説明

箱詰装置

【課題】袋詰品を箱に隙間なく詰め込む。
【解決手段】箱詰装置は、載置面18aの両側に起立した一対の押圧体34,34によって、移送手段で載置面18aに段積みされた袋詰品12を両側から押圧可能な収容体18と、載置面18aに段積みされる袋詰品12の頭部を支持して、袋詰品12の姿勢を保つ支持手段44と、載置面18aに段積みされた袋詰品12を下方に抑える抑え体50と、収容体18の取出口18bに、開口10aを向けて箱10を配置する配置手段54と、収容体18を箱10に挿脱させる移動手段56と、取出口18bを下方に向けるように収容体18を回動する回動手段42とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、段積した袋詰品を箱詰めするための箱詰装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液状や粉粒状の流動可能な内容物を袋に封入した袋詰品は、袋の一部が大きく膨らみ、袋全体の厚みが不均一になり易い。このような袋詰品を箱詰めする箱詰装置としては、例えば特許文献1に開示の装置が提案されている。特許文献1の装置では、袋詰品をバケットに多列多段に積み重ねて載置し、バケットを箱に差し込んで、袋詰品が縦向きになるようにバケットを箱ごと回動させた後、箱からバケットを抜き取ることで、箱に袋詰品を詰め込んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3474679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の装置では、袋詰品の厚みが不均一であるので、バケットに袋詰品を段積みした際に袋詰品を密に接触させることが難しい。このため、袋詰品を箱詰めした後の流通過程で、箱詰め時の収容状態が維持できず、箱の内部において袋詰品の姿勢が変化してしまうことがある。
【0005】
すなわち本発明は、従来の技術に係る箱詰装置に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、袋詰品を隙間なく詰め込むことが可能な箱詰装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の箱詰装置は、
袋詰品が段積みされる載置面と該載置面の両側に起立した一対の押圧体を有し、載置面に段積みされた袋詰品の両側を前記押圧体で押圧する収容体と、
前記載置面に袋詰品を横臥させて複数列で段積みする移送手段と、
前記段積みされた袋詰品を下方に抑える抑え体と、
前記段積みされて押圧された袋詰品を取り出す前記収容体の取出口に、箱の開口が向くよう該箱を配置する配置手段と、
前記取出口側に配置された箱と収容体とが接離するよう、箱と収容体とを相対的に移動させる移動手段と、
前記収容体内に進入して、前記段積みされる袋詰品における前記箱が配置される側とは反対側となる一端部を支持して、袋詰品の姿勢を保つ支持手段と、
前記袋詰品が段積みされる第1姿勢と前記取出口が下方を向く第2姿勢との間で前記収容体を回動可能に支持し、該第1姿勢および該第2姿勢に回動する回動手段とを備え、
前記移動手段により前記箱に挿入された前記収容体を回動手段により第2姿勢に回動して、前記押圧された袋詰品を箱に詰め込むよう構成したことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、収容体の載置面に段積みした袋詰品を押圧体で押圧して箱に入れることで、袋詰品を隙間なく詰め込むことができる。しかも、収容体の載置面において、支持手段で袋詰品の一端部を該袋詰品の姿勢を保つように支持する構成であるので、段積みされた袋詰品が崩れるのを防止し得る。
【0007】
請求項2に係る発明では、前記支持手段が前記一端部を支持した状態で、前記押圧体が袋詰品を押圧することを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、押圧体によって袋詰品を押圧する際に支持手段で袋詰品の一端部を支持しているので、押圧体による押圧によって段積みされた袋詰品が崩れるのを防止し得る。
【0008】
請求項3に係る発明では、前記載置面には、特定列の袋詰品の一端部が隣り列の同じ段における袋詰品の一端部より上方に位置するよう袋詰品が段積みされることを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、特定列の袋詰品の一端部が隣り列の同じ段における袋詰品の一端部より上方に位置するよう袋詰品を段積みすることで、押圧体によって押圧した際に袋詰品を規則的に密集するように誘導し易く、袋詰品を整然と箱に詰め込むことができる。
