説明

立体画像表示装置および立体画像表示方法

【課題】立体視可能な立体画像が表示されたモニタを複数の観察者で観察するときに、一人ひとりが快適な立体視を得られるようにする。
【解決手段】画像表示手段10に立体画像を表示し、表示された立体画像の画像光が左レンズ21Lを透過した後の左目側輝度と右レンズ21Rを透過した後の右目側輝度をそれぞれ測定し、輝度の測定結果に基づいて、左目側輝度と右目側輝度の値が同じになるように立体視眼鏡を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体視可能な立体画像を表示する立体画像表示装置および立体画像表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の画像を組み合わせて表示することにより、視差を利用して立体視できることが知られている。このような立体視ができる立体画像は、同一の被写体を異なる位置から複数のカメラを用いて撮影することにより複数の画像を取得し、複数の画像に含まれる被写体の視差を利用して複数の画像を合成することにより生成することができる。
【0003】
具体的には、複数の画像の色を例えば赤と青のように異ならせて重ね合わせたり、複数の画像の偏光方向を異ならせて重ね合わせたりすることにより、複数の画像を合成して立体画像を生成することができる。この場合、立体画像を表示して、赤青眼鏡や偏光眼鏡等の画像を分離する立体視眼鏡を用いて表示された立体画像を目の自動焦点機能により融合視することにより、画像を立体視することができる(アナグリフ方式、偏光フィルタ方式)。また立体視眼鏡を使用し、左目用視差画像と右目用視差画像を交互に表示することにより、立体画像を表示することも可能である(時分割方式)。
【0004】
ところで立体画像を立体視する際に、左目用視差画像と右目用視差画像の輝度がアンバランスになってしまい、快適な立体視を得られない場合がある。そこで従来では、モニタ上で左目用視差画像と右目用視差画像の輝度を合わせたり、立体視眼鏡の透過率等の左右の特性を合わせたりしているが、観察者の観察位置の違いや、外光の状態によって観察者の左右の目にそれぞれ到達する左目用視差画像と右目用視差画像の輝度すなわち観察者の左目と右目とで明るさを感じる度合いがばらついてしまうことがある。
【0005】
そこで特許文献1では、立体視眼鏡に画像光を受光する受光手段を備え、この受光手段の受光結果に基づいて左目用視差画像と右目用視差画像のモニタ上の表示バランスを補正する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−250999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載された方法は、立体視眼鏡に備えられた受光手段の受光結果に基づいてモニタ上の表示バランスを補正しているので、例えば複数の人がそれぞれ立体視眼鏡を使用してモニタを観察しているときに、一人の立体視眼鏡の状況でモニタの表示バランスを制御してしまうため、上記一人以外の人にとっては適切な表示バランスではない可能性があり、快適な立体視ができない場合がある。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、立体視可能な立体画像が表示されたモニタを複数の観察者で観察するときに、一人ひとりが快適な立体視を得られる立体画像表示装置及び立体画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の立体画像表示装置は、左目用視差画像と右目用視差画像とからなる立体視可能な立体画像を表示する画像表示手段と、
左レンズと右レンズとを有し、前記左目用視差画像の画像光を前記左レンズを透過させて観察者の左目に、前記右目用視差画像の画像光を前記右レンズを透過させて観察者の右目にそれぞれ分離して入射させて前記立体画像を立体視させる立体視眼鏡とを備えてなる立体画像表示装置において、
前記画像光が前記左レンズを透過した後の左目側輝度と前記右レンズを透過した後の右目側輝度をそれぞれ測定する輝度測定手段と、
該輝度測定手段による輝度の測定結果に基づいて、前記左目側輝度と前記右目側輝度の値が同じになるように前記立体視眼鏡を制御する輝度調整機構とを備えていることを特徴とするものである。
【0010】
なお本発明において「輝度」は、人が感じる明るさを意味するものである。
【0011】
本発明の立体画像表示装置においては、前記立体視眼鏡が、前記画像光を透過及び遮断するシャッタを前記左レンズと前記右レンズにそれぞれ備えるものであり、
前記輝度調整機構は、前記左レンズと前記右レンズに備えられた前記シャッタの各々のシャッタ速度を制御することにより前記左目側輝度と前記右目側輝度の値を同じにするものであってもよい。
【0012】
また本発明の立体画像表示装置においては、前記立体視眼鏡が、前記左レンズと前記右レンズにそれぞれ配設され、該左レンズと該右レンズを透過する前記画像光の透過光量をそれぞれ変更可能な左右の透過光量変更手段を備えるものであり、
