第3者制御にて2者間通話又は多者間通話を実現する通信システム及び通信方法
【課題】3PCC技術を用いた2者間通話又は多者間通話でありながら第3者から指定し接続した端末の接続を通話確立前または確立後にキャンセルできるようにすること。
【解決手段】接続先の端末が指定された接続指示を利用者パソコン(10)で受け取り、当該利用者パソコン(10)から第3者制御システム(11)へ接続指示を通知する。第3者制御システム(11)が利用者端末(A)と相手端末(B)又は複数端末とを接続して2者間通話又は多者間通話を可能にする。このとき、第3者制御システム(11)は、利用者端末(A)又は相手端末(B)が呼び出しに応答した後、所定の操作を行った場合に接続を行う。
【解決手段】接続先の端末が指定された接続指示を利用者パソコン(10)で受け取り、当該利用者パソコン(10)から第3者制御システム(11)へ接続指示を通知する。第3者制御システム(11)が利用者端末(A)と相手端末(B)又は複数端末とを接続して2者間通話又は多者間通話を可能にする。このとき、第3者制御システム(11)は、利用者端末(A)又は相手端末(B)が呼び出しに応答した後、所定の操作を行った場合に接続を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第3者制御により2者間通話又は多者間通話を実現する通信システム及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコン画面に表示されたアドレス帳上で相手をワンクリックするだけで、端末同士を接続して通話可能にする3rd party call control (3PCC)という技術が普及しはじめている(例えば、特許文献1)。3PCC技術を用いることにより、端末同士をワンクリックで接続することが出来るため業務の効率化を実現できるほか、電話番号を企業電話帳で一元管理することにより個人情報の保護にも役立つ。また、3PCC技術を応用した多者間通話機能を実装しWebを用いた操作性の高い電話会議システムも開発されている。
【0003】
図15は3PCC技術を用いて2者間通話を実現した通信システムの概念図である。
接続指示を発する利用者のパソコン1の画面に表示されたアドレス帳上で相手をクリックすることで、インターネット又はイントラネット2経由で第3者制御システム3に接続指示(1)が出される。第3者制御システム3は、先に利用者があらかじめ指定した通話端末4に接続し(2)、利用者が通話端末4で応答したのを確認したら、相手の電話端末5に接続して呼び出し(3)、電話端末5が応答したら、端末同士を接続して通話可能状態にする(4)。
【0004】
或いは、先に相手電話端末5に接続して呼び出し、電話端末5が応答したら利用者の通話端末4に接続に行き、利用者が通話端末4をオフフックしたら端末同士を通話可能状態にすることもできる。電話会議システムの場合は、利用者(発側)のパソコン1の画面に表示されたアドレス帳上で会議参加予定の相手をクリックすることで、順次相手端末の呼び出しを行い、第3者制御システム3がオフフック又は応答のあった相手端末を確立中の通話に順次加えていき多者通話可能な状態にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−311838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、3PCC技術を用いた従来のシステムは、通話確立前にキャンセルすることができなかったため、次のような問題があった。
【0007】
(1)相手の電話に着信することなく通話を切断する手段がないために、相手先の電話を鳴らしたり、着信履歴に利用者の電話番号を残したりしてしまうという課題があった。従来のダイヤルやボタン操作によって電話をかける方式では、電話のダイヤル操作やボタン操作を行う間に、電話をかけることを再考したり、電話番号の誤りに気付いて電話の発信を取りやめたりすると、相手を呼出すことなくキャンセルすることができた。ところが、3PCC技術を用いると、利用者の自席の電話が鳴って応答すると相手を呼出し始めてしまうため、相手を呼出す前にキャンセルする方法が無い。相手先では「電話に応答しようとしたにもかかわらず電話が切れてしまった」、「着信履歴を見て折り返し電話をかけた」などの迷惑をかける可能性があった。
【0008】
(2)利用者より先に相手を呼出す場合、相手と利用者との通話を確立しなければこの接続をキャンセルできないため、相手が応答しない場合に相手先の電話が鳴り続けることとなり、周囲に迷惑をかけることになる。また、誤った相手に電話を掛けてしまった場合には相手に電話に応答することを強いるという課題がある。
【0009】
(3)呼出し対象の相手端末が自動応答してしまう場合に、利用者に相手端末の留守番電話等の自動応答装置との通信を強いるという課題がある。3PCC技術を用いて呼出した自席や相手が留守番電話機能などのように通話が出来ない状態にあるにも関わらず自動的に応答してしまう場合でも、次の処理である相手や自席を呼出す処理を行ってしまう。この様な場合、次に呼出された側が電話に応答すると、相手の留守番電話のメッセージ等を聞くことになる。会議電話の場合には、留守番電話のメッセージが会議参加者に流れ、一定時間会議参加者の声が留守番電話に録音されることになるといった不具合が生じる。
【0010】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、3PCC技術を用いた2者間通話又は多者間通話でありながら第3者から指定し接続した端末の接続を通話確立前または後にキャンセルすることができ、相手先又は利用者に迷惑を与えることのない通信システム及び通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の通信システムは、接続先の端末を指定した接続要求を利用者装置で受け取り、当該利用者装置から第3者制御装置へ接続指示を通知し、当該第3者制御装置が前記接続指示に応じて利用者端末及び相手端末を呼び出して当該利用者端末と相手端末とを接続し2者間通話又は多者間通話を可能にする通信システムであって、前記第3者制御装置は、利用者端末又は相手端末が呼び出しに応答した後、所定の操作を行った場合に接続を行うことを特徴とする。
【0012】
これにより、利用者端末又は相手端末が呼び出しに応答した後、所定の操作を行った場合に接続が行なわれるので、利用者端末又は相手端末が、留守番電話機能などの自動応答機能により呼び出しに応答した場合に、意図しない接続が確立されるのを防止できる。
【0013】
本発明の通信システムにおいて、前記第3者制御装置は、前記利用者装置から前記接続指示を受信すると、前記利用者端末の呼び出しを行い、該利用者端末が呼び出しに応答した後、前記利用者端末の利用者による所定の操作を前記利用者端末が受け付けない場合、前記接続指示による接続を中止してもよい。
【0014】
本発明の通信システムにおいて、前記第3者制御装置は、前記利用者装置から前記接続指示を受信すると、前記利用者端末の呼び出しを行い、該利用者端末が呼び出しに応答した後、前記利用者端末の利用者による所定の操作を前記利用者端末が受け付けた場合、前記接続指示に基づいて前記相手端末の呼び出しを行い、該相手端末が呼び出しに応答した後、前記相手端末の利用者による所定の操作を前記相手端末が受け付けた場合、前記利用者端末と前記相手端末との通話を確立させてもよい。
【0015】
本発明の通信システムにおいて、前記第3者制御装置は、前記利用者装置から前記接続指示を受信すると、前記利用者端末の呼び出しを行い、該利用者端末が呼び出しに応答した後、前記利用者端末の利用者による所定の操作を前記利用者端末が受け付けた場合、前記接続指示に基づいて前記相手端末の呼び出しを行い、該相手端末が呼び出しに応答した後、前記相手端末の利用者による所定の操作を前記相手端末が受け付けない場合、前記接続指示による接続を中止してもよい。
【0016】
また本発明の通信方法は、接続先の端末を指定した接続要求を利用者装置で受け取り、当該利用者装置から第3者制御装置へ接続要求を通知し、当該第3者制御装置が前記接続要求に応じて利用者端末及び相手端末に接続指示を出して当該利用者端末と相手端末とを接続し2者間通話又は多者間通話を可能にする通信方法であって、前記第3者制御装置は、利用者端末又は相手端末が呼び出しに応答した後、所定の操作を行った場合に接続を行うことを特徴とする。これにより、利用者端末又は相手端末が呼び出しに応答した後、所定の操作を行った場合に接続が行なわれるので、利用者端末又は相手端末が、留守番電話機能などの自動応答機能により呼び出しに応答した場合に、意図しない接続が確立されるのを防止できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、3PCC技術を用いた2者間通話又は多者間通話でありながら第3者から指定し接続した端末の接続を通話確立前にキャンセルすることができ、相手先又は利用者に迷惑を与えることのない通信システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施の形態に係る通信システムの概念図
【図2】図1に示す利用者パソコンのアプリケーションのブロック図
【図3】第1の実施の形態における第3者制御システムの動作内容を示すフロー図
【図4】第2の実施の形態において利用者パソコンでの接続指示を出すためのフロー図
【図5】第2の実施の形態において第3者制御システムにて接続指示を出すフロー図
【図6】第3の実施の形態において第3者制御システムにて相手端末を呼び出すフロー図
【図7】第3の実施の形態において利用者が自席の電話が呼び出されても一定時間応答しない場合にキャンセル処理するフロー図
【図8】第4の実施の形態において第3者制御システムのフロー図
【図9】第3者制御による多者間通話を行っている場合の接続端末照会画面の解放指示前後の画面遷移図
【図10】(a)発信指示した際に利用した画面からなる発信指示画面を示す図、(b)解放指示した後の画面遷移図、(c)発信指示した際に利用した指示ボタンを持たない画面からなる発信指示画面を示す図、(d)解放指示した後の画面遷移図
【図11】(a)接続ボタンを表示する発信指示画面を示す図、(b)キャンセル可能な端末に解放ボタンを表示する指示画面を示す図、(c)端末電話番号を接続ボタンに兼用する発信指示画面を示す図、(d)キャンセル可能な端末に解放ボタンを表示する指示画面を示す図
【図12】第5の実施の形態に係る第3者制御による2者間通話又は多者間通話を実現する通信システムの概念図
【図13】第5の実施の形態において第3者制御システムでの接続許可の操作を求める部分のフロー図
【図14】第6の実施の形態において第3者制御による2者間通話又は多者間通話を実現する通信システムの概念図
【図15】第3者制御にて2者間通話又は多者間通話を実現する通信システムの概念図
