが一定値tに収まり、凸レンズ124より薄くすることができる
【0016】
現状、このフレネルレンズ127は、工業的に生産され、例えば、灯台の照明光源、オーバーヘッドプロジェクタ、2次元映像の背面投影型スクリーン等に広く利用されている。
なお、フレネルレンズ127の強度を保つため、レンズ部分以外にも厚みが必要となるが、図21(b)では、この厚みの図示を省略した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2007−206655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかし、従来のフレネルレンズ127は、IP方式の立体表示に適用すると、領域境界128が画質劣化を引き起こすという問題がある。具体的には、図20に示すように、凸レンズ124の代わりにフレネルレンズを配置すると、その内部に要素画像が形成される。図18(b)の表示装置110において検討すると、この要素画像I’、I’、・・・がレンズ1’、1’ ・・・により拡大投影された要素画像群が立体再生像S’として観察される。この場合、領域境界128(図21)で生じる不連続性は、そのまま要素画像I’、I’、・・・内での映像の不連続性となり、画質劣化を引き起こす。
【0019】
図22を参照して、この画質劣化の原因について説明する。
フレネルレンズ127では、このフレネルレンズ127が構成する平面内に要素画像群が投影・表示される。しかし、図22に示すように、フレネルレンズ127では、要素画像の領域内(要素レンズ126)に領域境界128が入り込む。この領域境界の問題は、要素レンズ126が等間隔で配置されるのに対して、同心円領域がフレネルレンズ127の外縁側ほど密になるため、発生する。そして、要素画像の領域内に領域境界128が入り込むと、明るさの著しい低下、モアレ妨害、並びに、領域境界128の周辺で生じる迷光、乱反射による不要光の発生及びコントラスト低下等、画質劣化の原因となる。
【0020】
また、フレネルレンズ127については、図21に示すように、レンズ部分の厚みを一定値tに収めたいという強い要望がある。その一方、フレネルレンズ127は、その元となる凸レンズ124が球面であるため、外縁側程、レンズの傾斜が急になる。これら条件を考慮すると、フレネルレンズ127では、レンズ中心よりも外縁側程、領域境界128の間隔を小さくする必要があり、領域境界の問題を解決することが困難である。
【0021】
そこで、本発明は、前記した問題を解決し、小型で画質劣化を防止できる立体表示装置用集光レンズを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記した課題に鑑みて、本願第1発明に係る立体像表示装置用集光レンズは、複数の要素画像からなる要素画像群を投影して要素画像群の像を形成する投影装置と、所定の配列パターンで要素レンズが配列されたレンズ群とを備え、インテグラルフォトグラフィ方式で立体像を表示する立体像表示装置に用いられる立体像表示装置用集光レンズであって、立体像表示装置用集光レンズが、投影装置から要素画像群の光が入射する入射面と、入射面に入射した要素画像群の光をレンズ群に出射する出射面とを備えることを特徴とする。
【0023】
かかる構成によれば、立体像表示装置用集光レンズは、入射面において、要素レンズの配列間隔に応じて分割された分割領域ごとに、分割領域が立体像表示装置用集光レンズの光軸から離れるほどに傾斜したレンズ面が形成される。これによって、立体像表示装置用集光レンズは、要素画像の領域内に分割領域の境界が入り込むことがない。
【0024】
また、立体像表示装置用集光レンズは、全ての分割領域において、入射面から出射面までの最大厚みが同一である。これによって、立体像表示装置用集光レンズは、従来の凸レンズに比べて、薄くすることができる。
【0025】
また、本願第2発明に係る立体像表示装置用集光レンズは、要素レンズが2次元方向に配列されたレンズ群に要素画像群の光を出射し、入射面が、一片の長さが要素レンズの配列間隔と同一になる矩形状の分割領域に分割されたことを特徴とする。
【0026】
かかる構成によれば、立体像表示装置用集光レンズは、光軸方向から見て、1個の要素レンズが収まる矩形状の分割領域ごとに、レンズ面が形成される。そして、立体像表示装置用集光レンズは、各分割領域に入射した光を、平行光として、各分割領域に対応する要素レンズにそれぞれ出射する。従って、立体像表示装置用集光レンズは、要素画像の領域内に分割領域の境界が入り込むことがない。
【0027】
また、本願第3発明に係る立体像表示装置用集光レンズは、要素レンズが同心円状に配列されたレンズ群に前記要素画像群の光を出射し、入射面が、光軸を中心として、要素レンズの配列間隔の奇数倍になる直径を有する同心円状の分割領域に分割されたことを特徴とする。
【0028】
かかる構成によれば、立体像表示装置用集光レンズは、光軸方向から見て、1個又は2個以上の要素レンズが収まる同心円状の分割領域ごとに、レンズ面が形成される。そして、立体像表示装置用集光レンズは、各分割領域に入射した光を、平行光として、各分割領域に対応する要素レンズにそれぞれ出射する。従って、立体像表示装置用集光レンズは、要素画像の領域内に分割領域の境界が入り込むことがない。
【0029】
また、本願第4発明に係る立体像表示装置用集光レンズは、出射面として、レンズ群のレンズ面が形成されたことを特徴とする。
かかる構成によれば、立体像表示装置用集光レンズは、レンズ群と一体化することができる。
【0030】
また、本願第5発明に係る立体像表示装置用集光レンズは、要素レンズが2次元方向に配列されたレンズ群に前記要素画像群の光を出射し、入射面が、一片の長さが要素レンズの配列間隔より長い矩形状の分割領域に分割されたことを特徴とする。
【0031】
かかる構成によれば、立体像表示装置用集光レンズは、光軸方向から見て、各要素レンズに対応した矩形状の分割領域ごとに、レンズ面が形成される。例えば、立体像表示装置用集光レンズは、投影装置までの距離が立体像表示装置用集光レンズの焦点距離より長くなるように配置する。この場合、立体像表示装置用集光レンズは、各分割領域に入射した光を、光軸方向に収束させながら、各分割領域に対応する要素レンズにそれぞれ出射する。従って、立体像表示装置用集光レンズは、要素画像の領域内に分割領域の境界が入り込むことがない。
【0032】