前記輝度調整機構は、前記左右の透過光量変更手段を制御することにより前記左目側輝度と前記右目側輝度の値を同じにするものであってもよい。
【0013】
なお本発明の立体画像表示装置においては、前記輝度調整機構をキャリブレーションするキャリブレーション手段を備えていることが好ましい。
【0014】
本発明の立体画像表示方法は、左目用視差画像と右目用視差画像とからなる立体視可能な立体画像を表示する画像表示手段と、
左レンズと右レンズとを有し、前記左目用視差画像の画像光を前記左レンズを透過させて観察者の左目に、前記右目用視差画像の画像光を前記右レンズを透過させて観察者の右目にそれぞれ分離して入射させて前記立体画像を立体視させる立体視眼鏡とを備えてなる立体画像表示装置における立体画像表示方法において、
前記画像表示手段に前記立体画像を表示し、
該表示された立体画像の画像光が前記左レンズを透過した後の左目側輝度と前記右レンズを透過した後の右目側輝度をそれぞれ測定し、
該輝度の測定結果に基づいて、前記左目側輝度と前記右目側輝度の値が同じになるように前記立体視眼鏡を制御することを特徴とする。
【0015】
本発明の立体画像表示方法においては、前記立体視眼鏡が、前記画像光を透過及び遮断するシャッタを前記左レンズと前記右レンズにそれぞれ備えるものであり、
前記左レンズと前記右レンズに備えられた前記シャッタの各々のシャッタ速度を制御することにより前記左目側輝度と前記右目側輝度の値を同じにしてもよい。
【0016】
また本発明の立体画像表示方法においては、前記左レンズと前記右レンズをそれぞれ透過する前記画像光の透過光量を制御することにより前記左目側輝度と前記右目側輝度の値を同じにしてもよい。
【0017】
なお本発明の立体画像表示方法においては、前記画像表示手段に前記立体画像を表示する前に、
前記画像表示手段に基準画像を表示し、
該表示された基準画像の画像光が前記左レンズを透過した後の左目側輝度と前記右レンズを透過した後の右目側輝度をそれぞれ測定し、
該輝度の測定結果に基づいて、前記左目側輝度と前記右目側輝度の値が同じになるように前記立体視眼鏡を調整することが好ましい。
【0018】
また本発明の立体画像表示方法においては、左目用視差画像と右目用視差画像とからなる立体視可能な立体画像を表示する画像表示手段と、
左レンズと右レンズとを有し、前記左目用視差画像の画像光を前記左レンズを透過させて観察者の左目に、前記右目用視差画像の画像光を前記右レンズを透過させて観察者の右目にそれぞれ分離して入射させて前記立体画像を立体視させる立体視眼鏡とを備えてなる立体画像表示装置における立体画像表示方法において、
前記画像表示手段に前記立体画像を表示する前に、
前記画像表示手段に基準画像を表示し、
該表示された基準画像の画像光が前記左レンズを透過した後の左目側輝度と前記右レンズを透過した後の右目側輝度をそれぞれ測定し、
該輝度の測定結果に基づいて、前記左目側輝度と前記右目側輝度の値が同じになるように前記立体視眼鏡を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の立体画像表示装置及び立体画像表示方法によれば、画像光が左レンズを透過した後の左目側輝度と右レンズを透過した後の右目側輝度をそれぞれ測定する輝度測定手段を備え、輝度測定手段による輝度の測定結果に基づいて、左目側輝度と右目側輝度の値が同じになるように立体視眼鏡を制御するので、複数の観察者がそれぞれ立体視眼鏡を使用してモニタを観察している場合でも、各々の立体視眼鏡のレンズを透過した輝度の測定結果に基づいて、各々の立体視眼鏡を制御することができるので、一人ひとりに最適な輝度調整を行うことができ、各観察者の左右の目にそれぞれ到達する左目用視差画像と右目用視差画像の輝度すなわち各観察者の左目と右目とで明るさを感じる度合いを同じにすることができる。これにより全ての観察者が快適な立体視を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態の立体画像表示装置の概略構成図
【図2】本発明の一実施形態の立体画像表示装置の内部構成を示すブロック図
【図3】本発明の一実施形態の立体画像表示装置の作用を説明するためのフローチャート
【図4】本発明の一実施形態の立体画像表示装置のキャリブレーション処理を説明するためのフローチャート
【図5】本発明の第二の実施形態の立体画像表示装置の作用を説明するためのフローチャート
【図6】本発明の一実施形態の立体画像表示装置の立体視眼鏡のシャッタの動きを説明するための説明図
【図7】本発明の第三の実施形態の立体画像表示装置の概略構成図
【図8】本発明の第三の実施形態の立体画像表示装置の内部構成を示すブロック図
【図9】本発明の第三の実施形態の立体画像表示装置の作用を説明するためのフローチャート
【図10】本発明の第三の実施形態の立体画像表示装置のキャリブレーション処理を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態としての立体画像表示装置について説明する。まず、立体画像表示装置全体の概略構成について説明する。図1は立体画像表示装置1の概略構成を示す図、図2は立体画像表示装置1の内部構成を示すブロック図である。
