説明

竪型炉炉内溶融物レベル計測装置及びその計測方法

【課題】炉内溶融物のレベルを高精度に計測することを可能にした竪型炉炉内溶融物レベル計測装置及びその計測方法を提供する。
【解決手段】竪型炉の炉底部の側部に、垂直方向に少なくとも4本以上の電極21〜24を設置し、該電極のうち最上部24と最下部21を電流供給用電極として電流を供給し、該電流供給用電極以外の電極を電位差検出用電極として電位差を計測することによって、計測した電位差又は該電位差から算出される電気抵抗の値に基づいて炉内の溶融物レベルを計測する炉内溶融物レベル計測装置であって、竪型炉の前記電極を設置する部位に導電性耐火物11を用いて、該導電性耐火物11を、炉内側の面においては炉下部に溜まる溶湯及び溶融スラグに接し、かつ、炉内側の面以外においては前記導電性耐火物の電気伝導率より低い材料に接して覆われるように設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竪型炉炉内溶融物レベル計測装置及びその計測方法に関し、特に、炉底部の側部を構成する耐火物の一部を導電性耐火物とした竪型炉の炉内溶融物レベルの計測に関する。
【背景技術】
【0002】
高炉やシャフト炉をはじめとする竪型炉では炉下部に溶融物が溜まり、炉下部に取り付けられた出銑口から間欠的又は連続的に溶融物を取り出している。キュポラ(シャフト炉)等の小型の竪型炉では、出銑口周辺にコークスなどが詰まり、溶融物レベルが上昇してしまうというトラブルが発生することがある。このため、操業中の炉内の溶融物レベルの監視が必要であるが、直接観察することはきわめて困難である。このようなことから、炉外から間接的に溶融物レベルを計測する方法が提案されている。
【0003】
竪型炉の炉下部は導電性耐火物(例えばカーボンレンガ)によって構成されている場合が多いので、電気抵抗式の炉内溶融物レベル計の使用が可能となる。電気抵抗式溶融物レベル計は、炉下部の耐火物の炉外側表面に垂直方向に複数の電極を取り付けて4端子法によって炉下部の電気抵抗を測定し、溶融物レベルの変動に伴う電気抵抗値の変化から炉内溶融物レベルの増減を計測する。
【0004】
例えば、特許文献1に開示された炉内溶融物レベル計測方法は、高炉側面に高さ方向に所定の間隔で複数の電極を設け、これらの電極のうち最上部及び最下部に設けた2本の電極を電流印加用電極として電流を印加し、電流印加用電極以外の電極を電圧検出用電極としてこれらの電極間の電位差を計測することによって、計測した電圧又は電気抵抗の変化から溶鉱炉内の溶融物レベルを把握しており、複数の電極のうち電圧検出用電極によって測定される電位差から算出される電気抵抗値によって炉内の溶融物のレベルを知ることが可能である。なお、これらの電極は炉下部を構成するカーボンレンガに直接接触させることで感度が向上する。
【0005】
【特許文献1】特開2006−176849号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1に開示された炉内溶融物レベル計測方法においても、導電性耐火物が炉体と電気的に絶縁されていない場合には、鉄皮などにより電気伝導率が低い材質のものが近接して存在することが多いため、印加電流が炉体へ回り込み、炉内の溶融物に電流を効率的に流すことが困難となって測定感度が低下するという課題があった。
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、炉内溶融物のレベルを高精度に計測することを可能にした竪型炉炉内溶融物レベル計測装置及び竪型炉炉内溶融物レベル計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る竪型炉炉内溶融物レベル計測装置は、竪型炉の炉底部の側部に、垂直方向に少なくとも4本以上の電極を設置し、該電極のうち最上部と最下部を電流供給用電極として電流を供給し、該電流供給用電極以外の電極を電位差検出用電極として電位差を計測することによって、該計測した電位差又は該電位差から算出される電気抵抗の値に基づいて炉内の溶融物レベルを計測する炉内溶融物レベル計測装置であって、竪型炉の前記電極を設置する部位に導電性耐火物を用いて、該導電性耐火物を、炉内側の面においては炉下部に溜まる溶湯及び溶融スラグに接し、かつ、炉内側の面以外においては前記導電性耐火物の電気伝導率より低い材料に接して覆われるように設置したものである。