また、前記した課題に鑑みて、本願第6発明に係る立体像表示装置用集光レンズは、複数の要素画像からなる要素画像群を投影して要素画像群の像を形成する投影装置と、2次元方向に要素レンズが配列されたレンズ群とを備え、インテグラル方式で立体像を表示する立体像表示装置に用いられる立体像表示装置用集光レンズであって、要素レンズの配列間隔と同一のレンズピッチを有する2枚のリニアフレネルレンズを2次元方向で直交させて密接させたリニアフレネルレンズの対であることを特徴とする。
【0033】
かかる構成によれば、立体像表示装置用集光レンズは、光軸方向から見ると、2枚の直交したリニアフレネルレンズにより、矩形領域が複数形成される。ここで、矩形領域は、リニアフレネルレンズのレンズピッチが要素レンズの配列間隔と同一のため、1個の要素レンズが収まる大きさとなる。すなわち、この矩形領域は、2次元方向で同一位置になる分割領域のレンズ面と、同等の屈折特性を有することになる。これによって、立体像表示装置用集光レンズは、要素画像の領域内に分割領域の境界が入り込むことがない。
さらに、立体像表示装置用集光レンズは、リニアフレネルレンズ2枚分の厚さのため、従来の凸レンズに比べて、薄くすることができる。
【0034】
また、前記した課題に鑑みて、本願第7発明に係る立体像表示装置は、インテグラルフォトグラフィ方式で立体像を表示する立体像表示装置において、複数の要素画像からなる要素画像群を投影して要素画像群の像を形成する投影装置と、本願第1発明又は本願第6発明に係る立体像表示装置用集光レンズと、所定の配列パターンで要素レンズが配列されたレンズ群と、を備えることを特徴とする。
【0035】
かかる構成によれば、立体像表示装置は、本願第1,6発明と同様、要素画像の領域内に分割領域の境界が入り込むことがないと共に、従来の凸レンズに比べて、中央部の厚みを薄くすることができる。
【0036】
また、本願第8発明に係る立体像表示装置は、レンズ群と立体像表示装置用集光レンズとの間に、レンズ群と同一の第2レンズ群が配置されたことを特徴とする。
かかる構成によれば、立体像表示装置は、第2レンズ群の要素レンズの内部に形成された要素画像の光を、これに対応するレンズ群の要素レンズに全て出射する。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
本願第1,6,7発明によれば、従来の凸レンズに比べて薄くできると共に、要素画像の領域内に分割領域の境界が入り込むことがない。このため、本願第1,6,7発明によれば、小型で画質劣化を防止できる立体表示装置用集光レンズ及び立体表示装置を提供することができる。
【0038】
本願第2発明によれば、要素レンズが2次元方向に配列された立体像表示装置において、要素画像の領域内に分割領域の境界が入り込むことなく、画質劣化を防止することができる。
本願第3発明によれば、要素レンズが同心円状に配列された立体像表示装置において、要素画像の領域内に分割領域の境界が入り込むことがなく、画質劣化を防止することができる。
本願第4発明によれば、立体像表示装置用集光レンズとレンズ群とを一体化できるため、立体像表示装置をより小型にすることができる。
【0039】
本願第5発明によれば、要素レンズが2次元方向に配列された立体像表示装置において、要素画像の領域内に分割領域の境界が入り込むことがなく、画質劣化を防止することができる。さらに、本願第5発明によれば、要素画像の光が収束しながら要素レンズに入射するため、視域を拡大することができる。
【0040】
本願第8発明によれば、第2レンズ群の要素レンズの内部に形成された要素画像の光が、これに対応するレンズ群の要素レンズに全て出射するため、光量を確保できると共に、偽の視域の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態に係る立体像表示装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1の集光レンズを説明する図であり、(a)は従来の凸レンズの断面図であり、(b)は(c)のα−α断面図であり、(c)は集光レンズを光軸方向で入射面側から見た上面図である。
【図3】図1の集光レンズの光軸を通過する位置における、水平方向及び垂直方向それぞれの断面図である。
【図4】図1の集光レンズの入射面の部分拡大図である。
【図5】(a)及び(b)は、レンズ面の厚みを求める方法を説明する図である。
【図6】(a)及び(b)は、図2の分割領域にレンズ面を形成する方法を説明する図である。
【図7】本発明の変形例1に係る集光レンズを説明する図であり、(a)は従来の凸レンズの断面図であり、(b)は(d)のα−α断面図であり、(c)は(d)のβ−β断面図であり、(d)は集光レンズを光軸方向で入射面側から見た上面図である。
【図8】本発明の変形例2に係る立体像表示装置の構成を示す模式図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る立体像表示装置の構成を示す模式図である。
【図10】図8の集光レンズを光軸方向で入射面側から見た上面図である。
【図11】図8の集光レンズの光軸を通過する位置における、水平方向及び垂直方向それぞれの断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る集光レンズを説明する図であり、(a)は従来の凸レンズの断面図であり、(b)は(c)のα−α断面図であり、(c)は集光レンズを光軸方向で入射面側から見た上面図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係る集光レンズの光軸を通過する位置における、水平方向及び垂直方向それぞれの断面図である。
【図14】本発明の変形例3に係る集光レンズの光軸を通過する位置における、水平方向及び垂直方向それぞれの断面図である。
【図15】本発明の第5実施形態に係る集光レンズを説明する第1図である。
【図16】本発明の第5実施形態に係る集光レンズを説明する第2図である。
【図17】図16の集光レンズを光軸方向で入射面側から見た上面図である。
【図18】従来のIP方式を説明する図であり、(a)は従来のIP方式の撮影装置の構成を示す図であり、(b)は従来のIP方式の表示装置の構成を示す図である。
【図19】従来のIP方式の表示装置において、要素画像とレンズと視域との関係を説明する図である。
【図20】従来のIP方式の表示装置の構成を示す模式図である。
【図21】従来のフレネルレンズを説明する図であり、(a)は凸レンズの断面図であり、(b)は(c)のα−α断面図であり、(c)はフレネルレンズの上面図である。
