説明

端末装置、判断装置、音声録音システム、及び音声録音方法

【課題】音声を録音する際に記憶容量や消費電力の無駄を低減することができる端末装置、判断装置、音声録音システム、音声録音方法を提供する。
【解決手段】端末装置10Aと端末装置10Bとの間で同じ音声を重複して録音される場合に、判断装置20は、各端末装置の録音状況、例えば、どちらがより鮮明に音声を録音することのできる状況にあるか、どちらの電池の残量が多いかなどの様々な状況に基づいて、一の端末装置のみを録音端末とする。従って、録音に最適な録音端末のみで共有音声データを録音することで、各々の端末装置が共有することのできる音声データを取得する一方で、録音端末以外の端末装置については、録音を停止することによって記憶容量や電力を消費することを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、判断装置、音声録音システム、及び音声録音方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話等の端末装置として、音声データを録音して蓄積する機能が取り付けられているものが増加している。そして、録音した音声データを効率的に検索する方法として、マイクから入力した音声をデジタル化した後、圧縮して音声データとし、操作パネルから諸情報を入力し、改ざん防止機能を付与した後、記憶装置に記憶させるものが知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−173185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、所定の音声を多数の端末装置で録音する場合、同じ場所にいるにも関わらずそれぞれの端末装置が重複して音声を録音することによって、記憶容量や消費電力の無駄が発生する場合があった。
【0004】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するために、音声を録音する際に記憶容量や消費電力の無駄を低減することのできる端末装置、判断装置、音声録音システム、音声録音方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の端末装置は、音声を電気信号として入力する音声入力手段と、音声を録音する録音手段と、自端末が音声を録音可能な状態であるか否かを判定する録音状況判定手段と、録音状況判定手段によって録音可能な状態であると判定された場合に、自端末が録音可能な状態であることを他端末に通知する録音通知手段と、他端末から、他端末が音声を録音可能な状態である旨の通知を受信する録音通知受信手段と、録音状況判定手段の判定結果と録音通知受信手段の受信結果に基づいて、自端末と他端末によって音声が重複録音される状態にあることを検知する重複録音検知手段と、重複録音検知手段によって重複録音される状態であることが検知された場合に、自端末及び他端末から録音端末を決定する判断を行う判断装置に対して、重複録音がなされる状態にあることを通知する重複録音通知手段と、判断装置から、自端末が録音端末か否かを示す通知を受信する録音端末通知受信手段と、判断装置によって、他端末が録音端末とされた場合は、自端末での録音を行わないように設定し、自端末が録音端末とされた場合は、自端末と他端末が共有する共有音声データとして音声を録音するように設定する録音設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の判断装置は、端末装置と他の端末装置が音声を重複して録音している旨の通知を端末装置及び他の端末装置から受信する重複録音通知受信手段と、端末装置と他の端末装置のうちいずれを録音端末とするか、それぞれの録音状況に基づいて決定する録音端末決定手段と、端末装置と他の端末装置が共有する共有音声データを録音する録音端末として、端末装置と他の端末装置のいずれが録音端末決定手段で決定されたかの通知を送信する録音端末通知送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の音声録音システムは、自端末と他端末との間で録音した音声を共有音声データとして共有する端末装置と、自端末と他端末から録音端末を決定する判断を行う判断装置と、共有音声データを蓄積する蓄積サーバとを備える音声録音システムであって、端末装置が、音声を電気信号として入力する音声入力手段と、音声を録音する録音手段と、自端末が音声を録音可能な状態であるか否かを判定する録音状況判定手段と、録音状況判定手段によって録音可能な状態であると判定された場合に、自端末が録音可能な状態であることを他端末に通知する録音通知手段と、他端末から他端末が音声を録音可能な状態である旨の通知を受信する録音通知受信手段と、録音状況判定手段の判定結果と録音通知受信手段の受信結果に基づいて、自端末と他端末によって音声が重複して録音される状態にあることを検知する重複録音検知手段と、重複録音検知手段によって重複録音される状態であることが検知された場合に、判断装置に対して、重複録音がなされる状態にあることを通知する重複録音通知手段と、判断装置によって、自端末が録音端末か否かを示す通知を受信する録音端末通知受信手段と、判断装置によって、他端末が録音端末とされた場合は、自端末での録音を行わないように設定し、自端末が録音端末とされた場合は、自端末と他端末が共有する共有音声データとして音声を録音するように設定する録音設定手段と、を備え、判断装置が、端末装置と他端末が音声を重複して録音している旨の通知を端末装置及び他端末から受信する重複録音通知受信手段と、端末装置と他端末のうちいずれを録音端末とするか、それぞれの録音状況に基づいて決定する録音端末決定手段と、録音端末として、端末装置と他端末のいずれが録音端末決定手段で決定されたかの通知を送信する録音端末通知送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る音声録音方法は、自端末と他端末との間で録音した音声を共有音声データとして共有する端末装置と、自端末と他端末のいずれを録音端末とするかを判断する判断装置と、共有音声データを蓄積する蓄積サーバとを備える音声録音システムによる音声録音方法であって、端末装置が、音声を電気信号として入力する音声入力ステップと、音声を録音する録音ステップと、自端末が音声を録音可能な状態であるか否かを判定する録音状況判定ステップと、録音状況判定ステップにおいて録音可能な状態であると判定された場合に、自端末が録音可能な状態であることを他端末に通知する録音通知ステップと、他端末から、他端末が音声を録音可能な状態である旨の通知を受信する録音通知受信ステップと、録音状況判定ステップの判定結果と録音通知受信ステップの受信結果に基づいて、自端末と他端末によって音声が重複して録音される状態にあることを検知する重複録音検知ステップと、重複録音検知ステップにおいて重複録音される状態であることが検知された場合に、判断装置に対して、重複録音がなされる状態にあることを通知する重複録音通知ステップと、判断装置によって、自端末と他端末のいずれを録音端末としたかの通知を受信する録音端末通知受信ステップと、判断装置によって、他端末が録音端末とされた場合は、自端末での録音を行わないように設定し、自端末が録音端末とされた場合は、自端末と他端末が共有する共有音声データとして音声を録音するように設定する録音設定ステップと、を備え、判断装置が、端末装置と他端末が音声を重複して録音している旨の通知を端末装置及び他端末から受信する重複録音通知受信ステップと、端末装置と他端末のうちいずれを録音端末とするか、それぞれの録音状況に基づいて決定する録音端末決定ステップと、録音端末として、端末装置と他端末のいずれが録音端末決定ステップで決定されたかの通知を送信する録音端末通知送信ステップと、を備えることを特徴とする。
【0009】
