説明

立体撮像システム、補正装置およびそのプログラム

【課題】本発明は、レンズアレイおよび光学部材が含まれる光学系において、画質劣化を防止して、少なくとも色収差による歪みを容易に補正するインテグラル方式の立体撮像技術を提供する。
【解決手段】立体撮像システム100は、白色光を発光する補正用白色被写体10を撮像して色収差による歪みを補正する補正データを算出すると共に、補正データを用いて、撮像用被写体が撮像された撮像画像を補正するものであって、全ての屈折率分布レンズ21に白色光を入射させる補正用白色被写体10と、屈折率分布レンズアレイ20と、集光レンズ30と、カメラ40と、3原色の補正用画像から屈折率分布レンズ21の位置を検出し、検出した屈折率分布レンズ21の位置を一致させる補正データを算出する補正装置50と、データ転送線60とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インテグラル方式の立体撮像において、少なくとも色収差による歪みを補正する補正データを算出すると共に、補正データを用いて、撮像用被写体が撮像された撮像画像を補正する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置(カメラ)における撮像用レンズの色収差による歪みを含めた幾何学歪みを補正する技術として、白黒パターンが規則正しく並んだ測定用パターン(例えば、チェスボードパターン)や、規則正しい間隔で表示された格子状の測定用パターンを用いる手法が提案されている(非特許文献1)。
【0003】
この非特許文献1に記載の技術は、白黒パターンの頂点が隣接する点または格子の交点を測定ポイントとし、撮像用レンズの中心から端までの範囲をRGBの各撮像素子によって撮像し、各測定ポイントが直線状に配置されるように撮像装置の幾何学歪みを補正するものである。
【0004】
また、複数台の撮像装置を用いる場合において、被写体の中から既知の3次元自然特徴点を抽出し、それらが一致するようにキャリブレーションを行う手法が提案されている(非特許文献2)。
要するに、非特許文献1,2に記載の技術では、既知のパターンを用いて、色収差による歪みを含む幾何学歪みの補正を行なっている。
【0005】
ここで、撮像装置における色収差は、ズームやアイリスなどのレンズパラメータに応じて変化する。このため、レンズパラメータに応じて変化する倍率色収差の補正パラメータを事前に求め、信号処理による色収差補正を行う技術が提案されている(非特許文献3)。
【0006】
近年、立体表示装置および立体撮像装置の研究開発が進み、特殊なメガネを用いなくても観察者に立体像を視認させることが可能なインテグラルフォトグラフィー(以下、「IP」)が注目されている。このIPにおいて、1画素の位置ずれ量が2次元画像と比較して大きいことが知られている(非特許文献4および特許文献1)。光学系における色収差歪みおよび幾何学歪みは、位置ずれの要因の一つであることから、色収差および幾何学歪みによる再生立体像の劣化は大きくなる。そこで、IPにおいても、立体撮像装置の位置ずれを補正する様々な技術が提案されている(特許文献2,3)。
【0007】
特許文献2に記載の発明は、レンズアレイの各要素レンズを原色ごとに利用することで色収差をなくしている。すなわち、特許文献2に記載の発明は、ある要素レンズでは赤色のみの要素画像の光線を再生し、別の要素レンズでは緑色のみの要素画像の光線を再生し、さらに別の要素レンズでは青色のみの要素画像の光線を再生する。つまり、特許文献2に記載の発明は、各要素レンズがベイヤー配列の単板カラー撮像素子のように利用されることになる。このため、特許文献2に記載の発明は、各要素レンズを出力する色ごとに最適化することで、色収差による歪みを抑えている。
【0008】
特許文献3に記載の発明は、撮像系レンズアレイと表示系レンズアレイとの間に位置誤差が生じている場合、撮像系レンズアレイおよび表示系レンズアレイにおける各要素レンズの位置を検出して、立体撮像装置で撮像された映像の各要素画像の位置を、表示系の複眼レンズの要素レンズの位置に適合させるように補正するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−186276号公報
【特許文献2】特開2001−133727号公報
【特許文献3】特開2004−336239号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】「A flexible new technique for camera calibration」,http://opencv.jp/sample/camera_calibration.html,IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence,22(11),1330-1334,2000.
【非特許文献2】「Multiframe Image Point Matching and 3-D Surface Reconstruction.」,R.Y.Tsai.,IEEE Trans. on PAMI,5(2),159〜173,1983.
【非特許文献3】「信号処理による色収差補正における補正データ生成に関する検討」,山下、船津、三谷、野尻、中須,2010年電子情報通信学会総合大会,D−11−110
【非特許文献4】「Geometrical effects of positional errors in integral photography」,J.Arai,M.Okui,M.Kobayashi,F.Okano,Journal of Optical Society of America,vol.21,no.6,June 2004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前記した従来技術には、以下で説明するような問題がある。
非特許文献1,2に記載の技術は、IPに適用した場合、既知の測定用パターンをレンズアレイの被写体側に配置する必要があるので、撮像面上ではレンズアレイ越しに既知の測定用パターンを撮影することになる。この場合、非特許文献1,2に記載の技術では、立体撮像装置での取得画像が歪んで既知の測定用パターンと異なる画像になるため、IPにおいて、色収差による歪みおよび幾何学歪みを補正することが困難である。
【0012】
また、非特許文献3に記載された技術は、レンズパラメータごとに補正パラメータを取得する。そして、非特許文献3に記載された技術は、補正パラメータのないレンズパラメータの場合、そのレンズパラメータに対応する補正パラメータを、既に取得した前後の補正パラメータから補間する。しかし、IPでは、レンズアレイおよび集光レンズがカメラと一体化(固着)していないため、レンズアレイ、集光レンズおよびカメラの相対位置は、不規則に変化する。このため、非特許文献3に記載された技術は、IPに適した手法と言えるものではない。
【0013】
特許文献2に記載の発明では、要素レンズを3原色で共通にした場合に比べて、3原色ごとに専用の要素レンズを必要とするため、立体像を生成する実質的な画素数が減少してしまう。さらに、特許文献2に記載の発明では、レンズアレイ以外の撮像用レンズおよび集光レンズによる色収差による歪みおよび幾何学歪みが考慮されていない。言い換えるなら、IPでは、レンズアレイ、撮像用レンズおよび集光レンズが含まれる光学系において、色収差による歪みおよび幾何学歪みを補正する必要がある。
【0014】
また、特許文献1および非特許文献4に記載の発明でも、特許文献2に記載の発明と同様、撮像用レンズおよび集光レンズが含まれる光学系において、色収差による歪みおよび幾何学歪みの補正が考慮されていない。
【0015】
特許文献3に記載の発明では、撮像および表示の光学系が一致していると仮定し、撮像系レンズアレイの製造上の位置と表示系レンズアレイの製造上の位置との誤差を補正することを目的としており、色収差による要素レンズの位置ずれが一切考慮されていない。
【0016】
そこで、本発明は、前記した問題を解決し、レンズアレイおよび光学部材が含まれる光学系において、画質劣化を防止して、少なくとも色収差による歪みを容易に補正するインテグラル方式の立体撮像技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記した課題に鑑みて、本願第1発明に係る立体撮像システムは、補正用白色被写体を撮像して、少なくとも色収差による歪みを補正する補正データを算出すると共に、補正データを用いて、撮像用被写体が撮像された撮像画像を補正するインテグラル方式の立体撮像システムであって、白色光を発光する補正用白色被写体と、レンズアレイと、光学部材と、撮像装置と、補正装置と、を備えることを特徴とする。
【0018】
かかる構成によれば、立体撮像システムのレンズアレイは、補正用白色被写体からの白色光が2次元に配置された要素レンズに入射する。このように、立体撮像システムは、3原色ごとに専用の要素レンズを必要としないため、実質的な画素数の減少を抑えることができる。また、立体撮像システムの光学部材は、レンズアレイに対向し、かつ、要素レンズに入射した補正用白色被写体からの白色光の光路上に配置される。
【0019】
また、立体撮像システムの撮像装置は、例えば、3原色の撮像素子と、撮像用レンズとを有する。そして、立体撮像システムは、撮像装置によって、光学部材を介して補正用白色被写体を撮像することで、要素レンズの配列を示す3原色の補正用画像を生成する。つまり、撮像装置は、白色光を照射する補正用白色被写体を背にレンズアレイを撮像する。従って、撮像装置が撮像した補正用画像は、白い背景に要素レンズの配列が写るものとなり、測定用パターンが含まれないことになる。このため、立体撮像システムは、測定用パターンの歪みを考慮する必要がない。
【0020】
また、立体撮像システムは、補正装置によって、撮像装置が生成した3原色の補正用画像から要素レンズの位置を検出し、検出した要素レンズの位置を一致させる補正データを算出し、補正データを用いて、撮像画像を補正する。つまり、立体撮像システムは、補正装置によって、撮像用被写体を撮像する前、レンズアレイおよび光学部材を介して補正用白色被写体を撮像し、レンズアレイの各要素レンズの位置を3原色ごとに検出し、各要素レンズの位置を3原色の補正用画像の間で一致させる補正データを算出する。そして、立体撮像システムは、補正装置によって、この補正データを用いて、撮像用被写体を撮像した撮像画像から、少なくとも色収差による歪みを補正する。
【0021】
本願第2発明に係る立体撮像システムは、補正用白色被写体が、白色画像を表示する白色画像表示装置、または、白色光を発光する白色光源であることを特徴とする。
かかる構成によれば、立体撮像システムは、レンズアレイの全面に白色光を入射させるので、レンズアレイの外縁部に配列された要素レンズの位置も補正用画像から容易に検出することができる。
【0022】
前記した課題に鑑みて、本願第3発明に係る補正装置は、白色光を発光する補正用白色被写体と、要素レンズが2次元に配置されたレンズアレイと、レンズアレイに対向するように配置された光学部材と、3原色の撮像素子を有し、レンズアレイおよび光学部材を介して補正用白色被写体を撮像する撮像装置とを備える立体撮像システムに用いられ、少なくとも色収差による歪みを補正する補正データを算出するものであって、補正用画像入力手段と、補正用2値化手段と、補正用レンズ位置検出手段と、補正データ算出手段と、を備えることを特徴とする。
【0023】
かかる構成によれば、補正装置は、補正用画像入力手段によって、撮像装置から、要素レンズの配列を示す3原色の補正用画像が入力される。ここで、3原色ごとに専用の要素レンズを必要とせずに撮像可能な補正用画像を用いるため、補正装置は、実質的な画素数の減少を抑えることができる。また、撮像装置によって撮像された補正用画像は、白い背景に要素レンズの配列が写るものとなり、測定用パターンが含まれないことになる。このため、補正装置は、測定用パターンの歪みを考慮する必要がない。
【0024】
また、補正装置は、補正用2値化手段によって、3原色の補正用画像に対して、2値化処理を行う。そして、補正装置は、補正用レンズ位置検出手段によって、補正用2値化手段によって2値化処理が行われた3原色の補正用画像に対して、重心検出処理、点像群検出処理またはパターンマッチングの何れか1以上を行うことで、要素レンズの位置を検出する。さらに、補正装置は、補正データ算出手段によって、補正用レンズ位置検出手段が検出した要素レンズの位置を3原色の補正用画像の間で一致させる補正データを算出する。