【図22】従来のフレネルレンズを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の各実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の部材には同一の符号を付し、説明を省略した。
【0043】
(第1実施形態)
[立体像表示装置]
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る立体像表示装置10の構成について説明する。
図1に示すように、立体像表示装置10は、IP方式で立体像を表示するものであって、投影装置20と、集光レンズ(立体像表示装置用集光レンズ)30と、レンズ群40とを備える。
なお、この立体像表示装置10は、図20に図示した凸レンズ124を、本発明に係る集光レンズ30に置き換えたものである。
【0044】
投影装置20は、例えば、要素画像群を投影して要素画像群の像を形成するプロジェクタであり、表示手段21と、投影レンズ23とを備える。
表示手段21は、例えば、液晶表示パネルや微小ミラーデバイス(DMD:Digital Micromirror Device、DLP:Digital Light Processing)のような電子的な表示デバイスである。
投影レンズ23は、例えば、表示手段21から入射した要素画像群の光を、集光レンズ30に投影する凸レンズである。
【0045】
なお、要素画像群は、IP方式によって立体像を表示するための画像であり、後記する要素レンズ42に対応する複数の要素画像で構成される。ここで、要素画像群は、例えば、従来のIP方式の撮影装置(図18(a))によって撮影されたものであってもよいし、コンピュータグラフィックスによって生成されたものであってもよい。さらに、要素画像群は、投影装置20が背面投影を行うために、反転処理が施されてもよい。
【0046】
集光レンズ(立体像表示装置用集光レンズ)30は、投影装置20から、広がりながら入射する要素画像群の光を平行光にするものである。ここで、集光レンズ30は、この集光レンズ30と投影レンズ23との光軸に一致し、かつ、投影装置20(投影レンズ23)の投影距離aが集光レンズ30の焦点距離fに一致するように配置される。
【0047】
レンズ群40は、所定の配列パターンで要素レンズ42が配列されたレンズアレイである。また、レンズ群40は、凸レンズである要素レンズ42が、同一の配列間隔で配列されたものである。このとき、レンズ群40は、要素レンズ42が正方格子状の配列パターンで規則正しく配列されている。さらに、レンズ群40は、集光レンズ30からレンズ群40までの距離bが要素レンズ42の焦点距離fに一致する。
なお、要素レンズ42の配列間隔とは、ある要素レンズ42の中心と、その要素レンズ42に隣接する別の要素レンズ42の中心との距離である。
【0048】
以下、立体像表示装置10での立体像の表示について説明する。
まず、表示手段21は、要素画像群が入力されると共に、この要素画像群を表示する。また、表示手段21で表示された要素画像群の光は、投影レンズ23の主点に入射する。ここで、投射レンズ23の主点を通過する主光線に着目すると、投影レンズ23の主点から投影された要素画像群の光は、集光レンズ30に入射して、集光レンズ30によって平行光(集光レンズ30の光軸に平行な光)に変換される。
【0049】
この場合、集光レンズ30の内部に要素画像の像がそれぞれ形成され、この要素画像の像を示す光は、各要素画像に対応する要素レンズ42にそれぞれ入射する。その後、各要素レンズ42からは、要素画像の光が、この要素レンズ42における中心からの偏移量に応じた傾きの平行光となって出射されて、一定の角度の視域を形成する。従って、この視域内において、立体像表示装置10は、観察者に対して、正しい立体像を表示することができる。
【0050】
なお、図1では、図面を見やすくするために、6個の要素レンズ42のみを図示し残りを省略したが、レンズ群40が要素レンズ42をこれ以上備えてもよい。
また、図1では、集光レンズ30を長方形で図示したが、実際の構造とは異なることは言うまでもない。
また、図1では、集光レンズ30の内部に形成される要素画像の像を「■」で図示した。
これらの点、以後の図面も同様である。
【0051】
[集光レンズ]
図2〜図4を参照して、集光レンズ30について、説明する(適宜図1参照)。
ここでは、IP方式において画質劣化を防止すると共に、図2(a)の凸レンズ124と同等の屈折特性を、より薄い集光レンズ30で実現する。すなわち、集光レンズ30は、光学的に凸レンズ124に等価なレンズである。
【0052】
図2(b)に示すように、集光レンズ30は、投影装置20から要素画像群の光が入射する入射面31を備える。また、集光レンズ30は、入射面31に入射した要素画像群の光をレンズ群40に出射する出射面32を備える。この出射面32は、入射面31に対向する平面である。
【0053】
入射面31は、図2(c)に示すように、要素レンズ42の配列間隔qに応じて、複数の分割領域33に分割される。ここで、分割領域33は、一片の長さが配列間隔qと同一になる矩形状(正方形状)の領域である。つまり、分割領域33は、縦横にq×qの長さとなり、光軸方向から見て、1個の要素レンズ42が収まる大きさになる。
なお、図2(c)では、図面を見やすくするために、一部の分割領域33の符号を図示し、残りを省略した。この点、以後の図面も同様である。
【0054】
また、入射面31は、分割領域33ごとにレンズ面が形成される。この場合、各分割領域33に形成されるレンズ面は、図2(b)に示すように、この分割領域33が集光レンズ30の光軸から離れるほどに傾斜する。従って、分割領域33は、集光レンズ30の光軸から遠く外縁側になるほど、この分割領域33内での厚み変化が大きくなる。
【0055】
各分割領域33の厚み変化の最大値に、集光レンズ30の強度を保つために必要な一定の厚みを加えた厚みをt‘とする。この場合、図2(a)の凸レンズ124において、その球面を分割領域33と同一の領域に分割し、凸レンズ124の各領域内において、最大厚みがt’で一致するように薄くすると、集光レンズ30を形成することができる。すなわち、図2(b)に示すように、全ての分割領域33は、入射面31から出射面32までの最大厚みt’が同一となる。
【0056】
この最大厚みとは、各分割領域33において、入射面31から出射面32までの厚さの最大値である。つまり、最大厚みは、各分割領域33において、入射面31の頂点から出射面32までの厚さとなる。