【図16】悪意の第3者が電話番号入力する様子を示す概念図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態に係る電話サービス用通信システムについて図面を参照して具体的に説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1は本実施の形態に係る第3者制御による2者間通話又は多者間通話を実現する通信システムの概念図である。利用者パソコン10に接続端末照会画面M1を表示して接続指示をキャンセルする端末を指定できるように構成している。第3者制御システム11に対して現段階で接続指示の出されているすべての相手端末を一覧表示した接続端末照会画面M1を利用者パソコン10に呼び出せるように構成する。接続端末照会画面M1には接続端末毎にキャンセルボタン12を設け、キャンセルボタン12をクリックすることで該当する接続端末の切断要求を第3者制御システム11へ伝えるようにする。接続指示のキャンセルされた端末及び接続の切断された端末を接続端末照会画面M1から消去して接続端末照会画面M2へ画面遷移させる。
【0021】
図2に利用者パソコン10において第3者制御による2者間通話又は多者間通話に関わる部分の機能ブロックを示す。利用者パソコン10では、ユーザインタフェース21を介して利用者の操作入力を受け取ると共に情報を表示出力する。接続指示部22は、利用者が利用者パソコン10の画面から第3者制御システム11へ接続指示を出す際に必要な画面を提供するアプリケーションである。Web画面上で利用者の電話番号を入力して所定の会社へ接続する構成の場合はブラウザソフトで構成することもできる。接続キャンセル部23は、接続指示の出されている端末を接続指示部22に照会して接続端末照会画面を利用者に提示する端末照会部24、接続端末照会画面M1で接続指示のキャンセル及び接続端末の切断を受け付けるキャンセル端末選択部25、接続指示のキャンセル又は接続切断が指示され端末に対するキャンセル指示を第3者制御システム11へ通知するキャンセル指示部26を備える。Webブラウザで特定のURLを指定することで、接続キャンセル部23の提供するインターフェースが利用可能になるように構成する。または、Web画面ではなく、ブラウザ向けの専用のアプリケーションの画面を用いるようにしてもよいし、ブラウザ専用ではなくパソコン上で動作するアプリケーションをインストールして、必要に応じて起動することで当該インターフェースを提供しても良い。
【0022】
なお、図2に示すシステム構成は、ユーザインタフェース21、接続指示部22及び接続キャンセル部23を利用者側に備えた例であるが、用途に応じて種々変更可能である。たとえば、ユーザインタフェース21だけを利用者側に置くシステム構成も可能であり、接続指示部22、接続キャンセル部23及び第3者制御システム11を同一の筺体に収納しても良い。
【0023】
次に、以上のように構成された本実施の形態の動作について説明する。
図1に示すように、利用者は利用者装置となる利用者パソコン10を用いて接続先の端末を指定した接続要求を入力する。本実施の形態では、利用者パソコン10に表示されたアドレス帳からの選択又は直接の電話番号入力で端末Bを選択して接続指示を出す。第3者制御システム11が利用者パソコン10からの接続指示を受けて、最初に利用者端末Aを呼び出し、端末Aからの応答を受けて端末Bを呼び出し、端末Bからの応答を受けて端末Aと端末Bとを接続する。さらに、利用者パソコン10から端末Cの接続指示を出し、第3者制御システム11が端末Cを呼び出し、端末Cからの応答を受けて端末Aと端末Bとの通話に参加させる。
【0024】
利用者パソコン10から第3者制御システム11に出された接続指示のキャンセルは利用者パソコン10に表示したWeb画面で行うことができる。端末照会部24は、利用者からの操作入力を、ユーザインタフェース21を介して取り込む。端末照会部24は、接続端末照会要求が入力された場合、現在接続指示を出している端末情報を接続指示部22から取得し、図1に示す接続端末照会画面M1を表示させる。接続端末照会画面M1には接続端末に対する接続指示をキャンセルするためのキャンセルボタン12が設けられている。利用者は接続指示をキャセンルしたい端末のキャンセルボタン12をクリックする。キャンセル端末選択部25は、キャンセルボタン12のクリックを受けて該当端末を認識する。キャンセル指示部26は、接続端末照会画面M1上でキャンセル要求を受け付けた接続端末情報を第3者制御システム11へ送信する。第3者制御システム11は、キャンセル指示部26から受け取った接続端末情報に示されたキャンセル対象端末Cを認識し、当該キャンセル対象端末Cとの接続を切断する。一方、接続指示部22はキャンセル指示部26が発したキャンセル要求を受けて該当する端末を接続端末から除外する。接続指示部22から接続指示の出された端末の情報を受けていた端末照会部24は、キャンセル要求のあった端末を接続端末照会画面M1から消去して接続端末照会画面M2へ画面遷移する。たとえば、利用者が接続指示を発信した直後に相手選択の間違いに気づいた場合は、接続端末照会画面M1を表示させて該当端末のキャンセルボタン12をクリックすれば第3者制御システム11にキャンセル要求を伝えることができる。
【0025】
図3は第3者制御システム11の動作内容を示すフロー図である。第3者制御システム11は、利用者端末10から接続指示を受信し(ステップS1)、利用者端末Aの呼び出しを行う(ステップS2)。利用者が自席の端末Aで応答したことを検知すると(ステップS3)、相手端末Bの呼び出しを行う(ステップS4)。端末Bが応答したことを検知すると(ステップS5)、端末Aと端末Bとの間を接続して通話を確立する(ステップS6)。
【0026】
たとえば、第3者制御システム11が利用者端末Aの呼び出しを行っている間に(ステップS2)、利用者が利用者パソコン10に接続端末照会画面M1を表示して端末Bのキャンセルボタン12をクリックする。この結果、端末Bの接続指示をキャンセルするキャンセル要求が第3者制御システム11へ送られる。
【0027】
第3者制御システム11は、端末Bに対するキャンセル要求を受け取ると(ステップS7)、端末Bに対する呼び出し前に接続指示をキャンセルする(ステップS8)。これにより、利用者は自席の端末Aの呼び出し中に接続端末照会画面M1で端末Bのキャンセルボタン12をクリックすることで、端末Bに着信する前に端末Bに対する呼び出しを中断することができる。
【0028】
また、利用者端末Aで応答した後は(ステップS3)、自動的に相手の端末Bの呼び出しを開始するが(ステップS4)、端末Bの応答前に利用者が利用者パソコン10に接続端末照会画面M1を表示して端末Bのキャンセルボタン12をクリックすれば、当該キャンセル要求を受けて(ステップS9)、端末Bの呼び出しを中断して通話確立前に端末Bに対する接続を切断することができる(ステップS8)。
【0029】
また、ステップS5で端末Bが応答したことにより、端末Aと端末Bとの通話が確立したものとする。端末Bが留守番電話に設定されている場合は、留守番電話機能に接続されて留守番メッセージが流される。この時点でも利用者パソコン10に接続端末照会画面M1を表示して端末Bのキャンセルボタン12をクリックすることで、第3者制御システム11がそのキャンセル要求を受け取り(ステップS10)、端末Bの接続だけを切断することができる。
【0030】
このように本実施の形態によれば、利用者パソコン10に表示させた接続端末照会画面M1から接続指示のキャンセルが可能になったので、利用者の端末Aで応答する前に相手端末Bをキャンセルすれば、相手端末Bを呼び出す前にキャンセルすることができ、相手先に迷惑を掛けることを防止できる。また、接続端末照会画面M1にはすべての接続端末が表示されてそこから任意の端末の接続指示をキャンセルできるので、留守番電話機能に接続された端末は迅速に接続を切断することができる。
【0031】
図9から図11に接続端末照会画面の構成例を示す。
図9(a)は第3者制御による多者間通話を行っている場合の接続端末照会画面M1を示す図である。利用者端末(電話番号=AAAAAA)、第2の端末(電話番号=BBBBBB),第3の端末(電話番号=CCCCCC)が多者間通話を行っている。利用者端末の接続端末照会画面M1には、接続中端末の電話番号61が順番に表示され、その電話番号に対応してキャンセルボタン62がそれぞれ表示されている。図9(b)に示すように、電話番号=BBBBBBの端末との接続をキャンセル場合は、電話番号=BBBBBBに対応したキャンセルボタン62aを選択する。
【0032】
図10(a)(b)は発信を指示した際に利用した画面(発信指示画面)をそのまま利用し、解放を指示する画面を構成した例である。図10(a)は利用者端末(電話番号=AAAAAA)が、端末(電話番号=BBBBBB)及び端末(電話番号=CCCCCC)を相手先に選択して発信を指示した画面である。指示ボタン63として、接続端末を選択して指示する接続ボタン64と、接続解放を指示する解放ボタン65が別々に設けられている。多端末を一度に指定する場合に会議ボタンを準備して、一度に指示を出せるようにしても良い。図10(b)に示すように、端末(電話番号=BBBBBB)との接続を切断する場合は端末(電話番号=BBBBBB)の解放ボタン65aを選択する。
【0033】
図10(c)(d)は発信指示画面をそのまま利用した解放指示の画面構成例であるが、接続ボタンと解放ボタンとを別々に設けない例である。図10(c)は利用者端末(電話番号=AAAAAA)が、端末(電話番号=BBBBBB)及び端末(電話番号=CCCCCC)を相手先に選択して発信を指示した画面である。接続ボタンと解放ボタンとを兼用した兼用ボタン66が表示されている。発信指示画面では兼用ボタン66は接続ボタンとして機能する。図10(d)に示すように、端末(電話番号=BBBBBB)との接続を切断する場合は端末(電話番号=BBBBBB)の兼用ボタン66aを選択する。図10(d)に示す解放指示画面では兼用ボタン66aは解放ボタンとして機能する。
【0034】
図11(a)(b)は発信を指示する画面上でキャンセル可能(既に接続されている)な端末に解放ボタンを表示する画面構成例である。図11(a)は利用者端末(電話番号=AAAAAA)が、端末(電話番号=BBBBBB)及び端末(電話番号=CCCCCC)を相手先に選択して発信を指示した画面を示している。利用者端末(電話番号=AAAAAA)と端末(電話番号=BBBBBB)及び端末(電話番号=CCCCCC)とが接続されると、図11(b)の画面に遷移してキャンセル可能な端末に解放ボタンを表示して、キャンセル指示画面となる。発信を選択する度に解放ボタンを新たに生成して表示したり、ブックマークレット技術を用いて解放ボタンを表示したりする形態が考えられる。
【0035】
図11(c)(d)は発信を指示する画面上でキャンセル可能(既に接続されている)な端末に解放ボタンを表示する画面構成であるが、接続ボタンを準備せずに端末電話番号を接続ボタンに兼用する例である。図11(c)は利用者端末(電話番号=AAAAAA)が、端末(電話番号=BBBBBB)及び端末(電話番号=CCCCCC)を相手先に選択して発信を指示した画面を示している。端末(電話番号=DDDDDD)は相手先として選択されていない。図11(d)に示すように相手先に選択された端末(電話番号=BBBBBB)及び端末(電話番号=CCCCCC)に対して解放ボタンが準備される。