【0025】
つまり、補正装置は、撮像画像を補正する前、レンズアレイおよび光学部材を介して撮像された補正用画像から、レンズアレイの各要素レンズの位置を3原色ごとに検出し、各要素レンズの位置を3原色の補正用画像の間で一致させる補正データを算出する。
【0026】
本願第4発明に係る補正装置は、補正データ算出手段が、3原色のうちの何れか1原色である基準色の補正用画像から検出した要素レンズの位置に、他の2原色の補正用画像から検出した要素レンズの位置を一致させる補正データを算出することを特徴とする。
かかる構成によれば、補正装置は、色収差による歪みを補正する補正データを、高い精度で算出することができる。
【0027】
本願第5発明に係る補正装置は、要素レンズの基準位置を予め記憶する補正基準位置記憶手段をさらに備え、補正データ算出手段が、補正基準位置記憶手段が記憶する要素レンズの基準位置に、3原色の補正用画像から検出した要素レンズの位置を一致させる補正データを算出することを特徴とする。
かかる構成によれば、補正装置は、色収差による歪に加えて幾何学歪みも補正できる補正データを、高い精度で算出することができる。
【0028】
本願第6発明に係る補正装置は、撮像装置から、撮像用被写体が撮像された3原色の撮像画像が入力される撮像画像入力手段と、撮像画像入力手段に入力された3原色の撮像画像に対して、2値化処理を行う撮像用2値化手段と、2値化処理が行われた3原色の撮像画像において、要素レンズのレンズ面全体が撮像されたか否かをパターンマッチングまたは要素レンズの総輝度値によって判定し、レンズ面全体が撮像されたと判定された要素レンズを検出対象要素レンズとして設定する検出対象要素レンズ設定手段と、撮像用2値化手段によって2値化処理が行われた3原色の撮像画像に対して、重心検出処理またはパターンマッチングを行うことで、検出対象要素レンズの位置を検出する撮像用レンズ位置検出手段と、撮像用レンズ位置検出手段が検出した検出対象要素レンズの位置ずれの平均値を算出し、算出した検出対象要素レンズの位置ずれの平均値に基づいて補正データ算出手段が算出した補正データを修正する補正データ修正手段と、補正データ修正手段が修正した補正データに基づいて、3原色の撮像画像を2次元画像処理または3次元画像処理によって補正する歪み補正手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0029】
ここで、例えば、円形のレンズ面を有する要素レンズの場合、撮像画像では、要素レンズのレンズ面が半月状で撮像されるというように、要素レンズのレンズ面全体が撮像されないことがある。この撮像画像に対して、重心検出処理、点像群検出処理またはパターンマッチングを行うと、補正装置は、要素レンズの位置を検出できない場合や、要素レンズの位置を誤検出する場合がある。この状態で算出した補正データを用いて補正を行うと、撮像画像の歪みがかえって大きくなることがある。そこで、撮像装置は、検出対象要素レンズ設定手段によって、レンズ面全体が撮像された検出対象要素レンズを設定し、撮像用レンズ位置検出手段によって、レンズ面全体が撮像された検出対象要素レンズの位置を撮像画像から検出する。
【0030】
また、補正用白色被写体を撮像してから、撮像用被写体を撮像するまでの間に、レンズアレイ、撮像用レンズおよび光学部材の相対位置にずれが生じる場合がある。そこで、補正装置は、補正データ修正手段によって、補正用画像から検出した要素レンズと検出対象要素レンズとの位置ずれの平均値を算出し、この平均値を補正データに反映させる。その後、補正装置は、修正済みの補正データを用いて、撮像用被写体を撮像した撮像画像から、少なくとも色収差による歪みを補正する。
【0031】
本願第7発明に係る補正装置は、3原色の補正用画像における全画素の最大画素値を注目画素の画素値で除算してシェーディング補正データを算出するシェーディング補正データ算出手段と、補正用画像入力手段に入力された3原色の補正用画像に対して、シェーディング補正データに基づいてシェーディング補正を行う補正用シェーディング補正手段と、撮像装置から入力された3原色の撮像画像に対して、シェーディング補正データに基づいてシェーディング補正を行う撮像用シェーディング補正手段と、をさらに備え、補正用2値化手段が、補正用シェーディング補正手段によってシェーディング補正が行われた3原色の補正用画像に対して、2値化処理を行い、撮像用2値化手段が、撮像用シェーディング補正手段によってシェーディング補正が行われた3原色の撮像画像に対して、2値化処理を行い、歪み補正手段が、補正データに基づいて、撮像用シェーディング補正手段によってシェーディング補正が行われた3原色の撮像画像を補正することを特徴とする。
【0032】
ここで、例えば、補正用白色被写体、光学部材、撮像装置の撮像用レンズおよび撮像素子の特性によって、補正用画像および撮像画像にシェーディングが発生することがある。この状態で2値化処理を行っても、補正用画像および撮像画像から正確な2値化画像を得ることが困難である。その結果、補正装置は、要素レンズの位置検出精度が低下することがある。そこで、補正装置は、補正用シェーディング補正手段および撮像用シェーディング補正手段によって、補正用画像および撮像画像にそれぞれシェーディング補正を行う。
【0033】
なお、本願第3発明に係る補正装置は、一般的なコンピュータを、補正用画像入力手段、補正用2値化手段、補正用レンズ位置検出手段および補正データ算出手段として機能させる補正プログラムによって実現することもできる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
本願第1,3発明によれば、3原色ごとに専用の要素レンズを必要としないため、実質的な画素数の減少を抑えて、撮像画像の画質劣化を防止することができる。さらに、本願第1,3発明によれば、白い背景に要素レンズの配列が写る補正用画像を用いるため、測定用パターンの歪みを考慮する必要がなく、レンズアレイおよび光学部材が含まれる光学系において、少なくとも色収差による歪みを容易に補正することができる。従って、本願第1,3発明によれば、IPにおいて、高精細、かつ、高品質な立体像を撮像することができる。
【0035】
本願第2発明によれば、レンズアレイの外縁部に配列された要素レンズの位置も補正用画像から容易に検出でき、要素レンズの位置検出精度を向上させることができる。
本願第4発明によれば、色収差による歪みを高い精度で補正することができる。
本願第5発明によれば、色収差による歪みおよび幾何学歪みを高い精度で補正することができる。
【0036】
本願第6発明によれば、レンズ面全体が撮像された検出対象要素レンズの位置を検出するため、検出対象要素レンズの位置を検出できない事態や、検出対象要素レンズの位置を誤検出する事態を防止して、検出対象要素レンズの位置検出精度を高くすることができる。さらに、本願第6発明によれば、撮像用被写体を撮像するまでの間に、レンズアレイ、撮像用レンズおよび光学部材の相対位置にずれが生じた場合でも、その相対位置のずれを修正データに反映するため、少なくとも色収差による歪みを高い精度で補正することができる。
【0037】
本願第7発明によれば、シェーディングによる悪影響を防止するので、要素レンズの配列を正確に示した2値化画像が容易に得られ、要素レンズの位置検出精度の低下を防止できる。さらに、本願第7発明によれば、撮像画像にシェーディングを行うため、撮像画像の画質劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1実施形態に係る立体撮像システムの全体構成図である。
【図2】(a)は、本発明の第1実施形態における補正用画像の一例を示す図であり、(b)は、色収差による歪みを説明する図である。
【図3】図1の補正装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図3の補正用レンズ位置検出手段の構成を示す第1のブロック図である。
【図5】図3の補正用レンズ位置検出手段の構成を示す第2のブロック図である。
【図6】図3の補正用レンズ位置検出手段の構成を示す第3のブロック図である。
【図7】図3の補正用レンズ位置検出手段の構成を示す第4のブロック図である。
【図8】図3の補正データ算出手段を説明する図である。
【図9】図3の撮像用レンズ位置検出手段の構成を示す第1のブロック図である。
【図10】図3の撮像用レンズ位置検出手段の構成を示す第2のブロック図である。
【図11】図3の歪み補正手段における2次元画像処理を説明する図である。
【図12】図3の歪み補正手段における3次元画像処理を説明する図である。
【図13】図1の立体撮像システムにおいて、補正データを算出する動作を示すフローチャートである。
【図14】図1の立体撮像システムにおいて、撮像画像を補正する動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2実施形態に係る立体撮像システムの全体構成図である。
【図16】本発明の第3実施形態に係る補正装置の構成を示すブロック図である。
【図17】図16の補正データ算出手段を説明する図である。
【図18】本発明の第3実施形態に係る立体撮像システムにおいて、補正データを算出する動作を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第4実施形態において、シェーディングの影響を説明する図である。
【図20】本発明の第4実施形態において、補正データを算出するときのシェーディング補正を説明する図である。
【図21】本発明の第4実施形態において、撮像画像を補正するときのシェーディング補正を説明する図である。
【図22】本発明の第4実施形態に係る補正装置の構成を示すブロック図である。
【図23】本発明の第4実施形態に係る立体撮像システムにおいて、補正データを算出する動作を示すフローチャートである。
【図24】本発明の第4実施形態に係る立体撮像システムにおいて、撮像画像を補正する動作を示すフローチャートである。
【図25】本発明の実施例1として、基準位置と、緑色の補正用画像での要素レンズの中心位置との位置ずれを補正する補正データをベクトル表現した図である。
【図26】本発明の実施例1として、緑色および赤色の補正用画像での要素レンズの中心位置の位置ずれを補正する補正データをベクトル表現した図である。
【図27】本発明の実施例1として、緑色および青色の補正用画像での要素レンズの中心位置の位置ずれを補正する補正データをベクトル表現した図である。
【図28】本発明の実施例2として、基準位置と、緑色の補正用画像での要素レンズの中心位置との位置ずれを補正する補正データをメッシュ表現したグラフである。
【図29】本発明の実施例2として、緑色および赤色の補正用画像での要素レンズの中心位置の位置ずれを補正する補正データをメッシュ表現したグラフである。
【図30】本発明の実施例2として、緑色および青色の補正用画像での要素レンズの中心位置の位置ずれを補正する補正データをメッシュ表現したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
(第1実施形態:色収差による歪みの補正)
[立体撮像システムの概略]
以下、本発明の各実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する手段には同一の符号を付し、説明を省略する。
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る立体撮像システム100において、色収差による歪みの補正方法を簡単に説明する。
【0040】
立体撮像システム100は、インテグラル方式で立体像を撮像するときに、補正用白色被写体10を撮像して色収差による歪みを補正する補正データを算出すると共に、補正データを用いて、撮像用被写体(不図示)が撮像された撮像画像を補正するものである。
この立体撮像システム100は、例えば、撮影スタジオ内に構築されていることとする。また、補正用白色被写体10、屈折率分布レンズアレイ20および集光レンズ30は、例えば、図示を省略した三脚に置載されており、撮影スタジオ内の任意位置に配置可能とする。
