説明

管継手及び管継手の接続解除方法

【課題】樹脂製のヘッダーなどの配管材の継手接続部にねじ結合によって接続することができるとともに、ねじの緩みおよび破損を確実に防止でき、かつ、必要に応じて破損することなく配管材から取り外すことができる管継手及びその接続解除方法を提供する。
【解決手段】延出部32bが係止突部46bに係止されて回り止め状態にヘッダー4に接続された管継手1bの、袋ナット3部分を工具5の作用部53内に包含されるように配置し、作用部53に一体に設けられた断面楔形をした2つの係止解除爪54,55をそれぞれ対応する延出部32bとフランジ本体部46aとの隙間に袋ナット3の締め付け方向側から臨ませ、ハンドル部51を持って作用部53を袋ナット3の螺合解除方向に回転させて延出部32bとフランジ本体部46aとの隙間に入り込んだ係止解除爪54,55によって延出部を袋ナット3の半径方向外側に押し広げて延出部32bの係止突部46bへの係止を解除できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管継手及び管継手の接続解除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、住宅の給水給湯配管システムとして、給水主管および給湯主管をそれぞれ金属製の給水ヘッダーおよび給湯ヘッダーに接続する一方、ヘッダーからたこ足状に分岐させた給水分岐管および給湯分岐管を各設備機器の接続部に一対一で接続するヘッダー工法が採用されている。
【0003】
具体的には、ヘッダー配管システムは、住宅の床下空間に導かれた主管がヘッダーのヘッダー本体部に接続される一方、ヘッダーの各分岐接続部にそれぞれ分岐管が接続され、各分岐管が床下空間に巡らされて、各設備機器の接続部にそれぞれ接続されるものである。
【0004】
このようなヘッダー配管システムにおいて、ヘッダーのヘッダー本体部および分岐接続部に主管および分岐管をそれぞれ接続する場合、管継手に主管および分岐管をそれぞれ接続し、管継手をヘッダー本体部および分岐接続部にねじ込んで接続する方式が、分岐管などの交換性などの観点から採用されている。
【0005】
一方、近年、合成樹脂製のヘッダーが用いられるようになっているが、合成樹脂製のヘッダーに対してねじ結合すると、ねじ部に大きな力が作用し、強度上不利である。このため、合成樹脂製のヘッダーを用いる場合には、特許文献1に示されるように、フランジを互いに突き合わせたヘッダー本体部と管継手および分岐接続部と管継手を弾性接続金具を用いて接続するファスナー接続と呼ばれる方法が採用されている。
【0006】
また、合成樹脂製ヘッダーの課題である分岐接続部の拡開防止に対して、特許文献2に示されるように、拡開防止部を備えた栓を分岐接続部にねじ結合することも提案されている。
【0007】
ところで、特許文献1の弾性接続金具としては、ステンレス鋼板からなるバネ材を用いることが一般的である。しかしながら、このような弾性接続金具を用いてヘッダーのヘッダー本体部と管継手および分岐接続部と管継手を接続した場合、例えば、水栓を急閉止した際にウオーターハンマー現象が発生すると、ヘッダーと管継手との接続部には、互いに離脱しようとする引き抜き力が作用する。これにより、金属製の管継手と比較して強度が不足する樹脂製ヘッダーのフランジが損傷するおそれがある。
【0008】
このため、特許文献1においては、フランジを形成する環状溝に補強リングを装着するようにしているが、補強リングの厚みが小さい場合、環状溝への装着は容易となるが、装着時に変形したり、補強効果が小さく、フランジに作用する引き抜き力を分散させる効果は小さくなる。特に、エンジニアリングプラスチックのように、高温での強度が比較的高いプラスチックで成形されている場合は問題ないが、オレフィン系、塩ビなどの汎用の樹脂からヘッダーが成形されている場合には、強度的に適用することはできない。
【0009】
逆に、補強リングの厚みが大きい場合には、容易に変形させることができず、装着が容易でないという欠点がある。しかも、補強リングの厚みが大きい場合には、ヘッダーと管継手との接続部の変形は発生しにくいが、弾性接続金具によって外径が規定されることから、その分、フランジの樹脂の厚みが薄くなり、強度低下を引き起こすものとなる。
【0010】
一方、特許文献2の接続構造においては、分岐接続部の拡開による止水性の低下を防止することはできるものの、ねじ結合部の破損については、未だ課題が残るものである。すなわち、汎用の樹脂である架橋ポリエチレンでヘッダーが成形された場合、ねじを過剰に締め込んだ場合、ねじが破損するおそれがある。一方、ねじの締め込みが不足した場合には、内水圧による軸方向抜け力、脈動水圧による振動や衝撃などによってねじが緩み、最悪の場合には、ヘッダーの分岐接続部から栓が軸方向に抜け出すおそれがある。