【0009】
請求項4に係る発明では、前記抑え体は、前記収容体からはみ出した袋詰品を収容体の内部に向けて抑え得るよう、収容体に対して進退移動可能に配設されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明によれば、押圧体の押圧によって収容体からはみ出した袋詰品を抑え体で抑えて収容体の内部に収めることができるので、収容体から箱への袋詰品の受け渡しを確実に行うことができる。
【0010】
請求項5に係る発明では、前記一対の押圧体は、前記段積みされた袋詰品を両側から同時に押圧することを特徴とする。
請求項5に係る発明によれば、載置面に段積みされた袋詰品を押圧体によって両側から同時に押圧する構成であるので、押圧体の押圧により段積みされた袋詰品が崩れ難い。
【0011】
請求項6に係る発明では、前記移動手段は、前記袋詰品が詰め込まれた箱を前記第2姿勢にある収容体の下方に位置する搬出コンベヤに受け渡すことを特徴とする。
請求項6に係る発明によれば、第2姿勢にある収容体の下方に位置する搬送コンベヤに袋詰品が詰め込まれた箱を効率よく受け渡すことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る箱詰装置によれば、袋詰品を隙間なく箱に詰め込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好適な実施例に係る箱詰装置の概略平面図である。
【図2】図1のA−A線で破断して示す概略正面図である。
【図3】実施例の箱詰ユニットの概略正面図である。
【図4】図3のB−B線で破断して示す概略側面図である。
【図5】実施例の箱詰ユニットの概略側面図である。
【図6】実施例の袋詰品搬入コンベヤの搬送終端部を示す概略平面図である。
【図7】図6のC−C線で破断して示す概略断面図である。
【図8】実施例の袋詰品を示す概略斜視図である。
【図9】(a)は実施例の袋詰品が箱詰めされた箱を開口側から示す概略平面図であり、(b)は実施例の袋詰品が箱詰めされた箱を、その底部を破断して示す概略底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る箱詰装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
【実施例】
【0015】
実施例における箱詰装置で箱10に詰められる袋詰品12は、図示しない縦形製袋充填機等の包装装置において、袋底の両サイドがガゼット折りされることで、図8に示すように底部12aが角筒状に形成されて自立可能とされている。袋詰品12は、袋内に粉状の流動可能な内容物が封入されることで、底部12a側が頭部12b(一端部)側と比べて膨らんで厚くなり、両サイドがガゼット折りされていない頭部12bが底部12a側と比べて幅広になっている。
【0016】
図1または図2に示すように、箱詰装置は、袋詰品搬送コンベヤ14より受け取った袋詰品12を箱詰ユニット16の収容体18でまとめて、箱搬入コンベヤ20より受け取った箱10に収容体18から袋詰品12を詰め込み、袋詰品12が詰め込まれた箱10が箱詰ユニット16から箱搬出コンベヤ(搬出コンベヤ)22に受け渡されて搬出される。箱詰装置は、袋詰品12を箱詰めする箱詰ユニット16を2系列備えており、各箱詰ユニット16の収容体18に対して袋詰品搬送コンベヤ14から袋詰品12が移送手段24によって夫々移送される。箱搬入コンベヤ20は、その搬送終端部が右側の箱詰ユニット16の前側に位置するよう配置される。箱搬入コンベヤ20は、図示しない製函部において箱形に成形された箱10を、その開口10aを上方に向けた姿勢で搬入し、箱搬入コンベヤ20での搬送途中で図示しない姿勢変更手段により開口10aを横にした寝かせた姿勢に変更して、後述する配置手段54に受け渡す。
【0017】