【0041】
まず、立体撮像システム100では、屈折率分布レンズアレイ20のカメラ側端面がカメラ40のフォーカス位置になるように、屈折率分布レンズアレイ20を手動で配置する。そして、立体撮像システム100では、屈折率分布レンズアレイ20のカメラ側に集光レンズ30を手動で配置し、屈折率分布レンズアレイ20の被写体側に補正用白色被写体10を手動で配置する。その後、カメラ40は、補正用白色被写体10を撮像する。
【0042】
具体的には、カメラ40は、赤色、緑色および青色という3原色ごとの補正用画像を撮像する。例えば、補正用画像は、それぞれ、図2(a)に示すように、屈折率分布レンズアレイ20の屈折率分布レンズ21の配列を示すことになる。この場合、補正用画像は、それぞれ、屈折率分布レンズアレイ20、集光レンズ30および撮像用レンズ41での色収差による歪みの影響を受けることになる。このため、図2(b)に示すように、同一の屈折率分布レンズ21であっても、緑色での屈折率分布レンズ21と、青色での屈折率分布レンズ21と、赤色での屈折率分布レンズ21との間には、中心位置のずれが生じる。そこで、立体撮像システム100は、補正装置50によって、屈折率分布レンズ21の位置ずれを検出して、色収差による歪みを補正する。
【0043】
[立体撮像システムの構成]
図1に戻り、立体撮像システム100の構成について説明する。
立体撮像システム100は、補正用白色被写体10と、屈折率分布レンズアレイ(レンズアレイ)20と、集光レンズ(光学部材)30と、カメラ(撮像装置)40と、補正装置50と、データ転送線60とを備える。
【0044】
補正用白色被写体10は、屈折率分布レンズ21に白色光を入射させるものである。このとき、補正用白色被写体10は、全ての屈折率分布レンズ21に白色光を入射させることが好ましい。
【0045】
具体的には、補正用白色被写体10は、例えば、屈折率分布レンズアレイ20をカメラ側端面から撮像したとき、各屈折率分布レンズ21のカメラ側端面が白くなるサイズの白色画像表示装置または白色光源である。この白色画像表示装置は、その表示面全体に白画像を表示する液晶モニタである。また、この白色光源は、白色光を発光する照明(ライト)である。
【0046】
また、補正用白色被写体10は、後記する補正装置50における屈折率分布レンズ21の位置検出手法に応じて、拡散白色光または平行白色光の何れかを出射する。ここで、拡散白色光を出射する場合、補正用白色被写体10は、白色光を十分に拡散させるために拡散フィルタ(不図示)を装着することが好ましい。
なお、要素レンズの位置検出手法と、拡散白色光または平行白色光との関係については、後記する。
【0047】
屈折率分布(GRIN:Graded INdex)レンズアレイ20は、要素レンズとしての屈折率分布レンズ21を2次元に配置したものである。また、屈折率分布レンズアレイ20は、全ての屈折率分布レンズ21に、補正用白色被写体10からの白色光が入射する。
【0048】
具体的には、屈折率分布レンズアレイ20は、光軸に垂直な方向に屈折率分布を有する屈折率分布レンズ21が、縦横に整列したマトリクス状に配置される。また、屈折率分布レンズアレイ20は、屈折率分布レンズ21が、互いに半分ずらした俵ずみ状に配置されてもよい(デルタ配列)。このように、屈折率分布レンズアレイ20を用いることで、立体撮像システム100は、凸レンズを用いたレンズアレイで発生する奥行き情報の反転を防止することができる。
【0049】
ここで、屈折率分布レンズ21は、光軸方向の長さをZとし、蛇行周期長をPとしたとき、下記の式(1)を満たすことで、屈折率分布レンズ21の外側に主点を持つことになる。
P/2<Z<P ・・・式(1)
【0050】
さらに、屈折率分布レンズ21は、光軸方向の長さZが、下記の式(2)を満たすことが好ましい。この場合、屈折率分布レンズ21は、被写体側の無限遠に焦点を持つとともにカメラ側の端面に結像する。このため、屈折率分布レンズアレイ20は、隣接する他の屈折率分布レンズ21との間で、クロストークを防止することができる。
Z=3P/4 ・・・式(2)
【0051】
なお、屈折率分布レンズ21は、光軸方向の長さZが、前記した式(1)を満たす代わりに、式(3)を満たしてもよい。だたし。式(3)では、nは2以上の整数である。
P/2+(n−1)P<Z<nP ・・・式(3)
【0052】
また、屈折率分布レンズ21は、光軸方向の長さZが、前記した式(2)を満たす代わりに、式(4)を満たしてもよい。だたし。式(4)では、nは2以上の整数である。
Z=3P/4+(n−1)P ・・・式(4)
【0053】
集光レンズ30は、屈折率分布レンズアレイ20に対向し、かつ、屈折率分布レンズ21に入射した補正用白色被写体10からの白色光の光路上に配置されるものである。例えば、集光レンズ30は、凸レンズであり、補正用白色被写体10からの白色光をカメラ40に集光する。
【0054】
カメラ40は、撮像用レンズ41と、赤色の画像を撮像する撮像素子43と、緑色の画像を撮像する撮像素子43と、青色の画像を撮像する撮像素子43とを有する3板式のカメラである。3原色の撮像素子43,43,43としては、例えば、CCD(Charged Coupled Device)、または、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)を用いることができる。
【0055】
また、カメラ40は、集光レンズ30を介して補正用白色被写体10を撮像することで、屈折率分布レンズ21の配列を示す3原色の補正用画像を生成する(図2(a)参照)。また、カメラ40は、集光レンズ30を介して撮像用被写体を撮像することで、3原色の撮像画像を生成する。その後、カメラ40は、データ転送線60を介して、この補正用画像および撮像画像を補正装置50に転送する。
【0056】
ここで、カメラ40は、プリズム、ハーフミラーなどの分光手段(不図示)を備えてもよい。この分光手段は、撮像用レンズ41からの出射光を分光して、3原色の撮像素子43,43,43に入射させる。この場合、カメラ40は、3原色の撮像素子43,43,43をずらして配置することで、より高精細な画像を撮像することができる。
【0057】
補正装置50は、カメラ40によって転送された3原色の補正用画像から屈折率分布レンズ21の位置を検出し、検出した屈折率分布レンズ21の位置を一致させる補正データを算出するものである。そして、補正装置50は、算出した補正データを用いて、カメラ40から転送された3原色の撮像画像を補正する。
【0058】
[補正装置の構成]
図3を参照して、補正装置50の構成について説明する(適宜図1参照)。
図3に示すように、補正装置50は、補正用画像入力手段501と、補正用2値化手段502と、補正用レンズ位置検出手段503と、補正データ算出手段504と、撮像画像入力手段505と、撮像用2値化手段506と、検出対象要素レンズ設定手段507と、撮像用レンズ位置検出手段508と、補正データ修正手段509と、歪み補正手段510とを備える。
【0059】
補正用画像入力手段501は、カメラ40から3原色の補正用画像が転送されるものであり、R補正用画像バッファ501と、G補正用画像バッファ501と、B補正用画像バッファ501とを備える。
【0060】
R補正用画像バッファ501は、カメラ40から転送された赤色の補正用画像を蓄積するバッファメモリである。このR補正用画像バッファ501が蓄積する赤色の補正用画像は、後記するR補正用2値化手段502によって読み出される。
【0061】
G補正用画像バッファ501およびB補正用画像バッファ501は、それぞれ、R補正用画像バッファ501と同様、緑色の補正用画像および青色の補正用画像を蓄積するバッファメモリである。
【0062】
補正用2値化手段502は、3原色の補正用画像に対して、2値化処理を行うものであり、R補正用2値化手段502と、G補正用2値化手段502と、B補正用2値化手段502とを備える。
【0063】
R補正用2値化手段502は、R補正用画像バッファ501から赤色の補正用画像を読み出して、この赤色の補正用画像を輝度画像に変換する。そして、R補正用2値化手段502は、この輝度画像に2値化処理を行って2値化画像を生成する。例えば、R補正用2値化手段502は、輝度画像の各画素(注目画素)の輝度値と予め設定した閾値とを比較して、注目画素の輝度値が閾値以上の場合には注目画素を白色とし、注目画素の輝度値が閾値未満の場合には注目画素を黒色とする。このようにして、R補正用2値化手段502は、赤色の補正用画像から、前景となる屈折率分布レンズ21に対応する画素が白色で、背景となる補正用白色被写体10に対応する画素が黒色で表された2値化画像を生成する。つまり、この2値化画像は、屈折率分布レンズ21の領域(屈折率分布レンズ21のレンズ面内)が白色で、屈折率分布レンズ21以外の領域(屈折率分布レンズ21同士の隙間)が黒色となる。その後、R補正用2値化手段502は、生成した2値化画像を補正用レンズ位置検出手段503に出力する。
【0064】
G補正用2値化手段502およびB補正用2値化手段502は、それぞれ、R補正用2値化手段502と同様、緑色の補正用画像および青色の補正用画像に2値化処理を行うため、詳細な説明を省略する。
【0065】
補正用レンズ位置検出手段503は、補正用2値化手段502によって2値化処理が行われた3原色の補正用画像に対して、重心検出処理、点像群検出処理またはパターンマッチングの何れか1以上を行うことで、屈折率分布レンズ21の位置を検出するものである。ここで、補正用レンズ位置検出手段503は、重心検出処理、点像群検出処理またはパターンマッチングを単独で行うか、または、重心検出処理と点像群検出処理とを組み合わせることができる。以下、屈折率分布レンズ21の位置検出手法について、第1例〜第4例をあげて説明する。
【0066】
<第1例:重心検出処理>
図4を参照して、屈折率分布レンズ21の位置検出手法の第1例について説明する(適宜図3参照)。
図4に示すように、補正用レンズ位置検出手段503は、重心検出処理を行うため、R補正用重心検出手段523と、G補正用重心検出手段523と、B補正用重心検出手段523とを備える。
【0067】
R補正用重心検出手段523は、R補正用2値化手段502から、2値化画像(2値化処理が施された赤色の補正用画像)が入力される。そして、R補正用重心検出手段523は、この2値化画像に重心検出処理を行って、屈折率分布レンズ21の重心を検出する。例えば、R補正用重心検出手段523は、入力された赤色の補正用画像(2値化画像)に含まれる各白色領域(各屈折率分布レンズ21の領域)において、縦横の中間位置を重心として検出する、または、この白色領域の面積により重心を検出することができる。その後、R補正用重心検出手段523は、検出した屈折率分布レンズ21の重心を、その屈折率分布レンズ21の中心位置として補正データ算出手段504に出力する。このように、R補正用重心検出手段523は、屈折率分布レンズ21の中心位置をサブピクセル精度で求めることができる。
【0068】
G補正用重心検出手段523およびB補正用重心検出手段523は、それぞれ、R補正用重心検出手段523と同様、2値化処理を施した緑色の補正用画像および青色の補正用画像に重心検出処理を行うため、詳細な説明を省略する。
【0069】
<第2例:点像群検出処理>
図5を参照して、屈折率分布レンズ21の位置検出手法の第2例について説明する(適宜図3参照)。
図5に示すように、補正用レンズ位置検出手段503は、点像群検出処理を行うため、R補正用点像群検出手段533と、G補正用点像群検出手段533と、B補正用点像群検出手段533とを備える。
【0070】
ここで、補正用白色被写体10が平行白色光を出射する場合、屈折率分布レンズアレイ20の各屈折率分布レンズ21における焦平面には、屈折率分布レンズアレイ20が有する屈折率分布レンズ21と同数の点像群が形成される。従って、この点像群を検出することで、屈折率分布レンズ21の中心位置を求めることができる。
【0071】