【0057】
また、図3に示すように、集光レンズ30は、この集光レンズ30の光軸を通過する水平方向及び垂直方向の断面が、同一の形状となる。すなわち、各分割領域33に形成されるレンズ面の傾斜は、集光レンズ30の2次元的な位置に応じて、水平及び垂直の両方向の成分からなる曲率を有する。例えば、要素レンズ42に重複する円形状の範囲にレンズ面を形成した場合(図6(a)参照)、入射面31は、図4に示すような形状となる。この場合、各分割領域33に形成されるレンズ面は、集光レンズ30の光軸(図4の一点鎖線)を向くことになる。また、各分割領域33に形成されるレンズ面は、集光レンズ30の光軸に近いほど傾斜が緩やかで、集光レンズ30の光軸から離れるほど傾斜が急になる。
【0058】
なお、図2(c)では、分割領域と、要素レンズ42との位置関係を示すために、集光レンズ30とレンズ群40とを重ねて図示した。
また、図2(c)では、図面を見やすくするために、集光レンズ30から要素画像の光が入射する要素レンズ42のみを図示すると共に、隙間を空けて要素レンズ42を図示した。
また、図3では、レンズ群40のハッチングを省略した。
また、図4では、各分割領域33に形成されるレンズ面をドットで塗りつぶした。
また、図4では、各分割領域33に形成されるレンズ面全体(入射面31)のうち約1/4を図示し、残りの部分は同様な構造のために図示を省略した。
また、図4では、矢印の方向が各分割領域33に形成されるレンズ面の傾斜の向きを示し、矢印の長さが各分割領域33に形成されるレンズ面の傾斜の緩急を示す。
【0059】
<レンズ面の形成方法:第1例>
図5,図6を参照して、各分割領域33にレンズ面を形成する2つの方法について、説明する(適宜図2参照)。
【0060】
まず、レンズ面として、図2(a)の凸レンズ124と同様、正確な球面を形成する方法を説明する。図5(a)に示すように、z>0となる部分(ドットの部分)が、集光レンズ30に相当する凸レンズ124であると考える。この図5において、レンズ面(球面)の水平、垂直及び厚み(光軸)方向の座標をそれぞれx,y、zとし、半径をRとする。この場合、集光レンズ30のレンズ面(球面)は、下記の式(1)で表すことができる。
+y+(z−z=R ・・・式(1)
【0061】
そして、各分割領域33において、要素レンズ42に重複する範囲(x’,y’)での最大値がzdmaxとなるように、座標zを各分割領域33に対応する要素レンズ42ごとに調整する(但し、zdmax=最大厚みt’)。すなわち、図5(a)及び図5(b)に示すように、座標zの変化によって、凸レンズ124から切り出す領域(例えば、図5の黒塗領域)ごとの厚みを調整する。従って、各分割領域33は、図6(a)に示すように上面側から見ると、要素レンズ42に重複する円形状の範囲(x’,y’)に、レンズ面としての球面が形成される。この第1例では、集光レンズ30は、凸レンズ124と同等の屈折特性を実現することができる。
なお、図6では、分割領域33において、レンズ面が形成される箇所をドットで塗りつぶした。
【0062】
<レンズ面の形成方法:第2例>
次に、レンズ面として、凸レンズ124の球面に最も近い単一平面を形成する方法を説明する。
つまり、各分割領域33は、その中央において、凸レンズ124の球面に対する接平面がレンズ面として形成される。ここで、各分割領域33に対応する要素レンズ42において、水平、垂直及び厚み(光軸)方向の中心座標をそれぞれx,y,zとする。この場合、集光レンズ30のレンズ面(接平面)は、下記の式(2)で表すことができる。
x・x+y・y+z・z=R ・・・式(2)
【0063】
そして、各分割領域33において、要素レンズ42に重複する範囲(x’,y’)での最大値がzdmaxとなるように、座標zを各分割領域33に対応する要素レンズ42ごとに調整する。すなわち、各分割領域33は、図6(a)に示すように上面側から見ると、要素レンズ42に重複する円形状の範囲(x’,y’)に、レンズ面としての接平面が形成される。
【0064】
この第2例では、集光レンズ30は、レンズ面を簡易に形成することができ、製造コストを低減することができる。特に、第2例の方法では、球面の曲率が小さい場合、接平面が球面に極めて近似することになり、凸レンズ124と同等の屈折特性を実現できることになり、好ましい。
【0065】
前記した第1例及び第2例において、要素レンズ42に重複する円形状の範囲にだけレンズ面を形成することとしたが、本発明は、これに限定されない。例えば、図6(b)に示すように、分割領域33は、その全範囲にレンズ面が形成されてもよい。この場合、集光レンズ30は、レンズ面の形状がより単純になり、製造コストをより低減することができる。
【0066】
以上のように、本発明の第1実施形態に係る立体像表示装置10は、図2(a)及び図2(b)に示すように、集光レンズ30を従来の凸レンズ124より薄くでき、集光レンズ30を小型にすることができる。また、立体像表示装置10は、図2(c)及び図3に示すように、分割領域33に要素画像の領域(1個の要素レンズ42)が収まるために、要素画像の領域内に分割領域33の境界が入り込むことがなく、画質劣化を防止することができる。
【0067】
なお、集光レンズ30は、従来のフレネルレンズと同様に製造することができる。例えば、集光レンズ30の光学材料としては、ガラス、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、高密度ポリエチレンをあげることができる。また、集光レンズ30は、金型を用いた成型加工によって製造することができる。この詳細は、例えば、参考文献「リアプロジェクションにおける投射光学系の設計および光学部材の高機能化(第1節 フレネルレンズおよびその金型の超精密加工)、p.73-94、技術情報協会(2006)、ISBN4−86104-111-2 C3058」に記載されている。
【0068】
なお、本実施形態では、分割領域33が正方形状であることとして説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、要素レンズ42の配列間隔qが縦横で異なる場合、各分割領域33は、この配列間隔qに対応させて長方形状としてもよい。
【0069】
なお、本実施形態では、要素レンズ42が正方格子状に配列されることとして説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、要素レンズ42は、デルタ配列で配列してもよい。