【0009】
本発明に係る竪型炉炉内溶融物レベル計測装置において、前記導電性耐火物の電気伝導率は、竪型炉内で溶融スラグ上面より上において積層されているコークス層の電気伝導率より大きく、かつ、溶融スラグ層のコークスを含めた溶融スラグの電気伝導率より小さい値である。
【0010】
本発明に係る竪型炉炉内溶融物レベル計測装置は、前記導電性耐火物の温度を測定する温度測定器を設置し、該温度測定器の結果から前記導電性耐火物の電気抵抗値の温度変化を補正して溶融物レベルの値を算出する。
【0011】
本発明に係る竪型炉炉内溶融物レベル計測方法は、竪型炉の炉底部の側部に、垂直方向に少なくとも4本以上の電極を設置し、該電極のうち最上部と最下部を電流供給用電極として電流を供給し、該電流供給用電極以外の電極を電位差検出用電極として電位差を計測することによって、該計測した電位差又は該電位差から算出される電気抵抗の値に基づいて炉内の溶融物レベルを計測する炉内溶融物レベル計測方法であって、竪型炉の前記電極を設置する部位には導電性耐火物を用いて、該導電性耐火物を、炉内側の面においては炉下部に溜まる溶湯及び溶融スラグに接し、かつ、炉内側の面以外においては前記導電性耐火物の電気伝導率より低い材料に接して覆われるように設置する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、竪型炉の前記電極を設置する部位に導電性耐火物を用いて、該導電性耐火物を、炉内側の面においては炉下部に溜まる溶湯及び溶融スラグに接し、かつ、炉内側の面以外においては前記導電性耐火物の電気伝導率より低い材料に接して覆われるように設置したことにより、電極を設置する導電性耐火物の周囲に電気伝導率の低い材料(例えば電気伝導率の低い耐火物)を設置することにより、導電性耐火物に印加した電流は炉体への回りこみがなくなり、効率的に溶融物へ流すことが可能となり感度のよい測定を行うことが可能となっている。また、導電性耐火物の電気抵抗の温度による変化を補正することにより、さらに精度のよい測定が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の一実施形態を図を用いて説明する。本実施形態では、特に小型の竪型炉(キュポラなど)での溶融物レベル計測を想定して説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る炉内溶融物レベル計測装置の模式図であり、図2は図1の導電性耐火物を上側から見たときの説明図である。導電性耐火物11は、炉内側に露出しており操業時には炉内の溶融物12と直接接しており、さらに、導電性耐火物11の底面は炉床13と接している。また、導電性耐火物11の炉外側には4本の電極21〜24が垂直方向に設置されており、一番下と一番上に設置した電極21、24はケーブル25を介して直流電流源26と接続されており、導電性耐火物11に電流を印加することができる。また、電流印加用電極21、24間には2本の電圧検出用電極22、23が設置されており、2本の電圧検出用電極22、23はそれぞれケーブル27に接続されており、電流を印加することで導電性耐火物11上に発生する電位差を電位差検出手段28によって計測する。電位差検出手段28から測定された電位差が出力され、例えばPC29に取り込まれて記録される。炉内の溶融物レベルが変化すると印加された電流の電流分布が変化するので、電位差も変化する。このとき、溶湯に多くの電流が分布するため溶融物レベルが上昇すると電位差は小さくなる。なお、直流電流源26から電流印加用電極21、24に供給される電流は電流計30により計測されて、PC29に出力して記録される。また、導電性耐火物11の温度を測定するための温度計31が取り付けられており、温度計31の出力はPC29に出力され、導電性耐火物11の電気抵抗値の補正に用いられる。
【0015】
