管路内面の補修装置及び管路内面の補修工法
【課題】 管路内面の補修作業の効率化を図るとともに、曲がり部を有する管路の補修ができる管路内面の補修装置を提供する。
【解決手段】 膨らむことができる材質からなる外皮2と、内皮3と、内皮3の内側に一定間隔に固定された短型パイプ7との三層構造で構成され、内皮3と短型パイプ7で形成される中心中空部6を通水経路とする筒状体であって、中心中空部6に複数の短型パイプ7を一定間隔をおいて内皮3で固定保持させ、該外皮2と内皮3との間に形成された流体導入中間部(気室)4に流体を導入して膨らませ、外皮2の外周に載置した補修材を管路内面に圧着させることからなる変形自在の管路内面の補修装置。
【解決手段】 膨らむことができる材質からなる外皮2と、内皮3と、内皮3の内側に一定間隔に固定された短型パイプ7との三層構造で構成され、内皮3と短型パイプ7で形成される中心中空部6を通水経路とする筒状体であって、中心中空部6に複数の短型パイプ7を一定間隔をおいて内皮3で固定保持させ、該外皮2と内皮3との間に形成された流体導入中間部(気室)4に流体を導入して膨らませ、外皮2の外周に載置した補修材を管路内面に圧着させることからなる変形自在の管路内面の補修装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は管路内面に発生した亀裂や孔等を補修する管路内面の補修装置及び管路内面の補修工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地中に埋設してある電線管や小型の下水管等の既設管路に亀裂や孔等が発生した場合には、地表より掘削して不良個所の修理や交換等をしていた。
又、近年では、小型のテレビカメラを管路内にマンホールより挿入して内面から不良個所を発見する技術が開発され、この技術により不良個所の発見と不良状態の検査が可能となっており、又、管路内面からの更生技術も開発されている。この補修工法を一般に管路内面補修工法と呼んでいる。
【0003】
この管路内面補修工法の1つとして、図9に示す補修装置30を用いた方法が知られている。この補修装置30は、内部に空気を注入できる筒状体31と、筒状体31に空気を注入するための空気注入口31aと、剛性の組み立てることができる管状体(32−1,32−2,32−3)とを備えている。
また、補修装置30を用いた補修工法では、先ず、空気を注入する前の収縮状態の筒状体31をマンホールより既設管路内に挿入し、次に、管状体(32−1,32−2,32−3)を筒状体31の中心部に順に挿入していく。そして、管状体(32−1,32−2,32−3)を一体的に組み立てた後、既設管路内で空気を注入して筒状体31を膨らませ、筒状体31の外周に載置した補修材(図示省略)を既設管路内面に生じた亀裂や孔等の損傷部分に圧着させ、補修することができる。
【0004】
この場合、筒状体31を膨らませたとしても、管状体(32−1,32−2,32−3)の内側が空洞になるので、既設管路内の水等の流路を確保することができる。
また、管状体(32−1,32−2,32−3)は、マンホールより既設管路内に挿入可能な長さにそれぞれ設定され、しかも、一体的に組み立てられた管状体(32−1,32−2,32−3)の総延長が筒状体31の長さと略同等に設定されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2004−36665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の管路内面の補修装置では、筒状体及び複数の管状体がそれぞれ分離された部材であり、管路内面の補修の際、筒状体の中心部に複数の管状体を順に挿入し、既設管路内で複数の管状体を一体的に組み立てる作業が必要になる。
このため、補修に取り掛かるための準備作業の負荷が高く、準備に時間が掛かるという問題を有している。しかも、補修後においては、組み立てられた複数の管状体を分解して取り出す作業が必要になり、その撤収作業の負荷も高くなっている。
さらに、一体的に組み立てられた複数の管状体が直線形状になるため、曲がり部を有する、例えば、宅内桝の取付管などの場合、補修できないという欠点もある。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑み、補修における準備及び撤収の作業負荷を軽減し、補修作業の効率化を図ることができるとともに、曲がり部を有する管路の補修ができる管路内面の補修装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、外皮と内皮との間に気室が形成されている筒状の加圧チューブと、この加圧チューブの気室に空気を注入するための空気注入口と、前記加圧チューブの外皮の外周に載置した補修材とを備え、前記空気注入口から前記気室に空気を注入して前記加圧チューブを径内外方向に膨張させて前記補修材を管路内面に圧着させることができる管路内面の補修装置において、前記加圧チューブの筒状の内側に複数の短型パイプを有し、この複数の短型パイプが前記加圧チューブの長さ方向に一定の間隔を有して配置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の管路内面の補修装置によれば、複数の短型パイプが加圧チューブの内側に一定の間隔を有して配置され、加圧チューブと複数の短型パイプが一体型に形成されているので、補修の際に、複数の短型パイプを加圧チューブに挿入、及び、組み立てる必要がない。
したがって、管路内面の補修における準備及び撤収の作業負荷が軽減でき、補修作業の効率化を図ることができる。
また、この加圧チューブは、その長さ方向の一方端から他方端に亘って、短型パイプを有する部分と、短型パイプを有していない部分とが交互に並べられた状態とされている。しかも、加圧チューブの内側が空洞になるため、既設管路内の水等の通水経路とすることができる。
【0010】
この場合、空気を注入する前の収縮状態の加圧チューブでは、短型パイプと短型パイプとの間における加圧チューブの外皮及び内皮が変形自在になるので、加圧チューブを管路の経路に対応させて湾曲変形させることができる。
したがって、曲がり部を有する管路であっても加圧チューブを挿入することができる。しかも、挿入後、空気を注入して加圧チューブを膨らませば、加圧チューブの外皮を当該曲がり部の内面に当接することができる。
これによって、加圧チューブの外皮の外周に載置した補修材を当該曲がり部に生じた亀裂や孔等の損傷部分に圧着させ、補修することができる。
【0011】
上記の管路内面の補修装置において、前記加圧チューブの外皮は、その外周表面に離型処理材が付されているのが好ましい。
この場合、離型処理材によって、外皮とその外周面に載置した補修材との剥離性を向上することができる。これによって、当該補修材の全部又は一部が加圧チューブの外皮から剥離できないということがなくなる。つまり、管路内面に圧着させる当該補修材にバラツキが生じるのを防止することができる。
【0012】
上記の管路内面の補修装置において、前記短型パイプは、空気を注入して膨らませた加圧チューブの圧力に対応できる強度を有するものであれば、その材質は特に限定されるものではないが、例えば、セラミック、プラスチック、又は、金属の素材より構成することができる。
また、前記加圧チューブの内皮は、空気を注入して膨らませた加圧チューブの圧力に対応できる強度を有し、かつ、管路の経路に対応して変形可能な変形特性を有するものであれば、その材質は特に限定されるものではないが、例えば、ゴム布、塩ビシート、又は、合成布の素材より構成することができる。
【0013】
上記の管路内面の補修装置において、前記加圧チューブは、前端部及び後端部にそれぞれ中空の球体部を有し、さらに、この球体部の中空部分の前後方向が開口されているのが好ましい。