【0011】
このため、特許文献2においては、ねじの緩み防止対策として、ヘッダーのヘッダー本体部に栓の先端に対応して回転防止突起を形成する一方、栓の先端に回転防止部を形成し、栓を設定位置までねじ込むことにより、回転防止突起に回転防止部を係合させるようにしている。しかしながら、ねじの緩み回転力は、ねじのピッチが大きくなればなるほど大きく、樹脂製のヘッダーにおける回転防止突起の強度に不安がある。逆に、ねじのピッチが小さくなれば、回転力は低下するものの、ねじをねじ込む際の1回転当たりの軸方向移動量が小さくなり、回転防止突起の高さを大きくすることができない。このように、特許文献2の緩み防止構造には強度的に問題が残るものである。
【0012】
なお、強度面を考慮して、回転防止突起に対する回転防止部の係合を強くすると、ヘッダーからの栓の離脱が困難となったり、回転防止突起が弾性限界を超えて破損し、ヘッダーを交換しなければならない事態を招来するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2005−188682号公報
【特許文献2】特許第3578696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、樹脂製のヘッダーなどの配管材の継手接続部にねじ結合によって接続することができるとともに、ねじの緩みおよび破損を確実に防止でき、かつ、必要に応じて破損することなく配管材から取り外すことができる管継手及びこの管継手の接続解除方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の管継手(以下、「請求項1の管継手」と記す)は、継手接続部の先端に雄ねじ筒部を有するとともに、雄ねじ筒部の基端側にフランジ本体部の外周面の一部にねじの締め込み方向に向かって徐々にフランジ本体部の半径方向外側に突出するテーパ面を有する係止突部が形成されたフランジを備える合成樹脂製の配管材の、前記雄ねじ筒部内に挿入可能な差口部を一端に有する継手本体と、この継手本体に離脱不能に、かつ、回転自在に装着され、前記配管材の雄ねじ筒部に外側から螺合する雌ねじ筒部を有する袋ナット本体部と、回り止め部とを備える袋ナットとから構成される管継手であって、前記回り止め部が、一端部を袋ナット本体部に一体に連結された可動部および該可動部から袋ナット本体部の端面を越えて軸芯方向に延出される延出部からなり、前記継手本体の差口部を雄ねじ筒部内に挿入するとともに、袋ナット本体部の雌ねじ筒部の雄ねじ筒部へのねじ込みに伴って、前記延出部が前記テーパ面に受けられながら袋ナット本体部の半径方向外側に向かって弾性変形し、係止突部を乗り越えるとフランジ本体部側に弾性復元力して係止突部の端面によって係止されて袋ナット本体部のねじの緩み方向の回り止めがなされるとともに、前記延出部にフランジ本体部の半径方向外側に力を加えて、延出部を係止突部から外れるように弾性変形させつつ袋ナット本体部を緩み方向に回転させることによって回り止め解除可能に形成されていることを特徴としている。
【0016】
本発明の請求項2に記載の管継手(以下、「請求項2の管継手」と記す)は、継手接続部の先端に雄ねじ筒部を有するとともに、継手接続部の先端に雄ねじ筒部を有し、雄ねじ筒部の基端側にフランジ本体部の外周面の一部にねじの締め込み方向に向かって徐々にフランジ本体部の半径方向外側に突出するテーパ面を有する係止突部が形成されたフランジを備える合成樹脂製の配管材に接続されるとともに、前記雄ねじ筒部内に挿入可能な差口部を一端に有する継手本体と、この継手本体に離脱不能に、かつ、回転自在に装着され、前記配管材の雄ねじ筒部に外側から螺合する雌ねじ筒部を有する袋ナット本体部と、回り止め部とを備える袋ナットとから構成される管継手であって、前記回り止め部が、一端部を袋ナット本体部に一体に連結された可動部および該可動部から袋ナット本体部の端面を越えて軸芯方向に延出される延出部からなり、前記継手本体の差口部を雄ねじ筒部内に挿入するとともに、袋ナット本体部の雄ねじ筒部へのねじ込みに伴って、前記延出部が前記テーパ面に受けられながら袋ナット本体部の半径方向外側に向かって弾性変形し、係止突部を乗り越えるとフランジ本体部側に弾性復元して係止突部の端面によって係止されて袋ナット本体部のねじの緩み方向の回り止めがなされるとともに、前記延出部にフランジ本体部の半径方向外側に力を加えて、延出部を係止突部から外れるように弾性変形させつつ袋ナット本体部を緩み方向に回転させることによって回り止め解除可能に形成されていることを特徴としている。
【0017】
本発明の管継手において、継手本体の材質は、金属でも樹脂でも構わない。
