説明

端子部付きプリント配線板及びその製造方法

【課題】端子部の補強が簡便な構成によりなされ、且つ端子部のコネクタへの挿着容易性や挿着後の脱離防止性を容易に調整することができる端子部付きプリント配線板を提供する。
【解決手段】コネクタ7に挿着される端子部2を有し、前記端子部2の一面に接触端子3が設けられると共に他面に補強層4が設けられ、前記補強層4は樹脂組成物を成膜して形成されると共に厚み変化を有することを特徴とする。このため、樹脂組成物の塗布及び硬化を行うだけで、補強層4を形成することができ、この補強層4により、端子部2の補強を行うと共に、この補強層4をスペーサとして機能させることができるものであり、且つ、この補強層4に厚み変化を持たせることで端子部2のコネクタ7への挿着容易性や挿着後の脱離防止性を容易に調整することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルや各種電子機器等をコネクタに接続する際に用いられる端子部付きプリント配線板及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、絶縁基材に導体配線が設けられたプリント配線板を他の配線板と接続したり、電子機器間の接続ケーブルとして利用したりする場合には、このプリント配線板に端子部を設け、この端子部をコネクタに挿着して接続することが行われていた。
【0003】
このようにプリント配線板に端子部を設けるにあたり、特にフレキシブルプリント配線板に端子部を設ける場合には、端子部に接着剤を介して補強板を貼着することにより端子部を補強することで、この端子部をコネクタに挿着し、或いはコネクタから端子部を脱離させる際の破損発生の防止や、作業の容易化を図っていた。また、特にフレキシブルプリント配線板は厚みが薄いが、端子部に補強板を設けることで端子部の厚みを厚くし、端子部をコネクタに挿着する際に前記補強層をスペーサとして機能させて、端子部とコネクタとの間の確実な接続を図っていた(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−124583号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、端子部に補強板を設けるためには、上記のようにまず端子部に接着剤を塗布した後、補強板を設けなければならず、部材点数の削減や製造工程の簡略化のためには更に簡便な構成で端子部の補強を行うことが求められていた。
【0005】
また、単に補強板を設けるだけでは、端子部をコネクタに挿着した際の挿着容易性や挿着後の脱離防止性を調整することが困難でもあった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、端子部の補強が簡便な構成によりなされ、且つ端子部のコネクタへの挿着容易性や挿着後の脱離防止性を容易に調整することができる端子部付きプリント配線板及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る端子部付きプリント配線板は、コネクタ7に挿着される端子部2を有する。前記端子部2の一面には接触端子3が設けられると共に他面に補強層4が設けられている。前記補強層4は樹脂組成物を成膜して形成されると共に厚み変化を有する。
【0008】
このため、樹脂組成物の塗布及び硬化を行うだけで、補強層4を形成することができ、この補強層4により、端子部2の補強を行うと共に、この補強層4をスペーサとして機能させることができる。また、この補強層4に厚み変化を持たせることで端子部2のコネクタ7への挿着容易性や挿着後の脱離防止性を容易に調整することができる。
【0009】
上記補強層4は、複数の樹脂層13を積層して形成されていると共に前記樹脂層13の積層数が部分的に異なっていることが好ましい。この場合、樹脂層13の積層数が少ない箇所で補強層4の厚みを薄くし、前記積層数が多い箇所で補強層4の厚みを厚く形成することができる。
【0010】
また、上記補強層4が単一の樹脂層13で形成されていることも好ましい。この場合、補強層4の表面を段差無く平滑に形成することができ、端子部2をコネクタ7に挿着する際の引っかかりの発生を抑制して挿着容易性を更に向上することができる。
【0011】
また、上記樹脂層13は樹脂組成物をスクリーン印刷法にて塗布した後、硬化させて形成されたものであることが好ましい。この場合、補強層4を位置精度良く且つ容易に形成することができる。
【0012】
また、上記補強層4は、厚み方向に突出する嵌合凸部8を有することも好ましい。この場合、端子部2をコネクタ7に挿着する際に端子部2とコネクタ7とを凹凸嵌合させて、コネクタ7から端子部2が不用意に脱離しないようにすることができ、端子部2の脱離防止性を更に向上することができる。
【0013】
また、上記補強層4が、前端側ほど厚みが薄くなるように形成されていることも好ましい。この場合、端子部2をコネクタ7に挿着する際に、端子部2の先端部はコネクタ7に容易に挿入することができる。また、この端子部2を更にコネクタ7に押し込むと、端子部2における厚みの厚い部分がコネクタ7に挿入され、補強層4に圧縮力がかけられ、この補強層4の弾性復元力がコネクタ7の内面にかけられることとなる。このため、端子部2がコネクタ7に安定して保持され、端子部2がコネクタ7から不用意に脱離しないようにすることができる。
