説明

管理装置、およびそのプログラム

【課題】電子棚札システムにおいて、棚札に直接届く場所での作業を要することなく、所望の棚札を容易に且つ明確に特定する。
【解決手段】商品陳列棚1から離れた当該各棚位置1a,1b,…が視認可能な場所において、ハンディターミナル(操作端末)20を所望の棚位置に向けて移動操作すると、内蔵の加速度センサにより検出された移動方向がサーバ装置30へ送信される。サーバ装置30では、前記ターミナル20から受信された移動方向に基づき、電子棚札配置マスタに記憶されている各棚位置1a,1b,…の座標範囲や段NO,配置NOから、選択された棚位置が特定され、当該棚位置に対応付けられた棚札IDの電子棚札10に対して発光装置12の点灯指示信号が送信される。これにより前記ターミナル20を移動操作して選択された棚位置にある電子棚札10の表示装置12が点灯駆動されユーザ報知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電子棚札をサーバ装置により制御・管理するようにした電子棚札システム、サーバ装置、およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子棚札システムのサーバ装置において、商品陳列棚に区画された多数の棚にそれぞれ配置される電子棚札と当該各棚に陳列される商品とを対応付けて管理するには、各電子棚札のID(棚札ID)に商品コードを対応付けた管理データを生成する必要がある。
【0003】
従来、商品情報を特定するバーコードを印刷して電子棚札の表面に貼り付け、この棚札表面に貼り付けられた商品情報バーコードと棚札裏面に予め貼り付けられている棚札情報バーコードとをバーコードスキャナにより連続して読み込むことで、前記管理データを生成するようにした電子棚札と商品との対応付け方法が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、従来の電子棚札システムにおいて、商品を発注する際には、商品陳列棚にて発注の対象とする商品を選択すると共に、当該対象商品の商品情報バーコードあるいは棚札情報バーコードをスキャナにより読み込んで発注処理を行うことが考えられている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−265195号公報
【特許文献2】特開2001−222632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来の電子棚札システムにあっては、棚札コードに商品コードを対応付けた管理データを生成する場合、あるいは商品の発注処理を行う場合の何れにあっても、対象とする棚札あるいは商品を特定しその情報を読み込む際には、特定すべき商品のある棚札に直接手が届く場所にて作業を行う必要がある。
【0007】
このため、特定すべき棚札の数が多いほど管理ユーザの移動が必要で、その作業は面倒且つ労力の掛かるものとなる。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、棚札に直接届く場所での作業を要することなく、所望の棚札を容易に且つ明確に特定することが可能になる電子棚札システム、サーバ装置、およびそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の電子棚札システムは、複数の電子棚札と、この複数の電子棚札と通信可能に接続されたサーバ装置と、前記複数の電子棚札から離れた場所でユーザ操作され前記サーバ装置との通信機能を有する操作端末とから構成される電子棚札システムであって、前記操作端末は、当該操作端末本体の移動情報を検出する移動情報検出手段と、この移動情報検出手段により検出された端末移動情報を前記サーバ装置へ送信する移動情報送信手段とを備え、前記サーバ装置は、前記複数の電子棚札それぞれの配置情報を記憶する棚札配置情報記憶手段と、この棚札配置情報記憶手段により記憶された各電子棚札それぞれの配置情報に基づき、前記操作端末から受信された当該操作端末の端末移動情報に対応するところの電子棚札を特定する電子棚札特定手段と、この電子棚札特定手段により特定された電子棚札に対して報知動作の指示を送信する特定棚札報知指示送信手段とを備え、前記電子棚札は、前記サーバ装置から受信された報知動作の指示に応じて報知動作する報知手段を備えた、ことを特徴としている。
【0010】
請求項7に記載のサーバ装置は、複数の電子棚札と通信可能に接続されたサーバ装置であって、前記複数の電子棚札それぞれの配置情報を記憶する棚札配置情報記憶手段と、前記複数の電子棚札から離れた場所でユーザ操作され前記サーバ装置との通信機能を有する操作端末から当該操作端末の端末移動情報を受信し、その受信した端末移動情報に対応するところの電子棚札を、前記棚札配置情報記憶手段により記憶された各電子棚札それぞれの配置情報に基づき特定する電子棚札特定手段と、この電子棚札特定手段により特定された電子棚札に対して報知動作を行わせるべく報知指示を送信する報知指示送信手段と、を
備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、棚札に直接届く場所での作業を要することなく、所望の棚札を容易に且つ明確に特定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る電子棚札システムの全体構成を示す図。
【図2】前記電子棚札システムにおける電子棚札10の電子回路の構成を示すブロック図。
【図3】前記電子棚札システムにおけるハンディターミナル(操作端末)20の電子回路の構成を示すブロック図。
【図4】前記電子棚札システムにおけるサーバ装置30の電子回路の構成を示すブロック図。
【図5】前記サーバ装置30にて生成記憶された商品マスタ33aの内容を示す図。
【図6】前記サーバ装置30にて生成記憶された電子棚札情報マスタ33bの内容を示す図。
【図7】前記サーバ装置30にて生成記憶された電子棚札配置マスタ33cの内容を示す図。
【図8】前記電子棚札システムのハンディターミナル(操作端末)20による操作端末処理を示すフローチャート。
【図9】前記電子棚札システムのハンディターミナル20とサーバ装置30との間で実行されるキャリブレーション処理を示すフローチャート。
【図10】前記電子棚札システムのハンディターミナル20とサーバ装置30との間で実行される第1の棚札選択処理(1)を示すフローチャート。
【図11】前記電子棚札システムのハンディターミナル20とサーバ装置30との間で実行される第2の棚札選択処理(2)を示すフローチャート。