継手本体用の樹脂としては、例えば、給水用などの使用温度が低い場合、ポリ塩化ビニル、ポリブデン、架橋ポリエチレン、ポリエチレンなどでもよいが、給湯などの使用温度が高い場合には、エンジニアリングプラスチック、例えば、ポリアセタール、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルフォン、ポリフェニルサルフォンなどが好ましい。
継手本体の構造としては、特に限定されないが、例えば、ソケット型、エルボ型、キャップ型、両差口部を有するジョイント型などが挙げられる。
また、継手本体の管挿入部の構造は、特に限定されないが、例えば、接続される管を管挿入部に挿入するだけで、締め付けリングを拡径状態にした拡径片が飛んで、締め付けリングが弾性収縮して管を管内に挿通されたノズル状の内筒との間で締め付けて抜け止め及び止水を図るようにした公知のワンタッチ接続構造(例えば、積水化学工業社製商品名エスロカチットの構造、特開2001-295974号公報に記載の構造)が挙げられる。
【0018】
一方、袋ナットは、合成樹脂製のものを用いることが好ましい。袋ナットを構成する合成樹脂としては、給湯用など、高温となる場合には、架橋ポリエチレンや、ポリアセタール、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルフォン、ポリフェニルサルフォンなどのエンジニアリングプラスチックを用いることが望ましい。一方、給水用など、温度が高くない場合には、塩化ビニル、ポリブデン、ポリエチレンなどの汎用樹脂を採用することができる。
【0019】
本発明の管継手が接続される配管材としては、特に限定されないが、例えば、ヘッダー本体部の側面に複数の分岐接続部を有するヘッダーが挙げられる。
【0020】
ここで、配管材を構成する合成樹脂としては、特に限定されないが、例えば、高温での強度を必要とするときには、架橋ポリエチレンや、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニルサルフォンなどのエンジニアリングプラスチックを用いることが好ましい。一方、給水など、特に、高温での強度を必要としないときには、塩化ビニルやポリプロピレン、ポリブデンなどのオレフィン系樹脂を使用してもよい。なお、品質とコストの両者を満足することから架橋ポリエチレンが最も好ましい。
【0021】
本発明において、前記管状接続部材のフランジが略楕円状に形成されるとともに、その長軸方向にそれぞれの係合凹部または係止突部が形成されることが好ましい。これにより、回り止め部材の係合爪または回り止め部材の延出部を分岐接続部のフランジの短軸方向側から外周面に乗り上げることが可能となり、係合爪または延出部をフランジの外周面に容易に導くことができる。
【0022】
本発明において、前記回り止め部材の可動部が、一端が袋ナットに一体に連結された円弧状またはアーム状であることが好ましい。
【0023】
本発明において、合成樹脂製配管材としては、特に限定されないが、たとえば、端部接続部を有するヘッダー本体部と、このヘッダー本体部の側面に連設された複数の分岐接続部とを備えるヘッダーが挙げられる。
【0024】
一方、本発明にかかる管継手の接続解除方法は、2つの回り止め部によって回り止め状態に接続された請求項2または請求項3に記載の管継手の袋ナット部分を、工具の弧状をした作用部内に包含されるように配置し、前記作用部から延出するように作用部の回転中心に対して点対称に設けられた断面楔形をした2つの係止解除爪をそれぞれ対応する延出部とフランジ本体部との隙間に袋ナット本体部の締め付け方向側から臨ませ、作用部に連設された工具のハンドル部を持って作用部を袋ナット本体部の螺合解除方向に回転させて、延出部とフランジ本体部との隙間に入り込んだ係止解除爪によって延出部を袋ナット本体部の半径方向外側に押し広げて回り止めを解除しつつ袋ナットを螺合解除方向に回転させることを特徴としている。
【0025】
本発明の接続解除方法に用いられる工具は、特に限定されないが、金属製あるいは合成樹脂製のものが使用できる。
強度面からは、金属製のものが優れるが、生産性や作業性(軽量、係止解除爪の厚み)などを考慮すると合成樹脂製のものでも良い。
また、上記工具は、径の異なる管継手の接続解除可能なように異なる大きさの作用部をハンドル部の両端に備えている構成としてもよい。
【0026】
本発明において、弧状とは、半円弧状、半楕円弧状、弓状などを意味し、弧が中心軸で対称になっていなくても構わない。
【発明の効果】
【0027】
本発明にかかる管継手は、以上のように構成されているので、樹脂製のヘッダーなどの配管材の継手接続部にねじ結合によって接続することができるとともに、ねじの緩みおよび破損を確実に防止でき、かつ、必要に応じて破損することなく配管材から取り外すことができる。