【0014】
また、上記樹脂組成物は、活性エネルギー線硬化性又は熱硬化性の樹脂組成物であることが好ましい。この場合、樹脂組成物の塗布時には液状の樹脂組成物を用いて容易に塗布することが可能であり、この塗布後の樹脂組成物を硬化させることで一定の強度を有する補強層4を容易に形成することができる。特に活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物の場合は、溶剤等の揮発成分を含有することなく液状に調製することが容易となり、この樹脂組成物の硬化成形時における寸法収縮を低減して、端子部2に反り等の変形が生じることを抑制することができる。
【0015】
また、上記補強層4が、発泡性材料を含むことも好ましい。この場合、補強層4中の発泡性材料を発泡させることで補強層4を膨張させることができる。このため、補強層4を薄く形成することで樹脂組成物の塗布を容易に行うことができるようにすると共に、端子部2をコネクタ7へ容易に挿入することができ、且つ、端子部2をコネクタ7に挿入した後は、発泡性材料を発泡させることで補強層4を膨張させ、この補強層4をコネクタ7内に充填して端子部2がコネクタ7から不用意に脱離しないようにすることができる。
【0016】
また、上記端子部付きプリント配線板が、フレキシブルフィルムにて形成された絶縁基材5を具備することも好ましい。このようなフレキシブルフィルムを絶縁基材5とするプリント配線板1の端子部2は、厚みが薄く、且つ可撓性が高いことから、補強を施すと共にスペーサを形成する必要性が高く、かかる端子部2に補強層4を設けることで、簡便な構成で前記端子部2の補強とスペーサの形成とを為すことができる。
【0017】
また、本発明に係る端子部付きプリント配線板の製造方法は、一面に接触端子3が設けられた端子部2を絶縁基材5に形成し、前記端子部2の他面にスクリーン印刷法により樹脂組成物を複数回塗布成膜して複数層の樹脂層13を形成すると共に前記樹脂層13の積層数を部分的に異ならせることによって、前記複数の樹脂層13からなる厚み変化を有する補強層4を形成することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る他の端子部付きプリント配線板の製造方法は、一面に接触端子3が設けられた端子部2を絶縁基材5に形成し、前記端子部2の他面にスクリーン印刷法により樹脂組成物を一回だけ塗布成膜して厚み変化を有する樹脂層13を形成することによって、前記単一の樹脂層13からなる厚み変化を有する補強層4を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、端子部の補強を簡便な構成により為すことができ、端子部付きプリント配線板の生産性を向上することができるものであり、且つ、この補強層に厚み変化を持たせることで端子部のコネクタへの挿着容易性や挿着後の脱離防止性を容易に調整することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0021】
図1に本発明に係る端子部付きプリント配線板1の一例を示す。この端子部付きプリント配線板1は、絶縁基材5の端縁部に、コネクタ7に挿着される端子部2が形成されている。前記絶縁基材5には、導体配線6が形成されており、この導体配線6の一部として、端子部2の一面に接触端子3が形成されている。この接触端子3は、導体配線6とコネクタ7との間の導通を確保する機能を有する。
【0022】
絶縁基材5としては、プリント配線板製造用途に適用可能な適宜のものを挙げることができるが、特に可撓性フィルム(フレキシブルフィルム)を用いることが好ましい。可撓性フィルムとしては、プラスチックフィルムであって、導体配線6の形成工程及び電子部品の実装工程における熱プロセスに耐えるだけの耐熱性を有するものであることが好ましい。絶縁基材5の具体的な材質としてはポリカーボネート、ポリエーテルサルファイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリアミド、液晶ポリマー等を挙げることができる。特にポリイミドフイルムは耐熱性に優れると共に耐薬品性にも優れるため好適に採用される。また、低誘電損失など電気的特性が優れている点で液晶ポリマーも好適に採用される。また、可撓性のガラス繊維補強樹脂板を採用することも可能であり、この場合のガラス繊維補強樹脂板を構成する樹脂としてはエポキシ樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、マレイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。絶縁基材5を形成するための可撓性フィルムの寸法、厚み等は特に制限されず、適宜のものが採用されるが、例えば厚みは0.02〜1.10mmの範囲とすることができる。
【0023】
端子部2は上記絶縁基材5の端縁に形成される。図示の例では、絶縁基材5は、この絶縁基材5の一部が突出した突出部12を有しており、この突出部12の先端部分が、端子部2として形成される。
【0024】
