説明

立軸ポンプ及びその運転方法

【課題】立軸ポンプにおいて、ポンプ容量をアップしてもポンプ設置床の床面耐荷重の不足を招くことなく、しかも既設ポンプ機場の吸込水槽内の全体の水を抜くことなく設置できるようにすること。
【解決手段】立軸ポンプ50は、既設ポンプ機場に設置されるものであり、ポンプ設置床10に設けられたポンプ挿通穴11を通して吸込水槽3内に配置される外筒1と、外筒1内に配置されるポンプ本体2とを備える。立軸ポンプ50は、外筒1の下端部1aを吸込水槽3内の水槽底面4に載置し、水槽底面4から吸込み最高水位以上の高さにわたって設け、外筒1の上端部1bをポンプ設置床10に取り付けると共に、ポンプ本体2を外筒1に着脱可能に支持している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立軸ポンプ及びその運転方法に係り、特に、ポンプ機場に設置される立軸ポンプ及びその運転方法に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来の縦軸ポンプとしては、特開平11−159491号公報(特許文献1)に示されたものがある。この縦軸ポンプは、羽根車とポンプ軸などから構成される回転体部、ポンプ軸保護管、軸受と軸受ブラケットなどから構成される回転体支持部、そしてケーシングライナ、案内羽根ケーシング、吐出ディフューザを一体に組み合わせてプルアウト部を構成している。このプルアウト部は、円筒状の吐出ケ−シング(外筒)と分離され、上方に引き上げ可能な構造となっている。吐出ケ−シングは、ベースとこの円周上の必要個所に設けられた支持具により吸水槽(吸込水槽)の上部壁(ポンプ設置床)に支持されている。吐出ケーシングの下端には、吸込ケーシング及びその下方に吸込ベルマウスが取り付けられている。また、吸込ベルマウスの下面と吸水槽の底面との間には放射状に配列した整流板が設けられており、ポンプ荷重を強度のある吸水槽の底面で支えるとともに、ポンプ吸い込みケーシングに流入する流れを整流している。
【0003】
【特許文献1】特開平11−159491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の都市化の進展に伴い、雨水不浸透面積が益々増加しており、排水ポンプ機場への雨水流入量が急激に増加するようになってきている。このため既設ポンプ機場のポンプの容量アップや機能向上等が望まれており、これらに応えるために既設ポンプ機場のポンプ更新が行われるようになってきている。
【0005】
ポンプの容量アップを伴う更新では、次のような問題を伴うことが多い。その第一は、ポンプを容量アップすることにより、更新ポンプが既設ポンプより大型化し、機場のポンプ据え付け床面耐加重が不足する場合がある。その第二は、ポンプの容量アップのため、吸込水槽やポンプ入口に当たるベルマウスの流速が速くなり、これに伴いポンプに有害な渦の発生が起こり易くなる。この渦発生を防止するため、吸込水槽底面やポンプ近傍に渦流防止装置の設置が必要となってくる。
【0006】
上述した特許文献1の縦軸ポンプは、吸込ベルマウスの下面と吸水槽の底面との間に整流板を設けて、ポンプ荷重を強度のある吸水槽の底面で支えるとともに、ポンプ吸い込みケーシングに流入する流れを整流しているので、ポンプの容量アップを伴う更新に用いることが可能である。
【0007】
しかし、既設ポンプ機場のポンプ更新の場合には、新設ポンプ機場と違って吸水槽内に水が存在する。このため、特許文献1の縦軸ポンプにおける整流板を吸水槽に固定するには、吸水槽内の全体の水を排除する必要があり、広く大掛かりな排水作業が必要となっていた。例えば、吸水槽が単独水路として仕切られている場合は、上流側に設けられる角落しなどの止水装置により吸込水槽を止水した状態として水を排除することが必要であり、複数台のポンプが吸水槽を共有している場合は、共有しているポンプの運転を停止して同様の作業を行うことが必要であり、何れも排水する範囲が広く大掛かりな排水作業を必要としていた。
【0008】
本発明の目的は、ポンプ容量をアップしてもポンプ設置床の床面耐荷重の不足を招くことなく、しかもポンプ機場の吸込水槽内の全体の水を抜くことなく設置できる縦軸ポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の目的を達成するための本発明の第1の態様は、ポンプ設置床に設けられたポンプ挿通穴を通して吸込水槽内に配置される外筒と、前記外筒内に配置されるポンプ本体とを備え、ポンプ機場に設置される立軸ポンプにおいて、前記外筒の下端部を前記吸込水槽内の水槽底面に載置し、前記水槽底面から吸込み最高水位以上の高さにわたって設け、前記外筒の上端部を前記ポンプ設置床に取付けたことにある。