すなわち、継手本体の差口部を配管材の継手接続部に設けられた雄ねじ筒部に挿入した後、袋ナット本体部の雌ねじ筒部を雄ねじ筒部にねじ込んでいくと、回り止め部の延出部が、係止突部のテーパ面に接触する。そして、さらにねじ込んでいくと、可動部が拡開するように弾性変形し、テーパ面に乗り上げていく。そして、延出部が係止突部を乗り越える位置までねじ込むと、回り止め部の弾性変形が解消され、元の形状に復帰する。
【0028】
この結果、配管材の雄ねじ筒部内には、継手本体の差口部が挿入されるとともに、袋ナット本体部の雌ねじ筒部が外側からねじ結合されることにより、水圧により雄ねじ筒部が拡開し、止水性が低下することを防止できる。また、袋ナット本体部がねじの緩む方向に回転しようとしても、回り止め部の延出部が配管材のフランジに形成された係止突部の端面に係止されて雄ねじ筒部と雌ねじ筒部との螺合解除方向の回り止めがなされる。したがって、内水圧による継手本体の軸方向抜け力、脈動水圧による振動や衝撃などによっても、袋ナットが回転して緩むことがなく、継手本体が抜けたり、漏水が発生することを確実に防止できる。
【0029】
しかも、継手本体の差口部を管状接続部材に挿入して、工具などを用いることなく袋ナットを設定角度回転させるといった簡単な操作によって配管材の継手接続部に接続できることから、接続作業をきわめて容易に行うことができる。また、袋ナットを過剰にねじ込むことによる雄ねじ筒部及び雌ねじ筒部の破損も発生しない他、係止突部と延出部との係止を目視観察で確認することができるとともに、回り止め部材が弾性変形状態から復元する際の、延出部がフランジ本体部壁面へ着座する際の着座音によっても確認することができ、ねじ込み不足を発生することもない。
【0030】
一方、このような管継手の配管材の接続状態において、延出部にフランジ本体部の半径方向外側に力を加えれば、延出部が係止突部から外れるように回り止め部を弾性変形させつつ袋ナット本体部を緩み方向に回転させることによって回り止め状態が解除される。
そして、袋ナットをさらに緩み方向に回転させて雌ねじ筒部と配管材との雄ねじ筒部の螺合を完全に解除すれば、管継手を容易に配管材から取り外すことができる。
すなわち、管継手やこの管挿入部に接続された管の交換や点検作業を容易に行うことができる。
【0031】
また、請求項2の管継手の構成とすれば、複数個所で回り止めがなされるので、よりしっかりとした回り止め状態が確保できるとともに、袋ナットの少ない回転数でしっかりとした回り止め状態が確保でき、配管材への接続作業がより容易となる。
【0032】
本発明にかかる管継手の接続解除方法は、上記のように構成されているので、狭い作業現場でも管継手を配管材から容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明にかかる管継手の第1の実施の形態の正面図である。
【図2】図1のA方向矢視図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】図1の管継手が接続されるヘッダーの1例をあらわし、その平面図である。
【図5】図4のC方向矢視図である。
【図6】図4のヘッダーの断面図である。
【図7】図1に示す管継手をヘッダーに接続した状態の正面図である。
【図8】接続解除用の工具の1例をあらわす斜視図である。
【図9】図8の工具を用いた接続解除方法を説明する図である。
【図10】本発明にかかる管継手の第2の実施の形態の正面図である。
【図11】図10の管継手の断面図である。
【図12】本発明にかかる管継手の第3の実施の形態の正面図である。
【図13】図12の管継手の断面図である。
【図14】本発明にかかる管継手の第4の実施の形態の正面図である。
【図15】図14の管継手の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0035】
図1〜図3は、本発明にかかる管継手の第1の実施の形態をあらわしている。
図1〜図3に示すように、この管継手1a(1b)は、継手本体2aと袋ナット3とを備えている。
【0036】
継手本体2aは、一端に差口部21、他端に管取付部22を備えている。
差口部21は、後述するヘッダー4などの配管材の継手接続部に設けられた雄ねじ筒部45内に挿入されるようになっていて、周囲にOリング21aが嵌められている。
管取付部22は、差口部21に連通するとともに、管取付部22に接続される架橋ポリエチレン管などの管の端部に挿入されるノズル状をした内筒部22aと、この内筒部22aの間に筒状をした管の挿入空間を形成する外筒部22bとを備えている。
【0037】