これらの発明によれば、端末装置が音声を録音可能な状態であるか否かを判定すると共に、端末装置が録音可能な状態であることを他端末に通知し、更に、他端末から、当該他端末が音声を録音可能な状態である旨の通知を受信することができ、それらに基づいて端末装置と他端末によって音声が重複録音される状態にあることを検知することができる。更に、端末装置と他端末との間の重複録音される状態であることが検知された場合に、その旨を端末装置及び他端末のうちいずれの端末を録音端末とするかを判断する判断装置に対して通知することで、判断装置は、端末装置と他端末のいずれを録音端末とするか決定することができる。そして、判断装置によって、他端末が録音端末とされた場合は、端末装置での録音を行わないように設定し、端末装置が録音端末とされた場合は、端末装置と他端末が共有する共有音声データとして音声を録音するように設定することができる。これによって、端末装置と他端末との間で同じ音声を重複して録音される場合に、判断装置は、各端末装置の録音状況、例えば、どちらがより鮮明に音声を録音することのできる状況にあるか、どちらの電池の残量が多いかなどの様々な状況に基づいて、一の端末装置のみを録音端末とすることができる。従って、録音に最適な録音端末のみで共有音声データを録音することで、各々の端末装置が共有することのできる音声データを取得する一方で、録音端末以外の端末装置については、録音を停止することによって記憶容量や電力を消費することを防止することができる。以上によって、音声を録音する際に記憶容量や消費電力の無駄を低減することができる。
【0010】
また、本発明の端末装置では、共有音声データとして音声を録音しているときであって、録音を停止する必要がある場合、録音が停止された後に共有音声データを蓄積サーバへ送信する共有音声データ送信手段を更に備えることが好ましい。
【0011】
このようにすれば、例えば、録音端末に係る端末装置のユーザが録音停止の操作を行った場合や、他端末から録音停止する旨の依頼を受信した場合や、判断装置から録音を停止する旨の依頼を受信した場合、その他、録音環境が変化(録音端末が移動することによって録音することができなくなった場合など)した場合など、録音を停止する必要がある場合には、共有音声データ送信手段で蓄積サーバへ共有音声データを送信することができる。これによって、録音端末の録音が停止された後に、当該録音端末が録音した共有音声データを蓄積サーバから読み出すことで各端末装置が共有することができる。
【0012】
また、本発明の端末装置では、判断装置から、録音端末の対象となる端末を変更する旨の通知を受信する録音端末変更通知受信手段と、自端末以外の端末からの録音停止の依頼を受信する録音停止依頼受信手段と、自端末以外の端末に録音停止の依頼を送信する録音停止依頼送信手段と、共有音声データとして音声を録音することを停止した後に、その旨の通知を自端末以外の端末へ送信する録音停止通知送信手段と、を更に備え、自端末以外の端末から自端末へ録音端末が変更される場合、録音手段は共有音声データとして音声を録音すると共に、録音停止依頼手段は録音停止の依頼を送信し、自端末から自端末以外の端末へ録音端末が変更される場合、録音停止依頼受信手段の受信によって、録音手段は共有音声データとして音声を録音することを停止すると共に、録音停止通知送信手段は自端末以外の端末へ録音停止した旨を通知することが好ましい。
【0013】
また、本発明の判断装置では、録音端末を変更する録音端末変更手段を更に備え、録音端末通知送信手段は、録音端末変更手段で変更した録音端末の通知を送信することが好ましい。
【0014】
このようにすれば、録音端末を状況に応じて適切な端末装置に変更することが可能となる。例えば、録音端末が共有音声データの録音を行って所定時間経過したときに、他端末との録音負荷を均等にする目的で録音端末を変更することが可能となり、録音端末の録音環境が変化(録音端末が鞄の中に入ってしまった場合など)した旨の通知を受信したときに、良質な音声を録音する目的で録音端末を変更することが可能となり、あるいは、録音端末から電池残量が少ない旨の通知を受信したときに、確実に録音を続行する目的で録音端末を変更することが可能となる。以上によって、音声の録音中に、状況に応じて適切な端末装置で共有音声データを録音することが可能となる。
【0015】
また、本発明の端末装置では、自端末と自端末以外の端末で共有音声データを共有する共有モードから単一モードへ切り替える旨の通知を判断装置から受信するモード切替通知受信手段と、モード切替通知受信手段が単一モードへの切替通知を受信した場合に、共有音声データを蓄積サーバへ送信する共有音声データ送信手段を更に備えることが好ましい。
【0016】
このようにすれば、他の端末装置と共有音声データを共有する共有モードが解除される場合には、蓄積サーバへ共有音声データを送信することができる。これによって、共有モードが解除された後に、録音端末が録音した共有音声データを蓄積サーバから読み出すことで各端末装置が共有することができる。
【0017】
また、本発明の判断装置では、共有音声データを共有する共有モードから単一モードへ切り替えるモード切替手段を更に備え、録音端末変更手段が、録音端末を変更する必要があると判断した場合であって、変更可能な端末装置の数が一のみと判断した場合、モード切替手段は共有モードから単一モードへ切り替えることが好ましい。
【0018】
このようにすれば、録音端末を変更する必要があって、変更可能な端末装置の数が一のみしかない場合は、複数の端末装置で共有音声データを共有することができないので、共有モードを解除することができる。一方、変更可能な端末装置が複数ある場合は、残りの端末装置で共有音声データの共有を続行することができる。
【0019】
また、本発明の端末装置では、共有音声データを蓄積する蓄積サーバ内の情報の検索条件を入力する検索条件入力手段と、検索条件入力手段で入力された検索条件を蓄積サーバへ送信する検索条件送信手段と、蓄積サーバからの検索結果を受信する検索結果受信手段と、を更に備えることが好ましい。このようにすれば、各端末装置から必要な共有音声データを蓄積サーバ内から確実に取得することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る端末装置、判断装置、音声録音システム、音声録音方法によれば、音声を録音する際に記憶容量や消費電力の無駄を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る端末装置、判断装置、音声録音システム、及び音声録音方法の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0022】
図1は、本実施形態に係る音声録音システム1の構成を示す図である。図1に示すように、音声録音システム1は、複数の端末装置10A,10B,10Cと、判断装置20と、蓄積サーバ30とを備えて構成されている。各装置は、通信ネットワーク40を介して接続されている。なお、説明のために端末装置は図1において3台のみ示されているが、更に多くの端末装置を用いてもよい。
【0023】
端末装置10Aは、自端末が在圏する無線エリアをカバーする基地局(不図示)と無線通信を行い、通話サービスあるいはパケット通信サービスを受ける携帯電話である。また、この端末装置10Aは、携帯電話に限られず、簡易型携帯電話機(PHS)や通信機能を有する携帯型情報端末(PDA)等の携帯端末であってもよい。本実施形態においては、端末装置10Aは、音声を録音する機能を備えており、他の端末装置10B,10C、及び図示されない複数の端末装置との間で録音した音声を共有することができる。なお、端末装置10B,10Cは端末装置10Aと同様の機能・構成を有しているため、端末装置10Aのみについて説明する。
【0024】