この場合、加圧チューブの管路への挿入、又は、管路からの取出しでは、加圧チューブの先頭が球体部になる。このため、球体部が管路内面に引掛かることはないので、加圧チューブの挿入、又は、取り出し作業が容易になる。
また、前後方向に開口した球体部の中空部分を通水経路にすることができるので、前端部及び後端部に球体部を有する加圧チューブを既設管路に挿入した場合でも、既設管路内の水等を流すことができる。
【0014】
上記の管路内面の補修装置において、前記複数の短型パイプのうち前端及び後端に配置された短型パイプは、それぞれ第1結合部を有し、また、前記球体部の中空部分に中空パイプが設けられ、この中空パイプは、前記第1結合部と結合する第2結合部を有しているのが好ましい。
この場合、第1結合部と第2結合部を結合することにより、加圧チューブの前端及び後端の短型パイプと球体部がそれぞれ連結できるので、加圧チューブへの球体部の装着が容易になる。
【0015】
上記の管路内面の補修装置において、前記加圧チューブは、管路内での空気注入による過膨張を防止する過膨張防止カバーを前端部及び後端部にそれぞれ有しているのが好ましい。
この場合、過膨張防止カバーが加圧チューブの前方及び後方への膨張を制限するので、加圧チューブの前端部及び後端部が過膨張することによって破裂するのを防止できる。
【0016】
また、本発明は、上記の管路内面の補修装置を用いた管路内面の補修工法であって、以下の工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする。
(1)加圧チューブを空気注入前の収縮状態で管路に挿入し、管路内の補修箇所に配置する工程
(2)空気を注入し前記加圧チューブを膨らませる工程
(3)前記加圧チューブの外皮の外周に載置した補修材を管路内面に圧着させる工程
【0017】
本発明の補修工法によれば、加圧チューブを空気注入前の収縮状態で管路内の補修箇所に配置させ(工程(1))、その後、空気を注入し加圧チューブを膨らませ(工程(2))、加圧チューブの外皮の外周に載置した補修材を管路内面に圧着させる(工程(3))ので、曲がり部を有する既設管路であっても加圧チューブを挿入することができる。
また、管路内の補修箇所に配置させてから加圧チューブを膨らませるので、曲がり部に生じた亀裂や孔等の損傷部分に対して補修材を圧着させ、補修することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上の通り、本発明によれば、加圧チューブと複数の短型パイプとを一体型とし、さらに、加圧チューブを湾曲変形可能に構成したので、補修における準備及び撤収の作業負荷が軽減でき、補修作業の効率化が図れるとともに、曲がり部を有する管路に対しても管路内面の補修をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は管路内面の損傷、即ち、亀裂や孔等の損傷、特に長い管路内の損傷を一度に補修するための有効な補修装置であって、その内側に短型パイプを有する筒状の加圧チューブからなる装置において、該装置が大きく且つ長いものであっても、管路内に容易に挿入及び取り出しのできる装置であり、且つそれを用いて極めて容易に且つ安価に仕上がりよく補修することのできるものとするものである。
【0020】
本発明を図面により説明する。
図1は、本発明の管路内面補修装置の側面図であり、図2は、本発明の管路内面補修装置の側面断面図である。また、図3は、本発明の管路内面補修装置の湾曲変形自在性を示す模式図であり、図4は、ボール型ヘッド(球体部)を外した状態の要部を示す側面断面図である。図5は、短型パイプの配列及び構造模式図であり、図6は、本発明のボール型ヘッドの内部構造模式図である。図7は、本発明の加圧チューブの両端部に設けた過膨張防止カバーの設置状態を示す斜視模式図である。
図中、1は管路内面補修装置、20は加圧チューブ、2は加圧チューブの外皮、3は加圧チューブの内皮、4は外皮と内皮との間に形成された流体導入中間部(気室)、5は流体(空気)注入口、6は水を通水することのできる加圧チューブの中心中空部、7は短型パイプ、8はボール型ヘッド(球体部)、9はボール型ヘッドの中心部の中空パイプ、10はホースバンド、11はメス螺子又は差し込み式結合部(第1結合部)、12はオス螺子又は差し込み式結合部(第2結合部)、13は過膨張防止カバーである。また、Pは牽引部、Sは牽引体である。
本発明の補修装置により長い管路内面の補修を安全且つ容易に行うことができる。
【0021】
図1、図2及び図4に示すように、管路内面補修装置1は、膨らむことのできる材質からなる加圧チューブ20の外皮2及び内皮3と、内皮3に包まれた短型パイプ7との三層構造で構成されている。また、短型パイプ7が一定間隔に配置され、ゴム布、塩ビシート、又は、合成布等からなる内皮3で包み込まれ接着固定されている。
外皮2と内皮3とは、その長さ方向の両端がボール型ヘッド8の中空パイプ9にそれぞれ合体結着され、さらに、ホースバンド10で緊結されている。これによって、外皮2と内皮3との間に形成された流体導入中間部4が密閉される。なお、図4では、ホースバンド10が側面から見た状態で示されている。
この流体導入中間部4に空気等の流体を吹きこむことによって、加圧チューブ20を膨らますことができる。
【0022】
加圧チューブ20を構成する外皮2の素材は、高分子弾性体又は強化高分子弾性体からなり、例えば天然ゴム、各種合成ゴム、又はプラスチック製のものであり、例えば、ゴム又はプラスチック被覆不織布からなるものが用いられる。
また、ゴムとしては、天然ゴム、合成ゴムの何れも用いることができ、これら合成ゴム又はプラスチックとしては耐蝕性合成ゴムが用いられ、超高分子ポリエチレン(ハイパロン、デュポン社製)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、合成シリコンゴム、合成材料引帆布等の寸法型状安定性のある材質で作られたチューブが好ましく用いられる。該チューブの外表面は、シリコンなどで離型処理がなされたものが好ましい。
【0023】
本発明の管路内面補修装置1は、加圧チューブ20の内側に、その長さ方向に一定間隔に複数の短型パイプ7が配置されることによって、加圧チューブ20が湾曲変形可能に構成されていることに特徴を有するものである。
この場合、短型パイプ7は、マンホールより既設管路内に挿入可能な長さ寸法に設定されたものであるため、管路内に容易に挿入できる。
また、一定間隔に配置された短型パイプ7間における加圧チューブ20の外皮2及び内皮3が変形自在になるので、従来のような短型パイプが一体的に組み立てられたものと違って、管路の経路に対応して加圧チューブ20を湾曲変形させることができる。
【0024】
しかも、加圧チューブ20は、ゴム又は軟質・軟性のプラスチック製のものであるため、加圧チューブ20の内側に短型パイプ7が無ければ、流体導入中間部4に流体、即ち液体や気体、通常は空気を注入し膨らませたとき、その内圧により、加圧チューブ20の内側の中心中空部6が圧されて閉塞されてしまう。
この場合、加圧チューブ20の内側に複数の短型パイプ7を配置することによって、中心中空部6が閉塞するのを防ぐと共に、管路中の水等の流体の流通を計ることができる。
これによって、管路内の作業の効率をよくし、危険性をも防止することができると共に、加圧チューブ20の外皮2の外周部に強い圧力を加えることができ、外皮2の外周に載置した補修材(図示省略)をより強く管路内面に圧着できるものとなるのである。
【0025】
図2、図4に示すように、短型パイプ7は、内皮3に接着固定されている。内皮3に接着固定されているものは、普通の形状の短型パイプであり、空気を注入し膨らませた加圧チューブ20の圧力に対応できる強度を有している。