前記袋詰品搬送コンベヤ14は、2系列の箱詰ユニット16,16が夫々有する収容体18,18の間に搬送終端部が位置し、図6に示すように、頭部12bを側方に向けてベルトに横臥させた姿勢で搬送される袋詰品12が搬送終端部においてストッパ26で移動規制されて、袋詰品12が収容体18で一段に並べられる列数(実施例では3個)ずつにまとめられる。図7に示すように、袋詰品搬送コンベヤ14には、ベルトに横臥して搬送される袋詰品12の頭部12bより下方に退避した位置と袋詰品12の頭部12bを持ち上げるように上方に突出する位置との間で第1空気圧シリンダ28により昇降移動する昇降体30が搬送終端部に設けられる。なお、昇降体30は、袋詰品搬送コンベヤ14の搬送終端部に設けられた図示しない検知手段による袋詰品12の検知に基づいて作動される。昇降体30は、ストッパ26で移動規制された先頭の袋詰品12の次に到来する2番目の袋詰品12の頭部12bを持ち上げ、ベルトの走行により2番目の袋詰品12の頭部12bを先頭の袋詰品12の頭部12b上方に重ねると共に、ベルトの走行により3番目に到来する袋詰品12の頭部12bを2番目の袋詰品12の頭部12b下方に潜り込ませ、その後、昇降体30を下降して2番目の袋詰品12の頭部12bを降下させる。すなわち、袋詰品搬送コンベヤ14の搬送終端部において並んだ3つの袋詰品12は、中央に位置する袋詰品12の頭部12bが左右の袋詰品12の頭部12bの上方に重ねられる。ストッパ26は、ストッパシリンダ27により袋詰品搬送コンベヤ14の搬送路に対して進退するよう構成される。ストッパ26を袋詰品搬送コンベヤ14の搬送路に対して前進することで、袋詰品12を停止する一方、ストッパ26を搬送路から退避することで、袋詰品搬送コンベヤ14の下方に設けられた図示しない回収コンベヤに袋詰品搬送コンベヤ14の搬送終端部から袋詰品12が排出される。
【0018】
前記移送手段24は、図2に示すようにパラレルリンクロボットが用いられ、袋詰品搬送コンベヤ14の搬送終端部でまとめられた3つの袋詰品12を前述した頭部12bの重なり状態を保ったまま一括して吸着して、収容体18の載置面18aに横臥させて載置する。そして、移送手段24は、袋詰品搬送コンベヤ14の搬送終端部で次に集合された3つの袋詰品12を吸着して、前に載置された3つの袋詰品12の上に載置し、収容体18の載置面18aにおいて袋詰品12を3列4段になるよう段積みする。載置面18aには、中央列の袋詰品12の頭部12bが隣り列の同じ段における袋詰品12の頭部12bの上方に位置するように段積みされる。
【0019】
前記収容体18は、上面が載置面18aとなる載置部33およびこの載置部33の一側縁に立設された押圧体34を夫々有する2つの収容半体32,32からなり、載置面18aの両側に押圧体34が夫々起立している。収容体18は、箱搬出コンベヤ22に臨む前側および載置面18aを挟んで箱搬出コンベヤ22と反対側の後側、更に上方が開口するよう構成される。収容半体32は、載置部33がスライダ36に左右方向に移動可能に支持されて、一方の収容半体32が第2空気圧シリンダ37によって左右方向に移動されるのに伴って、一方の収容半体32と他方の収容半体32とを繋ぐリンク機構38によって、他方の収容半体32が左右方向に移動される。図3に示すように、収容体18は、一方の収容半体32における載置部33の上方に他方の収容半体32における載置部33が重ね合わせられ、両押圧体34,34が互いに離間または近接する方向に移動することで、載置面18aが広がったり縮まったりするよう構成される。
【0020】
図5に示すように、収容体18は、左右方向に延在する回動軸40を中心に回動可能に支持され、載置面18aを水平にして載置面18aに袋詰品12を段積み可能な第1姿勢と、この第1姿勢で前方に開口していた取出口18bを下方に向けた第2姿勢との間で回動手段42によって回動変位される。第1姿勢にある収容体18は、箱10の開口幅よりも両押圧体34,34が拡開した受入状態で、袋詰品12が底部12aを取出口18b側に向けると共に頭部12bを取出口18bと反対側(後方)に向けて横臥させて、上方から移送手段24によって段積みされる。また、第1姿勢にある収容体18は、押圧体34の外面が箱10の内面に接する程度まで両押圧体34,34が近接移動して、段積みされた袋詰品12の両側を箱10の開口幅に収まるように同時に押圧するようになっている。収容体18は、両押圧体34,34を近接移動した押圧状態において、取出口18bを画成する押圧体34および載置部33の形状が箱10の開口形状に整合するように構成され、角部が面取りされて八角形となった箱10の開口形状(図9(a)参照)に合わせて、図3に示すように各押圧体34の下部および上部が屈曲している。
【0021】