内筒部22aの周囲には、図3に示すように、管取付部22内に挿入された管の内壁面に水密に密着するOリング22cがはめ込まれている。
また、外筒部22bの内側には、図3に示すように、締め付けリング23と、拡径片24と、抜け止めリング25とが収容されている。
【0038】
締め付けリング23は、一部が切り離されたリング状をしていて、管挿入前には、拡径片24が切断面間に挿入されて、管の外径より内径が拡径しているが、管挿入により拡径片24が管端で押されて除去されると、弾性力によって縮径して管壁を内筒部22a側に締め付けるようになっている。
【0039】
抜け止めリング25は、挿入された管に抜け方向の力が加わったときに、管の外壁面に食い込んで管の抜けを防止するようになっている。
すなわち、管取付部22は、管を所定位置(拡径片24が除去される位置)まで挿入されると締め付けリング23と抜け止めリング25との働きによってワンタッチで管を水密にかつしっかりと接続できるようになっている。
【0040】
袋ナット3は、図2に示すように、袋ナット本体部31と、2つの回り止め部32とを備えている。
袋ナット本体部31は、図2及び図3に示すように、雌ねじ筒部31aを備え、雌ねじ筒部31aの開口端が差口部21の先端を向くように継手本体2aに離脱不能に、かつ、回転自在に装着されている。
【0041】
雌ねじ筒部31aは、図3に示すように、始端が180度ずれたそれぞれ略1ピッチ(360度)ずつの2条の螺旋溝31bが内周面に設けられている。
2つの回り止め部32は、袋ナット本体部31の中心軸を対称中心として点対称に設けられていて、可動部32aと、延出部32bとを備えている。
【0042】
可動部32aは、袋ナット本体部31の外周面より少し大径の内径をした円弧状をしていて、一端が袋ナット本体部31の壁面に袋ナット本体部31の外壁面と同心円状になるように固定されている。また、可動部32aは、無負荷状態では、袋ナット本体部31の外壁面との間にほぼ均等な幅の隙間が形成されるとともに、袋ナット本体部31の半径方向に力を受けると固定部を中心に力の加わった方向に弾性変形するようになっている。
延出部32bは、可動部32aの開放端から袋ナット本体部31の中心軸に平行かつ袋ナット本体部31の端縁から外側に延出するように設けられている。
【0043】
そして、この管継手1a(1b)は、例えば、図4〜図6に示す配管材としての合成樹脂製ヘッダー4に、図7に示すように接続される。
【0044】
すなわち、このヘッダー4は、ヘッダー本体部41と、6つの分岐接続部42とを備えている。
ヘッダー本体部41は、一端が閉鎖されるとともに、他端が開口している筒状をしているとともに、他端部に主管用管継手接続部43を備えている。
各分岐接続部42は、図6に示すように、ヘッダー本体部41の側面から一方に平行に突出していて、ヘッダー本体部41に連通していとともに、先端部に分岐管用管継手接続部44を備えている。
【0045】
主管用管継手接続部43は、図7に示すように、大口径(例えば呼び径20A)の管継手1aが接続され、分岐管用管継手接続部44は、小口径(例えば呼び径13A)の管継手1bが接続されるようになっていて、図4あるいは図5に示すように、接続される管継手1aあるいは管継手1bに対応する大きさをした雄ねじ筒部45及びフランジ46をそれぞれ備えている。
雄ねじ筒部45は、図4〜図6に示すように、始端が180度ずれたそれぞれ略1ピッチずつの2本の螺旋突条45aからなる2条ねじ構造になっていて、管継手1a(あるいは管継手1b)の袋ナット本体部31に設けられた雌ねじ筒部31aが螺合するようになっている。
フランジ46は、図4〜図6に示すように、袋ナット本体部31の外径より少し大きな楕円形をしたフランジ本体部46aと、対称位置に設けられた2つの係止突部46bとを備えている。
【0046】
係止突部46bは、それぞれフランジ本体部46aの楕円の長軸から略45度ずれた位置に係止面46cを有し、この係止面46cの先端から雄ねじ筒部45のねじの締め込み方向と逆側に徐々にフランジ本体部46aに近づき終端でフランジ本体部46aに面一となるように設けられたテーパ面46dを備えている。すなわち、係止突部46bは、ねじの締め込み方向に向かって徐々にフランジ本体部46aからの高さが高くなっている。
【0047】
なお、フランジ46は、楕円形をしたフランジ本体部46aが楕円の長軸がヘッダー本体部41の管軸に直交している。
【0048】
つぎに、管継手1a(1b)の本管部用管継手接続部43(分岐管用管継手接続部44)への施工要領及び施工時の各部の動きを説明する。
接続にあたっては、まず、管継手1a(1b)の差口部21の先端部をヘッダー4の対応する雄ねじ筒部45内に挿入したのち、袋ナット本体部31の雌ねじ筒部31aの螺旋溝31bと雄ねじ筒部45の螺旋突条45aとを螺合させて袋ナット3をねじ込んでいく。