【図12】前記電子棚札システムのハンディターミナル20とサーバ装置30との間で実行される棚札選択処理(1)または(2)でのサーバ装置側処理に伴う在庫確認処理を示すフローチャート。
【図13】前記電子棚札システムのサーバ装置30における「棚札設定処理」「発注処理」「商品情報照会処理」「棚札位置チェック処理」のそれぞれに応じたサーバ処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る電子棚札システムの全体構成を示す図である。
【0015】
この電子棚札システムは、複数の電子棚札10,…とハンディターミナル(操作端末)20、サーバ装置30を備えて構成される。
【0016】
電子棚札10,…はそれぞれ、商品陳列棚(ゴンドラ)1の各商品が陳列される例えば縦の段と横の列で区画された各棚位置1a,1b,1c,…に個々に設置され、商品コードや販売価格などの商品情報を表示するもので、各電子棚札10,…の表面には、表示部(表示装置)11、発光部(発光装置)12が設けられる。
【0017】
ハンディターミナル(操作端末)20は、前記商品陳列棚1から離れて、当該棚1の各棚位置1a,1b,…に設置した全ての電子棚札10,…を視認できる場所にて使用され、各電子棚札10,…を特定して各商品を対応付ける操作(棚札設定処理)、電子棚札10を特定して商品を発注する操作(発注処理)、電子棚札10を特定して商品情報を取得閲覧する操作(商品情報照会処理)、特定の商品に対応する電子棚札10の位置を見つける操作(棚札位置チェック処理)などを行うもので、電子棚札10を特定する操作は、当該ターミナル20本体を所望の電子棚札10の方向に向けて移動させることで行い、何れの電子棚札10が選択されているかは当該選択された棚札10の表示部11を発光させることで報知する。
【0018】
サーバ装置30は、前記各電子棚札10,…の情報と各商品の情報を生成記憶し、棚札コントローラ2と通信を行い前記各電子棚札10,…を制御すると共に、アクセスポイント3を介して前記ハンディターミナル20と通信を行い、前記各種の操作に応じた指示やデータを受け付けて対応する処理を実行する。
【0019】
図2は、前記電子棚札システムにおける電子棚札10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0020】
電子棚札10は、CPU13を備えている。
【0021】
CPU13は、メモリ14に予め記憶された棚札制御プログラムに従い回路各部の動作を制御するもので、当該CPU13には、前記表示部(表示装置)11、発光部(発光装置)12、メモリ14が接続される他、作業用のデータが記憶される記憶装置15、前記棚札コントローラ2と通信する通信装置16が接続される。
【0022】
発光装置12は、緑色のLEDと赤色のLEDを備え、前記ハンディターミナル20の操作に従い当該電子棚札10が選択された際に、前記サーバ装置30による処理に応じて、該棚札10に対応付けられた商品が在庫割れしている場合は赤色のLEDが、在庫割れしていない場合は緑色のLEDが発光駆動制御される。
【0023】
記憶装置15には、当該電子棚札10の棚札IDに対して、サーバ装置30での商品との関係付け処理に従い対応付けられた商品情報などが記憶される。
【0024】
表示装置11には、前記ハンディターミナル20の操作に応じた前記サーバ装置30での処理に従い、前記記憶装置15に記憶された商品情報(商品コード、商品名、販売価格など)が選択的に表示される。
【0025】
図3は、前記電子棚札システムにおけるハンディターミナル(操作端末)20の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0026】
ハンディターミナル20は、CPU21を備えている。
【0027】
CPU21は、メモリ22に予め記憶されたターミナル制御プログラムに従い回路各部の動作を制御するもので、当該CPU21には、前記メモリ22が接続される他、作業用のデータが記憶される記憶装置23、各種の操作キーや操作ボタンなどを備えた入力装置24、当該ターミナル20本体の上下左右方向への移動操作に伴う加速度を検出する加速度センサ25、前記商品陳列棚1の各棚位置1a,1b,1c,…に相当する棚割表に記載された商品コードを読み取るスキャナ26、表示装置27、操作に伴う確認電子音や音声(取得情報の読み上げ音声など)を出力するスピーカ28、前記サーバ装置30と通信する通信装置29が接続される。
【0028】
記憶装置23には、例えば当該ハンディターミナル20のユーザ操作に伴い前記1つの電子棚札10が特定された際に、該特定された電子棚札10に対応付けられた商品情報23aが前記サーバ装置30から取得されて記憶される。
【0029】
また、記憶装置23には、Xレジスタ23xおよびYレジスタ23yが備えられる。Xレジスタ23xには、当該ハンディターミナル20による電子棚札10の選択操作に伴い、前記加速度センサ25により右方向への移動が検出された際に“1”、左方向への移動が検出された際に“−1”がセットされる。Yレジスタ23yには、当該ハンディターミナル20による電子棚札10の選択操作に伴い、前記加速度センサ25により上方向への移動が検出された際に“1”、下方向への移動が検出された際に“−1”がセットされる。
【0030】
入力装置24には、前記棚札設定処理、発注処理、商品情報照会処理、棚札位置チェック処理などの処理の種類の選択画面を表示させる際に操作されるメニュー「MENU」キー24a、前記商品陳列棚1上にある何れかの電子棚札10を特定する際に、前記サーバ装置30によって基準となる電子棚札10の発光装置12を点灯駆動させるキャリブレーション処理を開始させるのに操作されるキャリブレーション「CAR」ボタン24b、当該ターミナル20本体の移動操作に応じて選択された前記電子棚札10を特定(確定)する際に操作される選択「SEL」キー24cなどが備えられる。
【0031】
加速度センサ25は、3次元空間における加速度、傾き、振動をX,Y,Z軸の3軸成分に分けて検出するもので、これにより当該ターミナル20本体の上下左右方向への移動操作に伴う加速度を検出し、CPU21によってその移動方向のデータや方向ベクトルデータを取得する。
【0032】
表示装置27には、当該ターミナル20本体の移動操作に応じて選択・特定された前記電子棚札10に対応して、前記サーバ装置30から取得され前記記憶装置23に記憶された商品情報23aなどが表示される。
【0033】
図4は、前記電子棚札システムにおけるサーバ装置30の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0034】