図2は、端末装置10Aの構成を示すブロック構成図である。図2に示すように、端末装置10Aは、制御部101と、記憶部(録音手段)102と、スピーカ103と、通信部104と、マイク(音声入力手段)105と、入力部106とを備えて構成されている。記憶部102は、携帯電話等に内蔵されたメモリや携帯電話に挿入されるカード型情報記憶媒体などによって構成されており、音声を録音する機能を有している。具体的には、記憶部102は、マイク105から入力された音声データや蓄積サーバ30から取得した共有音声データを記憶させておく機能を有している。スピーカ103は、携帯電話等に内蔵されているスピーカから構成されており、デジタル信号として記憶されている音声データを音声アナログ信号として再生する機能を有している。通信部104は、通信ネットワーク40を介して判断装置20や蓄積サーバ30と無線通信を行う機能を有しており、更に、他の端末装置とBluetooth(登録商標)方式などによって近距離無線通信を行うこともできる。マイク105は、携帯電話等に内蔵されているマイクによって構成されており、音声を電気信号として入力する機能を有している。入力部106は、携帯電話の操作パネルの操作ボタンなどによって構成されており、例えば、蓄積サーバ30に蓄積された共有音声データを読み出す際に、再生したい共有音声データの検索条件を入力することができる。
【0025】
制御部101は、CPUやROMやRAMなどから構成されており、録音状況判定部(録音状況判定手段)110、録音通知送受信部(録音通知手段、録音通知受信手段)111、重複録音検知部(重複録音検知手段)112、重複録音通知部(重複録音通知手段)113、録音端末通知受信部(録音端末通知受信手段)114、録音設定部(録音設定手段)116、共有音声データ送信部117、録音端末変更通知受信部(録音端末変更通知受信手段)115、録音停止依頼送受信部(録音停止依頼受信手段、録音停止依頼送信手段)118、録音停止通知部(録音停止通知送信手段)119、重複削除部121、モード切替通知受信部(モード切替通知受信手段)122、共有停止部123、検索条件送信部(検索条件送信手段)124、検索結果受信部(検索結果受信手段)126を有している。
【0026】
録音状況判定部110は、自端末が音声を録音可能な状態であるか否かを判定する機能を有している。録音状況判定部110は、具体的には、端末装置10Aに内蔵されているジャイロセンサ(不図示)の検知結果に基づいて自端末が移動中ではないと判断した場合、あるいは、端末装置10Aに内蔵されている光センサ(不図示)の検知結果に基づいて自端末がカバンの中に無いと判断した場合などは、自端末が音声を録音するのに適した状態であると判定することができる。また、これに限らず、録音状況判定部110は、短時間音声サンプリングを行い、その品質を測定することによって録音に適した状況であるかを判定してもよい。
【0027】
録音通知送受信部111は、録音状況判定部110によって自端末が録音可能な状況であると判定された場合に、自端末が録音可能な状況であることを自端末の周辺に存在する他端末に通知する機能を有すると共に、他端末から、当該他端末が音声を録音可能な状態である旨の通知を受信する機能を有している。自端末の周辺に存在する他端末の検知は、通信部104の近距離無線通信などの公知の技術によって行う。
【0028】
重複録音検知部112は、録音状況判定部110の判定結果と録音通知送受信部111の受信結果に基づいて、自端末と他端末によって音声が重複して録音される状態(以下、重複録音と呼ぶ)にあることを検知する機能を有している。重複録音検知部112は、具体的には、録音状況判定部110によって自端末が音声を録音するのに適した状況であると判定されると共に、録音通知送受信部111で、他端末から、当該他端末が音声を録音可能な状態である旨の通知を受信した場合に、重複して録音される状態にあることを検知する。
【0029】
重複録音通知部113は、重複録音検知部112によって重複録音される状態であることが検知された場合に、判断装置20に対して、重複録音がなされる状態にあることを通知する機能を有している。
【0030】
録音端末通知受信部114は、判断装置20がどの端末装置を録音端末として決定したかの通知を受信する機能を有している。また、録音端末の通知に含まれる録音端末の識別子と共有に係る識別子を抽出する。なお、この「共有に係る識別子」とは、録音端末が録音した共有音声データを判断装置20にアップロードする際に使用する識別子である。
【0031】
録音設定部116は、判断装置20によって、他端末が録音端末とされた場合は、自端末での録音を行わないように設定し、自端末が録音端末とされた場合は、自端末と他端末が共有する共有音声データとして音声を録音するように設定する機能を有している。具体的には、録音端末通知受信部114で受信された録音端末の識別子と自端末の識別子とを比較することによって、自端末が録音端末として指定されたか否かを判定し、指定されたと判定しなかった場合は録音を停止するように設定し、指定されたと判定した場合は共有に係る識別子を用いる旨の設定(以下、共有モード設定と呼ぶ)を行い、自端末が録音端末として機能するような設定を行う。
【0032】
共有音声データ送信部117は、共有音声データとして音声を録音しているときに、録音を停止すべきと判断された場合、録音が停止された後に共有音声データを蓄積サーバ30へ送信する機能を有している。録音を停止すべきと判断される場合とは、例えば、録音端末に係る端末装置のユーザが録音停止の操作を行った場合や、他端末から録音停止する旨の依頼を受信した場合や、判断装置20から録音を停止する旨の依頼を受信した場合、その他、録音環境が変化(録音端末が移動することによって録音することができなくなった場合など)した場合である。
【0033】
録音端末変更通知受信部115は、判断装置20から、録音端末の対象となる端末装置を変更する旨の通知を受信する機能を有している。
【0034】
録音停止依頼送受信部118は、他の端末装置から録音端末へ自端末を変更する旨の決定がなされた場合に、現在の録音端末に対し、音声データとして音声を録音することを停止する旨の依頼を送信する機能と、自端末から自端末以外の端末へ録音端末を変更する旨の判断がなされた場合に、自端末以外の端末から録音停止の依頼を受信する機能を有している。
【0035】
録音停止通知部119は、録音端末の変更により共有音声データとして音声を録音することを停止した後に、その旨の通知を新たに録音端末として設定された端末装置へ送信する機能を有している。この通知には、録音を停止した時刻が含まれる。
【0036】
重複削除部121は、変更前の録音端末が録音していた共有音声データと、新たな録音端末として自己が録音していた共有音声データとの間で、重複している部分がある場合は、当該重複部分を削除する機能を有している。具体的には、重複削除部121は、変更前の録音端末の録音停止通知部119の通知に含まれる時刻と、自端末が録音を開始した時刻を比較し、共有音声データに重複があることを検知すると共に、重複部分に係る共有音声データを削除する機能を有している。
【0037】
モード切替通知受信部122は、自端末と他の端末で共有音声データを共有する共有モードを解除して単一モードへ切り替える旨の通知を判断装置20から受信する機能を有している。
【0038】
共有停止部123は、自端末が録音端末として共有音声データを録音している途中で、自端末での録音が不可能となることによって、データ共有を停止すべきと判断する機能を有している。データ共有を停止すべき状況は、例えば、自端末の録音環境が変化(自端末が移動中になった場合、自端末が鞄の中に入った場合など)によって録音が不可能になった場合、あるいは、自端末のユーザによって録音停止のボタンが押された場合などである。
【0039】
検索条件送信部124は、入力部106で入力された検索条件を蓄積サーバ30へ送信する機能を有している。また、検索結果受信部126は、蓄積サーバ30からの検索結果を受信する機能を有している。入力する検索条件としては、自端末の識別子、音声を録音した日時、周囲に存在した他端末の識別子、音声を録音したときの自端末の位置(ただし、自端末の測位が可能な場合)、共有に係る識別子などが挙げられる。
【0040】
図3は、判断装置20の構成を示すブロック構成図である。図3に示すように、判断装置20は、サーバ等から構成されており、端末装置10A,10B,10Cなどの複数の端末装置が音声データを共有する際に、何れの端末装置を共有音声データとして音声を録音する端末(以下、録音端末と呼ぶ)とするかの判断を行う装置である。判断装置20は、判断部201、状況管理部202、通信部203を備えて構成されている。通信部203は、通信ネットワーク40と無線あるいは有線で接続されることによって、各端末装置10A〜10Bと通信を行う機能を有している。