溶融物レベルが上昇すると、電圧検出用電極22、23間の電位差、又はその電位差から算出される電気抵抗は降下する。また、シャフト炉においては、出湯樋のレベルと炉内圧、各溶融物の密度からレベルを見積もることが可能なため、定常操業時にレベルと電圧の関係についてキャリブレーションを行うことが可能である。
【0016】
このとき、導電性耐火物11が炉体を構成する耐火物や材料に直接接していて、耐火物や材料が、導電性耐火物11の電気抵抗より小さい場合には、電流が炉体を構成する耐火物や材料に流れ込むことになり、その結果、炉内部の溶湯や溶融スラグに電流が流れなくなり、溶融物のレベル変化による電位差の変化は小さくなり、測定感度が低下すると考えられる。このため、本実施形態においては、導電性耐火物11の周囲、即ち、炉内側の溶融物と接触する面を除いて、導電性耐火物11の左右の側面、上面、底面及び背面が絶縁耐火物14で覆われている(換言すれば、炉底側部の絶縁耐火物14の中に、炉内側に面する部位が炉内に露出した状態で導電性耐火物11を挿入した状態となっている。)。これにより炉体を構成する耐火物や材料に電流が流入するのを抑制することができ、高感度な測定が実現可能になる。このとき、導電性耐火物11の周囲に設置する絶縁耐火物14の電気伝導率としては、電流流入を抑制するために導電性耐火物11の電気伝導率の1/100以下であることが望ましい。
【0017】
次に、導電性耐火物11の電気伝導率について説明する。
図3は、導電性耐火物11の電気伝導率と感度との関係を示した特性図である。図3の実線で示されるように、導電性耐火物11の電気伝導率が小さいほど炉内に電流が流れやすくなるので、感度(S/N)が良くなると考えられる。つまり、導電性耐火物11の電気伝導率の上限は、印加した電流が導電性耐火物11を経て、炉内の溶融スラグにまで流れるような値の上限と考えればよい。具体的には、導電性耐火物11の電気伝導率を溶融スラグの電気伝導率より低くすればよい。通常、溶融スラグの電気伝導率はおよそ103(1/Ωm)程度であることがわかっている。ところが、炉内の溶融スラグ中では電気伝導率の高いコークス(コークス一粒あたりの電気伝導率は約3×104(1/Ωm))が積みあがった状態になっている。よって、溶融スラグ層の見かけの電気伝導率は103(1/Ωm)よりも高くなっていると考えられ、溶融スラグの見かけの電気伝導率は104(1/Ωm)程度であると見積もられる。このため、導電性耐火物11の電気伝導率は溶融スラグの電気伝導率より低くしておかないと、電流が導電性耐火物(レンガ内部)11のみに流れてしまい、やはり感度が低下することとなってしまう。具体的には、104(1/Ωm)より小さくすればよい。
【0018】
一方、導電性耐火物11の電気伝導率の下限については、以下のように考える。上述のように、導電性耐火物11の電気伝導率の低下に伴って、感度が向上していくものの、炉内に積層されたコークスのうち、炉内の溶融物(溶鋼や溶融スラグなど)の上面より上側にある部分が、導電性耐火物11と直接接触して、コークスに直接的に電流が流れるようになる。この場合、積層コークスの上部に電流が流れると、溶融物レベルの測定誤差になるので、炉内溶融物の上面より上側にある積層コークスに電流が流れないように、導電性耐火物11の電気伝導率を、積層コークスの見かけの電気伝導率より大きくすればよい。コークス一粒あたりの電気伝導率は約3×104(1/Ωm)であるが、積層して互いに接触している場合には、粒子間に接触抵抗が生じる。このため、コークスが積層した場合の見かけの電気伝導率は、一粒あたりの電気伝導率より小さくなり、102(1/Ωm)程度となると考えられる。導電性耐火物11の電気伝導率が102(1/Ωm)以下となった場合には、コークスに電流が流れることとなり、コークスと導電性耐火物11の接触状態によって、計測値が異なると考えられる。よって、導電性耐火物11の電気伝導率は102(1/Ωm)より大きくすることが必要である。
【0019】