サーバ装置30は、CPU31を備えている。
【0035】
CPU31は、メモリ32に予め記憶されたサーバ制御プログラムに従い回路各部の動作を制御するもので、当該CPU31には、前記メモリ32が接続される他、作業用のデータが記憶される記憶装置33、各種の操作キーや操作ボタンなどを備えた入力装置34、表示装置35、前記ハンディターミナル20や棚札コントローラ2と通信する通信装置36が接続される。
【0036】
記憶装置33には、商品マスタ33a、電子棚札情報マスタ33b、電子棚札配置マスタ33cなどが生成記憶され、また、WXレジスタ33d、WYレジスタ33e、Xレジスタ33f、Yレジスタ33g、W発光色レジスタ33hが備えられる。
【0037】
図5は、前記サーバ装置30にて生成記憶された商品マスタ33aの内容を示す図である。
【0038】
この商品マスタ33aには、前記商品陳列棚1において陳列される全ての商品それぞれの商品コード、商品名、販売単価、仕入単価、在庫数、適正在庫、発注数が、例えば入力装置34あるいは通信装置36により入力されて生成記憶される。
【0039】
図6は、前記サーバ装置30にて生成記憶された電子棚札情報マスタ33bの内容を示す図である。
【0040】
この電子棚札情報マスタ33bには、前記ハンディターミナル20の棚札設定処理に伴うユーザ操作に応じて対応付けが決定された前記各商品コードと前記各電子棚札10,…の棚札IDとの対応データが生成記憶される。
【0041】
図7は、前記サーバ装置30にて生成記憶された電子棚札配置マスタ33cの内容を示す図である。
【0042】
この電子棚札配置マスタ33cには、前記商品陳列棚1の各棚位置1a,1b,1c,…に対応するところの電子棚札10,…の棚札IDに対応付けられて、陳列棚1の番号を示すゴンドラNO、最下段を“1”とする縦方向の棚段数を示す段NO、左端を“1”とする横方向の棚位置を示す配置NO、前記ハンディターミナル20により特定の電子棚札10の選択操作を行う際の開始時基準となる電子棚札10の発光装置12を点灯駆動させるための開始時点灯フラグ、前記ハンディターミナル20による電子棚札10の選択操作に伴い発光装置12が現在点灯駆動されている電子棚札10を示す点灯フラグ、商品陳列棚1の左上を基準とした各棚位置1a,1b,1c,…の座標範囲を示す左上のX,Y座標および右下のX,Y座標が、例えば入力装置34により入力されて生成記憶される。
【0043】
前記WXレジスタ33d、WYレジスタ33eには、前記電子棚札10の発光装置12を点灯させるべき棚位置の配置NO、段NOがそれぞれ記憶される。
【0044】
前記Xレジスタ33fには、前記ハンディターミナル20による電子棚札10の選択操作に伴い、加速度センサ25により右方向への移動が検出された際に“1”、左方向への移動が検出された際に“−1”が受信セットされる。
【0045】
前記Yレジスタ33gには、前記ハンディターミナル20による電子棚札10の選択操作に伴い、加速度センサ25により上方向への移動が検出された際に“1”、下方向への移動が検出された際に“−1”が受信セットされる。
【0046】
前記W発光色レジスタ33hには、前記ハンディターミナル20の操作に従い選択された電子棚札10に対応する商品が在庫割れしている場合に当該棚札10における表示装置11の赤色LEDの点灯を指示するデータ(赤)がセットされ、在庫割れしていない場合に当該棚札10における緑色LEDの点灯を指示するデータ(緑)がセットされる。
【0047】
前記表示装置35には、入力装置34のユーザ操作に応じた操作対応画面や処理結果の出力画面などが表示される。
【0048】
次に、前記構成の電子棚札システムの動作について説明する。
【0049】
図8は、前記電子棚札システムのハンディターミナル(操作端末)20による操作端末処理を示すフローチャートである。
【0050】
商品陳列棚1の各電子棚札10,…が視認可能な離れた場所において、ハンディターミナル20をユーザ操作して何らかの処理を行う際に、入力装置24のメニュー「MENU」キー24aが操作されると、「棚札設定」「発注」「商品情報照会」「棚札位置チェック」などの処理の種類の選択画面が表示装置27に表示される(ステップS1)。
【0051】
この処理種類選択画面において、先ず、各電子棚札10,…を特定して各商品を対応付ける処理を行うために「棚札設定」が選択されると、図9におけるキャリブレーション処理が起動される(ステップSA)。
【0052】
このキャリブレーション処理は、ハンディターミナル20の操作に応じて動作するサーバ装置30との間で実行され、前記商品陳列棚1の基準となる電子棚札10の発光装置12を点灯駆動させる。
【0053】
図9は、前記電子棚札システムのハンディターミナル20とサーバ装置30との間で実行されるキャリブレーション処理を示すフローチャートである。
【0054】
ユーザ操作に応じてハンディターミナル20のキャリブレーション「CAR」ボタン24bが入力されると(ステップA1)、その「CAR」ボタン24bの入力信号が通信装置29からサーバ装置30へ送信される(ステップA2)。
【0055】
サーバ装置30において、前記ハンディターミナル20からの「CAR」ボタン24bの入力信号が通信装置36により受信されると、記憶装置33に記憶されている電子棚札配置マスタ33c(図7参照)に基づき、その開始時点灯フラグに“1”がセットされているところの電子棚札10が検索され(ステップA3)、当該検索された棚札10の段NOがWYレジスタ33eにセットされると共に(ステップA4)、配置NOがWXレジスタ33dにセットされる(ステップA5)。
【0056】
すると、前記検索された電子棚札10の棚札IDに従って、その電子棚札10に対する発光装置(LED)16の点灯指示信号が通信装置36から棚札コントローラ2へ送信され(ステップA6)、同棚札IDに対応するところの点灯フラグに“1”がセットされる(ステップA7)。
【0057】
これにより、商品陳列棚1上にある何れかの電子棚札10を特定する際に、基準となる棚位置の電子棚札10の発光装置12が点灯駆動され、前記ハンディターミナル20の操作ユーザに報知される。
【0058】
ここでハンディターミナル20において、棚札設定処理の終了操作がなされることなく(ステップS2(N))、今回これから特定する電子棚札10に対応付けるべく対象商品の商品コードが棚割表からスキャナ26により読み込まれると(ステップS3)、図10における第1の棚札選択処理(1)(ステップSB1)または図11における第2の棚札選択処理(2)(ステップSB2)が起動される。