導体配線6はフルアディティブ法やセミアディティブ法等の適宜の手法により、絶縁基材5の表面に形成することができる。また絶縁基材5の表面に銅箔等の金属層を予め積層して設けておき、サブトラクティブ法等により導体配線6を形成することもできる。また、絶縁基材5の表面に導電性ペーストをパターン状に印刷して塗布し、この導電性ペーストを硬化することで導体配線6を形成することもできる。導体配線6は絶縁基材5の少なくとも一面に設けるものであり、絶縁基材5の他面にも導体配線6を設けても良い。また絶縁基材5の両面に導体配線6を形成する場合には、表裏の導体配線6をスルーホールにて導通させても良い。
【0025】
接触端子3は、導体配線6を形成する際に、この導体配線6の一部として形成される。この接触端子3は、絶縁基材5の端子部2の一面にのみ形成される。図示の例では、絶縁基材5の突出部12に、この突出部12の突出方向に長い複数の接触端子3が、平行並列に複数設けられている。
【0026】
また、導体配線6が形成された絶縁基材5には、必要に応じて、ソルダーレジスト膜を形成することができる。このとき、導体配線6を微細なパターンに形成している場合には、感光性のソルダーレジストを用いることが好ましい。ソルダーレジスト膜形成にあたっては、例えばスピンコーター、ブレードコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、スクリーン印刷機などで絶縁基材5表面に感光性ソルダーレジストを塗布し、乾燥させた後、所定のフォトマスクを介して紫外線露光・現像してパターン形成し、必要に応じて100〜200℃で熱硬化を行うものである。
【0027】
絶縁基材5の端子部2には、接触端子3が形成されている面とは反対側の他面に、補強層4を形成する。補強層4は、樹脂組成物を塗布成膜して得られる樹脂層13にて形成することが好ましく、このとき樹脂組成物の塗布はスクリーン印刷法により行うことが好ましい。前記樹脂組成物としては、紫外線硬化性樹脂組成物等の活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物や、熱硬化性の樹脂組成物を用いることができる。特に活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物は、溶剤等の揮発成分を含有することなく液状に調製することが容易となる。このため、樹脂組成物の硬化時における寸法収縮を低減して、端子部2に反り等の変形が生じることを抑制することができる。
【0028】
上記活性エネルギー線硬化性の樹脂組成物としては、例えばアクリル樹脂;ウレタンアクリレート樹脂;ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂、クレゾールノボラック型エポキシアクリレート樹脂等のエポキシアクリレート樹脂等の、適宜の感光性樹脂を含むものを用いることができる。このような樹脂組成物には、必要に応じて2−ヒドロキシエチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート等のエチレン性不飽和単量体等の感光性モノマーや、光重合開始剤等を含有させることができる。またこの樹脂組成物中には、必要に応じて熱硬化性を付与するためのエポキシ基含有化合物を含有させることもできる。
【0029】
また、この樹脂組成物中には、硬化時の硬化収縮を低減したり、補強層4の熱膨張係数を低減したりする目的で、無機充填材を含有させても良い。このような無機充填材を樹脂組成物中に含有させることで、プリント配線板1の変形を更に抑制することができる。無機充填材としては、タルク、シリカ、硫酸バリウム等を用いることができ、その含有量は、樹脂成分100重量部に対して120重量部以下とすることができる。
【0030】
上記樹脂組成物は、液状で、且つスクリーン印刷を行うための適度な粘度を有することが好ましい。例えばコーンプレート型粘度計にて測定される粘度が3〜80Pa・sの範囲であることが好ましい。また、この樹脂組成物は、硬化成形した際に、補強層4として充分な厚みに形成しても、その形状を保持することができ、且つ端子部2をコネクタ7に挿着する際に容易に挿着することができるように適度な弾性及び硬度を有することが好ましく、また、端子部2をコネクタ7に挿着する際に容易に挿着できるようにするために、補強層4の表面に適度な滑り性が付与されていることが好ましい。特にこの樹脂組成物を成形硬化した成形体の鉛筆硬度(JIS K5600−5−4)はH〜5Hの範囲となることが好ましい。
【0031】
樹脂組成物及びこの樹脂組成物にて形成される補強層4に上記特性を付与するためには、樹脂組成物の組成を適宜調整し、或いは樹脂組成物の硬化条件を適宜調整する。具体的には、樹脂組成物中の無機充填剤の含有量を増大することにより補強層4の硬度を向上すると共に弾性を低下することができ、この含有量を低減することにより弾性を向上すると共に硬度を低減することができる。また硬化条件を調整して樹脂組成物の硬化を進行させることで補強層4の硬度を増大すると共に弾性を低下することができ、樹脂組成物の硬化を進行を抑制することで弾性を向上すると共に硬度を低減することができる。また、樹脂組成物中にポリエチレンやPTFE(四フッ化エチレン樹脂)等の添加剤を適宜添加したり、樹脂組成物の硬化を進行させることで補強層4の滑り性を向上することができ、樹脂組成物の硬化の進行を抑制することで滑り性を低減することができる。
【0032】