【0036】
以上の説明では、ボタンとしているが、ボタンの代わりにリンクやチェックボックス等を用いることも可能である。
【0037】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、第3者制御による接続指示があってから一定時間待ってから利用者端末又は相手端末の接続動作を開始する。なお、第3者制御による2者間通話又は多者間通話を実現するための通信システムは、図1に示す通信システムと同様であるので、同一部分には同一符号を用いて説明する。
【0038】
図4は利用者パソコン10において利用者の接続指示から一定時間経過後に第3者制御システム11へ実際の接続指示を出すためのフロー図である。利用者パソコン10において接続指示部22が起動されると、相手端末を選択して接続指示が入力されたか否か判断する(ステップS20)。接続指示が入力された場合は、接続指示が入力されてから所定時間T1経過するまで待機状態に入る(ステップS21)。接続指示が入力されてから所定時間T1経過するまでの期間は、当該接続指示がキャンセルされるか否か監視する(ステップS22)。利用者は、端末Bを選択して接続指示を出した後でも、所定時間T1が経過する前にキャンセルを指示すれば、実際の呼び出し動作に入ること自体を中止することができる。キャンセル方法は上記した第1の実施の形態と同様に接続端末照会画面M1のキャンセルボタン12を用いることができる。接続指示が入力されてから所定時間T1経過前に接続指示がキャンセルされた場合(ステップS22)、当該相手端末Bに対する呼び出し操作を行わずに終了する(ステップS23)。たとえば、最初に接続相手の端末Bを呼び出す設定の場合であっても、接続指示が入力されてから所定時間T1経過前であれば、接続指示が利用者パソコン10から第3者制御システム11へ接続指示が発信されないので、端末Bを呼び出すことなく接続動作を終了することができる。
【0039】
一方、接続指示が入力されてから所定時間T1が経過すると、第1の実施の形態と同様の接続動作を開始する(ステップS24)。利用者パソコン10から第3者制御システム11に対して接続指示を発信する。接続動作開始後であっても、第1の実施の形態と同様に接続端末照会画面M1のキャンセルボタン12を用いて端末との接続を切断することができる。
【0040】
このように、第3者制御により接続を指定してからすぐに接続動作に入らず、実際には一定時間待ってから接続に入ることで、実際の呼出しを開始する前に接続指示をキャンセルすることができ、相手に迷惑を掛けることを防止できる。
【0041】
図5は第3者制御システム11において利用者からの接続指示を受け取ってから一定時間経過後に端末へ接続指示を出すフロー図である。第3者制御システム11は、利用者パソコン10から接続指示を受信すると(ステップS30)、タイマーで経過時間の計測を開始して待機時間T2を経過するまで呼び出しを行わない(ステップS31)。この待機時間T2の間に利用者パソコン10からキャンセル指示を受信した場合は(ステップS32)、ステップS30で受信した接続指示をキャンセルする(ステップS33)。接続指示がキャンセルされた場合、利用者端末A及び相手端末Bへの呼び出しを行うことなく終了する。
【0042】
一方、ステップS31の判定で待機時間経過してもキャンセルが受信されないことを確認して、端末の呼び出しを開始する。図5に示す例では、先に利用者端末Aを呼び出し(ステップS34)、利用者が自席の端末Aで応答したら(ステップS35)、相手端末Bの呼び出しを行う(ステップS36)。相手端末Bが応答したら(ステップS37)、利用者端末Aと相手端末Bとを接続して通話を確立させる(ステップS38)。
【0043】
このように、第3者制御システム11において利用者からの接続指示を受け取ってから一定時間経過後に端末へ接続指示を出すようにしても、接続指示を出した後に誤りに気づいた利用者が即座にキャンセル操作を行えば、実際の呼出し操作に入ることを防止することができる。
【0044】
なお、上記した第1及び第2の実施の形態では、利用者パソコン10に接続キャンセル部23を実現するアプリケーションを搭載して接続端末照会画面を提示しているが、このようなインタフェースを準備しなくてもキャンセル指示を第3者制御システム11へ知らせることができる。たとえば、接続指示部22を介して接続指示を入力する操作を繰り返し実施することで、2度目をキャンセル操作と認識させるようにしても良い。第3者制御システム11が1回目の接続指示を受けて利用者端末A又は相手端末Bを呼び出す過程で、2回目の接続指示が受信された場合は当該接続指示に対するキャンセル指示であると認識して呼び出しを中断する。
【0045】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、利用者パソコン10から第3者制御システム11に接続指示を出した後に、利用者の端末を用いてキャンセルを行う例である。利用者の自席の端末Aの呼び出しを行い、利用者が端末Aで応答したら直ぐに相手端末を呼び出しに行くのではなく、一定時間待ってから相手端末を呼び出すようにする。
【0046】
図6は第3者制御システム11において利用者端末Aの応答があってから一定時間経過後に相手端末を呼び出すフロー図である。利用者パソコン10から相手端末Bを選択して接続指示を出したものとする。第3者制御システム11は、接続指示を受信すると(ステップS40)、利用者端末Aの呼び出しを行う(ステップS41)。利用者端末Aから応答があると(ステップS42)、一定時間T3経過するまで相手端末Bへの呼び出しを行わない(ステップS43)。利用者端末Aの応答から一定時間T3の間は相手端末Bの呼び出しを行わないので、その間に利用者パソコン10からキャンセル指示を入力すれば、相手端末Bを呼び出す前に接続を中断することができる。第3者制御システム11は、利用者端末Aの応答から一定時間T3経過前にキャンセル指示を受信すると(ステップS44)、端末Bに対する接続指示をキャンセルする(ステップS45)。したがって、利用者は自分の端末Aで呼び出しに応答してから一定時間T3が経過するまでに、キャンセル指示を出せば相手端末Bを呼び出すことなく接続をキャンセルすることができる。または端末Aのオンフックをキャンセルと認識するように設定しておけば、利用者は応答後すぐにオンフックして電話を切断することで、相手を呼び出す前にキャンセルすることができる。
【0047】
利用者端末Aが応答してからキャンセル指示を受信することなく一定時間T3経過したら、相手端末Bの呼び出しを開始する(ステップS46)。相手端末Bが呼び出しに応答すれば(ステップS47)、端末Aと端末Bとを接続して通話を確立させる(ステップS48)。
【0048】
このように、利用者が端末Aで応答して一定時間T3経過してから相手端末Bを呼び出すことにより、利用者にキャンセルの余裕が出来て相手を呼び出す前にキャンセルすることができる。
【0049】
また、利用者が接続指示を発して自席の電話が呼び出されても一定時間応答しない場合にキャンセルと認識するようにしても良い。図7は利用者が自席の電話が呼び出されても一定時間応答しない場合にキャンセル処理するフロー図である。図6に示すフロー図と同一ステップには同じ符号を付して説明の重複を避ける。第3者制御システム11は、利用者端末Aの呼び出しを開始してから一定時間T4経過しても応答がない場合に(ステップS49)、接続指示のキャンセルであると認識して接続を中止する。一定時間T4は端末Aが自動応答する時間よりも短い時間に設定する必要がある。
【0050】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態は、留守番電話機能に接続されて通話できない状態の端末には通話を確立させないようにした例である。なお、第3者制御による2者間通話又は多者間通話を実現するための通信システムは、図1に示す通信システムと同様であるので、同一部分には同一符号を用いて説明する。
【0051】
図8は本実施の形態において第3者制御システム11におけるフロー図である。利用者パソコン10から接続指示を受信すると(ステップS50)、利用者端末Aの呼び出しを行う(ステップS51)。利用者端末Aから応答があると(ステップS52)、所定のボタン操作をするようにアナウンスを流す(ステップS53)。たとえば、利用者の端末Aが留守番電話設定になっていた場合は、従来であれば自動応答してしまっていたが、本実施の形態では利用者が端末Aのボタン操作を行わない限り、次の端末の呼び出しは行われない。利用者が端末Aを誤って留守番電話設定にしていた場合は、要求した所定のボタン操作が行われないので、接続中止処理がなされる(ステップS55)。
【0052】
利用者がアナウンスに従って所定のボタン操作を行った場合は(ステップS54)、相手端末Bの呼び出しを開始する(ステップS56)。相手端末Bが応答すると(ステップS57)、上記同様に所定のボタン操作を行うようにアナウンスを流す(ステップS58)。相手端末Bが留守番電話設定になっていて相手が不在の場合には、アナウンスに応じたボタン操作はなされないことになる。第3者制御システム11は、応答のあった相手端末Bから所定のボタン操作がなされたか否か判断し(ステップS59)、要求したボタン操作がされなかった場合は接続中止処理がなされる(ステップS55)。したがって、相手端末Bが留守番電話機能に接続されて自動応答した場合には通話を確立させずに接続中止処理がなされる。
【0053】
相手端末Bでアナウンスに応じたボタン操作がなされた場合は(ステップS59)、利用者端末Aと相手端末Bとの通話を確立させる(ステップS60)。
【0054】
このように、呼び出しに対して応答のあった端末から所定のボタン操作があった場合にだけ接続するようにしたので、留守番電話機能が自動応答した場合には通話を確立させずに接続中止することができる。
【0055】
以上の説明では、呼び出しに対して応答のあった端末に対してボタン操作をアナウンスしていたが、予め所定のボタン操作を行うように周知しておき、第3者制御システム11でそれを認識できるようにしておけば、必ずしもアナウンスを流す必要はない。また、図8に示すフロー図では利用者端末及び相手端末の双方にボタン操作アナウンスを流しているが、一方にだけアナウンスを流すようにしても良い。例えば、相手端末からのボタン操作を期待しない場合、利用者端末にだけ操作アナウンスを流すようにする。
【0056】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態は、上記第4の実施の形態と同様のシステム構成で、第3者制御による2者間通話に先立ち、利用者が接続許可を与えた上で2者間通話を確立するようにした例である。
【0057】
現在、利用者に自らが利用したい電話の電話番号を入力させて特定の相手(不特定多数の利用者から電話を受けたい事業者)に接続するサービスがある。図16に示すように、インターネット上のサービスサイト73にアクセスして利用者パソコン10にWeb画面70を表示させると、「あなたの電話番号を入力して下さい」といったメッセージと共に電話番号の入力ボックス71が表示される。入力ボックス71に利用者が利用したい電話の電話番号(03-AAA-BBB)を入力して発信ボタン72をクリックすると、第3者制御システム11に接続指示が送信され、利用者が指定した電話番号(03-AAA-BBB)が呼び出される。利用者が端末A(電話番号=03-AAA-BBB)で応答すると、XX株式会社の端末Bに接続されて通話が確立される。