【0059】
この棚札選択処理((1)または(2))は、ハンディターミナル20の移動操作に応じて動作するサーバ装置30との間で実行され、前記ステップS3において棚割表から読み込まれた商品コードを対応付けるべく電子棚札10を選択・特定してその発光装置12を点灯駆動させる。
【0060】
図10は、前記電子棚札システムのハンディターミナル20とサーバ装置30との間で実行される第1の棚札選択処理(1)を示すフローチャートである。
【0061】
この第1の棚札選択処理(1)(SB1)では、ハンディターミナル20をユーザ操作するための商品陳列棚1の各電子棚札10,…が視認可能な離れた場所を、当該商品陳列棚1から予め設定された距離だけ離れた場所とし、ハンディターミナル20の移動操作に応じた方向ベクトルを検出して当該ターミナル20により指示される先の電子棚札10を特定する。
【0062】
前記キャリブレーション処理(ステップSA)によって現在点灯駆動報知されている基準となる電子棚札10の位置から、その点灯駆動位置を他の電子棚札10の位置に移動させて特定するべく、商品陳列棚1に向けたハンディターミナル20を所望の電子棚札10の方向へ向けて移動させると、内蔵された加速度センサ25により検出された当該移動操作に応じた方向ベクトルが算出され(ステップB11)、通信装置29からサーバ装置30へ送信される(ステップB12)。
【0063】
サーバ装置30において、前記ハンディターミナル20から送信された移動操作後の方向ベクトルが通信装置36により受信されると(ステップB13)、当該受信された方向ベクトルが、記憶装置33に記憶されている電子棚札配置マスタ33c(図7参照)の各棚位置に対応するX,Y座標範囲の中の何れのX,Y座標範囲に入るか比較判断され、その電子棚札(ID)10が特定される(ステップB14)。
【0064】
こうして、ハンディターミナル20の向けられた電子棚札(ID)10が特定されると、引き続きサーバ装置30では、図12における在庫確認処理へ移行される(ステップBC)。
【0065】
図12は、前記電子棚札システムのハンディターミナル20とサーバ装置30との間で実行される棚札選択処理(1)または(2)でのサーバ装置側処理に伴う在庫確認処理を示すフローチャートである。
【0066】
この在庫確認処理が起動されると、前記ステップB14において特定された電子棚札(ID)10に対応する商品コード(この場合には、前記ステップS3にて読み込まれた商品コード)に基づき、記憶装置33に記憶されている商品マスタ33aから該当商品の在庫数と適正在庫数とが読み出されて比較され、適正在庫割れをしているか否か判断される(ステップC1)。
【0067】
ここで、適正在庫割れをしていないと判断された場合には(ステップC2(N))、W発光色レジスタ33hに対して緑の発光色データがセットされ(ステップC3)、また、適正在庫割れをしていると判断された場合には(ステップC2(Y))、W発光色レジスタ33hに対して赤の発光色データがセットされる(ステップC4)。
【0068】
すると、前記電子棚札配置マスタ33c(図7参照)の点灯フラグに現在“1”がセットされているところの電子棚札(ID)10の発光装置12に対する消灯指示信号が、通信装置36から棚札コントローラ2に送信されると共に(ステップB15)、当該点灯フラグ“1”は消去される(ステップB16)。
【0069】
そして、前記ステップB14において特定された電子棚札(ID)10の発光装置12に対して、前記在庫確認処理(ステップBC)にてW発光色レジスタ33hにセットされた発光色での点灯指示信号が、通信装置36から棚札コントローラ2に送信されると共に(ステップB17)、当該特定された電子棚札(ID)10の点灯フラグに“1”がセットされる(ステップB18)。
【0070】
これにより、前記ハンディターミナル20の移動操作に応じて特定された電子棚札10の発光装置(LED)12が、当該棚札10に対応する商品が適正在庫割れしていない場合には“緑色”で、適正在庫割れしている場合には“赤色”で発光駆動されユーザ報知される。
【0071】
一方、前記図10を参照して説明した第1の棚札選択処理(1)(SB1)ではなく、第2の棚札選択処理(2)(SB2)により前記ハンディターミナル20の移動操作に応じた電子棚札10を特定しその発光装置(LED)12を点灯させる場合の動作について説明する。
【0072】
図11は、前記電子棚札システムのハンディターミナル20とサーバ装置30との間で実行される第2の棚札選択処理(2)を示すフローチャートである。
【0073】
この第2の棚札選択処理(2)(SB2)では、商品陳列棚1の各電子棚札10,…が視認可能な離れた場所において、ハンディターミナル20が上下左右方向に移動操作された際の移動方向(振れた方向)を検出して当該ターミナル20により指示された電子棚札10を特定する。
【0074】
前記キャリブレーション処理(ステップSA)によって現在点灯駆動報知されている基準となる電子棚札10の位置から、その点灯駆動位置を他の電子棚札10の位置に移動させて特定するべく、商品陳列棚1に向けたハンディターミナル20を所望の電子棚札10の方向へ振って移動させると、内蔵された加速度センサ25により当該移動操作に応じた方向が検出され(ステップB21)、左右の方向であるか、または上下の方向であるかが判断される(ステップB22)。
【0075】
ハンディターミナル20を振ったのが左右の方向であると判断された場合には、さらに右方向か、または左方向かが判断される(ステップB23x)。
【0076】
ここで、右方向であると判断された場合には(ステップB23x(Y))、記憶装置23内のXレジスタ23x(初期値“0”)に“1”がセットされ(ステップB23x1)、また、左方向であると判断された場合には(ステップB23x(N))、同記憶装置23内のXレジスタ23xに“−1”がセットされる(ステップB23x2)。
【0077】
一方、ハンディターミナル20を振ったのが上下の方向であると判断された場合には、さらに上方向か、または下方向かが判断される(ステップB23y)。
【0078】
ここで、上方向であると判断された場合には(ステップB23y(Y))、記憶装置23内のYレジスタ23y(初期値“0”)に“1”がセットされ(ステップB23y1)、また、下方向であると判断された場合には(ステップB23y(N))、同記憶装置23内のYレジスタ23yに“−1”がセットされる(ステップB23y2)。
【0079】