この補強層4は、厚みの変化を有するように形成する。これにより、補強層4を適宜所望の形状に形成し、コネクタ7への端子部2の挿着や、挿着された端子部2の引き抜きを更に容易にしたり、コネクタ7に挿着された端子部2が不用意に脱離したりしないようにする。例えばコネクタ7の挿着凹部9と補強層4を有する端子部2とを、互いに嵌合係止し合う形状とすることで、コネクタ7に挿着された端子部2が容易には脱離しないようにすることができる。この補強層4の厚みは、端子部2を充分に補強することができ、且つ端子部2をコネクタ7に挿着した場合には補強層4が挿着凹部9から圧縮力をかけられて自身の弾性復元力により挿着凹部9内に保持され、不用意に脱離しない程度の充分な厚みとなるように、適宜調整される。この補強層4の厚みは、絶縁基材5の厚み及び強度、樹脂組成物の性状、コネクタ7の寸法等に応じて適宜設定されるが、例えば0.02〜3.00mmの範囲で厚みの変化をつけて形成することができる。
【0033】
補強層4に厚み変化を付与するにあたっては、複数の樹脂層13を積層すると共にこの樹脂層13の積層数を部分的に異ならせて補強層4を形成することができる。
【0034】
図2に示す例では、端子部2の先端部では、補強層4がその厚み方向に突出しており、この突出部分が嵌合凸部8として形成されている。
【0035】
上記のような嵌合凸部8を有する補強層4を形成するためには、例えばまず端子部2の補強層4を形成する面全体に、樹脂組成物をスクリーン印刷法により塗布し、硬化することにより、均一な厚みを有する第一樹脂層13aを形成する。次に、前記第一樹脂層13aのうち、嵌合凸部8が形成される部分に、樹脂組成物をスクリーン印刷法により塗布し、硬化することにより、第二樹脂層13bを形成する。この第二樹脂層13bにより嵌合凸部8が形成される。
【0036】
この場合、コネクタ7として、図示のように開閉自在な可動ロック部14を有し、可動ロック部14を閉じることによって挿着凹部9内に前記嵌合凸部8と嵌合係止し合う嵌合凹部11が形成されるものを用いれば、端子部2をコネクタ7に挿着した場合に可動ロック部14によって補強層4が押圧されると共に前記嵌合凸部8と嵌合凹部11とが凹凸嵌合し、端子部2がコネクタ7から容易には脱離しないようにすることができる。
【0037】
この嵌合凸部8を有する補強層4の厚みは適宜設定されるが、例えば各樹脂層13a,13bの厚みを0.02〜1.00mmの範囲に形成し、嵌合凸部8が設けられている箇所の厚み(第一樹脂層13aと第二樹脂層13bとを併せた厚み)を0.04〜2.00mmに形成することができる。
【0038】
また、図3に示す例でも、補強層4の前端側に嵌合凸部8を形成している。このとき、嵌合凸部8は、その厚み方向の突出寸法が内側ほど大きくなるように形成されている。
【0039】
上記のような嵌合凸部8を有する補強層4を形成するためには、例えばまず端子部2の補強層4を形成する面全体に、樹脂組成物をスクリーン印刷法により塗布し、硬化することにより、均一な厚みを有する第一樹脂層13aを形成する。この第一樹脂層13aの嵌合凸部8が形成される領域に複数の層を、上側の層ほど平面視の面積が小さくなるように積層する。図示の例では、前記第一樹脂層13aのうち、嵌合凸部8が形成される部分に、樹脂組成物をスクリーン印刷法により塗布し、硬化することにより、第二樹脂層13bを形成する。更に、この第二樹脂層13bの表面の内側に、樹脂組成物をスクリーン印刷法により塗布し、硬化することにより、第三樹脂層13cを、その平面視の面積が第二樹脂層13bよりも小さくなるように形成する。これにより、厚み方向の突出寸法が内側ほど大きくなる形状を有する嵌合凸部8が形成される。
【0040】
この場合も、コネクタ7として上記と同様の可動ロック部14を有するものを用いれば、端子部2をコネクタ7に挿着した場合に、可動ロック部14によって補強層4が押圧されると共に前記嵌合凸部8と嵌合凹部11とが凹凸嵌合し、端子部2がコネクタ7から容易には脱離しないようにすることができる。
【0041】
また、端子部2をコネクタ7に挿着する際は、嵌合凸部8が上記のようにその厚み方向の突出寸法が内側ほど大きくなるような形状となっていることから、端子部2を挿着凹部9の開口に挿入しやすく、端子部2をコネクタ7に容易に挿着することができる。また、端子部2をコネクタ7から脱離する場合も、嵌合凸部8が嵌合凹部11に引っ掛かって嵌合凸部8と嵌合凹部11との凹凸嵌合が解除されなくなることを防ぎ、端子部2をコネクタ7から確実に脱離することができるようになる。
【0042】
この嵌合凸部8を有する補強層4の厚みは適宜設定されるが、例えば各樹脂層13aから13cの厚みを0.02〜1.00mmの範囲に形成し、嵌合凸部8の厚み(第二樹脂層13b及び第三樹脂層13cを併せた厚み)を0.06〜3.00mmの範囲に形成することができる。
【0043】
また、図4に示す例では、補強層4の厚みが、前端側ほど薄くなるように形成されている。このような補強層4を形成するためには、例えばまず端子部2の補強層4を形成する面全体に、樹脂組成物をスクリーン印刷法により塗布し、硬化することにより、第一樹脂層13aを形成する。この第一樹脂層13aに、更に複数の層を積層して形成する。図示の例では、第二樹脂層13b、第三樹脂層13c及び第四樹脂層13dを形成している。このとき、各層の後端側の端縁は全て同一位置に存在し、一方、前端側の端縁の位置は、上側の層ほど後端側に順次ずれていくようにする。これにより、前端側ほど厚みが薄くなるような形状を有する補強層4が形成される。