【0058】
ところが、悪意の第3者がWeb画面70の入力ボックス71に意図的に他人(被害者A)の電話番号を入力して発信すると、被害者Aの端末が呼び出され、その呼び出しに応答すると自動的にXX株式会社の端末Bに接続されることになる。また、悪意のない第3者であっても電話番号の入力ミスがあった場合には他人の電話が呼び出されて応答すれば自動的に意図していないXX株式会社の端末Bに接続されることになり、迷惑を被ることになる。
【0059】
そこで、本実施の形態では、第3者制御による2者間通話又は多者間通話の場合は、利用者及び又は相手先の接続許可を得た上で通話確立するようにシステム構成する。
【0060】
図12は本実施の形態に係る第3者制御による2者間通話又は多者間通話を実現する通信システムの概念図である。利用者パソコン10からインターネット2上のサービスサイト73にアクセスしてWeb画面70を利用者パソコン10に表示させた状態を示している。端末Bは不特定多数の利用者から電話を受けたいXX株式会社が用意した電話であり、第3者制御システム11はWeb画面70の入力ボックス71に入力された電話番号を利用者端末として、利用者端末と端末Bとを接続する呼接続処理を実施する。
【0061】
図12に示すように、第3者制御システム11は、はWeb画面70の入力ボックス71に入力された電話番号の利用者端末Aを呼び出すが、この際に端末Aから接続許可の操作があった場合にのみ、相手端末Bの呼び出し及び接続を行う。すなわち、システム側に呼び出された利用者が端末Aに接続許可の操作を行うことを条件とすることで、悪意の第3者が利用者Aの電話番号を入力して利用者の端末Aが呼び出されたとしても、端末Bに自動的に接続されない仕組みを構築している。
【0062】
図13は第3者制御システム11において利用者に接続許可の操作を求める部分のフロー図である。第3者制御システム11は、接続指示を受信すると(ステップS70)、着信規制対象か否かの判断を行う(ステップS71)。後述するように、過去に迷惑発信を行った利用者装置を登録しており、今回電話番号入力により接続指示してきた利用者が着信規制対象か否か登録情報に基づいてチェックしている。迷惑発信を行った利用者装置の登録情報として、迷惑発信した利用者パソコンのIPアドレス、携帯電話であれば携帯電話番号、その他の端末固有の識別番号を登録しておくことができる。
【0063】
ステップS71で着信規制対象として登録されていない利用者装置からの接続指示であることを確認した後、Web画面70で電話番号入力された利用者端末A(電話番号=03-AAA-BBB)の呼び出しを行う(ステップS72)。利用者が端末Aで応答すると(ステップS73)、接続許可を意味するボタン操作を促すアナウンスを流す(ステップS74)。たとえば、「XX株式会社に接続します。宜しければボタン「1」を押してください」といったメッセージを流すものとする。利用者は、XX株式会社に接続することを許可する場合は、接続許可のボタン操作としてボタン「1」を押す。第3者制御システム11は、端末Aにおいてボタン「1」が押されたことを確認してから(ステップS75)、XX株式会社の受付電話となる端末Bに接続して通話を確立させる(ステップS76)。
【0064】
一方、端末Aの利用者とは異なる悪意の第3者がWeb画面70で利用者端末Aの電話番号=03-AAA-BBBを勝手に入力した場合は、利用者は端末Aの受話器をとると予期せぬメッセージを聞くことになる。端末Aの利用者はXX株式会社への接続指示を出していないので、不審電話又は迷惑電話として処理することができる。まず、端末Aで応答した利用者は接続許可のボタン操作を行わないことにより、第3者制御システム11では端末Bへの接続を中止する(ステップS77)。本実施の形態では、引き続き今回迷惑発信してきた迷惑発信装置を着信規制対象として登録するか否か利用者に問い合わせる(ステップS78)。たとえば、着信規制対象として登録するか否かの問合せメッセージを流して、利用者が端末Aで登録要求のボタン操作を行った場合に、着信規制対象として登録する(ステップS79)。つまり、端末Aの電話番号が着信規制対象として登録され、今後第3者制御システムからの着信が来ないようになる、もしくは第3者制御システムを介してXX株式会社と接続する要求に対する着信が来ないようになる。
【0065】
なお、接続を許可することだけを認識すれば良いシステムでは、操作性向上のため接続キャンセル乃至は悪戯電話である場合のボタン操作を省略し電話の切断をしてもよい。また悪戯電話を受けた被害者に余計な操作をさせることない方法として、接続許可とキャンセルだけボタン操作を指示し、何もしないで電話を切断した場合や指定された番号が一定時間応答しない場合には悪戯電話として処理する方法としても良い。
【0066】
なお、以上の説明では、利用者側での迷惑着信について説明したが、相手端末側での迷惑着信拒否にも同様に適用可能である。
【0067】
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態は、第3者制御による2者間通話又は多者間通話に先立ち、Web画面に提示した専用の認証コードを、利用者端末での応答時に入力することで利用者認証を行うようにした例である。
【0068】
図14は本実施の形態に係る第3者制御による2者間通話又は多者間通話を実現する通信システムの概念図である。利用者パソコン10からインターネット2上のサービスサイト73にアクセスしてWeb画面70を利用者パソコン10に表示させた状態を示している。端末Bは不特定多数の利用者から電話を受けたいXX株式会社が用意した電話である。Web画面70には、利用者が利用者端末での応答時に入力する認証コード74が表示されている。利用者が自分で受けたい端末Aの電話番号(03-AAA-BBB)を入力して発信ボタン72をクリックすると、入力した利用者端末Aの端末電話番号(03-AAA-BBB)と共に認証コード(0001)が第3者制御システム11へ送られる。
【0069】
第3者制御システム11は、電話番号(03-AAA-BBB)から利用者端末Aを呼び出し、応答があればさらに認証コードの入力を要求する。呼び出された端末Aの利用者が、Web画面70で自分の端末Aの電話番号を入力した本人であれば、Web画面70に表示されていた認証コード(0001)をボタン操作で入力することができる。利用者は端末Aのボタン操作で認証コード(0001)を入力する。これにより、第3者制御システム11は、端末Aのボタン操作で入力された認証コード(0001)と先に受信したWeb画面70の認証コード(0001)との一致を確認することで利用者認証が可能になる。
【0070】
一方、悪意の第3者によって自分の電話番号を使われた利用者による被害防止の観点からは、利用者(被害者)が知ることのない認証コード(0001)をボタン操作で入力することはあり得ないので、確実に接続を中止させることができる。
【0071】
このように、Web画面70で提示した認証コードの入力を利用者端末の応答時に要求することで、第3者制御システム11では利用者認証が可能になる一方、利用者側では悪意の第3者による迷惑発信を防御できる。
【0072】
なお、一旦電話番号を入力させた後で初めて入力された番号である場合にだけ認証コードを表示させることにより、認証コードを毎回入力させないなどの対策を採ることもできる。電話番号入力指示が行われた端末を、IPアドレスや端末が持つ情報(携帯電話の場合は携帯端末識別番号、パソコンの場合はIPアドレスやクッキー情報など)との組合せで、利用した第3者制御のための端末から初めて利用された利用者電話番号か2度目かを判断することができる。
【0073】
また、以上の説明では、利用者装置としてパソコン10を用いているが、携帯電話、PHS、その他の情報通信機器を用いることも可能である。また、接続指示を発信する利用者装置と第3者制御システム11から呼び出される利用者端末Aとを一体化したシステムであっても良い。
【符号の説明】
【0074】
2…インターネット又はイントラネット
10…利用者パソコン
11…第3者制御システム
12…キャンセルボタン
21…ユーザインタフェース
22…接続指示部
23…接続キャンセル部
24…端末照会部
25…キャンセル端末選択部
26…キャンセル指示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、第3者制御により2者間通話又は多者間通話を実現する通信システム及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコン画面に表示されたアドレス帳上で相手をワンクリックするだけで、端末同士を接続して通話可能にする3rd party call control (3PCC)という技術が普及しはじめている(例えば、特許文献1)。3PCC技術を用いることにより、端末同士をワンクリックで接続することが出来るため業務の効率化を実現できるほか、電話番号を企業電話帳で一元管理することにより個人情報の保護にも役立つ。また、3PCC技術を応用した多者間通話機能を実装しWebを用いた操作性の高い電話会議システムも開発されている。
【0003】
図15は3PCC技術を用いて2者間通話を実現した通信システムの概念図である。
接続指示を発する利用者のパソコン1の画面に表示されたアドレス帳上で相手をクリックすることで、インターネット又はイントラネット2経由で第3者制御システム3に接続指示(1)が出される。第3者制御システム3は、先に利用者があらかじめ指定した通話端末4に接続し(2)、利用者が通話端末4で応答したのを確認したら、相手の電話端末5に接続して呼び出し(3)、電話端末5が応答したら、端末同士を接続して通話可能状態にする(4)。
【0004】
或いは、先に相手電話端末5に接続して呼び出し、電話端末5が応答したら利用者の通話端末4に接続に行き、利用者が通話端末4をオフフックしたら端末同士を通話可能状態にすることもできる。電話会議システムの場合は、利用者(発側)のパソコン1の画面に表示されたアドレス帳上で会議参加予定の相手をクリックすることで、順次相手端末の呼び出しを行い、第3者制御システム3がオフフック又は応答のあった相手端末を確立中の通話に順次加えていき多者通話可能な状態にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−311838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、3PCC技術を用いた従来のシステムは、通話確立前にキャンセルすることができなかったため、次のような問題があった。
【0007】