【0022】
本実施形態の立体画像表示装置1は、図1に示すように、立体視可能な立体画像を表示するモニタ10と、モニタ10及び後述する立体視眼鏡20に有線又は無線手段により接続され、モニタ10及び立体視眼鏡20の制御を行う制御部30とを備えている。
【0023】
モニタ10は、図2に示すように、制御部30から出力された2つの視差画像信号を用いて立体画像を表示するものである。なお本実施形態においては、表示信号生成部32により左目用視差画像と右目用視差画像とをモニタ10に交互に表示し、シャッタ駆動部36が、モニタ10に左目用視差画像が表示されているときには左シャッタ23Lを開いて右シャッタ23Rを閉じ、モニタ10に右目用視差画像が表示されているときには右シャッタ23Rを開いて左シャッタ23Lを閉じるようにモニタ10の表示に同期させて左シャッタ23Lと右シャッタ23Rを開閉駆動することにより左目用視差画像の画像光を観察者の左目に、右目用視差画像の画像光を観察者の右目に到達させる公知の時分割方式を表示方式として採用するものとする。
【0024】
立体視眼鏡20は、観察者が装着するものであり、左耳にかけられる左テンプル20aLと右耳にかけられる右テンプル20aRとを備えたフレーム20aと、左レンズ21L及び右レンズ21Rとを備えている。また観察者に装着されたときに、観察者の左目の目前および右目の目前にそれぞれ配置される液晶シャッタである左シャッタ23L及び右シャッタ23Rが備えられている。そして左テンプル20aLには、モニタ10に表示された左目用視差画像の画像光が左レンズ21Lを透過した後の左目側輝度を測定する左輝度センサ22Lが、右テンプル20aRには、モニタ10に表示された右目用視差画像の画像光が右レンズ21Rを透過した後の右目側輝度を測定する右輝度センサ22Rがそれぞれ設けられている。
【0025】
左輝度センサ22L及び右輝度センサ22Rは、可視光領域に感度があるものであり、シリコンフォトダイオード等を使用することができる。なお人間の目の感度である標準分光視感光率に一致するものであることが好ましい。この左輝度センサ22L及び右輝度センサ22Rにより、モニタ10に立体画像が表示されたときに、左目用視差画像の画像光が左レンズ21Lを透過した後の左目側輝度と右目用視差画像の画像光が右レンズ21Rを透過した後の右目側輝度すなわち観察者の左目が感じる明るさと観察者が感じる明るさをそれぞれ測定する。
【0026】
制御部30は、図2に示すように半導体メモリやハードディスクやSSD等のストレージデバイスなどを備えており、これらのハードウェアによって、視差記憶部31、表示信号生成部32、キャリブレーション部33、記憶部34、輝度調整部35およびシャッタ駆動部36等が構成されている。
【0027】
視差画像記憶部31は、図示しない入力部から入力された、異なる視点で撮影された左目用視差画像と右目用視差画像の画像信号を記憶するものである。
【0028】
表示信号生成部32は、視差画像記憶部31から読み出された左目用視差画像信号と右目用視差画像信号に基づいて立体画像の表示制御信号を生成し、その表示制御信号をモニタ10に出力するものである。
キャリブレーション部33は、後述する輝度調整機構のキャリブレーションを行うものである。このキャリブレーション部33については後で詳細に説明する。
【0029】
記憶部34は、キャリブレーション部33により算出された時間やパラメータを記憶するものである。
【0030】
輝度調整部35は、左輝度センサ22Lと右輝度センサ22Rによる輝度の測定結果に基づいて、左目側輝度と右目側輝度の値が同じになるようにシャッタ駆動部36を介して左シャッタ23Lと右シャッタ23Rを制御するものである。ここで本実施形態においては、この左シャッタ23L、右シャッタ23R、シャッタ駆動部36、輝度調整部35を合わせて輝度調整機構という。なおこの輝度調整機構による動作については後で詳細に説明する。
【0031】
シャッタ駆動部36は、輝度調整部35からの出力に基づいて左シャッタ23Lと右シャッタ23Rを開閉させるものである。
【0032】
本実施形態の立体画像表示装置1は、以上のように構成されている。
【0033】
次に、本実施形態の立体画像表示装置1の作用について、図3及び図4に示すフローチャートおよび図5に示す説明図を用いて説明する。なお図3は立体画像表示装置1の作用を説明するためのフローチャート、図4は立体画像表示装置1のキャリブレーション処理を説明するためのフローチャート、図5立体視眼鏡20のシャッタ23L,23Rの動きを説明するための説明図である。
【0034】
まず立体画像表示装置1は、図3に示すように、キャリブレーション部33が輝度調整機構のキャリブレーション処理を行う(S1)。
【0035】
キャリブレーション部33によるキャリブレーション処理は、図4に示す如く、まず基準画像として白の画像を、表示信号生成部32を介してモニタ10に表示させる(S10)。次にモニタ10を観察する一人以上の観察者が、各々立体視眼鏡20を装着し、各々がモニタを観察する位置に位置した状態で、各々の左輝度センサ22Lと右輝度センサ22Rの出力を取得する(S11)。