そして、前記ハンディターミナル20の1回の移動操作(一振り)に応じてXレジスタ23xおよびYレジスタ23yにセットされた方向のデータが、通信装置29からサーバ装置30へ送信される(ステップB24)。
【0080】
サーバ装置30において、前記ハンディターミナル20から送信されたX(左右方向)データおよびY(上下方向)データが通信装置36により受信され、それぞれ記憶装置33内のXレジスタ33fおよびYレジスタ33gに記憶されると(ステップB25)、当該Xデータが、現在点灯駆動中の電子棚札10の配置NOがセットされているWXレジスタ33dに加算され(ステップB26)、またYデータが、同点灯駆動中の電子棚札10の段NOがセットされているWYレジスタ33eに加算される(ステップB27)。
【0081】
すると、前記WYレジスタ33eにY(上下方向)データが加算セットされた段NO、および前記WXレジスタ33dにX(左右方向)データが加算セットされた配置NOに基づき、前記ハンディターミナル20のユーザ操作に応じた電子棚札(ID)10が検索・特定される(ステップB28)。
【0082】
こうして、ハンディターミナル20の上下左右方向へのユーザ操作に応じて電子棚札(ID)10が特定されると、引き続きサーバ装置30では、前記図10を参照して説明した第1の棚札選択処理(1)(SB1)の場合と同様にして、図12における在庫確認処理へ移行され、特定された電子棚札(ID)10に対応する商品の在庫数に応じた発光色の指定データがW発光色レジスタ33hにセットされる(ステップBC)。
【0083】
すると、前記電子棚札配置マスタ33c(図7参照)の点灯フラグに現在“1”がセットされているところの電子棚札(ID)10の発光装置12に対する消灯指示信号が、通信装置36から棚札コントローラ2に送信されると共に(ステップB29)、当該点灯フラグ“1”は消去される(ステップB210)。
【0084】
そして、前記ステップB28において特定された電子棚札(ID)10の発光装置12に対して、前記在庫確認処理(ステップBC)にてW発光色レジスタ33hにセットされた発光色での点灯指示信号が、通信装置36から棚札コントローラ2に送信されると共に(ステップB211)、当該特定された電子棚札(ID)10の点灯フラグに“1”がセットされる(ステップB212)。
【0085】
これにより、前記ハンディターミナル20の上下左右方向への移動操作に応じて特定された電子棚札10の発光装置(LED)12が、当該棚札10に対応する商品が適正在庫割れしていない場合には“緑色”で、適正在庫割れしている場合には“赤色”で発光駆動されユーザ報知される。
【0086】
こうしたハンディターミナル20のユーザ操作に応じた棚札選択処理(ステップSB)に従い、ユーザ所望の電子棚札10が選択・特定されてその発光装置(LED)12が点灯駆動された状態で、入力装置24の選択「SEL」キー24cが操作されると(ステップS4(Y))、前記ステップS3においてスキャナ26により読み込まれた商品コードと前記ステップSBにおいて選択・特定された電子棚札(ID)10との対応付けを指示する信号がサーバ装置30へ送信される(ステップS5)。
【0087】
図13は、前記電子棚札システムのサーバ装置30における「棚札設定処理」「発注処理」「商品情報照会処理」「棚札位置チェック処理」のそれぞれに応じたサーバ処理を示すフローチャートである。
【0088】
すなわち、前記ハンディターミナル20のユーザ操作に応じた「棚札設定処理」に従って、当該ハンディターミナル20から送信された商品コードと電子棚札(ID)10との対応付けを指示する信号が受信されると(ステップD1(Y))、これに応じて記憶装置33内の電子棚札情報マスタ33bに対し、前記受信指示された商品コードと電子棚札IDとを対応付けた管理データが生成されて記憶される(ステップD2)。
【0089】
このような、ハンディターミナル20のユーザ操作に応じた「棚札設定処理」に従い、前記商品陳列棚1の各棚位置1a,1b,…に設置した各電子棚札10,…と当該各棚位置に陳列される商品の商品コードとの対応付けが、前記サーバ装置30の電子棚札情報マスタ33bに成された状態で、前記ハンディターミナル20により棚札設定終了の操作が行われると(ステップS2(Y))、当該ターミナル20の表示装置27に再び処理の種類の選択画面が表示される(ステップS1)。
【0090】
そして、この処理の種類の選択画面に従って(ステップS1)、電子棚札10を特定して商品を発注する「発注」が選択されると、先ずは前記同様に図9におけるキャリブレーション処理が起動され、基準となる棚位置の電子棚札10の発光装置12が点灯駆動され、当該ハンディターミナル20の操作ユーザに報知される(ステップSA)。
【0091】
ここでハンディターミナル20において、当該発注処理の終了操作がなされない場合には(ステップS6(N))、前記同様に図10または図11における棚札選択処理が起動され、ハンディターミナル20の移動操作に応じて特定された電子棚札10の発光装置(LED)12が、当該棚札10に対応する商品が適正在庫割れしていない場合には“緑色”で、適正在庫割れしている場合には“赤色”で発光駆動されユーザ報知される(ステップSB)。
【0092】
こうしたハンディターミナル20のユーザ操作に応じた棚札選択処理(ステップSB)に従い、ユーザ所望の発注対象商品のある電子棚札10が選択・特定されてその発光装置(LED)12が点灯駆動された状態で、入力装置24の選択「SEL」キー24cが操作されると(ステップS7(Y))、商品発注数量の入力画面が表示装置27に表示される。
【0093】
そして、この商品発注数量の入力画面に従って、前記発光装置12が点灯しているところの電子棚札10に対応する該当商品の発注数量が、入力装置26により入力されると(ステップS8)、この発注数量のデータが通信装置29からサーバ装置30へ送信される(ステップS9)。
【0094】
サーバ装置30において、前記ハンディターミナル20から送信された特定された商品の発注数量が通信装置36により受信されると(ステップD3(Y))、前記図10または図11の棚札選択処理(ステップSB)にて特定された電子棚札(ID)10に対応するところの商品について、その発注数量が商品マスタ33aに記憶され発注処理が行われる(ステップD4)。
【0095】
この後、ハンディターミナル20により発注終了の操作が行われると(ステップS6(Y))、当該ターミナル20の表示装置27に再び処理の種類の選択画面が表示される(ステップS1)。
【0096】