図3または図4に示すように、箱詰ユニット16は、載置面18aに段積みされる袋詰品12の頭部12bを支持して、袋詰品12の姿勢を保つ支持手段44,46を備えている。支持手段44,46は、載置面18aに段積みされる袋詰品12を挟んで取出口18bと反対側に位置して両押圧体34,34の間に配置され、両押圧体34,34による袋詰品12の押圧状態において所定段に並ぶ3つの袋詰品12の頭部12bを支持するよう構成される。箱詰ユニット16は、収容体18内に進入して、段積みされる袋詰品12における箱が配置される側とは反対側となる頭部12bを支持する上部支持手段(支持手段)44と、別の支持手段として、収容体18内に固定的に配置された下部支持手段46とを備える。上部支持手段44は、第3および第4空気圧シリンダ45a,45bにより上下および前後に位置調節可能に構成された上部支持体44aを有している。上部支持体44aは、袋詰品12が段積みされる領域から後側(取出口18bと反対側)に退避した後方位置と袋詰品12の頭部12bが配置される部位に進入した前方位置との間で第4空気圧シリンダ45bにより変位し、前方位置で3段目の袋詰品12が傾かないように支持する。下部支持手段46は、載置面18aにおいて最下段の袋詰品12の頭部12bが配置される部位に設置され、最下段の袋詰品12の頭部12bを下方から支持している。
【0022】
図3または図4に示すように、箱詰ユニット16は、収容体18の載置面18aに段積みされた袋詰品12を下方に抑える抑え体50を備えている。抑え体50は、収容体18の上方にある第1位置と収容体18の上方から側方に退避した第2位置との間で水平回動するアーム51の先端に設けられ、第5空気圧シリンダ52によって上下方向に進退移動するように構成される。抑え体50は、第1位置において最上段に並ぶ中央列の袋詰品12の上方に位置し、第5空気圧シリンダ52により収容体18に向けて下降して、収容体18からはみ出した袋詰品12を収容体18の内部に向けて抑え得るよう構成される。
【0023】
図1に示すように、配置手段54は、箱搬入コンベヤ20の搬送終端部の側方に設置されている。配置手段54は、例えば多関節のアームの先端に箱10を掴むハンド54aを備えたロボットが用いられる。配置手段54は、天面が開放された状態で箱搬入コンベヤ20の搬送終端部で開口10aを横に向けた姿勢にある箱10をハンド54aで吸着して受け取り、第1姿勢にある収容体18の取出口18bに箱10の開口を嵌め合わせて、収容体18と移動爪58との間に受け渡すよう構成される。
【0024】
図5に示すように、箱詰ユニット16は、配置手段54によって収容体18の取出口18b側に配置された箱10と収容体18との相対的な位置を変更する移動手段56を備えている。移動手段56は、収容体18の取出口18bに対向するように設けられた移動爪58を有し、この移動爪58が取出口18bに対して接離するように進退移動可能に構成される。また、移動手段56は、収容体18の第1姿勢と第2姿勢との間の回動変位に伴って移動爪58が回動するよう構成され、移動爪58が収容体18の取出口18bに常に臨んでいる。移動手段56は、配置手段54によって開口10aを取出口18bに相対させた姿勢で配置された箱10の底面に移動爪58が当接し、移動爪58が取出口18bに向けて前進することで、箱10の内側に収容体18が挿入される。収容体18および移動手段56は、左右方向に延在する回転軸40を中心に回動手段42によって一体的に回動するよう構成され、収容体18と嵌め合わせた箱10を移動爪58で支持しながら第1姿勢から第2姿勢に回動される。そして、図5の2点鎖線で示すように、移動爪58が収容体18の第2姿勢において取出口18bから後退(下降)することで、収容体18から箱10が外される。
【0025】
図1に示すように、箱搬出コンベヤ22は、2つの箱詰ユニット16,16の前側下部に左右方向に亘って設置され、並列配置されたローラ22aによって図示しない封函部に向けて箱10を搬送するようになっている。収容体18の第2姿勢で移動手段56の移動爪58が下降されて、収容体18から袋詰品12が詰め込まれた箱10が開口10aを上方に向けた姿勢で収容体18の下方に位置する箱搬出コンベヤ22に受け渡される。ここで、箱10の受け渡しに際して、移動手段56の移動爪58は、ローラ22a,22a間の隙間を通過するよう構成され、移動爪58がローラ22aの搬送面より下降して箱10の底部をローラ22aに受け渡すよう構成される。
【0026】
