説明

端末装置及びプログラム

【課題】一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像に基づいて3D表示を行う場合に、その表示部を見ているままのユーザを適切に撮影できるようにする。
【解決手段】テレビ電話の通信相手先から無線通信網(ネットワーク)を介して受信した右目用画像及び左目用画像に基づいて3D表示を行う表示部14の略中心部を通る左右横方向の直線上において、表示部14の両側近傍に一対のテレビ電話用のカメラA部16、カメラB部を左右対向して配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像に基づいて3D表示を行う表示部を備えた端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、テレビ電話付きの携帯電話機においてユーザは、画面に表示されている通信相手の顔画像を見ながら会話するようにしているが、カメラ部が画面の近傍に位置していても、例えば、画面の角部寄りのように偏った位置に配設されていると、ユーザの視線がカメラ部の撮影方向に合わなくなり、その状態で撮影された顔画像が相手先に送られると、画面を通して通信相手と目線を合わせることができず、会話時に違和感が生まれることがある。
【0003】
ところで、近年、左右の目の視差を利用した視差バリア方式によって画像を3D(3次元)表示させる技術として、互いに少しずらした右目用の画像と左目用の画像をそれぞれ用意して、それら2つの画像を同時に表示させる際に、右目用の画像は右目で見えて左目では見えないようにし、左目用の画像は左目で見えて右目では見えないようにするために光の経路を遮断する視差バリアを表示部の適切な位置に配置することによって画像を立体的に見せるようにした技術が知られている。
【0004】
一方、3D画像(視差のある2つの被写体像)を撮影することができる3Dカメラ装置(撮像装置)の開発が進んでいる。例えば、従来、表示部の左側に配設されているカメラ部から出力される左目用画像を表示部に表示させると共に、表示部の右側に配設されているカメラ部から出力される右目用画像を表示部に表示させることにより画像を立体的に見せるようにした技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−319043号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した先行技術にあっては、表示部の左右両側に1台ずつ配設したカメラ部により表示部を見ているユーザの顔を撮影することで、ユーザの顔画像を3D表示させることができるが、表示部の左右横方向(左右方向)の両側に配設されているカメラ部は、表示部の角部寄りの位置に偏って取り付けられているため、表示部の中心部を見ているユーザの視線がカメラ部の撮影方向から“ずれ”てしまい、例えば、伏せ目がちな顔が撮影されてしまう。
【0007】
本発明の課題は、一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像に基づいて3D表示を行う場合に、その表示部を見ているままのユーザを適切に撮影できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために本発明の一つの態様は、
一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像に基づいて3D表示を行う表示部を備えた端末装置であって、
前記表示部の略中心部を通る左右横方向の直線上において該表示部の両側近傍に前記一対のカメラ部を左右対向して配設する、
ようにしたことを特徴とする端末装置。
【0009】
上述した課題を解決するために本発明の他の態様は、
コンピュータに対して、
一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像に基づいて3D表示を行う表示部の向きとして正立状態か倒立状態かを検出する機能と、
前記表示部の向きが正立状態であることが検出された場合に、前記一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像を前記通信相手先に3D表示用の画像としてそのまま送信し、前記表示部の向きが倒立状態であることが検出された場合に、前記一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像をその左右の関係を逆にし、かつ上下縦方向に反転してから前記通信相手先に3D表示用の画像として送信する制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像に基づいて3D表示を行う場合に、その表示部を見ているままのユーザを適切に撮影することができ、実用性に富んだものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】端末装置として適用した携帯電話機が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図。