【0044】
この場合、端子部2をコネクタ7の挿着凹部9に挿着する際には、端子部2の前端側ではその厚みが薄いため、端子部2を挿着凹部9に挿入しやすくなる。また端子部2を挿着凹部9に押しこむと、挿着凹部9に挿入される補強層4の厚みが順次厚くなっていき、その厚みが挿着凹部9の開口寸法よりも大きくなると補強層4が弾性変形して、補強層4から挿着凹部9の内面へ弾性復元力がかけられる。このため、補強層4から挿着凹部9の内面に充分に大きな弾性復元力がかけられ、端子部2がコネクタ7から不用意に脱離しないようにすることができる。
【0045】
この補強層4の厚みは適宜設定されるが、例えば各樹脂層13a〜13dの厚みを0.02〜1.00mmの範囲に形成し、補強層4の先端部の厚みを0.02〜1.00mmの範囲、後端部の厚みを0.06〜3.00mmの範囲に形成することができる。
【0046】
また、上記補強層4を単一の樹脂層13で形成することもできる。この場合、補強層4を形成するために複数の樹脂層13を塗布成膜する必要が無くなって補強層4を形成するための工程を削減することができ、また形成される補強層4に段差が形成されなくなってコネクタ7に対する端子部2の挿抜をよりスムーズに行うことができるようになる。
【0047】
図5に示す例では、図2に示す例と同様に、端子部2の先端部では、補強層4がその厚み方向に突出しており、この突出部分が嵌合凸部8として形成されている。このとき、補強層4の嵌合凸部8は先端部側ほど厚みが厚くなるように連続的に厚みが変化する形状に形成されている。
【0048】
この場合、コネクタ7として、図示のように開閉自在な可動ロック部14を有し、可動ロック部14を閉じることによって挿着凹部9内に前記嵌合凸部8と嵌合係止し合う嵌合凹部11が形成されるものを用いれば、端子部2をコネクタ7に挿着した場合に可動ロック部14によって補強層4が押圧されると共に前記嵌合凸部8と嵌合凹部11とが凹凸嵌合し、端子部2がコネクタ7から容易には脱離しないようにすることができる。
【0049】
この嵌合凸部8を有する補強層4の厚みは適宜設定されるが、例えば嵌合凸部8が設けられていない箇所の厚みを0.02〜1.00mmの範囲に形成し、嵌合凸部8が設けられている箇所の厚みを0.12〜1.10mmの範囲で変化するように形成することができる。
【0050】
また、図6に示す例では、図3に示す例と同様に、補強層4が、厚みが前端側ほど薄くなるように形成されている。このとき補強層4が、厚みが連続的に変化する単一の樹脂層13にて形成されている。
【0051】
この場合、端子部2をコネクタ7の挿着凹部9に挿着する際には、端子部2の前端側ではその厚みが薄いため、端子部2を挿着凹部9に挿入しやすくなる。また端子部2を挿着凹部9に押しこむと、挿着凹部9に挿入される補強層4の厚みが順次厚くなっていき、その厚みが挿着凹部9の開口寸法よりも大きくなると補強層4が弾性変形して、補強層4から挿着凹部9の内面へ弾性復元力がかけられる。このため、補強層4から挿着凹部9の内面に充分に大きな弾性復元力がかけられ、端子部2がコネクタ7から不用意に脱離しないようにすることができる。
【0052】
この場合の補強層4の厚みも適宜設定されるが、例えば補強層4の先端の厚みが0.02〜1.00mm、後端の厚みが0.12〜1.10mmの範囲となるように、厚みの変化をつけて形成することができる。
【0053】
上記のような単一の樹脂層13からなる補強層4を、スクリーン印刷法により形成するための手法の一例を、図7に示す。
【0054】
図示の例では、スクリーン印刷時に絶縁基材5が配置される下治具15として、図示のように所定位置に凹所16が形成されたものを用いる。この凹所16は絶縁基材5における端子部2の嵌合凸部8の配置位置と合致する位置に形成される。この凹所16の深さは、端子部2の先端側に相当する位置ほど深くなるように、その深さが連続的に変化するように形成されている。
【0055】
このような下治具15の上に絶縁基材5を配置し、その上方にスクリーン版17を配置する。この状態でスクリーン版17の上に樹脂組成物18を供給すると共にスキージングを行うことにより、スクリーン印刷を施す。このスクリーン版17は補強層4の形成位置を除いて乳剤により目止めされている。
【0056】
このスクリーン印刷により樹脂組成物18はスクリーン版17から押し込まれて絶縁基材5上の補強層4の形成位置に塗布される。このとき上記凹所16に相当する位置でスキージングがなされる際に、凹所16の上方では樹脂組成物18が押し込まれることにより絶縁基材5が押圧され、凹所16の形状に沿って湾曲する。このため凹所16の形成位置では樹脂組成物18の塗布厚みが凹所16の形状に沿って厚く形成される。このように塗布された樹脂組成物18を成膜することにより、図5に示すような単一の樹脂層13からなる補強層4が形成される。
【0057】
このように凹所16を有する下治具15を用いれば、凹所16の位置及び形状を変更することにより、図5に示す例に限らず適宜の位置で適宜の厚み変化を有する補強層4を形成することができる。
【0058】
