説明

立体視画像表示装置

【課題】 右目用画像表示部と左目用画像表示部とを備えた本体部が回転可能に保持された立体視画像表示装置において、重量の重い本体部について、2つの表示部の隣接方向を上下方向にさせた状態と左右方向にさせた状態のいずれの状態でも安定的に保持できるようにする。
【解決手段】 右目用画像を表示する右目用画像表示部40、左目用画像を表示する左目用画像表示部41、および右目用画像と左目用画像とを立体視画像として見えるように光学的に合成するハーフミラー42がヒンジ43により回転自在に連結された本体部と、本体部を保持するスタンド44とから構成されるモニタ9において、回転軸の回転中心Rを本体部の中心となる位置に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、右目用画像および左目用画像の2枚の画像を用いて立体視画像を表示する立体視画像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、右目用画像および左目用画像の2枚の画像を組み合わせて表示することにより、視差を利用して立体視できることが知られている。このような立体視できる画像(以下、立体視画像またはステレオ画像という)は、同一の被写体を異なる位置から撮影して取得された互いに視差のある複数の画像に基づいて生成される。
【0003】
そして、このような立体視画像の生成は、デジタルカメラやテレビなどの分野だけでなく、放射線画像撮影の分野においても利用されている。すなわち、被験者に対して互いに異なる方向から放射線を照射し、その被験者を透過した放射線を放射線画像検出器によりそれぞれ検出して互いに視差のある複数の放射線画像を取得し、これらの放射線画像に基づいて立体視画像を生成することが行われている。そして、このように立体視画像を生成することによって奥行感のある放射線画像を観察することができ、より診断に適した放射線画像を観察することができる。(例えば特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−110571号公報
【特許文献2】特表2008−521064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような立体視画像を表示するための立体視画像表示装置として、互いに隣接した2つの表示画面とハーフミラーを備え、各表示画面に右目用画像と左目用画像とを各々表示し、ハーフミラーで右目用画像と左目用画像とを立体視画像として見えるように光学的に合成する方式のモニターが提案されている。(例えば特許文献2参照)
このような互いに隣接する2つの表示画面を備えた表示装置では、立体視画像表示の際に、装置の設置位置やユーザーの観察位置の都合により、2つの表示画面の隣接方向を上下方向または左右方向に変更させたい場合があり得る。
【0006】
また、立体視画像表示と通常画像表示とを選択的に表示させる場合、ユーザーによっては、通常画像表示においては視線の高さを変えずに各表示画面を観察できるため、2つの表示画面を左右方向に隣接させた方が好ましかったり、逆に2つの表示画面を上下方向に隣接させた方が好ましい場合もあり得る。
【0007】
このように、2つの表示画面の隣接方向については上下方向または左右方向に変更可能であることが好ましいため、2つの表示画面からなる本体部を回転可能に支持して、2つの表示画面の隣接方向を自由に変更できるようにすることが考えられるが、重量の重い本体部について、2つの表示画面の隣接方向を上下方向にさせた状態と左右方向にさせた状態のいずれの状態でも安定的に保持する必要がある。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑み、右目用画像および左目用画像の2枚の画像を用いて立体視画像を表示する立体視画像表示装置において、上記要望に応えたものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の立体視画像表示装置は、右目用画像および左目用画像の2枚の画像を用いて立体視画像を表示する立体視画像表示装置であって、右目用画像を表示する右目用画像表示手段および左目用画像を表示する左目用画像表示手段が互いに隣接するよう接合されてなる本体部と、本体部に取り付けられ、右目用画像と左目用画像とを立体視画像として見えるように光学的に合成する光学系と、回転軸を介して本体部を回転可能に保持する保持部とを備え、回転軸が本体部の中心に設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
なお、回転軸の回転方向は、右目用画像表示手段と左目用画像表示手段との隣接方向を上下方向から左右方向に変化させることができる方向である。
【0011】
本発明の立体視画像表示装置において、右目用画像表示手段および/または左目用画像表示手段は、通常画像も表示するものとすることが好ましい。