そして、この処理の種類の選択画面に従って(ステップS1)、電子棚札10を特定して商品情報を取得閲覧する「商品情報照会」が選択されると、先ずは前記同様に図9におけるキャリブレーション処理が起動され、基準となる棚位置の電子棚札10の発光装置12が点灯駆動され、当該ハンディターミナル20の操作ユーザに報知される(ステップSA)。
【0097】
ここでハンディターミナル20において、当該商品情報照会処理の終了操作がなされない場合には(ステップS10(N))、前記同様に図10または図11における棚札選択処理が起動され、ハンディターミナル20の移動操作に応じて特定された電子棚札10の発光装置(LED)12が、当該棚札10に対応する商品が適正在庫割れしていない場合には“緑色”で、適正在庫割れしている場合には“赤色”で発光駆動されユーザ報知される(ステップSB)。
【0098】
こうしたハンディターミナル20のユーザ操作に応じた棚札選択処理(ステップSB)に従い、ユーザ所望の照会対象商品のある電子棚札10が選択・特定されてその発光装置(LED)12が点灯駆動された状態で、入力装置24の選択「SEL」キー24cが操作されると(ステップS11(Y))、当該特定された電子棚札(ID)10に対応するところの商品情報について照会を指示する信号が通信装置29からサーバ装置30へ送信される(ステップS12)。
【0099】
サーバ装置30において、前記ハンディターミナル20から送信された特定された商品の商品情報についての照会指示信号が通信装置36により受信されると(ステップD5(Y))、前記図10または図11の棚札選択処理(ステップSB)にて特定された電子棚札(ID)10に対応するところの商品コードが電子棚札情報マスタ33bに基づき検索されると共に(ステップD6)、当該商品コードに対応するところの商品情報が商品マスタ33aに基づき検索され(ステップD7)、この商品情報が通信装置36からハンディターミナル20へ送信される(ステップD8)。
【0100】
すると、ハンディターミナル20では、前記サーバ装置30から送信された現在特定されている商品の商品情報が受信され、表示装置27により表示されるようになる(ステップS13)。
【0101】
この後、ハンディターミナル20により商品情報照会終了の操作が行われると(ステップS10(Y))、当該ターミナル20の表示装置27に再び処理の種類の選択画面が表示される(ステップS1)。
【0102】
そして、この処理の種類の選択画面に従って(ステップS1)、特定の商品に対応する電子棚札10の位置を見つける「棚札位置チェック」が選択されると、当該棚札位置チェック処理に移行される。この棚札位置チェック処理の終了操作が行われることなく(ステップS14(N))、前記棚割表から電子棚札10の位置を知りたい対象商品の商品コードがスキャナ26により読み取られると(ステップS15)、この対象商品の商品コードと共に当該商品に対応するところの電子棚札10の表示装置(LED)12の点灯を指示する信号がサーバ装置30へ送信される(ステップS16)。
【0103】
サーバ装置30において、前記ハンディターミナル20から送信された棚札チェック対象商品の商品コードおよび該当する棚札表示装置12の点灯指示信号が受信されると(ステップD9(Y))、この受信された商品コードに対応付けられた電子棚札10の棚札IDが電子棚札情報マスタ33bに基づき検索される(ステップD10)。
【0104】
すると、前記対象商品コードから検索・特定された電子棚札(ID)10の発光装置12に対して、現在のW発光色レジスタ33hにセットされた発光色での点灯指示信号が、通信装置36から棚札コントローラ2に送信される(ステップD11)。
【0105】
これにより、前記ハンディターミナル20により棚割表から読み込んだ対象商品に対応するところの電子棚札10の発光装置(LED)12が、当該商品が適正在庫割れしていない場合には“緑色”で、適正在庫割れしている場合には“赤色”で発光駆動され、その棚位置がユーザ報知される。
【0106】
したがって、前記構成の電子棚札システムによれば、商品陳列棚1から離れた当該各棚位置1a,1b,…が視認可能な場所において、ハンディターミナル(操作端末)20を所望の棚位置に向けて移動操作すると、加速度センサ25により検出された移動方向の情報がサーバ装置30へ送信される。すると、サーバ装置30では、前記ハンディターミナル20から受信されたターミナル移動方向の情報に基づき、電子棚札配置マスタ33cに予め記憶されている各棚位置1a,1b,…の座標範囲や段NO,配置NOから、選択された棚位置が特定され、当該棚位置に対応付けられた棚札IDの電子棚札10に対して発光装置(LED)12の点灯指示信号が送信される。これにより、前記ハンディターミナル20を移動操作して選択された棚位置にある電子棚札10の表示装置12が点灯駆動されユーザ報知されるので、多数の電子棚札10,…に直接届く場所での作業を要することなく、商品陳列棚1の全体が見易い適当に離れたところから、所望の電子棚札(棚位置)10を容易に且つ明確に特定し指示することができる。
【0107】
また、前記構成の電子棚札システムによれば、「棚札設定処理」において、前記ハンディターミナル(操作端末)20のスキャナ26により棚割表から商品コードを読み込んで前記所望の電子棚札(棚位置)10の選択操作を行うと、サーバ装置30では前記電子棚札(棚位置)10の選択操作に応じて特定された電子棚札IDに前記スキャナ26により読み込まれた商品コードを対応付けた電子棚札情報マスタ33bが生成され記憶されるので、従来のように各商品コードと各棚札コードとの両方を繰り返し且つ直接読み取って対応付けしその管理データを生成する必要なく、商品陳列棚1の全体が見易い適当に離れたところでの作業により容易に前記電子棚札情報マスタ33bを生成することができる。
【0108】
また、前記構成の電子棚札システムによれば、「商品情報照会処理」において、前記ハンディターミナル(操作端末)20のユーザ操作より所望の電子棚札(棚位置)10の選択操作を行うと共に商品情報の照会を要求する指示信号をサーバ装置30へ送信すると、サーバ装置30では前記電子棚札(棚位置)10の選択操作に応じて特定された電子棚札IDに基づき、前記電子棚札情報マスタ33bおよび商品マスタ33aから対応する商品コードの商品情報が検索され、前記ハンディターミナル20へ応答送信される。これにより、ハンディターミナル20では、前記サーバ装置30から受信された商品情報が表示装置29により表示されて照会されるので、ユーザは商品陳列棚1の全体が見易い適当に離れたところでの作業により、所望の電子棚札(棚位置)10に対応付けられて陳列された商品の情報を容易に照会して確認することができる。
【0109】