【0010】
係る本発明の第1の態様におけるより好ましい具体的構成例は次の通りである。
(1)前記外筒の下端部を前記水槽底面に水密に載置し、前記外筒の下部に吸込み開口部を設け、前記吸込み開口部を開閉するゲートを備えたこと。
(2)前記吸込み開口部を前記ゲートで塞ぎ前記外筒内の水を排除した状態で前記外筒内の前記水槽底面に取り付けられた渦流防止装置を備えたこと。
(3)前記外筒の下端部の噴出口から圧力水を噴出して前記水槽底面に溜まった泥やゴミ等を除去する圧力噴出手段を備えたこと。
(4)前記外筒の下端部と前記水槽底面との間の水密を保つ柔軟性の封水リングを前記外筒の下端部に取り付けたこと。
(5)前記吸込み開口部を前記ゲートで塞ぎ前記外筒内の水を排除した状態で前記外筒内の前記水槽底面に固められたコンクリート上に、前記外筒の下端部内周に設けたフランジ部を固定して支持したこと。
(6)外壁面に渦流防止装置を備えた前記外筒を前記ポンプ挿通穴を通して前記吸込水槽内に配置したこと。
(7)前記ポンプ本体を前記外筒から引き出し可能に取り付けると共に、前記ポンプ本体のベルマウスの下端外周と前記外筒の内周面との隙間を微少としたこと。
(8)前記ポンプ本体をプルアウト構造としたこと。
(9)前記立軸ポンプは既設ポンプ機場に設置するものであり、前記ポンプ本体を前記外筒に着脱可能に支持したこと。
【0011】
また、本発明の第2の態様は、ポンプ設置床に設けられたポンプ挿通穴を通して吸込水槽内に配置される外筒と、前記外筒内に配置されるポンプ本体とを備え、前記外筒の下端部を水槽底面に水密に載置し、前記外筒の上端部を前記吸込水槽の吸込み最高水位以上の高さとし、前記外筒の下部に吸込み開口部を設け、前記吸込み開口部を開閉するゲートを備えた立軸ポンプを用い、前記立軸ポンプの運転時には前記ゲートを開いて運転し、前記立軸ポンプの長期停止時には前記ゲートを閉じ且つ前記外筒内を空気、腐食性の低い液体、腐食インヒビターの溶液等の防食性流体で満たした状態とする立軸ポンプの運転方法にある。
【0012】
また、本発明の第3の態様は、ポンプ設置床のポンプ挿通穴を通して吸込水槽内に配置された据え付け用外筒の下端部を水槽底面に水密に載置し且つ前記据え付け用外筒内の水を排除した状態で前記外筒内の前記吸込水槽の底面に設置された渦流防止装置と、前記据え付け用外筒を取り除いた状態で前記ポンプ挿通穴を通して吸込水槽内に挿入され、下面吸込口が前記渦流防止装置に対向するように配置されたポンプ本体と、を備えた立軸ポンプにある。
【発明の効果】
【0013】
係る本発明の立軸ポンプ及びその運転方法によれば、ポンプ容量をアップしてもポンプ設置床の床面耐荷重の不足を招くことなく、しかもポンプ機場の吸込水槽内の全体の水を抜くことなく設置できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の複数の実施形態について図を用いて説明する。各実施形態の図における同一符号は同一物または相当物を示す。なお、本発明は、それぞれの実施形態を必要に応じて適宜に組み合わせることにより、さらに効果的なものとすることを含む。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の縦軸ポンプを図1から図3を用いて説明する。図1は本発明の第1実施形態の縦軸ポンプ50を据付けた状態を示す図、図2は図1の縦軸ポンプ50の据え付け途中の状態を示す図、図3は図1の縦軸ポンプ50の外筒下部の拡大図である。本実施形態の立軸ポンプ50は、既設ポンプ機場に設置されるものであり、具体的には、都市排水機場用の立軸斜流ポンプの例である。
【0015】
この立軸ポンプ50は、図1に示すように、ポンプ設置床10のポンプ挿通穴11を通して吸込水槽3内に配置される外筒1と、外筒1内に配置されるポンプ本体2と、外筒1内の水槽底面4に取り付けられた渦流防止装置19と、を主要構成要素として備えている。
【0016】
外筒1は縦長の円筒状部材で構成されている。外筒1は、下端部1aが水槽底面4に水密に載置され、水槽底面4から吸込み最高水位以上の高さにわたって設けられ、フランジで形成された上端部1bがポンプ設置床10のベース5上に載置して取り付けられている。
【0017】
外筒1の下部に全周にわたって複数の吸込み開口部6が設けられている。この吸込み開口部6は、ポンプ運転時に水の流入口となる。吸込み開口部6が形成されている外筒1の下部は厚肉に形成されている。ポンプ本体2の荷重を外筒1を介して水槽底面で分担する場合には、外筒1の下部に形成した厚肉部により吸込み開口部6を設けたことによる強度の低下を補ってポンプ本体2の荷重を確実に分担できる。