【0041】
判断部201及び状況管理部202は、CPU、ROM、RAMやメモリなどから構成されている。判断部201は、いずれの端末装置を録音端末とするかの判断を行う機能を有しており、録音端末決定部(録音端末決定手段)206、録音端末通知部(録音端末通知送信手段)207、録音端末変更部(録音端末変更手段)208、モード切替部(モード切替手段)209を有している。また、状況管理部202は、各端末装置10A,10B,10Cの録音状況を管理する機能を有しており、重複録音通知受信部(重複録音通知受信手段)211、状況記憶部212を有している。なお、録音状況とは、例えば、録音品質の良し悪しや、継続録音時間などである。
【0042】
録音端末決定部206は、重複録音を行っている複数の端末装置のうちいずれを録音端末とするか、それぞれの録音状況に基づいて決定する機能を有している。録音端末決定部206は、具体的には、状況管理部202の状況記憶部212に蓄積されている各端末装置の録音状況に関する情報、例えば、録音品質の良し悪し、継続録音時間に基づいて録音端末を決定する。録音端末決定部206は、例えば、重複録音を行っている複数の端末装置のうち、最も録音品質がよいものを録音端末とすることができ、あるいは、継続録音時間が閾値以下であって録音品質が閾値以上である端末装置を録音端末とすることができる。また、録音端末決定部206は、録音端末変更部208の判定に基づいて、録音端末を変更する際に、新たな録音端末を決定する機能も有している。
【0043】
録音端末通知部207は、複数の端末装置のうち、録音端末決定部206で録音端末として決定された端末装置が、各々の共有する共有音声データとして音声を録音するように、各端末装置に録音端末の通知を送信する機能を有している。この通知には、録音端末として決定された端末装置の識別子が含まれている。また、通知を受けた端末装置では、共有モードの設定を行う必要があるため、通知には共有に関わる識別子を含むことが好ましい。
【0044】
録音端末変更部208は、録音端末を他の端末装置へ変更する機能を有している。この録音端末変更部208は、現在の録音端末を他の端末装置に変更するべきと判定した場合は、録音端末決定部206へ信号を送信して新たな録音端末を決定させる機能を有している。録音端末を変更させる必要がある場合とは、例えば、録音端末が共有音声データの録音を行って所定時間経過したときに、他端末との録音負荷を均等にする目的で録音端末を変更する必要がある場合、録音端末の録音環境が変化(録音端末が鞄の中に入ってしまった場合など)した旨の通知を受信したときに、良質な音声を録音する目的で録音端末を変更する必要がある場合、あるいは、録音端末から電池残量が少ない旨の通知を受信したときに、確実に録音を続行する目的で録音端末を変更する必要がある場合などである。また、録音端末変更部208は、録音端末時に変更可能な端末装置の数を計数する機能を更に有しており、録音端末の録音環境の変化によって録音を続行できなくなった場合に、変更可能な他の端末装置が一つである場合は、共有モードを解除するべきと判断する機能を有している。
【0045】
モード切替部209は、共有音声データを共有する共有モードから単一モードへ切り替える機能を有している。具体的には、モード切替部209は、録音端末変更部208が、録音端末の録音環境の変化によって他の端末装置へ録音端末を変更する必要があると判断した場合であって、変更可能な他の端末装置の数が一のみと判断した場合は、各端末装置について、共有モードから単一モードへ切り替える機能を有している。
【0046】
重複録音通知受信部211は、端末装置の重複録音通知部113からの通知、及び当該通知に含まれる録音品質、継続録音時間及び端末の識別子などの各情報を受信する機能を有している。また、状況記憶部212は、受信したそれらの情報を記憶する機能を有している。状況記憶部212は、判断部201からの要求に応じて、所定のタイミングで蓄積した情報を判断部201に出力する機能を有している。
【0047】
図4は、蓄積サーバ30の構成を示すブロック構成図である。図4に示すように、蓄積サーバ30は、サーバから構成されており、端末装置10A〜10Cから出力された共有音声データを蓄積する機能を有している。蓄積サーバ30は、端末装置10A〜10C及び判断装置20と通信ネットワーク40を介して通信を行う通信部303と、共有音声データを蓄積する蓄積部301と、蓄積された共有音声データを検索する検索部302とから構成されている。
【0048】
蓄積部301は、共有音声データ受信部304と、記憶部306とから構成されている。共有音声データ受信部304は、端末装置10A〜10Cから送信される共有音声データ、録音端末の識別子、及び共有に係る識別子を受信する機能を有している。また、記憶部306は、共有音声データ受信部304で受信した共有音声データ等を記憶し、データの呼び出しがあった場合に共有音声データを出力する機能を有している。
【0049】
検索部302は、検索条件受信部307と、検索実行部308とから構成されている。検索条件受信部307は、端末装置10A〜10Cで共有音声データを再生する際に、端末装置10A〜10Cの入力部106で入力された共有音声データの条件を受信する機能を有している。また、検索実行部308は、検索条件受信部307で受信した検索条件に基づいて、蓄積部301の記憶部306に記憶された共有音声データの中から条件にあうデータを検索すると共に、通信部303を介して端末装置10A〜10Cに検索結果を出力する機能を有している。
【0050】
次に、図5〜図11を参照して、本発明の実施形態に係る音声録音方法について説明する。図5は、本発明の実施形態に係る音声録音システム1の音声録音処理の流れを説明するためのシーケンス図である。以下の説明においては、まず端末装置10Aと端末装置10Bとの間で共有音声データの共有を行うものとし、端末装置10Cは、処理の途中で新たに共有音声データを共有する端末として追加されるものとする。図5の処理は端末装置10A,10Bが音声の録音を開始した時から所定のタイミングで実行される。図5に示すように、音声録音システム1では、端末装置10A,10Bとが同じ音声を重複して録音していることを検知する重複検知処理(ステップS1)と、端末装置10A,10Bのうち何れを録音端末とするかを決定する録音端末決定処理(ステップS2)と、録音端末が共有音声データを録音している途中で録音端末を他の端末装置に切り替える録音切替処理(ステップS3)と、端末装置同士の共有音声データの共有を停止するための共有停止処理(ステップS4)が実行される。なお、ステップS3の処理は音声録音処理の中で適宜繰り返されるものであり、端末装置10A,10B(あるいは新たに追加される端末装置10C)同士の間で録音端末の切り替えが繰り返し行われる。あるいは、状況によっては、ステップ3の処理が行われることなく音声録音処理が終了してもよい。
【0051】
図6は、図5に示すステップS1の処理の詳細を示すシーケンス図である。図6に示すように、端末装置10A及び端末装置10Bの録音状況判定部110は、それぞれ自端末が音声を録音可能な状態であるか否かを判定する(ステップS101,S102)。例えば、端末装置が移動中である場合、カバンの中にある場合、あるいは短時間音声サンプリングの結果により品質が不十分であると判断した場合は、自端末が音声を録音するのに適していないと判定し(ステップS101,S102;NO)、音声録音処理を終了する。
【0052】
一方、端末装置10Aの録音状況判定部110が、自端末は音声を録音するのに適した状態であると判定した場合(ステップS101;YES)、端末装置10Aの録音通知送受信部111は、自端末が録音可能な状態であることを自端末の周囲に存在する他端末、すなわち端末装置10Bに通知する(ステップS103)。また、端末装置10Bの録音状況判定部110が、自端末は音声を録音するのに適した状態であると判定した場合(ステップS102;YES)、端末装置10Bの録音通知送受信部111は、自端末が録音可能な状態であることを自端末の周囲に存在する他端末、すなわち端末装置10Aに通知する(ステップS104)。
【0053】