【0036】
そして各立体視眼鏡20において左目側輝度と右目側輝度の値が同じになる開閉時間を算出する(S12)。つまり左シャッタ23Lと右シャッタ23Rとが開いた状態で、左輝度センサ22Lと右輝度センサ22Rの各々の出力を取得し、その各々の出力の積分値がそれぞれ規定の値になったらシャッタを閉じる。そして左輝度センサ22Lの出力の積分値が規定の値になるのに要した時間すなわちシャッタが開いてから閉じるまでに要した時間(本実施形態においては、この時間を開閉時間という)と、右輝度センサ22Rの出力の積分値が規定の値になるのに要した時間すなわちシャッタが開いてから閉じるまでに要した時間(本実施形態においては、この時間を開閉時間という)を算出する。このとき積分値の規定の値は、キャリブレーション部33により算出される開閉時間が、モニタ10に表示される左目用視差画像と左目用視差画像が切り替わる時間に近い値になるように予め設定されるものとする。
【0037】
そしてステップS12にて算出した立体視眼鏡20毎の左シャッタ23Lの開閉時間と右シャッタ23Rの開閉時間を記憶部34へ記憶してキャリブレーション処理を終了する(S13)。
【0038】
上記キャリブレーション処理を行うと(S1)、次に図3に戻り、表示信号生成部32は、視差画像記憶部31に記憶されている左目用視差画像と右目用視差画像を読み出して、左目用視差画像信号と右目用視差画像信号に基づいて立体画像の表示制御信号を生成し、その表示制御信号をモニタ10に出力する(S2)。
【0039】
そしてモニタ10に立体画像が表示されると(S2)、輝度調整部35がシャッタ駆動部36を介して、モニタ10に左目用視差画像が表示されるのと同期して左シャッタ23Lを開くと共に右シャッタ23Rを閉じ、ステップS1のキャリブレーション処理により算出した左シャッタ23Lの開閉時間が経過すると左シャッタ23Lを閉じる。なお左シャッタ23Lの開閉時間が経過する前に、モニタ10に右目用視差画像が表示される場合には、右目用視差画像の表示に同期して左シャッタ23Lを閉じると共に右シャッタ23Rを開く。一方、モニタ10に左目用視差画像がまだ表示されていれば、右シャッタ23Rは閉じた状態にしておき、モニタ10に右目用視差画像が表示されると同時に右シャッタ23Rを開く。
【0040】
次に輝度調整部35は、ステップS1のキャリブレーション処理により算出した右シャッタ23Rの開閉時間が経過すると、シャッタ駆動部36を介して、右シャッタ23Rを閉じる。なお右シャッタ23Rの開閉時間が経過する前に、モニタ10に左目用視差画像が表示される場合には、左目用視差画像の表示に同期して右シャッタ23Rを閉じると共に左シャッタ23Lを開く。一方、モニタ10に右目用視差画像がまだ表示されていれば、左シャッタ23Lは閉じた状態にしておき、モニタ10に左目用視差画像が表示されると同時に左シャッタ23Lを開く(S3)。
【0041】
そして制御部30はモニタ10の立体画像の表示がOFFになっているか否かを判別し(S4)、立体画像の表示がOFFになっていない場合(S4;No)にはステップS3へ移行してステップS3の処理を繰り返し行う。一方、立体画像の表示がOFFになっている場合(S5;Yes)には、すべての処理を終了する。以上のようにして本実施形態の立体画像表示装置1による立体画像表示が行われる。
【0042】
以上のように、本実施形態の立体画像表示装置1及び立体画像表示方法によれば、例えば映画館等、照明の位置が固定されているような場所に設置されたモニタ10を立体視眼鏡20を装着した複数の観察者が観察するような場合に、各座席の位置によって照明等の外光や周囲の状況で変化し得る輝度を立体視眼鏡20毎に測定し、この測定結果に基づいて左目側輝度と右目側輝度の値が同じになるように立体視眼鏡20毎に算出された左シャッタ23L及び右シャッタ23Rの開閉時間すなわちシャッタ速度で各々の左右シャッタ23L,23Rを開閉することにより、一人ひとりに最適な輝度調整を行うことができ、各観察者の左右の目にそれぞれ到達する左目用視差画像と右目用視差画像の輝度すなわち各観察者の左目と右目とで明るさを感じる度合いを同じにすることができる。これにより全ての観察者が快適な立体視をすることができる。
【0043】
なお本実施形態では複数の観察者が各々快適な立体視をすることができるように、図3のステップS3にて上述したように輝度調整部35が左右シャッタ23L,23Rのシャッタ速度を制御するようにしたが、例えば観察者が一人である場合には、左右シャッタ23L,23Rの開閉動作に同期させて左目用視差画像と右目用視差画像をモニタ10に表示させるようにしてもよい。
【0044】
