説明

箱詰め装置

【課題】製造コストやメンテナンスコストを低く抑えながら複数の物品を整列させることができるとともに、物品の姿勢の乱れを防止することができる箱詰め装置を提供する。
【解決手段】箱詰め装置10は、第1物品T1及び第2物品T2をこの順で同一方向に連続的に搬送する物品搬送装置22と、第1物品T1を受け止めることによって、第1物品T1及び第2物品T2を所定の第1停止領域Q1及び第2停止領域Q2で次々と停止させる第1ストッパ部24aと、第1停止領域Q1より上方に第1物品T1に近接するように配置される第1押え部26aと、第2停止領域Q2より上方に第2物品T2に近接するように配置される第2押え部26bと、第1物品T1及び第2物品T2を第1停止領域Q1及び第2停止領域Q2から押し出す物品押出し装置58とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ポテトチップ、豆、飴等の食品が袋詰め又は箱詰めされた物品を、段ボールケースやダース箱等の外装箱の内部に整然と自動収容する箱詰め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の箱詰め装置の一例が、本願出願人の出願に係る特許文献1に記載されている。この箱詰め装置は、複数の袋詰め品を整列させる整列コンベアと、整列コンベアで整列させられた複数の袋詰め品をダンパー板上に押し出す押し出しプレートと、ダンパー板上に押し出された複数の袋詰め品をダンパー板の下方に配置された外装箱の内部に押し込む押し込みプレートとを備えている。整列コンベアは、所定の間隔を隔てて設けられた複数のフィンを有しており、整列コンベアに複数の袋詰め品が順次導入されると、これらの袋詰め品は、複数のフィン間に収容されて整列させられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−8159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された箱詰め装置では、複数の袋詰め品を整列コンベアで整列させることができるので、複数の袋詰め品を外装箱の内部に整然と自動収容することができる。しかし、フィンを有する複雑な整列コンベアを用いるため、箱詰め装置の製造コストやメンテナンスコストが高くなるという課題があった。
【0005】
このような課題を踏まえて、本願出願人は鋭意研究に努め、袋詰め品の表面又は背面を下にして整列させるいわゆる「平詰め」の場合には、袋詰め品を立たせた状態で保持する必要がないため、フィンを用いる必要性が低いという知見を得た。また、「平詰め」の場合でも、単にフィンを取り外しただけでは、袋詰め品を所定位置に停止させる際に袋詰め品が跳ね上がるため、その姿勢が大きく乱れるという知見を得た。
【0006】
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものであり、製造コストやメンテナンスコストを低く抑えながら物品の姿勢の乱れを防止することができる、箱詰め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の箱詰め装置は、第1物品及び第2物品をこの順で同一方向に連続的に搬送する物品搬送装置と、前記第1物品を受け止めることによって、前記第1物品及び前記第2物品を所定の第1停止領域及び第2停止領域で次々と停止させる第1ストッパ部と、前記第1停止領域より上方に前記第1物品に近接するように配置される第1押え部と、前記第2停止領域より上方に前記第2物品に近接するように配置される第2押え部と、前記第1物品及び前記第2物品を前記第1停止領域及び前記第2停止領域から押し出す物品押出し装置とを備える。
【0008】
この構成では、物品搬送装置と第1ストッパ部とによって、第1物品及び第2物品を第1停止領域及び第2停止領域で停止させて整列させることができる。また、先行する第1物品が第1ストッパ部に衝突して跳ね上がるのを第1押え部で抑制することができるとともに、後続する第2物品が先行する第1物品に衝突して跳ね上がるのを第2押え部で抑制することができる。
【0009】
前記物品搬送装置は、第3物品及び第4物品のそれぞれを、前記第1物品及び前記第2物品のそれぞれに並べてこの順で同一方向に連続的に搬送する機能を有し、前記第3物品を受け止めることによって、前記第3物品及び前記第4物品を前記第1停止領域及び前記第2停止領域に並んで位置する第3停止領域及び第4停止領域で次々と停止させる第2ストッパ部と、前記第3停止領域より上方に前記第3物品に近接するように配置される第3押え部と、前記第4停止領域より上方に前記第4物品に近接するように配置される第4押え部とをさらに備えてもよい。