次に、端末装置10Aの重複録音検知部112は、自端末と他端末で重複して録音が行われているか否かの検知を行う。この検知は、自端末と他端末の両方で録音可能な状況であると判定されたか否かを検知することによって行われる。具体的には、重複録音検知部112は、録音通知送受信部111で端末装置10Bからの通知を受信したか否かを判定する(ステップS105)。端末装置10Aの録音通知送受信部111で端末装置10Bからの通知を受信していないと判定された場合は、再びステップS101の処理が行われる(ステップS105;NO)。一方、端末装置10Aの録音通知送受信部111で端末装置10Bからの通知を受信していると判定された場合は重複録音される状態であることを検知し、図6の処理が終了してステップS2の処理が実行される(ステップS105;YES)。また、端末装置10Bの重複録音検知部112は、録音通知送受信部111で端末装置10Aからの通知を受信したか否かを判定する(ステップS106)。また、端末装置10Bの録音通知送受信部111で端末装置10Aからの通知を受信していないと判定された場合は、再びステップS102の処理が行われる(ステップS106;NO)。一方、端末装置10Bの録音通知送受信部111で端末装置10Aからの通知を受信していると判定された場合は重複録音される状態であることを検知し、図6の処理が終了してステップS2の処理が実行される(ステップS106;YES)。
【0054】
図7は、図5に示すステップS2の処理の詳細を示すシーケンス図である。図7に示すように、端末装置10Aの重複録音通知部113は、判断装置20の状況管理部202における重複録音通知受信部211に対して、重複録音がなされる状態にあることを通知する(ステップS201)。この重複録音通知には、少なくとも端末装置10Aにおける録音品質、継続録音時間及び端末の識別子が含まれる。また、端末装置10Bの重複録音通知部113は、判断装置20に対して、重複録音がなされる状態にあることを通知する(ステップS202)。この重複録音通知には、少なくとも端末装置10Bにおける録音品質、継続録音時間及び端末の識別子が含まれる。なお、端末装置10A,10Bの重複録音通知部113による通知、及び録音品質等の各情報は、判断装置20の状況管理部202における状況記憶部212に蓄積されて管理される。
【0055】
次に、判断装置20の判断部201における録音端末決定部206は、重複録音を行っている全ての端末装置(本実施形態では端末装置10A及び端末装置10B)から重複録音通知を受信したか否かを判定する(ステップS203)。録音端末決定部206は、全ての端末装置から重複録音通知を受信していないと判定した場合(ステップS203;NO)は、再び受信したか否かの判定を行う(ステップS201〜S203)。一方、全ての端末装置から重複録音通知を受信したと判定した場合(ステップS203;YES)は、各端末装置の録音状況に基づいていずれを録音端末とするかを決定する(ステップS204)。判断装置20の判断部201における録音端末通知部207は、端末装置10A、及び端末装置10Bのそれぞれに対して、いずれの端末装置が録音端末として決定されたかの通知を行う(ステップS205)。この通知には、録音端末として決定された端末装置の識別子、共有に関わる識別子が含まれる。端末装置10A,10Bの録音端末通知受信部114は、判断装置20の録音端末通知部207からの通知を受信する。
【0056】
次に、端末装置10A,10Bの録音設定部116は、判断装置20の録音端末通知受信部114からの通知に基づき、指定された録音端末の識別子と自端末の識別子とを比較することによって、自端末が録音端末として指定されたか否かを判定する(ステップS206,S207)。自端末が指定されなかったと判定した場合(ステップS206,S207;NO)は、自端末での録音を停止するように設定する(ステップS208,S209)。一方、自端末が録音端末として指定されたと判定した場合(ステップS206,S207;YES)、自端末の共有モード設定を行う(ステップS210,S211)。これによって、端末装置10A,10Bのうち、録音端末として指定された端末装置のみが録音を行い、他方の端末装置は録音を停止する。ステップS208〜S211が終了するとステップS2の処理は終了し、ステップS3の処理が実行される。
【0057】
図8は、図5に示すステップS3の処理の詳細を示すシーケンス図である。図8では、現在録音端末として共有音声データを録音している端末を端末装置10Aとして、端末装置10Aによる録音が一定時間経過した場合に、新規の録音端末として端末装置10Bに変更する場合について説明する。図8に示すように、判断装置20の判断部201の録音端末変更部208は、現在の録音端末である端末装置10Aによる録音が、予め設定した所定時間を経過したか否かを判定する(ステップS301)。録音端末変更部208は、一定時間経過していないと判定した場合(ステップS301;NO)は、繰り返し所定時間を経過したか否かを判定する(ステップS301)。端末装置10Aによる録音が所定時間を経過したと判定した場合(ステップS301;YES)は、録音端末を端末装置10Aから他端末へ変更するものとして録音端末決定部206で新たな録音端末を決定させる。
【0058】
次に、判断装置20の判断部201の録音端末決定部206は、録音端末変更部208の判定に基づいて、端末装置10Bを新たな録音端末とする旨の決定を行う(ステップS302)。更に、判断装置20の判断部201の録音端末通知部207は、新たに録音端末として決定された端末装置10Bの録音端末変更通知受信部115に、その旨及び現在の端末装置10A及び新たな端末装置10Bの識別子が含まれた通知を行う(ステップS303)。この通知は、新たに録音端末として決定された端末装置10Bのみに通知される。なお、端末装置10A周辺に端末装置10B以外の端末装置が存在する場合は、その端末装置を新たな録音端末として決定してもよい。
【0059】
次に、新たに録音端末として決定された端末装置10Bの制御部101の録音端末通知受信部114は、判断装置20の録音端末通知部207の通知を受信し、端末装置10Bの制御部101の録音設定部116は、自端末を録音端末として共有音声データを録音するように設定を行う(ステップS304)。その後、端末装置10Bの制御部101の録音停止依頼送受信部118は、端末装置10Aに対して録音の停止をする旨の依頼を送信する(ステップS305)。端末装置10Aの録音停止依頼送受信部118は、端末装置10Bからの録音停止依頼を受信する。
【0060】
次に、端末装置10Aの制御部101の録音設定部116は、空白地帯検知を行い(ステップS306)、空白地帯が検知できなかった場合(ステップS306;NO)は、繰り返し空白地帯の検知を行い、検知できた場合は(ステップS306;YES)、録音停止の設定を行う(ステップS307)。次に、端末装置10Aの制御部101の録音停止通知部119は、録音を停止した時刻と共に、共有音声データとして音声を録音することを停止した旨の通知を新たな録音端末である端末装置10Bへ送信する(ステップS308)。
【0061】
次に、端末装置10Bの制御部101の重複削除部121は、ステップS308に係る通知に含まれる時刻と、自端末が録音を開始した時刻を比較し、共有音声データに重複があることを検知すると共に、重複部分に係る共有音声データを削除する(ステップS309)。これによって、記憶容量の無駄を防止することができる。
【0062】
次に、端末装置10Aの制御部101の共有音声データ送信部117は、ステップS307で録音停止がなされるまでの間に録音された共有音声データを、録音端末の識別子、共有に係る識別子と共に蓄積サーバ30へ送信する(ステップS310)。蓄積サーバ30の蓄積部301は、共有音声データ受信部304で共有音声データ等を受信すると共に、記憶部306内にデータの蓄積を行う(ステップS311)。ステップS311が終了すると図8に示す処理が終了し、ステップS4の処理が実行される。
【0063】