(1)相手の電話に着信することなく通話を切断する手段がないために、相手先の電話を鳴らしたり、着信履歴に利用者の電話番号を残したりしてしまうという課題があった。従来のダイヤルやボタン操作によって電話をかける方式では、電話のダイヤル操作やボタン操作を行う間に、電話をかけることを再考したり、電話番号の誤りに気付いて電話の発信を取りやめたりすると、相手を呼出すことなくキャンセルすることができた。ところが、3PCC技術を用いると、利用者の自席の電話が鳴って応答すると相手を呼出し始めてしまうため、相手を呼出す前にキャンセルする方法が無い。相手先では「電話に応答しようとしたにもかかわらず電話が切れてしまった」、「着信履歴を見て折り返し電話をかけた」などの迷惑をかける可能性があった。
【0008】
(2)利用者より先に相手を呼出す場合、相手と利用者との通話を確立しなければこの接続をキャンセルできないため、相手が応答しない場合に相手先の電話が鳴り続けることとなり、周囲に迷惑をかけることになる。また、誤った相手に電話を掛けてしまった場合には相手に電話に応答することを強いるという課題がある。
【0009】
(3)呼出し対象の相手端末が自動応答してしまう場合に、利用者に相手端末の留守番電話等の自動応答装置との通信を強いるという課題がある。3PCC技術を用いて呼出した自席や相手が留守番電話機能などのように通話が出来ない状態にあるにも関わらず自動的に応答してしまう場合でも、次の処理である相手や自席を呼出す処理を行ってしまう。この様な場合、次に呼出された側が電話に応答すると、相手の留守番電話のメッセージ等を聞くことになる。会議電話の場合には、留守番電話のメッセージが会議参加者に流れ、一定時間会議参加者の声が留守番電話に録音されることになるといった不具合が生じる。
【0010】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、3PCC技術を用いた2者間通話又は多者間通話でありながら第3者から指定し接続した端末の接続を通話確立前または後にキャンセルすることができ、相手先又は利用者に迷惑を与えることのない通信システム及び通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の通信システムは、接続先の端末を指定した接続要求を利用者装置で受け取り、当該利用者装置から第3者制御装置へ接続指示を通知し、当該第3者制御装置が前記接続指示に応じて利用者端末及び相手端末を呼び出して当該利用者端末と相手端末とを接続し2者間通話又は多者間通話を可能にする通信システムであって、前記第3者制御装置は、利用者端末又は相手端末が呼び出しに応答した後、所定の操作を行った場合に接続を行うことを特徴とする。
【0012】
これにより、利用者端末又は相手端末が呼び出しに応答した後、所定の操作を行った場合に接続が行なわれるので、利用者端末又は相手端末が、留守番電話機能などの自動応答機能により呼び出しに応答した場合に、意図しない接続が確立されるのを防止できる。
【0013】
本発明の通信システムにおいて、前記第3者制御装置は、前記利用者装置から前記接続指示を受信すると、前記利用者端末の呼び出しを行い、該利用者端末が呼び出しに応答した後、前記利用者端末の利用者による所定の操作を前記利用者端末が受け付けない場合、前記接続指示による接続を中止してもよい。
【0014】
本発明の通信システムにおいて、前記第3者制御装置は、前記利用者装置から前記接続指示を受信すると、前記利用者端末の呼び出しを行い、該利用者端末が呼び出しに応答した後、前記利用者端末の利用者による所定の操作を前記利用者端末が受け付けた場合、前記接続指示に基づいて前記相手端末の呼び出しを行い、該相手端末が呼び出しに応答した後、前記相手端末の利用者による所定の操作を前記相手端末が受け付けた場合、前記利用者端末と前記相手端末との通話を確立させてもよい。
【0015】
本発明の通信システムにおいて、前記第3者制御装置は、前記利用者装置から前記接続指示を受信すると、前記利用者端末の呼び出しを行い、該利用者端末が呼び出しに応答した後、前記利用者端末の利用者による所定の操作を前記利用者端末が受け付けた場合、前記接続指示に基づいて前記相手端末の呼び出しを行い、該相手端末が呼び出しに応答した後、前記相手端末の利用者による所定の操作を前記相手端末が受け付けない場合、前記接続指示による接続を中止してもよい。
【0016】
また本発明の通信方法は、接続先の端末を指定した接続要求を利用者装置で受け取り、当該利用者装置から第3者制御装置へ接続要求を通知し、当該第3者制御装置が前記接続要求に応じて利用者端末及び相手端末に接続指示を出して当該利用者端末と相手端末とを接続し2者間通話又は多者間通話を可能にする通信方法であって、前記第3者制御装置は、利用者端末又は相手端末が呼び出しに応答した後、所定の操作を行った場合に接続を行うことを特徴とする。これにより、利用者端末又は相手端末が呼び出しに応答した後、所定の操作を行った場合に接続が行なわれるので、利用者端末又は相手端末が、留守番電話機能などの自動応答機能により呼び出しに応答した場合に、意図しない接続が確立されるのを防止できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、3PCC技術を用いた2者間通話又は多者間通話でありながら第3者から指定し接続した端末の接続を通話確立前にキャンセルすることができ、相手先又は利用者に迷惑を与えることのない通信システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施の形態に係る通信システムの概念図
【図2】図1に示す利用者パソコンのアプリケーションのブロック図
【図3】第1の実施の形態における第3者制御システムの動作内容を示すフロー図
【図4】第2の実施の形態において利用者パソコンでの接続指示を出すためのフロー図
【図5】第2の実施の形態において第3者制御システムにて接続指示を出すフロー図
【図6】第3の実施の形態において第3者制御システムにて相手端末を呼び出すフロー図
【図7】第3の実施の形態において利用者が自席の電話が呼び出されても一定時間応答しない場合にキャンセル処理するフロー図
【図8】第4の実施の形態において第3者制御システムのフロー図
【図9】第3者制御による多者間通話を行っている場合の接続端末照会画面の解放指示前後の画面遷移図
【図10】(a)発信指示した際に利用した画面からなる発信指示画面を示す図、(b)解放指示した後の画面遷移図、(c)発信指示した際に利用した指示ボタンを持たない画面からなる発信指示画面を示す図、(d)解放指示した後の画面遷移図
【図11】(a)接続ボタンを表示する発信指示画面を示す図、(b)キャンセル可能な端末に解放ボタンを表示する指示画面を示す図、(c)端末電話番号を接続ボタンに兼用する発信指示画面を示す図、(d)キャンセル可能な端末に解放ボタンを表示する指示画面を示す図
【図12】第5の実施の形態に係る第3者制御による2者間通話又は多者間通話を実現する通信システムの概念図
【図13】第5の実施の形態において第3者制御システムでの接続許可の操作を求める部分のフロー図
【図14】第6の実施の形態において第3者制御による2者間通話又は多者間通話を実現する通信システムの概念図
【図15】第3者制御にて2者間通話又は多者間通話を実現する通信システムの概念図
【図16】悪意の第3者が電話番号入力する様子を示す概念図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態に係る電話サービス用通信システムについて図面を参照して具体的に説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
図1は本実施の形態に係る第3者制御による2者間通話又は多者間通話を実現する通信システムの概念図である。利用者パソコン10に接続端末照会画面M1を表示して接続指示をキャンセルする端末を指定できるように構成している。第3者制御システム11に対して現段階で接続指示の出されているすべての相手端末を一覧表示した接続端末照会画面M1を利用者パソコン10に呼び出せるように構成する。接続端末照会画面M1には接続端末毎にキャンセルボタン12を設け、キャンセルボタン12をクリックすることで該当する接続端末の切断要求を第3者制御システム11へ伝えるようにする。接続指示のキャンセルされた端末及び接続の切断された端末を接続端末照会画面M1から消去して接続端末照会画面M2へ画面遷移させる。
【0021】
図2に利用者パソコン10において第3者制御による2者間通話又は多者間通話に関わる部分の機能ブロックを示す。利用者パソコン10では、ユーザインタフェース21を介して利用者の操作入力を受け取ると共に情報を表示出力する。接続指示部22は、利用者が利用者パソコン10の画面から第3者制御システム11へ接続指示を出す際に必要な画面を提供するアプリケーションである。Web画面上で利用者の電話番号を入力して所定の会社へ接続する構成の場合はブラウザソフトで構成することもできる。接続キャンセル部23は、接続指示の出されている端末を接続指示部22に照会して接続端末照会画面を利用者に提示する端末照会部24、接続端末照会画面M1で接続指示のキャンセル及び接続端末の切断を受け付けるキャンセル端末選択部25、接続指示のキャンセル又は接続切断が指示され端末に対するキャンセル指示を第3者制御システム11へ通知するキャンセル指示部26を備える。Webブラウザで特定のURLを指定することで、接続キャンセル部23の提供するインターフェースが利用可能になるように構成する。または、Web画面ではなく、ブラウザ向けの専用のアプリケーションの画面を用いるようにしてもよいし、ブラウザ専用ではなくパソコン上で動作するアプリケーションをインストールして、必要に応じて起動することで当該インターフェースを提供しても良い。
【0022】
なお、図2に示すシステム構成は、ユーザインタフェース21、接続指示部22及び接続キャンセル部23を利用者側に備えた例であるが、用途に応じて種々変更可能である。たとえば、ユーザインタフェース21だけを利用者側に置くシステム構成も可能であり、接続指示部22、接続キャンセル部23及び第3者制御システム11を同一の筺体に収納しても良い。
【0023】
次に、以上のように構成された本実施の形態の動作について説明する。
図1に示すように、利用者は利用者装置となる利用者パソコン10を用いて接続先の端末を指定した接続要求を入力する。本実施の形態では、利用者パソコン10に表示されたアドレス帳からの選択又は直接の電話番号入力で端末Bを選択して接続指示を出す。第3者制御システム11が利用者パソコン10からの接続指示を受けて、最初に利用者端末Aを呼び出し、端末Aからの応答を受けて端末Bを呼び出し、端末Bからの応答を受けて端末Aと端末Bとを接続する。さらに、利用者パソコン10から端末Cの接続指示を出し、第3者制御システム11が端末Cを呼び出し、端末Cからの応答を受けて端末Aと端末Bとの通話に参加させる。
【0024】