【図2】携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図3】表示部14の横向き正立の状態を示した図。
【図4】表示部14の横向き倒立の状態を示した図。
【図5】テレビ電話の着信検出時でのオフフック操作に応答して実行開始される動作を示したフローチャート。
【図6】実施形態の変形例を説明するための図で、表示部14の縦向き正立の状態を示した図。
【図7】実施形態の変形例を説明するための図で、表示部14の縦向き倒立の状態を示した図。
【図8】実施形態の他の変形例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図5を参照して詳細に説明する。
この実施形態は、端末装置として携帯電話機に適用した場合を例示したもので、図1は、携帯電話機が利用可能な通信ネットワークシステムを示したブロック図である。
携帯電話機1は、音声通話機能、3D(3次元)対応のテレビ電話機能、電子メール機能、カメラ機能などを備え、最寄りの基地局2などを介して無線通信網(移動体通信網:ネットワーク)3に接続されると、この無線通信網3を介して他の端末装置4(携帯電話機や固定電話機など)に接続されて通信が可能な状態となる。
【0013】
3D対応のテレビ電話の利用時において携帯電話機1は、通信相手先である他の端末装置に無線通信網3内のサーバ5を介して接続されると、ユーザを3D撮影した顔画像(左目用画像及び右目用画像)を通信相手先に送信し、また、相手先側で撮影された顔画像(左目用画像及び右目用画像)を受信して3D表示するようにしている。同様に、他の端末装置4側においても3D撮影及び3D表示を行うようにしている。このように携帯電話機1及び他の端末装置4には、視差のある被写体像(左目用画像及び右目用画像)を撮影する3Dカメラ機能と、この左目用画像及び右目用画像に基づいて3D表示を行う3D表示機能が備えられている。
【0014】
図2は、携帯電話機1の基本的な構成要素を示したブロック図である。
制御部11は、二次電池を備えた電池部(図示省略)からの電力供給によって動作し、メモリ12内の各種のプログラムに応じてこの携帯電話機1の全体動作を制御する中央演算処理装置やメモリ(図示省略)などを有している。この記憶部12には、図5に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているほか、それに必要とする情報などが記憶され、更に携帯電話機1が動作するために必要となる各種の情報を一時的に記憶するワーク域を有している。
【0015】
通信部13は、無線部、ベースバンド部、多重分離部などを備え、例えば、音声通話機能、テレビ電話機能、電子メール機能などの動作時に、最寄りの基地局2との間でデータの送受信を行う。表示部14は、例えば、高精細液晶を使用し、縦横比(アスペクト比、例えば、縦4×横5)の異なる長方形を成し、例えば、文字情報、待受画像、テレビ電話用の相手画像などを表示する。この表示部14の表面には、3D表示用の視差バリア(図示省略)を生成するための液晶の層が設けられている。操作部15は、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを入力するもので、制御部11は、この操作部15からの入力操作信号に応じた処理を実行する。なお、表示部14は、透明なタッチセンサ部(例えば、人体接触を検出する静電容量方式の接触検出部)7を積層配設したタッチスクリーン構成としてもよい。同様に操作部15をタッチスクリーン構成としてもよい。
【0016】
一対のカメラA部16、カメラB部17は、テレビ電話用の撮像部を構成するもので、図示省略したが、カメラレンズ部、撮像素子(例えば、CCDあるいはCMOS)、画像信号処理部、アナログ処理部、圧縮伸張部、各種センサ部などを有している。加速度センサ18は、重力方向を検出するもので、制御部11は、重力方向に対する表示部14の向きを筐体の姿勢として検出する。
【0017】