【0012】
この場合は、右目用画像表示手段および左目用画像表示手段に表示する画像が立体視画像であるか通常画像であるかを判断する画像判断手段と、画像判断手段による判断に基づいて、右目用画像表示手段および左目用画像表示手段の隣接方向が上下方向となる状態もしくは左右方向となる状態に、本体部を自動的に回転移動させる移動手段とを備えたものとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の立体視画像表示装置によれば、右目用画像および左目用画像の2枚の画像を用いて立体視画像を表示する立体視画像表示装置において、右目用画像を表示する右目用画像表示手段および左目用画像を表示する左目用画像表示手段が互いに隣接するよう接合されてなる本体部と、本体部に取り付けられ、右目用画像と左目用画像とを立体視画像として見えるように光学的に合成する光学系と、回転軸を介して本体部を回転可能に保持する保持部とから構成し、回転軸を本体部の中心に設けるようにしたことにより、2つの画像表示手段の隣接方向を上下方向にさせた状態と左右方向にさせた状態のいずれの状態でも、本体部の中心位置が保持位置となるので、本体部を安定的に保持することができる。
【0014】
また、右目用画像表示手段および/または左目用画像表示手段は、通常画像も表示するものとすれば、立体視画像表示と通常画像表示とを兼用できるようになる。
【0015】
この場合は、右目用画像表示手段および左目用画像表示手段に表示する画像が立体視画像であるか通常画像であるかを判断する画像判断手段と、画像判断手段による判断に基づいて、右目用画像表示手段および左目用画像表示手段の隣接方向が上下方向となる状態もしくは左右方向となる状態に、本体部を自動的に回転移動させる移動手段とを備えたものとすれば、表示する画像に応じて本体部をユーザーが見易い方向に自動的に回転移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態の立体視画像表示装置を用いた乳房用立体視画像撮影表示システムの概略構成図
【図2】図1に示す乳房用立体視画像撮影表示システムのアーム部を図1の右方向から見た図
【図3】図1に示す乳房用立体視画像撮影表示システムのコンピュータ内部の概略構成を示すブロック図
【図4】上記立体視画像表示装置の立体視画像表示時の状態を示す斜視図
【図5】上記立体視画像表示装置の通常画像表示時の状態を示す斜視図
【図6】上記立体視画像表示装置の通常画像表示時の状態を示す背面図
【図7】上記立体視画像表示装置の通常画像表示時の状態を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態の立体視画像表示装置を用いた乳房用立体視画像撮影表示システムについて説明する。まず、本実施の形態の乳房用立体視画像撮影表示システム全体の概略構成について説明する。図1は本実施の形態の立体視画像表示装置を用いた乳房用立体視画像撮影表示システムの概略構成図、図2は図1に示す乳房用立体視画像撮影表示システムのアーム部を図1の右方向から見た図、図3は図1に示す乳房用立体視画像撮影表示システムのコンピュータ内部の概略構成を示すブロック図である。
【0018】
本実施形態の乳房用立体視画像撮影表示システム1は、図1に示すように、乳房画像撮影装置10と、乳房画像撮影装置10に接続されたコンピュータ8と、コンピュータ8に接続されたモニタ9(立体視画像表示装置)および入力部7とを備えている。
【0019】
そして、乳房画像撮影装置10は、図1に示すように、基台11と、基台11に対し上下方向(Z方向)に移動可能であり、かつ回転可能な回転軸12と、回転軸12により基台11と連結されたアーム部13を備えている。なお、図2には、図1の右方向から見たアーム部13を示している。
【0020】
アーム部13はアルファベットのCの形をしており、その一端には撮影台14が、その他端には撮影台14と対向するように放射線照射部16が取り付けられている。アーム部13の回転および上下方向の移動は、基台11に組み込まれたアームコントローラ31により制御される。
【0021】
撮影台14の内部には、フラットパネルディテクタ等の放射線画像検出器15と、放射線画像検出器15からの電荷信号の読み出しを制御する検出器コントローラ33が備えられている。また、撮影台14の内部には、放射線画像検出器15から読み出された電荷信号を電圧信号に変換するチャージアンプや、チャージアンプから出力された電圧信号をサンプリングする相関2重サンプリング回路や、電圧信号をデジタル信号に変換するAD変換部などが設けられた回路基板なども設置されている。
【0022】
また、撮影台14はアーム部13に対し回転可能に構成されており、基台11に対してアーム部13が回転したときでも、撮影台14の向きは基台11に対し固定された向きとすることができる。
【0023】