【0010】
この構成では、物品搬送装置と第1ストッパ部と第2ストッパ部とによって、第1物品、第2物品、第3物品及び第4物品を2列2行で整列させることができる。また、先行する第3物品が第2ストッパ部に衝突して跳ね上がるのを第3押え部で抑制することができるとともに、後続する第4物品が先行する第3物品に衝突して跳ね上がるのを第4押え部で抑制することができる。
【0011】
前記物品押出し装置は、前記第1物品及び前記第3物品をこれらが並ぶ方向に対して平行方向に押し出す第1押出し部と、前記第2物品及び前記第4物品をこれらが並ぶ方向に対して平行方向に押し出す第2押出し部とを有する物品押出し部を備えてもよい。
【0012】
各物品を物品押出し部で押し出す際には、押し出し方向の先方に位置する物品とその後方に位置する物品とが衝突するが、各物品が停止させられる各停止領域の上方には押え部が配置されるので、各物品が跳ね上がるのをこれらに対応する押え部で抑制することができる。
【0013】
前記第1押え部、前記第2押え部、前記第3押え部及び前記第4押え部の少なくとも1つは、前記物品押出し部に対して一体的に設けられてもよい。
【0014】
この構成において、物品押出し部に対して一体的に設けられた押え部については、当該押え部を支持する支持部材を設けたり、当該支持部材の設置スペースを確保したりする必要がないので、箱詰め装置を小型にすることができる。また、物品押出し部に設けられた押え部は、物品押出し部と一体となって移動するので、押し出し動作の開始時点から終了時点までの間、当該押え部に対応する物品の姿勢の乱れを防止することができる。
【0015】
前記物品押出し部に設けられた板状の物品押えプレートを備え、前記第1押え部、前記第2押え部、前記第3押え部及び前記第4押え部のそれぞれは、前記物品押えプレートの一部として構成されてもよい。
【0016】
この構成では、第1押え部、第2押え部、第3押え部及び第4押え部のそれぞれを、板状の物品押えプレートの一部として簡単かつ安価に構成することができる。
【0017】
前記第1ストッパ部、前記第2ストッパ部、前記第1押出し部及び前記第2押出し部の少なくとも1つは、前記第1物品、前記第2物品、前記第3物品及び前記第4物品の少なくとも1つが受ける衝撃を緩和するダンパー部を有してもよい。
【0018】
第1ストッパ部及び第2ストッパ部には、物品搬送装置で搬送されてきた第1物品及び第3物品が衝突し、第1押出し部及び第2押出し部には、これらで押される第1物品及び第2物品(又は第3物品及び第4物品)が当接するが、上記構成では、ダンパー部によって物品が受ける衝撃を緩和することができるので、衝撃による物品の姿勢の乱れを抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、製造コストやメンテナンスコストを低く抑えながら複数の物品を整列させることができるとともに、物品の跳ね上がりを抑制して物品の姿勢の乱れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態に係る箱詰め装置の構成を示す正面図である。
【図2】第1実施形態に係る箱詰め装置の構成を示す平面図である。
【図3】第1実施形態に係る箱詰め装置の主要部の構成を示す正面図である。
【図4】第1実施形態に係る箱詰め装置の主要部の構成を示す平面図である。
【図5】第1実施形態に係る箱詰め装置の主要部の構成を示す斜視図である。
【図6】第1実施形態に係る箱詰め装置の物品押出し工程を示す正面図である。
【図7】第2実施形態に係る箱詰め装置の主要部の構成を示す斜視図である。
【図8】第3実施形態に係る箱詰め装置の主要部の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0022】
(第1実施形態)
[箱詰め装置の全体構成]
図1は、第1実施形態に係る箱詰め装置10の構成を示す正面図であり、図2は、箱詰め装置10の構成を示す平面図である。図3は、箱詰め装置10の主要部の構成を示す正面図であり、図4は、箱詰め装置10の主要部の構成を示す平面図である。図5は、箱詰め装置10の主要部の構成を示す斜視図である。なお、以下の説明で用いる前、後、左、右、上、下の方向は、箱詰め装置10を正面(図1)から見たときの方向と一致する。
【0023】
図4に示すように、箱詰め装置10は、ポテトチップ、豆、飴等の食品が袋詰め又は箱詰めされた物品T1〜T6を2列3行に整列させて物品集合体Xを構成するとともに、これらの物品T1〜T6を、物品集合体Xを単位として段ボールケースやダース箱等の外装箱U(図1)の内部に自動収容するものである。