利用者パソコン10から第3者制御システム11に出された接続指示のキャンセルは利用者パソコン10に表示したWeb画面で行うことができる。端末照会部24は、利用者からの操作入力を、ユーザインタフェース21を介して取り込む。端末照会部24は、接続端末照会要求が入力された場合、現在接続指示を出している端末情報を接続指示部22から取得し、図1に示す接続端末照会画面M1を表示させる。接続端末照会画面M1には接続端末に対する接続指示をキャンセルするためのキャンセルボタン12が設けられている。利用者は接続指示をキャセンルしたい端末のキャンセルボタン12をクリックする。キャンセル端末選択部25は、キャンセルボタン12のクリックを受けて該当端末を認識する。キャンセル指示部26は、接続端末照会画面M1上でキャンセル要求を受け付けた接続端末情報を第3者制御システム11へ送信する。第3者制御システム11は、キャンセル指示部26から受け取った接続端末情報に示されたキャンセル対象端末Cを認識し、当該キャンセル対象端末Cとの接続を切断する。一方、接続指示部22はキャンセル指示部26が発したキャンセル要求を受けて該当する端末を接続端末から除外する。接続指示部22から接続指示の出された端末の情報を受けていた端末照会部24は、キャンセル要求のあった端末を接続端末照会画面M1から消去して接続端末照会画面M2へ画面遷移する。たとえば、利用者が接続指示を発信した直後に相手選択の間違いに気づいた場合は、接続端末照会画面M1を表示させて該当端末のキャンセルボタン12をクリックすれば第3者制御システム11にキャンセル要求を伝えることができる。
【0025】
図3は第3者制御システム11の動作内容を示すフロー図である。第3者制御システム11は、利用者端末10から接続指示を受信し(ステップS1)、利用者端末Aの呼び出しを行う(ステップS2)。利用者が自席の端末Aで応答したことを検知すると(ステップS3)、相手端末Bの呼び出しを行う(ステップS4)。端末Bが応答したことを検知すると(ステップS5)、端末Aと端末Bとの間を接続して通話を確立する(ステップS6)。
【0026】
たとえば、第3者制御システム11が利用者端末Aの呼び出しを行っている間に(ステップS2)、利用者が利用者パソコン10に接続端末照会画面M1を表示して端末Bのキャンセルボタン12をクリックする。この結果、端末Bの接続指示をキャンセルするキャンセル要求が第3者制御システム11へ送られる。
【0027】
第3者制御システム11は、端末Bに対するキャンセル要求を受け取ると(ステップS7)、端末Bに対する呼び出し前に接続指示をキャンセルする(ステップS8)。これにより、利用者は自席の端末Aの呼び出し中に接続端末照会画面M1で端末Bのキャンセルボタン12をクリックすることで、端末Bに着信する前に端末Bに対する呼び出しを中断することができる。
【0028】
また、利用者端末Aで応答した後は(ステップS3)、自動的に相手の端末Bの呼び出しを開始するが(ステップS4)、端末Bの応答前に利用者が利用者パソコン10に接続端末照会画面M1を表示して端末Bのキャンセルボタン12をクリックすれば、当該キャンセル要求を受けて(ステップS9)、端末Bの呼び出しを中断して通話確立前に端末Bに対する接続を切断することができる(ステップS8)。
【0029】
また、ステップS5で端末Bが応答したことにより、端末Aと端末Bとの通話が確立したものとする。端末Bが留守番電話に設定されている場合は、留守番電話機能に接続されて留守番メッセージが流される。この時点でも利用者パソコン10に接続端末照会画面M1を表示して端末Bのキャンセルボタン12をクリックすることで、第3者制御システム11がそのキャンセル要求を受け取り(ステップS10)、端末Bの接続だけを切断することができる。
【0030】
このように本実施の形態によれば、利用者パソコン10に表示させた接続端末照会画面M1から接続指示のキャンセルが可能になったので、利用者の端末Aで応答する前に相手端末Bをキャンセルすれば、相手端末Bを呼び出す前にキャンセルすることができ、相手先に迷惑を掛けることを防止できる。また、接続端末照会画面M1にはすべての接続端末が表示されてそこから任意の端末の接続指示をキャンセルできるので、留守番電話機能に接続された端末は迅速に接続を切断することができる。
【0031】
図9から図11に接続端末照会画面の構成例を示す。
図9(a)は第3者制御による多者間通話を行っている場合の接続端末照会画面M1を示す図である。利用者端末(電話番号=AAAAAA)、第2の端末(電話番号=BBBBBB),第3の端末(電話番号=CCCCCC)が多者間通話を行っている。利用者端末の接続端末照会画面M1には、接続中端末の電話番号61が順番に表示され、その電話番号に対応してキャンセルボタン62がそれぞれ表示されている。図9(b)に示すように、電話番号=BBBBBBの端末との接続をキャンセル場合は、電話番号=BBBBBBに対応したキャンセルボタン62aを選択する。
【0032】
図10(a)(b)は発信を指示した際に利用した画面(発信指示画面)をそのまま利用し、解放を指示する画面を構成した例である。図10(a)は利用者端末(電話番号=AAAAAA)が、端末(電話番号=BBBBBB)及び端末(電話番号=CCCCCC)を相手先に選択して発信を指示した画面である。指示ボタン63として、接続端末を選択して指示する接続ボタン64と、接続解放を指示する解放ボタン65が別々に設けられている。多端末を一度に指定する場合に会議ボタンを準備して、一度に指示を出せるようにしても良い。図10(b)に示すように、端末(電話番号=BBBBBB)との接続を切断する場合は端末(電話番号=BBBBBB)の解放ボタン65aを選択する。
【0033】
図10(c)(d)は発信指示画面をそのまま利用した解放指示の画面構成例であるが、接続ボタンと解放ボタンとを別々に設けない例である。図10(c)は利用者端末(電話番号=AAAAAA)が、端末(電話番号=BBBBBB)及び端末(電話番号=CCCCCC)を相手先に選択して発信を指示した画面である。接続ボタンと解放ボタンとを兼用した兼用ボタン66が表示されている。発信指示画面では兼用ボタン66は接続ボタンとして機能する。図10(d)に示すように、端末(電話番号=BBBBBB)との接続を切断する場合は端末(電話番号=BBBBBB)の兼用ボタン66aを選択する。図10(d)に示す解放指示画面では兼用ボタン66aは解放ボタンとして機能する。
【0034】
図11(a)(b)は発信を指示する画面上でキャンセル可能(既に接続されている)な端末に解放ボタンを表示する画面構成例である。図11(a)は利用者端末(電話番号=AAAAAA)が、端末(電話番号=BBBBBB)及び端末(電話番号=CCCCCC)を相手先に選択して発信を指示した画面を示している。利用者端末(電話番号=AAAAAA)と端末(電話番号=BBBBBB)及び端末(電話番号=CCCCCC)とが接続されると、図11(b)の画面に遷移してキャンセル可能な端末に解放ボタンを表示して、キャンセル指示画面となる。発信を選択する度に解放ボタンを新たに生成して表示したり、ブックマークレット技術を用いて解放ボタンを表示したりする形態が考えられる。
【0035】
図11(c)(d)は発信を指示する画面上でキャンセル可能(既に接続されている)な端末に解放ボタンを表示する画面構成であるが、接続ボタンを準備せずに端末電話番号を接続ボタンに兼用する例である。図11(c)は利用者端末(電話番号=AAAAAA)が、端末(電話番号=BBBBBB)及び端末(電話番号=CCCCCC)を相手先に選択して発信を指示した画面を示している。端末(電話番号=DDDDDD)は相手先として選択されていない。図11(d)に示すように相手先に選択された端末(電話番号=BBBBBB)及び端末(電話番号=CCCCCC)に対して解放ボタンが準備される。
【0036】
以上の説明では、ボタンとしているが、ボタンの代わりにリンクやチェックボックス等を用いることも可能である。
【0037】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、第3者制御による接続指示があってから一定時間待ってから利用者端末又は相手端末の接続動作を開始する。なお、第3者制御による2者間通話又は多者間通話を実現するための通信システムは、図1に示す通信システムと同様であるので、同一部分には同一符号を用いて説明する。
【0038】
図4は利用者パソコン10において利用者の接続指示から一定時間経過後に第3者制御システム11へ実際の接続指示を出すためのフロー図である。利用者パソコン10において接続指示部22が起動されると、相手端末を選択して接続指示が入力されたか否か判断する(ステップS20)。接続指示が入力された場合は、接続指示が入力されてから所定時間T1経過するまで待機状態に入る(ステップS21)。接続指示が入力されてから所定時間T1経過するまでの期間は、当該接続指示がキャンセルされるか否か監視する(ステップS22)。利用者は、端末Bを選択して接続指示を出した後でも、所定時間T1が経過する前にキャンセルを指示すれば、実際の呼び出し動作に入ること自体を中止することができる。キャンセル方法は上記した第1の実施の形態と同様に接続端末照会画面M1のキャンセルボタン12を用いることができる。接続指示が入力されてから所定時間T1経過前に接続指示がキャンセルされた場合(ステップS22)、当該相手端末Bに対する呼び出し操作を行わずに終了する(ステップS23)。たとえば、最初に接続相手の端末Bを呼び出す設定の場合であっても、接続指示が入力されてから所定時間T1経過前であれば、接続指示が利用者パソコン10から第3者制御システム11へ接続指示が発信されないので、端末Bを呼び出すことなく接続動作を終了することができる。
【0039】
一方、接続指示が入力されてから所定時間T1が経過すると、第1の実施の形態と同様の接続動作を開始する(ステップS24)。利用者パソコン10から第3者制御システム11に対して接続指示を発信する。接続動作開始後であっても、第1の実施の形態と同様に接続端末照会画面M1のキャンセルボタン12を用いて端末との接続を切断することができる。
【0040】
このように、第3者制御により接続を指定してからすぐに接続動作に入らず、実際には一定時間待ってから接続に入ることで、実際の呼出しを開始する前に接続指示をキャンセルすることができ、相手に迷惑を掛けることを防止できる。
【0041】
図5は第3者制御システム11において利用者からの接続指示を受け取ってから一定時間経過後に端末へ接続指示を出すフロー図である。第3者制御システム11は、利用者パソコン10から接続指示を受信すると(ステップS30)、タイマーで経過時間の計測を開始して待機時間T2を経過するまで呼び出しを行わない(ステップS31)。この待機時間T2の間に利用者パソコン10からキャンセル指示を受信した場合は(ステップS32)、ステップS30で受信した接続指示をキャンセルする(ステップS33)。接続指示がキャンセルされた場合、利用者端末A及び相手端末Bへの呼び出しを行うことなく終了する。
【0042】
一方、ステップS31の判定で待機時間経過してもキャンセルが受信されないことを確認して、端末の呼び出しを開始する。図5に示す例では、先に利用者端末Aを呼び出し(ステップS34)、利用者が自席の端末Aで応答したら(ステップS35)、相手端末Bの呼び出しを行う(ステップS36)。相手端末Bが応答したら(ステップS37)、利用者端末Aと相手端末Bとを接続して通話を確立させる(ステップS38)。
【0043】