【0018】
ポンプ本体2は、吸込み開口部6の直ぐ上から上方に延びるように外筒1内に配置され、さらに外筒1の上方へ突き出して配置されている。ポンプ本体2の上部の外周にはフランジ部2aが取り付けられている。このフランジ部2aは、外筒1の上端フランジ部1aに載置されると共に、着脱可能に取り付けられている。
【0019】
係る構成によって、外筒1及びポンプ本体2の荷重が水槽底面4にも分担されることとなり、ポンプ設置床10で分担する荷重を低減することができるので、既設ポンプよりポンプ重量が増加することとなっても、既設のポンプ設置床10の床面耐荷重の不足を招くことなく、容量アップした縦軸ポンプ50を設置することができる。ここで、外筒1自身を水槽底面4に載置するようにしているので、吸込水槽3内の全体の水を抜くことなく、外筒1を配置するだけでポンプ本体2の荷重を外筒1を介してポンプ設置床10で分担することができる。
【0020】
吸込み開口部6の内側には、図2及び図3に示すように、吸込み開口部6を開閉するゲート7が設けられている。ゲート7は、外筒1の内周より僅かに小径の外周面を有する円筒状部材で構成されている。ゲート7の外周面には、吸込み開口部6の上下に位置して、リング状のOリング8が嵌め込まれ、ゲート7の水密を保つようになっている。
【0021】
ゲート7で吸込み開口部6を閉じた状態の外筒1をポンプ設置床10のポンプ挿通穴11を通して吸込水槽3内に配置し、その下端部1aを水槽底面4に水密に載置する。この状態で外筒1内の水を排除する。この水の排除は、吸込水槽3内の全体の水を排除することに比較して、極めて容易に行うことができる。
【0022】
この吸込水槽3内の水を排除した状態で、横断面十字形の渦流防止装置19を外筒1内の水槽底面4に取り付ける。ポンプの容量アップによってポンプ入口のベルマウス17の流速が速くなっても、渦流防止装置19によりポンプに有害な渦の発生を防止することができる。
【0023】
渦流防止装置19を取り付けた状態で、ゲート7を引き上げて外筒1から取り外す。これによって、外筒1内には吸込み開口部6を通して水が流入される。なお、ゲート7の上端部には吊り具9が取り付けられており、この吊り具9を利用してゲート7の引き上げを容易に行うことができる。
【0024】
このゲート7が取り外されて外筒1内に水が満たされた状態で、図1に示すように、ポンプ本体2を外筒1内に収納し、このフランジ部2aを外筒1の上端フランジ部1bに載置してボルト等の締結具で固定して取り付けることにより、立軸ポンプ50の据え付けが完了する。ポンプ本体2は締結具を外すことにより、外筒1から取り外すことができる。
(第2〜第12実施形態)
次に、本発明の第2〜第12実施形態について図4〜図14を用いて説明する。これらの第2〜第1実施形態は、以下に述べる点で第1実施形態と相違するものであり、その他の点については第1実施形態と基本的には同一であるので、重複する説明を省略する。
【0025】
図4に示す第2実施形態では、外筒1の下端部1aの噴出口12から圧力水を噴出して水槽底面4に溜まった泥やゴミ等を除去する圧力噴出手段を備えたものである。噴出口12にはホース13を介して外筒1の上方から圧力水を供給するようになっている。
【0026】
この第2実施形態によれば、外筒1を吸込水槽3の水槽底面4に載置する際に噴出口12から圧力水を噴出することにより、水槽底面4の上を掃除することができ、外筒1を吸込水槽3へ設置した時の水槽底面4と外筒1の下端面との密着を良くすることができる。
【0027】
図5に示す第3実施形態では、外筒1の下端部1aと水槽底面4との間の水密を保つ柔軟性のある封水リング14を外筒1の下端部1aに取り付けたものである。この封水リング14は、外筒1を水槽底面4に載置した際に、外筒1の重量により変形して水槽底面4に密着される。
【0028】
この第3実施形態によれば、封水リング14により水槽底面4との密着を良くすることができる。
【0029】
図6に示す第4実施形態では、吸込み開口部6をゲート7で塞ぎ外筒1内の水を排除した状態で、外筒1内の水槽底面4にコンクリート16が固められる。このコンクリート16の上に外筒1の下端部1a内周に設けたフランジ部を載置した状態とし、外筒1をコンクリート16にボルト15で固定する。
【0030】
この第4実施形態によれば、水槽底面4をコンクリート16で補強して立軸ポンプ50を支持することができる。
【0031】
図7、図8は本発明のさらに他の実施形態であり、外筒1をさらに確実に固定するために、水槽床面4にコンクリート16を設けた点が図1に示した実施形態と相違する。ここで、図7に示した第5実施形態では、渦流防止装置19が軸方向に延びる十字形をしているのに対し、図8に示した第6実施形態では、、渦流防止装置19はラッパ形をしている。