単一の樹脂層13からなる補強層4を、スクリーン印刷法により形成するための手法の他例を、図8に示す。
【0059】
図示の例では、スクリーン印刷時に用いられるスクリーン版17として、図示のように絶縁基材5側に対向する面の所定位置にスペーサ部材19を設けたものが用いられる。このスクリーン版17は補強層4の形成位置を除いて乳剤により目止めされており、スペーサ部材19はこのスクリーン版17における補強層4の先端部の外縁と合致する位置に設けられる。
【0060】
そして、下治具15の上に絶縁基材5を配置し、その上方に上記スクリーン版17を配置する。この状態でスクリーン版17の上に樹脂組成物18を供給すると共にスキージングを行うことにより、スクリーン印刷を施す。
【0061】
このスクリーン印刷により樹脂組成物18はスクリーン版17から押し込まれて絶縁基材5上の補強層4の形成位置に塗布される。このとき上記スペーサ部材19の付近でスキージングがなされる際に、スペーサ部材19が絶縁基材5と当接することによりスペーサ部材19と絶縁基材5との間の寸法が規制され、スクリーン版17が湾曲する。このため、樹脂組成物18の塗布厚みは前記スクリーン版17の湾曲に沿った厚みとなる。このように塗布された樹脂組成物18を成膜することにより、図5に示すような単一の樹脂層13からなる補強層4が形成される。
【0062】
このようなスペーサ部材19を備えるスクリーン版17を用いれば、図5に示す例に限らず、適宜の位置で適宜の厚み変化を有する補強層4を形成することができる。
【0063】
例えば図9では、スペーサ部材19をスクリーン版17における補強層4の後端部の外縁と合致する位置に設けている。
【0064】
この場合も、下治具15の上に絶縁基材5を配置し、その上方に上記スクリーン版17を配置する。この状態でスクリーン版17の上に樹脂組成物18を供給すると共にスキージングを行うことにより、スクリーン印刷を施す。
【0065】
このスクリーン印刷により樹脂組成物18はスクリーン版17から押し込まれて絶縁基材5上の補強層4の形成位置に塗布される。このとき上記スペーサ部材19の付近でスキージングがなされる際に、スペーサ部材19が絶縁基材5と当接することによりスペーサ部材19と絶縁基材5との間の寸法が規制され、スクリーン版17が湾曲する。このため、樹脂組成物18の塗布厚みは前記スクリーン版17の湾曲に沿った厚みとなる。このように塗布された樹脂組成物18を成膜することにより、図6に示すような単一の樹脂層13からなる補強層4が形成される。
【0066】
上記各実施形態のような補強層4を形成するにあたっては、加熱により発泡する材料を含有する樹脂組成物を用いて、補強層4を形成することもできる。この場合、補強層4を設けた端子部2の寸法を、コネクタ7の挿着凹部9の内部寸法よりも小さく形成する。この端子部2を挿着凹部9内に挿入した状態で補強層4を加熱すると、前記加熱により発泡する材料が発泡し、補強層4の体積が膨張する。このため、補強層4が挿着凹部9内に充填され、端子部2がコネクタ7から脱離しないようになる。このような補強層4の構成は、端子部2を一旦コネクタ7に挿着した後、この端子部2をコネクタ7から脱離しない場合に、好適に採用することができる。また、このような補強層4を形成すると、補強層4の厚みを薄く形成することができ、スクリーン印刷法による補強層4の形成が容易なものとなる。
【0067】
上記加熱により発泡する材料としては適宜のものを用いることができるが、炭化水素等の沸点の低い物質を封入した樹脂マイクロカプセルを挙げることができ、例えば松本油脂製薬株式会社製のマツモトマイクロスフェアーFシリーズ等の熱膨張マイクロカプセルを用いることができる。
【0068】
樹脂組成物中の熱膨張マイクロカプセルの含有量は、膨張前の補強層4の厚み、コネクタ7の挿着凹部9の寸法、熱膨張マイクロカプセルの発泡時の膨張率等に応じて適宜設定されるが、好ましくは組成物全量100重量部に対して0.01〜1重量部の範囲とする。
【0069】
以上説明したような端子部付きプリント配線板1には、必要に応じて抵抗、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、IC等の適宜の電子部品が実装される。
【実施例】
【0070】
(実施例1〜5)
厚み0.05mmのポリイミドフィルムを絶縁基材5とし、その表面にエッチング処理を施すことで導体配線6を形成すると共に、この導体配線6の一部として接触端子3を形成し、端子部付きプリント配線板1を得た。
【0071】
この端子部付きプリント配線板1の端子部2の寸法は、5.0×10.0mmであり、接触端子3はこの端子部2の一面に設けた。
【0072】
次に、この端子部2の他面に、スクリーン版17(ステンレス製印刷用メタルマスク版、厚み150μm)を用いてスクリーン印刷法により表1に示す組成を有する紫外線硬化性の樹脂組成物を塗布し、800mJ/cm2の条件で紫外線を照射することにより硬化させて、5.0mm×10.0mm×0.10mmの寸法の第一樹脂層13aを形成した。
【0073】
次に、スクリーン版17を用いてスクリーン印刷法により前記と同一の樹脂組成物を塗布し、前記と同一条件で硬化させて、2.0mm×10.0mm×0.05mmの寸法の第二樹脂層13bを形成した。
【0074】
これにより、図2に示すような嵌合凸部8を有する補強層4を形成した。
【0075】