すなわち、縦横比(縦4×横5)の異なる表示部14が横長画面となる横向き状態において、重力方向に対して反対の方向が筐体の上方向(表示部14の上方向)として検出するようにしている。制御部11は、この加速度センサ18により検出された重力方向に対する反対の方向(表示部14の上方向)と予め決められている表示部14の上方向(通常方向)とが一致した状態を表示部14が正立している状態であるとすると、この正立状態から筐体(表示部14)を上下縦方向に反転(略180°回転)させた状態を表示部14が倒立している状態であると判断する。
【0018】
図3及び図4は、携帯電話機1の外観図である。
携帯電話機1は、表示部筐体と操作部筐体とを重ね合わせてスライド可能とした構成で、図3は、表示部14が横長画面となる横向き状態において、加速度センサ18により検出された表示部14の上方向と通常方向とが一致する正立状態を示している。表示部14の両側中央部には、一対のテレビ電話用のカメラA部16、カメラB部17がそれぞれ配設されている。すなわち、表示部14の略中心部を通る左右横方向(左右方向)の直線L1上において、表示部14の両側近傍に一対のテレビ電話用のカメラA部16、カメラB部17が対向配設されている。
【0019】
ここで、表示部14を挟む左右両側のうち、カメラA部16は図3の紙面に向かって右側に配設され、カメラB部17は図3の紙面に向かって左側に配設されている。なお、表示部14の略中心部とは、表示部14の中心点を境にしてプラス方向(上方向)、マイナス方向(下方向)に直線L1を所定距離分平行に移動した範囲内であり、表示部14の表示面からユーザまでの通常使用時における離間距離や表示部14の縦横サイズにもよるが、例えば、表示部14の中心点から画面サイズの±5%範囲内である。
【0020】
図4は、図3に示した筐体(表示部14)を横向きにした状態において、筐体(表示部14)を略180°回転して正立状態から倒立状態に変更した場合を示している。この場合においても一対のテレビ電話用のカメラA部16、カメラB部17は、表示部14の両側中央部にそれぞれ配設されている。すなわち、表示部14の略中心部を通る左右横方向(左右方向)の直線L1上において、表示部14の両側近傍に一対のテレビ電話用のカメラA部16、カメラB部17が左右対向して配設されている。ここで、表示部14を挟む左右両側のうち、カメラA部16は図4の紙面に向かって左側に配設され、カメラB部17は図4の紙面に向かって右側に配設されている。
【0021】
次に、本実施形態における携帯電話機の動作概念を図5に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、このフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。
図5は、テレビ電話の着信検出時でのオフフック操作に応答して実行開始される動作を示したフローチャートで、この図5のフローから抜けた際には、全体動作のメインフロー(図示省略)に戻る。
【0022】
先ず、制御部11は、テレビ電話の着信検出時に、通信可能状態とするオフフック操作が行われると、テレビ電話開始処理を実行し、通話用マイクやスピーカ(図示省略)を駆動させて通話可能な状態とすると共に、一対のカメラ部16、17を駆動させてテレビ電話用の3D撮影を開始させる(ステップA1)。この状態において、加速度センサ18から検出結果を取得し(ステップA2)、加速度センサ18により検出された重力方向に対する表示部14の上方向と予め決められている表示部14の上方向(通常方向)とが一致するかを調べる(ステップA3)。
【0023】
この場合、検出された上方向が通常方向と一致すれば(ステップA3でYES)、表示部14が正立状態(図3)にあると判断する。この正立状態で表示部14を見ているユーザの顔をカメラA部16の位置から撮影した画像を左目用画像として取得すると共に(ステップA4)、カメラB部17の位置から撮影した画像を右目用画像として取得する(ステップA5)。そして、この左目用画像及び右目用画像を、視差を持った3D用の画像としてテレビ電話の相手先に対して送信する(ステップA6)。一方、その通信相手先から3D用の画像を受信すると、この3D用の画像を表示部14にそのまま3D表示させる(ステップA7)。その後、ステップA8に移り、通信回線を遮断するオンフック操作が行われたか、通信相手から通信回線が遮断されたかを調べ、通信回線が遮断されるまで、上述のステップA2に戻り、以下、上述の動作を繰り返す。
【0024】