【0070】
なお、本実施形態では、集光レンズ30は、レンズ面(入射面31)を投射レンズ23の側、平坦面(出射面32)をレンズ群40の側としたが、本発明は、これに限定されない。すなわち、本発明は、この両面の配置を逆にした場合でも同様の効果が得られる。
【0071】
(変形例1)
図7を参照して、変形例1として、デルタ配列に対応した集光レンズ30について、第1実施形態と異なる点を説明する。
要素レンズ42は、図7(d)に示すように、各行で水平方向に1/2ずつオフセットされた点が大きく異なる。このため、集光レンズ30は、この配列パターンに対応するように、入射面31を分割領域33に分割する。つまり、図7(b),図7(c)に示すように、ある行の分割領域33は、これに隣接する行の分割領域33に対して、1/2オフセットする。
【0072】
従って、集光レンズ30は、第1実施形態と同様、デルタ配列の要素レンズ42に合わせて、各分割領域33のレンズ面の曲率をそのままとして、各分割領域33の最大厚みがt’となるように、薄くすることができる。
以上のように、本発明の変形例1に係る集光レンズ30は、正方格子状以外の配列パターンにも適用することができる。
【0073】
(変形例2)
図8を参照して、変形例2に係る立体像表示装置10について、第1実施形態と異なる点を説明する。
図8に示すように、立体像表示装置10は、第2レンズ群40Aをさらに備える点が大きく異なる。
【0074】
集光レンズ30は、この集光レンズ30の焦点距離fに投影レンズ23が位置するように配置される。
レンズ群40は、第2レンズ群40Aからレンズ群40までの距離が要素レンズ42の焦点距離fに一致するように配置される。
【0075】
第2レンズ群40Aは、レンズ群40と同一であり、レンズ群40と集光レンズ30との間に配置されるものである。つまり、第2レンズ群40Aは、要素レンズ42と同じ大きさ、かつ、同数の要素レンズ42Aを備える。また、第2レンズ群40Aは、要素レンズ42,42Aの配列パターンが同一である。さらに、第2レンズ群40Aは、要素レンズ42,42Aの光軸が一致するように、投影装置20の投影距離aに配置される。このため、各要素レンズ42Aの内部には、要素画像の像(実像)が形成される。
なお、図8では、要素レンズ42Aの内部に形成された要素画像の像(実像)を太線で図示した。
【0076】
以上のように、本発明の変形例2に係る立体像表示装置10は、要素レンズ42Aの内部に形成された要素画像の光を、この要素レンズ42Aに対応する要素レンズ42に全て出射する。これによって、立体像表示装置10は、第2レンズ群40Aがレンズ群40に対して、要素画像群の光を効果的に集光できることになり、光量を確保できると共に、偽の視域の発生を抑制することができる。
【0077】
(第2実施形態)
[立体像表示装置]
図9を参照して、本発明の第2実施形態に係る立体像表示装置10Aの構成について、第1実施形態と異なる点を説明する。
図9に示すように、立体像表示装置10Aは、距離Vでの視域を拡大するものであり、図1の集光レンズ30の代わりに、集光レンズ(立体像表示装置用集光レンズ)30Aを備える点が大きく異なる。
【0078】
集光レンズ(立体像表示装置用集光レンズ)30Aは、投影装置20から、広がりながら入射する要素画像群の光をレンズ群40に集光するものである。この集光レンズ30Aは、投影装置20の投影距離aが投影レンズ23から集光レンズ30Aまでの距離に一致するように配置される。ここで、投影レンズ23から集光レンズ30Aまでの距離は、集光レンズ30Aの焦点距離fより長くなる。
【0079】
また、集光レンズ30Aは、集光レンズ30からレンズ群40までの距離bが要素レンズ42の焦点距離fに一致するように配置される。そして、集光レンズ30Aにおいて、入射面31は、一片の長さpが要素レンズ42の配列間隔qよりも長い矩形状(正方形状)の分割領域33Aに分割される(図11参照)。つまり、分割領域33Aは、縦横にp×pの長さとなる。
【0080】
以下、立体像表示装置10Aでの立体像の表示について説明する。
まず、表示手段21は、要素画像群が入力されると共に、この要素画像群を表示する。また、表示手段21で表示された要素画像群の光は、投影レンズ23の主点に入射する。ここで、投射レンズ23の主点を通過する主光線に着目すると、投影レンズ23の主点から投影された要素画像群の光は、集光レンズ30Aに入射する。
【0081】
ここで、集光レンズ30Aの内部に形成される要素画像群は、要素レンズ42の配列間隔qに対して、(V+b)/V倍に拡大される。すなわち、要素画像の領域の大きさは、配列間隔qに対して、前記した倍率で拡大されたものとなる。
【0082】
そして、立体像表示装置10Aでは、集光レンズ30Aからの光が、集光レンズ30Aの光軸方向に収束しながら、各分割領域33Aに対応する要素レンズ42にそれぞれ出射される。その後、各要素レンズ42からは、要素画像の光が、この要素レンズ42における中心からの偏移量に応じた傾きを増大させるように出射されて、広い角度で視域を形成する。これによって、立体像表示装置10Aでは、全ての要素レンズ42の共通領域としての視域を拡大することができる。
【0083】
[集光レンズ]
図10,図11を参照して、集光レンズ30Aについて詳細に説明する(適宜図8参照)。
図10に示すように、分割領域33Aは、一片の長さpが配列間隔qよりも長いため、要素レンズ42よりも大きくなる。このため、集光レンズ30Aでは、光軸方向から見て、分割領域33Aの境界(領域境界)が要素レンズ42に重なる場合がある。
【0084】
また、図11に示すように、集光レンズ30Aは、各分割領域33Aに入射した光を、各分割領域33Aに対応する要素レンズ42に出射する。従って、要素レンズ42に入射する要素画像の光には、分割領域33Aの境界が含まれないことになる。
【0085】
以上のように、本発明の第2実施形態に係る立体像表示装置10Aは、一片の長さpが配列間隔qよりも長い場合でも、第1実施形態と同様、集光レンズ30Aを小型にすると共に、画質劣化を防止することができる。また、立体像表示装置10Aは、要素画像の光が収束しながら要素レンズに入射するため、視域を拡大することができる。
【0086】
なお、立体像表示装置10Aにおいて、偽の視域の発生をある程度制限するため、下記の式(3)の条件を満たすことが好ましい。この式(3)において、Dは要素レンズ42の直径であり、Dは投影レンズ23の直径である。