ところで、導電性耐火物11の電気抵抗は一般的に温度依存性を持つ。操業を開始してから溶融物が溜まりだすと、導電性耐火物11の温度も上昇する。また、操業終了時に炉内の溶融物が排出されると、導電性耐火物11の温度は低下する。このような導電性耐火物11の温度変化により電気抵抗も変化すると考えられるので、より感度よく計測を行うために、導電性耐火物11の温度を温度計31により測定しながら溶融物レベル計測装置の計測値を補正する。次の(1)式で示したように、操業開始時の温度T0に対する電気抵抗値ρ0(T0,0)を基準として、操業中のある時間tでの温度Tに対する電気抵抗率ρ(T,t)の比を計測値Vdataに掛けて補正する。
【0020】
【数1】

【0021】
このとき、導電性耐火物11は熱伝導率が高いものを選択することにより、炉内の温度変化が短時間に導電性耐火物11に伝わり温度分布が定常的となる。一方、導電性耐火物11の周囲に設置される絶縁耐火物は導電性耐火物11の熱伝導率よりも低くすると、炉外雰囲気温度の変化による導電性耐火物温度の変動を大幅に抑制することが可能となるため、導電性耐火物11の温度分布は変化することがない。このような構成にすることで安定した計測が可能となる。
【0022】
また、導電性耐火物11は一体である方が安定した計測が行える。分割しブロック化した導電性耐火物11を高さ方向に積み上げた場合は、導電性耐火物ブロック同士の接触状態が熱により変化し電流の分布が不安定になると考えられるからである。
【0023】
なお、上記の説明においては、電圧検出用電極22、23の2本を設置した例について説明したが、その本数は3本以上の任意の本数であってもよい。
また、導電耐火物11に供給する電流についても、直流に限定されるものではなく、交流であってもよい。
【実施例】
【0024】
本発明の一実施例を説明する。本実施例は鋳鉄を製造するためのシャフト炉における溶融物レベル計測装置の例である。シャフト炉炉底部の側面には、炉補修用のマンホールが設置してあり、操業時は耐火物で閉塞する。この耐火物の一部を導電性耐火物とし、その周囲に絶縁耐火物を設置した。導電性耐火物の炉内側は直接溶融物と接するようにする。本実施例に用いた導電性耐火物は電気伝導率が2.9×104(1/Ωm)であった。
【0025】
図4は、導電性耐火物の周囲に10-8(1/Ωm)の絶縁レンガを設置した場合のデータであり、シャフト炉の操業において、溶融物レベル計測装置により得られた、溶融物レベルの時間推移を示している。操業開始とともに溶融物レベルは増加し、溶融スラグが樋から流出を開始するとレベルは一定となる。また、操業が終了すると、炉内溶融物を排出するために溶融物を排出する作業を行うと、溶融レベルは短時間のうちに低下する。図4の特性から、以上のような一連の操業における溶融物レベルの変化を十分な感度で捉えることが可能になっていることが分かる。なお、溶融物レベルが上昇すると、溶融物レベル計測装置の出力は低下するので、図4の縦軸は正負逆転して表示してある。また、後述の溶融レベルの推移を示すデータについても同様な表示をしている。
【0026】
一方、図5は、絶縁耐火物14を設置しないで、導電性耐火物11を炉体に直接接するように設置した場合のレベル計測結果である。本来、計測されるべきレベル変化の感度は非常に小さくなってしまい、レベル変化に対する十分な感度が得られないことが分かる。
さらに、図6には導電性耐火物11の温度推移を示した。また、この導電性耐火物11の電気抵抗の温度依存性を図7に示した。図4のデータを絶縁レンガの温度によって補正すると、図8のようになる。操業開始直前と、操業終了直後は炉内に溶融物がないため、溶融物レベル計測装置の出力(測定した電位差または電気抵抗)は同じ値であるべきであるが、操業開始時と操業終了時では炉内の温度が異なるため、図4のデータでは出力が異なっていたが、温度補正を行った結果、操業開始時の出力値と操業終了時の出力値は一致した。なお、導電性耐火物の温度は熱電対を直接導電性耐火物に取り付けて測定を行い、逐次補正を行った。
【0027】
本実施例では導電性耐火物の温度測定に熱電対を用いたが、この熱電対を電圧検出用電極22と電圧検出用電極23との間に設置する。熱電対を設置する位置は、定常操業で溶融物が達しない高さとすることで、導電性耐火物11の電気抵抗変化を直接測定することが可能であり、それによって、導電性耐火物11の電気抵抗の温度変化を補正することができる。