加圧チューブ20の両端部に配置された短型パイプ7は、その両端部側にメス螺子又は差し込み式結合部11が設けられている。
又、加圧チューブ20の両端部には、図1乃至図3に示すように、管路への挿入、取出しを容易にするためのボール型ヘッド8が設けられている。
【0026】
図6に示すように、ボール型ヘッド8は、ほぼ球体の形状に形成され、その中心部に設けられた中空パイプ9と、牽引部Pと、複数の紐部材からなる牽引体Sとを有している。
牽引体Sは、例えば、こいのぼりの口に取り付けられる紐のように、3本以上の紐部材で構成されるのが好ましい。なお、図1乃至図3に示すボール型ヘッド8、及び、後述する図8に示す変形例のボール型ヘッド8には、牽引部P及び牽引体Sが省略されている。
中空パイプ9の加圧チューブ20側の端部には、オス螺子又は差し込み式結合部12が設けられている。このオス螺子又は差し込み式結合部12が短型パイプ7に設けられたメス螺子又は差し込み式結合部11と嵌合され、ボール型ヘッド8と短型パイプ7とが嵌合結合されている。
これにより、加圧チューブ20の内側に配置された短型パイプ7を管路内に固定することができる。更に、ボール型ヘッド8の中空パイプ9には、流体導入中間部4に空気等の流体を注入する流体注入口5が設けられている。
【0027】
ボール型ヘッド8及び中空パイプ9の素材は、空気を注入し膨らませた加圧チューブ20の圧力に対応できる強度を有するものであれば、その材質は特に限定されるものではないが、樹脂又は金属であることができ、例えば、合成樹脂では、硬質の塩化ビニル製のパイプが圧力に対する強度、硬さ及び軽さ等の点で好ましく用いられる。
また、加圧チューブ20の内側において、その長さ方向に一定間隔に配置された短型パイプ7を内皮3で包むことにより、管路内面補修装置1自体も、例えば、図3に示すように、曲げて折畳みができるように、湾曲変形自在のものとなり、管路内への挿入、組立て及び取り出しが自由に容易にできるものとなる。
【0028】
さらに、本発明の管路内補修装置1は、加圧チューブ20の外皮2の素材がゴム又はプラスチック製のものであるので、過膨張を防止するために、ハイパロン、不織布等の伸縮しない補強材からなる過膨張防止カバー13で補強した装置とされている。
この過膨張防止カバー13は、図7に示すように、加圧チューブ20の両端部において、一方端から他方端に向けて拡径された筒形状を有している。
しかも、過膨張防止カバー13は、加圧チューブ20の両端部において、図2及び図4に示すように、外皮2と内皮3とともにボール型ヘッド8の中空パイプ9に合体結着され、さらに、ホースバンド10で緊結されている。
【0029】
空気注入により加圧チューブ20を膨らませる際、外皮2が管路内面に圧接してもなお空気の注入を続けると、加圧チューブ20内の空気は前方及び後方へ逃げていくことになる。このため、加圧チューブ20の前端部及び後端部が前方及び後方へと膨張を続け、最後には加圧チューブ20が破裂してしまう。
そこで、加圧チューブ20の両端部を、その長さ方向の前後方向から過膨張防止カバー13で覆うことによって、加圧チューブ20がその長さ方向の前方及び後方へ膨張するのを制限できるので、加圧チューブ20が破裂するのを防止することができる。
【0030】
上記構成を有する本実施形態の管路内補修装置1によれば、加圧チューブ20と複数の短型パイプ7とを一体化したので、補修の際に複数の短型パイプ7を加圧チューブ20に挿入、及び、組み立てる必要がなく、補修における作業負荷が軽減できる。
また、複数の短型パイプ7がその長さ方向に一定間隔に配置され、加圧チューブ20が湾曲変形可能に構成されているため、曲がり部を有する管路であっても管路内面補修装置1を挿入することができる。
しかも、管路内の曲がり部において加圧チューブ20を膨らませることができるので、曲がり部に生じた亀裂や孔等の損傷部分に対して、加圧チューブ20の外皮2の外周に載置した補修材(図示省略)を圧着させ、補修することができる。
【0031】
次に、補修工法について説明する。
先ず、空気を注入する前の加圧チューブ20の収縮状態、つまり、図3に示す、管路内面補修装置1が湾曲変形自在な状態において、加圧チューブ20の外皮2の外周に補修材(図示省略)を載置する。
そして、管路内面補修装置1を管路内に挿入し、管路内の補修箇所に管路内面補修装置1を配置する。
次に、流体注入口5より空気を注入して加圧チューブ20を膨らませる。
これによって、加圧チューブ20の外皮2の外周に載置した当該補修材を管路内面の亀裂や孔等の損傷部分に圧着させ、管路内面を補修する。
【0032】
上記補修工法によれば、加圧チューブ20と複数の短型パイプ7とを一体化した管路内面補修装置1を用いているため、補修の際に複数の短型パイプ7を加圧チューブ20に挿入、及び、組み立てる必要がなく、補修における作業負荷が軽減できる。
また、湾曲変形自在となる加圧チューブ20の収縮状態で管路内面補修装置1を管路内に挿入するので、曲がり部を有する管路であっても管路内面補修装置1を挿入することができる。
しかも、管路内の曲がり部に管路内面補修装置1を配置させてから加圧チューブ20を膨らませることができるので、曲がり部に生じた亀裂や孔等の損傷部分に対して当該補修材を圧着させ、補修することができる。
【実施例】
【0033】
次に図面を用いて、本発明の補修装置について、更に具体的に説明するが、これが本発明を限定するものでないことは云うまでもない。
実施例1
図2に示すように、本発明の管路内面補修装置1は、細長い管路内面の補修に適するものであり、細長い合成或いは天然ゴム等のゴム製或いは塩ビ等のプラスチック製の外皮2と伸縮性のある内皮3とからなる筒状の加圧チューブ20を有している。
そして、外皮2と内皮3とで形成される流体導入中間部4に流体注入口5より空気等の流体を注入して加圧チューブ20を膨らませ、その外周に載置する(図示していない)補修材を管路内面に押圧し、圧着補修するものである。
【0034】
内皮3及び短型パイプ7の内側に形成される中心中空部6は、管路内の水を通すための通水経路となる。この通水経路となる中心中空部6には複数の短型パイプ7が配置されている。
この短型パイプ7は、加圧チューブ20の長さ方向に一定間隔に配置され、内皮3に接着固定されている。
従来、加圧チューブは、ゴム又はプラスチック製のものであるため、空気を注入して加圧チューブを膨らますと、その内側の空洞が内圧により圧されて閉塞されてしまうが、加圧チューブ20では、空気を注入して加圧チューブ20を膨らましても、中心中空部6の内側に配置された複数の短型パイプ7により中心中空部6が閉塞するようなことがない。
【0035】
しかも、複数の短型パイプ7が互いに一定間隔をおいて配置されているので、加圧チューブ20が湾曲変形自在のものとなり、加圧チューブ20の管路内への挿入及び取出しが極めて容易になる。
加圧チューブ20の大きさは管路内面の大きさに応じて通常長さ8m〜20m、径はφ55m/mである。
短型パイプ7の大きさは、加圧チューブ20の中心中空部6の大きさに応じたものであり、長さ5cm、径φ55m/mのものである。
短型パイプ7は、長さ1mの間に13個用いられ、各短型パイプ7の間は2.5〜3.0cmで構成されている。
【0036】
図5に示すように、加圧チューブ20の長さ方向に一定間隔に配置された複数の短型パイプ7のうち、両端を除いた中間に配置された短型パイプ7には、通常の単なるパイプが用いられているが、その両端に配置された短型パイプ7には、その端部にメス螺子又は差し込み式結合部11を設けたパイプが用いられている。
又、図1乃至図3に示されるように、加圧チューブ20は、その両端部に管路内面補修装置1の移動を容易にするためのボール型ヘッド8が設けられている。
【0037】