【0049】
このねじ込みに伴って、差口部21が雄ねじ筒部45の内部に向かって進入して行く。また、袋ナット本体部31が略90度程度回転するまでねじ込まれたとき、延出部32bが、フランジ本体部46aの楕円の短軸付近でフランジ本体部46aの雄ねじ筒部45側の端縁と延出部32bの先端縁と略一致する位置までフランジ46方向に移動する。
延出部32bは、さらに袋ナット3をねじ込んでいくと、まず、係止突部46bのテーパ面46dに受けられ、ねじ込みの進行に伴って、可動部32aの弾性変形によりテーパ面46dに沿ってフランジ46の半径方向外側に徐々に移動する。
【0050】
そして、袋ナット本体部31が略180度回転するまでねじ込まれると、延出部32bが係止突部46bを乗り越え、可動部32aの弾性復元力によって回り止め部32が袋ナット本体部31の外周面に沿う元の形状に復元する。したがって、図7に示すように、袋ナット3が、ねじの緩む方向に回転しようとしても、延出部32bが係止突部46bの係止面46cに当接し、緩み方向の回り止めがなされる。
また、同時に袋ナット本体部31の端面がフランジ46に受けられ、それ以上のねじ込みができなくなる。
【0051】
また、管継手1a(1b)は、上記のようにしてヘッダー4に接続されたのち、図示していないが、管継手1aの管取付部22に主管の一端が接続され、管継手1bの管取付部22に分岐管の一端が接続される。
【0052】
この接続構造によれば、雄ねじ筒部45には、継手本体2aの差口部21が挿入されるとともに、袋ナット3がねじ結合されることにより、ヘッダー4内の水圧により雄ねじ筒部45が拡開し、止水性が低下することを防止できる。すなわち、袋ナット本体部31がフランジ46に当接してそれ以上のねじ込みが阻止される一方、回り止め部32の各延出部32bが180度隔てて形成された各係止突部46bにそれぞれ係止して緩み方向の移動が阻止されることにより、袋ナット3の回転が阻止され、内水圧による軸方向抜け力、脈動水圧による振動や衝撃などによっても、袋ナット3が回転して緩むことがなく、継手本体2aが抜けたり、漏水が発生することを確実に防止できる。
【0053】
しかも、継手本体2aの差口部21を雄ねじ筒部45内に挿入して、工具を用いることなく袋ナット3を略180度だけ回転させるだけの簡単な操作によってヘッダー4に管継手1a(1b)を接続できるので、接続作業をきわめて容易にかつ確実に行うことができる。また、袋ナット3の過剰のねじ込みによる螺旋突条45aおよび螺旋溝31bの破損も発生しない他、係止突部46bと延出部32bとの係止を目視観察で確認することができるとともに、回り止め部32が弾性変形状態から復元して、袋ナット3に着座する際のカチッという着座音によって確認することができ、ねじ込み不足を発生することもない。
【0054】
さらに、袋ナット3の成形の際、回り止め部32を一体に形成することができ、安価に製造することができるとともに、回り止め部32を別体に設ける場合に比較して、回り止め部32の装着忘れといった施工ミスを生じることもない。
り付けるようになっている。
【0055】
通常、一旦ヘッダー4に取り付けられた管継手1a(1b)は、殆ど取り外す必要がないものであるが、不慣れな作業者が管取付部22に接続される管の管端処理が不十分で、管端部が十分に管取付部22内に差し込まれないうちに、拡径片24が離脱し、締め付けリング23が縮径してしまい良好な接続が得られない場合などのように、接続された管継手1aを新しい管継手1aに交換する必要があることがなくはない。また、
このような場合、一旦ヘッダー4に接続された管継手1a(1b)は、図8及び図9に示すような接続解除用の工具5を用いて取り外すことができる。
【0056】
すなわち、この工具5は、ABS樹脂等の合成樹脂成形品であって、ハンドル部51の一端に管継手1a用の作用部52、他端に管継手1b用の作用部53を備えている。
作用部52は、管継手1aの袋ナット3を内包可能な大きさの弧状をしていて、弧の一端側がハンドル部51に一体になっていて、断面楔型をした係止解除爪54,55が一体に設けられている。
【0057】
係止解除爪54は、作用部52のハンドル部51側の端部から弧の外側に突出するように設けられている。
係止解除爪55は、作用部52の開放端から延設された連結部56から作用部52の回転中心(使用状態における管継手1aの袋ナット本体部31の回転中心)を対称中心にして係止解除爪54と点対称となるように設けられている。
【0058】
また、上記作用部52の回転中心を中心として係止解除爪54の先端及び係止解除爪55の先端を通る仮想円は、2つの延出部の内壁面に沿う仮想円と略同じか少し小径になっている。