【0032】
図9に示す第7実施形態では、第1実施形態の渦流防止装置19の代わりに、外筒1の外壁面に円板リング状の渦流防止装置20を備えたものである。図10に示す第8実施形態では、第1実施形態の渦流防止装置19の代わりに、外筒1の外壁面に円筒状で且つ多数の穴を有する渦流防止装置20を備えたものである。
【0033】
図11に示す第9実施形態では、ゲート7を随時開閉可能な構造としている。すなわち、ポンプ運転時等、外筒1の下部に設けられた開口部6を介して、吸込水槽3とポンプ2を連通させる場合は吊り具9によりゲート7を上方に引き上げる。一方、吸込水槽3とポンプ2を遮断させる場合は吊り具9によりゲート7を下方に引き下ろす。ゲート7を下方に引き下ろすことで、吸込水槽3と外筒1内、すなわちポンプ2を遮断することができる。この遮断した状態において、圧縮空気を外筒1内に送り込み、連通管22から外筒1内のポンプ取り扱い水を排除し、ポンプ2を水没状態から回避させることで、腐食やポンプ2内への沈殿物の堆積を防ぐことができる。また、別の手段として、ポンプ取り扱い水よりきれいな清水で外筒1内を満たすかさらに防食用インヒビターの入った液で外筒1内を満たすことによって、さらに防食効果を高めることができる。
【0034】
図12に示す第10実施形態では、ポンプ本体2のベルマウス17の外径部と外筒1のゲート7摺動面とを微少な隙間としたものである。これによって、ポンプの振動が抑制できる。
【0035】
図13に示す第11実施形態では、外筒1を図6で示した構造とすると共に、ポンプ本体2をプルアウト構造としたものである。これにより、ポンプベルマウス17、ボウルケーシング部18の質量を外筒1で支持することになり、ポンプ設置床10の荷重軽減を図ることができる。
【0036】
図14に示す第12実施形態では、渦流防止装置19とポンプ本体2が次のようにして設置される。
【0037】
まず、図14(a)に示すように、ポンプ設置床10のポンプ挿通穴11を通して吸込水槽2内に配置された据え付け用外筒21の下端部1aを水槽底面4に水密に載置し、据え付け用外筒21内の水を排除する。
【0038】
次いで、図14(b)に示すように、据え付け用外筒21内の水槽底面4に円錐形状の渦流防止装置18を設置した後、図14(c)に示すように、据え付け用外筒21を取り除く。しかる後、ポンプ挿通穴11を通して吸込水槽3内にポンプ本体2挿入し、ベルマウス17が渦流防止装置19に対向するようにポンプ本体2を設置する。
【0039】
この第11実施形態によれば、既設ポンプ機場の吸込水槽内の全体の水を抜くことなく設置できる縦軸ポンプの提供が可能である。この第11実施形態では、外筒21を吸込み最高水位よりも高くしているので、ポンプ施行場所場所の水を排水しなくとも、施行時に外筒21内に水が流れ込むことなく、施行が容易になる。また、施行後には外筒21を取り外せるので、外筒21の保守が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態の縦軸ポンプを据付けた状態を示す図である。
【図2】図1の縦軸ポンプの据え付け途中の状態を示す図である。
【図3】図1の縦軸ポンプの外筒下部の拡大詳細図である。
【図4】本発明の第2実施形態の縦軸ポンプの外筒下部の詳細図である。
【図5】本発明の第3実施形態の縦軸ポンプの外筒下部の詳細図である。
【図6】本発明の第4実施形態の縦軸ポンプの外筒下部の詳細図である。
【図7】本発明の第5実施形態の縦軸ポンプの下部の詳細図である。
【図8】本発明の第6実施形態の縦軸ポンプの下部の詳細図である。
【図9】本発明の第7実施形態の縦軸ポンプを据付けた状態を示す図である。
【図10】本発明の第8実施形態の縦軸ポンプを据付けた状態を示す図である。
【図11】本発明の第9実施形態の縦軸ポンプの下部の詳細図である。
【図12】本発明の第10実施形態の縦軸ポンプの下部の詳細図である。
【図13】本発明の第11実施形態の縦軸ポンプを据付けた状態を示す図である。
【図14】本発明の第12実施形態の縦軸ポンプポンプ据付け手順を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1…外筒、1a…下端部、1b…上端部、2…ポンプ本体、3…吸込水槽、4…水槽底面、5…ベース、6…吸込み開口部、7…ゲート、8…パッキン、9…吊り具、10…ポンプ設置床、11…ポンプ挿通穴、12…圧力水噴出口、13…圧力水給水ホース、14…封水リング、15…ボルト、16…コンクリート、17…ベルマウス、18…ボウルケーシング部、19…渦流防止装置、20…渦流防止装置、21…据付け用外筒、22…連通管、50…縦軸ポンプ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ設置床に設けられたポンプ挿通穴を通して吸込水槽内に配置される外筒と、前記外筒内に配置されるポンプ本体とを備え、ポンプ機場に設置される立軸ポンプにおいて、