このように、第3者制御システム11において利用者からの接続指示を受け取ってから一定時間経過後に端末へ接続指示を出すようにしても、接続指示を出した後に誤りに気づいた利用者が即座にキャンセル操作を行えば、実際の呼出し操作に入ることを防止することができる。
【0044】
なお、上記した第1及び第2の実施の形態では、利用者パソコン10に接続キャンセル部23を実現するアプリケーションを搭載して接続端末照会画面を提示しているが、このようなインタフェースを準備しなくてもキャンセル指示を第3者制御システム11へ知らせることができる。たとえば、接続指示部22を介して接続指示を入力する操作を繰り返し実施することで、2度目をキャンセル操作と認識させるようにしても良い。第3者制御システム11が1回目の接続指示を受けて利用者端末A又は相手端末Bを呼び出す過程で、2回目の接続指示が受信された場合は当該接続指示に対するキャンセル指示であると認識して呼び出しを中断する。
【0045】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、利用者パソコン10から第3者制御システム11に接続指示を出した後に、利用者の端末を用いてキャンセルを行う例である。利用者の自席の端末Aの呼び出しを行い、利用者が端末Aで応答したら直ぐに相手端末を呼び出しに行くのではなく、一定時間待ってから相手端末を呼び出すようにする。
【0046】
図6は第3者制御システム11において利用者端末Aの応答があってから一定時間経過後に相手端末を呼び出すフロー図である。利用者パソコン10から相手端末Bを選択して接続指示を出したものとする。第3者制御システム11は、接続指示を受信すると(ステップS40)、利用者端末Aの呼び出しを行う(ステップS41)。利用者端末Aから応答があると(ステップS42)、一定時間T3経過するまで相手端末Bへの呼び出しを行わない(ステップS43)。利用者端末Aの応答から一定時間T3の間は相手端末Bの呼び出しを行わないので、その間に利用者パソコン10からキャンセル指示を入力すれば、相手端末Bを呼び出す前に接続を中断することができる。第3者制御システム11は、利用者端末Aの応答から一定時間T3経過前にキャンセル指示を受信すると(ステップS44)、端末Bに対する接続指示をキャンセルする(ステップS45)。したがって、利用者は自分の端末Aで呼び出しに応答してから一定時間T3が経過するまでに、キャンセル指示を出せば相手端末Bを呼び出すことなく接続をキャンセルすることができる。または端末Aのオンフックをキャンセルと認識するように設定しておけば、利用者は応答後すぐにオンフックして電話を切断することで、相手を呼び出す前にキャンセルすることができる。
【0047】
利用者端末Aが応答してからキャンセル指示を受信することなく一定時間T3経過したら、相手端末Bの呼び出しを開始する(ステップS46)。相手端末Bが呼び出しに応答すれば(ステップS47)、端末Aと端末Bとを接続して通話を確立させる(ステップS48)。
【0048】
このように、利用者が端末Aで応答して一定時間T3経過してから相手端末Bを呼び出すことにより、利用者にキャンセルの余裕が出来て相手を呼び出す前にキャンセルすることができる。
【0049】
また、利用者が接続指示を発して自席の電話が呼び出されても一定時間応答しない場合にキャンセルと認識するようにしても良い。図7は利用者が自席の電話が呼び出されても一定時間応答しない場合にキャンセル処理するフロー図である。図6に示すフロー図と同一ステップには同じ符号を付して説明の重複を避ける。第3者制御システム11は、利用者端末Aの呼び出しを開始してから一定時間T4経過しても応答がない場合に(ステップS49)、接続指示のキャンセルであると認識して接続を中止する。一定時間T4は端末Aが自動応答する時間よりも短い時間に設定する必要がある。
【0050】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態は、留守番電話機能に接続されて通話できない状態の端末には通話を確立させないようにした例である。なお、第3者制御による2者間通話又は多者間通話を実現するための通信システムは、図1に示す通信システムと同様であるので、同一部分には同一符号を用いて説明する。
【0051】
図8は本実施の形態において第3者制御システム11におけるフロー図である。利用者パソコン10から接続指示を受信すると(ステップS50)、利用者端末Aの呼び出しを行う(ステップS51)。利用者端末Aから応答があると(ステップS52)、所定のボタン操作をするようにアナウンスを流す(ステップS53)。たとえば、利用者の端末Aが留守番電話設定になっていた場合は、従来であれば自動応答してしまっていたが、本実施の形態では利用者が端末Aのボタン操作を行わない限り、次の端末の呼び出しは行われない。利用者が端末Aを誤って留守番電話設定にしていた場合は、要求した所定のボタン操作が行われないので、接続中止処理がなされる(ステップS55)。
【0052】
利用者がアナウンスに従って所定のボタン操作を行った場合は(ステップS54)、相手端末Bの呼び出しを開始する(ステップS56)。相手端末Bが応答すると(ステップS57)、上記同様に所定のボタン操作を行うようにアナウンスを流す(ステップS58)。相手端末Bが留守番電話設定になっていて相手が不在の場合には、アナウンスに応じたボタン操作はなされないことになる。第3者制御システム11は、応答のあった相手端末Bから所定のボタン操作がなされたか否か判断し(ステップS59)、要求したボタン操作がされなかった場合は接続中止処理がなされる(ステップS55)。したがって、相手端末Bが留守番電話機能に接続されて自動応答した場合には通話を確立させずに接続中止処理がなされる。
【0053】
相手端末Bでアナウンスに応じたボタン操作がなされた場合は(ステップS59)、利用者端末Aと相手端末Bとの通話を確立させる(ステップS60)。
【0054】
このように、呼び出しに対して応答のあった端末から所定のボタン操作があった場合にだけ接続するようにしたので、留守番電話機能が自動応答した場合には通話を確立させずに接続中止することができる。
【0055】
以上の説明では、呼び出しに対して応答のあった端末に対してボタン操作をアナウンスしていたが、予め所定のボタン操作を行うように周知しておき、第3者制御システム11でそれを認識できるようにしておけば、必ずしもアナウンスを流す必要はない。また、図8に示すフロー図では利用者端末及び相手端末の双方にボタン操作アナウンスを流しているが、一方にだけアナウンスを流すようにしても良い。例えば、相手端末からのボタン操作を期待しない場合、利用者端末にだけ操作アナウンスを流すようにする。
【0056】
(第5の実施の形態)
第5の実施の形態は、上記第4の実施の形態と同様のシステム構成で、第3者制御による2者間通話に先立ち、利用者が接続許可を与えた上で2者間通話を確立するようにした例である。
【0057】
現在、利用者に自らが利用したい電話の電話番号を入力させて特定の相手(不特定多数の利用者から電話を受けたい事業者)に接続するサービスがある。図16に示すように、インターネット上のサービスサイト73にアクセスして利用者パソコン10にWeb画面70を表示させると、「あなたの電話番号を入力して下さい」といったメッセージと共に電話番号の入力ボックス71が表示される。入力ボックス71に利用者が利用したい電話の電話番号(03-AAA-BBB)を入力して発信ボタン72をクリックすると、第3者制御システム11に接続指示が送信され、利用者が指定した電話番号(03-AAA-BBB)が呼び出される。利用者が端末A(電話番号=03-AAA-BBB)で応答すると、XX株式会社の端末Bに接続されて通話が確立される。
【0058】
ところが、悪意の第3者がWeb画面70の入力ボックス71に意図的に他人(被害者A)の電話番号を入力して発信すると、被害者Aの端末が呼び出され、その呼び出しに応答すると自動的にXX株式会社の端末Bに接続されることになる。また、悪意のない第3者であっても電話番号の入力ミスがあった場合には他人の電話が呼び出されて応答すれば自動的に意図していないXX株式会社の端末Bに接続されることになり、迷惑を被ることになる。
【0059】
そこで、本実施の形態では、第3者制御による2者間通話又は多者間通話の場合は、利用者及び又は相手先の接続許可を得た上で通話確立するようにシステム構成する。
【0060】
図12は本実施の形態に係る第3者制御による2者間通話又は多者間通話を実現する通信システムの概念図である。利用者パソコン10からインターネット2上のサービスサイト73にアクセスしてWeb画面70を利用者パソコン10に表示させた状態を示している。端末Bは不特定多数の利用者から電話を受けたいXX株式会社が用意した電話であり、第3者制御システム11はWeb画面70の入力ボックス71に入力された電話番号を利用者端末として、利用者端末と端末Bとを接続する呼接続処理を実施する。
【0061】
図12に示すように、第3者制御システム11は、はWeb画面70の入力ボックス71に入力された電話番号の利用者端末Aを呼び出すが、この際に端末Aから接続許可の操作があった場合にのみ、相手端末Bの呼び出し及び接続を行う。すなわち、システム側に呼び出された利用者が端末Aに接続許可の操作を行うことを条件とすることで、悪意の第3者が利用者Aの電話番号を入力して利用者の端末Aが呼び出されたとしても、端末Bに自動的に接続されない仕組みを構築している。
【0062】
図13は第3者制御システム11において利用者に接続許可の操作を求める部分のフロー図である。第3者制御システム11は、接続指示を受信すると(ステップS70)、着信規制対象か否かの判断を行う(ステップS71)。後述するように、過去に迷惑発信を行った利用者装置を登録しており、今回電話番号入力により接続指示してきた利用者が着信規制対象か否か登録情報に基づいてチェックしている。迷惑発信を行った利用者装置の登録情報として、迷惑発信した利用者パソコンのIPアドレス、携帯電話であれば携帯電話番号、その他の端末固有の識別番号を登録しておくことができる。
【0063】
ステップS71で着信規制対象として登録されていない利用者装置からの接続指示であることを確認した後、Web画面70で電話番号入力された利用者端末A(電話番号=03-AAA-BBB)の呼び出しを行う(ステップS72)。利用者が端末Aで応答すると(ステップS73)、接続許可を意味するボタン操作を促すアナウンスを流す(ステップS74)。たとえば、「XX株式会社に接続します。宜しければボタン「1」を押してください」といったメッセージを流すものとする。利用者は、XX株式会社に接続することを許可する場合は、接続許可のボタン操作としてボタン「1」を押す。第3者制御システム11は、端末Aにおいてボタン「1」が押されたことを確認してから(ステップS75)、XX株式会社の受付電話となる端末Bに接続して通話を確立させる(ステップS76)。
【0064】