ボール型ヘッド8は、ほぼ球体の形状に形成され、その中心部に水を通すことのできる中空パイプ9が設けられている。中空パイプ9の加圧チューブ20側の端部には、オス螺子又は差し込み式結合部12が設けられている。このオス螺子又は差し込み式結合部12が前記両端に配置された短型パイプ7のメス螺子又は差し込み式結合部11と嵌合され、ボール型ヘッド8と前記両端に配置された短型パイプ7とが嵌合結合されている。
これによって、加圧チューブ20の中空部6に配置された短型パイプ7が管路内に滞留できるものとする作用を併せ有するものである。
ボール型ヘッド8の大きさは、管路内面を移動できる大きさである。
【0038】
管路内面の補修に当っては、加圧チューブ20の内側に、その長さ方向に一定間隔に複数の短型パイプ7配置され、ボール型ヘッド8に設けられた中空パイプ9のオス螺子又は差し込み式結合部12と加圧チューブ20の両端に配置された短型パイプ7のメス螺子又は差し込み式結合部11とが嵌合結合されている。
この加圧チューブ20の外皮2の外周に補修材(図示省略)を載置し、そして、管路内面補修装置1を管路内に導入し、加圧チューブ20の流体注入口5より空気を注入して膨らませ、加圧チューブ20の外皮2の外周に載置した補修材(図示省略)を管路内面に圧着固定して補修した。
本願発明の管路内面補修装置1は、細長い管路内の挿入、取り出しが極めて容易に行われ、当該補修材の圧着固定が極めて仕上がりよくできるものであった。
【0039】
加圧チューブ20の外皮2の外周に載置する補修材(図示省略)は、樹脂を含浸した不織布或いは織布が用いられる。例えば、ガラス繊維、その他の炭素繊維、アラミド繊維等の強化材に、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エマルジョン系樹脂等エンジニアプラスチック樹脂である樹脂バインダー、特に水路での固着は水中硬化性樹脂(エポキシ系樹脂等)バインダー等、熱硬化性、或いは光硬化性樹脂、その他熱可塑性樹脂からなる樹脂バインダーを含浸させてマット状又は筒状体となしたものが使用される。
この補修材を構成する樹脂バインダー含浸マットの不織布シートの枚数及び種類は、必要に応じて種々のものを組合わせることができる。
具体的には、樹脂コーティングガラスクロス−ロービングクロス−ガラスクロスからなる積層シートに水中硬化性樹脂バインダーを含浸させたものが用いられる。
【0040】
本発明の管路内面の補修装置は、湾曲変形自在のものであり、細長い管路内面の補修に用いることができ、しかも、その取り入れ、取り出しが自由に容易にでき且つその操作が簡単で、着実に管路内面の補修ができ、極めて有用性の高いものである。
【0041】
図8は、ボール型ヘッド(球体部)8の変形例を示している。
この場合のボール型ヘッド(球体部)8は、曲げられた複数本の線状部材8aからなり、この複数本の線状部材8aが組み合わせられることによって、ほぼ球体の形状が形成されている。また、図8に示すボール型ヘッド(球体部)8は、その中心部に水を通すための中空パイプ9を有し、複数本の線状部材8aは、中空パイプ9の周方向に所定間隔を有して配置されている。
すなわち、図6に示すボール型ヘッド(球体部)8では、その外周面が球体面を有しているのに対して、変形例の図8に示すボール型ヘッド(球体部)8では、複数本の線状部材8aが所定間隔を有して球体面に沿うような形状に形成されている。
このように、ボール型ヘッド(球体部)8が複数本の線状部材8aにより構成されることで、ボール型ヘッド(球体部)の軽量化を図り、弾力性を高めることができる。
その他の点については、図6に示すボール型ヘッド(球体部)8と異なるところはないので、詳細な説明は省略する。
【0042】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態にいて、短型パイプ7の数は、加圧チューブ20の長さ寸法等に応じて適宜変更可能である。また、一定間隔に配置された複数の短型パイプ7のうち、その両端の短型パイプ7の有するメス螺子又は差し込み式結合部(第1結合部)11をメス螺子とし、中空パイプ9の有するオス螺子又は差し込み式結合部(第2結合部)12をオス螺子としているが、それぞれがお互いに結合できればよいので、その結合部の構造は適宜変更可能である。
変形例に示すボール型ヘッド(球体部)8は、所定の強度及び弾力性を有していればよいので、ボール型ヘッド(球体部)8を構成する線状部材8aの数は、適宜変更可能である。
このように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の管路内面補修装置の側面図である。
【図2】本発明の管路内面補修装置の側面断面図である。
【図3】本発明の管路内面補修装置の湾曲変形自在性を示す模式図である。
【図4】ボール型ヘッド(球体部)を外した状態の要部を示す側面断面図である。
【図5】本発明の複数の短型パイプの配列及び構造模式図である。
【図6】本発明のボール型ヘッドの構造模式図である。
【図7】本発明の加圧チューブの両端部に設けた過膨張防止カバーの設置状態を示す斜視模式図である。
【図8】ボール型ヘッド(球体部)の変形例を示す構造模式図である。
【図9】従来の組立てることのできる短型パイプを中心部に設けた加圧チューブからなる細長の管路内面補修装置である。
【符号の説明】
【0044】
1 本発明の管路内面補修装置
2 外皮
3 内皮
4 流体導入中間部(気室)
5 流体(空気)注入口
6 中心中空部
7 短型パイプ
8 ボール型ヘッド
9 中空パイプ
10 ホースバンド
11 メス螺子又は差し込み式結合部(第1結合部)
12 オス螺子又は差し込み式結合部(第2結合部)
13 過膨張防止カバー
20 加圧チューブ
30 従来の補修装置
31 筒状体
32 管状体
P 牽引部
S 牽引体
【技術分野】
【0001】
本発明は管路内面に発生した亀裂や孔等を補修する管路内面の補修装置及び管路内面の補修工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地中に埋設してある電線管や小型の下水管等の既設管路に亀裂や孔等が発生した場合には、地表より掘削して不良個所の修理や交換等をしていた。
又、近年では、小型のテレビカメラを管路内にマンホールより挿入して内面から不良個所を発見する技術が開発され、この技術により不良個所の発見と不良状態の検査が可能となっており、又、管路内面からの更生技術も開発されている。この補修工法を一般に管路内面補修工法と呼んでいる。
【0003】
この管路内面補修工法の1つとして、図9に示す補修装置30を用いた方法が知られている。この補修装置30は、内部に空気を注入できる筒状体31と、筒状体31に空気を注入するための空気注入口31aと、剛性の組み立てることができる管状体(32−1,32−2,32−3)とを備えている。
また、補修装置30を用いた補修工法では、先ず、空気を注入する前の収縮状態の筒状体31をマンホールより既設管路内に挿入し、次に、管状体(32−1,32−2,32−3)を筒状体31の中心部に順に挿入していく。そして、管状体(32−1,32−2,32−3)を一体的に組み立てた後、既設管路内で空気を注入して筒状体31を膨らませ、筒状体31の外周に載置した補修材(図示省略)を既設管路内面に生じた亀裂や孔等の損傷部分に圧着させ、補修することができる。
【0004】
この場合、筒状体31を膨らませたとしても、管状体(32−1,32−2,32−3)の内側が空洞になるので、既設管路内の水等の流路を確保することができる。