【0024】
物品T1〜T6のそれぞれは、物品集合体Xにおけるこれらの位置に基づいて区別されている。すなわち、図4に示すように、物品集合体Xにおける前側の列を第1列、後側の列を第2列、右側の行を第1行、中央の行を第2行、左側の行を第3行としたとき、第1列第1行に位置する物品が第1物品T1、第1列第2行に位置する物品が第2物品T2、第1列第3行に位置する物品が第5物品T5となっている。また、第2列第1行に位置する物品が第3物品T3、第2列第2行に位置する物品が第4物品T4、第2列第3行に位置する物品が第6物品T6となっている。そして、物品整列セクションB(後述)において物品T1〜T6のそれぞれが停止させられる領域が停止領域Q1〜Q6となっている。
【0025】
本実施形態では、物品T1〜T6が2列3行に整列させられるので、第1列に対応する第1停止領域Q1、第2停止領域Q2及び第5停止領域Q5と、第2列に対応する第3停止領域Q3、第4停止領域Q4及び第6停止領域Q6とは、前後方向に並んで位置している。なお、物品集合体Xを構成する複数の物品の数は適宜変更可能であり、例えば、4つの物品T1〜T4を2列2行に整列させてもよいし、2つの物品T1,T2を1列2行に整列させてもよい。
【0026】
図1及び図2に示すように、箱詰め装置10は、縦ピロー包装機等のような前段の装置(図示省略)から物品T1〜T6を導入する物品導入セクションAと、物品T1〜T6を整列させて物品集合体X(図4)を構成する物品整列セクションBと、物品集合体Xを後方に押し出す物品押出しセクションCと、押し出された物品集合体Xを外装箱U(図1)に押し込む物品押込みセクションDと、各セクションA〜Dを支持するフレーム12と、各セクションA〜Dの動作を統一的に制御する制御部14とを備えている。
【0027】
フレーム12は、パイプ状又は棒状の部材を互いに接合することによって構成されており、フレーム12の後部の上部には、物品集合体Xが通る開口W(図2)が開口されている。そして、フレーム12の左上部に物品導入セクションAが設けられており、フレーム12の右上部に物品整列セクションBが設けられている。また、フレーム12の後部における開口Wに対応する部分に物品押込みセクションDが設けられており、フレーム12の上部における物品整列セクションBと物品押込みセクションDとに跨る領域に物品押出しセクションCが設けられている。
【0028】
制御部14は、CPU(図示省略)と、制御プログラム及び各種のデータを記憶するメモリ(図示省略)と、各種の情報を入力する入力部(図示省略)と、各種の情報を表示する表示部14a(図1)とを有している。そして、制御部14で制御プログラムが実行されることによって、各セクションA〜Dによる一連の箱詰め動作が実行される。
【0029】
[物品導入セクションの構成]
図1に示すように、物品導入セクションAは、物品導入装置16を備えている。物品導入装置16は、左右方向に間隔を隔てて配置された一対のローラ18a,18bと、ローラ18a,18b間に掛け渡された無端ベルト20と、ローラ18a,18bのうち少なくとも一方を駆動するモータ(図示省略)とを有している。縦ピロー包装機等のような前段の装置(図示省略)から物品導入装置16に物品T1〜T6(図4)が供給されると、これらの物品T1〜T6は、無端ベルト20に載置されて右方に向けて搬送され、無端ベルト20の右側の端部から物品整列セクションBに与えられる。なお、本実施形態では、物品導入装置16がベルトコンベアとして構成されているが、物品導入装置16はローラコンベアとして構成されてもよい。
【0030】
[物品整列セクションの構成]
図5に示すように、物品整列セクションBは、物品搬送装置22と、第1ストッパ部24aと、第2ストッパ部24bと、各物品T1〜T6のそれぞれに対応して設けられた押え部26a〜26fとを備えている。
【0031】
図1に示すように、物品搬送装置22は、左右方向に間隔を隔てて配置された一対のローラ28a,28bと、ローラ28a,28b間に掛け渡された無端ベルト30と、ローラ28a,28bのうち少なくとも一方(本実施形態ではローラ28a)を駆動するモータ32とを有している。また、ローラ28aの回転軸には、プーリー34aが取り付けられており、モータ32の回転軸には、プーリー34bが取り付けられており、これらのプーリー34a,34b間には、無端ベルト36が掛け渡されている。
【0032】