前記外筒の下端部を前記吸込水槽内の水槽底面に載置し、前記外筒を前記水槽底面から吸込み最高水位以上の高さにわたって設け、前記外筒の上端部を前記ポンプ設置床に取付けたことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項2】
請求項1において、前記外筒の下端部を前記水槽底面に水密に載置し、前記外筒の下部に吸込み開口部を設け、前記吸込み開口部を開閉するゲートを備えたことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項3】
請求項2において、前記吸込み開口部を前記ゲートで塞ぎ前記外筒内の水を排除した状態で前記外筒内の前記水槽底面に取り付けられた渦流防止装置を備えたことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項4】
請求項2において、前記外筒の下端部の噴出口から圧力水を噴出して前記水槽底面に溜まった泥やゴミ等を除去する圧力噴出手段を備えたことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項5】
請求項2において、前記外筒の下端部と前記水槽底面との間の水密を保つ柔軟性の封水リングを前記外筒の下端部に取り付けたことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項6】
請求項2において、前記吸込み開口部を前記ゲートで塞ぎ前記外筒内の水を排除した状態で前記外筒内の前記水槽底面に固められたコンクリート上に、前記外筒の下端部内周に設けたフランジ部を固定して支持したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項7】
請求項1において、外壁面に渦流防止装置を備えた前記外筒を前記ポンプ挿通穴を通して前記吸込水槽内に配置したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項8】
請求項1において、前記ポンプ本体を前記外筒から引き出し可能に取付けると共に、前記ポンプ本体のベルマウスの下端外周と前記外筒の内周面との隙間を微少としたことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項9】
請求項1において、前記ポンプ本体をプルアウト構造としたことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項10】
請求項1において、前記立軸ポンプは既設ポンプ機場に設置するものであり、前記ポンプ本体を前記外筒に着脱可能に支持したことを特徴とする立軸ポンプ。
【請求項11】
ポンプ設置床に設けられたポンプ挿通穴を通して吸込水槽内に配置される外筒と、前記外筒内に配置されるポンプ本体とを備え、前記外筒の下端部を水槽底面に水密に載置し、前記外筒の上端部を前記吸込水槽の吸込み最高水位以上の高さとし、前記外筒の下部に吸込み開口部を設け、前記吸込み開口部を開閉するゲートを備えた立軸ポンプを用い、
前記立軸ポンプの運転時には前記ゲートを開いて運転し、前記立軸ポンプの長期停止時には前記ゲートを閉じ且つ前記外筒内を空気、腐食性の低い液体、腐食インヒビターの溶液等の防食性流体で満たした状態とすることを特徴とする立軸ポンプの運転方法。
【請求項12】
ポンプ設置床のポンプ挿通穴を通して吸込水槽内に配置された据え付け用外筒の下端部を水槽底面に水密に載置し且つ前記据え付け用外筒内の水を排除した状態で前記外筒内の前記吸込水槽の底面に設置された渦流防止装置と、
前記据え付け用外筒を取り除いた状態で前記ポンプ挿通穴を通して吸込水槽内に挿入され、下面吸込口が前記渦流防止装置に対向するように配置されたポンプ本体と、を備えたことを特徴とする立軸ポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−202582(P2008−202582A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−42471(P2007−42471)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】