また、管状体(32−1,32−2,32−3)は、マンホールより既設管路内に挿入可能な長さにそれぞれ設定され、しかも、一体的に組み立てられた管状体(32−1,32−2,32−3)の総延長が筒状体31の長さと略同等に設定されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2004−36665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の管路内面の補修装置では、筒状体及び複数の管状体がそれぞれ分離された部材であり、管路内面の補修の際、筒状体の中心部に複数の管状体を順に挿入し、既設管路内で複数の管状体を一体的に組み立てる作業が必要になる。
このため、補修に取り掛かるための準備作業の負荷が高く、準備に時間が掛かるという問題を有している。しかも、補修後においては、組み立てられた複数の管状体を分解して取り出す作業が必要になり、その撤収作業の負荷も高くなっている。
さらに、一体的に組み立てられた複数の管状体が直線形状になるため、曲がり部を有する、例えば、宅内桝の取付管などの場合、補修できないという欠点もある。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑み、補修における準備及び撤収の作業負荷を軽減し、補修作業の効率化を図ることができるとともに、曲がり部を有する管路の補修ができる管路内面の補修装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、外皮と内皮との間に気室が形成されている筒状の加圧チューブと、この加圧チューブの気室に空気を注入するための空気注入口と、前記加圧チューブの外皮の外周に載置した補修材とを備え、前記空気注入口から前記気室に空気を注入して前記加圧チューブを径内外方向に膨張させて前記補修材を管路内面に圧着させることができる管路内面の補修装置において、前記加圧チューブの筒状の内側に複数の短型パイプを有し、この複数の短型パイプが前記加圧チューブの長さ方向に一定の間隔を有して配置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の管路内面の補修装置によれば、複数の短型パイプが加圧チューブの内側に一定の間隔を有して配置され、加圧チューブと複数の短型パイプが一体型に形成されているので、補修の際に、複数の短型パイプを加圧チューブに挿入、及び、組み立てる必要がない。
したがって、管路内面の補修における準備及び撤収の作業負荷が軽減でき、補修作業の効率化を図ることができる。
また、この加圧チューブは、その長さ方向の一方端から他方端に亘って、短型パイプを有する部分と、短型パイプを有していない部分とが交互に並べられた状態とされている。しかも、加圧チューブの内側が空洞になるため、既設管路内の水等の通水経路とすることができる。
【0010】
この場合、空気を注入する前の収縮状態の加圧チューブでは、短型パイプと短型パイプとの間における加圧チューブの外皮及び内皮が変形自在になるので、加圧チューブを管路の経路に対応させて湾曲変形させることができる。
したがって、曲がり部を有する管路であっても加圧チューブを挿入することができる。しかも、挿入後、空気を注入して加圧チューブを膨らませば、加圧チューブの外皮を当該曲がり部の内面に当接することができる。
これによって、加圧チューブの外皮の外周に載置した補修材を当該曲がり部に生じた亀裂や孔等の損傷部分に圧着させ、補修することができる。
【0011】
上記の管路内面の補修装置において、前記加圧チューブの外皮は、その外周表面に離型処理材が付されているのが好ましい。
この場合、離型処理材によって、外皮とその外周面に載置した補修材との剥離性を向上することができる。これによって、当該補修材の全部又は一部が加圧チューブの外皮から剥離できないということがなくなる。つまり、管路内面に圧着させる当該補修材にバラツキが生じるのを防止することができる。
【0012】
上記の管路内面の補修装置において、前記短型パイプは、空気を注入して膨らませた加圧チューブの圧力に対応できる強度を有するものであれば、その材質は特に限定されるものではないが、例えば、セラミック、プラスチック、又は、金属の素材より構成することができる。
また、前記加圧チューブの内皮は、空気を注入して膨らませた加圧チューブの圧力に対応できる強度を有し、かつ、管路の経路に対応して変形可能な変形特性を有するものであれば、その材質は特に限定されるものではないが、例えば、ゴム布、塩ビシート、又は、合成布の素材より構成することができる。
【0013】
上記の管路内面の補修装置において、前記加圧チューブは、前端部及び後端部にそれぞれ中空の球体部を有し、さらに、この球体部の中空部分の前後方向が開口されているのが好ましい。
この場合、加圧チューブの管路への挿入、又は、管路からの取出しでは、加圧チューブの先頭が球体部になる。このため、球体部が管路内面に引掛かることはないので、加圧チューブの挿入、又は、取り出し作業が容易になる。
また、前後方向に開口した球体部の中空部分を通水経路にすることができるので、前端部及び後端部に球体部を有する加圧チューブを既設管路に挿入した場合でも、既設管路内の水等を流すことができる。
【0014】
上記の管路内面の補修装置において、前記複数の短型パイプのうち前端及び後端に配置された短型パイプは、それぞれ第1結合部を有し、また、前記球体部の中空部分に中空パイプが設けられ、この中空パイプは、前記第1結合部と結合する第2結合部を有しているのが好ましい。
この場合、第1結合部と第2結合部を結合することにより、加圧チューブの前端及び後端の短型パイプと球体部がそれぞれ連結できるので、加圧チューブへの球体部の装着が容易になる。
【0015】
上記の管路内面の補修装置において、前記加圧チューブは、管路内での空気注入による過膨張を防止する過膨張防止カバーを前端部及び後端部にそれぞれ有しているのが好ましい。
この場合、過膨張防止カバーが加圧チューブの前方及び後方への膨張を制限するので、加圧チューブの前端部及び後端部が過膨張することによって破裂するのを防止できる。
【0016】
また、本発明は、上記の管路内面の補修装置を用いた管路内面の補修工法であって、以下の工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする。
(1)加圧チューブを空気注入前の収縮状態で管路に挿入し、管路内の補修箇所に配置する工程
(2)空気を注入し前記加圧チューブを膨らませる工程
(3)前記加圧チューブの外皮の外周に載置した補修材を管路内面に圧着させる工程
【0017】
本発明の補修工法によれば、加圧チューブを空気注入前の収縮状態で管路内の補修箇所に配置させ(工程(1))、その後、空気を注入し加圧チューブを膨らませ(工程(2))、加圧チューブの外皮の外周に載置した補修材を管路内面に圧着させる(工程(3))ので、曲がり部を有する既設管路であっても加圧チューブを挿入することができる。
また、管路内の補修箇所に配置させてから加圧チューブを膨らませるので、曲がり部に生じた亀裂や孔等の損傷部分に対して補修材を圧着させ、補修することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上の通り、本発明によれば、加圧チューブと複数の短型パイプとを一体型とし、さらに、加圧チューブを湾曲変形可能に構成したので、補修における準備及び撤収の作業負荷が軽減でき、補修作業の効率化が図れるとともに、曲がり部を有する管路に対しても管路内面の補修をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は管路内面の損傷、即ち、亀裂や孔等の損傷、特に長い管路内の損傷を一度に補修するための有効な補修装置であって、その内側に短型パイプを有する筒状の加圧チューブからなる装置において、該装置が大きく且つ長いものであっても、管路内に容易に挿入及び取り出しのできる装置であり、且つそれを用いて極めて容易に且つ安価に仕上がりよく補修することのできるものとするものである。