図2に示すように、物品導入装置16から物品搬送装置22に物品T1〜T6が導入されると、当該物品T1〜T6は、無端ベルト30に載置されて右方に向けて搬送される。つまり、第1物品T1、第2物品T2及び第5物品T5が、この順で同一方向(本実施形態では右方)に連続的に搬送されるとともに、第3物品T3、第4物品T4及び第6物品T6のそれぞれが、第1物品T1、第2物品T2及び第5物品T5のそれぞれに並べて、この順で同一方向(本実施形態では右方)に連続的に搬送される。なお、本実施形態では、物品搬送装置22がベルトコンベアとして構成されているが、物品搬送装置22はローラコンベアとして構成されてもよい。
【0033】
図5に示すように、第1ストッパ部24a及び第2ストッパ部24bのそれぞれは、物品T1〜T6を受け止めて停止させるものであり、本実施形態では、これらがストッパ装置40の一部として構成されている。ストッパ装置40は、ストッパ本体42と、ダンパー部44と、カバー部46とを有しており、ストッパ装置40のうちダンパー部44及びカバー部46が設けられた部分が第1ストッパ部24a及び第2ストッパ部24bとなっている。
【0034】
ストッパ本体42は、物品T1〜T6を受け止めて停止させる停止機能と、物品押出しセクションCで押し出される物品集合体Xを右方からガイドするガイド機能とを有する板状又は棒状(本実施形態では板状)の部材であり、無端ベルト30の上方に前後方向に延びて設けられている。ストッパ本体42の前端部は、無端ベルト30の前端部(幅方向一方端部)に配置されており、ストッパ本体42の後端部は、無端ベルト30の後端部(幅方向他方端部)より後方に配置されている。また、ストッパ本体42の左面42aは、無端ベルト30の上面30aに対して垂直に配置されており、ストッパ本体42の上下方向長さは、物品集合体Xを構成する各物品T1〜T6の上下方向長さより長く設計されている。さらに、ストッパ本体42の前端部には、ストッパ本体42の左面42aを右方に後退させることによってダンパー取付部48が形成されている。
【0035】
ダンパー部44は、物品T1〜T6を停止させる際に、物品T1〜T6(特に物品T1,T3)が受ける衝撃を吸収するシート状又は板状の部材である。ダンパー部44の材料としては、弾性樹脂、弾性ゴム及びコイルばねのような衝撃吸収性を有するものを適宜選択して用いることができ、弾性樹脂を用いる場合には、例えば、株式会社タイカの商品「αGEL(アルファゲル)」を用いることができる。そして、ダンパー部44が、ストッパ本体42のダンパー取付部48に接着剤等を用いて取り付けられている。
【0036】
カバー部46は、金属及び硬質合成樹脂脂等のような耐磨耗性を有する材料でシート状又は板状に形成されており、接着剤等によってダンパー部44の表面に取り付けられている。したがって、ストッパ本体42の左面42aにおけるダンパー取付部48の後端部に生じた段差を、ダンパー部44とカバー部46とによって解消でき、ストッパ本体42で物品集合体Xをガイドする際には、当該段差による物品T1〜T6(特に物品T1,T3)の姿勢の乱れを防止することができる。
【0037】
図5に示すように、押え部26a〜26fは、物品整列セクションB及び物品押出しセクションCの両方において、物品T1〜T6の跳ね上がりを抑制するものであり、本実施形態では、全ての押え部26a〜26fが1枚の物品押えプレート50の一部として構成されている。物品整列セクションBでは、物品T1〜T6が、第1ストッパ部24a及び第2ストッパ部24bによって、回転している無端ベルト30の上面30aに強制的に停止させられるが、停止の際に物品T1〜T6が跳ね上がると物品T1〜T6の姿勢が乱れるおそれがある。そこで、物品整列セクションBでは、物品T1〜T6が停止させられる停止領域Q1〜Q6より上方に、物品T1〜T6に近接するように物品押えプレート50の押え部26a〜26fが配置される。
【0038】
図5に示すように、物品押えプレート50は、金属及び合成樹脂等によって形成された平面視略四角形の板状の部材であり、その下面50a(図3)が無端ベルト30の上面30aと略平行になるようにして、その前端縁50bが物品押出し部62に取り付けられている。物品押えプレート50の前後の長さ、左右の長さ、及び物品押出し部62に対する取付位置は、物品押えプレート50の下面50a(図3)が物品集合体Xを構成する全ての物品T1〜T6と対向し得るように設計されている。また、物品押えプレート50の左側の端部50c及び右側の端部50dは、これらのエッジで物品T1〜T6が傷付けられるのを防止するために、上方に向けて所定角度で曲げられている。さらに、図6に示すように、物品押えプレート50の前後方向長さは、物品押出しセクションCを構成するストッパ部64との干渉を避けるために、物品集合体Xの前後方向長さよりも短く設計されている。