放射線画像検出器15は、放射線画像の記録と読出しを繰り返して行うことができるものであり、放射線の照射を直接受けて電荷を発生する、いわゆる直接型の放射線画像検出器を用いてもよいし、放射線を一旦可視光に変換し、その可視光を電荷信号に変換する、いわゆる間接型の放射線画像検出器を用いるようにしてもよい。また、放射線画像信号の読出方式としては、TFT(thin film transistor)スイッチをオン・オフされることによって放射線画像信号が読みだされる、いわゆるTFT読出方式のものや、読取光を照射することによって放射線画像信号が読み出される、いわゆる光読出方式のものを用いることが望ましいが、これに限らずその他のものを用いるようにしてもよい。
【0024】
放射線照射部16の中には放射線源17と、放射線源コントローラ32が収納されている。放射線源コントローラ32は、放射線源17から放射線を照射するタイミングと、放射線源17における放射線発生条件(管電流、管電圧、時間等)を制御するものである。
【0025】
また、アーム部13の中央部には、撮影台14の上方に配置されて乳房Mを押さえつけて圧迫する圧迫板18と、その圧迫板18を支持する支持部20と、支持部20を上下方向(Z方向)に移動させる移動機構19が設けられている。圧迫板18の位置、圧迫圧は、圧迫板コントローラ34により制御される。
【0026】
コンピュータ8は、中央処理装置(CPU)および半導体メモリやハードディスクやSSD等のストレージデバイスなどを備えており、これらのハードウェアによって、図3に示すような制御部8a、データ記憶部8bおよび画像処理部8cが構成されている。
【0027】
制御部8aは、各種のコントローラ31〜34に対して所定の制御信号を出力し、システム全体の制御を行うものである。具体的な制御方法については後で詳述する。データ記憶部8bは、放射線画像検出器15によって取得された撮影角度毎の放射線画像データ等を記憶するものである。画像処理部8cは種々の画像処理を施すためのものである。
【0028】
入力部7は、例えば、キーボードやマウスなどのポインティングデバイスから構成されたものであり、立体カーソルの移動操作や、撮影条件や操作指示等の入力を受け付けるためのものである。
【0029】
次に、モニタ9について詳細に説明する。図4は上記立体視画像表示装置の立体視画像表示時の状態を示す斜視図、図5は上記立体視画像表示装置の通常画像表示時の状態を示す斜視図、図6は上記立体視画像表示装置の通常画像表示時の状態を示す背面図、図7は上記立体視画像表示装置の通常画像表示時の状態を示す側面図である。
【0030】
モニタ9は、右目用画像と左目用画像の2枚の画像を用いた立体視画像および通常画像の両方を表示可能なものであって、図4に示すように、右目用画像を表示する右目用画像表示部40、左目用画像を表示する左目用画像表示部41、および右目用画像と左目用画像とを立体視画像として見えるように光学的に合成するハーフミラー42がヒンジ43により回転自在に連結された本体部と、本体部を保持するスタンド44とから構成されている。
【0031】
右目用画像表示部40と左目用画像表示部41における表示光は互いに直交する偏光となるように構成されている。ユーザーは、右目用画像を観察する右目用偏光レンズと左目用画像を観察する左目用偏光レンズを有する偏光メガネを装着し、左目用画像および右目用画像を左右の目でそれぞれ観察することで立体視画像を観察することができる。
【0032】
また、図6、7に示すように、左目用画像表示部41の背面には、スタンド44と不図示の回転軸を介して回転自在に接続される接続部41bが設けられている。この接続部41bは、回転軸の回転中心Rが本体部の中心となる位置に設けられている。なお、本体部の中心となる位置とは、右目用画像表示部40と左目用画像表示部41を略同一平面状に配置した際の幾何学的な重心位置を意味する。
【0033】
このような態様とすることにより、2つの画像表示部の隣接方向を上下方向にさせた状態と左右方向にさせた状態のいずれの状態でも、本体部の中心位置が保持位置となるので、本体部を安定的に保持することができる。
【0034】
このモニタ9において、立体視画像を表示する際は、図4に示すように、2つの画像表示部の隣接方向βが上下方向となるように図6の矢印C方向に本体部を回転させる。そして、右目用画像表示部40の表示面40aと左目用画像表示部41の表示面41aとのなす角度αが180°未満となるように右目用画像表示部40を図4の矢印A方向に回転移動させるとともに、ハーフミラー42を右目用画像表示部40の表示面40aと左目用画像表示部41の表示面41aとの中間に位置するように移動させる。
【0035】
なお、立体視画像表示時の右目用画像表示部40の表示面40aと左目用画像表示部41の表示面41aとのなす角度αは、180°未満であれば特に制限はないが、90°から120°程度とするのが好ましく、110°とするのが最も好ましい。