次に本発明にかかる第二の実施形態の立体画像表示装置について説明する。なお本実施形態の立体画像表示装置は上述した第一の実施形態の立体画像表示装置1と概略同様の構成であり、同様箇所の説明は省略し、異なる箇所のみ詳細に説明する。本実施形態の立体画像表示装置は、図2において、キャリブレーション部33及び記憶部34を必ずしも必要としない構成である。ここで図5に本実施形態の立体画像表示装置の作用を説明するためのフローチャート、図6に本実施形態の立体画像表示装置の立体視眼鏡20の左右シャッタ23L,23Rの動きを説明するための説明図を示す。
【0045】
本実施形態の立体画像表示装置は、モニタ10を観察する一人以上の観察者が、各々立体視眼鏡20を装着し、各々がモニタを観察する位置に位置した後、図5に示すように、まず表示信号生成部32が、視差画像記憶部31に記憶されている左目用視差画像と右目用視差画像を読み出して、左目用視差画像信号と右目用視差画像信号に基づいて立体画像の表示制御信号を生成し、その表示制御信号をモニタ10に出力する(S21)。
【0046】
そしてモニタ10に立体画像が表示されると(S21)、左輝度センサ22Lは左目側輝度を、右輝度センサ22Rは右目側輝度をそれぞれ測定して測定結果を輝度調整部35へ出力する(S22)。輝度調整部35は、左輝度センサ22L及び右輝度センサ22Rからそれぞれ輝度測定結果が入力されて、この測定結果に基づいて、左目側輝度と右目側輝度との値が同じになるようにシャッタ駆動部36を介して左シャッタ23Lと右シャッタ23Rのシャッタ速度を制御して左右の輝度を調整する(S23)。
【0047】
具体的には、図6に示すように、輝度調整部35がシャッタ駆動部36を介して、モニタ10に左目用視差画像が表示されるのと同期して左シャッタ23Lを開くと共に右シャッタ23Rを閉じる。そして輝度調整部35は左輝度センサ22Lの出力の積分値が規定の値Kになると、シャッタ駆動部36を介して、左シャッタ23Lを閉じる。なお図6に示すように左目用視差画像の表示D1がされている時間内に上記積分値が規定の値Kになった場合には、左シャッタ23Lと右シャッタ23Rの両方が閉じている状態が生じることになり、左目用視差画像の表示D1が終了すると共に右シャッタ23Rを開くようにする。
【0048】
逆に、上記積分値が規定の値Kになる前に左目用視差画像の表示D2が終了する場合には、この表示D2の終了と共に左シャッタ23Lを閉じ、同時に右シャッタ23Rを開くようにする。
【0049】
ここで規定の値Kは、立体画像表示装置がキャリブレーション部33及び記憶部34を備えている場合には、キャリブレーション部33により予め左目用視差画像と左目用視差画像が切り替わる時間内に積分されるセンサ出力の値を算出しておいて設定し記憶させておくことができる。なおモニタ10の観察者等が予め任意の値を入力して設定してもよい。
【0050】
同様にして輝度調整部35は、モニタ10に右目用視差画像が表示D1されるのと同期して右シャッタ23Rを開き、右輝度センサ22Rの出力の積分値が規定の値Kになると、シャッタ駆動部36を介して、右シャッタ23Rを閉じるようにする。
【0051】
以上のようにして輝度調整部35は、予め定められた左目用視差画像と右目用視差画像とをそれぞれ表示させる一定の時間において、左輝度センサ22Lと右輝度センサ22Rの各々の出力の積分値が同じ値になるように左右のシャッタ23L,23R速度を制御することにより、各観察者の左右の目にそれぞれ到達する左目用視差画像と右目用視差画像の輝度すなわち各観察者の左目と右目とで明るさを感じる度合いを同じにする。
【0052】
そして制御部30はモニタ10の立体画像の表示がOFFになっているか否かを判別し(S4)、立体画像の表示がOFFになっていない場合(S4;No)にはステップS3へ移行してステップS3の処理を繰り返し行う。一方、立体画像の表示がOFFになっている場合(S4;Yes)には、すべての処理を終了する。以上のようにして本実施形態の立体画像表示装置による立体画像表示が行われる。
【0053】
以上のように、本実施形態の立体画像表示装置及び立体画像表示方法によれば、モニタ10を立体視眼鏡20を装着した複数の観察者が観察するような場合に、各観察者の位置によって照明等の外光や周囲の状況で変化し得る輝度を立体視眼鏡20毎に測定し、この測定結果に基づいて左目側輝度と右目側輝度の値が同じになるように立体視眼鏡20毎に各々の左右シャッタ23L,23Rを開閉することにより、一人ひとりに最適な輝度調整を行うことができ、各観察者の左右の目にそれぞれ到達する左目用視差画像と右目用視差画像の輝度すなわち各観察者の左目と右目とで明るさを感じる度合いを同じにすることができる。これにより全ての観察者が快適な立体視を得ることができる。
【0054】
なお上記第一の実施形態と第二の実施形態の立体画像表示装置においては、モニタ10の表示方式として時分割方式を採用したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば表示信号生成部32により左目用視差画像と右目用視差画像とを同一面に重ねて偏光表示し、偏光フィルタを備えた立体視眼鏡20で 左目用視差画像と右目用視差画像に分離して左目用視差画像の画像光を観察者の左目に、右目用視差画像の画像光を観察者の右目に到達させる公知の偏光フィルタ方式を表示方式として採用してもよい。この場合、立体視眼鏡20は上述した実施形態と同様、左右シャッタ23L,23Rを備えるものとし、輝度調整部35は、モニタ10の表示に関係なく、左輝度センサ22Lと右輝度センサ22Rの測定結果に基づいて左目側輝度と右目側輝度の値が同じになるように左右シャッタ23L,23Rのシャッタ速度を制御することができる。