連結部56は、係止解除爪55と作用部52との隙間が、延出部32bが入り込むように延出部32bの厚みより少し大きくなるように設けられている。
【0059】
作用部53は、管継手1bの袋ナット3を内包可能な大きさの弧状をしている以外は、作用部52と同様になっている。
また、作用部53に一体に設けられた係止解除爪54と係止解除爪55とは、作用部53の回転中心(使用状態における管継手1bの袋ナット本体部31の回転中心)を対称中心にして点対称となるように設けられている。
【0060】
つぎに、この工具5を用いた管継手1a及び管継手1bの接続解除方法を、管継手1bの場合を例に説明する。
すなわち、まず、図9(a)に示すように、作用部53を袋ナット3が作用部53内に内包されるとともに、係止解除爪54及び係止解除爪55を、先端がそれぞれ袋ナット3の締め込み方向と逆側を向いた状態で延出部32bとフランジ本体部46aとの間を臨むように工具5を配置する。
そして、ハンドル部51を持って作用部53を袋ナット本体部31の中心軸にその回転中心を一致させるようにして袋ナット3の螺合解除方向(図9でみて反時計回り)に回転させる。
【0061】
上記のように作用部53の回転中心を中心として係止解除爪54の先端及び係止解除爪55の先端を通る仮想円は、2つの延出部32bの内壁面に沿う仮想円と略同じか少し小径になっているので、この回転によって図9(b)に示すように係止解除爪54及び係止解除爪55がそれぞれ対応する延出部32bとフランジ本体部46aとの間に入り込み、係止解除爪54及び係止解除爪55のテーパ面によって可動部32aを弾性変形させながら延出部32bが拡径方向に移動する。
そして、延出部32bが係止突部46b係止面46cより上方まで移動し、テーパ面46dの頂部に乗り上げてテーパ面46dに受けられると、可動部32aの弾性復元力によって延出部32bがテーパ面46dに押し付けられてテーパ面46dから緩み方向に抗力を受け、袋ナット3が作用部53を回転させなくても螺合が解除される方向に回転する。
そして、工具5を取り除き、手で袋ナット3をさらに緩め雄ねじ筒部45と雌ねじ筒部31aとの螺合を完全に解除すれば、螺合が解除されるにともなって、差口部21が雄ねじ筒部45の出口方向に後退して差口部21の雄ねじ筒部45への嵌合も解除され管継手1bをヘッダー4から取り外すことができる。
また、管継手1aは、作用部52側を用いて上記と同様にしてヘッダー4から取り外すことができる。
【0062】
なお、上記工具5を用いる利点は、以下のとおりである。
すなわち、袋ナット3は、各延出部32bにそれぞれ指を当てて延出部32bが係止突部46bより外側になるように跳ね上げながら、袋ナット本体部31を手で回すようにしても接続を解除することができる。
【0063】
しかし、ヘッダー4が壁面や床面に沿って設けられていて、ヘッダー4の背面側に手や指を入れるスペースがなかったり、分岐管用管継手接続部44と分岐管用管継手接続部44との隙間が狭く手や指をヘッダー4の背面側に差し入れることができなかったりする場合もある。
そこで、上記のように工具5を用いれば、手や指をヘッダー4の背面側に差し入れることができないような狭い作業スペースにおいても容易に管継手1a(1b)をヘッダー4から取り外すことができる。
【0064】
図10及び図11は、本発明にかかる管継手の第2の実施の形態をあらわしている。
図10及び図11に示すように、この管継手1cは、継手本体2bがエルボ型になっている以外は、上記の管継手1aと同様になっている。
【0065】
図12及び図13は、本発明にかかる管継手の第3の実施の形態をあらわしている。
図12及び図13に示すように、この管継手1dは、継手本体2cの両側に差口部21が設けられていて、両差口部21にそれぞれ袋ナット3が設けられ、配管材と配管材とを連結するジョイント型となっている以外は、上記管継手1aと同様になっている。
【0066】
図14及び図15は、本発明にかかる管継手の第4の実施の形態をあらわしている。
図14及び図15に示すように、この管継手1eは、継手本体2dが閉塞状態の差口部28のみからなるエンドキャップ型となっている以外は、上記管継手1aと同様になっている。
【0067】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。上記の実施の形態では、回り止め部が2つであったが、1つでも構わないし、3つ以上でも構わない。フランジ形状も回り止め部の数に合わせた形状とすればよい。
上記の実施の形態では、ヘッダー本体部の一端が閉鎖されていたが、両側に管継手接続部を設けるようにしても構わない。
【符号の説明】
【0068】