/b≧D/a ・・・式(3)
【0087】
なお、本実施形態では、要素レンズ42が正方格子状に配列されることとして説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、立体像表示装置10Aは、変形例1と同様、デルタ配列の要素レンズ42にも適用することができる。
【0088】
(第3実施形態)
図12を参照して、本発明の第3実施形態に係る立体像表示装置10Bの構成について、第1実施形態と異なる点を説明する(適宜図1参照)。
立体像表示装置10Bは、図1の集光レンズ30及びレンズ群40の代わりに、集光レンズ(立体像表示装置用集光レンズ)30B及びレンズ群40Bを備える点が大きく異なる。
【0089】
集光レンズ(立体像表示装置用集光レンズ)30Bは、図12(c)に示すように、入射面31が、集光レンズ30Bの光軸を中心31aとして、同心円状の分割領域33Bに分割されたものである。ここで、各分割領域33Bは、要素レンズ42Bの配列間隔qの奇数倍になる直径を有する。図12(c)の例では、分割領域33Bは、それぞれ、要素レンズ42Bの配列間隔qの1倍、3倍、5倍、7倍、9倍、11倍、13倍の直径を有する。
【0090】
また、図12(b)に示すように、レンズ群40Bは、集光レンズ30Bの光軸を向くレンズ面が形成される。ここで、各分割領域33Bに形成されるレンズ面は、各分割領域33Bが集光レンズ30Bの光軸から離れるほどに傾斜することになる。従って、分割領域33Bは、集光レンズ30Bの光軸から遠く外縁側になるほど、この分割領域33B内での厚み変化が大きくなる。
なお、集光レンズ30Bは、光軸を通過するのであれば、α−α以外の方向でも、図12(b)と同一の断面になる。
【0091】
ここで、図12(a)の凸レンズ124において、その球面を分割領域33Bと同一の領域に分割し、凸レンズ124の各領域内において、最大厚みがt’で一致するように薄くすると、集光レンズ30Bを形成することができる。すなわち、図12(b)に示すように、全ての分割領域33Bは、入射面31から出射面32までの最大厚みt’が同一となる。
【0092】
レンズ群40Bは、要素レンズ42Bが同心円状(同心円状・放射状)の配列パターンで配列されたレンズアレイである。また、レンズ群40Bは、集光レンズ30Bの光軸と一致するように配置される。従って、各分割領域33Bは、光軸方向から見て、1個又は2個以上の要素レンズ42Bが収まることになる。
【0093】
以下、立体像表示装置10Bでの立体像の表示について説明する。
まず、表示手段21は、要素画像群が入力されると共に、この要素画像群を表示する。また、表示手段21で表示された要素画像群の光は、投影レンズ23の主点に入射する。ここで、投射レンズ23の主点を通過する主光線に着目すると、投影レンズ23の主点から投影された要素画像群の光は、集光レンズ30Bに入射して、集光レンズ30Bによって平行光に変換される。
【0094】
この場合、集光レンズ30Bの内部に要素画像群の像がそれぞれ形成され、この要素画像群の像を示す光は、各要素画像に対応する要素レンズ42Bにそれぞれ入射する。その後、各要素レンズ42Bからは、要素画像の光が、この要素レンズ42Bにおける中心からの偏移量に応じた傾きの平行光となって出射されて、一定の角度の視域を形成する。従って、この視域内において、立体像表示装置10Bは、観察者に対して、正しい立体像を表示することができる。
【0095】
以上のように、本発明の第3実施形態に係る立体像表示装置10Bは、第1実施形態と同様、集光レンズ30Bを小型にすることができる。また、立体像表示装置10Bは、図12(c)に示すように、分割領域33Bに要素画像の領域(1個又は2個以上の要素レンズ42B)が収まるために、要素画像の領域内に分割領域33Bの境界が入り込むことがなく、画質劣化を防止することができる。
【0096】
また、立体像表示装置10Bは、同心円状に入射面31Bを分割するため、分割領域33Bの数を少なくできる。さらに、立体像表示装置10Bは、分割領域33Bが同心円状のため、回転手段(例えば、回転テーブル)及び切削手段(例えば、ダイヤモンドバイト)によって容易に製造できる。具体的には、切削手段の位置を固定して、集光レンズ30Bの金型材料を回転させながら切削することで、集光レンズ30Bの金型を加工できる。このため、レンズ面を1箇所切削するごとに切削手段を2次元方向に移動させる必要がなく、金型加工を容易に行うことができる。従って、立体像表示装置10Bは、集光レンズ30Bの製造コストも低減することができる。
【0097】
なお、図12では、図面を見やすくするために、隙間を空けて要素レンズ42Bを図示したが、本発明は、隙間を空けなくともよい。例えば、立体像表示装置10Bは、各分割領域33Bの円周を要素レンズ42Bの整数倍とすることで、隙間を空けずに要素レンズ42Bを配列することができ、画質が向上する。
【0098】
(第4実施形態)
図13を参照して、本発明の第4実施形態に係る立体像表示装置10Cの構成について、第1実施形態と異なる点を説明する(適宜図1〜図3参照)。
立体像表示装置10Cは、図1の集光レンズ30とレンズ群40とを一体化したことが大きく異なる(以後、「集光レンズ30C」と呼ぶ)。
【0099】
集光レンズ(立体像表示装置用集光レンズ)30Cは、図13に示すように、出射面32Cとして、レンズ群40のレンズ面が形成されたものである。つまり、出射面32Cは、要素レンズ42の半分に相当する平凸レンズ34が、正方格子状に配列された形状となる。
【0100】
また、集光レンズ30Cは、図3と同様の入射面31が形成される。この入射面31は、図2(c)と同様、分割領域33に分割され、分割領域33ごとにレンズ面35が形成される。すなわち、集光レンズ30Cは、レンズ面35と、これに対応する平凸レンズ34との光軸が一致する。
【0101】
なお、入射面31から出射面32Cまでの距離b’は、集光レンズ30Cの光学距離を考慮した長さとする。つまり、距離b’は、図1の距離bに集光レンズ30Cの光学材料の屈折率を乗じたものとなる。
この距離b’は、投影装置20による投影像を形成する投影距離(投影装置20から平凸レンズ34までの距離)と、集光レンズ30Cの焦点距離(投影装置20からレンズ面35までの距離)の差に相当する。
【0102】
以下、立体像表示装置10Cでの立体像の表示について説明する(図1参照)。