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係る箱詰装置を用いた袋詰品12の箱詰めについて説明する。袋詰品搬送コンベヤ14において、袋詰品12が横臥した状態で順次到来し、ストッパ26により先頭の袋詰品12が停止されると共に、2番目の袋詰品12が昇降体30により持ち上げられて、中央の袋詰品12の頭部12bが隣り合う袋詰品12の頭部12bの上方に重なるよう、3つの袋詰品12がまとめられる。3つの袋詰品12を頭部12bの重なり状態を保ったまま移送手段24によって袋詰品搬送コンベヤ14から吸着して移送し、取出口18b側に底部12aを向けると共に頭部12bを下部支持手段46に載せた横臥状態で収容体18の載置面18aに上方から受け渡す。ここで、移送手段24による袋詰品12の移送時には、収容体18は第1姿勢にあると共に両押圧体34,34は互いに離間した受入状態にあり、載置面18aの上方は大きく開かれている。また、上部支持体44aが、袋詰品12の載置領域から後方位置に退避している。袋詰品搬送コンベヤ14から次の3つの袋詰品12を移送手段24によって一括して移送し、1段目の袋詰品12と同じ向きで該1段目の袋詰品12の上側に2段目の袋詰品12を移送手段24で積み重ねる。上部支持体44aが、第4空気圧シリンダ45bにより取出口18b側に前進することで、上部支持体44aが2段目に積まれた袋詰品12の頭部12bの上方に延在するよう配置される。更に袋詰品搬送コンベヤ14から次の3つの袋詰品12を移送手段24によって一括して移送し、2段目の袋詰品12と同じ向きで該2段目の袋詰品12の上側に底部12aを載置すると共に頭部12bを上部支持体44aに載せた状態で3段目の袋詰品12を移送手段24で積み重ねる。そして、袋詰品搬送コンベヤ14から次の3つの袋詰品12を移送手段24によって一括して移送し、3段目の袋詰品12と同じ向きで該3段目の袋詰品12の上側に4段目の袋詰品12を移送手段24で積み重ねる。
【0027】
前記箱詰装置は、1段目と3段目の袋詰品12の頭部12bを支持手段44,46で傾かないように支持しているので、袋詰品12において頭部12bと比べて底部12aが厚くなっているものの、2段目の袋詰品12が載置される1段目の袋詰品12の上面を水平に保つことができると共に、4段目の袋詰品12が載置される3段目の袋詰品12の上面を水平に保つことができる。また、所定の姿勢に保たれた1段目の袋詰品12に載置された2段目の袋詰品12も所定の姿勢を保つことができ、2段目の袋詰品12に載置される3段目の袋詰品12についても姿勢を保ち易い。すなわち、各支持手段44,46によって、段積みされた袋詰品12が崩れるのを防止し得る。
【0028】
前記支持手段44,46が袋詰品12の頭部12bを支持した状態で、両押圧体34,34が互いに近接するように移動され、載置面18aに段積みされた袋詰品12が両押圧体34,34により左右両側から同時に押圧される。このように、載置面18aに段積みされた袋詰品12を両押圧体34,34によって両側から同時に押圧する構成とすることで、袋詰品12をバランスよく押圧することができ、押圧体34,34の押圧により段積みされた袋詰品12が崩れ難い。しかも、押圧体34,34によって袋詰品12を押圧する際に支持手段44で袋詰品12の頭部12bを支持しているので、押圧体34,34による押圧によって段積みされた袋詰品12が崩れるのを防止し得る。両押圧体34,34による押圧状態において、袋詰品12の内部で内容物が底部12a側から頭部12b側に移動するから、収容体18内において段積みされた袋詰品12が互いに密に接して隙間なく集合される。ここで、段積みされた袋詰品12は、両押圧体34,34により両側から押圧されることで、中央列の袋詰品12が収容体18の上部開口を介して上方にはみ出すが、第1位置から第2位置に回動された抑え体50が下降することで、中央列の袋詰品12を上方から抑えて収容体18の内部に収める。このように、収容体18からはみ出した袋詰品12を抑え体50で抑えて収容体18の内部に収めることができるので、後述する収容体18の箱10への挿入時に干渉することなく、収容体18から箱10への袋詰品12の受け渡しを確実に行うことができる。収容体18は、その内側形状が袋詰品12を押圧した状態で箱10の内部形状と略同一になるので、両押圧体34,34で押圧された袋詰品12が図9(a)および(b)に示すような集合状態とされる。なお、抑え体50で抑えた状態で押圧体34を動かしても、押圧体34を動かした後に抑え体50を動かしても、押圧体34を動かしつつ抑え体50を動かしてもよい。
【0029】