尚、表1中のウレタンアクリレート樹脂は共栄社化学株式会社製の品番UF−8001、ビスフェノールA型エポキシアクリレート樹脂は昭和高分子株式会社製の品番SP−1510、フェノールノボラック型エポキシ樹脂は昭和高分子株式会社製の品番SP−4010、フィラーは富士タルク工業株式会社製の品番LMS−100である。
【0076】
(実施例6)
実施例1の場合と同様の端子部付きプリント配線板1を用い、この端子部付きプリント配線板1の端子部2の他面に、スクリーン印刷版を用いてスクリーン印刷法により実施例4と同一組成の紫外線硬化性の樹脂組成物を塗布し、800mJ/cm2の条件で紫外線を照射することにより硬化させて、5.0mm×10.0mm×0.10mmの寸法の第一樹脂層13aを形成した。
【0077】
次に、スクリーン版17を用いてスクリーン印刷法により前記と同一の樹脂組成物を塗布し、前記と同一条件で硬化させることにより、3.0mm×8.0mm×0.05mmの寸法の第二樹脂層13bと、1.0mm×6.0mm×0.05mmの寸法の第三樹脂層13cを順次形成した。
【0078】
これにより、図3に示すような嵌合凸部8を有する補強層4を形成した。
【0079】
(実施例7)
実施例1の場合と同様の端子部付きプリント配線板1を用い、この端子部付きプリント配線板1の端子部2の他面に、スクリーン版17を用いてスクリーン印刷法により実施例4と同一組成の紫外線硬化性の樹脂組成物を塗布し、800mJ/cm2の条件で紫外線を照射することにより硬化させて、5.0mm×10.0mm×0.10mmの寸法の第一樹脂層13aを形成した。
【0080】
次に、スクリーン版17を用いてスクリーン印刷法により前記と同一の樹脂組成物を塗布し、前記と同一条件で硬化させることにより、3.5mm×10.0mm×0.05mmの寸法の第二樹脂層13bと、2.0mm×10.0mm×0.05mmの寸法の第三樹脂層13cと、1.0mm×10.0mm×0.05mmの寸法の第四樹脂層13dとを順次形成した。
【0081】
これにより、図4に示すような嵌合凸部8を有する複数の樹脂層13a〜13dからなる補強層4を形成した。
【0082】
(実施例8)
実施例1の場合と同様の端子部付きプリント配線板1を用い、この端子部付きプリント配線板1の端子部2の他面に、スクリーン印刷版を用いてスクリーン印刷法により実施例4と同一組成の紫外線硬化性の樹脂組成物を塗布し、800mJ/cm2の条件で紫外線を照射することにより硬化させて、単一の樹脂層13からなる補強層4を形成した。
【0083】
スクリーン印刷にあたっては、下治具15として図7に示すように凹所16を有するものを用いることにより、補強層4の寸法を平面視5.0mm×10.0mmとし、厚みは先端が0.25mm、後端が0.15mmとなるように形成した。
【0084】
これにより、図5に示すような嵌合凸部8を有する、単一の樹脂層13からなる補強層4を形成した。
【0085】
(実施例9)
実施例1の場合と同様の端子部付きプリント配線板1を用い、この端子部付きプリント配線板1の端子部2の他面に、スクリーン印刷版を用いてスクリーン印刷法により実施例4と同一組成の紫外線硬化性の樹脂組成物を塗布し、800mJ/cm2の条件で紫外線を照射することにより硬化させて、単一の樹脂層13からなる補強層4を形成した。
【0086】
スクリーン印刷にあたっては、スクリーン印刷版として図9に示すようなスペーサ部材19を有するものを用いることにより、補強層4の寸法を平面視5.0mm×10.0mmとし、厚みは後端が0.25mm、先端が0.15mmとなるように形成した。
【0087】
これにより、図6に示すような、厚みが前端側ほど薄くなるように連続的に変化する、単一の樹脂層13からなる補強層4を形成した。
【0088】
(評価試験)
上記実施例1〜9にて得られた端子部付きプリント配線板1について、次の評価試験を行った。
【0089】
(1)密着性(セロハン粘着テープ剥離試験)
JIS Z1522に準じたセロハン粘着テープを補強層4に均一に貼り付けた後、引き剥がした際の、補強層4の様子を観察し、下記の基準で補強層4と絶縁基材5との間の密着性を評価した。
○…補強層4と絶縁基材5との間の剥がれは認められない。
×…補強層4と絶縁基材5との間に剥がれが発生。
【0090】
この結果を表1に併せて示す。
【0091】
(2)耐折り曲げ性(180度折り曲げ試験)
補強層4が設けられた端子部2を補強層4側が谷となるように180度折り曲げた後、元の状態に戻し、このときの補強層4の状態を下記の評価基準にて評価した。
○…補強層4にひび及び割れは認められない。
△…補強層4にひびが発生。
×…補強層4に割れが発生。
【0092】
この結果を表1に併せて示す。
【0093】
(3)鉛筆硬度
JIS K5600−5−4に準じ、三菱鉛筆株式会社製「ユニ」を用いて、補強層4の鉛筆硬度を測定した。
【0094】
この結果を表1に併せて示す。
【0095】
(4)挿抜性
端子部2をコネクタ7へ挿着し、挿着のし易さ、及び挿着後の端子部2の脱離のし難さを評価した。
【0096】
この結果、実施例7,9では、端子部2の先端をコネクタ7の挿着凹部9の開口に容易に位置合わせすることができ、またスムーズに挿着することができた。このうち実施例9では挿着時の抵抗が特に小さく、非常にスムーズに挿着できた。また、挿着後の端子部2はコネクタ7から容易には脱離せず、しっかりと保持された。