【0039】
なお、図5に示すように、物品押えプレート50の各押え部26a〜26fは、物品T1〜T6のそれぞれを完全に覆う必要はないが、物品T1〜T6の跳ね上がりを効果的に抑制するためには、物品T1〜T6のそれぞれの少なくとも中心点(すなわち前後方向及び左右方向のそれぞれの真中に位置する点)を覆うことが望ましい。
【0040】
[物品押出しセクションの構成]
図4に示すように、物品押出しセクションCは、物品T1〜T6を停止領域Q1〜Q6から後方に向けて同時に押し出す物品押出し装置58を備えており、物品押出し装置58は、直動機構60と、物品押出し部62と、ストッパ部64とを有している。
【0041】
図4に示すように、直動機構60は、前後方向に延びて配置されたリニアレール66と、リニアレール66に対して往復移動自在に取り付けられた往復テーブル68と、リニアレール66の前端部及び後端部のそれぞれの近傍に配置された一対のプーリー70a,70bと、これらのプーリー70a,70b間に掛け渡された無端ベルト72と、一方のプーリー70bを駆動するモータ74とを有している。そして、無端ベルト72に対して往復テーブル68が固定されており、往復テーブル68に対して物品押出し部62が固定されている。したがって、モータ74でプーリー70bを正転又は逆転させると、無端ベルト72が正転又は逆転され、これに伴って往復テーブル68及び物品押出し部62が前方又は後方に往復移動される。物品T1〜T6を整列させる物品整列工程では、物品押出し部62が前方に移動され、無端ベルト30の前端部に位置決めされる。
【0042】
図3に示すように、物品押出し部62は、左右方向に延びるパイプ状又は棒状の支持アーム76と、第1物品T1及び第3物品T3(図4)をこれらが並ぶ方向に対して平行方向(本実施形態では後方)に押し出す第1押出し部78aと、第2物品T2及び第4物品T4(図4)をこれらが並ぶ方向に対して平行方向(本実施形態では後方)に押し出す第2押出し部78bと、第5物品T5及び第6物品T6(図4)をこれらが並ぶ方向に対して平行方向(本実施形態では後方)に押し出す第3押出し部78cと、少なくとも1つ(本実施形態では3つ)の連結部80と、ダンパー部82(図5)とを有している。
【0043】
図3に示すように、本実施形態では、全ての押出し部78a〜78cが1枚の物品押出しプレート78の一部として構成されている。そして、支持アーム76と物品押出しプレート78とが連結部80を介して連結されており、支持アーム76の右側の端部76aが往復テーブル68に取り付けられている。なお、支持アーム76と物品押出しプレート78とは、連結部80を介することなく直接連結されてもよい。
【0044】
図5に示すように、物品押出しプレート78は、物品T1〜T6(すなわち物品集合体X)に押圧力を付与する板状の部材であり、無端ベルト30の搬送方向におけるストッパ装置40の上流側に、左右方向に延びて設けられている。物品押出しプレート78の後面78dは、ストッパ本体42の左面42a及び無端ベルト30の上面30aのそれぞれに対して垂直になっており、物品押出しプレート78の左右方向長さは、物品集合体Xの左右方向長さより長く設計されている。また、押出し部78a〜78c(図3)の上下方向長さは、物品集合体Xを構成する各物品T1〜T6の上下方向長さより長く設計されている。したがって、物品T1〜T6が整列させられた後に、物品押出し装置58が駆動されると、物品T1〜T6は、物品押出しプレート78の押出し部78a〜78cで押されて、後方に向けて同時に移動させられる。
【0045】
図5に示すように、ダンパー部82は、物品T1〜T6を押し出す際に、物品T1〜T6(特に物品T1,T2,T5)が受ける衝撃を吸収するシート状又は板状の部材である。ダンパー部82の材料としては、弾性樹脂、弾性ゴム及びコイルばねのような衝撃吸収性を有するものを適宜選択して用いることができ、弾性樹脂を用いる場合には、例えば、株式会社タイカの商品「αGEL(アルファゲル)」を用いることができる。そして、ダンパー部82が、物品押出しプレート78の後面78dに接着剤等を用いて取り付けられている。
【0046】
図6に示すように、ストッパ部64は、物品押出し部62で押し出されて来た物品集合体Xを受け止めることによって、物品集合体Xの前後方向の位置を規定する部材であり、ストッパ部64の前面64aは、物品押出しプレート78の後面78d(図5)に対して平行に形成されている。したがって、物品押出し部62によって押し出されて来た物品集合体Xがストッパ部64の前面64aに当接されると、当該前面64aと後面78d(図5)とで物品集合体Xが挟まれ、それにより物品集合体Xを構成する各物品T1〜T6の姿勢が矯正される。