R補正用点像群検出手段533は、R補正用2値化手段502から、2値化画像(2値化処理が施された赤色の補正用画像)が入力される。そして、R補正用点像群検出手段533は、この2値化画像に点像群検出処理を行って、点像群を検出する。その後、R補正用点像群検出手段533は、検出した点像群における各点像の位置を、各屈折率分布レンズ21の中心位置として補正データ算出手段504に出力する。このように、R補正用点像群検出手段533は、屈折率分布レンズ21の中心位置をサブピクセル精度で求めることができる。
【0072】
なお、点像群検出処理としては、例えば、文献“「インテグラル方式における幾何光学を用いた奥行き制御手法」,洗井、河北、岡野,映像情報メディア学会技術報告 vol.32,no.44,pp.41-44,3DIT2008-74,IDY2008-102 (Oct.2008)”に記載された手法を用いることができる。
【0073】
G補正用点像群検出手段533およびB補正用点像群検出手段533は、R補正用点像群検出手段533と同様、2値化処理を施した緑色の補正用画像および青色の補正用画像に点像群検出処理を行うため、詳細な説明を省略する。
【0074】
<第3例:重心検出処理と点像群検出処理との組み合わせ>
図6を参照して、屈折率分布レンズ21の位置検出手法の第3例について説明する(適宜図3参照)。
【0075】
図6に示すように、補正用レンズ位置検出手段503は、重心検出処理と点像群検出処理との両方を行うため、R補正用重心検出手段523と、G補正用重心検出手段523と、B補正用重心検出手段523と、R補正用点像群検出手段533と、G補正用点像群検出手段533と、B補正用点像群検出手段533とを備える。
【0076】
R補正用点像群検出手段533は、R補正用2値化手段502から、2値化画像(2値化処理が施された赤色の補正用画像)が入力される。そして、R補正用点像群検出手段533は、この2値化画像に点像群検出処理を行って、点像群の検出結果である点像群検出画像を生成する。その後、R補正用点像群検出手段533は、この点像群検出画像をR補正用重心検出手段523に出力する。
【0077】
R補正用重心検出手段523は、R補正用点像群検出手段533から、点像群検出画像(点像群検出処理が施された赤色の補正用画像)が入力される。そして、R補正用重心検出手段523は、この点像群検出画像に重心検出処理を行って、屈折率分布レンズ21の重心を検出する。その後、R補正用重心検出手段523は、検出した屈折率分布レンズ21の重心を、その屈折率分布レンズ21の中心位置として補正データ算出手段504に出力する。
【0078】
このように、R補正用重心検出手段523は、点像群の位置を参考として、点像群画像を2値化してから重心を求めることで、屈折率分布レンズ21の中心位置をより高い精度で求めることができる。
【0079】
<第4例:パターンマッチング>
図7を参照して、屈折率分布レンズ21の位置検出手法の第4例について説明する(適宜図3参照)。
図7に示すように、補正用レンズ位置検出手段503は、パターンマッチングを行うため、R補正用パターンマッチング手段543と、G補正用パターンマッチング手段543と、B補正用パターンマッチング手段543とを備える。
【0080】
R補正用パターンマッチング手段543は、R補正用2値化手段502から、2値化画像(2値化処理が施された赤色の補正用画像)が入力される。そして、R補正用パターンマッチング手段543は、この2値化画像にパターンマッチングを行って、各屈折率分布レンズ21の中心位置を検出する。例えば、R補正用パターンマッチング手段543には、屈折率分布レンズ21を予め撮像して、屈折率分布レンズ21のテンプレート画像を手動で登録しておく。そして、R補正用パターンマッチング手段543は、パターンマッチング(例えば、正規化相関法)によって、入力された2値化画像からテンプレート画像にマッチする画像領域(つまり、屈折率分布レンズ21の領域)を検出する。さらに、R補正用パターンマッチング手段543は、検出した各画像領域での中心位置を、各屈折率分布レンズ21の中心位置として、補正データ算出手段504に出力する。このように、R補正用パターンマッチング手段543は、屈折率分布レンズ21の中心位置をサブピクセル精度で求めることができる。
【0081】
G補正用パターンマッチング手段543およびB補正用パターンマッチング手段543は、それぞれ、R補正用パターンマッチング手段543と同様、2値化処理を施した緑色の補正用画像および青色の補正用画像にパターンマッチングを行うため、詳細な説明を省略する。
【0082】
ここで、要素レンズの位置検出手法と、拡散白色光または平行白色光との関係について説明する。前記したように、点像群検出処理を行う場合(第2例および第3例)、補正用白色被写体10が平行白色光を出射するとよい。その一方、点像群検出処理を利用しない場合(第1例および第4例)、拡散白色光を照射するとよい。
【0083】
図3に戻り、補正装置50の構成について説明を続ける。
補正データ算出手段504は、補正用レンズ位置検出手段503が検出した屈折率分布レンズ21の位置を3原色の補正用画像の間で一致させる補正データを算出するものである。
【0084】
具体的には、補正データ算出手段504は、補正用レンズ位置検出手段503から、赤色、緑色および青色の補正用画像で検出された各屈折率分布レンズ21の中心位置が入力される。そして、補正データ算出手段504は、赤色、緑色および青色の何れか一色を基準色として、この基準色での屈折率分布レンズ21の中心位置に対する、他の2原色での屈折率分布レンズ21の中心位置のずれ量を算出する。
【0085】
以下、緑色を基準色として説明する。この場合、補正データ算出手段504は、図8に示すように、緑色での屈折率分布レンズ21の中心位置Cに対する、青色での屈折率分布レンズ21の中心位置Cのずれ量ΔG−Bを求める。また、補正データ算出手段504は、緑色での屈折率分布レンズ21の中心位置Cに対する、赤色での屈折率分布レンズ21の中心位置Cのずれ量ΔG−Rを求める。そして、補正データ算出手段504は、このずれ量ΔG−B,ΔG−Rをゼロにする補正データを算出する。その後、補正データ算出手段504は、この補正データと、赤色、緑色および青色での各屈折率分布レンズ21の中心位置とを、後記する補正データ修正手段509に出力する。
【0086】
また、補正データ算出手段504は、フィッティング関数を用いて、補正データを算出できる。例えば、屈折率分布レンズ21が縦横に3×3個マトリクス上に配置され、撮像素子43,43,43が縦横に300×300画素を有する場合を考える。この場合、屈折率分布レンズアレイ20内での屈折率分布レンズ21が9個であるため、各原色の補正用画像から検出できる屈折率分布レンズ21の最大位置数は、それぞれ9個となる。また、9個の屈折率分布レンズ21は、それぞれの位置ずれ量が異なる。その一方、9個の位置ずれをもとに、300×300画素の画像を補正するためには、画素ごとに補正データが必要となる。つまり、各屈折率分布レンズ21と、撮像素子43,43,43の各画素とを対応させるため、9個の位置ずれを通るような曲面を生成する必要がある。そこで、この曲面として、9個の位置ずれにおける二乗誤差が最小になる高次関数の曲面を生成する。すなわち、フィッティング関数とは、この二乗誤差が最小になる高次関数のことである。
【0087】
なお、フィッティング関数を生成する手法としては、例えば、文献“「超高精細映像表示システムのコンバーゼンス誤差と素子位置調整の自動化」,日下部祐一、金澤勝、岡野文男,映像情報メディア学会誌vol.60,no.2,pp.234-241,2006年”に記載された手法を用いることができる。
【0088】
なお、屈折率分布レンズ21の位置ずれを算出する数は、屈折率分布レンズアレイ20内での屈折率分布レンズ21の個数に依存する。従って、補正データ算出手段504は、全ての屈折率分布レンズ21から補正データを算出してもよく、一部の屈折率分布レンズ21から補正データを算出してもよい。一部の屈折率分布レンズ21から補正データを算出した場合、補正データ算出手段504は、残りの屈折率分布レンズ21の補正データを補間するとよい。
【0089】
撮像画像入力手段505は、カメラ40から、3原色の撮像画像が転送されるものであり、R撮像画像バッファ505と、G撮像画像バッファ505と、B撮像画像バッファ505とを備える。
【0090】
R撮像画像バッファ505は、カメラ40から転送された赤色の撮像画像を蓄積するバッファメモリである。このR撮像画像バッファ505が蓄積する赤色の撮像画像は、後記するR撮像用2値化手段506によって読み出される。
【0091】
G撮像画像バッファ505およびB撮像画像バッファ505は、それぞれ、R撮像画像バッファ505と同様、緑色の撮像画像および青色の撮像画像を蓄積するバッファメモリである。
【0092】
撮像用2値化手段506は、3原色の撮像画像に対して、2値化処理を行うものであり、R撮像用2値化手段506と、G撮像用2値化手段506と、B撮像用2値化手段506とを備える。
【0093】
R撮像用2値化手段506は、R撮像画像バッファ505から赤色の撮像画像を読み出して、この赤色の撮像画像を輝度画像に変換する。そして、R撮像用2値化手段506は、R補正用2値化手段502と同様、この輝度画像に2値化処理を行って2値化画像を生成する。その後、R撮像用2値化手段506は、生成した2値化画像をR検出対象要素レンズ設定手段507に出力する。
【0094】
G撮像用2値化手段506およびB撮像用2値化手段506は、それぞれ、R撮像用2値化手段506と同様、緑色の撮像画像および青色の撮像画像に2値化処理を行うため、詳細な説明を省略する。
【0095】
検出対象要素レンズ設定手段507は、2値化処理が行われた3原色の撮像画像において、屈折率分布レンズ21のレンズ面全体が撮像されたか否かをパターンマッチングまたは要素レンズの総輝度値によって判定し、レンズ面全体が撮像されたと判定された屈折率分布レンズ21を検出対象要素レンズとして設定するものである。このため、検出対象要素レンズ設定手段507は、R検出対象要素レンズ設定手段507と、G検出対象要素レンズ設定手段507と、B検出対象要素レンズ設定手段507とを備える。
【0096】
R検出対象要素レンズ設定手段507は、R撮像用2値化手段506から2値化画像(2値化処理が行われた赤色の撮像画像)が入力される。そして、R検出対象要素レンズ設定手段507は、この2値化画像にパターンマッチングを行うか、または、屈折率分布レンズ21の総輝度値を算出することで、各屈折率分布レンズ21が検出対象要素レンズであるか否かを判定する。さらに、R検出対象要素レンズ設定手段507は、レンズ面全体が撮像されたと判定された屈折率分布レンズ21を検出対象要素レンズとして設定する。その後、R検出対象要素レンズ設定手段507は、設定した検出対象要素レンズを一意に識別する検出対象要素レンズ識別情報と、入力された2値化画像とを撮像用レンズ位置検出手段508に出力する。以下、検出対象要素レンズの判定手法について、第1例および第2例をあげて説明する。
【0097】
<第1例:パターンマッチング>
R検出対象要素レンズ設定手段507には、レンズ面全体が見えるように屈折率分布レンズ21を予め撮像して、屈折率分布レンズ21のレンズ面全体を示すテンプレート画像を手動で登録しておく。そして、R検出対象要素レンズ設定手段507は、入力された2値化画像に対して、このテンプレート画像を用いて、パターンマッチング(例えば、正規化相関法)を行う。
【0098】
ここで、例えば、レンズ面が半月状で撮像された屈折率分布レンズ21のように、レンズ面全体が撮像されていない屈折率分布レンズ21は、パターンマッチングで検出されないことになる。その一方、レンズ面全体が撮像された屈折率分布レンズ21は、パターンマッチングで検出されることになる。そこで、R検出対象要素レンズ設定手段507は、パターンマッチングで検出された屈折率分布レンズ21を検出対象要素レンズとして設定する。
【0099】
<第2例:屈折率分布レンズの総輝度値>
R検出対象要素レンズ設定手段507は、レンズ面全体が見える状態で屈折率分布レンズ21を撮像した2値化画像から、屈折率分布レンズ21に対応する画像領域内画素の輝度値を合計した判定用総輝度値を予め算出する。つまり、この判定用総輝度値は、レンズ面全体が撮像された状態での屈折率分布レンズ21に対応する画像領域の総輝度値である。そして、R検出対象要素レンズ設定手段507は、入力された2値化画像において、屈折率分布レンズ21に対応する画像領域内の画素の輝度値を合計して、屈折率分布レンズ21ごとに総輝度値を算出する。さらに、R検出対象要素レンズ設定手段507は、算出した屈折率分布レンズ21の総輝度値が判定用総輝度値以上であるか否かを判定する。