【0055】
次に本発明にかかる第三の実施形態の立体画像表示装置について説明する。なお本実施形態の立体画像表示装置は上述した第一の実施形態の立体画像表示装置1と同様の箇所は同符号で示して説明は省略し、異なる箇所のみ詳細に説明する。図7は本実施形態の立体画像表示装置の立体画像眼鏡20の概略構成図、図8は本実施形態の立体画像表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【0056】
本実施形態の立体画像表示装置は、左右シャッタ23L,23R及びシャッタ駆動部36を備えずに、左ビームスプリッタ24L、右ビームスプリッタ24R及びビームスプリッタ駆動部37を備えている点、及びモニタ10の表示方式を偏光フィルタ方式とした点、立体視眼鏡20が偏光フィルタを備えている点が上述した第一の実施形態の立体画像表示装置1と異なっている。
【0057】
左ビームスプリッタ24L及び右ビームスプリッタ24Rは、図7に示すように、偏光フィルタが貼られた立体視眼鏡20の左レンズ21L及び右レンズ21Rの、左右テンプル20aL,20aRが位置しない側に配設されるものであり、その上端部はフレーム20aに対して一点が軸支され回転可能に構成されており、この回転位置を制御することにより左レンズ21L及び右レンズ21Rを透過する画像光の透過光量を可変にすることができる。本実施形態においては、左ビームスプリッタ24L及び右ビームスプリッタ24Rの回転位置は、画像光の入射角度を10°〜40°の間で変更できるように構成されており、左ビームスプリッタ24L及び右ビームスプリッタ24Rは、画像光の入射角度を10°〜40°の間で変更したときに透過率が100%〜0%で非線形に変化する可変式ビームスプリッタを使用するものとする。なお左ビームスプリッタ24L及び右ビームスプリッタ24Rの回転位置と透過率との関係は予め記憶部34に記憶しておく。
【0058】
ビームスプリッタ駆動部37は、輝度調整部35からの出力に基づいて左ビームスプリッタ24L及び右ビームスプリッタ24Rの上記回転を制御するものである。
【0059】
ここで本実施形態において輝度調整機構は、この左ビームスプリッタ24L、右ビームスプリッタ24R、ビームスプリッタ駆動部37、輝度調整部35を合わせて輝度調整機構という。なおこの輝度調整機構による動作については後で詳細に説明する。
【0060】
まず立体画像表示装置は、図9に示すように、キャリブレーション部33が輝度調整機構のキャリブレーション処理を行う(S31)。
【0061】
キャリブレーション部33によるキャリブレーション処理は、図10に示す如く、まず基準画像として白の画像を、表示信号生成部32を介してモニタ10に表示させる(S41)。次にモニタ10を観察する一人以上の観察者が、各々立体視眼鏡20を装着し、各々がモニタを観察する位置に位置した状態で、各々の左輝度センサ22Lと右輝度センサ22Rの出力を取得する(S42)。
【0062】
そして各立体視眼鏡20において左目側輝度と右目側輝度の値が同じになるようにビームスプリッタ駆動部37を介して左ビームスプリッタ24L及び右ビームスプリッタ24Rの回転位置を制御する(S43)。つまり予め定められた時間中に、左輝度センサ22Lと右輝度センサ22Rの各々の出力を取得し、左輝度センサ22Lと右輝度センサ22Rの出力の積分値がそれぞれ同じ値になる回転位置を検出し、この回転位置における制御パラメータを算出する。
【0063】
そしてステップS12にて算出した立体視眼鏡20毎の左ビームスプリッタ24Lの回転位置と右ビームスプリッタ24Rの回転位置における制御パラメータを記憶部34へ記憶してキャリブレーション処理を終了する(S44)。
【0064】
上記キャリブレーション処理を行うと(S31)、次に図9に戻り、表示信号生成部32は、視差画像記憶部31に記憶されている左目用視差画像と右目用視差画像を読み出して、左目用視差画像信号と右目用視差画像信号に基づいて立体画像の表示制御信号を生成し、その表示制御信号をモニタ10に出力する(S32)。
【0065】
そしてモニタ10に立体画像が表示されると(S32)、左輝度センサ22Lは左目側輝度を、右輝度センサ22Rは右目側輝度をそれぞれ測定して測定結果を輝度調整部35へ出力する(S33)。輝度調整部35は、左輝度センサ22L及び右輝度センサ22Rからそれぞれ輝度測定結果が入力されて、この測定結果に基づいて、左目側輝度と右目側輝度との値が同じになるようにビームスプリッタ駆動部37を介して左ビームスプリッタ24Lと右ビームスプリッタ24Rの回転位置を制御して左右の輝度を調整する(S34)。
【0066】