【0047】
[物品押込みセクションの構成]
物品押込みセクションDは、図2に示すように、シャッタ装置90と、姿勢矯正装置92とを備えている。また、図1に示すように、物品押込み装置94と、物品ガイド部96と、外装箱搬送装置98とを備えている。
【0048】
図2に示すように、シャッタ装置90は、フレーム12の開口Wを開閉するものであり、開口Wに移動可能に設けられた左右一対のダンパプレート100a,100bと、ダンパプレート100a,100bを左右方向に移動させるプレート移動機構102とを有している。図2に示すように、姿勢矯正装置92は、ダンパプレート100a,100bの上面に載置された物品T1〜T6(図6)の姿勢を矯正するものであり、開口Wの左右両側に配置された左右一対の押圧プレート102a,102bと、押圧プレート102a,102bを物品集合体X(図6)に左右方向から押し当てる押圧装置104a,104bとを有している。
【0049】
図3に示すように、物品押込み装置94は、フレーム12に設けられた昇降タワー106と、昇降タワー106に昇降自在に取り付けられた昇降部材108と、昇降部材108に取り付けられた少なくとも1つ(本実施形態では3つ)の押込みプレート110と、昇降部材108を昇降させる昇降機構(図示省略)とを有している。
【0050】
図1に示すように、物品ガイド部96は、物品押込み装置94によって降下されてきた物品T1〜T6(図6)を開口W(図2)の下方に配置された外装箱Uに案内するものであり、図3に示すように、開口W(図2)の下方に設けられた平面視略四角形の枠体112と、枠体112に設けられたガイド部材114とを有している。
【0051】
図1に示すように、外装箱搬送装置98は、外装箱昇降装置120と、外装箱搬入装置122と、外装箱搬出装置124とを有している。外装箱昇降装置120は、空の外装箱Uを開口W(図2)の直下に位置する所定の上昇位置まで上昇させるとともに、物品T1〜T6が収容された外装箱Uを所定の降下位置まで降下させるものであり、外装箱Uを支持する昇降テーブル120aと、昇降テーブル120aを昇降させる昇降機構120bとを有している。外装箱搬入装置122は、空の外装箱Uを降下位置(図1の位置)にある昇降テーブル120aに搬送するものであり、本実施形態では、モータ(図示省略)によって駆動されるベルトコンベアが外装箱搬入装置122として用いられている。外装箱搬出装置124は、物品T1〜T6が収容された外装箱Uを降下位置(図1の位置)にある昇降テーブル120aから搬出するものであり、本実施形態では、駆動機構を有しないローラコンベアが外装箱搬出装置124として用いられている。
【0052】
[箱詰め装置の動作]
制御部14(図1)のCPU等によって制御プログラムが実行されると、各セクションA〜Dによって一連の箱詰め動作が行われる。図2に示すように、まず、物品導入セクションAでは、縦ピロー包装機等のような前段の装置(図示省略)から供給された物品T1〜T6が、物品導入装置16によって物品整列セクションBに向けて順次搬送される。物品T1〜T6を搬送する搬送態様は、物品導入装置16の搬送速度や、物品導入装置16に対する物品T1〜T6の供給方法を変えることで適宜選択可能であり、本実施形態では、2つの物品を一組として間欠的に搬送する搬送態様が採用されている。
【0053】
図5に示すように、物品整列セクションBでは、物品導入セクションA(図2)から順次導入されて来た物品T1〜T6が2列3行に整列させられることによって、平面視略四角形の物品集合体Xが構成される。最初の第1物品T1及び第3物品T3が物品搬送装置22に導入されると、これらの物品T1,T3は、無端ベルト30に載置されて右方に向けて搬送される。そして、第1ストッパ部24a及び第2ストッパ部24bで受け止められて、回転する無端ベルト30上の停止領域Q1,Q3で強制的に停止させられる。このとき、物品T1,T3は、ストッパ部24a,24bに対する衝突により衝撃を受けるが、停止領域Q1,Q3の上方には押え部26a,26cが配置されているので、押え部26a,26cによって物品T1,T3の跳ね上がりを抑制することができる。
【0054】
後続する第2物品T2及び第4物品T4が物品搬送装置22に導入されると、これらの物品T2,T4は、無端ベルト30に載置されて右方に向けて搬送され、先行する物品T1,T3に当接して、回転する無端ベルト30上の停止領域Q2,Q4で強制的に停止させられる。このとき、物品T2,T4は、先行する物品T1,T3に対する衝突により衝撃を受けるが、停止領域Q2,Q4の上方には押え部26b,26dが配置されているので、押え部26b,26dによって物品T2,T4の跳ね上がりを抑制することができる。