【0100】
ここで、例えば、レンズ面が半月状で撮像された屈折率分布レンズ21のように、レンズ面全体が撮像されていない屈折率分布レンズ21は、その総輝度値が判定用総輝度値未満となる。その一方、レンズ面全体が撮像された屈折率分布レンズ21は、その総輝度値が判定用総輝度値以上となる。そこで、R検出対象要素レンズ設定手段507は、算出した総輝度値が判定用総輝度値以上と判定された屈折率分布レンズ21を、検出対象要素レンズとして設定する。
【0101】
G検出対象要素レンズ設定手段507およびB検出対象要素レンズ設定手段507は、それぞれ、R検出対象要素レンズ設定手段507と同様、2値化処理を施した緑色の撮像画像および青色の撮像画像において検出対象要素レンズを設定するため、詳細な説明を省略する。
【0102】
撮像用レンズ位置検出手段508は、撮像用2値化手段506によって2値化処理が行われた3原色の撮像画像に対して、重心検出処理またはパターンマッチングを行うことで、検出対象要素レンズの位置を検出するものである。以下、検出対象要素レンズの位置検出手法について、第1例および第2例をあげて説明する。
【0103】
<第1例:重心検出処理>
図9を参照し、検出対象要素レンズの位置検出手法の第1例について説明する(適宜図3参照)。
図9に示すように、撮像用レンズ位置検出手段508は、重心検出処理を行うため、R撮像用重心検出手段528と、G撮像用重心検出手段528と、B撮像用重心検出手段528とを備える。
【0104】
R撮像用重心検出手段528は、R検出対象要素レンズ設定手段507から、検出対象要素レンズ識別情報と、2値化画像(2値化処理が施された赤色の撮像画像)とが入力される。そして、R撮像用重心検出手段528は、R補正用重心検出手段523と同様、この2値化画像に重心検出処理を行って、屈折率分布レンズ21の重心を検出する。その後、R撮像用重心検出手段528は、検出した全ての屈折率分布レンズ21のうち、検出対象要素レンズ識別情報で検出対象要素レンズとして設定された屈折率分布レンズ21の重心を、検出対象要素レンズの中心位置として補正データ修正手段509に出力する。このように、R撮像用重心検出手段528は、検出対象要素レンズの中心位置をサブピクセル精度で求めることができる。
【0105】
G撮像用重心検出手段528およびB撮像用重心検出手段528は、それぞれ、R撮像用重心検出手段528と同様、2値化処理を施した緑色の撮像画像および青色の撮像画像に重心検出処理を行うため、詳細な説明を省略する。
【0106】
<第2例:パターンマッチング>
図10を参照し、検出対象要素レンズの位置検出手法の第2例について説明する(適宜図3参照)。
図10に示すように、撮像用レンズ位置検出手段508は、パターンマッチングを行うため、R撮像用パターンマッチング手段548と、G撮像用パターンマッチング手段548と、B撮像用パターンマッチング手段548とを備える。
【0107】
R撮像用パターンマッチング手段548は、R検出対象要素レンズ設定手段507から、検出対象要素レンズ識別情報と、2値化画像(2値化処理が施された赤色の撮像画像)とが入力される。そして、R撮像用パターンマッチング手段548は、R補正用パターンマッチング手段543と同様、この2値化画像にパターンマッチングを行って、各屈折率分布レンズ21の中心位置を検出する。さらに、R撮像用パターンマッチング手段548は、検出した全ての屈折率分布レンズ21のうち、検出対象要素レンズ識別情報で検出対象要素レンズとして設定された屈折率分布レンズ21の中心位置を、検出対象要素レンズの中心位置として補正データ修正手段509に出力する。このように、R撮像用パターンマッチング手段548は、検出対象要素レンズの中心位置をサブピクセル精度で求めることができる。
【0108】
G撮像用パターンマッチング手段548およびB撮像用パターンマッチング手段548は、それぞれ、R撮像用パターンマッチング手段548と同様、2値化処理を施した緑色の撮像画像および青色の撮像画像にパターンマッチングを行うため、詳細な説明を省略する。
【0109】
前記したように、レンズ面全体が撮像されていない屈折率分布レンズ21は、検出対象要素レンズとして設定されることがない。このため、第1例〜第4例の何れを用いた場合でも、撮像用レンズ位置検出手段508は、検出対象要素レンズの位置を検出できない事態や、検出対象要素レンズの位置を誤検出する事態を防止して、検出対象要素レンズの位置検出精度を高くすることができる。
【0110】
図3に戻り、補正装置50の構成について説明を続ける。
補正データ修正手段509は、撮像用レンズ位置検出手段508が検出した検出対象要素レンズの位置ずれの平均値を算出し、算出した検出対象要素レンズの位置ずれの平均値に基づいて、補正データ算出手段504が算出した補正データを修正するものである。
【0111】
ここで、補正用白色被写体10を撮像してから、撮像用被写体を撮像するまでの間に、屈折率分布レンズアレイ20、集光レンズ30および撮像用レンズ41の相対位置にずれが生じる場合がある。そこで、補正データ修正手段509は、補正用画像から検出した屈折率分布レンズ21の中心位置と、検出対象要素レンズの中心位置との位置ずれの平均値を算出し、この平均値を補正データに反映させる。
【0112】
具体的には、補正データ修正手段509は、補正データ算出手段504から、補正データと、赤色、緑色および青色での各屈折率分布レンズ21の中心位置とが入力される。また、補正データ修正手段509は、撮像用レンズ位置検出手段508から、赤色、緑色および青色での検出対象要素レンズの中心位置が入力される。そして、補正データ修正手段509は、3原色ごとに、この検出対象要素レンズの中心位置と、この検出対象要素レンズに対応する屈折率分布レンズ21の中心位置との位置ずれ量を算出する。さらに、補正データ修正手段509は、3原色ごとに、算出した全ての位置ずれ量の平均値を算出して、この平均値を補正データに加算する。その後、補正データ修正手段509は、修正した補正データを歪み補正手段510に出力する。これによって、補正データ修正手段509は、補正用白色被写体10を撮像してから、撮像用被写体を撮像するまでの間に生じた中心位置ずれを補正データに反映させることができる。
【0113】
歪み補正手段510は、補正データ修正手段509が修正した補正データに基づいて、3原色の撮像画像を2次元画像処理または3次元画像処理によって補正するものである。具体的には、歪み補正手段510は、カメラ40から、3原色ごとの撮像画像(動画)が入力される。この撮像画像(動画)は、撮像用被写体を撮像した撮像画像がフレーム画像として連続したものである。また、歪み補正手段510は、補正データ修正手段509から、修正済みの補正データが入力される。そして、基準色が緑色であるため、歪み補正手段510は、赤色および青色の撮像画像での屈折率分布レンズ21の中心位置か、緑色の撮像画像での屈折率分布レンズ21の中心位置に一致するように、赤色および青色の撮像画像を補正する(図8参照)。その後、歪み補正手段510は、緑色の撮像画像と、補正済みの赤色および青色の撮像画像とを合成して出力する。以下、撮像画像の補正方法について、第1例および第2例をあげて説明する。
【0114】
<第1例:2次元画像処理>
以下、図11を参照して、撮像画像の補正方法の第1例について説明する(適宜図1,図3参照)。
【0115】
屈折率分布レンズアレイ20は、カメラ側端面が平面である(図1参照)。このため、歪み補正手段510は、2次元画像処理によって、色収差による歪みだけでなく、姿勢変化による位置ずれ(例えば、水平、垂直、回転およびあおり)も補正することが可能となる。
【0116】
図11(a)のように、補正用白色被写体10を撮像してから、図11(b)のように、撮像用被写体を撮像するまでの間、屈折率分布レンズアレイ20とカメラ40との相対的な姿勢が変化することがある。図11(b)の例では、屈折率分布レンズアレイ20とカメラ40との間で、相対的な姿勢変化によって、水平方向の位置ずれが生じる。この場合、図11(c)に示すように、歪み補正手段510は、2次元画像処理によって、補正用画像から検出された屈折率分布レンズ21の中心位置と、撮像画像から検出された検出対象要素レンズの中心位置とを比較、一致させる。これによって、歪み補正手段510は、姿勢変化による位置ずれも補正することができる
【0117】
例えば、補正用白色被写体10を撮像してから、撮像用被写体を撮像するまでの間、右方向に1画素分移動した場合を考える。この場合、歪み補正手段510は、補正用画像を右方向に1画素移動させた後、移動させた補正用画像と撮像画像とを用いて補正を行うことになる。
なお、移動方向と逆の方向(本例では左)にある補正用画像の左端の縦1列(右に1画素移動したので縦1列)では、その補正データが存在しないため、歪み補正手段510は、周辺画素の補正データから補間する。
【0118】
<第2例:3次元画像処理>
以下、図12を参照して、撮像画像の補正方法の第2例について説明する(適宜図1,図3参照)。
ここで、図12(a)のように、補正用白色被写体10を撮像してから、図12(b)のように、撮像用被写体を撮像するまでの間、屈折率分布レンズアレイ20とカメラ40との相対的な姿勢が変化したとする。
【0119】
この場合、図12(c)に示すように、歪み補正手段510は、3次元画像処理(例えば、光線追跡法)によって、この姿勢変化から、屈折率分布レンズアレイ20とカメラ40とが相対的に正しい位置での光線を推定することができる。従って、歪み補正手段510は、3次元画像処理を用いて、高い精度で補正を行うことができる。特に、屈折率分布レンズ21の中心位置が設計位置からずれる場合(屈折率分布レンズアレイ20に製造上の誤差がある場合)でも、歪み補正手段510は、3次元画像処理によって光線を正確に推定できるので、より高い精度で補正を行うことができる。
【0120】
ここで、光線追跡法としては、例えば、文献“「インテグラル方式における幾何光学を用いた奥行き制御手法」,洗井、河北、岡野,映像情報メディア学会技術報告 vol.32,no.44,pp.41-44,3DIT2008-74,IDY2008-102 (Oct.2008)”に記載された手法を用いることができる。この文献に記載された手法を用いる場合、奥行き変更を行わない。
【0121】
なお、補正用白色被写体10を撮像して補正データを算出する際、屈折率分布レンズアレイ20とカメラ40とを適切な位置に手動で配置しておくとよい。
また、歪み補正手段510は、動画として撮像された撮像画像だけでなく、静止画として撮像された撮像画像を補正できることは言うまでもない。
【0122】
[立体撮像システムの動作:補正データの算出]
図13,図14を参照して、補正データの算出および撮像画像の補正に分けて、図1の立体撮像システムの動作について説明する(適宜図1,図3参照)。
なお、図13,図14では、手動で行われる処理を破線で図示した。
【0123】
図13に示すように、立体撮像システム100では、屈折率分布レンズアレイ20のカメラ端面がカメラ40の焦点位置になるように屈折率分布レンズアレイ20を手動で配置する(ステップS1)。
【0124】
立体撮像システム100では、屈折率分布レンズアレイ20のカメラ側に集光レンズ30を手動で配置する(ステップS2)。また、立体撮像システム100では、屈折率分布レンズアレイ20の被写体側に補正用白色被写体10を手動で配置する(ステップS3)。
【0125】
カメラ40は、屈折率分布レンズアレイ20のカメラ側端面を撮像する。すなわち、カメラ40は、集光レンズ30を介して補正用白色被写体10を撮像する。そして、補正装置50は、カメラ40から、屈折率分布レンズアレイ20の屈折率分布レンズ21の配列を示す補正用画像が、補正用画像入力手段501に転送される(ステップS4)。
【0126】
補正装置50は、補正用2値化手段502によって、3原色の補正用画像に対して、2値化処理を行う(ステップS5)。そして、補正装置50は、補正用レンズ位置検出手段503によって、3原色の補正用画像に対して、重心検出処理、点像群検出処理またはパターンマッチングの何れか1以上を行うことで、3原色の補正用画像ごとに屈折率分布レンズ21の位置を検出する(ステップS6)。