ここで、加速度センサ18により検出された表示部14の上方向と通常方向とが一致しないと判断されたときには(ステップA3でNO)、表示部14の向きが正立状態(図3)から倒立状態に変更された場合であるからステップA10に移り、この倒立状態においてカメラA部16の位置から撮影した画像を上下縦方向に反転(略180°回転)して右目用画像として取得する。更に、カメラB部17の位置から撮影した画像を上下縦方向に反転(略180°回転)して左目用画像として取得する(ステップA11)。そして、この左目用画像及び右目用画像を、視差を持った3D表示用の画像としてテレビ電話の相手先に対して送信する(ステップA12)。
【0025】
一方、その通信相手先から3D表示用の画像として、相手先から左目用画像及び右目用画像を受信すると、その左右を逆にして上下縦方向に反転してから3D表示させる(ステップA13)。すなわち、受信した左目用画像を右目用画像として略180°回転し、また、受信した右目用画像を左目用画像として180度回転してから3D表示させる。その後、ステップA8に移り、通信回線が遮断されたかを調べる。いま、通信回線が遮断されたときには(ステップA8でYES)、テレビ電話終了処理を実行し、通話用マイクやスピーカ(図示省略)を停止させて通話不可能な状態とすると共に、一対のカメラ部16、17を停止させてテレビ電話用の3D撮影を終了させる(ステップA9)。その後、この図5のフローから抜ける。
【0026】
以上のように、この実施形態においては、テレビ電話の通信相手先から無線通信網3を介して受信した右目用画像及び左目用画像に基づいて3D表示を行う表示部14の略中心部を通る左右横方向の直線L1上において、表示部14の両側近傍に一対のテレビ電話用のカメラA部16、カメラB部を左右対向して配設するようにしたので、カメラA部16、カメラB部17は、表示部14の両側中央部に位置するようになり、表示部14内の相手の顔画像を見ながらそのユーザの顔画像を撮影する場合に相手の目線に合った位置から撮影することが可能となる。従って、伏せ目がちな顔が撮影されたり、目を吊り上げた顔が撮影されてしまうことはなく、表示部14を見ているままのユーザを適切に撮影することができ、相手と目線を合わせての会話が可能となる。
【0027】
制御部11は、表示部14の向きが正立状態であれば、カメラA部16、カメラB部17で撮影された右目用画像及び左目用画像を通信相手先に3D表示用の画像としてそのまま送信し、表示部14の向きが倒立状態であれば、カメラA部16、カメラB部17で撮影された右目用画像及び左目用画像をその左右の関係を逆にし、かつ上下縦方向に反転(略180度回転)してから通信相手先に3D表示用の画像として送信するようにしたので、表示部14を180度回転して上下を逆転させたとしてもカメラA部16、カメラB部17と表示部14の位置関係は変わらず、カメラA部16、カメラB部17は、表示部14の両側中央部に位置することになり、表示部14を見ているままのユーザを適切に撮影することができ、また、相手先に対しては正立した状態の画像を送信することができる。
【0028】
テレビ電話の通信相手先からネットワーク3を介して受信した右目用画像及び左目用画を前記表示部に3D表示させる場合に、表示部14の向きに応じて、右目用画像及び左目用画像をそのまま3D表示用の画像として表示させるか、左目用画像及び左目用画像をその左右を逆にして180度反転してから3D表示用の画像として表示させるようにしたので、表示部14を倒立させた状態でも相手先の画像を正立した状態で表示させることができる。
【0029】
なお、上述した実施形態においては、筐体(表示部14)を横向きにした状態でカメラA部16、カメラB部17を表示部14の左右方向の両側中央部に配設するようにしたが、筐体(表示部14)を縦向きにした状態で表示部14の左右方向の両側中央部に配設するようにしてもよい。図6は、縦横比(縦4×横5)の異なる表示部14が縦長画面となる縦向き状態において、表示部14の略中心部を通る左右横方向(左右方向)の直線L2上における表示部14の両側近傍にカメラA部16、カメラB部17を左右対向して配設した場合である。ここで、表示部14を挟む左右両側のうち、カメラA部16は図6の紙面に向かって右側に配設され、カメラB部1717は図6の紙面に向かって左側に配設される。
【0030】
図7は、図6に示した筐体(表示部14)を横向きにした状態において、筐体(表示部14)を略180°回転して正立状態から倒立状態に変更した場合を示している。この場合においても一対のテレビ電話用のカメラA部16、カメラB部17は、表示部14の両側中央部にそれぞれ配設されている。すなわち、表示部14の略中心部を通る左右横方向(左右方向)の直線L2上において、表示部14の両側近傍に一対のテレビ電話用のカメラA部16、カメラB部17が左右対向して配設されている。ここで、表示部14を挟む左右両側のうち、カメラA部16は図7の紙面に向かって左側に配設され、カメラB部17は図7の紙面に向かって右側に配設される。