【0036】
また、ハーフミラー42は、図4の矢印B方向に回転可能であり、右目用画像と左目用画像からなる立体視画像の見え方の調整が可能である。
【0037】
また、本体部、右目用画像表示部40およびハーフミラー42の移動は、ユーザーにより手動で行なわせてもよいし、立体視画像表示の指示入力を受け付けるスイッチ等の入力部を設け、この入力部からの指示に基づいて自動的に移動させるようにしてもよいし、モニタ9に入力される放射線画像信号もしくは放射線画像信号の付帯情報等に基づいて立体視画像用の信号が入力されたことを検知した際に、自動的に移動させるようにしてもよい。
【0038】
モニタ9に表示される立体視画像の観察は、図4に示すように、右目用画像表示部40の表示面40aに表示された右目用画像がハーフミラー42で反射し、左目用画像表示部41の表示面41aに表示された左目用画像がハーフミラー42を透過し、その結果、右目用画像と左目用画像とが光学的に合成され立体視画像として観察できるようになる。
【0039】
なお、右目用画像表示部40および左目用画像表示部41の上下の位置関係に制限はなく、どちらが上であっても立体視画像を観察させることができる。
【0040】
このモニタ9において、通常画像を表示する際は、図5に示すように、2つの画像表示部の隣接方向βが左右方向となるように図6の矢印C方向に本体部を回転させる。なお、このときの右目用画像表示部40の表示面40aと左目用画像表示部41の表示面41aとのなす角度には特に制限はない。またハーフミラー42は、右目用画像表示部40の表示面40aと左目用画像表示部41の表示面41aとの中間に位置させればよいが、本体部から取外し可能に構成し、通常画像時にハーフミラー42を取り外すようにすれば、通常画像表示の妨げにならないようにすることができる。
【0041】
ここで、通常画像とは二次元画像であり、立体視画像表示時に表示していた右目用画像および左目用画像を立体視画像としてではなく個別に二次元画像として観察させてもよいし、右目用画像および左目用画像以外の二次元画像を表示させてもよい。
【0042】
また、本体部、右目用画像表示部40およびハーフミラー42の移動は、ユーザーにより手動で行なわせてもよいし、通常画像表示の指示入力を受け付けるスイッチ等の入力部を設け、この入力部からの指示に基づいて自動的に移動させるようにしてもよいし、モニタ9に入力される放射線画像信号もしくは放射線画像信号の付帯情報等に基づいて通常画像用の信号が入力されたことを検知した際に、自動的に移動させるようにしてもよい。
【0043】
次に、本実施形態の乳房用立体視画像撮影表示システムの作用について説明する。
【0044】
まず、撮影の際の動作について説明する。
【0045】
最初に撮影台14の上に乳房Mが設置され、圧迫板18により乳房Mが所定の圧力によって圧迫される。
【0046】
次に、入力部7おいて、2つの異なる撮影方向がなす角度(以下、輻輳角θという)および輻輳角θを構成する撮影角度θ'の組み合わせを含む種々の撮影条件が入力された後、撮影開始の指示が入力される。
【0047】
そして、入力部7において撮影開始の指示があると、乳房Mの立体視画像の撮影が行われる。具体的には、まず、制御部8aが、輻輳角θと輻輳角θを構成する撮影角度θ'の情報をアームコントローラ31に出力する。なお、本実施形態においては、このときの輻輳角θの情報としてθ=4°、輻輳角θを構成する撮影角度θ’の組み合わせとしてθ’=±2°の組み合わせが設定されているものとするが、これに限られるものではなく、撮影者は入力部7において任意の輻輳角θを設定可能である。
【0048】
アームコントローラ31において、制御部8aから出力された撮影角度θ’の情報が受け付けられ、アームコントローラ31は、この撮影角度θ’の情報に基づいて、まず右目用の放射線画像を撮影するためにアーム部13を検出面15aに垂直な方向に対して+2°傾く撮影角度θ'となる制御信号を出力する。
【0049】
アームコントローラ31から出力された制御信号に応じてアーム部13が+2°の位置まで回転する。続いて制御部8aは、放射線源コントローラ32および検出器コントローラ33に対して放射線の照射と放射線画像信号の読出しを行うよう制御信号を出力する。この制御信号に応じて、放射線源17から放射線が照射され、乳房Mを撮影角度θ'が+2°の方向から撮影した放射線画像が放射線検出器15によって検出され、検出器コントローラ33によって放射線画像信号が読み出され、コンピュータ8のデータ記憶部8bに記憶される。
【0050】
続いて、まず左目用の放射線画像を撮影するためにアーム部13を検出面15aに垂直な方向に対して−2°傾く撮影角度θ'となる制御信号を出力する。
【0051】