具体的には、上述したキャリブレーション処理にて検出した回転位置における制御パラメータを記憶部34から読み出して、左ビームスプリッタ24Lと右ビームスプリッタ24Rを検出した回転位置に位置させる。そして輝度調整部35は予め設定した所定の時間よりも前に左輝度センサ22Lの出力の積分値が規定の値Kになると、ビームスプリッタ駆動部37を介して、左ビームスプリッタ24Lを透過光量が減少する方向へ回転させる。同様にして輝度調整部35は予め設定した所定の時間よりも前に右輝度センサ22Rの出力の積分値が規定の値Kになると、ビームスプリッタ駆動部37を介して、右ビームスプリッタ24Rを透過光量が減少する方向へ回転させる。
【0067】
ここで規定の値Kは、キャリブレーション部33により予め設定した所定の時間内に積分されるセンサ出力の値を算出しておいて設定し記憶させておくことができる。
【0068】
また輝度調整部35は、予め設定した所定の時間になったときに左輝度センサ22Lの出力の積分値が規定の値Kになっていない場合には、ビームスプリッタ駆動部37を介して、左ビームスプリッタ24Lを透過光量が増加する方向へ回転させる。同様にして輝度調整部35は予め設定した所定の時間になったときに右輝度センサ22Rの出力の積分値が規定の値Kになっていない場合には、ビームスプリッタ駆動部37を介して、右ビームスプリッタ24Rを透過光量が増加する方向へ回転させる。
【0069】
以上のようにして輝度調整部35は、予め定められた一定の時間において、左輝度センサ22Lと右輝度センサ22Rの各々の出力の積分値が同じ値になるように左右のビームスプリッタ24L,24Rの回転位置を制御することにより、各観察者の左右の目にそれぞれ到達する左目用視差画像と右目用視差画像の輝度すなわち各観察者の左目と右目とで明るさを感じる度合いを同じにする。
【0070】
そして制御部30はモニタ10の立体画像の表示がOFFになっているか否かを判別し(S35)、立体画像の表示がOFFになっていない場合(S35;No)にはステップS33へ移行してステップS33の処理を繰り返し行う。一方、立体画像の表示がOFFになっている場合(S35;Yes)には、すべての処理を終了する。以上のようにして本実施形態の立体画像表示装置による立体画像表示が行われる。
【0071】
以上のように、本実施形態の立体画像表示装置及び立体画像表示方法によれば、モニタ10を立体視眼鏡20を装着した複数の観察者が観察するような場合に、各観察者の位置によって照明等の外光や周囲の状況で変化し得る輝度を立体視眼鏡20毎に測定し、この測定結果に基づいて左目側輝度と右目側輝度の値が同じになるように立体視眼鏡20毎に左右のビームスプリッタ24L,24Rの回転位置を制御することにより、一人ひとりに最適な輝度調整を行うことができ、各観察者の左右の目にそれぞれ到達する左目用視差画像と右目用視差画像の輝度すなわち各観察者の左目と右目とで明るさを感じる度合いを同じにすることができる。これにより全ての観察者が快適な立体視をすることができる。
【0072】
なお本実施形態では、輝度調整部35が、モニタ10に立体画像が表示されている間ずっと左輝度センサ22L及び右輝度センサ22Rからの測定結果に基づいて、左目側輝度と右目側輝度との値が同じになるようにビームスプリッタ駆動部37を介して左ビームスプリッタ24Lと右ビームスプリッタ24Rの回転位置を制御して左右の輝度を調整するものとしたが、輝度調整部35がキャリブレーション処理にて検出された回転位置に左ビームスプリッタ24Lと右ビームスプリッタ24Rを固定することにより左右の輝度を調整するようにしてもよい。
【0073】
これにより例えば映画館等、照明の位置が固定されているような場所に設置されたモニタ10を立体視眼鏡20を装着した複数の観察者が観察するような場合に、各座席の位置によって照明等の外光や周囲の状況で変化し得る輝度を立体視眼鏡20毎に測定し、この測定結果に基づいて左目側輝度と右目側輝度の値が同じになるように立体視眼鏡20毎に検出された回転位置に左ビームスプリッタ24Lと右ビームスプリッタ24Rを固定することにより、一人ひとりに最適な輝度調整を行うことができ、各観察者の左右の目にそれぞれ到達する左目用視差画像と右目用視差画像の輝度すなわち各観察者の左目と右目とで明るさを感じる度合いを同じにすることができる。これにより全ての観察者が快適な立体視をすることができる。
なお本発明は、上述した実施形態の内容に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 立体画像表示装置
10 モニタ(画像表示手段)
20 立体視眼鏡
21L 左レンズ
21R 右レンズ
22L,22R 左右輝度センサ(輝度測定手段)
23L,23R 左右シャッタ(シャッタ)
30 制御部
33 キャリブレーション部(キャリブレーション手段)
35 輝度調整部
36 シャッタ駆動部
24L,24R ビームスプリッタ(透過光量変更手段)
37 ビームスプリッタ駆動部
23L,23R,35,36を合わせて輝度調整機構(第一、第二の実施形態)