また、前記構成の電子棚札システムによれば、「棚札位置チェック処理」において、ハンディターミナル20のスキャナ26により棚割表にある所望の商品コードを読み取ると、当該商品コードがサーバ装置30に送信される。すると、サーバ装置30では、前記ハンディターミナル20から受信された商品コードに対応するところの電子棚札IDが前記電子棚札情報マスタ33bに基づき検索され、当該棚札IDの電子棚札10に対して発光装置(LED)12の点灯指示信号が送信される。これにより、前記ハンディターミナル20により読み取った商品コードの商品が陳列されている電子棚札10の表示装置12が点灯駆動されユーザ報知されるので、ユーザは商品陳列棚1の全体が見易い適当に離れたところでの作業により、所望の商品が陳列された電子棚札10のある棚位置を容易に確認して認識することができる。
【0110】
また、前記構成の電子棚札システムによれば、「発注処理」において、前記ハンディターミナル(操作端末)20のユーザ操作より所望の電子棚札(棚位置)10の選択操作を行うと共に、対応する商品の発注数量を入力してサーバ装置30へ送信すると、サーバ装置30では前記電子棚札(棚位置)10の選択操作に応じて特定された電子棚札IDと受信された商品発注数量に基づき、前記電子棚札情報マスタ33bおよび商品マスタ33aから特定された商品に対応付けて発注数量を記憶させ発注処理を行うので、ユーザは商品陳列棚1の全体が見易い適当に離れたところでの作業により、所望の電子棚札(棚位置)10に対応付けられて陳列された商品の発注操作を容易に行うことができる。
【0111】
さらに、前記構成の電子棚札システムによれば、前記ハンディターミナル(操作端末)20のユーザ操作に応じて選択された電子棚札10の表示装置(LED)12が点灯駆動されユーザ報知される際には、サーバ装置30において当該選択された電子棚札10に対応するところの商品の在庫数と適正在庫数とが商品マスタ33aから読み出されて比較判断される。そして、適正在庫割れしていないと判断された場合には、W発光色レジスタ33hに緑色LEDの点灯を指示するデータがセットされ、前記ユーザ操作に応じて選択された電子棚札10の表示装置(LED)12は緑色に点灯駆動され、また適正在庫割れしていると判断された場合には、同W発光色レジスタ33hに赤色LEDの点灯を指示するデータがセットされ、同ユーザ操作に応じて選択された電子棚札10の表示装置(LED)12は赤色に点灯駆動されるので、ユーザ選択された電子棚札10の棚位置に陳列された商品が在庫割れをしているか否かを簡単に把握し認識することができる。
【0112】
なお、前記各実施形態において記載した電子棚札システムの電子棚札10、ハンディターミナル(操作端末)20、サーバ装置30による各処理の手法、すなわち、図8のフローチャートに示すハンディターミナル(操作端末)20による操作端末処理、図9のフローチャートに示すハンディターミナル20とサーバ装置30との間で実行されるキャリブレーション処理、図10のフローチャートに示すハンディターミナル20とサーバ装置30との間で実行される第1の棚札選択処理(1)、図11のフローチャートで示すハンディターミナル20とサーバ装置30との間で実行される第2の棚札選択処理(2)、図12のフローチャートで示す前記棚札選択処理(1)または(2)でのサーバ装置側処理に伴う在庫確認処理、図13のフローチャートで示すサーバ装置30における「棚札設定処理」「発注処理」「商品情報照会処理」「棚札位置チェック処理」のそれぞれに応じたサーバ処理等の各手法は、何れもコンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記録媒体に格納して配布することができる。そして、電子棚札10のコンピュータ(CPU13)、ハンディターミナル(操作端末)20のコンピュータ(CPU21)、サーバ装置30のコンピュータ(CPU31)は、この外部記録媒体に記憶されたプログラムを各対応する記憶装置(メモリ14,22,32)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明した電子棚札制御機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0113】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(インターネットなど)上を伝送させることができ、この通信ネットワークに接続されたコンピュータ装置(プログラムサーバ)から前記のプログラムデータを取り込んで各対応する記憶装置(メモリ14,22,32)に記憶させ、前述した電子棚札制御機能を実現することもできる。
【0114】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0115】
1 …商品陳列棚
1a,1b,1c…棚位置
2 …棚札コントローラ
3 …アクセスポイント
10 …電子棚札
11 …表示装置(表示部)
12 …発光装置(発光部)
13 …棚札CPU
14,22,32…メモリ
15,23,33…記憶装置
16 …棚札通信装置
20 …ハンディターミナル(操作端末)
21 …ターミナルCPU
24,34…入力装置
24a…メニュー「MENU」キー
24b…キャリブレーション「CAR」ボタン
24c…選択「SEL」キー
25 …加速度センサ
26 …スキャナ
27,35…表示装置
28 …スピーカ
29 …ターミナル通信装置
30 …サーバ装置
31 …サーバCPU
33a…商品マスタ
33b…電子棚札情報マスタ
33c…電子棚札配置マスタ
33d…WXレジスタ(棚札配置NO)
33e…WYレジスタ(棚札段NO)
33f…Xレジスタ(操作方向(左右)データ)
33g…Yレジスタ(操作方向(上下)データ)
33h…W発光色レジスタ
36 …サーバ通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子棚札と、この複数の電子棚札と通信可能に接続されたサーバ装置と、前記複数の電子棚札から離れた場所でユーザ操作され前記サーバ装置との通信機能を有する操作端末とから構成される電子棚札システムであって、
前記操作端末は、
当該操作端末本体の移動情報を検出する移動情報検出手段と、
この移動情報検出手段により検出された端末移動情報を前記サーバ装置へ送信する移動情報送信手段とを備え、
前記サーバ装置は、
前記複数の電子棚札それぞれの配置情報を記憶する棚札配置情報記憶手段と、
この棚札配置情報記憶手段により記憶された各電子棚札それぞれの配置情報に基づき、前記操作端末から受信された当該操作端末の端末移動情報に対応するところの電子棚札を特定する電子棚札特定手段と、