アームコントローラ31から出力された制御信号に応じてアーム部13が−2°の位置まで回転する。続いて制御部8aは、放射線源コントローラ32および検出器コントローラ33に対して放射線の照射と放射線画像信号の読出しを行うよう制御信号を出力する。この制御信号に応じて、放射線源17から放射線が照射され、乳房Mを撮影角度θ'が−2°の方向から撮影した放射線画像が放射線検出器15によって検出され、検出器コントローラ33によって放射線画像信号が読み出され、コンピュータ8のデータ記憶部8bに記憶される。
【0052】
次に、立体視画像表示の際の動作について説明する。
【0053】
まず、コンピュータ8のデータ記憶部8bに記憶された右目用放射線画像および左目用放射線画像の2つの放射線画像信号がデータ記憶部8bから読み出された後、モニタ9の右目用画像表示部40の表示面40aおよび左目用画像表示部41の表示面41aに各画像が表示される。
【0054】
この状態で、図4に示すように、2つの画像表示部の隣接方向βが上下方向となるように本体部を回転させた後、右目用画像表示部40の表示面40aと左目用画像表示部41の表示面41aとのなす角度αが180°未満となるように右目用画像表示部40を移動させるとともに、ハーフミラー42を右目用画像表示部40の表示面40aと左目用画像表示部41の表示面41aとの中間に位置するように移動させれば、立体視画像を観察させることができる。
【0055】
また、通常画像表示時は、図5に示すように、2つの画像表示部の隣接方向βが左右方向となるように本体部を回転させれば、左右の画像を同じ高さで表示させることができる。なお、通常画像の表示については、立体視画像表示時に表示していた右目用画像および左目用画像を立体視画像としてではなく個別に二次元画像として観察させてもよいし、右目用画像および左目用画像以外の二次元画像を表示させてもよい。
【0056】
なお、上記実施の形態においては、立体視画像表示時は2つの画像表示部の隣接方向βを上下方向とし、通常画像表示時は2つの画像表示部の隣接方向βを左右方向としているが、このような態様に限定されるものではなく、立体視画像表示時および通常画像表示時ともに、ユーザーの好みの状態で使用させることができる。
【0057】
以上、本発明の立体視画像表示装置の一実施の形態として、乳房用立体視画像撮影表示システムと組み合わせた例を示したが、本発明は乳房用立体視画像撮影表示システムに限定されるものではなく、例えば胸部や頭部等を撮影する放射線画像撮影装置等、どのようなシステムとも組み合わせることができる。
【0058】
また、上記以外にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行なってもよいのは勿論である。
【符号の説明】
【0059】
1 乳房用立体視画像撮影表示システム
7 入力部
8 コンピュータ
8a 制御部
8b データ記憶部
8c 画像処理部
9 モニタ
10 乳房画像撮影装置
11 基台
12 回転軸
13 アーム部
14 撮影台
15 放射線画像検出器
16 放射線照射部
17 放射線源
18 圧迫板
31 アームコントローラ
32 放射線源コントローラ
33 検出器コントローラ
34 圧迫板コントローラ
40 右目用画像表示部
41 左目用画像表示部
42 ハーフミラー
43 ヒンジ
44 スタンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
右目用画像および左目用画像の2枚の画像を用いて立体視画像を表示する立体視画像表示装置であって、
前記右目用画像を表示する右目用画像表示手段および前記左目用画像を表示する左目用画像表示手段が互いに隣接するよう接合されてなる本体部と、
該本体部に取り付けられ、前記右目用画像と前記左目用画像とを立体視画像として見えるように光学的に合成する光学系と、
回転軸を介して前記本体部を回転可能に保持する保持部とを備え、
前記回転軸が前記本体部の中心に設けられていることを特徴とする立体視画像表示装置。
【請求項2】
前記右目用画像表示手段および/または前記左目用画像表示手段が、通常画像も表示するものであることを特徴とする請求項1記載の立体視画像表示装置。
【請求項3】
前記右目用画像表示手段および前記左目用画像表示手段に表示する画像が立体視画像であるか通常画像であるかを判断する画像判断手段と、
該画像判断手段による判断に基づいて、前記右目用画像表示手段および前記左目用画像表示手段の隣接方向が上下方向となる状態もしくは左右方向となる状態に、前記本体部を自動的に回転移動させる移動手段とを備えたことを特徴とする請求項2記載の立体視画像表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−98422(P2012−98422A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244726(P2010−244726)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】