まず、表示手段21は、要素画像群が入力されると共に、この要素画像群を表示する。また、表示手段21で表示された要素画像群の光は、投影レンズ23の主点に入射する。ここで、投射レンズ23の主点を通過する主光線に着目すると、投影レンズ23の主点から投影された要素画像群の光は、入射面31に入射して、各レンズ面35によって平行光に変換される。
【0103】
この場合、集光レンズ30Cの内部に要素画像の像がそれぞれ形成され、この要素画像の像を示す光は、各レンズ面35に対応する平凸レンズ34にそれぞれ到達する。その後、各平凸レンズ34からは、要素画像の光が、この平凸レンズ34における中心からの偏移量に応じた傾きの平行光となって出射されて、一定の角度の視域を形成する。従って、この視域内において、立体像表示装置10Cは、観察者に対して、正しい立体像を表示することができる。
【0104】
以上のように、本発明の第4実施形態に係る立体像表示装置10Cは、図1の集光レンズ30とレンズ群40とを一体化できるため、立体像表示装置10Cを小型にすると共に、立体像表示装置10Cの製造コストを低減することができる。さらに、立体像表示装置10Cは、レンズ面35と平凸レンズ34との位置合わせを集光レンズ30Cの製造時に行うことができる。
【0105】
(変形例3)
なお、本実施形態では、図1の集光レンズ30とレンズ群40とを一体化する例を説明したが、図12の集光レンズ30Bとレンズ群40とを一体化することもできる。
図14を参照して、変形例3として、これらを一体化した集光レンズ30Cを備える立体像表示装置10Cについて、説明する。
【0106】
図14に示すように、集光レンズ30Cは、出射面32Cとして、レンズ群40Bのレンズ面が形成されたものである。つまり、出射面32Cは、平凸レンズ34が同心円状(同心円状・放射状)に配列された形状となる。
【0107】
また、集光レンズ30Cは、図12(b)と同様の入射面31が形成される。この入射面31は、同心円状の分割領域33に分割され、分割領域33ごとにレンズ面35が形成される。
【0108】
なお、入射面31から出射面32Cまでの距離b’’は、集光レンズ30Cの光学距離を考慮した長さとする。つまり、距離b’’は、図1の距離bに集光レンズ30Cの光学材料の屈折率を乗じたものとなる。
この距離b’’は、投影装置20による投影像を形成する投影距離(投影装置20から平凸レンズ34までの距離)と、集光レンズ30Cの焦点距離(投影装置20からレンズ面35までの距離)の差に相当する。
【0109】
以上のように、本発明の変形例3に係る立体像表示装置10Cは、第4実施形態と同様、立体像表示装置10Cを小型にすると共に、集光レンズ30Cの製造コストを低減することができる。
【0110】
(第5実施形態)
図15〜図17を参照して、本発明の第5実施形態に係る立体像表示装置10Dの構成について、第1実施形態と異なる点を説明する(適宜図1参照)。
立体像表示装置10Dは、図1の集光レンズ30の代わりに、集光レンズ(立体像表示装置用集光レンズ)30Dを備える点が大きく異なる。
なお、本実施形態では、レンズ群40は、要素レンズ42が縦横に同数、同一の配列間隔で正方格子状に配列されていることとする。
【0111】
集光レンズ(立体像表示装置用集光レンズ)30Dは、2枚のリニアフレネルレンズ50a,50bを2次元方向で直交させて密接させたリニアフレネルレンズ50a,50bの対である。このリニアフレネルレンズ50a,50bは、それぞれ、1次元方向の屈折特性を有するものである。
【0112】
図15に示すように、リニアフレネルレンズ50a,50bは、それぞれ、要素レンズ42の配列間隔qと同一のレンズピッチを有する入射面51a,51bを備える。ここでは、入射面51a,51bは、要素レンズ42の配列間隔qと同一幅の微細溝55a,55bが1次元方向に形成される。すなわち、レンズピッチとは、入射面51a,51bに形成された微細溝55a,55bの幅である。
また、リニアフレネルレンズ50a,50bは、それぞれ、入射面51a,51bに対向する平面状の出射面53a,53bを備える。
【0113】
そして、図16に示すように、リニアフレネルレンズ50a,50bは、2次元方向(垂直方向及び水平方向)で直交するように密接させる。例えば、リニアフレネルレンズ50aは、微細溝55aが垂直となるように配置されたとする。この場合、リニアフレネルレンズ50bは、微細溝55bが水平となるように、入射面51bを出射面53aに密着させる。さらに、リニアフレネルレンズ50a,50bは、光軸を一致させる。
【0114】
なお、リニアフレネルレンズ50a,50bを密着させる方法は、特に制限されず、例えば、リニアフレネルレンズ50a,50bを接着してもよい。この他、リニアフレネルレンズ50a,50bは、矩形状の枠(不図示)で固定してもよい。
このリニアフレネルレンズ50a,50bは、例えば、前記した参考文献に記載されているため、詳細な説明を省略する。
【0115】
なお、リニアフレネルレンズ50a,50bは、レンズ面(入射面51a,51b)を投射レンズ23の側、平坦面(出射面53a,53b)をレンズ群40の側としたが、これに限定されない。すなわち、リニアフレネルレンズ50a,50bは、この両面の配置を逆にしてもよい。
【0116】
図17に示すように、集光レンズ30Dは、光軸方向で見ると、2次元方向で直交した微細溝55a,55bにより矩形領域57が形成される。この場合、矩形領域57は、縦横にq×qの長さとなり、1個の要素レンズ42が収まる大きさになる。すなわち、各矩形領域57は、2次元方向で同一位置の分割領域33と、同等の屈折特性を有するレンズとみなすことができる。
【0117】
なお、図17では、図面を見やすくするために、一部の矩形領域57のみ符号を図示し、残りを省略した。
また、図17では、リニアフレネルレンズ50aの裏側に位置するリニアフレネルレンズ50bについて、その微細溝55bを破線で図示した。
【0118】
以下、図1を参照して、立体像表示装置10Dでの立体像の表示について説明する。
まず、表示手段21は、要素画像群が入力されると共に、この要素画像群を表示する。また、表示手段21で表示された要素画像群の光は、投影レンズ23の主点に入射する。ここで、投射レンズ23の主点を通過する主光線に着目すると、投影レンズ23の主点から投影された要素画像群の光は、集光レンズ30D(入射面51a)に入射する。
【0119】