【0031】
この場合、制御部11は、上述した実施形態と同様に、表示部14の向きが正立状態であれば、カメラA部16、カメラB部17で撮影された右目用画像及び左目用画像を通信相手先に3D表示用の画像としてそのまま送信し、表示部14の向きが倒立状態であれば、カメラA部16、カメラB部17で撮影された右目用画像及び左目用画像をその左右の関係を逆にし、かつ上下縦方向に反転(略180度回転)してから通信相手先に3D表示用の画像として送信するようにすればよい。
【0032】
更に、筐体(表示部14)を横向きにした状態でカメラA部16、カメラB部17を表示部14の左右方向の両側中央部に配設するほか、筐体(表示部14)を縦向きにした状態で表示部14の左右方向の両側中央部に配設するようにしてもよい。すなわち、図8に示すように、1組目のカメラ部16a、カメラB部17aのほか、2組目のカメラ部16b、カメラB部17bを備え、表示部14が横長画面となる横向き状態において、表示部14の略中心部を通る左右横方向の直線L1上において表示部14の両側近傍に1組目のカメラ部16a、カメラB部17aを左右対向して配設し、表示部14の略中心部を通る上下縦方向の直線L2上において表示部14の両側近傍に2組目のカメラ部16b、カメラB部17bを上下対向して配設するようにしてもよい。
【0033】
この場合、制御部11は、表示部14が横向き状態であれば、1組目のカメラ部16a、カメラB部17aを駆動対象として選択し、表示部14が縦向き状態であれば、2組目のカメラ部16b、カメラB部17bを駆動対象として選択すればよい。そして、表示部14が横向きで正立状態か倒立状態か、表示部14が縦向きで正立状態か倒立状態かに応じて、左目用画像及び左目用画像をそのまま相手先に送信したり、その左右の関係を逆にし、かつ上下縦方向に反転(略180度回転)してから相手先に送信したりすればよい。このように1組目のカメラ部16a、カメラB部17aのほかに、2組目のカメラ部16b、カメラB部17bを表示部14の両側中央部に配設することにより表示部14をどのような向きにしたとしてもユーザを適切に撮影することができる。
【0034】
また、上述した実施形態においては、加速度センサ18を使用して表示部14の向きを検出するようにしたが、加速度センサに限らず、傾斜センサなどを使用するようにしてもよい。
【0035】
上述した実施形態においては、テレビ電話に適用した場合を例示したが、テレビ電話に限らず、ユーザの顔画像を表示部14に3D表示する場合でも同様に適用可能である。
【0036】
また、上述した実施形態においては、端末装置として携帯電話機に適用した場合を示したが、デジタルカメラ(コンパクトカメラ)、カメラ付きのPDA、音楽プレイヤーなどであってもよい。また、携帯端末装置に限らず、据え置きタイプのテレビやパーソナルコンピュータなどであってもよい。
【0037】
その他、上述した実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【0038】
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0039】
(付記1)
一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像に基づいて3D表示を行う表示部を備えた端末装置であって、
前記表示部の略中心部を通る左右横方向の直線上において該表示部の両側近傍に前記一対のカメラ部を左右対向して配設する、
ようにしたことを特徴とする端末装置。
付記1によれば、表示部の略中心部を通る左右横方向の直線上において該表示部の両側近傍に一対のカメラ部を左右対向して配設するようにしたので、一対のカメラ部が表示部の両側中央部に位置するようになり、表示部を見ているままのユーザを極自然に撮影することが可能となる。
【0040】
(付記2)
テレビ電話の通信相手先からネットワークを介して受信した右目用画像及び左目用画像を3D表示する表示部の略中心部を通る左右横方向の直線上において該表示部の両側近傍に前記一対のテレビ電話用のカメラ部を左右対向して配設する、
ようにしたことを特徴とする付記1記載の端末装置。
付記2によれば、テレビ電話の通信相手先からネットワークを介して受信した右目用画像及び左目用画像を3D表示するようにしたので、表示部内の相手の顔画像を見ながらそのユーザの顔画像を撮影する場合に相手の目線に合った位置から撮影することが可能となる。