【0055】
さらに、後続する第5物品T5及び第6物品T6が物品搬送装置22に導入されると、これらの物品T5,T6は、無端ベルト30に載置されて右方に向けて搬送され、先行する物品T2,T4に当接して、回転する無端ベルト30上の停止領域Q5,Q6で強制的に停止させられる。このとき、物品T5,T6は、先行する物品T2,T4に対する衝突により衝撃を受けるが、停止領域Q5,Q6の上方には押え部26e,26fが配置されているので、押え部26e,26fによって物品T5,T6の跳ね上がりを抑制することができる。
【0056】
このように、最初に搬送されてきた第1物品T1が第1ストッパ部24aで受け止められることによって、第1列(図4)を構成する複数の物品T1,T2,T5が、これらの停止領域Q1,Q2,Q5において整然と停止させられる。また、第1物品T1と並んで最初に搬送されてきた第3物品T3が第2ストッパ部24bで受け止められることによって、第2列(図4)を構成する複数の物品T3,T4,T6が、これらの停止領域Q3,Q4,Q6において整然と停止させられる。そして、図示しないセンサ(光学センサ等)によって物品T1〜T6の整列が完了したことが検知されると、図6に示すように、物品押出しセクションCにおける物品押出し工程が実行される。
【0057】
図6は、第1実施形態に係る箱詰め装置10の物品押出し工程を示す正面図である。物品押出しセクションCでは、物品整列セクションBで整列させられた物品T1〜T6が、開口Wを閉じているダンパプレート100a,100bの上面に押し出される。図4に示すように、物品押出し工程では、物品押出し部62によって物品T1〜T6が後方に押されるため、押し出し方向の先方に位置する第2列の物品T3,T4,T6と、それらの後方に位置する第1列の物品T1,T2,T5とが、互いに衝突し又は当接する。しかし、図5に示すように、物品T1〜T6が停止させられる停止領域Q1〜Q6の上方には押え部26a〜26fが配置されており、また、これらの押え部26a〜26fは物品押出し部62と共に移動するので、押し出し動作の開始時点から終了時点までの間、押え部26a〜26fによって物品T1〜T6の姿勢の乱れを防止することができる。
【0058】
図1に示すように、物品押込みセクションDでは、物品押出しセクションCで押し出された物品T1〜T6が、開口Wの下方に配置された外装箱Uの内部に押し込まれる。物品押し込み工程では、まず、外装箱搬送装置98によって搬送されてきた外装箱Uが外装箱昇降装置120によって上昇され、所定の上昇位置(図示省略)に位置決めされる。続いて、物品押込み装置94の昇降部材108及び押込みプレート110が昇降機構(図示省略)によって降下され、ダンパプレート100a,100bの上面に載置された物品T1〜T6が押込みプレート110によって吸着される。そして、シャッタ装置90で開口Wが開かれた後、昇降部材108がさらに降下され、押込みプレート110に吸着された物品T1〜T6が外装箱Uの内部に押し込まれる。外装箱Uに物品T1〜T6を複数段に収容する場合には、セクションA〜Cの上記動作が繰り返される。そして、外装箱Uに所定数の物品T1〜T6が収容されると、外装箱Uが外装箱昇降装置120によって降下位置(図1の位置)まで降下され、その後、外装箱搬出装置124によって搬出される。
【0059】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る箱詰め装置130の主要部の構成を示す斜視図である。図7に示すように、第2実施形態に係る箱詰め装置130では、物品T1〜T6のそれぞれに対応する押え部26a〜26fが3本の物品押え棒132a〜132cによって構成されている。つまり、第1物品T1及び第3物品T3のそれぞれに対応する第1押え部26a及び第2押え部26cが1本の第1物品押え棒132aの一部として構成されており、第2物品T2及び第4物品T4のそれぞれに対応する第2押え部26b及び第2押え部26dが1本の第2物品押え棒132bの一部として構成されている。また、第5物品T5及び第6物品T6のそれぞれに対応する第5押え部26e及び第6押え部26fが1本の第3物品押え棒132cの一部として構成されている。そして、第1物品押え棒132a、第2物品押え棒132b及び第3物品押え棒132cのそれぞれの前端部が物品押出し部62に取り付けられている。
【0060】