【0020】
本発明を図面により説明する。
図1は、本発明の管路内面補修装置の側面図であり、図2は、本発明の管路内面補修装置の側面断面図である。また、図3は、本発明の管路内面補修装置の湾曲変形自在性を示す模式図であり、図4は、ボール型ヘッド(球体部)を外した状態の要部を示す側面断面図である。図5は、短型パイプの配列及び構造模式図であり、図6は、本発明のボール型ヘッドの内部構造模式図である。図7は、本発明の加圧チューブの両端部に設けた過膨張防止カバーの設置状態を示す斜視模式図である。
図中、1は管路内面補修装置、20は加圧チューブ、2は加圧チューブの外皮、3は加圧チューブの内皮、4は外皮と内皮との間に形成された流体導入中間部(気室)、5は流体(空気)注入口、6は水を通水することのできる加圧チューブの中心中空部、7は短型パイプ、8はボール型ヘッド(球体部)、9はボール型ヘッドの中心部の中空パイプ、10はホースバンド、11はメス螺子又は差し込み式結合部(第1結合部)、12はオス螺子又は差し込み式結合部(第2結合部)、13は過膨張防止カバーである。また、Pは牽引部、Sは牽引体である。
本発明の補修装置により長い管路内面の補修を安全且つ容易に行うことができる。
【0021】
図1、図2及び図4に示すように、管路内面補修装置1は、膨らむことのできる材質からなる加圧チューブ20の外皮2及び内皮3と、内皮3に包まれた短型パイプ7との三層構造で構成されている。また、短型パイプ7が一定間隔に配置され、ゴム布、塩ビシート、又は、合成布等からなる内皮3で包み込まれ接着固定されている。
外皮2と内皮3とは、その長さ方向の両端がボール型ヘッド8の中空パイプ9にそれぞれ合体結着され、さらに、ホースバンド10で緊結されている。これによって、外皮2と内皮3との間に形成された流体導入中間部4が密閉される。なお、図4では、ホースバンド10が側面から見た状態で示されている。
この流体導入中間部4に空気等の流体を吹きこむことによって、加圧チューブ20を膨らますことができる。
【0022】
加圧チューブ20を構成する外皮2の素材は、高分子弾性体又は強化高分子弾性体からなり、例えば天然ゴム、各種合成ゴム、又はプラスチック製のものであり、例えば、ゴム又はプラスチック被覆不織布からなるものが用いられる。
また、ゴムとしては、天然ゴム、合成ゴムの何れも用いることができ、これら合成ゴム又はプラスチックとしては耐蝕性合成ゴムが用いられ、超高分子ポリエチレン(ハイパロン、デュポン社製)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、合成シリコンゴム、合成材料引帆布等の寸法型状安定性のある材質で作られたチューブが好ましく用いられる。該チューブの外表面は、シリコンなどで離型処理がなされたものが好ましい。
【0023】
本発明の管路内面補修装置1は、加圧チューブ20の内側に、その長さ方向に一定間隔に複数の短型パイプ7が配置されることによって、加圧チューブ20が湾曲変形可能に構成されていることに特徴を有するものである。
この場合、短型パイプ7は、マンホールより既設管路内に挿入可能な長さ寸法に設定されたものであるため、管路内に容易に挿入できる。
また、一定間隔に配置された短型パイプ7間における加圧チューブ20の外皮2及び内皮3が変形自在になるので、従来のような短型パイプが一体的に組み立てられたものと違って、管路の経路に対応して加圧チューブ20を湾曲変形させることができる。
【0024】
しかも、加圧チューブ20は、ゴム又は軟質・軟性のプラスチック製のものであるため、加圧チューブ20の内側に短型パイプ7が無ければ、流体導入中間部4に流体、即ち液体や気体、通常は空気を注入し膨らませたとき、その内圧により、加圧チューブ20の内側の中心中空部6が圧されて閉塞されてしまう。
この場合、加圧チューブ20の内側に複数の短型パイプ7を配置することによって、中心中空部6が閉塞するのを防ぐと共に、管路中の水等の流体の流通を計ることができる。
これによって、管路内の作業の効率をよくし、危険性をも防止することができると共に、加圧チューブ20の外皮2の外周部に強い圧力を加えることができ、外皮2の外周に載置した補修材(図示省略)をより強く管路内面に圧着できるものとなるのである。
【0025】
図2、図4に示すように、短型パイプ7は、内皮3に接着固定されている。内皮3に接着固定されているものは、普通の形状の短型パイプであり、空気を注入し膨らませた加圧チューブ20の圧力に対応できる強度を有している。
加圧チューブ20の両端部に配置された短型パイプ7は、その両端部側にメス螺子又は差し込み式結合部11が設けられている。
又、加圧チューブ20の両端部には、図1乃至図3に示すように、管路への挿入、取出しを容易にするためのボール型ヘッド8が設けられている。
【0026】
図6に示すように、ボール型ヘッド8は、ほぼ球体の形状に形成され、その中心部に設けられた中空パイプ9と、牽引部Pと、複数の紐部材からなる牽引体Sとを有している。
牽引体Sは、例えば、こいのぼりの口に取り付けられる紐のように、3本以上の紐部材で構成されるのが好ましい。なお、図1乃至図3に示すボール型ヘッド8、及び、後述する図8に示す変形例のボール型ヘッド8には、牽引部P及び牽引体Sが省略されている。
中空パイプ9の加圧チューブ20側の端部には、オス螺子又は差し込み式結合部12が設けられている。このオス螺子又は差し込み式結合部12が短型パイプ7に設けられたメス螺子又は差し込み式結合部11と嵌合され、ボール型ヘッド8と短型パイプ7とが嵌合結合されている。
これにより、加圧チューブ20の内側に配置された短型パイプ7を管路内に固定することができる。更に、ボール型ヘッド8の中空パイプ9には、流体導入中間部4に空気等の流体を注入する流体注入口5が設けられている。
【0027】
ボール型ヘッド8及び中空パイプ9の素材は、空気を注入し膨らませた加圧チューブ20の圧力に対応できる強度を有するものであれば、その材質は特に限定されるものではないが、樹脂又は金属であることができ、例えば、合成樹脂では、硬質の塩化ビニル製のパイプが圧力に対する強度、硬さ及び軽さ等の点で好ましく用いられる。
また、加圧チューブ20の内側において、その長さ方向に一定間隔に配置された短型パイプ7を内皮3で包むことにより、管路内面補修装置1自体も、例えば、図3に示すように、曲げて折畳みができるように、湾曲変形自在のものとなり、管路内への挿入、組立て及び取り出しが自由に容易にできるものとなる。
【0028】
さらに、本発明の管路内補修装置1は、加圧チューブ20の外皮2の素材がゴム又はプラスチック製のものであるので、過膨張を防止するために、ハイパロン、不織布等の伸縮しない補強材からなる過膨張防止カバー13で補強した装置とされている。
この過膨張防止カバー13は、図7に示すように、加圧チューブ20の両端部において、一方端から他方端に向けて拡径された筒形状を有している。
しかも、過膨張防止カバー13は、加圧チューブ20の両端部において、図2及び図4に示すように、外皮2と内皮3とともにボール型ヘッド8の中空パイプ9に合体結着され、さらに、ホースバンド10で緊結されている。
【0029】
空気注入により加圧チューブ20を膨らませる際、外皮2が管路内面に圧接してもなお空気の注入を続けると、加圧チューブ20内の空気は前方及び後方へ逃げていくことになる。このため、加圧チューブ20の前端部及び後端部が前方及び後方へと膨張を続け、最後には加圧チューブ20が破裂してしまう。
そこで、加圧チューブ20の両端部を、その長さ方向の前後方向から過膨張防止カバー13で覆うことによって、加圧チューブ20がその長さ方向の前方及び後方へ膨張するのを制限できるので、加圧チューブ20が破裂するのを防止することができる。
【0030】