図9は、図5に示すステップS4の処理の詳細を示すシーケンス図である。図9では、録音端末として共有音声データを録音している端末を端末装置10Bとして、共有の停止がなされた後に端末装置10Aが単独で音声の録音を行う場合について説明する。図9に示すように、端末装置10Bの制御部101の共有停止部123は、自端末が鞄の中に入ったり、移動中になったり、ユーザによって録音停止ボタンが押されることによって、自端末が録音を続行することが不可能であるためデータ共有を停止すべきと判断した場合は(ステップS401)、判断装置20に対して共有停止依頼を送信する(ステップS402)。
【0064】
次に、判断装置20の判断部201の録音端末変更部208は、端末装置10Bからの共有停止依頼に基づいて、音声データの共有が可能であるか否かを判定する(ステップS403)。具体的には、新たに変更可能な端末装置の数を計数し、変更可能な端末数が一以上である場合(例えば、端末装置10Bの周辺に端末装置10Aの他、新たに端末装置10Cも存在することとなった場合)は、共有可能であると判定し(ステップS403;YES)ステップS3´の録音端末変更処理へ移行する。ステップS3´の処理の詳細については、後述する。一方、変更可能な端末数が一つであった場合(ステップS403;NO)は、共有不可能であり共有モードを解除するべきと判断する。次に、判断装置20の判断部201のモード切替部209は、端末装置10A及び端末装置10Bに対して共有モードを解除して、通常の単一モード、すなわち個々の端末装置が個別に音声を録音するモードへモード切替を依頼する(ステップS404)。
【0065】
端末装置10Aは、制御部101のモード切替通知受信部122で、モード切替の通知を受信した後、録音設定部116で共有モードの解除を行うと共に音声の録音を開始するように設定し(ステップS405)、判断装置20に対して録音を開始した旨の通知を送信する(ステップS406)。判断装置20の判断部201のモード切替部209は、端末装置10Aから録音通知を受信したら、共有の停止が成功したとみなし、端末装置10Bに対して共有停止成功報知を行う(ステップS407)。端末装置10Bの制御部101の共有音声データ送信部117は、共有音声データ等を蓄積サーバ30へ送信する(ステップS408)。蓄積サーバ30の蓄積部301の共有音声データ受信部304は、受信した共有音声データ等を記憶部306に蓄積する(ステップS409)。ステップS409の処理が終了すると、図9に示す処理が終了し、本実施形態に係る音声共有処理が終了する。
【0066】
次に、録音端末変更処理ステップS3´について詳細に説明する。図10は、図9に示すステップS3´の処理の詳細を示すシーケンス図である。図10では、録音端末として共有音声データを録音している端末を端末装置10Bとして、共有の停止がなされた後に、端末装置10Aと端末装置10Cが音声データの共有をする場合であって、新規な録音端末を端末装置10Cとした場合について説明する。図10に示すように、判断装置20の判断部201の録音端末決定部206は、端末装置10A,10Cの中から録音に適した端末装置を録音端末変更部208で判定した後、端末装置10Cを新たな録音端末とする旨の決定を行う(ステップS501)。更に、判断装置20の判断部201の録音端末通知部207は、新たに録音端末として決定された端末装置10Cに、その旨及び現在の端末装置10B及び新たな端末装置10Cの識別子が含まれた通知を行う(ステップS502)。この通知は、新たに録音端末として決定された端末装置10Cのみに通知される。
【0067】
次に、新たに録音端末として決定された端末装置10Cの制御部101の録音端末通知受信部114は、判断装置20の録音端末通知部207の通知を受信し、端末装置10Cの制御部101の録音設定部116は、自端末を録音端末として共有音声データを録音するように設定を行い(ステップS503)、判断装置20に対して録音を開始した旨の通知を送信する(ステップS504)。判断装置20の判断部201のモード切替部209は、端末装置10Cから録音通知を受信したら、共有の停止が成功したとみなし、端末装置10Bに対して共有停止成功報知を行う(ステップS505)。
【0068】
次に、端末装置10Bの制御部101の共有音声データ送信部117は、共有音声データの録音が停止済みであるか否かを判定する(ステップS506)。録音が停止済みでないと判定されたら(ステップS506;NO)、録音を停止する(ステップS507)。録音を停止した後、あるいは、録音が停止済みあると判定された(ステップS506;YES)後、共有音声データ等を蓄積サーバ30へ送信する(ステップS508)。蓄積サーバ30の蓄積部301の共有音声データ受信部304は、共有音声データ等を受信して記憶部306に蓄積する(ステップS509)。蓄積サーバ30のステップS509の処理が終了すると、図10に示す処理が終了し、端末装置10Aと端末装置10Cとの間で図9に示すステップS4と同様の処理が実行される。なお、共有の停止がなされるまでの間に録音端末の変更がなされる場合はステップS3の処理が実行される。
【0069】
次に、図5に示す処理を行うことによって取得した共有音声データを再生する場合の処理について図11を参照して説明する。図11は、蓄積サーバ30に蓄積された共有音声データ等を端末装置で再生する場合の処理を示すシーケンス図である。図11では、端末装置10Aで共有音声データを再生する場合の処理を示している。図11に示すように、端末装置10Aの入力部106に再生する共有音声データの検索条件の入力がなされると(ステップS601)、検索条件送信部124は、入力された検索条件を蓄積サーバ30に送信する(ステップS602)。
【0070】
次に、蓄積サーバ30の検索条件受信部307は、端末装置10Aから送信された検索条件を受信し、検索実行部308は、その検索条件に基づいて蓄積部301の記憶部306に記憶されたデータの検索範囲を決定し(ステップS603)、当該検索範囲内で検索を実行する(ステップS604)。検索が完了すると、蓄積サーバ30の検索実行部308は、端末装置10Aに検索結果を送信し(ステップS605)、端末装置10Aの検索結果受信部126は、当該検索結果を受信してスピーカ103で再生し(ステップS606)、図11に示す処理が終了する。受信結果の内容としては、音声データ自体を受信して再生することができる。あるいは、音声データへのリンクを含むメタデータを受信して、当該メタデータを基に音声を再生してもよく、これによって、候補が複数ある場合に選択が可能となる。複数の候補がある場合には、蓄積サーバ30は、候補全ての音声データを送信してもよく、端末装置10Aに選択させた音声データのみ送信してもよく、最も可能性の高いもののみを送信してもよく、選択させた後に蓄積サーバ30からストリーミングで流してもよい。
【0071】
以上のように、本実施形態に係る音声録音システム1によれば、端末装置10Aが音声を録音可能な状態であるか否かを判定すると共に、端末装置10Aが録音可能な状態であることを端末装置10Bに通知し、更に、端末装置10Bから、端末装置10Bが音声を録音可能な状態である旨の通知を受信することができ、それらに基づいて端末装置10Aと端末装置10Bによって音声が重複録音される状態にあることを重複録音検知部112で検知することができる。更に、端末装置10Aと端末装置10Bとの間の重複録音が検知された場合に、その旨を端末装置10A及び端末装置10Bのうちいずれの端末を録音端末とするかを判断する判断装置20に対して通知することで、判断装置20は、端末装置10Aと端末装置10Bのいずれを録音端末とするか決定することができる。そして、判断装置20によって、端末装置10Bが録音端末とされた場合は、端末装置10Aでの録音を行わないように設定し、端末装置10Aが録音端末とされた場合は、端末装置10Aと端末装置10Bが共有する共有音声データとして音声を録音するように設定することができる。これによって、端末装置10Aと端末装置10Bとの間で同じ音声を重複して録音される場合に、判断装置20は、各端末装置の録音状況、例えば、どちらがより鮮明に音声を録音することのできる状況にあるか、どちらの電池の残量が多いかなどの様々な状況に基づいて、一の端末装置のみを録音端末とすることができる。従って、録音に最適な録音端末のみで共有音声データを録音することで、各々の端末装置が共有することのできる音声データを取得する一方で、録音端末以外の端末装置については、録音を停止することによって記憶容量や電力を消費することを防止することができる。以上によって、音声を録音する際に記憶容量や消費電力の無駄を低減することができる。