【0041】
(付記3)
前記表示部の向きとして正立状態か倒立状態かを検出する検出手段と、
前記検出手段により表示部の向きが正立状態であることが検出された場合に、前記一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像を前記通信相手先に3D表示用の画像としてそのまま送信し、前記表示部の向きが倒立状態であることが検出された場合に、前記一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像をその左右の関係を逆にし、かつ上下縦方向に反転してから前記通信相手先に3D表示用の画像として送信する制御を行う送信制御手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする付記1あるいは付記2に記載の端末装置。
付記3によれば、表示部の向きが倒立状態であれば、一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像をその左右の関係を逆にし、かつ上下縦方向に反転してから通信相手先に3D表示用の画像として送信するようにしたので、表示部を倒立させた状態でも相手先の画像を正立した状態で表示させることができる。
【0042】
(付記4)
前記一対のカメラ部を1組目のカメラ部とし、別の一対のカメラ部を2組目のカメラ部として更に備え、
前記表示部の略中心部を通る左右横方向の直線上において該表示部の両側近傍に前記1組目のカメラ部を左右対向して配設し、前記表示部の略中心部を通る上下縦方向の直線上において該表示部の両側近傍に前記2組目のカメラ部を上下対向して配設する、
前記検出手段は、縦横比の異なる前記表示部が縦長画面となる縦向き状態か横長画面となる横向き状態を更に検出し、
前記送信制御手段は、前記検出手段により表示部が横向き状態であることが検出された場合に、前記1組目のカメラ部を駆動対象として選択し、前記表示部が縦向き状態であることが検出された場合に前記2組目のカメラ部を駆動対象として選択する、
ようにしたことを特徴とする付記3記載の端末装置。
付記4によれば、表示部が横向き状態であれば1組目のカメラ部を駆動対象として選択し、表示部が縦向き状態であれば、2組目のカメラ部を駆動対象として選択するようにしたので、表示部をどのような向きにしたとしてもユーザを極自然に撮影することができる。
【0043】
(付記5)
テレビ電話の通信相手先からネットワークを介して受信した右目用画像及び左目用画像を前記表示部に3D表示させる場合に、前記検出手段により検出された前記表示部の向きに応じて、前記右目用画像及び左目用画像をそのまま3D表示用の画像として表示させるか、前記左目用画像及び左目用画像をその左右の関係を逆にして180度反転してから3D表示用の画像として表示させるかを制御する表示制御手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする付記1〜付記4のいずれかに記載の端末装置。
付記5によれば、テレビ電話の相手先から受信した右目用画像及び左目用画像を3D表示させる場合に、表示部の向きに応じて、左目用画像及び左目用画像をその左右の関係を逆にして180度反転してから3D表示用の画像として表示させるようにしたので、表示部を倒立させた状態でも相手先の画像を正立した状態で表示させることができる。
【0044】
(付記6)
コンピュータに対して、
一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像に基づいて3D表示を行う表示部の向きとして正立状態か倒立状態かを検出する機能と、
前記表示部の向きが正立状態であることが検出された場合に、前記一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像を前記通信相手先に3D表示用の画像としてそのまま送信し、前記表示部の向きが倒立状態であることが検出された場合に、前記一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像をその左右の関係を逆にし、かつ上下縦方向に反転してから前記通信相手先に3D表示用の画像として送信する制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。