一方、端末Aの利用者とは異なる悪意の第3者がWeb画面70で利用者端末Aの電話番号=03-AAA-BBBを勝手に入力した場合は、利用者は端末Aの受話器をとると予期せぬメッセージを聞くことになる。端末Aの利用者はXX株式会社への接続指示を出していないので、不審電話又は迷惑電話として処理することができる。まず、端末Aで応答した利用者は接続許可のボタン操作を行わないことにより、第3者制御システム11では端末Bへの接続を中止する(ステップS77)。本実施の形態では、引き続き今回迷惑発信してきた迷惑発信装置を着信規制対象として登録するか否か利用者に問い合わせる(ステップS78)。たとえば、着信規制対象として登録するか否かの問合せメッセージを流して、利用者が端末Aで登録要求のボタン操作を行った場合に、着信規制対象として登録する(ステップS79)。つまり、端末Aの電話番号が着信規制対象として登録され、今後第3者制御システムからの着信が来ないようになる、もしくは第3者制御システムを介してXX株式会社と接続する要求に対する着信が来ないようになる。
【0065】
なお、接続を許可することだけを認識すれば良いシステムでは、操作性向上のため接続キャンセル乃至は悪戯電話である場合のボタン操作を省略し電話の切断をしてもよい。また悪戯電話を受けた被害者に余計な操作をさせることない方法として、接続許可とキャンセルだけボタン操作を指示し、何もしないで電話を切断した場合や指定された番号が一定時間応答しない場合には悪戯電話として処理する方法としても良い。
【0066】
なお、以上の説明では、利用者側での迷惑着信について説明したが、相手端末側での迷惑着信拒否にも同様に適用可能である。
【0067】
(第6の実施の形態)
第6の実施の形態は、第3者制御による2者間通話又は多者間通話に先立ち、Web画面に提示した専用の認証コードを、利用者端末での応答時に入力することで利用者認証を行うようにした例である。
【0068】
図14は本実施の形態に係る第3者制御による2者間通話又は多者間通話を実現する通信システムの概念図である。利用者パソコン10からインターネット2上のサービスサイト73にアクセスしてWeb画面70を利用者パソコン10に表示させた状態を示している。端末Bは不特定多数の利用者から電話を受けたいXX株式会社が用意した電話である。Web画面70には、利用者が利用者端末での応答時に入力する認証コード74が表示されている。利用者が自分で受けたい端末Aの電話番号(03-AAA-BBB)を入力して発信ボタン72をクリックすると、入力した利用者端末Aの端末電話番号(03-AAA-BBB)と共に認証コード(0001)が第3者制御システム11へ送られる。
【0069】
第3者制御システム11は、電話番号(03-AAA-BBB)から利用者端末Aを呼び出し、応答があればさらに認証コードの入力を要求する。呼び出された端末Aの利用者が、Web画面70で自分の端末Aの電話番号を入力した本人であれば、Web画面70に表示されていた認証コード(0001)をボタン操作で入力することができる。利用者は端末Aのボタン操作で認証コード(0001)を入力する。これにより、第3者制御システム11は、端末Aのボタン操作で入力された認証コード(0001)と先に受信したWeb画面70の認証コード(0001)との一致を確認することで利用者認証が可能になる。
【0070】
一方、悪意の第3者によって自分の電話番号を使われた利用者による被害防止の観点からは、利用者(被害者)が知ることのない認証コード(0001)をボタン操作で入力することはあり得ないので、確実に接続を中止させることができる。
【0071】
このように、Web画面70で提示した認証コードの入力を利用者端末の応答時に要求することで、第3者制御システム11では利用者認証が可能になる一方、利用者側では悪意の第3者による迷惑発信を防御できる。
【0072】
なお、一旦電話番号を入力させた後で初めて入力された番号である場合にだけ認証コードを表示させることにより、認証コードを毎回入力させないなどの対策を採ることもできる。電話番号入力指示が行われた端末を、IPアドレスや端末が持つ情報(携帯電話の場合は携帯端末識別番号、パソコンの場合はIPアドレスやクッキー情報など)との組合せで、利用した第3者制御のための端末から初めて利用された利用者電話番号か2度目かを判断することができる。
【0073】
また、以上の説明では、利用者装置としてパソコン10を用いているが、携帯電話、PHS、その他の情報通信機器を用いることも可能である。また、接続指示を発信する利用者装置と第3者制御システム11から呼び出される利用者端末Aとを一体化したシステムであっても良い。
【符号の説明】
【0074】
2…インターネット又はイントラネット
10…利用者パソコン
11…第3者制御システム
12…キャンセルボタン
21…ユーザインタフェース
22…接続指示部
23…接続キャンセル部
24…端末照会部
25…キャンセル端末選択部
26…キャンセル指示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続先の端末を指定した接続要求を利用者装置で受け取り、当該利用者装置から第3者制御装置へ接続指示を通知し、当該第3者制御装置が前記接続指示に応じて利用者端末及び相手端末を呼び出して当該利用者端末と相手端末とを接続し2者間通話又は多者間通話を可能にする通信システムであって、
前記第3者制御装置は、利用者端末又は相手端末が呼び出しに応答した後、所定の操作を行った場合に接続を行うことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記第3者制御装置は、前記利用者装置から前記接続指示を受信すると、前記利用者端末の呼び出しを行い、該利用者端末が呼び出しに応答した後、前記利用者端末の利用者による所定の操作を前記利用者端末が受け付けない場合、前記接続指示による接続を中止することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記第3者制御装置は、前記利用者装置から前記接続指示を受信すると、前記利用者端末の呼び出しを行い、該利用者端末が呼び出しに応答した後、前記利用者端末の利用者による所定の操作を前記利用者端末が受け付けた場合、前記接続指示に基づいて前記相手端末の呼び出しを行い、該相手端末が呼び出しに応答した後、前記相手端末の利用者による所定の操作を前記相手端末が受け付けた場合、前記利用者端末と前記相手端末との通話を確立させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記第3者制御装置は、前記利用者装置から前記接続指示を受信すると、前記利用者端末の呼び出しを行い、該利用者端末が呼び出しに応答した後、前記利用者端末の利用者による所定の操作を前記利用者端末が受け付けた場合、前記接続指示に基づいて前記相手端末の呼び出しを行い、該相手端末が呼び出しに応答した後、前記相手端末の利用者による所定の操作を前記相手端末が受け付けない場合、前記接続指示による接続を中止することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の通信システム。
【請求項5】
接続先の端末を指定した接続要求を利用者装置で受け取り、当該利用者装置から第3者制御装置へ接続指示を通知し、当該第3者制御装置が前記接続指示に応じて利用者端末及び相手端末を呼び出して当該利用者端末と相手端末とを接続し2者間通話又は多者間通話を可能にする通信方法であって、
前記第3者制御装置は、利用者端末又は相手端末が呼び出しに応答した後、所定の操作を行った場合に接続を行うことを特徴とする通信方法。
【請求項1】
接続先の端末を指定した接続要求を利用者装置で受け取り、当該利用者装置から第3者制御装置へ接続指示を通知し、当該第3者制御装置が前記接続指示に応じて利用者端末及び相手端末を呼び出して当該利用者端末と相手端末とを接続し2者間通話又は多者間通話を可能にする通信システムであって、
前記第3者制御装置は、利用者端末又は相手端末が呼び出しに応答した後、所定の操作を行った場合に接続を行うことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記第3者制御装置は、前記利用者装置から前記接続指示を受信すると、前記利用者端末の呼び出しを行い、該利用者端末が呼び出しに応答した後、前記利用者端末の利用者による所定の操作を前記利用者端末が受け付けない場合、前記接続指示による接続を中止することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記第3者制御装置は、前記利用者装置から前記接続指示を受信すると、前記利用者端末の呼び出しを行い、該利用者端末が呼び出しに応答した後、前記利用者端末の利用者による所定の操作を前記利用者端末が受け付けた場合、前記接続指示に基づいて前記相手端末の呼び出しを行い、該相手端末が呼び出しに応答した後、前記相手端末の利用者による所定の操作を前記相手端末が受け付けた場合、前記利用者端末と前記相手端末との通話を確立させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記第3者制御装置は、前記利用者装置から前記接続指示を受信すると、前記利用者端末の呼び出しを行い、該利用者端末が呼び出しに応答した後、前記利用者端末の利用者による所定の操作を前記利用者端末が受け付けた場合、前記接続指示に基づいて前記相手端末の呼び出しを行い、該相手端末が呼び出しに応答した後、前記相手端末の利用者による所定の操作を前記相手端末が受け付けない場合、前記接続指示による接続を中止することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の通信システム。
【請求項5】
接続先の端末を指定した接続要求を利用者装置で受け取り、当該利用者装置から第3者制御装置へ接続指示を通知し、当該第3者制御装置が前記接続指示に応じて利用者端末及び相手端末を呼び出して当該利用者端末と相手端末とを接続し2者間通話又は多者間通話を可能にする通信方法であって、
前記第3者制御装置は、利用者端末又は相手端末が呼び出しに応答した後、所定の操作を行った場合に接続を行うことを特徴とする通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−165469(P2012−165469A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−119243(P2012−119243)
【出願日】平成24年5月25日(2012.5.25)
【分割の表示】特願2007−238146(P2007−238146)の分割
【原出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(303067478)株式会社 ネクストジェン (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月25日(2012.5.25)
【分割の表示】特願2007−238146(P2007−238146)の分割
【原出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(303067478)株式会社 ネクストジェン (12)
【Fターム(参考)】
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