上記構成を有する本実施形態の管路内補修装置1によれば、加圧チューブ20と複数の短型パイプ7とを一体化したので、補修の際に複数の短型パイプ7を加圧チューブ20に挿入、及び、組み立てる必要がなく、補修における作業負荷が軽減できる。
また、複数の短型パイプ7がその長さ方向に一定間隔に配置され、加圧チューブ20が湾曲変形可能に構成されているため、曲がり部を有する管路であっても管路内面補修装置1を挿入することができる。
しかも、管路内の曲がり部において加圧チューブ20を膨らませることができるので、曲がり部に生じた亀裂や孔等の損傷部分に対して、加圧チューブ20の外皮2の外周に載置した補修材(図示省略)を圧着させ、補修することができる。
【0031】
次に、補修工法について説明する。
先ず、空気を注入する前の加圧チューブ20の収縮状態、つまり、図3に示す、管路内面補修装置1が湾曲変形自在な状態において、加圧チューブ20の外皮2の外周に補修材(図示省略)を載置する。
そして、管路内面補修装置1を管路内に挿入し、管路内の補修箇所に管路内面補修装置1を配置する。
次に、流体注入口5より空気を注入して加圧チューブ20を膨らませる。
これによって、加圧チューブ20の外皮2の外周に載置した当該補修材を管路内面の亀裂や孔等の損傷部分に圧着させ、管路内面を補修する。
【0032】
上記補修工法によれば、加圧チューブ20と複数の短型パイプ7とを一体化した管路内面補修装置1を用いているため、補修の際に複数の短型パイプ7を加圧チューブ20に挿入、及び、組み立てる必要がなく、補修における作業負荷が軽減できる。
また、湾曲変形自在となる加圧チューブ20の収縮状態で管路内面補修装置1を管路内に挿入するので、曲がり部を有する管路であっても管路内面補修装置1を挿入することができる。
しかも、管路内の曲がり部に管路内面補修装置1を配置させてから加圧チューブ20を膨らませることができるので、曲がり部に生じた亀裂や孔等の損傷部分に対して当該補修材を圧着させ、補修することができる。
【実施例】
【0033】
次に図面を用いて、本発明の補修装置について、更に具体的に説明するが、これが本発明を限定するものでないことは云うまでもない。
実施例1
図2に示すように、本発明の管路内面補修装置1は、細長い管路内面の補修に適するものであり、細長い合成或いは天然ゴム等のゴム製或いは塩ビ等のプラスチック製の外皮2と伸縮性のある内皮3とからなる筒状の加圧チューブ20を有している。
そして、外皮2と内皮3とで形成される流体導入中間部4に流体注入口5より空気等の流体を注入して加圧チューブ20を膨らませ、その外周に載置する(図示していない)補修材を管路内面に押圧し、圧着補修するものである。
【0034】
内皮3及び短型パイプ7の内側に形成される中心中空部6は、管路内の水を通すための通水経路となる。この通水経路となる中心中空部6には複数の短型パイプ7が配置されている。
この短型パイプ7は、加圧チューブ20の長さ方向に一定間隔に配置され、内皮3に接着固定されている。
従来、加圧チューブは、ゴム又はプラスチック製のものであるため、空気を注入して加圧チューブを膨らますと、その内側の空洞が内圧により圧されて閉塞されてしまうが、加圧チューブ20では、空気を注入して加圧チューブ20を膨らましても、中心中空部6の内側に配置された複数の短型パイプ7により中心中空部6が閉塞するようなことがない。
【0035】
しかも、複数の短型パイプ7が互いに一定間隔をおいて配置されているので、加圧チューブ20が湾曲変形自在のものとなり、加圧チューブ20の管路内への挿入及び取出しが極めて容易になる。
加圧チューブ20の大きさは管路内面の大きさに応じて通常長さ8m〜20m、径はφ55m/mである。
短型パイプ7の大きさは、加圧チューブ20の中心中空部6の大きさに応じたものであり、長さ5cm、径φ55m/mのものである。
短型パイプ7は、長さ1mの間に13個用いられ、各短型パイプ7の間は2.5〜3.0cmで構成されている。
【0036】
図5に示すように、加圧チューブ20の長さ方向に一定間隔に配置された複数の短型パイプ7のうち、両端を除いた中間に配置された短型パイプ7には、通常の単なるパイプが用いられているが、その両端に配置された短型パイプ7には、その端部にメス螺子又は差し込み式結合部11を設けたパイプが用いられている。
又、図1乃至図3に示されるように、加圧チューブ20は、その両端部に管路内面補修装置1の移動を容易にするためのボール型ヘッド8が設けられている。
【0037】
ボール型ヘッド8は、ほぼ球体の形状に形成され、その中心部に水を通すことのできる中空パイプ9が設けられている。中空パイプ9の加圧チューブ20側の端部には、オス螺子又は差し込み式結合部12が設けられている。このオス螺子又は差し込み式結合部12が前記両端に配置された短型パイプ7のメス螺子又は差し込み式結合部11と嵌合され、ボール型ヘッド8と前記両端に配置された短型パイプ7とが嵌合結合されている。
これによって、加圧チューブ20の中空部6に配置された短型パイプ7が管路内に滞留できるものとする作用を併せ有するものである。
ボール型ヘッド8の大きさは、管路内面を移動できる大きさである。
【0038】
管路内面の補修に当っては、加圧チューブ20の内側に、その長さ方向に一定間隔に複数の短型パイプ7配置され、ボール型ヘッド8に設けられた中空パイプ9のオス螺子又は差し込み式結合部12と加圧チューブ20の両端に配置された短型パイプ7のメス螺子又は差し込み式結合部11とが嵌合結合されている。
この加圧チューブ20の外皮2の外周に補修材(図示省略)を載置し、そして、管路内面補修装置1を管路内に導入し、加圧チューブ20の流体注入口5より空気を注入して膨らませ、加圧チューブ20の外皮2の外周に載置した補修材(図示省略)を管路内面に圧着固定して補修した。
本願発明の管路内面補修装置1は、細長い管路内の挿入、取り出しが極めて容易に行われ、当該補修材の圧着固定が極めて仕上がりよくできるものであった。
【0039】
加圧チューブ20の外皮2の外周に載置する補修材(図示省略)は、樹脂を含浸した不織布或いは織布が用いられる。例えば、ガラス繊維、その他の炭素繊維、アラミド繊維等の強化材に、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エマルジョン系樹脂等エンジニアプラスチック樹脂である樹脂バインダー、特に水路での固着は水中硬化性樹脂(エポキシ系樹脂等)バインダー等、熱硬化性、或いは光硬化性樹脂、その他熱可塑性樹脂からなる樹脂バインダーを含浸させてマット状又は筒状体となしたものが使用される。
この補修材を構成する樹脂バインダー含浸マットの不織布シートの枚数及び種類は、必要に応じて種々のものを組合わせることができる。
具体的には、樹脂コーティングガラスクロス−ロービングクロス−ガラスクロスからなる積層シートに水中硬化性樹脂バインダーを含浸させたものが用いられる。
【0040】
本発明の管路内面の補修装置は、湾曲変形自在のものであり、細長い管路内面の補修に用いることができ、しかも、その取り入れ、取り出しが自由に容易にでき且つその操作が簡単で、着実に管路内面の補修ができ、極めて有用性の高いものである。
【0041】
図8は、ボール型ヘッド(球体部)8の変形例を示している。
この場合のボール型ヘッド(球体部)8は、曲げられた複数本の線状部材8aからなり、この複数本の線状部材8aが組み合わせられることによって、ほぼ球体の形状が形成されている。また、図8に示すボール型ヘッド(球体部)8は、その中心部に水を通すための中空パイプ9を有し、複数本の線状部材8aは、中空パイプ9の周方向に所定間隔を有して配置されている。
すなわち、図6に示すボール型ヘッド(球体部)8では、その外周面が球体面を有しているのに対して、変形例の図8に示すボール型ヘッド(球体部)8では、複数本の線状部材8aが所定間隔を有して球体面に沿うような形状に形成されている。