【0127】
補正装置50は、補正データ算出手段504によって、屈折率分布レンズ21ごとに、この基準色での屈折率分布レンズ21の中心位置に対する、他の2原色での屈折率分布レンズ21の中心位置のずれ量を算出する(ステップS7)。
【0128】
補正装置50は、補正データ算出手段504によって、屈折率分布レンズ21の中心位置を一致させる補正データを算出する。すなわち、補正装置50は、補正データ算出手段504によって、色収差による歪みを補正する補正データを算出する(ステップS8)。
【0129】
[立体撮像システムの動作:撮像画像の補正]
図14に示すように、立体撮像システム100では、補正用白色被写体10に代えて、撮像用被写体を屈折率分布レンズアレイ20の被写体側に手動で配置する(ステップS10)。
【0130】
カメラ40は、屈折率分布レンズアレイ20のカメラ側端面を撮像する。すなわち、カメラ40は、集光レンズ30を介して撮像用被写体を撮像する。そして、補正装置50は、カメラ40から、撮像用被写体が撮像された撮像画像が、撮像画像入力手段505に転送される(ステップS11)。
【0131】
補正装置50は、撮像用2値化手段506によって、3原色の撮像画像に対して、2値化処理を行う(ステップS12)。そして、補正装置50は、検出対象要素レンズ設定手段507によって、3原色の撮像画像において、屈折率分布レンズ21のレンズ面全体が撮像されたか否かをパターンマッチングまたは要素レンズの総輝度値によって判定し、レンズ面全体が撮像されたと判定された屈折率分布レンズ21を検出対象要素レンズとして設定する(ステップS13)。
【0132】
補正装置50は、撮像用レンズ位置検出手段508によって、3原色の撮像画像ごとに、重心検出処理またはパターンマッチングを行うことで、検出対象要素レンズの位置を検出する(ステップS14)。
【0133】
補正装置50は、補正データ修正手段509によって、検出した検出対象要素レンズの位置ずれ量の平均値を算出する(ステップS15)。そして、補正装置50は、補正データ修正手段509によって、この平均値を補正データに加算して、補正データを修正する(ステップS16)。さらに、補正装置50は、歪み補正手段510によって、修正済みの補正データに基づいて、3原色の撮像画像を2元画像処理または3次元画像処理によって補正する(ステップS17)。
【0134】
以上のように、本発明の第1実施形態に係る立体撮像システム100は、3原色ごとに専用の要素レンズを必要としないため、実質的な画素数の減少を抑えて、撮像画像の画質劣化を防止することができる。さらに、立体撮像システム100は、白い背景で各要素レンズを撮像した補正用画像を用いるため、測定用パターンの歪みを考慮する必要がない。このため、立体撮像システム100は、屈折率分布レンズアレイ20、集光レンズ30および撮像用レンズ41が含まれる光学系において、色収差による歪みを容易、かつ、高い精度で補正することができる。従って、立体撮像システム100は、IPにおいて、高精細、かつ、高品質な立体像を撮像することができる。
【0135】
(変形例1:凹レンズアレイ)
前記した立体撮像システム100は、種々の変更を加えることができるため、その変形例を具体的に説明する。
図1に示すように、第1実施形態では、レンズアレイの一例として、屈折率分布レンズアレイ20を説明したが、これに限定されない。例えば、レンズアレイとして、屈折率分布レンズアレイ20の代わりに、凹レンズを2次元に配置した凹レンズアレイ(不図示)を用いることもできる。
【0136】
(変形例2:拡散板)
図1に示すように、第1実施形態では、光学部材の一例として、集光レンズ30を説明したが、これに限定されない。例えば、光学部材として、集光レンズ30の代わりに、拡散板(不図示)を用いることもできる。
【0137】
一般的な拡散板は、例えば、光を拡散する用途と、隣り合う画素間の境界をぼかす用途との2種類に分類できる。ここで、光学部材として、前者を用途とする拡散板を用いる場合、下記の式(5)で定義される拡散角度θを満たすことが好ましい。この式(5)で定義される拡散角度θを満たさない場合、補正用白色被写体10からの白色光がカメラ40に入射されなくなるためである。
【0138】
【数1】

【0139】
なお、式(5)では、Wが屈折率分布レンズアレイ20の中心から最端部までの長さであり、Dが撮像用レンズ41から拡散板までの距離である。また、撮像用レンズ41の光軸が屈折率分布レンズアレイ20の中心を通過することとする。
【0140】
一方、光学部材として、後者を用途とする拡散板を用いる場合、なるべく拡散板での拡散が少ないことが好ましい。
このように、光学部材として拡散板を用いた場合、色収差による歪みおよび幾何学歪みが拡散板で発生しないため、立体撮像システム100では、歪みの発生要因を1つ取り除くことができる。このため、立体撮像システム100は、色収差による歪みおよび幾何学歪みが少ない補正用画像および撮像画像を撮像できる。
【0141】
(変形例3:補正データの修正なし)
図3に示すように、第1実施形態では、補正用白色被写体10を撮像してから、撮像用被写体を撮像するまでの間における光学系の相対位置のずれを考慮して、補正データを修正することとしたが、これに限定されない。つまり、補正装置50は、補正データを修正しなくともよい。
【0142】
この場合、図3の補正装置50において、撮像画像入力手段505、撮像用2値化手段506、検出対象要素レンズ設定手段507、撮像用レンズ位置検出手段508および補正データ修正手段509を備えない構成とする。また、補正データ算出手段504は、算出した補正データを歪み補正手段510に出力する。そして、歪み補正手段510は、補正データ算出手段504から入力された補正データ(つまり、未修正の補正データ)に基づいて、撮像画像を補正する。
なお、補正用白色被写体10を撮像してから、撮像用被写体を撮像するまでの間における光学系の相対位置のずれは、補正されないことは言うまでもない。
【0143】
(第2実施形態:凸レンズアレイの対)
[立体撮像システムの構成]
図15を参照して、本発明の第2実施形態に係る立体撮像システム101の構成について、第1実施形態と異なる点を説明する(適宜図1参照)。
図15に示すように、立体撮像システム101は、図1の屈折率分布レンズアレイ20の代わりに、凸レンズアレイの対22を備える。
【0144】
凸レンズアレイの対22は、凸レンズアレイ23a,23bが互いに対向するように配置されたものである。また、凸レンズアレイ23a,23bは、それぞれ、要素レンズとしての凸レンズ24a,24bが2次元に配置される。すなわち、凸レンズアレイ23a,23bは、同数の凸レンズ24a,24bを有する。さらに、各凸レンズ24a,24bは、互いに対応するように、その中心位置が一致する。
【0145】
ここで、凸レンズアレイ23a,23bの焦点距離をfAとして説明する。
凸レンズアレイ23aが被写体側に配置され、凸レンズアレイ23bが凸レンズアレイ23aのカメラ側に配置される。このとき、凸レンズアレイ23bは、カメラ40が焦点距離fAの2倍の位置を撮像でき、かつ、凸レンズアレイ23aからの焦点距離fAが4倍となる位置に配置される。
【0146】
また、凸レンズアレイ23a,23bは、互いに焦点距離が異なってもよい。この場合、凸レンズアレイ23aが有する凸レンズ24aは、全て同一の焦点距離を有する。さらに、凸レンズアレイ23bが有する凸レンズ24bは、全て同一の焦点距離を有する。
【0147】
以上のように、本発明の第2実施形態に係る立体撮像システム101は、屈折率分布レンズアレイ20の代わりに、凸レンズアレイの対22を用いた光学系においても、色収差による歪みを容易、かつ、高い精度で補正することができる。従って、立体撮像システム101は、IPにおいて、高精細、かつ、高品質な立体像を撮像することができる。
なお、第2実施形態では、凸レンズアレイの対22以外の各手段、および、立体撮像システム101の動作が第1実施形態と同様のため、詳細な説明を省略する。
【0148】
(変形例4:新たな凸レンズアレイ)
前記した立体撮像システム101は、種々の変更を加えることができるため、その変形例を具体的に説明する。
【0149】
図15の立体撮像システム101は、凸レンズアレイ23aのカメラ側であって、凸レンズアレイ23aからの焦点距離fAが2倍となる位置に、新たな凸レンズアレイ(不図示)をさらに配置してもよい。
【0150】
新たな凸レンズアレイは、凸レンズアレイ23a,23bと同じ焦点距離fAを有する。また、新たな凸レンズアレイは、凸レンズアレイ23a,23bと同数の凸レンズ(要素レンズ)を有する。さらに、新たな凸レンズアレイの各凸レンズは、対応する凸レンズ24a,24bの中心位置と一致する。
【0151】
(第3実施形態:色収差による歪みおよび幾何学歪みの補正)
[補正装置の構成]
図16を参照して、本発明の第3実施形態に係る補正装置51の構成について、第1実施形態と異なる点を説明する(適宜図1,図3参照)。
図16に示すように、補正装置51は、色収差による歪みに加えて幾何学歪みを補正するため、補正基準位置記憶手段511をさらに備え、図3の補正データ算出手段504の代わりに補正データ算出手段504Aを備える。
【0152】
補正基準位置記憶手段511は、図1の屈折率分布レンズ21(要素レンズ)の基準位置を予め記憶するメモリ、ハードディスクなどの記憶手段である。この基準位置は、各屈折率分布レンズ21の中心位置の基準となり、例えば、各屈折率分布レンズ21の中心位置の設計値である。
【0153】
補正データ算出手段504Aは、補正基準位置記憶手段511が記憶する基準位置に、3原色での屈折率分布レンズ21の位置を一致させる補正データを算出するものである。
【0154】
具体的には、補正データ算出手段504Aは、補正用レンズ位置検出手段503から、赤色、緑色および青色での各屈折率分布レンズ21の中心位置が入力される。また、補正データ算出手段504Aは、補正基準位置記憶手段511から基準位置を読み出す。そして、補正データ算出手段504Aは、この基準位置に対する、3原色での屈折率分布レンズ21の中心位置のずれ量を算出する。
【0155】
この場合、補正データ算出手段504Aは、図17に示すように、基準位置Cに対する、赤色での屈折率分布レンズ21の中心位置Cのずれ量ΔC−Rを求める。また、補正データ算出手段504Aは、基準位置Cに対する、緑色での屈折率分布レンズ21の中心位置Cのずれ量ΔC−Gを求める。そして、補正データ算出手段504Aは、基準位置Cに対する、青色での屈折率分布レンズ21の中心位置Cのずれ量ΔC−Bを求める。さらに、補正データ算出手段504Aは、このずれ量ΔC−G,ΔG−B,ΔG−Rをゼロにする補正データを算出する。その後、補正データ算出手段504Aは、この補正データと、赤色、緑色および青色での各屈折率分布レンズ21の中心位置とを、後記する補正データ修正手段509に出力する。
【0156】
なお、立体撮像システム100の全体構成は、図1と同様のため、詳細な説明を省略する。また、図16の補正データ算出手段504Aおよび補正基準位置記憶手段511以外の各手段は、図3の各手段と同様のため、詳細な説明を省略する。
【0157】
[立体撮像システムの動作:補正データの算出]
図18を参照して、第3実施形態に係る立体撮像システム100が補正データを算出する動作について説明する(適宜図1,図16参照)。
なお、図18のステップS1〜ステップS6は、図13の各ステップと同様のため、詳細な説明を省略する。また、立体撮像システム100が撮像画像を補正する動作は、図14と同様のため、詳細な説明を省略する。
【0158】
補正装置51は、補正データ算出手段504Aによって、屈折率分布レンズ21ごとに、基準位置に対する、3原色での屈折率分布レンズ21の中心位置のずれ量を算出する(ステップS20)。
【0159】
補正装置51は、補正データ算出手段504Aによって、屈折率分布レンズ21の中心位置を基準位置に一致させる補正データを算出する。すなわち、補正装置51は、補正データ算出手段504Aによって、色収差による歪みおよび幾何学歪みを補正する補正データを算出する(ステップS21)。