1a,1b,1c,1d,1e 管継手
2a,2b,2c,2d 継手本体
21,28 差口部
22 管取付部
3 袋ナット
31 袋ナット本体部
31a 雌ねじ筒部
31b 螺旋溝
32 回り止め部
32a 可動部
32b 延出部
4 ヘッダー(配管材)
43 主管用管継手接続部
44 分岐管用管継手接続部
45 雄ねじ筒部
45a 螺旋突条
46 フランジ
46a フランジ本体部
46b 係止突部
46c 係止面
46d テーパ面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
継手接続部の先端に雄ねじ筒部を有し、雄ねじ筒部の基端側にフランジ本体部の外周面の一部にねじの締め込み方向に向かって徐々にフランジ本体部の半径方向外側に突出するテーパ面を有する係止突部が形成されたフランジを備える合成樹脂製の配管材に接続されるとともに、
前記雄ねじ筒部内に挿入可能な差口部を一端に有する継手本体と、
この継手本体に離脱不能に、かつ、回転自在に装着され、前記配管材の雄ねじ筒部に外側から螺合する雌ねじ筒部を有する袋ナット本体部と、回り止め部とを備える袋ナットとから構成される管継手であって、
前記回り止め部が、一端部を袋ナット本体部に一体に連結された可動部および該可動部から袋ナット本体部の端面を越えて軸芯方向に延出される延出部からなり、
前記継手本体の差口部を雄ねじ筒部内に挿入するとともに、袋ナット本体部の雄ねじ筒部へのねじ込みに伴って、前記延出部が前記テーパ面に受けられながら袋ナット本体部の半径方向外側に向かって弾性変形し、係止突部を乗り越えるとフランジ本体部側に弾性復元して係止突部の端面によって係止されて袋ナット本体部のねじの緩み方向の回り止めがなされるとともに、
前記延出部にフランジ本体部の半径方向外側に力を加えて、延出部を係止突部から外れるように弾性変形させつつ袋ナット本体部を緩み方向に回転させることによって回り止め解除可能に形成されていることを特徴とする管継手。
【請求項2】
継手接続部の先端に雄ねじ筒部を有し、雄ねじ筒部の基端側にフランジ本体部の外周面の一部にねじの締め込み方向に向かって徐々にフランジ本体部の半径方向外側に突出するテーパ面を有する係止突部が形成されたフランジを備える合成樹脂製の配管材に接続されるとともに、
前記雄ねじ筒部内に挿入可能な差口部を一端に有する継手本体と、
この継手本体に離脱不能に、かつ、回転自在に装着され、前記配管材の雄ねじ筒部に外側から螺合する雌ねじ筒部を有する袋ナット本体部と、回り止め部とを備える袋ナットとから構成される管継手であって、
前記回り止め部が、一端部を袋ナット本体部に一体に連結された可動部および該可動部から袋ナット本体部の端面を越えて軸芯方向に延出される延出部からなり、
前記継手本体の差口部を雄ねじ筒部内に挿入するとともに、袋ナット本体部の雄ねじ筒部へのねじ込みに伴って、前記延出部が前記テーパ面に受けられながら袋ナット本体部の半径方向外側に向かって弾性変形し、係止突部を乗り越えるとフランジ本体部側に弾性復元して係止突部の端面によって係止されて袋ナット本体部のねじの緩み方向の回り止めがなされるとともに、
前記延出部にフランジ本体部の半径方向外側に力を加えて、延出部を係止突部から外れるように弾性変形させつつ袋ナット本体部を緩み方向に回転させることによって回り止め解除可能に形成されていることを特徴とする管継手。
【請求項3】
配管材が、端部接続部を有するヘッダー本体部と、このヘッダー本体部の側面に連設された複数の分岐接続部とを備えるヘッダーである請求項1または請求項2に記載の管継手。
【請求項4】
2つの回り止め部によって回り止め状態に接続された請求項2または請求項3に記載の管継手の袋ナット部分を、工具の弧状をした作用部内に包含されるように配置し、前記作用部から延出するように作用部の回転中心に対して点対称に設けられた断面楔形をした2つの係止解除爪をそれぞれ対応する延出部とフランジ本体部との隙間に袋ナット本体部の締め付け方向側から臨ませ、作用部に連設された工具のハンドル部を持って作用部を袋ナット本体部の螺合解除方向に回転させて、延出部とフランジ本体部との隙間に入り込んだ係止解除爪によって延出部を袋ナット本体部の半径方向外側に押し広げて回り止めを解除しつつ袋ナットを螺合解除方向に回転させることを特徴とする管継手の接続解除方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−181005(P2010−181005A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27250(P2009−27250)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】