前記配置手段54が箱搬入コンベヤ20から箱10を受け取り、取出口18bに開口10aを嵌め合わせた状態で箱10を収容体18と移動手段56の移動爪58との間に配置する。移動爪58を収容体18の取出口18bに向けて移動することで、収容体18が開口10aを介して箱10に挿入される。収容体18および移動爪58を回動手段42により第1姿勢から第2姿勢に回動変位することで、移動爪58で箱10の底部を支持された収容体18が箱10に挿入された状態を保ったまま取出口18bが下方を向く。両押圧体34,34を箱10の内面に接する程度に僅かに離間して袋詰品12の押圧状態を少し緩めると共に移動爪58を下降することで、収容体18に段積みされた袋詰品12が自重で箱10の底部に向けて滑り落ちる。なお、支持手段44,46は、取出口18bと反対側に配置されているので、袋詰品12の落下の邪魔にならない。更に移動爪58を下降することで、袋詰品12が詰め込まれた箱10が収容体18から離脱し、下方に位置する箱搬出コンベヤ22のローラ22a間の隙間に移動爪58が没入してローラ22aに箱10が受け渡される。このように、第2姿勢にある収容体18の下方に位置する箱搬送コンベヤ22に袋詰品12が詰め込まれた箱10を移動手段56で受け渡すので、箱10の移動距離を短くできると共に別の搬送手段を設ける必要がなく、箱10を箱詰ユニット16から効率よく次工程に受け渡すことができる。そして、収容体18および移動爪58が第2姿勢から第1姿勢に戻されると共に、両押圧体34,34が受入状態に拡開して、次の袋詰品12の箱詰めに備えられる。
【0030】
このように、箱詰装置によれば、両押圧体34,34により段積みした袋詰品12を押圧して袋詰品12の内容物を均してから袋詰品12を箱10に入れることで、両押圧体34,34の押圧により頭部12b側によっていた内容物が箱10に詰め込まれた際に下側に位置する底部12a側に戻ることで、箱10の内部において袋詰品12,12間の隙間が埋まる。すなわち、図9(b)に示すように、複数の袋詰品12を箱10の内部に隙間なく詰め込むことができる。従って、流通過程での取り扱いによっても、箱10の内部で袋詰品12の姿勢が変わり難く、箱10に詰め込まれた袋詰品12の整列状態を保つことができる。そして、箱詰装置は、粉や粒状、ゲル状、液状等の流動性を有する内容物を袋詰めした袋詰品12を箱10に詰めるのに特に有効である。箱詰装置は、中央列の袋詰品12の頭部12bが隣り列の同じ段における袋詰品12の頭部12bの上方に重なるように段積みしてあるので、押圧体34,34によって押圧した際に中央列の袋詰品12の頭部12bが隣り合う袋詰品12の頭部12bの上方に重なる規則的な密集状態となるように誘導され易く、図9(a)に示すように袋詰品12を整然と箱10に詰め込むことができる。
【0031】
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。なお、以下の変更例に限らず、実施例に記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1)載置面18aに段積みする袋詰品12は、2列または4列以上であっても、2段または3段、あるいは5段以上の多列多段に設定してもよい。
(2)支持手段44,46の数、支持する袋詰品12の段数、袋詰品12を支持する部位等は、袋詰品12の形状や包材の種類などに由来する荷崩れの起こり易さ応じて適宜変更すればよい。例えば、段積みした際に頭部12b側が上方に浮き上がる傾向がある袋詰品12の場合には、支持手段を支持する段の袋詰品の上方に位置させて、当該段の袋詰品12の浮き上がりを防止するようにしてもよい。また、袋詰品12の底部12a側を支持手段で支持してもよい。
(3)上部支持手段44は、袋詰品12の形状や包材の種類などに由来する荷崩れの起こり易さ応じて、上部支持体44aを収容体18内に進入させたり、上部支持体44aを収容体18内に進入させないことを選択できる。
(4)移送手段24としては、ロボットハンドの吸着などによる3つの保持部で、3つの袋詰品12をまとめて収容体18に載置する場合は、各保持部が別々に上下動可能で保持部間の間隔を変更可能であれば、左右の袋詰品12の頭部12bの上に中央の袋詰品12の頭部12bの一部を重ねて載置することが可能である。また、必要に応じて袋詰品12を保持した状態で左右の保持部を回動させて、袋詰品12を水平方向に回動させてもよい。
(5)収容体18において左右の押圧体34,34を移動させるタイミングは異なっていてもよい。また、一方の押圧体34のみが移動し、他方の押圧体34が固定されていてもよい。
(6)移動手段56としては、収容体18を箱10に向けて移動させる構成であってもよい。
(7)移送手段24としては、パラレルリンクロボットに代えて、ピッキングヘッドを三次元移動させることができる産業用ロボット(例えば直交座標形式、水平多関節形式、垂直多関節形式等)を用いることができる。また、ロボットに限られず、三次元の各座標軸に沿って直線移動するようにしてもよい。