【0160】
以上のように、本発明の第3実施形態に係る立体撮像システム100は、屈折率分布レンズアレイ20、集光レンズ30および撮像用レンズ41が含まれる光学系において、色収差による歪みだけでなく幾何学歪みを、容易、かつ、高い精度で補正することができる。従って、立体撮像システム100は、IPにおいて、高精細、かつ、高品質な立体像を撮像することができる。
【0161】
(第4実施形態:シェーディング補正)
[シェーディング補正の概略]
図19を参照して、本発明の第4実施形態に係る補正装置52(図22参照)ついて、第1実施形態と異なる点を説明する(適宜図1,図3参照)。
補正装置52は、補正用画像および撮像画像にシェーディング補正を行った後、図3の補正装置50と同様、色収差による歪みを補正する。
【0162】
補正装置52の構成を説明する前にシェーディング補正の概略について説明する。
図19(a)に示すように、屈折率分布レンズ21には、その特性によって、シェーディングが発生する。また、図19(b)に示すように、補正用白色被写体10、集光レンズ30、撮像用レンズ41および撮像素子43にも、その特性によって、シェーディングが発生する。従って、カメラ40で撮像された補正用画像および撮像画像には、図19(a)および(b)に示したシェーディングの影響が総合的に含まれている。このため、図19(c)に示すように、補正用画像では、中心側に位置する屈折率分布レンズ21が高い輝度(明るく)で撮像され、外周側に位置する屈折率分布レンズ21が低い輝度(暗く)で撮像される。この状態で2値化処理を行っても、補正用画像から、屈折率分布レンズ21の配列を示す2値化画像を得ることが困難である。
【0163】
このため、補正装置52は、図20に示すように、補正データを算出するとき、補正用画像にシェーディング補正を行う。まず、補正装置52は、カメラ40から、シェーディングの影響が含まれる補正用画像(シェーディングあり補正用画像)が入力される。そこで、補正装置52は、このシェーディングあり補正用画像において、全画素の最大画素値を注目画素の画素値で除算して、注目画素ごとのシェーディング補正データを算出する。さらに、補正装置52は、カメラ40からの入力画像(シェーディングあり補正用画像)において、この入力画像での注目画素の画素値に、この注目画素のシェーディング補正を乗算することで、シェーディング補正を行う。その後、補正装置52は、シェーディング補正が施された出力画像(シェーディング補正後補正用画像)に対して、2値化処理を行う。
【0164】
言い換えるなら、補正データ算出時におけるシェーディング補正は、下記の式(6)で表される。この式(6)では、Wimがシェーディングあり補正用画像であり、Wim2がシェーディング補正後補正用画像であり、iが注目画素の水平座標であり、jが注目画素の垂直座標であり、kが各原色を識別する値(例えば、赤色=1、緑色=2、青色=3)であり、maxが、k色での最大画素値を求める関数である。
【0165】
【数2】

【0166】
つまり、式(6)では、max(Wim(:,:,k))が、シェーディングあり補正用画像における、k色での最大画素値である。また、式(6)では、Wim(i,j,k)が、シェーディングあり補正用画像の注目画素(i,j)における、k色での画素値である。さらに、式(6)では、右辺第2項が、シェーディング補正データである。
【0167】
また、補正装置52は、図21に示すように、撮像画像を補正するとき、撮像画像にシェーディング補正を行う。
なお、屈折率分布レンズ21のレンズ面には撮像用被写体が映ることになるが、図面を見やすくするため、図21では省略した。
【0168】
ここで、補正装置52は、カメラ40からの入力画像(シェーディングあり撮像画像)において、この入力画像での注目画素の画素値に、前記したシェーディング補正データを乗算することで、シェーディング補正を行う。その後、補正装置52は、シェーディング補正が施された出力画像(シェーディング補正後撮像画像)に対して、2値化処理を行う。
【0169】
つまり、撮像画像補正時におけるシェーディング補正は、下記の式(7)で表される。この式(7)では、im1がシェーディングあり撮像画像であり、im2がシェーディング補正後撮像画像である。さらに、式(7)では、右辺第2項が、シェーディング補正データである。
【0170】
【数3】

【0171】
[補正装置の構成]
図22を参照して、本発明の第4実施形態に係る補正装置52の構成について、第1実施形態と異なる点を説明する(適宜図1,図3参照)。
図22に示すように、補正装置52は、シェーディング補正データ算出手段512と、補正用シェーディング補正手段513と、撮像用シェーディング補正手段514,515とをさらに備える。
【0172】
シェーディング補正データ算出手段512は、3原色の補正用画像における全画素の最大画素値を注目画素の画素値で除算してシェーディング補正データを算出するものである。ここで、シェーディング補正データ算出手段512は、カメラ40から、3原色の補正用画像が転送される。そして、シェーディング補正データ算出手段512は、この3原色の補正用画像から、前記したシェーディング補正データ(式(6)および式(7)の右辺第2項)を算出する。シェーディング補正データ算出手段512は、このシェーディング補正データを、補正用シェーディング補正手段513と、撮像用シェーディング補正手段514,515とに出力する。
【0173】
補正用シェーディング補正手段513は、3原色の補正用画像に対して、シェーディング補正データに基づいてシェーディング補正を行うものであり、R補正用シェーディング補正手段513と、G補正用シェーディング補正手段513と、B補正用シェーディング補正手段513とを備える。
【0174】
R補正用シェーディング補正手段513は、R補正用画像バッファ501から赤色の補正用画像を読み出すと共に、シェーディング補正データ算出手段512からシェーディング補正データが入力される。そして、R補正用シェーディング補正手段513は、この赤色の補正用画像に対して、式(6)で定義されるシェーディング補正を行う。その後、R補正用シェーディング補正手段513は、シェーディング補正が施された赤色の補正用画像をR補正用2値化手段502に出力する。
【0175】
ここで、式(6)のシェーディング補正を補正用画像全体に行った場合、屈折率分布レンズ21同士の隙間もシェーディング補正され、補正用画像が、屈折率分布レンズ21の配列を示さない真っ白な画像になってしまう。通常、屈折率分布レンズ21同士の隙間は、白色光が透過せずに黒色になるため、シェーディング補正を行う必要がない。さらに、屈折率分布レンズ21同士の隙間をシェーディング補正した場合、屈折率分布レンズ21の位置検出が困難になる。このため、R補正用シェーディング補正手段513は、赤色の補正用画像に対して、屈折率分布レンズ21の領域検出処理(例えば、2値化処理、エッジ検出処理等)を行ってから、検出された屈折率分布レンズ21の領域のみを式(6)でシェーディング補正することが好ましい。
【0176】
G補正用シェーディング補正手段513およびB補正用シェーディング補正手段513は、それぞれ、R補正用シェーディング補正手段513と同様、緑色の補正用画像および青色の補正用画像にシェーディング補正を行うため、詳細な説明を省略する。
【0177】
撮像用シェーディング補正手段514は、3原色の撮像画像に対して、シェーディング補正データに基づいてシェーディング補正を行うものであり、R撮像用シェーディング補正手段514と、G撮像用シェーディング補正手段514と、B撮像用シェーディング補正手段514とを備える。
【0178】
R撮像用シェーディング補正手段514は、R撮像画像バッファ505から赤色の撮像画像を読み出すと共に、シェーディング補正データ算出手段512からシェーディング補正データが入力される。そして、R撮像用シェーディング補正手段514は、この赤色の撮像画像に対して、式(7)で定義されるシェーディング補正を行う。その後、R撮像用シェーディング補正手段514は、シェーディング補正が施された赤色の撮像画像をR撮像用2値化手段506に出力する。
【0179】
なお、R撮像用シェーディング補正手段514は、赤色の撮像画像にシェーディング補正を行うとき、赤色の補正用画像と赤色の撮像画像との間で屈折率分布レンズ21の位置が一致するように、赤色の撮像画像の位置を調整するとよい。
また、R撮像用シェーディング補正手段514は、R補正用シェーディング補正手段513と同様、赤色の撮像画像に対して、屈折率分布レンズ21の領域検出処理を行ってから、検出された屈折率分布レンズ21の領域のみを式(7)でシェーディング補正することが好ましい。
【0180】
G撮像用シェーディング補正手段514と、B撮像用シェーディング補正手段514は、それぞれ、R撮像用シェーディング補正手段514と同様、緑色の撮像画像および青色の撮像画像にシェーディング補正を行うため、詳細な説明を省略する。
【0181】
撮像用シェーディング補正手段515は、カメラ40から、3原色の撮像画像がフレーム画像として連続した動画が入力される。また、撮像用シェーディング補正手段515は、シェーディング補正データ算出手段512からシェーディング補正データが入力される。そして、撮像用シェーディング補正手段515は、この撮像画像(フレーム画像)に対してシェーディング補正を行う。その後、撮像用シェーディング補正手段515は、シェーディング補正が施された撮像画像(動画)を歪み補正手段510に出力する。
【0182】
なお、撮像用シェーディング補正手段515は、撮像用シェーディング補正手段514と同様のものであるため、詳細な説明を省略する。
また、図22では、撮像用シェーディング補正手段514,515は、個別に図示したが、これらを一体化してもよい。
【0183】
[立体撮像システムの動作:補正データの算出]
図23を参照して、第4実施形態に係る立体撮像システム100が補正データを算出する動作について説明する(適宜図1,図22参照)。
なお、図23のステップS1〜ステップS8は、図13の各ステップと同様のため、詳細な説明を省略する。
【0184】
補正装置52は、シェーディング補正データ算出手段512によって、3原色の補正用画像における全画素の最大画素値を注目画素の画素値で除算してシェーディング補正データを算出する。そして、補正装置52は、補正用シェーディング補正手段513によって、3原色の補正用画像に対して、シェーディング補正データに基づいてシェーディング補正を行う(ステップS30)。
【0185】
[立体撮像システムの動作:撮像画像の補正]
図24を参照して、立体撮像システム100が撮像画像の補正する動作について説明する(適宜図1,図22参照)。
なお、図24のステップS10〜ステップS17は、図14の各ステップと同様のため、詳細な説明を省略する。
【0186】
補正装置52は、撮像用シェーディング補正手段514によって、3原色の撮像画像に対して、シェーディング補正データに基づいてシェーディング補正を行う(ステップS40)。
【0187】
補正装置52は、撮像用シェーディング補正手段515によって、3原色の撮像画像(動画)に対して、シェーディング補正データに基づいてシェーディング補正を行う(ステップS41)。
【0188】
以上のように、本発明の第4実施形態に係る立体撮像システム100は、シェーディングによる悪影響を防止するので、屈折率分布レンズ21の配列を正確に示した2値化画像が容易に得られ、要素レンズの位置検出精度の低下を防止できる。さらに、立体撮像システム100は、撮像画像にシェーディングを行うため、撮像画像の画質劣化を防止することができる。従って、立体撮像システム100は、IPにおいて、高精細、かつ、高品質な立体像を撮像することができる。
【0189】
なお、第4実施形態において、補正用白色被写体10のシェーディングも考慮する場合、補正用白色被写体10のシェーディング特性データを予め設定する。そして、補正装置52は、このシェーディング特性データを用いて、式(6)および式(7)の第2項と同様のシェーディング補正データを求めた後、このシェーディング補正データを式の第3項として乗算すればよい。
【0190】