この電子棚札特定手段により特定された電子棚札に対して報知動作の指示を送信する特定棚札報知指示送信手段とを備え、
前記電子棚札は、
前記サーバ装置から受信された報知動作の指示に応じて報知動作する報知手段を備えた、
ことを特徴とする電子棚札システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、さらに、
前記複数の電子棚札それぞれに対応づけて商品情報を記憶する対応情報記憶手段とを備えた、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子棚札システム。
【請求項3】
前記操作端末は、さらに、
商品情報を取得する商品情報取得手段と、
この商品情報取得手段により取得された商品情報を前記サーバ装置へ送信する商品情報送信手段とを備え、
前記サーバ装置は、さらに
前記電子棚札特定手段により特定された電子棚札と前記操作端末から受信された商品情報とを前記対応情報記憶手段に対応づけて設定する設定手段とを備えた、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子棚札システム。
【請求項4】
前記操作端末は、さらに、
商品情報の照会要求を前記サーバ装置へ送信する照会要求送信手段と、
この照会要求送信手段による商品情報の照会要求に応答して前記サーバ装置から受信された商品情報を表示する商品情報表示手段とを備え、
前記サーバ装置は、さらに、
前記操作端末から商品情報の照会要求が受信された際に、前記電子棚札特定手段により特定された電子棚札に対応付けられて前記対応情報記憶手段により記憶された商品情報を検索する商品情報検索手段と、
この商品情報検索手段により検索された商品情報を前記操作端末へ送信する商品情報送信手段とを備えた、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の電子棚札システム。
【請求項5】
前記操作端末は、さらに、
前記商品情報取得手段により取得された商品情報と共に、前記電子棚札に報知動作を行わせる指示を前記サーバ装置へ送信する商品情報対応報知指示送信手段を備え、
前記サーバ装置は、さらに、
前記操作端末から商品情報と共に前記電子棚札に報知動作を行わせる指示が受信された際に、当該受信された商品情報に対応付けられて前記対応情報記憶手段により記憶された電子棚札を検索する電子棚札検索手段と、
この電子棚札検索手段により検索された電子棚札に対して報知動作の指示を送信する検索棚札報知指示送信手段とを備えた、
ことを特徴とする請求項3に記載の電子棚札システム。
【請求項6】
前記操作端末は、さらに、
商品の発注数量を入力する発注数量入力手段と、
この発注数量入力手段により入力された発注数量を前記サーバ装置へ送信する発注数量送信手段とを備え、
前記サーバ装置は、さらに、
前記操作端末から受信された発注数量を、前記電子棚札特定手段により特定された電子棚札に対応付けられて前記対応情報記憶手段により記憶された商品情報にさらに対応付けて記憶する発注数量記憶手段を備えた、
ことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の電子棚札システム。
【請求項7】
複数の電子棚札と通信可能に接続されたサーバ装置であって、
前記複数の電子棚札それぞれの配置情報を記憶する棚札配置情報記憶手段と、
前記複数の電子棚札から離れた場所でユーザ操作され前記サーバ装置との通信機能を有する操作端末から当該操作端末の端末移動情報を受信し、その受信した端末移動情報に対応するところの電子棚札を、前記棚札配置情報記憶手段により記憶された各電子棚札それぞれの配置情報に基づき特定する特定手段と、
この特定手段により特定された電子棚札に対して報知動作を行わせるべく報知指示を送信する報知指示送信手段と、
を備えことを特徴とするサーバ装置。
【請求項8】
前記特定手段は、前記操作端末から端末移動情報を受信した際は、前記複数の電子棚札
の内の所定の電子棚札の位置を基準として、その基準とする位置からの前記端末移動情報に基づく相対的移動量に基づいて、前記端末移動情報に対応するところの電子棚札を特定する、
ことを特徴とする請求項7に記載のするサーバ装置。
【請求項9】
前記複数の電子棚札それぞれに対応づけて商品情報を記憶する対応情報記憶手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項7または8に記載のするサーバ装置。
【請求項10】
前記特定手段により特定された電子棚札に対応する商品情報を前記対応情報記憶手段から検索し、その検索された商品情報を前記操作端末へ送信する商品情報送信手段と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載のするサーバ装置。
【請求項11】
前記特定手段で特定された電子棚札に対応する商品情報の商品の在庫量を判別する判別手段と、
をさらに備え、
前記報知指示送信手段は、前記特定手段により特定された電子棚札に対して前記判別手段による判別結果の報知指示を送信する、
ことを特徴とする請求項9または10に記載のするサーバ装置。
【請求項12】
複数の電子棚札と通信可能に接続されたサーバ装置のコンピュータを制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記複数の電子棚札それぞれの配置情報を記憶する棚札配置情報記憶手段、
前記複数の電子棚札から離れた場所でユーザ操作され前記サーバ装置との通信機能を有する操作端末から当該操作端末の端末移動情報を受信し、その受信した端末移動情報に対応するところの電子棚札を、前記棚札配置情報記憶手段により記憶された各電子棚札それぞれの配置情報に基づき特定する電子棚札特定手段、
この電子棚札特定手段により特定された電子棚札に対して報知動作を行わせるべく報知指示を送信する報知指示送信手段と、
として機能させるようにしたコンピュータ読み込み可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−109778(P2013−109778A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−24019(P2013−24019)
【出願日】平成25年2月12日(2013.2.12)
【分割の表示】特願2007−262628(P2007−262628)の分割
【原出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】