また、本実施例においては炉外側に熱伝導率の低い絶縁体耐火物を設置することで、外気と遮断した。このような構成で測定を行うと導電性耐火物の温度分布を一定に保つことが容易となり、温度補正も容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係る竪型炉炉内溶融レベル計測装置の模式図である。
【図2】炉内底部の側部に設置された導電性耐火物及びその周囲の絶縁耐火物の構成を示した説明図である。
【図3】導電性耐火物と感度(S/N)との関係を示した特性図である。
【図4】本発明の実施例において、溶融物レベル計測装置の出力の時間推移を示すグラフである。
【図5】比較例(本発明を実施しない場合)として示した、溶融物レベル計測装置の出力の時間推移を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例に用いた導電性耐火物の操業中の温度変化を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例に用いた導電性耐火物の温度と電気抵抗の関係を示すグラフである。
【図8】図4の温度補正を行った結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0029】
11 導電性耐火物、12 溶融物、13 炉床、14 絶縁耐火物、21、24 電流印加用電極、22、23 電圧検出用電極、25、27 ケーブル、26 直流電流源、28 電位差検出手段、29 PC、30 電流計 31 温度計。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
竪型炉の炉底部の側部に、垂直方向に少なくとも4本以上の電極を設置し、該電極のうち最上部と最下部を電流供給用電極として電流を供給し、該電流供給用電極以外の電極を電位差検出用電極として電位差を計測することによって、該計測した電位差又は該電位差から算出される電気抵抗の値に基づいて炉内の溶融物レベルを計測する炉内溶融物レベル計測装置であって、
竪型炉の前記電極を設置する部位に導電性耐火物を用いて、
該導電性耐火物を、炉内側の面においては炉下部に溜まる溶湯及び溶融スラグに接し、かつ、炉内側の面以外においては前記導電性耐火物の電気伝導率より低い材料に接して覆われるように設置したことを特徴とする竪型炉炉内溶融物レベル計測装置。
【請求項2】
前記導電性耐火物の電気伝導率は、竪型炉内で溶融スラグ上面より上において積層されているコークス層の電気伝導率より大きく、かつ、溶融スラグ層のコークスを含めた溶融スラグの電気伝導率より小さい値であることを特徴とする請求項1記載の竪型炉炉内溶融物レベル計測装置。
【請求項3】
前記導電性耐火物の温度を測定する温度測定器を設置し、該温度測定器の結果から前記導電性耐火物の電気抵抗値の温度変化を補正して溶融物レベルの値を算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の竪型炉炉内溶融物レベル計測装置。
【請求項4】
竪型炉の炉底部の側部に、垂直方向に少なくとも4本以上の電極を設置し、該電極のうち最上部と最下部を電流供給用電極として電流を供給し、該電流供給用電極以外の電極を電位差検出用電極として電位差を計測することによって、該計測した電位差又は該電位差から算出される電気抵抗の値に基づいて炉内の溶融物レベルを計測する炉内溶融物レベル計測方法であって、
竪型炉の前記電極を設置する部位には導電性耐火物を用いて、
該導電性耐火物を、炉内側の面においては炉下部に溜まる溶湯及び溶融スラグに接し、かつ、炉内側の面以外においては前記導電性耐火物の電気伝導率より低い材料に接して覆われるように設置したことを特徴とする竪型炉炉内溶融物レベル計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−25464(P2010−25464A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−188515(P2008−188515)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【出願人】(000231877)日本鋳鉄管株式会社 (48)
【Fターム(参考)】