なお、各実施形態では、本発明に係る補正装置を独立した装置として説明したが、本発明は、一般的なコンピュータを補正装置として機能される補正プログラムによって実現することもできる。この場合、この補正プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録された補正プログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含んでもよい。また、このプログラムは、前述した補正装置の一部機能を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0191】
なお、各実施形態では、補正用白色被写体を撮像した補正用画像を用いることとして説明したが、本発明は、これに限定されない。つまり、本発明では、この補正用画像の代わりに、低周波成分が多く含まれる低周波成分画像を用いることもできる。この場合、この低周波成分画像が補正用画像と類似するため、補正用画像を撮像してから撮像画像を撮像するまでに生じた、回転やあおりといった相対姿勢の変化を補正することも可能である。さらに、この場合、補正用画像を用いなくても、色収差による歪みや幾何学歪みを補正するための補正データを2値化画像(2値化処理を施した撮像画像)から直接求めることもできる。
【0192】
以上、本発明の各実施形態について図面を参照して詳述してきたが、本発明は各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0193】
(実施例1:補正データのベクトル表現)
図25〜図27を参照して、本発明の実施例1として、本発明に係る補正装置が算出した補正データの一例について説明する。
【0194】
この実施例1では、補正用白色被写体を撮像した補正用画像から、各要素レンズの中心位置を求めた。また、水平方向および垂直方向の補正データを算出し、一定のレンズ間隔でのサンプルデータ(水平方向に20個、垂直方向に13個)取得した。そして、図25〜図27に示すように、このサンプルとなる補正データをベクトル表現した。
【0195】
図25〜図27では、各ベクトルは、その向きが要素レンズの位置ずれの方向を表しており、その長さが要素レンズの位置ずれ量を表している。
なお、各ベクトルの長さは、正規化されているため、位置ずれ量と比例するが、位置ずれ量と等しいわけではない。
【0196】
(実施例2:補正データのメッシュ表現)
図28〜図30を参照して、本発明の実施例2として、本発明に係る補正装置が算出した補正データの一例について説明する。
【0197】
ここで、要素レンズの水平方向の間隔が、1.14(mm)≒19.2(pix)であった。また、レンズアレイは、各要素レンズをデルタ配列(俵ずみ)したものであり、横456(mm)×縦209.6(mm)の大きさであった。
【0198】
この実施例2では、補正用白色被写体を撮像した補正用画像から、各要素レンズの中心位置を求めた。また、水平方向および垂直方向の補正データを算出し、一定のレンズ間隔でのサンプルデータ(水平方向に40個、垂直方向に26個)取得した。そして、図28〜図30に示すように、このサンプルとなる補正データをメッシュ表現した(水平成分のみ)。
【0199】
図28より、基準位置と緑色での要素レンズ(要素画像)の位置ずれは、[max min]=[7.3 −22.5](pix)となった。
図29より、緑色での要素レンズ(要素画像)と、赤色での要素レンズ(要素画像)との位置ずれは、[max min]=[3.3 −2.1](pix)となった。
図30より、緑色での要素レンズ(要素画像)と、青色での要素レンズ(要素画像)との位置ずれは、[max min]=[2.4 −1.8](pix)となった。
以上、実施例1,2より、本発明に係る補正装置は、要素レンズごとに高い精度で補正データを算出できることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0200】
本発明は、インテグラル方式の立体像(静止画および動画)の撮像に利用することができる。例えば、本発明は、インテグラル方式の立体テレビ受信機で視聴される立体画像などの立体映像コンテンツの撮像に利用することができる。
【符号の説明】
【0201】
10 補正用白色被写体
20 屈折率分布レンズアレイ(レンズアレイ)
21 屈折率分布レンズ(要素レンズ)
22 凸レンズアレイの対(レンズアレイ)
23a,23b 凸レンズアレイ
24a,24b 凸レンズ(要素レンズ)
30 集光レンズ(光学部材)
40 カメラ(撮像装置)
41 撮像用レンズ
43,43,43 撮像素子
50,51,52 補正装置
100,101 立体撮像システム
501 補正用画像入力手段
502 補正用2値化手段
503 補正用レンズ位置検出手段
504,504A 補正データ算出手段
505 撮像画像入力手段
506 撮像用2値化手段
507 検出対象要素レンズ設定手段
508 撮像用レンズ位置検出手段
509 補正データ修正手段
510 歪み補正手段
511 補正基準位置記憶手段
512 シェーディング補正データ算出手段
513 補正用シェーディング補正手段
514,515 撮像用シェーディング補正手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色光を発光する補正用白色被写体を撮像して、少なくとも色収差による歪みを補正する補正データを算出すると共に、前記補正データを用いて、撮像用被写体が撮像された撮像画像を補正するインテグラル方式の立体撮像システムであって、
前記補正用白色被写体と、
前記補正用白色被写体からの白色光が2次元に配置された要素レンズに入射するレンズアレイと、
前記レンズアレイに対向し、かつ、前記要素レンズに入射した前記補正用白色被写体からの白色光の光路上に配置された光学部材と、
3原色の撮像素子を有し、前記光学部材を介して前記補正用白色被写体を撮像することで、前記要素レンズの配列を示す前記3原色の補正用画像を生成する撮像装置と、
前記撮像装置が生成した3原色の補正用画像から前記要素レンズの位置を検出し、検出した当該要素レンズの位置を前記3原色の補正用画像の間で一致させる補正データを算出し、当該補正データを用いて、前記撮像画像を補正する補正装置と、
を備えることを特徴とする立体撮像システム。
【請求項2】
前記補正用白色被写体は、白色画像を表示する白色画像表示装置、または、白色光を発光する白色光源であることを特徴とする請求項1に記載の立体撮像システム。
【請求項3】
白色光を発光する補正用白色被写体と、要素レンズが2次元に配置されたレンズアレイと、前記レンズアレイに対向するように配置された光学部材と、3原色の撮像素子を有し、前記レンズアレイおよび前記光学部材を介して前記補正用白色被写体を撮像する撮像装置とを備える請求項1に記載の立体撮像システムに用いられ、少なくとも色収差による歪みを補正する補正データを算出する補正装置であって、
前記撮像装置から、前記要素レンズの配列を示す前記3原色の補正用画像が入力される補正用画像入力手段と、
前記3原色の補正用画像に対して、2値化処理を行う補正用2値化手段と、
前記補正用2値化手段によって2値化処理が行われた3原色の補正用画像に対して、重心検出処理、点像群検出処理またはパターンマッチングの何れか1以上を行うことで、前記要素レンズの位置を検出する補正用レンズ位置検出手段と、
前記補正用レンズ位置検出手段が検出した要素レンズの位置を前記3原色の補正用画像の間で一致させる補正データを算出する補正データ算出手段と、
を備えることを特徴とする補正装置。
【請求項4】
前記補正データ算出手段は、前記3原色のうちの何れか1原色である基準色の前記補正用画像から検出した前記要素レンズの位置に、他の2原色の前記補正用画像から検出した前記要素レンズの位置を一致させる前記補正データを算出することを特徴とする請求項3に記載の補正装置。
【請求項5】
前記要素レンズの基準位置を予め記憶する補正基準位置記憶手段をさらに備え、
前記補正データ算出手段は、前記補正基準位置記憶手段が記憶する前記要素レンズの基準位置に、前記3原色の補正用画像から検出した前記要素レンズの位置を一致させる前記補正データを算出することを特徴とする請求項3に記載の補正装置。
【請求項6】
前記撮像装置から、撮像用被写体が撮像された前記3原色の撮像画像が入力される撮像画像入力手段と、
前記撮像画像入力手段に入力された3原色の撮像画像に対して、2値化処理を行う撮像用2値化手段と、
前記2値化処理が行われた前記3原色の撮像画像において、前記要素レンズのレンズ面全体が撮像されたか否かをパターンマッチングまたは前記要素レンズの総輝度値によって判定し、レンズ面全体が撮像されたと判定された前記要素レンズを検出対象要素レンズとして設定する検出対象要素レンズ設定手段と、
前記撮像用2値化手段によって2値化処理が行われた3原色の撮像画像に対して、重心検出処理またはパターンマッチングを行うことで、前記検出対象要素レンズの位置を検出する撮像用レンズ位置検出手段と、
前記撮像用レンズ位置検出手段が検出した検出対象要素レンズの位置ずれの平均値を算出し、算出した当該検出対象要素レンズの位置ずれの平均値に基づいて前記補正データ算出手段が算出した補正データを修正する補正データ修正手段と、
前記補正データ修正手段が修正した補正データに基づいて、前記3原色の撮像画像を2次元画像処理または3次元画像処理によって補正する歪み補正手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項3から請求項5の何れか一項に記載の補正装置。
【請求項7】
前記3原色の補正用画像における全画素の最大画素値を注目画素の画素値で除算してシェーディング補正データを算出するシェーディング補正データ算出手段と、
前記補正用画像入力手段に入力された3原色の補正用画像に対して、前記シェーディング補正データに基づいてシェーディング補正を行う補正用シェーディング補正手段と、
前記撮像装置から入力された3原色の撮像画像に対して、前記シェーディング補正データに基づいてシェーディング補正を行う撮像用シェーディング補正手段と、
をさらに備え、
前記補正用2値化手段は、前記補正用シェーディング補正手段によってシェーディング補正が行われた3原色の補正用画像に対して、2値化処理を行い、
前記撮像用2値化手段は、前記撮像用シェーディング補正手段によってシェーディング補正が行われた3原色の撮像画像に対して、2値化処理を行い、
前記歪み補正手段は、前記補正データに基づいて、前記撮像用シェーディング補正手段によってシェーディング補正が行われた3原色の撮像画像を補正することを特徴とする請求項6に記載の補正装置。
【請求項8】
白色光を発光する補正用白色被写体と、要素レンズが2次元に配置されたレンズアレイと、前記レンズアレイに対向するように配置された光学部材と、3原色の撮像素子を有し、前記レンズアレイおよび前記光学部材を介して前記補正用白色被写体を撮像する撮像装置とを備える請求項1に記載の立体撮像システムに用いられ、少なくとも色収差による歪みを補正する補正データを算出するために、コンピュータを、
前記撮像装置から、前記要素レンズの配列を示す前記3原色の補正用画像が入力される補正用画像入力手段、
前記3原色の補正用画像に対して、2値化処理を行う補正用2値化手段、
前記補正用2値化手段によって2値化処理が行われた3原色の補正用画像に対して、重心検出処理、点像群検出処理またはパターンマッチングの何れか1以上を行うことで、前記要素レンズの位置を検出する補正用レンズ位置検出手段、
前記補正用レンズ位置検出手段が検出した要素レンズの位置を前記3原色の補正用画像の間で一致させる補正データを算出する補正データ算出手段、
として機能させるための補正プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2012−156818(P2012−156818A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14695(P2011−14695)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、総務省、独立行政法人情報通信研究機構「多並列・像再生型立体テレビシステムの研究開発 課題ア(a)超高精細撮像技術」委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】