【0072】
また、本実施形態に係る端末装置10A〜10Cでは、共有音声データとして音声を録音しているときであって、録音を停止する必要がある場合、録音が停止された後に共有音声データを蓄積サーバ30へ送信する共有音声データ送信部117を備えている。これによって、例えば、録音端末に係る端末装置のユーザが録音停止の操作を行った場合や、他端末から録音停止する旨の依頼を受信した場合や、判断装置20から録音を停止する旨の依頼を受信した場合、その他、録音環境が変化(録音端末が移動することによって録音することができなくなった場合など)した場合など、録音を停止する必要がある場合には、共有音声データ送信部117で蓄積サーバ30へ共有音声データを送信することができる。これによって、録音端末が録音が停止された後に、当該録音端末が録音した共有音声データを蓄積サーバ30から読み出すことで各端末装置が共有することができる。
【0073】
また、本実施形態に係る判断装置20では、録音端末を変更する録音端末変更部208を備えている。これによって、録音端末を状況に応じて適切な端末装置に変更することが可能となる。例えば、録音端末が共有音声データの録音を行って所定時間経過したときに、他端末との録音負荷を均等にする目的で録音端末を変更することが可能となり、録音端末の録音環境が変化(録音端末が鞄の中に入ってしまった場合など)した旨の通知を受信したときに、良質な音声を録音する目的で録音端末を変更することが可能となり、あるいは、録音端末から電池残量が少ない旨の通知を受信したときに、確実に録音を続行する目的で録音端末を変更することが可能となる。以上によって、音声の録音中に、状況に応じて適切な端末装置で共有音声データを録音することが可能となる。
【0074】
また、本発明の端末装置10A〜10Cでは、端末装置10Bと端末装置10Aで共有音声データを共有する共有モードから単一モードへ切り替える旨の通知を判断装置20から受信するモード切替通知受信部122を備えており、モード切替通知受信部122からモードの切替通知を受信した場合は、共有音声データを蓄積サーバ30へ送信することができる。このようにすれば、他の端末装置と共有音声データを共有する共有モードが解除される場合には、蓄積サーバ30へ共有音声データを送信することができる。これによって、共有モードが解除された後に、録音端末が録音した共有音声データを蓄積サーバ30から読み出すことで各端末装置が共有することができる。
【0075】
また、本実施形態に係る判断装置20では、共有音声データを共有する共有モードから単一モードへ切り替えるモード切替部209を更に備え、録音端末変更部208が、録音端末を変更する必要があると判断した場合であって、変更可能な端末装置の数が一のみと判断した場合、モード切替部209は共有モードから単一モードへ切り替えることができる。このようにすれば、録音端末を変更する必要があって、変更可能な端末装置の数が一のみしかない場合は、複数の端末装置で共有音声データを共有することができないので、共有モードを解除することができる。一方、変更可能な端末装置が複数ある場合は、残りの端末装置で共有音声データの共有を続行することができる。
【0076】
また、本実施形態に係る端末装置10A〜10Cでは、共有音声データを蓄積する蓄積サーバ30内の情報の検索条件を入力する入力部106と、入力部106で入力された検索条件を蓄積サーバ30へ送信する検索条件送信部124と、蓄積サーバ30からの検索結果を受信する検索結果受信部126と、を備えている。このようにすれば、各端末装置から必要な共有音声データを蓄積サーバ30内から確実に取得することができる。
【0077】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない、例えば、図8では、一定時間経過した場合に録音端末を変更する実施形態について述べたが、録音端末から録音環境の変更通知を受信した場合や、録音端末から電池残量の変更通知を受信した場合に録音端末を変更する場合も同様の処理を行うことができる。
【0078】
また、図1においては、端末装置10A〜10Cのみが示されているが、更に多くの端末装置同士の間で共有音声データを共有することもできる。
【0079】
また、音声データの送信は、録音を停止する必要がある場合に、録音が停止された後に行われていたが、バッファ不足などの際に随時送信を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施形態に係る音声録音システムの構成を示す図である。
【図2】端末装置の構成を示すブロック構成図である。
【図3】判断装置の構成を示すブロック構成図である。
【図4】蓄積サーバの構成を示すブロック構成図である。
【図5】本発明の実施形態に係る音声録音システムの音声録音処理の流れを説明するためのシーケンス図である。
【図6】図5に示すステップS1の処理の詳細を示すシーケンス図である。
【図7】図5に示すステップS2の処理の詳細を示すシーケンス図である。
【図8】図5に示すステップS3の処理の詳細を示すシーケンス図である。
【図9】図5に示すステップS4の処理の詳細を示すシーケンス図である。
【図10】図9に示すステップS3´の処理の詳細を示すシーケンス図である。
【図11】蓄積サーバに蓄積された共有音声データ等を端末装置で再生する場合の処理を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0081】
1…音声録音システム、20…判断装置、30…蓄積サーバ、102…記憶部(録音手段)、105…マイク(音声入力手段)、110…録音状況判定部(録音状況判定手段)、111…録音通知送受信部(録音通知手段、録音通知受信部)、112…重複録音検知部(重複録音検知手段)、114…録音端末通知受信部(録音端末通知受信手段)、114…録音設定部(録音設定手段)、115…録音端末変更通知受信部(録音端末変更通知受信手段)、117…共有音声データ送信部(共有音声データ送信手段)、118…録音停止依頼送受信部(録音停止依頼受信手段、録音停止依頼送信手段)、119…録音停止通知部(録音停止通知送信手段)、122…モード切替通知受信部(モード切替通知受信手段)、124…検索条件送信部(検索条件送信手段)、126…検索結果受信部(検索結果受信手段)、206…録音端末決定部(録音端末決定手段)、207…録音端末通知部(録音端末通知送信手段)、208…録音端末変更部(録音端末変更手段)、209…モード切替部(モード切替手段)、211…重複録音通知受信部(重複録音通知受信手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を電気信号として入力する音声入力手段と、
前記音声を録音する録音手段と、
自端末が音声を録音可能な状態であるか否かを判定する録音状況判定手段と、
前記録音状況判定手段によって録音可能な状態であると判定された場合に、前記自端末が録音可能な状態であることを他端末に通知する録音通知手段と、
前記他端末から、前記他端末が前記音声を録音可能な状態である旨の通知を受信する録音通知受信手段と、
前記録音状況判定手段の判定結果と前記録音通知受信手段の受信結果に基づいて、前記自端末と前記他端末によって前記音声が重複録音される状態にあることを検知する重複録音検知手段と、
前記重複録音検知手段によって前記重複録音される状態であることが検知された場合に、前記自端末及び前記他端末から録音端末を決定する判断を行う判断装置に対して、前記重複録音がなされる状態にあることを通知する重複録音通知手段と、
前記判断装置から、前記自端末が前記録音端末か否かを示す通知を受信する録音端末通知受信手段と、