このように、ボール型ヘッド(球体部)8が複数本の線状部材8aにより構成されることで、ボール型ヘッド(球体部)の軽量化を図り、弾力性を高めることができる。
その他の点については、図6に示すボール型ヘッド(球体部)8と異なるところはないので、詳細な説明は省略する。
【0042】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態にいて、短型パイプ7の数は、加圧チューブ20の長さ寸法等に応じて適宜変更可能である。また、一定間隔に配置された複数の短型パイプ7のうち、その両端の短型パイプ7の有するメス螺子又は差し込み式結合部(第1結合部)11をメス螺子とし、中空パイプ9の有するオス螺子又は差し込み式結合部(第2結合部)12をオス螺子としているが、それぞれがお互いに結合できればよいので、その結合部の構造は適宜変更可能である。
変形例に示すボール型ヘッド(球体部)8は、所定の強度及び弾力性を有していればよいので、ボール型ヘッド(球体部)8を構成する線状部材8aの数は、適宜変更可能である。
このように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の管路内面補修装置の側面図である。
【図2】本発明の管路内面補修装置の側面断面図である。
【図3】本発明の管路内面補修装置の湾曲変形自在性を示す模式図である。
【図4】ボール型ヘッド(球体部)を外した状態の要部を示す側面断面図である。
【図5】本発明の複数の短型パイプの配列及び構造模式図である。
【図6】本発明のボール型ヘッドの構造模式図である。
【図7】本発明の加圧チューブの両端部に設けた過膨張防止カバーの設置状態を示す斜視模式図である。
【図8】ボール型ヘッド(球体部)の変形例を示す構造模式図である。
【図9】従来の組立てることのできる短型パイプを中心部に設けた加圧チューブからなる細長の管路内面補修装置である。
【符号の説明】
【0044】
1 本発明の管路内面補修装置
2 外皮
3 内皮
4 流体導入中間部(気室)
5 流体(空気)注入口
6 中心中空部
7 短型パイプ
8 ボール型ヘッド
9 中空パイプ
10 ホースバンド
11 メス螺子又は差し込み式結合部(第1結合部)
12 オス螺子又は差し込み式結合部(第2結合部)
13 過膨張防止カバー
20 加圧チューブ
30 従来の補修装置
31 筒状体
32 管状体
P 牽引部
S 牽引体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外皮と内皮との間に気室が形成されている筒状の加圧チューブと、この加圧チューブの気室に空気を注入するための空気注入口と、前記加圧チューブの外皮の外周に載置した補修材とを備え、前記空気注入口から前記気室に空気を注入して前記加圧チューブを径内外方向に膨張させて前記補修材を管路内面に圧着させることができる管路内面の補修装置において、
前記加圧チューブの筒状の内側に複数の短型パイプを有し、この複数の短型パイプが前記加圧チューブの長さ方向に一定の間隔を有して配置されていることを特徴とする管路内面の補修装置。
【請求項2】
前記加圧チューブの外皮は、その外周表面に離型処理材が付されている請求項1記載の管路内面の補修装置。
【請求項3】
前記短型パイプは、セラミック、プラスチック、又は、金属からなり、前記加圧チューブの内皮は、ゴム布、塩ビシート、又は、合成布からなる請求項1又は2記載の管路内面の補修装置。
【請求項4】
前記加圧チューブは、前端部及び後端部にそれぞれ中空の球体部を有し、さらに、この球体部の中空部分の前後方向が開口されている請求項1,2又は3記載の管路内面の補修装置。
【請求項5】
前記複数の短型パイプのうち前端及び後端に配置された短型パイプは、それぞれ第1結合部を有し、また、前記球体部の中空部分に中空パイプが設けられ、この中空パイプは、前記第1結合部と結合する第2結合部を有している請求項4記載の管路内面の補修装置。
【請求項6】
前記加圧チューブは、管路内での空気注入による過膨張を防止する過膨張防止カバーを前端部及び後端部にそれぞれ有している請求項1,2,3,4又は5記載の管路内面の補修装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の管路内面の補修装置を用いた管路内面の補修工法であって、以下の工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする管路内面の補修工法。
(1)加圧チューブを空気注入前の収縮状態で管路に挿入し、管路内の補修箇所に配置する工程
(2)空気を注入し前記加圧チューブを膨らませる工程
(3)前記加圧チューブの外皮の外周に載置した補修材を管路内面に圧着させる工程
【請求項1】
外皮と内皮との間に気室が形成されている筒状の加圧チューブと、この加圧チューブの気室に空気を注入するための空気注入口と、前記加圧チューブの外皮の外周に載置した補修材とを備え、前記空気注入口から前記気室に空気を注入して前記加圧チューブを径内外方向に膨張させて前記補修材を管路内面に圧着させることができる管路内面の補修装置において、
前記加圧チューブの筒状の内側に複数の短型パイプを有し、この複数の短型パイプが前記加圧チューブの長さ方向に一定の間隔を有して配置されていることを特徴とする管路内面の補修装置。
【請求項2】
前記加圧チューブの外皮は、その外周表面に離型処理材が付されている請求項1記載の管路内面の補修装置。
【請求項3】
前記短型パイプは、セラミック、プラスチック、又は、金属からなり、前記加圧チューブの内皮は、ゴム布、塩ビシート、又は、合成布からなる請求項1又は2記載の管路内面の補修装置。
【請求項4】
前記加圧チューブは、前端部及び後端部にそれぞれ中空の球体部を有し、さらに、この球体部の中空部分の前後方向が開口されている請求項1,2又は3記載の管路内面の補修装置。
【請求項5】
前記複数の短型パイプのうち前端及び後端に配置された短型パイプは、それぞれ第1結合部を有し、また、前記球体部の中空部分に中空パイプが設けられ、この中空パイプは、前記第1結合部と結合する第2結合部を有している請求項4記載の管路内面の補修装置。
【請求項6】
前記加圧チューブは、管路内での空気注入による過膨張を防止する過膨張防止カバーを前端部及び後端部にそれぞれ有している請求項1,2,3,4又は5記載の管路内面の補修装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の管路内面の補修装置を用いた管路内面の補修工法であって、以下の工程(1)〜(3)を含むことを特徴とする管路内面の補修工法。
(1)加圧チューブを空気注入前の収縮状態で管路に挿入し、管路内の補修箇所に配置する工程
(2)空気を注入し前記加圧チューブを膨らませる工程
(3)前記加圧チューブの外皮の外周に載置した補修材を管路内面に圧着させる工程
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2009−97523(P2009−97523A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−266575(P2007−266575)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(506387018)株式会社ケンセイ (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(506387018)株式会社ケンセイ (2)
【Fターム(参考)】
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