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態に係る箱詰め装置140の主要部の構成を示す斜視図である。図8に示すように、第3実施形態に係る箱詰め装置140では、物品T1〜T6のそれぞれに対応する押え部26a〜26fが物品押出し部62から独立して、フレーム12に設けられた支持部材142に取り付けられている。つまり、物品T1〜T6のそれぞれに対応する押え部26a〜26fが3本の物品押え棒144a〜144cによって構成されており、物品押え棒144a〜144cのそれぞれの前端部が支持部材142に取り付けられている。
【0061】
(他の実施形態)
上述の各実施形態では、第1ストッパ部24a及び第2ストッパ部24bが1つのストッパ装置40の一部として構成されているが、他の実施形態では、第1ストッパ部24a及び第2ストッパ部24bが、互いに独立した部品として構成されてもよい。また、この場合には、第1ストッパ部24a及び第2ストッパ部24bのそれぞれに対して、互いに独立したダンパー部44が取り付けられてもよい。
【0062】
また、他の実施形態では、物品T1〜T6のそれぞれに対応する押え部26a〜26fのうち一部を物品押出し部62に対して一体的に設け、他の一部を物品押出し部62とは異なる支持部材(図示省略)に設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
T1… 第1物品
T2… 第2物品
T3… 第3物品
T4… 第4物品
Q1… 第1停止領域
Q2… 第2停止領域
Q3… 第3停止領域
Q4… 第4停止領域
10… 箱詰め装置
22… 物品搬送装置
24a… 第1ストッパ部
24b… 第2ストッパ部
26a… 第1押え部
26b… 第2押え部
26c… 第3押え部
26d… 第4押え部
50… 物品押えプレート
58… 物品押出し装置
62… 物品押出し部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1物品及び第2物品をこの順で同一方向に連続的に搬送する物品搬送装置と、
前記第1物品を受け止めることによって、前記第1物品及び前記第2物品を所定の第1停止領域及び第2停止領域で次々と停止させる第1ストッパ部と、
前記第1停止領域より上方に前記第1物品に近接するように配置される第1押え部と、
前記第2停止領域より上方に前記第2物品に近接するように配置される第2押え部と、
前記第1物品及び前記第2物品を前記第1停止領域及び前記第2停止領域から押し出す物品押出し装置とを備える、箱詰め装置。
【請求項2】
前記物品搬送装置は、第3物品及び第4物品のそれぞれを、前記第1物品及び前記第2物品のそれぞれに並べてこの順で同一方向に連続的に搬送する機能を有し、
前記第3物品を受け止めることによって、前記第3物品及び前記第4物品を前記第1停止領域及び前記第2停止領域に並んで位置する第3停止領域及び第4停止領域で次々と停止させる第2ストッパ部と、
前記第3停止領域より上方に前記第3物品に近接するように配置される第3押え部と、
前記第4停止領域より上方に前記第4物品に近接するように配置される第4押え部とをさらに備える、請求項1に記載の箱詰め装置。
【請求項3】
前記物品押出し装置は、前記第1物品及び前記第3物品をこれらが並ぶ方向に対して平行方向に押し出す第1押出し部と、前記第2物品及び前記第4物品をこれらが並ぶ方向に対して平行方向に押し出す第2押出し部とを有する物品押出し部を備える、請求項2に記載の箱詰め装置
【請求項4】
前記第1押え部、前記第2押え部、前記第3押え部及び前記第4押え部の少なくとも1つは、前記物品押出し部に対して一体的に設けられる、請求項3に記載の箱詰め装置。
【請求項5】
前記物品押出し部に設けられた板状の物品押えプレートを備え、
前記第1押え部、前記第2押え部、前記第3押え部及び前記第4押え部のそれぞれは、前記物品押えプレートの一部として構成される、請求項4に記載の箱詰め装置。
【請求項6】
前記第1ストッパ部、前記第2ストッパ部、前記第1押出し部及び前記第2押出し部の少なくとも1つは、前記第1物品、前記第2物品、前記第3物品及び前記第4物品の少なくとも1つが受ける衝撃を緩和するダンパー部を有する、請求項1ないし5のいずれかに記載の箱詰め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−180116(P2012−180116A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45373(P2011−45373)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)
【Fターム(参考)】