付記6によれば、付記1と同様に一対のカメラ部が表示部の両側中央部に位置するようになり、表示部を見ているままのユーザを極自然に撮影することが可能となるほか、付記1の機能をソフトウェア(プログラム)の形で提供することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 携帯電話機
2 最寄りの基地局
3 無線通信網
4 他の端末装置
11 制御部
12 メモリ
13 通信部
14 表示部
15 操作部
16、16a、16b カメラA部
17、17a、17b カメラB部
18 加速度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像に基づいて3D表示を行う表示部を備えた端末装置であって、
前記表示部の略中心部を通る左右横方向の直線上において該表示部の両側近傍に前記一対のカメラ部を左右対向して配設する、
ようにしたことを特徴とする端末装置。
【請求項2】
テレビ電話の通信相手先からネットワークを介して受信した右目用画像及び左目用画像を3D表示する表示部の略中心部を通る左右横方向の直線上において該表示部の両側近傍に前記一対のテレビ電話用のカメラ部を左右対向して配設する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記表示部の向きとして正立状態か倒立状態かを検出する検出手段と、
前記検出手段により表示部の向きが正立状態であることが検出された場合に、前記一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像を前記通信相手先に3D表示用の画像としてそのまま送信し、前記表示部の向きが倒立状態であることが検出された場合に、前記一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像をその左右の関係を逆にし、かつ上下縦方向に反転してから前記通信相手先に3D表示用の画像として送信する制御を行う送信制御手段と、
を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記一対のカメラ部を1組目のカメラ部とし、別の一対のカメラ部を2組目のカメラ部として更に備え、
前記表示部の略中心部を通る左右横方向の直線上において該表示部の両側近傍に前記1組目のカメラ部を左右対向して配設し、前記表示部の略中心部を通る上下縦方向の直線上において該表示部の両側近傍に前記2組目のカメラ部を上下対向して配設する、
前記検出手段は、縦横比の異なる前記表示部が縦長画面となる縦向き状態か横長画面となる横向き状態を更に検出し、
前記送信制御手段は、前記検出手段により表示部が横向き状態であることが検出された場合に、前記1組目のカメラ部を駆動対象として選択し、前記表示部が縦向き状態であることが検出された場合に前記2組目のカメラ部を駆動対象として選択する、
ようにしたことを特徴とする請求項3記載の端末装置。
【請求項5】
テレビ電話の通信相手先からネットワークを介して受信した右目用画像及び左目用画像を前記表示部に3D表示させる場合に、前記検出手段により検出された前記表示部の向きに応じて、前記右目用画像及び左目用画像をそのまま3D表示用の画像として表示させるか、前記左目用画像及び左目用画像をその左右の関係を逆にして180度反転してから3D表示用の画像として表示させるかを制御する表示制御手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の端末装置。
【請求項6】
コンピュータに対して、
一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像に基づいて3D表示を行う表示部の向きとして正立状態か倒立状態かを検出する機能と、
前記表示部の向きが正立状態であることが検出された場合に、前記一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像を前記通信相手先に3D表示用の画像としてそのまま送信し、前記表示部の向きが倒立状態であることが検出された場合に、前記一対のカメラ部で撮影された右目用画像及び左目用画像をその左右の関係を逆にし、かつ上下縦方向に反転してから前記通信相手先に3D表示用の画像として送信する制御を行う機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−129901(P2012−129901A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281318(P2010−281318)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】