【0097】
また、実施例1〜6,8では、実施例7,8と比較すれば端子部2の先端をコネクタ7の挿着凹部9の開口に位置合わせするのに若干手間取り、端子部2をコネクタ7の挿着凹部9に挿入する際も多少の抵抗は感じたものの、充分にスムーズに挿着することができた。また、挿着後の端子部2はコネクタ7から容易には脱離せず、しっかりと保持された。特に可動ロック部14を有するコネクタ7に端子部2を挿着した場合には、ロックを解除しない限りコネクタ7から端子部2を脱離することは困難であった。
【0098】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は底面図、(b)及び(c)は平面図である。
【図2】(a)乃至(c)は、本発明の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図3】(a)乃至(c)は、本発明の実施の形態の他例を示す断面図である。
【図4】(a)乃至(c)は、本発明の実施の形態の更に他例を示す断面図である。
【図5】(a)乃至(c)は、本発明の実施の形態の更に他例を示す断面図である。
【図6】(a)乃至(c)は、本発明の実施の形態の更に他例を示す断面図である。
【図7】図5に示される補強層の形成方法の一例を示すものであり、(a)乃至(c)は断面図である。
【図8】図5に示される補強層の形成方法の他例を示すものであり、(a)乃至(c)は断面図である。
【図9】図6に示される補強層の形成方法の一例を示すものであり、(a)乃至(c)は断面図である。
【符号の説明】
【0100】
1 端子部付きプリント配線板
2 端子部
3 接触端子
4 補強層
5 絶縁基材
7 コネクタ
13 樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタに挿着される端子部を有し、前記端子部の一面に接触端子が設けられると共に他面に補強層が設けられ、前記補強層は樹脂組成物を成膜して形成されると共に厚み変化を有することを特徴とする端子部付きプリント配線板。
【請求項2】
上記補強層が複数の樹脂層を積層して形成されていると共に前記樹脂層の積層数が部分的に異なっていることを特徴とする請求項1に記載の端子部付きプリント配線板。
【請求項3】
上記補強層が単一の樹脂層で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の端子部付きプリント配線板。
【請求項4】
上記樹脂層が樹脂組成物をスクリーン印刷法にて塗布した後、硬化させて形成されたものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の端子部付きプリント配線板。
【請求項5】
上記補強層が、厚み方向に突出する嵌合凸部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の端子部付きプリント配線板。
【請求項6】
上記補強層が、前端側ほど厚みが薄くなるように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の端子部付きプリント配線板。
【請求項7】
上記樹脂組成物が、活性エネルギー線硬化性又は熱硬化性の樹脂組成物であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の端子部付きプリント配線板。
【請求項8】
上記補強層が、発泡性材料を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の端子部付きプリント配線板。
【請求項9】
フレキシブルフィルムにて形成された絶縁基材を具備することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の端子部付きプリント配線板。
【請求項10】
一面に接触端子が設けられた端子部を絶縁基材に形成し、前記端子部の他面にスクリーン印刷法により樹脂組成物を複数回塗布成膜して複数層の樹脂層を形成すると共に前記樹脂層の積層数を部分的に異ならせることによって、前記複数の樹脂層からなる厚み変化を有する補強層を形成することを特徴とする端子部付きプリント配線板の製造方法。
【請求項11】
一面に接触端子が設けられた端子部を絶縁基材に形成し、前記端子部の他面にスクリーン印刷法により樹脂組成物を一回だけ塗布成膜して厚み変化を有する樹脂層を形成することによって、前記単一の樹脂層からなる厚み変化を有する補強層を形成することを特徴とする端子部付きプリント配線板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−311568(P2007−311568A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−139396(P2006−139396)
【出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(000166683)互応化学工業株式会社 (57)
【出願人】(591129508)シライ電子工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】