この場合、集光レンズ30Dにおいて、リニアフレネルレンズ50aは、要素画像群の光のうちの水平成分を平行光に変換して、リニアフレネルレンズ50bの入射面51bに出射する。そして、集光レンズ30Dにおいて、リニアフレネルレンズ50bは、入射した要素画像群の光のうち、垂直成分を平行光に変換して、対応する要素レンズ42にそれぞれ出射する。
【0120】
その後、各要素レンズ42からは、各要素画像の光が、この要素レンズ42における中心からの偏移量に応じた傾きの平行光となって出射されて、一定の角度の視域を形成する。従って、この視域内において、立体像表示装置10Dは、観察者に対して、正しい立体像を表示することができる。
【0121】
以上のように、本発明の第5実施形態に係る立体像表示装置10Dは、図16に示すように、リニアフレネルレンズ50a,50b2枚分の厚さなので、従来の凸レンズより薄くでき、集光レンズ30Dを小型にすることができる。また、立体像表示装置10Dは、図17に示すように、矩形領域57に要素画像の領域(1個の要素レンズ42)が収まるために、要素画像の領域内に矩形領域57の境界が入り込むことがなく、画質劣化を防止することができる。
【0122】
また、集光レンズ30Dは、図1の集光レンズ30と比較して、入射面51a,51bの形状が単純なため、製造コストをより低減することができる。一方、図1の集光レンズ30は、集光レンズ30Dと比較して、単一のレンズで構成できるので、より小型でより屈折特性に優れることになる。
【0123】
なお、各実施形態では、要素レンズ42が配列されたレンズ群40を例に説明したが、本発明は、これに限定されない。IPの原理に基づけば、例えば、ピンホールを配列しても同様な効果が得られるため、レンズ群40は、ピンホールを配列したピンホールアレイに置き換えることができる。
【0124】
なお、各実施形態では、要素レンズ42が2次元方向に配列されることとしたが、本発明は、例えば、1次元方向でも実現可能である。すなわち、本発明は、レンズ群40の代わりに、水平方向に屈折特性を有するレンチキュラーレンズを用いると共に、垂直方向への拡散手段を用いて実現可能である。この場合、本発明に係る集光レンズは、前記したリニアフレネルレンズに類似した構造となることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0125】
10,10A,10B,10C,10D 立体像表示装置
20 投影装置
21 表示手段
23 投影レンズ
30,30A,30B,30C,30D 集光レンズ(立体像表示装置用集光レンズ)
31 入射面
31a 中心
32 出射面
33,33A 分割領域
34 平凸レンズ
35 レンズ面
40,30B レンズ群
40A 第2レンズ群
42,42A 要素レンズ
50a,50リニアフレネルレンズ
51a,51b 入射面
53a,53b 出射面
55a,55b 微細溝
57 矩形領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の要素画像からなる要素画像群を投影して前記要素画像群の像を形成する投影装置と、所定の配列パターンで要素レンズが配列されたレンズ群とを備え、インテグラルフォトグラフィ方式で立体像を表示する立体像表示装置に用いられる立体像表示装置用集光レンズであって、
前記立体像表示装置用集光レンズは、前記投影装置から前記要素画像群の光が入射する入射面と、当該入射面に入射した前記要素画像群の光を前記レンズ群に出射する出射面とを備え、
前記入射面は、前記要素レンズの配列間隔に応じて分割された分割領域ごとに、当該分割領域が前記立体像表示装置用集光レンズの光軸から離れるほどに傾斜したレンズ面が形成され、
全ての前記分割領域は、前記入射面から前記出射面までの最大厚みが同一であることを特徴とする立体像表示装置用集光レンズ。
【請求項2】
前記立体像表示装置用集光レンズは、前記要素レンズが2次元方向に配列された前記レンズ群に前記要素画像群の光を出射し、
前記入射面は、一片の長さが前記要素レンズの配列間隔と同一になる矩形状の分割領域に分割されたことを特徴とする請求項1に記載の立体像表示装置用集光レンズ。
【請求項3】
前記立体像表示装置用集光レンズは、前記要素レンズが同心円状に配列された前記レンズ群に前記要素画像群の光を出射し、
前記入射面は、前記光軸を中心として、前記要素レンズの配列間隔の奇数倍になる直径を有する同心円状の分割領域に分割されたことを特徴とする請求項1に記載の立体像表示装置用集光レンズ。
【請求項4】
前記立体像表示装置用集光レンズは、前記出射面として、前記レンズ群のレンズ面が形成されたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の立体像表示装置用集光レンズ。
【請求項5】
前記立体像表示装置用集光レンズは、前記要素レンズが2次元方向に配列された前記レンズ群に前記要素画像群の光を出射し、
前記入射面は、一片の長さが前記要素レンズの配列間隔より長い矩形状の分割領域に分割されたことを特徴とする請求項1に記載の立体像表示装置用集光レンズ。
【請求項6】
複数の要素画像からなる要素画像群を投影して前記要素画像群の像を形成する投影装置と、2次元方向に要素レンズが配列されたレンズ群とを備え、インテグラル方式で立体像を表示する立体像表示装置に用いられる立体像表示装置用集光レンズであって、
前記立体像表示装置用集光レンズは、前記要素レンズの配列間隔と同一のレンズピッチを有する2枚のリニアフレネルレンズを前記2次元方向で直交させて密接させたリニアフレネルレンズの対であることを特徴とする立体像表示装置用集光レンズ。
【請求項7】
インテグラルフォトグラフィ方式で立体像を表示する立体像表示装置において、
複数の要素画像からなる要素画像群を投影して前記要素画像群の像を形成する投影装置と、
請求項1又は請求項6に記載の立体像表示装置用集光レンズと、
所定の配列パターンで要素レンズが配列されたレンズ群と、
を備えることを特徴とする立体像表示装置。
【請求項8】
前記レンズ群と前記立体像表示装置用集光レンズとの間に、前記レンズ群と同一の第2レンズ群が配置されたことを特徴とする請求項7に記載の立体像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−54210(P2013−54210A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192378(P2011−192378)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】