前記判断装置によって、前記他端末が前記録音端末とされた場合は、前記自端末での録音を行わないように設定し、前記自端末が前記録音端末とされた場合は、前記自端末と前記他端末が共有する共有音声データとして前記音声を録音するように設定する録音設定手段と、を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記共有音声データとして前記音声を録音しているときであって、録音を停止する必要がある場合、録音が停止された後に前記共有音声データを蓄積サーバへ送信する共有音声データ送信手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記判断装置から、前記録音端末の対象となる端末を変更する旨の通知を受信する録音端末変更通知受信手段と、
前記自端末以外の端末からの録音停止の依頼を受信する録音停止依頼受信手段と、
前記自端末以外の端末に録音停止の依頼を送信する録音停止依頼送信手段と、
前記共有音声データとして前記音声を録音することを停止した後に、その旨の通知を前記自端末以外の端末へ送信する録音停止通知送信手段と、を更に備え、
前記自端末以外の端末から前記自端末へ前記録音端末が変更される場合、前記録音手段は前記共有音声データとして前記音声を録音すると共に、前記録音停止依頼手段は前記録音停止の依頼を送信し、
前記自端末から前記自端末以外の端末へ前記録音端末が変更される場合、前記録音停止依頼受信手段の受信によって、前記録音手段は前記共有音声データとして前記音声を録音することを停止すると共に、前記録音停止通知送信手段は前記自端末以外の端末へ録音停止した旨を通知することを特徴とする請求項1又は2記載の端末装置。
【請求項4】
前記自端末と前記自端末以外の端末で前記共有音声データを共有する共有モードから単一モードへ切り替える旨の通知を前記判断装置から受信するモード切替通知受信手段と、
前記モード切替通知受信手段が前記単一モードへの切替通知を受信した場合に、前記共有音声データを前記蓄積サーバへ送信する共有音声データ送信手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の端末装置。
【請求項5】
前記共有音声データを蓄積する蓄積サーバ内の情報の検索条件を入力する検索条件入力手段と、
前記検索条件入力手段で入力された前記検索条件を前記蓄積サーバへ送信する検索条件送信手段と、
前記蓄積サーバからの検索結果を受信する検索結果受信手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の端末装置。
【請求項6】
端末装置と他の端末装置が音声を重複して録音している旨の通知を前記端末装置及び前記他の端末装置から受信する重複録音通知受信手段と、
前記端末装置と前記他の端末装置とのうちいずれを録音端末とするか、それぞれの録音状況に基づいて決定する録音端末決定手段と、
前記端末装置と前記他の端末装置が共有する共有音声データを録音する前記録音端末として、前記端末装置と前記他の端末装置とのいずれが前記録音端末決定手段で決定されたかの通知を送信する録音端末通知送信手段と、を備えることを特徴とする判断装置。
【請求項7】
前記録音端末を変更する録音端末変更手段を更に備え、
前記録音端末通知送信手段は、前記録音端末変更手段で変更した前記録音端末の通知を送信することを特徴とする請求項6記載の判断装置。
【請求項8】
前記共有音声データを共有する共有モードから単一モードへ切り替えるモード切替手段を更に備え、
前記録音端末変更手段が、前記録音端末を変更する必要があると判断した場合であって、変更可能な端末装置の数が一のみと判断した場合、前記モード切替手段は前記共有モードから前記単一モードへ切り替えることを特徴とする請求項7記載の判断装置。
【請求項9】
自端末と他端末との間で録音した音声を共有音声データとして共有する端末装置と、前記自端末と前記他端末から録音端末を決定する判断を行う判断装置と、前記共有音声データを蓄積する蓄積サーバとを備える音声録音システムであって、
前記端末装置が、
前記音声を電気信号として入力する音声入力手段と、
前記音声を録音する録音手段と、
前記自端末が前記音声を録音可能な状態であるか否かを判定する録音状況判定手段と、
前記録音状況判定手段によって録音可能な状態であると判定された場合に、前記自端末が録音可能な状態であることを他端末に通知する録音通知手段と、
前記他端末から、前記他端末が前記音声を録音可能な状態である旨の通知を受信する録音通知受信手段と、
前記録音状況判定手段の判定結果と前記録音通知受信手段の受信結果に基づいて、前記自端末と前記他端末によって前記音声が重複して録音される状態にあることを検知する重複録音検知手段と、
前記重複録音検知手段によって重複録音される状態であることが検知された場合に、前記判断装置に対して、前記重複録音がなされる状態にあることを通知する重複録音通知手段と、
前記判断装置によって、前記自端末が前記録音端末か否かを示す通知を受信する録音端末通知受信手段と、
前記判断装置によって、前記他端末が前記録音端末とされた場合は、前記自端末での録音を行わないように設定し、前記自端末が前記録音端末とされた場合は、前記自端末と前記他端末が共有する共有音声データとして前記音声を録音するように設定する録音設定手段と、を備え、
前記判断装置が、
前記端末装置と前記他端末が音声を重複して録音している旨の通知を前記端末装置及び前記他端末から受信する重複録音通知受信手段と、
前記端末装置と前記他端末のうちいずれを前記録音端末とするか、それぞれの録音状況に基づいて決定する録音端末決定手段と、
前記録音端末として、前記端末装置と前記他端末のいずれが前記録音端末決定手段で決定されたかの通知を送信する録音端末通知送信手段と、を備える
ことを特徴とする音声録音システム。
【請求項10】
自端末と他端末との間で録音した音声を共有音声データとして共有する端末装置と、前記自端末と前記他端末のいずれを録音端末とするかを判断する判断装置と、前記共有音声データを蓄積する蓄積サーバとを備える音声録音システムによる音声録音方法であって、
前記端末装置が、
前記音声を電気信号として入力する音声入力ステップと、
前記音声を録音する録音ステップと、
前記自端末が前記音声を録音可能な状態であるか否かを判定する録音状況判定ステップと、
前記録音状況判定ステップにおいて録音可能な状態であると判定された場合に、前記自端末が録音可能な状態であることを他端末に通知する録音通知ステップと、
前記他端末から、前記他端末が前記音声を録音可能な状態である旨の通知を受信する録音通知受信ステップと、
前記録音状況判定ステップの判定結果と前記録音通知受信ステップの受信結果に基づいて、前記自端末と前記他端末によって前記音声が重複して録音される状態にあることを検知する重複録音検知ステップと、
前記重複録音検知ステップにおいて重複録音される状態にあることが検知された場合に、前記判断装置に対して、前記重複録音がなされる状態にあることを通知する重複録音通知ステップと、
前記判断装置によって、前記自端末と前記他端末のいずれを前記録音端末としたかの通知を受信する録音端末通知受信ステップと、
前記判断装置によって、前記他端末が前記録音端末とされた場合は、前記自端末での録音を行わないように設定し、前記自端末が前記録音端末とされた場合は、前記自端末と前記他端末が共有する共有音声データとして前記音声を録音するように設定する録音設定ステップと、を備え、
前記判断装置が、
前記端末装置と前記他端末が音声を重複して録音している旨の通知を前記端末装置及び前記他端末から受信する重複録音通知受信ステップと、
前記端末装置と前記他端末のうちいずれを前記録音端末とするか、それぞれの録音状況に基づいて決定する録音端末決定ステップと、
前記録音端末として、前記端末装置と前記他端末のいずれが前記録音端末決定手段で決定されたかの通知を送信する録音端末通知送信ステップと、を備える
ことを特徴とする音声録音方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−124227(P2010−124227A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−295893(P2008−295893)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】