(8)配置手段54としては、ロボットに限られず、三次元の各座標軸に沿って直線移動するようにしてもよい。
(9)箱10の内部に収容体18を挿入した際に、押圧体34の外面と箱10の内面との間に所要の隙間が生じるよう押圧体34で袋詰品12を押圧した後、箱10の内部で押圧体34の押圧を緩めて袋詰品12を箱10に詰めるようにしてもよい。
(10)載置面18aは、収容体18における袋詰品12を載置可能な領域の一部であっても、全面であってもよい。
(11)配置手段54は、収容体18の取出口18bと移動手段56の移動爪58の間に箱10を載置する構成であっても、箱10を移動手段56に受け渡す構成であってもよい。
【符号の説明】
【0032】
10 箱,10a 開口,12 袋詰品,12b 頭部(一端部),18 収容体,
18a 載置面,18b 取出口,22 箱搬出コンベヤ(搬出コンベヤ),
24 移送手段,34 押圧体,42 回動手段,44 上部支持手段(支持手段),
50 抑え体,54 配置手段,56 移動手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋詰品(12)が段積みされる載置面(18a)と該載置面(18a)の両側に起立した一対の押圧体(34,34)を有し、載置面(18a)に段積みされた袋詰品(12)の両側を前記押圧体(34,34)で押圧する収容体(18)と、
前記載置面(18a)に袋詰品(12)を横臥させて複数列で段積みする移送手段(24)と、
前記段積みされた袋詰品(12)を下方に抑える抑え体(50)と、
前記段積みされて押圧された袋詰品(12)を取り出す前記収容体(18)の取出口(18b)に、箱(10)の開口(10a)が向くよう該箱(10)を配置する配置手段(54)と、
前記取出口(18b)側に配置された箱(10)と収容体(18)とが接離するよう、箱(10)と収容体(18)とを相対的に移動させる移動手段(56)と、
前記収容体(18)内に進入して、前記段積みされる袋詰品(12)における前記箱(10)が配置される側とは反対側となる一端部(12b)を支持して、袋詰品(12)の姿勢を保つ支持手段(44)と、
前記袋詰品(12)が段積みされる第1姿勢と前記取出口(18b)が下方を向く第2姿勢との間で前記収容体(18)を回動可能に支持し、該第1姿勢および該第2姿勢に回動する回動手段(42)とを備え、
前記移動手段(56)により前記箱(10)に挿入された前記収容体(18)を回動手段(42)により第2姿勢に回動して、前記押圧された袋詰品(12)を箱(10)に詰め込むよう構成した
ことを特徴とする箱詰装置。
【請求項2】
前記支持手段(44)が前記一端部(12b)を支持した状態で、前記押圧体(34,34)が袋詰品(12)を押圧することを特徴とする請求項1記載の箱詰装置。
【請求項3】
前記載置面(18a)には、特定列の袋詰品(12)の一端部(12b)が隣り列の同じ段における袋詰品(12)の一端部(12b)より上方に位置するよう袋詰品(12)が段積みされることを特徴とする請求項1または2記載の箱詰装置。
【請求項4】
前記抑え体(50)は、前記収容体(18)からはみ出した袋詰品(12)を収容体(18)の内部に向けて抑え得るよう、収容体(18)に対して進退移動可能に配設されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の箱詰装置。
【請求項5】
前記一対の押圧体(34,34)は、前記段積みされた袋詰品(12)を両側から同時に押圧することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の箱詰装置。
【請求項6】
前記移動手段(56)は、前記袋詰品(12)が詰め込まれた箱(10)を前記第2姿勢にある収容体(18)の下方に位置する搬出コンベヤ(22)に受け渡すことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の箱詰装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−18519(P2013−18519A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153265(P2011−153265)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】