24L,24R,35,37を合わせて輝度調整機構(第三の実施形態)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左目用視差画像と右目用視差画像とからなる立体視可能な立体画像を表示する画像表示手段と、
左レンズと右レンズとを有し、前記左目用視差画像の画像光を前記左レンズを透過させて観察者の左目に、前記右目用視差画像の画像光を前記右レンズを透過させて観察者の右目にそれぞれ分離して入射させて前記立体画像を立体視させる立体視眼鏡とを備えてなる立体画像表示装置において、
前記画像光が前記左レンズを透過した後の左目側輝度と前記右レンズを透過した後の右目側輝度をそれぞれ測定する輝度測定手段と、
該輝度測定手段による輝度の測定結果に基づいて、前記左目側輝度と前記右目側輝度の値が同じになるように前記立体視眼鏡を制御する輝度調整機構とを備えていることを特徴とする立体画像表示装置。
【請求項2】
前記立体視眼鏡が、前記画像光を透過及び遮断するシャッタを前記左レンズと前記右レンズにそれぞれ備えるものであり、
前記輝度調整機構は、前記左レンズと前記右レンズに備えられた前記シャッタの各々のシャッタ速度を制御することにより前記左目側輝度と前記右目側輝度の値を同じにするものであることを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示装置。
【請求項3】
前記立体視眼鏡が、前記左レンズと前記右レンズにそれぞれ配設され、該左レンズと該右レンズを透過する前記画像光の透過光量をそれぞれ変更可能な左右の透過光量変更手段を備えるものであり、
前記輝度調整機構は、前記左右の透過光量変更手段を制御することにより前記左目側輝度と前記右目側輝度の値を同じにするものであることを特徴とする請求項1に記載の立体画像表示装置。
【請求項4】
前記輝度調整機構をキャリブレーションするキャリブレーション手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の立体画像表示装置。
【請求項5】
左目用視差画像と右目用視差画像とからなる立体視可能な立体画像を表示する画像表示手段と、
左レンズと右レンズとを有し、前記左目用視差画像の画像光を前記左レンズを透過させて観察者の左目に、前記右目用視差画像の画像光を前記右レンズを透過させて観察者の右目にそれぞれ分離して入射させて前記立体画像を立体視させる立体視眼鏡とを備えてなる立体画像表示装置における立体画像表示方法において、
前記画像表示手段に前記立体画像を表示し、
該表示された立体画像の画像光が前記左レンズを透過した後の左目側輝度と前記右レンズを透過した後の右目側輝度をそれぞれ測定し、
該輝度の測定結果に基づいて、前記左目側輝度と前記右目側輝度の値が同じになるように前記立体視眼鏡を制御することを特徴とする立体画像表示方法。
【請求項6】
前記立体視眼鏡が、前記画像光を透過及び遮断するシャッタを前記左レンズと前記右レンズにそれぞれ備えるものであり、
前記左レンズと前記右レンズに備えられた前記シャッタの各々のシャッタ速度を制御することにより前記左目側輝度と前記右目側輝度の値を同じにすることを特徴とする請求項5に記載の立体画像表示方法。
【請求項7】
前記左レンズと前記右レンズをそれぞれ透過する前記画像光の透過光量を制御することにより前記左目側輝度と前記右目側輝度の値を同じにすることを特徴とする請求項5に記載の立体画像表示方法。
【請求項8】
前記画像表示手段に前記立体画像を表示する前に、
前記画像表示手段に基準画像を表示し、
該表示された基準画像の画像光が前記左レンズを透過した後の左目側輝度と前記右レンズを透過した後の右目側輝度をそれぞれ測定し、
該輝度の測定結果に基づいて、前記左目側輝度と前記右目側輝度の値が同じになるように前記立体視眼鏡を調整することを特徴とする請求項5〜7いずれか1項に記載の立体画像表示方法。
【請求項9】
左目用視差画像と右目用視差画像とからなる立体視可能な立体画像を表示する画像表示手段と、
左レンズと右レンズとを有し、前記左目用視差画像の画像光を前記左レンズを透過させて観察者の左目に、前記右目用視差画像の画像光を前記右レンズを透過させて観察者の右目にそれぞれ分離して入射させて前記立体画像を立体視させる立体視眼鏡とを備えてなる立体画像表示装置における立体画像表示方法において、
前記画像表示手段に前記立体画像を表示する前に、
前記画像表示手段に基準画像を表示し、
該表示された基準画像の画像光が前記左レンズを透過した後の左目側輝度と前記右レンズを透過した後の右目側輝度をそれぞれ測定し、
該輝度の測定結果に基づいて、前記左目側輝度と前記右目側輝度の値が同じになるように前記立体視眼鏡を調整することを特徴とする立体画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−53152(P2012−53152A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193878(P2010−193878)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】